説明

集合玄関機

【課題】 カバーの強度を高めると共に、壁面取付時の美観を向上させることを目的とする。
【解決手段】 壁内に埋め込まれる本体3と、その本体の露出部分を覆うように取り付けられる略方形状のカバー2とを備える集合玄関機1において、カバー両側の対向する二辺に壁側Wに向かって傾斜したテーパ面2gを設けた。
集合玄関機1の側部、壁面Wから突出している部分を横方向から見た場合に、壁面Wからのカバー2の突出量を視覚的に小さくすることができる。このため、壁Wとの一体感をもたすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、集合玄関機に関する。
【背景技術】
【0002】
集合住宅等において共同玄関扉等の手前に設置される集合玄関機は、訪問者が訪問先の住戸番号を入力したり、或いは住戸者が自動開錠装置の開錠用暗証番号を入力したりするためのテンキー装置を備えている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3030720号公報 図5は従来の集合玄関機で、テンキー装置8以外に、スピーカ7、呼出釦9、住戸番号表示部10、逆マスターキー挿入口11及び図示しないマイクを備えている。集合玄関機の筐体は、箱状の本体3と、その本体3の表側に取り付けらる薄板状のカバー4とから構成されている。図6に示すように、集合玄関機は、壁W内に設けられた埋込ボックス1に取り付けられて、本体3部分が壁W内に埋め込まれるようになっている。そして壁面からカバー4部分のみが突出するようにして、壁Wに取り付けられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の集合玄関機のカバーは、壁面取付時においては、カバー部分のみが壁面から突出しているので、美観上、好ましくない。カバーの壁面からの突出量を少なくするために、カバーの厚みを小さくすることも考えられるが、この場合には、カバーの強度が弱くなり、外力などによりカバーが変形してしまう恐れがある。
【0004】
そこで、本発明は、カバーの強度を高めると共に、壁面取付時の美観を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、壁内に埋め込まれる本体と、該本体の露出部分を覆うように取り付けられる略方形状のカバーとを備える集合玄関機において、
カバー両側の対向する二辺に壁側に向かって傾斜したテーパ面を設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
この発明によれば、カバー両側の対向する二辺に壁側に向かって傾斜したテーパ面を設けたので、側面方向から見た場合、壁面からのカバーの突出量を視覚的に小さく見せるができる。このため、壁との一体感をもたすことができ、取付時における美観を向上させることができる。
【0007】
また、カバー両側を傾斜させた形状とすることで、カバーに外力がかかっても、従来の平板形状のものに比べ強度を増すことができ、外力による変形を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
この発明の実施の形態を添付図1乃至図4に基づき説明する。なお、図1は、この発明の集合玄関機を構成するカバーと本体との分解図であり、図2は、本体にカバーを取り付けた状態を示す斜視図である。図3は壁面に取り付けた集合玄関機の上面図で、図4はカバーを背面側から見た斜視図である。
【0009】
図1において、1は集合玄関機であり、壁内に埋め込まれる本体3と、その本体3の露出部分を覆うように取り付けられる略方形状のカバー2とからなる。本体3には、スピーカボックス4に隣接してテンキー装置本体5が組み付けられている。テンキー装置本体5は、基板上に受動部の一例としてのラバーボタン5aを所定の数及び配置で載置してなる。本体3は、図3に示すように箱体3cとその前方(上側)に略鍔状に設けられた前板3dとから構成され、本体の箱体3cが壁W内に埋め込まれ、壁W前方の壁面に前板3dが当接するようになっている。
【0010】
図2、図3において、カバー2の中央には、アクリルパーツが設けられ、その下方にスピーカの音響溝やキートップ部6(操作部)が設けられる。カバー2の左右両端から少し離れた所(例えば、約2cm)に縦方向に折り曲げ部2fが形成され、この折り曲げ部2fを基にして、カバー2両側の対向する二辺、つまり左右の側部を、壁W側方向に向かって傾斜させた形状にして、カバー2の両側にテーパ面2gが設けられる。
【0011】
折り曲げ部2fは、カバー2の表面において、正面視で略長方形の長さ方向に線が入ったように見え、感覚的に縦長にスリムに見えるので、美観的な作用もある。カバー2の傾斜角度(折り曲げ角度)は適宜調整されるが、この実施形態では、本体3の前板3dとカバー2のテーパ面2gの先端を結んだ角度θがほぼ11度になるように形成されている。また、カバー2の厚みがほぼ半分になるところでまでテーパ面2gが設けられ、テーパ面2gの端部は本体3側に直角に曲げられて側壁2hを構成している。
【0012】
なお、カバー2は、上下方向にも上面2j、下面2kを有し、両側壁3fと合わせて、本体2の表側を覆う周壁状になっている。そして、カバー2は、例えば樹脂成型によって一体的に安価に製造できる。
【0013】
図4に示すように、カバー2は、テンキー装置本体5より分離して設けられると共に、カバー2の裏面2b側に取り付けられるキートップ部6を有している。キートップ部6は、所定の数のキートップ6aと、各キートップ6aを所定の配置で保持する取付ベース7と、取付ベース7をその裏面側より保持する押さえ板8とからなる。
【0014】
カバー2には、その裏面2b側に螺子で取り付けた操作パネルにキートップ取付部2cが設けられており、キートップ取付部2cには、各キートップ6aの数、大きさ、及び配置に対応してキートップ用通孔部2dが形成されている。キートップ部6は、各キートップ6aをキートップ用通孔部2dを介してカバー2の表面2aより外部に突出させた状態で、カバー2のキートップ取付部2cに取り付けられており、押さえ板8がカバー2のキートップ取付部2cに螺子8c止めされることにより固定される。
【0015】
このように、各キートップ6aを、テンキー装置本体5より分離して設けると共に、カバー2の裏面2b側に取り付けるものとすることで、カバー2を本体3へ取り付ける際に、各キートップ6aの位置合わせの作業をする必要をなくすことができるので、カバー2の本体3への取付作業を容易にすることができ、それにより、集合玄関機1の組立作業を容易にすることができることから、集合玄関機1の施工作業及びメンテナンス作業を容易にすることができる。
【0016】
この発明によれば、カバー2両側の対向する二辺に壁W側に向かって傾斜したテーパ面2gを設けたので、集合玄関機1の壁面取付時において、集合玄関機1を側面方向から見た場合、例えば、壁側に立って、集合玄関機1の側部、つまり壁面Wから突出している部分を横方向から見た場合に、壁面Wからのカバー2の突出量を視覚的に小さくすることができる。このため、壁Wとの一体感をもたすことができ、取付時における美観を向上させることができる。
【0017】
また、カバー2両端を傾斜させた形状とすることで、カバー2に外力がかかっても、従来の平板形状のものに比べ強度を増すことができ、外力による変形を防止することが可能となる。
【0018】
なお、カバー2の材質は、樹脂製でも金属製でもよく、金属製の場合には、折り曲げ部2fを基にして、カバー2両側の対向する二辺、つまり左右の側部を、壁W側方向に向かって折り曲げることで、カバー2の両側にテーパ面2gを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】集合玄関機のカバーと本体との分解図である。
【図2】集合玄関機の斜視図である。
【図3】集合玄関機のカバーの背面側からみた斜視図である。
【図4】集合玄関機の壁面取付時の上面図である。
【図5】従来の集合玄関機1の正面図などである。
【図6】従来の集合玄関機の壁面取付時の断面図である。
【符号の説明】
【0020】
1 集合玄関機、2 カバー、2a 表面、2b 裏面、
2c キートップ用取付部、 2d キートップ用通孔部、
2f 折り曲げ部、2g テーパ面、 2h 側壁、
2j 上面、 2k 下面、 3 本体、 3c 箱体、
3d 前板、 4 スピーカボックス、 tt
4a 受圧部、 5 テンキー装置本体、5a ラバーボタン、
5b 基板、 5c スイッチ部、 6 キートップ部、
6a キートップ、 7 取付ベース、 8 押さえ板、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁内に埋め込まれる本体と、該本体の露出部分を覆うように取り付けられる略方形状のカバーとを備える集合玄関機において、
前記カバー両側の対向する二辺に前記壁側に向かって傾斜したテーパ面を設けたことを特徴とする集合玄関機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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