説明

集積回路カードを使用してリモートサーバからのコンテンツのダウンロードを容易にするための方法および装置

【課題】集積回路カードを使用して、再使用可能コンテンツをサーバから端末に容易にダウンロードできるようにすること。
【解決手段】本発明装置は、サーバが再使用可能コンテンツを端末にダウンロードできるようにするために、リモートサーバ106に結合された端末102と、インターフェース回路116を介して端末102に結合された集積回路カード104を備える。端末102は、サーバ106からコンテンツをダウンロードするための処理を行うCPU114と、ダウンロードされたコンテンツを受け取るためのメモリ126と、集積回路カードインターフェース回路116を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に電子データの転送に関する。より詳細には本発明は、集積回路カードを使用して、ユーザが再使用可能なコンテンツをリモートサーバから容易にダウンロードできるようにするための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ソフトウェア著作権の侵害またはソフトウェアアプリケーションの違法コピーは、よく言われる問題である。顧客はディスクセットまたはCD−ROMでソフトウェアアプリケーションを購入後、ソースディスクまたはCD−ROMを他人に提供することができる。この他人がソフトウェアアプリケーションを自分のコンピュータにコピーしてしまうと、ソフトウェアの出版元は潜在的売上を失うことになる。
【0003】
このソフトウェアの著作権侵害問題を悪化させたのが、ローカル端末とリモートサイトとの間での情報転送機能を向上させた、同報通信ネットワークなどのコンピュータネットワークである。何百万というユーザがこうしたネットワークを使用して、ケーブルテレビを見たりインターネットで他のユーザと通信することなどができるようになった。このような同報通信ネットワークは、ネットワークを介してソフトウェアおよび他のコンテンツ配信を容易にする。ただし、多数のユーザを抱える同報通信ネットワークでは、コンテンツをダウンロードする権限を付与することは、それほど単純な作業ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、同報通信ネットワーク環境でソフトウェアアプリケーションを市場に出し配信するために、安全なテクニックを提供する方法および装置を提供することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、集積回路カードを使用して、サーバ上に保持されている再使用可能コンテンツを端末に容易にダウンロードできるようにするための方法およびその装置を提供することによって、従来技術に関連付けられた欠点を克服するものである。このような再使用可能コンテンツには、ユーザが格納し自分で再使用できる任意のデータファイル、マルチメディア情報、アプリケーションソフトウェアなどが含まれる。コンテンツの期間または有用性は、制限される場合とされない場合とがある。
【0006】
詳細には、この方法には、スマートカードなどの集積回路カードに格納された受給資格(entitlement)が、サーバから特有の再使用可能コンテンツを受け取るのに適正なものであるかどうかを検証するステップと、受給資格が適正であれば、サーバから端末内のメモリにコンテンツをダウンロードするステップとが含まれる。
【0007】
この装置は、通信ネットワークを介してリモートサーバに結合された端末を備える。端末は、サーバから特有の再使用可能コンテンツをダウンロードするための処理を行う処理装置と、ダウンロードされたコンテンツを格納するためのメモリと、スマートカードと、適切なスマートカードがインターフェース内に挿入されている場合にサーバが特定のコンテンツを端末にダウンロードできるようにするためのインターフェース回路とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】安全な再使用可能コンテンツをダウンロードするためのシステムを示すハイレベル構成図である。
【図2】図1のシステムを使用して、再使用可能コンテンツをダウンロードするためのルーチンを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面と共通の同一要素には、可能であれば、理解しやすいように同一参照番号が使用されている。
【0010】
図1は、サーバ106から安全な再使用可能コンテンツをダウンロードするための、集積回路カード104(例えばスマートカード)を使用するシステム100を示すハイレベル構成図である。システム100は少なくとも、端末102、スマートカード104、リモートサーバ106、コンピュータネットワーク108、入力デバイス110、および出力デバイス112を備える。スマートカード104およびそのインターフェースは、一般に、ISO標準7816に準拠している。ただし本発明は、他の標準に準拠した「スマートカード」を使用しても首尾良く実施することができる。
【0011】
システム100には、使用されるコンピュータネットワーク108のタイプによって異なる、2つの一般的な実施形態がある。第1の実施形態では、コンピュータネットワーク108は、リモートサーバ106から端末102にアドレス指定された特有のユーザコンテンツを端末102が受け取るようなポイントツーポイントネットワークを備える。第2の実施形態では、コンピュータネットワーク108は、リモートサーバ106から複数の端末に向けて同時に送信されるソフトウェアまたは再使用可能コンテンツを端末102が受け取るような、同報通信ネットワークを備える。どちらの実施形態のユーザも、ソフトウェアまたは他の再使用可能コンテンツをリモートサーバ106からダウンロードすることができる。ソフトウェアまたは再使用可能コンテンツは、暗号化されている場合とされていない場合がある。さらに再使用可能コンテンツには、ユーザが格納して再使用する、任意のデータファイル、マルチメディア情報などが含まれる。コンテンツは、制限付き方法または制限付きでない方法のどちらでも再使用することができる。
【0012】
端末102は、一般に、中央処理装置(CPU)114、サポート回路116、およびメモリ118を備える。端末102は、セットトップ端末(一般にセットトップボックスとも呼ばれる)、コンピュータ端末、あるいはスマートカード104またはネットワーク上で使用可能な再使用可能コンテンツへの条件付きアクセスを容易にする他の同等の条件付きアクセスデバイスを受け取ることができる任意の他のデバイスを備えることができる。これらのタイプの端末102は、それぞれ、同報通信ネットワークまたはポイントツーポイントネットワーク108で使用することができる。
【0013】
端末102は、ネットワーク108を介してリモートサーバ106に結合される。より詳細には、端末102は信号パスS1を介してネットワーク108に結合され、ネットワーク108は信号パスS2を介してサーバ106に結合される。ネットワーク108は、システム100の実施形態によって、典型的には同報通信ネットワークまたはポイントツーポイントネットワークである。サーバ108は、ダウンロードに使用可能なソフトウェアアプリケーションまたは他の再使用可能コンテンツのソースである。
【0014】
信号パスS1およびS2の物理的実施には、電話回線、同軸ケーブル(coax)、光ファイバ、またはハイブリッドファイバ同軸ケーブルシステムが含まれるが、これらに限定されるものではない。さらに、様々なインターフェースデバイスが、信号パスS1に沿って端末102とネットワーク108を結合することができる。これらのインターフェースデバイスの例には、デジタル加入者回線(DSL)モデム、ケーブルモデム、衛星放送受信機、マイクロ波受信機、ワイヤレスモデム、およびケーブルチューナを含むことができるが、これらに限定されるものではない。したがって、システム100は、信号パスS1を介して端末102とネットワーク108との間で、並びに信号パスS2を介してネットワーク108とサーバ106との間で、データ信号およびコントロール信号を伝送する。
【0015】
端末102は、信号パスS3を介して入力デバイス110に結合され、信号パスS4を介して出力デバイス112に結合される。入力デバイス110および出力デバイス112のタイプは、システム102の実施形態によって異なる。例えば、端末102がコンピュータ端末の場合、入力デバイス110はキーボードおよびマウスを備えることが可能であり、出力デバイス112はコンピュータモニタを備えることが可能である。端末102がセットトップ端末の場合、入力デバイス110はチャネルセレクタまたはリモートコントロールデバイスを備えることが可能であり、出力デバイス112はテレビジョンセットを備えることが可能である。信号パスS3およびS4は、基本的なテレビジョンまたはコンピュータケーブルで物理的に実施されるものであり、端末102と入力デバイス110との間、並びに端末102と出力デバイス112との間で、コントロール信号およびデータ信号を搬送する。
【0016】
端末102は、サポート回路116中のコネクタを介してスマートカード104を受け取る。データ転送レベルでは、サポート回路116は信号パスS5を介してスマートカード104と結合する。スマートカード104には、受給資格(entitlements)を格納するためのデータベース126またはメモリが含まれる。一般に「受給資格管理メッセージ」(EMM)として知られている受給資格は、特定のダウンロード可能ソフトウェアアプリケーションまたは他の再使用可能コンテンツに関連付けられている。各受給資格は、ソフトウェアアプリケーションまたは他の再使用可能コンテンツを端末102にダウンロードするための将来の権利を表す。あるいは、各受給資格は、同報通信ネットワーク108を介して伝送された事前に暗号化されたソフトウェアまたは再使用可能コンテンツを、復号および/または使用する権利を表すことができる。したがって、これらの受給資格は、リモートサーバ106からのソフトウェアアプリケーションをマーケティングおよび配信する際のセキュリティを提供する。
【0017】
一般に受給資格は、対応するソフトウェアアプリケーションまたは他の再使用可能サーバコンテンツよりも占有するデータベース126が少なく、各スマートカード104は多くの異なる受給資格を格納することができる。受給資格は、対応するアプリケーション122または他の再使用可能コンテンツをダウンロードする前に、スマートカード104にロードされる。例えば、スマートカード104は、スマートカード104の購入時に付属された事前にロードされた受給資格を含むことができる。あるいは、スマートカード104はブランクのスマートカードである。この場合、ユーザは、単一のスマートカード104を使用して、対応するアプリケーション122または他の再使用可能コンテンツをオンラインで購入する際に、リモートサーバ106から受給資格をダウンロードしなければならない。これにより、ユーザは単一のスマートカード104を使用して、潜在的に何百ものソフトウェアアプリケーションまたは他の再使用可能サーバコンテンツをダウンロードすることができるので、かなりのフレキシビリティが与えられる。
【0018】
本発明の範囲内で、様々なタイプの受給資格が企図されている。第1に、ソフトウェアまたは再使用可能コンテンツの使用を容易に制限することができるタイプの受給資格がある。例えばこの受給資格は、ソフトウェアが所定回数使用された時点で、または例えば24時間などの一定期間が経過した時点で満了とすることができる。他のタイプの受給資格では、ダウンロードされたコンテンツの使用に無制限のライセンスを与えることを容易にする。この場合、いったんアプリケーション124が端末102にダウンロードされてしまえば、使用に際しての制限はない。さらに他のタイプの受給資格およびその適用例が企図されており、本発明の範囲内であるものと考えられる。
【0019】
CPU114は、一般に端末102のデータ信号およびコントロール信号を処理する。したがってCPU114は、メモリ118、リモートサーバ108、スマートカード104、入力デバイス110、および出力デバイス112の間でデータ信号およびコントロール信号を処理する。CPU114の的確なタイプは、システム100の実施形態によって異なる。CPU114は、信号パスS6を介してメモリ118と結合し、信号パスS7を介してサポート回路116と結合する。信号パスS6およびS7は、データ信号およびコントロール信号を含むことが可能であり、CPU114とメモリ118との間、並びにCPU114とサポート回路116との間では、双方向に信号が移動する。
【0020】
サポート回路116はインターフェース回路とも呼ばれ、CPU114とスマートカード104、入力デバイス110、出力デバイス112、およびリモートサーバ106とをインターフェースさせる。サポート回路116には、一般に、データバス、コントロールバス、スマートカードドライブ、ネットワークインターフェースモジュール、入力ポート、および出力ポートを含む様々な構成要素が含まれる。サポート回路116は一般に、スマートカード104、端末102、およびリモートサーバ106の間で、データ信号およびコントロール信号を効率よく転送させるものである。
【0021】
メモリ118は、端末102内で様々なソフトウェアモジュールを格納する。メモリは、RAM、ROM、またはこれらの組合せを含むことができる。ソフトウェアモジュールは、スマートカードマネージャ120、アプリケーションプログラム122、およびアプリケーションランチャ124を含むことができる。オペレーティングシステムなどの他のよく知られたソフトウェアモジュールも含まれるが、図1には示されていない。
【0022】
スマートカードマネージャ120は、リモートサーバ106からメモリ118へのソフトウェアのダウンロードを調整(coordinate)する。さらに重要なことに、スマートカードマネージャ120はスマートカード104からの「受給資格」を処理する。ユーザはこの受給資格を使用して、ソフトウェアアプリケーション122または他の再使用可能コンテンツをサーバ106からダウンロードするか、または事前に暗号化されたソフトウェアアプリケーション122を復号することができる。スマートカードマネージャ120は一般に、端末102が特定のアプリケーションをサーバ106からダウンロードする権限を与えられているかどうかを判定するために、スマートカード104内のデータベース126中にある受給資格情報を処理する。さらに、スマートカードマネージャ120は、対応するソフトウェアアプリケーション124または他の再使用可能コンテンツをオンラインで購入する際に、受給資格のダウンロードを調整(coordinate)することができる。
【0023】
スマートカードマネージャ120は、事前に暗号化されたソフトウェアアプリケーション122の復号を処理することができる。スマートカードマネージャ120は、ソフトウェアアプリケーション122をメモリ118にダウンロードする際、アプリケーション122を「実行中に」復号することが可能である。この状況では、どんなユーザでも同報通信ネットワーク108を介して暗号化されたアプリケーション122をダウンロードすることができるが、アプリケーション122を復号してこれを使用することができるのは受給資格を有するユーザだけである。あるいは、スマートカードマネージャ120は、アプリケーション122の暗号化されたバージョンを事前にメモリ118にダウンロードしておき、その後これを復号することができる。この場合、スマートカードマネージャ120は、データベース126内にある特定アプリケーション122に関するすべての受給資格が使い尽くされるまで、アプリケーション122を復号してこれを使用することができる。
【0024】
アプリケーション122は、リモートサーバ106からダウンロードされた、特定のソフトウェアプログラムまたは他の再使用可能サーバコンテンツである。アプリケーション122は、ワードプロセッシング、バンキング、クレジット、および株式売買などのソフトウェアアプリケーション、あるいはムービーなどの同報通信ビデオを含むことができるが、これらに限定されるものではない。通常、アプリケーション122は、いったんダウンロードされるとメモリ118に格納される。アプリケーション122には、ユーザが格納および再使用可能な任意のデータファイル、マルチメディア情報、ソフトウェアなどが含まれる。アプリケーション122の期間または有用性は、制限される場合とされない場合とがある。
【0025】
アプリケーションランチャ124は、アプリケーション122を実行または開始するものである。アプリケーションランチャ124は、スマートカードマネージャ120とリンクして、アプリケーションソフトウェア122の妥当性を判定することが可能であり、これは暗号化するか他の方法で保護することができる。アプリケーションランチャ124の変形例には、ユーザが出力デバイス112上に表示されるアイコンを使用してアプリケーションランチャ124を開始することができるか、またはスマートカードマネージャ120がアプリケーションランチャ124を開始することができるものがある。
【0026】
図2は、図1のシステム100を使用してソフトウェアまたは何らかの他の再使用可能サーバコンテンツをダウンロードするためのルーチン200を示す流れ図である。ルーチン200は、システム100の動作を表すものであって、ユーザがスマートカード104を取得するステップ210から始まる。ユーザは、小売購入するかまたはサービスプロバイダを介して、このスマートカード104を取得することができる。
【0027】
スマートカード104には、様々なソフトウェアアプリケーション122または他の再使用可能サーバコンテンツに関連付けられた受給資格を受け取り、これを格納するためのデータベース126が含まれる。それぞれの受給資格または受給資格管理メッセージ(EMM)は、システム100がダウンロードできる、特定のアプリケーション122または再使用可能コンテンツに固有のものである。受給資格は、リモートサーバ106からアプリケーション122または再使用可能コンテンツをダウンロードするための許可をユーザに与えることができる。あるいは、受給資格は、同報通信ネットワーク108を介してサーバ106から伝送された、事前に暗号化されたアプリケーション122または再使用可能コンテンツを、ユーザが復号できるようにすることが可能である。
【0028】
スマートカード104の一変形例は、ソフトウェアアプリケーション122または他の再使用可能コンテンツに対する受給資格の受取りが可能な、「ブランク」スマートカード104を含むことができる。この受給資格は、リモートサーバ106からスマートカード104にダウンロードされる。スマートカード104の他の変形例は、特定のソフトウェアアプリケーションまたは他の再使用可能コンテンツの、事前にロードされた受給資格を含むことができる。
【0029】
ルーチン200のステップ220で、ユーザはスマートカード104を端末102に挿入する。このステップでは、ユーザが既に端末102を起動し、ネットワーク108またはインターネット接続を介してこの端末102をリモートサーバ106に結合しているものと想定する。したがってこのステップ220では、端末102およびネットワーク108を介して、スマートカード104をリモートサーバ106に結合する。
【0030】
このルーチン200はステップ230に進み、ここでユーザは購入またはダウンロードのために特定のアプリケーション122を選択する。ユーザは、ブランクまたは事前にロードされたスマートカード104を使用して、アプリケーション122または他の再使用可能コンテンツを購入することができる。ブランクまたは事前にロードされたスマートカード104に、現時点でアプリケーション122の正しい受給資格が含まれていない場合、ユーザは、アプリケーション122または他の再使用可能コンテンツに関連付けられた正しい受給資格を取得する前に、アプリケーション122または他の再使用可能コンテンツを購入しなければならない。アプリケーション122に関連付けられた正しい受給資格がスマートカード104に含まれている場合、ユーザは、リモートサーバ106からアプリケーション122または他の再使用可能コンテンツをダウンロードすることができる。
【0031】
ルーチン200のステップ240では、スマートカードマネージャ120は、スマートカード104が所望のアプリケーション122またはコンテンツに関連付けられた正しい受給資格を含むかどうかを判定するために、スマートカード104内にあるデータベース126を読み取る。スマートカード104がアプリケーション122に関する受給資格を含んでいれば、ルーチン200はステップ250に進む。これは、スマートカード104に、所望のアプリケーション122または再使用可能コンテンツに関する受給資格が事前にロードされている場合に可能となる。ただし、スマートカード104がアプリケーション122の受給資格を含んでいない場合、ルーチン200はステップ260に進む。したがって、ルーチン200は、スマートカード104がブランクであるか、または所望のアプリケーション122に関する受給資格を含んでいない場合に、ステップ260に進む。
【0032】
ステップ250では、スマートカードマネージャ120は、受給資格が満了しているかどうかを判定する。このような満了日は、特定月中に使用可能なソフトウェアアプリケーションまたはビデオの試用バージョンまたはシェアウェアバージョンで使用することができる。再使用可能コンテンツがビデオの場合、受給資格は、ビデオの視聴を特定期間中に限定することができる。受給資格が満了すると、ルーチン200はステップ260に進む。受給資格が満了していないか未だアクティブな場合、ルーチン200はステップ270に進み、ユーザはアプリケーション122をダウンロードすることができる。
【0033】
したがって、データベース126内にある受給資格が所望のアプリケーション122または再使用可能コンテンツに関するものでない場合、あるいは受給資格が満了しているか、またはもはや活動していない場合、ルーチン200はユーザに対して、ステップ260でアプリケーション122または再使用可能コンテンツを購入するように要求する。ただし、この受給資格が所望のアプリケーション122または再使用可能コンテンツに関するものであり、アクティブな場合、ルーチン200は、ステップ270でユーザが所望のアプリケーション122または再使用可能コンテンツをダウンロードできるようにする。
【0034】
ステップ260で、ルーチン200は、ユーザがアプリケーション122の購入を希望するかどうかを判定する。このメッセージは、一般に出力デバイス112上でユーザに対して表示される。ユーザがアプリケーション122または他のコンテンツを購入することを決めると、ルーチン200はステップ280に進む。ユーザがアプリケーション122または他の再使用可能コンテンツを購入しないと決めた場合、ルーチン200はステップ300に進み、ユーザはアプリケーション122に関する受給資格を取得できなくなる。
【0035】
ステップ280で、ユーザは、例えばクレジットカードまたは何らかの他の支払い方法を使用して、アプリケーション122を購入する。次いでルーチン200はステップ290に進み、ユーザはサーバ106からスマートカード104のデータベースに受給資格をダウンロードする。スマートカード104に受給資格がダウンロードされると、ルーチン200はステップ270に進み、ユーザがアプリケーション122のダウンロードを所望するかどうかを判定する。
【0036】
ユーザがアプリケーション122をダウンロードすると決めた場合、ルーチン200はステップ310に進む。ユーザがアプリケーション122をダウンロードしないと決めた場合、ルーチン200はステップ300に進み、その後サーバ104がアプリケーション122を端末102のメモリ118にダウンロードすることはない。
【0037】
ステップ310では、ルーチン200は一般に、端末102内のメモリ118がアプリケーション122または他の再使用可能コンテンツを受け取るのに十分であるかどうかを判定する。メモリ118がアプリケーション122を受け取るのに十分であれば、ルーチン200はステップ320に進む。ただし、アプリケーション122を格納するかまたは受け取るのに十分なメモリ118がない場合、ルーチン200はステップ300に進み、ユーザはアプリケーション122をダウンロードすることができない。
【0038】
ステップ320では、スマートカードマネージャ120はスマートカード104のデータベース126から受給資格を除去する。この除去の性格は、受給資格のタイプによって異なる。典型的なソフトウェアのダウンロードの場合、スマートカードマネージャ120はアプリケーション122に関する受給資格を除去するだけである。ただし、システム100が特定回数のビデオ視聴を含む場合、スマートカードマネージャは現在の使用回数を反映するように受給資格を調整(adjust)する。したがって、スマートカードマネージャ120は受給資格をすべてまたは部分的に除去することができる。このステップ320の後、ルーチン200はステップ330に進み、スマートカードマネージャ120が、アプリケーション122または他の再使用可能コンテンツを、サーバ106から端末102のメモリ118にダウンロードする際の処理を行う。アプリケーション122が暗号化形式の場合、スマートカードマネージャ120は、アプリケーション122をメモリ118にダウンロードする際に復号することができる。
【0039】
ルーチン200が完了した後、ユーザはアプリケーション122または他の再使用可能コンテンツを使用したり視たりすることができる。ユーザは、アプリケーション122を開始または実行するアプリケーションランチャ124をアクティブにする。ユーザは、出力デバイス112上のアイコンを選択して、このアプリケーションランチャ124をアクティブにすることができる。あるいはスマートカードマネージャ120が、アプリケーションランチャ124を自動的に開始することができる。
【0040】
以上、本明細書では、本発明の教示を組み込んだ様々な実施形態について図示および記載してきたが、当分野の技術者であれば、これらの教示を組み込んだ多くの他の変形形態を容易に考案することができよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICカードを使用してサーバから端末へのコンテンツのダウンロードおよび利用を容易にするための方法であって、
前記端末のインターフェースデバイスを介して、前記ICカードを前記端末の中に収容するステップと、
前記端末を介して、前記サーバから供給されるコンテンツを選択する入力を受け取るステップと、
前記インターフェースデバイスに接続された前記端末内のプロセッサが、該選択したコンテンツをダウンロードして利用する将来の権利を表す、前記ICカードに含まれた受給資格が、該選択したコンテンツを受け取るのに適正なものであることを検証するステップと、
前記端末の受信デバイスが、該検証に応じて、該選択したコンテンツを、前記端末を介して前記サーバから受け取るステップと、
該受け取ったコンテンツを、前記ICカードとは別個の、前記端末のメモリにストアするステップと、
前記プロセッサが、該ストアしたコンテンツの二回目の利用が試みられたときに、前記受給資格が、該ストアしたコンテンツの二回目の利用に適正なものであることを検証するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記選択したコンテンツはソフトウェアアプリケーションであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記選択したコンテンツはビデオコンテンツを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ICカードは、前記ストアしたコンテンツの前記二回目の利用を許可する、事前にロードされた受給資格を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記受給資格は前記サーバから前記ICカードにロードされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記サーバから供給される前記選択したコンテンツの一部が暗号化されており、さらに、
前記サーバから供給される前記選択したコンテンツの該暗号化部分を、前記選択したコンテンツの利用と二回目の利用のうち一つが試みられたときに、前記受給資格の機能として解読するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記受給資格が利用されて前記選択したコンテンツをダウンロードした後、前記ICカード上の受給資格データベースを更新するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記選択したコンテンツを受け取るのに適正なものであることを検証する前記ステップは、
前記受給資格をダウンロードするステップと、前記受給資格を前記ICカードにストアするステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
サーバからコンテンツをダウンロードして利用するための装置であって、
通信するように前記サーバに結合され、および、前記サーバから最利用可能なコンテンツを受け取るのに適合した受け取り回路と、
ICカードを収容するのに適合したICカードインターフェースと、
前記ICカードとは別個のメモリと、
前記受け取り回路、前記ICカードインターフェース、および前記メモリに結合されたプロセッサを備え、
該プロセッサは、前記サーバからの前記コンテンツが、該コンテンツをダウンロードして利用する将来の権利を表す受給資格情報であって前記ICカードインターフェースを介して前記ICカードから受け取った受給資格情報に応じて受け取られて前記メモリにストアされることを可能にし、
該プロセッサは、前記メモリにストアされた前記コンテンツの二回目の利用を、前記ICカードインターフェースを介して前記ICカードから受け取った前記受給資格情報に応じて可能にすることを特徴とする装置。
【請求項10】
前記コンテンツが暗号化されており、さらに、
前記メモリに結合された解読モジュールであって、前記ICカードインターフェースを介して前記ICカードから受け取った前記受給資格情報に応じて前記コンテンツを解読するのに適合した解読モジュールを備えることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記コンテンツは、ソフトウェアアプリケーションとビデオコンテンツのうち一つを含むことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、前記受け取り回路を介して受け取った新しい受給資格情報を、前記ICカードインターフェースを介して前記ICカードへ送信させるのに適合していることを特徴とする請求項11に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−9068(P2012−9068A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−198716(P2011−198716)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【分割の表示】特願2001−511647(P2001−511647)の分割
【原出願日】平成12年7月13日(2000.7.13)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】1−5, rue Jeanne d’Arc, 92130 ISSY LES MOULINEAUX, France
【Fターム(参考)】