説明

雷予測機能付携帯端末

【課題】利用者の現在位置に即して雷発生の危険性を予測し、迅速に利用者に雷発生の危険性を警告することができる携帯端末の提供を目的とする。
【解決手段】複数の周波数について、基地局から送信される信号のエラーの発生の有無を検証し、複数の周波数において、信号にエラーが発生している場合に、利用者に警告を発する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、局所的な雷発生を予測する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、雷の発生を予測する様々な技術が開示されているが、その一例として、特許文献1には、空気中の電界強度の変化を利用して、雷の発生を予測する技術が開示されている。
また、雷に関する情報を、各利用者が取得する技術として、特許文献2には、気象情報を提供するサーバと、クライアントからなる地域関連情報提供システムについて開示されている。このシステムでは、クライアントは、インターネット経由でサーバにアクセスして、雷の予報に関する情報を取得し、取得した情報から、利用者の指定した地域に係る部分を抽出して表示する。
【特許文献1】特開2003-28968 号公報
【特許文献2】特開2003-66160号公報
【非特許文献1】次世代コードレス電話システム 標準規格 4.1版 社団法人電波産業会
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献2の技術によると、利用者の操作を契機として、サーバ装置にアクセスして情報を取得するため、雷発生の危険が迫っているときに、利用者に適切に警告できない場合がある。加えて、特許文献1の雷の予測方法は、広い範囲での雷発生を予測するものであるが、実際には、雷は局所的に発生するため、利用者は、現在の自分の存在位置における正確な予測情報を得ることはできないという問題がある。
【0004】
そこで、本発明は、かかる問題を解決するために、利用者の存在する位置における雷の発生を予測し、いち早く利用者に警告することができる携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明は、雷発生の危険性の有無の基準である回数閾値を記憶している記憶手段と、無線信号を受信する受信手段と、前記受信手段の受信した無線信号にエラーが発生しているか否かを判定する判定手段と、前記受信手段の受信する無線信号の受信周波数を変更させる変更制御手段と、前記判定手段及び前記変更制御手段による、判定及び変更を繰り返させる繰返制御手段と、前記繰返しにおいて、前記判定手段によって、エラーが発生していると判定された回数が、前記回数閾値以上の場合に、利用者に雷発生の危険性を報知する報知手段とを備えることを特徴とする携帯端末である。
【発明の効果】
【0006】
無線信号にエラーが発生する原因としては、雷の影響以外にも、干渉波の影響が考えられるが、干渉波の場合は、干渉波を生じている周波数の信号のみにエラーが生じる。これに対して、雷の発生は、幅広い周波数帯域の電波に影響を与える。
上記の構成によると、前記繰返手段は、前記判定手段及び変更制御手段に、前記判定及び周波数の変更を繰り返させ、複数の周波数の無線信号において、エラー発生の有無を判定する。従って、雷発生を正確に予測することができるという優れた効果を奏する。
【0007】
また、外部の機器などによる情報提供に頼らず、携帯端末自身が、雷の発生を予測するので、迅速に利用者に警告を与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
1. 実施の形態1
以下に、本発明の実施の形態1に係る携帯電話100について、図面を用いて説明する。
1.1 概要
本発明の携帯電話100は、一例としてQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式により、音声を含む各種の情報の送受信を行う。
【0009】
携帯電話100の周辺には、複数の基地局が存在し、各基地局は、制御情報及び通話情報を初めとする各種の情報を送受信している。
携帯電話100は、待ち受け状態において、音声及び情報の着信の有無を確認するために、定期的に、基地局からの制御情報を受信する。複数の基地局からの電波を受信可能である場合、携帯電話100は、通常、最も電波の受信状況のよい基地局を選択し、選択した基地局からの制御情報を受信する。
【0010】
携帯電話100の近辺で雷が発生している場合、基地局と携帯電話100との間で送受信される信号は、その影響によって、エラーを生じ易くなる。
受信した制御情報のエラーの発生度合いと、制御情報を含む電波の受信強度を基に、携帯電話100は、雷の発生を予測し、利用者に警告する。
1.2 構成
図1は、本発明の携帯電話100の機能的構成を示した機能ブロック図である。携帯電話100は、アンテナ101、無線部102、ベースバンド部103、制御部104、エラー検出部106、監視判定部107、強度検証部108、音声処理部109、操作部112、表示部113、スピーカ114及びマイク116から構成される。
【0011】
携帯電話100は、具体的には、プロセッサ、ROM、RAMなどを含むコンピュータシステムであって、前記ROM及びRAMにはコンピュータプログラムが記憶されている。前記プロセッサが前記プログラムに従って動作することによって、当該携帯電話100はその機能の一部を達成する。
以下に、携帯電話100の各構成要素について、以下に説明する。
【0012】
(1)アンテナ101、無線部102及びベースバンド部103
アンテナ101、無線部102及びベースバンド部103は、基地局及び移動通信交換機を介して接続された相手の装置との間の、音声又は情報の送受信を行う。また、待ち受け状態では、基地局からの制御情報を受信する。
無線部102は、高周波増幅器、受信ミキサ、送信電力増幅器、送信ミキサ、フィルターなどを含み、アンテナ101を介して受信した信号を選択し、拡散符号を用いて逆拡散して増幅し、ベースバンド部103へ出力する。また、ベースバンド部103から受け取った信号を、拡散符号を用いて拡散し、増幅し、アンテナ101により出力する。
【0013】
ベースバンド部103は、変復調器を含み、無線部102と制御部104との間、及び、無線部102と音声処理部109との間で入出力する各種の信号の処理を行う。
図2は、基地局と携帯電話との間で送受信されるデータの構成を時間の経過に伴って示したものである。
図2(a)に示すように、基地局と携帯電話の間で、1.2秒周期で、同様の構成の情報を送受信することができる。この繰返しの周期、1.2秒間をスーパーフレームと呼ぶ。スーパーフレームは、図2(a)に示すように、12個の下り間欠送信周期に分割される。図2(b)に示すように、各下り間欠送信周期は100msである。
【0014】
各下り間欠送信周期は、図2(b)に示すように、さらに、20個のフレームに分割される。各フレームは、図2(c)に示すように5msである。
各フレームは、図2(c)に示すように、さらに8個のスロットに分割される。図2(c)の横軸の上側に記載されたデータ151、153・・・は、基地局から、その基地局の通信エリア内の携帯電話へ送信されるデータを示しており、横軸下側のデータ152、154・・・は、携帯電話から基地局へ送信される情報を示している。
【0015】
図2(c)の通り、各スロットは、625μsである。8個のスロットのうち、前半の4個に相当する時間には、基地局から、その基地局の通信エリア内の携帯電話への情報の送信が行われ、後半の4個のスロットに相当する時間には、各携帯電話から基地局への情報の送信が行われる。
図2(d)に示すように、各スロットでは、240ビットの情報を送受信することができる。データ151のうち、1番目のスロットにおいて送信される先頭240ビットは、基地局から携帯電話への制御情報161であり、送信元である基地局を一意に示す基地局識別子や着信の有無、新たに着信を受ける携帯電話の識別情報などが含まれている。
【0016】
データ151のうち、2番目〜4番目のそれぞれのスロットにおいて送信される240ビットは、3個の通話情報162、163、164である。各通話情報は、現在通話中の携帯電話に対する音声データを含んでいる。各通話情報は、それそれぞれ個別の携帯電話と対応している。
データ152、153、154もデータ151と同様に、先頭から順に240ビットの制御情報、240ビットずつの3個の通話情報を含んでいる。
【0017】
制御情報を送信する際には、すべての基地局が同一の周波数の電波を用いる。通話情報を送信する際には、スロット(625μs)毎に、他の通話情報の周波数と重複の無いように、異なる周波数の電波を用いる。
ここで、各フレームの先頭及び5番目のスロットの期間に240ビットの情報を送受信することができる通信路を制御チャネル、2〜4番目のスロット及び6〜8番目のスロットにおいて、240ビットのデータを送受信することができる通信路を通話チャネルという。
【0018】
図3は、制御情報161及び通話情報162の構成の一例を示している。図中のカッコ内の数値は、各構成要素に割り当てられるビット長である。
図3(a)に示す通り、制御情報161は、4ビット長のR:ランプビット、2ビット長のSS:スタートシンボル、62ビット長のPR:プリアンブル、32ビット長のUW:同期ワード、4ビット長のCI:チャネル種別、42ビット長の発識別符号、62ビット長のI:情報、16ビット長のCRC:誤り検出情報から構成される。ここでは、62ビット長の情報には、制御情報161の送信元の基地局を示す識別子、各携帯電話への着信の有無を示す情報等が含まれる。
【0019】
CI以降の各構成要素の内容は、送受信の度に異なるが、先頭から96ビットまでの部分は、固定値である。以下この部分を「制御情報の固定部分」と呼ぶ。
通話情報162は、図3(b)に示すように、4ビット長のR:ランプビット、2ビット長のSS:スタートシンボル、6ビット長のPR:プリアンブル、16ビット長のUW:同期ワード、4ビット長のCI:チャネル種別、16ビット長のSA:SACCH、160ビット長のI:情報、16ビット長のCRC:誤り検出情報から構成される。ここでは、160ビット長の情報には、音声データが含まれている。
【0020】
CI以降の各構成要素の内容は、送受信のたびに異なるが、先頭の24ビットは、常に固定値である。以下、この部分を通話情報の固定部分と呼ぶ。
なお、QPSK方式による送受信の方法、データ構成については、非特許文献1に詳細に説明されているので、ここでは簡単な説明に留める。
(2)エラー検出部106
エラー検出部106は、予め、第1固定情報、第1エラー閾値、第2固定情報、第2エラー閾値を記憶している。第1固定情報は、96ビット長のデータであり、上述した制御情報161の先頭の固定部分と同一である。第1エラー閾値は、制御情報にエラーが発生しているか否かを決定する基準値である。
【0021】
第2固定情報は、24ビット長のデータであり、上述した通話情報162の先頭の固定部分と同一である。第2固定情報は、通話情報にエラーが発生しているか否かを決定する基準値である。
待ち受け状態において、エラー検出部106は、アンテナ101、無線部102、ベースバンド部103及び制御部104を介して、基地局から送信された制御情報又は音声情報を受け取る。
【0022】
また、エラー検出部106は、監視判定部107から、エラーの検出に用いるパラメータの変更を指示する変更指示及び、エラー検出に用いるパラメータを元に戻すことを指示する変更解除指示を受け取る。
制御情報又は音声情報の何れかを受け取ると、エラー検出部106は、記憶している第1固定情報と第1エラー閾値、又は、第2固定情報と第2エラー閾値とを用いて、受け取った情報の固定部分のエラー検出を行う。携帯電話100の起動直後は、第1固定情報と第1エラー閾値とを用いてエラー検出を行う。
【0023】
監視判定部107から、エラーの検出に用いるパラメータの変更を指示する変更指示を受け取ると、エラー検出部106は、エラーの検出に用いるパラメータを、第2固定情報と第2エラー閾値とに変更する。また、エラー検出に用いるパラメータを元に戻すことを指示する変更解除指示を受け取ると、エラー検出に用いるパラメータを第1固定情報と第1エラー閾値とにもどす。なお、変更指示を受け取ったときに、すでに、エラー検出に用いるパラメータとして第2固定情報と第2エラー閾値とを用いている場合は何もしない。同様に、変更解除指示を受け取ったとき、エラー検出に用いるパラメータとして第1固定情報と第1エラー閾値とを用いている場合は何もしない。
【0024】
携帯電話100が起動した後、変更指示を受け取るまでの間及び、変更解除指示を受け取った後に、エラー検出部106が、制御部104から受け取る情報は、制御情報である。制御情報を受け取ると、エラー検出部106は、受け取った制御情報の固定部分と記憶している第1固定情報とを1ビットずつ比較し、一致しないビットの数を計数する(以下、一致しないビットをエラービットと呼ぶ)。続いて、エラービットの数と、記憶している第1エラー閾値とを比較する。エラービットの数が第1エラー閾値に満たない場合は、受信した制御情報には、エラーが発生していないことを示す正常通知を監視判定部107へ出力する。
【0025】
エラービットの数が第1エラー閾値以上である場合、エラー検出部106は、受け取った制御情報にエラーが発生していることを示すエラー通知を監視判定部107出力する。
変更指示を受け取ってから、変更解除指示を受け取るまでの間、エラー検出部106は、制御部104から、制御情報に代わって、通話情報を受け取る。通話情報を受け取ると、エラー検出部106は、受け取った通話情報の固定部分と記憶している第2固定情報とを1ビットずつ比較し、エラービットの数を計数する。エラービットの数が第2エラー閾値未満であれば、正常通知を、監視判定部107へ出力する。エラービットの数が第2エラー閾値以上であれば、エラー通知を監視判定部107へ出力する。
【0026】
(3)強度検証部108
強度検証部108は、予め所定の強度閾値を記憶している。強度閾値は、当該携帯電話100が、音声及び情報の送受信を正常に行うために、必要な電波の受信強度である。受信強度とは、受信する電波の電界強度である。
強度検証部108は、制御部104から制御情報を受け取る。正確には、制御情報を含んだ信号を受け取る。次に、受け取った信号の受信強度を検出する。検出した受信強度と、記憶している強度閾値とを比較し、比較結果を制御部104及び監視判定部107へ出力する。
【0027】
(4)制御部104
制御部104は、携帯電話100の電源がONになると、周囲の基地局からの電波を1個のスーパーフレームに相当する1.2秒間受信し、最も受信状況のよい基地局を選択する。
制御部104は、着信の待ち受け中において、通常モード又は常時監視モードを切り換えて、各回路を制御する。
【0028】
通常モードとは、1.2秒おきに、所定時間だけ各回路に電力を供給し、アンテナ101、無線部102及びベースバンド部103を介して、選択した基地局からの制御情報を受信し、それ以外の間は、電力供給を停止する動作モードである。例えば、制御部104が、図2の各下り間欠送信周期の先頭フレームと対応する基地局を選択していると想定する。制御部104は、各スーパーフレームの先頭の240ビットだけを受信する。時間にして約625μsの間だけ、各回路に電力を供給する。このような受信の方法を一般に、間欠受信と呼ぶ。
【0029】
常時監視モードとは、各回路へ継続的に電力供給を供給し、基地局から送信されるデータを受信し続ける動作モードである。
制御部104は、監視判定部107から、常時監視モードへの切換を示すモード切換指示及び常時監視モードの終了を示す終了指示を受け取る。モード切換指示を受け取ると、動作モードを、常時監視モードへ切り換える。終了指示を受け取ると、動作モードを通常モードに戻す。
【0030】
以下に、通常モードにおける、制御部104による各回路の制御と、常時監視モードにおける、制御部104による各回路の制御とについて説明する。
(4−1)通常モードにおける制御
通常モードでは、制御部104は、アンテナ101及び無線部102を介して、選択した基地局(説明の便宜上基地局Aと呼ぶ)から、1.2秒おきに制御情報を受信し、受信した制御情報をエラー検出部106及び強度検証部108へ出力する。続いて、制御情報の内容を解析し、当該携帯電話100への着信の有無を確認し、着信があれば、ベースバンド部103、無線部102及びアンテナ101を介して、基地局Aへ応答信号を送信し、スピーカ114に着信音を出力させる。続いて、他の機器との通話の制御を開始するが、本発明とは直接関連が無いので、説明を割愛する。
【0031】
また、制御部104は、強度検証部108から、受信した制御情報の受信強度と強度閾値との比較結果を受け取る。受け取った比較結果が、受信強度<強度閾値を示している場合には、電源ONの直後と同様にして、受信状況のよい基地局を選択しなおす。
(4−2)常時監視モードにおける制御
上述の通り、各基地局が制御情報の送信に用いる電波の周波数は同じであるので、常時監視モードでは、制御部104は、アンテナ101、無線部102、ベースバンド部103を介して、周囲の基地局の送信する制御情報を受信する。つまり、図2(b)に示す、各フレームの先頭の625μsにおいて、各基地局が送信する制御情報を、5msおきに受信する。制御情報を受信する度に、受信した制御情報をエラー検出部106へ出力する。
【0032】
また、常時監視モードにおいて、制御部104は、監視判定部107から、受信する電波の周波数の変更を示す周波数変更指示を受け取る。周波数変更指示を受け取ると、制御部104は、無線部102に受信する電波の受信周波数を変更させる。変更の方法は、任意であるが、予め、制御部104又は無線部102が、所定の周波数を記憶しているとしてもよいし、携帯電話網において用いられる周波数帯域の範囲で受信周波数を連続的に変化させ、受信状況のよい周波数を選択してもよい。
【0033】
受信周波数を変更させた後、制御部104は、アンテナ101、無線部102、ベースバンド部103を介して、通話情報を受信する。ここで受信する通話情報は、携帯電話100宛ての通話情報ではないが、通話の内容(図3(b)のI:情報の部分)はスクランブルがかかっており、携帯電話100は解読できず通話の秘匿性は確保されている。
制御部104は、受け取った通話情報をエラー検出部106へ出力する。
【0034】
常時監視モードにおいて、終了指示を受け取ると、制御部104は、アンテナ101及び無線部102の受信周波数を、常時監視モードに切り替わる前の周波数に戻す。
(4−3)その他
制御部104は、他にも、操作部112から、利用者のボタン操作に応じた操作指示情報を受け取り、受け取った操作指示情報に従って各種の制御を行う。
【0035】
また、通常モードにおいて受け取った制御情報に携帯電話100に対する着信を示す情報が含まれていれば、着信及び通話の制御を行う。
(5)監視判定部107
監視判定部107は、時間の経過を計測するタイムカウンタT及びエラーの発生回数を計数するエラーカウンタEを備えている。また、予め、雷発生の警告を利用者に通知するか否かを決定する雷予報閾値を記憶している。
【0036】
さらに、監視判定部107は、エラーの発生頻度が高いと判定される周波数の数を計数する回数カウンタCを備えている。
また、監視判定部107は、判定期間「2.4秒」、雷予報閾値と回数閾値「3」を記憶している。判定期間「2.4秒」は、監視判定部107が、1つの周波数について、エラーの発生頻度の検証に要する時間であり、雷予報閾値は、検証の対象となっている周波数の電波で、エラーの発生頻度が高いと判定する基準値である。具体的には、「2.4秒」間に発生したエラーの回数が雷予報閾値以上であれば、その周波数でのエラー発生の頻度が高いと判定する。
【0037】
回数閾値「3」は、雷の発生を予測するために、周波数を換えて「3」回、エラーの発生頻度の検証をすることを示している。
監視判定部107は、制御部104の動作モードを示す動作モードフラグを備えている。動作モードフラグ「0」は通常モード、「1」は常時監視モードを示す。動作モードフラグは、初期状態では、通常モードを示す「0」に設定されている。
【0038】
監視判定部107は、動作モードフラグが「0」の場合と「1」の場合とで、異なる処理を行う。以下に、それぞれの場合に分けて、監視判定部107の行う処理について説明する。
(5−1)動作モードフラグが「0」の場合(通常モード)
監視判定部107は、エラー検出部106からエラー通知又は正常通知を受け取り、強度検証部108から、制御情報の受信強度と強度閾値との比較結果を受け取る。正常通知を受け取った場合は何もしない。
【0039】
エラー通知を受け取り、かつ、受け取った比較結果が、受信強度≧強度閾値を示している場合、制御部104へ、常時監視モードへのモード切換指示を出力し、動作モードフラグを「1」に変更する。続いて、回数カウンタC、エラーカウンタE及びタイムカウンタTを「0」に初期化する。続いて、以下の(5−2)の処理を行う。
(5−2)モードフラグ「1」の場合(常時監視モード)
動作モードフラグが「1」に変更されると、先ず、監視判定部107は、タイムカウンタTにより時間の計測を開始し、タイムカウンタTとエラーカウンタEとを用いて、判定期間「2.4秒」の間にエラー検出部106から受け取るエラー通知の回数を計数する。つまり、判定期間「2.4秒」の間に発生するエラーの回数を計数する。監視判定部107は、エラー発生回数と雷予報閾値とを比較し、エラー発生回数が、雷予報閾値未満であれば、監視判定部107は、制御部104へ、常時監視モードの終了を示す終了指示を出力する。続いて、エラー検出部106へ、変更解除指示を出力し、モードフラグを「0」に書き換える。
【0040】
エラー発生回数が、雷予報閾値以上の場合、回数カウンタCに「1」加算する。続いて、監視判定部107は、制御部104へ、受信周波数の変更を指示し、エラー検出部106へ、パラメータの変更を指示する変更指示を出力する。
制御部104へ受信周波数の変更を指示した後、タイムカウンタTとエラーカウンタEを用いて、判定期間の間のエラーの発生回数を計数し、エラー発生回数と雷予報閾値を比較する。エラー発生回数が雷予報閾値未満であれば、制御部104へ、常時監視モードの終了を示す終了指示を出力し、エラー検出部106へ、パラメータを元に戻すことを指示する変更解除指示を出力する。続いて、モードフラグを「1」に戻し、上述の(5−1)の処理に戻る。
【0041】
エラー発生回数が雷予報閾値以上であれば、以下、同様にして、回数カウンタCへの加算、周波数変更指示の出力と、判定期間内のエラー発生回数の計数と、エラー発生回数と雷予報閾値との比較とを、回数カウンタCが回数閾値「3」と等しくなるか、エラー発生回数が雷予報閾値未満であると判断するまで、繰り返す。
回数カウンタCが回数閾値「3」と等しくなると、監視判定部107は、所定の警報音を生成して、スピーカ114により、警報音を出力する。また、雷発生の危険性があることを通知する警報画面を生成し、生成した警報画面を、表示部113に表示させる。
(6)音声処理部109、スピーカ114及びマイク116
音声処理部109は、制御部104の指示により、ベースバンド部103から信号を受け取り、受け取った信号を音声に変換し、スピーカ114へ出力する。
【0042】
また、マイク116により検出された音声を信号に変換し、ベースバンド部103へ出力する。
スピーカ114は、制御部104、監視判定部107及び音声処理部109の指示により音声を出力する。
(7)操作部112及び表示部113
操作部112は、方向キー、テンキー、決定ボタン、ストップボタンなどを含み、利用者によるボタン操作に応じた操作指示情報を制御部104へ出力する。
【0043】
表示部113は、液晶ディスプレイを含み、制御部104又は監視判定部107の制御により各種の情報を液晶ディスプレイに表示する。
1.3 動作
以下に、携帯電話100の待ち受け中の動作について、図4〜図6のフローチャートを用いて説明する。
【0044】
電源が投入されると、携帯電話100の制御部104は、受信状況のよい基地局の選択などを含む初期動作を行う(ステップS101)。初期動作が終了すると、制御部104は、時間を計測して、1.2秒経過すると(ステップS102)アンテナ101、無線部102、ベースバンド部103を介して、選択した基地局から制御情報を受信する(ステップS104)。受信した制御情報をエラー検出部106と強度検証部108へ出力する。
【0045】
エラー検出部106は、受け取った制御情報の固定部分と記憶している第1固定情報とを比較して、制御情報の固定部分に含まれるエラービットの数を計数する(ステップS106)。エラービットの数と第1エラー閾値とを比較し、エラービットの数が第1エラー閾値未満であれば(ステップS108のNO)、エラー検出部106は、正常通知を監視判定部107へ出力する。制御部104は、ステップS102へ戻り、1.2秒間隔で間欠受信を継続する。
【0046】
計数したエラービットの数が、第1エラー閾値以上であれば(ステップS108のYES)、エラー検出部106は、監視判定部107へエラー通知を出力する。
強度検証部108は、制御情報を含む信号を受け取り、受け取った信号の受信強度と自身の記憶している強度閾値とを比較し比較結果を制御部104及び監視判定部107へ出力する(ステップS109)。
【0047】
監視判定部107は、エラー検出部106からエラー通知を受け取る。さらに、強度検証部108から受け取った比較結果が受信強度<強度閾値であることを示している場合(ステップS109のNO)、監視判定部107は、何もしない。制御部104は、ステップS102に戻り、間欠受信を継続する。
受け取った比較結果が、受信強度≧強度閾値であることを示している場合(ステップS109のNO)、監視判定部107は、制御部104へ、常時監視モードへの切り換えを示すモード切換指示を出力し、自身の保持している動作モードフラグを「1」に変更する(ステップS111)。
【0048】
続いて、監視判定部107は、自身の備える回数カウンタC、エラーカウンタE及びタイムカウンタTを「0」に初期化する(ステップS112〜ステップS116)。次に、携帯電話100の各構成要素は、タイムカウンタTが判定期間と等しくなるまでの間、ステップS118からステップS123の処理を繰り返す。
アンテナ101、無線部102、ベースバンド部103及び制御部104を介して、エラー検出部106は、制御情報を受信し(ステップS118)、第1固定情報を用いて、受信した制御情報の固定部分に含まれるエラービットの数を計数する(ステップS119)。エラー検出部106は、エラービットの数と第1エラー閾値とを比較する(ステップS121)。エラービットの数が第1エラー閾値未満であれば(ステップS121のNO)、エラー検出部106は、正常通知を監視判定部107へ出力する。
【0049】
エラービットの数が、第1エラー閾値以上であれば(ステップS121のYES)、エラー検出部106は、監視判定部107へエラー通知を出力し、監視判定部107は、エラー通知を受け取ると、エラーカウンタEに1加算する(ステップS123)。
繰返しが終了すると(ステップS124)、監視判定部107は、エラーカウンタEと雷予報閾値とを比較する(ステップS126)。エラーカウンタEが雷予報閾値未満であれば(ステップS126)、監視判定部107は、常時監視モードの終了を示す終了通知を制御部104へ出力し、エラー検出部106へ変更解除指示を出力する。続いて、自身の記憶している動作モードフラグを「0」に変更する。制御部104は、無線部102の受信周波数を、通常モード時の周波数に戻し、エラー検出部106は、エラー検出に用いるパラメータを、第1固定情報と第1エラー閾値にする(ステップS132)。
【0050】
ステップS126において、エラーカウンタEが雷予報閾値以上である場合(ステップS126のYES)、監視判定部107は、回数カウンタCに1加算する(ステップS128)。ここで回数カウンタCが回数閾値と等しければ(ステップS129のYES)、監視判定部107は、スピーカ114に警報音を出力させ、表示部113に警報画面を表示させ(ステップS131)、ステップS132へ処理を移す。
【0051】
回数カウンタCが回数閾値未満であれば(ステップS129のNO)、次に、監視判定部107は、制御部104へ周波数変更指示を出力し、続いてエラー検出部106へ変更指示を出力する。制御部104の指示により無線部102及びアンテナ101は受信周波数を変更する(ステップS136)。
次に、監視判定部107は、エラーカウンタEを「0」に初期化し(ステップS137)、タイムカウンタTを「0」に初期化する(ステップS139)。次に、タイムカウンタT=0〜判定期間の間、ステップS142〜ステップS148の処理を繰り返す(ステップS141)。
【0052】
エラー検出部106は、アンテナ101、無線部102、ベースバンド部103及び制御部104を介して、通話情報を受信する(ステップS142)。第2固定情報を用いて、受信した通話情報の固定部分に含まれるエラービットの数を計数する(ステップS144)。エラー検出部106は、エラービットの数と第2エラー閾値とを比較し、エラービットの数が第2エラー閾値以上であれば(ステップS146のYES)、エラー検出部106は、エラー信号を監視判定部107へ出力する。監視判定部107は、エラー信号を受け取り、エラーカウンタEに1加算する(ステップS148)。
【0053】
エラービットの数が、第2エラー閾値未満であれば(ステップS146のNO)、エラー検出部106は、監視判定部107へ正常信号を出力する。正常信号を受け取った場合、監視判定部107は、ステップS148を省略する。
繰返しが終了し(ステップS149)、監視判定部107は、エラーカウンタEと雷予報閾値とを比較する(ステップS152)。エラーカウンタEが雷予報閾値未満であれば(ステップS152のNO)、ステップS154へ処理を移す。ステップS154は、ステップS132と同様の処理である。
【0054】
エラーカウンタEが、雷予報閾値以上であれば(ステップS152のYES)、監視判定部107は、ステップS128へ戻る。
1.4 まとめ・効果
以上、説明してきたように、携帯電話100は、基地局から送信される制御情報及び音声信号のエラーの発生頻度(本実施の形態では、判定期間「2.4秒」間のエラー発生回数)と電波の受信強度を用いて雷の発生を予測し、雷発生の危険性が高いと予測される場合に利用者に警告する。
【0055】
エラーが発生した場合、その原因として、携帯電話100の移動などによって電波の受信強度が弱くなったこと、干渉波の影響、雷による影響の3つが考えられる。
携帯電話100は、通常モードにおいて、定期的に受信する制御情報のエラーの有無を監視している。エラーが発生した場合、その制御情報を含む電波の受信強度を検証する。受信強度が強度閾値未満であれば、受信強度が弱くなったことがエラー発生の原因であると考えられる。
【0056】
受信強度が強度閾値以上であるにもかかわらず、エラーが発生している場合は、雷がその原因である可能性があるので、携帯電話100は、動作モードを常時監視モードに切り換え、さらに、詳細にエラーの発生状況を監視する。
エラー発生の原因が、干渉波である場合、エラーは、干渉波を起こしている特定の周波数でのみ発生する。しかし、雷は、幅広い周波数の電波に影響を及ぼす。従って、受信周波数を変更しても、頻繁にエラーが発生する場合、雷がその原因である可能性が高い。
【0057】
本発明の携帯電話100は、複数の周波数について、エラーの発生頻度を計測し、複数の周波数において、頻繁にエラーが検出されると、雷発生の危険性が高いと判断する。従って、正確に雷発生を予測できるという優れた効果を奏する。
また、携帯電話100自身が、基地局から送信される電波を利用して、雷の発生を予測するので、ネットワークを経由して外部の機器による雷予測情報を取得するよりも、迅速に利用者に警告を与えることができる。
【0058】
さらに、携帯電話100は、基地局と携帯電話100間で送受信される電波を利用して、雷の発生を予測するため、携帯電話100の存在位置を反映した局所的な予測ができるという優れた効果も奏する。
1.5 実施の形態1の変形例
以上、本発明の具体的な実施の形態として、携帯電話100について説明してきたが、これをより一般化して、雷発生の危険性の有無の基準である回数閾値を記憶している記憶手段と、無線信号を受信する受信手段と、前記受信手段の受信した無線信号にエラーが発生しているか否かを判定する判定手段と、前記受信手段の受信する無線信号の受信周波数を変更させる変更制御手段と、前記判定手段及び前記変更制御手段による、判定及び変更を繰り返させる繰返制御手段と、前記繰返しにおいて、前記判定手段によって、エラーが発生していると判定された回数が、前記回数閾値以上の場合に、利用者に雷発生の危険性を報知する報知手段とを備えることを特徴とする携帯端末あって、前記無線信号は携帯電話網と接続された基地局から送信され、制御情報及び通話情報を含み、前記携帯端末を構成する前記判定手段は、所定時間内に受信された制御情報又は通話情報のうち、正常でないものの数が所定の雷予報閾値以上である場合、前記無線信号にエラーが発生していると判定する携帯端末であってもよい。実施の形態1の携帯電話100では、前記記憶手段は、監視判定部107が担っており、前記受信手段は、無線部102が担っており、判定手段は、エラー検出部106及び監視判定手部107が担っており、変更制御手段は、制御部104が担っており、繰返制御手段は、監視判定部107が担っており、報知手段は、監視判定部107、表示部113、スピーカー114が担っている。
【0059】
この構成では、前記判定部は、所定期間内に受信された制御情報又は通話情報それぞれが、正常か否かの判定を繰返し、正常でないものの数が所定の予報閾値以上である場合、前記無線信号にエラーが発生していると判定する。従って、偶発的な、エラーの発生による誤予報を回避し、より正確に雷発生を予測することができる。
また、前記無線信号は、前記基地局から送信されるものであるので、前記携帯端末は、前記基地局と当該携帯端末間を伝播する無線信号を用いて、局所的な予測をすることができる。
【0060】
さらに、前記判定手段は、制御情報又は通話情報の固定部分に含まれるエラービットの数を計数し、エラービットの数が所定の閾値以上の場合、前記制御情報又は通話情報が正常でないと判断することを特徴とする。
この構成では、判定手段は、制御情報又は通話情報の固定部分のみを用いて各制御情報又は通話情報が正常か否かを判定している。制御情報又は通話情報のあて先がいずれの端末であっても、この固定部分は、変わらない。従って、判定手段は、前記判定に当該携帯端末宛てでない制御情報又は通話情報も用いることができる。
【0061】
また、本発明は、無線信号を受信する受信手段と、前記受信手段の受信した無線信号にエラーが発生しているか否かを判定するエラー判定手段と、前記受信手段の受信した無線信号の電界強度を計測し、計測した電界強度が、所定の強度閾値以上であるか否かを判定する強度判定手段と、前記エラー判定手段により、エラーが発生していると判定され、かつ、前記強度判定手段により、前記電解強度が前記強度閾値以上であると判定された場合、利用者に雷発生の危険性を報知する報知手段とを備える携帯端末であってもよい。
【0062】
無線信号にエラーが発生する原因として、雷の影響以外にも、携帯端末を所持した利用者の移動などによって、基地局からの距離が遠くなり、信号の受信強度が弱くなった場合が考えられる。
上記の構成によると、前記報知手段は、受信された無線信号にエラーが発生していると判定され、かつ、前記電解強度が前記強度閾値以上であると判定された場合に限り、前記報知を行うので、受信強度が弱いために生じる無線信号のエラーを排除して、正確に雷の発生を予測することができる。
2. 実施の形態2
以下に、本発明の実施の形態2にかかる携帯電話200について説明する。
2.1 概要
本発明の携帯電話200は、実施の形態1の携帯電話100と同様に、QPSK方式により、音声を含む各種の情報の送受信を行う。加えて、携帯電話200は、ラジオ放送の受信・再生機能を備えている。
【0063】
本実施の形態では、基地局から送信される制御情報及び通話情報に代えて、放送波のノイズの発生頻度と、受信強度とを基に、雷の発生を予測して利用者に警告する。
以下の説明において、実施の形態1と同様の箇所の説明は省略し、実施の形態1と異なる箇所を中心に説明する。
2.2 構成
図7は、携帯電話200の機能的な構成を示す機能ブロック図である。携帯電話200は、アンテナ201、無線部202、ベースバンド部203、制御部204、エラー検出部206、監視判定部207、強度検証部208、音声処理部209、操作部212、表示部213、スピーカ214、マイク216、アンテナ218及び放送受信部219から構成される。放送受信部219は、受信部221、リミッタ222、検波部223、増幅部224及びノイズ検出部226を含む。
【0064】
アンテナ201、無線部202、ベースバンド部203、エラー検出部206、強度検証部208、音声処理部209、操作部212、表示部213、スピーカ214及びマイク216の、構成及び動作は、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
以下に各構成要素について説明する。
(1)制御部204及びエラー検出部206
制御部204は、実施の形態1の制御部104と同様に、間欠受信の制御を行っているが、制御部204の動作モードには、常時監視モードはない。
【0065】
制御部204による通常モードでの各回路の制御は、実施の形態1の制御部104による制御と同一であるので、説明を省略する。
また、エラー検出部206は、第2固定情報及び第2エラー閾値とを保持しておらず、通話情報のエラーの検出を行わない。それ以外は、実施の形態1のエラー検出部106と同様であるので、説明を省略する。
【0066】
(2)監視判定部207
監視判定部207は、時間の経過を計測するタイムカウンタT及びノイズ信号の発生回数を計数するノイズカウンタNを備えている。また、ノイズの発生している周波数の数を計数する回数カウンタCを備えている。
また、監視判定部207は、雷発生予測のために放送受信部219を起動しているか否かを示す放送フラグを備えている。通常、放送フラグは、「0」に設定されている。雷の発生予測のために、放送受信部219を起動している間は、放送フラグは「1」に設定されている。
【0067】
監視判定部207は、ノイズ閾値、判定期間及び回数閾値を予め記憶している。ノイズ閾値及び判定期間は、受信する放送波にノイズが発生しているか否かを判定する基準であり、判定期間内に検出されたノイズ信号の総数が、ノイズ閾値を超える場合、その放送波にノイズが生じていると判定される。回数閾値は、雷の発生の危険性を利用者に警告するか否かを判定する基準であり、受信する放送波の周波数を変更して、ノイズ発生の検証を繰返し、ノイズが発生している周波数の個数が回数閾値以上の場合、雷発生の危険性が高いことを利用者に報知する。
【0068】
以下に、監視判定部207の行う処理の手順について、放送フラグが「0」の場合と「1」の場合とに分けて説明する。
(2−1)放送フラグ「0」の場合
監視判定部207は、エラー検出部106からエラー通知又は正常通知を受け取り、強度検証部108から、制御情報の受信強度と強度閾値との比較結果を受け取る。正常通知を受け取った場合は何もしない。
【0069】
エラー通知を受け取り、かつ、受け取った比較結果が、受信強度≧強度閾値を示している場合、アンテナ218及び放送受信部219を起動させ、自身の保持する放送フラグを「1」に書き換える。続いて、回数カウンタC、エラーカウンタE及びタイムカウンタTを「0」に初期化し、以下の(2−2)の処理を行う。
なお、ここでは、放送受信部219のうち、受信部221とリミッタ222のみを起動させる。
(2−2)放送フラグ「1」の場合
放送フラグを「1」に変更すると、監視判定部207は、タイムカウンタTにより、時間の計測を開始する。
【0070】
監視判定部207は、放送受信部219のノイズ検出部226から、ノイズ検出信号を受け取る。
タイムカウンタTが0〜判定期間の間、ノイズ検出信号を受け取る度に、ノイズカウンタNに1加算する。つまり、判定期間の間に検出されたノイズ信号の総数を計数する。
タイムカウンタT=判定期間になると、監視判定部207は、ノイズカウンタNとノイズ閾値とを比較する。ノイズカウンタNが、ノイズ閾値未満であれば、監視判定部207は、放送受信部219を停止させる。続いて、自身の記憶している放送フラグを「0」に変更する。
【0071】
ノイズカウンタNがノイズ閾値以上であれば、回数カウンタCに1加算する。続いて、放送受信部219の受信部221及びアンテナ218に受信周波数の変更を指示する。このときの変更後の周波数は、予め、監視判定部207が記憶しているとしてもよいし、FM放送及びAM放送に使用される周波数帯域をサーチして、受信強度の高い周波数を選択してもよい。
【0072】
以後、同様にして、回数カウンタCが回数閾値と等しくなるか、ノイズカウンタNがノイズ閾値未満と判定されるまで、ノイズ信号の数の計数、ノイズカウンタNとノイズ閾値との比較、回数カウンタCへの加算を繰り返す。
回数カウンタが回数閾値と等しくなると、監視判定部207は、スピーカ214に警報音を出力させ、表示部113に警報画面を表示させる。
(3)アンテナ218及び放送受信部219
放送受信部219は、受信部221、リミッタ222、検波部223、増幅部224及びノイズ検出部226から構成される。
【0073】
アンテナ218及び受信部221は、放送局から送信される放送波を受信し、リミッタ222は、受信した放送波に含まれる極端に受信強度の高い信号(ノイズ信号と呼ぶ)を削除し、検波部223は受信した放送波から、音声信号を抽出し、増幅器は、音声信号を増幅して、スピーカ214へ出力する。アンテナ218、受信部221、リミッタ222、検波部223及び増幅部224は、一般的な放送受信機の構成と同様であるので、簡単な説明に留め、本発明の特徴部分に関するノイズ検出部226について、説明する。
【0074】
ノイズ検出部226は、予め所定の基準値を記憶している。
リミッタ222を介して、アンテナ218及び受信部221の受信した放送波を受け取る。受け取った放送波を監視し、ノイズ信号を検出する。具体的には、所定の基準値を超える受信強度の信号をノイズ信号として検出する。
ノイズ信号を検出するたびに、ノイズ検出部226は、監視判定部207へ、ノイズ検出通知を出力する。
2.3 動作
以下に、図8のフローチャートを用いて、待ち受け中の携帯電話200の動作について説明する。
【0075】
携帯電話200の電源がONになると、携帯電話200の制御部204は、受信状況のよい基地局の選択を初めとする初期動作を行う(ステップS201)。続いて、選択した基地局からの制御情報を間欠受信し、受信のたびに、エラー検出部206は、受信した制御情報の固定部分のエラー検出を行う(ステップS202)。ステップS202の詳細は、実施の形態1の図4のステップS102〜ステップS109と同様であるので、ここでは、説明を省略する。
【0076】
ステップS202において、エラー検出部206により、エラーが検出されると、監視判定部207は、放送受信部219を起動させ、アンテナ218放送受信部219は、放送波の受信を開始する(ステップS204)。
次に、監視判定部207は、回数カウンタC及びノイズカウンタNを「0」に初期化する(ステップS206〜S208)。続いて、タイムカウンタTを「0」に初期化し(ステップS209)、時間の計測を開始する。
【0077】
タイムカウンタTが0から判定期間に達するまでの間、ステップS213及びステップS214の処理を繰り返す(ステップS211)。ノイズ検出部226は、アンテナ218及び受信部221を介して受信された放送波を監視し、ノイズ信号を検出する(ステップS213)。ノイズ信号を検出すると、ノイズ検出部226は、ノイズ検出通知を監視判定部207へ出力する。
【0078】
監視判定部207は、ノイズ検出通知を受け取ると、ノイズカウンタNに1を加算する(ステップS214)。
繰返しが終了すると(ステップS216)、監視判定部207は、ノイズカウンタNとノイズ閾値とを比較する(ステップS218)。ノイズカウンタNがノイズ閾値未満の場合(ステップS218のNO)、監視判定部207は、放送受信部219による放送波の受信を停止させ、自身の保持する放送フラグを「0」に戻し、(ステップS226)、ステップS202へ戻る。
【0079】
ノイズカウンタNがノイズ閾値以上の場合(ステップS218のYES)、監視判定部207は、回数カウンタCに1を加算する(ステップS219)。加算後の回数カウンタCと回数閾値とを比較し、回数カウンタCが回数閾値未満であれば(ステップS221のNO)、監視判定部207は、放送受信部219に受信周波数の変更を指示し、放送受信部219の受信部221は、受信周波数を変更する(ステップS228)。受信周波数の変更を指示すると、監視判定部207は、ステップS208へもどる。
【0080】
回数カウンタCが回数閾値と等しい場合(ステップS221のYES)、監視判定部207は、スピーカ214を介して警報音を出力し、表示部213に警報画面を表示させる(ステップS223)。次に監視判定部207は、放送受信部219による放送波の受信を停止させ、自身の保持している放送カウンタを「0」に戻し(ステップS226)、ステップS202へ戻る。
2.4 まとめ・効果
以上説明してきたように、実施の形態2に係る携帯電話200は、通常の待ち受け中において、受信した制御情報にエラーを検出すると、放送波の受信を開始し、受信した放送波に含まれるノイズ信号の頻度によって、雷の発生を予測する。
【0081】
具体的には、複数の周波数について、ノイズ信号の発生頻度(つまり、検出期間の間に検出されるノイズ信号の数)を計測し、計測した発生頻度がノイズ閾値を超えているか否かを判定する。
実施の形態1で述べたように、雷の発生は、広い範囲の周波数の電波に影響を与える。よって、複数の周波数において、頻繁にノイズが発生している場合、雷か発生している可能性が高い。
【0082】
携帯電話200は、複数の周波数について、ノイズ発生の頻度を検証して雷の発生を予測するので、正確に雷発生を予測できる。
また、携帯電話200自身が雷発生を予測するので、外部の機器から雷発生に関する情報を取得するよりも、迅速に、利用者に警告することができる。
3. その他の変形例
以上、本発明について、実施の形態1及び2を例に説明してきたが、これらに限定されないことは言うまでもない。以下に説明する場合も、本発明に含まれる。
(1)実施の形態1及び2において、エラー検出部は、基地局から受信した制御情報又は通話情報の固定部分のエラービットの数により、エラーが発生しているか否かを判定したが、エラー検出の方法はこれに限るものではない。
【0083】
一例として、受信する電波の変調精度により、エラーを判定してもよい。この場合、エラー検出部は、予め、精度閾値(例えば7%)を記憶している。精度閾値は、正常にデータを転送するために必要とされる変調精度の上限である。
エラー検出部は、受信した制御情報又は通話情報の内容ではなく、これらの情報を含む信号の変調精度を検証する。信号の変調精度が7%以下であれば、受信した信号は正常であると判定して、正常通知を出力する。信号の変調精度が7%を超える場合は、受信した信号にエラーが発生していると判定し、エラー通知を出力する。
【0084】
実施の形態1において、常時監視モードに動作モードを変更した後、各周波数について、所定の時間内に発生するエラーの回数を計数し、エラー発生回数が、雷予報閾値を超える場合、その周波数でのエラー発生頻度が高いと判定し、エラー発生頻度が高い周波数が複数存在すれば、雷発生の可能性が高いと判定するが、この変形例を、実施の形態1に適用する場合、常時監視モードでは、監視判定部107は、エラー検出部206から受け取るエラー通知の数を計数せず、エラー通知を受け取ると、周波数の変更を制御部104へ指示する。
【0085】
複数の周波数について、エラー検証部104からエラー通知を受け取ると、雷発生の可能性が高いと予測し、警報音の出力などを行う。
上記の変形例(1)は、実施の形態1及び2に基づく具体的な例であったが、より一般化して、本発明は、雷発生の危険性の有無の基準である回数閾値を記憶している記憶手段と、無線信号を受信する受信手段と、前記受信手段の受信した無線信号にエラーが発生しているか否かを判定する判定手段と、前記受信手段の受信する無線信号の受信周波数を変更させる変更制御手段と、前記判定手段及び前記変更制御手段による、判定及び変更を繰り返させる繰返制御手段と、前記繰返しにおいて、前記判定手段によって、エラーが発生していると判定された回数が、前記回数閾値以上の場合に、利用者に雷発生の危険性を報知する報知手段とを備える携帯端末であり、前記判定手段は、前記無線信号の変調精度を算出し、算出した変調精度が所定の精度閾値以上である場合に、前記無線信号にエラーが発生していると判定することを特徴とする携帯端末でもある。
【0086】
この構成では、前記判定手段は、前記無線信号の変調精度によって、前記判定を行うため、当該携帯端末は、前記無線信号によって送信される情報の内容に影響されずに雷発生の予測をすることができる。
また、前記無線信号によって送信される情報の解読などを行う必要も無いので、前記判定手段は、より迅速に、前記無線信号がエラーを発生しているか否かを判定できる。
(3)実施の形態1の携帯電話100は、QPSK方式に従った通信機能を備える携帯電話であるとしてきたが、これに限るものではなく、他の通信方式による通信機能を備えていてもよい。
(4)また、異なる2つの通信方式による通信機能を備えていてもよい。例えば、QPSK方式とWCDMA方式による通信機能を備えている。この例の場合、実施の形態1の携帯電話100の構成要素に加えて、携帯電話は、WCDMAに従った通信のためのアンテナ、通信部、ベースバンド部、制御部及びエラー検出部を備えている。
【0087】
この携帯電話では、利用者の設定により、何れか一方(ここでは、QPSK方式とする)の通信方式が優先的に採用され、通常はQPSK方式に従った通信方式により、通話を制御する。基地局と携帯電話との位置関係により、QPSK方式に従った通信ができない場合には、WCDMA方式によって、通話を制御する。以下説明の便宜上、QPSK方式による通信に関係するアンテナ、通信部、ベースバンド部、制御部及びエラー検出部を、アンテナP、通信部P、ベースバンド部P、制御部P及びエラー検出部Pと呼び、これらをまとめて、QPSK通信機構と呼ぶ。WCDMA方式による通信に関係するアンテナ、通信部、ベースバンド部、制御部及びエラー検出部を、アンテナW、通信部W、ベースバンド部W、制御部W及びエラー検出部Wと呼び、これらをまとめてWCDMA通信機構と呼ぶ。
【0088】
待ち受け状態においては、QPSK通信機構は、実施の形態1において説明したように、間欠受信により定期的に制御情報を受信してエラー検出を行う。制御情報にエラーが検出され、監視判定部は、常時監視モードへのモード切換指示を制御部P及び制御部Wへ出力する。
常時監視モードにおいて、監視判定部及びQPSK通信機構は、実施の形態1と同様にして、判定期間の間のエラー発生回数を計数する。続いて計数したエラー発生回数が雷予報閾値以上であるか否かを判定する。
【0089】
これと並行して、WCDMA通信機構においても、受信する信号に含まれるエラーを検出し、監視判定部は、WCDMA通信機構において検出されたエラーの発生回数を一定の期間計数する。続いて、検出されたエラー発生回数が所定の閾値(第2雷予報閾値と呼ぶ)以上であるか否かを判定する。
監視判定部は、QPSK通信機構において検出されたエラー発生の回数が雷予報閾値以上であり、かつ、WCDMA通信機構において検出されたエラー発生の回数が第2雷予報閾値以上である場合、警報音及び警報画面によって、利用者に雷発生を通知する。
【0090】
このように、異なる周波数を用いる複数の通信方式を利用して、2つの周波数に関するエラー発生の検出を並行して行うことで、より短時間で雷発生の予測を行うことができる。
また、実施の形態1のように、それぞれの通信機構に、受信周波数を変更して、エラー検出を繰り返させる、より精度の高い予測をする構成であってもよい。
(5)実施の形態1及び2において、監視判定部は、警報音などにより、利用者に雷発生の危険性を警告する前に、気象情報を提供する外部のサーバ装置に雷発生に関する問合せを行うとしてもよい。
【0091】
この場合、サーバ装置は、地域ごと(例えば、市町村単位)の雷発生情報を記憶している。雷発生情報は、例えば、雷の発生する危険性を3段階で示した情報であり、「1」は危険性なし、「2」は要注意、「3」は、危険性が非常に高いことを示す。
サーバ装置はインターネットに接続可能である。
携帯電話は、利用者に雷発生の危険性を警告する前に、携帯電話網およびインターネットを介して、サーバ装置に、携帯電話自身の位置を示す位置情報を送信し、雷発生情報を要求する。位置情報は、たとえば、現在携帯電話が制御情報及び通話情報の受信先として選択している基地局を示す識別子でもよいし、携帯電話がGPS機能を備えていれば、自身の存在する位置の緯度と経度であってもよい。
【0092】
サーバ装置は、位置情報と雷発生情報の要求とを受信すると、受信した位置情報の示す位置を含む市町村を特定し、特定した市町村と対応する雷発生情報を読み出し、読み出した雷発生情報を携帯電話へ送信する。
携帯電話は、雷発生情報を受信し、受信した雷発生情報が「2」又は「3」である場合に限り、警報音などにより、利用者に雷発生を警告する。
【0093】
このようにすることで、より正確に、雷発生を予測することができる。
(6)実施の形態1及において、携帯電話100は、基地局から受信した制御信号について、信号の受信強度が強度閾値以上で、かつ、制御情報にエラーが発生している場合に、動作モードを常時監視モードに変更しているが、これに限るものではない。例えば、利用者のボタン操作により、雷の発生予測を指示された場合に、動作モードを常時監視モードに変更してもよい。
【0094】
この変形例では、雷発生の危険性がないと判断される場合、つまり、エラーカウンタEとエラー閾値との比較において、エラーカウンタEがエラー閾値未満と判断されたとき、通常モードに戻る前に、雷の発生の危険性が低いことを利用者に通知する画面を表示部113に表示する。
また、実施の形態2においても、利用者のボタン操作を契機として、放送受信部219を起動し、雷発生の予測をしてもよい。
(7)また、実施の形態2の制御部204、エラー検出部206、監視判定部207は、実施の形態1と同様に、常時監視モードによって、基地局から送信される信号を用いて雷発生を予測する機能を備えていてもよい。
【0095】
ここで、上記の変形例(5)のように、利用者の操作によって、雷発生の予測が指示される場合、監視判定部207は、放送波及び基地局からの電波の受信状況を比較し、より受信状況がよい方を選択して雷発生予測を行ってもよい。
(8)実施の形態1において、常時監視モードに動作モードが切り換わった後、複数の周波数について、エラー発生の頻度を検証する。このとき、検証の対象となっている電波の受信強度も加味して雷の発生予測をしてもよい。
【0096】
具体的には、制御部104は、常時監視モードにおいても、強度検証部108へ、受信した制御情報又は通話情報を出力する。強度検証部は、制御情報又は通話情報を含む信号の受信強度を計測し、計測した受信強度と強度閾値との比較結果を監視判定部107へ出力する。
監視判定部107は、判定期間の間のエラー発生回数を計数し終えたとき、強度検証部108から受け取った比較結果が受信強度≧強度閾値であり、かつ、エラー発生回数が雷予報閾値である場合にのみ、回数カウンタCに1を加算する。それ以外の場合は、通常モードに戻る。
【0097】
このようにすることで、受信電波が弱いことによって発生するエラーを排除し、より正確な雷発生予測をすることができる。
また、実施の形態2においても、放送波の受信強度を計測し、計測した受信強度が所定の閾値を超えているか否かを判定する放送波強度検証部を備え、ノイズの発生頻度に加えて、放送波の受信強度も加味して雷発生を予測する構成であってもよい。
(9)実施の形態1では、監視判定部107は、受信周波数を変更してエラー発生の回数を計数し、何れかの周波数において、エラー発生回数が、雷予報閾値未満であると、通常モードに動作モードを変更する(図5のステップS126及びステップS152のNO)。つまり、受信周波数を変更してエラー発生の頻度を検証する場合に、回数閾値「3」回連続して、エラー発生の頻度が高いと判断される(つまり、エラー発生回数が雷予報閾値以上である)場合に限って、利用者に警告する構成になっているが、これに限るものではない。連続していなくても、多数の周波数において、エラー発生の頻度が高ければ、雷発生の危険が高いと判断してもよい。
【0098】
具体的には、監視判定部107は、検証回数「5」を記憶しており、エラー発生の頻度の検証を行った周波数の数を計数する実施回数カウンタXを備えている。
常時監視モードに、動作モードを変更させると、監視判定部107は、その他のカウンタに加えて実施回数カウンタXも「0」に初期化する。
ある周波数について、エラー発生の頻度(判定期間におけるエラー発生回数)の判定が終わるたびに、判定の結果に関わらず実施回数カウンタXに1加算する。エラー発生回数が雷予報閾値未満であっても、そのまま、他の周波数のエラー発生頻度の検証を行う。実施回数カウンタXが検証回数「5」になった時、エラー発生頻度の検証を終了する。このときの回数カウンタCが回数閾値「3」以上であれば、警報音及び警報画面を出力する。
【0099】
実施の形態2においても同様に、例えば「5」個の異なる周波数について、ノイズ発生の検証を行い、少なくとも「3」個以上の周波数について、ノイズ発生が検出された場合に、利用者に警告してもよい。
(10)本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、前記コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0100】
また、本発明は、前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号をコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD―ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc)、半導体メモリなど、に記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号であるとしてもよい。
【0101】
また、本発明は、前記コンピュータプログラム又は前記デジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
また、本発明は、マイクロプロセッサとメモリとを備えたコンピュータシステムであって、前記メモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、前記マイクロプロセッサは、前記コンピュータプログラムに従って動作するとしてもよい。
【0102】
また、前記プログラム又は前記デジタル信号を前記記録媒体に記録して移送することにより、又は前記プログラム又は前記デジタル信号を前記ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
(11)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0103】
本発明は、携帯情報端末を生産、販売する産業、携帯情報端末を使って、通信サービスを提供する産業、気象情報を作成し、提供する産業において、継続・反復的に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】携帯電話100の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図2】QPSK方式において、基地局と各携帯電話間で送受信される情報の構成を経時的に示している。
【図3】基地局から携帯電話へ送信される制御情報のデータ構成の一例を示す。
【図4】携帯電話100の待ち受け中の動作を示すフローチャートである。
【図5】携帯電話100の待ち受け中の動作を示すフローチャートである。図4から続く。
【図6】携帯電話100の待ち受け中の動作を示すフローチャートである。図4から続く。
【図7】携帯電話200の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【図8】携帯電話200の待ち受け中の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0105】
100 携帯電話
101 アンテナ
102 無線部
103 ベースバンド部
104 制御部
106 エラー検出部
107 監視判定部
108 強度検証部
201 アンテナ
202 無線部
203 ベースバンド部
204 制御部
206 エラー検出部
207 監視判定部
208 強度検証部
218 アンテナ
219 放送受信部
226 ノイズ検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末であって、
雷発生の危険性の有無の基準である回数閾値を記憶している記憶手段と、
無線信号を受信する受信手段と、
前記受信手段の受信した無線信号にエラーが発生しているか否かを判定する判定手段と、
前記受信手段の受信する無線信号の受信周波数を変更させる変更制御手段と、
前記判定手段及び前記変更制御手段による、判定及び変更を繰り返させる繰返制御手段と、
前記繰返しにおいて、前記判定手段によって、エラーが発生していると判定された回数が、前記回数閾値以上の場合に、利用者に雷発生の危険性を報知する報知手段
とを備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記無線信号は携帯電話網と接続された基地局から送信され、制御情報及び通話情報を含み、
前記判定手段は、所定時間内に受信された制御情報又は通話情報のうち、正常でないものの数が所定の雷予報閾値以上である場合、前記無線信号にエラーが発生していると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記判定手段は、制御情報又は通話情報の固定部分に含まれるエラービットの数を計数し、エラービットの数が所定の閾値以上の場合、前記制御情報又は通話情報が正常でないと判断する
ことを特徴とする請求項2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記無線信号は基地局から送信され、制御情報及び通話情報を含み、
前記判定手段は、前記無線信号に含まれる制御情報又は通話情報を抽出し、抽出した制御情報又は通話情報が正常であるか否かを検証し、正常でない場合に、前記無線信号にエラーが発生していると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記判定手段は、前記無線信号の変調精度を算出し、算出した変調精度が所定の精度閾値以上である場合に、前記無線信号にエラーが発生していると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項6】
携帯端末であって、
無線信号を受信する受信手段と、
前記受信手段の受信した無線信号にエラーが発生しているか否かを判定するエラー判定手段と、
前記受信手段の受信した無線信号の電界強度を計測し、計測した電界強度が、所定の強度閾値以上であるか否かを判定する強度判定手段と、
前記エラー判定手段により、エラーが発生していると判定され、かつ、前記強度判定手段により、前記電解強度が前記強度閾値以上であると判定された場合、利用者に雷発生の危険性を報知する報知手段
とを備えることを特徴とする携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−110552(P2007−110552A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−300829(P2005−300829)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】