説明

電力供給装置、接続ユニット、及び電子装置

【課題】接続ユニットの駆動電圧に合わせて電力を供給することができる電力供給装置、及び当該電力供給装置に対応する接続ユニット、並びにこれらを備える電子装置を提供する。
【解決手段】プリンタ3は、接続されたスキャナ5と通信を行う通信部21と、通信部21を介してスキャナ5から送信されたスキャナ5の駆動電圧に関する駆動電圧情報を解析する情報解析部23と、情報解析部23における駆動電圧情報の解析結果に基づいてスキャナ5に駆動電圧を供給する電源部19とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給装置、及び接続ユニット、並びにこれらを用いた電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力供給装置に接続ユニットをUSBケーブルで接続し、電力供給装置から接続ユニットへ給電を行うことで接続ユニットを駆動する電子装置では、電力供給装置から接続ユニットに供給される電力は一定の電圧に固定されていた。そして例えば接続ユニットを正常に作動させる為に、電力供給装置から供給される電力とは異なる電圧が必要となった場合は、接続ユニットをさらに別の電源と接続し、別途接続された電源から電力を取得していた。この様に、電力供給装置と接続ユニットとの間で、一定の電力を用いて通信を行う電子装置としては、特許文献1に記載されたものがある。
【0003】
【特許文献1】特開2006−127085公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の様な装置においては、電力供給装置から接続ユニットに供給される電力が固定されている為、接続ユニットの駆動電力によっては電力供給装置から接続ユニットへ電力を供給することができないという問題があった。
【0005】
そこで本発明はこの様な実情に鑑みてなされたものであり、接続ユニットの駆動電圧に合わせて電力を供給することができる電力供給装置、及び当該電力供給装置に対応する接続ユニット、並びにこれらを備える電子装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、本発明にかかる電力供給装置は、接続された接続ユニットと通信を行う通信部と、前記通信部を介して前記接続ユニットから送信された当該接続ユニットの駆動電圧に関する駆動電圧情報を解析する解析部と、前記解析部における前記駆動電圧情報の解析結果に基づいて前記接続ユニットに前記駆動電圧を供給する電圧供給部とを備えることを特徴としている。
【0007】
この構成によれば、電力供給装置は、接続ユニットに供給する駆動電圧を、接続ユニットから取得した駆動電圧情報に応じて変化させることができる。
【0008】
また、本発明にかかる接続ユニットは、接続された電力供給装置から供給される電力に基づいて駆動する接続ユニットであって、前記電力供給装置から供給された第1電圧及び当該第1電圧よりも電圧値が高い第2電圧に基づいて、低電圧電源駆動部に前記第1電圧を供給すると共に高電圧電源駆動部に前記第2電圧を供給する電圧受容部と、前記電圧受容部から供給された前記第1電圧によって駆動し前記電力供給装置からの要求に応じて当該電力供給装置に前記第2電圧の電圧値に関する駆動電圧情報を送信する制御部とを備え、前記制御部は、当該第1電圧によって駆動を開始して前記電力供給装置に前記駆動電圧情報を送信し、前記電圧受容部は、前記駆動電圧情報に応じて前記電力供給装置から供給された前記第2電圧を前記高電圧電源駆動部に供給することを特徴としている。
【0009】
この構成によれば、接続ユニットは、電力供給装置から第1電圧が供給された状態で、電力供給装置に対して駆動電圧情報を送信し、さらに駆動電圧情報に対応して供給された第2電圧によって高電圧電源駆動部を駆動させることができる。
【0010】
また、本発明にかかる電子装置は、電力供給装置と当該電力供給装置から供給された電力に基づいて駆動する接続ユニットとを備える電子装置であって、前記電力供給装置は、接続された前記接続ユニットと通信を行う通信部と、前記通信部を介して前記接続ユニットに当該接続ユニットの駆動電圧に関する情報を要求すると共に、前記接続ユニットから送信された当該接続ユニットの駆動電圧に関する駆動電圧情報を解析する解析部と、前記解析部における前記駆動電圧情報の解析結果に基づいて前記接続ユニットに第1電圧及び当該第1電圧よりも電圧値が高い第2電圧を供給する電圧供給部とを有し、前記接続ユニットは、前記電圧供給部から供給された前記第1電圧及び前記第2電圧に基づいて、低電圧電源駆動部に前記第1電圧を供給すると共に高電圧電源駆動部に前記第2電圧を供給する電圧受容部と、前記電圧受容部から供給された前記第1電圧によって駆動し前記電力供給装置からの要求に応じて前記電力供給装置に前記駆動電圧情報を送信する制御部とを備え、前記制御部は、当該第1電圧によって駆動を開始して前記電力供給装置に前記第2電圧の電圧値に関する情報を含む駆動電圧情報を送信し、前記電圧受容部は、前記制御部が送信した前記駆動電圧情報に応じて前記電力供給装置から供給された前記第2電圧を前記高電圧電源駆動部に供給することを特徴としている。
【0011】
この構成によれば、電力供給装置は、接続ユニットに第1電圧を供給することで、接続ユニットを駆動させ、駆動電圧情報を取得することができる。そして、電力供給装置は、第1電圧によって接続ユニットを駆動させることで取得した駆動電圧情報に基づいて、接続ユニットに応じた第2電圧を提供することができる。
【発明の効果】
【0012】
この様に、本発明にかかる電力供給装置、接続ユニット、及び電子装置によれば、接続ユニットの駆動電圧に合わせて電力を供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
第1の実施の形態にかかる電子装置としてのMFP(Multi Function Peripherals)は、電力供給装置としてのプリンタから、接続ユニットとしてのスキャナに駆動電力を供給し、スキャナを駆動させる。そして、この様なMFPでは、電力供給装置に接続された接続ユニットの種類に応じて、電力供給装置から接続ユニットに供給される電力を変化させる。
【0015】
図1に示す様に、MFP1は、プリンタ3とスキャナ5とをUSBケーブルLを介して接続して構成される。そして、MFP1は、スキャナ5の駆動時には、プリンタ3に、スキャナ5に対してスキャナ5の駆動電圧を供給させる。
【0016】
プリンタ3は、スキャナ5に駆動電圧を供給すると共に、スキャナ5から送信された画像及びLAN(Local Area Network)等を介して外部装置から送信された画像を印刷する。この様なプリンタ3は、プリンタ3を構成する各部の動作を制御するプリンタ制御部7と、USBケーブルLを介してプリンタ3をスキャナ5と接続する接続部9と、ユーザに対して各種情報を表示する表示部11と、ユーザによって各種情報が入力される操作部13と、LANを介して図示せぬ外部装置と通信を行うLAN通信部15と、所定の用紙上に画像を印刷する印刷部17と、スキャナ5に電圧を供給する電源部19と、スキャナ5と通信を行う通信部21とを備える。また、プリンタ制御部7は、スキャナ5から送信された情報を解析する情報解析部23を備える。
【0017】
この様な構成を有するプリンタ3は、通信部21を介してスキャナ5から、スキャナ5の駆動電圧に関する駆動電圧情報を取得する。そして、情報解析部23は、取得した駆動電圧情報を解析し、当該解析した駆動電圧情報に基づいて電源部19に対してスキャナ5に供給すべき電圧を通知する。そして、電源部19は、情報解析部23からの通知に応じて、USBケーブルLを介してスキャナ5に駆動電圧を供給する。また、プリンタ3は、図示せぬ商用電源から電力を取得して印刷動作及びスキャナ5への給電動作を行う。
【0018】
プリンタ制御部7は、表示部11、操作部13、LAN通信部15、及び印刷部17の各種動作を制御すると共に、情報解析部23を用いて電源部19からスキャナ5に供給される電力を制御する。
【0019】
接続部9は、例えばプリンタ3に形成されたUSBポートであり、USBケーブルLが接続される。そして、USBケーブルLを介して接続部9に入力された情報は通信部21に供給される。また、接続部9は、電源部19から供給された電力を、USBケーブルLを介してスキャナ5に供給する。
【0020】
表示部11は、プリンタ制御部7による制御のもと、プリンタ3の状態をユーザに表示する。そして表示部11は、ユーザに対して各種情報を表示することで、ユーザに操作を促す。
【0021】
操作部13は、プリンタ3に形成された操作パネルであり、ユーザによって入力された指示をプリンタ制御部7に供給する。
【0022】
LAN通信部15は、プリンタ3と図示せぬLAN環境に設置された外部装置との間の通信を確立する。この様なLAN通信部15には、例えば上位装置で作成された画像データが入力される。また、プリンタ3が外部装置にエラー通知等各種情報を送信する際には、プリンタ3は、当該情報をLAN通信部15を介して外部装置に送信する。
【0023】
印刷部17は、プリンタ制御部7の制御のもと、LAN通信部15を介して外部装置から送信された画像、又はスキャナ5において読み込んだ画像を所定の用紙上に印刷する。そして、印刷部17において画像が印刷された用紙は、プリンタ3の外部に排出され、ユーザに提供される。
【0024】
電源部19は、情報解析部23からの指示に応じてスキャナ5に供給する電力を発生させ、接続部9及びUSBケーブルLを介してスキャナ5に供給する。そして、電源部19からUSBケーブルを通じて供給された電力は、スキャナ5に供給される。
【0025】
通信部21は、プリンタ制御部7の指示のもと、スキャナ5との通信を行う。具体的には、通信部21は、プリンタ制御部7の指示のもとスキャナ5の駆動電圧に関する駆動電圧情報を取得する。また、通信部21は、スキャナ5から取得した駆動電圧情報を情報解析部23に供給する。
【0026】
情報解析部23は、駆動電圧情報を解析して、電源部19に対して、スキャナ5に給電する電力を指示する。
【0027】
また、スキャナ5は、例えば用紙上に形成された画像を読み取り、読み取った画像をプリンタ3に送信する。この様なスキャナ5は、直接、商用電源等には接続されておらず、プリンタ3から供給された電力のみによって駆動する。そしてこの様なスキャナ5は、スキャナ5を構成する各部の動作を制御するスキャナ制御部25と、USBケーブルLを介してスキャナ5をプリンタ3と接続する接続部27と、ユーザに対して各種情報を表示する表示部29と、ユーザによって各種情報が入力される操作部31と、スキャナ制御部25の制御のもと画像を読み取り、読み取った画像に基づいてCCD出力データを生成するCCDモジュール33と、CCD出力データを画像データに変換する処理を行う画像処理部35と、プリンタ3からの給電を受ける電圧受容部37と、各部に駆動力を供給するモータを制御する搬送制御部39と、プリンタ3と通信を行う通信部41と、搬送制御部39の制御のもと駆動する第1モータ43、及び第2モータ45とを備える。
【0028】
スキャナ制御部25は、表示部29、操作部31、画像処理部35、電圧受容部37、搬送制御部39、及び通信部41の各種動作を制御する。
【0029】
接続部27は、例えばスキャナ5に形成されたUSBポートであり、USBケーブルLが接続される。そして、USBケーブルLを介して接続部27に入力された情報は通信部41に供給される。また、接続部27は、USBケーブルLを介してプリンタ3から供給された電力を電圧受容部37に供給する。
【0030】
表示部29は、スキャナ制御部25による制御のもと、スキャナ5の状態をユーザに表示する。具体的には、表示部29は、スキャン結果、エラー表示、誘導表示等を表示する。そして表示部29は、ユーザに対して各種情報を表示することで、ユーザに操作を促す。
【0031】
操作部31は、スキャナ5に形成された操作パネルであり、ユーザによって入力された指示をスキャナ制御部25に供給する。
【0032】
CCDモジュール33は、スキャナ制御部25の指示のもと、ユーザが所定の読み取り部にセットした画像を読み込み、CCD出力データを生成する。そしてCCDモジュール33は、スキャナ制御部25の指示のもと、CCD出力データを画像処理部35に供給する。この様なCCDモジュール33は、搬送制御部39によって駆動される第1モータ43から駆動力を供給されて駆動する。
【0033】
画像処理部35は、スキャナ制御部25の指示のもと、CCDモジュール33から供給されたCCD出力データを、プリンタ3が認識可能な画像データに変換する。そして画像処理部35は、変換した画像データをプリンタ3に送信すべくスキャナ制御部25に供給する。
【0034】
電圧受容部37は、プリンタ3から供給された電力を受け、スキャナ5が各種動作を行う際に必要な電力を、スキャナ5を構成する各部に供給する。具体的には、電圧受容部37は、プリンタ3から供給された電力が低電圧である場合は、低電圧で駆動するスキャナ制御部25、表示部29、操作部31、画像処理部35、及び通信部41に給電する。一方で電圧受容部37は、プリンタ3から供給された電力が高電圧である場合は、高電圧で駆動するCCDモジュール33、及び搬送制御部39に給電する。
【0035】
搬送制御部39は、スキャナ制御部25の指示のもと第1モータ43を駆動してCCDモジュール33を駆動すると共に、第2モータ45を駆動して読み取る画像が形成された用紙の自動給紙を行う。
【0036】
また、図2に示す様に電源部19は、プリンタ制御部7から入力された信号に応じて電源部19から出力する電圧を変化させるPWMコントローラ47と、PWMコントローラ47に電力を供給するVCC電源49と、PWMコントローラ47に接続されたFET(Field Effect Transistor)51,53と、FET51,53に電力を供給するVDD電源55と、VDD電源55に接続されたコンデンサ57と、FET51,53に接続されたインダクタ59と、インダクタ59に接続されたコンデンサ61とを備える。
【0037】
PWMコントローラ47は、プリンタ制御部7からデータ入力端子に入力されたデータ信号Ctrl−Aに応じて電源部19からの出力電源POW−Aを変化させる。この様なPWMコントローラ47は、PWM(パルス幅変調)方式の電源コントローラICであり、データ信号Ctrl−Aに応じて、ゲートドライブ端子を介してFET51,53をスイッチングすることによって出力電源POW−Aを変化させる。PWMコントローラ47は、ゲートドライブ端子を2個備え、各ゲートドライブ端子は、FET51,53のゲート端子と接続されている。また、PWMコントローラ47は、出力電源POW−Aが入力されるフィードバック端子を備え、フィードバック端子に入力される出力電源POW−Aを監視する。
【0038】
FET51,53は、FET51の第1端子とFET53の第2端子とが接続されている。さらに、FET51の第1端子とFET53の第2端子とは、インダクタ59に接続されている。そして、FET51の第2端子は、コンデンサ57及びVDD電源55と接続されている。この様なFET51,53は、VDD電源55から供給される電力によって駆動し、PWMコントローラ47によりスイッチングされる。
【0039】
コンデンサ57は、FET51の第2端子およびグランドと接続され、VDD電源55の電圧を降圧する際に、降圧に必要な電荷を取り出す。
【0040】
インダクタ59は、FET51,53のスイッチング動作中に、インダクタ内の電荷を放出する。具体的には、インダクタ59は、FET51オフ状態、且つ、FET53がオン状態のときに内部の電荷を放出する。
【0041】
コンデンサ61は、インダクタ59の出力端子と接続され、出力電源POW−Aを一定にする。
【0042】
この様な電源部19は、データ信号Ctrl−Aに応じて、図3に示す様なテーブルを参照し、FET51,53のオン・オフ状態を制御しながら出力電源POW−Aを変化させて出力する。そして、電源部19から出力された出力電源POW−Aは、接続部9、USBケーブルLを介してスキャナ5に給電される。そしてスキャナ5は、接続部27において出力電源POW−Aを受け、入力電圧POW−Bとして電圧受容部37に給電する。
【0043】
電圧受容部37は、図4に示す様に、入力電源POW−Bに基づいて低電圧用電源POW−Cを出力するPWMコントローラ63と、PWMコントローラ63によって制御されるFET65,67と、FET65,67に接続されたインダクタ69と、インダクタ69に接続されたコンデンサ71と、電圧受容部37を保護する入力保護用ダイオード73と、プリンタ3を保護するプリンタ保護用ダイオード75と、入力電源POW−Bを降圧させるコンデンサ77と、入力電源POW−Bを監視する電源監視部79とを備える。この様な電圧受容部37は、入力電源POW−Bに応じて、低電圧で駆動する箇所に供給する低電圧用電源POW−C、及び高電圧で駆動する箇所に供給する高電圧用電源POW−Dを出力する。
【0044】
PWMコントローラ63は、入力電源POW−Bに応じて低電圧用電源POW−Cを変化させる。また、PWMコントローラ63は、ゲートドライブ端子を2個備え、各ゲートドライブ端子は、FET65,67のゲート端子と接続されている。また、PWMコントローラ63は、低電圧用電源POW−Cが入力されるフィードバック端子を備え、フィードバック端子に入力される低電圧用電源POW−Cを監視する。
【0045】
FET65,67は、FET65の第1端子とFET67の第2端子とが接続されている。さらに、FET65の第1端子とFET67の第2端子とは、インダクタ69に接続されている。そして、FET65の第2端子には、入力電源POW−Bが入力される。この様なFET65,67は、PWMコントローラ63によってスイッチングされる。
【0046】
インダクタ69は、FET65,67のスイッチング動作中に、インダクタ内の電荷を放出する。具体的には、インダクタ69は、FET65がオフ状態、且つ、FET67がオン状態のときに内部の電荷を放出する。
【0047】
コンデンサ71は、インダクタ69の出力端子と接続され、低電圧用電源POW−Cを一定にする。
【0048】
入力保護用ダイオード73は、入力電源POW−Bが入力される。そして、入力保護用ダイオード73は、入力電源POW−Bが一定の値以上になると短絡し、電圧受容部37を保護する。
【0049】
プリンタ保護用ダイオード75は、入力電源POW−BがPWMコントローラ63に入力される経路上に形成され、スキャナ5に電荷が残存した状態でプリンタ3とスキャナ5との接続を切断した際に、電荷が逆流することによってプリンタ3が破損することを防止する。
【0050】
コンデンサ77は、一方の端子に入力電源POW−Bが入力され、他方の端子がグランドと接続される。そして、コンデンサ77は、入力電源POW−Bを降圧する際に、降圧に必要な電荷を取り出す。
【0051】
電源監視部79は、高電圧用電源POW−Dを監視し、当該監視結果をデータ信号Ctrl−Bとしてスキャナ制御部25に供給する。
【0052】
次に、上述の構成を有するMFP1の動作について詳細な説明を行う。
【0053】
先ず、プリンタ3がスキャナ5に供給する電力を上昇させる方法について図5及び図6に示すフロー図、及び図7に示すタイムチャートを参照しながら詳細な説明を行う。
【0054】
一連の動作が開始するとステップS1においてプリンタ3は、接続ユニットが接続されているか否かを判断する。かかる処理は、プリンタ制御部7が通信部21に接続部9に接続された信号線のレベルを判断させることで行われる。そして、通信部21は、接続部9に接続された信号線のレベルを判断し、当該判断結果は、プリンタ制御部7に供給される。そしてこの処理は、プリンタ制御部7が、接続ユニットがプリンタ3に接続されていると判断するまで繰り返し行われる。
【0055】
次に、ステップS2においてプリンタ3は、スキャナ5に初期電圧を給電する。具体的には、かかる処理は、プリンタ3がデータ信号Ctrl−Aとして「001」を電源部19のPWMコントローラ47に供給することで行われる。PWMコントローラ47にデータ信号Ctrl−Aが供給されると、PWMコントローラ47は、図3に示す様なテーブルを参照して、出力電源POW−Aを3.3Vに立ち上げる。そして出力電源POW−Aが立ち上がると、プリンタ3からスキャナ5へ3.3Vの電圧が給電され、高電圧用電源POW−Dは、3.3Vに立ち上がる。
【0056】
次に、ステップS3においてプリンタ3は、図示せぬタイマを用い、一定時間経過するまで待機する。
【0057】
次に、ステップS4においてプリンタ3は、スキャナ5との通信を開始する。かかる処理は、情報解析部23が、通信部21に対して通信開始の指令を供給することで行われる。
【0058】
次に、ステップS5においてプリンタ3は、スキャナ5との通信が確立することができたか否かを判断する。かかる処理は、プリンタ制御部7の制御のもと、C1部に示す様に通信部21がスキャナ5に対してポーリングを行い、その応答の有無を判断することで行われる。そして、スキャナ5からの応答がない場合、プリンタ制御部7は、現在スキャナ5に供給されている電圧を引き上げる為に、ステップS6以降の処理を実行する。
【0059】
ステップS6においてプリンタ3は、現在スキャナ5に対して出力している出力電源POW−Aが、一定の基準電圧を超えているか否かを判断する。かかる処理は、プリンタ制御部7が、現在スキャナ5に給電されている出力電源POW−Aの値と、予め設定された基準電圧とを比較することで行われる。そして例えば、プリンタ3からスキャナ5に供給されている電圧が初期電圧の3.3Vであり基準電圧が5Vである場合は、プリンタ制御部7は、出力電源POW−Aが基準電圧を超えていないと判断し、ステップS7の処理を実行する。一方で出力電源POW−Aが、基準電圧を超えている場合はスキャナ5は接続ユニットとして不適切であるとしてステップS8においてプリンタ制御部7は、出力電源POW−Aの給電を中止し、表示部11にエラー表示を行い、一連の処理を終了する。
【0060】
ステップS7においてプリンタ3は、出力電源POW−Aを一段階引き上げる。例えば、出力電源POW−Aが初期電圧の3.3Vである場合は、プリンタ制御部7は、時刻t2において電源部19に対してデータ信号Ctrl−Aを供給し、出力電源POW−Aを5Vに引き上げる。そして、プリンタ3は、再度ステップS5の処理を実行し、C2部において再度ポーリングを行う。尚、本実施の形態では説明の便宜上、出力電源POW−Aが5Vのときに、プリンタ3とスキャナ5との通信が確立することができたものとして詳細な説明を行う。
【0061】
また、ステップS5においてスキャナ5との通信が確立できたと判断した場合は、プリンタ3は、ステップS9以降の処理を実行する。
【0062】
ステップS9においてプリンタ3は、スキャナ5に対して駆動電圧情報を要求する。駆動電圧情報は、スキャナ5が駆動する為に必要な電圧、及び電流に関する情報を示す情報をいう。そしてかかる処理は、C3部において情報解析部23が、通信部21を介してスキャナ5に駆動電圧情報要求を送信することで行われる。
【0063】
次にステップS10においてプリンタ3は、スキャナ5から駆動電圧情報を受信したか否かを判断する。そして駆動電圧情報を受信していないと判断した場合は、ステップS11においてプリンタ3は、駆動電圧情報要求を出力してから一定時間経過したか否かを判断する。そして、一定時間を経過していないと判断した場合は、プリンタ3は、再度ステップS10の処理を実行する。一方で、一定時間が経過している場合は、プリンタ3は、スキャナ5が高電圧に未対応な接続ユニットであると判断する。そしてこの場合、プリンタ3は、スキャナ5が現在の出力電源POW−Aで動作可能であるとして一連の処理を終了する。
【0064】
一方でステップS10で駆動電圧情報を受信したと判断した場合、ステップS12においてプリンタ3は、スキャナ5から応答された駆動電圧情報が出力可能な電圧であるか否かを判断する。かかる処理は、情報解析部23が、駆動電圧情報要求に対する応答の内容を判断することで行われる。そして、情報解析部23が、駆動電圧情報が出力可能な電圧であると判断した場合は、ステップS13の処理を実行する。一方、情報解析部23が、駆動電圧情報が出力可能な電圧でないと判断した場合は、プリンタ3はステップS14以降の処理を実行する。
【0065】
ステップS13においてプリンタ3は、スキャナ5から応答された駆動電圧情報が出力可能な電流であるか否かを判断する。かかる処理も同様に、情報解析部23が、駆動電圧情報要求に対する応答の内容を判断することで行われる。そして、情報解析部23が、駆動電圧情報が出力可能な電流でないと判断した場合は、プリンタ3はステップS14以降の処理を実行する。一方、情報解析部23が、駆動電圧情報が出力可能な電流であると判断した場合は、ステップS15以降の処理を実行する。
【0066】
ステップS14においてプリンタ3は、駆動電圧情報が、プリンタ3によっては出力することができない電圧、電流を含むことにより、プリンタ3によってはスキャナ5を駆動することができない旨のエラー通知をスキャナ5に送信し、一連の処理を終了する。
【0067】
次に、ステップS15においてプリンタ3は、電圧変更の指示があったか否かを判断する。電圧変更の指示とは、プリンタ3がスキャナ5の電源がオン状態となったと判断した場合、又はスキャナ5が給電停止状態からの復帰の場合にプリンタ制御部7に供給される指示をいう。そして給電停止状態からの復帰は、スキャナ5の電源の自動オン・オフを制御するタイマからの指示、ユーザがプリンタ3の操作部13を介して入力した指示、ユーザがスキャナ5の操作部31を介して入力した指示、又は外部装置からLAN通信部15を介して入力された指示があった場合に行われる。そしてプリンタ3は、電圧変更の指示があるまで同様の処理を繰り返し行う。
【0068】
次に、ステップS16においてプリンタ3は、電圧変更通知をスキャナ5に送信する。かかる処理は、情報解析部23が、C4部において電圧変更通知をスキャナ5に送信することで行われる。スキャナ5は、電圧変更通知を受信すると、かかる通知に応じて駆動電圧情報をプリンタ3に送信する。
【0069】
次に、ステップS17においてプリンタ3は、スキャナ5から受信した駆動電圧情報に基づいて出力電源POW−Aを変更する。例えば、スキャナ5から送信された駆動電圧情報が、24Vである場合は、情報解析部23は、時刻t2において電源部19に対して「110」のデータ信号Ctrl−Aを供給する。これにより、電源部19から出力される出力電源POW−Aは、24Vに遷移する。
【0070】
次に、ステップS18においてプリンタ3は、スキャナ5に対して電圧変更結果の要求を行う。かかる処理は、C5部において情報解析部23が、スキャナ5に対して電圧変更結果の要求を送信することで行われる。
【0071】
次に、ステップS19においてプリンタ3は、スキャナ5から電圧変更結果を受信したか否かを判断する。かかる処理は、スキャナ5から電圧変更結果が送信されるまで繰り返し行われる。
【0072】
次に、ステップS20においてプリンタ3は、スキャナ5の電圧変更が成功したか否かを判断する。かかる処理は、情報解析部23が、スキャナ5から送信された電圧変更結果を解析することで行われる。そして情報解析部23が、スキャナ5の電圧変更が成功したと判断した場合は、プリンタ3は一連の処理を終了する。
【0073】
一方で、情報解析部23が、スキャナ5の電圧変更が成功していないと判断した場合は、ステップS21においてプリンタ3は、出力電源POW−Aを、通信確立時の電圧に変更する。かかる処理は、情報解析部23が、電源部19にデータ信号Ctrl−Aを供給することで行われる。そして、上述の様に、本実施の形態では、通信確立時の出力電源POW−Aは、5Vである為、情報解析部23は、電源部19に「010」のデータ信号Ctrl−Aを供給する。
【0074】
次にステップS22においてプリンタ3は、電圧変更処理のリトライカウント数に値1を加算する。そして、ステップS23においてプリンタ3は、リトライカウント数が、一定の閾値nを超えたか否かを判断する。プリンタ3は、リトライカウント数が、閾値nを超えたと判断した場合は、スキャナ5に対して正確な給電を行うことができないと判断し、ステップS24において表示部11にエラーメッセージを表示し、一連の処理を終了する。一方で、リトライカウント数が閾値nを超えていないと判断した場合は、プリンタ3は、再度ステップS4以降の処理を繰り返す。
【0075】
この様に、プリンタ3は、基準電圧以下で、スキャナ5の駆動電圧情報を取得する初期動作を行い、取得した駆動電圧情報に基づいて出力電源POW−Aを変更させる。これにより、プリンタ3は、スキャナ5の駆動電圧に応じた出力電源POW−Aをスキャナ5に供給することができる。
【0076】
次に、プリンタ3がスキャナ5への給電を停止する際におけるプリンタ3の一連の動作について、図8に示すフロー図、及び図9に示すタイムチャートを参照しながら詳細な説明を行う。
【0077】
一連の処理が開始すると、ステップS30においてプリンタ3は、スキャナ5の切断指示があったか否かを判断する。スキャナ5の切断指示とは、プリンタ3の主電源を落とすことなく、スキャナ5をプリンタ3から物理的に切断する旨の指示をいい、ユーザによって例えば操作部13、操作部31、又は外部装置から入力される。かかる処理は、プリンタ3に切断指示が入力されるまで繰り返し行われる。
【0078】
次に、ステップS31においてプリンタ3は、スキャナ5に対して給電停止の予告を送信する。かかる処理は、C10部においてプリンタ制御部7が、通信部15を介して給電停止予告をスキャナ5に送信することで行われる。
【0079】
次に、ステップS32においてプリンタ3は、スキャナ5から給電停止準備の完了通知を受信したか否かを判断する。
【0080】
次に、ステップS33においてプリンタ3は、スキャナ5との通信を終了する準備を実行する。
【0081】
次に、ステップS34においてプリンタ3は、スキャナ5に対する給電を停止する。かかる処理は、情報解析部23が、電源部19に対して「000」のデータ信号Ctrl−Aを供給することで行われる。「000」のデータ信号Ctrl−Aを受けた電源部19は、かかるデータ信号Ctrl−Aに応じて、時刻t10において出力電源POW−Aを0Vに遷移させる。
【0082】
次に、ステップS35においてプリンタ3は、ユーザに対してスキャナ5が正常に切断された旨、及びUSBケーブルLを切断可能な旨を表示部11に表示し、一連の処理を終了する。
【0083】
次に、プリンタ3からスキャナ5に給電される電源電圧を降下させる際におけるプリンタ3の一連の動作について図10に示すフロー図、及び図11に示すタイムチャートを参照しながら詳細な説明を行う。
【0084】
一連の処理が開始すると、ステップS40においてプリンタ3は、出力電源POW−Aを降下させる指示が入力されたか否かを判断する。出力電源POW−Aを降下させる指示は、パワーセーブモードへの移行時、すなわち、プリンタ3又はスキャナ5の非駆動時間が一定の時間を越えた場合、又は、操作部13若しくは操作部31を介して、若しくは外部装置からLAN通信部15を介してプリンタ3に入力された場合をいい、プリンタ3は何れかの条件が満たされたときに、出力電源POW−Aを降下させる指示が入力されたと判断する。そしてかかる処理は、出力電源POW−Aを降下させる指示が入力されるまで繰り返し行われる。
【0085】
次に、ステップS41においてプリンタ3は、出力電源POW−Aの降下予告をスキャナ5に送信する。かかる処理は、C20部において情報解析部23が、通信部15を介して降下予告をスキャナ5に送信することで行われる。
【0086】
次に、ステップS42においてプリンタ3は、降下準備の完了通知を受信したか否かを判断する。かかる処理は、情報解析部23が、スキャナ5からの電圧降下の準備を終了した旨の通知を受信したか否かを判断することで行われる。そして、プリンタ3は、スキャナ5からの降下準備の完了通知を受信するまで同様の処理を繰り返し行う。
【0087】
次に、ステップS43においてプリンタ3は、スキャナ5に給電される電圧電源を降下させる。かかる処理は、情報解析部23が、電源部19に対して、「010」のデータ信号Ctrl−Aを供給することで行われる。電源部19は、「010」のデータ信号Ctrl−Aを受けると、時刻t20において出力電源POW−Aを通信確立時の5Vに遷移させる。これにより、プリンタ3は、スキャナ5をパワーセーブモードへ移行させ、一連の処理を終了する。そして、プリンタ3は、スキャナ5との通信を確立した状態で、ユーザからの指示が入力されるまでスキャナ5を待機させる。そして、ユーザによってパワーセーブモードの解除の指示が入力された場合には、プリンタ3は、図5に示す、ステップS15以降の処理を実行する。
【0088】
次に、スキャナ5に給電される電源電圧が上昇した際におけるスキャナ5の一連の動作について図12及び図13のフロー図を参照しながら詳細な説明を行う。
【0089】
一連の動作が開始すると、ステップS50においてスキャナ5は、プリンタ3から給電された初期電圧を受電する。かかる処理は、電圧受容部37が、接続部27を介して初期電圧を受電することで行われる。
【0090】
次に、ステップS51においてスキャナ5は、プリンタ3との間の通信を確立する。かかる処理は、電圧受容部37が低電圧用電源POW−Cを通信部41に供給して通信部41を駆動することで行われる。
【0091】
次に、ステップS52においてスキャナ5は、プリンタ3との間の通信が確立したか否かを判断する。かかる処理は、スキャナ制御部25が、通信部41を監視することで行われる。そしてかかる処理は、スキャナ制御部25が、プリンタ3との通信が確立したと判断するまで繰り返し実行される。
【0092】
次に、ステップS53においてスキャナ5は、プリンタ3から駆動電源情報の要求があったか否かを判断する。そしてスキャナ5は、プリンタ3から駆動電源情報の要求がないと判断した場合は、プリンタ3は高電圧が出力可能な電力供給装置でないと判断し、ステップS54においてエラーメッセージを表示部29に表示させると共に、その旨をプリンタ3に通知し、一連の処理を終了する。
【0093】
ステップS53において駆動電源情報の要求があったと判断した場合、ステップS55においてスキャナ5は、予め記憶した駆動電源情報をプリンタ3に送信する。かかる処理は、スキャナ制御部25が駆動電源情報を、通信部41を介してプリンタ3に送信することで行われる。
【0094】
次に、ステップS56においてスキャナ5は、プリンタ3によってはスキャナ5を駆動することができない旨のエラー通知を受信したか否かを判断する。かかる処理は、スキャナ制御部25が、通信部41において受信した情報を監視することで行われる。そして、スキャナ制御部41が、エラー通知を受信したと判断した場合は、スキャナ5は、通信を確立させた状態で、一連の処理を終了する。一方、スキャナ5が、エラー通知を受信していないと判断した場合は、スキャナ5は、ステップS57以降の処理を実行する。
【0095】
ステップS57においてスキャナ5は、プリンタ3から電圧変更通知を受信したか否かを判断する。かかる処理は、スキャナ5が電圧変更通知を受信したと判断するまで繰り返し行われる。
【0096】
次に、ステップS58においてスキャナ5は、図示せぬタイマにより、電圧変更通知を受信してからの経時時間のカウントを開始する。タイマは、電圧が上昇する為に必要な経時時間をカウントする為の手段である。
【0097】
次に、ステップS59においてスキャナ5は、プリンタ3から電圧変更結果の要求を受信したか否かを判断する。かかる処理は、スキャナ制御部25が、電圧変更結果の要求を受信したと判断するまで繰り返し実行される。
【0098】
次に、ステップS60においてスキャナ5は、タイマによってカウントされている時間が、一定の時間xを経過したか否かを判断する。タイマによってカウントされている時間が、時間xを経過していない場合には、電圧が上昇する為に必要な時間が経過していない為、スキャナ5は、同様の処理を繰り返し実行する。
【0099】
次に、ステップS61においてスキャナ5は、高電圧用電源POW−Dの値を検出する。かかる処理は、電源監視部79によって高電圧用電源POW−Dの値を検出し、検出結果をデータ信号Ctrl−Bとしてスキャナ制御部25に供給することで行われる。そして、このときの検出結果には、高電圧用電源POW−Dの値が、スキャナ5の動作範囲であること、動作範囲よりも高いこと、又は動作範囲よりも低いこと、の何れかの検出結果が含まれる。
【0100】
次に、ステップS62においてスキャナ5は、高電圧用電源POW−Dが動作可能範囲内の電圧レベルにあるか否かを判断する。かかる処理は、スキャナ制御部25が、データ信号Ctrl−Bの内容を解析することによって行われる。そして例えば、高電圧用電源POW−Dが、動作範囲よりも高い場合、又は動作範囲よりも低い場合は、スキャナ制御部25は、高電圧用電源POW−Dが動作可能範囲内の電圧レベルに無いと判断し、ステップS63の処理を実行する。
【0101】
ステップS63においてスキャナ5は、電圧変更結果をプリンタ3に送信する。そして、このとき送信される電圧変更結果は、電圧変更が失敗である旨の情報を含むものである。その後、スキャナ5は、再度ステップS51の処理を実行する。
【0102】
一方で、高電圧用電源POW−Dが動作可能範囲内である場合は、ステップS64においてスキャナ5は、電圧変更結果をプリンタ3に送信し、スキャナ5は一連の処理を終了する。そして、このとき送信される電圧変更結果は、電圧変更は成功した旨の情報を含むものである。
【0103】
次に、プリンタ3からの給電が停止される際におけるスキャナ5の一連の動作について、図14に示すフロー図を参照しながら詳細な説明を行う。
【0104】
一連の処理が開始すると、ステップS70においてスキャナ5は、プリンタ3からの給電停止の予告を受信したか否かを判断する。かかる処理は、給電停止の予告を受信するまで繰り返し実行される。
【0105】
次に、ステップS71においてスキャナ5は、通信終了準備を行う。通信終了準備とは、スキャナ5の通信関連部以外の処理を全て終了する処理をいう。そして、スキャナ5は、通信終了準備が終了した後、ステップS72においてプリンタ3に通信終了準備の完了通知を送信する。
【0106】
その後、ステップS73においてスキャナ5は、プリンタ3との通信を終了する。かかる処理は、スキャナ5の通信管理部の処理を終了することで行われる。その後、スキャナ5は一連の処理を終了し、プリンタ3からの給電が停止するのを待つ。
【0107】
次に、プリンタ3から給電される電源電圧が降下される際におけるスキャナ5の一連の動作について図15に示すフロー図を参照しながら詳細な説明を行う。
【0108】
一連の動作が開始すると、ステップS75においてスキャナ5は、プリンタ3から出力電源POW−Aの降下予告を受信したか否かを判断する。かかる処理は、出力電源POW−Aの降下予告を受信するまで繰り返し行われる。
【0109】
次に、ステップS76においてスキャナ5は、高電圧部の駆動停止処理を行う。かかる処理は、CCDモジュール33等の高電圧部の駆動を停止させ、さらに移動機器に関しては当該機器をホームポジション等に戻すことによって行われる。
【0110】
次に、ステップS77においてスキャナ5は、プリンタ3に降下準備の完了通知を送信し、一連の処理を終了する。かかる通知がプリンタ3に送信されると、プリンタ3はこれを認識し、出力電源POW−Aを基準電圧まで降下させる。
【0111】
この様なMFP1によれば、電源供給装置としてのプリンタ3は、接続ユニットとしてのスキャナ5の駆動電圧情報を取得し、該情報に応じて駆動電圧を供給することができる為、スキャナ5に供給する駆動電圧の最適化を図ることができる。また、プリンタ3は、駆動電圧の異なる接続ユニットが接続された場合においても、該接続ユニットの駆動電圧に応じて最適な駆動電圧を供給することができる為、様々な接続ユニットに対する電源供給装置として機能することができる。
【0112】
また、MFP1によれば、プリンタ3及びスキャナ5間の初期の通信は、低電圧で実行される為、消費電力の抑制を図ることができる。
【0113】
以下、本発明の第2の実施の形態について詳細な説明を行う。第2の実施の形態にかかるMFPは、MFP1と同一の構成を備える箇所がある為、該箇所については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0114】
図16に示す様に、MFP101は、プリンタ103と、スキャナ105を、USBケーブルLを用いて接続して構成される。
【0115】
プリンタ103は、プリンタ3のプリンタ制御部7に変えて、プリンタ制御部107を備える。
【0116】
プリンタ制御部107は、通信部21を介してスキャナ105に、スキャナ105が駆動可能な最低電圧値、最高電圧値、及び消費電力値に関する情報を要求する。また、プリンタ制御部107は、情報解析部109を備える。
【0117】
情報解析部109は、スキャナ105から送信された最低電圧値、最高電圧値、及び消費電力値に関する情報を解析し、電源部19に対して出力電源POW−Aの電圧値を示すデータ信号Ctrl−Aを供給する。
【0118】
また、スキャナ105は、スキャナ制御部25及び電圧受容部37に変えて、スキャナ制御部111及び電圧受容部113を備える。
【0119】
スキャナ制御部111は、プリンタ103から送信された最低電圧値、最高電圧値、及び消費電力値に関する情報の要求に対して、最低電圧値、最高電圧値、及び消費電力値に関する情報をプリンタ103に送信する。
【0120】
また、電圧受容部113は、図17に示す様に、入力電源POW−Bに基づいて高電圧用電源POW−Dを出力するPWMコントローラ117と、PWMコントローラ117によって制御されるFET119,121,123と、FET119,121,123に接続されたインダクタ125と、インダクタ125の出力端子に接続されたダイオード127と、ダイオード127の出力端子に接続されたコンデンサ129とを備える。
【0121】
PWMコントローラ115は、入力電源POW−Bに応じて高電圧用電源POW−Dを、5Vから24Vまでの間で変化させる。また、PWMコントローラ115は、ゲートドライブ端子を介してFET119,121,123をスイッチングする。また、PWMコントローラ115は、フィードバック端子を備え、フィードバック端子に入力される高電圧用電源POW−Dを監視する。
【0122】
インダクタ125は、FET119,121,123がPWMコントローラ115によってスイッチングされることによってダイオード127の方向に電流を流す。
【0123】
ダイオード127は、インダクタ125と接続され、通過電圧の昇圧時にコンデンサ129に電圧を保持させる。
【0124】
コンデンサ129は、ダイオード127の出力端子と接続され、高電圧用電源POW−Dを一定にする。
【0125】
次に、上述の構成を有するMFP101の動作について詳細な説明を行う。
【0126】
先ず、プリンタ103がスキャナ105に供給する電力を上昇させる方法について図18及び図19に示すフロー図を参照しながら詳細な説明を行う。
【0127】
一連の動作が開始するとステップS81においてプリンタ103は、接続ユニットが接続されているか否かを判断する。かかる処理は、プリンタ制御部107が、接続ユニットがプリンタ103に接続されていると判断するまで繰り返し行われる。
【0128】
次に、ステップS82においてプリンタ103は、スキャナ105に初期電圧3.3Vを給電する。
【0129】
次に、ステップS83においてプリンタ103は、図示せぬタイマを用い、一定時間経過するまで待機する。
【0130】
次に、ステップS84においてプリンタ103は、スキャナ105との通信を開始する。
【0131】
次に、ステップS85においてプリンタ103は、スキャナ105との通信が確立することができたか否かを判断する。そして、スキャナ105からの応答がない場合、プリンタ制御部107は、現在スキャナ105に供給されている電圧を引き上げる為に、ステップS86以降の処理を実行する。
【0132】
ステップS86においてプリンタ103は、現在スキャナ105に対して出力している出力電源POW−Aが、一定の基準電圧を超えているか否かを判断する。そして例えば、プリンタ103からスキャナ105に供給されている電圧が初期電圧の3.3Vであり基準電圧が5Vである場合は、プリンタ制御部107は、出力電源POW−Aが基準電圧を超えていないと判断し、ステップS87の処理を実行する。一方で出力電源POW−Aが、基準電圧を超えている場合は、スキャナ105は、接続ユニットとして不適切であるとしてステップS88においてプリンタ制御部7は、出力電源POW−Aの給電を中止し、表示部11にエラー表示を行い、一連の処理を終了する。
【0133】
ステップS87においてプリンタ103は、出力電源POW−Aを一段階引き上げ、再度ステップS85の処理を実行する。
【0134】
ステップS89においてプリンタ103は、スキャナ105に対して電圧消費電力情報を要求する。電圧消費電力情報とは、スキャナ105が動作するために必要な最低電圧値、動作可能な最高電圧値、及び消費電力に関する情報をいう。
【0135】
次にステップS90においてプリンタ103は、スキャナ105から電圧消費電力情報を受信したか否かを判断する。そして電圧消費電力情報を受信していないと判断した場合は、ステップS91においてプリンタ103は、駆動電圧情報要求を出力してから一定時間経過したか否かを判断する。そして、一定時間を経過していないと判断した場合は、プリンタ103は、再度ステップS90の処理を実行する。一方で、一定時間が経過している場合は、プリンタ103は、スキャナ105が高電圧に未対応な接続ユニットであると判断する。そしてこの場合、プリンタ103は、スキャナ105は、現在の出力電源POW−Aが5Vの状態で動作可能であるとして一連の処理を終了する。
【0136】
次にステップS92においてプリンタ103は、スキャナ105から応答された電圧消費電力情報が出力可能な電圧であるか否かを判断する。かかる処理は、情報解析部109が、駆動電圧情報要求に対する応答の内容を判断することで行われる。そして、情報解析部109が、駆動電圧情報が出力可能な電圧であると判断した場合は、ステップS93の処理を実行する。一方、プリンタ103が、電圧消費電力情報が出力可能な電圧でないと判断した場合は、プリンタ103はステップS94以降の処理を実行する。尚、以下では説明の便宜上、プリンタ103の最低電圧は3.3V、最高電圧を12V、そして最大電力を50Wであるものとして詳細な説明を行う。
【0137】
ステップS93においてプリンタ103は、スキャナ105から応答された電圧消費電力情報が出力可能な電力であるか否かを判断する。かかる処理も同様に、情報解析部109が、電圧消費電力情報要求に対する応答の内容を判断することで行われる。情報解析部109が、電圧消費電力情報が出力可能な電力でないと判断した場合は、プリンタ103はステップS94以降の処理を実行する。一方、情報解析部109が、電圧消費電力情報が出力可能な電力であると判断した場合は、ステップS95以降の処理を実行する。
【0138】
例えば、電圧消費電力情報に含まれる最低電圧が5V、最高電圧が24Vであり、消費電力が10Wである場合は、情報解析部109は、スキャナ105に対して給電可能であると判断する。
【0139】
ステップS94においてプリンタ103は、電圧消費電力情報が、プリンタ103によっては出力することができない電圧、電力を含むことにより、プリンタ103によってはスキャナ105を駆動することができない旨のエラー通知をスキャナ105に送信し、一連の処理を終了する。
【0140】
次に、ステップS95においてプリンタ103は、電圧変更の指示があったか否かを判断する。そしてプリンタ103は、電圧変更の指示があるまで同様の処理を繰り返し行う。
【0141】
次に、ステップS96においてプリンタ103は、電圧変更通知をスキャナ105に送信する。スキャナ105は、電圧変更通知を受信すると、かかる通知に応じて駆動電圧情報をプリンタ103に送信する。
【0142】
次に、ステップS97においてプリンタ103は、スキャナ105から受信した電圧消費電力情報に基づいて出力電源POW−Aを変更する。
【0143】
次に、ステップS98においてプリンタ103は、スキャナ105に対して電圧変更結果の要求を行う。
【0144】
次に、ステップS99においてプリンタ103は、スキャナ105から電圧変更結果を受信したか否かを判断する。かかる処理は、スキャナ105から電圧変更結果が送信されるまで繰り返し行われる。
【0145】
次に、ステップS100においてプリンタ103は、スキャナ105の電圧変更が成功したか否かを判断する。かかる処理は、情報解析部109が、スキャナ105から送信された電圧変更結果を解析することで行われる。そして情報解析部109が、スキャナ105の電圧変更が成功したと判断した場合は、プリンタ103は一連の処理を終了する。
【0146】
一方で、情報解析部109が、スキャナ105の電圧変更が成功していないと判断した場合は、ステップS101においてプリンタ103は、出力電源POW−Aを、通信確立時の電圧に変更する。
【0147】
次にステップS102においてプリンタ103は、電圧変更処理のリトライカウント数に値1を加算する。そして、ステップS103においてプリンタ103は、リトライカウント数が、一定の閾値nを超えたか否かを判断する。プリンタ103は、リトライカウント数が、閾値nを超えたと判断した場合は、スキャナ105に対して正確な給電を行うことができないと判断し、ステップS104において表示部11にエラーメッセージを表示し、一連の処理を終了する。一方で、リトライカウント数が閾値nを超えていないと判断した場合は、プリンタ103は、再度ステップS84以降の処理を繰り返す。
【0148】
次に、スキャナ105に宮殿される電源電圧が上昇した際におけるスキャナ105の一連の動作について図20及び図21のフロー図を参照しながら詳細な説明を行う。
【0149】
一連の動作が開始すると、ステップS110においてスキャナ105は、プリンタ103から給電された初期電圧を受電する。
【0150】
次に、ステップS111においてスキャナ105は、プリンタ103との間の通信を確立する。
【0151】
次に、ステップS112においてスキャナ105は、プリンタ103との間の通信が確立したか否かを判断する。かかる処理は、スキャナ制御部111が、プリンタ103との通信が確立したと判断するまで繰り返し実行される。
【0152】
次に、ステップS113においてスキャナ105は、プリンタ103から電圧消費電力情報の要求があったか否かを判断する。そしてスキャナ105は、プリンタ103から電圧消費電力情報の要求がないと判断した場合は、プリンタ103は高電圧が出力可能な電力供給装置でないと判断し、ステップS114においてエラーメッセージを表示部29に表示させると共に、その旨をプリンタ103に通知し、一連の処理を終了する。
【0153】
ステップS113において電圧消費電力情報の要求があったと判断した場合、ステップS115においてスキャナ105は、予め記憶した電圧消費電力情報をプリンタ103に送信する。このとき例えばスキャナ105は、電圧消費電力情報を最低電圧5V、最高電圧24V、及び消費電力10Wとする情報をプリンタ103に送信する。
【0154】
次に、ステップS116においてスキャナ105は、プリンタ3によってはスキャナ5を駆動することができない旨のエラー通知を受信したか否かを判断する。そして、スキャナ制御部111が、エラー通知を受信したと判断した場合は、スキャナ105は、通信を確立させた状態で、一連の処理を終了する。一方、スキャナ105が、エラー通知を受信していないと判断した場合は、スキャナ105は、ステップS117以降の処理を実行する。
【0155】
ステップS117においてスキャナ105は、プリンタ103から電圧変更通知を受信したか否かを判断する。
【0156】
次に、ステップS118においてスキャナ105は、図示せぬタイマにより、電圧変更通知を受信してからの経時時間のカウントを開始する。
【0157】
次に、ステップS119においてスキャナ105は、プリンタ103から電圧変更結果の要求を受信したか否かを判断する。
【0158】
次に、ステップS120においてスキャナ105は、タイマによってカウントされている時間が、一定の時間xを経過したか否かを判断する。タイマによってカウントされている時間が、時間xを経過していない場合には、電圧が上昇する為に必要な時間が経過していない為、スキャナ105は、同様の処理を繰り返し実行する。
【0159】
次に、ステップS121においてスキャナ105は、高電圧用電源POW−Dの値を検出する。このときの検出結果には、高電圧用電源POW−Dの値が、スキャナ105の動作範囲であること、動作範囲よりも高いこと、又は動作範囲よりも低いこと、の何れかの検出結果が含まれる。
【0160】
次に、ステップS122においてスキャナ105は、高電圧用電源POW−Dが動作可能範囲内の電圧レベルにあるか否かを判断する。そして例えば、高電圧用電源POW−Dが、動作範囲よりも高い場合、又は動作範囲よりも低い場合は、スキャナ制御部111は、高電圧用電源POW−Dが動作可能範囲内の電圧レベルに無いと判断し、ステップS123の処理を実行する。
【0161】
ステップS123においてスキャナ105は、電圧変更結果をプリンタ103に送信する。そして、このとき送信される電圧変更結果は、電圧変更が失敗である旨の情報を含むものである。その後、スキャナ105は、再度ステップS111の処理を実行する。
【0162】
一方で、高電圧用電源POW−Dが動作可能範囲内である場合は、ステップS124においてスキャナ105は、電圧変更結果をプリンタ103に送信し、スキャナ105は一連の処理を終了する。
【0163】
以上の様に、MFP101によれば、MFP1の効果に加え、スキャナ105が、プリンタ103が出力可能な電圧に合わせることができる為、プリンタ103とスキャナ105との組み合わせの自由度を向上させることができる。
【0164】
以下、本発明の第3の実施の形態について詳細な説明を行う。第3の実施の形態にかかるMFPは、MFP1と同一の構成を備える箇所がある為、該箇所については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0165】
図22に示す様に、MFP201は、プリンタ203と、スキャナ205を、USBケーブルLを用いて接続して構成される。
【0166】
プリンタ203は、プリンタ3のプリンタ制御部7に変えて、プリンタ制御部207を備える。プリンタ制御部207は、スキャナ205に対して駆動電圧情報を要求する。そして、プリンタ制御部207は、スキャナ205から送信された駆動電圧情報を解析する、情報解析部209を備える。
【0167】
情報解析部209は、電源部211に対して、高電圧出力電源を制御するデータ信号Ctrl−A、及び低電圧出力電源を制御するデータ信号Ctrl−Cを供給する。
【0168】
電源部211は、情報解析部209から供給されたデータ信号Ctrl−A、及びデータ信号Ctrl−Cに応じて、スキャナ205に対して高電圧出力電源、及び低電圧出力電源を供給する。この様な電源部211は、図23に示す様に、高電圧出力電源を出力するPWMコントローラ47と、低電圧出力電源を出力する出力制御スイッチ213を備える。
【0169】
出力制御スイッチ213は、情報解析部209から入力されたデータ信号Ctrl−Cに応じて、スキャナ205に対して低電圧出力電源POW−Eを出力する。
【0170】
この様な電源部211は、情報解析部209から供給されたデータ信号Ctrl−A、及びデータ信号Ctrl−Cに応じて、高電圧出力電源POW−F、及び低電圧出力電源POW−Eの2種類の出力電源をスキャナ205に対して出力する。
【0171】
スキャナ205は、プリンタ203から給電された高電圧出力電源POW−F、及び低電圧出力電源POW−Eに応じて、高電圧で駆動する箇所に高電圧電源POW−Gを供給すると共に、低電圧で駆動する箇所に低電圧電源POW−Hを供給する電圧受容部215を備える。
【0172】
電圧受容部215は、プリンタ203から給電された低電圧電源POW−Eに応じて、低電圧で駆動する箇所に、例えば5Vの低電圧用電源POW−Gを給電する。そして、図24に示す様に電圧受容部215は、低電圧用電源POW−Gを監視する低電圧電源監視部217を備える。
【0173】
低電圧電源監視部217は、入力保護用ダイオード219、プリンタ保護用ダイオード221、及びコンデンサ223によって構成される回路を介して入力された低電圧用電源POW−Gを監視し、当該監視結果を、データ信号Ctrl−Dとしてスキャナ制御部225に供給する。
【0174】
また、電圧受容部215は、高電圧電源POW−Gを監視する高電圧電源監視部227を備える。高電圧電源監視部227は、入力保護用ダイオード229、プリンタ保護用ダイオード231、及びコンデンサ233によって構成される回路を介して入力された高電圧用電源POW−Hを監視し、当該監視結果を、データ信号Ctrl−Eとしてスキャナ制御部225に供給する。
【0175】
次に、上述の構成を有するプリンタ203の動作について、図25及び図26に示すフロー図、並びに図27に示すタイムチャートを参照しながら詳細な説明を行う。
【0176】
一連の動作が開始するとステップS131においてプリンタ203は、接続ユニットが接続されているか否かを判断する。かかる処理は、プリンタ制御部207が、接続ユニットがプリンタ203に接続されていると判断するまで繰り返し行われる。
【0177】
次に、ステップS132においてプリンタ203は、スキャナ205に初期電圧5Vを給電する。かかる処理は、情報解析部209が、電源部211に対してデータ信号Ctrl−Cを供給することで行われる。そして、情報解析部209から電源部211にデータ信号Ctrl−Cが供給されると、出力制御スイッチ213がオン状態となり、時刻t30においてプリンタ203は、スキャナ205に対して低電圧出力電源POW−Eを給電する。
【0178】
次に、ステップS133においてプリンタ203は、図示せぬタイマを用い、一定時間経過するまで待機する。
【0179】
次に、ステップS134においてプリンタ203は、スキャナ205との通信を開始する。かかる処理は、C30部において通信部21がスキャナ205に対してポーリングを行うことで実行される。
【0180】
次に、ステップS135においてプリンタ203は、スキャナ205との通信が確立することができたか否かを判断する。そして、スキャナ205からの応答がない場合、ステップS136においてプリンタ制御部207は、電源部211に供給しているデータ信号Ctrl−Cをオフ状態とし、スキャナ205への給電を中止すると共に、表示部11にエラーを表示させ、一連の処理を終了する。
【0181】
一方、スキャナ205との通信が確立できたと判断した場合、ステップS137においてプリンタ203は、スキャナ205に対して駆動電圧情報を要求する。かかる処理は、C31部において情報解析部209が、通信部21を介してスキャナ205に駆動電圧情報要求を送信することで行われる。
【0182】
次に、ステップS138においてプリンタ203は、スキャナ205から駆動電圧情報を受信したか否かを判断する。そして駆動電圧情報を受信していないと判断した場合は、ステップS139においてプリンタ203は、駆動電圧情報要求を出力してから一定時間経過したか否かを判断する。そして、一定時間を経過していないと判断した場合は、プリンタ203は、再度ステップS138の処理を実行する。一方で、一定時間が経過している場合は、プリンタ203は、スキャナ205が高電圧に未対応な接続ユニットであると判断する。そしてこの場合、プリンタ203は、スキャナ205が現在の出力電源POW−Eで動作可能であるとして一連の処理を終了する。
【0183】
一方でステップS138で駆動電圧情報を受信したと判断した場合、ステップS140においてプリンタ103は、スキャナ105から応答された駆動電圧情報が出力可能な電圧であるか否かを判断する。そして、情報解析部209が、駆動電圧情報が出力可能な電圧であると判断した場合は、ステップS141の処理を実行する。一方、情報解析部209が、駆動電圧情報が出力可能な電圧でないと判断した場合は、プリンタ203はステップS142以降の処理を実行する。
【0184】
ステップS141においてプリンタ203は、スキャナ205から応答された駆動電圧情報が出力可能な電流であるか否かを判断する。そして、情報解析部209が、駆動電圧情報が出力可能な電流でないと判断した場合は、プリンタ203はステップS142以降の処理を実行する。一方、情報解析部209が、駆動電圧情報が出力可能な電流であると判断した場合は、ステップS143以降の処理を実行する。
【0185】
ステップS142においてプリンタ3は、駆動電圧情報が、プリンタ203によっては出力することができない電圧、電流を含むことにより、プリンタ203によってはスキャナ205を駆動することができない旨のエラー通知をスキャナ205に送信し、一連の処理を終了する。
【0186】
次に、ステップS143においてプリンタ203は、電圧変更の指示があったか否かを判断する。そしてプリンタ203は、電圧変更の指示があるまで同様の処理を繰り返し行う。
【0187】
次に、ステップS144においてプリンタ3は、電圧変更通知をスキャナ5に送信する。かかる処理は、情報解析部209が、C32部において電圧変更通知をスキャナ205に送信することで行われる。
【0188】
次に、ステップS145においてプリンタ3は、スキャナ205から受信した駆動電圧情報に基づいて、スキャナ205に給電する電圧を変更する。かかる処理は、情報解析部209が駆動電圧情報を解析して、時刻t31において情報解析部209が電源部211にデータ信号Ctrl−Aを供給することで行われる。例えば、駆動電圧情報を解析した結果、スキャナ205の駆動電圧が24Vであった場合、情報解析部209は、データ信号Ctrl−Aを「110」を電源部211に供給し、高電圧用電源POW−Fとして24Vをスキャナ205に給電する。このとき、プリンタ203とスキャナ205との間の通信を維持する為に、データ信号Ctrl−Cは継続してオン状態となる。
【0189】
次に、ステップS146においてプリンタ203は、スキャナ205に対して電圧変更結果の要求を行う。かかる処理は、情報解析部209が、C33部において電圧変更結果の要求をスキャナ205に送信することで行われる。
【0190】
次に、ステップS147においてプリンタ203は、スキャナ205から電圧変更結果を受信したか否かを判断する。かかる処理は、スキャナ205から電圧変更結果が送信されるまで繰り返し行われる。
【0191】
次に、ステップS148においてプリンタ3は、スキャナ5の電圧変更が成功したか否かを判断する。そして情報解析部209が、スキャナ205の電圧変更が成功したと判断した場合は、プリンタ203は一連の処理を終了する。
【0192】
一方で、情報解析部209が、スキャナ205の電圧変更が成功していないと判断した場合は、ステップS149においてプリンタ3は、高電圧用電源POW−Fの給電を停止する。かかる処理は、情報解析部209が、電源部211にデータ信号Ctrl−Aとして「000」を供給することで行われる。このとき、データ信号Ctrl−Cは、オン状態となっている為、プリンタ203とスキャナ205との間の通信は維持される。
【0193】
次にステップS150においてプリンタ203は、電圧変更処理のリトライカウント数に値1を加算する。そして、ステップS151においてプリンタ203は、リトライカウント数が、一定の閾値nを超えたか否かを判断する。プリンタ203は、リトライカウント数が、閾値nを超えたと判断した場合は、スキャナ205に対して正確な給電を行うことができないと判断し、ステップS152において表示部11にエラーメッセージを表示し、一連の処理を終了する。一方で、リトライカウント数が閾値nを超えていないと判断した場合は、プリンタ203は、再度ステップS143以降の処理を繰り返す。
【0194】
この様に、第3の実施の形態にかかるMFP201によれば、電圧受容部215を高電圧用電源POW−Hを各部に供給する為の回路、及び低電圧用電源POW−Gを各部に供給する為の回路に分離して電圧受容部215の回路構成を電圧受容部113の回路構成と比較して単純化させながら、スキャナ205に供給する駆動電圧の最適化を図ることができる。
【0195】
尚、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、各構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0196】
例えば、上述の実施の形態では、電源供給装置としてプリンタを、接続ユニットとしてスキャナを用いて詳細な説明を行ったが、電源供給装置及び接続ユニットとしては、他の電子機器を用いることが可能である。例えば、電源供給装置としては、パーソナルコンピュータ、複写機、ファクシミリ、ホームサーバ等といった商用電源から電力を取得して駆動する装置を用いることが可能である。また、接続ユニットとしては、ストレージデバイス、無線通信装置、カードリーダ、カードリーダライタ、生態情報読取装置、ディスプレイ、カメラ、携帯電話、プリントサーバ等といった、接続された装置から電源を取得する装置を用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0197】
【図1】第1の実施の形態として示すMFPのブロック図である。
【図2】同MFPを構成するプリンタの電源部の回路図である。
【図3】情報解析部が同電源部にデータ信号を供給する際に使用するテーブルの一例である。
【図4】同MFPを構成するスキャナの電圧受容部の回路図である。
【図5】同プリンタの動作を説明する為のフロー図である。
【図6】同プリンタの動作を説明する為のフロー図である。
【図7】同プリンタの動作を説明する為のタイムチャートである。
【図8】同プリンタの動作を説明する為のフロー図である。
【図9】同プリンタの動作を説明する為のタイムチャートである。
【図10】同プリンタの動作を説明する為のフロー図である。
【図11】同プリンタの動作を説明する為のタイムチャートである。
【図12】同スキャナの動作を説明する為のフロー図である。
【図13】同スキャナの動作を説明する為のフロー図である。
【図14】同スキャナの動作を説明する為のフロー図である。
【図15】同スキャナの動作を説明する為のフロー図である。
【図16】第2の実施の形態として示すMFPのブロック図である。
【図17】同MFPを構成するスキャナの電圧受容部の回路図である。
【図18】同プリンタの動作を説明する為のフロー図である。
【図19】同プリンタの動作を説明する為のフロー図である。
【図20】同MFPを構成するスキャナの動作を説明する為のフロー図である。
【図21】同スキャナの動作を説明する為のフロー図である。
【図22】第3の実施の形態として示すMFPのブロック図である。
【図23】同MFPを構成するプリンタの電源部の回路図である。
【図24】同MFPを構成するスキャナの電圧受容部の回路図である。
【図25】同プリンタの動作を説明する為のフロー図である。
【図26】同プリンタの動作を説明する為のフロー図である。
【図27】同プリンタの動作を説明する為のタイムチャートである。
【符号の説明】
【0198】
1 MFP
3 プリンタ
5 スキャナ
7 プリンタ制御部
9 接続部
11 表示部
13 操作部
15 通信部
19 電源部
21 通信部
23 情報解析部
25 スキャナ制御部
29 表示部
33 CCDモジュール
37 電圧受容部
41 スキャナ制御部
49 VCC電源
55 VDD電源
63 PWMコントローラ
79 電源監視部
101 MFP
103 プリンタ
105 スキャナ
107 プリンタ制御部
109 情報解析部
111 スキャナ制御部
113 電圧受容部
115 PWMコントローラ
117 PWMコントローラ
201 MFP
203 プリンタ
205 スキャナ
207 プリンタ制御部
209 情報解析部
211 電源部
213 出力制御スイッチ
215 電圧受容部
217 低電圧電源監視部
225 スキャナ制御部
227 高電圧電源監視部
233 コンデンサ
L USBケーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続された接続ユニットと通信を行う通信部と、
前記通信部を介して前記接続ユニットから送信された当該接続ユニットの駆動電圧に関する駆動電圧情報を解析する解析部と、
前記解析部における前記駆動電圧情報の解析結果に基づいて前記接続ユニットに前記駆動電圧を供給する電圧供給部とを備えること、
を特徴とする電力供給装置。
【請求項2】
前記電圧供給部は、前記接続ユニットに初期電圧を供給することで前記接続ユニットとの接続を確立して前記駆動電圧情報を要求すると共に、前記解析部における前記駆動電圧情報の解析結果に基づいて前記接続ユニットに前記初期電圧よりも高い前記駆動電圧を供給すること、
を特徴とする請求項1記載の電力供給装置。
【請求項3】
前記電圧供給部は、前記初期電圧を前記接続ユニットに供給して前記接続ユニットに前記駆動電圧情報を送信させた後、前記解析部による当該送信された駆動電圧情報の解析結果に基づいて前記初期電圧を遷移させて前記接続ユニットに前記駆動電圧を供給すること、
を特徴とする請求項2記載の電力供給装置。
【請求項4】
前記電圧供給部は、前記初期電圧を前記接続ユニットに供給して前記接続ユニットに前記駆動電圧情報を送信させた後、前記解析部による当該送信された駆動電圧情報の解析結果に基づいて前記初期電圧と並行して前記接続ユニットに前記駆動電圧を供給すること、
を特徴とする請求項2記載の電力供給装置。
【請求項5】
前記電圧供給部は、USB(Universal Serial Bus)ケーブルを介して前記接続ユニットに前記駆動電圧を供給すること、
を特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかの項記載の電力供給装置。
【請求項6】
接続された電力供給装置から供給される電力に基づいて駆動する接続ユニットにおいて、
前記電力供給装置から供給された第1電圧及び当該第1電圧よりも電圧値が高い第2電圧に基づいて、低電圧電源駆動部に前記第1電圧を供給すると共に高電圧電源駆動部に前記第2電圧を供給する電圧受容部と、
前記電圧受容部から供給された前記第1電圧によって駆動し前記電力供給装置からの要求に応じて当該電力供給装置に前記第2電圧の電圧値に関する駆動電圧情報を送信する制御部とを備え、
前記制御部は、当該第1電圧によって駆動を開始して前記電力供給装置に前記駆動電圧情報を送信し、
前記電圧受容部は、前記駆動電圧情報に応じて前記電力供給装置から供給された前記第2電圧を前記高電圧電源駆動部に供給すること、
を特徴とする接続ユニット。
【請求項7】
前記電圧受容部に供給される前記第1電圧及び前記第2電圧は、USBケーブルを介して供給されること、
を特徴とする請求項6記載の接続ユニット。
【請求項8】
電力供給装置と当該電力供給装置から供給された電力に基づいて駆動する接続ユニットとを備える電子装置において、
前記電力供給装置は、
接続された前記接続ユニットと通信を行う通信部と、
前記通信部を介して前記接続ユニットに当該接続ユニットの駆動電圧に関する情報を要求すると共に、前記接続ユニットから送信された当該接続ユニットの駆動電圧に関する駆動電圧情報を解析する解析部と、
前記解析部における前記駆動電圧情報の解析結果に基づいて前記接続ユニットに第1電圧及び当該第1電圧よりも電圧値が高い第2電圧を供給する電圧供給部とを有し、
前記接続ユニットは、
前記電圧供給部から供給された前記第1電圧及び前記第2電圧に基づいて、低電圧電源駆動部に前記第1電圧を供給すると共に高電圧電源駆動部に前記第2電圧を供給する電圧受容部と、
前記電圧受容部から供給された前記第1電圧によって駆動し前記電力供給装置からの要求に応じて前記電力供給装置に前記駆動電圧情報を送信する制御部とを備え、
前記制御部は、当該第1電圧によって駆動を開始して前記電力供給装置に前記第2電圧の電圧値に関する情報を含む駆動電圧情報を送信し、
前記電圧受容部は、前記制御部が送信した前記駆動電圧情報に応じて前記電力供給装置から供給された前記第2電圧を前記高電圧電源駆動部に供給すること、
を特徴とする電子装置。
【請求項9】
前記電圧供給部から前記電圧受容部に供給される前記第1電圧及び前記第2電圧は、USBケーブルを介して供給されること、
を特徴とする請求項8記載の電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2008−134794(P2008−134794A)
【公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−320053(P2006−320053)
【出願日】平成18年11月28日(2006.11.28)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】