説明

電力変換装置

【課題】自然エネルギー発電機の出力における最大電力点を安価な構成で追跡する。
【解決手段】本装置は、最大電力点を有する直流電源からの出力電圧を昇圧変換する第1D/Dコンバータと、第1D/Dコンバータの出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する第1電圧検出回路と、第1電圧検出回路の出力信号の電圧と第1目標電圧との差に応じて、第1D/Dコンバータに対して定電圧制御を行う第1定電圧制御回路と、第1D/Dコンバータの出力電圧を降圧変換する第2D/Dコンバータと、第2D/Dコンバータの出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する第2電圧検出回路と、第2電圧検出回路の出力信号の電圧と第2目標電圧との差に応じて、第2D/Dコンバータに対して定電圧制御を行う第2定電圧制御回路と、第1定電圧制御回路による第1D/Dコンバータの駆動レベルが所定レベル以上になると第2電圧検出回路の出力信号の電圧と第2目標電圧との電位差を強制的に狭める調整回路とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、最大電力点を有する直流電源に対する電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図1(a)に一般的な太陽電池の出力電流−出力電圧特性、図1(b)に出力電流−出力電力特性を示す。図1(a)に示すように、太陽電池の出力電圧は、出力電流が増加すると徐々に減少するが、出力電流が所定の値を超えると急激に減少するような特性を有している。このような特性から、図1(b)に示すように、出力電力P(=出力電圧V×出力電流I)は、出力電流が所定の値になるまでは増加するが、所定の値を超えると急激に減少する。電圧を基準に考えた場合にも、所定の電圧値を超えると急激に出力電力Pが減少することになる。
【0003】
このような特性を有する太陽電池などの直流電源から出力される電力を効率的に利用するためには、電力極大値である最大電力点において蓄電池などの負荷に電力を伝えることが必要となる。すなわち、最大電力点追跡(Maximum Power Point Tracking)制御が必要となり、そのための技術が幾つか存在している。
【0004】
例えば特開昭63−57807号には、太陽電池の出力電圧と出力電流を検出し、出力電圧の微分値を利用した最大点追尾方法が開示されている。この技術は、最大電力点での微分値がゼロであることを利用する方法で、現動作点での制御信号に微少変位を与えたときの電圧及び電流を検出し、アナログデジタル(A/D)変換した後、演算により電力の微分値を求め、この電力の微分値がゼロになるように制御する。この技術には、A/D変換や演算のためにマイコンやDSP(Digital Signal Processor)が必要となるため、高価となる。
【0005】
また、特開昭62−85312号には、いわゆる山登り法での最大電力点追尾方法が開示されている。この方法は、2点の電圧及び電流値を測定し、各点での電力を算出した後、電力値を比較し、電力値が大きい方に制御点を移動して行き、制御点移動方向が交互に上昇下降する点で安定させる制御方法である。この制御方法では、制御点の移動量分、最大電力点を挟んで、変動をし続けることになり、移動量を大きく出来ない。また、移動量を小さくしすぎると、最大電力点付近まで制御点を移動するのに時間がかかり、太陽電池の出力電力特性の変化に追従できなくなってしまう。
【0006】
さらに、特開平7−072941号では、3点以上の電圧電流点を検出しそれぞれの電力を算出した後近似式にて最大電力点を推測し、この推測点で制御する方法が開示されている。この方法は、太陽電池の特性変化に従って、3点以上の電圧電流値から各々の電力を算出し、近似式で暫定最大電力点を見つけ出す手法である。しかし、この方法によれば、少なくとも1点の電圧電流点が最大電力点を越えたところの点であり、且つ少なくとも1点の電圧電流点が最大電力点を越えていないところの点である必要がある。従って、このような電圧電流点に制御点を移動させる必要があり、そのための制御回路が複雑且つ高価になる。
【0007】
また、特開平7−129264号には、太陽電池の出力電圧と電力変換部の出力電流の変動傾向から動作点位置を検出して最大電力点を追尾する方法が開示されている。この方法では、太陽電池の出力電圧と電力変換部の出力電流の変動傾向から、電力変換部を制御する指令値に対し、ΔVだけ増減させるため、電力変換部の出力変化量は、デジタル的な変動をすることになる。このことは、太陽電池の、日射量変化等による特性変化に対し、ΔVが大きければ、電力変換部の出力変化量が大きくなるためばたつきが発生し、ΔVが小さければ、安定するのに時間がかかることになり、固定のΔVでは、素早く且つ安定に制御できないという問題がある。また、変動傾向から太陽電池の動作位置を検出した後、指令値を変化させるため、遅延が大きくなり応答性が悪い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭63−57807号
【特許文献2】特開昭62−85312号
【特許文献3】特開平7−072941号
【特許文献4】特開平7−129264号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上で述べたように、従来技術には、気象状況等に応じて出力電力が変動する太陽電池や風力発電機などの直流電源の出力における最大電力点を高速に追跡する安価な電力変換装置は開示されていない。
【0010】
従って、本発明の目的は、一側面において、気象状況等に出力電力が応じて変動する太陽電池や風力発電機などの直流電源の出力における最大電力点を追跡できる安価な電力変換装置を提供することである。
【0011】
また、本発明の他の目的は、気象状況等に応じて出力電力が変動する太陽電池や風力発電機などの直流電源の出力における最大電力点を高速に追跡できる電力変換装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様に係る電力変換装置は、(A)最大電力点を有する直流電源からの出力電圧をDC/DC昇圧変換する第1のD/Dコンバータ回路と、(B)第1のD/Dコンバータ回路の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する第1の電圧検出回路と、(C)第1の電圧検出回路の出力信号の電圧と第1の目標電圧との差に応じて、第1のD/Dコンバータ回路に対して定電圧制御を行う第1の定電圧制御回路と、(D)第1のD/Dコンバータ回路の出力電圧をDC/DC降圧変換する第2のD/Dコンバータ回路と、(E)第2のD/Dコンバータ回路の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する第2の電圧検出回路と、(F)第2の電圧検出回路の出力信号の電圧と第2の目標電圧との差に応じて、第2のD/Dコンバータ回路に対して定電圧制御を行う第2の定電圧制御回路と、(G)第1の定電圧制御回路による第1のD/Dコンバータ回路の駆動レベルが所定レベル以上になると、第2の電圧検出回路の出力信号の電圧と第2の目標電圧との電位差を強制的に狭める動作を実施する調整回路とを有する。
【0013】
最大電力点を有する直流電源の場合、第1及び第2の定電圧制御回路が直流電源の電力供給能力を超えて電力を引き出そうとして第1及び第2のD/Dコンバータ回路を駆動すると、第1の定電圧制御回路による第1のD/Dコンバータ回路の駆動レベルが所定レベル以上になっても第1のD/Dコンバータ回路の出力電圧が低下してしまう。そのため第2のD/Dコンバータ回路の出力電圧も低下する。そうすると、第1及び第2の電圧検出回路の出力信号の電圧も低下し、上で述べたように調整回路が動作する。調整回路が動作すると、第2の定電圧制御回路は、自らの制御の効果が現れたと判断し、第2のD/Dコンバータ回路の駆動レベルを、第1の電圧検出回路からの出力信号の電圧低下前の状態程度に戻してゆく。すなわち、第2のD/Dコンバータ回路の目標出力電圧が引き下げられたような現象が生じて、それに応じてさらに第2のD/Dコンバータ回路の目標出力電圧も引き下げられたようになる。そうすると、直流電源から引き出す電力も直流電源の電力供給能力よりも減少するので、第1及び第2のD/Dコンバータ回路の出力電圧は上昇することになる。このような動作が繰り返されて、最大電力点の追跡が行われる。また、このような回路は、安価な回路素子のみで構成することができる。なお、第1のD/Dコンバータ回路の駆動レベルは供給電力不足になると比較的直ぐに上昇するので、それに応じて調整回路も動作を開始し、最大電力点の高速な追跡が可能となる。
【0014】
また、D/Dコンバータ回路を2段構成とすることで出力電力が多様に変化するような直流電源に対応することができるようになる。
【0015】
また、本発明の第1の態様において、第1の定電圧制御回路による第1のD/Dコンバータ回路の駆動レベルが所定のレベルに到達した場合に、検出信号を出力する駆動レベル検出回路をさらに有するようにしてもよい。この場合、上で述べた調整回路は、駆動レベル検出回路からの検出信号に応じて、第2の目標電圧を低下させる動作を行う回路を有するようにしてもよい。簡易な構成で上記調整回路を実現することができる。なお、第2の目標電圧を低下させる動作は、例えば放電回路による放電などによって実現される。また、駆動レベルが所定レベルに達する頻度などに応じて第2の目標電圧を低下させる度合いが決まる場合もある。
【0016】
さらに、本発明の第1の態様において、第1の定電圧制御回路による第1のD/Dコンバータ回路の駆動レベルが所定のレベルに到達した場合に、検出信号を出力する駆動レベル検出回路をさらに有するようにしてもよい。この場合、上で述べた調整回路が、(G1)第2の電圧検出回路の出力信号の極性を反転させる第1の反転回路と、(G2)駆動レベル検出回路からの検出信号に応じて、第1の反転回路の出力信号の電圧を引き下げる反転信号調整回路と、(G3)反転信号調整回路によって電圧が引き下げられた第1の反転回路の出力信号の極性を反転させる第2の反転回路とを有するようにしてもよい。このようにすれば、第2の電圧検出回路の出力信号の電圧を適切に調整することができるようになる。また、駆動レベルが所定レベルに達する頻度に応じて第1の反転回路の出力信号を引き下げる度合いが決まることもある。
【0017】
本発明の第2の態様に係る電力変換装置は、(A)最大電力点を有する直流電源からの出力電圧をDC/DC昇圧変換する第1のD/Dコンバータ回路と、(B)第1のD/Dコンバータ回路の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する第1の電圧検出回路と、(C)第1の電圧検出回路の出力信号の電圧と第1の目標電圧との差に応じて、第1のD/Dコンバータ回路に対して定電圧制御を行う定電圧制御回路と、(D)第1のD/Dコンバータ回路の出力電圧をDC/DC降圧変換する第2のD/Dコンバータ回路と、(E)第2のD/Dコンバータ回路の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する第2の電圧検出回路と、(F)第2の電圧検出回路の出力信号の電圧と第2の目標電圧との差に応じた定電圧制御のための第1の誤差信号を生成する第1の誤差検出回路と、(G)第2のD/Dコンバータ回路から出力される電力を蓄電する蓄電池に流れる電流の電流値を検出する蓄電池充電電流検出回路と、(H)蓄電池充電電流検出回路により検出された電流値と当該電流値の目標値との差に応じた定電流制御のための第2の誤差信号を生成する第2の誤差検出回路と、(I)第1の誤差信号又は第2の誤差信号に応じて第2のD/Dコンバータ回路を駆動する駆動回路と、(J)第1の誤差信号の電圧が第2の誤差信号の電圧より高い場合には第1の誤差信号を駆動回路に出力し、第2の誤差信号の電圧が第1の誤差信号の電圧以上である場合には第2の誤差信号を駆動回路に出力する切替回路と、(K)第1の定電圧制御回路による第1のD/Dコンバータ回路の駆動レベルが所定レベル以上になると、第2の電圧検出回路の出力信号の電圧と第2の目標電圧との電位差を強制的に狭める動作を実施する調整回路とを有する。
【0018】
蓄電池に流れる電流の電流値に関する第2の誤差信号の電圧が第2のD/Dコンバータ回路の出力電圧に関する第1の誤差信号の電圧以上である場合には、直流電源から十分な電力供給がなされており且つ蓄電池に充電を行っている途中であるから、第2の誤差信号に応じて定電流制御を行う。また、第1の誤差信号の電圧より第2の誤差信号の電圧が高い場合には、直流電源からの供給電力が不足しているか、蓄電池が満充電となった場合であり、この場合には第1の誤差信号に応じて定電圧制御を行う。定電圧制御時には、第1の態様のように最大電力点を追跡するように動作するので、より効率的に蓄電池への蓄電が行われるようになる。
【0019】
また、本発明の第2の態様において、第1の定電圧制御回路による第1のD/Dコンバータ回路の駆動レベルが所定のレベルに到達した場合に、検出信号を出力する駆動レベル検出回路をさらに有するようにしてもよい。この場合、上で述べた調整回路は、駆動レベル検出回路からの検出信号に応じて、第2の目標電圧を低下させる動作を行う回路を有するようにしてもよい。
【0020】
さらに、本発明の第2の態様において、第1の定電圧制御回路による第1のD/Dコンバータ回路の駆動レベルが所定のレベルに到達した場合に、検出信号を出力する駆動レベル検出回路をさらに有するようにしてもよい。この場合、上で述べた調整回路が、(K1)第2の電圧検出回路の出力信号の極性を反転させる第1の反転回路と、(K2)駆動レベル検出回路からの検出信号に応じて、第1の反転回路の出力信号の電圧を引き下げる反転信号調整回路と、(K3)反転信号調整回路によって電圧が引き下げられた第1の反転回路の出力信号の極性を反転させる第2の反転回路とを有するようにしてもよい。
【0021】
本発明の第3の態様に係る電力変換装置は、(A)最大電力点を有する直流電源からの出力電圧をDC/DC昇圧変換する第1のD/Dコンバータ回路と、(B)第1のD/Dコンバータ回路の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する第1の電圧検出回路と、(C)第1のD/Dコンバータ回路の出力電圧をDC/DC降圧変換する第2のD/Dコンバータ回路と、(D)第2のD/Dコンバータ回路の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する第2の電圧検出回路と、(E)第1の電圧検出回路の出力信号の電圧と第1の目標電圧との差に応じて、第1のD/Dコンバータ回路に対して定電圧制御を行う第1の定電圧制御回路と、(F)第2の電圧検出回路の出力信号の電圧と第2の目標電圧との差に応じて、第2のD/Dコンバータ回路に対して定電圧制御を行う第2の定電圧制御回路と、(G)第1の定電圧制御回路による第1のD/Dコンバータ回路の駆動レベルが所定レベル以上になると、第1の電圧検出回路の出力信号の電圧と第1の目標電圧との電位差を強制的に狭める動作を実施する調整回路とを有する。
【0022】
第2の定電圧制御回路及び第2のD/Dコンバータ回路に対して最大電力点追跡のための動作を行わせずに、第1の定電圧制御回路及び第1のD/Dコンバータ回路に対して最大電力点追跡のための動作を行わせるものである。
【0023】
なお、本発明の第3の態様において、第1の定電圧制御回路による第1のD/Dコンバータ回路の駆動レベルが所定のレベルに到達した場合に、検出信号を出力する駆動レベル検出回路をさらに有するようにしてもよい。この場合、上で述べた調整回路は、駆動レベル検出回路からの検出信号に応じて、第1の目標電圧を低下させる動作を行う回路を有するようにしてもよい。
【0024】
さらに、本発明の第3の態様において、第1の定電圧制御回路による第1のD/Dコンバータ回路の駆動レベルが所定のレベルに到達した場合に、検出信号を出力する駆動レベル検出回路をさらに有するようにしてもよい。この場合、上で述べた調整回路が、(G1)第1の電圧検出回路の出力信号の極性を反転させる第1の反転回路と、(G2)駆動レベル検出回路からの検出信号に応じて、第1の反転回路の出力信号の電圧を引き下げる反転信号調整回路と、(G3)反転信号調整回路によって電圧が引き下げられた第1の反転回路の出力信号の極性を反転させる第2の反転回路とを有するようにしてもよい。
【0025】
本発明の第4の態様に係る電力変換装置は、(A)最大電力点を有する直流電源からの出力電圧をDC/DC昇圧変換する第1のD/Dコンバータ回路と、(B)第1のD/Dコンバータ回路の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する第1の電圧検出回路と、(C)第1の電圧検出回路の出力信号の電圧と第1の目標電圧との差に応じて、第1のD/Dコンバータ回路に対して定電圧制御を行う定電圧制御回路と、(D)第1のD/Dコンバータ回路の出力電圧をDC/DC降圧変換する第2のD/Dコンバータ回路と、(E)第2のD/Dコンバータ回路の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する第2の電圧検出回路と、(F)第2の電圧検出回路の出力信号の電圧と第2の目標電圧との差に応じた定電圧制御のための第1の誤差信号を生成する第1の誤差検出回路と、(G)第2のD/Dコンバータ回路から出力される電力を蓄電する蓄電池に流れる電流の電流値を検出する蓄電池充電電流検出回路と、(H)蓄電池充電電流検出回路により検出された電流値と当該電流値の目標値との差に応じた定電流制御のための第2の誤差信号を生成する第2の誤差検出回路と、(I)第1の誤差信号又は第2の誤差信号に応じて第2のD/Dコンバータ回路を駆動する駆動回路と、(J)第1の誤差信号の電圧が第2の誤差信号の電圧より高い場合には第1の誤差信号を駆動回路に出力し、第2の誤差信号の電圧が第1の誤差信号の電圧以上である場合には第2の誤差信号を駆動回路に出力する切替回路と、(K)第1の定電圧制御回路による第1のD/Dコンバータ回路の駆動レベルが所定レベル以上になると、第1の電圧検出回路の出力信号の電圧と第1の目標電圧との電位差を強制的に狭める動作を実施する調整回路とを有する。
【0026】
本発明の第3の態様を、第2の態様のように変形したものである。
【0027】
なお、本発明の第4の態様において、第1の定電圧制御回路による第1のD/Dコンバータ回路の駆動レベルが所定のレベルに到達した場合に、検出信号を出力する駆動レベル検出回路をさらに有するようにしてもよい。この場合、上で述べた調整回路は、駆動レベル検出回路からの検出信号に応じて、第1の目標電圧を低下させる動作を行う回路を有するようにしてもよい。
【0028】
さらに、本発明の第4の態様において、第1の定電圧制御回路による第1のD/Dコンバータ回路の駆動レベルが所定のレベルに到達した場合に、検出信号を出力する駆動レベル検出回路をさらに有するようにしてもよい。この場合、上で述べた調整回路が、(K1)第1の電圧検出回路の出力信号の極性を反転させる第1の反転回路と、(K2)駆動レベル検出回路からの検出信号に応じて、第1の反転回路の出力信号の電圧を引き下げる反転信号調整回路と、(K3)反転信号調整回路によって電圧が引き下げられた第1の反転回路の出力信号の極性を反転させる第2の反転回路とを有するようにしてもよい。
【0029】
さらに、第1又は第3の態様に係る電力変換装置を複数備え、当該複数の電力変換装置に含まれる一つの電力変換装置と複数の直流電源に含まれる一つの直流電源とが、1対1で接続されており、複数の電力変換装置の出力が接続されている電力システムを採用するようにしても良い。このような電力システムであれば、各直流電源の状況に応じて電力変換制御が行われるようになるので、簡単な構成でシステム全体として効率的に制御が行えるようになる。なお、複数の電力変換装置のそれぞれの出力電流が加算されて、蓄電池や負荷などに供給される。
【0030】
さらに、第1又は第3の態様に係る電力変換装置を複数備え、当該複数の電力変換装置に含まれる一つの電力変換装置と複数の直流電源に含まれる一つの直流電源とが、1対1で接続されており、電力変換装置の正極側出力を上位の電力変換装置の負極側出力に接続し、電力変換装置の負極側出力を下位の電力変換装置の正極側出力に接続し、最上位の電力変換装置の正極側出力を負荷側に接続し、最下位の電力変換装置の負極側出力を接地するような電力システムを採用するようにしてもよい。このような電力システムであれば、各直流電源の状況に応じて電力変換制御が行われるようになるので、簡単な構成でシステム全体として効率的に制御が行えるようになる。なお、複数の電力変換装置のそれぞれの出力電圧は加算されて、蓄電池や負荷などに供給される。
【0031】
以下、上で述べた本発明の一側面をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、気象状況等に応じて出力電力が変動する太陽電池や風力発電機などの直流電源の出力における最大電力点を安価に追跡できるようになる。
【0033】
また、本発明の他の側面によれば、気象状況等に応じて出力電力が変動する太陽電池や風力発電機などの直流電源の出力における最大電力点を高速に追跡できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1(a)及び(b)は、太陽電池の特性を表す模式図である。
【図2】図2は、第1の実施の形態に係るシステムの機能ブロック図である。
【図3】図3は、第2の実施の形態に係るシステムの機能ブロック図である。
【図4】図4(a)及び(b)は、太陽電池の特性を表す模式図である。
【図5】図5は、第2の実施の形態に係るシステムの動作を説明するための波形図である。
【図6】図6は、第2の実施の形態の実施例に係る回路例を示す図である。
【図7】図7は、第2の実施の形態の実施例に係る回路例を示す図である。
【図8】図8は、第2の実施の形態の実施例に係る回路例を示す図である。
【図9】図9(a)乃至(i)は、第2の実施の形態の実施例の動作を説明するための波形図である。
【図10】図10(a)乃至(p)は、第2の実施の形態の実施例の動作を説明するための波形図である。
【図11】図11は、駆動レベル検出回路の変形例を示す図である。
【図12】図12(a)乃至(i)は、駆動レベル検出回路の変形例を採用した場合の動作を説明するための波形図である。
【図13】図13(a)乃至(p)は、駆動レベル検出回路の変形例を採用した場合の動作を説明するための波形図である。
【図14】図14は、定電圧制御と定電流制御の切り換えについて説明するための図である。
【図15】図15は、定電圧制御と定電流制御の切り換えについて説明するための図である。
【図16】図16は、第3の実施の形態に係るシステムの機能ブロック図である。
【図17】図17は、第3の実施の形態の実施例に係る回路例を示す図である。
【図18】図18は、第3の実施の形態の実施例に係る回路例を示す図である。
【図19】図19(a)乃至(h)は、第3の実施の形態の回路例の動作を表す波形図である。
【図20】図20(a)乃至(h)は、第3の実施の形態の回路例の動作を表す波形図である。
【図21】図21(a)乃至(h)は、第3の実施の形態の回路例の動作を表す波形図である。
【図22】図22は、第4の実施の形態に係るシステムの機能ブロック図である。
【図23】図23(a)乃至(d)は、第4の実施の形態に係るシステムの動作を説明するための波形図である。
【図24】図24は、第4の実施の形態の実施例に係る回路例を示す図である。
【図25】図25(a)乃至(j)は、第4の実施の形態の実施例に係る回路の動作を表す波形図である。
【図26】図26(a)及び(q)は、第4の実施の形態の実施例に係る回路の動作を表す波形図である。
【図27】図27は、第5の実施の形態に係るシステムの機能ブロック図である。
【図28】図28は、第5の実施の形態の実施例に係る回路例を示す図である。
【図29】図29は、第6の実施の形態にかかるシステムの機能ブロック図である。
【図30】図30は、第7の実施の形態にかかるシステムの機能ブロック図である。
【図31】図31は、第7の実施の形態にかかるシステムの具体的回路例を示す図である。
【図32】図32は、第7の実施の形態にかかるシステムの具体的回路例を示す図である。
【図33】図33は、第7の実施の形態にかかるシステムの具体的回路例の動作を説明するための図である。
【図34】図34は、第7の実施の形態にかかるシステムの具体的回路例の動作を説明するための図である。
【図35】図35は、第8の実施の形態にかかるシステムの機能ブロック図である。
【図36】図36は、第8の実施の形態にかかるシステムの具体的回路例を示す図である。
【図37】図37は、第9の実施の形態にかかるシステムの機能ブロック図である。
【図38】図38は、第9の実施の形態にかかるシステムの具体的回路例を示す図である。
【図39】図39は、第9の実施の形態にかかるシステムの具体的回路例の動作を説明するための図である。
【図40】図40は、第9の実施の形態にかかるシステムの具体的回路例の動作を説明するための図である。
【図41】図41は、第10の実施の形態にかかるシステムの機能ブロック図である。
【図42】図42は、複数の太陽電池及び電力変換装置を含む太陽電池システムの一例を示す図である。
【図43】図43は、複数の太陽電池及び電力変換装置を含む太陽電池システムの他の例を示す図である。
【図44】図44は、複数の太陽電池及び電力変換装置を含む太陽電池システムの他の例を示す図である。
【図45】図45は、接続方法を説明するための図である。
【図46】図46は、複数の太陽電池及び電力変換装置を含む太陽電池システムの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
[実施の形態1]
図2に、本実施の形態に係る電力変換装置を含むシステムの一例を示す。すなわち、図2に示すシステムは、太陽電池システムであって、太陽電池100と、太陽電池100からの出力に対して電力変換を行う電力変換装置200と、電力変換装置200の出力に接続されている負荷蓄電池300及び様々な負荷A乃至Cなどとを有する。太陽電池100及び負荷蓄電池300は、従来と同じである。また、負荷A乃至Cは、D/Dコンバータ回路付きの装置やD/Aインバータ回路付きの装置などであり、これらも従来と同じである。なお、太陽電池100は一例であって、例えば風力発電機などの他の自然エネルギー発電機であってもよい。
【0036】
電力変換装置200は、太陽電池100からの出力直流電圧を昇圧させる昇圧回路部210と、昇圧回路部210の出力直流電圧を降圧する降圧回路部220とを有する。このように2段構成を採用することによって、太陽電池だけではなく最大電力点を有する様々な直流電源でも対応できるようになる。
【0037】
昇圧回路部210は、(A)太陽電池100からの出力電圧をDC/DC変換によって昇圧する昇圧D/Dコンバータ回路211と、(B)昇圧D/Dコンバータ回路211の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する第1出力電圧検出回路212と、(C)第1出力電圧検出回路212からの出力信号の電圧と第1の目標電圧との差に応じて昇圧D/Dコンバータ回路211に対する定電圧制御を行う第1定電圧制御回路213とを有する。
【0038】
また、降圧回路部220は、(A)昇圧回路部210からの出力電圧をDC/DC変換によって降圧する降圧D/Dコンバータ回路221と、(B)降圧D/Dコンバータ回路221の出力電圧に応じた出力信号を出力する第2出力電圧検出回路222と、(C)第2出力電圧検出回路222からの出力信号の電圧と第2目標電圧との差に応じて、降圧D/Dコンバータ回路221に対する定電圧制御を行う第2定電圧制御回路224と、(D)第1定電圧制御回路213による昇圧D/Dコンバータ回路211の駆動レベルを表す、第1定電圧制御回路213からの信号が所定のレベル以上の駆動レベルを示している場合には、第2出力電圧検出回路222の出力信号の電圧と第2目標電圧との電位差を強制的に狭める動作を実施する調整回路223とを有する。
【0039】
太陽電池100のような最大電力点を有する直流電源の場合、第1及び第2定電圧制御回路213及び224が、太陽電池100の電力供給能力を超えて電力を引き出そうとして昇圧D/Dコンバータ回路211及び降圧D/Dコンバータ回路221を駆動すると、昇圧回路部210及び降圧回路部220の出力電圧は低下し始める。そうすると、第1定電圧制御回路213は、第1目標電圧と第1出力電圧検出回路212の出力信号の電圧との差が広がってくるので、昇圧D/Dコンバータ回路211の駆動レベルを上げるようになる。このような動作が繰り返されると、第1定電圧制御回路213による昇圧D/Dコンバータ回路211の駆動レベルが所定レベル以上(例えば最大レベル)になる。第2出力電圧検出回路222からの出力信号の電圧も低下するので、第2定電圧制御回路224も、降圧D/Dコンバータ回路221の駆動レベルを上げることになる。
【0040】
このように第1定電圧制御回路213による昇圧D/Dコンバータ回路211の駆動レベルが所定レベル以上になると、調整回路223は、第2出力電圧検出回路222の出力信号の電圧と第2目標電圧との電位差を強制的に狭める動作を実施する。そうすると、第2定電圧制御回路224は、自らの制御の効果が現れたと判断して、降圧D/Dコンバータ回路221の駆動を、第2出力電圧検出回路222からの出力信号の電圧低下前程度の状態に戻す。すなわち、降圧D/Dコンバータ回路221の目標出力電圧があたかも引き下げられたような現象が生じる。そうすると、昇圧回路部210から引き出す電力もその電力供給能力よりも減少するので、降圧D/Dコンバータ回路221の出力電圧は上昇することになる。さらにこれに連動して、太陽電池100から引き出す電力もその電力供給能力よりも減少するので、昇圧回路部210の昇圧D/Dコンバータ回路211の出力電圧が上昇する。
【0041】
このような動作が繰り返されて、太陽電池100の最大電力点の追跡が行われる。また、このような電力変換装置は、マイクロプロセッサやDSP(Digital Signal Processor)などの高価な素子を用いずに構成できるため、安価に構成できる。
【0042】
なお、電位差を狭める方法は、いずれか一方を調整する方法の他、両方を調整する方法もある。
【0043】
[実施の形態2]
図3に、本発明の第2の実施の形態に係るシステムの機能ブロック図を示す。図3に示すシステムは、太陽電池システムであって、太陽電池100と、太陽電池100からの出力に対して電力変換を行う電力変換装置400と、電力変換装置400の出力に接続されている負荷蓄電池300及び様々な負荷A乃至Cなどが接続されている。太陽電池100及び負荷蓄電池300は、従来と同じである。また、負荷A乃至Cは、D/Dコンバータ回路付きの装置やD/Aインバータ回路付きの装置などであり、これらも従来と同じである。以下の実施の形態でも同様である。なお、太陽電池100は一例であって、例えば風力発電機などの他の自然エネルギー発電機であってもよい。
【0044】
電力変換装置400は、太陽電池100からの出力直流電圧を昇圧させる昇圧回路部410と、昇圧回路部410の出力直流電圧を降圧する降圧回路部420とを有する。このような2段構成によって、様々な直流電源に対応することができるようになる。
【0045】
昇圧回路部410は、(A)太陽電池100からの出力電圧をDC/DC変換によって昇圧する昇圧D/Dコンバータ回路411と、(B)昇圧D/Dコンバータ回路411の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する第1出力電圧検出回路412と、(C)第1出力電圧検出回路412からの出力信号の電圧と第1の目標電圧Vref_1との差に応じて昇圧D/Dコンバータ回路411に対する定電圧制御を行う第1定電圧制御回路413と、(D)第1定電圧制御回路413による昇圧D/Dコンバータ回路411の駆動レベルを表し且つ昇圧D/Dコンバータ回路411のスイッチをオンにする期間を規定するスイッチングパルスのデューティー比が所定値(例えば最大値)に達したことを検出して、例えば検出状況に応じた検出信号を出力する駆動レベル検出回路414とを有する。
【0046】
また、降圧回路部420は、(A)昇圧回路部410からの出力電圧をDC/DC変換によって降圧する降圧D/Dコンバータ回路421と、(B)降圧D/Dコンバータ回路421の出力電圧に応じた出力信号を出力する第2出力電圧検出回路422と、(C)第2出力電圧検出回路422からの出力信号の電圧と駆動レベル検出回路414からの検出信号に応じて変更された目標電圧V_Vrefとの差に応じた電圧の誤差信号を出力する誤差検出回路423と、(D)誤差検出回路423の出力信号に応じて降圧D/Dコンバータ回路421を駆動する駆動信号発生回路424と、(E)駆動レベル検出回路414からの検出信号に応じて第2目標電圧Vref_2を低下させることで目標電圧V_Vrefを生成し、第2出力電圧検出回路422の出力電圧Vo2_fbと目標電圧V_Vrefとの差を強制的に狭めさせる目標電圧調整回路425とを有する。
【0047】
なお、第2定電圧制御回路は、誤差検出回路423と駆動信号発生回路424とを含む。
【0048】
次に、図4及び図5を用いて、図3に示した電力変換装置400の動作について説明する。なお、太陽電池100からの出力電力をPpv、電力変換装置400の昇圧回路部410の出力電圧をV1d_out、出力電力をP1d、第1定電圧制御回路413から昇圧D/Dコンバータ回路411への出力をDuty、第2目標電圧をVref_2、目標電圧調整回路425から誤差検出回路423への出力電圧をV_Vref、降圧回路部420の出力電圧をVout、出力電力をPoutと表すものとする。
【0049】
図4(a)は、図1(b)と基本的には同じであり、太陽電池100の出力電流Iと出力電力Pの関係を表す図である。もう一度説明すると、電流Ipv_maxまでは出力電流Iを増加させると出力電力P自体も増加し、電流Ipv_maxにおいて出力電力Pは最大電力点Ppv_maxとなり、電流Ipv_max以上となった場合には出力電力Pは急激に減少する。すなわち、電流Ipv_max以上となると、出力電力Pが急激に減少するというのは、出力電圧Vも低下していることを表している。
【0050】
ここで、電流Ipv_maxより大幅に低い電流値に対応する電力点をAとし、電流Ipv_max以上の近傍の電流値に対応する電力点をBとし、電流Ipv_max以下の近傍の電流値に対応する電力点をCとする。なお、電力点Bに完全に一致しないがほぼ同じ電流値の電力点をB2、B3といったように表す。また、電力点Cに完全に一致しないがほぼ同じ電流値の電力点をC2、C3といったように表す。さらに、最大電力点Ppv_maxを簡単にMと表すものとする。
【0051】
なお、図4(b)は、図1(a)と全く同じである。
【0052】
図5(a)乃至(d)は、本実施の形態に係る電力変換装置400の動作を表す。なお、以下で動作を説明するための波形図においては、横軸は時間を表し、縦軸は電圧[V]を表す。但し、電力の場合にはW、デューティー比の場合には%の場合がある。図5(a)は、太陽電池100からの出力電力Ppv、昇圧回路部410の出力電力P1d、及び降圧回路部420の出力電力Poutの時間変化を表している。なお、昇圧回路部410にも降圧回路部420にも損失があるので、ほぼPpv>P1d>Poutの関係が成り立つ。比較のため、最大電力点Ppv_maxも示されている。また、図5(b)は、昇圧回路部410の出力電圧V1d_out及び降圧回路部420の出力電圧Voutの時間変化を表す。図5(c)は、目標電圧調整回路425からの目標電圧V_Vrefの時間変化を表す。比較のため第2の目標電圧Vref_2も示されている。図5(d)は、昇圧D/Dコンバータ回路411に対する第1定電圧制御回路413の出力であるスイッチングパルスのデューティー比Duty[%]の時間変化を表す。
【0053】
まず、太陽電池100からの出力電力が、電力点Aより小さい電力から電力点Aを超えて電力点Mに到達するまでについては、電力変換装置400が通常どおり動作する。簡単に述べれば、昇圧回路部410の第1定電圧制御回路413は、第1出力電圧検出回路412の出力電圧と第1目標電圧Vref_1との誤差電圧に応じて昇圧D/Dコンバータ回路411を駆動して太陽電池100からの出力電圧を昇圧する。
【0054】
また、目標電圧調整回路425では何もせずに目標電圧Vref_2がそのまま誤差検出回路423に出力され(図5(c))、V_Vref=Vref_2である。従って、誤差検出回路423は、V_Vref=Vref_2と第2出力電圧検出回路422の出力電圧との差に応じた信号を生成して、当該信号によって駆動信号発生回路424は降圧D/Dコンバータ回路421の駆動信号を生成して駆動するようになっている。
【0055】
但し、電力点Aを超えて太陽電池100から電力を引き出そうとすると、昇圧D/Dコンバータ回路411をそれまでと同じように駆動するだけでは第1出力電圧検出回路412の出力電圧が下がってしまう。そこで、第1定電圧制御回路413は、図5(d)に示すように、昇圧D/Dコンバータ回路411のスイッチに対するスイッチングパルスのデューティー比を徐々に上げるように動作する。このようにすれば、図5(b)に示すように、電力変換装置400の出力電圧Voutが一定に維持される。
【0056】
その後、太陽電池100から引き出す電力が電力点Mに達すると、図5(a)及び(b)に示すように、太陽電池100からの出力電力Ppvは急激に低下するので、それにつられて昇圧回路部410の出力電圧V1d_out、出力電力P1dも低下する。そうすると、やや遅れて、降圧回路部420の出力電圧Vout、出力電力Poutも低下する。
【0057】
そうすると、第1定電圧制御回路413は、第1出力電圧検出回路412の出力電圧と第1目標電圧Vref_1との差が大きくなったことを検出して、昇圧D/Dコンバータ回路411のスイッチに対するスイッチングパルスのデューティー比を最大値まで上昇させる。このようにスイッチングパルスのデューティー比が最大値に達すると、駆動レベル検出回路414は検出信号を目標電圧調整回路425に出力する。これが太陽電池100から引き出す電力が電力点Bに達するあたりまで発生する。なお、検出信号は例えばDutyMaxに達する頻度に応じた電圧となる。
【0058】
なお、図5(a)に示すように、電力変換装置400が太陽電池100から引き出そうとする電力と、太陽電池100の実際の出力電力Ppvとが、電力点Bで釣り合うことになる。例えば、検出信号の電圧に応じてVref_2の引き下げ幅が決まる。
【0059】
このような状況が発生すると、目標電圧調整回路425は、第2目標電圧Vref_2から目標電圧V_Vrefを引き下げるように動作する。これによって、図5(c)に示すように、V_Vrefが第2目標電圧Vref_2から下降する。
【0060】
そうすると、第2出力電圧検出回路422の出力電圧と目標電圧V_Vrefとの差が小さくなるので、駆動信号発生回路424によって駆動される降圧D/Dコンバータ回路421の駆動レベルが下がり、昇圧回路部410から引き出そうとする電流が少なくなる。これに応じて、図5(a)及び(b)に示すように、電力点Bに達した時点以降は、昇圧回路部410の出力電圧V1d_out、出力電力P1dも上昇する。さらに、やや遅れて降圧回路部420の出力電圧Vout及び出力電力Poutも上昇する。そうすると、第1出力電圧検出回路412の出力電圧も上昇するので、第1定電圧制御回路413では第1目標電圧Vref_1との差が縮小したように見えるので、図5(d)に示すように、昇圧D/Dコンバータ回路411のスイッチに対するスイッチングパルスのデューティー比を引き下げる。そうすると、昇圧回路部410においても、太陽電池100から引き出される電流が減少する。
【0061】
しかし、目標電圧調整回路425からの目標電圧V_Vrefを引き下げることによって降圧D/Dコンバータ回路421の駆動がより小さくなって太陽電池100及び昇圧回路部410から引き出される電流が少なくなり過ぎてしまうので、出力電力Ppvは最大電力点Mを過ぎて再度減少する。
【0062】
一方、目標電圧調整回路425による目標電圧V_Vrefの調整が終了すると、目標電圧V_Vrefは徐々に上昇する。これに応じて降圧回路部420の出力電力Vout及び出力電力Poutも徐々に上昇する。これに遅延して、昇圧D/Dコンバータ回路411のスイッチに対するスイッチングパルスのデューティー比も徐々に上昇する。目標電圧V_Vrefの上昇には時定数(例えばCRによる充電の時定数)があり急激に上昇するわけではないので、上でも述べたように出力電力Ppvは最大電力点Mを過ぎて電力点Cに到達してしまう。電力点Cでは、太陽電池100の出力電力Ppvと電力変換装置400が引き出す電力とが釣り合うことになる。
【0063】
なお、昇圧回路部410の出力電圧V1d_outは、第1定電圧制御回路413が一定になるように制御しているので、図5(b)に示すように、次に電力不足となる電力点Mに達するまでは一定となる。図5(d)に示すように、昇圧回路部410の出力電圧V1d_outを一定にするために、昇圧D/Dコンバータ回路411のスイッチに対するスイッチングパルスのデューティー比を徐々に上昇させる。
【0064】
その後、図5(a)に示すように、太陽電池100の出力電力Ppvは上昇して再度電力点Mに達する。この後の動作は、最初に電力点Mに達した後とほぼ同じになる。但し、図5(c)に示すように、目標電圧V_Vrefは、第2目標電圧Vref_2に戻っておらず、降圧回路部420の出力電圧Voutも目標値に達していないので、動作としては同じでも目標電圧V_Vrefの引き下げ幅などは若干異なってくる。このように完全に同じ動作ではないので、電力点CではなくC1やC2、電力点BではなくB1やB2で、図4(b)のカーブ上動作を切り替えることになる。
【0065】
結局のところ、最大電力点をはさんで電力点B又はその近傍と電力点C又はその近傍間を行き来することになる。すなわち、最大電力点追跡が可能となっている。但し、上で述べた動作は、太陽電池100の発電電力がほぼ一定であることを前提としている。
【0066】
なお、電力点Bと電力点Cの差は、出力電力や出力電圧に応じて決まるが、降圧D/Dコンバータ回路421などを含む制御系のゲイン調整で調整することができる。すなわち、より最大電力点近傍で動作させることができる。
【0067】
[実施の形態2の実施例]
図6乃至図8に本実施の形態に係る具体的回路例を示す。
【0068】
図6は、太陽電池100の具体的回路例と、昇圧D/Dコンバータ回路411の具体的回路例と、第1出力電圧検出回路412の具体的回路例と、第1定電圧制御回路413の具体的回路例とを示している。また、図7は、降圧D/Dコンバータ回路421の具体的回路例と、第2出力電圧検出回路422の具体的回路例と、蓄電池300の具体的回路例と、第2定電圧制御回路の誤差検出回路423及び駆動信号発生回路424の具体的回路例とを示している。さらに、図8は、駆動レベル検出回路414の具体的回路例と、目標電圧調整回路425の具体的回路例とを示している。
【0069】
端子A及びCを介して第1出力電圧検出回路412(図6)と降圧D/Dコンバータ回路421(図7)とが接続されている。また、端子Dを介して第1定電圧制御回路413(図6)と駆動レベル検出回路414(図8)とが接続されている。さらに、端子Eを介して目標電圧調整回路425(図8)と第2定電圧制御回路の誤差検出回路423(図7)とが接続されている。
【0070】
図6における昇圧D/Dコンバータ回路411は昇圧チョッパ回路として示されているが、他の方式により太陽電池100の出力電圧を昇圧するD/Dコンバータ回路であってもよい。第1定電圧制御回路413は、第1出力電圧検出回路412の出力電圧Vo1_fbと第1目標電圧Vref_1との差に応じてスイッチングパルスPul_1のデューティー比を変化させ、昇圧D/Dコンバータ回路411の出力電圧を一定になるように制御する。第1定電圧制御回路413は、このスイッチングパルスPul_1のデューティー比に相当する電圧の信号A1_Outを、駆動レベル検出回路414に出力する。
【0071】
降圧D/Dコンバータ回路421は、一例としてハーフブリッジ方式の降圧D/Dコンバータ回路であり、そのためのドライバICを含む駆動回路が用いられている。また、フルブリッジ方式、プッシュプル方式、フォワード方式、フライバック方式、降圧型チョッパ回路などで、絶縁型、非絶縁型を用途により選択できる。ドライバICを含む駆動回路は、採用された降圧D/Dコンバータ回路に応じて適宜選択される。
【0072】
駆動レベル検出回路414は、第1定電圧制御回路413からの信号A1_Outが、第3の目標電圧Vref_3以上になっている、すなわちスイッチングパルスのデューティー比が所定値(例えば最大値。以下、最大値として説明する。)以上になっているかを確認する。駆動レベル検出回路414は、デューティー比が所定の最大値以上となる頻度に応じた出力電圧の検出信号A3_O_Aveを目標電圧調整回路425に出力する。
【0073】
目標電圧調整回路425においては、通常時には、第2の目標電圧Vref_2が電圧誤差検出回路423のオペアンプの正極側入力端子に入力されるように、コンデンサC1に電荷がチャージされるようになっている。一方、駆動レベル検出回路414からの検出信号A3_O_Aveが上昇すると、目標電圧調整回路425において三角波VTW_3以上となる期間が発生する場合がある。そうすると、コンパレータの出力電圧CMP3_Oがその期間中ハイになり、コンパレータの出力側に設けられているローパスフィルタによって平滑化されるが、FETのゲート電圧VGは上昇してFETがオンになる。このFETが、オンの期間中コンデンサC1から放電されるようになり、目標電圧V_Vrefは放電の間引き下げられることになる。
【0074】
次に、図6乃至図8に示した回路の動作を図9及び図10を用いて説明する。なお、基本的な動作については図5(a)乃至(d)で説明したので、ポイントとなる部分だけを説明する。
【0075】
まず、図5(a)の電力点Aなどにおいて十分太陽電池100から電力供給が可能である状態における動作を図9(a)乃至(i)を用いて説明する。なお、図9(a)乃至(i)は、ある短い時間の動作を示しており、図6乃至図8に示した回路の基本的な動作説明を行うための図である。
【0076】
図9(a)は、第1定電圧制御回路413の出力であるスイッチングパルスPul_1を表している。この間、昇圧D/Dコンバータ回路411の出力電圧に応じた第1出力電圧検出回路412の出力電圧Vo1_fb(図9(b))は、図中は大げさに示されているが、スイッチングに応じて多少リプルが発生する程度の変動だけである。図9(c)に示すように、このような第1出力電圧検出回路412の出力電圧Vo1_fbから第1定電圧制御回路413のオペアンプによって生成される信号A1_Outは、三角波VTW_1と比較されて、信号A1_Outの電圧の方が高い期間、図9(a)に示すようにスイッチングパルスがハイとなる。なお、信号A1_Outの電圧は、スイッチングパルスのデューティー比の所定の最大値に相当する電圧Vref_3よりも低いままである(図9(c))。
【0077】
一方、図9(d)は、駆動信号発生回路424の出力Pul_2を表しており、図9(e)は、第2出力電圧検出回路422の出力電圧Vo2_fbを表している。このように、降圧D/Dコンバータ回路421の動作周波数は、昇圧D/Dコンバータ回路411の動作周波数とは異なっている。
【0078】
上で述べたように、図9(c)に示した第1定電圧制御回路413の出力電圧A1_Outは、スイッチングパルスのデューティー比の所定の最大値に相当する電圧Vref_3よりも低いままなので、図9(g)に示すように、駆動レベル検出回路414の検出信号A3_O_Aveはゼロのままとなる。従って、検出信号A3_O_Aveが目標電圧調整回路425に入力されて三角波VTW_3と比較されても、三角波VTW_3を超えることはない。よって、図9(h)に示すように、コンパレータの出力CMP3_O及びFETのゲート電圧VGはローのままとなる。そうすると、図9(i)に示すように、目標電圧調整回路425の出力電圧である目標電圧V_Vrefは、初期目標電圧(=第2目標電圧)Vref_2のままとなる。
【0079】
そうなると、第2定電圧制御回路の電圧誤差検出回路423における前段のオペアンプでは、第2出力電圧検出回路422の出力電圧Vo2_fbと初期目標電圧(=第2目標電圧)Vref_2とが比較され、誤差信号A2_Outが生成される。この誤差信号A2_Outは、駆動信号発生回路424において三角波VTW_2と比較され、誤差信号A2_Outの方が電圧が高い期間オンになるパルス波Pul_2(図9(d))が生成される。
【0080】
次に、図10(a)乃至(p)を用いて、昇圧D/Dコンバータ回路411の出力電圧が低下し始めて、第1出力電圧検出回路412の出力電圧Vo1_fbも低下し始めた場合の動作について説明する。なお、図10(a)乃至(p)は、本実施の形態の特徴を強調するように描かれているので、実際とは多少異なる部分もある。
【0081】
図10(a)及び(b)に示すように、太陽電池100からの電力供給が減少するか最大電力点を超えて電力を引き出そうとすると、第1出力電圧検出回路412の出力電圧Vo1_fbは下がりだし、昇圧D/Dコンバータ回路411のFETのゲート端子に対するスイッチングパルスPul_1のデューティー比は、例えば最大になる。これは、図10(c)に示すように、第1定電圧制御回路413のオペアンプの出力A1_Outは、上昇して三角波VTW_1よりも高くなる期間が長くなる。
【0082】
一方、A1_Outが三角波VTW_1よりも高くなる期間があると、図10(d)に示すように、駆動レベル検出回路414のコンパレータの出力はハイになる。駆動レベル検出回路414の後段にはローパスフィルタが設けられているので、コンパレータの出力がハイになる頻度が上がると、駆動レベル検出回路414の出力である検出信号A3_O_Aveの電圧は徐々に上昇する。
【0083】
なお、昇圧回路部410の出力電圧が低下するため降圧D/Dコンバータ回路421の出力電圧も低下し、図10(f)に示すように、第2出力電圧検出回路422の出力電圧Vo2_fbも低下してゆく。従って、目標電圧V_Vrefと出力電圧Vo2_fbとの差は次第に大きくなって行く。なお、図10(e)は、駆動信号発生回路424が出力するスイッチングパルスPul_2を示しているが、このスイッチングパルスについてもデューティー比は最大となっているものとする。
【0084】
また、図10(g)に示すように、第2出力電圧検出回路422の出力電圧Vo2_fbが低下すると、逆に誤差検出回路423の出力信号A2_Outの電圧は上昇し、駆動信号発生回路424において三角波VTW_2と比較すると、出力信号A2_Outの電圧の方が三角波VTW_2の電圧より高くなる期間が長くなる。
【0085】
さらに、図10(d)に示すように、目標電圧調整回路425では、駆動レベル検出回路414からの検出信号A3_O_Aveと、三角波VTW_3とを比較する。検出信号A3_O_Aveの方が三角波VTW_3よりも高い期間、図10(h)に示すように、目標電圧調整回路425のコンパレータはハイとなる信号CMP3_Oを出力し、目標電圧調整回路425の後段のローパスフィルタによってFETのゲートに印加される電圧VGは、図10(h)のように多少矩形波をなめらかにしたような波形となる。いずれにせよ、電圧VGによってFETがオンになると、コンデンサC1に蓄積された電荷が放出されるようになるので、FETがオンとなっている期間、初期の目標電圧(=第2目標電圧)から引き下げられて、図10(i)に示すような目標電圧V_Vrefが生成される。なお、FETがオフになると、電荷がコンデンサC1にチャージされるので、目標電圧V_Vrefは上昇する。但し、図10(i)に示すように、FETがオンになる期間が長くなると、FETがオフの期間が短くなって、コンデンサC1に電荷を蓄積できず、第2目標電圧Vref_2に戻ることができず、全体としても目標電圧V_Vrefは下がってゆくようになる。
【0086】
このように目標電圧V_Vrefが引き下げられれば、図10(j)に示すように、第2出力電圧検出回路422の出力電圧Vo2_fbの低下に伴って、目標電圧V_Vrefは徐々に低下するので、両者の差は狭められたことになる。参考のため、図10(p)に、V_Vref−Vo2_fbの変化を示している。これを見ると、図10(f)の様子と比較して差は狭められている。そうすると、第2定電圧制御回路では、出力電圧Vo2_fbの低下に応じて駆動レベルを上げた結果、あたかも効果があったようにみえるので駆動レベルを下げることになる。すなわち、図10(k)に示すように、電圧誤差検出回路423の誤差信号A2_Outはやや低下して、三角波VTW_2と比較すると、誤差信号A2_Outの電圧が高くなる期間は短くなる。なお、付加されているダッシュは調整済みを表している。よって、図10(l)に示すように、駆動信号発生回路424の出力であるスイッチングパルスPul_2のデューティー比は下がってゆくようになる。
【0087】
そうすると、降圧D/Dコンバータ回路421の駆動レベルが下がるので、昇圧D/Dコンバータ回路411の出力電圧が上昇する。また、第1出力電圧検出回路412の出力電圧Vo1_fbも、図10(m)に示すように上昇する。そうすると、図10(n)に示すように、第1定電圧制御回路413のオペアンプの出力A1_Outは低下するので、三角波VTW_1よりも電圧が高くなる期間は短くなる。これに応じて、図10(o)に示すように、昇圧D/Dコンバータ回路411のFETに対するスイッチングパルスPul_1はデューティー比が低くなる。すなわち、ハイの期間が短くなる。
【0088】
以上のような動作を行うことで、太陽電池100の供給電力と電力変換装置400によって引き出される電力とが早期に釣り合うようになる。その後は、太陽電池100からの電力供給状態に応じて上で述べたものと同様の動作を繰り返せば、最大電力点を追跡していることになる。
【0089】
このように高価なプロセッサなどを用いることなく安価な素子のみで最大電力点追跡が可能となる。
【0090】
なお、上で述べた各回路の構成は一例であって、同様の機能を実現する様々な変形が可能である。
【0091】
[実施の形態2の実施例の変形]
図8に示した駆動レベル検出回路414は、例えば図11に示すような駆動レベル検出回路414bに置換することができる。これは、図8の駆動レベル検出回路414では、コンパレータを用いた構成を採用しているのに対し、図11ではオペアンプを用いた構成を採用している。
【0092】
このような駆動レベル検出回路414bを採用した場合の動作を、図12及び図13を用いて説明する。
【0093】
図12は、図9に対応する図であり、異なる点は図12(g)に現れている。すなわち、駆動レベル検出回路414の場合には検出信号A3_O_Aveが目標電圧調整回路425に出力されていたが、駆動レベル検出回路414bの場合には検出信号A3_Outが目標電圧調整回路425に出力される。この検出A3_Outは、駆動レベル検出回路414bの入力信号A1_Outと第3の目標電圧Vref_3との差に応じた信号であり、通常時でもゼロは固定されない。但し、目標電圧調整回路425において三角波VTW_3と比較されるので、図12(h)に示すように、結果は図9(h)と同じになる。
【0094】
図13は、図10に対応する図であり、異なる点は図13(d)に現れている。図12(g)について述べたように、目標電圧調整回路425においては、駆動レベル検出回路414bの検出信号A3_Outは三角波VTW_3と比較されるが、駆動レベル検出回路414bへの入力信号A1_Outが上昇しているので、それに応じて検出信号A3_Outも上昇する。従って、三角波VTW_3よりも検出信号A3_Outの方が電圧が高くなる場面が生じている。これ以外の動作は、図10で説明したものと同じである。
【0095】
このような回路を採用しても、同様の効果を得ることができる。
【0096】
[実施の形態3]
図14(a)に、リチウムイオン二次電池の充電方式の一例を示す。図14(a)において、横軸は時間であり、縦軸は充電電圧及び電流を表す。図14(a)から分かるように、充電電流を満充電になるまで一定に制御する。この際、電圧は図示するようなカーブを描きながら上昇する。一方、満充電になると充電電圧を一定となるように制御する。そうすると、充電電流は急激に減少することになる。同様に、図14(b)に、制御弁式鉛蓄電池の充電方式の一例を示す。図14(a)と同様に、図14(b)でも、横軸は時間であり、縦軸は充電電圧及び電流を表す。基本的に、鉛蓄電池もリチウムイオン二次電池と同様の方式で充電する。
【0097】
負荷蓄電池300のこのような充電方法と太陽電池100の供給電力状態とを勘案すると、図15に示すような制御切換を行えば効率的に蓄電を行うことができるようになる。すなわち、太陽電池100の発電電力が十分である場合(発電電力充足の場合)であって負荷蓄電池300が満充電状態であれば、定電圧制御を行う。但し、満充電時電圧が電圧制御の目標電圧の場合には最大電力点追跡(MPPT:Maximum Power Point Tracking)は動作しない。また、太陽電池100の発電電力が十分である場合(発電電力充足の場合)であって負荷蓄電池300が充電中(すなわち充電未完了)であれば、定電流制御を行う。すなわち、太陽電池100から十分な電力が供給されている場合には、満充電になった場合と満充電でなくなった場合とに、図15の双方向矢印Aに示すように制御を切換える。
【0098】
さらに、太陽電池100の発電電力が十分ない場合(発電電力不足の場合)であって負荷蓄電池300が満充電状態であれば、MPPTを伴う定電圧制御を行う。また、太陽電池100の発電電力が十分ない場合(発電電力不足の場合)であって負荷蓄電池300が充電中(すなわち充電未完了)であれば、MPPTを伴う定電圧制御を行う。このように、太陽電池100の発電電力が十分ない場合(発電電力不足の場合)には、制御の切換えは不要となっている。
【0099】
しかし、負荷蓄電池300に対して充電中である場合には、太陽電池100の発電電力が十分ある場合と十分ない場合とで、図15の双方向矢印Bに示すように制御を切換える。特に、双方向矢印Bで示す制御の切換は、充電中であるため適切に切換えることにより、充電が効率よく行われるようになる。
【0100】
このような制御の切り換えを行うため、本実施の形態では図16に示すような構成を採用する。
【0101】
図16に示すシステムは、太陽電池システムであって、太陽電池100と、太陽電池100からの出力に対して電力変換を行う電力変換装置500と、電力変換装置500の出力に接続されている負荷蓄電池300及び様々な負荷A乃至Cなどが接続されている。
【0102】
電力変換装置500は、昇圧回路部510と降圧回路部530とを有する。昇圧回路部510は、(A)太陽電池100からの出力電圧をDC/DC変換によって昇圧する昇圧D/Dコンバータ回路511と、(B)昇圧D/Dコンバータ回路511の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する第1出力電圧検出回路512と、(C)第1出力電圧検出回路512からの出力信号の電圧と第1の目標電圧Vref_1との差に応じて昇圧D/Dコンバータ回路511に対する定電圧制御を行う第1定電圧制御回路513と、(D)第1定電圧制御回路513による昇圧D/Dコンバータ回路511の駆動レベルを表し且つ昇圧D/Dコンバータ回路511のスイッチをオンにする期間を規定するスイッチングパルスのデューティー比が所定値(例えば最大値)に達したことを検出して、例えば検出状況に応じて検出信号を出力する駆動レベル検出回路514とを有する。
【0103】
また、降圧回路部530は、(A)昇圧回路部510からの出力電圧をDC/DC変換によって降圧する降圧D/Dコンバータ回路531と、(B)降圧D/Dコンバータ回路531の出力電圧に応じた出力信号を出力する第2出力電圧検出回路532と、(C)第2出力電圧検出回路532からの出力信号の電圧と第1出力電圧検出回路512の検出信号に応じて変更された目標電圧V_Vrefとの差に応じた電圧の第1の誤差検出信号を出力する電圧誤差検出回路537と、(D)駆動レベル検出回路514からの検出信号に応じて第2目標電圧Vref_2を低下させることで目標電圧V_Vrefを生成し、第2出力電圧検出回路532の出力電圧Vo2_fbと目標電圧V_Vrefとの差を強制的に狭めさせる目標電圧調整回路538と、(E)負荷蓄電池300に流れる電流に応じた電圧の出力信号を出力する蓄電池充電電流検出回路533と、(F)蓄電池充電電流検出回路533からの出力信号の電圧と予め設定されている目標電流に相当する電圧I_Vrefとの差に応じた電圧の第2誤差検出信号を出力する電流誤差検出回路534と、(G)電流誤差検出回路534からの第2誤差検出信号と電圧誤差検出回路537からの第1誤差検出信号とのいずれかをその電圧値に応じて切り換える切換回路535と、(H)切換回路535の出力に応じて降圧D/Dコンバータ回路531を駆動する駆動信号発生回路536とを有する。
【0104】
本実施の形態では、図14に示したような定電流制御を行うべき状態であれば、電流誤差検出回路534の第2誤差検出信号の電圧が、電圧誤差検出回路537の第1誤差検出信号の電圧以上となる。従って、切換回路535は、第2誤差検出信号を駆動信号発生回路536に出力する。すなわち、電流誤差検出回路534及び駆動信号発生回路536の組み合わせで定電流制御が行われ、蓄電池充電電流検出回路533において検出される、負荷蓄電池300に流れる電流が一定になるように動作する。
【0105】
一方、図15に示したような定電圧制御を行うべき状態であれば、電圧誤差検出回路537の第1誤差検出信号の電圧が、電流誤差検出回路534の第2誤差検出信号の電圧を超えるようになる。従って、切換回路535は、第1誤差検出信号を駆動信号発生回路536に出力する。すなわち、電圧誤差検出回路537、目標電圧調整回路538及び駆動信号発生回路536の組み合わせで定電圧制御が行われる。定電圧制御が有効化されている場合には、基本的な動作は第2の実施の形態と同じになる。
【0106】
このように制御を切り換え、さらに定電圧制御を実施する際には第2の実施の形態と同じようにMPPTを実施することになるので、効率的に負荷蓄電池300への充電を行うことができる。
【0107】
[実施の形態3の実施例]
本実施の形態に係る具体的回路例を、図17及び図18を用いて説明する。なお、図6に示している太陽電池100は本実施の形態でも同じである。図6の昇圧D/Dコンバータ回路411、第1出力電圧検出回路412及び第1定電圧制御回路413は、本具体的回路例における昇圧D/Dコンバータ回路511、第1出力電圧検出回路512及び第1定電圧制御回路513と同じである。また、図8の駆動レベル検出回路414及び目標電圧調整回路425についてはそのまま採用され、図7の代わりに、図17及び図18の回路が採用される。
【0108】
図17に示すように、蓄電池300及び蓄電池充電電流検出回路533は直列に接続されており、端子Gを介して蓄電池充電電流検出回路533と図18の電流誤差検出回路534とが接続されている。また、端子Fを介して第2出力電圧検出回路532と図18の電圧誤差検出回路537とが接続されている。また、図18の駆動信号発生回路536は、端子Hを介して図17の降圧D/Dコンバータ回路531に接続されている。また、降圧D/Dコンバータ回路531は、端子A及びCを介して図6の第1出力電圧検出回路に接続されている。図18の電圧誤差検出回路537に含まれるコンパレータの負極側入力端子は、端子Eを介して図8の目標電圧調整回路に接続されている。
【0109】
本具体的回路例における切換回路535は、電流誤差検出回路534の出力と電圧誤差検出回路537の出力とをダイオードORする回路である。これによって、電圧の高い方の誤差検出信号を駆動信号発生回路536に出力するようになっている。本具体的回路例における目標電圧調整回路538は、第1の実施の形態における回路例と同じになっている。また、本具体的回路例において電圧誤差検出回路537は、単純に第2出力電圧検出回路532の出力電圧Vo2_fbと目標電圧調整回路538から出力される目標電圧V_Vrefと大小関係を判定するような回路となっている。電流誤差検出回路534も、蓄電池充電電流検出回路533の出力Vbi_fbと目標電流に相当する電圧I_Vrefとの大小関係を判定するような回路となっている。
【0110】
次に、図19乃至図21を用いて、本実施の形態における具体的回路例の動作を説明する。図19(a)乃至(h)は、定電流制御が行われている場合の動作を示す。
【0111】
図19(a)及び(b)から分かるように、定電流制御では徐々に電力変換装置500の出力電圧Vo2は上昇する(図19(b))。図19(b)では、出力電圧Vo2の平均値Vo_aveが上昇することも示されている。また、蓄電池充電電流検出回路533の出力電圧Vbi_fbは、電流誤差検出回路534において目標電流に相当する電圧I_Vrefと比較され、出力電圧Vbi_fbはこの電圧I_Vref以上となっている期間ハイになる矩形波CMP_Iが生成される。但し、電流誤差検出回路534にはCRによるローパスフィルタが含まれているので、電流誤差検出回路534の出力信号Vfb_Iは図19(e)に示すような波形になる。矩形波CMP_Iのハイの期間が長ければ、出力信号Vfb_Iの電圧は高くなる。
【0112】
図19(f)に示すように、第2出力電圧検出回路532の出力電圧Vo2_fbは、出力電圧Vo2に連動して上昇する。しかし、第1出力電圧検出回路512の出力は低下せず、駆動レベル検出回路514からは検出信号が出力されず、出力電圧Vo2_fbが目標電圧V_Vrefを超える期間は徐々に長くなる。すなわち、図19(g)に示すように徐々にハイの期間が長くなる矩形波CMP_Vが電圧誤差検出回路537により生成されるが、図19(d)で示したCMP_Iよりもハイの期間は短くなる。従って、電圧誤差検出回路537に含まれるローパスフィルタによって平滑化された信号Vfb_Vの電圧は、図19(e)に示すように、電流誤差検出回路534からの出力信号Vfb_Iの電圧より低くなる。なお、出力電圧Vo2_fbと連動して上昇する点については同じである。従って、切換回路535は、電流誤差検出回路534からの出力信号Vfb_Iを図19(h)に示す信号Vfbとして駆動信号発生回路536に出力する。
【0113】
駆動信号発生回路536は、図19(h)に示すように、三角波VTW_2と信号Vfbとを比較して、三角波VTW_2の方が電圧が高い期間にハイになる駆動パルス波Pul_2(図19(a))が生成される。
【0114】
これに対して蓄電池300への充電が完了した場合の動作を図20(a)乃至(h)を用いて説明する。なお、図20(a)は、基本的なパルス波Pul_2を示しており、定電流制御から定電圧制御への切換が反映されていない。
【0115】
図20(b)に示すように、満充電になるまで電力変換装置500の出力電圧Vo2は上昇し、満充電になると一定になるように制御される。一方、図20(c)に示すように、蓄電池充電電流検出回路533の出力電圧Vbi_fbは、満充電になると、低下することになる。そうすると、出力電圧Vbi_fbが目標電流に相当する電圧I_Vrefを超える期間が短くなって、図20(d)に示す矩形波CMP_Iがハイになる期間がなくなってしまう。そのため、電流誤差検出回路534のローパスフィルタの出力電圧Vfb_Iは、図20(e)に示すように、急激に低下してゼロになってしまう。
【0116】
一方、第1出力電圧検出回路512の出力電圧Vo1_fbは低下せず、駆動レベル検出回路514からは検出信号は出力されていないので、目標電圧V_Vrefは初期目標電圧(=第2目標電圧)Vref_2のままとなる。但し、図20(f)に示すように、第2出力電圧検出回路532の出力電圧Vo2_fbは上昇するので、目標電圧V_Vrefを超える期間が長くなり、電圧誤差検出回路537のコンパレータの出力CMP_Vは、図20(g)に示すように、ハイの期間が長くなって、その後常にハイになってしまう。そうすると、図20(e)に示すように、電圧誤差検出回路537のローパスフィルタで平滑化された電圧Vfb_Vは、徐々に上昇し、その後最大値で一定となる。
【0117】
従って、図20(e)に示すように、途中で電流誤差検出回路534の出力電圧Vfb_Iより電圧誤差検出回路537の出力電圧Vfb_Vが高くなる。そうすると、図20(h)に示すように、切換回路535は、電圧の高い入力を駆動信号発生回路536に出力するので、途中で電圧誤差検出回路537の出力電圧Vfb_VをVfbとして駆動信号発生回路536に出力するようになる。駆動信号発生回路536は、三角波VTW_2と出力電圧Vfbとを比較して、三角波VTW_2の方が高い期間がハイとなる矩形波Pul_2を生成する。図20(h)の例では、非常に短い期間のみハイとなる。
【0118】
次に、図21(a)乃至(h)を用いて、太陽電池100からの電力供給が不足してしまうためMPPTを伴う定電圧制御を実施する場合の動作について説明する。なお、図21(a)は、基本的なパルス波Pul_2を示しており、定電流制御から定電圧制御への切換が反映されていない。
【0119】
図21(b)に示すように、電力変換装置500の出力電圧Vo2は、電力不足のため徐々に低下する。同様に、その平均電圧Vo_aveも低下する。また、電力不足で太陽電池100から引き出される電流も低下するため、図21(c)に示すように、蓄電池充電電流検出回路533の出力電圧Vbi_fbも徐々に低下する。出力電圧Vbi_fbが目標電流に相当する電圧I_Vrefを常に下回るようになると、図21(c)に示すように、電流誤差検出回路534で生成される矩形波CMP_Iもハイになる期間がなくなってしまう。従って、電流誤差検出回路534のローパスフィルタで生成される第2誤差検出信号Vfb_Iは、矩形波CMP_Iがローになってしまうと、それに応じてゼロになってしまう。
【0120】
一方、図21(f)に示すように、第1出力電圧検出回路512の出力電圧Vo1_fbは電力不足のため低下して、駆動レベル検出回路514は検出信号を出力するので、目標電圧調整回路538は、目標電圧V_Vrefを、初期目標電圧(=第2目標電圧)Vref_2から強制的に引き下げるように動作する。第2出力電圧検出回路532の出力電圧Vo2_fbも低下するので、目標電圧V_Vrefとの差は小さくなる。但し、本例では、図21(f)に示すように、目標電圧V_Vrefよりも出力電圧Vo2_fbが高くなるので、電圧誤差検出回路537における矩形波CMP_Vのハイの期間が長くなって、その後ハイのままになる。そうすると、図21(e)に示すように、第1誤差検出信号Vfb_Vは、第2誤差検出信号Vfb_Iより高くなるので、この信号がVfbとして出力されるようになる。駆動信号発生回路536は、三角波VTW_2と出力電圧Vfbとを比較して、三角波VTW_2の方が高い期間がハイとなる矩形波Pul_2を生成する。図21(h)の例では、非常に短い期間のみハイとなる。
【0121】
以上のような動作を行うことによって、定電流制御から定電圧制御に適切に切り換えが行われるようになる。すなわち、蓄電池300に効率的に蓄電されるようになる。なお、定電圧制御から定電流制御への切り換えについては、上で述べたものと逆になるので、説明を省略する。
【0122】
また、定電圧制御においては、第2の実施の形態と同様にMPPTが行われるようになる。
【0123】
なお、回路例は様々な変形が可能であり、上で述べたような機能を実現できる他の構成を採用することも可能である。
【0124】
[実施の形態4]
図22に本実施の形態に係るシステムの機能ブロック図を示す。図22に示すシステムは、太陽電池システムであって、太陽電池100と、太陽電池100からの出力に対して電力変換を行う電力変換装置600と、電力変換装置600の出力に接続されている負荷蓄電池300及び様々な負荷A乃至Cなどが接続されている。
【0125】
電力変換装置600は、太陽電池100からの出力直流電圧を昇圧させる昇圧回路部610と、昇圧回路部610の出力直流電圧を降圧する降圧回路部620とを有する。
【0126】
昇圧回路部610は、(A)太陽電池100からの出力電圧をDC/DC変換によって昇圧する昇圧D/Dコンバータ回路611と、(B)昇圧D/Dコンバータ回路611の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する第1出力電圧検出回路612と、(C)第1出力電圧検出回路612からの出力信号の電圧Vo1_fbと第1の目標電圧Vref_1との差に応じて昇圧D/Dコンバータ回路611に対する定電圧制御を行う第1定電圧制御回路613と、(D)第1定電圧制御回路613による昇圧D/Dコンバータ回路611の駆動レベルを表し且つ昇圧D/Dコンバータ回路611のスイッチをオンにする期間を規定するスイッチングパルスのデューティー比が所定値(例えば最大値)に達したことを検出して、例えば検出状況に応じた検出信号を出力する駆動レベル検出回路614とを有する。
【0127】
また、降圧回路部620は、(A)昇圧回路部610からの出力電圧をDC/DC変換によって降圧する降圧D/Dコンバータ回路621と、(B)降圧D/Dコンバータ回路621の出力電圧に応じた出力信号Vo2_fbを出力する第2出力電圧検出回路622と、(C)第2出力電圧検出回路622からの出力信号の電圧Vo2_fbを駆動レベル検出回路614からの検出信号に応じて変更して調整後信号Vof3を生成する検出信号調整回路623と、(D)検出信号調整回路623の出力である調整後信号Vof3と固定目標電圧V_Vrefとの差に応じた電圧の検出信号を出力する誤差検出回路624と、(E)誤差検出回路624の出力信号に応じて降圧D/Dコンバータ回路621を駆動する駆動信号発生回路625とを有する。
【0128】
検出信号調整回路623は、昇圧D/Dコンバータ回路611に対するスイッチングパルスのデューティー比に相当する電圧の信号が所定のデューティー比(例えば最大値。以下、最大値として説明する。)に相当する電圧を下回っていると駆動レベル検出回路614で判定されている間は、第2出力電圧検出回路622の出力電圧Vo2_fbをそのまま調整後信号Vof3として誤差検出回路624に出力する。一方、昇圧D/Dコンバータ回路611に対するスイッチングパルスのデューティー比に相当する電圧の信号がデューティー比最大に相当する電圧を上回るようになったと駆動レベル検出回路614で判定されると、第2出力電圧検出回路622の出力電圧Vo2_fbも低下しているが、検出信号調整回路623は、強制的に固定目標電圧V_Vrefとの差を狭めるように出力電圧Vo2_fbを上昇させてVof3を生成する。これにより、V_Vrefを上回ることもあるが、差の絶対値は小さくなる。従って、誤差検出回路624では、電圧低下に応じて駆動レベルを上げた効果が現れて固定目標電圧V_Vrefとの差が小さくなったように見えるため、駆動信号発生回路625に駆動レベルを下げるような駆動信号を生成させるようになる。これによって、太陽電池100からの供給電力低下に応じて駆動レベルを調整することができるようになる。
【0129】
次に、図23を用いて、図22に示した電力変換装置600の動作について説明する。なお、太陽電池100からの出力電力をPpv、電力変換装置600の昇圧回路部610の出力電圧をV1d_out、出力電力をP1d、第1定電圧制御回路613から昇圧D/Dコンバータ回路611への出力をDuty、固定目標電圧をV_Vref、検出信号調整回路623の出力をVof3、降圧回路部620の出力電圧をVout、出力電力をPoutと表すものとする。
【0130】
図23(a)乃至(d)に、図22に示した電力変換装置600の動作を説明するための波形図を示す。図23(a)(b)及び(d)は、第2の実施の形態の場合と同じである。本実施の形態では、上でも述べたように、太陽電池100から電力を引き出しすぎると、第1出力電圧検出回路612の出力電圧Vo1_fb、昇圧回路部610の出力電圧V1d_out及び降圧回路部620の出力電圧Voutも低下することになる。従って、第2出力電圧検出回路622の出力電圧Vo2_fbも低下して、それに応じて検出信号調整回路623の出力電圧Vof3も低下する。しかし、図23(d)に示すように、スイッチングパルスのデューティー比Duty[%]も上昇して例えば最大値に達するようになるので、検出信号調整回路623が、第2出力電圧検出回路622の出力電圧Vo2_fbを強制的に上昇させる。すなわち、図23(c)に示すように、調整後信号Vof3を上昇させて、固定の目標電圧V_Vrefとの差を狭めることによって、誤差検出回路624及び駆動信号発生回路625による降圧D/Dコンバータ回路621の駆動レベルを低下させるように調整している。このように、太陽電池100から電力を引き出しすぎるという状況になると、第2出力電圧検出回路622の出力電圧Vo2_fbを調整して、固定の目標電圧V_Vrefとの差を狭めるように調整することで、第2の実施の形態と同様に、太陽電池100の最大電力点を安価な回路素子で追跡させることができるようになる。
【0131】
[実施の形態4の実施例]
本実施の形態に係る具体的回路例を、図24に図6乃至図8との差分の部分のみを示す。図6に示している太陽電池100は本実施の形態でも同じである。図6の昇圧D/Dコンバータ回路411、第1出力電圧検出回路412及び第1定電圧制御回路413は、本具体的回路例における昇圧D/Dコンバータ回路611、第1出力電圧検出回路612及び第1定電圧制御回路613と同じである。また、図7の降圧D/Dコンバータ回路421及び第2出力電圧検出回路422は、本具体的回路例における降圧D/Dコンバータ回路621及び第2出力電圧検出回路622と同じである。それ以外の回路については、図24に示されている。なお、図7の第2定電圧制御回路の誤差検出回路423及び駆動信号発生回路424は、図24に示されている回路に置換される。
【0132】
図24に示すように、図7の第2出力電圧検出回路の出力は、端子Jを介して図24の検出信号調整回路623に接続されている。図24の駆動信号発生回路625の出力は、端子Kを介して図7の降圧D/Dコンバータ回路の駆動回路の入力に接続されている。また、駆動レベル検出回路614の入力には、端子Dを介して図6の第1定電圧制御回路に接続されている。
【0133】
駆動レベル検出回路614は図8に示した回路と同じである。また、誤差検出回路624及び駆動信号発生回路625は、検出信号調整回路623からの出力Vof3について定電圧制御を行う回路である。一方、検出信号調整回路623は、コンパレータ又はオペアンプ毎に機能が分かれている。具体的には、左下に示したコンパレータは、駆動レベル検出回路614からの検出信号A3_O_Aveと、三角波VTW_3とを比較して、三角波VTW_3の方が電圧が高い期間ハイになるパルス波CMP3_Oを生成する。パルス波CMP3_Oは、コンパレータの後段に設けられているローパスフィルタで平滑化されてFET(S2)のゲート電圧VGが生成される。このFET(S2)がオンとなっている場合には、コンデンサC2には電荷が貯まらない。一方、FET(S2)がオフになると、その期間だけコンデンサC2に電荷が貯まるため、FET(S2)がオフの期間が長くなると徐々にトランジスタTのベースに印加される電圧VQBが上昇する。トランジスタTは、電圧VQBが所定電圧以上になると、オンになる。
【0134】
一方、第2出力電圧検出回路622の出力電圧Vo2_fbが入力されるオペアンプ(右上)では、出力電圧Vo2_fbを反転させて中間信号Vof2を生成する。さらに、もう1つのオペアンプは、中間信号Vof2を反転させて、検出信号調整回路623の出力Vof3を生成する。
【0135】
スイッチングパルスのデューティー比が上昇してデューティー比最大に相当する電圧Vref_3以上になると駆動レベル検出回路614の検出信号A3_O_Aveの電圧も上昇する。そうすると、検出信号A3_O_Aveの電圧が三角波VTW_3を超える期間が長くなり、FET(S2)のゲート電圧VGも上昇してFET(S2)がオンになると、コンデンサC2にも電荷が貯まって、トランジスタTのベースに印加される電圧VQBが上昇し、トランジスタTがオンになる。トランジスタTがオンになると、トランジスタTのエミッタは接地されているので、中間信号Vof2の電位は、強制的に引き下げられる。このように、トランジスタTがオンになると、中間信号Vof2は強制的に引き下げられる。一方、後段のオペアンプでは、中間信号Vof2を反転させるので、トランジスタTがオンになると、第2出力電圧検出回路622の出力電圧Vo2_fbは反対に引き上げられて、その結果が出力Vof3として得られるようになる。
【0136】
次に、本実施例に係る電力変換装置600の動作を図25及び図26を用いて説明する。まず、図5(a)の電力点Aなどにおいて十分太陽電池100から電力供給が可能である状態における動作を図25(a)乃至(j)を用いて説明する。なお、図25(a)乃至(j)は、ある短い時間の動作を示しており、図24等に示した回路の基本的な動作説明を行うための図である。
【0137】
図25(a)は、第1定電圧制御回路613の出力であるスイッチングパルスPul_1を表している。この間、昇圧D/Dコンバータ回路611の出力電圧及び当該出力電圧に応じた第1出力電圧検出回路612の出力電圧Vo1_fb(図25(b))は、図中は大げさに示されているが、スイッチングに応じて多少リプルが発生する程度の変動だけである。図25(c)に示すように、このような第1出力電圧検出回路612の出力電圧Vo1_fbから第1定電圧制御回路613のオペアンプによって生成される信号A1_Outは、三角波VTW_1と比較されて、信号A1_Outの電圧の方が高い期間、図25(a)に示すようなスイッチングパルスにおいてハイとなる。
【0138】
一方、図25(d)は、駆動信号発生回路625の出力Pul_2を表しており、図25(e)は、第2出力電圧検出回路622の出力電圧Vo2_fbを表している。このように、降圧D/Dコンバータ回路621の動作周波数は、昇圧D/Dコンバータ回路611の動作周波数とは異なっている。
【0139】
図25(b)に示した第1出力電圧検出回路612の出力電圧Vo1_fbのように低下していない場合には、図25(e)に示す出力電圧Vo2_fbは検出信号調整回路623で調整されない。すなわち、駆動レベル検出回路614では、スイッチングパルスのデューティー比に相当する出力電圧A1_Outは、デューティー比最大に相当する電圧Vref_3を上回ることはないので、図25(h)に示すように、駆動レベル検出回路614の検出信号A3_O_Aveはゼロとなる。そうなると、検出信号A3_O_Aveと三角波VTW_3とが比較されても、検出信号A3_O_Aveは三角波VTW_3よりも電圧が高くなることはないので、図25(i)及び(j)に示すように、コンパレータの出力CMP3_O及びFETのゲート電圧VGはハイのままとなる。そうすると、図25(j)に示すように、検出信号調整回路623のトランジスタTのベース電圧VQBは、ゼロのままになる。
【0140】
そうなると、検出信号調整回路623に入力された第2出力電圧検出回路622の出力電圧Vo2_fb(図21(f))は、検出信号調整回路623の上段の2つのオペアンプで単純な信号の反転が行われて、図25(f)に示すように、検出信号調整回路623の調整後信号Vof3は、ほぼ出力電圧Vo2_fbと同じになる。
【0141】
誤差検出回路624では、調整後信号Vof3と固定目標電圧V_Vrefとが比較され、誤差信号A2_Outが生成される。駆動信号発生回路625では、誤差信号A2_Outと三角波VTW_2とが比較され、誤差信号A2_Outの電圧の方が高い期間ハイになる矩形波Pul_2が生成される(図25(d))。
【0142】
次に、図26(a)乃至(q)を用いて、昇圧D/Dコンバータ回路611の出力が低下し始めて、第1出力電圧検出回路612の出力電圧Vo1_fbも低下し始めた場合の動作について説明する。なお、図26(a)乃至(q)は、本実施の形態の特徴を強調するように描かれているので、実際とは多少異なる部分もある。
【0143】
図26(a)及び(b)に示すように、太陽電池100からの電力供給が減少するか最大電力点を超えて電力を引き出そうとすると、第1出力電圧検出回路612の出力電圧Vo1_fbは下がりだし、昇圧D/Dコンバータ回路611のFETのゲート端子に対するスイッチングパルスPul_1のデューティー比は、例えば最大になる。これは、図26(c)に示すように、第1定電圧制御回路613のオペアンプの出力A1_Outは、上昇して三角波VTW_1よりも高くなる期間が長くなる。
【0144】
一方、昇圧回路部610の出力電圧が低下するため降圧D/Dコンバータ回路621の出力電圧も低下するため、図26(e)及び(k)に示すように、第2出力電圧検出回路622の出力電圧Vo2_fbも低下してゆく。
【0145】
図26(c)について述べたように、スイッチングパルスのデューティー比に相当する出力電圧A1_Outは上昇してゆくので、デューティー比最大に相当する電圧Vref_3を超える期間が生ずるようになる。そうすると、図26(d)に示すように、その期間に駆動レベル検出回路614のコンパレータの出力A3_Outはハイになる。すなわち、出力A3_Outがハイになる期間が徐々に長くなり、駆動レベル検出回路614の出力A3_O_Aveも上昇するようになる。
【0146】
この駆動レベル検出回路614の出力A3_O_Aveは、図26(d)に示すように、検出信号調整回路623のコンパレータで三角波VTW_3と比較される。駆動レベル検出回路614の出力A3_O_Aveの方が三角波VTW_3よりも高くなると、その期間中図26(i)に示すように、検出信号調整回路623のコンパレータの出力CMP3_O及びFETのゲート電圧VGは、ローになる期間が発生する。そうすると、検出信号調整回路623のFET(S2)がオフになってコンデンサC2に電荷がチャージされはじめて、トランジスタTのベース電圧VQBは、図26(j)に示すように、FET(S2)がオフの期間は上昇する。FET(S2)がオフの期間が長くなり頻繁に発生するようになると、トランジスタTのベース電圧VQBは、トランジスタTをオンにする程度まで高くなる。
【0147】
なお、検出信号調整回路623による出力電圧Vo2_fbに対する調整が行われるまでは、図26(g)に示すように、出力電圧Vo2_fbと同じような波形が調整後信号Vof3となる。中間信号Vof2は、出力電圧Vo2_fbを反転させた信号である。誤差検出回路624は、固定目標電圧V_Vrefと調整後信号Vof3との誤差信号A2_Outを生成し(図26(h))、駆動信号発生回路625は、三角波VTW_2と誤差信号A2_Outとを比較して、誤差信号A2_Outの電圧が高い期間ハイになる矩形波Pul_2が生成される(図26(d))。
【0148】
図26(l)に示すように、ベース電圧VQBが上昇してトランジスタTがオンになり、中間信号Vof2が引き下げられると、反対に調整後信号Vof3は引き上げられることになる。図26(l)で丸で示した部分が、中間信号Vof2の引き下げ及び調整後信号Vof3の引き上げが行われている部分である。これによって、固定目標電圧V_Vrefと調整後信号Vof3の差は、固定目標電圧V_Vrefと出力電圧Vo2_fbとの差よりも狭められている。両者の上下関係は反転することもある。なお、図26(l)以降の図においてダッシュが付されている記号は、検出信号調整回路623の調整の影響を受けていることを表している。
【0149】
なお、図26(m)に示すように、誤差検出回路624の出力電圧A2_Outは、三角波VTW_2と比較され、出力電圧A2_Outの方が高い期間中、スイッチングパルスPul_2がハイになる。
【0150】
出力電圧Vo2_fbが低下すると、降圧D/Dコンバータ回路621の駆動レベルを上げて出力電圧Vo2_fbを上昇させるように誤差検出回路624及び駆動信号発生回路625は動作する。しかし上で述べたように、調整後信号Vof3と固定目標電圧V_Vrefとの差を狭めるように検出信号調整回路623は動作するので、出力電圧Vo2_fbの低下に応じて駆動レベルを上げた結果、あたかも効果があったように見えるので、誤差検出回路624及び駆動信号発生回路625が駆動レベルを下げるようになる。すなわち、図26(m)に示すように、誤差検出回路624の誤差信号A2_Outはやや低下して、三角波VTW_2と比較すると、誤差信号A2_Outの電圧が高くなる期間は短くなる。
【0151】
そうすると、降圧D/Dコンバータ回路621の駆動レベルが下がるので、昇圧D/Dコンバータ回路611の出力電圧が上昇する。また、第1出力電圧検出回路612の出力電圧Vo1_fbも、図26(o)に示すように上昇する。そうすると、図26(p)に示すように、第1定電圧制御回路613のオペアンプの出力A1_Outは低下するので、三角波VTW_1よりも電圧が高くなる期間は短くなる。これに応じて、図26(q)に示すように、昇圧D/Dコンバータ回路611のFETに対するスイッチングパルスPul_1はデューティー比が低くなる。すなわち、ハイの期間が短くなる。
【0152】
以上のような動作を行うことで、太陽電池100の供給電力と電力変換装置600によって引き出される電力とが早期に釣り合うようになる。その後は、太陽電池100からの電力供給状態に応じて上で述べたものと同様の動作を繰り返せば、最大電力点を追跡していることになる。
【0153】
このように高価なプロセッサなどを用いることなく安価な素子のみで最大電力点追跡が可能となる。
【0154】
なお、上で述べた各回路の構成は一例であって、同様の機能を実現する様々な変形が可能である。
【0155】
[実施の形態5]
第5の実施の形態では、第4の実施の形態を、第3の実施の形態に従った形で変形した構成を採用する。
【0156】
本実施の形態に係るシステムは、太陽電池システムであって、図27に示すように、太陽電池100と、太陽電池100からの出力に対して電力変換を行う電力変換装置700と、電力変換装置700の出力に接続されている負荷蓄電池300及び様々な負荷A乃至Cなどが接続されている。
【0157】
電力変換装置700は、昇圧回路部710と降圧回路部730と有する。昇圧回路部710は、(A)太陽電池100からの出力電圧をDC/DC変換によって昇圧する昇圧D/Dコンバータ回路711と、(B)昇圧D/Dコンバータ回路711の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する第1出力電圧検出回路712と、(C)第1出力電圧検出回路712からの出力信号の電圧Vo1_fbと第1の目標電圧Vref_1との差に応じて昇圧D/Dコンバータ回路711に対する定電圧制御を行う第1定電圧制御回路713と、(D)第1定電圧制御回路713による昇圧D/Dコンバータ回路711の駆動レベルを表し且つ昇圧D/Dコンバータ回路711のスイッチをオンにする期間を規定するスイッチングパルスのデューティー比が所定値(例えば最大値。以下、最大値として説明する。)に達したことを検出して、例えば検出状況に応じて検出信号を出力する駆動レベル検出回路714とを有する。
【0158】
また、降圧回路部730は、(A)昇圧回路部710からの出力電圧をDC/DC変換によって降圧する降圧D/Dコンバータ回路731と、(B)降圧D/Dコンバータ回路731の出力電圧に応じた出力信号を出力する第2出力電圧検出回路732と、(C)第2出力電圧検出回路732からの出力信号の電圧Vo2_fbを駆動レベル検出回路714からの検出信号A3_O_Aveに応じて変更して調整後信号Vof3を生成する電圧検出信号調整回路737と、(D)電圧検出信号調整回路737の出力である調整後信号Vof3と固定目標電圧V_Vrefとの差に応じた電圧の検出信号を出力する電圧誤差検出回路738と、(E)負荷蓄電池300に流れる電流に応じた電圧Vbi_fbの出力信号を出力する蓄電池充電電流検出回路733と、(F)蓄電池充電電流検出回路733からの出力信号の電圧Vbi_fbと予め設定されている目標電流に相当する電圧I_Vrefとの差に応じた電圧の第2誤差検出信号を出力する電流誤差検出回路734と、(G)電流誤差検出回路734の出力信号と電圧誤差検出回路738の出力信号とのいずれかをその電圧値に応じて切り換える切換回路735と、(H)切換回路735の出力に応じて降圧D/Dコンバータ回路731を駆動する駆動信号発生回路736とを有する。
【0159】
本実施の形態では、図15に示したような定電流制御を行うべき状態であれば、電流誤差検出回路734の第2誤差検出信号の電圧が、電圧誤差検出回路738の第1誤差検出信号の電圧以上となる。従って、切換回路735は、第2誤差検出信号を駆動信号発生回路736に出力する。すなわち、電流誤差検出回路734及び駆動信号発生回路736の組み合わせで定電流制御が行われ、蓄電池充電電流検出回路733において検出される負荷蓄電池300に流れる電流が一定になるように動作する。
【0160】
一方、図15に示したような定電圧制御を行うべき状態であれば、電圧誤差検出回路738の第1誤差検出信号の電圧が、電流誤差検出回路734の第2誤差検出信号の電圧を超えるようになる。従って、切換回路735は、第1誤差検出信号を駆動信号発生回路736に出力する。すなわち、電圧誤差検出回路738、電圧検出信号調整回路737及び駆動信号発生回路736の組み合わせで定電圧制御が行われる。定電圧制御が有効化されている場合には、基本的な動作は第4の実施の形態と同じになる。
【0161】
このように制御を切り換え、さらに定電圧制御を実施する際には第4の実施の形態と同じようにMPPTを実施することになるので、効率的に負荷蓄電池300への充電を行うことができる。
【0162】
[実施の形態5の実施例]
本実施の形態に係る具体的回路例を、図28に上で述べた回路例との差分の部分のみを示す。図6に示している太陽電池100は本実施の形態でも同じである。図6の昇圧D/Dコンバータ回路411、第1出力電圧検出回路412及び第1定電圧制御回路413は、本具体的回路例における昇圧D/Dコンバータ回路711、第1出力電圧検出回路712及び第1定電圧制御回路713と同じである。また、図17の降圧D/Dコンバータ回路531、第2出力電圧検出回路532及び蓄電池充電電流検出回路533は、本具体的回路例における降圧D/Dコンバータ回路731、第2出力電圧検出回路732及び蓄電池充電電流検出回路733と同じである。さらに、図18の電流誤差検出回路534と切換回路535と駆動信号発生回路536は、本具体的回路例における蓄電池充電電流検出回路733と電流検出回路734と切換回路735と同じである。なお、図18中の電圧誤差検出回路537については、本実施の形態では用いられない。それ以外の回路については、図28に示されている。
【0163】
図28に示すように、図17における第2出力電圧検出回路532は、端子Fを介して、図28に示した電圧検出信号調整回路737と接続されている。また、電圧誤差検出回路738は、端子Lを介して図18の切換回路535と接続されている。また、駆動レベル検出回路714は、端子Dを介して図6の第1定電圧制御回路413と接続されている。
【0164】
図28に示した駆動レベル検出回路714及び電圧検出信号調整回路737の動作は、図24に示した駆動レベル検出回路614及び電圧検出信号調整回路623と同じである。また、電圧誤差検出回路738も、電圧誤差検出回路637(図18)と同じである。従って、これ以上の説明は省略する。
【0165】
[実施の形態6]
本実施の形態では、上で述べたような他の実施の形態とは異なり、昇圧回路部と降圧回路部とが独立に動作するようになっている。
【0166】
図29に、本実施の形態に係る電力変換装置を含むシステムの一例を示す。すなわち、図29に示すシステムは、太陽電池システムであって、太陽電池100と、太陽電池100からの出力に対して電力変換を行う電力変換装置800と、電力変換装置800の出力に接続されている負荷蓄電池300及び様々な負荷A乃至Cなどとを有する。
【0167】
電力変換装置800は、太陽電池100からの出力直流電圧を昇圧させる昇圧回路部810と、昇圧回路部810の出力直流電圧を降圧する降圧回路部820とを有する。このように2段構成を採用することによって、太陽電池だけではなく最大電力点を有する様々な直流電源でも対応できるようになる。
【0168】
昇圧回路部810は、(A)太陽電池100からの出力電圧をDC/DC変換によって昇圧する昇圧D/Dコンバータ回路811と、(B)昇圧D/Dコンバータ回路811の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する第1出力電圧検出回路812と、(C)第1出力電圧検出回路812からの出力信号の電圧と目標電圧V_Vref(通常時は第1目標電圧Vref_1)との差に応じて昇圧D/Dコンバータ回路811に対する定電圧制御を行う第1定電圧制御回路813と、(D)第1定電圧制御回路813による昇圧D/Dコンバータ回路811の駆動レベルを表す、第1定電圧制御回路813からの信号が所定のレベル以上の駆動レベルを示している場合には、第1出力電圧検出回路813の出力信号の電圧と目標電圧V_Vrefとの電位差を強制的に狭める動作を実施する調整回路814とを有する。
【0169】
また、降圧回路部820は、(A)昇圧回路部810からの出力電圧をDC/DC変換によって降圧する降圧D/Dコンバータ回路821と、(B)降圧D/Dコンバータ回路821の出力電圧に応じた出力信号を出力する第2出力電圧検出回路822と、(C)第2出力電圧検出回路822からの出力信号の電圧と固定の第2目標電圧Vref_2との差に応じて、降圧D/Dコンバータ回路821に対する定電圧制御を行う第2定電圧制御回路823とを有する。本実施の形態における降圧回路部820は、通常の定電圧制御によって、昇圧回路部810の出力電圧を所定の電圧に降圧するように動作する。
【0170】
一方、太陽電池100のような最大電力点を有する直流電源の場合、第1定電圧制御回路813が、太陽電池100の電力供給能力を超えて電力を引き出そうとして昇圧D/Dコンバータ回路811を駆動すると、第1定電圧制御回路813による制御にも拘わらず昇圧D/Dコンバータ回路811の出力電圧が低下して、第1出力電圧検出回路812の出力信号の電圧も低下する。すなわち、第1定電圧制御回路813は、昇圧D/Dコンバータ回路811の駆動レベルを所定のレベル(例えば最大レベル)以上に上げることになる。
【0171】
このように第1定電圧制御回路813の駆動レベルが所定レベル以上になると、調整回路814は、第1出力電圧検出回路812の出力信号の電圧と目標電圧V_Vrefとの電位差を強制的に狭めるように動作する。すなわち、第1目標電圧Vref_1を引き下げるか、第1出力電圧検出回路812の出力信号の電圧を引き上げる。そうすると、第1定電圧制御回路813は、自らの制御の効果が現れたと判断して、昇圧D/Dコンバータ回路811の駆動を、第1出力電圧検出回路812の出力信号の電圧低下前程度の状態に戻す。すなわち、昇圧D/Dコンバータ回路811の目標出力電圧があたかも引き下げられたような現象が生じる。そうすると、太陽電池100から引き出す電力もその電力供給能力よりも減少するので、昇圧D/Dコンバータ回路811の出力電圧は上昇することになる。
【0172】
このような動作が繰り返されて、太陽電池100の最大電力点の追跡が行われる。また、このような電力変換装置800は、マイクロプロセッサやDSPなどの高価な素子を用いずに構成できるため、安価に構成できる。
【0173】
なお、昇圧回路部810が適切に最大電力点追跡を実施しているので、降圧回路部820では第2目標電圧Vref_2を用いた定電圧制御を行えば、全体として最大電力点追跡が実施されることになる。
【0174】
[実施の形態7]
図30に、本実施の形態に係る電力変換装置を含むシステムの一例を示す。すなわち、図30に示すシステムは、太陽電池システムであって、太陽電池100と、太陽電池100からの出力に対して電力変換を行う電力変換装置900と、電力変換装置900の出力に接続されている負荷蓄電池300及び様々な負荷A乃至Cなどとを有する。
【0175】
電力変換装置900は、太陽電池100からの出力直流電圧を昇圧させる昇圧回路部910と、昇圧回路部910の出力直流電圧を降圧する降圧回路部920とを有する。このように2段構成を採用することによって、太陽電池だけではなく最大電力点を有する様々な直流電源でも対応できるようになる。
【0176】
昇圧回路部910は、(A)太陽電池100からの出力電圧をDC/DC変換によって昇圧する昇圧D/Dコンバータ回路911と、(B)昇圧D/Dコンバータ回路911の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する第1出力電圧検出回路912と、(C)第1出力電圧検出回路912からの出力信号の電圧と目標電圧V_Vefとの差に応じて昇圧D/Dコンバータ回路911に対する定電圧制御を行う第1定電圧制御回路913と、(D)第1定電圧制御回路913による昇圧D/Dコンバータ回路911の駆動レベルを表し且つ昇圧D/Dコンバータ回路911のスイッチをオンにする期間を規定するスイッチングパルスのデューティー比が所定値(例えば最大値)に達したことを検出する駆動レベル検出回路914と、(E)駆動レベル検出回路914からの検出信号に応じて第1目標電圧Vref_1を低下させることで目標電圧V_Vrefを生成し、第1出力電圧検出回路912の出力電圧Vo1_fbと目標電圧V_Vrefとの差を強制的に狭めさせる目標電圧調整回路915とを有する。
【0177】
また、降圧回路部920は、(A)昇圧回路部910からの出力電圧をDC/DC変換によって降圧する降圧D/Dコンバータ回路921と、(B)降圧D/Dコンバータ回路921の出力電圧に応じた出力信号を出力する第2出力電圧検出回路922と、(C)第2出力電圧検出回路922からの出力信号の電圧と第2目標電圧Vref_2との差に応じて、降圧D/Dコンバータ回路921に対する定電圧制御を行う第2定電圧制御回路とを有する。本実施の形態における降圧回路部920は、通常の定電圧制御によって、昇圧回路部910の出力電圧を所定の電圧に降圧するように動作する。
【0178】
一方、太陽電池100のような最大電力点を有する直流電源の場合、第1定電圧制御回路913が、太陽電池100の電力供給能力を超えて電力を引き出そうとして昇圧D/Dコンバータ回路911を駆動すると、第1定電圧制御回路913による制御にも拘わらず昇圧D/Dコンバータ回路911の出力電圧が低下して、第1出力電圧検出回路912の出力信号の電圧も低下する。これに対して、第1定電圧制御回路913は、昇圧D/Dコンバータ回路911のスイッチに対するスイッチングパルスのデューティー比を上昇させて、駆動レベルを所定レベル(例えば最大レベル)以上に上げる。
【0179】
このように昇圧D/Dコンバータ回路911のスイッチに対するスイッチングパルスのデューティー比が所定値以上になったことを駆動レベル検出回路914は検出して、この検出頻度に応じた電圧の検出信号を目標電圧調整回路915に出力する。目標電圧調整回路915は、駆動レベル検出回路914からの検出信号に応じて第1目標電圧Vref_1を強制的に引き下げることによって目標電圧V_Vrefを生成し、第1出力電圧検出回路912の出力電圧Vo1_fbと目標電圧V_Vrefとの差を強制的に狭めさせる。
【0180】
そうすると、第1定電圧制御回路913は、自らの制御の効果が現れたと判断して、昇圧D/Dコンバータ回路911の駆動レベルを、第1出力電圧検出回路912の出力信号の電圧低下前程度の状態に戻す。すなわち、昇圧D/Dコンバータ回路911の目標出力電圧があたかも引き下げられたような現象が生じる。そうすると、太陽電池100から引き出す電力もその電力供給能力よりも減少するので、昇圧D/Dコンバータ回路911の出力電圧は上昇することになる。
【0181】
なお、第2の実施の形態においてVref_2が調整される場合について説明したが、本実施の形態ではVref_1が調整されることになる。例えば図5(c)において水平の点線がVref_2となっているが、本実施の形態ではVref_1が該当する。また、図5(c)における実線は、降圧回路部における目標電圧V_Vrefの変化を表しているが、本実施の形態では昇圧回路部910における目標電圧V_Vrefの変化に該当する。このように目標電圧V_Vrefの調整が昇圧回路部910において行われ、且つ昇圧回路部910において目標電圧V_Vrefを用いる点が第2の実施の形態との差となる。それ以外については同様の動作となるので、詳細な説明については省略する。
【0182】
このような動作が繰り返されて、太陽電池100の最大電力点の追跡が行われる。また、このような電力変換装置900は、マイクロプロセッサやDSPなどの高価な素子を用いずに構成できるため、安価に構成できる。
【0183】
なお、昇圧回路部910が適切に最大電力点追跡を実施しているので、降圧回路部920では第2目標電圧Vref_2を用いた定電圧制御を行えば、全体として最大電力点追跡が実施されることになる。
【0184】
[実施の形態7の実施例]
図31及び図32に本実施の形態に係る具体的回路例を示す。
【0185】
図31は、太陽電池100の具体的回路例と、昇圧D/Dコンバータ回路911の具体的回路例と、第1出力電圧検出回路912の具体的回路例と、第1定電圧制御回路913の具体的回路例と、駆動レベル検出回路914の具体的回路例と、目標電圧調整回路915の具体的回路例とを示している。また、図32は、降圧D/Dコンバータ回路921の具体的回路例と、第2出力電圧検出回路922の具体的回路例と、蓄電池300の具体的回路例と、第2定電圧制御回路の誤差検出回路923及び駆動信号発生回路924の具体的回路例とを示している。そして、端子M及びNを介して、第1出力電圧検出回路912と降圧D/Dコンバータ回路921とが接続されている。
【0186】
図31における昇圧D/Dコンバータ回路911は昇圧チョッパ回路として示されているが、他の方式により太陽電池100の出力電圧を昇圧するD/Dコンバータ回路であってもよい。
【0187】
降圧D/Dコンバータ回路921は、一例としてハーフブリッジ方式の降圧D/Dコンバータ回路であり、そのためのドライバICを含む駆動回路が用いられている。また、フルブリッジ方式、プッシュプル方式、フォワード方式、フライバック方式、降圧型チョッパ回路などで、絶縁型、非絶縁型を用途により選択できる。ドライバICを含む駆動回路は、採用された降圧D/Dコンバータ回路に応じて適宜選択される。
【0188】
第1定電圧制御回路913は、第1出力電圧検出回路912の出力電圧Vo1_fbと目標電圧V_Vrefとの差に応じてスイッチングパルスPul_1のデューティー比を変化させ、昇圧D/Dコンバータ回路911の出力電圧を一定になるように制御する。また、第1定電圧制御回路913は、このスイッチングパルスPul_1のデューティー比に相当する電圧の信号A1_Outを、駆動レベル検出回路914に出力する。
【0189】
駆動レベル検出回路914は、第1定電圧制御回路913からの信号A1_Outが、第3の目標電圧Vref_3以上になっている、すなわちスイッチングパルスのデューティー比が所定値(例えば最大値。以下、最大値として説明する。)に達したかを確認する。駆動レベル検出回路914は、デューティー比が所定の最大値以上となる頻度に応じた電圧の検出信号DMC_O2を目標電圧調整回路915に出力する。
【0190】
目標電圧調整回路915においては、通常時には、第1の目標電圧Vref_1が第1定電圧制御回路913のオペアンプの正極側入力端子に入力されるように、コンデンサC3に電荷がチャージされるようになっている。
【0191】
一方、第1定電圧制御回路913からの信号A1_Outが上昇することによって、駆動レベル検出回路914からの検出信号DMC_O2が上昇すると、目標電圧調整回路915において三角波VTW_3以上となる期間が発生する場合がある。そうすると、コンパレータの出力電圧DMC2_Oがその期間中ハイになり、コンパレータの出力側に設けられているローパスフィルタによって平滑化されるが、FET(S3)のゲート電圧VQGは上昇してFET(S3)がオンになる。このFET(S3)がオンの期間中コンデンサC1から放電されるようになり、目標電圧V_Vrefは放電の間引き下げられることになる。
【0192】
このようにして、第1出力電圧検出回路912の出力電圧Vo1_fbと目標電圧V_Vrefとの電位差を強制的に狭めている。
【0193】
なお、降圧回路部920の動作は、通常の定電圧制御と同じであるから説明を省略する。
【0194】
次に、図33及び図34を用いて、図31及び図32で示した回路の動作を説明する。なお、ここではポイントとなる部分だけを説明する。
【0195】
まず、図4(a)の電力点Aなどにおいて十分太陽電池100から電力供給が可能である状態における動作を図33(a)乃至(g)を用いて説明する。なお、図33(a)乃至(g)は、ある短い時間の動作を示しており、図31及び図32に示した回路の基本的な動作説明を行うための図である。
【0196】
図33(a)は、第1定電圧制御回路913の出力であるスイッチングパルスPul_1を表している。この間、デューティー比はほぼ一定となっており、図33(b)に示す昇圧D/Dコンバータ回路911の出力電圧V1d_outも、図33(c)に示す第1出力電圧検出回路912の出力信号Vo1_fbも、図中は大げさに示されているが、スイッチングに応じて多少リプルが発生する程度の変動だけで、昇圧D/Dコンバータ回路911の出力信号V1d_outの電圧の平均値Vo_aveも一定となっている。なお、図33(a)乃至(g)の状態では、駆動レベル検出回路914と目標電圧調整回路915とは動作しておらず、第1目標電圧Vref_1が目標電圧調整回路915の出力電圧V_Vrefとなっている。
【0197】
図33(c)に示すように、第1定電圧制御回路913は、Vo1_fbとV_Vrefの比較を行い、図33(d)に示すように、Vo1_fbとV_Vrefとの差を反転させた電圧の出力信号A1_Outを出力する。図33(a)乃至(g)の状態では、この出力信号A1_Outの電圧は、駆動レベル検出回路914で基準として用いられ且つデューティー比最大に相当する電圧Vref_3より低い電圧となっているので、上で述べたように駆動レベル検出回路914と目標電圧調整回路915とは動作しない。動作しない状態を図33(e)乃至(g)に示している。すなわち、出力信号A1_Outの電圧は常にVref_3より低いので、駆動レベル検出回路914のコンパレータの出力側信号DMC_O1もDMC_O2もゼロのままになる。さらに、目標電圧調整回路915のコンパレータで三角波VTW_3とDMC_O2とを比較しても、DMC_O2はゼロのままなので、コンパレータの出力側の信号DMC2_OもVQGもゼロのままとなる。そうすると、目標電圧調整回路915のFET(S3)はオフのままとなるので、図33(g)に示すように、コンデンサC3の出力電圧V_Vrefは、直流電源Vref_1の第1目標電圧Vref_1のままで変化しない。
【0198】
次に、図34(a)乃至(i)を用いて、昇圧D/Dコンバータ回路911の出力V1d_outが低下し始めた場合の動作について説明する。なお、図34(a)乃至(i)は、本実施の形態の特徴を強調するように描かれているので、実際とは多少異なる部分もある。
【0199】
上で説明し且つ図34(a)及び(b)に示すように、太陽電池100からの電力供給が減少するか最大電力点を超えて昇圧D/Dコンバータ回路911が電力を引き出そうとすると、昇圧D/Dコンバータ回路911のFETのゲート端子に対するスイッチングパルスのデューティー比は所定値以上(例えば最大値)となる一方、昇圧D/Dコンバータ回路911の出力V1d_outは低下してしまう。図34(c)に示すように、出力V1d_outが低下すると、第1出力電圧検出回路912の出力Vo1_fbも低下する。
【0200】
一方、第1定電圧制御回路913は、現在のV_Vrefとの差を反転させるため、第1出力電圧検出回路912のVo1_fbが低下するならば、第1定電圧制御回路913の出力A1_Outは反対に上昇することになる。そうすると、図34(d)に示すように、昇圧D/Dコンバータ回路911のFETに対するスイッチングの周期の中で、第1定電圧制御回路913の出力A1_Outの電圧が、徐々にスイッチングパルスのデューティー比の最大値に相当する電圧Vref_3を上回る期間が長くなる。すなわち、図34(e)に示すように、駆動レベル検出回路914のコンパレータの出力DMC_O1がハイになる期間が徐々に長くなる。さらに、図34(e)に示すように、駆動レベル検出回路914の出力DMC_O2は、DMC_O1をローパスフィルタで滑らかにした後の信号であるが、DMC_O1のオンの時間が長くなるので、徐々に電圧が上昇する。そして、目標電圧調整回路915における三角波信号VTW_3の電圧よりDMC_O1の電圧が高い期間については、図34(f)に示すように目標電圧調整回路915のコンパレータの出力DMC2_Oがハイになる。この信号DMC2_Oもローパスフィルタで滑らかにすると、図34(f)のような信号VQGが生成される。この信号VQGにより目標電圧調整回路915のFET(S3)のオン/オフが行われるようになる。FET(S3)がオンになると、コンデンサC3から放電されるようになる。従って、放電する時間が長いほど又放電頻度が高いほど、目標電圧V_Vrefは下がってゆくことになる。図34(f)に示すように、スイッチングパルスのデューティー比が最大になる頻度(又は割合)が、過去所定期間内において高くなると、信号VQGが0ではない期間が頻繁に発生すると共に長くなる。それにつれて図34(g)に示すように、目標電圧V_Vrefは徐々に下がってゆく。
【0201】
上で述べたように、第1出力電圧検出回路912の出力Vo1_fbの電圧も下がり、さらに目標電圧V_Vrefも下がってゆくので、第1定電圧制御回路913に入力される2つの信号の電位差が狭められることになる。そうすると、図34(h)に示すように、目標電圧V_Vrefが下げられた後、第1出力電圧検出回路913の出力Vo1_fbの電圧と目標電圧V_Vrefとの差が小さくなるので、第1定電圧制御回路912のオペアンプの出力A1_Out(ここでは補正後A1_Out)も、徐々に下がってゆく。そうすると、図34(h)に示すように、第1定電圧制御回路913における三角波VTW_1の電圧より下がる期間が長くなる。これにより、図34(i)に示すように、スイッチングパルス(補正後Pulと表す)のオンの幅が短くなる。すなわち、第1定電圧制御回路913からすると、デューティー比を高くし、昇圧D/Dコンバータ回路911のFETのオンの期間を長くしてより多くの電力を太陽電池100から引き出そうとして動作した結果、あたかもこの動作に効果があったように見える。従って、第1出力電圧検出回路912の出力Vo1_fbの電圧と目標電圧V_Vrefとの差が小さくなったので、デューティー比を低くしたというものである。
【0202】
これによって上で述べたように太陽電池100から引き出す電力が引き下げられるので、昇圧D/Dコンバータ回路911の出力V1d_outが上昇するようになる。その後、太陽電池100から昇圧D/Dコンバータ回路911が電力を引き出すように動作すれば、図34(b)に示すように電圧V1d_outが下がるようになるので、上で述べたような動作を繰り返すようになる。すなわち、最大電力点を追跡していることになる。
【0203】
このように高価なプロセッサなどを用いることなく安価な素子のみで最大電力点追跡が可能となる。
【0204】
なお、降圧回路部920は、昇圧回路部910からの出力電圧V1d_outを所定の電圧に降圧するように、通常の定電圧制御を実施するだけなので、これ以上説明しない。
【0205】
[実施の形態8]
図35に、本実施の形態に係る電力変換装置を含むシステムの一例を示す。すなわち、図35に示すシステムは、太陽電池システムであって、太陽電池100と、太陽電池100からの出力に対して電力変換を行う電力変換装置1000と、電力変換装置1000の出力に接続されている負荷蓄電池300及び様々な負荷A乃至Cなどとを有する。
【0206】
電力変換装置1000は、太陽電池100からの出力直流電圧を昇圧させる昇圧回路部1010と、昇圧回路部1010の出力直流電圧を降圧する降圧回路部1020とを有する。このように2段構成を採用することによって、太陽電池だけではなく最大電力点を有する様々な直流電源でも対応できるようになる。
【0207】
昇圧回路部1010は、(A)太陽電池100からの出力電圧をDC/DC変換によって昇圧する昇圧D/Dコンバータ回路1011と、(B)昇圧D/Dコンバータ回路1011の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する第1出力電圧検出回路1012と、(C)第1出力電圧検出回路1012からの出力信号の電圧と目標電圧V_Vefとの差に応じて昇圧D/Dコンバータ回路1011に対する定電圧制御を行う第1定電圧制御回路1013と、(D)第1定電圧制御回路1013による昇圧D/Dコンバータ回路1011の駆動レベルを表し且つ昇圧D/Dコンバータ回路1011のスイッチをオンにする期間を規定するスイッチングパルスのデューティー比が所定値(例えば最大値)に達したことを検出する駆動レベル検出回路1014と、(E)駆動レベル検出回路1014からの検出信号に応じて第1目標電圧Vref_1を低下させることで目標電圧V_Vrefを生成し、第1出力電圧検出回路1012の出力電圧Vo1_fbと目標電圧V_Vrefとの差を強制的に狭めさせる目標電圧調整回路1015とを有する。
【0208】
また、降圧回路部1020は、(A)昇圧回路部1010からの出力電圧をDC/DC変換によって降圧する降圧D/Dコンバータ回路1021と、(B)降圧D/Dコンバータ回路1021の出力電圧に応じた出力信号を出力する第2出力電圧検出回路1022と、(C)第2出力電圧検出回路1022からの出力信号の電圧と第2目標電圧Vref_2との差に応じた電圧の第1の誤差検出信号を出力する電圧誤差検出回路1027と、(D)負荷蓄電池300に流れる電流に応じた電圧の出力信号Vbi_fbを出力する蓄電池充電電流検出回路1023と、(E)蓄電池充電電流検出回路1023からの出力信号の電圧と予め設定されている目標電流に相当する電圧I_Vrefとの差に応じた電圧の第2誤差検出信号を出力する電流誤差検出回路1024と、(F)電流誤差検出回路1024からの第2誤差検出信号と電圧誤差検出回路1027からの第1誤差検出信号とのいずれかをその電圧値に応じて切り換える切換回路1025と、(H)切換回路1025の出力に応じて降圧D/Dコンバータ回路1021を駆動する駆動信号発生回路1026とを有する。
【0209】
昇圧回路部1010の構成は第7の実施の形態の昇圧回路部910と同じであるので、説明を省略する。また、降圧回路部1020の構成は、実施の形態3(図16)とは異なっているが、降圧回路部530の最大電力点追跡の機能を除去したものとなっている。すなわち、定電流制御と定電圧制御の切り換えについては第3の実施の形態と同じであり、定電圧制御は単純な定電圧制御となっている。従って、説明を省略する。
【0210】
このような電力変換装置1000を採用することで、最大電力点追跡を行うと共に、負荷蓄電池300の充電状態及び太陽電池100の電力供給能力に応じて定電流制御及び定電圧制御を適切に切り換えて、効率よく且つ適切に蓄電を行うことができるようになる。
【0211】
[実施の形態8の実施例]
本実施の形態に係る具体的回路例を、図36を用いて説明する。図31の昇圧D/Dコンバータ回路911、第1出力電圧検出回路912、第1定電圧制御回路913、駆動レベル検出回路914及び目標電圧調整回路915は、本実施の形態における昇圧D/Dコンバータ回路1011、第1出力電圧検出回路1012、第1定電圧制御回路1013、駆動レベル検出回路1014及び目標電圧調整回路1015と同じである。本実施の形態では、図32の代わりに、図36の降圧回路部1020を採用する。
【0212】
図36に示すように、蓄電池300及び蓄電池充電電流検出回路1023は直列に接続されており、端子Qを介して蓄電池充電電流検出回路1023と電流誤差検出回路1024とが接続されている。また、端子Pを介して第2出力電圧検出回路1022と電圧誤差検出回路1027とが接続されている。また、端子M及びNを介して降圧D/Dコンバータ回路1021は、図31の第1出力電圧検出回路に接続されている。
【0213】
本具体的回路例における切換回路1025は、電流誤差検出回路1024の出力と電圧誤差検出回路1027の出力とをダイオードORする回路である。これによって、電圧の高い方の誤差検出信号を駆動信号発生回路1026に出力するようになっている。また、本具体的回路例において電圧誤差検出回路1027は、第2出力電圧検出回路1022の出力電圧Vo2_fbと第2目標電圧Vref_2と大小関係を単純に判定するような回路となっている。電流誤差検出回路1024も、蓄電池充電電流検出回路1023の出力と目標電流に相当する電圧I_Vrefとの大小関係を単純に判定するような回路となっている。
【0214】
上でも述べたように、昇圧回路部1010の動作については第7の実施の形態と同じである。また、降圧回路部1020の動作については、定常状態であれば図19に示したものとほぼ同じであり、蓄電池が満充電となった場合の動作についても図20に示したものとほぼ同じである。太陽電池100の電力供給能力が不足してきた場合には図21に示した動作とは異なる部分がある。これは上でも述べたように、最大電力点追跡を降圧回路部1020では行わないので、図21(f)のように、V_VrefをVo2_fbの下降に合わせて低下させるような動作は行われない。但し、昇圧回路部1010において最大電力点追跡が行われるので、昇圧回路部1010の駆動レベルが下がり、出力電圧V1d_outが上昇するようになれば、後段の降圧回路部1020の出力電圧も上昇するようになるので問題はない。
【0215】
このような回路であっても第3の実施の形態と同じような効果を得ることができる。
【0216】
[実施の形態9]
図37に、本実施の形態に係る電力変換装置を含むシステムの一例を示す。すなわち、図37に示すシステムは、太陽電池システムであって、太陽電池100と、太陽電池100からの出力に対して電力変換を行う電力変換装置1100と、電力変換装置1100の出力に接続されている負荷蓄電池300及び様々な負荷A乃至Cなどとを有する。
【0217】
電力変換装置1100は、太陽電池100からの出力直流電圧を昇圧させる昇圧回路部1110と、昇圧回路部1110の出力直流電圧を降圧する降圧回路部1120とを有する。このように2段構成を採用することによって、太陽電池だけではなく最大電力点を有する様々な直流電源でも対応できるようになる。
【0218】
昇圧回路部1110は、(A)太陽電池100からの出力電圧をDC/DC変換によって昇圧する昇圧D/Dコンバータ回路1111と、(B)昇圧D/Dコンバータ回路1111の出力電圧に応じた電圧の出力信号Vo1_fbを検出信号調整回路1113に出力する第1出力電圧検出回路1112と、(C)駆動レベル検出回路1115からの出力に従って第1出力電圧検出回路1112からの信号Vo1_fbを調整して、調整後検出信号を出力する検出信号調整回路1113と、(D)固定の目標電圧Vref_1と検出信号調整回路1113からの調整後検出信号の電圧との差に応じて、昇圧D/Dコンバータ回路1111を制御する第1定電圧制御回路1114と、(E)第1定電圧制御回路1114から出力され且つ昇圧D/Dコンバータ回路1111のスイッチのオンオフを指示するスイッチングパルスのデューティー比Dutyが所定値(例えば最大値。以下、最大値として説明する。)となっている状態を検出する駆動レベル検出回路1115とを有する。
【0219】
また、降圧回路部1120は、(A)昇圧回路部1110からの出力電圧をDC/DC変換によって降圧する降圧D/Dコンバータ回路1121と、(B)降圧D/Dコンバータ回路1121の出力電圧に応じた出力信号を出力する第2出力電圧検出回路1122と、(C)第2出力電圧検出回路1122からの出力信号の電圧と第2目標電圧Vref_2との差に応じて、降圧D/Dコンバータ回路1121に対する定電圧制御を行う第2定電圧制御回路とを有する。本実施の形態における降圧回路部1120は、通常の定電圧制御によって、昇圧回路部1110の出力電圧を所定の電圧に降圧するように動作する。
【0220】
図37に示した昇圧回路部1110の動作は、基本的には第7の実施の形態の昇圧回路部910とほぼ同じである。但し、本実施の形態では、目標電圧を調整するのではなく、目標電圧Vref_1は固定で、第1出力電圧検出回路1112の検出信号の電圧が調整の対象となる。調整の程度は、第7の実施の形態と同様で、スイッチングパルスのデューティー比が最大値となっている状態を所定期間内に検出する頻度(又は割合)に応じて決められる。
【0221】
より具体的には、昇圧D/Dコンバータ回路1111が太陽電池100から電流を引き出しすぎて出力電圧が低下するような状態では、第1定電圧制御回路1114により、スイッチングパルスのデューティー比Dutyを最大値にして、さらに電圧を引き上げようとする。これに対して、駆動レベル検出回路1115は、スイッチングパルスのデューティー比が最大値となっている状態を検出して、検出信号調整回路1113に検出信号を出力する。検出信号調整回路1113は、スイッチングパルスのデューティー比が最大値となっている状態を所定期間内に検出する頻度(又は割合)に応じて第1出力電圧検出回路1112の検出信号Vo1_fbの電圧を上昇させて、固定目標電圧Vref_1との差を狭める。
【0222】
なお、第1定電圧制御回路1114による昇圧D/Dコンバータ回路1111の駆動により太陽電池100から引き出される電力も低下して、当該電力と太陽電池100の出力電力とが、図4(a)の電力点Bで釣り合うことになる。そうすると、電力変換装置1100の出力電圧V1d_out及び出力電力P1dは下げ止まる。
【0223】
目標電圧V_Vrefと調整後検出信号の電圧との差が狭くなると、第1定電圧制御回路1114は、スイッチングパルスのデューティー比Dutyを最大値から引き下げる。また、調整後検出信号の調整量は、時定数があるので、すぐには0にならないので、徐々に減少することになる。
【0224】
このような動作以外の部分は、ほとんど第7の実施の形態と同様である。従って、第7の実施の形態と同様に、最大電力点を安価な回路素子で追跡させることができるようになる。
【0225】
なお、最大電力点追跡の動作は図23で説明したものに類似する。但し図23(c)においてV_Vrefとされているものは第1定電圧制御回路1114に入力される固定目標電圧Vref_1が該当する。
【0226】
[実施の形態9の実施例]
本実施の形態の具体的回路例を、図38を用いて説明する。なお、降圧回路部1120の具体的回路は図32に示したものと同じである。一方、太陽電池100、昇圧回路部1110の昇圧D/Dコンバータ回路1111、第1出力電圧検出回路1112及び第1定電圧制御回路1114の具体的回路例は、図31に示した太陽電池100の具体的回路例、昇圧D/Dコンバータ回路911の具体的回路例、第1出力電圧検出回路912の具体的回路例、及び第1定電圧制御回路913の具体的回路例と同じである。但し、図31に示した駆動レベル検出回路914及び目標電圧調整回路915の代わりに、図38に示した駆動レベル検出回路1115及び検出信号調整回路1113が採用される。
【0227】
具体的には、端子Sを介して第1出力電圧検出回路912の出力と検出信号調整回路1113の入力とが接続されている。また、端子Tを介して検出信号調整回路1113の出力は第1定電圧制御回路913の入力に接続されている。また、第1定電圧制御回路913の出力信号A1_Outについての端子Uを介して、第1定電圧制御回路913と駆動レベル検出回路1115の入力とが接続されている。
【0228】
次に、図39及び図40を用いて、図32及び図38で示した回路の動作の主要部分を説明する。
【0229】
まず、図4(a)の電力点Aなどにおいて十分太陽電池100から電力供給が可能である状態における動作を図39(a)乃至(g)を用いて説明する。なお、図39(a)乃至(g)は、ある短い時間の動作を示しており、図32及び図38に示した回路の基本的な動作説明を行うための図である。
【0230】
図39(a)は、第1定電圧制御回路1114の出力であるスイッチングパルスPul_1を表している。この間、デューティー比はほぼ一定となっており、図39(b)に示す昇圧D/Dコンバータ回路1111の出力電圧V1d_outも、図39(c)に示す第1出力電圧検出回路1112の出力信号Vo1_fbも、図中は大げさに示されているが、スイッチングに応じて多少リプルが発生する程度の変動だけで、昇圧D/Dコンバータ回路1111の出力信号V1d_outの電圧の平均値Vo_aveも一定となっている。なお、図39(a)乃至(g)の状態では、駆動レベル検出回路1115と検出信号調整回路1113とは動作しておらず、第1出力電圧検出回路1112の出力Vo1_fbと検出信号調整回路1113の出力Vof3とはほぼ同じとなっている。
【0231】
図39(c)に示すように、第1定電圧制御回路1114は、Vo1_fb(≒Vof3)とVref_1の比較を行い、図39(d)に示すように、Vof3とVref_1との差を反転させた電圧の出力信号A1_Outを出力する。図39(a)乃至(g)の状態では、この出力信号A1_Outの電圧は、駆動レベル検出回路1115で基準として用いられ且つデューティー比が最大値に相当する電圧Vref_3より低い電圧となっているので、上で述べたように駆動レベル検出回路1115と検出信号調整回路1113とは動作しない。動作しない状態を図39(e)乃至(g)に示している。すなわち、出力信号A1_Outの電圧は常にVref_3より低いので、駆動レベル検出回路1115のコンパレータの出力側の信号DMC_O1もDMC_O2もゼロのままになる。さらに、検出信号調整回路1113のコンパレータで三角波VTW_3とDMC_O2とを比較しても、DMC_O2はゼロのままなので、コンパレータの出力側の信号DMC2_OもVGもハイのままとなる。そうすると、検出信号調整回路1113のFET(S4)はオンのままとなるので、図39(f)に示すように、トランジスタT2のベース端子に印加されるコンデンサC4の電圧は、トランジスタT2をオンにするような電圧にはならず、低いままとなる。
【0232】
次に、図40(a)乃至(i)を用いて、昇圧D/Dコンバータ回路1111の出力V1d_outが低下し始めた場合の動作について説明する。なお、図40(a)乃至(i)は、本実施の形態の特徴を強調するように描かれているので、実際とは多少異なる部分もある。
【0233】
上で説明し且つ図40(a)及び(b)に示すように、太陽電池100からの電力供給が減少するか最大電力点を超えて昇圧D/Dコンバータ回路1111が電流を引き出そうとすると、昇圧D/Dコンバータ回路1111のFETのゲート端子に対するスイッチングパルスのデューティー比は最大となる一方、昇圧D/Dコンバータ回路1111の出力V1d_outは低下してしまう。図40(c)に示すように、出力V1d_outが低下すると、第1出力電圧検出回路1112の出力Vo1_fbも低下する。
【0234】
一方、第1定電圧制御回路1114は、固定のVref_1との差を反転させるため、第1出力電圧検出回路1112の出力Vo1_fbが低下し且つVof2に対する調整が行われない場合には、検出信号調整回路1113の出力A1_Outは反対に上昇することになる。そうすると、図40(d)に示すように、FETに対するスイッチングの周期の中で、第1定電圧制御回路1114の出力A1_Outの電圧が、徐々にスイッチングパルスのデューティー比の最大値に相当する電圧Vref_3を上回る期間が長くなる。図40(e)に示すように、駆動レベル検出回路1115のコンパレータの出力DMC_O1がオンになる期間が徐々に長くなる。さらに、図40(e)に示すように、駆動レベル検出回路1115の出力DMC_O2は、DMC_O1をローパスフィルタで平滑化した後の信号であるが、DMC_O1のハイの時間が長くなるので、徐々に電圧が上昇する。
【0235】
そして、検出信号調整回路1113における三角波信号VTW_3の電圧よりDMC_O2の電圧が低い期間については、図40(f)に示すように検出信号調整回路1113のコンパレータの出力DMC2_Oがオンになる。この信号DMC2_Oもローパスフィルタで平滑化されて信号VQG(図示せず)が生成される。この信号VQGにより検出信号調整回路1113のFET(S4)のオン/オフが行われ、FET(S4)がオンで、コンデンサC4から放電される状態が通常である。しかし、スイッチングパルスのデューティー比が最大値になると、FET(S4)がオフになる期間が長くなると共に頻繁にオフになるようになって、図40(f)に示すように、トランジスタT2のベースに印加される電圧VQBが上昇するようになる。すなわち、スイッチングパルスのデューティー比が最大になる頻度(又は割合)が過去所定期間内において高くなると、トランジスタT2がオンとなる頻度及び期間が長くなり、図40(g)に薄い実線で示すように検出信号調整回路1113のオペアンプの出力電圧Vof2が引き下げられる。点線は調整が行われなかった場合のカーブを表す。そうすると、検出信号調整回路1113の出力Vof3は、反対に上昇することになる。
【0236】
一方、目標電圧Vref_1は固定であるから、第1定電圧制御回路1114に入力される2つの信号の電位差が狭められることになる。そうすると、図40(h)に示すように、検出信号調整回路1113の出力Vof3が引き上げられた後、出力Vof3の電圧と目標電圧Vref_1との差が小さくなるので、第1定電圧制御回路1114のオペアンプの出力A1_Out(ここでは補正後A1_Out)も、徐々に下がってゆく。そうすると、図40(h)に示すように、出力A1_Outは、第1定電圧制御回路1114における三角波の電圧VTW_1より下がる期間が長くなる。そうすると、図40(i)に示すように、スイッチングパルス(補正後Pul_1と表す)のハイの幅が短くなる。すなわち、第1定電圧制御回路1114からすると、デューティー比を高くして、昇圧D/Dコンバータ回路1111のFETのオンの期間を長くして、より多くの電力を太陽電池100から引き出そうとして動作した結果、あたかもこの動作に効果があったようにみえる。従って、検出信号調整回路1113の出力Vof3の電圧と目標電圧Vref_1との差が小さくなったので、デューティー比を低くしたというものである。
【0237】
これによって上で述べたように太陽電池100から引き出す電力が引き下げられるので、昇圧D/Dコンバータ回路1111の出力V1d_outが上昇するようになる。その後、太陽電池100から昇圧D/Dコンバータ回路1111が電力を引き出すように動作すれば、図40(b)に示すように電圧V1d_outが下がるようになるので、上で述べたような動作を繰り返すようになる。すなわち、最大電力点を追跡していることになる。
【0238】
このように高価なプロセッサなどを用いることなく安価な素子のみで最大電力点追跡が可能となる。
【0239】
[実施の形態10]
図41に、本実施の形態に係る電力変換装置を含むシステムの一例を示す。すなわち、図41に示すシステムは、太陽電池システムであって、太陽電池100と、太陽電池100からの出力に対して電力変換を行う電力変換装置1200と、電力変換装置1200の出力に接続されている負荷蓄電池300及び様々な負荷A乃至Cなどとを有する。
【0240】
電力変換装置1200は、太陽電池100からの出力直流電圧を昇圧させる昇圧回路部1210と、昇圧回路部1210の出力直流電圧を降圧する降圧回路部1220とを有する。このように2段構成を採用することによって、太陽電池だけではなく最大電力点を有する様々な直流電源でも対応できるようになる。
【0241】
昇圧回路部1210は、(A)太陽電池100からの出力電圧をDC/DC変換によって昇圧する昇圧D/Dコンバータ回路1211と、(B)昇圧D/Dコンバータ回路1211の出力電圧に応じた電圧の出力信号を検出信号調整回路1213に出力する第1出力電圧検出回路1212と、(C)駆動レベル検出回路1215からの出力に従って第1出力電圧検出回路1212からの検出信号を調整して、調整後検出信号を出力する検出信号調整回路1213と、(D)固定の目標電圧Vref_1と検出信号調整回路1213からの調整後検出信号の電圧との差に応じて、昇圧D/Dコンバータ回路1211を制御する第1定電圧制御回路1214と、(E)第1定電圧制御回路1214から出力され且つ昇圧D/Dコンバータ回路1211のスイッチのオンオフを指示するスイッチングパルスのデューティー比が所定値(例えば最大値。以下、最大値として説明する。)となっている状態を検出する駆動レベル検出回路1215とを有する。
【0242】
また、降圧回路部1220は、(A)昇圧回路部1210からの出力電圧をDC/DC変換によって降圧する降圧D/Dコンバータ回路1221と、(B)降圧D/Dコンバータ回路1221の出力電圧に応じた出力信号を出力する第2出力電圧検出回路1222と、(C)第2出力電圧検出回路1222からの出力信号の電圧と第2目標電圧Vref_2との差に応じた電圧の第1の誤差検出信号を出力する電圧誤差検出回路1227と、(D)負荷蓄電池300に流れる電流に応じた電圧の出力信号Vbi_fbを出力する蓄電池充電電流検出回路1223と、(E)蓄電池充電電流検出回路1223からの出力信号Vbi_fbの電圧と予め設定されている目標電流に相当する電圧I_Vrefとの差に応じた電圧の第2誤差検出信号を出力する電流誤差検出回路1224と、(F)電流誤差検出回路1224からの第2誤差検出信号と電圧誤差検出回路1227からの第1誤差検出信号とのいずれかをその電圧値に応じて切り換える切換回路1225と、(H)切換回路1225の出力に応じて降圧D/Dコンバータ回路1221を駆動する駆動信号発生回路1226とを有する。
【0243】
昇圧回路部1210の動作については、実施の形態9に示したものと同様である。降圧回路部1220の動作については、実施の形態8で述べたものと同じである。従って、説明を省略する。また、昇圧回路部1210の具体的回路例も、実施の形態9の実施例に示したものと同じであり、降圧回路部1220の具体的回路例も、実施の形態8で述べたものと同じである。従って、動作と共に説明を省略する。
【0244】
[実施の形態11]
第1、第2、第4、第6、第7及び第9の実施の形態に係る電力変換装置(蓄電池充電電流検出回路を用いない電力変換装置)は、例えば図42のように用いることができる。図42の例では、5つの太陽電池の各々に、電力変換装置を接続する。そして、全ての電力変換装置の全ての出力は、コンデンサ2001と、負荷蓄電池2003と、DC/ACインバータ回路やDC/DCコンバータ回路などの様々な負荷に接続される。
【0245】
1つの大きな太陽電池に対して1つの電力変換装置を接続するような構成では、当該太陽電池の一部分だけ影などにより出力が低下した場合、当該太陽電池の出力電力カーブが複雑になるため、最大電力点の追跡が難しくなる。しかし、図42に示すように、太陽電池をある程度の大きさに分割して、各太陽電池に電力変換装置を接続して、各々で最大電力点を追跡するようにすれば、一部の太陽電池の出力電力が低下したりしても、その太陽電池に合わせて担当の電力変換装置が出力電力を引き下げるように動作する。すなわち、全体としても最大電力点に追従することが容易になり、全体として効率の良いシステムが得られるようになる。
【0246】
太陽電池の出力電圧が高電圧(例えば、開放電圧が300V度設定)、出力電流が低電流(例えば、短絡電流1A程度設定)の場合は、図42のように接続することが好ましい。図42の例では、負荷蓄電池2003に供給される電流Io_Dは、全ての電力変換装置の出力電流の和になる。すなわち、Io_D=Io_D1+Io_D2+Io_D3+Io_D4+Io_D5となる。一方、出力電圧Vo_Dは一定である。
【0247】
D/Dコンバータ回路の出力電圧を400Vとしたいとき、約1.5乃至2倍程度の昇圧比として図42のように接続することで、総電力は大きく取り出せることになるとともに、D/Dコンバータ回路を効率の良い領域で使用することが出来る。
【0248】
さらに、図43に示すように、各電力変換装置の出力にダイオードのカソードを接続し、全てのダイオードの全てのアノードを接続することによって、システムの電力変換装置の出力をダイオードOR回路で接続するようにしても良い。
【0249】
また、図44に示すような構成も可能である。すなわち、コンデンサ2001及び負荷蓄電池2003などに接続されている電力変換装置_1を最上位として、負極側端子が接地されている電力変換装置_5を最下位とした時、最上位及び最下位の電力変換装置を除く電力変換装置の正極側出力を上位の電力変換装置の負極側出力に接続し、電力変換装置の負極側出力を下位の電力変換装置の正極側出力に接続し、最上位の電力変換装置の正極側出力をコンデンサ2001等に接続し、最下位の電力変換装置の負極側出力を接地する。図45に一部を示すように、電力変換装置の第2出力電圧検出回路の端子Xを正極側端子とし、第2出力電圧検出回路の端子Yを負極側端子としている。
【0250】
太陽電池の出力電圧が低電圧(例えば、開放電圧が30V程度の設定)、出力電流が高電流(例えば、短絡電流10A程度設定)の場合は、図44に示すように接続することが好ましい。図44の例では、負荷蓄電池2003に供給される電圧Vo_Dは、全ての電力変換装置の出力電圧の和となる。すなわち、Vo_D=Vo_D1+Vo_D2+Vo_D3+Vo_D4+Vo_D5となる。一方、出力電流Io_Dは一定である。
【0251】
また、D/Dコンバータ回路の出力電圧を400Vとしたいときは、D/Dコンバータ回路を約1.5乃至2倍程度の昇圧比として、電力変換回路を10直列程度にすることで、目標電圧を得ることができる。D/D昇圧比を低くすることができるため、効率の良い領域で使用することが出来る。
【0252】
さらに、図46に示すように、図44に示した回路の各電力変換装置の負極側端子にダイオードのアノードを接続し、正極側端子にカソードを接続するような構成を採用するようにしても良い。
【0253】
上では太陽電池と電力変換装置の組み合わせを5つ利用する例を示したが、個数は5に限定されるものではない。
【0254】
当然ながら太陽電池は一例であり、風力発電機など他の自然エネルギーからの発電機にも適用できる。さらに、風力発電機や太陽電池などを複合的に用いるシステムにおいても適用可能である。
【0255】
以上本発明の実施の形態を説明したが、同様の機能を実現する他の回路例を採用することもできる。
【符号の説明】
【0256】
100 太陽電池
200,400,500,600,700,800,900,1000,1100,1200 電力変換装置
300 負荷蓄電池

【特許請求の範囲】
【請求項1】
最大電力点を有する直流電源からの出力電圧をDC/DC昇圧変換する第1のD/Dコンバータ回路と、
前記第1のD/Dコンバータ回路の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する第1の電圧検出回路と、
前記第1の電圧検出回路の出力信号の電圧と第1の目標電圧との差に応じて、前記第1のD/Dコンバータ回路に対して定電圧制御を行う第1の定電圧制御回路と、
前記第1のD/Dコンバータ回路の出力電圧をDC/DC降圧変換する第2のD/Dコンバータ回路と、
前記第2のD/Dコンバータ回路の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する第2の電圧検出回路と、
前記第2の電圧検出回路の出力信号の電圧と第2の目標電圧との差に応じて、前記第2のD/Dコンバータ回路に対して定電圧制御を行う第2の定電圧制御回路と、
前記第1の定電圧制御回路による前記第1のD/Dコンバータ回路の駆動レベルが所定レベル以上になると、前記第2の電圧検出回路の出力信号の電圧と前記第2の目標電圧との電位差を強制的に狭める動作を実施する調整回路と、
を有する電力変換装置。
【請求項2】
前記第1の定電圧制御回路による前記第1のD/Dコンバータ回路の駆動レベルが所定のレベルに到達した場合に、検出信号を出力する駆動レベル検出回路
をさらに有し、
前記調整回路は、前記駆動レベル検出回路からの検出信号に応じて、前記第2の目標電圧を低下させる動作を行う回路を有する
請求項1記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記第1の定電圧制御回路による前記第1のD/Dコンバータ回路の駆動レベルが所定のレベルに到達した場合に、検出信号を出力する駆動レベル検出回路
をさらに有し、
前記調整回路が、
前記第2の電圧検出回路の出力信号の極性を反転させる第1の反転回路と、
前記駆動レベル検出回路からの検出信号に応じて、前記第1の反転回路の出力信号の電圧を引き下げる反転信号調整回路と、
前記反転信号調整回路によって電圧が引き下げられた前記第1の反転回路の出力信号の極性を反転させる第2の反転回路と、
を有する請求項1記載の電力変換装置。
【請求項4】
最大電力点を有する直流電源からの出力電圧をDC/DC昇圧変換する第1のD/Dコンバータ回路と、
前記第1のD/Dコンバータ回路の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する第1の電圧検出回路と、
前記第1の電圧検出回路の出力信号の電圧と第1の目標電圧との差に応じて、前記第1のD/Dコンバータ回路に対して定電圧制御を行う定電圧制御回路と、
前記第1のD/Dコンバータ回路の出力電圧をDC/DC降圧変換する第2のD/Dコンバータ回路と、
前記第2のD/Dコンバータ回路の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する第2の電圧検出回路と、
前記第2の電圧検出回路の出力信号の電圧と第2の目標電圧との差に応じた定電圧制御のための第1の誤差信号を生成する第1の誤差検出回路と、
前記第2のD/Dコンバータ回路から出力される電力を蓄電する蓄電池に流れる電流の電流値を検出する蓄電池充電電流検出回路と、
前記蓄電池充電電流検出回路により検出された前記電流値と当該電流値の目標値との差に応じた定電流制御のための第2の誤差信号を生成する第2の誤差検出回路と、
前記第1の誤差信号又は前記第2の誤差信号に応じて前記第2のD/Dコンバータ回路を駆動する駆動回路と、
前記第1の誤差信号の電圧が前記第2の誤差信号の電圧より高い場合には前記第1の誤差信号を前記駆動回路に出力し、前記第2の誤差信号の電圧が前記第1の誤差信号の電圧以上である場合には前記第2の誤差信号を前記駆動回路に出力する切替回路と、
前記第1の定電圧制御回路による前記第1のD/Dコンバータ回路の駆動レベルが所定レベル以上になると、前記第2の電圧検出回路の出力信号の電圧と前記第2の目標電圧との電位差を強制的に狭める動作を実施する調整回路と、
を有する電力変換装置。
【請求項5】
前記第1の定電圧制御回路による前記第1のD/Dコンバータ回路の駆動レベルが所定のレベルに到達した場合に、検出信号を出力する駆動レベル検出回路
をさらに有し、
前記調整回路は、前記駆動レベル検出回路からの検出信号に応じて、前記第2の目標電圧を低下させる動作を行う回路を有する
請求項4記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記第1の定電圧制御回路による前記第1のD/Dコンバータ回路の駆動レベルが所定のレベルに到達した場合に、検出信号を出力する駆動レベル検出回路
をさらに有し、
前記調整回路が、
前記第2の電圧検出回路の出力信号の極性を反転させる第1の反転回路と、
前記駆動レベル検出回路からの検出信号に応じて、前記第1の反転回路の出力信号の電圧を引き下げる反転信号調整回路と、
前記反転信号調整回路によって電圧が引き下げられた前記第1の反転回路の出力信号の極性を反転させる第2の反転回路と、
を有する請求項4記載の電力変換装置。
【請求項7】
最大電力点を有する直流電源からの出力電圧をDC/DC昇圧変換する第1のD/Dコンバータ回路と、
前記第1のD/Dコンバータ回路の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する第1の電圧検出回路と、
前記第1のD/Dコンバータ回路の出力電圧をDC/DC降圧変換する第2のD/Dコンバータ回路と、
前記第2のD/Dコンバータ回路の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する第2の電圧検出回路と、
前記第1の電圧検出回路の出力信号の電圧と第1の目標電圧との差に応じて、前記第1のD/Dコンバータ回路に対して定電圧制御を行う第1の定電圧制御回路と、
前記第2の電圧検出回路の出力信号の電圧と第2の目標電圧との差に応じて、前記第2のD/Dコンバータ回路に対して定電圧制御を行う第2の定電圧制御回路と、
前記第1の定電圧制御回路による前記第1のD/Dコンバータ回路の駆動レベルが所定レベル以上になると、前記第1の電圧検出回路の出力信号の電圧と前記第1の目標電圧との電位差を強制的に狭める動作を実施する調整回路と、
を有する電力変換装置。
【請求項8】
前記第1の定電圧制御回路による前記第1のD/Dコンバータ回路の駆動レベルが所定のレベルに到達した場合に、検出信号を出力する駆動レベル検出回路
をさらに有し、
前記調整回路は、前記駆動レベル検出回路からの検出信号に応じて、前記第1の目標電圧を低下させる動作を行う回路を有する
請求項7記載の電力変換装置。
【請求項9】
前記第1の定電圧制御回路による前記第1のD/Dコンバータ回路の駆動レベルが所定のレベルに到達した場合に、検出信号を出力する駆動レベル検出回路
をさらに有し、
前記調整回路が、
前記第1の電圧検出回路の出力信号の極性を反転させる第1の反転回路と、
前記駆動レベル検出回路からの検出信号に応じて、前記第1の反転回路の出力信号の電圧を引き下げる反転信号調整回路と、
前記反転信号調整回路によって電圧が引き下げられた前記第1の反転回路の出力信号の極性を反転させる第2の反転回路と、
を有する請求項7記載の電力変換装置。
【請求項10】
最大電力点を有する直流電源からの出力電圧をDC/DC昇圧変換する第1のD/Dコンバータ回路と、
前記第1のD/Dコンバータ回路の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する第1の電圧検出回路と、
前記第1の電圧検出回路の出力信号の電圧と第1の目標電圧との差に応じて、前記第1のD/Dコンバータ回路に対して定電圧制御を行う定電圧制御回路と、
前記第1のD/Dコンバータ回路の出力電圧をDC/DC降圧変換する第2のD/Dコンバータ回路と、
前記第2のD/Dコンバータ回路の出力電圧に応じた電圧の出力信号を出力する第2の電圧検出回路と、
前記第2の電圧検出回路の出力信号の電圧と第2の目標電圧との差に応じた定電圧制御のための第1の誤差信号を生成する第1の誤差検出回路と、
前記第2のD/Dコンバータ回路から出力される電力を蓄電する蓄電池に流れる電流の電流値を検出する蓄電池充電電流検出回路と、
前記蓄電池充電電流検出回路により検出された前記電流値と当該電流値の目標値との差に応じた定電流制御のための第2の誤差信号を生成する第2の誤差検出回路と、
前記第1の誤差信号又は前記第2の誤差信号に応じて前記第2のD/Dコンバータ回路を駆動する駆動回路と、
前記第1の誤差信号の電圧が前記第2の誤差信号の電圧より高い場合には前記第1の誤差信号を前記駆動回路に出力し、前記第2の誤差信号の電圧が前記第1の誤差信号の電圧以上である場合には前記第2の誤差信号を前記駆動回路に出力する切替回路と、
前記第1の定電圧制御回路による前記第1のD/Dコンバータ回路の駆動レベルが所定レベル以上になると、前記第1の電圧検出回路の出力信号の電圧と前記第1の目標電圧との電位差を強制的に狭める動作を実施する調整回路と、
を有する電力変換装置。
【請求項11】
前記第1の定電圧制御回路による前記第1のD/Dコンバータ回路の駆動レベルが所定のレベルに到達した場合に、検出信号を出力する駆動レベル検出回路
をさらに有し、
前記調整回路は、前記駆動レベル検出回路からの検出信号に応じて、前記第1の目標電圧を低下させる動作を行う回路を有する
請求項10記載の電力変換装置。
【請求項12】
前記第1の定電圧制御回路による前記第1のD/Dコンバータ回路の駆動レベルが所定のレベルに到達した場合に、検出信号を出力する駆動レベル検出回路
をさらに有し、
前記調整回路が、
前記第1の電圧検出回路の出力信号の極性を反転させる第1の反転回路と、
前記駆動レベル検出回路からの検出信号に応じて、前記第1の反転回路の出力信号の電圧を引き下げる反転信号調整回路と、
前記反転信号調整回路によって電圧が引き下げられた前記第1の反転回路の出力信号の極性を反転させる第2の反転回路と、
を有する請求項10記載の電力変換装置。
【請求項13】
請求項1乃至3及び請求項7乃至9のいずれか1つの記載の複数の電力変換装置と、
複数の直流電源と、
を有し、
前記複数の直流電源に含まれる一つの直流電源と前記複数の電力変換装置に含まれる一つの電力変換装置とが1対1で接続されており、前記複数の電力変換装置の出力が接続されている
電力システム。
【請求項14】
請求項1乃至3及び請求項7乃至9のいずれか1つの記載の複数の電力変換装置と、
複数の直流電源と、
を有し、
前記複数の直流電源に含まれる一つの直流電源と前記複数の電力変換装置に含まれる一つの電力変換装置とが1対1で接続されており、
前記電力変換装置の正極側出力を上位の前記電力変換装置の負極側出力に接続し、前記電力変換装置の負極側出力を下位の前記電力変換装置の正極側出力に接続し、最上位の前記電力変換装置の正極側出力を負荷側に接続し、最下位の前記電力変換装置の負極側出力を接地する
電力システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【公開番号】特開2012−22480(P2012−22480A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159202(P2010−159202)
【出願日】平成22年7月13日(2010.7.13)
【出願人】(000204284)太陽誘電株式会社 (964)
【Fターム(参考)】