説明

電力逆変換装置及び電力逆変換方法

【課題】1つの電源から複数の負荷に並列に電力を供給可能で、回路規模が小さく、供給電力を調整可能な電力逆変換装置を提供する。
【解決手段】電力逆変換装置1は、直流電源2に、並列に接続された複数の駆動回路10iから構成される。各駆動回路10iは、直流電源2に直列に接続された直流リアクトルLdciと、直流入力端に直流電源2と直流リアクトルLdciとの直列回路とコンデンサCMiとを接続され、交流出力端に負荷LDiが接続された、複数の逆導通型半導体スイッチSWUi、SWVi、SWYi、SWXiを備えた磁気エネルギー回生スイッチBiと、制御回路13iとを備える。制御回路13iは、逆導通型半導体スイッチSWUi、SWViをデューティ比0.5でオン・オフし、逆導通型半導体スイッチSWYi、SWXiのデューティ比を0.5以下で調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力逆変換装置及び電力逆変換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
誘導性負荷に、交流電流を供給する電源装置は多数発明され、利用されている。特に、大電力・高周波応用に関しては、スイッチング損失が無視できないため、ソフトスイッチングを行うようにスイッチング制御されることが求められてきた。
【0003】
しかし、ソフトスイッチングを実現するためには、スイッチング素子に掛かる電圧(又は電流)が0の時にスイッチングするため、電圧または電流を監視する受動的な制御になってしまう。そのため、可変周波数を実現したり、すべての動作ポイントにおいて高効率を実現したりするのは難しい。
【0004】
このような問題を解決することが可能な技術が特許文献1に開示されている。この文献に開示された電力逆変換回路は、コンデンサと4つの逆導通型半導体スイッチとから構成される磁気エネルギー回生スイッチを用いて、直流電源から、所望の周波数の交流電流を負荷に供給する。この電力逆変換回路は、フルブリッジ型MERSの4つの逆導通型半導体スイッチのオン・オフを切り替えることにより、フルブリッジ型MERSのコンデンサと誘導性負荷のインダクタとを直列共振させ、コンデンサに発生した電圧により誘導性負荷に交流電流を供給する回路である。
この電力逆変換回路は、精密な制御なしに4つの逆導通型半導体スイッチをソフトスイッチング可能で、かつ、負荷に供給する交流電流の周波数を調整することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−92745号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この特許文献に開示された電力逆変換回路は、負荷に供給する電力の量を調整することができない。
【0007】
よって、複数の負荷に流れる電力の量を個別に制御する場合に、直流電源から負荷までのすべてのシステムが負荷と同数必要になる。例えば、近接する同一のラインに複数の誘導加熱用の負荷コイルが接続されており、それぞれのコイル電流を別々に制御したい場合がある。しかし、この構成では、この電力逆変換回路に加え、負荷毎に直流電源が必要であり、構成が大きくなり、経済性に乏しくなる。
【0008】
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、供給電力を調整可能で、かつ、回路規模の小さい電力逆変換装置及び電力逆変換方法を提供することを目的とする。
また、この発明は、1つの電源から複数の負荷に並列に電力を供給可能で、かつ、供給電力を調整可能な電力逆変換装置及び電力逆変換方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る電力逆変換装置は、
直流電圧源に直列に接続される直流リアクトルと、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、前記第1と第2の交流端子の間または前記第1と第2の直流端子の間に接続されたコンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードとが、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードとが、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続されており、前記第1の直流端子と前記第2の直流端子との間に前記直流電圧源と前記直流リアクトルとの直列回路が接続され、前記第1の交流端子と前記第2の交流端子との間に誘導性負荷が接続された磁気エネルギー回生スイッチと、
前記磁気エネルギー回生スイッチを構成する各前記自己消弧型素子のオン・オフを切り替える信号を所定の周波数で出力する制御回路と、
を備え、
前記制御回路は、前記第1と第3の自己消弧型素子のペアと、前記第2と第4の自己消弧型素子のペアと、のうち、一方のペアに出力する信号のオン・オフのデューティ比を固定とし、他方のペアに出力する信号のオン・オフのデューティ比を可変とする、
ことを特徴とする。
【0010】
例えば、前記所定の周波数は、前記誘導性負荷のインダクタンスと前記コンデンサの容量とで定まる共振周波数以下の周波数である。
【0011】
例えば、前記制御回路は、前記誘導性負荷のインダクタンスと前記コンデンサの容量とで定まる共振周波数と等しい周波数で前記複数の自己消弧型素子をオン・オフする。
【0012】
例えば、前記制御回路は、前記一方のペアのデューティ比を0.5とし、他方のペアのデューティ比を0.5以下で可変とする。
【0013】
また、前記制御回路は、出力する信号の周波数を調整する機能をさらに備えてもよい。
【0014】
例えば、前記磁気エネルギー回生スイッチは複数あり、複数の前記磁気エネルギー回生スイッチはそれぞれ異なる誘導性負荷に接続され、
前記制御手段は、各前記磁気エネルギー回生スイッチ毎に、前記第1乃至第4の自己消弧型素子に出力する信号を制御する。
【0015】
例えば、前記自己消弧型素子は逆導通型半導体スイッチであって、前記ダイオードは、前記逆導通型半導体スイッチの寄生ダイオードである。
【0016】
例えば、本発明は誘導加熱装置に用いられる。
【0017】
例えば、本発明はモータ制御装置に用いられる。
【0018】
また、上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る電力逆変換方法は、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、前記第1と第2の交流端子の間または前記第1と第2の直流端子の間に接続されたコンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードとが、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードとが、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続されており、前記第1の直流端子と前記第2の直流端子との間に直流電圧源と直流リアクトルとの直列回路が接続され、前記第1の交流端子と前記第2の交流端子との間に誘導性負荷が接続された磁気エネルギー回生スイッチにおいて、
前記磁気エネルギー回生スイッチを構成する各前記自己消弧型素子のオン・オフを切り替える信号を所定の周波数で出力し、かつ、前記第1と第3の自己消弧型素子のペアと、前記第2と第4の自己消弧型素子のペアと、のうち、一方のペアに出力する信号のオン・オフのデューティ比を固定とし、他方のペアに出力する信号のオン・オフのデューティ比を可変とする、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、回路規模の小さい構成で、電力を調整することができる。
更に、本発明によれば、1つの電源から複数の負荷に並列に電力を供給可能で、かつ、供給電力を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の一実施形態にかかる電力逆変換装置の構成を示す回路図である。
【図2】(a)乃至(d)は図1に示す電力逆変換装置のゲート信号の例を示す図である。
【図3A】図1に示す電力逆変換装置の動作を説明するための図である。
【図3B】図1に示す電力逆変換装置の動作を説明するための図である。
【図3C】図1に示す電力逆変換装置の動作を説明するための図である。
【図3D】図1に示す電力逆変換装置の動作を説明するための図である。
【図3E】図1に示す電力逆変換装置の動作を説明するための図である。
【図3F】図1に示す電力逆変換装置の動作を説明するための図である。
【図3G】図1に示す電力逆変換装置の動作を説明するための図である。
【図3H】図1に示す電力逆変換装置の動作を説明するための図である。
【図4】図1に示す電力逆変換装置のゲート信号と電流・電圧との関係例を示す図である。
【図5】図1に示す電力逆変換装置のゲート信号と電流・電圧との関係例を示す図である。
【図6】図1に示す電力逆変換装置のゲート信号のデューティ比を変化させた場合の電流・電圧の変化を示す図である。
【図7】図1に示す電力逆変換装置の変形例を示す図である。
【図8】図1に示す電力逆変換装置の変形例を示す図である。
【図9】図1に示す電力逆変換装置の変形例を示す図である。
【図10】図1に示す電力逆変換装置の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態に係る電力逆変換装置を、図面を参照しつつ説明する。
【0022】
本実施形態に係る電力逆変換装置は、1つの直流電源から供給される電力を、交流電力に変換して、複数の負荷に並列に供給可能で、かつ、複数の負荷への供給電力を個別に制御可能なものである。
【0023】
以下、並列に配置されたn個(nは2以上の自然数)の負荷に交流電力を供給する例を説明する。
【0024】
図1に示すように、本実施の形態に係る電力逆変換装置1は、全負荷に共通に配置されたと直流電源2と、第i(i=1〜n)の負荷LDiに配置された駆動回路10iとから構成される。
直流電源2は、交流電源11と全波整流回路12と平滑コンデンサCCとから構成される。
駆動回路10iは、直流リアクトルLdciと、磁気エネルギー回生スイッチBiと、制御回路13iとから構成される。
【0025】
磁気エネルギー回生スイッチBiは4つの逆導通型半導体スイッチSWUi、SWXi、SWVi、SWYiと、コンデンサCMiと、から構成される。
磁気エネルギー回生スイッチBiの逆導通型半導体スイッチSWUi、SWXi、SWVi、SWYiは、ダイオード部DUi,DXi,DVi,DYiと、ダイオード部DUi,DXi,DVi,DYiに並列に接続されたスイッチ部SUi,SXi,SVi,SYiと、スイッチ部SUi,SXi,SVi,SYiに配置されたゲートGUi,GXi,GVi,GYiと、から構成される。
【0026】
磁気エネルギー回生スイッチBiの、交流端子AC1iにはダイオード部DUiのアノードとダイオード部DXiのカソードとが、直流端子DCPiにはダイオード部DUiのカソードとダイオード部DYiのカソードとコンデンサCMiの正極とが、直流端子DCNiにはダイオード部DXiのアノードとダイオード部DYiのアノードとコンデンサCMiの負極とが、交流端子AC2iにはダイオード部DViのアノードとダイオード部DYiのカソードとが接続されている。
また、直流端子DCPiと直流端子DCNiの間には直流電源2と直流リアクトルLdciの直列回路が接続され、交流端子AC1iと交流端子AC2iの間には、負荷LDiが接続されている。
【0027】
交流電源11の出力は、全波整流回路12に入力されている。
負荷LDi用の、電流平滑用の直流リアクトルLdciは、その一端が全波整流回路12の正の出力端と平滑コンデンサCCの接続ノードに共通に接続されている。
【0028】
交流電源11は、所定周波数で所定電圧の交流電圧を出力する。
全波整流回路12は、例えば、ダイオードブリッジ回路等から構成され、交流電源11の出力電圧を全波整流して脈流の直流脈流電圧を出力する。
平滑コンデンサCCは、全波整流回路12の出力する脈流電圧を平滑化し、直流電圧源として機能する。平滑コンデンサCCの容量は、コンデンサCMiの総和よりも大きいことが望ましい。
【0029】
負荷LDiは、例えば、誘導加熱コイル、モータ等の誘導性負荷から構成される。負荷LDiは、インダクタLiと抵抗Riの直列回路で表される。
なお、負荷LDiのインダクタンスや抵抗は互いに異なっても良い。
【0030】
磁気エネルギー回生スイッチBiの逆導通型逆導通型半導体スイッチSWUi、SWXi、SWVi、SWYiのオン・オフは、スイッチ部SUi、SXi、SVi、SYiのオン・オフが切り替わることによって、切り替わる。
スイッチ部SUi、SXi、SVi、SYiは、ゲートGUi、GXi、GVi、GYiにオン信号が入力されるとオンになり、オフ信号が入力されるとオフになる。
スイッチ部SUi、SXi、SVi、SYiがオンになると、ダイオード部DUi,DXi,DVi,DYiが短絡され、逆導通型半導体スイッチSWUi、SWXi、SWVi、SWYiがオンになる。スイッチ部SUi、SXi、SVi、SYiがオフになると、ダイオード部DUi,DXi,DVi,DYiが機能し、逆導通型半導体スイッチSWUi,SWXi,SWVi,SWYiはオフになる。
逆導通型半導体スイッチSWUi、SWXi、SWVi、SWYiは、例えば、Nチャンネル型シリコンMOSFET(MOSFET:Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)である。
【0031】
制御回路13iは、磁気エネルギー回生スイッチBiを構成する4つのスイッチ部SUi、SXi、SVi、SYiのゲートGUi,GXi,GVi,GYiに、図2(a)〜(d)に示すゲート信号SGUi、SGXi、SGVi、SGYiを供給する。ゲート信号はそれぞれハイレベルとローレベルの信号から構成され、ハイレベルはオン信号、ローレベルはオフ信号として機能する。
【0032】
図2(a),(b)に示すように、ゲート信号SGUiとSGViとは、例えば、予め設定された周波数fを有し、そのデューティ比が0.5(180°オン)の信号であり、互いにほぼ逆相の信号である。ただし、ゲート信号SGUi又はSGViの一方がハイレベルからローレベルに変化した期間ΔTの間は、ゲート信号SGUi又はSGViの他方はローレベルからハイレベルに変化しない。逆導通型半導体スイッチSWUiとSWViとが同時にオンし、負荷LDiの両端が短絡する事態を防止するためのである。
【0033】
図2(a)乃至図2(d)に示すように、ゲート信号SGYiは、ゲート信号SGUiと同一周波数で同期した信号で、ゲート信号SGXiは、ゲート信号SGViと同一周波数で同期した信号である。ただし、ゲート信号SGYiとSGXiとのデューティ比は、0.5以下であり、制御回路13iのつまみ13aiの調整に伴って可変である。
【0034】
コンデンサCMiの容量Cと、負荷LDiのインダクタLiのインダクタンスLとの共振周波数frは、fr=1/[2π√(C・L)]である。ゲート信号SGUi、SGVi、SGXi、SGYiの周波数fは、この共振周波数fr以下の周波数に設定される。また、ゲート信号SGUi、SGVi、SGXi、SGYiがオン・オフするタイミングで、負荷電流ILDiが最大値となるように、コンデンサCMiの容量が調整されることが望ましい。
なお、本実施例では、コンデンサCMiと負荷LDiのインダクタLiの共振の周期がゲート信号の周期の95%になるように、コンデンサCMiの容量は調整されている。
【0035】
次に、上記構成の電力逆変換装置1の動作を説明する。
【0036】
各駆動回路10iの動作は共通である。
各駆動回路10iの直流リアクトルLdciは、直流電源2から出力された電力(電流)を安定的に駆動回路10i内に供給する。
【0037】
制御回路13iは、ゲート信号SGUi、SGVi、SGXi、SGYiを、スイッチ部SUi、SVi、SXi、SYiに供給する。前述のように、ゲート信号SGUi、SGVi、SGXi、SGYiは同一の周波数を有し、SGUiとSGViとはデューティ比がほぼ0.5で、SGXiとSGYiはつまみ13aiによって調整された0.5以下のデューティ比を有する。
【0038】
制御回路13iにおいて、ゲート信号SGXi、SGYiのデューティ比が例えば0.5の場合、負荷LDiを流れる電流は、図3A乃至図3Fの矢印に示すように流れる。
以下、初期状態が、ゲート信号SGViとSGXiはオフ信号で、ゲート信号SGUiとSGYiはオン信号で、電流が後述する図3Fの経路で流れている時刻T10の状態である、として説明する。
なお、理解を容易にするために、図3A乃至図3Fにおいて、交流電源11と全波整流回路12は表記していない。
【0039】
(時刻T11−T12)
時刻T11になると、制御回路13iは、ゲート信号SGViとSGXiとをオフ信号からオン信号に切り替え、ゲート信号SGUiとSGYiをオン信号からオフ信号に切り替える。逆導通型半導体スイッチSWViとSWXiはオンに切り替わり、逆導通型半導体スイッチSWUiとSWYiはオフに切り替わる。
電流は、図3Aに示すように、負荷LDiから交流端子AC2iを通り、オンの逆導通型半導体スイッチSWViを介して直流端子DCPiを通り、コンデンサCMiの正極に流入する。コンデンサCMiの負極から流れだす電流は、直流端子DCNiを通り、オンの逆導通型半導体スイッチSWXiを介して交流端子AC1iを通り、負荷LDiを流れる。
【0040】
(時刻T12−T13)
インダクタLiとの共振によって、コンデンサCMiの充電が終わる時刻T12においてコンデンサCMiは放電を始め、電流は図3Bに示すように流れ始める。電流は、負荷LDiから交流端子AC1iを通り、オンの逆導通型半導体スイッチSWXiを介して直流端子DCNiを通り、コンデンサCMiの負極に流入する。コンデンサCMiの正極から流れだす電流は、直流端子DCPiを通り、オンの逆導通型半導体スイッチSWViを介して交流端子AC2iを通り、負荷LDiを流れる。
【0041】
(時刻T13−T14)
コンデンサCMの両端電圧が略0になる時刻T13において、電流は図3Cに示すように流れ始める。電流は、交流端子AC1iを通り、オフの逆導通型半導体スイッチSWUiとオンの逆導通型半導体スイッチSWViとを介して交流端子AC2iを通るルートと、交流端子AC1iを通り、オンの逆導通型半導体スイッチSWXiとオフの逆導通型半導体スイッチSWYiとを介して交流端子AC2iを通るルートと、の2つのルートで負荷LDiに流れる。
【0042】
(時刻T14−T15)
時刻T14になると、制御回路13iは、予め設定された周波数fにより、ゲート信号SGUiとSGYiをオフ信号からオン信号に切り替え、ゲート信号SGViとSGXiをオン信号からオフ信号に切り替える。
逆導通型半導体スイッチSWUiとSWYiはオンに切り替わり、逆導通型半導体スイッチSWViとSWXiはオフに切り替わる。
電流は、図3Dに示すように、負荷LDiから交流端子AC1iを通り、オンの逆導通型半導体スイッチSWUiを介して直流端子DCPiを通り、コンデンサCMiの正極に流入する。コンデンサCMiの負極から流れだす電流は、直流端子DCNiを通り、オンの逆導通型半導体スイッチSWYiを介して交流端子AC2iを通り、負荷LDiを流れる。
【0043】
(時刻T15−T16)
インダクタLiとの共振によってコンデンサCMiの充電が終わる時刻T15において、コンデンサCMiは放電をし始める。電流は図3Eに示すように、負荷LDiから交流端子AC2iを通り、オンの逆導通型半導体スイッチSWYiを介して直流端子DCNiを通り、コンデンサCMiの負極に流入する。コンデンサCMiの正極から流れだす電流は、直流端子DCPiを通り、オンの逆導通型半導体スイッチSWUiを介して交流端子AC1iを通り、負荷LDiを流れる。
【0044】
(時刻T16−T17)
コンデンサCMiの両端電圧が略0になる時刻T16において、電流は図3Fに示すように流れ始める。電流は、交流端子AC2iを通り、オフの逆導通型半導体スイッチSWViとオンの逆導通型半導体スイッチSWUiとを介して交流端子AC1iを通るルートと、交流端子AC2iを通り、オンの逆導通型半導体スイッチSWYiとオフの逆導通型半導体スイッチSWXiとを介して交流端子AC1iを通るルートと、の2つのルートで負荷LDiに流れる。
【0045】
時刻T17において制御回路13iは、予め設定された周波数fにより、再びゲート信号SGXiとSGViをオン信号に切り替え、ゲート信号SGUiとSGYiをオフ信号に切り替える。
【0046】
上述の動作を繰り返すことにより、図4に示すような交流電流が負荷LDiに流れる。図4は、ゲート信号SGVi,SGXi,SGUi,SGYiのオン信号・オフ信号の切り替わりに伴う負荷LDiの電流ILDi,電圧VLDiと、コンデンサCMiの電圧Vcmの関係を示すもので、図中のT10乃至T17は上述のT10乃至T17に対応する。
ゲート信号SGUi,SGVi,SGXi,SGYiの切り替わりに応じて、コンデンサ電圧Vcmが充放電を繰り返し、コンデンサ電圧Vcmが負荷電圧VLDiとして負荷LDiに印加され、交流電流が負荷LDiに流れることがわかる。しかも、負荷LDi、各逆導通型半導体スイッチにかかる電圧がほぼ0のタイミングで逆導通型半導体スイッチのオン・オフを切り替えられるので、いわゆるソフトスイッチングが可能となる。
【0047】
制御回路13iの出力するゲート信号SGXi、SGYiのデューティ比が、例えば0.4の時、電流は、図3A,図3B,図3D,図3E,図3G,図3Hに示すように流れる。
以下、初期状態はゲート信号SGViとSGYiとSGXiはオフ信号で、ゲート信号SGUiはオン信号で、電流が後述する図3Hの経路で流れている時刻T20の状態である、として説明する。
【0048】
(時刻T21−T22)
時刻T21になると、制御回路13iは、ゲート信号SGViとSGXiとをオフ信号からオン信号に、ゲート信号SGUiをオン信号からオフ信号に切り替え、ゲート信号SGYiはオフ信号を保持する。逆導通型半導体スイッチSWViとSWXiはオンに、逆導通型半導体スイッチSWUiはオフに切り替わり、逆導通型半導体スイッチSWYiはオフまま変化しない。
電流は、図3Aに示すように、負荷LDiから交流端子AC2iを通り、オンの逆導通型半導体スイッチSWViを介して直流端子DCPiを通り、コンデンサCMiの正極に流入する。コンデンサCMiの負極から流れだす電流は、直流端子DCNiを通り、オンの逆導通型半導体スイッチSWXiを介して交流端子AC1iを通り、負荷LDiを流れる。
【0049】
(時刻T22−T23)
インダクタLiとの共振によってコンデンサCMiの充電が終わる時刻T22において、コンデンサCMiは放電を始め、電流は図3Bに示すように流れ始める。電流は、負荷LDiから交流端子AC1iを通り、オンの逆導通型半導体スイッチSWXiを介して直流端子DCNiを通り、コンデンサCMiの負極に流入する。コンデンサCMiの正極から流れだす電流は、直流端子DCPiを通り、オンの逆導通型半導体スイッチSWViを介して交流端子AC2iを通り、負荷LDiを流れる。
【0050】
(時刻T23−T24)
時刻T23になると、設定されたデューティ比によって、制御回路13iは、ゲート信号SGXiをオフ信号に切り替え、ゲート信号SGViはオン信号のままに、ゲート信号SGUiとSGYiとをオフ信号のままにする。逆導通型半導体スイッチSWViとSWUiとSWYiとはオン・オフを保持し、逆導通型半導体スイッチSWXiがオフに切り替わる。電流は図3Gに示すように、交流端子AC1iを通り、オフの逆導通型半導体スイッチSWUiとオンの逆導通型半導体スイッチSWViとを介して交流端子AC2iを通り、負荷LDiに流れる。コンデンサCMiの電圧はほとんど変動しない。
【0051】
(時刻T24−T25)
時刻T24になると、予め設定された周波数fにより、制御回路13iは、ゲート信号SGUiとSGYiをオフ信号からオン信号に、ゲート信号SGViをオン信号からオフ信号に切り替え、ゲート信号SGXiはオフ信号のままにする。
逆導通型半導体スイッチSWUiとSWYiはオンに、逆導通型半導体スイッチSWViはオフに切り替わり、逆導通型半導体スイッチSWXiはオフを保持する。
電流は、図3Dに示すように、負荷LDiから交流端子AC1iを通り、オンの逆導通型半導体スイッチSWUiを介して直流端子DCPiを通り、コンデンサCMiの正極に流入する。コンデンサCMiの負極から流れだす電流は、直流端子DCNiを通り、オンの逆導通型半導体スイッチSWYiを介して交流端子AC1iを通り、負荷LDiを流れる。
【0052】
(時刻T25−T26)
インダクタLiとの共振によって、コンデンサCMiの充電が終わる時刻T25において、コンデンサCMiは放電をし始め、電流は図3Eに示すよう流れる。電流は、負荷LDiから交流端子AC2iを通り、オンの逆導通型半導体スイッチSWYiを介して直流端子DCNiを通り、コンデンサCMiの負極に流入する。
コンデンサCMiの正極から流れだす電流は、直流端子DCPiを通り、オンの逆導通型半導体スイッチSWUiを介して交流端子AC1iを通り、負荷LDiを流れる。
【0053】
(時刻T26−T27)
時刻T26になると、制御回路13iは、設定されたデューティ比によって、ゲート信号SGYiをオフ信号に切り替え、ゲート信号SGUiはオン信号のまま、ゲート信号SGViとSGXiとをオフ信号のままにする。逆導通型半導体スイッチSWUiとSWViとSWXiとはオン・オフを保持し、逆導通型半導体スイッチSWYiがオフに切り替わる。
電流は図3Hに示すように、交流端子AC2iを通り、オフの逆導通型半導体スイッチSWViとオンの逆導通型半導体スイッチSWUiとを介して交流端子AC1iを通り負荷LDiに流れる。コンデンサCMiの電圧はほとんど変動しない。
【0054】
時刻T27において制御回路13iは、予め設定された周波数fにより、再び、ゲート信号SGXiとSGViとをオン信号に、ゲート信号SGUiをオフ信号に切り替える。ゲート信号SGYiはオフ信号を保持される。
【0055】
上述の動作を繰り返すことによって、図5に示すような交流電流が負荷LDiに流れる。図5は、ゲート信号SGVi,SGUi,SGXi,SGYiのオン信号・オフ信号の切り替わりに伴う負荷LDiの電流ILDi・電圧VLDiと、コンデンサCMiの電圧Vcmの関係を示すもので、図中のT20乃至T27は上述のT20乃至T27に対応する。
上述したように、ゲート信号SGUi,SGVi,SGXi,SGYiの切り替わりに応じて、コンデンサ電圧Vcmが負荷LDiに順方向で印加される・逆方向で印加される・印加されない状態が切り替わり、それに伴い交流電流が負荷LDiに流れることがわかる。
この場合、いわゆるソフトスイッチングではなくなるが、逆導通型半導体スイッチSWUi,SWVi,SWXi,SWYiにかかる印加電圧は小さく、大きな損失は発生しない。
【0056】
ゲート信号SGUiとSGViのデューティ比が0.5の場合と0.4の場合の負荷LDiの電流・電圧を比べると、図6(a)〜(d)のようになる。
【0057】
図6(a),図6(b)は、ゲート信号SGUi、SGVi、SGXi、SGYiのデューティ比を図6(d)に示すように0.5とした場合と、図6(c)に示すようにゲート信号SGUiとSGViのデューティ比を0.5でゲート信号SGXiとSGYiのデューティ比を0.4とした場合との、負荷LDiに印加される電圧と負荷LDiに流れる電流との関係をに示したものである。
【0058】
ここで、図6(a)と(b)において、実線は、デューティ比が全て0.5とした場合のもの、破線は、ゲート信号SGUiとSGViのデューティ比を0.5、SGXiとSGYiのデューティ比を0.4とした場合のものである。
【0059】
図6(a)に示す実線の負荷電圧VLDi1と破線の負荷電圧VLDi2の対比から、負荷電圧がデューティ比により抑制されているのが確認できる。同様に、図6(a)に示す実線の負荷電流ILDi1と破線の負荷電流ILDi2とから、負荷電圧の抑制に伴って負荷電流も少なくなっていることが確認される。また、図6(a)と(d)に示すように、ゲート信号SGUiとSGYiのデューティ比を0.5とすると、負荷電圧がほぼ0でスイッチングされており、ソフトスイッチングが実現されている。一方、図6(a)と(c)に示すように、ゲート信号SGUiよりもSGYiを先にオフ信号にすると、ソフトスイッチングという特性は、失われるが、比較的低い電圧でスイッチングすることができている。
【0060】
このように、負荷LDiに流れる電流は、ゲート信号SGXiとSGYiのデューティ比を0.5から減少させるにつれて減少する。このため、負荷LDiに供給される電力も、減少する。即ち、負荷LDiに供給する電力を、つまみ13aiを操作して、ゲート信号SGXiとSGYiのデューティ比を0.5以下の範囲で調整することで調整することができる。
【0061】
また、平滑コンデンサCCの容量が各コンデンサCMiの容量に比較して大きいため、各駆動回路10iには、安定的に電力が供給され、各駆動回路10iを互いに独立して駆動することができ、各負荷LDiに供給する電力を個別に調整することが可能となる。
【0062】
以上説明したように、本実施の形態の電力逆変換装置1によれば、ゲート信号のデューティ比をそれぞれ制御することで、1つの電流源から複数の負荷LDiに個別に電力を供給することができる。また、ゲート信号のデューティ比の制御により、負荷LDiに供給する電力を個別に制御することが可能となる。
【0063】
なお、図7に示すように、負荷電流ILDiを測定する電流(電力)測定装置21iを取り付け、測定値を制御回路13iにフィードバックし、制御回路13iが所定の電流値(電力値)が得られるように、ゲート信号SGXiとSGYiのデューティ比を制御するようにしてもよい。
【0064】
また、図8に示すように、交流電源11と全波整流回路12と平滑コンデンサCCに代えて、1つの直流電源22を使用してもよい。
【0065】
また、上記実施の形態では、磁気エネルギー回生スイッチBiを構成する逆導通型半導体スイッチのうち、逆導通型半導体スイッチSWXiとSWYiに供給するゲート信号SGXiとSGYiのデューティ比を制御したが、逆導通型半導体スイッチSWXiとSWYiに供給するゲート信号SGXiとSGYiのデューティ比を0.5に固定し、逆導通型半導体スイッチSWUiとSWViに供給するゲート信号SGUiとSGViのデューティ比を制御してもよい。ただし、電圧の低い側のスイッチ部のゲート信号、即ち、ゲート信号SGXiとSGYiのデューティ比を制御する方が望ましい。
【0066】
また、図9に示すように、駆動回路10iにおいて、磁気エネルギー回生スイッチBiの直流端子DCP−DCN間に配置されたコンデンサCMiの代わりに、交流端子AC1i−AC2i間に無極性のコンデンサCPiを接続してもよい。ゲート信号等に変更は必要ない。
磁気エネルギー回生スイッチBiの逆導通型半導体スイッチSWUi,SWVi,SWXi,SWYiのオン・オフの切り替わりに伴い、直流電源2から交流端子AC1iあるいはAC2iを介して供給される電力によって、インダクタLiとコンデンサCPiは共振を繰り返す。
この場合、図3A,B,D,Eで説明した流路での共振が、逆導通型半導体スイッチSW1乃至SW4を介さずに繰り返されるため、逆導通型半導体スイッチSW1乃至SW4に電流負担が減少する。そのため、逆導通型半導体スイッチSW1乃至SW4の寿命が延びる。
もちろんコンデンサCPiとコンデンサCMiとの両方を備えることも可能である。この場合のインダクタLiとコンデンサとの共振周波数は、コンデンサCMiとコンデンサCPiとの合成容量とインダクタLiのインダクタンスによって定まる。
【0067】
さらに、例えば図10に示すような、寄生振動を減衰させる振動抑制回路20を配置してもよい。
【0068】
また、各逆導通型半導体スイッチは、スイッチ部とダイオード部の組み合わせに限定されない。その他、回路構成等は適宜変更可能である。
実施形態に記載した構成の全てを備える必要はなく、所期の目的を達成できるならば、一部の構成の組み合わせであってもよい。
【0069】
また上記実施例では、共振周波数frがゲート信号の周波数fより小さい場合を例に説明したが、共振周波数frとゲート信号の周波数fとが等しくてもよいし、大きくてもよい。ただし、共振周波数frとゲート信号の周波数fの2倍以下であることがこのましい。特に、共振周波数frとゲート信号の周波数fとが略等しいことが好ましい。
共振周波数frとゲート信号の周波数fとが等しい場合、図3C及び図3Fに示した経路で流れる電流がなく、効率よくコンデンサCMiと負荷LDiのインダクタLiを効率よく共振させることができる。
【0070】
なお負荷LDiの種類は、誘導性負荷であればその種類や組み合わせは任意である。
例えば、本発明は出力の違う複数のモータを制御するモータ制御装置に用いることができる。
この場合、使用したいモータに接続された磁気エネルギー回生スイッチの逆導通型半導体スイッチに入力するゲート信号のデューティ比を制御して供給する電力を定格に近づけ、磁気エネルギー回生スイッチから使用しないモータに供給される電力を少なくする。ただし、使用しないモータを完全に停止させることなく低速で運転すると、停止状態のモータを再始動させる際のモータへの負担が少なくなり、駆動がスムーズになる。
また、本発明は1つの電源と複数の誘導加熱装置との間に接続して用いることも効果的である。
この場合、本発明によって、それぞれの誘導加熱装置に所望の周波数で所望の電力を供給することができる。これにより、誘導加熱装置の加熱対象の加熱部分や加熱の強さを制御することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 電力逆変換装置
2,22 直流電源
10i 駆動回路
11 交流電源
12 全波整流回路
13i 制御回路
13ai つまみ
20i 振動抑制回路
21i 電流計又は電力計
Bi 磁気エネルギー回生スイッチ
Ldci(i=1〜n) 直流リアクトル
LDi 負荷
Li インダクタ
Ri 抵抗
CC 平滑コンデンサ
CMi、CPi コンデンサ
SWUi、SWVi、SWXi、SWYi 逆導通型半導体スイッチ
SUi、SVi、SXi、SYi スイッチ部
DUi、DVi、DXi、DYi ダイオード部
GUi、GVi、GXi、GYi ゲート
DCPi、DCNi 直流端子
AC1i、AC2i 交流端子
SGUi、SGVi、SGXi、SGYi ゲート信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電圧源に直列に接続される直流リアクトルと、
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、前記第1と第2の交流端子の間または前記第1と第2の直流端子の間に接続されたコンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードとが、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードとが、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続されており、前記第1の直流端子と前記第2の直流端子との間に前記直流電圧源と前記直流リアクトルとの直列回路が接続され、前記第1の交流端子と前記第2の交流端子との間に誘導性負荷が接続された磁気エネルギー回生スイッチと、
前記磁気エネルギー回生スイッチを構成する各前記自己消弧型素子のオン・オフを切り替える信号を所定の周波数で出力する制御回路と、
を備え、
前記制御回路は、前記第1と第3の自己消弧型素子のペアと、前記第2と第4の自己消弧型素子のペアと、のうち、一方のペアに出力する信号のオン・オフのデューティ比を固定とし、他方のペアに出力する信号のオン・オフのデューティ比を可変とする、
ことを特徴とする電力逆変換装置。
【請求項2】
前記所定の周波数は、前記誘導性負荷のインダクタンスと前記コンデンサの容量とで定まる共振周波数以下の周波数である、
ことを特徴とする請求項1に記載の電力逆変換装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記誘導性負荷のインダクタンスと前記コンデンサの容量とで定まる共振周波数と等しい周波数で前記複数の自己消弧型素子をオン・オフする、
ことを特徴とする請求項2に記載の電力逆変換装置。
【請求項4】
前記制御回路は、前記一方のペアのデューティ比を0.5とし、他方のペアのデューティ比を0.5以下で可変とする、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電力逆変換装置。
【請求項5】
前記制御回路は、出力する信号の周波数を調整する機能をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電力逆変換装置。
【請求項6】
前記磁気エネルギー回生スイッチは複数あり、複数の前記磁気エネルギー回生スイッチはそれぞれ異なる誘導性負荷に接続され、
前記制御手段は、各前記磁気エネルギー回生スイッチ毎に、前記第1乃至第4の自己消弧型素子に出力する信号を制御する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電力逆変換装置。
【請求項7】
前記自己消弧型素子は逆導通型半導体スイッチであって、前記ダイオードは、前記逆導通型半導体スイッチの寄生ダイオードである、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電力逆変換装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の電力逆変換装置を用いた誘導加熱装置。
【請求項9】
請求項1乃至7の何れか1項に記載の電力逆変換装置を用いたモータ制御装置。
【請求項10】
第1と第2の交流端子と、第1と第2の直流端子と、第1から第4のダイオードと、第1から第4の自己消弧型素子と、前記第1と第2の交流端子の間または前記第1と第2の直流端子の間に接続されたコンデンサとを備え、前記第1の交流端子には前記第1のダイオードのアノードと前記第2のダイオードのカソードが、前記第1の直流端子には前記第1のダイオードのカソードと前記第3のダイオードのカソードとが、前記第2の直流端子には前記第2のダイオードのアノードと前記第4のダイオードのアノードとが、前記第2の交流端子には前記第3のダイオードのアノードと前記第4のカソードとが接続され、前記第1のダイオードに前記第1の自己消弧型素子が、前記第2のダイオードに前記第2の自己消弧型素子が、前記第3のダイオードに前記第3の自己消弧型素子が、前記第4のダイオードに前記第4の自己消弧型素子が並列に接続されており、前記第1の直流端子と前記第2の直流端子との間に直流電圧源と直流リアクトルとの直列回路が接続され、前記第1の交流端子と前記第2の交流端子との間に誘導性負荷が接続された磁気エネルギー回生スイッチにおいて、
前記磁気エネルギー回生スイッチを構成する各前記自己消弧型素子のオン・オフを切り替える信号を所定の周波数で出力し、かつ、前記第1と第3の自己消弧型素子のペアと、前記第2と第4の自己消弧型素子のペアと、のうち、一方のペアに出力する信号のオン・オフのデューティ比を固定とし、他方のペアに出力する信号のオン・オフのデューティ比を可変とする、
ことを特徴とする電力逆変換方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図3H】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−147300(P2011−147300A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−7508(P2010−7508)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(507149648)株式会社MERSTech (22)
【Fターム(参考)】