説明

電動アクチュエータ装置

【課題】エンジンのシリンダヘッドのオイルギャラリからシリンダヘッドの側壁に設けたアクチュエータの内部にオイルを供給するオイル通路を容易に形成できるようにする。
【解決手段】エンジンのシリンダヘッドの側壁14にアクチュエータ26を取付けたとき、シリンダヘッドのオイルギャラリ13aの開口部14eとアクチュエータハウジング31のオイル供給孔31cとが、アクチュエータハウジング31に設けた連通溝31bで構成されるオイル通路49で接続されるので、オイルギャラリの開口部とオイル供給孔とが離間していても、前記オイル通路を容易に形成することができる。また前記側壁に動弁系の軸受加工用の孔14cが開口していても、軸受加工用の孔を迂回するように前記連通溝を形成することで、オイルギャラリの開口部とアクチュエータハウジングのオイル供給孔とを支障なく接続することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動モータの駆動力を減速ギヤを介して出力軸に伝達するアクチュエータをエンジンのシリンダヘッドの側壁に取り付けた電動アクチュエータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンの可変動弁機構のコントロールシャフトを回転駆動する電動アクチュエータ装置が下記特許文献1により公知である。この電動アクチュエータ装置は、アクチュエータハウジング35がエンジンのシリンダヘッドに当接する当接面に、一端がシリンダヘッドのオイルギャラリに臨んで他端がアクチュエータハウジング35の内部に連通するオリフィス57に臨む通路溝56を形成し、この通路溝56を介してオイルギャラリからアクチュエータハウジング35の内部に潤滑用のオイルを供給するようになっている。
【0003】
またエンジンの吸気弁のバルブリフトを変更する可変動弁機構が、下記特許文献2により公知である。この可変動弁機構は、シリンダヘッドの内部に相互に当接するサブカム30およびロッカアーム41,42を有するホルダ20を揺動自在に枢支し、動弁カム15aでサブカム30およびロッカアーム41,42を介して吸気弁12を開閉駆動するとともに、コントロールシャフト66でホルダ20を揺動させることで吸気弁12のバルブリフトを変更するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−36135号公報
【特許文献2】特開2009−103040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献1に記載された電動アクチュエータでは、シリンダヘッドのオイルギャラリの開口部とアクチュエータハウジング35のオリフィス57とが近接している場合には問題とならないが、オイルギャラリの開口部とオリフィス57とが離れている場合には、両者を通路溝56で接続することが難しくなる。
【0006】
即ち、上記特許文献2に記載された可変動弁機構を備えたエンジンでは、シリンダヘッドの内部に可変動弁機構、カムシャフト、ロッカシャフト、コントロールシャフト等の軸受孔を加工するためのドリルを挿入する軸受加工用の孔が、アクチュエータハウジングが取り付けられるシリンダヘッドの側壁に開口している場合がある。このような場合に、上記特許文献1に記載された発明において、前記軸受加工用の孔がオイルギャラリの開口部とオリフィス57とを結ぶ直線上に位置していると、通路溝56が軸受加工用の孔と干渉してオイルギャラリの開口部とオリフィス57とを接続することが難しくなる問題がある。
【0007】
また可変動弁機構、カムシャフト、ロッカシャフト、コントロールシャフト等の軸受孔を加工するための軸受加工用の孔がシリンダヘッドの側壁に開口したままになっていると、シリンダヘッドの内部からオイルが漏出してしまうため、軸受加工用の孔を蓋部材で閉止することが必要となって部品点数や組付工数が増加する問題がある。
【0008】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、エンジンのシリンダヘッドのオイルギャラリからシリンダヘッドの側壁に設けたアクチュエータの内部にオイルを供給するオイル通路を容易に形成できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、電動モータの駆動力を減速ギヤを介して出力軸に伝達するアクチュエータをエンジンのシリンダヘッドの側壁に取り付けた電動アクチュエータ装置において、前記シリンダヘッドの側壁には該シリンダヘッドの内部の被潤滑部にオイルを分配するオイルギャラリと動弁系の軸受加工用の孔とが開口し、アクチュエータハウジングの前記シリンダヘッドの側壁との当接面には該アクチュエータハウジングの内部にオイルを供給するオイル供給孔が開口し、前記アクチュエータハウジングを前記シリンダヘッドの側壁に取り付けた状態で、前記アクチュエータハウジングが前記オイルギャラリの開口部を覆っており、前記シリンダヘッドの側壁と前記アクチュエータハウジングの当接面との少なくとも一方には、一端が前記オイルギャラリの開口部に対向して他端が前記オイル供給孔に対向する連通溝が前記軸受加工用の孔を迂回するように形成され、前記連通溝によって前記オイルギャラリのオイルを前記オイル供給孔に供給するオイル通路が構成されることを特徴とする電動アクチュエータ装置が提案される。
【0010】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記アクチュエータハウジングを前記シリンダヘッドの側壁に取り付けた状態で、前記オイルギャラリの開口部と前記オイル供給孔とを通る直線上に前記軸受加工用の孔が存在することを特徴とする電動アクチュエータ装置が提案される。
【0011】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記軸受加工用の孔は前記アクチュエータハウジングによって閉止されることを特徴とする電動アクチュエータ装置が提案される。
【0012】
また請求項4に記載された発明によれば、電動モータの駆動力を減速ギヤを介して出力軸に伝達するアクチュエータをエンジンのシリンダヘッドの側壁に取り付けた電動アクチュエータ装置において、前記シリンダヘッドの側壁には該シリンダヘッドの内部の被潤滑部にオイルを分配するオイルギャラリと動弁系の軸受加工用の孔とが開口し、アクチュエータハウジングの前記シリンダヘッドの側壁との当接面には該アクチュエータハウジングの内部にオイルを供給するオイル供給孔が開口し、前記アクチュエータハウジングを前記シリンダヘッドの側壁に取り付けた状態で、前記アクチュエータハウジングが前記オイルギャラリの開口部を覆っており、前記シリンダヘッドの側壁と前記アクチュエータハウジングの当接面との少なくとも一方には、一端が前記オイルギャラリの開口部に対向して他端が前記オイル供給孔に対向する連通溝が形成され、前記連通溝によって前記オイルギャラリのオイルを前記オイル供給孔に供給するオイル通路が構成され、前記軸受加工用の孔は前記アクチュエータハウジングによって閉止されることを特徴とする電動アクチュエータ装置が提案される。
【0013】
また請求項5に記載された発明によれば、請求項1〜請求項4の何れか1項の構成に加えて、前記エンジンは吸気バルブまたは排気バルブのリフト量を変更可能な可変動弁機構を備え、前記アクチュエータの出力軸は前記可変動弁機構のコントロールシャフトに接続されることを特徴とする電動アクチュエータ装置が提案される。
【0014】
尚、実施の形態のベース部材31は本発明のアクチュエータハウジングに対応し、実施の形態のウオーム45およびウオームホイール47は本発明の減速ギヤに対応する。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の構成によれば、エンジンのシリンダヘッドの側壁にアクチュエータを取り付けたとき、シリンダヘッドのオイルギャラリの開口部とアクチュエータハウジングのオイル供給孔とが、シリンダヘッドおよびアクチュエータハウジングの一方に設けた連通溝により構成されるオイル通路で接続されるので、オイルギャラリの開口部とオイル供給孔とが離間していても、前記オイル通路を容易に形成することができる。またシリンダヘッドの側壁に動弁系の軸受加工用の孔が開口していても、軸受加工用の孔を迂回するように前記連通溝を形成することで、シリンダヘッドのオイルギャラリの開口部とアクチュエータハウジングのオイル供給孔とを支障なく接続することができる。
【0016】
また請求項2の構成によれば、アクチュエータハウジングをシリンダヘッドの側壁に取り付けた状態で、オイルギャラリの開口部とオイル供給孔とを通る直線上に軸受加工用の孔が存在する場合であっても、オイル通路を構成する連通溝が軸受加工用の孔を迂回するように形成されているため、オイルギャラリのオイルを支障なくオイル供給孔に供給することができる。
【0017】
また請求項3の構成によれば、軸受加工用の孔をアクチュエータハウジングによって閉止したので、特別の閉止部材が不要になって部品点数の削減が可能になる。
【0018】
また請求項4の構成によれば、エンジンのシリンダヘッドの側壁にアクチュエータを取り付けたとき、シリンダヘッドのオイルギャラリの開口部とアクチュエータハウジングのオイル供給孔とが、シリンダヘッドおよびアクチュエータハウジングの一方に設けた連通溝により構成されるオイル通路で接続されるので、オイルギャラリの開口部とオイル供給孔とが離間していても、前記オイル通路を容易に形成することができる。しかも軸受加工用の孔をアクチュエータハウジングによって閉止したので、特別の閉止部材が不要になって部品点数の削減が可能になる。
【0019】
また請求項5の構成によれば、アクチュエータの出力軸をエンジンの可変動弁機構のコントロールシャフトに接続したので、アクチュエータで可変動弁機構のコントロールシャフトを駆動して吸気バルブあるいは排気バルブのリフト量を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】エンジンのシリンダヘッドの斜視図。
【図2】図1の2(A)方向および2(B)方向矢視図。
【図3】アクチュエータの分解斜視図。
【図4】図2の4−4線断面図。
【図5】図4の5−5線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図1〜図5に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0022】
図1に示すように、直列4気筒エンジンのシリンダブロック11のデッキ面に結合されるシリンダヘッド12は、クランクシャフトの軸線方向と平行に延びる一対の側壁13,13と、クランクシャフトの軸線と直交する方向と平行に延びる一対の側壁14,14とを備えており、その上面開口部がヘッドカバー15により覆われる。シリンダヘッド12の内部には複数のカムシャフトホルダ16…がクランクシャフトの軸線方向に並置されており、カムシャフトホルダ16…と第1キャップ部材17…との間に排気カムシャフト18が回転自在に支持され、カムシャフトホルダ16…と第2キャップ部材19…との間に、各気筒毎に設けられて吸気バルブのリフト量を変更する可変動弁機構(不図示)のコントロールシャフト20が回転自在に支持され、第2キャップ部材19…と第3キャップ部材21…との間に吸気カムシャフト22が回転自在に支持される。
【0023】
カムシャフトホルダ16…および第2キャップ部材19…の結合面には、可変動弁機構を揺動可能に支持する軸受孔23…が同軸上に形成される。シリンダヘッド12の吸気カムシャフト22側の側壁13の内部にはオイルギャラリ13aが形成されており、このオイルギャラリ13aから分岐するオイル通路13b…が前記軸受孔23…に連通する。
【0024】
シリンダヘッド12のクランクシャフトの軸線に直交する一方の側壁14には、排気カムシャフト18の軸受孔を加工するための軸受加工用の孔14aと、吸気カムシャフト22の軸受孔を加工するための軸受加工用の孔14bと、可変動弁機構の軸受孔23…を加工するための軸受加工用の孔14cと、コントロールシャフト20の一方の軸端が緩く嵌合する貫通孔14dと、オイルギャラリ13aの一端の開口部14eと、オイル排出孔14fと、4個のボルト孔14g…とが開口する。排気カムシャフト18の軸受加工用の孔14aおよび吸気カムシャフト22の軸受加工用の孔14bは、それぞれ蓋部材24,25が圧入されて封止される。
【0025】
シリンダヘッド12のクランクシャフトの軸線に直交する一方の側壁14の外面には、可変動弁機構のコントロールシャフト20を往復回転駆動するアクチュエータ26が固定される。尚、可変動弁機構の構造は、例えば特開2009−103040号公報に示されるように種々のものが公知であるが、本願発明は任意の構造の可変動弁機構に対して適用することができる。
【0026】
図1および図3〜図5に示すように、アクチュエータ26は、ベース部材31と、ギヤハウジング32と、モータドライバー33と、ヒートシンク34とを積層して構成される。モータドライバー33およびヒートシンク34が4本のボルト35…でギヤハウジング32に締結されるとともに、3本のボルト52…で一体化されたベース部材31およびギヤハウジング32が、4本のボルト36…でシリンダヘッド12の側壁14のボルト孔14g…に締結される。そしてギヤハウジング32の側面に直流ブラシレスモータよりなる電動モータ37が3本のボルト38…で締結される。
【0027】
電動モータ37はモータハウジング39の内部に固定されたステータ40と、ステータ40の内部に配置されたロータ41と、ロータ41を回転自在に支持するモータ軸42とを備えており、モータ軸42はギヤハウジング32の内部に延出してローラベアリング43およびボールベアリング44で回転自在に支持される。ベース部材31の裏面に突設した環状のボス部31f(図3参照)にボールベアリング53を介して出力軸46が回転自在に支持されており、電動モータ37のモータ軸42に設けたウオーム45が出力軸46に設けたウオームホイール47に噛合する。そしてベース部材31に形成した貫通孔31aを緩く貫通する出力軸46の軸端は、側壁14に形成した貫通孔14dの内部でコントロールシャフト20の軸端に継手48で結合される。
【0028】
図2から明らかなように、ベース部材31の表面側(シリンダヘッド12の側壁14に当接する側)には、「く」字状に屈曲する連通溝31bが形成されており、この連通溝31bとシリンダヘッド12の側壁14との間にオイル通路49が区画される。またベース部材31には、一端が連通溝31bに開口して他端がボス部31f(図3参照)の端面に開口するオイル供給孔31cが形成される。オイル供給孔31cは小径のノズルを形成するもので、ウオーム45およびウオームホイール47の噛合部を指向する。
【0029】
アクチュエータ26のベース部材31をシリンダヘッド12の側壁14に固定した状態で、オイル通路49の一端(オイル供給孔31cと反対側の端部)が側壁14のオイルギャラリ13aの開口部14eに対向する。またベース部材31を貫通するオイル排出孔31dが、シリンダヘッド12の側壁14を貫通するオイル排出孔14fに対向し、更にベース部材31を貫通する貫通孔31aが、シリンダヘッド12の側壁14を貫通する貫通孔14dに対向する。
【0030】
クランクシャフトの軸線方向に見たとき、オイルギャラリ13aの開口部14eとオイル供給孔31cとを結ぶ直線上には可変動弁機構の軸受加工用の孔14cが位置しているため、この軸受加工用の孔14cとの干渉を回避すべく、連通溝31bは「く」字状に湾曲している。
【0031】
ベース部材31の表面側にはシリンダヘッド12の側壁14との間をシールするシール部材50が設けられており、ベース部材31の裏面側にはギヤハウジング32との間をシールするシール部材51が設けられる。ベース部材31の表面側のシール部材50でオイル通路49の周囲が囲まれるとともに、ベース部材31の貫通孔31aおよびオイル排出孔31dの周囲と、シリンダヘッド12の貫通孔14dおよびオイル排出孔14fの周囲とが囲まれる。またシリンダヘッド12の側壁部14に開口する可変動弁機構の軸受加工用の孔14cは、シール部材50で囲まれたベース部材31の閉止部31eによって閉止される。
【0032】
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
【0033】
アクチュエータ26の電動モータ37を駆動すると、電動モータ37のモータ軸42に一体に設けられたウオーム45と、ウオーム45に噛合するウオームホイール47とを介して出力軸46が回転し、出力軸46に継手48を介して直列に接続されたコントロールシャフト20が回転し、コントロールシャフト20で各気筒毎に設けた可変動弁機構を作動させることで、吸気バルブのバルブリフトおよびバルブタイミングが変更される。
【0034】
図示せぬオイルポンプから圧送されたオイルは、オイルギャラリ13aから分岐するオイル通路13b…を通過してシリンダヘッド12にコントロールシャフト20を支持する軸受孔23…を潤滑した後、シリンダヘッド12の内部に配置された動弁系を潤滑してオイルパンに戻される。オイルギャラリ13aのオイルの一部は、アクチュエータ26の内部に供給され、そこに配置されたウオーム45およびウオームホイール47の噛合部、ローラベアリング43、ボールベアリング44等を潤滑した後、シリンダヘッド12の内部に戻される。
【0035】
即ち、オイルギャラリ13aのオイルは、シリンダヘッド12の側壁14の開口部14eからベース部材31の表面側に連通溝31bによって形成されたオイル通路49の一端に流入し、オイル通路49の他端からベース部材31を貫通するオイル供給孔31cを通って、ウオーム45およびウオームホイール47の噛合部に向かってジェット状に噴出する。そしてギヤハウジング32の内部に滞留したオイルは、ベース部材31のオイル排出孔31dおよびシリンダヘッド12の側壁14のオイル排出孔14fを通ってシリンダヘッド12の内部に戻される。
【0036】
クランクシャフトの軸線方向に見たとき、オイルギャラリ13aの開口部14eとベース部材31のオイル供給孔31cとは大きく離れているが、それらをベース部材31に形成した連通溝31bとシリンダヘッド12の側壁14との間に区画されるオイル通路49で接続したので、オイルギャラリ13aの開口部14eおよびオイル供給孔31cを簡単な構造で接続することができる。
【0037】
またシリンダヘッド12には、オイルギャラリ13aの開口部14eとベース部材31のオイル供給孔31cとの間を遮るように可変動弁機構の軸受加工用の孔14cが開口しているが、ベース部材31の連通溝31bは軸受加工用の孔14cを迂回するように「く」字状に湾曲しているので、軸受加工用の孔14cと干渉することなくオイルギャラリ13aの開口部14eとベース部材31のオイル供給孔31cとをオイル通路49で接続することができる。
【0038】
またアクチュエータ26をシリンダヘッド12の側壁14に取り付けた状態で、可変動弁機構の軸受加工用の孔14cはアクチュエータ26のベース部材31のシール部材50に囲まれた閉止部31eによって閉止されるので、前記軸受加工用の孔14cを特別の閉止部材で閉止する必要がなくなって部品点数および組付工数が削減される。
【0039】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0040】
例えば、実施の形態では連通溝31bをベース部材31側に設けているが、それをシリンダヘッド12の側壁14側に設けても良い。
【0041】
また実施の形態ではアクチュエータ26を可変動弁機構に適用しているが、その用途は可変動弁機構に限定されるものではない。
【0042】
また本発明の減速ギヤは実施の形態のウオーム45およびウオームホイール47に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0043】
12 シリンダヘッド
13a オイルギャラリ
14 シリンダヘッドの側壁
14c 軸受加工用の孔
14e オイルギャラリの開口部
20 コントロールシャフト
26 アクチュエータ
31 ベース部材(アクチュエータハウジング)
31b 連通溝
31c オイル供給孔
37 電動モータ
45 ウオーム(減速ギヤ)
46 出力軸
47 ウオームホイール(減速ギヤ)
49 オイル通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータ(37)の駆動力を減速ギヤ(45,47)を介して出力軸(46)に伝達するアクチュエータ(26)をエンジンのシリンダヘッド(12)の側壁(14)に取り付けた電動アクチュエータ装置において、
前記シリンダヘッド(12)の側壁(14)には該シリンダヘッド(12)の内部の被潤滑部にオイルを分配するオイルギャラリ(13a)と動弁系の軸受加工用の孔(14c)とが開口し、アクチュエータハウジング(31)の前記シリンダヘッド(12)の側壁(14)との当接面には該アクチュエータハウジング(31)の内部にオイルを供給するオイル供給孔(31c)が開口し、前記アクチュエータハウジング(31)を前記シリンダヘッド(12)の側壁(14)に取り付けた状態で、前記アクチュエータハウジング(31)が前記オイルギャラリ(13a)の開口部(14e)を覆っており、前記シリンダヘッド(12)の側壁(14)と前記アクチュエータハウジング(31)の当接面との少なくとも一方には、一端が前記オイルギャラリ(13a)の開口部(14e)に対向して他端が前記オイル供給孔(31c)に対向する連通溝(31b)が前記軸受加工用の孔(14c)を迂回するように形成され、前記連通溝(31b)によって前記オイルギャラリ(13a)のオイルを前記オイル供給孔(31c)に供給するオイル通路(49)が構成されることを特徴とする電動アクチュエータ装置。
【請求項2】
前記アクチュエータハウジング(31)を前記シリンダヘッド(12)の側壁(14)に取り付けた状態で、前記オイルギャラリ(13a)の開口部(14e)と前記オイル供給孔(31c)とを通る直線上に前記軸受加工用の孔(14c)が存在することを特徴とする、請求項1に記載の電動アクチュエータ装置。
【請求項3】
前記軸受加工用の孔(14c)は前記アクチュエータハウジング(31)によって閉止されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の電動アクチュエータ装置。
【請求項4】
電動モータ(37)の駆動力を減速ギヤ(45,47)を介して出力軸(46)に伝達するアクチュエータ(26)をエンジンのシリンダヘッド(12)の側壁(14)に取り付けた電動アクチュエータ装置において、
前記シリンダヘッド(12)の側壁(14)には該シリンダヘッド(12)の内部の被潤滑部にオイルを分配するオイルギャラリ(13a)と動弁系の軸受加工用の孔(14c)とが開口し、アクチュエータハウジング(31)の前記シリンダヘッド(12)の側壁(14)との当接面には該アクチュエータハウジング(31)の内部にオイルを供給するオイル供給孔(31c)が開口し、前記アクチュエータハウジング(31)を前記シリンダヘッド(12)の側壁(14)に取り付けた状態で、前記アクチュエータハウジング(31)が前記オイルギャラリ(13a)の開口部(14e)を覆っており、前記シリンダヘッド(12)の側壁(14)と前記アクチュエータハウジング(31)の当接面との少なくとも一方には、一端が前記オイルギャラリ(13a)の開口部(14e)に対向して他端が前記オイル供給孔(31c)に対向する連通溝(31b)が形成され、前記連通溝(31b)によって前記オイルギャラリ(13a)のオイルを前記オイル供給孔(31c)に供給するオイル通路(49)が構成され、前記軸受加工用の孔(14c)は前記アクチュエータハウジング(31)によって閉止されることを特徴とする電動アクチュエータ装置。
【請求項5】
前記エンジンは吸気バルブまたは排気バルブのリフト量を変更可能な可変動弁機構を備え、前記アクチュエータ(26)の出力軸(46)は前記可変動弁機構のコントロールシャフト(20)に接続されることを特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の電動アクチュエータ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−26290(P2012−26290A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−162994(P2010−162994)
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【出願人】(000141901)株式会社ケーヒン (1,140)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】