説明

電動調理器

【課題】にんじんやごぼうといった被調理材をスライスあるいは千切りする場合に、長さを揃えてカットすることができ、見栄えのよい処理品として得ることができる電動調理器を提供する。
【解決手段】トレイに装着されたカバー体15に設けられた投入筒17から被調理材を投入し、処理刃が装着されたカッタープレート12が駆動部18により往復駆動されて前記被調理材が調理される電動調理器において、前記投入筒17が、前記カッタープレート12の往復動方向に平行となる一方の側面部17aと、前記往復動方向に直交する他方の側面部からなる矩形の筒体に形成されるとともに、該筒体の前記他方の側面部の中央部が外向きに膨出する円弧部17dに形成され、前記一方の対向する側面部17aによって構成される矩形領域が前記往復動方向に直交する方向が長手となる長方形に形成され、前記カッタープレート12が往復動する際に前記処理刃が掃引する領域の範囲内に配置されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は野菜をスライスあるいは千切りしたり、大根おろしを作ったりする際に使用する電動調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
本願出願人は、先に、野菜のスライスあるいは千切り等のカット処理や、大根おろし等のおろしが簡単にできる電動調理器を提案した(特許文献1参照)。図6に、この電動調理器の全体構成を組み立て斜視図によって示す。この電動調理器は、処理品を収納するトレイ10と、トレイ10の開口面に沿って往復動自在に支持されたカッタープレート12と、トレイ10に装着されるカバー体14と、カバー体14に形成された投入筒16の後部側のカバー体14上に装着される駆動部18と、投入筒16に投入された被調理材を押さえるための第1および第2押さえ筒20、22と、押し込み棒24とを備える。
【0003】
カッタープレート12には、スライス、千切り等の処理内容に応じて処理刃が取り付けられる。被調理材を処理する際には、トレイ10にカッタープレート12をセットし、カバー体14とともに駆動部18をトレイ10の開口部にのせて処理する。
駆動部18からは、カバー体14に設けられたスリット部からトレイ10内にチャック部が延出し、このチャック部がカッタープレート12に設けられたフック部12aに係合して、カッタープレート12が往復駆動されて所要の処理がなされる。
【0004】
投入筒16からはにんじん、大根等の被調理材が投入されて処理される。第1押さえ筒20の下端には投入筒16の内径と同一外径のフランジ20aが形成され、上端には投入筒16の上端縁を閉止するリング部20bが形成されている。第2押さえ筒22は第1押さえ筒20に挿入して使用され、下端に第1押さえ筒20の筒体部の内径と同一外径のフランジ22aが形成され、上端に第1押さえ筒20のリング部20bに当接するリング部22bが形成されている。
押し込み棒24の下端には、第2押さえ筒22の筒体部の内周径と同一外径の押さえ板24aが形成され、押し込み棒24の上端には、第2押さえ筒22の上部開口部を閉止する蓋部24bが形成されている。
【特許文献1】特開平7−184794号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図6に示す電動調理器では、投入筒16からにんじん、大根といった被調理材を投入し、第1、第2押さえ筒20、22あるいは押し込み棒24によって、被調理材を押し込みながらカット等の処理を行う。第1、第2押さえ筒20、22および押し込み棒24は被調理材の大きさおよび処理内容に応じて適宜選択して使用される。
従来の電動調理器においては投入筒16を円筒状に形成している。これは大根等の丸形の野菜を投入しやすくするという理由の他に、カッタープレート12では被調理材をカットしやすくするために、処理刃をカッタープレート12の往復動方向に対して傾斜させた配置とするため、カッタープレート12の往復ストロークを抑えて処理スペース(カットスペース)大きくとれるようにするためである。
【0006】
しかしながら、従来の電動調理器を使ってにんじんやごぼうなどをスライスしたり千切りしたりする場合に、被調理材を投入筒16のなかで横にねかせた状態で処理すると、投入筒16の中心に近い部分に置かれた被調理材と外周側に置かれた被調理材とではカット長さが変わってしまい、処理品の長さが不揃いになってしまって見栄えが悪い仕上がりになるという問題があった。これは、スライスや千切りの長さを揃えるには、投入筒16内での被調理材の向きをカッタープレート12の往復動方向に長手となるようにしなければならないのに、従来の円筒形の投入筒16の場合には被調理材の向きがまちまちになってしまうからである。
【0007】
本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものであり、にんじんやごぼうといった被調理材をスライスあるいは千切り等する場合に、長さを揃えてカットすることができ、見栄えのよい処理品として得ることができる電動調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明は次の構成を備える。
すなわち、トレイに装着されたカバー体に設けられた投入筒から被調理材を投入し、処理刃が装着されたカッタープレートが駆動部により往復駆動されて前記被調理材が調理される電動調理器において、前記投入筒が、前記カッタープレートの往復動方向に平行となる一方の側面部と、前記往復動方向に直交する他方の側面部からなる矩形の筒体に形成されるとともに、該筒体の前記他方の側面部の中央部が外向きに膨出する円弧部に形成され、前記一方の対向する側面部によって構成される矩形領域が前記往復動方向に直交する方向が長手となる長方形に形成され、前記カッタープレートが往復動する際に前記処理刃が掃引する領域の範囲内に配置されていることを特徴とする。
【0009】
また、前記投入筒は、前記カッタープレートの往復動方向に対して刃部を傾斜させて取付けられた処理刃が掃印する領域の範囲内に、投入筒の平面領域が配置されて設けられていることによって、投入筒の処理スペースを効果的に拡大して被調理材のカット処理等の調理を効率的に行うことができる。
また、前記投入筒には、前記投入筒の開口部を閉止する上蓋が設けられた円筒状の押さえ筒と、該押さえ筒に内挿される押し込み棒とが装着されていることによって、被調理材の処理を容易に行うことができる。
【0010】
また、前記トレイは、外ケースに収容され、該外ケースに前記カッタープレートが往復動自在に支持され、前記カバー体が前記外ケースに装着され、前記駆動部が前記カバー体に支持されて前記カッタープレートに係合する構成とすることによって装置構成をコンパクトにして好適な処理を行うことができる。
また、前記駆動部には前記カッタープレートに設けられたフック部に係合するチャック部が設けられ、前記カバー体とともに前記駆動部を前記外ケースに装着し、該駆動部を駆動させて前記チャック部をストローク移動させることにより、前記チャック部が前記フック部に係合する構成とすることによって、使いやすい電動調理器として構成される。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る電動調理器によれば、投入筒を矩形の筒体に形成したことによって、ごぼうやにんじんなどを投入筒内で横に寝かせて配置することが容易にでき、これによってスライスあるいは千切りによる処理品の見栄えを良くすることができる。また、投入筒を矩形領域と円弧部によって構成される形態としたことによって、丸形の野菜などの調理に好適に利用できるとともに、カッタープレートのストロークが限定された条件下で投入筒の処理スペースを広げることができ、これによって効率的なカット処理等の調理を行うことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(電動調理器の構成)
図1(a)は、本発明に係る電動調理器の一実施形態の全体構成を示す斜視図、図1(b)は、この電動調理器で用いられるカバー体の斜視図である。
図1(a)に示すように、本実施形態の電動調理器は、スライス、千切り等の処理がなされた処理品が収納されるトレイ10と、トレイ10を収容する上部が開口した箱状に形成された外ケース5と、外ケース5の開口部に装着されるカバー体15と、カバー体15に形成された投入筒17の後部側で、カバー体15上に配置される駆動部18とを備える。
【0013】
本実施形態の電動調理器において特徴的な構成は、カバー体15に形成される投入筒17の構成である。すなわち、従来の電動調理器においては、投入筒が円筒状に形成されていたのに対して、本実施形態の電動調理器においては、図1(b)に示すように、投入筒17が全体形状として矩形の筒体に形成されている。
投入筒17は、面方向が外ケース5の長手方向と平行となる一方の側面部17a、17aと、面方向が外ケース5の短手方向に平行となる他方の側面部17b、17bにより筒体に形成され、他方の側面部17b、17bについては、辺の両端部分が平坦部17cに形成され、辺の中央部分が外向きの円弧状に膨出する円弧部17dに形成される。
【0014】
図1(a)に示すように、カバー体15は外ケース5の開口面に被せて装着され、投入筒17はカバー部15aからカバー体15と一体に起立する形態に形成される。カバー部15aは、投入筒17の基部位置で投入筒17の平面形状と同形に開口する。
図1(b)に示すように、カバー部15aの投入筒17の後部側には、カバー体15の幅方向の中央位置で、カバー体15の長手方向に平行に、投入筒17の基部からカバー体15の後端近傍まで連通するスリット孔15bが形成されている。
【0015】
このスリット孔15bは、駆動部18から突出するチャック部を挿通させるためのものである。駆動部18に設けられるチャック部は、駆動部18とカッタープレート12を連繋してカッタープレート12を往復駆動するために設けられている。駆動部18をカバー体15に位置合わせしてセットすることにより、スリット孔15bからチャック部が外ケース5内に延出し、カッタープレート12とチャック部とが係合する。
【0016】
カバー体15には、駆動部18をカバー体15に位置決めしてセットするための係止突起15cが、カバー部15aの上面に設けられている。駆動部18の下面には、係止突起15cに凹凸嵌合する係止凹部が設けられ、係止凹部に係止突起15cを係合させることによって、カバー体15に位置決めして駆動部18を装着することができる。図1(a)は、カバー体15に位置決めして駆動部18を装着した状態である。駆動部18は投入筒17と略同一高さに形成され、投入筒17の後部側のカバー体15の平面領域内に収まる大きさに形成されている。
【0017】
図2に本実施形態の電動調理器の組み立て斜視図を示す。本実施形態の電動調理器も図6に示した従来の電動調理器と同様の組み立て構成を備えている。トレイ11はカット等の所要の処理がなされた処理品を収納するためのもので、上面が開口する細長の箱状に形成されている。外ケース5の長手方向の前部には開口部5aが設けられ、トレイ11はこの開口部5aから外ケース5に出し入れされる。トレイ11の前部には指先を掛ける取っ手11aが設けられている。トレイ11は外ケース5の奥位置まで挿入した状態で外ケース5に収まる大きさに形成されている。
【0018】
外ケース5はトレイ11を収容する他に、カッタープレート12を往復動方向にガイドして支持する作用、駆動部18を支持する作用をなす。外ケース5の開口面で長手方向に平行な両側縁部にはカッタープレート12を支持するガイド部5bが形成されている。このガイド部5bは、外ケース5の対向する両内側面に段差状に形成されたものである。
図2では、外ケース5にカッタープレート12をのせた状態を示す。カッタープレート12は平面形状が長方形の枠体状に形成され、枠体の長手方向に平行な両外側面には転動自在にローラが取り付けられている。外ケース5に設けられたガイド部5bは、外ケース5にカッタープレート12を装着した際にカッタープレート12のローラを受け、これによってカッタープレート12はガイド部5b上で往復動自在となる。
【0019】
カッタープレート12の後端部には上向きに突出する向きにフック部12aが設けられている。このフック部12aは、駆動部18をカバー体15に装着した際に、駆動部18に形成されたチャック部と係合する。
カッタープレート12を外ケース5にセットした状態では、駆動部18のチャック部とフック部12aとは係合していない。また、外ケース5にセットしたカッタープレート12のフック部12aの位置も、駆動部18におけるチャック部の位置もセット状態ではまちまちとなっている。このため、本実施形態の電動調理器では、カバー体15とともに駆動部18を外ケース5にセットした後、駆動部18のチャック部がストローク移動(直線的に往復動)する際にフック部12aとチャック部とを係合させ、係合した後はチャック部によりフック部12aを係合したまま往復駆動されるように構成している。
【0020】
フック部12aをチャック部に係合させる構成は、従来の電動調理器における構成(特開平7-184794号公報)と同様である。すなわち、チャック部にはフック部12aがチャック部の前方あるいは後方から当接した際に開くロックレバーが設けられ、ロックレバーを開いてフック部12aがチャック部に進入した後は、ロックレバーによりフック部12aがチャック部にロックされる構成となっている。これによって、カバー体15とともに駆動部18を外ケース5に装着して駆動部18を駆動させチャック部をストローク移動させると、自動的に駆動部18のチャック部がフック部12aに係合してカッタープレート12の駆動操作がなされる。
駆動部18は電動モータと、電動モータの回転動作を直線動作に変換する変換機構を備え、これによってチャック部が直線的に往復駆動される。
【0021】
投入筒17に装着される第1、第2押さえ筒20、22および押し込み棒24の構成は図6に示す従来の電動調理器の場合と同様である。ただし、本実施形態では、投入筒17を矩形の筒体に形成しているから、第1押さえ筒20の上部に投入筒17の形状に合わせた上蓋20cを設けた。上蓋20cの後部に設けたノブ20dは、駆動部18の上面の前部に設けた凹部18aに嵌合した状態で、上蓋20cが投入筒17の開口位置に位置決めされるように設けられている。
第1、第2押さえ筒20、22の下端には被調理材を押さえるフランジ20a、22bが設けられている。
【0022】
図3は、カッタープレート12に交換して取付ける処理刃の例を示している。
前述したように、カッタープレート12は長方形状の枠体に形成され、後端部にフック部12aが形成され、側面にローラ12bが取り付けられている。また、カッタープレート12の後部には処理刃を位置決めするための突起12cが立設されている。
30は大根おろし等のおろしを作製する際に用いる処理刃であり、カッタープレート12の平面領域と同じ大きさに形成されている。31、32はスライス用の処理刃であり、処理刃30と同様にカッタープレート12と同じ大きさに形成されたものである。33、34、35はスライスあるいは千切り用の処理刃の例で、カッタープレート12の後半部に装着して用いられる。これらの処理刃は、突起12cを位置決め孔30aに嵌入することによって位置ずれせずにカッタープレート12に支持される。処理刃33、34、35はいずれも刃部がカッタープレート12の往復動方向に対して斜めに傾斜する配置となっている。
【0023】
なお、上記実施形態においては、外ケース5にトレイ11を差し込んで収納する形態としているが、外ケース5を使用せずに、トレイ11に直接カバー体15を装着する構成とすることも可能である。この場合には、トレイ11にカッタープレート12をガイド支持するガイド部を設けて、駆動部18によってカッタープレート12を往復駆動するように設ければよい。
【0024】
(電動調理器の使用方法および作用)
図4(a)に、上述した電動調理器におけるカバー体15と投入筒17およびカッタープレート12の平面配置位置関係を示す。投入筒17は、カッタープレート12の移動領域(通過幅部分)をカバーするようにカバー体15上での位置が設定される。また、投入筒17の矩形領域(対向する側面部17aを対向辺とする矩形領域で図の斜線部分)はカバー体15の幅方向に長い長方形に形成される。このように投入筒17の矩形領域を長方形としているのは、カッタープレート12が往復動するストローク内で効果的にカット処理ができるようにするためである。
【0025】
図4(b)は、被調理材を横に寝かせて千切りあるいはスライスする場合を示す。被調理材40は、図のように、カッタープレート12の往復動方向に平行に被調理材を置いて処理する。本実施形態の電動調理器では投入筒17が矩形に形成してあるから、被調理材を置くときに、図のように被調理材40の向きをカッタープレート12の往復動方向に揃えて配置することができ、これによってスライスあるいは千切りしたときに、出来上がり品の長さがそろって見栄えのよい処理を行うことができる。また、投入筒17の平面形状が矩形状となっていることによって、カット処理する際に被調理材が位置ずれせず、千切り、スライス等の処理が確実になされるようになる。
【0026】
被調理材の大きさによって第1、第2押さえ筒20、22あるいは押し込み棒24を選択して使用することは従来の電動調理器の場合と同様である。被調理材を横に寝かせて千切り等の処理をする場合は、第1押さえ筒20を外して、投入筒17の内部を広くした状態で使用する。被調理材を投入筒17内に置いた後、第1、第2押さえ筒20、22によって被調理材を上から押さえながらカットする。
第2押さえ筒22、押し込み棒24を使用してカットする場合は、従来の円筒形の投入筒による場合とまったく同様に処理される。大根等の丸形で大きなものを輪切りする場合には、第1押さえ筒20を外して処理する。投入筒17には円弧部17dが形成されているから、円弧部17dによって丸形の被調理材を支持することができ、容易にスライスしたりおろしを作ったりすることができる。
なお、本実施形態では被調理材を押さえる押さえ筒を、第1、第2押さえ筒20、22として2重に用いているが、押さえ筒を2重にせず、一つの押さえ筒と押し込み棒24の構成としてもよい。
【0027】
図5は、投入筒の形態によるカット作用を説明的に示したものである。
カッタープレート12に取付けるスライスや千切りを行う処理刃36は、カッタープレート12の往復動方向に対して刃の向きを傾斜させて配置する。これは、刃の向きをカッタープレート12の往復動方向に対して直交させた場合にくらべて、被調理材に無理な力が作用せず、効率的に処理ができるからである。刃の向きをカッタープレート12の往復動方向に直交させるといわば押し切りのようになるのに対して、刃の向きを傾斜させると引き切りのようになる。
【0028】
図5(a)は、投入筒を円筒形にした従来の形態で、この場合には、処理刃32の可動範囲(ストローク範囲)Sの中に投入筒50が位置するように、いいかえれば、処理刃32が往復動する際に投入筒50の領域内を横断するように投入筒50の径が選択され投入筒50が配置されている。
一方、図5(b)は、一辺の長さを図5(a)の投入筒50の径と同一とした正方形の投入筒51の場合で、処理刃32の配置およびストロークを図5(a)と同一に設定したものである。この場合には、投入筒51の対角線位置にあるコーナー部に、処理刃32が完全に横断(掃引)できない領域が残る。
【0029】
図5(c)は、上記実施形態での投入筒17の例で、この場合には、投入筒17の矩形領域を長方形にすることによって、図5(b)の正方形の投入筒51において、処理刃32が通過できないコーナー部が残ることを回避している。すなわち、投入筒を矩形にする場合に、投入筒の矩形領域の平面形状を長方形とすることによってカッタープレート12が往復動することによって処理刃32が掃引する領域内に矩形領域が配置され、処理刃32による処理残し領域が生じることを回避することができる。また、矩形に形成した投入筒17で、カッタープレート12の往復動方向に直交する辺部分については円弧部17bとして形成することによって、投入筒17全体の平面領域に処理残し領域を残さずに効果的に投入筒17の処理スペースを広げることを可能にしている。
【0030】
すなわち、図5(c)に示す投入筒17の形態は、刃の向きを傾斜させて配置する処理刃32を使用する場合に、カッタープレート12のストローク範囲が決められている条件下において、効果的に処理スペースを確保することができる点で有効である。また、被調理材を横に寝かせて処理する際に被調理材を並列させて配置しやすくなり、スライスあるいは千切りといった処理品の見栄えをよくすることができ、従来の電動調理器の使い勝手をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】電動調理器の斜視図(a)、およびカバー体の斜視図(b)である。
【図2】電動調理器の組み立て斜視図である。
【図3】カッタープレートと処理刃の組み立て例を示す斜視図である。
【図4】電動調理器を用いて処理する方法を示す説明図である。
【図5】投入筒の形態と処理刃との処理作用を示す説明図である。
【図6】従来の電動調理器の組み立て斜視図である。
【符号の説明】
【0032】
5 外ケース
5b ガイド部
10、11 トレイ
12 カッタープレート
12a フック部
12b ローラ
14、15 カバー体
15a カバー部
15b スリット孔
15c 係止突起
16、17 投入筒
17a、17b 側面部
17c 平坦部
17d 円弧部
18 駆動部
20 第1押さえ筒
22 第2押さえ筒
24 押し込み棒
30、31、32、33、34、35、36 処理刃
40 被調理材
50、51 投入筒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレイに装着されたカバー体に設けられた投入筒から被調理材を投入し、処理刃が装着されたカッタープレートが駆動部により往復駆動されて前記被調理材が調理される電動調理器において、
前記投入筒が、前記カッタープレートの往復動方向に平行となる一方の側面部と、前記往復動方向に直交する他方の側面部からなる矩形の筒体に形成されるとともに、該筒体の前記他方の側面部の中央部が外向きに膨出する円弧部に形成され、
前記一方の対向する側面部によって構成される矩形領域が前記往復動方向に直交する方向が長手となる長方形に形成され、前記カッタープレートが往復動する際に前記処理刃が掃引する領域の範囲内に配置されていることを特徴とする電動調理器。
【請求項2】
前記投入筒は、前記カッタープレートの往復動方向に対して刃部を傾斜させて取付けられた処理刃が掃印する領域の範囲内に、投入筒の平面領域が配置されて設けられていることを特徴とする請求項1記載の電動調理器。
【請求項3】
前記投入筒には、前記投入筒の開口部を閉止する上蓋が設けられた円筒状の押さえ筒と、該押さえ筒に内挿される押し込み棒とが装着されていることを特徴とする請求項1または2記載の電動調理器。
【請求項4】
前記トレイは、外ケースに収容され、該外ケースに前記カッタープレートが往復動自在に支持され、
前記カバー体が前記外ケースに装着され、前記駆動部が前記カバー体に支持されて前記カッタープレートに係合することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の電動調理器。
【請求項5】
前記駆動部には前記カッタープレートに設けられたフック部に係合するチャック部が設けられ、
前記カバー体とともに前記駆動部を前記外ケースに装着し、該駆動部を駆動させて前記チャック部をストローク移動させることにより、前記チャック部が前記フック部に係合することを特徴とする請求項4記載の電動調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−5804(P2009−5804A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−168590(P2007−168590)
【出願日】平成19年6月27日(2007.6.27)
【出願人】(000148243)株式会社泉精器製作所 (77)
【出願人】(000158312)岩谷産業株式会社 (137)
【Fターム(参考)】