説明

電動車両のバッテリ搭載構造

【課題】車室フロア(車室フロアパネル1)の下側にバッテリユニット21が搭載された電動車両において、簡単な構成で、車両の前面衝突時における車室への衝撃力を出来る限り低減する。
【解決手段】バッテリユニット21においてバッテリモジュールを支持する支持部材が、バッテリユニット21の車幅方向両側の端部それぞれにおいて車両前後方向に延びるフレーム部材(枠状フレーム部41の両側部41c)を有し、このフレーム部材の車両前側端部を、サスペンションクロスメンバ16に結合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車室フロアの下側にバッテリユニットが搭載された電動車両のバッテリ搭載構造に関する技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電気自動車等の電動車両では、複数のバッテリモジュールが車室フロアの下側にユニット化された状態で搭載される。このようなバッテリユニットは、通常、車体部材に結合される。例えば特許文献1では、フロントサイドメンバの車体後側部に延設されたエクステンションサイドメンバの下壁に沿って、燃料電池を含むユニットのフレームを各下壁に跨って結合配置するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−224877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記特許文献1のバッテリ搭載構造では、車両の前面衝突時に、その車室に大きな衝撃力が作用する可能性が高くなる。すなわち、車両が障害物と前面衝突した際には、車室フロアの下側に搭載されたバッテリユニットには、その大きな重量により車両前側へ移動しようとする大きな慣性力が作用する。このため、そのバッテリユニットの上側に載っている車室には、バッテリユニットの重量分の荷重が加わることになる。この結果、上記バッテリユニットを搭載した車両の車室には、バッテリユニットが搭載されていない車両の車室よりも大きな衝撃力が作用して、車室が変形し易くなる。
【0005】
一方、車室を上記大きな衝撃力に耐えるように頑丈な構成にしようとすると、車両重量がより一層増大するとともに、大掛かりな構成となってコストアップを招くという問題が生じる。
【0006】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車室フロアの下側にバッテリユニットが搭載された電動車両において、簡単な構成で、車両の前面衝突時における車室への衝撃力を出来る限り低減しようとすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明では、車室フロアの下側に、バッテリモジュールと該バッテリモジュールを支持する支持部材とを有するバッテリユニットが搭載された電動車両のバッテリ搭載構造を対象として、上記支持部材は、上記バッテリユニットの車幅方向両側の端部それぞれにおいて車両前後方向に延びるフレーム部材を有し、上記両フレーム部材の車両前側端部が、前輪サスペンションアームを支持するサスペンションクロスメンバに結合されている、という構成とした。
【0008】
上記の構成により、両フレーム部材の車両前側端部がサスペンションクロスメンバに結合されていることで、両フレーム部材及びサスペンションクロスメンバの結合部位が、障害物に対して車両が前面衝突したときにロードパスの役割を担い、バッテリユニットの重量分の荷重を上記結合部位を介して、サスペンションクロスメンバに伝えることができる。このサスペンションクロスメンバは、通常、電動車両を駆動するパワーユニットの直ぐ後側に位置し、車両の前面衝突時のパワーユニットの後退によりパワーユニットと早期に衝突するので、上記サスペンションクロスメンバに伝えられた荷重は、パワーユニットを介して障害物まで即座に伝わる。言い換えれば、衝突荷重が、パワーユニット及びサスペンションクロスメンバを介してバッテリユニットに早期に伝達される。ここで、パワーユニットがサスペンションクロスメンバに連結されている場合には、バッテリユニットの重量分の荷重が障害物までより一層早期に伝わる(衝突荷重がバッテリユニットに、より一層早期に伝達される)。したがって、車両の前面衝突時に、最初にバッテリユニットに衝撃力が作用し、その後に遅れて車室に衝撃力が作用することになる。この結果、車室に作用する衝撃力を低減することができ、車室の変形を抑制することができる。このように、両フレーム部材の車両前側端部をサスペンションクロスメンバに結合するだけで、車室の変形を抑制することができ、車室を大きな衝撃力に耐えるように頑丈な構成にする必要はない。
【0009】
また、両フレーム部材とサスペンションクロスメンバとの結合によって、サスペンションクロスメンバの剛性を高めることができて、車体ねじり剛性を向上させることも可能になる。
【0010】
上記電動車両のバッテリ搭載構造において、上記電動車両を駆動するパワーユニット、上記サスペンションクロスメンバ及び上記バッテリユニットが、車両前側から後側に向かってこの順に並びかつ上下方向において互いに重なりを持って配置されている、ことが好ましい。
【0011】
これにより、車両の前面衝突時に、バッテリユニットの重量分の荷重を、サスペンションクロスメンバ及びパワーユニットを介して障害物まで早期に伝達することが容易にできるようになる。
【0012】
上記パワーユニット、上記サスペンションクロスメンバ及び上記バッテリユニットが、上記のように配置されている場合において、上記パワーユニットは、上記サスペンションクロスメンバと連結されている、ことが好ましい。
【0013】
このことにより、車両の前面衝突時に、バッテリユニットの重量分の荷重を、サスペンションクロスメンバ及びパワーユニットを介して障害物までより一層早期に伝達することが可能になる。
【0014】
上記電動車両のバッテリ搭載構造において、上記バッテリユニットは、上記車室フロアのフロントフロア部の下側に搭載された第1搭載部と、該第1搭載部の後側に連続して設けられかつ上記車室フロアのリヤフロア部の下側に搭載された第2搭載部とで構成され、上記第2搭載部の車幅方向の長さが、上記第1搭載部の車幅方向の長さよりも大きくされ、上記両フレーム部材は、上記第1搭載部の車幅方向両側の端部にそれぞれ設けられていて、上記第2搭載部の車両前側端部から車両前側に延びている、ことが好ましい。
【0015】
このことにより、第2搭載部は、第1搭載部よりも、車幅方向の長さが大きく、また、通常、高さが大きいので、多くのバッテリモジュールが搭載されることになり、その分だけ重量も大きくなる。このように第2搭載部の重量が大きくても、車両の前面衝突時に、第2搭載部の重量分の荷重を、第2搭載部の車両前側端部から車両前側に延びる両フレーム部材によって、サスペンションクロスメンバ(延いては障害物)に効果的に伝達することが可能になる。
【0016】
上記のように、両フレーム部材が、上記第1搭載部の車幅方向両側の端部にそれぞれ設けられていて、上記第2搭載部の車両前側端部から車両前側に延びている場合において、上記各フレーム部材において上記サスペンションクロスメンバに結合される車両前側端部以外の部分には、車体部材に結合される複数の結合部が設けられ、上記各結合部は、上記車体部材における、上記車室フロアを構成する車室フロアパネルと一体のフロアクロスメンバの近傍、若しくは、上記車体部材におけるトルクボックスの近傍、又は、上記車体部材における上記車室フロアパネルのキックアップ部の近傍に結合されている、ことが好ましい。
【0017】
このことで、バッテリユニットを利用して、車体ねじり剛性をより一層向上させることが可能になる。また、バッテリユニットにより、車幅方向の力に対する車体部材の強度が向上して、車両の側突性能を向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明の電動車両のバッテリ搭載構造によると、バッテリユニットの車幅方向両側の端部それぞれにおいて車両前後方向に延びるフレーム部材の車両前側端部が、サスペンションクロスメンバに結合されていることにより、簡単な構成で、車室に作用する衝撃力を低減することができ、車室の変形を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係るバッテリ搭載構造が適用された電動車両の車室フロアパネルの下側の構造を示す、斜め下側から見た斜視図である。
【図2】上記車両の車室フロアパネルの下側の構造を示す底面図である。
【図3】サスペンションクロスメンバ及びバッテリユニット前部の側面図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】バッテリユニットを示す斜視図である。
【図6】バッテリユニットの上側カバー部材及び下側カバー部材を外した状態を示す斜視図である。
【図7】図2のVII−VII線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
図1及び図2は、本発明の実施形態に係るバッテリ搭載構造が適用された電動車両(本実施形態では、電気自動車であり、以下、単に車両という)の車室フロアパネル1(車室フロアを構成する)の下側の構造を示す。この車両についての前、後、左、右、上及び下を、それぞれ単に前、後、左、右、上及び下という。また、図1〜図7において、車両前側を矢印Frで示す。
【0022】
上記車室フロアパネル1は、フロントフロア部1aと、該フロントフロア部1aよりも上側の高さ位置に位置するリヤフロア部1bとから構成されている。フロントフロア部1aとリヤフロア部1bとの間には、段差状のキックアップ部1c(図7参照)が設けられ、このキックアップ部1cにより、リヤフロア部1bの高さ位置がフロントフロア部1aよりも高くなっている。
【0023】
リヤフロア部1bの上面には後席シート(図示せず)が配置されており、フロントフロア部1aの後部の上面が、該後席シートに着座した乗員の足置き場である。フロントフロア部1aの前部の上面には、運転席シート及び助手席シート(共に図示せず)が車幅方向に並んで配置される。
【0024】
フロントフロア部1aの前端部は、ダッシュパネル(図示せず)の下端部に結合されている。フロントフロア部1aの車幅方向両端部は、前後方向に延びる左右一対のサイドシル12(図2にのみ示す)に結合されている。
【0025】
フロントフロア部1aの下面における車幅方向両端部よりも車幅方向内側の部分(不図示のフロアトンネル部の車幅方向両外側)には、前後方向に延びる左右一対のフロントフロアフレーム7が車室フロアパネル1と一体に設けられている。各フロントフロアフレーム7は、後方に向かって車幅方向内側に僅かに傾斜している。すなわち、左右のフロントフロアフレーム7の間隔が後方に向かって小さくなっている。左右のフロントフロアフレーム7の前端部は、左右のフロントサイドフレーム8の後端部に、該後端部における中空断面内に挿入された状態でそれぞれ連結されている。
【0026】
フロントフロア部1aの上面における前後方向中間部には、車幅方向に延びる前側及び後側フロアクロスメンバ13,14が車室フロアパネル1と一体に設けられている(図2及び図7参照)。前側フロアクロスメンバ13の左右両端部及び後側フロアクロスメンバ14の左右両端部は、左右のサイドシル12にそれぞれ結合されている。
【0027】
上記キックアップ部1cは、車室フロアパネル1が立ち上がっていることで、車室フロアパネル1において上記前側及び後側フロアクロスメンバ13,14の配設部位と同様の高い剛性を有している。尚、キックアップ部1cにも、別部材のフロアクロスメンバを車室フロアパネル1と一体に設けるようにしてもよい。
【0028】
前側及び後側フロアクロスメンバ13,14間の距離は、前側フロアクロスメンバ13と後述のトルクボックス15との間の距離と略同じであり、後側フロアクロスメンバ14とキックアップ部1cとの間の距離とも略同じである。すなわち、フロントフロア部1aにおいて剛性が高い部分が前後方向に略等間隔に並ぶようになされ、フロントフロア部1aに対する側突性能が、前後方向の衝突位置に関係なく同程度になるようになされている。
【0029】
左側のフロントサイドフレーム8の後端部と左側のサイドシル12の前端部との間、及び、右側のフロントサイドフレーム8の後端部と右側のサイドシル12の前端部との間には、フロントサイドフレーム8とサイドシル12とを結合するトルクボックス15(図2にのみ示す)がそれぞれ配設されている。これらトルクボックス15は、フロントサイドフレーム8の高さ位置が変化する(後側に向かって徐々に低くなる)キック部8a(図4参照)の曲げ剛性を高めて、車両の前面衝突時に該部分で折れ曲がらないようにするものである。
【0030】
リヤフロア部1bの後端部は、荷室フロアパネル3の前端部に繋がる。この荷室フロアパネル3には、スペアタイヤパン3aが下側に膨出するように形成されている。リヤフロア部1b及び荷室フロアパネル3の下面における車幅方向両端部には、前後方向に延びる左右一対のリヤサイドフレーム9がそれぞれ設けられている。左右のリヤサイドフレーム9の前端部は、上記左右のサイドシル12の後端部にそれぞれ連結されている。リヤフロア部1bの下面の後端部には、車幅方向に延びかつ上記左右のリヤサイドフレーム9同士を連結するリヤクロスメンバ10が設けられている。左右のリヤサイドフレーム9の間隔は、左右のフロントフロアフレーム7の間隔よりも大きい。
【0031】
図2に示すように、フロントサイドフレーム8のキック部8aに対応する前後位置(後述のバッテリユニット21の前側)には、車幅方向に延びかつ左右の前輪サスペンションアーム17を支持するサスペンションクロスメンバ16が配設されている。サスペンションクロスメンバ16の前部における左右両側の端部には、上側に延びかつその先端が左右のフロントサイドフレーム8におけるキック部8aよりも前側の部分にそれぞれ結合される前側結合部16aが設けられている(図3参照)。また、サスペンションクロスメンバ16の後部における左右両側の端部には、左右のトルクボックス15の下面にそれぞれ結合される後側結合部16b(トルクボックス15の下面から下方に延びるボルト軸が挿通される貫通孔が形成されている部分)が設けられている。
【0032】
上記サスペンションクロスメンバ16の直ぐ前側には、上記車両を駆動するパワーユニット81が設けられている。このパワーユニット81は、その詳細な構成は省略するが、モータを含むモータユニットと、該モータユニットのモータの駆動力を前輪へ伝達するための動力伝達機構(減速機構及び差動機構)を含むトランスアクスルとが車幅方向に並ぶように一体に結合されてなるものである。モータユニットのモータ軸(つまり駆動軸)の軸心、トランスアクスル(減速機構)におけるモータ軸と連結される入力軸の軸心、及び、パワーユニット81の出力軸(つまりトランスアクスル(差動機構)の出力軸)であるジョイントシャフト(等速ジョイントを介して前輪駆動軸に連結される)の軸心は、車幅方向に延びている。また、パワーユニット81全体としての軸心も車幅方向に延びている。
【0033】
上記パワーユニット81の車幅方向両端部は、不図示のブラケットと、ゴムブッシュを含むマウント本体とを介して、左右のフロントサイドフレーム8にそれぞれ弾性支持されている。また、図2及び図4に示すように、パワーユニット81の車幅方向の中央部の下部は、トルクロッド85を介して上記サスペンションクロスメンバ16に連結されている。パワーユニット81の車幅方向両端部における上記弾性支持により、パワーユニット81全体が車幅方向に延びる軸回りに回動(揺動)することになるが、上記トルクロッド85は、パワーユニット81全体が上記軸回りに回動し過ぎるのを規制する。トルクロッド85の前端部は、ゴムブッシュ86を介して、車幅方向に延びる軸回りに回動可能にパワーユニット81の車幅方向中央部に連結され、トルクロッド85の後端部は、ゴムブッシュ87を介して、車幅方向に延びる軸回りに回動可能にサスペンションクロスメンバ16の車幅方向中央部に連結されている。
【0034】
上記パワーユニット81、上記サスペンションクロスメンバ16及び後述のバッテリユニット21は、前側から後側に向かってこの順に並びかつ上下方向において互いに重なりを持って配置されている。すなわち、サスペンションクロスメンバ16とバッテリユニット21とが同じ高さ位置にあるとともに、これらがパワーユニット81の下部と同じ高さ位置(トルクロッド85と同じ高さ位置)にある。
【0035】
図5は、上記車室フロアパネル1の下側に搭載されたバッテリユニット21を示す。尚、以下に説明するバッテリユニット21についての前、後、左、右、上及び下は、それぞれ、バッテリユニット21が上記車両に搭載された状態での前、後、左、右、上及び下のことであり、上記車両についての前、後、左、右、上及び下と同じである。
【0036】
上記バッテリユニット21は、複数(本実施形態では、14個)のバッテリモジュール22(図6参照)と、該複数のバッテリモジュール22を支持する支持部材としてのフレーム部材40、60(図6参照)と、上側カバー部材23及び下側カバー部材24とを有している。すなわち、車室フロアパネル1の下側に、複数のバッテリモジュール22がユニット化された状態で搭載されている。バッテリユニット21は、フロントフロア部1aの下側に搭載された第1搭載部21aと、該第1搭載部21aの後側に連続して設けられかつ上記リヤフロア部1bの下側に搭載された第2搭載部21bとを有している。
【0037】
上記上側カバー部材23及び下側カバー部材24は、上記複数のバッテリモジュール22の周囲を覆っている。すなわち、上側及び下側カバー部材23,24間に、バッテリモジュール22及びフレーム部材40,60が収容される空間が形成されている。但し、フレーム部材40,60の一部は、上側カバー部材23の周縁部と下側カバー部材24の周縁部との間から外側にはみ出しており、これにより、フレーム部材40,60の外側面の一部が外気に面している。
【0038】
そして、バッテリユニット21は、該バッテリユニット21内(バッテリモジュール22が収容される空間)に空気(外気)を取り入れるための空気取入れ口37(図5参照)と、該取り入れた空気を排出するための空気排出口38(図1参照)と、該空気の取入れ及び排出を行うためのファン(図示せず)とを有している。上記空気取入れ口37及び上記空気排出口38は、上側カバー部材23の前端部及び後端部にそれぞれ形成されており、上記ファンは、上記空気排出口38の近傍に配設される。そして、上記ファンの作動により、空気取入れ口37より空気(外気)が取り入れられ、その空気が、バッテリユニット21内部におけるバッテリモジュール22と上側カバー部材23及び下側カバー部材24との間を前側から後側へと流れて空気排出口38から排出されることで、バッテリユニット21内(バッテリモジュール22)が冷却される。
【0039】
上側カバー部材23は、前側から順に、第1部23a、第2部23b及び第3部23cに分割されており、第1部23a及び第2部23bは第1搭載部21aに位置し、第3部23cは第2搭載部21bに位置する。第1部23aは、第1搭載部21aの4つのバッテリモジュール22の上側に位置し、第2部23bは、後述の電子部品装着部27の上側に位置する。第3部23cの上面は、フロントフロア部1a及びリヤフロア部1bの高さ位置に対応して、第1部23a及び第2部23bの上面よりも上側の高さ位置に位置する。また、下側カバー部材24は、第1部24a及び第2部24bに分割されており、第1部24aは第1搭載部21aに位置し、第2部24bは第2搭載部21bに位置する。下側カバー部材24の第1部24a及び第2部24bの下面は同じ高さ位置にある。
【0040】
上側カバー部材23の第3部23cの上面には、蓋部材25が設けられている。この蓋部材25は、不図示の安全プラグをプラグ受け35(図6参照)に差し込むために第3部23cの上面に設けられたプラグ差込み用孔(図示せず)を覆っている。この安全プラグは、安全上の観点から、バッテリユニット21の製造時に高圧回路の一部を遮断しておくためにプラグ受け35から抜いておくものであり、安全プラグをプラグ受け35に差し込むことで、遮断されていた箇所が接続されることになる。バッテリユニット21の車両搭載前は、蓋部材を取り付けないで、プラグ差込み用孔を開放しておく。そして、そのバッテリユニット21を車室フロアパネル1の下側に搭載した後に、車室側から安全プラグをプラグ受け35に差し込む。すなわち、後席シート下側におけるリヤフロア部1bにはサービスホールが形成されており、このサービスホール及びプラグ差込み用孔を介して、安全プラグをプラグ受け35に差し込み、しかる後にプラグ差込み用孔を蓋部材25により覆う。
【0041】
バッテリユニット21の前端部には、パワーユニット81の上側に配設された不図示のインバータとバッテリユニット21とを電気的に接続するためのインバータ接続用端子31が配設されている。上記インバータを介してバッテリユニット21からパワーユニット81におけるモータユニットのモータへ電力が供給される。インバータ接続用端子31は、後述の如くフレーム部材40における枠状フレーム部41の前部41aに設けたインバータ接続用端子支持部44(図6参照)に支持されている。
【0042】
図6に示すように、バッテリユニット21における複数のバッテリモジュール22は、同一形状であり、バッテリモジュール22の長手方向から見た断面形状が長方形である。つまり、各バッテリモジュール22は略直方体形状をなしている。各バッテリモジュール22は、その内部に複数(百ないし数百個程度)の円筒状のセルを収容するものである。バッテリモジュール22において上記長方形の長辺が延びる方向を幅方向といい、上記長方形の短辺が延びる方向を厚み方向という。
【0043】
バッテリユニット21の第1搭載部21aにおいては、上記バッテリモジュール22が、その長手方向が車幅方向と一致しかつ上記断面における長方形の短辺が縦辺となる(バッテリモジュール22の厚み方向が上下方向と一致しかつバッテリモジュール22の幅方向が前後方向と一致する)ように、前後方向に並んで複数(本実施形態では、4個)配置されている。一方、第2搭載部21bにおいては、上記バッテリモジュール22が、その長手方向が前後方向と一致しかつ上記断面における長方形の長辺が縦辺となる(バッテリモジュール22の幅方向が上下方向と一致しかつバッテリモジュール22の厚み方向が車幅方向と一致する)ように、車幅方向に並んで複数(本実施形態では、10個)配置されている。
【0044】
第1搭載部21aは、例えばバッテリモジュール22に対する充放電制御等に関連する、ICや、抵抗、リレー等の電子部品(図示せず)が装着される電子部品装着部27を有している。上記車両に搭載されたバッテリユニット21の第1搭載部21aにおける該電子部品装着部27は、フロントフロア部1aの後部(後席シートに着座した乗員の足置き場1d)の下側に位置する。そして、第1搭載部21aにおけるフロントフロア部1aの前部の下側位置(つまり電子部品装着部27の前側)に、上記4つのバッテリモジュール22が配置されることになる。
【0045】
上記電子部品装着部27は、装着される電子部品の形状に対応した形状をなす上面を有するトレイ28を含む。このトレイ28上に上記電子部品が装着される。そして、上記車両に搭載されたバッテリユニット21の第1搭載部21aにおける電子部品装着部27のトレイ28に装着された電子部品の最大高さ位置は、該第1搭載部21aにおけるバッテリモジュール22の上面よりも低い位置にある。
【0046】
第1搭載部21aは、該第1搭載部21aにおける複数のバッテリモジュール22及び上記電子部品装着部27のトレイ28を支持するフレーム部材40を有し、第2搭載部21bは、該第2搭載部21bにおける複数のバッテリモジュール22を支持するフレーム部材60を有している。
【0047】
第1搭載部21aのフレーム部材40は、前部41a、後部41b及び左右一対の側部41cを含む枠状フレーム部41を有する。枠状フレーム部41の前部41aは車幅方向に延びて、その両端部が前後方向に延びる左右の側部41cの前端部とそれぞれ連結されている。枠状フレーム部41の後部41bは、左右の側部41cよりも車幅方向外側まで延びており、両側部41cは、後部41bの車幅方向中間部に連結されている。すなわち、両側部41cは、第1搭載部21aの車幅方向両側の端部にそれぞれ設けられていて、第2搭載部21bの前端部から前側に延びている。枠状フレーム部41の前部41aには、インバータ接続用端子31を支持するインバータ接続用端子支持部44が設けられている。枠状フレーム部41の後部41b及び両側部41cは、断面長方形で内部が中空とされている。
【0048】
また、上記フレーム部材40は、枠状フレーム部41の左右の側部41cの前後方向中間位置(4箇所)において、該両側部41c同士を連結する4つの中間フレーム部42を更に有する。これら4つの中間フレーム部42及び枠状フレーム部41の前部41aは、第1搭載部21aの4つのバッテリモジュール22の幅方向の端部の下部を支持する。上記4つの中間フレーム部42のうち最後部の中間フレーム部42は、第1搭載部21aの4つのバッテリモジュール22のうちの最後部のバッテリモジュール22を支持することに加えて、枠状フレーム部41の後部41bと共に上記トレイ28を支持する。最後部を除く3つの中間フレーム部42は、相隣接するバッテリモジュール22間に位置して、各バッテリモジュール22の幅方向の端部の下部を支持するとともに、各バッテリモジュール22のセット位置を区画する役割をも有する。
【0049】
また、フレーム部材40は、枠状フレーム部41の左右の側部41c間の中央を前後方向に延びかつ第1搭載部21aのバッテリモジュール22の上部を支持する上部フレーム部43を更に有する。この上部フレーム部43は、中間フレーム部42に支柱46を介して支持されるとともに、その前端が上記インバータ接続用端子支持部44に支持されている。上部フレーム部43の前寄りの位置で、上記インバータ接続用端子31から延びる配線が接続される接続端子33が支持されている。
【0050】
上記枠状フレーム部41の各側部41cの車幅方向外側の面には、左右のフロントフロアフレーム7にそれぞれ締結固定される固定部48が4つずつ設けられている。最も前側の左右2つの固定部48は、図1及び図2に示すように、フロントフロアフレーム7とフロントサイドフレーム8との連結部(フロントフロアフレーム7とフロントサイドフレーム8とが重なり合った部分であって、トルクボックス15の近傍に位置する)に固定される。すなわち、最も前側の固定部48は、フロントフロアフレーム7におけるトルクボックス15の近傍に結合されている。
【0051】
前から2番目の左右2つの固定部48は、図2及び図7に示すように、フロントフロアフレーム7における前側フロアクロスメンバ13の近傍(前側フロアクロスメンバ13の真下)に結合されている。具体的には、車室フロアパネル1に結合された板部材91に軸部92が下方に延びるように固定されており、この軸部92の下端がフロントフロアフレーム7の内側面に当接している。そして、前から2番目の固定部48を貫通したボルト93が軸部92にねじ込まれて、該固定部48がフロントフロアフレーム7における前側フロアクロスメンバ13の近傍に結合される。
【0052】
前から3番目の左右2つの固定部48は、図2及び図7に示すように、フロントフロアフレーム7における後側フロアクロスメンバ14の近傍に結合されている。具体的には、車室フロアパネル1における後側フロアクロスメンバ14の直ぐ前側の位置に、板部材95が固定され、この板部材95の上面には雌ねじ部材96が固定され、板部材95の下面にはスリーブ97が下方に延びるように固定されている。このスリーブ97の下端がフロントフロアフレーム7の内側面に当接している。そして、前から3番目の固定部48を貫通したボルト98がスリーブ97内を通って雌ねじ部材96にねじ込まれて、該固定部48がフロントフロアフレーム7における後側フロアクロスメンバ14の近傍に結合される。
【0053】
最も後側の左右2つの固定部48は、ベース部41aと、このベース部41a上に設けられた高さ調整部41bとからなる。ベース部41は、枠状フレーム部41の側部41cに加えて、枠状フレーム部41の後部41bにも結合されている。そして、最も後側の固定部48は、高さ調整部41bの上端がフロントフロアフレーム7に当接した状態で、フロントフロアフレーム7の後端部(後端部以外の部分よりも高さが高くなっている)に締結固定される。フロントフロアフレーム7の後端部は、キックアップ部1cの近傍に位置するので、最も後側の固定部48は、フロントフロアフレーム7におけるキックアップ部1cの近傍に結合されていることになる。
【0054】
上記枠状フレーム部41の両側部41cの前端部には、固定用部材50が前方に突出するように、ボルト51(図3参照)により固定されている。この固定用部材50が溶接により上記サスペンションクロスメンバ16に固定されている。これにより、両側部41cの前端部が、サスペンションクロスメンバ16に結合されることになる。
【0055】
上記枠状フレーム部41の後部41bの左右両端部には、左側のリヤサイドフレーム9と左側のサイドシル12との連結部、及び、右側側のリヤサイドフレーム9と右側のサイドシル12との連結部にそれぞれ締結固定される固定部49が設けられている。枠状フレーム部41の後部41bは、キックアップ部1cの下側に位置していて、第1搭載部21aと第2搭載部21bとの接続部に設けられていることになる。そして、後部41bの両端部に設けられた固定部49は、左右のサイドシル12におけるキックアップ部1cの近傍にそれぞれ結合されていることになる。
【0056】
上記第2搭載部21bのフレーム部材60は、車幅方向に延びかつ複数のバッテリモジュール22の前端部の下部を支持する前部、車幅方向に延びかつ該複数のバッテリモジュール22の後端部の下部を支持する後部、及び、上記前部及び後部の車幅方向両端部同士をそれぞれ連結し、かつ該複数のバッテリモジュール22のうちの車幅方向両端に位置する2つのバッテリモジュール22の車幅方向外側端部の下部を支持する左右一対の側部を含む下部枠状フレーム部61を有する。この下部枠状フレーム部61の前部は、枠状フレーム部41の後部41bと連結されて一体化されている。下部枠状フレーム部61の両側部の間隔は、上記第1搭載部21aのフレーム部材40における枠状フレーム部41の両側部41cの間隔よりも大きい。すなわち、第2搭載部21bの車幅方向の長さが、第1搭載部21aの車幅方向の長さよりも大きくされている。
【0057】
また、上記第2搭載部21bのフレーム部材60は、上記複数のバッテリモジュール22の後端部の上部を支持する後側上部フレーム部62(図6参照)と、該後側上部フレーム部62と上記下部枠状フレーム部61の後部とを連結する複数(4つの)の連結フレーム部63(図1参照)と、上記下部枠状フレーム部61の前部と後部とを連結する複数の中間フレーム部(図示せず)と、下部枠状フレーム部61の両側部の前後方向中央部同士を連結する1つの中央フレーム部(図示せず)と、上記複数のバッテリモジュール22の前端部の上部を支持する前側上部フレーム部67とを更に有する。
【0058】
上記中間フレーム部は、相隣接するバッテリモジュール22間に位置して(全部で9つある)、各バッテリモジュール22の厚み方向の端部の下部を支持するとともに、各バッテリモジュール22のセット位置を区画する役割をも有する。各中間フレーム部の前後方向中央部は、上記中央フレーム部によって支持されている。
【0059】
上記前側上部フレーム部67は、下部枠状フレーム部61に複数の支柱70を介して、車幅方向に延びるように支持される。前側上部フレーム部67の前端には、第2搭載部21bのバッテリモジュール22の前端面の上部と係合する9つの係合部67aが形成されている。各係合部67aは、相隣接する2つのバッテリモジュール22の前端面の上部と係合する。また、前側上部フレーム部67には、上記安全プラグが差し込まれるプラグ受け35が支持されている。
【0060】
上記後側上部フレーム部62の断面は逆L字状をなし、その両端面は三角形状をなしている。後側上部フレーム部62の後面には、最も左側の連結フレーム部63と最も右側の連結フレーム部63との間の全体に亘って車幅方向に延びる補強フレーム部68が、後側上部フレーム部62と一体化されて設けられている。この補強フレーム部68は、後側上部フレーム部62の一部と見做すことができる。最も左側の連結フレーム部63及び最も右側の連結フレーム部63の上端部は、補強フレーム部68の車幅方向両端面と後側上部フレーム部62の後面における補強フレーム部68が存在しない部分とに連結され、左から2番目及び3番目の連結フレーム部63は、補強フレーム部68の下面に連結されている。
【0061】
上記補強フレーム部68は、上側カバー部材23の後端部に設けられた上記空気排出口38からバッテリユニット21の外側に突出している。この補強フレーム部68の後面には、上記リヤクロスメンバ10に締結固定される3つの固定部72が設けられている。
【0062】
本実施形態では、枠状フレーム部41の両側部41cが、バッテリユニット21の車幅方向両側の端部それぞれにおいて車両前後方向に延びるフレーム部材を構成するとともに、該両フレーム部材は、第1搭載部21aの車幅方向両側の端部にそれぞれ設けられかつ第2搭載部21bの前端部から前側に延びていることになる。また、固定部48が、各フレーム部材(両側部41c)においてサスペンションクロスメンバ16に結合される前端部以外の部分に設けられて車体部材(フロントフロアフレーム7)に結合される結合部に相当する。
【0063】
したがって、本実施形態では、バッテリユニット21の車幅方向両側の端部それぞれにおいて車両前後方向に延びるフレーム部材としての両側部41cの前端部が、サスペンションクロスメンバ16に結合されているので、その結合部位が、障害物に対して車両が前面衝突したときにロードパスの役割を担い、バッテリユニット21の重量分の荷重を上記結合部位を介して、サスペンションクロスメンバ16に伝えることができる。このサスペンションクロスメンバ16は、パワーユニット81の直ぐ後側に位置するとともに、パワーユニット81とトルクロッド85を介して連結されているので、車両の前面衝突時のパワーユニット81の後退により、上記サスペンションクロスメンバ16に伝えられた荷重は、パワーユニット81を介して障害物まで即座に伝わる。言い換えれば、衝突荷重が、パワーユニット81及びサスペンションクロスメンバ16を介してバッテリユニット21に早期に伝達される。したがって、車両の前面衝突時に、最初にバッテリユニット21に衝撃力が作用し、その後に遅れて車室に衝撃力が作用することになる。この結果、車室に作用する衝撃力を低減することができ、車室の変形を抑制することができる。よって、簡単な構成で、車室の変形を抑制することができる。
【0064】
また、本実施形態では、バッテリユニット21において後側の第2搭載部21bの方が前側の第1搭載部21aよりもバッテリモジュール22の搭載数が多くて重量が大きくなっているが、枠状フレーム部41の両側部41cが、第1搭載部21aの車幅方向両側の端部にそれぞれ設けられていて、第2搭載部21bの前端部から前側に延びているので、車両の前面衝突時に、第2搭載部21bの重量分の荷重を、両側部41cによって、サスペンションクロスメンバ16(延いては障害物)に効果的に伝達することが可能になる。
【0065】
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
【0066】
例えば、上記実施形態では、パワーユニット81とサスペンションクロスメンバ16とがトルクロッド85を介して連結されているが、必ずしも連結されている必要はない。この場合であっても、パワーユニット81がサスペンションクロスメンバ16の直ぐ前側に位置していれば、車両の前面衝突時において、パワーユニット81が後退してサスペンションクロスメンバ16に早期に衝突するので、バッテリユニット21からサスペンションクロスメンバ16に伝えられた荷重は、パワーユニット81を介して障害物まで即座に伝わる(衝突荷重がバッテリユニット21に早期に伝達される)。
【0067】
また、上記実施形態では、枠状フレーム部41の各側部41cにおける4つの固定部48が、車体部材としてのフロントフロアフレーム7におけるフロアクロスメンバ(前側及び後側フロアクロスメンバ13,14)の近傍と、フロントフロアフレーム7におけるトルクボックス15の近傍と、フロントフロアフレーム7におけるキックアップ部1cの近傍とに結合されているが、各固定部48が、フロントフロアフレーム7における、フロアクロスメンバ、トルクボックス15及びキックアップ部1cの近傍以外の部分に結合されていてもよい。但し、バッテリユニット21を利用して車体ねじり剛性及び車両の側突性能を向上させる観点からは、各固定部48が、フロントフロアフレーム7におけるフロアクロスメンバの近傍、若しくは、フロントフロアフレーム7におけるトルクボックス15の近傍、又は、フロントフロアフレーム7におけるキックアップ部1cの近傍に結合されていることが好ましい。
【0068】
さらに、固定部48が結合される車体部材としては、フロントフロアフレーム7に限らず、例えば車室フロアパネル1であってもよく、固定部49のようにサイドシル12であってもよい。そして、各固定部48が、車体部材におけるフロアクロスメンバの近傍、又は車体部材におけるトルクボックス15の近傍に結合されていることが好ましい。
【0069】
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、車室フロアの下側にバッテリユニットが搭載された電動車両のバッテリ搭載構造に有用であり、特にバッテリユニットの重量が大きい場合に有用である。
【符号の説明】
【0071】
1 車室フロアパネル(車室フロア)
1a フロントフロア部
1b リヤフロア部
7 フロントフロアフレーム(フレーム部材の結合部が結合される車体部材)
13 前側フロアクロスメンバ
14 後側フロアクロスメンバ
15 トルクボックス
16 サスペンションクロスメンバ
17 前輪サスペンションアーム
21 バッテリユニット
21a 第1搭載部
21b 第2搭載部
22 バッテリモジュール
40 第1搭載部のフレーム部材(支持部材)
41 枠状フレーム部
41c 枠状フレーム部の両側部(車両前後方向に延びるフレーム部材)
48 固定部(結合部)
60 第2搭載部のフレーム部材(支持部材)
81 パワーユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室フロアの下側に、バッテリモジュールと該バッテリモジュールを支持する支持部材とを有するバッテリユニットが搭載された電動車両のバッテリ搭載構造であって、
上記支持部材は、上記バッテリユニットの車幅方向両側の端部それぞれにおいて車両前後方向に延びるフレーム部材を有し、
上記両フレーム部材の車両前側端部が、前輪サスペンションアームを支持するサスペンションクロスメンバに結合されていることを特徴とする電動車両のバッテリ搭載構造。
【請求項2】
請求項1記載の電動車両のバッテリ搭載構造において、
上記電動車両を駆動するパワーユニット、上記サスペンションクロスメンバ及び上記バッテリユニットが、車両前側から後側に向かってこの順に並びかつ上下方向において互いに重なりを持って配置されていることを特徴とする電動車両のバッテリ搭載構造。
【請求項3】
請求項2記載の電動車両のバッテリ搭載構造において、
上記パワーユニットは、上記サスペンションクロスメンバと連結されていることを特徴とする電動車両のバッテリ搭載構造。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の電動車両のバッテリ搭載構造において、
上記バッテリユニットは、上記車室フロアのフロントフロア部の下側に搭載された第1搭載部と、該第1搭載部の後側に連続して設けられかつ上記車室フロアのリヤフロア部の下側に搭載された第2搭載部とで構成され、
上記第2搭載部の車幅方向の長さが、上記第1搭載部の車幅方向の長さよりも大きくされ、
上記両フレーム部材は、上記第1搭載部の車幅方向両側の端部にそれぞれ設けられていて、上記第2搭載部の車両前側端部から車両前側に延びていることを特徴とする電動車両のバッテリ搭載構造。
【請求項5】
請求項4記載の電動車両のバッテリ搭載構造において、
上記各フレーム部材において上記サスペンションクロスメンバに結合される車両前側端部以外の部分には、車体部材に結合される複数の結合部が設けられ、
上記各結合部は、上記車体部材における、上記車室フロアを構成する車室フロアパネルと一体のフロアクロスメンバの近傍、若しくは、上記車体部材におけるトルクボックスの近傍、又は、上記車体部材における上記車室フロアパネルのキックアップ部の近傍に結合されていることを特徴とする電動車両のバッテリ搭載構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−91636(P2012−91636A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−239611(P2010−239611)
【出願日】平成22年10月26日(2010.10.26)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】