説明

電動車両

【課題】車室内にリチウムイオン電池を搭載する電動車両において、リチウムイオン電池から発生した煙を速やかに車外に排出する。
【解決手段】各セル21に取り付けられたセル電圧センサ32とセル温度センサ31と、チャンバ27に取り付けられたガス温度センサ33と一酸化炭素ガスセンサ34と水素ガスセンサ35と、ガス排出路28に取り付けられたガス温度センサ36と一酸化炭素ガスセンサ37と水素ガスセンサ38と、空調ファン17と流路切り替えダンパ19と窓ガラス41の降下を行う駆動モータ42と、制御部50と、を備え、センサ31〜38によって検出した電池状態値が所定の閾値を越えている際には電池パック20の異常と判断し、流路切り替えダンパ19と空調ファン17を始動し、窓ガラス41を降下させ、車室内を換気する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン電池を搭載している電動車両の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題対策の1つとして、モータからの駆動力により走行するハイブリッド車、燃料電池車、電気自動車などの電動車両が注目されている。このような電動車両には、バッテリなどの二次電池が搭載される。車両の駆動用電源を構成する二次電池としては、ニッケル水素電池や鉛蓄電池などが使用されていた。
【0003】
車両駆動用の二次電池は車室内の空調された空気によって冷却するために車室内に設置されることが多い。特に車室内用の空調装置の能力を効率的に使用するために車室内の空気を二次電池に送って二次電池の冷却を行った後、温度の上昇した空気を車室内に戻し、その温度の上昇した空気を車室内用の空調装置によって冷却することが行われている。この方式の場合、二次電池を冷却した空気を外部に排出するよりも空調効率が良くなるためである。また、二次電池から外部に連通するダクトが不要となるため、このダクトから侵入する騒音をなくすことができ、車室内の騒音を低減することができるためである。
【0004】
一方、車両駆動用の二次電池としてニッケル水素電池や鉛蓄電などよりもエネルギー密度が高く、小形化できるリチウムイオン電池が用いられるようになってきている。しかし、リチウムイオン電池は、車両の衝突などによって電池パックに衝撃力がかかった際にリチウムイオン電池内部での短絡などに起因して煙が発生する可能性がある。この場合、上記のように二次電池が車室内に設置されていると、発生した煙が車室内に入り込むため、車室内の煙を排出する必要がある。
【0005】
そこで、電池パックに衝撃が加わり、内部のリチウムイオン電池から発生した煙が車室内に入り込んだとしても、その煙を車両外に排出することができるように、車両の衝突などが予想される場合に予め車室と車両外とを連通して、煙を車室外に排出する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2007−99075号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された従来技術は、車両に設けられた衝突検知センサやレーダ装置によって、車両の衝突を予測し、エアコンの起動や窓の開放を行なうようにしたものである。このため、衝突せず、車両に衝撃が加わらない場合にもエアコンの起動や窓の開放が行なわれてしまう。このような動作は、ユーザの意思に反する動作となる場合があり、ユーザに違和感を与える場合がある。また、電池パックに衝撃力がかからない場合でもリチウムイオン電池の状態によっては煙が発生する可能性もあるが、特許文献1の従来技術では、衝撃以外の原因によって煙が発生した場合には、搭乗者などが窓を開放するなどしてその煙を排出することが必要なため、煙を速やかに排出できないという問題があった。
【0008】
本発明は、車室内に搭載されたリチウムイオン電池から煙が発生した際に速やかに煙を車外に排出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電動車両は、車室内に搭載されているリチウムイオン電池と、リチウムイオン電池の状態を検出する電池状態検出手段と、車室内の空気を換気する換気機構と、換気機構の始動停止を行う制御部と、を備える電動車両であって、制御部は、電池状態検出手段によって検出した電池状態値が所定の閾値を越えている際にはリチウムイオン電池の異常と判断し、換気機構を始動する換気機構始動手段、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の電動車両において、リチウムイオン電池の状態が異常の際にリチウムイオン電池から発生するガスを車室内に排出するガス排出路を含み、電池状態検出手段は、リチウムイオン電池に取りつけられた電圧センサと温度センサと、ガス排出路に設けられたガスセンサとガス温度センサと、のいずれか1つまたは複数の組み合わせであり、換気機構は、外気を車室内に導入する外気導入機構と、車室の窓ガラスを駆動モータによって移動させる窓ガラス駆動機構と、を含み、換気始動手段は、外気導入機構始動手段と、窓ガラス駆動機構によって窓ガラスの開放を開始する窓開放開始手段と、を含むこと、としても好適である。
【0011】
本発明の電動車両において、リチウムイオン電池上部を覆い、ガス排出路が接続され、リチウムイオン電池が異常の際にリチウムイオン電池から発生したガスを集合させるチャンバを備え、ガスセンサまたはガス温度センサのいずれか一方または両方がチャンバの上部内面に設けられていること、としても好適であるし、ガスセンサは、一酸化炭素ガスセンサまたは水素ガスセンサの何れか一方または両方であること、としても好適である。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、車室内に搭載されたリチウムイオン電池から煙が発生した際に速やかに煙を車外に排出することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態の電動車両100は、車体10と、車体10の内部にあって前方仕切り12と後方仕切り13とによって仕切られた車室11と、を備えている。前方仕切り12の前方にあるボンネットには図示しないエンジン、車両駆動用のモータジェネレータ、動力分配機構、インバータ、駆動用ギヤなどが納められている。車体10には、窓ガラス41を持つドア40が開閉自在に取り付けられている。窓ガラス41は図示しない駆動用モータとギヤによって上下に開閉される。駆動モータとギヤとは窓ガラス駆動機構を構成する。
【0014】
前方仕切り12の前方のボンネットには、車室11に空気を送る空調ファン17が設けられている。空調ファン17には、車室11に接続された車室空気吸い込み管15と、車外から外気を吸い込む外気吸い込み管16と、車室空気吸い込み管15と外気吸い込み管16との間で吸い込み流路を切り替える流路切り替えダンパ19と、が取り付けられている。また、空調ファン17には、車室空気吸い込み管15または外気吸い込み管16から吸い込んだ空気を車室11に送り込む空気吹き出し管18が接続されている。空気吹き出し管18には図示しない空調装置の熱交換器が取り付けられ、吸い込んだ空気を冷却して車室11に送り込むように構成されている。流路切り替えダンパ19が車室空気吸い込み管15側に切り替えられている場合には、車室11は略密閉状態となり、外気はほとんど車室11内に侵入してこない。外気吸い込み管16と、流路切り替えダンパ19と、空調ファン17と空気吹き出し管18とは外気導入機構を構成する。先に説明した窓ガラス駆動機構と外気導入機構とは換気機構を構成する。
【0015】
車室11には運転者や乗員の座るシートが配置され、運転席のシートと助手席のシートとの間にカバー14で仕切られた電池設置スペースが設けられている。電池設置スペースは車室11と連通するよう構成されている。電池設置スペースの中には複数のリチウムイオン電池のセル21が納められた電池パック20が取り付けられている。電池パック20には車室11内から冷却用空気を吸い込む空気吸い込み管路23と、電池パック20を冷却して温度の上昇した空気を電池パック20から車室11に排出する空気排出管路25とが取り付けられている。空気吸い込み管路23には冷却ファン24が取り付けられている。また、電池パック20に納められているリチウムイオン電池の各セル21の上面には、各セル21の内部で正負の電極が接触するような異常状態の際に各セル21から発生するガスを逃がすための逃がし管26が取り付けられている。逃がし管26の端面には発生したガスによってセル21の内圧が上昇した際に破裂してセル21内部のガスを外部に逃がすラプチャーディスク26aが設けられている。電池パック20の上面には逃がし管26から放出されたガスを集合するチャンバ27が設けられている。チャンバ27にはガスを車室11に排出するガス排出路28が設けられている。
【0016】
図2(a)に示すように、電池パック20は、板状のセル21を立てて電池パック20のケーシング22の幅方向に隙間をあけて並べたものである。それぞれのセル21から蓄電電力を取り出し、合計して電池パック20の出力として出力する。各セル21の間の隙間には冷却ファン24によって空気吸込み管路23から空気排出管路25に向かって冷却空気が流され、各セル21は運転範囲温度となるように冷却される。図2(a)及び図2(b)に示すように、各セル21の中央の上部には逃がし管26とラプチャーディスク26aとが設けられている。各セル21には、各セル21の出力電圧を測定するセル電圧センサ32と各セル21の温度を測定するセル温度センサ31とがそれぞれ取り付けられている。
【0017】
図2(b)に示すように、電池パック20の上部に設けられたチャンバ27の上側の内部にガス温度センサ33と、一酸化炭素ガスセンサ34と、水素ガスセンサ35とが取り付けられている。これらの各センサ33,34,35は各セル21に設けられている各逃がし管26の直上付近に取り付けられ、各セル21から放出されたガスが直接各センサ33,34,35にあたって感度よく温度、一酸化炭素ガス、水素ガスの検出をすることができるよう構成されている。なお、ガス温度センサ33と、一酸化炭素ガスセンサ34と、水素ガスセンサ35をチャンバ27の上部内面の中央付近に1つずつ取り付けてもよい。また、図2(b)に示すように、ガスを車室11に排出するガス排出路28にはガス温度センサ36と、一酸化炭素ガスセンサ37と、水素ガスセンサ38とが取り付けられている。
【0018】
各セル21に取り付けられ、各セル21の出力電圧を測定するセル電圧センサ32、各セル21の温度を測定するセル温度センサ31及び、チャンバ27に取り付けられたガス温度センサ33と、一酸化炭素ガスセンサ34と、水素ガスセンサ35及びガス排出路28に取り付けられた温度センサ36と、一酸化炭素ガスセンサ37と、水素ガスセンサ38とはリチウムイオン電池である電池パック20の状態を検出する電池状態検出手段を構成する。
【0019】
図3に示すように、電池パック20に取り付けられた各センサ31〜38はそれぞれ電動車両100に搭載される制御部50に接続されている。本実施形態では、制御部50は、内部にCPUとメモリとを備えるコンピュータである。なお、図中の一点鎖線は信号線を示す。図3に示すように、制御部50は外気導入機構始動手段51と窓開放開始手段52とを備えている。電動車両100の空調ファン17と流路切り替えダンパ19とは、ファン・ダンパインターフェース54を介して制御部50に接続され、制御部50の指令によって駆動されるよう構成されている。また、電動車両100のドア40の窓ガラス41を開閉駆動する駆動モータ42は窓ガラス駆動機構インターフェース55を介して制御部50に接続され、制御部50の指令によって駆動されるよう構成されている。
【0020】
以上説明したように構成される電動車両100の動作について、図4と図5を参照しながら説明する。図4のステップS101に示すように、制御部50は、セル温度センサ31とセル電圧センサ32によって電池パック20の各セル21の温度、電圧を取得する。また制御部50は電池パック20のチャンバ27に設けられた各センサ33〜35によってチャンバ27のガス温度、一酸化炭素濃度、水素濃度を取得する。また、制御部50はガス排出路28に設けられた各センサ36〜38によってガス排出路28のガス温度、一酸化炭素濃度、水素濃度を取得する。そして、制御部50は図4のステップS102に示すように、電池パック20に異常が発生しているかどうかを判断する。
【0021】
図5に示す時間ゼロの時点では、各セル21のセル電圧は通常出力で、セル温度、ガス排出路28の一酸化炭素濃度はいずれも閾値以下となっている。このような状態の場合には、制御部50は、電池パック20が正常で、発煙はないと判断し、図4に示すステップS101に戻って各センサ31〜38によって電池パック20の状態を監視する。
【0022】
一方、図5の時間tに示すように、1つまたは複数のセル21のセル電圧が略ゼロに低下すると共に、セル温度が閾値以上となり、更にガス排出路28の一酸化炭素濃度が閾値以上となった場合には、制御部50は電池パック20に異常が発生したものと判断する。これは、セル21の内部で正負の電極が接触して出力電圧がゼロになり、セル21の内部での電池の温度の上昇によってセル内部にガスが発生し、そのガス圧力によってラプチャーディスク26aが破れて一酸化炭素を含むガスがセル21からチャンバ27を経てガス排出路28に流れ、車室11内にガスが煙となって侵入する状態となっていると判断することができる為である。
【0023】
この異常発生の判断は様々なセンサによって判断するようにすることができる。上記の実施形態では、セル電圧とセル温度と一酸化炭素濃度がいずれも閾値を越えた場合に異常が発生したと判断したが、例えば、セル電圧が略ゼロで一酸化炭素濃度が所定の値よりも大きくなった場合に電池パック20に異常が発生したものと判断しても良いし、温度と一酸化炭素濃度が閾値を越えた場合に電池パック20に異常が発生したものと判断するようにしても良い。また、一酸化炭素濃度に代えて、ガスの中に含まれているもうひとつの特徴的な成分である水素濃度が閾値を越えた場合に電池パック20に異常が発生したものと判断しても良い。
【0024】
制御部50は、電池パック20に異常が発生したと判断した場合には、図4のステップS103に示すように、その異常状態が所定の時間継続したかどうかを判断する。例えば、制御部50は、所定間隔ごとに各センサ31〜38によって電池の状態を取得し、その結果異常状態と判断されるごとにカウンタを1つずつ積算し、カウンタが所定の数値に達した場合に所定時間だけ異常状態が継続したと判断するようにしてもよいし、電池パック20が異常と判断した際に制御部50内のタイマを起動し、所定時間後に各センサ31〜38によって電池状態を取得し、その際に電池パック20が異常状態にある場合には、所定の時間だけ異常状態が継続したと判断するようにしても良い。
【0025】
制御部50は、図5の時間Δtのように、所定時間だけ電池パック20の異常状態が継続したと判断すると、図4のステップS104、図5の時間tに示すように、電池パック20から煙が発生している状態が確定したと判断する。
【0026】
制御部50は電池パック20からの発煙が確定すると、図4のステップS105及び図5の時間tに示すように、外気導入機構始動手段51によって外気導入指令をファン・ダンパインターフェース54に出力する。この指令によってファン・ダンパインターフェース54は流路切り替えダンパ19を外気吸い込み管16側に切り替えると共に空調ファン17を始動させ、外気を空気吹き出し管18から車室11内に導入する。この際、空調ファン17の回転数を高回転モードに設定して導入する外気を増やすようにしても良い。また、制御部50は図4のステップS106及び図5の時間tに示すように、窓開放開始手段52によって窓を開放する指令を窓ガラス駆動機構インターフェース55出力する。この指令によって、窓ガラス駆動機構インターフェース55は、駆動モータ42を始動して窓ガラス41を降下させて窓の開放を行う。窓ガラス41の降下は窓が全開となるまで降下させることとしても良いし、半開まで降下させることとしてもよい。
【0027】
空気吹き出し管18から車室11内に外気が導入されると共に、窓ガラス41が降下して窓が開放されると、車室11内は外気によって換気され、ガス排出路28から車室11内に侵入した煙は開放された窓から車室11の外部に排出される。図5に示すように、発煙確定からしばらくすると、セル21からのガスの放出が停止し、ガス排出路28の一酸化炭素濃度は急速に低下し、初期の状態に戻る。また、セル21の温度も時間と共に低下し、しばらくすると略初期の温度に戻る。
【0028】
制御部50は、図4のステップS107に示すように、外気を導入すると共に窓を開放してから所定の時間が経過したかどうかを判断する。これは制御部50内部のタイマによって時間カウントしても良いし、制御部50内部の積算カウンで時間を積算しても良い。
【0029】
制御部50は、外気を導入すると共に窓を開放してから所定の時間が経過したと判断した場合には、図4のステップS108とステップS109に示すように、ファン・ダンパインターフェース54に外気導入停止指令を出力する。ファン・ダンパインターフェース54はこの指令によって、空調ファン17を停止し、流路切り替えダンパ19を車室空気吸い込み管15側に切り替える。制御部50は窓開放停止指令を窓ガラス駆動機構インターフェース55に出力する。この指令によって、窓ガラス駆動機構インターフェース55は駆動モータ42を停止し、窓の開放を停止する。この場合、既に窓が全開となっていた場合には、窓ガラス41の移動は行われず、全開状態が維持される。
【0030】
以上説明したように、本実施形態によれば、リチウムイオン電池の電池パック20の各セル21或いはチャンバ27、ガス排出路28に取り付けたセンサ31〜38によって電池パック20の異常の検出と発煙の判断を行っているので、電池パック20から煙が発生した際に速やかに煙を車外に排出することができ、煙による視界不良を抑制することができるという効果を奏する。また、電池パック20からの煙が発生していない場合に、空調ファン17の始動や窓の開放を行うことが抑制されるので、ユーザに違和感を与えることが無いという効果を奏する。
【0031】
本実施形態によれば、電動車両100の衝突などによって電池パック20に衝撃が加わることによる煙の発生以外に、例えば、内部短絡、過充電、過熱などの電池パック20のセル21の異常によって煙が発生した場合も、速やかに煙を車外に排出することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態における電動車両の構成を示す説明図である。
【図2】本発明の実施形態における電動車両の搭載される電池パックの平面と側面とを示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態における電動車両の制御系統を示す系統図である。
【図4】本発明の実施形態における電動車両の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態における電動車両の電池異常の際のセル電圧とセル温度と一酸化炭素濃度の変化と、外気導入機構と窓ガラス駆動機構の指令信号の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
【0033】
10 車体、11 車室、14 カバー、15 車室空気吸い込み管、16 外気吸い込み管、17 空調ファン、18 空気吹き出し管、19 流路切り替えダンパ、20 電池パック、21 セル、22 ケーシング、23 空気吸い込み管路、24 冷却ファン、25 空気排出管路、26a ラプチャーディスク、26 逃がし管、27 チャンバ、28 ガス排出路、31 セル温度センサ、32 セル電圧センサ、33,36 ガス温度センサ、34,37 一酸化炭素ガスセンサ、35,38 水素ガスセンサ、40 ドア、41 窓ガラス、42 駆動モータ、50 制御部、51 外気導入機構始動手段、52 窓開放開始手段、54 ファン・ダンパインターフェース、55 窓ガラス駆動機構インターフェース、100 電動車両、t〜t 時間、Δt 時間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内に搭載されているリチウムイオン電池と、
リチウムイオン電池の状態を検出する電池状態検出手段と、
車室内の空気を換気する換気機構と、
換気機構の始動停止を行う制御部と、
を備える電動車両であって、
制御部は、
電池状態検出手段によって検出した電池状態値が所定の閾値を越えている際にはリチウムイオン電池の異常と判断し、換気機構を始動する換気機構始動手段を備えること、
を特徴とする電動車両。
【請求項2】
請求項1に記載の電動車両であって、
リチウムイオン電池の状態が異常の際にリチウムイオン電池から発生するガスを車室内に排出するガス排出路を含み、
電池状態検出手段は、リチウムイオン電池に取りつけられた電圧センサと温度センサと、ガス排出路に設けられたガスセンサとガス温度センサと、のいずれか1つまたは複数の組み合わせであり、
換気機構は、
外気を車室内に導入する外気導入機構と、車室の窓ガラスを駆動モータによって移動させる窓ガラス駆動機構と、を含み、
換気始動手段は、外気導入機構始動手段と、窓ガラス駆動機構によって窓ガラスの開放を開始する窓開放開始手段と、を含むこと、
を特徴とする電動車両。
【請求項3】
請求項2に記載の電動車両であって、
リチウムイオン電池上部を覆い、ガス排出路が接続され、リチウムイオン電池が異常の際にリチウムイオン電池から発生したガスを集合させるチャンバを備え、
ガスセンサまたはガス温度センサいずれか一方または両方がチャンバの上部内面に設けられていること、
を特徴とする電動車両。
【請求項4】
請求項2または3のいずれか1項に記載の電動車両であって、
ガスセンサは、一酸化炭素ガスセンサまたは水素ガスセンサの何れか一方または両方であること、
を特徴とする電動車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−303364(P2009−303364A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−154138(P2008−154138)
【出願日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】