電子カメラ
【構成】イメージセンサ16および56は、共通のシーンを表す画像を各々が出力する。CPU26は、イメージセンサ16および56の一部から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索し、イメージセンサ16および56の他の一部の撮像条件を探索処理が実行された時点の撮像条件と異なる条件に調整する。CPU26はまた、調整処理によって注目されたイメージセンサから出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する処理を調整処理に関連して実行し、探索処理によって探知された部分画像に注目してイメージセンサ16および56の少なくとも一部の撮像条件を調整する。
【効果】撮像性能の向上が図られる。
【効果】撮像性能の向上が図られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子カメラに関し、特に特定物体像に符合する画像を指定画像から探索する、電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカメラの一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、撮像装置で撮像された顔画像から顔の領域が顔領域検出部によって検出される。検出された顔の領域の画像が認識処理に適しているか否かが判定され、認識処理に適していないと判定された場合、認識処理に最適な画像となるように露出量が決定される。即ち、顔領域画像の画素値のヒストグラムと基準画像の画素値のヒストグラムとの誤差が所定内となるように露出量が決定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−251558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、認識処理に最適な露出量は、顔領域検出部によって検出された顔の領域に基づいて決定される。このため、顔領域検出部によって検出されなかった領域に顔画像が含まれる場合、顔画像に対して撮像条件を適切に調整できず、撮像性能が低下する恐れがある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、撮像性能を高めることができる、電子カメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う電子カメラ(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、共通のシーンを表す画像を各々が出力する複数の撮像手段(16, 56)、複数の撮像手段の一部から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する第1探索手段(S81)、複数の撮像手段の他の一部の撮像条件を第1探索手段の処理が実行された時点の撮像条件と異なる条件に調整する第1調整手段(S109~S111, S125~S127, S131~S133, S147~S149)、第1調整手段によって注目された撮像手段から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する処理を第1調整手段の処理に関連して実行する第2探索手段(S119, S141)、および第1探索手段および/または第2探索手段によって探知された部分画像に注目して複数の撮像手段の少なくとも一部の撮像条件を調整する第2調整手段(S29, S41)を備える。
【0007】
好ましくは、第1調整手段によって調整される撮像条件は露光量を含む。
【0008】
好ましくは、第1調整手段は、第1探索手段の処理が実行された時点の撮像条件を定義する撮像設定値と異なる複数の撮像設定値を順に選択する撮像設定値選択手段(S109, S125, S131, S147)、および撮像設定値選択手段によって選択された撮像設定値に従って複数の撮像手段の他の一部の撮像条件を調整する調整実行手段(S111, S133)を含み、第2探索手段は撮像設定値選択手段の選択毎に探索処理を実行する。
【0009】
好ましくは、複数の撮像手段の他の一部から出力された画像から既定範囲外の輝度を示す特定領域を探索する領域探索手段(S99~S105)をさらに備え、第1調整手段は領域探索手段の探知に関連して調整処理を実行する。
【0010】
好ましくは、領域探索手段は、第1閾値を下回る輝度を示す領域を抽出する第1領域抽出手段(S103)、および第1閾値よりも高い第2閾値を上回る輝度を示す領域を抽出する第2領域抽出手段(S105)、を含み、第1調整手段は、第1領域抽出手段の処理に関連して複数の撮像手段の他の一部の露光量を高輝度側に調整する高輝度調整手段(S109~S111, S125~S127)、および第2領域抽出手段の処理に関連して複数の撮像手段の他の一部の露光量を低輝度側に調整する低輝度調整手段(S131~S133, S147~S149)を含む。
【0011】
好ましくは、第2調整手段によって調整される撮像条件は露光量および/またはフォーカス設定を含む。
【0012】
好ましくは、第2調整手段によって注目された撮像手段から出力された画像を記録する記録手段(S53~S55, S59~S63)をさらに備える。
【0013】
好ましくは、記録手段は複数の撮像手段のうち第2調整手段によって注目された撮像手段を含む2以上の撮像手段からそれぞれ出力された2以上の画像を記録する。
【0014】
好ましくは、部分画像は人物の顔画像に相当する。
【0015】
この発明に従う撮像制御プログラムは、共通のシーンを表す画像を各々が出力する複数の撮像手段(16, 56)を備える電子カメラ(10)のプロセッサ(26)に、複数の撮像手段の一部から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する第1探索ステップ(S81)、複数の撮像手段の他の一部の撮像条件を第1探索ステップの処理が実行された時点の撮像条件と異なる条件に調整する第1調整ステップ(S109~S111, S125~S127, S131~S133, S147~S149)、第1調整ステップによって注目された撮像手段から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する処理を第1調整ステップの調整処理に関連して実行する第2探索ステップ(S119, S141)、および第1探索ステップおよび/または第2探索ステップによって探知された部分画像に注目して複数の撮像手段の少なくとも一部の撮像条件を調整する第2調整ステップ(S29, S41)を実行させるための、撮像制御プログラムである。
【0016】
この発明に従う撮像制御方法は、共通のシーンを表す画像を各々が出力する複数の撮像手段(16, 56)を備える電子カメラによって実行される撮像制御方法であって、複数の撮像手段の一部から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する第1探索ステップ(S81)、複数の撮像手段の他の一部の撮像条件を第1探索ステップの処理が実行された時点の撮像条件と異なる条件に調整する第1調整ステップ(S109~S111, S125~S127, S131~S133, S147~S149)、第1調整ステップによって注目された撮像手段から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する処理を第1調整ステップの調整処理に関連して実行する第2探索ステップ(S119, S141)、および第1探索ステップおよび/または第2探索ステップによって探知された部分画像に注目して複数の撮像手段の少なくとも一部の撮像条件を調整する第2調整ステップ(S29, S41)を備える。
【0017】
この発明に従う外部制御プログラムは、共通のシーンを表す画像を各々が出力する複数の撮像手段(16, 56)、およびメモリ(44)に保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサ(26)を備える電子カメラ(10)に供給される外部制御プログラムであって、複数の撮像手段の一部から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する第1探索ステップ(S81)、複数の撮像手段の他の一部の撮像条件を第1探索ステップの処理が実行された時点の撮像条件と異なる条件に調整する第1調整ステップ(S109~S111, S125~S127, S131~S133, S147~S149)、第1調整ステップによって注目された撮像手段から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する処理を第1調整ステップの調整処理に関連して実行する第2探索ステップ(S119, S141)、および第1探索ステップおよび/または第2探索ステップによって探知された部分画像に注目して複数の撮像手段の少なくとも一部の撮像条件を調整する第2調整ステップ(S29, S41)を内部制御プログラムと協働してプロセッサに実行させるための、外部制御プログラムである。
【0018】
この発明に従う電子カメラ(10)は、共通のシーンを表す画像を各々が出力する複数の撮像手段(16, 56)、外部制御プログラムを受信する受信手段(60)、および受信手段によって受信された外部制御プログラムとメモリ(44)に保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサ(26)を備える電子カメラ(10)であって、外部制御プログラムは、複数の撮像手段の一部から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する第1探索ステップ(S81)、複数の撮像手段の他の一部の撮像条件を第1探索ステップの処理が実行された時点の撮像条件と異なる条件に調整する第1調整ステップ(S109~S111, S125~S127, S131~S133, S147~S149)、第1調整ステップによって注目された撮像手段から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する処理を第1調整ステップの調整処理に関連して実行する第2探索ステップ(S119, S141)、および第1探索ステップおよび/または第2探索ステップによって探知された部分画像に注目して複数の撮像手段の少なくとも一部の撮像条件を調整する第2調整ステップ(S29, S41)を内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する。
【発明の効果】
【0019】
複数の撮像手段の一部から出力された画像から、既定条件を満足する部分画像が探索される。この探索処理が実行された時点とは異なる条件に他の一部の撮像手段の撮像条件が調整され、調整処理が施された撮像手段から出力された画像から、部分画像の探索が行われる。このようにして各々の探索処理によって発見された部分画像に注目して、撮像手段の撮像条件が調整される。
【0020】
このため、複数の撮像条件の各々において探索処理が実行されるので、部分画像を漏らすことなく発見でき、発見された部分画像に注目して撮像手段の撮像条件が調整される。したがって、撮像性能を高めることができる。
【0021】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の一実施例のカメラの外観の一部を示す図解図である。
【図4】図2実施例に適用されるSDRAMのマッピング状態の一例を示す図解図である。
【図5】撮像面における評価エリアの割り当て状態の一例を示す図解図である。
【図6】顔検出処理において用いられる顔検出枠の一例を示す図解図である。
【図7】図2実施例で参照される顔辞書の構成の一例を示す図解図である。
【図8】顔検出処理の一部を示す図解図である。
【図9】図2実施例において参照されるレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図10】図2実施例において参照される他のレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図11】図2実施例において参照されるテーブルの構成の一例を示す図解図である。
【図12】図2実施例において参照される他のテーブルの構成の一例を示す図解図である。
【図13】モニタ画面に表示された画像の一例を示す図解図である。
【図14】モニタ画面に表示された画像の他の一例を示す図解図である。
【図15】モニタ画面に表示された画像のその他の一例を示す図解図である。
【図16】モニタ画面に表示された画像のさらにその他の一例を示す図解図である。
【図17】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図18】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図19】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図20】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図21】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図22】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図23】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図24】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図25】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図26】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図27】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図28】この発明の他の実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0024】
図1を参照して、この実施例の電子カメラは、基本的に次のように構成される。複数の撮像手段1は、共通のシーンを表す画像を各々が出力する。第1探索手段2は、複数の撮像手段1の一部から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する。第1調整手段3は、複数の撮像手段1の他の一部の撮像条件を第1探索手段2の処理が実行された時点の撮像条件と異なる条件に調整する。第2探索手段4は、第1調整手段3によって注目された撮像手段から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する処理を第1調整手段3の処理に関連して実行する。第2調整手段5は、第1探索手段2および/または第2探索手段4によって探知された部分画像に注目して複数の撮像手段1の少なくとも一部の撮像条件を調整する。
[実施例]
【0025】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ18aおよび18bによってそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ12および絞りユニット14を含む。これらの部材を経たシーンの光学像は、ドライバ18cによって駆動されるイメージセンサ16の撮像面に照射され、光電変換を施される。また、フォーカスレンズ12,絞りユニット14,イメージセンサ16,およびドライバ18a〜18cは、第1撮像ブロック100を構成する。
【0026】
ディジタルカメラ10にはまた、イメージセンサ16によって捉えられたシーンと共通のシーンを捉えるために、フォーカスレンズ52,絞りユニット54,およびイメージセンサ56が設けられている。フォーカスレンズ52および絞りユニット54を経たシーンの光学像は、ドライバ58cによって駆動されるイメージセンサ56の撮像面に照射され、光電変換を施される。また、フォーカスレンズ52,絞りユニット54,イメージセンサ56,およびドライバ58a〜58cは、第2撮像ブロック500を構成する。
【0027】
これらの部材によって、イメージセンサ16によって捉えられたシーンに対応した電荷およびイメージセンサ56によって捉えられたシーンに対応した電荷が生成される。
【0028】
図3を参照して、第1撮像ブロック100および第2撮像ブロック500は、ディジタルカメラ10の筐体CB1の前面に固定的に設けられる。第1撮像ブロック100は筐体CB1の前方に向かって左側に位置し、第2撮像ブロック500は筐体CB1の前方に向かって右側に位置する。以下、第1撮像ブロック100を“L側撮像ブロック”と称し、第2撮像ブロック500を“R側撮像ブロック”と称する。
【0029】
L側撮像ブロックおよびR側撮像ブロックはそれぞれ光軸AX_LおよびAX_Rを有し、筐体CB1の底面から光軸AX_Lまでの距離(=H_L)は筐体CB1の底面から光軸AX_Rまでの距離(=H_R)と一致する。また、水平方向における光軸AX_LおよびAX_Rの間隔(=B)は、人間の両目の間隔を考慮して6cm程度に設定される。さらに、L側撮像ブロックおよびR側撮像ブロックは、共通の倍率を有する。
【0030】
このようなディジタルカメラ10は、3D(three dimensional)静止画像を記録するための3D記録モードおよび2D(two dimensional)静止画像を記録するための通常記録モードからなる2つの撮像モードを有する。操作者によるキー入力装置28の操作によって2つの撮像モードの各々が相互に切り替えられる。
【0031】
電源が投入されると、CPU26は、動画取り込み処理を実行するべく、撮像タスクの下で露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しをドライバ18cおよび58cの各々に命令する。ドライバ18cおよび58cは、図示しないSG(Signal Generator)から周期的に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、イメージセンサ16および56の撮像面をそれぞれ露光し、かつイメージセンサ16および56の撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様でそれぞれ読み出す。イメージセンサ16からは読み出された電荷に基づく第1生画像データが周期的に出力され、イメージセンサ56からは読み出された電荷に基づく第2生画像データが周期的に出力される。
【0032】
前処理回路20は、イメージセンサ16および56からそれぞれ出力された第1生画像データおよび第2生画像データの各々にディジタルクランプ,画素欠陥補正,ゲイン制御などの処理を施す。これらの処理を施された第1生画像データおよび第2生画像データは、メモリ制御回路30を通して図4に示すSDRAM32の第1生画像エリア32aおよび第2生画像エリア32bにそれぞれ書き込まれる。
【0033】
後処理回路34は、第1生画像エリア32aに格納された第1生画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された第1生画像データに色分離処理,白バランス調整処理およびYUV変換処理を施す。後処理回路34はさらに、YUV形式に従う画像データに対して表示用のズーム処理と探索用のズーム処理とを並列的に実行する。この結果、YUV形式に従う表示画像データおよび第1探索画像データが個別に作成される。表示画像データは、メモリ制御回路30によって図4に示すSDRAM32の表示画像エリア32cに書き込まれる。第1探索画像データは、メモリ制御回路30によって図4に示すSDRAM32の第1探索画像エリア32dに書き込まれる。
【0034】
後処理回路34はまた、第2生画像エリア32bに格納された第2生画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された第2生画像データに色分離処理,白バランス調整処理およびYUV変換処理を施す。後処理回路34はさらに、YUV形式に従う画像データに対して探索用のズーム処理を実行する。この結果、YUV形式に従う第2探索画像データが作成される。第2探索画像データは、メモリ制御回路30によって図4に示すSDRAM32の第2探索画像エリア32eに書き込まれる。
【0035】
LCDドライバ36は、表示画像エリア32cに格納された表示画像データをメモリ制御回路30を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ38を駆動する。この結果、シーンを表すリアルタイム動画像(スルー画像)がモニタ画面に表示される。
【0036】
図5を参照して、イメージセンサ16および56の撮像面の中央には評価エリアEVA1およびEVA2がそれぞれ割り当てられる。評価エリアEVA1およびEVA2の各々は水平方向および垂直方向の各々において16分割され、256個の分割エリアが評価エリアEVA1およびEVA2の各々を形成する。また、図2に示す前処理回路20は、上述した処理に加えて、第1生画像データおよび第2生画像データの各々を簡易的にRGBデータに変換する簡易RGB変換処理を実行する。この結果、L側撮像ブロックに対応した第1RGBデータおよびR側撮像ブロックに対応した第2RGBデータの各々が前処理回路20から出力される。
【0037】
AE評価回路22は、第1RGBデータのうち評価エリアEVA1に属するRGBデータおよび第2RGBデータのうち評価エリアEVA2に属するRGBデータの各々を、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、L側撮像ブロックに対応する256個の積分値およびR側撮像ブロックに対応する256個の積分値、つまりL側撮像ブロックに対応する256個のAE評価値およびR側撮像ブロックに対応する256個のAE評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAE評価回路22から出力される。
【0038】
AF評価回路24は、前処理回路20によって生成された第1RGBデータのうち評価エリアEVA1に属するRGBデータの高周波成分を、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、256個の積分値つまり256個のAF評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAF評価回路24から出力される。こうして得られたAE評価値およびAF評価値に基づく処理については、後述する。
【0039】
撮像タスクと並列して実行される第1顔検出タスクの下で、CPU26は、第1顔検出レジスタRGSTdtLを初期化すべく登録内容をクリアし、フラグFLG_Lを“0”に初期設定する。CPU26は次に、第1探索画像エリア32dに格納された第1探索画像データから人物の顔画像を探索するべく、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に顔検出処理を実行する。なお、第1顔検出タスクの下で実行される顔検出処理では、評価エリアEVA1の全域が探索エリアとして指定され、第1ワークレジスタRGSTwkLが検出結果の登録先として指定される。
【0040】
顔検出処理では、図6に示す要領でサイズが調整される顔検出枠FDと図7に示す5つの辞書画像(=向きが互いに異なる顔画像)を収めた顔辞書FDCとが用いられる。なお、顔辞書FDCはフラッシュメモリ44に保存される。また、顔検出枠FDのサイズの可変範囲を定義するべく、最大サイズSZmaxが“200”に設定され、最小サイズSZminが“20”に設定される。
【0041】
顔検出枠FDは、探索エリアの開始位置(左上位置)から終了位置(右下位置)に向かって、ラスタ走査態様で既定量ずつ移動される(図8参照)。また、顔検出枠FDのサイズは、顔検出枠FDが終了位置に到達する毎に“SZmax”から“SZmin”まで“5”ずつ縮小される。
【0042】
顔検出枠FDに属する一部の第1探索画像データは、メモリ制御回路30を通して第1探索画像エリア32dから読み出される。読み出された画像データの特徴量は、顔辞書FDCに収められた5つの辞書画像の各々の特徴量と照合される。閾値THを超える照合度が得られると、顔画像が検出されたものとみなされる。現時点の顔検出枠FDの位置およびサイズは、顔情報として図9に示す第1ワークレジスタRGSTwkLに登録される。
【0043】
顔検出処理の完了後に第1ワークレジスタRGSTwkLに顔情報の登録があったときは、第1ワークレジスタRGSTwkの登録内容が、図9に示す第1顔検出レジスタRGSTdtLにコピーされる。また、CPU26は、人物の顔画像を発見したことを表明するべくフラグFLG_Lを“1”に設定する。
【0044】
なお、顔検出処理の完了後に第1顔検出レジスタRGSTdtLに顔情報の登録がなかった場合、すなわち人物の顔が発見されなかった場合は、CPU26は、人物の顔が未発見であることを表明するべくフラグFLG_Lを“0”に設定する。
【0045】
撮像タスクおよび第1顔検出タスクと並列して実行される第2顔検出タスクの下で、CPU26は、第2顔検出レジスタRGSTdtR,低輝度顔検出レジスタRGSTbr1,および高輝度顔検出レジスタRGSTbr2を初期化すべく登録内容をクリアし、フラグFLG_Rを“0”に初期設定する。
【0046】
CPU26は次に、R側撮像ブロックの露光設定をL側撮像ブロックと同一の設定に変更する。したがって、CPU26は、ドライバ18bに設定された絞り量と同一の絞り量をドライバ58bに設定し、ドライバ18cに設定された露光時間と同一の露光時間をドライバ58cに設定する。
【0047】
露光設定の変更が完了すると、CPU26は、R側撮像ブロックに対応する256個のAE評価値をAE評価回路22から取得する。CPU26は次に、取得されたAE評価値に基づいて低輝度領域ARLおよび高輝度領域ARHを抽出する。
【0048】
例えば、閾値以下の輝度を示すブロックが横に2ブロック以上連続しかつ縦に2ブロック以上連続する領域が、低輝度領域ARLとして抽出される。また、閾値以上の輝度を示すブロックが横に2ブロック以上連続しかつ縦に2ブロック以上連続する領域が、高輝度領域ARHとして抽出される。
【0049】
低輝度領域ARLが発見された場合は、CPU26は、抽出された低輝度領域ARLを探索エリアとして、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に顔検出処理を実行する。なお、図9に示す第2ワークレジスタRGSTwkRが、検出結果の登録先として指定される。
【0050】
低輝度領域ARLにおける顔検出処理では、図11に示す低輝度露光補正量テーブルTBL_LWが用いられる。低輝度露光補正量テーブルTBL_LWには、図11に示すように1番目から6番目に向けて高輝度側に補正量が大きくなる6種類の露光補正量が登録される。なお、低輝度露光補正量テーブルTBL_LWは、フラッシュメモリ44に保存される。
【0051】
CPU26は次に、低輝度露光補正量テーブルTBL_LWに登録された6種類の露光補正量の各々に基づいて、R側撮像ブロックの露光設定を補正する。補正後のEV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ58bおよび58cにそれぞれ設定される。この結果、第2探索画像データの明るさが高輝度側に補正される。このような各々の補正が完了して垂直同期信号Vsyncが発生する毎に、前述と同様の顔検出処理が実行される。
【0052】
1回の顔検出処理が完了する毎に第2ワークレジスタRGSTwkRに顔情報が登録されたか否かが判別され、第2ワークレジスタRGSTwkRに顔情報の登録があったときは、低輝度領域ARLにおける顔検出処理は終了する。また、第2ワークレジスタRGSTwkRの登録内容が、図9に示す低輝度顔検出レジスタRGSTbr1にコピーされる。
【0053】
高輝度領域ARHが発見された場合は、CPU26は、抽出された高輝度領域ARHを探索エリアとして、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に顔検出処理を実行する。なお、第2ワークレジスタRGSTwkRが、検出結果の登録先として指定される。
【0054】
高輝度領域ARHにおける顔検出処理では、図12に示す高輝度露光補正量テーブルTBL_HIが用いられる。高輝度露光補正量テーブルTBL_HIには、図12に示すように1番目から6番目に向けて低輝度側に補正量が大きくなる6種類の露光補正量が登録される。なお、高輝度露光補正量テーブルTBL_HIは、フラッシュメモリ44に保存される。
【0055】
CPU26は次に、高輝度露光補正量テーブルTBL_HIに登録された6種類の露光補正量の各々に基づいて、R側撮像ブロックの露光設定を補正する。補正後のEV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ58bおよび58cにそれぞれ設定される。この結果、第2探索画像データの明るさが低輝度側に補正される。このような各々の補正が完了して垂直同期信号Vsyncが発生する毎に、前述と同様の顔検出処理が実行される。
【0056】
1回の顔検出処理が完了する毎に第2ワークレジスタRGSTwkRに顔情報が登録されたか否かが判別され、第2ワークレジスタRGSTwkRに顔情報の登録があったときは、高輝度領域ARHにおける顔検出処理は終了する。また、第2ワークレジスタRGSTwkRの登録内容が、図9に示す高輝度顔検出レジスタRGSTbr2にコピーされる。
【0057】
高輝度領域ARHまたは低輝度領域ARLにおける顔検出処理の完了後に、低輝度顔検出レジスタRGSTbr1または高輝度顔検出レジスタRGSTbr2に顔情報の登録があったときは、各々の登録内容が第2顔検出レジスタRGSTdtRに統合される。また、CPU26は、人物の顔画像を発見したことを表明するべくフラグFLG_Rを“1”に設定する。
【0058】
シャッタボタン28shが非操作状態のとき、CPU26は、撮像タスクの下で以下の処理を実行する。フラグFLG_Lが“1”を示すとき、第1顔検出レジスタRGSTdtLの登録内容が、図9に示すAE対象レジスタRGSTaeにコピーされる。
【0059】
ここで、第2顔検出レジスタRGSTdtRに登録された顔位置は、R側撮像ブロックで捉えられたシーンにおける位置を示す。フラグFLG_Rが“1”を示すとき、CPU26は、このような第2顔検出レジスタRGSTdtRに登録された顔位置を、L側撮像ブロックで捉えられたシーンにおける位置に補正する。顔位置の補正量は、L側撮像ブロックの光軸AX_LおよびR側撮像ブロックの光軸AX_Rの間隔および補正対象の顔位置に対応する顔サイズに基づいて、決定される。
【0060】
顔位置が補正された第2顔検出レジスタRGSTdtRの登録内容は、AE対象レジスタRGSTaeに統合される。このとき、補正後の第2顔検出レジスタRGSTdtRの顔情報のうち既にAE対象レジスタRGSTaeに登録済みの顔情報のいずれかと位置およびサイズが一致するものは、登録済みの顔情報と同一の顔を示す。したがって、このような顔情報は、AE対象レジスタRGSTaeに新たに登録されない。
【0061】
このような処理を経た結果、AE対象レジスタRGSTaeに顔情報の登録がなかったとき、CPU26は、第1RGBデータに対応してAE評価回路22から出力されたAE評価値に基づく簡易AE処理をL側撮像ブロックに対して実行し、適正EV値を算出する。簡易AE処理は動画取り込み処理と並列して実行され、算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。
【0062】
AE対象レジスタRGSTaeに顔情報が登録されると、CPU26は、AE対象レジスタRGSTaeの登録内容を参照して、顔枠HFの表示をグラフィックジェネレータ46に要求する。グラフィックジェネレータ46は、顔枠HFを表すグラフィック情報をLCDドライバ36に向けて出力する。この結果、図13,14,および16を参照して、スルー画像上の顔画像の位置およびサイズに適合する態様で、顔枠HFがLCDモニタ38に表示される。
【0063】
AE対象レジスタRGSTaeに顔情報が登録されるとまた、CPU26は、第1RGBデータに対応してAE評価回路22から出力されたAE評価値のうち、AE対象レジスタRGSTaeに登録された位置およびサイズに対応するAE評価値を抽出する。CPU26は、抽出された一部のAE評価値に基づく厳格AE処理をL側撮像ブロックに対して実行する。厳格AE処理によって算出された最適EV値を定義する絞り量および露光時間は、ドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、スルー画像の明るさが、AE対象レジスタRGSTaeに登録された位置、つまり第1顔検出タスクおよび第2顔検出タスクによって検出された顔位置に相当するシーンの一部に注目した明るさに調整される。
【0064】
図13を参照して、第1顔検出タスクの下で実行される顔検出処理によって人物HM1の顔画像が発見され、顔情報がAE対象レジスタRGSTaeに登録されたので、顔枠HF1がLCDモニタ38に表示される。しかし、R側撮像ブロックの露光設定の補正処理が第2顔検出タスクの下で実行される前においては、ビル陰等によって生じた低輝度領域ARLに存在する人物HM2の顔画像は発見されない。
【0065】
しかし、図14を参照して、R側撮像ブロックの露光設定が高輝度側に補正されると、第2顔検出タスクの下で実行される顔検出処理によって人物HM2の顔画像が発見される。これによって、人物HM2の顔情報がAE対象レジスタRGSTaeに登録されるので、顔枠HF2が顔枠HF1とともにLCDモニタ38に表示される。
【0066】
図15を参照して、L側撮像ブロックおよびR側撮像ブロックの各々によって捉えられたシーンの中に人物HM3が存在する場合であっても、日光や水面からの反射光等によって生じた高輝度領域ARHに人物HM3の位置が含まれる場合、人物HM3の顔画像は、第1顔検出タスクの下で実行される顔検出処理によって発見されない。
【0067】
しかし、図16を参照して、R側撮像ブロックの露光設定が低輝度側に補正されると、第2顔検出タスクの下で実行される顔検出処理によって人物HM3の顔画像が発見される。これによって、人物HM3の顔情報がAE対象レジスタRGSTaeに登録されるので、顔枠HF3がLCDモニタ38に表示される。
【0068】
AE対象レジスタRGSTaeに顔情報が登録されるとまた、CPU26は、AE対象レジスタRGSTaeに登録された位置およびサイズによって示される領域の中からAF対象領域を決定する。AE対象レジスタRGSTaeに1つの顔情報が登録されている場合、CPU26は、登録された位置およびサイズによって示される領域をAF対象領域とする。AE対象レジスタRGSTaeに複数の顔情報が登録されている場合、CPU26は、サイズが最も大きい顔情報によって示される領域をAF対象領域とする。最大サイズを示す複数の顔情報が登録されている場合、CPU26は、これらの顔情報によって示される領域のうちシーン中央に最も近い領域をAF対象領域とする。AF対象領域とされた顔情報の位置およびサイズは、図10に示すAF対象レジスタRGSTafに登録される。
【0069】
シャッタボタン28shが半押しされると、CPU26はL側撮像ブロックに対してAF処理を実行する。AF対象レジスタRGSTafに顔情報の登録がなかったとき、すなわち顔画像が検出されていないとき、CPU26は、第1RGBデータに対応してAF評価回路24から出力された256個のAF評価値のうち、シーン中央の既定領域に対応するAF評価値を抽出する。CPU26は、抽出された一部のAF評価値に基づくAF処理を実行する。この結果、シーン中央に注目した合焦点にフォーカスレンズ12が配置され、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0070】
AF対象レジスタRGSTafに顔情報が登録されたとき、すなわち顔画像が検出されたとき、CPU26は、AF対象領域に注目したAF処理を実行する。CPU26は、AF評価回路24から出力された256個のAF評価値のうち、AF対象レジスタRGSTafに登録された位置およびサイズに対応するAF評価値を抽出する。CPU26は、抽出された一部のAF評価値に基づくAF処理を実行する。この結果、AF対象領域に注目した合焦点にフォーカスレンズ12が配置され、スルー画像におけるAF対象領域の鮮鋭度が向上する。
【0071】
L側撮像ブロックに対するAF処理が完了すると、CPU26は、R側撮像ブロックのフォーカス設定をL側撮像ブロックと同一の設定に変更する。したがって、CPU26はフォーカスレンズ52の移動をドライバ58aに命令し、ドライバ58aは、L側撮像ブロックに設定された焦点距離と同一の焦点距離を示すレンズ位置にフォーカスレンズ52を配置する。
【0072】
撮像モードが通常記録モードに設定されていた場合、シャッタボタン28shが全押しされると、CPU26は、撮像タスクの下でL側撮像ブロックの静止画取り込み処理および記録処理を実行する。シャッタボタン28shが全押しされた時点の1フレームの第1生画像データは、静止画取り込み処理によって図4に示すSDRAM32の第1静止画エリア32fに取り込まれる。取り込まれた1フレームの第1生画像データは、記録処理に関連して起動したI/F40によって第1静止画エリア32fから読み出され、ファイル形式で記録媒体42に記録される。
【0073】
撮像モードが3D記録モードに設定されていた場合、シャッタボタン28shが全押しされると、R側撮像ブロックの露光設定の補正処理を中断するべくCPU26は、第2顔検出タスクを一旦停止する。
【0074】
CPU26は次に、R側撮像ブロックの露光設定をL側撮像ブロックと同一の設定に変更する。したがって、CPU26は、ドライバ18bに設定された絞り量と同一の絞り量をドライバ58bに設定し、ドライバ18cに設定された露光時間と同一の露光時間をドライバ58cに設定する。
【0075】
R側撮像ブロックの露光設定の変更が完了すると、CPU26は、撮像タスクの下でL側撮像ブロックおよびR側撮像ブロックの各々の静止画取り込み処理と3D記録処理とを実行する。シャッタボタン28shが全押しされた時点の1フレームの第1生画像データおよび第2生画像データは、静止画取り込み処理によって第1静止画エリア32fおよび図4に示すSDRAM32の第2静止画エリア32gにそれぞれ取り込まれる。
【0076】
また、3D記録処理によって、3D静止画の記録に対応した形式の1つの静止画ファイルが記録媒体42に作成される。取り込まれた第1生画像データおよび第2生画像データは、3D映像の格納を示す識別コード,2つの画像の配置方法等とともに、新規作成された静止画ファイルに記録処理によって記録される。3D記録処理が完了すると、CPU26は、第2顔検出タスクを再起動する。
【0077】
CPU26は、図17〜20に示す撮像タスク,図21に示す第1顔検出タスク,および図22〜25に示す第2顔検出タスクを含む複数のタスクを並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に記憶される。
【0078】
図17を参照して、ステップS1では動画取り込み処理を実行する。この結果、シーンを表すスルー画像がLCDモニタ38に表示される。ステップS3では第1顔検出タスクを起動し、ステップS5では第2顔検出タスクを起動する。
【0079】
ステップS7ではAE対象レジスタRGSTaeの登録内容をクリアし、ステップS9ではAF対象レジスタRGSTafの登録内容をクリアする。
【0080】
ステップS11ではフラグFLG_Lが“1”に設定されているか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS15に進む一方、判別結果がYESであればステップS13で第1顔検出レジスタRGSTdtLの登録内容をAE対象レジスタRGSTaeにコピーする。
【0081】
ステップS15ではフラグFLG_Rが“1”に設定されているか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS21に進む一方、判別結果がYESであればステップS17およびS19の処理を経てステップS21に進む。
【0082】
ステップS17では、第2顔検出レジスタRGSTdtRに登録された顔位置を、L側撮像ブロックで捉えられたシーンにおける位置に補正する。顔位置の補正量は、L側撮像ブロックの光軸AX_LおよびR側撮像ブロックの光軸AX_Rの間隔および補正対象の顔位置に対応する顔サイズに基づいて、決定される。ステップS19では、ステップS17で顔位置が補正された第2顔検出レジスタRGSTdtRの登録内容を、AE対象レジスタRGSTaeに統合する。
【0083】
ステップS21ではAE対象レジスタRGSTaeに顔情報の登録があるか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS27に進む一方、判別結果がNOであればステップS23およびS25の処理を経てステップS37に進む。
【0084】
ステップS23では顔枠HFの非表示をグラフィックジェネレータ46に要求する。この結果、LCDモニタ38に表示された顔枠HFは非表示とされる。
【0085】
ステップS25では、L側撮像ブロックの簡易AE処理を実行する。簡易AE処理によって算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。
【0086】
ステップS27では、AE対象レジスタRGSTaeの登録内容を参照して、顔枠HFの表示をグラフィックジェネレータ46に要求する。この結果、第1顔検出タスクおよび第2顔検出タスクの下で検出された顔画像の位置およびサイズに適合する態様で、顔枠HFがLCDモニタ38に表示される。
【0087】
ステップS29では、AE対象レジスタRGSTaeに登録された位置およびサイズに対応した厳格AE処理を実行する。厳格AE処理によって算出された最適EV値を定義する絞り量および露光時間は、ドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、スルー画像の明るさが、AE対象レジスタRGSTaeに登録された位置、つまり第1顔検出タスクおよび第2顔検出タスクによって検出された顔位置に相当するシーンの一部に注目した明るさに調整される。
【0088】
ステップS31では、AE対象レジスタRGSTaeに登録された顔情報のうちサイズが最も大きい顔情報が複数あるか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS33で、サイズが最も大きい顔情報をAF対象レジスタRGSTafにコピーする。
【0089】
判別結果がYESであればステップS35で、複数の最大サイズの顔情報のうち位置が撮像面中央に最も近い顔情報をAF対象レジスタRGSTafにコピーする。ステップS33またはS35の処理が完了すると、ステップS37に進む。
【0090】
ステップS37ではシャッタボタン28shが半押しされたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS7に戻る一方、判別結果がYESであればステップS39に進む。ステップS39ではAF対象レジスタRGSTafに顔情報の登録があるか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS41の処理を経てステップS45に進み、判別結果がNOであればステップS43の処理を経てステップS45に進む。
【0091】
ステップS41では、L側撮像ブロックのAF評価値のうちAF対象レジスタRGSTafに登録された位置およびサイズに対応するAF評価値に基づいて、AF処理を実行する。この結果、AF処理の対象とされた人物の顔位置に注目した合焦点にフォーカスレンズ12が配置され、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0092】
ステップS43では、L側撮像ブロックのAF評価値のうちシーン中央の既定領域に対応するAF評価値に基づいて、AF処理を実行する。この結果、シーン中央に注目した合焦点にフォーカスレンズ12が配置され、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0093】
ステップS45では、R側撮像ブロックのフォーカス設定をL側撮像ブロックと同一の設定に変更する。この結果、L側撮像ブロックに設定された焦点距離と同一の焦点距離を示すレンズ位置に、フォーカスレンズ52が配置される。
【0094】
ステップS47ではシャッタボタン28shが全押しされたか否かを判別し、判別結果がNOであればシャッタボタン28shが解除されたか否かをステップS49で判別する。ステップS49の判別結果がNOであればステップS47に戻る一方、ステップS49の判別結果がYESであればステップS7に戻る。
【0095】
ステップS47の判別結果がYESであれば、撮像モードが3D記録モードに設定されているか否かをステップS51で判別する。判別結果がYESであればステップS57〜S65の処理を経てステップS7に戻る一方、判別結果がNOであればステップS53およびS55の処理を経てステップS7に戻る。
【0096】
ステップS53では静止画取り込み処理を実行し、ステップS55では記録処理を実行する。シャッタボタン28shが全押しされた時点の1フレームの画像データは、静止画取り込み処理によって第1静止画エリア32fに取り込まれる。取り込まれた1フレームの画像データは、記録処理に関連して起動したI/F40によって第1静止画エリア32fから読み出され、ファイル形式で記録媒体42に記録される。
【0097】
ステップS57では、R側撮像ブロックの露光設定の補正処理を中断するべく、第2顔検出タスクを停止する。ステップS59では、R側撮像ブロックの露光設定をL側撮像ブロックと同一の設定に変更する。したがって、ドライバ18bに設定された絞り量と同一の絞り量がドライバ58bに設定され、ドライバ18cに設定された露光時間と同一の露光時間がドライバ58cに設定される。
【0098】
ステップS61では、L側撮像ブロックおよびR側撮像ブロックの各々の静止画取り込み処理を実行する。この結果、シャッタボタン28shが全押しされた時点の1フレームの第1生画像データおよび第2生画像データは、静止画取り込み処理によって第1静止画エリア32fおよび第2静止画エリア32gにそれぞれ取り込まれる。
【0099】
ステップS63では、3D記録処理を実行する。この結果、3D静止画の記録に対応した形式の1つの静止画ファイルが記録媒体42に作成される。取り込まれた第1生画像データおよび第2生画像データは、3D映像の格納を示す識別コードおよび2つの画像の配置方法等とともに、新規作成された静止画ファイルに記録処理によって記録される。ステップS65では第2顔検出タスクを起動する。
【0100】
図21を参照して、ステップS71では第1顔検出レジスタRGSTdtLを初期化すべく登録内容をクリアし、ステップS73ではフラグFLG_Lを“0”に設定する。
【0101】
ステップS75では、垂直同期信号Vsyncが発生したか否かを繰り返し判別し、判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS77では評価エリアEVA1の全域を顔検出処理の探索エリアとして指定し、ステップS79では第1ワークレジスタRGSTwkLを顔検出処理の検出結果の登録先として指定する。
【0102】
ステップS81では、L側撮像ブロックの顔検出処理を実行する。顔検出処理の完了後、第1ワークレジスタRGSTwkLに顔情報の登録があるか否かをステップS83で判別し、判別結果がNOであればステップS73に戻る一方、判別結果がYESであればステップS85に進む。
【0103】
ステップS85では、第1ワークレジスタRGSTwkLの登録内容を第1顔検出レジスタRGSTdtLにコピーする。ステップS87では人物の顔を発見したことを表明するべくフラグFLG_Lを“1”に設定し、その後にステップS75に戻る。
【0104】
図22を参照して、ステップS91では第2顔検出レジスタRGSTdtRを初期化すべく登録内容をクリアし、ステップS93ではフラグFLG_Rを“0”に設定する。ステップS95では低輝度顔検出レジスタRGSTbr1の登録内容をクリアし、ステップS97では高輝度顔検出レジスタRGSTbr2の登録内容をクリアする。
【0105】
ステップS99では、R側撮像ブロックの露光設定をL側撮像ブロックと同一の設定に変更する。したがって、ドライバ18bに設定された絞り量と同一の絞り量がドライバ58bに設定され、ドライバ18cに設定された露光時間と同一の露光時間がドライバ58cに設定される。
【0106】
ステップS101では、R側撮像ブロックに対応する256個のAE評価値をAE評価回路22から取得する。取得されたAE評価値に基づいて、ステップS103では低輝度領域ARLを抽出し、ステップS105では高輝度領域ARHを抽出する。
【0107】
例えば、閾値以下の輝度を示すブロックが横に2ブロック以上連続しかつ縦に2ブロック以上連続する領域が、低輝度領域ARLとして抽出される。また、閾値以上の輝度を示すブロックが横に2ブロック以上連続しかつ縦に2ブロック以上連続する領域が、高輝度領域ARHとして抽出される。
【0108】
ステップS107では低輝度領域ARLが発見されたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS129に進み、判別結果がYESであればステップS109で変数ELを“1”に設定する。ステップS111では、低輝度露光補正量テーブルTBL_LWに登録されたEL番目の露光補正量に基づいて、R側撮像ブロックの露光設定を高輝度側に補正する。補正後のEV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、第2探索画像データの明るさが高輝度側に補正される。
【0109】
ステップS113では、垂直同期信号Vsyncが発生したか否かを繰り返し判別し、判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS115では低輝度領域ARLを顔検出処理の探索エリアとして指定し、ステップS117では第2ワークレジスタRGSTwkRを顔検出処理の検出結果の登録先として指定する。
【0110】
ステップS119では、低輝度領域ARLでの顔検出処理を実行する。顔検出処理の完了後、第2ワークレジスタRGSTwkRに顔情報の登録があるか否かをステップS121で判別し、判別結果がNOであればステップS125に進む一方、判別結果がYESであればステップS123に進む。
【0111】
ステップS123では第2ワークレジスタRGSTwkRの登録内容を低輝度顔検出レジスタRGSTbr1にコピーし、その後にステップS129に進む。
【0112】
ステップS125では変数ELをインクリメントし、変数ELが“6”を超えたか否かをステップS127で判別する。判別結果がNOであればステップS111に戻る一方、判別結果がYESであればステップS129に進む。
【0113】
ステップS129では高輝度領域ARHが発見されたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS151に進み、判別結果がYESであればステップS131で変数EHを“1”に設定する。ステップS133では、高輝度露光補正量テーブルTBL_HIに登録されたEH番目の露光補正量に基づいて、R側撮像ブロックの露光設定を低輝度側に補正する。補正後のEV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、第2探索画像データの明るさが低輝度側に補正される。
【0114】
ステップS135では、垂直同期信号Vsyncが発生したか否かを繰り返し判別し、判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS137では高輝度領域ARHを顔検出処理の探索エリアとして指定し、ステップS139では第2ワークレジスタRGSTwkRを顔検出処理の検出結果の登録先として指定する。
【0115】
ステップS141では、高輝度領域ARHでの顔検出処理を実行する。顔検出処理の完了後、第2ワークレジスタRGSTwkRに顔情報の登録があるか否かをステップS143で判別し、判別結果がNOであればステップS147に進む一方、判別結果がYESであればステップS145に進む。
【0116】
ステップS145では第2ワークレジスタRGSTwkRの登録内容を高輝度顔検出レジスタRGSTbr2にコピーし、その後にステップS151に進む。
【0117】
ステップS147では変数EHをインクリメントし、変数EHが“6”を超えたか否かをステップS149で判別する。判別結果がNOであればステップS133に戻る一方、判別結果がYESであればステップS151に進む。
【0118】
ステップS151では、低輝度顔検出レジスタRGSTbr1または高輝度顔検出レジスタRGSTbr2に顔情報の登録があるか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS153に進む一方、判別結果がNOであればステップS93に戻る。
【0119】
ステップS153では、低輝度顔検出レジスタRGSTbr1および高輝度顔検出レジスタRGSTbr2の各々の登録内容を第2顔検出レジスタRGSTdtRに統合する。ステップS155では人物の顔画像を発見したことを表明するべくフラグFLG_Rを“1”に設定し、その後にステップS95に戻る。
【0120】
ステップS81,S119,およびS141の顔検出処理は、図26〜27に示すサブルーチンに従って実行される。ステップS161では、顔検出処理の実行時に指定されたレジスタを初期化すべく登録内容をクリアする。
【0121】
ステップS163では顔検出処理の実行時に指定された領域を探索エリアとして設定する。ステップS165では、顔検出枠FDのサイズの可変範囲を定義するべく、最大サイズSZmaxを“200”に設定し、最小サイズSZminを“20”に設定する。
【0122】
ステップS167では顔検出枠FDのサイズを“SZmax”に設定し、ステップS169では顔検出枠FDを探索エリアの左上位置に配置する。ステップS171では、顔検出枠FDに属する一部の探索画像データを第1探索画像エリア32dまたは第2探索画像エリア32eから読み出し、読み出された探索画像データの特徴量を算出する。
【0123】
ステップS173では変数Nを“1”に設定し、ステップS171で算出された特徴量と辞書番号がNである顔辞書FDCの辞書画像の特徴量とをステップS175で照合する。照合の結果、閾値THを超える照合度が得られたか否かをステップS177で判別し、判別結果がNOであればステップS181に進む一方、判別結果がYESであればステップS179の処理を経てステップS181に進む。
【0124】
ステップS179では、現時点の顔検出枠FDの位置およびサイズを顔情報として、指定されたレジスタに登録する。
【0125】
ステップS181では変数Nをインクリメントし、変数Nが“5”を超えたか否かをステップS183で判別する。判別結果がNOであればステップS175に戻る一方、判別結果がYESであれば、顔検出枠FDが探索エリアの右下位置に到達したか否かをステップS185で判別する。
【0126】
ステップS185の判別結果がNOであれば、ステップS187で顔検出枠FDを既定量だけラスタ方向に移動させ、その後にステップS171に戻る。ステップS185の判別結果がYESであれば、顔検出枠FDのサイズが“SZmin”以下であるか否かをステップS189で判別する。ステップS189の判別結果がNOであれば、ステップS191で顔検出枠FDのサイズを“5”だけ縮小させ、ステップS193で顔検出枠FDを探索エリアの左上位置に配置し、その後にステップS171に戻る。ステップS189の判別結果がYESであれば、上階層のルーチンに復帰する。
【0127】
以上の説明から分かるように、イメージセンサ16および56は、共通のシーンを表す画像を各々が出力する。CPU26は、イメージセンサ16および56の一部から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索し、イメージセンサ16および56の他の一部の撮像条件を探索処理が実行された時点の撮像条件と異なる条件に調整する。CPU26はまた、調整処理によって注目されたイメージセンサから出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する処理を調整処理に関連して実行し、探索処理によって探知された部分画像に注目してイメージセンサ16および56の少なくとも一部の撮像条件を調整する。
【0128】
複数のイメージセンサの一部から出力された画像から、既定条件を満足する部分画像が探索される。この探索処理が実行された時点とは異なる条件に他の一部のイメージセンサの撮像条件が調整され、調整処理が施されたイメージセンサから出力された画像から、部分画像の探索が行われる。このようにして各々の探索処理によって発見された部分画像に注目して、イメージセンサの撮像条件が調整される。
【0129】
このため、複数の撮像条件の各々において探索処理が実行されるので、部分画像を漏らすことなく発見でき、発見された部分画像に注目してイメージセンサの撮像条件が調整される。したがって、撮像性能を高めることができる。
【0130】
なお、この実施例では、マルチタスクOSおよびこれによって実行される複数のタスクに相当する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に予め記憶される。しかし、外部サーバに接続するための通信I/F60を図28に示す要領でディジタルカメラ10に設け、一部の制御プログラムを内部制御プログラムとしてフラッシュメモリ44に当初から準備する一方、他の一部の制御プログラムを外部制御プログラムとして外部サーバから取得するようにしてもよい。この場合、上述の動作は、内部制御プログラムおよび外部制御プログラムの協働によって実現される。
【0131】
また、この実施例では、CPU26によって実行される処理を、図17〜20に示す撮像タスク,図21に示す第1顔検出タスク,および図22〜25に示す第2顔検出タスクを含む複数のタスクに区分するようにしている。しかし、これらのタスクをさらに複数の小タスクに区分してもよく、さらには区分された複数の小タスクの一部を他のタスクに統合するようにしてもよい。また、転送タスクを複数の小タスクに区分する場合、その全部または一部を外部サーバから取得するようにしてもよい。
【0132】
また、この実施例では、2つのイメージセンサをそれぞれ含む2つの撮像ブロックを設けて、各々の撮像ブロックの出力に基づいて探索処理を実行するようにした。しかし、1または2以上の撮像ブロックをさらに設けて、追加された撮像ブロックの露光設定を補正した上で探索処理を実行するようにしてもよい。
【0133】
また、この実施例では、ディジタルスチルカメラを用いて説明したが、本発明は、ディジタルビデオカメラ,携帯電話端末またはスマートフォンなどにも適用することができる。
【符号の説明】
【0134】
10 …ディジタルカメラ
14 …絞りユニット
16 …イメージセンサ
22 …AE評価回路
26 …CPU
32 …SDRAM
44 …フラッシュメモリ
54 …絞りユニット
56 …イメージセンサ
100 …第1撮像ブロック
500 …第2撮像ブロック
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子カメラに関し、特に特定物体像に符合する画像を指定画像から探索する、電子カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
この種のカメラの一例が、特許文献1に開示されている。この背景技術によれば、撮像装置で撮像された顔画像から顔の領域が顔領域検出部によって検出される。検出された顔の領域の画像が認識処理に適しているか否かが判定され、認識処理に適していないと判定された場合、認識処理に最適な画像となるように露出量が決定される。即ち、顔領域画像の画素値のヒストグラムと基準画像の画素値のヒストグラムとの誤差が所定内となるように露出量が決定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−251558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、背景技術では、認識処理に最適な露出量は、顔領域検出部によって検出された顔の領域に基づいて決定される。このため、顔領域検出部によって検出されなかった領域に顔画像が含まれる場合、顔画像に対して撮像条件を適切に調整できず、撮像性能が低下する恐れがある。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、撮像性能を高めることができる、電子カメラを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に従う電子カメラ(10:実施例で相当する参照符号。以下同じ)は、共通のシーンを表す画像を各々が出力する複数の撮像手段(16, 56)、複数の撮像手段の一部から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する第1探索手段(S81)、複数の撮像手段の他の一部の撮像条件を第1探索手段の処理が実行された時点の撮像条件と異なる条件に調整する第1調整手段(S109~S111, S125~S127, S131~S133, S147~S149)、第1調整手段によって注目された撮像手段から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する処理を第1調整手段の処理に関連して実行する第2探索手段(S119, S141)、および第1探索手段および/または第2探索手段によって探知された部分画像に注目して複数の撮像手段の少なくとも一部の撮像条件を調整する第2調整手段(S29, S41)を備える。
【0007】
好ましくは、第1調整手段によって調整される撮像条件は露光量を含む。
【0008】
好ましくは、第1調整手段は、第1探索手段の処理が実行された時点の撮像条件を定義する撮像設定値と異なる複数の撮像設定値を順に選択する撮像設定値選択手段(S109, S125, S131, S147)、および撮像設定値選択手段によって選択された撮像設定値に従って複数の撮像手段の他の一部の撮像条件を調整する調整実行手段(S111, S133)を含み、第2探索手段は撮像設定値選択手段の選択毎に探索処理を実行する。
【0009】
好ましくは、複数の撮像手段の他の一部から出力された画像から既定範囲外の輝度を示す特定領域を探索する領域探索手段(S99~S105)をさらに備え、第1調整手段は領域探索手段の探知に関連して調整処理を実行する。
【0010】
好ましくは、領域探索手段は、第1閾値を下回る輝度を示す領域を抽出する第1領域抽出手段(S103)、および第1閾値よりも高い第2閾値を上回る輝度を示す領域を抽出する第2領域抽出手段(S105)、を含み、第1調整手段は、第1領域抽出手段の処理に関連して複数の撮像手段の他の一部の露光量を高輝度側に調整する高輝度調整手段(S109~S111, S125~S127)、および第2領域抽出手段の処理に関連して複数の撮像手段の他の一部の露光量を低輝度側に調整する低輝度調整手段(S131~S133, S147~S149)を含む。
【0011】
好ましくは、第2調整手段によって調整される撮像条件は露光量および/またはフォーカス設定を含む。
【0012】
好ましくは、第2調整手段によって注目された撮像手段から出力された画像を記録する記録手段(S53~S55, S59~S63)をさらに備える。
【0013】
好ましくは、記録手段は複数の撮像手段のうち第2調整手段によって注目された撮像手段を含む2以上の撮像手段からそれぞれ出力された2以上の画像を記録する。
【0014】
好ましくは、部分画像は人物の顔画像に相当する。
【0015】
この発明に従う撮像制御プログラムは、共通のシーンを表す画像を各々が出力する複数の撮像手段(16, 56)を備える電子カメラ(10)のプロセッサ(26)に、複数の撮像手段の一部から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する第1探索ステップ(S81)、複数の撮像手段の他の一部の撮像条件を第1探索ステップの処理が実行された時点の撮像条件と異なる条件に調整する第1調整ステップ(S109~S111, S125~S127, S131~S133, S147~S149)、第1調整ステップによって注目された撮像手段から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する処理を第1調整ステップの調整処理に関連して実行する第2探索ステップ(S119, S141)、および第1探索ステップおよび/または第2探索ステップによって探知された部分画像に注目して複数の撮像手段の少なくとも一部の撮像条件を調整する第2調整ステップ(S29, S41)を実行させるための、撮像制御プログラムである。
【0016】
この発明に従う撮像制御方法は、共通のシーンを表す画像を各々が出力する複数の撮像手段(16, 56)を備える電子カメラによって実行される撮像制御方法であって、複数の撮像手段の一部から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する第1探索ステップ(S81)、複数の撮像手段の他の一部の撮像条件を第1探索ステップの処理が実行された時点の撮像条件と異なる条件に調整する第1調整ステップ(S109~S111, S125~S127, S131~S133, S147~S149)、第1調整ステップによって注目された撮像手段から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する処理を第1調整ステップの調整処理に関連して実行する第2探索ステップ(S119, S141)、および第1探索ステップおよび/または第2探索ステップによって探知された部分画像に注目して複数の撮像手段の少なくとも一部の撮像条件を調整する第2調整ステップ(S29, S41)を備える。
【0017】
この発明に従う外部制御プログラムは、共通のシーンを表す画像を各々が出力する複数の撮像手段(16, 56)、およびメモリ(44)に保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサ(26)を備える電子カメラ(10)に供給される外部制御プログラムであって、複数の撮像手段の一部から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する第1探索ステップ(S81)、複数の撮像手段の他の一部の撮像条件を第1探索ステップの処理が実行された時点の撮像条件と異なる条件に調整する第1調整ステップ(S109~S111, S125~S127, S131~S133, S147~S149)、第1調整ステップによって注目された撮像手段から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する処理を第1調整ステップの調整処理に関連して実行する第2探索ステップ(S119, S141)、および第1探索ステップおよび/または第2探索ステップによって探知された部分画像に注目して複数の撮像手段の少なくとも一部の撮像条件を調整する第2調整ステップ(S29, S41)を内部制御プログラムと協働してプロセッサに実行させるための、外部制御プログラムである。
【0018】
この発明に従う電子カメラ(10)は、共通のシーンを表す画像を各々が出力する複数の撮像手段(16, 56)、外部制御プログラムを受信する受信手段(60)、および受信手段によって受信された外部制御プログラムとメモリ(44)に保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサ(26)を備える電子カメラ(10)であって、外部制御プログラムは、複数の撮像手段の一部から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する第1探索ステップ(S81)、複数の撮像手段の他の一部の撮像条件を第1探索ステップの処理が実行された時点の撮像条件と異なる条件に調整する第1調整ステップ(S109~S111, S125~S127, S131~S133, S147~S149)、第1調整ステップによって注目された撮像手段から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する処理を第1調整ステップの調整処理に関連して実行する第2探索ステップ(S119, S141)、および第1探索ステップおよび/または第2探索ステップによって探知された部分画像に注目して複数の撮像手段の少なくとも一部の撮像条件を調整する第2調整ステップ(S29, S41)を内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する。
【発明の効果】
【0019】
複数の撮像手段の一部から出力された画像から、既定条件を満足する部分画像が探索される。この探索処理が実行された時点とは異なる条件に他の一部の撮像手段の撮像条件が調整され、調整処理が施された撮像手段から出力された画像から、部分画像の探索が行われる。このようにして各々の探索処理によって発見された部分画像に注目して、撮像手段の撮像条件が調整される。
【0020】
このため、複数の撮像条件の各々において探索処理が実行されるので、部分画像を漏らすことなく発見でき、発見された部分画像に注目して撮像手段の撮像条件が調整される。したがって、撮像性能を高めることができる。
【0021】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明の一実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の一実施例のカメラの外観の一部を示す図解図である。
【図4】図2実施例に適用されるSDRAMのマッピング状態の一例を示す図解図である。
【図5】撮像面における評価エリアの割り当て状態の一例を示す図解図である。
【図6】顔検出処理において用いられる顔検出枠の一例を示す図解図である。
【図7】図2実施例で参照される顔辞書の構成の一例を示す図解図である。
【図8】顔検出処理の一部を示す図解図である。
【図9】図2実施例において参照されるレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図10】図2実施例において参照される他のレジスタの構成の一例を示す図解図である。
【図11】図2実施例において参照されるテーブルの構成の一例を示す図解図である。
【図12】図2実施例において参照される他のテーブルの構成の一例を示す図解図である。
【図13】モニタ画面に表示された画像の一例を示す図解図である。
【図14】モニタ画面に表示された画像の他の一例を示す図解図である。
【図15】モニタ画面に表示された画像のその他の一例を示す図解図である。
【図16】モニタ画面に表示された画像のさらにその他の一例を示す図解図である。
【図17】図2実施例に適用されるCPUの動作の一部を示すフロー図である。
【図18】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図19】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図20】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図21】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図22】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図23】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図24】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図25】図2実施例に適用されるCPUの動作のその他の一部を示すフロー図である。
【図26】図2実施例に適用されるCPUの動作のさらにその他の一部を示すフロー図である。
【図27】図2実施例に適用されるCPUの動作の他の一部を示すフロー図である。
【図28】この発明の他の実施例の基本的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
[基本的構成]
【0024】
図1を参照して、この実施例の電子カメラは、基本的に次のように構成される。複数の撮像手段1は、共通のシーンを表す画像を各々が出力する。第1探索手段2は、複数の撮像手段1の一部から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する。第1調整手段3は、複数の撮像手段1の他の一部の撮像条件を第1探索手段2の処理が実行された時点の撮像条件と異なる条件に調整する。第2探索手段4は、第1調整手段3によって注目された撮像手段から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する処理を第1調整手段3の処理に関連して実行する。第2調整手段5は、第1探索手段2および/または第2探索手段4によって探知された部分画像に注目して複数の撮像手段1の少なくとも一部の撮像条件を調整する。
[実施例]
【0025】
図2を参照して、この実施例のディジタルカメラ10は、ドライバ18aおよび18bによってそれぞれ駆動されるフォーカスレンズ12および絞りユニット14を含む。これらの部材を経たシーンの光学像は、ドライバ18cによって駆動されるイメージセンサ16の撮像面に照射され、光電変換を施される。また、フォーカスレンズ12,絞りユニット14,イメージセンサ16,およびドライバ18a〜18cは、第1撮像ブロック100を構成する。
【0026】
ディジタルカメラ10にはまた、イメージセンサ16によって捉えられたシーンと共通のシーンを捉えるために、フォーカスレンズ52,絞りユニット54,およびイメージセンサ56が設けられている。フォーカスレンズ52および絞りユニット54を経たシーンの光学像は、ドライバ58cによって駆動されるイメージセンサ56の撮像面に照射され、光電変換を施される。また、フォーカスレンズ52,絞りユニット54,イメージセンサ56,およびドライバ58a〜58cは、第2撮像ブロック500を構成する。
【0027】
これらの部材によって、イメージセンサ16によって捉えられたシーンに対応した電荷およびイメージセンサ56によって捉えられたシーンに対応した電荷が生成される。
【0028】
図3を参照して、第1撮像ブロック100および第2撮像ブロック500は、ディジタルカメラ10の筐体CB1の前面に固定的に設けられる。第1撮像ブロック100は筐体CB1の前方に向かって左側に位置し、第2撮像ブロック500は筐体CB1の前方に向かって右側に位置する。以下、第1撮像ブロック100を“L側撮像ブロック”と称し、第2撮像ブロック500を“R側撮像ブロック”と称する。
【0029】
L側撮像ブロックおよびR側撮像ブロックはそれぞれ光軸AX_LおよびAX_Rを有し、筐体CB1の底面から光軸AX_Lまでの距離(=H_L)は筐体CB1の底面から光軸AX_Rまでの距離(=H_R)と一致する。また、水平方向における光軸AX_LおよびAX_Rの間隔(=B)は、人間の両目の間隔を考慮して6cm程度に設定される。さらに、L側撮像ブロックおよびR側撮像ブロックは、共通の倍率を有する。
【0030】
このようなディジタルカメラ10は、3D(three dimensional)静止画像を記録するための3D記録モードおよび2D(two dimensional)静止画像を記録するための通常記録モードからなる2つの撮像モードを有する。操作者によるキー入力装置28の操作によって2つの撮像モードの各々が相互に切り替えられる。
【0031】
電源が投入されると、CPU26は、動画取り込み処理を実行するべく、撮像タスクの下で露光動作および電荷読み出し動作の繰り返しをドライバ18cおよび58cの各々に命令する。ドライバ18cおよび58cは、図示しないSG(Signal Generator)から周期的に発生する垂直同期信号Vsyncに応答して、イメージセンサ16および56の撮像面をそれぞれ露光し、かつイメージセンサ16および56の撮像面で生成された電荷をラスタ走査態様でそれぞれ読み出す。イメージセンサ16からは読み出された電荷に基づく第1生画像データが周期的に出力され、イメージセンサ56からは読み出された電荷に基づく第2生画像データが周期的に出力される。
【0032】
前処理回路20は、イメージセンサ16および56からそれぞれ出力された第1生画像データおよび第2生画像データの各々にディジタルクランプ,画素欠陥補正,ゲイン制御などの処理を施す。これらの処理を施された第1生画像データおよび第2生画像データは、メモリ制御回路30を通して図4に示すSDRAM32の第1生画像エリア32aおよび第2生画像エリア32bにそれぞれ書き込まれる。
【0033】
後処理回路34は、第1生画像エリア32aに格納された第1生画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された第1生画像データに色分離処理,白バランス調整処理およびYUV変換処理を施す。後処理回路34はさらに、YUV形式に従う画像データに対して表示用のズーム処理と探索用のズーム処理とを並列的に実行する。この結果、YUV形式に従う表示画像データおよび第1探索画像データが個別に作成される。表示画像データは、メモリ制御回路30によって図4に示すSDRAM32の表示画像エリア32cに書き込まれる。第1探索画像データは、メモリ制御回路30によって図4に示すSDRAM32の第1探索画像エリア32dに書き込まれる。
【0034】
後処理回路34はまた、第2生画像エリア32bに格納された第2生画像データをメモリ制御回路30を通して読み出し、読み出された第2生画像データに色分離処理,白バランス調整処理およびYUV変換処理を施す。後処理回路34はさらに、YUV形式に従う画像データに対して探索用のズーム処理を実行する。この結果、YUV形式に従う第2探索画像データが作成される。第2探索画像データは、メモリ制御回路30によって図4に示すSDRAM32の第2探索画像エリア32eに書き込まれる。
【0035】
LCDドライバ36は、表示画像エリア32cに格納された表示画像データをメモリ制御回路30を通して繰り返し読み出し、読み出された画像データに基づいてLCDモニタ38を駆動する。この結果、シーンを表すリアルタイム動画像(スルー画像)がモニタ画面に表示される。
【0036】
図5を参照して、イメージセンサ16および56の撮像面の中央には評価エリアEVA1およびEVA2がそれぞれ割り当てられる。評価エリアEVA1およびEVA2の各々は水平方向および垂直方向の各々において16分割され、256個の分割エリアが評価エリアEVA1およびEVA2の各々を形成する。また、図2に示す前処理回路20は、上述した処理に加えて、第1生画像データおよび第2生画像データの各々を簡易的にRGBデータに変換する簡易RGB変換処理を実行する。この結果、L側撮像ブロックに対応した第1RGBデータおよびR側撮像ブロックに対応した第2RGBデータの各々が前処理回路20から出力される。
【0037】
AE評価回路22は、第1RGBデータのうち評価エリアEVA1に属するRGBデータおよび第2RGBデータのうち評価エリアEVA2に属するRGBデータの各々を、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、L側撮像ブロックに対応する256個の積分値およびR側撮像ブロックに対応する256個の積分値、つまりL側撮像ブロックに対応する256個のAE評価値およびR側撮像ブロックに対応する256個のAE評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAE評価回路22から出力される。
【0038】
AF評価回路24は、前処理回路20によって生成された第1RGBデータのうち評価エリアEVA1に属するRGBデータの高周波成分を、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に積分する。これによって、256個の積分値つまり256個のAF評価値が、垂直同期信号Vsyncに応答してAF評価回路24から出力される。こうして得られたAE評価値およびAF評価値に基づく処理については、後述する。
【0039】
撮像タスクと並列して実行される第1顔検出タスクの下で、CPU26は、第1顔検出レジスタRGSTdtLを初期化すべく登録内容をクリアし、フラグFLG_Lを“0”に初期設定する。CPU26は次に、第1探索画像エリア32dに格納された第1探索画像データから人物の顔画像を探索するべく、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に顔検出処理を実行する。なお、第1顔検出タスクの下で実行される顔検出処理では、評価エリアEVA1の全域が探索エリアとして指定され、第1ワークレジスタRGSTwkLが検出結果の登録先として指定される。
【0040】
顔検出処理では、図6に示す要領でサイズが調整される顔検出枠FDと図7に示す5つの辞書画像(=向きが互いに異なる顔画像)を収めた顔辞書FDCとが用いられる。なお、顔辞書FDCはフラッシュメモリ44に保存される。また、顔検出枠FDのサイズの可変範囲を定義するべく、最大サイズSZmaxが“200”に設定され、最小サイズSZminが“20”に設定される。
【0041】
顔検出枠FDは、探索エリアの開始位置(左上位置)から終了位置(右下位置)に向かって、ラスタ走査態様で既定量ずつ移動される(図8参照)。また、顔検出枠FDのサイズは、顔検出枠FDが終了位置に到達する毎に“SZmax”から“SZmin”まで“5”ずつ縮小される。
【0042】
顔検出枠FDに属する一部の第1探索画像データは、メモリ制御回路30を通して第1探索画像エリア32dから読み出される。読み出された画像データの特徴量は、顔辞書FDCに収められた5つの辞書画像の各々の特徴量と照合される。閾値THを超える照合度が得られると、顔画像が検出されたものとみなされる。現時点の顔検出枠FDの位置およびサイズは、顔情報として図9に示す第1ワークレジスタRGSTwkLに登録される。
【0043】
顔検出処理の完了後に第1ワークレジスタRGSTwkLに顔情報の登録があったときは、第1ワークレジスタRGSTwkの登録内容が、図9に示す第1顔検出レジスタRGSTdtLにコピーされる。また、CPU26は、人物の顔画像を発見したことを表明するべくフラグFLG_Lを“1”に設定する。
【0044】
なお、顔検出処理の完了後に第1顔検出レジスタRGSTdtLに顔情報の登録がなかった場合、すなわち人物の顔が発見されなかった場合は、CPU26は、人物の顔が未発見であることを表明するべくフラグFLG_Lを“0”に設定する。
【0045】
撮像タスクおよび第1顔検出タスクと並列して実行される第2顔検出タスクの下で、CPU26は、第2顔検出レジスタRGSTdtR,低輝度顔検出レジスタRGSTbr1,および高輝度顔検出レジスタRGSTbr2を初期化すべく登録内容をクリアし、フラグFLG_Rを“0”に初期設定する。
【0046】
CPU26は次に、R側撮像ブロックの露光設定をL側撮像ブロックと同一の設定に変更する。したがって、CPU26は、ドライバ18bに設定された絞り量と同一の絞り量をドライバ58bに設定し、ドライバ18cに設定された露光時間と同一の露光時間をドライバ58cに設定する。
【0047】
露光設定の変更が完了すると、CPU26は、R側撮像ブロックに対応する256個のAE評価値をAE評価回路22から取得する。CPU26は次に、取得されたAE評価値に基づいて低輝度領域ARLおよび高輝度領域ARHを抽出する。
【0048】
例えば、閾値以下の輝度を示すブロックが横に2ブロック以上連続しかつ縦に2ブロック以上連続する領域が、低輝度領域ARLとして抽出される。また、閾値以上の輝度を示すブロックが横に2ブロック以上連続しかつ縦に2ブロック以上連続する領域が、高輝度領域ARHとして抽出される。
【0049】
低輝度領域ARLが発見された場合は、CPU26は、抽出された低輝度領域ARLを探索エリアとして、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に顔検出処理を実行する。なお、図9に示す第2ワークレジスタRGSTwkRが、検出結果の登録先として指定される。
【0050】
低輝度領域ARLにおける顔検出処理では、図11に示す低輝度露光補正量テーブルTBL_LWが用いられる。低輝度露光補正量テーブルTBL_LWには、図11に示すように1番目から6番目に向けて高輝度側に補正量が大きくなる6種類の露光補正量が登録される。なお、低輝度露光補正量テーブルTBL_LWは、フラッシュメモリ44に保存される。
【0051】
CPU26は次に、低輝度露光補正量テーブルTBL_LWに登録された6種類の露光補正量の各々に基づいて、R側撮像ブロックの露光設定を補正する。補正後のEV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ58bおよび58cにそれぞれ設定される。この結果、第2探索画像データの明るさが高輝度側に補正される。このような各々の補正が完了して垂直同期信号Vsyncが発生する毎に、前述と同様の顔検出処理が実行される。
【0052】
1回の顔検出処理が完了する毎に第2ワークレジスタRGSTwkRに顔情報が登録されたか否かが判別され、第2ワークレジスタRGSTwkRに顔情報の登録があったときは、低輝度領域ARLにおける顔検出処理は終了する。また、第2ワークレジスタRGSTwkRの登録内容が、図9に示す低輝度顔検出レジスタRGSTbr1にコピーされる。
【0053】
高輝度領域ARHが発見された場合は、CPU26は、抽出された高輝度領域ARHを探索エリアとして、垂直同期信号Vsyncが発生する毎に顔検出処理を実行する。なお、第2ワークレジスタRGSTwkRが、検出結果の登録先として指定される。
【0054】
高輝度領域ARHにおける顔検出処理では、図12に示す高輝度露光補正量テーブルTBL_HIが用いられる。高輝度露光補正量テーブルTBL_HIには、図12に示すように1番目から6番目に向けて低輝度側に補正量が大きくなる6種類の露光補正量が登録される。なお、高輝度露光補正量テーブルTBL_HIは、フラッシュメモリ44に保存される。
【0055】
CPU26は次に、高輝度露光補正量テーブルTBL_HIに登録された6種類の露光補正量の各々に基づいて、R側撮像ブロックの露光設定を補正する。補正後のEV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ58bおよび58cにそれぞれ設定される。この結果、第2探索画像データの明るさが低輝度側に補正される。このような各々の補正が完了して垂直同期信号Vsyncが発生する毎に、前述と同様の顔検出処理が実行される。
【0056】
1回の顔検出処理が完了する毎に第2ワークレジスタRGSTwkRに顔情報が登録されたか否かが判別され、第2ワークレジスタRGSTwkRに顔情報の登録があったときは、高輝度領域ARHにおける顔検出処理は終了する。また、第2ワークレジスタRGSTwkRの登録内容が、図9に示す高輝度顔検出レジスタRGSTbr2にコピーされる。
【0057】
高輝度領域ARHまたは低輝度領域ARLにおける顔検出処理の完了後に、低輝度顔検出レジスタRGSTbr1または高輝度顔検出レジスタRGSTbr2に顔情報の登録があったときは、各々の登録内容が第2顔検出レジスタRGSTdtRに統合される。また、CPU26は、人物の顔画像を発見したことを表明するべくフラグFLG_Rを“1”に設定する。
【0058】
シャッタボタン28shが非操作状態のとき、CPU26は、撮像タスクの下で以下の処理を実行する。フラグFLG_Lが“1”を示すとき、第1顔検出レジスタRGSTdtLの登録内容が、図9に示すAE対象レジスタRGSTaeにコピーされる。
【0059】
ここで、第2顔検出レジスタRGSTdtRに登録された顔位置は、R側撮像ブロックで捉えられたシーンにおける位置を示す。フラグFLG_Rが“1”を示すとき、CPU26は、このような第2顔検出レジスタRGSTdtRに登録された顔位置を、L側撮像ブロックで捉えられたシーンにおける位置に補正する。顔位置の補正量は、L側撮像ブロックの光軸AX_LおよびR側撮像ブロックの光軸AX_Rの間隔および補正対象の顔位置に対応する顔サイズに基づいて、決定される。
【0060】
顔位置が補正された第2顔検出レジスタRGSTdtRの登録内容は、AE対象レジスタRGSTaeに統合される。このとき、補正後の第2顔検出レジスタRGSTdtRの顔情報のうち既にAE対象レジスタRGSTaeに登録済みの顔情報のいずれかと位置およびサイズが一致するものは、登録済みの顔情報と同一の顔を示す。したがって、このような顔情報は、AE対象レジスタRGSTaeに新たに登録されない。
【0061】
このような処理を経た結果、AE対象レジスタRGSTaeに顔情報の登録がなかったとき、CPU26は、第1RGBデータに対応してAE評価回路22から出力されたAE評価値に基づく簡易AE処理をL側撮像ブロックに対して実行し、適正EV値を算出する。簡易AE処理は動画取り込み処理と並列して実行され、算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。
【0062】
AE対象レジスタRGSTaeに顔情報が登録されると、CPU26は、AE対象レジスタRGSTaeの登録内容を参照して、顔枠HFの表示をグラフィックジェネレータ46に要求する。グラフィックジェネレータ46は、顔枠HFを表すグラフィック情報をLCDドライバ36に向けて出力する。この結果、図13,14,および16を参照して、スルー画像上の顔画像の位置およびサイズに適合する態様で、顔枠HFがLCDモニタ38に表示される。
【0063】
AE対象レジスタRGSTaeに顔情報が登録されるとまた、CPU26は、第1RGBデータに対応してAE評価回路22から出力されたAE評価値のうち、AE対象レジスタRGSTaeに登録された位置およびサイズに対応するAE評価値を抽出する。CPU26は、抽出された一部のAE評価値に基づく厳格AE処理をL側撮像ブロックに対して実行する。厳格AE処理によって算出された最適EV値を定義する絞り量および露光時間は、ドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、スルー画像の明るさが、AE対象レジスタRGSTaeに登録された位置、つまり第1顔検出タスクおよび第2顔検出タスクによって検出された顔位置に相当するシーンの一部に注目した明るさに調整される。
【0064】
図13を参照して、第1顔検出タスクの下で実行される顔検出処理によって人物HM1の顔画像が発見され、顔情報がAE対象レジスタRGSTaeに登録されたので、顔枠HF1がLCDモニタ38に表示される。しかし、R側撮像ブロックの露光設定の補正処理が第2顔検出タスクの下で実行される前においては、ビル陰等によって生じた低輝度領域ARLに存在する人物HM2の顔画像は発見されない。
【0065】
しかし、図14を参照して、R側撮像ブロックの露光設定が高輝度側に補正されると、第2顔検出タスクの下で実行される顔検出処理によって人物HM2の顔画像が発見される。これによって、人物HM2の顔情報がAE対象レジスタRGSTaeに登録されるので、顔枠HF2が顔枠HF1とともにLCDモニタ38に表示される。
【0066】
図15を参照して、L側撮像ブロックおよびR側撮像ブロックの各々によって捉えられたシーンの中に人物HM3が存在する場合であっても、日光や水面からの反射光等によって生じた高輝度領域ARHに人物HM3の位置が含まれる場合、人物HM3の顔画像は、第1顔検出タスクの下で実行される顔検出処理によって発見されない。
【0067】
しかし、図16を参照して、R側撮像ブロックの露光設定が低輝度側に補正されると、第2顔検出タスクの下で実行される顔検出処理によって人物HM3の顔画像が発見される。これによって、人物HM3の顔情報がAE対象レジスタRGSTaeに登録されるので、顔枠HF3がLCDモニタ38に表示される。
【0068】
AE対象レジスタRGSTaeに顔情報が登録されるとまた、CPU26は、AE対象レジスタRGSTaeに登録された位置およびサイズによって示される領域の中からAF対象領域を決定する。AE対象レジスタRGSTaeに1つの顔情報が登録されている場合、CPU26は、登録された位置およびサイズによって示される領域をAF対象領域とする。AE対象レジスタRGSTaeに複数の顔情報が登録されている場合、CPU26は、サイズが最も大きい顔情報によって示される領域をAF対象領域とする。最大サイズを示す複数の顔情報が登録されている場合、CPU26は、これらの顔情報によって示される領域のうちシーン中央に最も近い領域をAF対象領域とする。AF対象領域とされた顔情報の位置およびサイズは、図10に示すAF対象レジスタRGSTafに登録される。
【0069】
シャッタボタン28shが半押しされると、CPU26はL側撮像ブロックに対してAF処理を実行する。AF対象レジスタRGSTafに顔情報の登録がなかったとき、すなわち顔画像が検出されていないとき、CPU26は、第1RGBデータに対応してAF評価回路24から出力された256個のAF評価値のうち、シーン中央の既定領域に対応するAF評価値を抽出する。CPU26は、抽出された一部のAF評価値に基づくAF処理を実行する。この結果、シーン中央に注目した合焦点にフォーカスレンズ12が配置され、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0070】
AF対象レジスタRGSTafに顔情報が登録されたとき、すなわち顔画像が検出されたとき、CPU26は、AF対象領域に注目したAF処理を実行する。CPU26は、AF評価回路24から出力された256個のAF評価値のうち、AF対象レジスタRGSTafに登録された位置およびサイズに対応するAF評価値を抽出する。CPU26は、抽出された一部のAF評価値に基づくAF処理を実行する。この結果、AF対象領域に注目した合焦点にフォーカスレンズ12が配置され、スルー画像におけるAF対象領域の鮮鋭度が向上する。
【0071】
L側撮像ブロックに対するAF処理が完了すると、CPU26は、R側撮像ブロックのフォーカス設定をL側撮像ブロックと同一の設定に変更する。したがって、CPU26はフォーカスレンズ52の移動をドライバ58aに命令し、ドライバ58aは、L側撮像ブロックに設定された焦点距離と同一の焦点距離を示すレンズ位置にフォーカスレンズ52を配置する。
【0072】
撮像モードが通常記録モードに設定されていた場合、シャッタボタン28shが全押しされると、CPU26は、撮像タスクの下でL側撮像ブロックの静止画取り込み処理および記録処理を実行する。シャッタボタン28shが全押しされた時点の1フレームの第1生画像データは、静止画取り込み処理によって図4に示すSDRAM32の第1静止画エリア32fに取り込まれる。取り込まれた1フレームの第1生画像データは、記録処理に関連して起動したI/F40によって第1静止画エリア32fから読み出され、ファイル形式で記録媒体42に記録される。
【0073】
撮像モードが3D記録モードに設定されていた場合、シャッタボタン28shが全押しされると、R側撮像ブロックの露光設定の補正処理を中断するべくCPU26は、第2顔検出タスクを一旦停止する。
【0074】
CPU26は次に、R側撮像ブロックの露光設定をL側撮像ブロックと同一の設定に変更する。したがって、CPU26は、ドライバ18bに設定された絞り量と同一の絞り量をドライバ58bに設定し、ドライバ18cに設定された露光時間と同一の露光時間をドライバ58cに設定する。
【0075】
R側撮像ブロックの露光設定の変更が完了すると、CPU26は、撮像タスクの下でL側撮像ブロックおよびR側撮像ブロックの各々の静止画取り込み処理と3D記録処理とを実行する。シャッタボタン28shが全押しされた時点の1フレームの第1生画像データおよび第2生画像データは、静止画取り込み処理によって第1静止画エリア32fおよび図4に示すSDRAM32の第2静止画エリア32gにそれぞれ取り込まれる。
【0076】
また、3D記録処理によって、3D静止画の記録に対応した形式の1つの静止画ファイルが記録媒体42に作成される。取り込まれた第1生画像データおよび第2生画像データは、3D映像の格納を示す識別コード,2つの画像の配置方法等とともに、新規作成された静止画ファイルに記録処理によって記録される。3D記録処理が完了すると、CPU26は、第2顔検出タスクを再起動する。
【0077】
CPU26は、図17〜20に示す撮像タスク,図21に示す第1顔検出タスク,および図22〜25に示す第2顔検出タスクを含む複数のタスクを並列的に実行する。なお、これらのタスクに対応する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に記憶される。
【0078】
図17を参照して、ステップS1では動画取り込み処理を実行する。この結果、シーンを表すスルー画像がLCDモニタ38に表示される。ステップS3では第1顔検出タスクを起動し、ステップS5では第2顔検出タスクを起動する。
【0079】
ステップS7ではAE対象レジスタRGSTaeの登録内容をクリアし、ステップS9ではAF対象レジスタRGSTafの登録内容をクリアする。
【0080】
ステップS11ではフラグFLG_Lが“1”に設定されているか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS15に進む一方、判別結果がYESであればステップS13で第1顔検出レジスタRGSTdtLの登録内容をAE対象レジスタRGSTaeにコピーする。
【0081】
ステップS15ではフラグFLG_Rが“1”に設定されているか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS21に進む一方、判別結果がYESであればステップS17およびS19の処理を経てステップS21に進む。
【0082】
ステップS17では、第2顔検出レジスタRGSTdtRに登録された顔位置を、L側撮像ブロックで捉えられたシーンにおける位置に補正する。顔位置の補正量は、L側撮像ブロックの光軸AX_LおよびR側撮像ブロックの光軸AX_Rの間隔および補正対象の顔位置に対応する顔サイズに基づいて、決定される。ステップS19では、ステップS17で顔位置が補正された第2顔検出レジスタRGSTdtRの登録内容を、AE対象レジスタRGSTaeに統合する。
【0083】
ステップS21ではAE対象レジスタRGSTaeに顔情報の登録があるか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS27に進む一方、判別結果がNOであればステップS23およびS25の処理を経てステップS37に進む。
【0084】
ステップS23では顔枠HFの非表示をグラフィックジェネレータ46に要求する。この結果、LCDモニタ38に表示された顔枠HFは非表示とされる。
【0085】
ステップS25では、L側撮像ブロックの簡易AE処理を実行する。簡易AE処理によって算出された適正EV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、スルー画像の明るさが適度に調整される。
【0086】
ステップS27では、AE対象レジスタRGSTaeの登録内容を参照して、顔枠HFの表示をグラフィックジェネレータ46に要求する。この結果、第1顔検出タスクおよび第2顔検出タスクの下で検出された顔画像の位置およびサイズに適合する態様で、顔枠HFがLCDモニタ38に表示される。
【0087】
ステップS29では、AE対象レジスタRGSTaeに登録された位置およびサイズに対応した厳格AE処理を実行する。厳格AE処理によって算出された最適EV値を定義する絞り量および露光時間は、ドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、スルー画像の明るさが、AE対象レジスタRGSTaeに登録された位置、つまり第1顔検出タスクおよび第2顔検出タスクによって検出された顔位置に相当するシーンの一部に注目した明るさに調整される。
【0088】
ステップS31では、AE対象レジスタRGSTaeに登録された顔情報のうちサイズが最も大きい顔情報が複数あるか否かを判別する。判別結果がNOであればステップS33で、サイズが最も大きい顔情報をAF対象レジスタRGSTafにコピーする。
【0089】
判別結果がYESであればステップS35で、複数の最大サイズの顔情報のうち位置が撮像面中央に最も近い顔情報をAF対象レジスタRGSTafにコピーする。ステップS33またはS35の処理が完了すると、ステップS37に進む。
【0090】
ステップS37ではシャッタボタン28shが半押しされたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS7に戻る一方、判別結果がYESであればステップS39に進む。ステップS39ではAF対象レジスタRGSTafに顔情報の登録があるか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS41の処理を経てステップS45に進み、判別結果がNOであればステップS43の処理を経てステップS45に進む。
【0091】
ステップS41では、L側撮像ブロックのAF評価値のうちAF対象レジスタRGSTafに登録された位置およびサイズに対応するAF評価値に基づいて、AF処理を実行する。この結果、AF処理の対象とされた人物の顔位置に注目した合焦点にフォーカスレンズ12が配置され、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0092】
ステップS43では、L側撮像ブロックのAF評価値のうちシーン中央の既定領域に対応するAF評価値に基づいて、AF処理を実行する。この結果、シーン中央に注目した合焦点にフォーカスレンズ12が配置され、スルー画像の鮮鋭度が向上する。
【0093】
ステップS45では、R側撮像ブロックのフォーカス設定をL側撮像ブロックと同一の設定に変更する。この結果、L側撮像ブロックに設定された焦点距離と同一の焦点距離を示すレンズ位置に、フォーカスレンズ52が配置される。
【0094】
ステップS47ではシャッタボタン28shが全押しされたか否かを判別し、判別結果がNOであればシャッタボタン28shが解除されたか否かをステップS49で判別する。ステップS49の判別結果がNOであればステップS47に戻る一方、ステップS49の判別結果がYESであればステップS7に戻る。
【0095】
ステップS47の判別結果がYESであれば、撮像モードが3D記録モードに設定されているか否かをステップS51で判別する。判別結果がYESであればステップS57〜S65の処理を経てステップS7に戻る一方、判別結果がNOであればステップS53およびS55の処理を経てステップS7に戻る。
【0096】
ステップS53では静止画取り込み処理を実行し、ステップS55では記録処理を実行する。シャッタボタン28shが全押しされた時点の1フレームの画像データは、静止画取り込み処理によって第1静止画エリア32fに取り込まれる。取り込まれた1フレームの画像データは、記録処理に関連して起動したI/F40によって第1静止画エリア32fから読み出され、ファイル形式で記録媒体42に記録される。
【0097】
ステップS57では、R側撮像ブロックの露光設定の補正処理を中断するべく、第2顔検出タスクを停止する。ステップS59では、R側撮像ブロックの露光設定をL側撮像ブロックと同一の設定に変更する。したがって、ドライバ18bに設定された絞り量と同一の絞り量がドライバ58bに設定され、ドライバ18cに設定された露光時間と同一の露光時間がドライバ58cに設定される。
【0098】
ステップS61では、L側撮像ブロックおよびR側撮像ブロックの各々の静止画取り込み処理を実行する。この結果、シャッタボタン28shが全押しされた時点の1フレームの第1生画像データおよび第2生画像データは、静止画取り込み処理によって第1静止画エリア32fおよび第2静止画エリア32gにそれぞれ取り込まれる。
【0099】
ステップS63では、3D記録処理を実行する。この結果、3D静止画の記録に対応した形式の1つの静止画ファイルが記録媒体42に作成される。取り込まれた第1生画像データおよび第2生画像データは、3D映像の格納を示す識別コードおよび2つの画像の配置方法等とともに、新規作成された静止画ファイルに記録処理によって記録される。ステップS65では第2顔検出タスクを起動する。
【0100】
図21を参照して、ステップS71では第1顔検出レジスタRGSTdtLを初期化すべく登録内容をクリアし、ステップS73ではフラグFLG_Lを“0”に設定する。
【0101】
ステップS75では、垂直同期信号Vsyncが発生したか否かを繰り返し判別し、判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS77では評価エリアEVA1の全域を顔検出処理の探索エリアとして指定し、ステップS79では第1ワークレジスタRGSTwkLを顔検出処理の検出結果の登録先として指定する。
【0102】
ステップS81では、L側撮像ブロックの顔検出処理を実行する。顔検出処理の完了後、第1ワークレジスタRGSTwkLに顔情報の登録があるか否かをステップS83で判別し、判別結果がNOであればステップS73に戻る一方、判別結果がYESであればステップS85に進む。
【0103】
ステップS85では、第1ワークレジスタRGSTwkLの登録内容を第1顔検出レジスタRGSTdtLにコピーする。ステップS87では人物の顔を発見したことを表明するべくフラグFLG_Lを“1”に設定し、その後にステップS75に戻る。
【0104】
図22を参照して、ステップS91では第2顔検出レジスタRGSTdtRを初期化すべく登録内容をクリアし、ステップS93ではフラグFLG_Rを“0”に設定する。ステップS95では低輝度顔検出レジスタRGSTbr1の登録内容をクリアし、ステップS97では高輝度顔検出レジスタRGSTbr2の登録内容をクリアする。
【0105】
ステップS99では、R側撮像ブロックの露光設定をL側撮像ブロックと同一の設定に変更する。したがって、ドライバ18bに設定された絞り量と同一の絞り量がドライバ58bに設定され、ドライバ18cに設定された露光時間と同一の露光時間がドライバ58cに設定される。
【0106】
ステップS101では、R側撮像ブロックに対応する256個のAE評価値をAE評価回路22から取得する。取得されたAE評価値に基づいて、ステップS103では低輝度領域ARLを抽出し、ステップS105では高輝度領域ARHを抽出する。
【0107】
例えば、閾値以下の輝度を示すブロックが横に2ブロック以上連続しかつ縦に2ブロック以上連続する領域が、低輝度領域ARLとして抽出される。また、閾値以上の輝度を示すブロックが横に2ブロック以上連続しかつ縦に2ブロック以上連続する領域が、高輝度領域ARHとして抽出される。
【0108】
ステップS107では低輝度領域ARLが発見されたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS129に進み、判別結果がYESであればステップS109で変数ELを“1”に設定する。ステップS111では、低輝度露光補正量テーブルTBL_LWに登録されたEL番目の露光補正量に基づいて、R側撮像ブロックの露光設定を高輝度側に補正する。補正後のEV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、第2探索画像データの明るさが高輝度側に補正される。
【0109】
ステップS113では、垂直同期信号Vsyncが発生したか否かを繰り返し判別し、判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS115では低輝度領域ARLを顔検出処理の探索エリアとして指定し、ステップS117では第2ワークレジスタRGSTwkRを顔検出処理の検出結果の登録先として指定する。
【0110】
ステップS119では、低輝度領域ARLでの顔検出処理を実行する。顔検出処理の完了後、第2ワークレジスタRGSTwkRに顔情報の登録があるか否かをステップS121で判別し、判別結果がNOであればステップS125に進む一方、判別結果がYESであればステップS123に進む。
【0111】
ステップS123では第2ワークレジスタRGSTwkRの登録内容を低輝度顔検出レジスタRGSTbr1にコピーし、その後にステップS129に進む。
【0112】
ステップS125では変数ELをインクリメントし、変数ELが“6”を超えたか否かをステップS127で判別する。判別結果がNOであればステップS111に戻る一方、判別結果がYESであればステップS129に進む。
【0113】
ステップS129では高輝度領域ARHが発見されたか否かを判別し、判別結果がNOであればステップS151に進み、判別結果がYESであればステップS131で変数EHを“1”に設定する。ステップS133では、高輝度露光補正量テーブルTBL_HIに登録されたEH番目の露光補正量に基づいて、R側撮像ブロックの露光設定を低輝度側に補正する。補正後のEV値を定義する絞り量および露光時間はドライバ18bおよび18cにそれぞれ設定される。この結果、第2探索画像データの明るさが低輝度側に補正される。
【0114】
ステップS135では、垂直同期信号Vsyncが発生したか否かを繰り返し判別し、判別結果がNOからYESに更新されると、ステップS137では高輝度領域ARHを顔検出処理の探索エリアとして指定し、ステップS139では第2ワークレジスタRGSTwkRを顔検出処理の検出結果の登録先として指定する。
【0115】
ステップS141では、高輝度領域ARHでの顔検出処理を実行する。顔検出処理の完了後、第2ワークレジスタRGSTwkRに顔情報の登録があるか否かをステップS143で判別し、判別結果がNOであればステップS147に進む一方、判別結果がYESであればステップS145に進む。
【0116】
ステップS145では第2ワークレジスタRGSTwkRの登録内容を高輝度顔検出レジスタRGSTbr2にコピーし、その後にステップS151に進む。
【0117】
ステップS147では変数EHをインクリメントし、変数EHが“6”を超えたか否かをステップS149で判別する。判別結果がNOであればステップS133に戻る一方、判別結果がYESであればステップS151に進む。
【0118】
ステップS151では、低輝度顔検出レジスタRGSTbr1または高輝度顔検出レジスタRGSTbr2に顔情報の登録があるか否かを判別し、判別結果がYESであればステップS153に進む一方、判別結果がNOであればステップS93に戻る。
【0119】
ステップS153では、低輝度顔検出レジスタRGSTbr1および高輝度顔検出レジスタRGSTbr2の各々の登録内容を第2顔検出レジスタRGSTdtRに統合する。ステップS155では人物の顔画像を発見したことを表明するべくフラグFLG_Rを“1”に設定し、その後にステップS95に戻る。
【0120】
ステップS81,S119,およびS141の顔検出処理は、図26〜27に示すサブルーチンに従って実行される。ステップS161では、顔検出処理の実行時に指定されたレジスタを初期化すべく登録内容をクリアする。
【0121】
ステップS163では顔検出処理の実行時に指定された領域を探索エリアとして設定する。ステップS165では、顔検出枠FDのサイズの可変範囲を定義するべく、最大サイズSZmaxを“200”に設定し、最小サイズSZminを“20”に設定する。
【0122】
ステップS167では顔検出枠FDのサイズを“SZmax”に設定し、ステップS169では顔検出枠FDを探索エリアの左上位置に配置する。ステップS171では、顔検出枠FDに属する一部の探索画像データを第1探索画像エリア32dまたは第2探索画像エリア32eから読み出し、読み出された探索画像データの特徴量を算出する。
【0123】
ステップS173では変数Nを“1”に設定し、ステップS171で算出された特徴量と辞書番号がNである顔辞書FDCの辞書画像の特徴量とをステップS175で照合する。照合の結果、閾値THを超える照合度が得られたか否かをステップS177で判別し、判別結果がNOであればステップS181に進む一方、判別結果がYESであればステップS179の処理を経てステップS181に進む。
【0124】
ステップS179では、現時点の顔検出枠FDの位置およびサイズを顔情報として、指定されたレジスタに登録する。
【0125】
ステップS181では変数Nをインクリメントし、変数Nが“5”を超えたか否かをステップS183で判別する。判別結果がNOであればステップS175に戻る一方、判別結果がYESであれば、顔検出枠FDが探索エリアの右下位置に到達したか否かをステップS185で判別する。
【0126】
ステップS185の判別結果がNOであれば、ステップS187で顔検出枠FDを既定量だけラスタ方向に移動させ、その後にステップS171に戻る。ステップS185の判別結果がYESであれば、顔検出枠FDのサイズが“SZmin”以下であるか否かをステップS189で判別する。ステップS189の判別結果がNOであれば、ステップS191で顔検出枠FDのサイズを“5”だけ縮小させ、ステップS193で顔検出枠FDを探索エリアの左上位置に配置し、その後にステップS171に戻る。ステップS189の判別結果がYESであれば、上階層のルーチンに復帰する。
【0127】
以上の説明から分かるように、イメージセンサ16および56は、共通のシーンを表す画像を各々が出力する。CPU26は、イメージセンサ16および56の一部から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索し、イメージセンサ16および56の他の一部の撮像条件を探索処理が実行された時点の撮像条件と異なる条件に調整する。CPU26はまた、調整処理によって注目されたイメージセンサから出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する処理を調整処理に関連して実行し、探索処理によって探知された部分画像に注目してイメージセンサ16および56の少なくとも一部の撮像条件を調整する。
【0128】
複数のイメージセンサの一部から出力された画像から、既定条件を満足する部分画像が探索される。この探索処理が実行された時点とは異なる条件に他の一部のイメージセンサの撮像条件が調整され、調整処理が施されたイメージセンサから出力された画像から、部分画像の探索が行われる。このようにして各々の探索処理によって発見された部分画像に注目して、イメージセンサの撮像条件が調整される。
【0129】
このため、複数の撮像条件の各々において探索処理が実行されるので、部分画像を漏らすことなく発見でき、発見された部分画像に注目してイメージセンサの撮像条件が調整される。したがって、撮像性能を高めることができる。
【0130】
なお、この実施例では、マルチタスクOSおよびこれによって実行される複数のタスクに相当する制御プログラムは、フラッシュメモリ44に予め記憶される。しかし、外部サーバに接続するための通信I/F60を図28に示す要領でディジタルカメラ10に設け、一部の制御プログラムを内部制御プログラムとしてフラッシュメモリ44に当初から準備する一方、他の一部の制御プログラムを外部制御プログラムとして外部サーバから取得するようにしてもよい。この場合、上述の動作は、内部制御プログラムおよび外部制御プログラムの協働によって実現される。
【0131】
また、この実施例では、CPU26によって実行される処理を、図17〜20に示す撮像タスク,図21に示す第1顔検出タスク,および図22〜25に示す第2顔検出タスクを含む複数のタスクに区分するようにしている。しかし、これらのタスクをさらに複数の小タスクに区分してもよく、さらには区分された複数の小タスクの一部を他のタスクに統合するようにしてもよい。また、転送タスクを複数の小タスクに区分する場合、その全部または一部を外部サーバから取得するようにしてもよい。
【0132】
また、この実施例では、2つのイメージセンサをそれぞれ含む2つの撮像ブロックを設けて、各々の撮像ブロックの出力に基づいて探索処理を実行するようにした。しかし、1または2以上の撮像ブロックをさらに設けて、追加された撮像ブロックの露光設定を補正した上で探索処理を実行するようにしてもよい。
【0133】
また、この実施例では、ディジタルスチルカメラを用いて説明したが、本発明は、ディジタルビデオカメラ,携帯電話端末またはスマートフォンなどにも適用することができる。
【符号の説明】
【0134】
10 …ディジタルカメラ
14 …絞りユニット
16 …イメージセンサ
22 …AE評価回路
26 …CPU
32 …SDRAM
44 …フラッシュメモリ
54 …絞りユニット
56 …イメージセンサ
100 …第1撮像ブロック
500 …第2撮像ブロック
【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通のシーンを表す画像を各々が出力する複数の撮像手段、
前記複数の撮像手段の一部から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する第1探索手段、
前記複数の撮像手段の他の一部の撮像条件を前記第1探索手段の処理が実行された時点の撮像条件と異なる条件に調整する第1調整手段、
前記第1調整手段によって注目された撮像手段から出力された画像から前記既定条件を満足する部分画像を探索する処理を前記第1調整手段の調整処理に関連して実行する第2探索手段、および
前記第1探索手段および/または前記第2探索手段によって探知された部分画像に注目して前記複数の撮像手段の少なくとも一部の撮像条件を調整する第2調整手段を備える、電子カメラ。
【請求項2】
前記第1調整手段によって調整される撮像条件は露光量を含む、請求項1記載の電子カメラ。
【請求項3】
前記第1調整手段は、前記第1探索手段の処理が実行された時点の撮像条件を定義する撮像設定値と異なる複数の撮像設定値を順に選択する撮像設定値選択手段、および前記撮像設定値選択手段によって選択された撮像設定値に従って前記複数の撮像手段の他の一部の撮像条件を調整する調整実行手段を含み、
前記第2探索手段は前記撮像設定値選択手段の選択毎に探索処理を実行する、請求項1または2記載の電子カメラ。
【請求項4】
前記複数の撮像手段の他の一部から出力された画像から既定範囲外の輝度を示す特定領域を探索する領域探索手段をさらに備え、
前記第1調整手段は前記領域探索手段の探知に関連して調整処理を実行する、請求項1ないし3のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項5】
前記領域探索手段は、第1閾値を下回る輝度を示す領域を抽出する第1領域抽出手段、および前記第1閾値よりも高い第2閾値を上回る輝度を示す領域を抽出する第2領域抽出手段、を含み、
前記第1調整手段は、前記第1領域抽出手段の処理に関連して前記複数の撮像手段の他の一部の露光量を高輝度側に調整する高輝度調整手段、および前記第2領域抽出手段の処理に関連して前記複数の撮像手段の他の一部の露光量を低輝度側に調整する低輝度調整手段を含む、請求項4記載の電子カメラ。
【請求項6】
前記第2調整手段によって調整される撮像条件は露光量および/またはフォーカス設定を含む、請求項1ないし5のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項7】
前記第2調整手段によって注目された撮像手段から出力された画像を記録する記録手段をさらに備える、請求項1ないし6のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項8】
前記記録手段は前記複数の撮像手段のうち前記第2調整手段によって注目された撮像手段を含む2以上の撮像手段からそれぞれ出力された2以上の画像を記録する、請求項1ないし7のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項9】
前記部分画像は人物の顔画像に相当する、請求項1ないし8のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項10】
共通のシーンを表す画像を各々が出力する複数の撮像手段を備える電子カメラのプロセッサに、
前記複数の撮像手段の一部から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する第1探索ステップ、
前記複数の撮像手段の他の一部の撮像条件を前記第1探索ステップの処理が実行された時点の撮像条件と異なる条件に調整する第1調整ステップ、
前記第1調整ステップによって注目された撮像手段から出力された画像から前記既定条件を満足する部分画像を探索する処理を前記第1調整ステップの調整処理に関連して実行する第2探索ステップ、および
前記第1探索ステップおよび/または前記第2探索ステップによって探知された部分画像に注目して前記複数の撮像手段の少なくとも一部の撮像条件を調整する第2調整ステップを実行させるための、撮像制御プログラム。
【請求項11】
共通のシーンを表す画像を各々が出力する複数の撮像手段を備える電子カメラによって実行される撮像制御方法であって、
前記複数の撮像手段の一部から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する第1探索ステップ、
前記複数の撮像手段の他の一部の撮像条件を前記第1探索ステップの処理が実行された時点の撮像条件と異なる条件に調整する第1調整ステップ、
前記第1調整ステップによって注目された撮像手段から出力された画像から前記既定条件を満足する部分画像を探索する処理を前記第1調整ステップの調整処理に関連して実行する第2探索ステップ、および
前記第1探索ステップおよび/または前記第2探索ステップによって探知された部分画像に注目して前記複数の撮像手段の少なくとも一部の撮像条件を調整する第2調整ステップを備える、撮像制御方法。
【請求項12】
共通のシーンを表す画像を各々が出力する複数の撮像手段、および
メモリに保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラに供給される外部制御プログラムであって、
前記複数の撮像手段の一部から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する第1探索ステップ、
前記複数の撮像手段の他の一部の撮像条件を前記第1探索ステップの処理が実行された時点の撮像条件と異なる条件に調整する第1調整ステップ、
前記第1調整ステップによって注目された撮像手段から出力された画像から前記既定条件を満足する部分画像を探索する処理を前記第1調整ステップの調整処理に関連して実行する第2探索ステップ、および
前記第1探索ステップおよび/または前記第2探索ステップによって探知された部分画像に注目して前記複数の撮像手段の少なくとも一部の撮像条件を調整する第2調整ステップを前記内部制御プログラムと協働して前記プロセッサに実行させるための、外部制御プログラム。
【請求項13】
共通のシーンを表す画像を各々が出力する複数の撮像手段、
外部制御プログラムを受信する受信手段、および
前記受信手段によって受信された外部制御プログラムとメモリに保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラであって、
前記外部制御プログラムは、
前記複数の撮像手段の一部から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する第1探索ステップ、
前記複数の撮像手段の他の一部の撮像条件を前記第1探索ステップの処理が実行された時点の撮像条件と異なる条件に調整する第1調整ステップ、
前記第1調整ステップによって注目された撮像手段から出力された画像から前記既定条件を満足する部分画像を探索する処理を前記第1調整ステップの調整処理に関連して実行する第2探索ステップ、および
前記第1探索ステップおよび/または前記第2探索ステップによって探知された部分画像に注目して前記複数の撮像手段の少なくとも一部の撮像条件を調整する第2調整ステップを前記内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する、電子カメラ。
【請求項1】
共通のシーンを表す画像を各々が出力する複数の撮像手段、
前記複数の撮像手段の一部から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する第1探索手段、
前記複数の撮像手段の他の一部の撮像条件を前記第1探索手段の処理が実行された時点の撮像条件と異なる条件に調整する第1調整手段、
前記第1調整手段によって注目された撮像手段から出力された画像から前記既定条件を満足する部分画像を探索する処理を前記第1調整手段の調整処理に関連して実行する第2探索手段、および
前記第1探索手段および/または前記第2探索手段によって探知された部分画像に注目して前記複数の撮像手段の少なくとも一部の撮像条件を調整する第2調整手段を備える、電子カメラ。
【請求項2】
前記第1調整手段によって調整される撮像条件は露光量を含む、請求項1記載の電子カメラ。
【請求項3】
前記第1調整手段は、前記第1探索手段の処理が実行された時点の撮像条件を定義する撮像設定値と異なる複数の撮像設定値を順に選択する撮像設定値選択手段、および前記撮像設定値選択手段によって選択された撮像設定値に従って前記複数の撮像手段の他の一部の撮像条件を調整する調整実行手段を含み、
前記第2探索手段は前記撮像設定値選択手段の選択毎に探索処理を実行する、請求項1または2記載の電子カメラ。
【請求項4】
前記複数の撮像手段の他の一部から出力された画像から既定範囲外の輝度を示す特定領域を探索する領域探索手段をさらに備え、
前記第1調整手段は前記領域探索手段の探知に関連して調整処理を実行する、請求項1ないし3のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項5】
前記領域探索手段は、第1閾値を下回る輝度を示す領域を抽出する第1領域抽出手段、および前記第1閾値よりも高い第2閾値を上回る輝度を示す領域を抽出する第2領域抽出手段、を含み、
前記第1調整手段は、前記第1領域抽出手段の処理に関連して前記複数の撮像手段の他の一部の露光量を高輝度側に調整する高輝度調整手段、および前記第2領域抽出手段の処理に関連して前記複数の撮像手段の他の一部の露光量を低輝度側に調整する低輝度調整手段を含む、請求項4記載の電子カメラ。
【請求項6】
前記第2調整手段によって調整される撮像条件は露光量および/またはフォーカス設定を含む、請求項1ないし5のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項7】
前記第2調整手段によって注目された撮像手段から出力された画像を記録する記録手段をさらに備える、請求項1ないし6のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項8】
前記記録手段は前記複数の撮像手段のうち前記第2調整手段によって注目された撮像手段を含む2以上の撮像手段からそれぞれ出力された2以上の画像を記録する、請求項1ないし7のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項9】
前記部分画像は人物の顔画像に相当する、請求項1ないし8のいずれかに記載の電子カメラ。
【請求項10】
共通のシーンを表す画像を各々が出力する複数の撮像手段を備える電子カメラのプロセッサに、
前記複数の撮像手段の一部から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する第1探索ステップ、
前記複数の撮像手段の他の一部の撮像条件を前記第1探索ステップの処理が実行された時点の撮像条件と異なる条件に調整する第1調整ステップ、
前記第1調整ステップによって注目された撮像手段から出力された画像から前記既定条件を満足する部分画像を探索する処理を前記第1調整ステップの調整処理に関連して実行する第2探索ステップ、および
前記第1探索ステップおよび/または前記第2探索ステップによって探知された部分画像に注目して前記複数の撮像手段の少なくとも一部の撮像条件を調整する第2調整ステップを実行させるための、撮像制御プログラム。
【請求項11】
共通のシーンを表す画像を各々が出力する複数の撮像手段を備える電子カメラによって実行される撮像制御方法であって、
前記複数の撮像手段の一部から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する第1探索ステップ、
前記複数の撮像手段の他の一部の撮像条件を前記第1探索ステップの処理が実行された時点の撮像条件と異なる条件に調整する第1調整ステップ、
前記第1調整ステップによって注目された撮像手段から出力された画像から前記既定条件を満足する部分画像を探索する処理を前記第1調整ステップの調整処理に関連して実行する第2探索ステップ、および
前記第1探索ステップおよび/または前記第2探索ステップによって探知された部分画像に注目して前記複数の撮像手段の少なくとも一部の撮像条件を調整する第2調整ステップを備える、撮像制御方法。
【請求項12】
共通のシーンを表す画像を各々が出力する複数の撮像手段、および
メモリに保存された内部制御プログラムに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラに供給される外部制御プログラムであって、
前記複数の撮像手段の一部から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する第1探索ステップ、
前記複数の撮像手段の他の一部の撮像条件を前記第1探索ステップの処理が実行された時点の撮像条件と異なる条件に調整する第1調整ステップ、
前記第1調整ステップによって注目された撮像手段から出力された画像から前記既定条件を満足する部分画像を探索する処理を前記第1調整ステップの調整処理に関連して実行する第2探索ステップ、および
前記第1探索ステップおよび/または前記第2探索ステップによって探知された部分画像に注目して前記複数の撮像手段の少なくとも一部の撮像条件を調整する第2調整ステップを前記内部制御プログラムと協働して前記プロセッサに実行させるための、外部制御プログラム。
【請求項13】
共通のシーンを表す画像を各々が出力する複数の撮像手段、
外部制御プログラムを受信する受信手段、および
前記受信手段によって受信された外部制御プログラムとメモリに保存された内部制御プログラムとに従う処理を実行するプロセッサを備える電子カメラであって、
前記外部制御プログラムは、
前記複数の撮像手段の一部から出力された画像から既定条件を満足する部分画像を探索する第1探索ステップ、
前記複数の撮像手段の他の一部の撮像条件を前記第1探索ステップの処理が実行された時点の撮像条件と異なる条件に調整する第1調整ステップ、
前記第1調整ステップによって注目された撮像手段から出力された画像から前記既定条件を満足する部分画像を探索する処理を前記第1調整ステップの調整処理に関連して実行する第2探索ステップ、および
前記第1探索ステップおよび/または前記第2探索ステップによって探知された部分画像に注目して前記複数の撮像手段の少なくとも一部の撮像条件を調整する第2調整ステップを前記内部制御プログラムと協働して実行するプログラムに相当する、電子カメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【公開番号】特開2013−90112(P2013−90112A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−228330(P2011−228330)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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