説明

電子タイマスイッチ

【課題】配線作業が簡単で既設のスイッチとの交換にも容易に対応できる電子タイマスイッチを提供する。
【解決手段】電子タイマスイッチSW1は、商用電源ACと換気扇F1の直列回路が接続される接続端子t1,t2と、接続端子t1との間に外部スイッチSW2の接点21を介して上記直列回路が接続される接続端子t3と、接続端子t1,t2間、及び、接続端子t1,t3間にそれぞれ接続されたトライアックQ1,Q2と、トライアックQ1,Q2を開閉させる駆動回路部11と、外部スイッチSW2の開閉状態を検出する開閉検出回路部15と、押釦スイッチ14が押操作されるか、開閉検出回路部15により外部スイッチSW2の開閉状態の反転動作が検出されると、各トライアックQ1,Q2の開閉状態を反転させる駆動信号を駆動回路部11に出力する制御回路部13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷の入切操作を行うためのスイッチを多箇所に設置する場合に用いる電子タイマスイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、図10(a)に示すようにトイレと洗面所、又は浴室とトイレ、或いは浴室と洗面所というように複数の部屋A1,A2に換気扇F1の吸気口S1,S2を設け、1台の換気扇F1で複数の部屋A1,A2の換気を行っていた。各部屋A1,A2には単極双投型のスイッチSW11,SW12が設けられ、両スイッチSW11,SW12の切替端子の間を電気的に接続するとともに、換気扇F1の電源端子間にスイッチSW11,SW12を介して電源ACを接続することで、SW11又はSW12を用いて何れの部屋でも換気扇F1の入切操作が行えるようにしてある。
【0003】
ここで、浴室の換気を行う場合には、浴室内の湿気を強制排気するために数十分から数時間の間、換気扇を動作させるのが一般的であり、入操作後に切操作をし忘れるのを防止するため、スイッチSW11又はSW12の何れかに遅延停止機能(オフ操作が行われてから所定の動作保持時間が経過するまで負荷のオン状態を延長する機能)を有するタイマスイッチを用いる必要があった。また浴室とトイレの換気を行う場合、浴室の換気は遅延停止動作の時間が数十分から数時間と比較的長時間であるのに対し、トイレの換気では遅延停止動作の時間が数十秒から数分間と短時間であるので、浴室のスイッチが操作された場合とトイレのスイッチが操作された場合とで遅延停止動作の時間を切り替えることができるように、一方のスイッチには、一定周期で発振するパルスの数をカウンタICでカウントすることによってタイマ時間を限時する電子タイマスイッチを用いてある。
【0004】
図10(b)は電子タイマスイッチSW1と単極単投型のスイッチSW2とを用いて2箇所から換気扇F1の入切操作を行えるようにした回路を示し、電子タイマスイッチSW1は、換気扇F1と商用電源ACとの直列回路が接続される接続端子t1,t2と、スイッチSW2と商用電源ACとの直列回路が接続される接続端子t3,t4とを備える。
【0005】
また電子タイマスイッチSW1は、駆動回路部31と、電源回路部32と、制御回路部33とを主要な構成として備える。
【0006】
駆動回路部31は、制御回路部33からの駆動信号に応じて、接続端子t1,t2間に接続されたトライアックQ1を開閉するものであり、サイリスタQ3と、ツェナーダイオードZD1と、トランジスタQ4およびダイオードD1からなるスイッチ回路31aとで構成される。
【0007】
電源回路部32は、接続端子t1,t2から電力の供給を受けて所定の直流電力を出力するものであり、全波整流器DB1と、抵抗R1と、充電回路部32aとで構成される。
【0008】
そして、駆動回路部31および電源回路部32において、スイッチ回路31aのトランジスタQ4がオフのとき、抵抗R1およびツェナーダイオードZD1は、これらの直列回路に印加される全波整流器DB1からの電圧ではツェナーダイオードZD1が導通しないような値に設定されている。他方、スイッチ回路31aのトランジスタQ4がオンになると、トランジスタQ4、ダイオードD1およびツェナーダイオードZD1の直列回路に印加される全波整流器DB1からの電圧によって、ツェナーダイオードZD1の両端にそのツェナー電圧以上の電圧が印加すれば、ツェナーダイオードZD1はオンになる。これにより、サイリスタQ3がオンとなり、トライアックQ1が交流電源ACの各極性中においてオンになる。
【0009】
制御回路部33は、電子タイマスイッチSW1に設けた押釦スイッチ34からの操作入力を監視する。また端子t3,t4間には、端子t3,t4間に印加される電圧と所定のしきい値との高低を比較することでスイッチSW2の開閉状態を検出する開閉検出回路部35が設けられており、開閉状態の検出結果を制御回路部33に出力する。而して制御回路部33では、押釦スイッチ34からの操作入力があるか、若しくは開閉検出回路部35がスイッチSW2のオン/オフの反転動作を検出すると、駆動回路部31によりトライアックQ1を反転駆動する。なお電子タイマスイッチSW1が浴室に、スイッチSW2がトイレにそれぞれ設置されている場合、制御回路部33は、押釦スイッチ34からのオン操作があると駆動信号を数十分から数時間出力して換気扇F1を比較的長時間動作させるとともに、スイッチSW2のオン操作を開閉検出回路部35が検出すると駆動信号を数十秒から数分間出力して換気扇F1を比較的短い時間だけ動作させる。
【0010】
ここで、駆動回路部31のスイッチ回路31aに駆動信号が入力されていない場合、スイッチ回路31aのトランジスタQ4がオフになり、ツェナーダイオードZD1およびサイリスタQ3もオフになるので、トライアックQ1もオフになる。このオフ状態では、電源回路部32の充電回路部32aに、端子t1,t2から全波整流器DB1および抵抗R1を介して電荷が供給され、所定の直流電圧まで充電される。
【0011】
一方、駆動回路部31のスイッチ回路31aに制御信号が入力された場合、スイッチ回路31aのトランジスタQ4がオンになり、ツェナーダイオードZD1、サイリスタQ3およびトライアックQ1が交流電圧の各極性中においてオンになって、負荷駆動状態となる。この負荷駆動状態では、電源回路部32の備える充電回路部32aは、ツェナーダイオードZD1がオフの間、接続端子t1,t2から全波整流器DB1、トランジスタQ4及びダイオードD1を介して電荷が供給され、所定の直流電圧に充電される。つまり、全波整流器DB1から充電回路部32aに電力が間欠的に供給されるのである。
【0012】
また、この種の電子タイマスイッチとしては、1つのスイッチで照明負荷と換気扇負荷の両方の入切制御を行うものもあり、入操作時は照明負荷と換気扇負荷を同時に動作させ、切操作時は照明負荷を即座に消灯させるとともに、所定の動作保持時間が経過した後に換気扇負荷を停止させるものが従来より提供されていた(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3175968号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上述した図10(b)に示す電子タイマスイッチSW1では、タイマ機能を備えていないスイッチSW2がオフされた場合でも電源供給が可能なように、接続端子t1,t2間に換気扇F1と商用電源ACとを直列に接続して、スイッチSW2のオン/オフに関わらず端子t1,t2から電源を供給させるとともに、接続端子t3,t4間にスイッチSW2と商用電源ACとを接続し、開閉検出回路部35でスイッチSW2のオン/オフを検出することによって、スイッチSW2のオン/オフ操作に応じてトライアックQ1を開閉させている。そのためスイッチSW1,SW2の結線方式が、図10(a)に示すような3路配線方式と大きく異なっている。したがって3路配線された既設のスイッチSW11,SW12の内の何れか一方にタイマ機能を持たせるため、一方のスイッチを電子タイマスイッチSW1に交換しようとすると、配線を大幅に変更しなければならず、配線の変更なしに電子タイマスイッチSW1に置き換えることができなかった。また3路配線方式の場合の結線に比べて、電子タイマスイッチSW1の結線作業は複雑なので、配線ミスを招く可能性もあった。
【0014】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、配線作業が簡単で既設のスイッチとの交換にも容易に対応できる電子タイマスイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、電源と負荷との直列回路が接続される第1及び第2の接続端子と、第1の接続端子との間に他所に設置される外部スイッチを介して直列回路が接続される第3の接続端子と、第1の接続端子と第2の接続端子の間、及び、第1の接続端子と第3の接続端子の間にそれぞれ接続されて負荷への電源供給を入切する第1及び第2の開閉制御素子と、駆動信号に応じて各開閉制御素子を開閉させる駆動回路部と、第1及び第3の接続端子の間に印加される電圧又は第1及び第3の接続端子に流れる電流の何れかに基づいて外部スイッチの開閉状態を検出する開閉検出回路部と、負荷の入切操作を行うための入切操作部と、入切操作部が操作されるか、又は、開閉検出回路部により外部スイッチの開閉状態の反転動作が検出されると、各開閉制御素子の開閉状態を反転させる駆動信号を駆動回路部に出力するとともに、負荷の動作時において入切操作部が操作されると、所定の動作保持時間が経過するまでの間は、各開閉制御素子を閉状態に切り替える駆動信号を駆動回路部に出力し、且つ、動作保持時間が経過した時点で各開閉制御素子を開状態に切り替える駆動信号を駆動回路部に出力する制御回路部とを備えて成ることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、入切操作部が操作されるか、又は、開閉検出回路部により外部スイッチの開閉状態の反転動作が検出されると、制御回路部が、各制御素子の開閉状態を反転させる駆動信号を駆動回路部に出力しているので、入切操作部および外部スイッチを用いて負荷のオン/オフを制御することができ、且つ、負荷の動作時に入切操作部を操作すると、所定の動作保持時間が経過した後に第1及び第2の開閉制御素子を開状態に切り替えることで負荷を停止させているので、遅延停止動作を行わせることができる。しかも、第1の接続端子と第2の接続端子の間に電源と負荷との直列回路が接続されるとともに、第1の接続端子と第3の接続端子の間に外部スイッチを介して上記の直列回路が接続されるので、単極双投形のスイッチを用いて構成される従来の3路配線方式と同様の配線方式で電子タイマスイッチを接続できるから、遅延停止機能を有していないメカニカルのスイッチに替えて電子タイマスイッチを容易に配線できるという効果がある。
【0017】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明において、制御回路部によって点灯状態が制御される動作表示灯を外部より目視可能な状態で設け、制御回路部は、負荷の停止時に入切操作部が操作されると、各開閉制御素子を閉状態に切り替える駆動信号を駆動回路部に出力するとともに、動作表示灯を連続点灯させ、且つ、負荷の動作時に入切操作部が操作されると、所定の動作保持時間が経過するまでの間、各開閉制御素子を閉状態に切り替える駆動信号を駆動回路部に出力するとともに、動作表示灯を点滅させ、動作保持時間が経過した時点で各開閉制御素子を開状態に切り替える駆動信号を駆動回路部に出力するとともに、動作表示灯を消灯させることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、動作表示灯の点灯状態から負荷の動作状態を容易に判別できるという効果がある。
【0019】
請求項3の発明によれば、請求項1又は2の発明において、駆動回路部に、第1の開閉制御素子を閉動作させるタイミングに比べて、第2の開閉制御素子を閉動作させるタイミングを遅らせる遅延手段を設けたことを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、接点と動作表示用の表示ランプとの直列回路を備える外部スイッチを複数使用する場合に、各々の外部スイッチが備える接点の一端側を第3の接続端子に接続するとともに、第1及び第2の接続端子の間に電源と負荷との直列回路を介して複数の外部スイッチが備える表示ランプを直列接続した場合、遅延手段によって、駆動回路部が第1の開閉制御素子を閉動作させるタイミングに比べて、第2の開閉制御素子を閉動作させるタイミングを遅らせているので、第1の開閉制御素子が優先的に閉状態に切り替えられるから、外部スイッチが複数接続されている場合でも、第1の接続端子と第2の接続端子との間に直列接続された全ての外部スイッチの表示ランプを点灯させることができる。
【0021】
請求項4の発明によれば、請求項1乃至3の何れか1つの発明において、制御回路部は、負荷の動作時において外部スイッチの開閉状態が反転するのを開閉検出回路部が検出すると、所定の遅延時間が経過するまでの間、第1及び第2の開閉制御素子を閉状態に切り替える駆動信号を駆動回路部に出力するとともに、遅延時間が経過した時点で第1及び第2の開閉制御素子を開状態に切り替える駆動信号を駆動回路部に出力することを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、負荷の動作時において外部スイッチの開閉状態が反転するのを開閉検出回路部が検出すると、制御回路部は、所定の遅延時間が経過した後に開閉制御素子を開状態に切り替えているので、外部スイッチのオフ操作に応じて遅延停止動作を行わせることもでき、使い勝手が向上するという効果がある。
【0023】
請求項5の発明によれば、請求項1乃至4の何れか1つの発明において、制御回路部によって点灯状態が制御される動作表示灯を外部より目視可能な状態で設けるとともに、他の負荷のオン/オフ状態を検出する負荷検出回路部を設け、制御回路部は、負荷検出回路部が他の負荷のオン状態を検出すると、第1及び第2の開閉制御素子を閉状態に切り替える駆動信号を駆動回路部に出力するとともに、動作表示灯を連続点灯させ、且つ、負荷検出回路部が他の負荷のオフ状態を検出すると、所定の動作保持時間が経過するまでの間、第1及び第2の開閉制御素子を閉状態に切り替える駆動信号を駆動回路部に出力するとともに、動作表示灯を点滅させ、動作保持時間が経過した時点で第1及び第2の開閉制御素子を開状態に切り替える駆動信号を駆動回路部に出力するとともに、動作表示灯を消灯させることを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、負荷検出回路部により他の負荷のオン/オフ状態を検出しており、制御回路部が、負荷検出回路部の検出結果に応じて、他の負荷のオン時に各開閉制御素子を閉状態に切り替えるとともに、他の負荷がオン状態からオフ状態に切り替わると、動作保持時間が経過した時点で各開閉制御素子を閉状態から開状態に切り替えているので、他の負荷に連動して負荷を動作させることができる。
【0025】
請求項6の発明によれば、請求項1乃至4の何れか1つの発明において、他の負荷のオン/オフ状態を検出する負荷検出回路部を設け、制御回路部は、他の負荷がオン状態からオフ状態に切り替わるのを負荷検出回路部が検出すると、所定の動作保持時間が経過するまでの間、第1及び第2の開閉制御素子を閉状態に切り替える駆動信号を駆動回路部に出力するとともに、動作保持時間が経過した時点で第1及び第2の開閉制御素子を開状態に切り替える駆動信号を駆動回路部に出力することを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、負荷検出回路部により他の負荷のオン/オフ状態を検出するとともに、制御回路部が、負荷検出回路部の検出結果に応じて、他の負荷がオン状態からオフ状態に切り替わると各開閉制御素子を閉状態に切り替えるとともに、動作保持時間が経過した時点で各開閉制御素子を閉状態から開状態に切り替えているので、他の負荷に連動して負荷を動作させることができる。
【0027】
請求項7の発明によれば、請求項5又は6の発明において、制御回路部の制御モードを、負荷検出回路部の検出結果に関係無く、入切操作部からの操作入力と開閉検出回路部の検出結果とに基づいて負荷を制御する非連動モード、又は、負荷検出回路部の検出結果と入切操作部からの操作入力と開閉検出回路部の検出結果とに基づいて負荷を制御する連動モードの何れかに選択的に切り替えるモード切替手段を設けたことを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、モード切替手段を用いて制御回路部の動作モードを非連動モード又は連動モードの何れかに切り替えることができるので、使用用途や使用環境に応じて使い勝手の良い制御モードで動作させることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、入切操作部が操作されるか、又は、開閉検出回路部により外部スイッチの開閉状態の反転動作が検出されると、制御回路部が、各制御素子の開閉状態を反転させる駆動信号を駆動回路部に出力しているので、入切操作部および外部スイッチを用いて負荷のオン/オフを制御することができ、且つ、負荷の動作時に入切操作部を操作すると、所定の動作保持時間が経過した後に第1及び第2の開閉制御素子を開状態に切り替えることで負荷を停止させているので、遅延停止動作を行わせることができる。しかも、第1の接続端子と第2の接続端子の間に電源と負荷との直列回路が接続されるとともに、第1の接続端子と第3の接続端子の間に外部スイッチを介して上記の直列回路が接続されるので、単極双投形のスイッチを用いて構成される従来の3路配線方式と同様の配線方式で電子タイマスイッチを接続できるから、遅延停止機能を有していないメカニカルのスイッチに替えて電子タイマスイッチを容易に配線できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0031】
(実施形態1)
本発明の実施形態1を図1〜図4に基づいて説明する。本実施形態では本発明に係る電子タイマスイッチを用いて2箇所から換気扇の入切制御を行う制御システムを構成しており、図にその回路図を示す。
【0032】
この制御システムは商用電源ACと換気扇F1と電子タイマスイッチSW1と外部スイッチSW2とで構成される。換気扇F1の吸気口は例えば浴室とトイレの2箇所に設けられ、1台の換気扇F1で2つの部屋の換気を行えるようになっており、電子タイマスイッチSW1を浴室、外部スイッチSW2をトイレにそれぞれ設置して、浴室とトイレの2箇所で換気扇F1のオン/オフ操作を行えるようにしている。尚、外部スイッチSW2を複数台接続して多箇所から換気扇の入切操作を行うことも可能である。
【0033】
外部スイッチSW2は3つの接続端子t11〜t13を備え、接続端子t11,t12間に表示灯点灯部20が接続されるとともに、接続端子t11,t13間に単極単投形の接点21を介して表示灯点灯部20が接続される。表示灯点灯部20は例えばネオンランプのような動作表示灯(図示せず)を有し、通電に応じて動作表示灯が点灯するようになっている。なお外部スイッチSW2の接点21は図示しない操作部の操作に応じてオン/オフが反転するようになっている。
【0034】
一方、電子タイマスイッチSW1は、換気扇F1と商用電源ACとの直列回路が接続される第1及び第2の接続端子(以下接続端子と略称す)t1,t2と、接続端子t1との間に外部スイッチSW2の接点21を介して換気扇F1および商用電源ACの直列回路が接続される第3の接続端子(以下接続端子と略称す)t3とを備えるとともに、第1及び第2の開閉制御素子たるトライアックQ1,Q2と、駆動回路部11と、電源回路部12と、制御回路部13と、入切操作部たる押釦スイッチ14と、開閉検出回路部15とを主要な構成として備える。
【0035】
トライアックQ1,Q2は、それぞれ、接続端子t1,t2の間、接続端子t1,t3の間に接続されて、接続端子t1,t2間、接続端子t1,t3間を開閉する。
【0036】
電源回路部12は、接続端子t1,t2、或いは、接続端子t1,t3から電力の供給を受けて所定の直流電力を出力するものであり、接続端子t2とトライアックQ1のゲートとの間に交流入力端子が接続された全波整流器DB1と、接続端子t3とトライアックQ2のゲートとの間に交流入力端子が接続された全波整流器DB2と、全波整流器DB1,DB2の高圧側の直流出力端に一端が接続された抵抗R1と、全波整流器DB1,DB2から抵抗R1を介して供給される電荷により充電される充電回路部12aとで構成される。
【0037】
駆動回路部11は、制御回路部33からの制御信号に応じてトライアックQ1,Q2を開閉駆動するものであり、全波整流器DB1,DB2の直流出力端子間に接続されたサイリスタQ3と、トランジスタQ4及びダイオードD1の直列回路からなり、抵抗R1の両端間に接続されたスイッチ回路11aと、抵抗R1の他端にカソードが接続されるとともに、サイリスタQ3のゲートにアノードが接続されたツェナーダイオードZD1とで構成される。
【0038】
そして、駆動回路部11および電源回路部12において、スイッチ回路11aのトランジスタQ4がオフのとき、抵抗R1を介して充電回路部12aに電荷が供給されて所定の直流電圧に充電され、充電回路部12aから制御回路部13などに動作電源が供給されるのであるが、この場合にツェナーダイオードZD1に印加される電圧がツェナー電圧を超えないように、抵抗R1およびツェナーダイオードZD1の定数が設定されている。他方、スイッチ回路11aのトランジスタQ4がオンになると、トランジスタQ4、ダイオードD1およびツェナーダイオードZD1の直列回路に印加される全波整流器DB1,DB2からの電圧によって、ツェナーダイオードZD1の両端にそのツェナー電圧以上の電圧が印加され、ツェナーダイオードZD1が導通する。これにより、サイリスタQ3がオンになり、トライアックQ1が交流電源ACの各極性中においてオンになる。またこのとき外部スイッチSW2の接点21が閉極していれば、トライアックQ2も交流電源ACの各極性中においてオンになる。
【0039】
開閉検出回路部15は、端子t1,t3間に印加される電圧と所定のしきい値との高低を比較することで外部スイッチSW2の開閉状態を検出するものであり、検出結果を制御回路部13に出力する。なお開閉検出回路部15では、端子t1,t3間に流れる電流の有無を検出することによって、外部スイッチSW2の開閉状態を検出するようにしても良い。
【0040】
制御回路部13は、電子タイマスイッチSW1に設けた押釦スイッチ14からの操作入力を監視するとともに、開閉検出回路部15から外部スイッチSW2の開閉状態の検出結果が入力されており、押釦スイッチ14からの操作入力と開閉検出回路部15の検出結果とに基づいてトライアックQ1,Q2のオン/オフを制御するとともに、動作表示用の発光ダイオードLDに流れる励磁電流を制御して、発光ダイオードLDの点灯状態を制御する。なお図1中のR2は限流用の抵抗である。
【0041】
ここで、制御回路部13では、押釦スイッチ14からの操作入力があるか、若しくは、開閉検出回路部15が外部スイッチSW2のオン/オフの反転動作を検出すると、トライアックQ1,Q2の開閉状態を反転させる駆動信号を駆動回路部11に出力するとともに、発光ダイオードLDに励磁電流を流して発光ダイオードLDを点灯させる。
【0042】
先ず押釦スイッチ14による入切動作について説明する。換気扇F1の停止時において押釦スイッチ14が操作され、制御回路部13に操作入力が与えられると、制御回路部13はトランジスタQ4をオンさせる駆動信号を駆動回路部11に出力し、サイリスタQ3をオン、トライアックQ1,Q2をオンさせて、換気扇F1を連続動作させるとともに、発光ダイオードLDを連続点灯させる。一方換気扇F1の動作中に押釦スイッチ14が再度操作され、制御回路部13に操作入力が与えられると、制御回路部13は内部タイマ(図示せず)により動作保持時間の限時動作を開始させ、内部タイマがカウントアップするまでの間、トランジスタQ4をオンさせる駆動信号を駆動回路部11に出力し、トライアックQ1,Q2の閉状態を維持して換気扇F1の運転時間を延長するとともに、発光ダイオードLDを所定の周期で点滅させる。その後、内部タイマがカウントアップすると、制御回路部13はトランジスタQ4をオフさせる信号を駆動回路部11に出力し、サイリスタQ3をオフ、トライアックQ1,Q2をオフさせて、換気扇F1を停止させるとともに、発光ダイオードLDを消灯させる。なお、図3はこの間の発光ダイオードLDの点灯状態を示しており、換気扇F1が停止している期間(期間T11,T14)は発光ダイオードLDを消灯させ、換気扇F1を連続動作させている期間(期間T12)は発光ダイオードLDを連続点灯させ、換気扇F1をタイマ駆動している期間(期間T13)は発光ダイオードLDを所定周波数で点滅させているので、発光ダイオードLDの点灯状態(全点灯又は点滅)から換気扇F1が連続動作を行っているのか、遅延停止動作により動作しているのかを容易に判別することができる。
【0043】
次に外部スイッチSW2による入切動作について図4のタイムチャートを参照して説明する。なお図4(a)は外部スイッチSW2のオン/オフ操作、同図(c)は換気扇F1のオン/オフ動作をそれぞれ示している。換気扇F1が停止中の時刻t21において換気扇F1を動作させるために外部スイッチSW2が操作されると、接点21のオン/オフが反転する。この時、開閉検出回路部15によって外部スイッチSW2の開閉状態の反転動作が検出され、制御回路部13がその検出結果をもとに、トランジスタQ4をオンさせる駆動信号を駆動回路部11に出力し、サイリスタQ3をオン、トライアックQ1,Q2をオンさせて、換気扇F1を連続動作させる。一方、換気扇F1が動作中の時刻t22において外部スイッチSW2が操作され、開閉検出回路部15によって外部スイッチSW2の開閉状態の反転動作が検出されると、制御回路部13は内部タイマ(図示せず)により遅延時間の限時動作を開始させ、内部タイマがカウントアップするまでの間、トランジスタQ4をオンさせる駆動信号を駆動回路部11に出力し、トライアックQ1,Q2の閉状態を維持して換気扇F1の運転時間を延長する。その後、時刻t22において内部タイマがカウントアップすると、制御回路部13はトランジスタQ4をオフさせる信号を駆動回路部11に出力し、サイリスタQ3をオフ、トライアックQ1,Q2をオフさせて、換気扇F1を停止させる。
【0044】
このように、制御回路部13が押釦スイッチ14又は外部スイッチSW2のオン/オフ操作に応じて換気扇F1をオン/オフさせているので、複数の場所から換気扇F1のオン/オフ操作を行うことができる。また図10(a)に示すように3路配線方式で換気扇F1を制御した場合は、図4(b)のように外部スイッチSW2のオン/オフに即連動したオン/オフ制御しか行えないが、本実施形態では何れのスイッチでオフ操作を行った場合でも所定の遅延時間だけ換気扇F1を動作させた後に換気扇F1を停止させることができ、長時間換気を行った後で換気扇F1を停止させたい場合でも換気扇F1を停止し忘れるといった不具合を防止できるから、使い勝手が向上する。
【0045】
なお、浴室に設置された電子タイマスイッチSW1の押釦スイッチ14が操作された場合は浴室内の湿気を十分に換気できるように、換気扇F1の動作保持時間を数十分から数時間の比較的長い時間に設定してある。またトイレに設置された外部スイッチSW2が操作された場合は浴室内の湿気を換気する場合に比べて短時間だけ換気扇F1を動作させれば良く、この場合の遅延時間は数十秒から数分程度の比較的短い時間に設定してある。このように電子タイマスイッチSW1によりオフ操作を行った場合と、外部スイッチSW2によりオフ操作を行った場合とで換気扇F1を停止させるまでの時間を異ならせているので、各々のスイッチの設置場所に合わせた時間だけ換気扇F1を動かした後に停止させることができ、使い勝手がさらに向上する。また制御回路部13は、内部タイマを用いて一定周期のパルス信号をカウントすることによって上述の動作保持時間や遅延時間を設定しているので、CRタイマを用いる場合に比べて長時間の限時を行う場合でも、タイマ回路が大型化することが無く、また動作保持時間や遅延時間の精度が向上するという利点がある。
【0046】
ところで、駆動回路部11のスイッチ回路11aに駆動信号が入力されていない場合、スイッチ回路11aのトランジスタQ4がオフになり、ツェナーダイオードZD1およびサイリスタQ3もオフになるので、トライアックQ1,Q2もオフになる。このオフ状態では、電源回路部12の充電回路部12aは、端子t1,t2から全波整流器DB1および抵抗R1を介して電力の供給を受け、所定の直流電力を制御回路部13に出力する。なお外部スイッチSW2が導通している場合、充電回路部12aには全波整流器DB1,DB2の両方から抵抗R1を介して電力が供給される。
【0047】
一方、制御回路部13のスイッチ回路11aに制御回路部13から駆動信号が入力された場合は、スイッチ回路11aのトランジスタQ4がオンになり、ツェナーダイオードZD1、サイリスタQ3およびトライアックQ1,Q2が交流電圧の各極性中においてオンになって、負荷駆動状態となる。この負荷駆動状態では、電源回路部12の充電回路部12aは、ツェナーダイオードZD1がオフの間、接続端子t1,t2および接続端子t1,t3から全波整流器DB1,DB2、トランジスタQ4及びダイオードD1を介して電力の供給を受け、所定の直流電力を制御回路部13に出力する。つまり、全波整流器DB1,DB2から充電回路部12aに電力が間欠的に供給されるのである。
【0048】
ここで、上述の実施形態では第1及び第2の開閉制御素子としてトライアックQ1,Q2を用い、トライアックQ1,Q2のT1端子とゲートとの間に全波整流器DB1,DB2の交流入力端間を接続している。したがって充電回路部12aへの充電電流は、トライアックQ1,Q2のゲートを介して供給されることになり、換気扇F1のオン動作時に制御回路部13などの消費電流が大きくなると、充電回路部12aの充電が完了する前にトライアックQ1,Q2が導通して電源回路部12への充電が終了してしまい、充電回路部12aへの充電が不十分になり、制御回路部13などの動作電源を十分に確保できなくなる可能性がある。
【0049】
そこで、充電回路部12aへの充電電流がトライアックQ1,Q2のゲートを流れないよう、図2(a)に示すように全波整流器DB1,DB2の交流入力端子間をそれぞれトライアックQ1,Q2のT1端子とT2端子の間に接続するとともに、充電回路部12aの充電電圧を監視し、充電電圧が所定レベルを超えると充電完了信号を出力する電圧検出回路部12bを設け、制御回路部13では充電完了信号が入力された後にトライアックQ1,Q2をオンさせるようにしても良く、制御回路部13などの動作電源を確実に確保することができる。なお抵抗R1の両端間に抵抗R3とスイッチ素子Q5との直列回路が接続されており、トライアックQ1,Q2のオフ時に制御回路部13がスイッチ素子Q5をオンさせることによって、充電回路部12aに供給される電荷を増加させ、急速に充電が行えるようにしている。また図2では図示を簡単にするため、抵抗R2と発光ダイオードLDとの直列回路を表示灯回路部16として表示してある。
【0050】
また、上述の実施形態では第1及び第2の開閉制御素子としてトライアックQ1,Q2を用いているため、制御する負荷によってはスイッチング時の共振電流によって、正常にスイッチングが行えず、発振現象を起こす可能性がある。そこで、図2(a)に示す回路において同図(b)に示すようにトライアックQ1,Q2の代わりにMOSFETQ6,Q7を接続するとともに、電源電圧のゼロクロス点を検出して検出信号を制御回路部13に出力するゼロクロス検出回路部11bを設け、換気扇F1のオン時には、制御回路部13が、電圧検出回路部12bからの充電完了信号を受けてMOSFETQ6,Q7をオンさせるとともに、ゼロクロス検出回路部11bからの検出信号を受けてMOSFETQ6,Q7をオフさせることで、トライアックを用いる場合と同様の動作を行わせることができる。
【0051】
(実施形態2)
本発明の実施形態2を図5に基づいて説明する。本実施形態では、実施形態1で説明した図1の電子タイマスイッチSW1において、全波整流器DB2の高圧側の直流出力端にダイオードD2のアノードを接続するとともに、全波整流器DB1の高圧側の直流出力端とサイリスタQ3との接続点にダイオードD2のカソードを接続してある。尚、ダイオードD2以外の電子タイマスイッチSW1の構成は図1に示す電子タイマスイッチSW1と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0052】
本実施形態では、全波整流器DB2の高圧側の直流出力端と、全波整流器DB1の高圧側の直流出力端およびサイリスタQ3の接続点との間にダイオードD2を接続しているので、トライアックQ1,Q2をオフ状態からオン状態に導通させる際に、遅延手段たるダイオードD2のオン電圧分によって、トライアックQ2がオンするタイミングを、トライアックQ1がオンするタイミングよりも遅らせることができ、トライアックQ1を優先的にオンさせている。
【0053】
而して、図5に示すように外部スイッチSW2を複数使用する場合に、各々の外部スイッチSW2が備える接点21の一端側を接続端子t3に接続するとともに、接続端子t1,t2の間に商用電源ACと換気扇F1との直列回路を介して複数の外部スイッチSW2が備える表示灯点灯部20を直列に接続した場合、トライアックQ1,Q2をオフ状態からオン状態に反転させる際に、複数の外部スイッチSW2の表示灯点灯部20が両端間に接続されたトライアックQ1が優先的にオンされるから、接続端子t1,t2間に直列接続された全ての外部スイッチSW2の表示灯点灯部20を点灯させることができ、全ての外部スイッチSW2で換気扇F1の動作状態を視覚的に把握することが可能になる。
【0054】
(実施形態3)
本発明の実施形態2を図6〜図9に基づいて説明する。本実施形態では、実施形態1で説明した図1の電子タイマスイッチSW1において、接続端子t1との間に商用電源ACと照明負荷LaとスイッチSW3との直列回路が接続される接続端子t4を設け、接続端子t1,t4間の電圧或いは電流から照明負荷Laのオン/オフ状態を検出する負荷検出回路部17を設けてあり、負荷検出回路部17の検出結果に応じて制御回路部13が他の負荷(照明負荷La)に連動して換気扇F1のオン/オフを制御している。尚、負荷検出回路部17以外の電子タイマスイッチSW1の構成は図1に示す電子タイマスイッチSW1と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0055】
また図7(b)は本実施形態の電子タイマスイッチSW1の要部の回路図であり、制御回路部13には、連動モードを設定するための連動設定スイッチSW4からの設定入力と、換気扇の遅延動作を設定する遅延動作設定スイッチSW5からの設定入力とが与えられ、各設定スイッチSW4,SW5からの設定入力に応じて制御モードが決定される。ここに、連動設定スイッチSW4により連動設定手段が構成される。
【0056】
また図7(a)は本実施形態の電子タイマスイッチSW1と、照明負荷Laをオン/オフするためのスイッチSW3とを造営面に施工した状態を示しており、電子タイマスイッチSW1の器体(図示せず)の前面には操作ハンドル40が回動自在に取着されている。操作ハンドル40は左右方向の片側(左側)が回動自在に枢支されており、他端側を押操作して操作ハンドル40を回動させることによって、他端側の裏面で押釦スイッチ14の押操作が行えるようになっている。また操作ハンドル40には、連動設定スイッチSW4のスライド摘み41と、遅延動作設定スイッチSW5のスライド摘み42と、動作保持時間を設定するための回転摘み43とをそれぞれ露出させるための窓孔が貫設されておりおり、操作ハンドル40の前面側に露出したスライド摘み41,42や回転摘み43の操作が行えるようになっている。
【0057】
ここに、連動設定スイッチSW4は3位置切替のスライドスイッチからなり、スライド摘み41の切替位置によって連動モードが、照明負荷Laのオン/オフに換気扇F1のオン/オフを連動させない非連動モード、照明負荷Laの点灯に連動して換気扇F1を停止させる入室中停止モード、又は照明負荷Laの点灯に連動して換気扇F1を動作させる入室中動作モードの何れかに切り替え設定される。つまり本実施形態では連動モードとして、照明負荷Laの点灯中、すなわち入室中に換気扇F1を停止させる入室中停止モードと、入室中に換気扇F1を動作させる入室中動作モードの2つのモードが用意されている。
【0058】
また遅延動作設定スイッチSW5は2位置切替のスライドスイッチからなり、スライド摘み42の切替位置によって制御回路部13による換気扇F1の停止制御モードが、押釦スイッチ14のオフ操作時に換気扇F1を即停止させる一時停止モード、又は、オフ操作時から動作保持時間又は遅延時間が経過した時点で換気扇F1を停止させる遅れ停止モードの何れかに切り替え設定される。
【0059】
本実施形態の電子タイマスイッチSW1は以上のような構成を有しており、その動作について図8及び図9を参照して以下に説明する。
【0060】
先ず遅延動作設定スイッチSW5のスライド摘み42を操作して、遅延停止動作を行う遅れ停止モードに設定した場合の動作について図8(a)〜(c)を参照して説明する。なお図8(a)は非連動モードに設定されている場合、同図(b)は入室中停止モードに設定されている場合、同図(c)は入室中動作モードに設定されている場合の動作を示している。
【0061】
連動設定スイッチSW4のスライド摘み41を非連動モードの切替位置に切り替えた場合、制御回路部13は非連動モードで動作し、照明負荷Laの点灯、消灯と無関係に押釦スイッチ14又は外部スイッチSW2の押操作に従って換気扇F1のオン/オフを制御する(図8(a)参照)。すなわち、換気扇F1が停止中の時刻t31(t34)で押釦スイッチ14又は外部スイッチSW2が操作されると、制御回路部13は押釦スイッチ14又は開閉検出回路部15からの入力信号に基づいて駆動回路部11に駆動信号を出力してトライアックQ1,Q2を導通させ、換気扇F1を動作させる。その後、時刻t32(t35)において押釦スイッチ34又は外部スイッチSW2が操作されると、制御回路部13は、押釦スイッチ34又は開閉検出回路部15からの入力信号に基づいて遅延停止動作を開始し、所定の動作保持時間が経過するまでの間は駆動回路部11によりトライアックQ1,Q2を導通させるとともに、動作保持時間が経過した時刻t33(t36)においてトライアックQ1,Q2を開極させて、換気扇F1を停止させる。なお時刻t34〜t35の期間中は照明負荷Laが点灯しているが、制御回路部13は非連動モードで動作しているので、照明負荷Laの点灯/消灯に関係なく、換気扇F1のオン/オフを制御する。
【0062】
また連動設定スイッチSW4のスライド摘み41を入室中停止モードの切替位置に切り替えた場合、制御回路部13は入室中停止モードで動作し、照明負荷Laの点灯中は換気扇F1を強制的に停止させる(図8(b)参照)。照明負荷Laが消灯している期間の動作、例えば時刻t40〜t42の動作は非連動モードの動作と同様であるので、その説明は省略する。一方、照明負荷Laが点灯している期間(時刻t37〜t38、時刻t43〜t46、時刻t48〜t49、時刻t50〜t51)では、負荷検出回路部17が照明負荷Laの点灯状態を検出して検出信号を制御回路部13に出力しており、制御回路部13は押釦スイッチ14や外部スイッチSW2からの入力信号に関係なく換気扇F1を強制的に停止させる。そして、時刻t38,t49,t51において負荷検出回路部17が照明負荷Laの消灯動作を検出すると、制御回路部13は負荷検出回路部17からの検出信号に基づいて遅延停止動作を開始し、駆動回路部11によりトライアックQ1,Q2を導通させて換気扇F1を動作させるとともに、動作保持時間が経過した時刻t39,t50,t52において駆動回路部11によりトライアックQ1,Q2を開極させて、換気扇F1を停止させる。なお照明負荷Laが点灯している時刻t43〜t46において、押釦スイッチ14又は外部スイッチSW2を用いて換気扇F1のオン/オフ操作が行われた場合は、照明負荷Laが消灯した時刻t46から制御回路部13が遅延停止動作を開始して、駆動回路部11によりトライアックQ1,Q2を導通させ、換気扇F1を動作させるとともに、最後に押釦スイッチ14又は外部スイッチSW2が操作された時刻t45から動作保持時間が経過した時刻t47において、駆動回路部11によりトライアックQ1,Q2を開極させて換気扇F1を停止させる。
【0063】
さらに連動設定スイッチSW4のスライド摘み41を入室中動作モードの切替位置に切り替えた場合、制御回路部13は入室中停止モードで動作し、照明負荷Laの点灯中は換気扇F1を強制的に動作させる(図8(c)参照)。照明負荷Laが点灯している期間以外の動作は入室中停止モードと同様であるので、その説明は省略する。一方、照明負荷Laが点灯している期間(時刻t37〜t38、時刻t43〜t46、時刻t48〜t49、時刻t50〜t51)では、負荷検出回路部17が照明負荷Laの点灯状態を検出して検出信号を制御回路部13に出力しており、制御回路部13は押釦スイッチ14や外部スイッチSW2からの入力信号に関係なく換気扇F1を強制的に動作させる。
【0064】
次に遅延動作設定スイッチSW5のスライド摘み42を操作して、遅延停止動作を行わない一時動作モードに設定した場合の動作について図9(a)〜(c)を参照して説明する。なお図9(a)は非連動モードに設定されている場合、同図(b)は入室中停止モードに設定されている場合、同図(c)は入室中動作モードに設定されている場合の動作を示している。
【0065】
連動設定スイッチSW4のスライド摘み41を非連動モードの切替位置に切り替えた場合、制御回路部13は非連動モードで動作し、照明負荷Laの点灯、消灯と無関係に押釦スイッチ14又は外部スイッチSW2の押操作に従って換気扇F1のオン/オフを制御する(図9(a)参照)。すなわち、換気扇F1が停止中の時刻t61(t63)で押釦スイッチ14又は外部スイッチSW2が操作されると、制御回路部13は押釦スイッチ14又は開閉検出回路部15からの入力信号に基づいて駆動回路部11に制御信号を出力してトライアックQ1,Q2を導通させ、換気扇F1を動作させる。その後、時刻t62(t64)において押釦スイッチ14又は外部スイッチSW2が操作されると、制御回路部13は、押釦スイッチ14又は開閉検出回路部15からの入力信号に基づいて駆動回路部11によりトライアックQ1,Q2を開極させて、換気扇F1を即停止させる。なお時刻t63〜t64の期間中は照明負荷Laが点灯しているが、制御回路部13は非連動モードで動作しているので、照明負荷Laの点灯/消灯に関係なく、換気扇F1のオン/オフを制御する。
【0066】
また連動設定スイッチSW4のスライド摘み41を入室中停止モードの切替位置に切り替えた場合、制御回路部13は入室中停止モードで動作し、照明負荷Laの点灯中は換気扇F1を強制的に停止させる(図9(b)参照)。照明負荷Laが消灯している期間の動作、例えば時刻t68〜t69の動作は、図9(a)に示した非連動モードの動作と同様であるので、その説明は省略する。一方、照明負荷Laが点灯している期間(時刻t65〜t66、時刻t70〜t73、時刻t75〜t76、時刻t77〜t78)では、負荷検出回路部17が照明負荷Laの点灯状態を検出して検出信号を制御回路部13に出力しており、制御回路部13は押釦スイッチ14や外部スイッチSW2からの入力信号に関係なく換気扇F1を強制的に停止させる。そして、時刻t66,t77,t78において負荷検出回路部17が照明負荷Laの消灯動作を検出すると、制御回路部13は負荷検出回路部17からの検出信号に基づいて遅延停止動作を開始し、駆動回路部11によりトライアックQ1,Q2を導通させて、換気扇F1を動作させるとともに、動作保持時間が経過した時刻t67,t79において駆動回路部11によりトライアックQ1,Q2を開極させて、換気扇F1を停止させる。尚、遅延停止動作で換気扇F1を動作させている時刻t73において、押釦スイッチ14又は外部スイッチSWを用いて換気扇F1のオフ操作が行われた場合は、制御回路部13が駆動回路部11によりトライアックQ1,Q2を開極させて、換気扇F1を即座に停止させる。また、遅延停止動作で換気扇F1を動作させている時刻t77において照明負荷Laが点灯すると、制御回路部13は駆動回路部11によりトライアックQ1,Q2を強制的に開極させて、換気扇F1を即座に停止させる。
【0067】
さらに連動設定スイッチSW4のスライド摘み41を入室中動作モードの切替位置に切り替えた場合、制御回路部13は入室中動作モードで動作し、照明負荷Laの点灯中は換気扇F1を強制的に動作させる(図9(c)参照)。照明負荷Laが点灯している期間以外の動作は入室中停止モードと同様であるので、その説明は省略する。一方、照明負荷Laが点灯している期間(時刻t65〜t66、時刻t70〜t73、時刻t75〜t76、時刻t77〜t78)では、負荷検出回路部17が照明負荷Laの点灯状態を検出して検出信号を制御回路部13に出力しており、制御回路部13は押釦スイッチ14や外部スイッチSW2からの入力信号に関係なく換気扇F1を強制的に動作させる。
【0068】
このように本実施形態では制御回路部13による連動制御の制御モードを設定するために連動設定スイッチSW4及び遅延動作設定スイッチSW5を設けてあり、両設定スイッチSW4,SW5を用いて、使用用途や使用環境に応じて使い勝手の良い制御モードで動作させることができる。
【0069】
なお、本発明の精神と範囲に反することなしに、広範に異なる実施形態を構成することができることは明白なので、この発明は、特定の実施形態に制約されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施形態1の電子タイマスイッチを用いた換気扇の制御システムの回路図である。
【図2】(a)(b)は電子タイマスイッチの他の構成の回路図である。
【図3】同上の動作を説明するタイムチャートである。
【図4】(a)〜(c)は同上の他の動作を説明するタイムチャートである。
【図5】実施形態2の電子タイマスイッチを用いた換気扇の制御システムの回路図である。
【図6】実施形態3の電子タイマスイッチを用いた換気扇の制御システムの回路図である。
【図7】同上を示し、(a)は施工状態を示す正面図、(b)は要部の回路図である。
【図8】(a)〜(c)は同上の動作を説明するタイムチャートである。
【図9】(a)〜(c)は同上の別の動作を説明するタイムチャートである。
【図10】(a)は換気扇の制御回路部の回路図、(b)は従来の電子タイマスイッチを用いた換気扇の制御回路部の回路図である。
【符号の説明】
【0071】
SW1 電子タイマスイッチ
SW2 外部スイッチ
AC 商用電源
F1 換気扇
Q1,Q2 トライアック
t1〜t3 接続端子
11 駆動回路部
13 制御回路部
14 押釦スイッチ
15 開閉検出回路部
21 接点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と負荷との直列回路が接続される第1及び第2の接続端子と、前記第1の接続端子との間に他所に設置される外部スイッチを介して前記直列回路が接続される第3の接続端子と、第1の接続端子と第2の接続端子の間、及び、第1の接続端子と第3の接続端子の間にそれぞれ接続されて負荷への電源供給を入切する第1及び第2の開閉制御素子と、駆動信号に応じて前記各開閉制御素子を開閉させる駆動回路部と、第1及び第3の接続端子の間に印加される電圧又は第1及び第3の接続端子に流れる電流の何れかに基づいて前記外部スイッチの開閉状態を検出する開閉検出回路部と、前記負荷の入切操作を行うための入切操作部と、前記入切操作部が操作されるか、又は、前記開閉検出回路部により前記外部スイッチの開閉状態の反転動作が検出されると、各開閉制御素子の開閉状態を反転させる駆動信号を駆動回路部に出力するとともに、負荷の動作時において前記入切操作部が操作されると、所定の動作保持時間が経過するまでの間は、各開閉制御素子を閉状態に切り替える駆動信号を駆動回路部に出力し、且つ、前記動作保持時間が経過した時点で各開閉制御素子を開状態に切り替える駆動信号を駆動回路部に出力する制御回路部とを備えて成ることを特徴とする電子タイマスイッチ。
【請求項2】
前記制御回路部によって点灯状態が制御される動作表示灯を外部より目視可能な状態で設け、前記制御回路部は、前記負荷の停止時に前記入切操作部が操作されると、前記各開閉制御素子を閉状態に切り替える駆動信号を前記駆動回路部に出力するとともに、動作表示灯を連続点灯させ、且つ、負荷の動作時に入切操作部が操作されると、所定の動作保持時間が経過するまでの間、各開閉制御素子を閉状態に切り替える駆動信号を駆動回路部に出力するとともに、動作表示灯を点滅させ、前記動作保持時間が経過した時点で各開閉制御素子を開状態に切り替える駆動信号を駆動回路部に出力するとともに、動作表示灯を消灯させることを特徴とする請求項1記載の電子タイマスイッチ。
【請求項3】
前記駆動回路部に、第1の開閉制御素子を閉動作させるタイミングに比べて、第2の開閉制御素子を閉動作させるタイミングを遅らせる遅延手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の電子タイマスイッチ。
【請求項4】
前記制御回路部は、負荷の動作時において前記外部スイッチの開閉状態が反転するのを前記開閉検出回路部が検出すると、所定の遅延時間が経過するまでの間、前記第1及び第2の開閉制御素子を閉状態に切り替える駆動信号を駆動回路部に出力するとともに、前記遅延時間が経過した時点で前記第1及び第2の開閉制御素子を開状態に切り替える駆動信号を駆動回路部に出力することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載の電子タイマスイッチ。
【請求項5】
前記制御回路部によって点灯状態が制御される動作表示灯を外部より目視可能な状態で設けるとともに、他の負荷のオン/オフ状態を検出する負荷検出回路部を設け、前記制御回路部は、前記負荷検出回路部が他の負荷のオン状態を検出すると、前記第1及び第2の開閉制御素子を閉状態に切り替える駆動信号を駆動回路部に出力するとともに、前記動作表示灯を連続点灯させ、且つ、前記負荷検出回路部が他の負荷のオフ状態を検出すると、所定の動作保持時間が経過するまでの間、前記第1及び第2の開閉制御素子を閉状態に切り替える駆動信号を駆動回路部に出力するとともに、前記動作表示灯を点滅させ、前記動作保持時間が経過した時点で前記第1及び第2の開閉制御素子を開状態に切り替える駆動信号を駆動回路部に出力するとともに、前記動作表示灯を消灯させることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載の電子タイマスイッチ。
【請求項6】
他の負荷のオン/オフ状態を検出する負荷検出回路部を設け、前記制御回路部は、他の負荷がオン状態からオフ状態に切り替わるのを前記負荷検出回路部が検出すると、所定の動作保持時間が経過するまでの間、前記第1及び第2の開閉制御素子を閉状態に切り替える駆動信号を駆動回路部に出力するとともに、前記動作保持時間が経過した時点で前記第1及び第2の開閉制御素子を開状態に切り替える駆動信号を駆動回路部に出力することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載の電子タイマスイッチ。
【請求項7】
制御回路部の制御モードを、前記負荷検出回路部の検出結果に関係無く、前記入切操作部からの操作入力と前記開閉検出回路部の検出結果とに基づいて負荷を制御する非連動モード、又は、負荷検出回路部の検出結果と入切操作部からの操作入力と開閉検出回路部の検出結果とに基づいて負荷を制御する連動モードの何れかに選択的に切り替えるモード切替手段を設けたことを特徴とする請求項5又は6記載の電子タイマスイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−304223(P2006−304223A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−126916(P2005−126916)
【出願日】平成17年4月25日(2005.4.25)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】