説明

電子デバイスの保護システム及び方法

消火剤であるか又は消火することができる熱管理流体を含む発熱電子デバイスの保護システム及び方法を用意する。用意されるシステム及び方法は、再循環熱管理流体を含む。該流体は、少なくとも1つのバルブを含む管を通って循環する。該バルブは、炎又は火等の刺激に応答して開いて、発熱電子デバイス又は炎に該流体を向けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、データセンター、電池、及び電力変換装置等の発熱電子デバイス、並びに消火冷却剤を用いて該デバイスを冷却するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現代のエレクトロニクスの応用の殆ど全てにおいて、熱の放散は、設計者にとって重要な検討事項である。持ち運び式及び手持ち式デバイスでは、例えば、機能を付加すると同時に小型化したいという要望が、熱出力密度を高め、それが該デバイス内のエレクトロニクス及び電池の冷却をより困難にしている。デスクトップコンピューター、データセンター及び電気通信センターの計算能力が増すにつれて、熱の出力も増える。プラグ接続式電気自動車又はハイブリッド自動車、風力タービン、列車のエンジン、発電機、及び様々な工業プロセス等のパワーエレクトロニクスデバイスは、更なる高電流及び熱流速で稼働するトランジスタを利用する。
【0003】
したがって、パソコン等のデバイスは、マイクロプロセッサ、メモリ、電源等のコンポーネントによって生じる熱を空冷するファンと共に作動する。複数の電子デバイスの大きなネットワークである電気通信センター及びデータセンターは、該デバイスに送られる空気を冷却する複数の、ファン、送風機、圧縮機、及びポンプで構成することができる広く分散した空調システムを利用する。複数の伝熱プロセスは、典型的に、熱を外気又は地下水に移動させる。パワーエレクトロニクスデバイスは、半導体デバイスで構成されるパワーエレクトロニクスモジュールに取り付けられたヒートシンクに適用される大きな送風機を利用することが多い。
【0004】
このようなデバイスに液体冷却を用いることの人気が高まってきている。多くのパワーエレクトロニクスデバイスでは、所望の出力密度を達成しようとすると、該デバイス内のコンポーネントの空冷は現実的ではない。大きなデータセンター及び電気通信センターでは、エネルギー効率を高めるために、伝熱プロセスの多くで液体冷却が空冷に取って代わっている。水又は水系システムが時に用いられるが、典型的には、使用中又は漏電中電気を通さないことから絶縁伝熱媒体が用いられる。絶縁媒体は、熱を受け取り、そして放出するとき、ループ内で蒸発し、凝結することが多い。これらの媒体としては、例えば、ペルフルオロポリエーテル(PFPE)、ペルフルオロアミン(PFA)、及びペルフルオロエーテル(PFE)を含むペルフルオロカーボン(PFC)、ヒドロフルオロエーテル(HFE)、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、シリコーン、及び炭化水素が挙げられる。
【0005】
一部の電子デバイスでは、そのデバイスによって生じる熱は、発熱が自己加速する状態、即ち、暴走と呼ばれる状態になる閾値に達する場合がある。これは、例えば、電池のようなデバイス、又は故障したときに熱くなるデバイスにおいて問題となる場合がある。過剰の熱は、電子デバイスに損傷を与える恐れがあり、或いは、発火又は爆発した場合、広がって、広範囲に及ぶ損傷及び損害を引き起こす恐れがある。ビジネスに不可欠なデータセンター又は予備電力変換機等の高価値デバイスの場合、担当者、情報、及び高価な設備を保護するために、炎が検出された場合に消火することができる二次消火システムを有すること一般的である。このような消火システムは、液体冷却システムと共に存在することが多く、消火剤としてハロゲン化化学物質を利用することが多い。1つの一般的な剤である、ブロモトリフルオロメタンは、オゾン破壊性が高く、モントリオール議定書によって生産が廃止されている。非オゾン破壊性PFC及びHFCは、高い地球温暖化係数(「GWP」)をもたらす最高50,000年という大気寿命値を示す場合がある。GWPは、指定の積分時間範囲にわたる、1キログラムのCOによる温暖化に対する、1キログラムのサンプル化合物の放出による潜在的温暖化の積分である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
防火も行う熱管理システムを有することが望ましい。また、電子コンポーネントに損傷を与えない消火剤を含む熱管理システムを有することが望ましい。更に、地球温暖化係数が低い冷却剤、消火剤の組み合わせを含む熱管理システムを有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの態様では、発熱電子装置と、少なくとも1つの再循環熱管理流体を含む熱管理システムであって、該発熱電子デバイスから熱を移動させるように設計される熱管理システムと、バルブであって、刺激に応答して、該熱管理流体の少なくとも一部を熱管理システムから該バルブを通して発熱電子デバイス又は近傍の炎に向けるよう設計される、熱管理システム内のバルブと、を含み、該熱管理流体が消火剤を含む、保護システムを用意する。
【0008】
別の態様では、電子装置の熱管理及び防火方法であって、電子装置を用意する工程と、少なくとも1つの再循環熱管理流体を含む熱管理システムを用いて電子装置を熱的に管理する工程と、電子装置内又は近傍の炎を感知する工程と、電子装置内又は近傍の炎の感知に応答して、熱管理システム内のバルブを開ける工程と、バルブによって、熱管理システムから熱管理流体を電子装置又は近傍の炎に向ける工程と、炎を消す工程と、を含み、熱管理流体が消火剤を含む、熱管理及び防火方法を用意する。
【0009】
本開示では、
「発熱電子デバイス」とは、例えば、パソコン、携帯電話、リチウムイオン電池等の個々の電子装置、例えば、ICチップ、電力トランジスタ等のこれら装置内の部品、並びに例えば、データセンター、電気通信センター等の多くの電子装置を含むシステムを指す。
「熱管理流体」及び「伝熱流体」及び「伝熱媒体」は、本明細書において互換的に用いられ、ある位置から別の位置へ熱を伝達することができる流体を指す。
「熱接触」とは、熱がより温かい素子からより冷たい素子に流動し得るように、互いに近接して位置し異なる温度を有する2つの素子を有する状態を指す。
【0010】
用意される保護システムは、熱管理流体を用いて発熱電子デバイスから熱を伝達することができる。更に、これらのシステムは、高い伝熱能を有するが、地球温暖化能、オゾン破壊能に関する限り環境に対する影響が少なく、且つデリケートな電子デバイスに対して不活性である、流体を使用することができる。また、該システムは、刺激に応答して、少なくとも一部の電子デバイスに向くことができ、消火することができ、且つ自己加速発熱を停止させることができる。したがって、該流体は、2つの機能を有する、すなわち、熱管理流体として機能するだけでなく、データセンター等のデバイスに現在用いられている別々の、コストがかかる防火保護システムの必要性をなくすことができる。
【0011】
上記の要約は、本発明の全ての実施の開示された各実施形態を記述することを意図したものではない。図面の簡単な説明及び後に続く詳細な説明は、説明に役立つ実施形態をより具体的に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】空冷されたデータセンターのレイアウトの概略図。
【図2】図1に記載されているような典型的な空冷されたデータセンターにおける伝熱経路の概略図。
【図3】用意される電子デバイス用の保護システムの実施形態。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明において、本明細書の説明の一部を構成し、いくつかの特定の実施形態が例として示される添付の一連の図面を参照する。本発明の範囲又は趣旨を逸脱せずに、その他の実施形態が考えられ、実施され得ることを理解すべきである。したがって、以下の「発明を実施するための形態」は、限定する意味で理解すべきではない。
【0014】
他に指示がない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される特徴の大きさ、量、物理特性を表わす数字は全て、どの場合においても用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。それ故に、そうでないことが示されない限り、前述の明細書及び添付の特許請求の範囲で示される数値パラメータは、当業者が本明細書で開示される教示内容を用いて、目標対象とする所望の特性に応じて、変化し得る近似値である。終点による数の範囲の使用は、その範囲内(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)の全ての数及びその範囲内の任意の範囲を含む。
【0015】
電子デバイス用の保護システムが本明細書に記載される。該システムは、過熱から電子デバイスを保護することができ、刺激に応答して、消火剤を含む熱管理流体を電子デバイスに導いて、過熱から生じた任意の炎又は火を消すことができる。保護システムは、発熱電子デバイスを含む。発熱電子デバイスは、典型的に熱を発生する電子素子を含む任意の電子デバイス又はシステムであり得る。代表的な発熱電子素子としては、半導体集積回路(IC)、電気化学セル、電力トランジスタ、抵抗器、及びエレクトロルミネッセンス素子が挙げられる。電子デバイスとしては、マイクロプロセッサ、半導体デバイスの製造に用いられるウエファー、電力制御半導体、電気化学セル(リチウムイオン電池を含む)、配電開閉器、電力変圧器、回路基板、マルチチップモジュール、パッケージ化又は非パッケージ化半導体デバイス、半導体集積回路、燃料電池、レーザー(従来の又はレーザーダイオード)、発光ダイオード(LED)、及び例えばハイブリッド自動車又は電気自動車等の高電力用途に用いられる電気化学セルが挙げられるが、これらに限定されない。他のデバイスとしては、パソコン、マイクロプロセッサ、サーバー、携帯電話、及びPDAが挙げられる。電気通信センター等の、コンピュータシステム及び付随するコンポーネントの集合体であるデータセンター、並びに一般的に冗長又はバックアップ電源を含む保存システム、冗長データ通信接続、環境制御(例えば、空調及び消火を含む)、及びセキュリティデバイスも、用意される保護システムの範囲内である。
【0016】
電子デバイスとしては、少なくとも1つの再循環熱管理流体を含む熱管理システムが挙げられる。熱管理流体は、消火剤を含む。熱管理システムは、発熱電子デバイスから凝縮器又は熱交換器に熱を伝達するように設計される。熱管理システムは、受動的に、又は例えばポンプ等の機械的設備を用いることにより、熱管理流体を再循環させることができる。受動的再循環システムは、典型的に熱管理流体が蒸発するまで、電子デバイスから熱管理流体に熱を伝達することにより機能し、その熱を凝縮器表面に伝達し、液体に凝結させることができる凝縮器に加熱された蒸気を進め、次いで、凝縮した液体を電子デバイスと接触している熱管理流体に再流させることができる。代表的な電気化学セル用の受動的熱管理システムは、例えば、米国特許出願第11/969,491号(Jiangら)に記載されている。受動的熱管理システムは、例えば、単相又は二相浸漬冷却を含んでもよい。他の実施形態では、熱管理システムは、ポンプ式二相システムを含んでもよい。また、熱管理システムは、例えば、ポンプ、バルブ、流体格納システム、圧力制御システム、凝縮器、熱交換器、熱源、ヒートシンク、冷凍システム、能動的温度制御システム、温度及び/又は圧力センサ、炎センサ、二酸化炭素センサ、並びに受動的温度制御システム等を含む伝熱流体を管理するための設備を含んでもよい。
【0017】
用意されるシステムは、難燃性、不活性、非水性伝熱媒体を含んでもよい。難燃性とは、媒体が容易には燃焼を支持しないことを意味する。不活性とは、システムの正常動作条件下で、媒体がシステム又は電子デバイスのコンポーネントと実質的に反応しないことを意味する。不活性流体を必要とする伝熱処理のために、フルオロカーボン又はヒドロフルオロカーボンを使用することができる。また、典型的に、毒性が低く、本質的に皮膚に対する刺激がなく、化学的に反応性ではなく、不燃性(例えば、ASTM D−3278−96 e−1「Flash Point of Liquids by Small Scale Closed−Cup Apparatus」に従って引火点を示さない)であり、且つ絶縁耐力が高いフルオロカーボン流体が有用であり得る。ペルフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、ペルフルオロケトン、ペルフルオロポリエーテル、ペルフルオロエーテル、及びヒドロフルオロエーテル等のフルオロカーボン流体は、成層圏のオゾン層を破壊しないという更なる利点を用意することができる。
【0018】
クロロフルオロカーボン(CFC)及びヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)等のオゾン破壊性化学物質は、1987年のモントリオール議定書によって先進国では廃止されている。冷凍、エアロゾル、熱管理流体、及び他の用途のための代替化学物質は、臭素及び塩素を使用することができないので制約を受けており、良好な性能を有し、許容可能なオゾン破壊性を有するヒドロフルオロカーボン(HFC)が含まれる。近年、国際的な環境団体は、緊急性の高まりとともに、地球温暖化の問題に注目している。1997年の京都議定書及び2006年の欧州連合F−ガス規制の下で、地球温暖化係数(GWP)の高い物質を、地球温暖化係数の低い物質によって置換する必要がある。以下の表1(P.Tuma,Proceedings,SEMI−THERM,March 2008,pp.173〜179)に、様々な熱管理流体の地球温暖化係数(GWP)を列挙する。
【0019】
【表1】

【0020】
地球温暖化係数(GWP)は、所定の質量の温室効果ガスが地球温暖化にどれくらい寄与するかを推定する尺度である。それは、測定されるガスを同質量の二酸化炭素(GWP=1)と比較する相対的尺度である。GWPは、特定の時間間隔にわたって計算される。GWPに寄与する因子としては、赤外線の吸収、吸収波長のスペクトル位置、及び種の大気寿命が挙げられる。様々な化合物の大気寿命及びGWPの測定は、IPCC,2007:Climate Change 2007:The Physical Science Basis Contribution of Working Group I to the Fourth Assessment Report of the Intergovernmental Panel on Climate Change[Solomon,S.,D.Qin,M.Manning,Z.Chen,M.Marquis,K.B.Averyt,M.Tignor and H.L.Miller(eds.)].Cambridge University Press,Cambridge,United Kingdom and New York,NY,USA,996 pp,2007に記載の通り行うことができる。
【0021】
用意される保護システム及び方法では、GWPが低い熱管理流体を使用することが望ましい。熱管理流体のGWPは、約1000以下、約100以下、約10以下、又は更には約1以下であるべきである。
【0022】
いくつかの実施形態では、用意される熱管理システムは、不活性であり、絶縁耐力が高く、電気伝導度が低く、化学的に不活性であり、熱安定性であり、且つ効果的な伝熱を有するハイドロフルオロエーテル熱管理流体(即ち、ヒドロフルオロエーテル伝熱流体の混合物)を含む。更に、用意されるシステムは、液体である熱管理流体を含み、広範な温度範囲にわたって、良好な伝熱特性を有する。ヒドロフルオロエーテルは、例えば、米国特許出願公開第2006/012821号(Owensら)に開示されている。用意されるシステムの実施形態において有用であり得る例示的なヒドロフルオロエーテルとしては、以下の構造:
(R−O)−R’ (I)
(式中、xは、1又は2であり;Oは、酸素であり;R及びR’のうちの一方は、ペルフルオロ脂肪族又はペルフルオロ環式基であり、他方は、脂肪族又は環式基である)によって表される化合物が挙げられる。xが2であるとき、各Rは、同数又は異なる数の炭素原子を含んでもよい。R又はR’がペルフルオロ脂肪族又はペルフルオロ環式基であるとき、それは、所望により、O、N、又はS原子等の鎖ヘテロ原子を1つ以上含有してもよい。
【0023】
用意されるシステムの実施形態において有用な他のハイドロフルオロエーテル化合物としては、式:R−O−R’のフッ素化エーテル(式中、R及びR’は、同一であるか又は異なり、置換及び非置換のアルキル、アリール、及びアルキルアリール基、並びにこれらの誘導体からなる群より選択される)が挙げられる。R及びR’のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのフッ素原子を含有し、R及びR’のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの水素原子を含有する。任意に、R及びR’のうちの1つ又は両方は、窒素、酸素、若しくはイオウ等の1つ以上のカテネイト又は非カテネイトヘテロ原子、及び/又は塩素、臭素、若しくはヨウ素を含む1つ以上のハロゲン原子を含有してもよい。また、R及びR’は、所望により、カルボニル、カルボキシル、チオール、アミノ、アミド、エステル、エーテル、ヒドロキシル、及びメルカプト基を含む1つ以上の官能基を含有してもよい。R及びR’はまた、直鎖、分枝鎖、又は環状アルキル基であってもよく、1つ以上の不飽和炭素−炭素結合を含有してもよい。これらの物質は、例えば、米国特許第5,713,211号(Sherwood)に開示されている。
【0024】
本発明のプロセス及びシステムで使用するのに好適なヒドロフルオロエーテルの代表的な例としては、以下の化合物が挙げられる:C11OC、COCH、COCH、COC、COCF(CF)CFOCH、COCOCOC、CO(CFOCH、CCF(OC)CF(CF、CCF(OCH)CF(CF、COCOC
【化1】

【0025】
他の有用なヒドロフルオロエーテル化合物は、例えば、米国特許第5,962,390号(Flynnら)、同第6,953,082号;同第7,055,579号;及び同第7,128,133号(全てCostelloら)に開示されている。用意されるシステムのいくつかの実施形態において有用な他のヒドロフルオロエーテル化合物としては、米国特許公開第2007/0267464号(Vitcakら)に開示されているような、環状ヒドロフルオロエーテル化合物が挙げられる。これらの化合物は、一般式(II)及び(III)によって表すことができる。
【化2】


式中、各Rは、独立して、二価エーテル酸素原子及び三価窒素原子から選択される、少なくとも1つのカテネイトヘテロ原子を任意で含有し、かつ−CFH、−CFHCF、及び−CFOCHから選択される末端部分を任意で含む、直鎖又は分枝鎖ペルフルオロアルキル基であり(好ましくは、1〜約6つの炭素原子を有し、かつ二価エーテル酸素原子及び三価窒素原子から選択される少なくとも1つのカテネイトヘテロ原子を任意で含有する直鎖又は分枝鎖ペルフルオロアルキル基であり;より好ましくは、1〜約3つの炭素原子を有し、かつ少なくとも1つのカテネイト二価エーテル酸素原子を任意で含有する直鎖又は分枝鎖ペルフルオロアルキル基であり;最も好ましくは、ペルフルオロメチル基である)、各R’は、独立して、フッ素原子、又は直鎖若しくは分枝鎖であり、かつ少なくとも1つの連鎖ヘテロ原子を任意で含有する(好ましくは、1〜約4つの炭素原子を有する及び/又はカテネイトヘテロ原子を有しない)ペルフルオロアルキル基であり;Yは、共有結合、−O−、−CF(R)−、又は−N(R”)−(式中、R”は、直鎖又は分枝鎖であり、かつ少なくとも1つのカテネイトヘテロ原子を任意で含有する(好ましくは、1〜約4つの炭素原子を有する及び/又はカテネイトヘテロ原子を有しない)ペルフルオロアルキル基である)であり;R’は、直鎖、分枝鎖、環状、又はそれらの組み合わせであり、少なくとも2つの炭素原子を有し、かつ少なくとも1つのカテネイトヘテロ原子を任意で含有する(好ましくは、直鎖又は分枝鎖である、及び/又は2〜約8つの炭素原子を有する、及び/又は少なくとも4つの水素原子を有する、及び/又はカテネイトヘテロ原子を有しない)アルキレン基である。
【0026】
他の実施形態では、熱管理システムは、米国特許第7,385,089号(Costelloら)に開示されているような、フルオロケミカルケトン化合物を含んでもよい。これらのフルオロケミカルケトン化合物は、以下の一般式(IV):
’−C(=O)−[CF−O−(CFCFO)−(CFO)−CF]−C(=O)−R” (IV)
(式中、R’及びR”は、それぞれ独立して、少なくとも1つのカテネイトヘテロ原子を任意で含有し、かつ−CFH、−CFHCF、及び−CFOCHから選択される末端部分を任意で含む分枝鎖ペルフルオロアルキル基であり;mは、1〜約100の整数であり;nは、0〜約100の整数であり;テトラフルオロエチレンオキシ(−CFCFO−)及びジフルオロメチレンオキシ(−CFO−)部分は、ランダムに又は非ランダムに分布している)によって表すことができる。好ましくは、R’及びR”は、それぞれ独立して、少なくとも1つのカテネイトヘテロ原子を任意で含有する分枝鎖ペルフルオロアルキル基(より好ましくは、約3〜約6つの炭素原子を有する分枝鎖ペルフルオロアルキル基)であり;mは、1〜約25の整数(より好ましくは、1〜約15)であり;nは、0〜約25(より好ましくは、0〜約15)の整数である。
【0027】
用意されるシステムにおいて有用な更に他の熱管理流体としては、消火剤として有用なフッ素化又は部分的フッ素化ケトンが挙げられる。有用なフッ素化ケトンとしては、完全にフッ素化されているケトン、即ち、炭素主鎖の炭素原子が全てフッ素で置換されているケトン;又は、炭素主鎖の残りの1〜3個の水素、塩素、臭素、及び/又はヨウ素原子を除いて完全にフッ素化されているケトンが挙げられる。代表的なフッ素化ケトンとしては、CFCFC(O)CHが挙げられる。幾つかの実施形態では、用意される保護システムは、1,1,1,2,2,4,5,5,5−ノンフルオロ−4−トリフルオロメチル−ペンタン−3−オン(この開示の他の箇所では、CFCFC(O)CF(CF又は(C6K)と呼ばれる)。また、フルオロケトンは、分子のペルフルオロ化部分における炭素主鎖を遮断する1つ以上のカテネイトヘテロ原子を含有するものを含んでもよい。カテネイトヘテロ原子は、例えば、窒素、酸素、又は硫黄原子である。典型的に、炭素主鎖に結合しているハロゲン原子の大部分がフッ素であり、最も好ましくは、ケトンがペルフルオロ化ケトンであるように、ハロゲン原子の全てがフッ素である。より好ましいフッ素化ケトンは、合計4〜8個の炭素原子を有する。本発明のプロセス及び組成物で用いるのに好適なペルフルオロ化ケトン化合物の代表的な例としては、CFCFC(O)CF(CF、(CFCFC(O)CF(CF、CF(CFC(O)CF(CF、CF(CFC(O)CF(CF、CF(CFC(O)CF、CFCFC(O)CFCFCF、CFC(O)CF(CF、及びペルフルオロシクロヘキサノンが挙げられる。これら組成物は、例えば、米国特許第6,478,979号(Riversら)に開示されている。
【0028】
優れた消火性能を示すことに加えて、フッ素化ケトンは、環境に優しいという重大な利益をもたらし、毒性において更なる重要な利益をもたらし得る。例えば、CFCFC(O)CF(CF(C6K)は、空気中50,000ppmの濃度に4時間曝露したマウスを用いた短期間の吸入試験に基づいて、低い急性毒性を有する。300nmにおける光分解研究に基づいて、CFCFC(O)CF(CFは、1〜2週間の推定大気寿命を有する(N.Taniguchi,et al.,J.Phys.Chem.,A 2003,107,2674〜2679)。他のフッ素化ケトンは、類似の吸光度を有するので、類似の大気寿命を有すると予測される。下層大気において急速に分解される結果として、ペルフルオロ化ケトンは、大気寿命が短く、地球温暖化にそれほど寄与しないと予測される。受動的及びポンプ式二相用途のための伝熱流体としてのCFCFC(O)CF(CFの特定及び使用についての説明は、例えば、P.Tuma,Proceedings,SEMI−THERM,March 2008,pp.173〜179に開示されている。
【0029】
用意されるシステム及び方法において有用な熱管理流体の例としては、例えば、商品名NOVEC Engineered Fluids(3M Company,St.Paul,MNから入手可能)又はVERTEL Specialty Fluids(DuPont,Wilmington,DEから入手可能)として入手可能なヒドロフルオロエーテル及びフルオロケトンが挙げられる。特に有用な流体としては、全て3Mから入手可能なNOVEC 1230、NOVEC 7000、NOVEC 7100、NOVEC 7200、NOVEC 7300、NOVEC 7500、及びNOVEC 7600が挙げられる。更に、熱管理流体としては、フルオロスルホンが挙げられる。いくつかの実施形態では、該流体を混合して、エンドユーザの注文通りの特性を用意することができる。
【0030】
他の有用な流体としては、GWPの低いヒドロフルオロカーボンが挙げられる。これら流体としては、例えば、C及びC13が挙げられる。更なる有用な流体としては、GWPの低いフルオロオレフィンが挙げられる。これら流体としては、例えば、CFCF=CH及びCFCF=CFCF(CFが挙げられる。
【0031】
用意される保護システム及び方法は、刺激に応答して、熱管理流体の少なくとも一部を熱管理システムからバルブを通して発熱電子デバイスに向けるよう設計された、熱管理システムにおけるバルブを含む。該刺激は、幾つかの実施形態では、火花、火、炎、煙、又は他の火災を起こす事象であってもよい。該刺激は、発熱電子デバイス自体から、又は近接する別の源から生じる場合がある。このような場合、熱管理流体は、刺激に応答して、熱管理システムから、同じ筐体内、隣接する部屋若しくは領域内、又は熱管理流体を向けるのに十分な近さのいずこかであってよい他の源に向け得ることが想到される。典型的に、選択される熱管理流体は、絶縁体であり、効率よく伝熱することができ、且つ消火剤である。選択される流体は、熱管理システム内の熱管理流体(典型的に、冷却剤)として作用することもでき、刺激に応答して向けられる場合、消火剤として作用することもできる。
【0032】
用意される保護システムは、センサを含んでもよい。該センサは、電子デバイスに危険を引き起こし得る環境条件の存在を検出することができる。例えば、該センサは、熱、加熱速度、湿度、イオン化、光、雑音、電流、又は磁場を検出することができる。該センサの目的は、炎、火、火花、煙、又はセンサを刺激し得る他の過熱状態等の危険を検出し、電子デバイスの環境変化をシステムに警告することであってもよい。このような刺激は、1つ以上のバルブと電気通信することができるセンサを活性化することができる。以下に記載するバルブは、熱管理流体を電子デバイスに向けることができる。用意されるシステムにおいて有用であり得るセンサの例としては、煙検出器、炎検出器、熱検出器、赤外線検出器、及び可視光検出器が挙げられる。また、オペレータ等の人間がセンサであり得る場合も、本発明の範囲内である。
【0033】
熱管理システムは、典型的に、閉鎖系である。それは、少なくとも2つの熱交換器を含んでもよい。熱管理システムを用いて発熱電子デバイスを冷却する場合、熱は、電子デバイスから、通常電子デバイスの少なくとも一部と接触している熱交換器を通って流体に伝達され得るか、又は熱は、熱管理流体と熱接触している熱交換器に熱を伝導することができる循環空気に伝達され得る。或いは、該流体は、電子デバイスと直接接触して、接触により熱エネルギーを受容することもできる。次いで、該流体は、温められた流体として又は蒸気として、流体から熱を奪って外部環境に伝達する熱交換器に循環することができる。この伝熱後、冷却された伝熱流体(冷却又は凝縮して)は、再利用される。熱管理システムは、バルブを有する。バルブは、受動的であっても能動的であってもよい。受動的バルブは、刺激に応答して破裂する材料を含んでもよい。例えば、所定の温度で融解し、熱管理流体、典型的に水に建物で発生する火を冷却させることができる材料を有する、スプリンクラーヘッド等の受動的バルブが知られている。同じ方法で、用意される熱管理システムは、熱又は炎に応答して破裂する冷却管の一部を有して、流体の少なくとも一部を「熱い」電子デバイスに噴射させ、発生した任意の炎を消火することができることが想到される。
【0034】
或いは、該バルブは、能動的であってもよく、また、センサによって起動されてもよい。上記センサは、信号をバルブに送信して、該バルブに再循環流体を発熱装置に向けさせることができる。該信号は、電気、磁気、又はワイヤ、光ファイバー、若しくは磁気バーを通して運ばれ得るか、或いは無線方式で送信され得る、光信号であってもよい。無線自動保護システムの例は、例えば、欧州特許出願公開第1,845,499 A2号(Coolら)に見出すことができる。また、該バルブは、刺激を感知したオペレータによって手動で起動させることもできる。
【0035】
電子デバイスは、筐体内に存在してもよい。筐体としては、一体化キャビネット、又はラック若しくは電気設備の支持、液体冷却、防火システム、無停電電源、電力品質管理、温度、湿度、侵入等のキャビネットパラメータの遠隔操作及び制御による熱管理のための他の手段、又は刺激に応答するセンサを含み得るキャビネットの群を挙げることができる。電子デバイスの代表的な筐体は、例えば、米国特許出願公開第2004/0132398 A1号(Sharpら)に開示されている。筐体は、1つ以上の電子デバイスを収容する部屋又は建物を含んでもよい。
【0036】
重要な発熱電子デバイスとしては、データセンターが挙げられる。現在、データセンターは、米国で生産される電力の約2%を消費している。2011年までに、データセンターの電力消費は、100%を超える増加分が予測されている。したがって、データセンターのエネルギー効率及び環境的影響を、設計及び操作時に考慮することが必要である。熱管理流体を火炎抑制剤と組み合わせる、用意される保護システムは、必要とされる熱管理システムを用意することによりデータセンターのエネルギー効率を高め、また過熱に起因する安全性の問題を解決するよう設計される。更に、用意される保護システムの実施形態は、地球温暖化係数の低い流体を使用する。幾つかの実施形態では、該流体は、10以下の地球温暖化係数を有する。
【0037】
別の態様では、電子装置の熱管理及び防火方法であって、電子装置を用意する工程と、少なくとも1つの再循環熱管理流体を含む熱管理システムを用いて電子装置を熱的に管理する工程と、電子装置内又は近傍の炎を感知する工程と、電子装置内又は近傍の炎の感知に応答して熱管理システム内のバルブを開く工程と、バルブによって、熱管理システムから熱管理流体を電子装置に向ける工程と、炎を消す工程と、を含み、熱管理流体が消火剤を含む、熱管理及び防火方法が用意される。電子デバイス及び熱管理システムは、用意される方法の他の特徴の全てとして上に記載される。電子デバイスは、データセンターを含んでもよい。熱管理流体は、約10未満の地球温暖化係数を有してもよく、ペルフルオロケトンであってもよいフルオロカーボンを含んでもよい。典型的なペルフルオロケトンは、CFCFC(O)CF(CFである。
【0038】
図1は、典型的な空冷されたデータセンターのレイアウトを示す。データセンター100は、複数のサーバーキャビネット又はラック102を含む。各キャビネット102は、冷たい空気を取り込んでサーバー内部を冷却する空気取り込み側面103と、キャビネットのサーバー内部から取り熱を取り除く空気を排出する排気側面104と、を有する。データセンター100は、部屋に囲まれている。或いは、複数のサーバーキャビネットは、各キャビネットの空気取り込み側面が、冷却された空気を循環させる通路に面し、各キャビネットの排気側面が、温かい空気を循環させる通路に面するように、並べて配置される。上げ床106は、冷たい空気が上げ床106の下を流れることができ、冷たい空気が通る通路内の穿孔タイルを通して上に上がることができ、サーバーキャビネットの空気取り込み口103から入ることができるように、空気取り込み通路に穿孔タイルを有する。サーバーキャビネットからの温かい空気は、キャビネットの排気側面104から排出され、天井まで上がる。コンピュータールームの空調ユニット108は、サーバーキャビネットの近傍に位置し、ユニット上部の取り込み口109を通して温かい空気を取り込むことができ、床下で冷たい空気を再循環させることができる。
【0039】
図2は、図1に示されるような空冷されたデータセンターの典型的な現況技術における典型的な伝熱経路を示す。伝熱経路200は、サーバーのラックであってもよいサーバー202から熱を奪い、該熱を、図1に示されるようなデータセンターの一部であり且つ密閉された部屋に収容されているコンピュータールームの空調機器208に循環させる。コンピュータールームの空調機器208は、熱を伝熱流体(典型的には、機器の水)に伝達し、それを冷却機210に循環させ、次いで、伝熱後、空調機器に戻す。最後に、冷却機210は、別の伝熱流体を通して、データセンターを収容している建物の外部に位置してもよい冷却タワー212に熱を伝達する。或いは、コンピュータールームの空調機器208は、伝熱流体を介して、冷却タワー212に熱を直接伝達する。
【0040】
図3は、用意される保護システムの実施形態を示す。保護システム300は、管303を通って、サーバーのコンポーネントと熱接触している熱交換素子304に循環する熱管理(冷却)流体を有するデータセンター内の複数のサーバー302を含む。該流体は、管303を通って熱管理ユニット310に循環する。熱管理ユニット310は、ファン316と熱接触している熱交換器314を通して流体を循環させるポンプ312を含む。次いで、冷却流体は、サーバーを通って再循環する。管303は、閉鎖流体系であり、少なくとも1つのバルブを含む。図3では、例示目的のために、1つは能動的であり、もう1つは受動的である2つのバルブを示す。能動的バルブ320は、炎340等の刺激に応答して電気的に開くことができる。開くとき、伝熱流体は、管303からスプリンクラーヘッド325等の分配素子を通って燃えている電子デバイス350に向けられ得る。電子デバイス350は、サーバー302、熱交換素子304、及び管303を取り囲む筐体305内に位置してもよい。例示した実施形態では、熱管理ユニット310、ポンプ312、熱交換器314、及び冷却ファン316は、筐体305の外側に位置する。管及びバルブシステムが適切な構成であれば、電子デバイスは、それを通じて熱管理システムが循環するサーバー302のうちの1つであってもよく、又はデータセンターの別の部分であってもよいことが想到される。該流体は、消火することができる。或いは、該システムは、受動的バルブ330を含んでもよい。受動的バルブ330は、炎又は炎340等からの熱に応答して、融解する、又は別の方法でその物理的特性を変化させる感熱性物質332を有してもよい。物質332が融解すると、例えば、流体は、スプリンクラーヘッド等の分配素子を通って燃えている電子デバイス350に向けられ得る。
【0041】
本発明の範囲及び趣旨から逸脱しない本発明の様々な変更や改変は、当業者には明らかとなるであろう。本発明は、本明細書で述べる例示的な実施形態及び実施例によって不当に限定されるものではないこと、また、こうした実施例及び実施形態は、本明細書において以下に記述する「特許請求の範囲」によってのみ限定されると意図する本発明の範囲に関する例示のためにのみ提示されることを理解すべきである。本開示に引用された全ての参照文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱電子デバイスと、
少なくとも1つの再循環熱管理流体を含む熱管理システムであって、前記発熱電子デバイスから熱を移動させるように設計される熱管理システムと、
バルブであって、刺激に応答して、前記熱管理流体の少なくとも一部を前記熱管理システムから該バルブを通して発熱電子デバイス又は近傍の炎に向けるよう設計される、前記熱管理システム内のバルブと、を含み
前記熱管理流体が消火剤を含む、保護システム。
【請求項2】
前記発熱電子デバイスが、電子コンポーネントを含むデータセンターを含む、請求項1に記載の保護システム。
【請求項3】
前記電子コンポーネントが、パワーエレクトロニクス装置、電気化学セル、又はサーバーを含む、請求項2に記載の保護システム。
【請求項4】
前記電子デバイスが囲まれている、請求項1に記載の保護システム。
【請求項5】
前記熱管理システムが、前記囲まれている電子デバイス内の空気を冷却する、請求項4に記載の保護システム。
【請求項6】
前記熱管理システムが、前記電子デバイスと接触している空気を冷却する、請求項1に記載の保護システム。
【請求項7】
前記熱管理システムが、前記電子デバイスの少なくとも一部と直接接触する、請求項1に記載の保護システム。
【請求項8】
前記熱管理流体が、約10未満の地球温暖化係数を有する、請求項1に記載の保護システム。
【請求項9】
前記熱管理流体が、フルオロカーボンを含む、請求項1に記載の保護システム。
【請求項10】
前記フルオロカーボンが、ペルフルオロケトンを含む、請求項9に記載の保護システム。
【請求項11】
前記ペルフルオロケトンが、
【化1】


を含む、請求項10に記載の保護システム。
【請求項12】
センサを更に含む、請求項1に記載の保護システム。
【請求項13】
前記刺激が、前記センサを起動させる、請求項12に記載の保護システム。
【請求項14】
前記センサが、前記バルブと電気通信する、請求項13に記載の保護システム。
【請求項15】
前記刺激が、炎の検出である、請求項1に記載の保護システム。
【請求項16】
電子装置の熱管理及び防火方法であって、
電子デバイスを用意する工程と、
少なくとも1つの再循環熱管理流体を含む熱管理システムを用いて前記電子デバイスを熱的に管理する工程と、
前記電子デバイス内又は近傍の炎を感知する工程と、
前記電子デバイス内又は近傍の炎の感知に応答して、前記熱管理システム内のバルブを開く工程と、
前記バルブによって、前記熱管理システムから熱管理流体を前記電子デバイス又は近傍の炎に向ける工程と、
前記炎を消す工程と、を含み
前記熱管理流体が消火剤を含む、熱管理及び防火方法。
【請求項17】
前記電子装置がデータセンターを含む、請求項16に記載の電子デバイスの熱管理及び保護方法。
【請求項18】
前記熱管理システムが、約10未満の地球温暖化係数を有する熱管理流体を含む、請求項17に記載のデータセンターの熱管理及び保護方法。
【請求項19】
前記熱管理流体がフルオロカーボンを含む、請求項18に記載のデータセンターの熱管理及び保護方法。
【請求項20】
前記フルオロカーボンがペルフルオロケトンを含む、請求項19に記載のデータセンターの熱管理及び保護方法。
【請求項21】
前記ペルフルオロケトンが、
【化2】


を含む、請求項20に記載のデータセンターの熱管理及び保護方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−525001(P2012−525001A)
【公表日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507240(P2012−507240)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/029614
【国際公開番号】WO2010/123671
【国際公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】