説明

電子デバイス

【課題】パワーモーターで生成した電気で充電することができる電子デバイスを提供する。
【解決手段】電子デバイスは、パワーコントローラと、パワーモーターとを含む。パワーコントローラは、蓄電装置を電気接続するために使用される。パワーモーターは、磁性部と、コイル部とを含む。コイル部は、パワーコントローラに電気接続された主コイルおよび電磁性誘導コイルを有する。主コイルは、磁性部とコイル部の相対回転を駆動させるために使用される。電磁性誘導コイルは、磁性部の磁場によって誘導された電気を生成する。電気は、パワーコントローラを介して蓄電装置を充電する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイスに関するものであり、特に、パワーモーターで生成した電気で充電することができる電子デバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
技術の進歩に伴い、電子製品は小型化に向かって発展した。タブレットPCや、携帯電話、PDA(personal digital assistant)、ノート型パソコン等の一般的な電子製品は、人々の日常生活に不可欠なものとなっている。携帯性を考慮して、携帯式電子デバイスに必要な電力は、電子デバイスに内蔵された再充電バッテリー(rechargeable battery)によって提供される。そのため、携帯式電子デバイスの使用時間は、再充電バッテリーの蓄電容量によって決まる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
長期間野外に滞在していて再充電バッテリーを充電できない状況の場合、使い切ったバッテリーは使用不可能であるため、ユーザーに大変な不便をもたらすこととなる。したがって、電子デバイスを長く使用できるよう、電子デバイスの電気容量をいかにして増大させるかが、重要な課題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、電気容量を増やし、電子デバイスの使用時間を引き延ばすことのできる電子デバイスを提供することを目的とする。
【0005】
本発明は、パワーコントローラと、パワーモーターとを含む電子デバイスを提供する。パワーコントローラは、蓄電装置を電気接続するために使用される。パワーモーターは、磁性部と、コイル部とを含む。コイル部は、パワーコントローラに電気接続された主コイルおよび電磁性誘導コイルを有する。主コイルは、磁性部とコイル部の相対回転を駆動させるために使用される。電磁性誘導コイルは、磁性部の磁場によって誘導された電気を生成する。蓄電装置は、パワーコントローラを介して(電磁性誘導コイルによって生成された)電気によって充電される。
【0006】
本発明のある実施形態中、電子デバイスは、さらに、磁性部またはコイル部に固定されたファンを含む。ファンは、磁性部とコイル部の相対回転によって駆動し、回転する。また、磁性部は、ローターであってもよく、コイル部は、スターターであってもよい。ファンは、磁性部に固定される。
【0007】
本発明のある実施形態中、電子デバイスは、さらに、磁性部またはコイル部に固定された偏心器(eccentric)を含む。偏心器は、磁性部とコイル部の相対回転によって駆動し、回転する。
【0008】
本発明のある実施形態中、電子デバイスは、さらに、パワーコントローラに電気接続された回路モジュールを含む。回路モジュールを介して、主コイルをパワーコントローラに電気接続することができる。
【0009】
本発明のある実施形態中、パワーコントローラは、整流器(rectifier)と、電源管理チップとを含む。主コイルは、電源管理チップに電気接続される。電磁性誘導コイルは、整流器に電気接続される。整流器は、電源管理チップに電気接続される。電源管理チップは、蓄電装置に電気接続される。
【0010】
本発明のある実施形態中、電子デバイスは、さらに、パワーコントローラおよび電磁性誘導コイルに電気接続された保護回路を含み、パワーコントローラが過負荷する前にパワーコントローラと電磁性誘導コイルの間の電気接続を切るか、あるいは、パワーコントローラが過負荷する前に電磁性誘導コイルからパワーコントローラに出力された電気の量を制限する。
【0011】
本発明のある実施形態中、蓄電装置は、再充電バッテリーである。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本発明の実施形態に係る電子デバイスのパワーモーターは、電磁性誘導コイルを有する。そのため、パワーモーターが運転している時、電磁性誘導コイルは、磁性部の磁場によって誘導された電気を生成することができる。蓄電装置は、電磁性誘導コイルによって生成された電気で充電されるため、電子デバイスの使用時間を引き延ばすことができる。
【0013】
本発明の上記及び他の目的、特徴、および利点をより分かり易くするため、図面と併せた幾つかの実施形態を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る電子デバイスの概略図である。
【図2】図1に示したパワーモーターの一部を示す分解図である。
【図3】図1に示した電子デバイスの回路図である。
【図4】本発明の別の実施形態に係る電子デバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る電子デバイスの概略図である。図1を参照すると、本実施形態の電子デバイス100は、パワーコントローラ120と、パワーモーター130とを含む。パワーコントローラ120は、蓄電装置50を電気接続するために使用される。本実施形態において、電子デバイス100は、さらに、回路モジュール110を含む。電子デバイス100がノート型パソコンの時、回路モジュール110は、例えば、コンピュータモジュールである。しかしながら、本発明の別の実施形態において、電子デバイスは、タブレットPC、携帯電話、またはその他の電子デバイスであってもよい。パワーコントローラ120は、蓄電装置50から、電子デバイス100を作動させるのに必要な電気を得るとともに、電子デバイス100の各構成要素に電気を分配することができる。注意すべきこととして、電子デバイス100は、蓄電装置50を使用せずに、外部電源を直接使用してもよい。
【0016】
図2は、図1に示したパワーモーターの一部を示す分解図である。図3は、図1に示した電子デバイスの回路図である。図2および図3を参照すると、パワーモーター130は、磁性部134と、コイル部136とを含む。本実施形態のパワーモーター130は、例えば、ファン132に接続されるが、電子デバイス100のパワーモーター130は、他の目的に適用してもよい。本実施形態において、ファン132は、磁性部134に固定されるが、本発明の別の実施形態において、ファン132は、コイル部に固定されてもよい。つまり、本実施形態において、磁性部134はローターであり、コイル部136はスターターである。そのため磁性部134に固定されたファン132は、磁性部134とともに回転して、気流を生じさせる。コイル部136は、パワーコントローラ120に電気接続された主コイルC12および電磁性誘導コイルC14を有する。主コイルC12に電気が供給された時、主コイルC12によって生成された磁場が磁性部134の磁場と相互に作用し合うため、磁性部134とコイル部136の相対回転が駆動する。それによって、ファン132が駆動して気流が生じ、回路モジュール110の熱を放散させる。磁性部134とコイル部136が相対回転している間、コイル部136の電磁性誘導コイルC14によって誘導された磁性部134の磁場は、強度と方向が変化するため、電磁性誘導コイルC14が電気を生成する。蓄電装置50は、パワーコントローラ120を介して(電磁性誘導コイルC14によって生成された)電気によって充電されるため、電力消費と炭素の放出を減らそうとする最近の傾向に沿っている。
【0017】
本実施形態において、パワーコントローラ120は、整流器122と、電源管理チップ124とを含む。主コイルC12は、電源管理チップ124に電気接続される。本実施形態において、主コイルC12は、回路モジュール110を介してパワーコントローラ120の電源管理チップ124に電気接続される。電磁性誘導コイルC14は、整流器122に電気接続される。整流器122は、電源管理チップ124に電気接続される。電磁性誘導コイルC14によって生成された電気は、通常、交流電流であり、電気量は不規則である。したがって、整流器122は、電圧の昇圧と電流の安定化が要求される。その後、電源管理チップ124に電気を供給する。電源管理チップ124は、蓄電装置50に電気接続される。ここで、蓄電装置50は、例えば、再充電バッテリーである。注意すべきこととして、蓄電装置50は、電子デバイス100の構成要素であるが、電子デバイスが蓄電装置50を装備しなくても、本発明の範囲を超えないものとする。現在、市場において、蓄電装置50の充電の手順はより複雑になっている。そのため、充電の手順を制御および管理できる電源管理チップ124を使用することによって、蓄電装置50を理想的に充電することができる。例えば、電源管理チップ124は、充電初期の定電流法によって蓄電装置50の充電を操作する。蓄電装置50の出力電圧が安定して所定の値に達した後、電源管理チップ124は、定電圧法によって蓄電装置50を継続的に充電するよう管理する。
【0018】
図1および図3を参照すると、本実施形態の電子デバイス100は、さらに、パワーコントローラ120およびパワーモーター130に電気接続された保護回路140を含む。保護回路140は、パワーコントローラ120が過負荷する前にパワーコントローラ120とパワーモーター130の電磁性誘導コイルC14の間の電気接続を切るために使用される。あるいは、保護回路140は、パワーコントローラ120が過負荷する前に電磁性誘導コイルC14からパワーコントローラ120に出力された電気の量を制限することができる。例えば、保護回路140は、電磁性誘導コイルC14からパワーコントローラ120に出力された電気の電圧値または電流値がしきい値と等しいか、それよりも小さくなるようにすることができる。保護回路140は、比較的高価で、且つ電子デバイス100の他の構成要素の操作に影響を与える可能性のあるパワーコントローラ120を保護することができる。したがって、保護回路140を適用することで、パワーモーター130によって電気が過度に生成されるのを防ぐとともに、過負荷や焼損からパワーコントローラ120を保護することができる。
【0019】
図4は、本発明の別の実施形態に係る電子デバイスの概略図である。図4を参照すると、本実施形態の電子デバイスのパワーモーター200と前の実施形態で説明したパワーモーター130は、いずれも電気を生成することができる。パワーモーター200とパワーモーター130の相違点は、本実施形態のパワーモーター200がファンを装備せず、コイル部220に固定された偏心器210を装備していることである。偏心器210は、磁性部230とコイル部220の相対回転によって駆動し、回転および振動する。本発明の別の実施形態において、偏心器は、磁性部に固定されてもよい。
【0020】
以上のように、本発明の電子デバイスのパワーモーターは、磁場によって誘導された電気を生成することができる電磁性誘導コイルを有する。そのため、パワーモーターが必要な運転をしている時に、磁性部の磁場が同時に誘導され、電気を生成する。こうして、蓄電装置に蓄積された電気を増やすことができ、電子デバイスの使用時間を引き延ばすことができる。つまり、エネルギー消費と炭素の放出を減らす環境保護の目的が考慮される。本発明の実施形態で説明したように、電気を再利用して電子デバイスの使用時間を引き延ばす設計により、肝心な時に電子デバイスの使用者を助けることができる。
【0021】
以上のごとく、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【符号の説明】
【0022】
50 蓄電装置
100 電子デバイス
110 回路モジュール
120 パワーコントローラ
122 整流器
124 電源管理チップ
130、200 パワーモーター
132 ファン
134、230 磁性部
136、220 コイル部
140 保護回路
210 偏心器
C12 主コイル
C14 電磁性誘導コイル


【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電装置を電気接続するパワーコントローラと、
磁性部およびコイル部を含むパワーモーターと
を含み、前記コイル部が、前記パワーコントローラに電気接続された主コイルおよび電磁性誘導コイルを有し、前記主コイルが、前記磁性部と前記コイル部の相対回転を駆動させ、前記電磁性誘導コイルが、前記磁性部の磁場によって誘導された電気を生成し、前記電気が、前記パワーコントローラを介して前記蓄電装置を充電する電子デバイス。
【請求項2】
前記磁性部または前記コイル部に固定されたファンをさらに含み、前記ファンが、前記磁性部と前記コイル部の前記相対回転によって駆動し、回転する請求項1記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記磁性部が、ローターであり、前記コイル部が、スターターであり、前記ファンが、前記磁性部に固定された請求項2記載の電子デバイス。
【請求項4】
前記磁性部または前記コイル部に固定された偏心器をさらに含み、前記偏心器が、前記磁性部と前記コイル部の前記相対回転によって駆動し、回転する請求項1記載の電子デバイス。
【請求項5】
前記パワーコントローラに電気接続された回路モジュールをさらに含む請求項1記載の電子デバイス。
【請求項6】
前記主コイルが、前記回路モジュールを介して前記パワーコントローラに電気接続された請求項5記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記パワーコントローラが、整流器と、電源管理チップとを含み、前記主コイルが、前記電源管理チップに電気接続され、前記電磁性誘導コイルが、前記整流器に電気接続され、前記整流器が、前記電源管理チップに電気接続され、前記電源管理チップが、前記蓄電装置に電気接続された請求項1記載の電子デバイス。
【請求項8】
前記パワーコントローラおよび前記電磁性誘導コイルに電気接続された保護回路をさらに含み、前記パワーコントローラが過負荷する前に前記パワーコントローラと前記電磁性誘導コイルの間の電気接続を切るか、あるいは、前記パワーコントローラが過負荷する前に前記電磁性誘導コイルから前記パワーコントローラに出力された前記電気の量を制限する請求項1記載の電子デバイス。
【請求項9】
前記蓄電装置が、再充電バッテリーである請求項1記載の電子デバイス。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−175902(P2012−175902A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−113726(P2011−113726)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(503116213)固昌通訊股▲ふん▼有限公司 (19)
【氏名又は名称原語表記】Cotron Corporation
【住所又は居所原語表記】12Fl., No. 150, Sec.4, Cheng−de Rd., Shihlin District, Taipei City, Taiwan 111, R.O.C.
【Fターム(参考)】