説明

電子回路、表示装置、及び電子機器、並びに電子回路の駆動方法。

【課題】順序回路の入力信号及び出力信号の状態を制御し、電子回路の動作不良を抑制する。
【解決手段】順序回路及び制御回路を有する電子回路であり、順序回路は、スタート信号として第1の信号、クロック信号として第2の信号、リセット信号として第3の信号が入力され、入力された第1の信号、第2の信号、及び第3の信号の状態に応じて設定された状態の第4の信号を出力信号として出力し、制御回路は、順序回路に入力される第3の信号の状態を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、電子回路及びその駆動方法に関する。また、表示装置に関する。また、該表示装置を表示部に有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置や発光装置などの表示装置は、液晶テレビなどの大型表示装置の増加から、活発に開発が進められている。特に絶縁基板上に設けられた半導体層を有する薄膜トランジスタなどを用いて、表示装置の画素回路及び駆動回路を同一基板上に形成する技術は、例えば低消費電力化及び低コスト化に大きく貢献するため、活発に開発が進められている。絶縁基板上に形成された駆動回路は、例えばFPCを介してコントローラICを含む回路に接続され、該コントローラICによりその動作が制御される。
【0003】
上記表示装置の駆動回路として、例えば走査線駆動回路又は信号線駆動回路などがあり、例えば特許文献1に示すように、電子回路の一つであるシフトレジスタを用いて構成されるものがある。シフトレジスタは、例えばフリップフロップなどの順序回路を複数個用いた複数段の順序回路を用いて構成される。
【0004】
上記シフトレジスタをより正確に動作させるためには、動作期間毎に例えばフリップフロップの出力信号の状態を所望の状態に制御することが好ましい。例えばノイズの影響によりフリップフロップの出力信号の状態が所望の状態に制御できない場合、シフトレジスタが動作不良になる可能性が高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−24350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一態様では、順序回路の出力信号の状態を制御し、順序回路を有する回路の動作不良を抑制することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、順序回路を有し、順序回路に入力される少なくとも一つの信号の状態を制御するものである。順序回路が出力する信号の状態は、順序回路に入力される信号の状態に応じて設定されるため、順序回路に入力される信号の状態を制御し、順序回路に入力される信号の状態を設定することにより、順序回路の出力信号の状態を制御する。
【0008】
本発明の一態様は、スタート信号として第1の信号、クロック信号として第2の信号、及びリセット信号として第3の信号が入力され、入力された第1の信号、第2の信号、及び第3の信号の状態に応じて状態が設定された第4の信号を出力信号として出力する順序回路と、順序回路に入力される第3の信号の状態を制御する制御回路と、を有する電子回路である。
【0009】
本発明の一態様は、スタート信号として第1の信号、クロック信号として第2の信号、及びリセット信号として第3の信号が入力され、入力された第1の信号、第2の信号、及び第3の信号の電圧状態に応じて電圧状態が設定された第4の信号を出力信号として出力する順序回路と、第4の信号が入力され、入力された第4の信号の電圧状態に応じて電圧状態が設定された信号を第3の信号として順序回路に出力する制御回路と、を有する電子回路である。
【0010】
さらに、上記記載の電子回路は、制御回路が論理回路である構成にすることもできる。
【0011】
本発明の一態様は、スタート信号として第1の信号、クロック信号として第2の信号、及びリセット信号として第3の信号が入力され、入力された第1の信号、第2の信号、及び第3の信号の電圧状態に応じて電圧状態が設定された第4の信号を出力信号として出力する第1の順序回路と、スタート信号として第4の信号、クロック信号として第5の信号、及びリセット信号として第6の信号が入力され、入力された第4の信号、第5の信号、及び第6の信号の電圧状態に応じて電圧状態が設定された第7の信号を出力信号として出力する第2の順序回路と、第7の信号が入力され、入力された第7の信号の電圧状態に応じて電圧状態が設定された信号を第3の信号として第1の順序回路に出力する制御回路と、を有する電子回路である。
【0012】
さらに、上記記載の電子回路は、制御回路が遅延回路である構成にすることもできる。
【0013】
また、上記記載の電子回路は、制御回路が論理回路である構成にすることもできる。
【0014】
本発明の一態様は、スタート信号として第1の信号、クロック信号として第2の信号、リセット信号として第3の信号が入力され、入力された第1の信号、第2の信号、及び第3の信号の電圧状態に応じて電圧状態が設定された第4の信号を出力信号として出力する第1の順序回路と、スタート信号として第4の信号、クロック信号として第5の信号、及びリセット信号として第6の信号が入力され、入力された第4の信号、第5の信号、及び第6の信号の電圧状態に応じて電圧状態が設定された第7の信号を出力信号として出力する第2の順序回路と、第4の信号及び第7の信号が入力され、入力された第4の信号及び第7の信号の電圧状態に応じて電圧状態が設定された信号を第3の信号として第1の順序回路に出力する制御回路と、を有する電子回路である。
【0015】
さらに、上記記載の電子回路は、制御回路が論理回路である構成にすることもできる。
【0016】
さらに、本発明の一態様である電子回路が有する順序回路は、第1のゲート、第1のソース、及び第1のドレインを有し、第1のゲートにスタート信号が入力される第1のトランジスタと、第2のゲート、第2のソース、及び第2のドレインを有し、第2のゲートが第1のトランジスタの第1のソース又は第1のドレインに電気的に接続され、第2のソース及び第2のドレインの一方にクロック信号が入力され、第2のソース及び第2のドレインの他方の電圧が出力信号として出力される第2のトランジスタと、第3のゲート、第3のソース、及び第3のドレインを有し、第3のゲートにリセット信号が入力され、第3のソース及び第3のドレインの一方が第2のトランジスタの第2のゲートに電気的に接続され、第3のソース及び第3のドレインの他方に第1の電圧または第2の電圧が与えられる第3のトランジスタと、を有する構成にすることもできる。
【0017】
本発明の一態様は、本発明の一態様である電子回路の一つを有する駆動回路と、駆動回路により表示動作が制御される画素を有する画素部と、を有する表示装置である。
【0018】
本発明の一態様は、本発明の一態様である表示装置の一つを有する表示部と、表示部の表示動作を制御する制御スイッチと、を有する電子機器である。
【0019】
本発明の一態様は、スタート信号として第1の信号、クロック信号として第2の信号、及びリセット信号として第3の信号が入力され、第1の信号、第2の信号、及び第3の信号の電圧状態に応じて設定された電圧状態の第4の信号を出力信号として出力する順序回路を有する電子回路において、第4の信号が第1の電圧状態から第2の電圧状態になると同時、又は第4の信号が第1の電圧状態から第2の電圧状態になった後に、順序回路に入力される第3の信号を第1の電圧状態に設定する電子回路の駆動方法である。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一態様により、順序回路において、出力信号の状態を所望の状態に設定することができるため、順序回路の動作不良を抑制することができ、さらには電子回路の動作不良を抑制することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態1における電子回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す電子回路の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図3】実施の形態2における電子回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】図3に示す電子回路の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図5】図3に示す電子回路における制御回路の回路構成の一例を示す回路図である。
【図6】図3に示す電子回路における制御回路の回路構成の一例を示す回路図である。
【図7】図5(A)に示す制御回路の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図8】実施の形態3における電子回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図9】図8に示す電子回路の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図10】図8に示す電子回路における制御回路の回路構成の一例を示す回路図である。
【図11】実施の形態4における電子回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図12】図11に示す電子回路の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図13】図11に示す電子回路における制御回路の回路構成の一例を示す回路図である。
【図14】実施の形態5における順序回路の回路構成の一例を示す回路図である。
【図15】図14(E)に示す順序回路における制御回路の回路構成の一例を示す回路図である。
【図16】図14(A)に示す順序回路の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【図17】実施の形態6におけるトランジスタの構造の一例を示す断面図である。
【図18】図17に示すトランジスタのゲート絶縁層と、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層の間を示す拡大図である。
【図19】実施の形態6におけるトランジスタの構造の一例を示す断面図である。
【図20】実施の形態7におけるトランジスタの作製方法を示す断面図である。
【図21】実施の形態7におけるトランジスタの作製方法を示す断面図である。
【図22】本発明に適用可能な多階調マスクを説明する図である。。
【図23】実施の形態7におけるトランジスタの作製方法を示す断面図である。
【図24】実施の形態7におけるトランジスタの作製方法を示す断面図である。
【図25】実施の形態7におけるトランジスタの作製方法を示す断面図である。
【図26】実施の形態8における電子回路の構造の一例を示す図である。
【図27】実施の形態9における表示装置の構成の一例を示す図である。
【図28】図27に示す表示装置における画素の回路構成の一例を示す回路図である。
【図29】図27に示す表示装置における走査線駆動回路及び信号線駆動回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図30】図29に示す走査線駆動回路または信号線駆動回路のシフトレジスタの構成の一例を示す図である。
【図31】図30に示すシフトレジスタの動作検証の結果を示す図である。
【図32】実施の形態10における表示装置の構造を示す図である。
【図33】実施の形態11における電子機器の構成の一例を示す図である。
【図34】実施の形態11における電子機器の構成の一例を示す図である。
【図35】実施の形態11における電子機器の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態の一例について、図面を用いて以下に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではないとする。
【0023】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である電子回路について説明する。
【0024】
本実施の形態における電子回路の構成について図1を用いて説明する。図1は本実施の形態における電子回路の構成の一例を示す回路ブロック図である。
【0025】
図1に示す電子回路は、順序回路101と、制御回路102と、を有する。
【0026】
順序回路101は、入力信号として信号S1、信号S2、及び信号S3が入力され、入力された信号S1、信号S2、及び信号S3に応じて状態が設定された信号S4を出力信号として出力する機能を有する。
【0027】
なお、本明細書において、信号の状態とは、例えば信号の電圧、電流、又は周波数などのことをいう。
【0028】
なお、一般的に電圧とは、2点間における電位差のことをいい、電位とは、ある一点における静電場の中にある単位電荷が持つ静電エネルギー(電気的な位置エネルギー)のことをいうが、電子回路では、ある一点のみであっても、該一点の電位と基準となる電位(基準電位ともいう)との差(電圧)を値として用いることがあるため、本明細書では、特に指定する場合を除き、該一点の電圧として、ある一点の電位と基準電位との電位差を用いる場合がある。
【0029】
制御回路102は、信号S3を順序回路101に出力する機能を有し、さらに信号S3の状態を制御する機能を有するため、信号制御回路ともいう。例えば制御回路102は、順序回路101への信号S3のパルスの出力タイミングを制御する機能を有することもできる。信号S3の状態は、例えば信号S4の状態に応じて設定することができる。また、制御回路102は、例えば順序回路101に電気的に接続された構成にすることができる。また、制御回路102は、例えば遅延回路又は論理回路などを用いて構成することができる。例えば遅延回路により制御回路102を構成し、ある信号が制御回路102に入力される場合、制御回路102は、制御回路102に入力された信号を遅延させ、遅延させた信号を信号S3として出力する。例えばN+1個(Nは自然数)の順序回路を用いて構成されたN+1段の順序回路を有する電子回路の場合、制御回路102に入力される信号として、K+1段目(Kは1乃至Nの自然数)の順序回路の出力信号を用いることができる。また、論理回路を用いて制御回路102を構成する場合、例えば信号S4を用いることもできる。
【0030】
なお、本明細書における信号としては、例えば電圧、電流、抵抗、又は周波数などを用いたアナログ信号又はデジタル信号を用いることができる。例えば電圧を用いた信号(電圧信号ともいう)としては、少なくとも第1の電圧状態及び第2の電圧状態を有する信号を用いることが好ましく、例えば第1の電圧状態としてハイレベルの電圧状態及び第2の電圧状態としてローレベルの電圧状態を有する2値のデジタル信号などを用いることができる。なお、2値のデジタル信号において、ハイレベルの電圧をVともいい、ローレベルの電圧をVともいう。また、第1の電圧状態の電圧及び第2の電圧状態の電圧は、それぞれ一定値であることが好ましい。しかし電子回路では、例えばノイズなどの影響があるため、第1の電圧状態の電圧及び第2の電圧状態の電圧は、一定値ではなく、それぞれ一定の範囲内の値であればよい。また、電圧信号としては、3つ以上の電圧状態を有する信号を用いることもできる。
【0031】
また、本明細書において、第1、第2などの序数を用いた用語は、それぞれの要素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する。
【0032】
さらに、信号S1は、例えば順序回路のスタート信号(セット信号ともいう)として機能させることができ、例えば順序回路101のスタート信号(ST101ともいう)として機能させることができる。
【0033】
また、信号S2は、例えば順序回路のクロック信号として機能させることができ、例えば順序回路101のクロック信号(CK101ともいう)として機能させることができる。
【0034】
また、信号S3は、例えば順序回路のリセット信号として機能させることができ、例えば順序回路101のリセット信号(RE101ともいう)として機能させることができる。
【0035】
図1に一例として示すように、本実施の形態の電子回路の一例は、順序回路(例えば順序回路101)及び制御回路(例えば制御回路102)を有し、順序回路は、第1の信号(例えば信号S1)、第2の信号(例えば信号S2)、及び第3の信号(例えば信号S3)が入力され、第4の信号(例えば信号S4)を出力し、制御回路は、順序回路に入力される信号のいずれか(例えば信号S3)の状態を制御する構成である。なお、図1では、一つの順序回路及び一つの制御回路を有する構成について示しているが、これに限定されず、本実施の形態の電子回路は、順序回路又は制御回路を複数有する構成にすることもできる。例えばN+1個(Nは自然数)の順序回路を用いて構成されるN+1段の順序回路と、N個の制御回路と、を有する構成にすることもできる。N+1段の順序回路を有する構成の電子回路の場合は、例えばK+1段目(Kは1乃至Nの自然数)の順序回路の出力信号がN個の制御回路の一つに入力され、N個の制御回路の一つの出力信号がK段目の順序回路に入力される構成にすることもできる。
【0036】
次に本実施の形態における電子回路の動作(駆動方法ともいう)の一例について図2を用いて説明する。図2は、図1に示す電子回路の動作の一例を示すタイミングチャートであり、信号S1乃至信号S4の信号波形をそれぞれ示したものである。なお、図2を用いて説明する図1に示す電子回路の動作の一例では、信号S1乃至信号S4を2値のデジタル信号とし、信号S2をクロック信号として説明する。また、本実施の形態における電子回路の動作では、図2に示す各信号の電圧状態を反転させることもできる。
【0037】
図2に示すように、図1に示す電子回路の動作の一例は、期間111、期間112、及び期間113に分けることができる。なお、本明細書において、期間の長さは、例えばクロック信号に応じて適宜設定することができ、例えばクロック信号の半周期と同じ長さに設定することもできる。各期間における動作について以下に説明する。
【0038】
まず期間111では、時刻A1において、信号S1がハイレベルになり、信号S2がローレベルになり、信号S3がローレベルになる。
【0039】
このとき順序回路101はセット状態になる。また、信号S1乃至信号S3の電圧状態に応じて信号S4がローレベルになる。さらに期間111において、信号S3はローレベルに維持される。
【0040】
次に期間112では、時刻A2において、信号S1がローレベルになり、信号S2がハイレベルになり、信号S3はローレベルのままである。
【0041】
このとき信号S1乃至信号S3の電圧状態に応じて信号S4がハイレベルになる。さらに期間112において、信号S3はローレベルに維持される。
【0042】
次に期間113では、時刻A3において、信号S1はローレベルのままであり、信号S2がローレベルになり、信号S3はローレベルのままである。
【0043】
このとき信号S1乃至信号S3の電圧状態に応じて信号S4がローレベルになる。さらに時刻A4において、信号S3がハイレベルになる。信号S3がハイレベルになると順序回路101はリセット状態になる。順序回路101がリセット状態の間、信号S4はローレベルに維持される。
【0044】
なお、図2を用いて説明する図1に示す電子回路の動作の一例において、信号S3がローレベルからハイレベルになる(立ち上がるともいう)タイミング(時刻A4)は、信号S4がハイレベルからローレベルになる(立ち下がるともいう)と同時、又は、信号S4が立ち下がった後になるように設定することが好ましい。例えば信号S4が立ち下がる前に信号S3が立ち上がると、順序回路101内の遅延により、信号S4が立ち下がる前に順序回路101がリセット状態になり、信号S4が立ち下がるまでに時間がかかり、動作不良の原因になる可能性が高いためである。
【0045】
図2に一例として示すように、本実施の形態の電子回路を動作させることにより、順序回路が出力する信号の状態を制御することができる。よって例えば順序回路内の動作が遅延した場合であっても、順序回路内の動作の遅延を考慮して順序回路に入力されるリセット信号の電圧状態を設定することにより、順序回路をリセット状態にするタイミングを制御することができる。よって順序回路における動作不良を抑制することができ、電子回路における動作不良を抑制することができる。
【0046】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様である電子回路の一例について説明する。
【0047】
本実施の形態における電子回路の構成について図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態における電子回路の構成の一例を示すブロック図である。
【0048】
図3に示す電子回路は、順序回路2011と、順序回路2012と、制御回路2021と、を少なくとも有する。
【0049】
順序回路2011は、入力信号として信号S21、信号S22、及び信号S23が入力され、入力された信号S21、信号S22、及び信号S23に応じて電圧状態が設定された信号S24を出力信号として出力する機能を有する。
【0050】
順序回路2012は、信号S24、信号S25、及び信号S26が入力され、入力された信号S24、信号S25、及び信号S26に応じて電圧状態が設定された信号S27を出力信号として出力する機能を有する。なお、順序回路2012は、例えば順序回路2011に電気的に接続された構成にすることができる。
【0051】
制御回路2021は、順序回路2012から信号S27が入力され、入力された信号S27に応じて電圧状態が設定された信号を信号S23として順序回路2011に出力する機能を有する。なお、制御回路2021は、例えば順序回路2011及び順序回路2012に電気的に接続された構成にすることができる。
【0052】
信号S21及び信号S24は、例えば順序回路のスタート信号として機能させることができ、信号S21は、順序回路2011のスタート信号(ST2011ともいう)として機能させることができ、信号S24は、順序回路2012のスタート信号(ST2012ともいう)として機能させることができる。
【0053】
信号S22及び信号S25は、例えば順序回路のクロック信号として機能させることができ、信号S22は、順序回路2011のクロック信号(CK2011ともいう)として機能させることができ、信号S25は、順序回路2012のクロック信号(CK2012ともいう)として機能させることができる。なお、信号S22及び信号S25としては、互いに位相の異なる信号を用いることができ、例えば信号S22として第1のクロック信号(CK1ともいう)を用い、信号S25として第2のクロック信号又は第1のクロック信号の反転クロック信号(CKB1ともいう)を用いることができる。
【0054】
信号S23及び信号S26は、例えば順序回路のリセット信号として機能させることができ、信号S23は、順序回路2011のリセット信号(RE2011ともいう)として機能させることができ、信号S26は、順序回路2012のリセット信号(RE2012ともいう)として機能させることができる。
【0055】
図3に一例として示すように、本実施の形態の電子回路の一例は、第1の順序回路(例えば順序回路2011)、第2の順序回路(例えば順序回路2012)、及び制御回路(例えば制御回路2021)を有し、第1の順序回路は、第1の信号(例えば信号S21)、第2の信号(例えば信号S22)、及び第3の信号(例えば信号S23)が入力され、第4の信号(例えば信号S24)を出力し、第2の順序回路は、第4の信号、第5の信号(例えば信号S25)、及び第6の信号(例えば信号S26)が入力され、第7の信号(例えば信号S27)を出力し、制御回路は、第1の順序回路に入力される信号のいずれかの電圧状態を制御する構成である。また、これに限定されず、本実施の形態の電子回路は、例えばN+1個(Nは自然数)の順序回路を備えたN+1段の順序回路と、K+1段目(Kは1乃至Nの自然数)の順序回路から出力された信号が入力され、入力された信号の電圧状態に応じて電圧状態が設定された信号をK段目の順序回路に出力する制御回路と、を有する構成にすることもできる。
【0056】
次に本実施の形態における電子回路の動作の一例について図4を用いて説明する。図4は、図3に示す電子回路の動作の一例を示すタイミングチャートであり、信号S21乃至信号S27の信号波形をそれぞれ示したものである。なお、図4を用いて説明する図3に示す電子回路の動作の一例では、信号S21乃至信号S27を2値のデジタル信号とし、信号S22を第1のクロック信号とし、信号S25を第1のクロック信号の反転クロック信号として説明する。また、本実施の形態における電子回路の動作では、図4に示す各信号の電圧状態を反転させることもできる。
【0057】
図4に示すように、図3に示す電子回路の動作の一例は、期間211、期間212、及び期間213に分けることができる。各期間における動作について以下に説明する。
【0058】
まず期間211では、時刻B1において、信号S21がハイレベルになり、信号S22がローレベルになり、信号S23がローレベルになり、信号S25がハイレベルになり、信号S26がローレベルになる。
【0059】
このとき順序回路2011はセット状態になる。また、信号S21乃至信号S23の電圧状態に応じて順序回路2011の出力信号である信号S24がローレベルになる。さらに信号S24乃至信号S26の電圧状態に応じて順序回路2012の出力信号である信号S27がローレベルになる。さらに期間211において、制御回路2021の出力信号である信号S23は、ローレベルに維持される。
【0060】
次に期間212では、時刻B2において、信号S21がローレベルになり、信号S22がハイレベルになり、信号S23はローレベルのままであり、信号S25がローレベルになり、信号S26はローレベルのままである。
【0061】
このとき信号S21乃至信号S23の電圧状態に応じて信号S24がハイレベルになる。信号S24がハイレベルになると順序回路2012はセット状態になる。また、信号S24乃至信号S26の電圧状態に応じて信号S27はローレベルのままである。さらに期間212において、信号S23はローレベルに維持される。
【0062】
次に期間213では、時刻B3において、信号S21はローレベルのままであり、信号S22がローレベルになり、信号S23はローレベルのままであり、信号S25がハイレベルになり、信号S26はローレベルのままである。
【0063】
このとき信号S21乃至信号S23の電圧状態に応じて信号S24がローレベルになる。さらに信号S24乃至信号S26の電圧状態に応じて信号S27がハイレベルになる。さらに時刻B4において、信号S27の電圧状態に応じて信号S23がハイレベルになる。信号S23がハイレベルになると、順序回路2011はリセット状態になる。順序回路2011がリセット状態の間、信号S24はローレベルに維持される。
【0064】
なお、図4を用いて説明する図3に示す電子回路の動作の一例において、信号S23が立ち上がるタイミング(時刻B4)は、期間213内で適宜設定することができる。また、信号S23が立ち上がるタイミングは、信号S24が立ち下がると同時、又は、信号S24が立ち下がった後になるように設定することが好ましい。例えば信号S24が立ち下がる前に信号S23が立ち上がると、順序回路2011の遅延により、信号S24が立ち下がる前に順序回路2011がリセット状態になり、信号S24が立ち下がるまでに時間がかかり、動作不良になる可能性が高いためである。
【0065】
図4に一例として示すように、本実施の形態の電子回路を動作させることにより、第2の順序回路の出力信号の電圧状態に応じて第1の順序回路に入力される信号の電圧状態を設定することができる。なお、第2の順序回路には第1の順序回路の出力信号が入力され、第2の順序回路の出力信号の電圧状態は、第1の順序回路の出力信号の電圧状態に応じて設定されるため、第1の順序回路に入力される信号の電圧状態は、第1の順序回路の出力信号の電圧状態に応じて設定されるともいえる。よって第1の順序回路の出力信号が第1の電圧状態から第2の電圧状態になった後に第1の順序回路のリセット信号を第1の電圧状態に設定することができ、例えば順序回路内の動作が遅延した場合であっても、順序回路内の動作を考慮して順序回路に入力されるリセット信号の電圧状態を設定することにより、順序回路をリセット状態にするタイミングを制御することができる。よって順序回路における動作不良を抑制することができ、電子回路における動作不良を抑制することができる。
【0066】
さらに本実施の形態の電子回路における制御回路の回路構成の一例について図5及び図6を用いて説明する。図5及び図6は、図3に示す電子回路における制御回路(制御回路2021)の回路構成の一例を示す回路図である。なお、図5及び図6に示す制御回路の説明において、図3に示す電子回路の説明を適宜援用する。
【0067】
図5(A)に示す制御回路は、抵抗素子2211と、容量素子2212と、を有する。
【0068】
なお、本明細書において抵抗素子は、一端と他端とを有する。また、抵抗素子の抵抗値は適宜設定することができる。
【0069】
また、本明細書において容量素子は、一方の電極と、他方の電極の少なくとも2つの電極と、誘電体としての機能を有する膜を有し、一方の電極の一部又は全部を含む端子を第1端子ともいい、他方の電極の一部又は全部を含む端子を第2端子ともいう。また、誘電体としての機能を有する膜としては、例えば絶縁膜などを用いることができる。また、容量素子の容量値は適宜設定することができる。
【0070】
また、図5(A)に示す制御回路は、容量素子2212の第1端子が抵抗素子2211の一端又は他端に電気的に接続され、容量素子2212の第2端子に電圧V(第1の電圧ともいう)又は電圧V(第2の電圧ともいう)が与えられ、抵抗素子2211の一端及び他端の一方を介して信号S27が入力され、抵抗素子2211の一端及び他端の他方を介して信号S23を出力する。
【0071】
なお、本明細書において、電圧Vの値は、電圧Vの値より大きいとする。また、電圧Vの値と電圧Vの値との差の絶対値は、一定の値より大きいことが好ましい。また、電圧V及び電圧Vとしては例えば電源電圧を用いることができ、電圧Vとして相対的に高電圧側の電圧(高電源電圧又はVddともいう)を用いることができ、電圧Vとして相対的に低電圧側の電圧(低電源電圧又はVssともいう)を用いることができる。また、電圧V又は電圧Vとして接地電位(VGNDともいう)を用いることもできる。また、高電源電圧及び低電源電圧は、それぞれ定数であることが好ましいが、電子回路ではノイズなどにより電圧が所望の値とずれることがある。よって本明細書では、それぞれ一定の範囲内の値であれば、高電源電圧及び低電源電圧とみなすことができる。また、電源電圧の値は、それぞれ適宜設定することができる。
【0072】
図5(B)に示す制御回路は、図5(A)に示す制御回路の構成に加え、容量素子2213を有し、容量素子2213は、第1端子が抵抗素子2211の一端に電気的に接続され、第2端子に容量素子2212の第2端子と同じ電圧(電圧V又は電圧V)が与えられる。
【0073】
図5(C)に示す制御回路は、図5(A)に示す制御回路の構成に加え、抵抗素子2214を有し、抵抗素子2214の一端が抵抗素子2211の他端に電気的に接続され、抵抗素子2211の一端及び抵抗素子2214の他端の一方を介して信号S27が入力され、抵抗素子2211の一端及び抵抗素子2214の他端の他方を介して信号S23を出力する。
【0074】
図5(D)に示す制御回路は、図5(C)に示す制御回路の構成に加え、容量素子2215を有し、容量素子2215の第1端子が抵抗素子2214の他端に電気的に接続され、容量素子2215の第2端子に容量素子2212の第2端子と同じ電圧(電圧V又は電圧V)が与えられる。
【0075】
図5(E)に示す制御回路は、抵抗素子2221及び容量素子2222を有し、容量素子2222の第1端子が抵抗素子2221の他端に電気的に接続され、抵抗素子2221の一端及び容量素子2222の第2端子の一方を介して信号S27が入力され、抵抗素子2221の一端及び容量素子2222の第2端子の他方を介して信号S23を出力する。
【0076】
図5(F)に示す制御回路は、図5(E)に示す制御回路の構成に加え、容量素子2223を有し、容量素子2223の第2端子が抵抗素子2221の一端に電気的に接続され、容量素子2223の第1端子及び容量素子2222の第2端子の一方を介して信号S27が入力され、容量素子2223の第1端子及び容量素子2222の第2端子の他方を介して信号S23を出力する。
【0077】
図5(G)に示す制御回路は、図5(E)に示す制御回路の構成に加え、抵抗素子2224を有し、抵抗素子2224の一端が容量素子2222の第2端子に電気的に接続され、抵抗素子2221の一端及び抵抗素子2224の他端の一方を介して信号S27が入力され、抵抗素子2221の一端及び抵抗素子2224の他端の他方を介して信号S23を出力する。
【0078】
図5(H)に示す制御回路は、図5(G)に示す制御回路の構成に加え、容量素子2225を有し、容量素子2225の第1端子が抵抗素子2224の他端に電気的に接続され、抵抗素子2221の一端及び容量素子2225の第2端子の一方を介して信号S27が入力され、抵抗素子2221の一端及び容量素子2225の第2端子の他方を介して信号S23を出力する。
【0079】
図6(A)に示す制御回路は、バッファ回路2231を有し、バッファ回路2231に信号S27が入力され、バッファ回路2231から信号S23を出力する。
【0080】
さらに図6(A)に示すバッファ回路2231の回路構成の一例について図6(B)に示す。
【0081】
図6(B)に示すバッファ回路は、トランジスタ2311と、トランジスタ2312と、トランジスタ2313と、トランジスタ2314と、を有する。
【0082】
なお、本明細書において、トランジスタは、少なくとも3つの端子を有し、1つの端子の電位により他の2つの端子間の導通が制御される構成であり、例えば電界効果トランジスタ又はバイポーラトランジスタを用いることができる。
【0083】
また、本明細書において、電界効果トランジスタは、ゲート、ソース、及びドレインを少なくとも有する。電界効果トランジスタとしては、例えば薄膜トランジスタ(TFTともいう)を用いることができる。また、電界効果トランジスタとしては、例えばトップゲート型、又はボトムゲート型のトランジスタを用いることができる。また、ボトムゲート型のトランジスタとしては、例えばチャネルエッチ型又はボトムコンタクト型(逆コプレナ型ともいう)のトランジスタを用いることができる。また、電界効果トランジスタは、N型又はP型の導電型にすることができる。図6に示す制御回路では、トランジスタの一例として全て同一の導電型の電界効果トランジスタを用いた場合について説明する。全て同一の導電型とすることにより異なる複数の導電型のトランジスタを用いる場合に比べて作製工程数を低減することができる。
【0084】
また、電界効果トランジスタは、例えばゲート電極と、ソース領域、チャネル領域、及びドレイン領域を有する半導体層と、断面視においてゲート電極と半導体層との間に設けられたゲート絶縁層により構成することができる。半導体層は、半導体膜又は半導体基板を用いて形成することができ、半導体膜又は半導体基板に適用可能な半導体材料としては、例えば非晶質半導体、微結晶半導体、単結晶半導体、及び多結晶半導体のいずれかなどを用いることができる。また、半導体材料として酸化物半導体を用いることもできる。酸化物半導体としては、例えば、InMO(ZnO)(m>0)で表記される構造の酸化物半導体を用いることもでき、InMO(ZnO)(m>0)で表記される構造の酸化物半導体の中では、特にIn−Ga−Zn−O系酸化物半導体を用いるのが好ましい。なお、Mは、ガリウム(Ga)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)及びコバルト(Co)から選ばれた一の金属元素又は複数の金属元素を示す。例えばMとして、Gaの場合があることの他、GaとNi又はGaとFeなど、Ga以外の上記金属元素が含まれる場合がある。また、上記酸化物半導体において、Mとして含まれる金属元素の他に、不純物元素としてFe、Niその他の遷移金属元素、又は該遷移金属の酸化物が含まれているものがある。また、酸化物半導体としては、In−Sn−Zn−O系、Al−In−Zn−O系、Ga−Sn−Zn−O系、Al−Ga−Zn−O系、Al−Sn−Zn−O系、In−Zn−O系、Sn−Zn−O系、Al−Zn−O系、In−O系、Sn−O系、Zn−O系の酸化物半導体を用いることもできる。
【0085】
また、本明細書において、ゲートとは、ゲート電極及びゲート電極に電気的に接続される配線(ゲート配線ともいう)の一部又は全部のことをいう。また、ソースとは、ソース領域、ソース電極、及びソース電極に電気的に接続される配線(ソース配線ともいう)の一部又は全部のことをいう。また、ドレインとは、ドレイン領域、ドレイン電極、及びドレイン電極に電気的に接続される配線(ドレイン配線ともいう)の一部又は全部のことをいう。
【0086】
また、本明細書において、ソースとドレインは、電界効果トランジスタの構造や動作条件などによって互いに入れ替わることがある。
【0087】
トランジスタ2311は、ゲート並びにソース及びドレインの一方に電圧V及び電圧Vの一方が与えられる。
【0088】
トランジスタ2312は、ゲートに信号INCTLが入力され、ソース及びドレインの一方がトランジスタ2311のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方に電圧V及び電圧Vの他方が与えられる。
【0089】
トランジスタ2313は、ソース及びドレインの一方にトランジスタ2311のソース及びドレインの一方と同じ電圧(電圧V及び電圧Vの一方)が与えられる。
【0090】
トランジスタ2314は、ゲートがトランジスタ2311のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方がトランジスタ2313のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方にトランジスタ2312のソース及びドレインの他方と同じ電圧(電圧V及び電圧Vの他方)が与えられる。
【0091】
図6(B)に示す制御回路は、トランジスタ2312のゲートに信号S27が入力され、トランジスタ2313のソース及びドレインの他方の電圧を信号S23として出力する。
【0092】
図6(C)に示す制御回路は、インバータ(NOTゲート、NOT回路ともいう)2241及びインバータ2242を有し、インバータ2242がインバータ2241に直列接続で電気的に接続され、インバータ2241に信号S27が入力され、インバータ2242から信号S23を出力する。なお、図6(C)に示す制御回路では、2つのインバータを有する構成について示しているが、これに限定されず、本実施の形態の電子回路における制御回路は、2M個(Mは自然数)のインバータが直列接続で電気的に接続された構成にすることができる。
【0093】
さらに図6(C)に示す制御回路の回路構成の一例について図6(D)に示す。
【0094】
図6(D)に示す制御回路は、トランジスタ2243と、トランジスタ2244と、トランジスタ2245と、トランジスタ2246と、を有する。
【0095】
トランジスタ2243は、ゲート並びにソース及びドレインの一方に電圧V及び電圧Vの一方が与えられる。
【0096】
トランジスタ2244は、ソース及びドレインの一方がトランジスタ2243のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方に電圧V及び電圧Vの他方が与えられる。
【0097】
トランジスタ2245は、ゲート並びにソース及びドレインの一方にトランジスタ2243のソース及びドレインの一方と同じ電圧(電圧V及び電圧Vの一方)が与えられる。
【0098】
トランジスタ2246は、ゲートがトランジスタ2243のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方がトランジスタ2245のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方にトランジスタ2244のソース及びドレインの他方と同じ電圧(電圧V及び電圧Vの他方)が与えられる。
【0099】
図6(D)に示す制御回路は、トランジスタ2244のゲートに信号S27が入力され、トランジスタ2245のソース及びドレインの他方の電圧を信号S23として出力する。
【0100】
図6(E)に示す制御回路は、トランジスタ2331と、トランジスタ2332と、トランジスタ2333と、トランジスタ2334と、トランジスタ2335と、トランジスタ2336と、トランジスタ2337と、トランジスタ2338と、を有する。
【0101】
トランジスタ2331は、ゲート並びにソース及びドレインの一方に電圧V及び電圧Vの一方が与えられる。
【0102】
トランジスタ2332は、ソース及びドレインの一方がトランジスタ2331のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方に電圧V及び電圧Vの他方が与えられる。
【0103】
トランジスタ2333は、ゲートがトランジスタ2331のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方にトランジスタ2331のソース及びドレインの一方と同じ電圧(電圧V及び電圧Vの一方)が与えられる。
【0104】
トランジスタ2334は、ソース及びドレインの一方がトランジスタ2333のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方にトランジスタ2332のソース及びドレインの他方と同じ電圧(電圧V及び電圧Vの他方)が与えられる。
【0105】
トランジスタ2335は、ゲート並びにソース及びドレインの一方にトランジスタ2331のソース及びドレインの一方と同じ電圧(電圧V及び電圧Vの一方)が与えられる。
【0106】
トランジスタ2336は、ゲートがトランジスタ2333のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方がトランジスタ2335のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方にトランジスタ2332のソース及びドレインの他方と同じ電圧(電圧V及び電圧Vの他方)が与えられる。
【0107】
トランジスタ2337は、ゲートがトランジスタ2335のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方にトランジスタ2331のソース及びドレインの一方と同じ電圧(電圧V及び電圧Vの一方)が与えられる。
【0108】
トランジスタ2338は、ゲートがトランジスタ2333のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方がトランジスタ2337のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方にトランジスタ2332のソース及びドレインの他方と同じ電圧(電圧V及び電圧Vの他方)が与えられる。
【0109】
図6(E)に示す制御回路は、トランジスタ2332のゲートに信号S27が入力され、トランジスタ2337のソース及びドレインの他方の電圧を信号S23として出力する。
【0110】
ここで本実施の形態の電子回路における制御回路の動作の一例について図7を用いて説明する。図7は、図5(A)に示す制御回路の動作の一例を示すタイミングチャートであり、信号S27及び信号S23の信号波形をそれぞれ示したものである。なお、図7を用いて説明する本実施の形態の電子回路における制御回路の動作の一例では、容量素子2212の第2端子に電圧Vが与えられるとし、電圧Vは接地電位とし、電圧Vの値は、デジタル信号のローレベルの電圧の値と同じとして説明する。
【0111】
図7に示すように、時刻t1において、制御回路に入力された信号S27が立ち上がる。このとき制御回路では、信号S27が遅延するため、制御回路が出力する信号S23は、点線290に示すように、時刻t2において立ち上がるものとみなすことができる。
【0112】
図5及び図6に一例として示すように、本実施の形態の電子回路における制御回路の一例は、遅延回路を用いて構成することができる。遅延回路を用いて制御回路を構成することにより、本実施の形態の電子回路において、例えば制御回路に入力された第2の順序回路の出力信号を遅延させ、遅延させた信号を制御回路から第1の順序回路に出力することができる。制御回路の出力信号の遅延時間は、容量の容量値と抵抗の抵抗値の積で表すことができ、例えば本実施の形態の電子回路の仕様に応じて容量素子の容量値及び抵抗素子の抵抗値を適宜設定することにより遅延時間を設定することができる。よって例えば順序回路内の動作の遅延を考慮して順序回路に入力される信号を遅延させることにより、順序回路内の動作の遅延による影響を抑制し、順序回路による動作不良を抑制することができる。
【0113】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせ又は置き換えをすることもできる。
【0114】
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様である電子回路の一例について説明する。
【0115】
本実施の形態における電子回路の構成について図8を用いて説明する。図8は、本実施の形態における電子回路の構成の一例を示すブロック図である。
【0116】
図8に示す電子回路は、順序回路2011と、順序回路2012と、制御回路2022Aと、制御回路2022Bと、を少なくとも有する。なお図3に示す電子回路と同じ構成の部分については図3に示す電子回路の説明を適宜援用し、その他の部分について以下に説明する。
【0117】
制御回路2022Aは、順序回路2011から信号S24が入力され、入力された信号S24に応じて電圧状態が設定された信号を信号S23として順序回路2011に出力する機能を有する。制御回路2022Aは、例えば順序回路2011に電気的に接続された構成にすることができる。
【0118】
制御回路2022Bは、順序回路2012から信号S27が入力され、入力された信号S27に応じて電圧状態が設定された信号を信号S26として順序回路2012に出力する機能を有する。また、制御回路2022Bは、例えば順序回路2012に電気的に接続された構成にすることができる。
【0119】
なお、本実施の形態の電子回路において、順序回路2012及び制御回路2022Bは、必ずしも設ける必要はない。
【0120】
図8に一例として示すように、本実施の形態の電子回路の一例は、順序回路(例えば順序回路2011)及び制御回路(例えば制御回路2022A)を有し、順序回路は、第1の信号(例えば信号S21)、第2の信号(例えば信号S22)、及び第3の信号(例えば信号S23)が入力され、第4の信号(例えば信号S24)を出力し、制御回路は、順序回路に入力される信号のいずれか(例えば信号S23)の電圧状態を制御する構成である。また、これに限定されず、本実施の形態の電子回路は、例えばN個の順序回路を用いて構成されるN段の順序回路と、K段目(Kは1乃至Nの自然数)の順序回路から出力された信号が入力され、入力された信号の電圧状態に応じて電圧状態が設定された信号をK段目の順序回路に出力する制御回路と、を有する構成にすることができる。
【0121】
次に本実施の形態における電子回路の動作の一例について図9を用いて説明する。図9は、図8に示す電子回路の動作の一例を示すタイミングチャートであり、信号S21乃至信号S27の信号波形をそれぞれ示したものである。なお、図9を用いて説明する図8に示す電子回路の動作の一例では、信号S21乃至信号S27を2値のデジタル信号とし、信号S22を第1のクロック信号とし、信号S25を第1のクロック信号の反転クロック信号として説明する。また、本実施の形態における電子回路の動作では、図9に示す各信号の電圧状態を反転させることもできる。
【0122】
図9に示すように、図8に示す電子回路の動作の一例は、期間221、期間222、及び期間223に分けることができる。各期間における動作について以下に説明する。
【0123】
まず期間221では、時刻C1において、信号S21がハイレベルになり、信号S22がローレベルになり、信号S25がハイレベルになる。
【0124】
このとき順序回路2011はセット状態になる。また、信号S21乃至信号S23の電圧状態に応じて信号S24がローレベルになる。さらに、信号S24がローレベルになると、信号S24の電圧状態に応じて制御回路2022Aの出力信号である信号S23がハイレベルになる。また、信号S24乃至信号S26の電圧状態に応じて信号S27がローレベルになる。さらに、信号S27がローレベルになると、信号S27の電圧状態に応じて制御回路2022Bの出力信号である信号S26がハイレベルになる。
【0125】
次に期間222では、時刻C2において、信号S21がローレベルになり、信号S22がハイレベルになり、信号S25がローレベルになる。
【0126】
このとき信号S21乃至信号S23の電圧状態に応じて信号S24がハイレベルになる。さらに信号S24がハイレベルになると、信号S24の電圧状態に応じて信号S23がローレベルになり、また、順序回路2012はセット状態になる。また、信号S24乃至信号S26の電圧状態に応じて信号S27がローレベルになる。信号S27がローレベルになると、信号S27の電圧状態に応じて信号S26がハイレベルになる。
【0127】
次に期間223では、時刻C3において、信号S21はローレベルのままであり、信号S22がローレベルになり、信号S25がハイレベルになる。
【0128】
このとき信号S21乃至信号S23の電圧状態に応じて信号S24がローレベルになる。さらに信号S24がローレベルになると、信号S24の電圧状態に応じて信号S23がハイレベルになる。信号S23がハイレベルになると、順序回路2011はリセット状態になる。順序回路2011がリセット状態の間、信号S24はローレベルに維持される。また信号S24乃至信号S26の電圧状態に応じて信号S27がハイレベルになる。信号S27がハイレベルになると、信号S27の電圧状態に応じて信号S26がローレベルになる。
【0129】
図8及び図9を用いて説明したように、本実施の形態の電子回路を動作させることにより、順序回路の出力信号の電圧状態に応じて該順序回路に入力される信号の電圧状態を設定することができる。よって順序回路の出力信号が第1の電圧状態から第2の電圧状態になった後に順序回路のリセット信号を第1の電圧状態に設定することができ、例えば順序回路内の動作が遅延した場合であっても、該順序回路に入力されるリセット信号の電圧状態は、該順序回路の出力信号の電圧状態により設定される。よって順序回路における動作不良を抑制することができる。
【0130】
さらに本実施の形態の電子回路における制御回路の回路構成の一例について図10を用いて説明する。図10は、図8に示す電子回路における制御回路(制御回路2022A)の回路構成の一例を示す回路図である。なお、図10に示す制御回路の説明において、図8に示す電子回路の説明を適宜援用する。
【0131】
図10(A)に示す制御回路は、インバータ2251を有し、インバータ2251に、信号S24が入力され、インバータ2251から信号S23を出力する。なお、図10(A)に示す制御回路では、1つのインバータを有する構成について示しているが、これに限定されず、本実施の形態の電子回路における制御回路では、2L−1個(Lは自然数)のインバータが直列接続で電気的に接続された構成にすることができる。
【0132】
さらに図10(A)に示すインバータ2251の回路構成の一例について図10(B)及び図10(C)に示す。
【0133】
図10(B)に示すインバータは、トランジスタ2253及びトランジスタ2254を有する。なお、図10に示す制御回路におけるトランジスタは、一例として全て同一の導電型の電界効果トランジスタとする。全て同一の導電型のトランジスタにすることにより、異なる複数の導電型のトランジスタを用いる場合に比べて作製工程数を低減することができる。
【0134】
トランジスタ2253は、ゲート並びにソース及びドレインの一方に電圧V及び電圧Vの一方が与えられる。
【0135】
トランジスタ2254は、ソース及びドレインの一方がトランジスタ2253のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方に電圧V及び電圧Vの他方が与えられる。
【0136】
図10(B)に示すインバータは、トランジスタ2254のゲートに信号S24が入力され、トランジスタ2253のソース及びドレインの他方の電圧を信号S23として出力する。
【0137】
図10(C)に示すインバータは、図10(B)に示す回路構成に加え、トランジスタ2255及びトランジスタ2256を有する。
【0138】
トランジスタ2255は、ゲートがトランジスタ2253のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方にトランジスタ2253のソース及びドレインの一方と同じ電圧(電圧V及び電圧Vの一方)が与えられる。
【0139】
トランジスタ2256は、ソース及びドレインの一方がトランジスタ2255のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方にトランジスタ2254のソース及びドレインの他方と同じ電圧(電圧V及び電圧Vの他方)が与えられる。
【0140】
図10(C)に示すインバータは、トランジスタ2254のゲートに信号S24が入力され、トランジスタ2255のソース及びドレインの他方の電圧を信号S23として出力する。なお図10(C)に示すインバータは、図10(B)に示すインバータと比較して出力信号の電圧を高くすることができる。
【0141】
図10(A)乃至図10(C)に一例として示すように、本実施の形態の電子回路における制御回路は、インバータを有する構成にすることができる。該構成にすることにより、制御回路に入力された信号の電圧状態に応じて電圧状態が設定された信号を出力信号として出力することができる。また、順序回路の出力信号が入力されるノードと、順序回路に入力される信号を出力するノードが電気的に接続されていないため、順序回路の出力信号の遅延による順序回路に入力される信号への影響を抑制することができる。
【0142】
なお、図10に示す制御回路の構成は、図8に示す制御回路2022Bに適用することもできる。このとき上記図10に示す制御回路の説明において信号S23は信号S26となり、信号S24は信号S27となる。
【0143】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせ又は置き換えをすることができる。
【0144】
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様である電子回路の一例について説明する。
【0145】
本実施の形態における電子回路の構成について図11を用いて説明する。図11は、本実施の形態における電子回路の構成の一例を示すブロック図である。
【0146】
図11に示す電子回路は、順序回路2011と、順序回路2012と、制御回路2023と、を少なくとも有する。なお図3に示す電子回路と同じ構成の部分については図3に示す電子回路の説明を適宜援用し、その他の部分について以下に説明する。
【0147】
制御回路2023は、順序回路2011から信号S24が入力され、順序回路2012から信号S27が入力され、入力された信号S24及び信号S27の電圧状態に応じて電圧状態が設定された信号を信号S23として順序回路2011に出力する機能を有する。また、制御回路2023は、例えば順序回路2011及び順序回路2012に電気的に接続された構成にすることができる。
【0148】
図11に一例として示すように、本実施の形態の電子回路の一例は、第1の順序回路(例えば順序回路2011)、第2の順序回路(例えば順序回路2012)、及び制御回路(例えば制御回路2023)を有し、第1の順序回路は、第1の信号、第2の信号、及び第3の信号が入力され、第4の信号を出力し、第2の順序回路は、第4の信号、第5の信号、及び第6の信号が入力され、第7の信号を出力し、制御回路は、第1の順序回路に入力される信号のいずれか(例えば信号S23)の電圧状態を制御する構成である。また、これに限定されず、本実施の形態の電子回路は、N+1個の順序回路を備えたN+1段の順序回路と、K段目の順序回路及びK+1段目の順序回路の出力信号が入力され、入力された信号の電圧状態に応じて電圧状態が設定された信号をK段目の順序回路に出力する制御回路と、を有する構成にすることができる。
【0149】
次に本実施の形態における電子回路の動作の一例について図12を用いて説明する。図12は、図11に示す電子回路の動作の一例を示すタイミングチャートであり、信号S21乃至信号S27の信号波形をそれぞれ示したものである。なお、図12を用いて説明する図11に示す電子回路の動作の一例では、信号S21乃至信号S27を2値のデジタル信号とし、信号S22を第1のクロック信号とし、信号S25を第1のクロック信号の反転クロック信号として説明する。また、本実施の形態における電子回路の動作では、図12に示す各信号の電圧状態を反転させることもできる。
【0150】
図12に示すように、図11に示す電子回路の動作の一例は、期間231、期間232、及び期間233に分けることができる。各期間における動作について以下に説明する。
【0151】
まず期間231では、時刻D1において、信号S21がハイレベルになり、信号S22がローレベルになり、信号S25がハイレベルになり、信号S26はローレベルのままである。
【0152】
このとき順序回路2011はセット状態になる。また、信号S21乃至信号S23の電圧状態に応じて順序回路2011の出力信号である信号S24がローレベルになる。さらに、信号S24乃至信号S26の電圧状態に応じて信号S27がローレベルになる。さらに信号S24がローレベルになり、信号S27がローレベルになると、信号S24及び信号S27の電圧状態に応じて制御回路2023の出力信号である信号S23がローレベルになる。
【0153】
次に期間232では、時刻D2において、信号S21がローレベルになり、信号S22がハイレベルになり、信号S25がローレベルになり、信号S26はローレベルのままである。
【0154】
このとき信号S21乃至信号S23の電圧状態に応じて信号S24がハイレベルになる。さらに、信号S24がハイレベルになると、順序回路2012はセット状態になる。また、信号S24乃至信号S26の電圧状態に応じて信号S27はローレベルに維持される。さらに信号S24がハイレベルになり、信号S27がローレベルになると、信号S24及び信号S27の電圧状態に応じて信号S23はローレベルに維持される。
【0155】
次に期間233では、時刻D3において、信号S21はローレベルのままであり、信号S22がローレベルになり、信号S25がハイレベルになり、信号S26はローレベルのままである。
【0156】
このとき信号S21乃至信号S23の電圧状態に応じて信号S24がローレベルになる。さらに、信号S24乃至信号S26の電圧状態に応じて信号S27がハイレベルになる。さらに信号S24がローレベルになり、信号S27がハイレベルになると、信号S24及び信号S27の電圧状態に応じて信号S23がハイレベルになる。さらに、信号S23がハイレベルになると順序回路2011はリセット状態になる。順序回路2011がリセット状態の間、信号S24はローレベルに維持される。
【0157】
図12に一例として示すように、本実施の形態の電子回路を動作させることにより、複数の順序回路における出力信号の電圧状態に応じて一つの順序回路に入力される信号の少なくとも一つの電圧状態を設定することができる。よって第1の順序回路の出力信号が第1の電圧状態から第2の電圧状態になった後に第1の順序回路のリセット信号を第1の電圧状態に設定することができ、さらに一つの順序回路の出力信号を利用して順序回路に入力される信号の電圧状態を制御する場合に比べてより正確に出力信号の電圧状態を制御することができる。例えば各順序回路内の動作が遅延した場合であっても、一つの順序回路に入力されるリセット信号の電圧状態は、各順序回路の出力信号の電圧状態により設定される。よって順序回路における動作不良を抑制することができ、電子回路における動作不良を抑制することができる。
【0158】
さらに、本実施の形態の電子回路における制御回路の回路構成の一例について図13を用いて説明する。図13は図11に示す電子回路における制御回路(制御回路2023)の回路構成の一例を示す回路図である。
【0159】
図13(A)に示す制御回路は、インバータ241と、NORゲート(NOR回路ともいう)242と、を有し、NORゲート242がインバータ241に電気的に接続され、NORゲート242に信号S24が入力され、インバータ241に信号S27が入力され、NORゲート242から信号S23を出力する。
【0160】
さらに図13(A)に示す制御回路の回路構成の一例について図13(B)に示す。
【0161】
図13(B)に示す制御回路は、トランジスタ2411と、トランジスタ2412と、トランジスタ2421と、トランジスタ2422と、トランジスタ2423と、を有する。なお、図13に示す制御回路におけるトランジスタは、一例として全て同一の導電型の電界効果トランジスタとする。全て同一の導電型のトランジスタにすることにより、異なる複数の導電型のトランジスタを用いる場合に比べて作製工程数を低減することができる。
【0162】
トランジスタ2411は、ゲート並びにソース及びドレインの一方に電圧V及び電圧Vの一方が与えられる。
【0163】
トランジスタ2412は、ソース及びドレインの一方がトランジスタ2411のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方に電圧V及び電圧Vの一方が与えられる。
【0164】
トランジスタ2421は、ゲート並びにソース及びドレインの一方にトランジスタ2411のソース及びドレインの一方と同じ電圧(電圧V及び電圧Vの一方)が与えられる。
【0165】
トランジスタ2422は、ソース及びドレインの一方がトランジスタ2421のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方にトランジスタ2412のソース及びドレインの他方と同じ電圧(電圧V及び電圧Vの他方)が与えられる。
【0166】
トランジスタ2423は、ゲートがトランジスタ2411のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方がトランジスタ2421のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方にトランジスタ2412のソース及びドレインの他方と同じ電圧(電圧V及び電圧Vの他方)が与えられる。
【0167】
図13(B)に示す制御回路は、トランジスタ2422のゲートに信号S24が入力され、トランジスタ2412のゲートに信号S27が入力され、トランジスタ2421のソース及びドレインの他方の電圧を信号S23として出力する。
【0168】
図13(C)に示す制御回路は、図13(B)に示す回路構成に加え、トランジスタ2424、トランジスタ2425、及びトランジスタ2426と、を有する。
【0169】
トランジスタ2424は、ゲートがトランジスタ2421のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方にトランジスタ2411のソース及びドレインの一方と同じ電圧(電圧V及び電圧Vの一方)が与えられる。
【0170】
トランジスタ2425は、ソース及びドレインの一方がトランジスタ2424のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方にトランジスタ2412のソース及びドレインの他方と同じ電圧(電圧V及び電圧Vの他方)が与えられる。
【0171】
トランジスタ2426は、ゲートがトランジスタ2411のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方がトランジスタ2424のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレイン他方にトランジスタ2412のソース及びドレインの他方と同じ電圧(電圧V及び電圧Vの他方)が与えられる。
【0172】
図13(C)に示す制御回路は、トランジスタ2422のゲート及びトランジスタ2425のゲートに信号S24が入力され、トランジスタ2412のゲートに信号S27が入力され、トランジスタ2424のソース及びドレインの他方の電圧を信号S23として出力する。
【0173】
図13(D)に示す制御回路は、図13(C)に示す制御回路の回路構成に加え、トランジスタ2413と、トランジスタ2414と、を有する。
【0174】
トランジスタ2413は、ゲートがトランジスタ2411のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方にトランジスタ2411のソース及びドレインの一方と同じ電圧(電圧V及び電圧Vの一方)が与えられる。
【0175】
トランジスタ2414は、ソース及びドレインの一方がトランジスタ2413のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方に電圧V及び電圧Vの他方が与えられる。
【0176】
さらに図13(C)に示す制御回路と異なり、図13(D)に示す制御回路は、トランジスタ2426のゲートがトランジスタ2413のソース及びドレインの他方に電気的に接続される。
【0177】
図13(D)に示す制御回路は、トランジスタ2422のゲート及びトランジスタ2425のゲートに信号S24が入力され、トランジスタ2412のゲート及びトランジスタ2414のゲートに信号S27が入力され、トランジスタ2424のソース及びドレインの他方の電圧を信号S23として出力する。
【0178】
図13(E)に示す制御回路は、インバータ2431及びANDゲート(AND回路ともいう)2432を有し、ANDゲート2432がインバータ2431に電気的に接続され、インバータ2431に信号S24が入力され、ANDゲート2432に信号S27が入力され、ANDゲート2432から信号S23を出力する。
【0179】
図13(F)に示す制御回路は、トランジスタ2441と、トランジスタ2442と、トランジスタ2443と、トランジスタ2444と、を有する。
【0180】
トランジスタ2441は、ソース及びドレインの一方に信号S27が入力される。
【0181】
トランジスタ2442は、ソース及びドレインの一方がトランジスタ2441のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方に電圧V又は電圧Vが与えられる。
【0182】
トランジスタ2443は、ゲートがトランジスタ2441のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方に信号S27が入力される。
【0183】
トランジスタ2444は、ソース及びドレインの一方がトランジスタ2443のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方にトランジスタ2442のソース及びドレインの他方と同じ電圧(電圧V又は電圧V)が与えられる。
【0184】
図13(F)に示す制御回路は、トランジスタ2442のゲート及びトランジスタ2444のゲートに信号S24が入力され、トランジスタ2441のゲート並びにソース及びドレインの一方、且つトランジスタ2443のソース及びドレインの一方に信号S27が入力され、トランジスタ2443のソース及びドレインの他方の電圧を信号S23として出力する。
【0185】
図13(G)に示す制御回路は、容量素子2451及びトランジスタ2452を有する。
【0186】
トランジスタ2452は、ソース及びドレインの一方が容量素子2451の第2端子に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方に電圧V又は電圧Vが与えられる。
【0187】
図13(G)に示す制御回路は、トランジスタ2452のゲートに信号S24が入力され、容量素子2451の第1端子を介して信号S27が入力され、容量素子2451の第2端子の電圧を信号S23として出力する。
【0188】
図13に示す制御回路は、2つの信号が入力され、1つの信号を出力する論理回路を有する構成である。該構成にすることにより、より正確に出力信号の状態を設定することができる。
【0189】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせ又は置き換えをすることができる。
【0190】
(実施の形態5)
本実施の形態では、本発明の一態様である電子回路における順序回路の回路構成の一例について説明する。
【0191】
本実施の形態の順序回路の回路構成の一例について図14を用いて説明する。図14は、本実施の形態の順序回路の回路構成の一例を示す回路図である。
【0192】
図14(A)に示す順序回路は、トランジスタ311と、トランジスタ312と、トランジスタ313と、を有する。なお図14に示すトランジスタは、一例として全て同一の導電型の電界効果トランジスタとする。全て同一の導電型とすることにより、異なる複数の導電型のトランジスタを用いる場合に比べて作製工程数を低減することができる。
【0193】
トランジスタ311は、ソース及びドレインの一方に信号S31が入力される。
【0194】
トランジスタ312は、ゲートがトランジスタ311のソース及びドレインの他方に電気的に接続される。なお、トランジスタ312のゲートと他の素子との接続箇所をノードN1ともいう。
【0195】
トランジスタ313は、ソース及びドレインの一方がトランジスタ311のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方に電圧V又は電圧Vが与えられる。
【0196】
また、図14(A)に示す順序回路は、トランジスタ311のゲート並びにソース及びドレインの一方に信号S31が入力され、トランジスタ312のソース及びドレインの一方に信号S32が入力され、トランジスタ313のゲートに信号S33が入力され、トランジスタ312のソース及びドレインの他方の電圧を信号S34として出力する。
【0197】
また、図14(A)に示す順序回路は、トランジスタ311のソース及びドレインの一方に信号S31の代わりに信号S32の反転クロック信号である信号S35が入力される構成にすることもできる。また、図14(A)に示す順序回路は、トランジスタ311のソース及びドレインの一方に信号S31が入力される代わりに、トランジスタ311のソース及びドレインの一方に電圧V及び電圧Vの一方が与えられ、トランジスタ313のソース及びドレインの他方に電圧V及び電圧Vの他方が与えられる構成にすることもできる。また、図14(A)に示す順序回路は、トランジスタ313のゲートに信号S33が入力され、トランジスタ313のソース及びドレインの他方に電圧V又は電圧Vが与えられる代わりに、図14(B)に示すようにトランジスタ313のゲートがトランジスタ311のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、トランジスタ313のソース及びドレインの他方に信号S33が入力される構成にすることもできる。
【0198】
図14(C)に示す順序回路は、図14(A)に示す順序回路の構成に加え、トランジスタ314を有する。なお、図14(C)に示す順序回路において、図14(A)に示す順序回路と同じ部分については、図14(A)に示す順序回路の説明を適宜援用し、その他の部分について以下に説明する。
【0199】
トランジスタ314は、ソース及びドレインの一方がトランジスタ312のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方にトランジスタ313のソース及びドレインの他方と同じ電圧(電圧V又は電圧V)が与えられる。また、図14(C)に示す順序回路は、トランジスタ314のゲートに信号S33が入力される。
【0200】
なお、図14(C)に示す順序回路は、トランジスタ314のゲートに信号S33の代わりに信号S36が入力される構成にすることもできる。
【0201】
図14(D)に示す順序回路は、図14(A)に示す順序回路の構成に加え、トランジスタ315を有する。なお、図14(D)に示す順序回路において、図14(A)に示す順序回路と同じ部分については、図14(A)に示す順序回路の説明を適宜援用し、その他の部分について以下に説明する。
【0202】
トランジスタ315は、ゲートがトランジスタ311のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方がトランジスタ312のソース及びドレインの一方に電気的に接続される。また、図14(D)に示す順序回路は、トランジスタ315のソース及びドレインの他方の電圧を信号S37として出力する。
【0203】
図14(E)に示す順序回路は、図14(C)に示す順序回路の構成に加え、制御回路316と、トランジスタ317と、を有する。なお、図14(E)に示す順序回路において、図14(C)に示す順序回路と同じ部分については、図14(C)に示す順序回路の説明を適宜援用し、その他の部分について以下に説明する。
【0204】
制御回路316は、信号S38が入力され、入力された信号S38の電圧状態に応じて電圧状態が設定された信号を信号S39として出力する機能を有する。
【0205】
トランジスタ317は、ゲートに制御回路316から信号S39が入力され、ソース及びドレインの一方がトランジスタ312のゲートに電気的に接続され、ソース及びドレインの他方にトランジスタ314のソース及びドレインの他方と同じ電圧(電圧V又は電圧V)が与えられる。
【0206】
さらに制御回路316の回路構成の一例について図15を用いて説明する。図15は、図14(E)に示す順序回路における制御回路(制御回路316)の回路構成の一例を示す回路図である。
【0207】
図15(A)に示す制御回路は、トランジスタ3611と、トランジスタ3612と、を有する。なお、図15に示すトランジスタは、一例として全て同一の導電型の電界効果トランジスタとする。全て同一の導電型とすることにより、異なる複数の導電型のトランジスタを用いる場合に比べて作製工程数を低減することができる。
【0208】
トランジスタ3611は、ゲート並びにソース及びドレインの一方に電圧V及び電圧Vの一方が与えられる。
【0209】
トランジスタ3612は、ソース及びドレインの一方がトランジスタ3611のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方に電圧V及び電圧Vの他方が与えられる。
【0210】
図15(A)に示す制御回路は、トランジスタ3612のゲートに信号S38が入力され、トランジスタ3611のソース及びドレインの他方の電圧を信号S39として出力する。
【0211】
図15(B)に示す制御回路は、図15(A)に示す制御回路の構成に加え、トランジスタ3613及びトランジスタ3614を有する。なお、図15(B)に示す制御回路において、図15(A)に示す制御回路と同じ部分については、図15(A)に示す制御回路の説明を適宜援用し、その他の部分について以下に説明する。
【0212】
トランジスタ3613は、ゲートがトランジスタ3611のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方にトランジスタ3611のソース及びドレインの一方と同じ電圧(電圧V及び電圧Vの一方)が与えられる。
【0213】
トランジスタ3614は、ソース及びドレインの一方がトランジスタ3613のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方にトランジスタ3612のソース及びドレインの他方と同じ電圧(電圧V及び電圧Vの他方)が与えられる。
【0214】
なお、図15(B)に示す制御回路は、トランジスタ3611のゲート並びにソース及びドレインの一方、且つトランジスタ3613のソース及びドレインの一方に電圧V及び電圧Vの一方が与えられる代わりに、トランジスタ3611のゲート並びにソース及びドレインの一方、且つトランジスタ3613のソース及びドレインの一方に信号S32が入力される構成にすることもできる。
【0215】
また、図15(B)に示す制御回路は、トランジスタ3611のソース及びドレインの他方の電圧を信号S39として出力する代わりにトランジスタ3613のソース及びドレインの他方の電圧を信号S39として出力する。
【0216】
図15(C)に示す制御回路は、図15(A)に示す制御回路の回路構成に加え、トランジスタ3615を有する。なお、図15(C)に示す制御回路において、図15(A)に示す制御回路と同じ部分については、図15(A)に示す制御回路の説明を適宜援用し、その他の部分について以下に説明する。
【0217】
トランジスタ3615は、ソース及びドレインの一方がトランジスタ3611のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方にトランジスタ3612のソース及びドレインの他方と同じ電圧(電圧V及び電圧Vの他方)が与えられる。
【0218】
また、図15(C)に示す制御回路は、トランジスタ3615のゲートに信号S35が入力される。
【0219】
図15(D)に示す制御回路は、図15(B)及び図15(C)に示す制御回路の構成を組み合わせた構成に加え、トランジスタ3616を有する。なお、図15(D)に示す制御回路において、図15(B)及び図15(C)に示す制御回路と同じ部分については、図15(B)及び図15(C)に示す制御回路の説明を適宜援用し、その他の部分について以下に説明する。
【0220】
トランジスタ3616は、ソース及びドレインの一方がトランジスタ3613のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方にトランジスタ3612のソース及びドレインの他方と同じ電圧(電圧V及び電圧Vの他方)が与えられる。
【0221】
図15(D)に示す制御回路は、トランジスタ3616のゲートに信号S35が入力される。
【0222】
図15(E)に示す制御回路は、図15(A)に示す制御回路の構成に加え、トランジスタ3617を有する。なお、図15(E)に示す制御回路において、図15(A)に示す制御回路と同じ部分については、図15(A)に示す制御回路の説明を適宜援用し、その他の部分について以下に説明する。
【0223】
トランジスタ3617は、ソース及びドレインの一方がトランジスタ3612のゲートに電気的に接続され、ソース及びドレインの他方にトランジスタ3612のソース及びドレインの他方と同じ電圧(電圧V及び電圧Vの他方)が与えられる。
【0224】
図15(E)に示す制御回路は、トランジスタ3617のゲートに信号S31が入力される。
【0225】
図15(F)に示す制御回路は、容量素子3621と、トランジスタ3622と、を有する。
【0226】
容量素子3621は、第1端子を介して信号S32が入力される。
【0227】
トランジスタ3622は、ソース及びドレインの一方が容量素子3621の第2端子に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方に電圧V又は電圧Vが与えられる。
【0228】
図15(F)に示す制御回路は、容量素子3621の第1端子を介して信号S32が入力され、トランジスタ3622のゲートに信号S38が入力され、容量素子3621の第2端子の電圧を信号S39として出力する。
【0229】
なお、信号S31は、例えば順序回路のスタート信号(STSCともいう)として機能させることができ、例えば実施の形態1の信号S1に相当する。
【0230】
また、信号S32は、例えば順序回路のクロック信号(CKSC1ともいう)として機能させることができ、例えば実施の形態1の信号S2に相当する。
【0231】
また、信号S33は、例えば順序回路のリセット信号(RESCともいう)として機能させることができ、例えば実施の形態1の信号S3に相当する。
【0232】
また、信号S34及び信号S37は、順序回路の出力信号として機能させることができ、例えば実施の形態1の信号S4に相当する。例えば信号S34は、順序回路の出力信号(OUTSC1ともいう)として機能させることができ、信号S37は、順序回路の出力信号(OUTSC2ともいう)として機能させることができる。
【0233】
信号S35は、例えば順序回路の第2のクロック信号(CKSC2ともいう)として機能させることができる。
【0234】
信号S36は、例えば順序回路の第2のリセット信号として機能させることができる。信号S36としては、例えば複数段の順序回路を有する構成の場合には、K+1段目の順序回路の出力信号をK段目の順序回路の第2のリセット信号に用いることができる。
【0235】
信号S38としては、例えば図14(E)に示すようにノードN1の電圧の信号(信号N1ともいう)を用いることができる。また、これに限定されず、信号N1の代わりに信号S34を信号S38として用いることもできる。
【0236】
信号S39は、制御回路316の出力信号(OUT316ともいう)として機能させることができる。
【0237】
次に本実施の形態の順序回路の動作の一例について図16を用いて説明する。図16は、図14(A)に示す順序回路の動作の一例を示すタイミングチャートである。なお、図16を用いて説明する図14(A)に示す順序回路の動作の一例では、順序回路を上記実施の形態2の電子回路における順序回路とし、一例としてトランジスタ311乃至トランジスタ313は、すべてN型とし、信号S31乃至信号S34を全て2値のデジタル信号とし、信号S32をクロック信号とし、トランジスタ313のソース及びドレインの他方には接地電位が与えられるとして説明する。また、本実施の形態における順序回路の動作では、図16に示す各信号の電圧状態を反転させることもできる。
【0238】
図16に示すように、図14(A)に示す順序回路の動作の一例は、期間351、期間352、及び期間353に分けることができる。各期間における動作について以下に説明する。
【0239】
まず期間351では、時刻E1において、信号S31がハイレベルになり、信号S32がローレベルになり、信号S33がローレベルになる。
【0240】
このとき順序回路はセット状態になる。さらにトランジスタ311がオン状態になり、ノードN1の電位が上昇し始める。ノードN1の電位は、V−Vth311(トランジスタ311の閾値電圧)まで上昇し、V−Vth311になるとトランジスタ311がオフ状態になり、ノードN1が浮遊状態になる。さらにノードN1の電位の絶対値がトランジスタ312の閾値電圧(Vth312)の絶対値より大きくなるとトランジスタ312がオン状態になり、信号S34がローレベルになる。
【0241】
次に期間352では、時刻E2において、信号S31がローレベルになり、信号S32がハイレベルになり、信号S33がローレベルになる。
【0242】
このときトランジスタ311がオフ状態のままであるため、ノードN1の電位はV−Vth311のままである。
【0243】
ノードN1の電位がV−Vth311のままであるとき、トランジスタ312はオン状態のままであり、トランジスタ312のソース及びドレインの一方の電位がVのとき、トランジスタ312のソース及びドレインの他方の電位が上昇し始める。するとノードN1は、浮遊状態であるため、トランジスタ312におけるゲートとソース及びドレインの他方との間に形成された容量(例えば寄生容量)による容量結合により出力信号の電位に合わせて上昇し始める。いわゆるブートストラップである。
【0244】
ノードN1の電位は、期間351におけるノードN1の電位とトランジスタ312の閾値電圧との和よりもさらに大きい値、すなわち、V+Vth312+V(Vは任意の正の値)まで上昇する。このときトランジスタ312はオン状態のままである。
【0245】
次に期間353では、時刻E3において信号S31がローレベルになり、信号S32がローレベルになり、信号S33はローレベルのままである。
【0246】
このときトランジスタ312はオン状態のままであり、トランジスタ312のソース及びドレインの一方の電位がVのとき、トランジスタ312のソース及びドレインの他方の電位が下降し始める。ノードN1は、浮遊状態であるため、トランジスタ312のゲートとソース及びドレインの他方と間に形成された容量による容量結合により下降し始める。
【0247】
ノードN1の電位は、V+Vth312まで下降し、V+Vth312になるとトランジスタ312はオフ状態になる。なお、図16を用いて説明する図14(A)に示す順序回路の動作の一例では、V+Vth312=V−Vth311としているが、これに限定されず、本実施の形態の順序回路ではV+Vth312とV−Vth311は異なる値とすることもできる。このとき信号S34がローレベルになる。さらに時刻E4において信号S33がハイレベルになるとトランジスタ313がオン状態になり、ノードN1の電位はVGNDになり、順序回路はリセット状態になり、リセット状態の間、トランジスタ312はオフ状態に維持される。
【0248】
図14及び図15に一例として示したように、本実施の形態の電子回路における順序回路は、例えば同一の導電型の電界効果トランジスタを用いて構成することができる。同一の導電型のトランジスタを用いることにより、複数の異なる導電型のトランジスタを用いる場合に比べて作製工程数を低減することができる。
【0249】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせ及び置き換えを行うことができる。
【0250】
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様である電子回路にトランジスタを用いる場合に適用可能なトランジスタの構造の一例について説明する。
【0251】
(構造1)
本実施の形態における、本発明の一態様である電子回路に適用可能なトランジスタの構造の一例について図17を用いて説明する。図17は、本実施の形態における、本発明の一態様である電子回路に適用可能なトランジスタの構造の一例を示す断面図である。
【0252】
図17に示すトランジスタは、基板1101上に、ゲート電極1103と、微結晶半導体層1115aと、混合層1115bと、非晶質半導体を含む層1129cと、ゲート電極1103及び微結晶半導体層1115aの間に設けられるゲート絶縁層1105と、非晶質半導体を含む層1129cに接するソース領域又はドレイン領域としての機能を有する領域を有する不純物半導体層1127と、不純物半導体層1127に接する配線1125とを有する。
【0253】
なお、本明細書において、AはB上に設けられる、又はAはBの上に設けられると記載した場合には、Aは必ずしもBの上に直接接して設けられる必要はなく、特に指定する場合を除き、例えば断面視においてAとBと間に別の対象物が介在する場合も含むものとする。ここで、A、Bは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、膜、層、など)であるとする。
【0254】
また、AはBの下に設けられると記載した場合も同様に、Aは必ずしもBの下に直接接して設けられる必要はなく、特に指定する場合を除き、例えば断面視においてAとBと間に別の対象物が介在する場合も含むものとする。
【0255】
基板1101としては、ガラス基板、セラミック基板の他、本作製工程の処理温度に耐えうる程度の耐熱性を有するプラスチック基板等を用いることができる。また、基板1101に透光性を要しない場合には、基板1101としてステンレス合金等の金属の基板の表面に絶縁層を設けたものを用いてもよい。ガラス基板としては、例えば、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス若しくはアルミノケイ酸ガラス等の無アルカリガラス基板を用いるとよい。また、基板1101として、第3世代(550mm×650mm)、第3.5世代(600mm×720mm、又は620mm×750mm)、第4世代(680mm×880mm、又は730mm×920mm)、第5世代(1100mm×1300mm)、第6世代(1500mm×1850mm)、第7世代(1870mm×2200mm)、第8世代(2200mm×2400mm)、第9世代(2400mm×2800mm、2450mm×3050mm)、第10世代(2950mm×3400mm)等のガラス基板を用いることができる。
【0256】
ゲート電極1103は、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料、又はこれらを主成分とする合金材料を用いて形成することができ、また、ゲート電極1103の形成に適用可能な材料を積層して形成することができる。また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶シリコンに代表される半導体層やAgPdCu合金を用いてゲート電極1103を形成してもよい。
【0257】
ゲート電極1103の2層の積層構造としては、アルミニウム層上にモリブデン層が積層された二層構造、銅層上にモリブデン層が積層された二層構造、銅層上に窒化チタン層若しくは窒化タンタル層が積層された二層構造、又は窒化チタン層とモリブデン層との二層構造とすることが好ましい。ゲート電極1103の3層の積層構造としては、タングステン層又は窒化タングステン層と、アルミニウム及びシリコンの合金層又はアルミニウムとチタンの合金層と、窒化チタン層又はチタン層とが積層された構造とすることが好ましい。電気的抵抗が低い層上にバリア層として機能する金属層が積層されることで、電気的抵抗が低く、且つ金属層から半導体層への金属元素の拡散を防止することができる。
【0258】
なお、ゲート電極1103及び基板1101との密着性を向上させるために、上記の金属材料の窒化物層を、基板1101と、ゲート電極1103との間に設けてもよい。
【0259】
ゲート絶縁層1105は、CVD法又はスパッタリング法等を用いて、酸化シリコン層、窒化シリコン層、酸化窒化シリコン層、又は窒化酸化シリコン層を単層、又は積層して形成することができる。
【0260】
なお、本明細書中において、酸化窒化シリコンとは、その組成として、窒素よりも酸素の含有量が多いものであって、好ましくは、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)及び水素前方散乱法(HFS:Hydrogen Forward Scattering)を用いて測定した場合に、組成範囲として酸素が50〜70原子%、窒素が0.5〜15原子%、シリコンが25〜35原子%、水素が0.1〜10原子%の範囲で含まれるものをいう。また、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多いものであって、好ましくは、RBS及びHFSを用いて測定した場合に、組成範囲として酸素が5〜30原子%、窒素が20〜55原子%、シリコンが25〜35原子%、水素が10〜30原子%の範囲で含まれるものをいう。ただし、酸化窒化シリコン又は窒化酸化シリコンを構成する原子の合計を100原子%としたとき、窒素、酸素、シリコン及び水素の含有比率が上記の範囲内に含まれるものとする。
【0261】
微結晶半導体層1115aを構成する微結晶半導体とは、非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的な構造の半導体である。微結晶半導体は、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩序を持ち格子歪みを有する結晶質な半導体であり、結晶粒径が2nm以上200nm以下、好ましくは10nm以上80nm以下、より好ましくは、20nm以上50nm以下の柱状結晶又は針状結晶が基板表面に対して法線方向に成長している。このため、柱状結晶又は針状結晶の界面には、結晶粒界が形成される場合もある。
【0262】
微結晶半導体の代表例である微結晶シリコンは、そのラマンスペクトルが単結晶シリコンを示す520cm−1よりも低波数側にシフトしている。即ち、単結晶シリコンを示す520cm−1とアモルファスシリコンを示す480cm−1の間に微結晶シリコンのラマンスペクトルのピークが示される。また、未結合手(ダングリングボンド)を終端するため、微結晶半導体には、水素又はハロゲンを少なくとも1原子%又はそれ以上含ませている。さらに、微結晶半導体にヘリウム、アルゴン、クリプトン、又はネオンなどの希ガス元素を含ませて格子歪みをさらに助長させることで、安定性が増し良好な微結晶半導体が得られる。このような微結晶半導体に関する記述は、例えば、米国特許4,409,134号で開示されている。
【0263】
また、微結晶半導体層1115aに含まれる酸素及び窒素の二次イオン質量分析法によって計測される濃度を、1×1018atoms/cm未満とすることで、微結晶半導体層1115aの結晶性を高めることができる。
【0264】
非晶質半導体を含む層1129cは、非晶質構造を有する。さらには、非晶質構造に加え、粒径が1nm以上10nm以下、好ましくは1nm以上5nm以下の半導体結晶粒を含む場合もある。ここでは、従来の非晶質半導体層と比較して、CPM(Constant photocurrent method)やフォトルミネッセンス分光測定で測定されるUrbach端のエネルギーが小さく、欠陥吸収スペクトル量が少ない半導体層を、非晶質半導体を含む層1129cという。即ち、従来の非晶質半導体層と比較して、欠陥が少なく、価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻である秩序性の高い半導体層を、非晶質半導体を含む層1129cという。非晶質半導体を含む層1129cは、価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻であるため、バンドギャップが広くなり、トンネル電流が流れにくくなる。
【0265】
なお、非晶質半導体を含む層1129cの非晶質半導体とは、代表的にはアモルファスシリコンである。
【0266】
また、非晶質半導体を含む層1129cは、窒素、NH基、又はNH基を有してもよい。
【0267】
図18に、図17のゲート絶縁層1105と、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層1127の間の拡大図を示し、特に混合層1115bについて詳細に示す。
【0268】
図18(A)に示すように、混合層1115bは、微結晶半導体層1115a及び非晶質半導体を含む層1129cの間に設けられる。また、混合層1115bは、微結晶半導体領域1108a、及び当該微結晶半導体領域1108aの間に充填される非晶質半導体領域1108bを有する。具体的には、微結晶半導体層1115aから凸状に伸びた微結晶半導体領域1108a及び非晶質半導体を含む層1129cと同様の半導体で形成される非晶質半導体領域1108bとで形成される。なお、混合層1115bに含まれる非晶質半導体領域1108bに、粒径が1nm以上10nm以下、好ましくは1nm以上5nm以下の半導体結晶粒を含む場合もある。
【0269】
微結晶半導体領域1108aは、ゲート絶縁層1105から非晶質半導体を含む層1129cへ向けて、先端が狭まる凸状、又は錐形状の微結晶半導体結晶の領域である。なお、微結晶半導体領域1108aは、ゲート絶縁層1105から非晶質半導体を含む層1129cへ向けて幅が広がる凸状、又は錐形状の微結晶半導体結晶の領域であってもよい。
【0270】
混合層1115bにおいて、微結晶半導体領域1108aが、ゲート絶縁層1105から非晶質半導体を含む層1129cへ向けて、先端が狭まる凸状の半導体結晶粒の領域の場合は、微結晶半導体層1115a側の方が、非晶質半導体を含む層1129c側と比較して、微結晶半導体領域の割合が多い。これは、微結晶半導体領域1108aの結晶が微結晶半導体層1115aの表面から膜厚方向に成長するが、原料ガスに窒素を含むガスを含ませる、又は原料ガスに窒素を含むガスを含ませつつ、微結晶半導体膜の成膜条件よりシランに対する水素の流量を低減すると、微結晶半導体領域1108aの半導体結晶粒の成長が抑制され、錐状の半導体結晶粒となるとともに、やがて非晶質半導体が堆積するためである。
【0271】
なお、混合層1115bに含まれる微結晶半導体領域1108aは微結晶半導体層1115aと概略同質の半導体であり、また、混合層1115bに含まれる非晶質半導体領域1108bは非晶質半導体を含む層1129cの非晶質半導体と概略同質の半導体である。また、微結晶半導体層と、非晶質半導体を含む層の界面が、混合層1115bにおける微結晶半導体領域1108a及び非晶質半導体領域1108bの界面に相当するため、微結晶半導体領域1108aと、非晶質半導体を含む層1129cの界面は凹凸状であるともいえる。
【0272】
混合層1115bが微結晶半導体領域1108aを有するため、縦方向(膜厚方向)における抵抗、即ち、微結晶半導体層1115aと、ソース領域又はドレイン領域として機能する不純物半導体層1127の間の抵抗を下げることが可能である。
【0273】
このため、チャネル領域を微結晶半導体層1115aで形成し、チャネル領域を含む微結晶半導体層1115aとソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層1127の間に、微結晶半導体領域1108aを有する混合層1115bと、欠陥が少なく、価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻である秩序性の高い半導体層で形成される非晶質半導体を含む層1129cと、を設けることで、薄膜トランジスタのオフ電流を低減すると共に、オン電流及び電界効果移動度を高めることが可能である。
【0274】
また、図18(B)に示すように、混合層1115bは、微結晶半導体層1115a及び不純物半導体層1127の間に設けられ、混合層1115bと不純物半導体層1127との間に、非晶質半導体を含む層1129cが形成されない構成となる場合がある。このような構造は、非晶質半導体領域1108bに対する微結晶半導体領域1108aの割合が少ないことが好ましい。この結果、薄膜トランジスタのオフ電流を低減することができる。また、混合層1115bにより、縦方向(膜厚方向)における抵抗と、ソース領域又はドレイン領域との間の抵抗を下げることが可能であり、薄膜トランジスタのオン電流を高めることが可能である。
【0275】
また、混合層1115bは、窒素、代表的にはNH基又はNH基を有することが好ましい。これは、微結晶半導体領域1108aに含まれる半導体結晶粒の界面、又は微結晶半導体領域1108aと非晶質半導体領域1108bとの界面において、窒素、代表的にはNH基又はNH基が、シリコン原子のダングリングボンドと結合すると、欠陥が低減するためである。このため、窒素濃度を1×1020cm−3乃至1×1021cm−3とすることで、シリコン原子のダングリングボンドを窒素、好ましくはNH基で架橋しやすくなり、キャリアが流れやすくなる。または、上記した界面における半導体原子のダングリングボンドがNH基で終端されて、欠陥準位が消失する。この結果、オン状態でソース電極及びドレイン電極の間に電圧が印加されたときの縦方向(厚さ方向)の抵抗が低減する。即ち、薄膜トランジスタの電界効果移動度とオン電流が増加する。
【0276】
また、混合層1115bの酸素濃度を低減することにより微結晶半導体領域1108aと非晶質半導体領域1108bとの界面や、半導体結晶粒同士の界面における欠陥における、キャリアの移動を阻害する結合を低減することができる。
【0277】
なお、ここでは、微結晶半導体層1115aとは、概略厚さが等しい領域をいう。また、微結晶半導体層1115aと混合層1115bとの界面とは、微結晶半導体領域1108aと非晶質半導体領域1108bとの界面における平坦部において、ゲート絶縁層1105に最も近い領域を延長した領域をいう。
【0278】
微結晶半導体層1115a及び混合層1115bの厚さの合計、即ち、ゲート絶縁層1105の界面から、混合層1115bの突起(凸部)の先端の距離は、3nm以上80nm以下、好ましくは5nm以上50nm以下とする。これにより薄膜トランジスタのオフ電流を低減できる。
【0279】
不純物半導体層1127は、リンが添加されたアモルファスシリコン、リンが添加された微結晶シリコン等で形成する。なお、薄膜トランジスタとして、pチャネル型薄膜トランジスタを形成する場合は、不純物半導体層1127は、ボロンが添加された微結晶シリコン、ボロンが添加されたアモルファスシリコン等で形成する。なお、混合層1115b又は非晶質半導体を含む層1129cと、配線1125とがオーミックコンタクトをする場合は、不純物半導体層1127を形成しなくともよい。
【0280】
また、不純物半導体層1127を、リンが添加された微結晶シリコン又はボロンが添加された微結晶シリコンで形成する場合は、混合層1115b又は非晶質半導体を含む層1129cと、不純物半導体層1127との間に、微結晶半導体層、代表的には微結晶シリコン層を形成することで、界面の特性を向上させることができる。この結果、不純物半導体層1127と、混合層1115b又は非晶質半導体を含む層1129cとの界面に生じる抵抗を低減することができる。この結果、薄膜トランジスタのソース領域、微結晶半導体層1115a、混合層1115b、非晶質半導体を含む層1129c、及びドレイン領域を流れる電流量を増加させ、オン電流及び電界効果移動度の増加が可能となる。
【0281】
図17に示す配線1125は、アルミニウム、銅、チタン、ネオジム、スカンジウム、モリブデン、クロム、タンタル若しくはタングステン等により単層で、又は積層して形成することができる。又は、配線1125は、ヒロック防止元素が添加されたアルミニウム合金(ゲート電極1103に用いることができるAl−Nd合金等)により形成してもよい。また、配線1125は、不純物半導体層1127と接する側の層を、チタン、タンタル、モリブデン、タングステン又はこれらの元素の窒化物により形成し、その上にアルミニウム又はアルミニウム合金を形成した積層構造としても良い。更には、配線1125は、アルミニウム又はアルミニウム合金の上面及び下面を、チタン、タンタル、モリブデン、若しくはタングステン、又はこれらの元素の窒化物で挟んだ積層構造としてもよい。
【0282】
図17及び図18に示す薄膜トランジスタは、オフ電流を低減すると共に、オン電流及び電界効果移動度を高めることが可能である。また、図17及び図18に示す薄膜トランジスタは、チャネル領域を微結晶半導体層で形成するため、劣化が少なく、電気特性の低下がおきにくく、信頼性が高い。さらには、図17及び図18に示す薄膜トランジスタは、オン電流が高いため、アモルファスシリコンをチャネル領域に用いた薄膜トランジスタと比較して、チャネル領域の面積、即ち薄膜トランジスタの占有面積を低減することが可能であり、薄膜トランジスタの高集積化が可能である。
【0283】
(構造2)
図19に、薄膜トランジスタの一形態の断面図を示す。図19に示す薄膜トランジスタは、基板1101上にゲート電極1103を有し、ゲート電極1103を覆うゲート絶縁層1105を有し、ゲート絶縁層1105に接してチャネル領域として機能する微結晶半導体層1131を有し、微結晶半導体層1131上に一対の非晶質半導体を含む層1132を有し、非晶質半導体を含む層1132に接して、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層1127を有する。また、不純物半導体層1127に接して配線1125を有する。配線1125はソース電極及びドレイン電極として機能する。また、微結晶半導体層1131の表面には、第1の絶縁層1135aが形成される。また、一対の非晶質半導体を含む層1132及び不純物半導体層1127の表面には、第2の絶縁層1135cが形成される。また、配線1125の表面には、第3の絶縁層1135eが形成される。
【0284】
微結晶半導体層1131は、ゲート絶縁層1105に接する第1の微結晶半導体層1131aと、錐形状の複数の突起(凸部)を有する第2の微結晶半導体層1131bとを有する。
【0285】
第1の微結晶半導体層1131aは、図17に示す微結晶半導体層1115aと同様の微結晶半導体で形成される。第2の微結晶半導体層1131bは図18に示す混合層1115bに含まれる微結晶半導体領域1108aと同様に形成することができる。
【0286】
一対の非晶質半導体を含む層1132は、図18(A)に示す非晶質半導体を含む層1129cと同様に、従来の非晶質半導体層と比較して、欠陥が少なく、価電子帯のバンド端における準位のテール(裾)の傾きが急峻である秩序性の高い半導体で形成することができる。
【0287】
第1の絶縁層1135aは、微結晶半導体層1131を酸化した酸化物層、微結晶半導体層1131を窒化した窒化物層、微結晶半導体層1131を窒化及び酸化した酸化窒化物層又は窒化酸化物層等で形成される。第1の絶縁層1135aの代表例としては、酸化シリコン層、窒化シリコン層、酸化窒化シリコン層、窒化酸化シリコン層等がある。
【0288】
第2の絶縁層1135cは、一対の非晶質半導体を含む層1132及び不純物半導体層1127を酸化した酸化物層、一対の非晶質半導体を含む層1132及び不純物半導体層1127を窒化した窒化物層、一対の非晶質半導体を含む層1132及び不純物半導体層1127を窒化及び酸化した酸化窒化物層又は窒化酸化物層等で形成される。第2の絶縁層1135cの代表例としては、酸化シリコン層、窒化シリコン層、酸化窒化シリコン層、窒化酸化シリコン層等がある。また、第2の絶縁層1135cの代表例としては、上記絶縁層にリン又はボロンが添加された絶縁層がある。
【0289】
第3の絶縁層1135eは、配線1125を酸化した酸化物層、配線1125を窒化した窒化物層、配線1125を窒化及び酸化した酸化窒化物層又は窒化酸化物層で形成される。なお、第3の絶縁層1135eは、ここでは、配線1125の上面及び側面に形成されるが、配線1125の側面にのみ形成され、配線1125の上面には形成されない場合がある。第3の絶縁層1135eの代表例としては、金属酸化物層、金属窒化物層、金属酸化窒化層、金属窒化酸化物層等がある。ここでの金属は、配線1125に示す金属元素である。
【0290】
非晶質半導体を含む層1132は、非晶質半導体を含むため、弱いn型を示す。また、微結晶半導体層1131と比較して、密度が低い。このため、非晶質半導体層を酸化又は窒化した第2の絶縁層1135cは密度が低く、疎な絶縁層であり、絶縁性が低い。しかしながら、本実施の形態に示す薄膜トランジスタには、バックチャネル側に微結晶半導体層1131を酸化した第1の絶縁層1135aが形成される。微結晶半導体層は、非晶質半導体層と比較して密度が高いため、第1の絶縁層1135aも密度が高く、絶縁性が高い。さらに、第2の微結晶半導体層1131bは、錐形状の突起(凸部)を複数有するため、表面が凹凸状である。このため、ソース領域からドレイン領域までのリークパスの距離が長い。これらのことから、薄膜トランジスタのリーク電流及びオフ電流を低減することができる。
【0291】
本実施の形態に示す薄膜トランジスタは、チャネル領域が錐形状の突起を複数有する微結晶半導体層で形成され、且つ微結晶半導体層に接して一対の非晶質半導体を含む層を有するため、非晶質半導体をチャネル領域に有する薄膜トランジスタと比較して、薄膜トランジスタのオン電流を高めると共に、従来の微結晶半導体をチャネル領域に有する薄膜トランジスタと比較して、薄膜トランジスタのオフ電流を低減することができる。
【0292】
本発明の一態様の電子回路にトランジスタを用いる場合、該電子回路が有するトランジスタを上記(構造1)及び(構造2)に示すような、チャネル領域に微結晶半導体を用いた薄膜トランジスタとすることにより、薄膜トランジスタの特性劣化の程度を小さくすることができ、表示品質の劣化の度合いを抑えることができる。また薄膜トランジスタの半導体層として、微結晶半導体を用いる場合、生産性の向上を図ることができるため、電子回路の大型化、コストの低減、又は歩留まりの向上などを図ることができる。
【0293】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせ又は置き換えをすることができる。
【0294】
(実施の形態7)
本実施の形態では、実施の形態6に示す薄膜トランジスタの作製方法について説明する。
【0295】
本実施の形態における薄膜トランジスタの作製方法について図20乃至図25を用いて説明する。図20乃至図25は、実施の形態6に示す薄膜トランジスタの作製方法を示す図である。なお、ここでは、同一の基板上に形成する薄膜トランジスタを全て同じ極性に統一すると、工程数を抑えることができ、好ましい。そのため、本実施の形態では、n型の薄膜トランジスタの作製方法について説明する。
【0296】
(方法1)
はじめに、図17で示した、薄膜トランジスタの作製工程を、図20で説明する。図20(A)に示すように、基板1101上にゲート電極1103を形成する。次に、ゲート電極1103を覆うゲート絶縁層1105を形成した後に、第1の半導体層1106を形成する。
【0297】
ゲート電極1103は、基板1101上に、スパッタリング法又は真空蒸着法を用いて実施の形態6で示した材料により導電層を形成し、該導電層上にフォトリソグラフィ法又はインクジェット法等によりレジストマスクを形成し、該レジストマスクを用いて導電層をエッチングして形成することができる。また、銀、金又は銅等の導電性ナノペーストをインクジェット法により基板上に吐出し、焼成することでレジストマスクを形成することもできる。ここでは、基板1101上に導電層を形成し、フォトマスクを用いて形成したレジストマスクによりエッチングして、ゲート電極1103を形成する。
【0298】
なお、フォトリソグラフィ工程においては、レジストマスクを基板全面に塗布してもよいが、レジストマスクを形成する領域に印刷法によりレジストマスクを印刷した後、露光することで、レジストマスクを節約することが可能であり、コスト削減が可能である。また、露光機を用いてレジストマスクを露光する代わりに、レーザビーム直描装置によってレジストを露光してもよい。
【0299】
また、ゲート電極1103の側面をテーパー形状とすることで、ゲート電極1103上に形成する半導体層及び配線層の段差の箇所における配線切れを低減することができる。ゲート電極1103の側面をテーパー形状にするためには、レジストマスクを後退させつつエッチングを行えばよい。
【0300】
また、本発明の一態様である電子回路を表示装置の駆動回路とし、該電子回路と表示装置の画素部を同時に形成する場合、ゲート電極1103を形成する工程でゲート配線(走査線)及び容量配線も同時に形成することができる。なお、走査線とは画素を選択する配線をいい、容量配線とは画素の容量素子の一方の電極に接続された配線をいう。ただし、これに限定されず、ゲート配線及び容量配線の一方又は双方と、ゲート電極1103とは別工程で形成してもよい。
【0301】
ゲート絶縁層1105は、CVD法又はスパッタリング法等を用いて、実施の形態6で示した材料を用いて形成することができる。また、ゲート絶縁層1105は、高周波数(1GHz以上)のマイクロ波プラズマCVD装置を用いて形成してもよい。マイクロ波プラズマCVD装置を用いてゲート絶縁層1105を形成すると、ゲート電極と、ドレイン電極及びソース電極との間の絶縁耐圧を向上させることができるため、信頼性の高い薄膜トランジスタを得ることができる。また、ゲート絶縁層1105として、有機シランガスを用いたCVD法により酸化シリコン層を形成することで、後に形成する微結晶半導体層の結晶性を高めることが可能であるため、形成される薄膜トランジスタのオン電流及び電界効果移動度を高めることができる。有機シランガスとしては、珪酸エチル(TEOS:化学式Si(OC)、テトラメチルシラン(TMS:化学式Si(CH)、テトラメチルシクロテトラシロキサン(TMCTS)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(OMCTS)、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、トリエトキシシラン(SiH(OC)、トリスジメチルアミノシラン(SiH(N(CH)等のシリコン含有化合物を用いることができる。
【0302】
第1の半導体層1106としては、微結晶シリコン、微結晶シリコンゲルマニウム、微結晶ゲルマニウム等を用いて形成する。第1の半導体層1106の厚さは、厚さ3〜10nm、好ましくは3〜5nmと薄くすることで、後に形成される第2の半導体層において、微結晶半導体で形成される複数の錐形状の突起(凸部)の長さを制御し、薄膜トランジスタのオン電流及びオフ電流を制御することができる。
【0303】
第1の半導体層1106は、プラズマCVD装置の反応室内において、シリコン又はゲルマニウムを含む堆積性気体と、水素とを混合し、グロー放電プラズマにより形成する。又は、シリコン又はゲルマニウムを含む堆積性気体と、水素と、ヘリウム、ネオン、クリプトン等の希ガスとを混合し、グロー放電プラズマにより形成する。シリコン又はゲルマニウムを含む堆積性気体の流量に対して、水素の流量を10〜2000倍、好ましくは10〜200倍に希釈して、微結晶シリコン、微結晶シリコンゲルマニウム、微結晶ゲルマニウム等を形成する。
【0304】
シリコン又はゲルマニウムを含む堆積性気体の代表例としては、SiH、Si、GeH、Ge等がある。
【0305】
第1の半導体層1106の原料ガスとして、ヘリウム、アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン等の希ガスを用いることで、第1の半導体層1106の成膜速度が高まる。また、成膜速度が高まることで、第1の半導体層1106に混入される不純物量が低減するため、第1の半導体層1106の結晶性を高めることができる。このため、薄膜トランジスタのオン電流及び電界効果移動度が高まると共に、薄膜トランジスタの生産性を高めることができる。
【0306】
第1の半導体層1106を形成する際の、グロー放電プラズマの生成は、3MHzから30MHz、代表的には13.56MHz、27.12MHzのHF帯の高周波電力、又は30MHzより大きく300MHz程度までのVHF帯の高周波電力、代表的には、60MHzを印加することで行われる。また、1GHz以上のマイクロ波の高周波電力を印加することで行われる。なお、VHF帯やマイクロ波の高周波電力を用いることで、成膜速度を高めることが可能である。更には、HF帯の高周波電力と、VHF帯の高周波電力を重畳させることで、大面積基板においてもプラズマのムラを低減し、均一性を高めることができると共に、成膜速度を高めることができる。
【0307】
なお、第1の半導体層1106を形成する前に、CVD装置の処理室内の気体を排気しながら、シリコン又はゲルマニウムを含む堆積性気体を導入して、処理室内の不純物元素を除去することで、後に形成される薄膜トランジスタのゲート絶縁層1105及び第1の半導体層1106における不純物量を低減することが可能であり、薄膜トランジスタの電気特性を向上させることができる。
【0308】
次に、図20(B)に示すように、第1の半導体層1106上に半導体層を堆積して、第2の半導体層1107を形成する。次に、第2の半導体層1107上に、不純物半導体層1109、及び導電層1111を形成する。次に、導電層1111上にレジストマスク1113を形成する
【0309】
第1の半導体層1106を種結晶として、部分的に結晶成長させる条件で、微結晶半導体層1107a、混合層1107b、非晶質半導体を含む層1107cを有する第2の半導体層1107を形成する。なお、ここでは、便宜的に第2の半導体層1107に第1の半導体層1106も含む構造、即ち、第1の半導体層1106が微結晶半導体層1107aに含まれる構造を示す。
【0310】
第2の半導体層1107は、プラズマCVD装置の処理室内において、シリコン又はゲルマニウムを含む堆積性気体と、水素と、窒素を含む気体とを混合し、グロー放電プラズマにより形成する。窒素を含む気体としては、アンモニア、窒素、フッ化窒素、塩化窒素等がある。
【0311】
このとき、シリコン又はゲルマニウムを含む堆積性気体と、水素との流量比は、第1の半導体層1106と同様に微結晶半導体層を形成する条件を用い、原料ガスに窒素を含む気体を用いることで、第1の半導体層1106の成膜条件よりも、結晶成長を低減する条件とすることができる。この結果、第2の半導体層1107において、混合層1107b及び非晶質半導体を含む層1107cを形成することができる。
【0312】
ここでの第2の半導体層1107を形成する条件の代表例は、シリコン又はゲルマニウムを含む堆積性気体の流量に対する水素の流量が10〜2000倍、好ましくは10〜200倍の条件である。なお、通常の非晶質半導体層を形成する条件の代表例は、シリコン又はゲルマニウムを含む堆積性気体の流量に対する水素の流量が0〜5倍の条件である。
【0313】
また、第2の半導体層1107の原料ガスに、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノン、又はクリプトン等の希ガスを導入することで、成膜速度を高めることができる。
【0314】
第2の半導体層1107の堆積初期においては、第1の半導体層1106を種結晶として、第1の半導体層1106上全体に微結晶半導体層が堆積される(堆積初期)。この後、原料ガスに窒素を含む気体が含まれるため、部分的に、結晶成長が抑制され、錐形状の微結晶半導体領域が成長すると共に、非晶質半導体領域が形成される(堆積中期)。さらに、錐形状の微結晶半導体領域の結晶成長が停止し、非晶質半導体を含む層が形成される(堆積後期)。
【0315】
このことから、図17及び図18に示す微結晶半導体層1115aは、図20(A)に示す第1の半導体層1106、及び第2の半導体層1107の堆積初期に形成される微結晶半導体層、即ち、図20(B)に示す微結晶半導体層1107aに相当する。
【0316】
また、図17及び図18に示す混合層1115bは、図20(B)に示す第2の半導体層1107の堆積中期に形成される錐状の微結晶半導体領域及びその間を充填する非晶質半導体領域を有する層、即ち、混合層1107bに相当する。
【0317】
また、図17及び図18に示す非晶質半導体を含む層1129cは、図20(B)に示す第2の半導体層1107の堆積後期に形成される非晶質半導体を含む層1107cに相当する。
【0318】
このような方法により形成した第2の半導体層1107において、二次イオン質量分析法によって計測される窒素濃度は、微結晶半導体層1107aと、混合層1107bとの界面近傍でピーク濃度を有し、混合層1107b及び非晶質半導体を含む層1107cの堆積方向に対して一定濃度となる。
【0319】
不純物半導体層1109は、プラズマCVD装置の反応室内において、シリコンを含む堆積性気体と、水素と、フォスフィン(水素希釈又はシラン希釈)とを混合し、グロー放電プラズマにより形成する。シリコンを含む堆積性気体を水素で希釈して、リンが添加されたアモルファスシリコン、又はリンが添加された微結晶シリコンを形成する。
【0320】
導電層1111は、図17に示す配線1125と同様の材料を適宜用いることができる。導電層1111は、CVD法、スパッタリング法又は真空蒸着法を用いて形成する。また、導電層1111は、銀、金又は銅等の導電性ナノペーストを用いてスクリーン印刷法又はインクジェット法等を用いて吐出し、焼成することで形成しても良い。
【0321】
レジストマスク1113は、フォトリソグラフィ工程により形成する。レジストマスク1113は厚さの異なる領域を有する。このようなレジストマスクは、多階調マスクを用いて形成することができる。多階調マスクを用いることで、使用するフォトマスクの枚数を低減し、作製工程数が削減できる。本実施の形態では、第2の半導体層1107のパターンを形成する工程と、ソース領域とドレイン領域を分離する工程において、多階調マスクを用いることができる。
【0322】
多階調マスクとは、多段階の光量で露光を行うことが可能なマスクであり、代表的には、露光領域、半露光領域及び未露光領域の3段階の光量で露光を行う。多階調マスクを用いることで、一度の露光及び現像工程によって、複数(代表的には二種類)の厚さを有するレジストマスクを形成することができる。そのため、多階調マスクを用いることで、フォトマスクの枚数を削減することができる。
【0323】
図22(A−1)及び図22(B−1)は、代表的な多階調マスクの断面図を示す図である。図22(A−1)にはグレートーンマスク1180を示し、図22(B−1)にはハーフトーンマスク1185を示す。
【0324】
図22(A−1)に示すグレートーンマスク1180は、透光性を有する基板1181上に遮光層により形成された遮光部1182、及び遮光層のパターンにより設けられた回折格子部1183で構成されている。
【0325】
回折格子部1183は、露光に用いる光の解像度限界以下の間隔で設けられたスリット、ドット又はメッシュ等を有することで、光の透過率を制御する。なお、回折格子部1183に設けられるスリット、ドット又はメッシュは周期的なものであってもよいし、非周期的なものであってもよい。
【0326】
透光性を有する基板1181としては、石英等を用いることができる。遮光部1182及び回折格子部1183を構成する遮光層は、クロム又は酸化クロム等により設けられる。
【0327】
グレートーンマスク1180に露光するための光を照射した場合、図22(A−2)に示すように、遮光部1182に重畳する領域における透光率は0%となり、遮光部1182又は回折格子部1183が設けられていない領域における透光率は100%となる。また、回折格子部1183における透光率は、概ね10〜70%の範囲であり、回折格子のスリット、ドット又はメッシュの間隔等により調整可能である。
【0328】
図22(B−1)に示すハーフトーンマスク1185は、透光性を有する基板1186上に半透光層により形成された半透光部1187、及び遮光層により形成された遮光部1188で構成されている。
【0329】
半透光部1187は、MoSiN、MoSi、MoSiO、MoSiON、CrSi等の層を用いて形成することができる。遮光部1188は、グレートーンマスク1180の遮光層と同様の材料を用いて形成すればよく、好ましくはクロム又は酸化クロム等により設けられる。
【0330】
ハーフトーンマスク1185に露光するための光を照射した場合、図22(B−2)に示すように、遮光部1188に重畳する領域における透光率は0%となり、遮光部1188及び半透光部1187が設けられていない領域における透光率は100%となる。また、遮光部1188に重ならない半透光部1187における透光率は、概ね10〜70%の範囲であり、形成する材料の種類又は形成する膜厚等により調整可能である。
【0331】
多階調マスクを用いて露光して現像を行うことで、厚さの異なる領域を有するレジストマスクを形成することができる。
【0332】
次に、レジストマスク1113を用いて、第2の半導体層1107、不純物半導体層1109、及び導電層1111をエッチングする。この工程により、第2の半導体層1107、不純物半導体層1109、及び導電層1111を素子毎に分離し、第2の半導体層1115、不純物半導体層1117、及び導電層1119を形成する。なお、第2の半導体層1115は、微結晶半導体層1115a、混合層1115b、及び非晶質半導体を含む層1115cを有する(図20(C)を参照)。
【0333】
次に、レジストマスク1113を後退させて、分離されたレジストマスク1123を形成する。レジストマスクの後退には、酸素プラズマによるアッシングを用いればよい。ここでは、ゲート電極上で分離するようにレジストマスク1113をアッシングすることで、レジストマスク1123を形成することができる(図21(A)参照)。
【0334】
次に、レジストマスク1123を用いて導電層1111をエッチングし、ソース電極及びドレイン電極として機能する配線1125を形成する(図21(B)を参照)。導電層1111のエッチングとしては、ウエットエッチングを用いることが好ましい。ウエットエッチングにより、導電層1111が等方的にエッチングされる。その結果、導電層1111はレジストマスク1123よりも内側に後退し、配線1125が形成される。本発明の一態様である電子回路を表示装置の駆動回路に用いる場合、配線1125は、ソース電極又はドレイン電極のみならず信号線としても機能する。ただし、これに限定されず、信号線とソース電極及びドレイン電極とは別に設けてもよい。
【0335】
次に、レジストマスク1123を用いて、非晶質半導体を含む層1115c及び不純物半導体層1117のそれぞれの一部をエッチングする。ここでは、ドライエッチングを用いる。本工程までで、表面に凹部を有する非晶質半導体を含む層1129cと、不純物半導体層1127と、を形成する。この後、レジストマスク1123を除去する(図21(C)参照)。
【0336】
なお、ここでは、導電層1111をウエットエッチングし、非晶質半導体を含む層1115c及び不純物半導体層1117のそれぞれ一部をドライエッチングしたため、導電層1119が等方的にエッチングされ、配線1125の側面と、不純物半導体層1127の側面は一致せず、配線1125の側面の外側に、不純物半導体層1127の側面が形成される形状となる。
【0337】
また、レジストマスク1123を除去した後、不純物半導体層1117及び非晶質半導体を含む層1115cの一部をエッチングしてもよい。当該エッチングより、配線1125を用いて不純物半導体層1117をエッチングするため、配線1125及び不純物半導体層1127のそれぞれ側面が概略一致する。
【0338】
次に、レジストマスク1123を除去した後、ドライエッチングを行ってもよい。ドライエッチングの条件としては、露出している非晶質半導体を含む層1129cにダメージが入らず、且つ非晶質半導体を含む層1129cに対するエッチングレートが低い条件を用いる。つまり、露出している非晶質半導体を含む層1129cの表面にほとんどダメージを与えず、且つ露出している非晶質半導体を含む層1129cの厚さがほとんど減少しない条件を用いる。エッチングガスとしては、代表的にはCl、CF、又はN等を用いる。また、エッチング方法については特に限定はなく、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)方式、容量結合型プラズマ(CCP:Capacitively Coupled Plasma)方式、電子サイクロトロン共鳴プラズマ(ECR:Electron Cyclotron Resonance)方式、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)方式等を用いることができる。
【0339】
次に、非晶質半導体を含む層1129cの表面に水プラズマ、アンモニアプラズマ、窒素プラズマ等を照射してもよい。
【0340】
水プラズマ処理は、水蒸気(HO蒸気)に代表される、水を主成分とするガスを反応空間に導入し、プラズマを生成して、行うことができる。
【0341】
上記したように、不純物半導体層1127を形成した後に、非晶質半導体を含む層1129cにダメージを与えない条件で更なるドライエッチングを行うことで、露出した非晶質半導体を含む層1129c上に存在する残渣などの不純物を除去することができる。また、ドライエッチングに続けて水プラズマ処理を行うことで、レジストマスクの残渣を除去することができる。また、水プラズマ処理を行うことで、ソース領域とドレイン領域との間の絶縁を確実なものにすることができ、作製する薄膜トランジスタのオフ電流を低減し、電気的特性のばらつきを低減することができる。
【0342】
以上の工程により、少ないマスク数で、チャネル領域が微結晶半導体層を用いて形成される薄膜トランジスタを作製することができる。また、オフ電流が低く、オン電流及び電界効果移動度が高い薄膜トランジスタを作製することができる。
【0343】
(方法2)
上記(方法1)とは異なる薄膜トランジスタの作製方法について、図20、図23及び図24を用いて示す。
【0344】
上記(方法1)と同様に、基板1101上にゲート電極1103を形成する。次に、ゲート電極1103を覆ってゲート絶縁層1105、第1の半導体層1106を形成する(図20(A)参照)。次に、上記(方法1)と同様に、第1の半導体層1106から結晶成長させて、第2の半導体層1107(微結晶半導体層1107a、混合層1107b、非晶質半導体を含む層1107c)を形成する。次に、第2の半導体層1107上に不純物半導体層1109を形成する。その後、不純物半導体層1109上にレジストマスク(図示せず。)を形成する(図23(A)を参照)。
【0345】
次に、レジストマスクを用いて、第2の半導体層1107及び不純物半導体層1109をエッチングする。この工程により、第2の半導体層1107及び不純物半導体層1109を素子毎に分離し、第2の半導体層1115(微結晶半導体層1115a、混合層1115b、非晶質半導体を含む層1115c)、及び不純物半導体層1117を形成する(図23(B)を参照)。
【0346】
次に、ゲート絶縁層1105、第2の半導体層1115、及び不純物半導体層1117上に導電層1111を形成する(図23(C)参照)。
【0347】
次に、導電層1111上にレジストマスク(図示せず。)を形成し、当該レジストマスクを用いて導電層1111をエッチングして、ソース電極及びドレイン電極として機能する配線1133を形成する(図24(A)参照)。
【0348】
次に、不純物半導体層1117をエッチングして、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層1127を形成する。また、非晶質半導体を含む層1115cをエッチングして、非晶質半導体を含む層1129cを形成する(図24(B)参照)。
【0349】
以上の工程により、薄膜トランジスタを作製することができる。
【0350】
なお、配線1133を形成した後、レジストマスクを除去せず非晶質半導体を含む層1115cの一部をエッチングしたが、当該レジストマスクを除去した後、不純物半導体層1117及び非晶質半導体を含む層1129cの一部をエッチングしてもよい。当該エッチングより、配線1133をマスクとして不純物半導体層1117をエッチングするため、配線1133及び不純物半導体層1127のそれぞれ側面が概略一致する。
【0351】
次に、レジストマスクを除去した後、ドライエッチングを行うとよい。ドライエッチングの条件としては、露出している非晶質半導体を含む層1129cにダメージが入らず、且つ非晶質半導体を含む層1129cに対するエッチングレートが低い条件を用いる。つまり、露出している非晶質半導体を含む層1129c表面にほとんどダメージを与えず、且つ露出している非晶質半導体を含む層1129cの厚さがほとんど減少しない条件を用いる。
【0352】
次に、非晶質半導体を含む層1129cの表面に水プラズマ、アンモニアプラズマ、窒素プラズマ等を照射してもよい。
【0353】
水プラズマ処理は、水蒸気(HO蒸気)に代表される、水を主成分とするガスを反応空間に導入し、プラズマを生成して、行うことができる。
【0354】
上記したように、非晶質半導体を含む層1129cを形成した後に、非晶質半導体を含む層1129cにダメージを与えない条件で更なるドライエッチングを行うことで、非晶質半導体を含む層1129c上に存在する残渣などの不純物を除去することができる。また、ドライエッチングに続けて水プラズマ処理を行うことで、レジストマスクの残渣を除去することができる。水プラズマ処理を行うことで、ソース領域とドレイン領域との間の絶縁を確実なものにすることができ、薄膜トランジスタのオフ電流を低減し、電気的特性のばらつきを低減することができる。
【0355】
(方法3)
次に、図19に示す薄膜トランジスタの作製方法について、図20、図21、及び図25を用いて示す。
【0356】
上記(方法1)と同様に、図20、図21(A)、及び図21(B)を経て、配線1125を形成した後、不純物半導体層1117をエッチングして、不純物半導体層1127を形成する。また、非晶質半導体を含む層1115cをエッチングして、一対の非晶質半導体を含む層1132を形成する(図25(A)参照)。
【0357】
ここでは、ウエットエッチング又はドライエッチングを用いて、非晶質半導体を含む層1115cを選択的にエッチングし、第2の微結晶半導体層1131bを露出する条件を適宜用いる。非晶質半導体層を選択的にウエットエッチングすることができるエッチャントの代表例としては、ヒドラジン、水酸化カリウム、又はエチレンジアミンを含むエッチャントを用いることができる。また、フッ酸及び硝酸の混合溶液を含むエッチャントを用いることができる。また、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAHとも呼ばれる。)水溶液を用いることができる。
【0358】
また、非晶質半導体層を選択的にドライエッチングすることができるエッチングガスとしては、水素を用いることができる。また、塩素、臭素、若しくはヨウ素を含むガスをエッチングガスとして用いることができ、代表的には、塩化水素、臭化水素、若しくはヨウ化水素、4塩化シリコン、3塩化リン、若しくは3塩化ボロン等がある。又は、フッ素を含むガスをエッチングガスとして用いることができ、代表的には、4フッ化メタン、6フッ化硫黄、3フッ化窒素、4フッ化シリコン、3フッ化ボロン、2フッ化キセノン、3フッ化塩素等がある。また、4フッ化メタン及び酸素の混合ガス、又は6フッ化硫黄及び塩素の混合ガスをエッチングガスとして用いることができる。
【0359】
この後、レジストマスクを除去し、第2の微結晶半導体層1131b、一対の非晶質半導体を含む層1132、不純物半導体層1127、及び配線1125の表面を酸化、又は窒化するプラズマ処理1140を行って、図25(C)に示す絶縁層1135a、絶縁層1135c、絶縁層1135eを形成する。
【0360】
非晶質半導体を含む層1132は、弱いn型である。また、非晶質半導体を含む層1132は、微結晶半導体層と比較して、密度が低い。このため、非晶質半導体を含む層1132を酸化又は窒化することにより形成された第2の絶縁層1135cは密度が低く、疎な絶縁層であり、絶縁性が低い。しかしながら、図19に示す薄膜トランジスタには、バックチャネル側に微結晶半導体層1131を酸化することにより形成された第1の絶縁層1135aが形成される。微結晶半導体層は、非晶質半導体層と比較して密度が高いため、第1の絶縁層1135aも密度が高く、絶縁性が高い。さらに、第2の微結晶半導体層1131bは、複数の錐形状の突起(凸部)を複数有するため、表面が凹凸状である。このため、ソース領域からドレイン領域までのリークパスの距離が長い。これらのことから、薄膜トランジスタのリーク電流及びオフ電流を低減することができる。
【0361】
なお、ここでは、配線1125を形成した後、非晶質半導体を含む層1115cをエッチングし、第2の微結晶半導体層1131bを露出したが、配線1125を形成した後、レジストマスクを除去し、不純物半導体層1117、非晶質半導体を含む層1115cのそれぞれ一部をドライエッチングし、さらに第2の微結晶半導体層1131bの表面を酸化又は窒化するプラズマ処理1140を行ってもよい。この場合、配線1125をマスクとして、不純物半導体層1127、及び非晶質半導体を含む層1115cがエッチングされるため、配線1125の側面と、ソース領域及びドレイン領域として機能する不純物半導体層1127との側面が概略一致する形状となる。
【0362】
上記したように、錐形状の突起(凸部)を有する第2の微結晶半導体層1131bを露出した後、プラズマ処理により第2の微結晶半導体層1131bの表面に絶縁層を形成することで、ソース領域及びドレイン領域の間のリークパスの距離を長くすることが可能であると共に、絶縁性の高い絶縁層を形成することができる。また、チャネル領域が微結晶半導体層を用いて形成されている。これらのことから、オフ電流が低く、オン電流及び電界効果移動度が高い薄膜トランジスタを作製することができる。
【0363】
(方法4)
(方法1)乃至(方法3)に適用可能な第2の半導体層1107の作製方法について、以下に示す。ここでは、第2の半導体層1107の原料ガスとして、窒素を含む気体を用いる代わりに、プラズマCVD装置の処理室内に窒素を含む層を形成した後、第2の半導体層1107を形成することで、第2の半導体層1107に窒素を供給することを特徴とする。
【0364】
第1の半導体層1106を形成した後、プラズマCVD装置の処理室から基板を搬出する。次に、プラズマCVD装置の処理室内に、窒素を含む層を形成する。ここでは、窒素を含む層として、窒化シリコン層を形成する。次に、処理室内に基板を搬入した後、第2の半導体層1107の堆積に用いる材料ガスを処理室内に導入し、第2の半導体層1107を形成する。ここでは、原料ガスとして、シリコン又はゲルマニウムを含む堆積性気体、及び水素を用いる。処理室内の内壁に形成された窒素を含む層がプラズマに曝されることにより、窒素を含む層の一部が解離し、Nが脱離する。又は、NH基若しくはNH基が生成される。この結果、第2の半導体層1107には窒素が含まれ、図18(A)に示すように、微結晶半導体層1107a、混合層1107b、及び非晶質半導体を含む層1107cで構成される第2の半導体層1107、又は図18(B)に示すように、微結晶半導体層1107a、及び混合層1107bで構成される第2の半導体層1107を形成することができる。
【0365】
このような方法により形成した第2の半導体層1107において、二次イオン質量分析法によって計測される窒素濃度は、微結晶半導体層1107aの上方、又は微結晶半導体層1107aと混合層1107bとの界面近傍で、ピーク濃度を有し、第2の半導体層1107の堆積方向に対して減少する。
【0366】
以上の工程により、第2の半導体層1107を形成することができる。
【0367】
(方法5)
(方法1)乃至(方法3)に適用可能な第2の半導体層1107の作製方法について、以下に示す。ここでは、第2の半導体層1107の原料ガスとして、窒素を含む気体を用いる代わりに、第2の半導体層1107を形成する前にCVD装置の処理室内に窒素を含む気体を導入した後、第2の半導体層1107を形成することで、第2の半導体層1107に窒素を供給することを特徴とする。
【0368】
第1の半導体層1106を形成した後、第1の半導体層1106の表面を、窒素を含む気体で曝して(ここでは、フラッシュ処理という。)、プラズマCVD装置の処理室内に窒素を供給する。窒素を含む気体として、アンモニア、窒素、フッ化窒素、塩化窒素等がある。また、窒素を含む気体のいずれかに水素を含ませてもよい。ここでは、第1の半導体層1106の表面をアンモニアに曝すことで窒素を供給する。
【0369】
次に、第2の半導体層1107の堆積に用いる材料ガスを処理室内に導入した後、第2の半導体層1107を形成する。ここでは、原料ガスとして、シリコン又はゲルマニウムを含む堆積性気体及び水素を用いる。
【0370】
第2の半導体層1107の形成工程において、フラッシュ処理により処理室内に導入された窒素を含む気体、ここではアンモニアがプラズマ放電により分解され、Nが脱離する。又は、NH基若しくはNH基が生成される。この結果、第2の半導体層1107には窒素が含まれ、図18(A)に示すように、微結晶半導体層1107a、混合層1107b、及び非晶質半導体を含む層1107cで構成される第2の半導体層1107、又は図18(B)に示すように、微結晶半導体層1107a、及び混合層1107bで構成される第2の半導体層1107を形成することができる。
【0371】
このような方法により形成した第2の半導体層1107において、二次イオン質量分析法によって計測される窒素濃度は、微結晶半導体層1107aの上方、又は微結晶半導体層1107aと混合層1107bとの界面近傍でピーク濃度を有し、混合層1107b及び非晶質半導体を含む層1107cの堆積方向に対して減少する濃度となる。
【0372】
以上の工程により、第2の半導体層1107を形成することができる。
【0373】
以上、本実施の形態では、本発明の一態様である電子回路に適用可能な薄膜トランジスタの作製方法の一例について説明した。薄膜トランジスタのチャネル領域として、微結晶半導体を用いる場合、電子回路の大型化、コストの低減、又は歩留まりの向上などを図ることができる。また微結晶半導体をチャネル領域として用いることで、薄膜トランジスタの特性劣化を抑制することができるので、電子回路の寿命を長くすることができる。
【0374】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせ又は置き換えをすることができる。
【0375】
(実施の形態8)
本実施の形態では、本発明の一態様である電子回路の構造について説明する。
【0376】
本実施の形態の電子回路の構造の一例について図26を用いて説明する。図26は、本実施の形態の電子回路の構造の一例を示す図であり、図26(A)は上面図であり、図26(B)は、図26(A)における線分A−B及び線分C−Dの断面図である。なお、図26では、一例として図3に示す電子回路の構造の一例について示し、さらに図3における順序回路2011及び順序回路2012をそれぞれ図14(E)に示す回路構成とし、図14(E)の制御回路316を図15(E)に示す回路構成とし、図3の制御回路2021を図5(A)に示す回路構成とし、さらに電子回路が有するトランジスタを図24(B)に示す構造とした場合について説明する。
【0377】
図26に示す電子回路は、順序回路2011、順序回路2012を有し、順序回路2011及び順序回路2012は、トランジスタ311、トランジスタ312、トランジスタ313、トランジスタ314、トランジスタ317、トランジスタ3611、トランジスタ3612、及びトランジスタ3617を有する。
【0378】
さらに順序回路2011におけるトランジスタ313のゲート電極1103は、開口部382を介して配線380に電気的に接続され、順序回路2012におけるトランジスタ312の配線1133は、開口部381を介して配線380に電気的に接続される。すなわち順序回路2012におけるトランジスタ312の配線1133は、配線380を介してトランジスタ313のゲート電極1103に電気的に接続される。
【0379】
図26に示す電子回路では、配線380の配線抵抗及び寄生容量により制御回路2021が構成されている。配線380は、制御回路2021の仕様に応じた配線抵抗及び寄生容量となるように配線の材料、配線の厚さ、又は配線幅などを適宜設定することが好ましい。
【0380】
配線380は、例えば酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電膜などを用いて形成することができる。
【0381】
図26に一例として挙げたように、本実施の形態の電子回路は、例えば配線の抵抗及び寄生容量を利用して制御回路を構成することができる。これにより、作製工程数を増やすことなく制御回路を形成することができる。なお、図26に示す電子回路の構成に限定されず、本実施の形態の電子回路は、例えば半導体素子を用いて制御回路を形成することもできる。
【0382】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせ又は置き換えをすることができる。
【0383】
(実施の形態9)
本実施の形態では、本発明の一態様である表示装置について説明する。
【0384】
本実施の形態の表示装置の構成について図27を用いて説明する。図27は本実施の形態の表示装置の構成の一例を示す図である。
【0385】
図27に示す表示装置は、端子電極501と、配線502と、走査線駆動回路503と、走査線531と、信号線駆動回路504と、信号線541と、画素部505と、を有する。
【0386】
端子電極501は、例えば走査信号及び映像信号などが入力される信号入力端子の一部、電源電圧が与えられる電源端子の一部、及び接地電位が与えられる接地端子などの電極などが含まれる。
【0387】
走査線駆動回路503は、配線502を介して端子電極501に電気的に接続される。走査線駆動回路503は、端子電極501から例えば制御信号などの信号が入力、又は電源電圧が与えられ、入力された信号に応じたタイミングで走査線531を介して走査信号を出力する。
【0388】
信号線駆動回路504は、配線502を介して端子電極501に電気的に接続される。信号線駆動回路504は、端子電極501から例えば制御信号及び映像信号などの信号が入力、又は電源電圧が与えられ、入力された信号に応じたタイミングで信号線541を介して映像信号を出力する。
【0389】
画素部505は、複数の画素5051を有し、それぞれの画素5051は、走査線531のいずれか及び信号線541のいずれかに電気的に接続され、走査信号及び映像信号が入力される。
【0390】
次に画素5051の回路構成の一例について図28を用いて説明する。図28は画素5051の回路構成の一例を示す図である。
【0391】
図28(A)に示す画素は、トランジスタ611と、液晶素子612と、容量素子613と、を有する。なお、図28(A)に示すトランジスタ611は、一例として電界効果トランジスタとする。
【0392】
トランジスタ611は、選択スイッチとしての機能を有する。また、トランジスタ611は、ゲートが走査線531に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が信号線541に電気的に接続される。
【0393】
液晶素子612は、第1端子及び第2端子を有し、第1端子がトランジスタ611のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、第2端子に電圧V又は電圧Vが与えられる。液晶素子612は、例えば第1端子の一部又は全部となる第1の電極と、第2端子の一部又は全部となる第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間に電圧が印加されることにより透過率が変化する液晶分子を有する層(液晶層という)により構成することができる。
【0394】
液晶層の一例、液晶層に適用可能な液晶材料の一例、又は液晶層を含む液晶素子612に適用可能な液晶モードの一例としては、ネマチック液晶、コレステリック液晶、スメクチック液晶、ディスコチック液晶、サーモトロピック液晶、リオトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC)、強誘電液晶、反強誘電液晶、主鎖型液晶、側鎖型高分子液晶、プラズマアドレス液晶(PALC)、バナナ型液晶、TN(Twisted Nematic)モード、STN(Super Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、MVA(Multi−domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)、ASV(Advanced Super View)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optical Compensated Birefringence)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード、ゲストホストモード、ブルー相(Blue Phase)モードなどがある。
【0395】
容量素子613は、第1端子がトランジスタ611のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、第2端子に液晶素子612と同様に電圧V又は電圧Vが与えられる。容量素子613は保持容量としての機能を有する。なお、容量素子613は必ずしも設ける必要はないが、容量素子613を設けることにより、トランジスタ611のリーク電流による影響を抑制することができる。
【0396】
次に図28(A)に示す画素の動作について説明する。
【0397】
まず図27に示す走査線駆動回路503により走査線531が選択されると、走査線駆動回路503から入力される走査信号によりトランジスタ611がオン状態になる。
【0398】
このとき液晶素子612の第1端子及び容量素子613の第1端子の電位が図27に示す信号線駆動回路504により入力される映像信号に応じた電位となり、液晶素子612は、第1端子と第2端子の間に印加される電圧に応じて配向が制御され、画素は、液晶素子612の透過率に応じて表示を行う。上記動作を図27に示す走査線531毎に順次行うことにより、すべての画素においてデータが書き込まれる。以上が図28(A)に示す画素の動作である。
【0399】
なお、本実施の形態の表示装置における画素の回路構成は、図28(A)に示す画素の回路構成に限定されず、例えば図28(A)に示す画素の回路構成に別のトランジスタ、抵抗素子、又は容量素子などを設ける構成にすることもできる。
【0400】
また、本実施の形態の表示装置における画素の回路構成は、図28(A)に示す画素の回路構成に限定されず、他の回路構成にすることもできる。本実施の形態の表示装置における画素の回路構成の他の一例について図28(B)を用いて説明する。図28(B)は、本実施の形態の表示装置における画素の回路構成の一例を示す回路図である。
【0401】
図28(B)に示す画素は、トランジスタ611と、容量素子613と、トランジスタ614と、発光素子615と、を有する。
【0402】
トランジスタ611は、ゲートが走査線531に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が信号線541に電気的に接続される。
【0403】
容量素子613は、第1端子及び第2端子を有し、第1端子がトランジスタ611のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、第2端子に電圧V及び電圧Vの一方が与えられる。容量素子613は保持容量としての機能を有する。なお容量素子613は必ずしも設ける必要はないが、容量素子613を設けることにより、一定期間トランジスタ614のオン状態を維持することができる。
【0404】
トランジスタ614は、ゲートがトランジスタ611のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方に電圧V及び電圧Vの一方が与えられる。
【0405】
発光素子615は、第1端子及び第2端子を有し、第1端子がトランジスタ614のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、第2端子に電圧V及び電圧Vの他方が与えられる。発光素子615は、例えば第1端子の一部又は全部となる第1の電極と、第2端子の一部又は全部となる第2の電極と、第1の電極と第2の電極の間に電圧が印加されることにより発光する電界発光層より構成することができる。発光素子615としては、例えばEL(エレクトロルミネセンスともいう)素子を用いることができ、EL素子としては、例えば有機EL素子又は無機EL素子を用いることができる。
【0406】
発光素子615における第1の電極又は第2の電極は、少なくとも一方が透光性を有する導電材料を用いて形成されたものであればよい。これにより、基板とは逆側の面から発光を取り出す上面射出や、基板側の面から発光を取り出す下面射出や、基板側及び基板とは反対側の面から発光を取り出す両面射出構造の発光素子とすることができる。透光性を有する導電材料としては、例えば酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す。)、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性導電膜を用いることもできる。
【0407】
電界発光層は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。複数の層で構成されている場合、第1の電極上に電子注入層、電子輸送層、電界発光層、ホール輸送層、ホール注入層の順に積層する。なおこれらの層を全て設ける必要はない。電界発光層としては有機化合物又は無機化合物を用いて形成することができる。
【0408】
次に図28(B)に示す画素の動作について説明する。
【0409】
まず図27に示す走査線駆動回路503により走査線531が選択されると、走査線駆動回路503から入力される走査信号によりトランジスタ611がオン状態になる。
【0410】
このときトランジスタ614のゲート及び容量素子613の第1端子の電位が図27に示す信号線駆動回路504により入力される映像信号に応じた電位となり、トランジスタ614はオン状態になり、トランジスタ614のソース及びドレインの間に電流が流れる。さらにトランジスタ614に流れる電流に応じて所定の電圧が発光素子615の第1端子及び第2端子の間に印加され、画素は表示を行う。上記動作を図27に示す走査線531毎に順次行うことにより、すべての画素においてデータが書き込まれる。以上が図28(B)に示す画素の動作である。
【0411】
また信号線541から画素に入力されるデータ信号がデジタル形式の場合、画素はトランジスタのオン状態とオフ状態の切り替えによって、発光もしくは非発光の状態となる。よって、面積階調法又は時間階調法を用いて階調の表示を行うことができる。面積階調法は、1画素を複数の副画素に分割し、各副画素を図28(B)に示す回路構成にして独立にデータ信号に基づいて駆動させることによって、階調表示を行う駆動法である。また時間階調法は、画素が発光する期間を制御することによって、階調表示を行う駆動法である。
【0412】
発光素子615は、例えば図28(A)に示す液晶素子612などに比べて応答速度が高いので、時間階調法に適している。具体的に時間階調法で表示を行なう場合、1フレーム期間を複数のサブフレーム期間に分割する。そしてビデオ信号に従い、各サブフレーム期間において画素の発光素子を発光又は非発光の状態にする。複数のサブフレーム期間に分割することによって、1フレーム期間中に画素が実際に発光する期間のトータルの長さを、ビデオ信号により制御することができ、階調を表示することができる。
【0413】
次に図27に示す表示装置における走査線駆動回路503及び信号線駆動回路504の構成の一例について図29を用いて説明する。図29は図27に示す表示装置における走査線駆動回路及び信号線駆動回路の構成の一例を示す図であり、図29(A)は走査線駆動回路の構成の一例を示すブロック図であり、図29(B)は信号線駆動回路の構成の一例を示すブロック図である。
【0414】
図29(A)に示す走査線駆動回路503は、シフトレジスタ711と、レベルシフタ712と、バッファ回路713と、を有する。
【0415】
シフトレジスタ711は、走査線531を順次選択する機能を有する。
【0416】
レベルシフタ712は、入力された信号をもとに用途によって電圧状態の異なる複数の信号を生成する機能を有する。
【0417】
バッファ回路713は、入力されたレベルシフタ712の出力信号を増幅する機能を有し、例えばオペアンプなどを有する構成にすることができる。
【0418】
図29(B)に示す信号線駆動回路504は、シフトレジスタ721と、ラッチ回路722と、レベルシフタ723と、バッファ回路724と、DA変換回路725と、を有する。
【0419】
シフトレジスタ721は、信号線541を順次選択する機能を有する。
【0420】
ラッチ回路722は、シフトレジスタ721から信号が入力され、入力された信号を一定期間保持し、保持したラッチ信号を一斉に図27における画素部505に出力する。これを線順次駆動と呼ぶ。
【0421】
レベルシフタ723は、入力された信号をもとに用途によって異なる複数の信号を生成する機能を有する。
【0422】
バッファ回路724は、入力されたレベルシフタ723からの出力信号を増幅させる機能を有し、例えばオペアンプなどを有する構成にすることができる。
【0423】
DA変換回路725は、入力された信号がデジタル信号の場合にアナログ信号に変換する機能を有する。なお、入力される信号がアナログ信号の場合には必ずしも設ける必要はない。
【0424】
上記走査線駆動回路又は信号線駆動回路などの駆動回路は、例えば半導体素子を用いて構成することができる。半導体素子としては、例えばトランジスタ、容量素子、又は抵抗素子などが挙げられる。例えばトランジスタを用いる場合には、本発明の一態様である電子回路のトランジスタと同じ構造とすることができる。
【0425】
さらに、走査線駆動回路又は信号線駆動回路におけるシフトレジスタの回路構成の一例について図30を用いて説明する。図30は、本実施の形態の表示装置の駆動回路におけるシフトレジスタの回路構成の一例について示す図である。なお、図30に示すシフトレジスタにおける順序回路は、図14(E)に示す回路構成とし、図14(E)の制御回路316を図15(E)に示す回路構成とし、制御回路は、図6(B)に示す回路構成とした場合について説明する。
【0426】
図30に示すシフトレジスタは、互いに電気的に接続されたN個(Nは自然数)の順序回路(順序回路801_1乃至801_N)からなるN段の順序回路と、いずれか一つがO段目の順序回路(Oは1乃至N−1の自然数)及びO+1段目の順序回路に電気的に接続されたN個の制御回路(制御回路802_1乃至制御回路802_N)からなるN段の制御回路と、を有する。
【0427】
N段の順序回路のそれぞれは、図30における順序回路801_1を一例として示すように、トランジスタ811と、トランジスタ812と、トランジスタ813と、トランジスタ814と、トランジスタ817と、トランジスタ8611と、トランジスタ8612と、トランジスタ8617と、を有する。
【0428】
さらにK段目の順序回路において、トランジスタ812は、ソース及びドレインの一方がクロック信号線833又は反転クロック信号線834に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方がK+1段目の順序回路におけるトランジスタ811のゲート並びにソース及びドレインの一方に電気的に接続され、ゲートがトランジスタ811のソース及びドレインの他方に電気的に接続される。
【0429】
また、K段目の順序回路において、トランジスタ813は、ソース及びドレインの一方がトランジスタ811のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が電源線832に電気的に接続される。
【0430】
また、K段目の順序回路において、トランジスタ814は、ソース及びドレインの一方がトランジスタ812のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が電源線832に電気的に接続される。
【0431】
また、K段目の順序回路において、トランジスタ817は、ゲートがトランジスタ814のゲートに電気的に接続され、ソース及びドレインの一方がトランジスタ811のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が電源線832に電気的に接続される。
【0432】
また、K段目の順序回路において、トランジスタ8611は、ゲート並びにソース及びドレインの一方が電源線831に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方がトランジスタ814のゲートに電気的に接続される。
【0433】
また、K段目の順序回路において、トランジスタ8612は、ゲートがトランジスタ811のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方がトランジスタ8611のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が電源線832に電気的に接続される。
【0434】
また、K段目の順序回路において、トランジスタ8617は、ソース及びドレインの一方がトランジスタ811のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が電源線832に電気的に接続される。
【0435】
また、K段目の順序回路は、トランジスタ811のゲート及びトランジスタ8617のゲートにスタート信号(STともいう)が入力される。
【0436】
また、N段の制御回路のそれぞれは、図30における制御回路802_1を一例として示すように、トランジスタ821と、トランジスタ822と、トランジスタ823と、トランジスタ824と、を有する。
【0437】
さらにK段目の制御回路において、トランジスタ821は、ゲート並びにソース及びドレインの一方が電源線831に電気的に接続される。また、さらにK段目の制御回路において、トランジスタ822は、ゲートがK+1段目の順序回路におけるトランジスタ812のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方がトランジスタ821のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が電源線832に電気的に接続される。また、さらにK段目の制御回路において、トランジスタ823は、ゲートがK+1段目の順序回路におけるトランジスタ812のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方が電源線831に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方がK段目の順序回路におけるトランジスタ813のゲートに電気的に接続される。また、K段目の制御回路において、トランジスタ824は、ゲートがトランジスタ821のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの一方がトランジスタ823のソース及びドレインの他方に電気的に接続され、ソース及びドレインの他方が電源線832に電気的に接続される。
【0438】
さらに図30に示すシフトレジスタの動作検証について説明する。なお、検証は、N=10とし、10段の順序回路に加え、1段のダミーの順序回路を設けた構成のシフトレジスタについて行う。ダミーの順序回路の出力信号を利用することにより10段目の順序回路のリセット信号を制御することができる。また、トランジスタはすべてN型とし、制御回路のトランジスタのサイズは、順序回路のトランジスタのサイズより小さくし、且つ所望の遅延時間となるように設定したものとする。また、図30に示すシフトレジスタの比較例として図30に示すシフトレジスタにおいて、1段乃至N段の制御回路を設けない場合についての検証を行った。なお、検証において、順序回路801_1のトランジスタ811のゲート並びにソース及びドレインの一方にスタート信号(STともいう)が入力され、クロック信号線833を介してクロック信号(CKともいう)が入力され、反転クロック信号線834を介してクロック信号線833におけるクロック信号の反転クロック信号(CKBともいう)が入力され、クロック信号の周期を24μSとし、クロック信号の周波数を41.7kHzとし、クロック信号の振幅を0V〜30Vとし、Vdd=30Vとし、Vss=0Vとし、トランジスタのそれぞれの閾値電圧を8Vとする。制御回路を設けない場合、K+1段目の順序回路におけるトランジスタ812のソース及びドレインの他方は、K段目の順序回路におけるトランジスタ813のゲートに電気的に接続された回路構成となる。検証結果について図31を用いて説明する。図31は、本実施の形態のシフトレジスタにおける動作検証の結果を示すタイミングチャートであり、図31(A)は、比較例のシフトレジスタのタイミングチャートであり、図31(B)は、図30に示すシフトレジスタのタイミングチャートである。
【0439】
まず比較例のシフトレジスタでは、図31(A)に示すように、各順序回路の出力信号(OUT801_1乃至OUT801_10)が立ち下がるまでに遅延が生じる。比較例のシフトレジスタにおける順序回路では、出力信号が立ち上がった後、クロック信号が立ち上がり、トランジスタ812及びトランジスタ814がオン状態になることにより出力信号の電圧が下がり始める。通常トランジスタ812のチャネル幅はトランジスタ814のチャネル幅より大きく作られることが多いため、トランジスタ812を用いることにより、出力信号の立ち下がり時間を短くすることができる。しかしながら、比較例のシフトレジスタでは各順序回路の出力信号が立ち下がる前に、各リセット信号(RE801_1乃至RE801_10)によりトランジスタ813がオン状態になり、トランジスタ812がオフ状態になってしまい、トランジスタ812がオフ状態になると、トランジスタ814により出力信号が立ち下がるため、トランジスタ812を用いて出力信号を立ち下げる場合と比較して、出力信号が立ち下がるまでに時間がかかる。
【0440】
一方、図30に示すシフトレジスタでは、図31(B)に示すように、2段目乃至10段目の順序回路の出力信号が制御回路を介してそれぞれ前段の順序回路にリセット信号として入力されるため、1段目乃至10段目の順序回路のリセット信号は、それぞれ次段の順序回路の出力信号と比較して遅延する。遅延したリセット信号が順序回路に入力されることにより、出力信号を立ち下げる際にトランジスタ813がオン状態になるタイミングが一定時間遅らせることができるため、トランジスタ812を用いて出力信号を立ち下げることができ、出力信号の立ち下がり時間を短くすることができる。
【0441】
図31に示すように、10段の順序回路を有する場合であっても各順序回路のリセット信号を制御することにより各順序回路の出力信号を制御することができることがわかる。
【0442】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせ又は置換を行うことができる。
【0443】
(実施の形態10)
本実施の形態では、本発明の一態様である表示装置の一形態として、液晶表示装置の構造について、図32を参照して説明する。具体的には、TFT基板と、対向基板と、対向基板とTFT基板との間に挟持された液晶層とを有する液晶表示装置の構造について説明する。また、図32(A)は、液晶表示装置の上面図である。図32(B)は、図32(A)の線C−Dにおける断面図である。なお、図32(B)は、基板1601上に、チャネル領域に微結晶半導体層を用いた逆スタガ型の薄膜トランジスタを形成した構造を有し、表示方式がMVA(Multi−domain Vertical Alignment)方式の液晶表示装置の断面図である。
【0444】
図32(A)に示す液晶表示装置は、基板1601上に、画素部1603、第1の走査線駆動回路1605a、第2の走査線駆動回路1605b、及び信号線駆動回路1607が形成されている。画素部1603、第1の走査線駆動回路1605a、第2の走査線駆動回路1605b、及び信号線駆動回路1607は、シール材1609によって、基板1601と基板1611との間に封止されている。また、TAB方式によって、FPC1613、及びICチップ1615が基板1601上に配置されている。
【0445】
図32(A)の線C−Dにおける断面構造について、図32(B)を参照して説明する。ここでは、基板1601上に形成される、画素部1603と、その周辺駆動回路部の一部である第2の走査線駆動回路1605bと、端子部1617とを示す。
【0446】
基板1601上に、第2の走査線駆動回路1605bに設けられる薄膜トランジスタ1621と、画素部1603に設けられる薄膜トランジスタ1623が形成される。また、薄膜トランジスタ1621、1623上に絶縁層1625、1627が形成される。また、絶縁層1625、絶縁層1627の開口部を介して、薄膜トランジスタ1621のソース電極又はドレイン電極に接続する配線1629が形成され、絶縁層1625、絶縁層1627の開口部を介して、薄膜トランジスタ1623のソース電極又はドレイン電極に接続する画素電極1631が形成される。また、絶縁層1627、配線1629、及び画素電極1631上に絶縁層1635が形成される。
【0447】
薄膜トランジスタ1621、1623の構造及び作製方法については、実施の形態6及び実施の形態7に示す薄膜トランジスタの構造及び作製方法を適宜適用することができる。
【0448】
絶縁層1625及び絶縁層1627は、無機絶縁層、有機樹脂層等を用いて形成することができる。無機絶縁層としては、酸化珪素層、酸化窒化珪素層、窒化酸化珪素層、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)に代表される炭素層などを用いることができる。有機樹脂層ならば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルフェノール、ベンゾシクロブテン樹脂などを用いることができる。また、シロキサンポリマーを用いることができる。
【0449】
絶縁層1625及び絶縁層1627は、CVD法、スパッタリング法、印刷法、塗布法、スリットコート法等を適宜用いて形成することができる。
【0450】
また、絶縁層1625又は絶縁層1627の少なくとも一方を、有機樹脂層を用いて形成することで、平坦性を高めることが可能であるため、液晶層1649の液晶分子の配向を制御しやすくなる。
【0451】
配線1629及び画素電極1631は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、又は酸化シリコンを添加したインジウム錫酸化物等を用いて形成することができる。
【0452】
また、配線1629及び画素電極1631は、透光性を有する導電性高分子(導電性ポリマーともいう。)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。配線1629及び画素電極1631は、シート抵抗が10000Ω/□以下であって、且つ波長550nmにおける透光率が70%以上であることが好ましい。また、導電性組成物に含まれる導電性高分子の抵抗率は、0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
【0453】
導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、又はこれらの2種以上の共重合体等が挙げられる。
【0454】
なお、画素電極1631が反射電極として機能する場合は、配線1629及び画素電極1631として、アルミニウム、銀などや、それらの合金などを用いることができる。また、配線1629及び画素電極1631をチタン、モリブデン、タンタル、クロム、タングステンと、アルミニウムとを積層させた2層構造、アルミニウムを、チタン、モリブデン、タンタル、クロム、タングステンなどの金属で挟んだ3層積層構造としてもよい。
【0455】
画素電極1631には、開口部を形成しておく。画素電極1631に形成される開口部は、液晶分子に傾斜を持たせることができるため、MVA方式での突起物と同じ役割をさせることができる。
【0456】
絶縁層1635は配向膜として機能する。
【0457】
画素部1603の周辺部、若しくは画素部1603の周辺部とその周辺駆動回路部の周辺部に、インクジェット法などにより、シール材1609が形成される。導電層1641、絶縁層1643、及び突起部1645などが形成された基板1611と、基板1601とがスペーサ1647を介して、シール材1609で貼り合わされており、その隙間に、液晶層1649が配置されている。なお、基板1611は、対向基板として機能する。
【0458】
スペーサ1647は、数μmの粒子を散布して設けてもよいし、基板全面に樹脂層を形成した後に、樹脂層をエッチング加工して設けてもよい。
【0459】
導電層1641は、対向電極として機能する。導電層1641としては、配線1629及び画素電極1631と同様なものを用いることができる。また、絶縁層1643は、配向膜として機能する。
【0460】
端子部1617においては、接続端子1659が形成されている。接続端子1659は、画素部1603及び周辺駆動回路部の配線1629と電気的に接続されている。接続端子1659は、画素部1603の画素電極1631及び周辺駆動回路部の配線1629と同様に形成される。
【0461】
ここでは、薄膜トランジスタ1621、1623として、多階調マスクを用いた工程により形成される構造を示したため、接続端子1659及び基板1601の間には、薄膜トランジスタの微結晶半導体層と同時に形成された微結晶半導体層1651と、ソース領域及びドレイン領域と同時に形成された不純物半導体層1653と、配線1655と、が形成される。
【0462】
接続端子1659上に、異方性導電体層1657を介して、FPC1613が配置されている。また、FPC1613上に、異方性導電体層1661を介して、ICチップ1615が配置されている。つまり、FPC1613、異方性導電体層1657、1661、及びICチップ1615は、電気的に接続されている。
【0463】
異方性導電体層1657、1661は、異方導電性フィルム(ACF(Anisotropic Conductive Film))や異方導電性ペースト(ACP(Anisotropic Conductive Paste))等の接着性を有する材料を用いることができる。また、異方性導電体層1657、1661は、銀ペースト、銅ペースト又はカーボンペースト等の導電性接着剤や半田接合剤等を用いることもできる。
【0464】
なお、ICチップ1615に機能回路(メモリやバッファ)を形成することで、基板面積を有効利用することができる。
【0465】
なお、図32(B)は、表示方式がMVA方式での断面図について説明したが、表示方式がPVA(Patterned Vertical Alignment)方式でもよい。PVA方式の場合は、基板1611上の導電層1641に対し、スリットを設ける構成にすることで液晶分子を傾斜配向させればよい。またスリットが設けられた導電層上に突起部1645(配向制御用突起ともいう)を設けて、液晶分子の傾斜配向をさせてもよい。また、これに限定されず、表示方式としては、図28(A)に示す液晶素子612に適用可能な液晶モードのいずれかを適用することができる。
【0466】
図32(A)、図32(B)の液晶パネルは、第1の走査線駆動回路1605a、第2の走査線駆動回路1605b、及び信号線駆動回路1607を基板1601上に形成した場合の構成について説明したが、信号線駆動回路1607に相当する駆動回路をドライバICとし、COG方式などで液晶パネルに実装した構成としてもよい。信号線駆動回路1607をドライバICとすることで、省電力化を図ることができる。また、ドライバICをシリコンウエハ等の半導体チップとすることで、液晶表示装置はより高速動作が可能になり、且つ低消費電力化を図ることができる。
【0467】
以上のように、本実施の形態の表示装置では、薄膜トランジスタのチャネル領域として、微結晶半導体を用いることにより、表示装置の大型化、コストの低減、又は歩留まりの向上などを図ることができる。また微結晶半導体を半導体層として用いることで、薄膜トランジスタの特性劣化を抑制することができるので、表示装置の寿命を長くすることができる。
【0468】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせ又は置き換えなどを行うことができる。
【0469】
(実施の形態11)
本実施の形態においては、本発明の一態様である表示装置を表示部に有する電子機器について説明する。
【0470】
図33(A)乃至図33(H)、図34(A)乃至図34(D)は、電子機器の一例を示す図である。これらの電子機器は、筐体5000、表示部5001、スピーカ5003、LEDランプ5004、操作キー5005(電源スイッチ、又は表示装置の動作を制御する操作スイッチを含む)、接続端子5006、センサ5007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン5008、等を有することができる。
【0471】
図33(A)はモバイルコンピュータであり、上述したものの他に、スイッチ5009、赤外線ポート5010、等を有することができる。図33(B)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(たとえば、DVD再生装置)であり、上述したものの他に、第2表示部5002、記録媒体読込部5011、等を有することができる。図33(C)はゴーグル型ディスプレイであり、上述したものの他に、第2表示部5002、支持部5012、イヤホン5013、等を有することができる。図33(D)は携帯型遊技機であり、上述したものの他に、記録媒体読込部5011、等を有することができる。図33(E)はプロジェクタであり、上述したものの他に、光源5033、投射レンズ5034、等を有することができる。図33(F)は携帯型遊技機であり、上述したものの他に、第2表示部5002、記録媒体読込部5011、等を有することができる。図33(G)はテレビ受像器であり、上述したものの他に、チューナ、画像処理部、等を有することができる。図33(H)は持ち運び型テレビ受像器であり、上述したものの他に、信号の送受信が可能な充電器5017、等を有することができる。図34(A)はディスプレイであり、上述したものの他に、支持台5018、等を有することができる。図34(B)はカメラであり、上述したものの他に、外部接続ポート5019、シャッターボタン5015、受像部5016、等を有することができる。図34(C)はコンピュータであり、上述したものの他に、ポインティングデバイス5020、外部接続ポート5019、リーダ/ライタ5021、等を有することができる。図34(D)は携帯電話機であり、上述したものの他に、携帯電話・移動端末向けの1セグメント部分受信サービス用チューナ、等を有することができる。また、アンテナは筐体5000内部に内蔵されている。
【0472】
図33(A)乃至図33(H)、図34(A)乃至図34(D)に示す電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信又は受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。さらに、複数の表示部を有する電子機器においては、一つの表示部を主として画像情報を表示し、別の一つの表示部を主として文字情報を表示する機能、又は、複数の表示部に視差を考慮した画像を表示することで立体的な画像を表示する機能、等を有することができる。さらに、受像部を有する電子機器においては、静止画を撮影する機能、動画を撮影する機能、撮影した画像を自動又は手動で補正する機能、撮影した画像を記録媒体(外部又はカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図33(A)乃至図33(H)、図34(A)乃至図34(D)に示す電子機器が有することのできる機能はこれらに限定されず、様々な機能を有することができる。
【0473】
本実施の形態において述べた電子機器は、何らかの情報を表示するための表示部を有することを特徴とする。表示部に本発明の一態様である表示装置を適用することによって、信頼性の向上、歩留まりの向上、コストの削減、表示部の大型化、表示部の高精細化などを図ることができる。
【0474】
図34(E)に、本発明の一態様である表示装置を、建造物と一体にして設けた例について示す。図34(E)は、筐体5022、表示部5023、操作部であるリモコン装置5024、スピーカ5025等を含む。表示装置は、壁かけ型として建物と一体となっており、設置するスペースを広く必要とすることなく設置可能である。
【0475】
図34(F)に、建造物内に本発明の一態様である表示装置を、建造物と一体にして設けた別の例について示す。表示装置である表示パネル5026は、ユニットバス5027と一体に取り付けられており、入浴者は表示パネル5026の視聴が可能になる。
【0476】
なお、本実施の形態において、建造物として壁、ユニットバスを例としたが、本実施の形態はこれに限定されず、様々な建造物に本発明の一態様である表示装置を設置することができる。
【0477】
次に、本発明の一態様である表示装置を、移動体と一体にして設けた例について示す。
【0478】
図34(G)は、本発明の一態様である表示装置を自動車に設けた例について示した図である。表示パネル5028は、自動車の車体5029に取り付けられており、車体の動作又は車体内外から入力される情報をオンデマンドに表示することができる。なお、ナビゲーション機能を有していてもよい。
【0479】
図34(H)は、本発明の一態様である表示装置を旅客用飛行機と一体にして設けた例について示した図である。図34(H)は、旅客用飛行機の座席上部の天井5030に表示パネル5031を設けたときの、使用時の形状について示した図である。表示パネル5031は、天井5030とヒンジ部5032を介して一体に取り付けられており、ヒンジ部5032の伸縮により乗客は表示パネル5031の視聴が可能になる。表示パネル5031は乗客が操作することで情報を表示する機能を有する。
【0480】
なお、本実施の形態において、移動体としては自動車車体、飛行機機体について例示したがこれに限定されず、自動二輪車、自動四輪車(自動車、バス等を含む)、電車(モノレール、鉄道等を含む)、船舶等、様々なものに設置することができる。
【0481】
図35は、携帯型情報端末の一例であり、図35(A)が携帯型情報端末の正面図、図35(B)が携帯型情報端末の背面図、図35(C)が携帯型情報端末の展開図である。図35を一例とした携帯型情報端末は、複数の機能を備えることができる。例えば電話機能に加えて、コンピュータを内蔵し、様々なデータ処理機能を備えることもできる。電話機能を有する携帯型情報端末を携帯電話ともいう。
【0482】
図35に示す携帯型情報端末は、筐体980及び筐体981の二つの筐体で構成されている。筐体980には、表示部982、スピーカ983、マイクロフォン984、操作キー985、ポインティングデバイス986、カメラ用レンズ987、外部接続端子988、イヤホン端子989などを備え、筐体981には、キーボード990、外部メモリスロット991、カメラ用レンズ992、ライト993などを備えている。また、アンテナは筐体981内部に内蔵されている。
【0483】
また、上記構成に加えて、非接触ICチップ、小型記録装置などを内蔵していてもよい。
【0484】
本発明の一態様である表示装置は、表示部982に用いることができ、使用形態に応じて表示の方向が適宜変化する。また、表示部982と同一面上にカメラ用レンズ987を備えているため、テレビ電話が可能である。また、表示部982をファインダーとしカメラ用レンズ992及びライト993で静止画及び動画の撮影が可能である。スピーカ983及びマイクロフォン984は音声通話に限らず、テレビ電話、録音、再生などが可能である。操作キー985では、電話の発着信、電子メールなどの簡単な情報入力、画面のスクロール、カーソル移動などが可能である。さらに、重なり合った筐体980と筐体981(図35(A))はスライドし、図35(C)のように展開し、携帯情報端末として使用できる。この場合、キーボード990、ポインティングデバイス986を用いて円滑な操作が可能である。外部接続端子988はACアダプタ及びUSBケーブルなどの各種ケーブルと接続可能であり、充電及びパーソナルコンピュータなどとのデータ通信が可能である。また、外部メモリスロット991に記録媒体を挿入し、より大量のデータ保存及び移動に対応できる。
【0485】
また、上記機能に加えて、赤外線通信機能、テレビ受信機能などを備えたものであってもよい。
【0486】
以上、本実施の形態では、上記実施の形態で説明した表示装置を具備する電子機器の一例について説明した。微結晶半導体を用いる場合、表示装置の大型化、コストの低減、又は歩留まりの向上などを図ることができる。また微結晶半導体を薄膜トランジスタのチャネル領域として用いることで、薄膜トランジスタの特性劣化を抑制することができるので、表示装置の寿命を長くすることができる。
【0487】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせ、又は置き換えをすることができる。
【符号の説明】
【0488】
101 順序回路
102 制御回路
111 期間
112 期間
113 期間
202 制御回路
211 期間
212 期間
213 期間
221 期間
222 期間
223 期間
231 期間
232 期間
233 期間
241 インバータ
242 NORゲート
290 点線
311 トランジスタ
312 トランジスタ
313 トランジスタ
314 トランジスタ
315 トランジスタ
316 制御回路
317 トランジスタ
351 期間
352 期間
353 期間
380 配線
381 開口部
382 開口部
501 端子電極
502 配線
503 走査線駆動回路
504 信号線駆動回路
505 画素部
531 走査線
541 信号線
611 トランジスタ
612 液晶素子
613 容量素子
614 トランジスタ
615 発光素子
711 シフトレジスタ
712 レベルシフタ
713 バッファ回路
721 シフトレジスタ
722 ラッチ回路
723 レベルシフタ
724 バッファ回路
725 DA変換回路
801 順序回路
802 制御回路(制御回路
811 トランジスタ
812 トランジスタ
813 トランジスタ
814 トランジスタ
817 トランジスタ
821 トランジスタ
822 トランジスタ
823 トランジスタ
824 トランジスタ
831 電源線
832 電源線
833 クロック信号線
834 反転クロック信号線
980 筐体
981 筐体
982 表示部
983 スピーカ
984 マイクロフォン
985 操作キー
986 ポインティングデバイス
987 カメラ用レンズ
988 外部接続端子
989 イヤホン端子
990 キーボード
991 外部メモリスロット
992 カメラ用レンズ
993 ライト
1101 基板
1103 ゲート電極
1105 ゲート絶縁層
1106 半導体層
1107 半導体層
1107a 微結晶半導体層
1107b 混合層
1107c 非晶質半導体を含む層
1108a 微結晶半導体領域
1108b 非晶質半導体領域
1109 不純物半導体層
1111 導電層
1113 レジストマスク
1115 半導体層
1115a 微結晶半導体層
1115b 混合層
1115c 非晶質半導体を含む層
1117 不純物半導体層
1119 導電層
1123 レジストマスク
1125 配線
1127 不純物半導体層
1129a 非晶質半導体を含む層
1129c 非晶質半導体を含む層
1131 微結晶半導体層
1131a 微結晶半導体層
1131b 微結晶半導体層
1132 非晶質半導体を含む層
1133 配線
1135a 絶縁層
1135c 絶縁層
1135e 絶縁層
1140 プラズマ処理
1180 グレートーンマスク
1181 基板
1182 遮光部
1183 回折格子部
1185 ハーフトーンマスク
1186 基板
1187 半透光部
1188 遮光部
1601 基板
1603 画素部
1605a 走査線駆動回路
1605b 走査線駆動回路
1607 信号線駆動回路
1609 シール材
1611 基板
1613 FPC
1615 ICチップ
1617 端子部
1621 薄膜トランジスタ
1623 薄膜トランジスタ
1625 絶縁層
1627 絶縁層
1629 配線
1631 画素電極
1635 絶縁層
1641 導電層
1643 絶縁層
1645 突起部
1647 スペーサ
1649 液晶層
1651 微結晶半導体層
1653 不純物半導体層
1655 配線
1657 異方性導電体層
1659 接続端子
1661 異方性導電体層
2011 順序回路
2012 順序回路
2021 制御回路
2022A 制御回路
2022B 制御回路
2023 制御回路
2211 抵抗素子
2212 容量素子
2213 容量素子
2214 抵抗素子
2215 容量素子
2221 抵抗素子
2222 容量素子
2223 容量素子
2224 抵抗素子
2225 容量素子
2231 バッファ回路
2241 インバータ
2242 インバータ
2243 トランジスタ
2244 トランジスタ
2245 トランジスタ
2246 トランジスタ
2251 インバータ
2253 トランジスタ
2254 トランジスタ
2255 トランジスタ
2256 トランジスタ
2311 トランジスタ
2312 トランジスタ
2313 トランジスタ
2314 トランジスタ
2322 トランジスタ
2331 トランジスタ
2332 トランジスタ
2333 トランジスタ
2334 トランジスタ
2335 トランジスタ
2336 トランジスタ
2337 トランジスタ
2338 トランジスタ
2411 トランジスタ
2412 トランジスタ
2413 トランジスタ
2414 トランジスタ
2421 トランジスタ
2422 トランジスタ
2423 トランジスタ
2424 トランジスタ
2425 トランジスタ
2426 トランジスタ
2431 インバータ
2432 ANDゲート
2441 トランジスタ
2442 トランジスタ
2443 トランジスタ
2444 トランジスタ
2451 容量素子
2452 トランジスタ
3611 トランジスタ
3612 トランジスタ
3613 トランジスタ
3614 トランジスタ
3615 トランジスタ
3616 トランジスタ
3617 トランジスタ
3621 容量素子
3622 トランジスタ
5000 筐体
5001 表示部
5002 表示部
5003 スピーカ
5004 LEDランプ
5005 操作キー
5006 接続端子
5007 センサ
5008 マイクロフォン
5009 スイッチ
5010 赤外線ポート
5011 記録媒体読込部
5012 支持部
5013 イヤホン
5015 シャッターボタン
5016 受像部
5017 充電器
5018 支持台
5019 外部接続ポート
5020 ポインティングデバイス
5021 リーダ/ライタ
5022 筐体
5023 表示部
5024 リモコン装置
5025 スピーカ
5026 表示パネル
5027 ユニットバス
5028 表示パネル
5029 車体
5030 天井
5031 表示パネル
5032 ヒンジ部
5033 光源
5034 投射レンズ
5051 画素
8611 トランジスタ
8612 トランジスタ
8617 トランジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタート信号として第1の信号、クロック信号として第2の信号、及びリセット信号として第3の信号が入力され、入力された前記第1の信号、前記第2の信号、及び前記第3の信号の状態に応じて状態が設定された第4の信号を出力信号として出力する順序回路と、
前記順序回路に入力される前記第3の信号の状態を制御する制御回路と、を有する電子回路。
【請求項2】
スタート信号として第1の信号、クロック信号として第2の信号、及びリセット信号として第3の信号が入力され、入力された前記第1の信号、前記第2の信号、及び前記第3の信号の電圧状態に応じて電圧状態が設定された第4の信号を出力信号として出力する順序回路と、
前記第4の信号が入力され、入力された前記第4の信号の電圧状態に応じて電圧状態が設定された信号を前記第3の信号として前記順序回路に出力する制御回路と、を有する電子回路。
【請求項3】
請求項2において、
前記制御回路が論理回路である電子回路。
【請求項4】
スタート信号として第1の信号、クロック信号として第2の信号、及びリセット信号として第3の信号が入力され、入力された前記第1の信号、前記第2の信号、及び前記第3の信号の電圧状態に応じて電圧状態が設定された第4の信号を出力信号として出力する第1の順序回路と、
スタート信号として前記第4の信号、クロック信号として第5の信号、及びリセット信号として第6の信号が入力され、入力された前記第4の信号、前記第5の信号、及び前記第6の信号の電圧状態に応じて電圧状態が設定された第7の信号を出力信号として出力する第2の順序回路と、
前記第7の信号が入力され、入力された前記第7の信号の電圧状態に応じて電圧状態が設定された信号を前記第3の信号として前記第1の順序回路に出力する制御回路と、を有する電子回路。
【請求項5】
請求項4において、
前記制御回路が遅延回路である電子回路。
【請求項6】
請求項4において、
前記制御回路が論理回路である電子回路。
【請求項7】
スタート信号として第1の信号、クロック信号として第2の信号、リセット信号として第3の信号が入力され、入力された前記第1の信号、前記第2の信号、及び前記第3の信号の電圧状態に応じて電圧状態が設定された第4の信号を出力信号として出力する第1の順序回路と、
スタート信号として前記第4の信号、クロック信号として第5の信号、及びリセット信号として第6の信号が入力され、入力された前記第4の信号、前記第5の信号、及び前記第6の信号の電圧状態に応じて電圧状態が設定された第7の信号を出力信号として出力する第2の順序回路と、
前記第4の信号及び前記第7の信号が入力され、入力された前記第4の信号及び前記第7の信号の電圧状態に応じて電圧状態が設定された信号を前記第3の信号として前記第1の順序回路に出力する制御回路と、を有する電子回路。
【請求項8】
請求項7において、
前記制御回路が論理回路である電子回路。
【請求項9】
請求項2乃至請求項8の一項において、
前記電子回路が有する順序回路は、
第1のゲート、第1のソース、及び第1のドレインを有し、前記第1のゲートに前記スタート信号が入力される第1のトランジスタと、
第2のゲート、第2のソース、及び第2のドレインを有し、前記第2のゲートが前記第1のトランジスタの前記第1のソース又は前記第1のドレインに電気的に接続され、前記第2のソース及び前記第2のドレインの一方に前記クロック信号が入力され、前記第2のソース及び前記第2のドレインの他方の電圧が前記出力信号として出力される第2のトランジスタと、
第3のゲート、第3のソース、及び第3のドレインを有し、前記第3のゲートに前記リセット信号が入力され、前記第3のソース及び前記第3のドレインの一方が前記第2のトランジスタの前記第2のゲートに電気的に接続され、前記第3のソース及び前記第3のドレインの他方に第1の電圧または第2の電圧が与えられる第3のトランジスタと、を有する電子回路。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれかに一項に記載の電子回路を有する駆動回路と、
前記駆動回路により表示動作が制御される画素を有する画素部と、を有する表示装置。
【請求項11】
請求項10に記載の表示装置を有する表示部と、
前記表示部の表示動作を制御する制御スイッチと、を有する電子機器。
【請求項12】
スタート信号として第1の信号、クロック信号として第2の信号、及びリセット信号として第3の信号が入力され、前記第1の信号、前記第2の信号、及び前記第3の信号の電圧状態に応じて設定された電圧状態の第4の信号を出力信号として出力する順序回路を有する電子回路において、
前記第4の信号が第1の電圧状態から第2の電圧状態になると同時、又は前記第4の信号が第1の電圧状態から第2の電圧状態になった後に、前記順序回路に入力される前記第3の信号を前記第1の電圧状態に設定する電子回路の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2011−4393(P2011−4393A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−113962(P2010−113962)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】