説明

電子札システム及び電子札

【課題】物品(備品や商品等)を低コストで容易に管理できるようにする。
【解決手段】電子札制御装置2が、電子札1の識別子を含む識別情報を生成し、該生成した識別情報を所定の伝播領域内に送信し、電子札1が、電子札制御装置2によって送信された識別情報を受信する。これを前提にして、電子札1は、該受信した識別情報に含まれる識別子と自身の識別子とが一致するか否かを判断し、該判断結果が一致する場合には、電子札制御装置2から識別情報が送信される所定の伝播領域内から伝播領域外に当該電子札1が移動ことを、ブザーによる放音やLEDによる発光によって報知する。これにより、当該電子札1を備品3に取り付けたときに、その備品3が所定の伝播領域内から伝播領域外に移動したことを報知できるようになる。この結果、備品3を低コストで容易に管理できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子札システム及び電子札に関するものである。詳しくは、電子札の識別子を含む識別情報を用いて物品の管理を行うものである
【背景技術】
【0002】
従来、店舗に陳列される商品、又は、倉庫に保管される製品等の物品を管理するには、管理者が店舗や倉庫に出向き、商品や製品等を数えた後に、電卓等で、仕入れ個数、販売個数及び売上げ等を計算していた。
【0003】
特許文献1には、上述の管理を容易にするための、識別子を有する電子札(識別タグ)を用いた商品管理システムが開示されている。この商品管理システムでは、商品管理装置と無線通信可能な応答型の識別タグを各商品に貼着しておく。これらの識別タグは、それぞれに異なった信号を商品管理装置に発信するようになっている。
【0004】
例えば、店舗の売り物である商品A及び商品Bに識別タグを貼着しておくことを前提として、商品管理装置が、商品A及び商品Bに貼着された識別タグにそれぞれ異なったデータを送信する。すると、商品A及び商品Bに貼着された識別タグが、商品管理装置から送信されたデータをそれぞれ受信して、商品管理装置に応答信号を発信する。この応答信号には、商品名、価格及びその商品が陳列される棚の番号等の商品情報が含まれている。
【0005】
識別タグが貼着された多数の商品を整理する場合には、管理者は、整理する商品の商品情報を収集するために、商品管理装置の表示部に表示された商品群から当該商品を選択する。すると、該選択した商品に対して所定のコマンドが商品管理装置から識別タグへ送信される。商品に貼着された識別タグは、商品管理装置から送信されたコマンドを受信し、該受信したコマンドが自身の識別タグに該当するものであるか判断する。そして、識別タグは、コマンドが自身の識別タグに該当すると判断した場合に、応答信号を商品管理装置に発信する。商品管理装置は、識別タグから発信された応答信号を処理することにより、多数の商品の仕入れ個数、販売個数及び売上げ等を瞬時に計算できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000−118633号公報
【特許文献2】特開2008−46904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述の商品管理システムでは、社内の特定の部屋に位置している備品、例えばノートPCを他の部屋に移動した場合、その移動を検知する機能は備えていない。また、このシステムは、社員がノートPCを自宅に持ち帰ったとしても、それを警告することができない。
【0008】
例えば、ノートPCの不正な持ち出しを防止するために、当該ノートPCを物理的に固定し、この固定を不正に解除すると警告音が鳴る器具は存在するが、ノートPCを社内で移動する際に、この固定を解除又は再固定する等の煩雑な作業が必要なために、この固定器具の使用は、不便であり、ノートPCの本来の使用目的にそぐわない。
【0009】
また、上述の商品管理システムを用いて倉庫にある商品を管理する場合、予め決定した倉庫の棚の位置番号に商品があれば、円滑に管理できる。しかしながら、管理者が他の棚に間違えて商品を置いてしまったら、その商品を後々追跡する方法はなく、1つの商品を探すのに倉庫全体を点検する必要が生じる。
【0010】
更に、上述の商品管理システムに使用される識別タグは、商品管理装置であるハンディターミナルを近接しないと当該識別タグに記憶された情報を走査することができない。識別タグとハンディターミナルとの無線通信に使用される電磁波の強度を強くすれば、識別タグとハンディターミナルと距離が大きく離れていても当該走査をすることができるが、人体に影響を及ぼす可能性があり好ましくない。つまり、商品管理には、遠方走査が可能で、人体に影響のない強度の電磁波を用いることが望ましい。
【0011】
また、近年、店舗での万引きや盗難が多発している。万引きや盗難を防止するために店舗内に電磁波を利用した物体検知装置(例えば、特許文献2)を設置すると、コストがかかってしまう。また、店舗が広いと、当該店舗の出入り口に物体検知装置を設置することは、建物の構造上若しくはコスト的に難しく、抜け道ができてしまう。更に、店舗内に警備員等を配置しても万引きや盗難を完全に防止することはできない。
【0012】
特許文献1に記載の商品管理システムでは、商品の仕入れ個数、販売個数及び売上げ等を計算できるが、上述の問題を解決できない。
【0013】
そこで、本発明は、このような課題を解決したものであって、物品を低コストで容易に管理でき、低コストで商品の万引きや盗難を防止できる電子札システム及び電子札を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述の課題を解決するために、本発明に係る電子札システムは、識別子を有する複数の電子札と、電子札の識別子を含む識別情報を生成し、該生成した識別情報を所定の伝播領域内に送信する電子札制御装置とで構成され、電子札の各々は、電子札制御装置で送信された識別情報を受信する受信部と、受信部で受信された識別情報に含まれる識別子と自身の識別子とが一致するか否かを判断する判断部と、判断部による判断結果に基づいて、当該電子札が伝播領域内から伝播領域外に移動したことを報知する報知部とを備えることを特徴とするものである。
【0015】
本発明に係る電子札システムでは、複数の電子札が識別子を有する。電子札制御装置が電子札の識別子を含む識別情報を生成し、該生成した識別情報を所定の伝播領域内に送信する。これを前提として、電子札の各々は、電子札制御装置で送信された識別情報を受信し、該受信した識別情報に含まれる識別子と自身の識別子とが一致するか否かを判断し、該判断結果に基づいて、識別情報を送信される伝播領域内から伝播領域外に当該電子札が移動したことを、例えば、電子札に放音部や発光部が当該電子札に設けられるときに、この放音部による放音や発光部による発光によって報知する。
【0016】
これにより、例えば、当該電子札を物品に取り付けたときに、識別情報を送信される伝播領域内から伝播領域外に当該物品が移動したことを放音や発光で報知できるようになる。
【0017】
また、本発明に係る電子札システムは、識別子を有する複数の電子札と、電子札の識別子を含む識別情報を生成し、該生成した識別情報を所定の伝播領域内に送信する電子札制御装置とで構成され、電子札の各々は、電子札制御装置で送信された識別情報を受信する受信部と、受信部で受信された識別情報に含まれる識別子と自身の識別子とが一致するか否かを判断する判断部と、判断部による判断結果に基づいて、当該電子札の位置を報知する報知部とを備えることを特徴とするものである。
【0018】
本発明に係る電子札システムでは、複数の電子札が識別子を有する。電子札制御装置が電子札の識別子を含む識別情報を生成し、該生成した識別情報を所定の伝播領域内に送信する。これを前提として、電子札の各々は、電子札制御装置で送信された識別情報を受信し、該受信した識別情報に含まれる識別子と自身の識別子とが一致するか否かを判断し、該判断結果に基づいて、当該電子札の位置を、例えば、電子札に放音部や発光部が設けられるときに、この放音部による放音や発光部による発光によって報知する。
【0019】
本発明に係る電子札は、識別子を記憶する記憶部と、識別子を含む識別情報を受信する受信部と、受信部で受信された識別情報に含まれる識別子と記憶部に記憶された識別子とが一致するか否かを判断する判断部と、判断部による判断結果に基づいて、当該電子札が所定の範囲内から範囲外に移動したことを報知する報知部とを備えることを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明に係る電子札は、識別子を記憶する記憶部と、識別子を含む識別情報を受信する受信部と、受信部で受信された識別情報に含まれる識別子と記憶部に記憶された識別子とが一致するか否かを判断する判断部と、判断部による判断結果に基づいて、当該電子札の位置を報知する報知部とを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る電子札システム及び電子札によれば、電子札を取り付けた物品が所定の伝播領域内から伝播領域外に移動したことを報知できるので、その物品を低コストで容易に管理でき、万引きや盗難を防止できる。
【0022】
また、当該電子札を物品に取り付けたときに、当該物品の所在がわからなくなっても、電子札制御装置からの識別情報により電子札が報知するので、当該物品を容易に見つけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1の実施の形態に係る電子札システム100の構成例を示す概略図である。
【図2】(A),(B),(C)は、電子札1の貼着例を示す斜視図である。
【図3】電子札システム100の使用例を示す説明図である。
【図4】電子札1の外観例を示す斜視図である。
【図5】電子札1の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図6】電子札システム100の動作例を示すフローチャートである。
【図7】(A),(B)は、表示装置5aの表示例を示す説明図である。
【図8】第2の実施の形態に係る電子札システム100Aの構成例を示す概略図である。
【図9】電子札6の外観例を示す斜視図である。
【図10】電子札6の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図11】電子札システム100Aの動作例を示すフローチャートである。
【図12】電子札システム100Aの使用例(その1)を示す説明図である。
【図13】電子札システム100Aの使用例(その2)を示す説明図である。
【図14】第3の実施の形態に係る電子札システム100Bの構成例を示す概略図である。
【図15】電子札7の外観例を示す斜視図である。
【図16】電子札7の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図17】電子札システム100Bの使用例(その1)を示す説明図である。
【図18】電子札7の表示例(その1)を示す説明図である。
【図19】電子札7の表示例(その2)を示す説明図である。
【図20】電子札7の表示例(その3)を示す説明図である。
【図21】電子札7の表示例(その4)を示す説明図である。
【図22】電子札7の表示例(その5)を示す説明図である。
【図23】電子札7の表示例(その6)を示す説明図である。
【図24】電子札システム100Bの使用例(その2)を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら本発明に係る電子札システム及び電子札について説明する。
<第1の実施の形態>
[電子札システム100の構成例]
まず、第1の実施の形態に係る電子札システム100の構成例について説明する。図1に示すように、電子札システム100は、電子札1及び電子札制御装置2で構成される。
【0025】
電子札1の裏面には強力な接着剤が塗布されており、電子札1は備品3に直接貼着して使用される。図1では、備品3a,3b,3c,3d,3e,3f,3gに電子札1a,1b,1c,1d,1e,1f,1gがそれぞれ貼着されている。電子札1a〜1gは、それぞれ固有の識別子を有する。
【0026】
例えば、図2(A)に示すように、備品3aの一例であるノートパソコンの所定箇所に電子札1aが貼着される。また、図2(B)に示すように、備品3bの一例である携帯情報端末装置の所定箇所に電子札1bが貼着される。更に、図2(C)に示すように、備品3cの一例である箱の所定箇所に電子札1cが貼着される。
【0027】
図1に戻って、電子札制御装置2は、識別情報生成部201及び基地局211,212,・・・,Nを備える。識別情報生成部201にはPCコントローラ4及び基地局211,212,・・・,Nが接続される。PCコントローラ4にはパーソナルコンピュータ(以下、PC5という)が接続される。
【0028】
PCコントローラ4は、複数のPC5に接続されて、PC5から出力されるコマンド等を識別情報生成部201に入力するものである。PCコントローラ4は、集線装置(HUB)の機能も有している。
【0029】
識別情報生成部201は、PC5から出力されたコマンドをPCコントローラ4を介して受信し、該受信したコマンドに基づいて所定の情報を生成する。所定の情報には電子札1に表示させる画像情報や電子札1の識別情報が含まれる。識別情報生成部201は、生成した情報を基地局211,212,・・・,Nに出力する。
【0030】
因みに、識別情報には、電子札1a〜1gがグループ化されたとき(例えば、図1では、電子札1a,1b,1cが破線で示すグループAに設定され、電子札1d,1eが破線で示すグループBに設定され、電子札1f,1gが破線で示すグループNに設定されている。)の該グループの識別子であるグループID、電子札1a〜1gの固有の識別子であるアドレスID、備品の名称、管理番号、管理者及び保管場所等が含まれている。この識別情報は、PC5によって閲覧、更新、変更等がされる。
【0031】
基地局211,212,・・・,Nは、識別情報生成部201から出力された情報を変調して電波として所定の伝播領域内に送信する。例えば、図1では、基地局211は、識別情報生成部201から出力されたグループAのグループIDを含む識別情報を変調して電波としてグループAの伝播領域内に送信する。基地局212は、識別情報生成部201から出力されたグループBのグループIDを含む識別情報を変調して電波としてグループBの伝播領域内に送信する。基地局Nは、識別情報生成部201から出力されたグループNのグループIDを含む識別情報を変調して電波としてグループNの伝播領域内に送信する。
【0032】
電子札1a〜1gにはグループA,B,・・・,Nに対応したグループIDが予め記憶されている。例えば、電子札1a,1b,1cにはグループAに対応したグループIDが記憶され、電子札1d,1eにはグループBに対応したグループIDが記憶され、電子札1f,1gにはグループNに対応したグループIDが記憶されている。グループIDは、グループA,B,・・・,N毎の異なった識別子である。
【0033】
電子札1a〜1gは、基地局211,212,・・・,Nによって送信されたグループA,B,・・・,NのグループIDを含む識別情報を受信し、該受信した識別情報に含まれるグループA,B,・・・,NのグループIDと自身に記憶されたグループIDとが一致するか否かを判断する。そして、電子札1は、識別情報に含まれるグループIDと自身のグループIDとが一致しないと判断した場合に、所定の伝播領域内から伝播領域外に当該電子札1が移動したことを報知する。
【0034】
例えば、グループAに対応したグループIDが記憶された電子札1aに着目する。図3に示すように、グループA(例えば、会社内の事務所)に対応するグループIDを有する電子札1aが備品3a(例えば、ノートPC)に貼着されることを前提として、備品3aがグループA内にあるときには、電子札1aは、基地局211から送信されるグループAに対応するグループIDが含まれる識別情報を受信できる。電子札1aが受信した識別情報のグループIDと電子札1aが有するグループIDとは一致する。
【0035】
備品3aがグループA内からグループA外のグループ(例えば、会社内の会議室)内に持ち出されると、電子札1aは、基地局211から送信される識別情報が受信できず、基地局212から送信されるグループBに対応するグループIDが含まれる識別情報を受信する。電子札1aが受信した識別情報のグループIDと電子札1aが有するグループIDとは一致しないので、電子札1は、ユーザに備品3aが当該備品3aの使用可能領域内(伝播領域範囲内)から移動されたことを報知する。
【0036】
この報知は、例えば、図4で後述するブザー14による放音やLED15による発光によるものである。因みに、図1及び図3に示すグループA及びグループBの重なった領域に備品3aが移動しても、電子札1aは、基地局211から送信される識別情報が受信可能であるので、ブザー14による放音やLED15による発光はされない。
【0037】
これにより、基地局211,212,・・・,Nが送信する識別情報の伝播領域内から伝播領域外に電子札1が移動したときに、ブザー14が放音し、LED15が発光するので、当該電子札1を備品3に取り付けたときに、その備品3が伝播領域内から伝播領域外に移動したことを報知できるようになる。この結果、備品3を容易に管理できる。
【0038】
[電子札1の構成例]
次に、電子札1の構成例について説明する。図4に示すように、電子札1は、本体部11、受信部及び送信部の一例である内蔵アンテナ12、表示部の一例である液晶ディスプレイ(以下、LCD13という)、放音部の一例であるブザー14、発光部の一例である発光ダイオード(以下、LED15という)で構成される。また、電子札1は、図示しない電池等で構成される電源部を備え、当該電源部から上述の各部に電力が供給されて各部が動作する。
【0039】
本体部11は、縦が約2cm、横が約10cm、厚みが1〜2cmの小さな筐体である。本体部11は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリ塩化ビニル等の合成樹脂で構成され、ブロー成形や射出成形等で形成される。
【0040】
本体部11には内蔵アンテナ12、LCD13、ブザー14及びLED15が設けられる。また、本体部11の表面にはバーコード16が印字される。バーコード16は、備品3の管理番号等をコード化したものである。
【0041】
内蔵アンテナ12は、電子札制御装置2から送信された画像情報や識別情報を受信し、また、図5で後述する確認信号生成部25で生成された確認信号を電子札制御装置2に送信する。内蔵アンテナ12は、本体部11に内蔵され、例えば、GHz帯の高周波の電波が送受信可能で、フェライト等で構成される。
【0042】
LCD13は、文字やコード記号等を表示する。例えば、LCD13は、内蔵アンテナ12で受信された画像情報や識別情報に基づいて、電子札1に貼着された備品3の名称や管理番号、管理者及び保管場所等を表示する。
【0043】
なお、LCD13の代わりに、有機EL、無機EL及び電子ペーパー等のフラットパネルディスプレイを使用しても構わない。
【0044】
ブザー14は、電子札1が識別情報を受信できない場合や、基地局211,212,・・・,Nから伝播領域内に送信される識別情報に含まれるグループIDと当該電子札1のグループIDとが一致しない場合に放音するものである。つまり、ブザー14は、電子札1を取り付けた備品3が基地局211,212,・・・,Nの伝播領域内から伝播領域外に移動したことを報知するものである。
【0045】
ブザー14は、時間的に連続に放音するものであっても良いし、断続的に放音するものであっても良い。また、ブザー14は、例えば数秒毎に段階的に音量が増加するようなものであっても良い。これにより、ブザー14の放音に気付きにくいユーザであっても、ブザー14の音量が段々と増加するので、放音に気付かせることができる。
【0046】
また、ブザー14は、多様な音色を放音するものであっても良い。これにより、電子札1が受信する情報の違いによってブザー14が放音する音色を変えることができる。この結果、電子札1に受信された情報をユーザが聴覚的に判別できるようになる。
【0047】
ブザー14には、例えば、圧電ブザーやメカニカルブザー等が使用される。圧電ブザーは、セラミックスで構成された圧電振動板を金属板に貼り付けて作製される。圧電ブザーは、交流電圧が印加されると、圧電振動板が伸縮する。この伸縮を繰り返すことで圧電ブザーの連続音が発生する。
【0048】
メカニカルブザーは、電磁コイル及び鉄板状のスイッチを備える。鉄板状のスイッチは、第1の位置及び第2の位置に切り換えられ、第1の位置で電磁コイルに電流を流し、第2の位置で電磁コイルに電流を流さないスイッチである。電磁コイルに電流を流すと、電磁コイルの磁力によりスイッチが第1の位置から第2の位置に切り替わる。スイッチが第2の位置に切り替わると電磁コイルに電流が流れなくなり、電磁コイルからの磁力がなくなるので、スイッチが再び第1の位置に戻る。このように、鉄板状のスイッチが第1及び第2の位置の切り替わりを繰り返すことで、メカニカルブザーの連続音が発生する。鉄板状のスイッチの大きさや形状を変えることで、ブザーの音量や音域を変更することができる。
【0049】
LED15は、電子札1が識別情報を受信できない場合や、基地局211,212,・・・,Nの伝播領域内に送信される識別情報に含まれるグループIDと当該電子札1のグループIDとが一致しない場合に発光するものである。つまり、LED15は、電子札1を取り付けた備品3が基地局211,212,・・・,Nの伝播領域内から伝播領域外に移動したことを報知するものである。
【0050】
LED15は、時間的に連続に発光(点灯)するものであっても良いし、断続的に発光(点滅)するものであっても良い。
【0051】
また、LED15は、ブザー14の放音と共に発光するものであっても良い。これにより、ブザー14による放音のみ、又は、LED15による発光のみに比べて、備品3が基地局211,212,・・・,Nの伝播領域内から伝播領域外に移動したことをユーザに確実に報知できる。
【0052】
また、LED15は、点滅間隔を変えても良いし、RGBの三原色に発光する3つのチップ(例えば、赤色発光はAlGaAs又はGaAsP等で構成されたチップ、緑色発光はInGaN/GaN/AlGaN又はGaP等で構成されたチップ、青色発光はSiC、ZnSe又はGaN等で構成されたチップ)を備えて多様な色に発光しても良い。これにより、電子札1が受信する情報の違いによってLED15の点滅間隔や発光色を変えることができる。この結果、電子札1に受信された情報をユーザが視覚的に判別できる。
【0053】
[電子札1の制御系の構成例]
次に、電子札1の制御系の構成例について説明する。図5に示すように、電子札1は、内蔵アンテナ12、LCD13、ブザー14、LED15、判断部の一例であるCPU17、送受信部18、データ取得部19、画像生成部20、画像記憶部21、LCDドライバ22、記憶部の一例であるRAM23、記憶部の一例であるROM24及び確認信号生成部25で構成される。
【0054】
内蔵アンテナ12、LCD13、ブザー14、LED15、CPU17、送受信部18、データ取得部19、画像生成部20、画像記憶部21、LCDドライバ22、RAM23、ROM24及び確認信号生成部25は、それぞれ図示しない電子回路基板に実装される。
【0055】
内蔵アンテナ12には送受信部18が接続される。送受信部18は、電子札制御装置2から送信された識別情報D1(備品の名称、管理番号、管理者及び保管場所等に関する情報D2及びグループIDに関する情報D3を含む)を内蔵アンテナ12を介して受信する。
【0056】
送受信部18は、受信した識別情報D1のうち、備品の名称、管理番号、管理者及び保管場所等に関する情報D2をデータ取得部19に出力し、グループIDに関する情報D3をCPU17に出力する。また、送受信部18は、後述する確認信号生成部25で生成された確認信号D8を内蔵アンテナ12を介して電子札制御装置2に送信する。
【0057】
送受信部18にはデータ取得部19が接続される。データ取得部19は、送受信部18で出力された備品の名称、管理番号、管理者及び保管場所等に関する情報D2を取得して、CPU17及び画像生成部20に出力する。
【0058】
データ取得部19には画像生成部20が接続される。画像生成部20は、データ取得部19で出力された備品の名称、管理番号、管理者及び保管場所等に関する情報D2を取得する。画像生成部20は、取得した備品の名称、管理番号、管理者及び保管場所等に関する情報D2に基づいて、1ページ分(LCD13が表示可能なn行m列の表示画素)の画像データD4を生成し、該生成した画像データD4を画像記憶部21に出力する。
【0059】
画像生成部20には画像記憶部21が接続される。画像記憶部21は、画像生成部20から出力された画像データD4を記憶する。
【0060】
また、画像生成部20にはLCDドライバ22が接続される。画像生成部20は、画像記憶部21に記憶した画像データD4を読み出して、該読み出した画像データD4をLCDドライバ22に出力する。LCDドライバ22は、画像生成部20によって出力された画像データD4を取得し、該取得した画像データD4に基づいてLCD13を制御する。
【0061】
LCDドライバ22にはLCD13が接続される。LCD13は、LCDドライバ22が取得した画像データD4に基づく画像を表示する。LCD13は、例えば、画像データD4に格納される備品の名称、管理番号、管理者及び保管場所等を表示する。
【0062】
送受信部18、データ取得部19、画像記憶部21及びLCDドライバ22にはCPU17が接続される。CPU17は、上述の各部を制御する。CPU17にはRAM23及びROM24が接続される。ROM24には電子札1を制御する制御プログラム等や、電子札1が属するグループのグループIDに関する情報D5が記憶される。例えば、電子札1aのROM24では、グループAに対応するグループIDが記憶され、電子札1dのROM24では、グループBに対応するグループIDが記憶される。
【0063】
CPU17は、送受信部18によって出力されたグループIDに関する情報D3を取得する。CPU17は、取得したグループIDに関する情報D3をRAM23に記憶する。そして、CPU17は、送受信部18で受信されてRAM23に記憶されたグループIDに関する情報D3と、電子札1自身のグループIDであって、予めROM24に記憶されたグループIDに関する情報D5とが一致するか否かを判断する。
【0064】
CPU17にはブザー14及びLED15が接続される。CPU17は、電子札制御装置2から送信されるグループIDを含む識別情報D1を受信できない場合に、ブザー14を放音させるための、及び、LED15を発光させるための警告信号D6を生成する。また、CPU17は、送受信部18で受信されてRAM23に記憶されたグループIDに関する情報D3と、電子札1自身のグループIDに関する情報D5とが一致しないと判断した場合にも、警告信号D6を生成する。CPU17は、生成した警告信号D6をブザー14及びLED15に出力する。すると、ブザー14は放音し、LED15は発光する。
【0065】
また、CPU17には確認信号生成部25が接続される。CPU17は、送受信部18で受信されてRAM23に記憶されたグループIDに関する情報D3と、電子札1自身のグループIDに関する情報D5とが一致すると判断した場合に、該判断結果を示す確認信号D8を作成するように確認信号生成部25に指令信号D7を出す。確認信号生成部25は、CPU17からの指令信号D7を受信すると、確認信号D8を生成し、該生成した確認信号D8を送受信部18に出力する。
【0066】
[電子札システム100の動作例]
次に、電子札システム100の動作例についてフローチャートを用いて説明する。図6に示すように、ステップST1では、電子札制御装置2が備える識別情報生成部201は、グループA,B,・・・,Nに対応したグループIDを含む識別情報をそれぞれ生成する。
【0067】
識別情報生成部201は、生成した識別情報を電子札制御装置2が備える基地局211,212,・・・,Nにそれぞれ出力する。例えば、識別情報生成部201は、グループAに対応したグループIDを含む識別情報を基地局211に出力し、グループBに対応したグループIDを含む識別情報を基地局212に出力し、グループNに対応したグループIDを含む識別情報を基地局Nに出力する。
【0068】
ステップST2に移行して、基地局211,212,・・・,Nは、識別情報生成部201から出力された識別情報を取得し、該取得した識別情報を変調して電波として所定の伝播領域内に送信する。例えば、基地局211は、グループAに対応するグループIDを含む識別情報をグループAの伝播領域内に送信する。基地局212は、グループBに対応するグループIDを含む識別情報をグループBの伝播領域内に送信する。基地局Nは、グループNに対応するグループIDを含む識別情報をグループNの伝播領域内に送信する。
【0069】
ステップST3に移行して、電子札1は、基地局211,212,・・・,Nから電波として送信された識別情報を受信できた場合にはステップST4に移行し、受信できない場合にはステップST5に移行する。
【0070】
ステップST4では、電子札1のCPU17は、基地局211,212,・・・,Nから受信した識別情報に含まれるグループIDとROM24に記憶されているグループIDとが一致するか否かを判断する。基地局211,212,・・・,Nから受信したグループIDとROM24に記憶されているグループIDとが一致した場合にはステップST6に移行し、一致しない場合にはステップST5に移行する。
【0071】
ステップST5では、電子札1は、基地局211,212,・・・,Nから電波として送信される識別情報が受信できない場合に、又は、基地局211,212,・・・,Nから受信したグループIDとROM24に記憶されているグループIDとが一致しない場合に、警告信号を生成して、該生成した警告信号をブザー14及び/又はLED15に出力する。すると、電子札1のブザー14が放音して、LED15が発光する。これにより、ユーザに備品3が基地局211,212,・・・,Nの伝播領域内から伝播領域外に移動したことを警告できる。
【0072】
ステップST6では、CPU17は、基地局211,212,・・・,Nから受信したグループIDとROM24に記憶されているグループIDとが一致した場合に、確認信号生成部25に確認信号を生成するための指令信号を出す。確認信号生成部25は、CPU17からの指令信号を受けて確認信号を生成する。そして、確認信号生成部25によって生成された確認信号を送受信部18が電子札制御装置2に送信する。
【0073】
ステップST7に移行して、電子札制御装置2は、電子札1の送受信部18から送信された確認信号を受信できた場合には、ステップST2に戻って、基地局211,212,・・・,Nが識別情報を所定の伝播領域内に再び送信し、上述した動作を繰り返す。このとき、PC5に接続された表示装置5aには、例えば、図7(A)に示すように、備品の名称、保管される棚番号、管轄する基地局、保管場所及び所有者が表示される。
【0074】
電子札制御装置2は、電子札1の送受信部18から送信された確認信号を受信できない場合にはステップST8に移行する。
【0075】
ステップST8では、電子札制御装置2は、識別情報を送信してから所定の時間経過後、電子札1から送信された確認信号を受信していないので、電子札1が基地局211,212,・・・,Nの伝播領域内から伝播領域外に移動したと判断して、警告情報を生成し、該生成した警告情報をPCコントローラ4を介してPC5に出力する。
【0076】
PC5は、電子札制御装置2から出力された警告情報を受信する。すると、例えば、図7(B)に示すように、PC5に接続される表示装置5aには当該備品が伝播領域内から伝播領域外に移動したことを警告する斜線で示した警告画面が表示される。つまり、図3に示したように、グループAに対応するグループIDを有する備品3a(例えば、図7に示すNo.3のB社製のノートPC1)が、グループAからグループBに持ち出されたときに、電子札1aから警告音及び警告灯が発せられるが、PC5の表示装置5aにも備品3aがグループAからグループBに持ち出されたことを報知するために、警告画面が表示される。
【0077】
なお、ブザー14による放音及びLED15による発光をさせずに備品3をグループAからグループBに持ち出したい場合には、PC5等から電子札1のRAM23にグループBに対応するグループIDを記憶させれば良い。
【0078】
ところで、従来では、備品にRFIDを取り付け、RFIDが取り付けられた備品を持って会社の出入り口に設置されたセキュリティゲートを通過すると、警告音がなるシステムが採用されているが、会社の裏口やその他セキュリティゲートが設置されていない出口等から備品が持ち出されると警告できない。これに対して、本実施の形態に係る電子札システム100は、基地局の伝播範囲外に出ると警告音や警告灯が発せられ、PC5の表示装置5aにも警告画面が表示されるので、備品を確実に管理できる。
【0079】
このように、本実施の形態に係る電子札システム100によれば、複数の電子札1がグループIDを有する。電子札制御装置2が電子札1のグループIDを含む識別情報を生成し、該生成した識別情報を所定の伝播領域内(例えば、図1で示したグループA,B,・・・,N)に送信する。これを前提として、電子札1の各々は、電子札制御装置2で送信された識別情報を受信し、該受信した識別情報に含まれるグループIDと自身のグループIDとが一致するか否かを判断し、該判断結果が一致しない場合には、識別情報を送信される伝播領域内から伝播領域外に当該電子札1が移動したことを、ブザー14による放音やLED15による発光によって報知する。
【0080】
これにより、例えば、当該電子札1を備品3に取り付けたときに、識別情報を送信される伝播領域内から伝播領域外に備品3が移動したことをブザー14による放音やLED15による発光で報知できるようになる。この結果、備品3を低コストで容易に管理できる。
【0081】
従来のRFIDを用いた電子札では、PCに接続されたリーダ/ライタに当該電子札を接触若しくは接触するくらいに近づけなければ、PCからの情報を受信できなかった。また、従来のRFIDを用いた電子札では、リーダ/ライタの出力を上げてもPCからの情報を受信できるが、この場合、リーダ/ライタから強度の強い電磁波が出力される(例えば、出力は、10mW程度)ので、人体に影響を及ぼす可能性がある。これに対して、本実施の形態に係る電子札システム100では、基地局から電子札が所定距離離れていても、また、基地局の出力を上げなくても(例えば、出力は1mW程度)、PCから情報を受信することができる。
【0082】
なお、本実施の形態では、バーコード16は、本体部11に印字されるもので説明したが、これに限定されず、紙等にバーコードを印字して、該印字した紙を本体部11に接着剤等で貼り付けても構わない。
【0083】
また、本実施の形態では、電子札1にLED15を1つだけ設けたが、これに限定されず、それぞれの発光色が異なる複数のLED15を設けても構わない。これにより、更に、ユーザに視覚的に警告できる。
【0084】
また、本実施の形態では、電子札1のROM24にグループIDに関する情報D5を記憶したが、これに限定されず、RAM23に情報D5を記憶するようにしてPC5から書き換え可能にしても構わない。これにより、電子札1を他の用途に使用する等、再利用することができる。
【0085】
また、本実施の形態では、電子札1に画像記憶部21を設けたが、これに限定されず、画像記憶部21の機能をRAM23又は/及びROM24に持たして、当該画像記憶部21を削除しても良い。これにより、電子札1を低コスト化できる。
【0086】
また、本実施の形態では、電子札システム100を会社内の備品管理に適用したが、当該電子札システム100は店舗内の商品のセキュリティ管理にも適用可能である。例えば、電子札1が貼着された店舗内の商品が識別情報の伝播領域内(店舗内)から伝播領域外(店舗外)に移動したことをブザー14及びLED15で報知する。これにより、万引きや盗難を低コストで防止できる。
【0087】
また、本実施の形態では、電子札制御装置2が電子札1からの確認信号D8を受信しないときに、表示装置5aに警告画面を表示させる(図7(B))説明をしたが、これに限定されず、電子札1が伝播領域内から伝播領域外に移動したときに、ブザー14及びLED15で報知すると共に、当該電子札1が自身のアドレスIDを電子札制御装置2に送信して、表示装置5aに当該電子札が伝播領域内から伝播領域外に移動したことを示す警告画面を表示させても良い。
【0088】
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、第1の実施の形態で説明した電子札1のLCD13を設けない電子札6で構成された電子札システム100Aについて説明する。前述の第1の実施の形態と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。
【0089】
[電子札システム100Aの構成例]
最初に、第2の実施の形態に係る電子札システム100Aの構成例について説明する。図8に示すように、電子札システム100Aは、電子札6及び電子札制御装置2で構成される。更に、電子札システム100Aは、ハンディターミナル40を備える。
【0090】
電子札6の裏面には、電子札1と同様に、強力な接着剤が塗布されており、電子札6は、図12及び図13で後述する商品8及びファイル9に直接貼着して使用される。図8では、商品8a,8b,8c,8d,8e,8f,8gに電子札6a,6b,6c,6d,6e,6f,6gがそれぞれ貼着されている。
【0091】
ハンディターミナル40は、電子札6に貼着された商品8及びファイル9を管理するための携帯端末である。ハンディターミナルは、基地局211,212,・・・,Nと通信可能で、識別情報の閲覧、更新、変更が可能であり、PC5と同じ機能を有する。つまり、ハンディターミナル40は、ユーザが携帯して、商品8及びファイル9の管理ができる。
【0092】
PCコントローラ4、PC5、識別情報生成部201及び基地局211,212,・・・,Nに関しての詳細な説明は、前述の図1で説明したものと同じであるので、省略する。
【0093】
[電子札6の構成例]
次に、電子札6の構成例について説明する。図9に示すように、電子札6は、本体部11A、内蔵アンテナ12、ブザー14及びLED15で構成される。また、電子札6は、図示しない電池等で構成される電源部を備え、当該電源部から上述の各部に電力が供給されて各部が動作する。
【0094】
本体部11Aは、前述の第1の実施の形態で説明した電子札1のようにLCD13を設けないので、縦が約1cm、横が約10cm、厚みが0.5cmの、本体部11と比べて更に小さな筐体となる。本体部11Aは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリ塩化ビニル等の合成樹脂で構成され、ブロー成形や射出成形等で形成される。
【0095】
本体部11Aには内蔵アンテナ12、ブザー14及びLED15が設けられる。また、本体部11Aの表面にはバーコード16が印字される。
【0096】
内蔵アンテナ12、ブザー14、LED15は、前述の図4で説明したものと同じであるので、その説明を省略する。
【0097】
[電子札6の制御系の構成例]
次に、電子札6の制御系の構成例について説明する。図10に示すように、電子札6は、内蔵アンテナ12、ブザー14、LED15、CPU17A、RAM23、ROM24、受信部26及びオフ信号生成部27で構成される。
【0098】
内蔵アンテナ12、ブザー14、LED15、CPU17A、RAM23、ROM24、受信部26及びオフ信号生成部27は、それぞれ図示しない電子回路基板に実装される。
【0099】
電子札6は、LCD13を設けないので、図5で説明した、データ取得部19、画像生成部20、画像記憶部21、LCDドライバ22が不要である。
【0100】
内蔵アンテナ12には受信部26が接続される。受信部26は、電子札制御装置2から送信された、電子札6の固有の識別子であるアドレスIDを含む識別情報D11を内蔵アンテナ12を介して受信する。また、受信部26は、ブザー14の放音やLED15の発光を禁止するための禁止要求信号D12を内蔵アンテナ12を介して受信する。そして、受信部26は、受信した識別情報D11をCPU17Aに出力し、受信した禁止要求信号D12をオフ信号生成部27に出力する。禁止要求信号D12は、PC5やハンディターミナル40によって生成され、電子札6に送信されるものである。
【0101】
受信部26にはオフ信号生成部27が接続される。オフ信号生成部27は、受信部26から出力された禁止要求信号D12を取得し、該取得した禁止要求信号D12に基づいてオフ信号D13を生成する。オフ信号生成部27は、生成したオフ信号D13をCPU17Aに出力する。
【0102】
オフ信号D13とは、ブザー14の放音やLED15の発光による警告をしないようにするための信号である。図1で示した基地局211,212,・・・,Nが送信する電波の伝播領域内からファイル9や商品8を移動させたい場合に、例えば、PC5やハンディターミナル40から禁止要求信号D12を電子札6に送信する。すると、当該電子札6のオフ信号生成部27が禁止要求信号D12に基づいてオフ信号D13を生成してCPU17Aに出力する。CPU17Aは、オフ信号D13を受信すると電子札6からブザー14の放音やLED15の発光をさせないように制御する。
【0103】
受信部26及びオフ信号生成部27にはCPU17Aが接続される。CPU17Aは、受信部26及びオフ信号生成部27を制御する。CPU17AにはRAM23及びROM24が接続される。ROM24には電子札6を制御する制御プログラム等や、電子札6のアドレスIDに関する情報D14が記憶される。
【0104】
CPU17Aは、受信部26から出力されたアドレスIDに関する識別情報D11を取得する。CPU17Aは、取得したアドレスIDに関する識別情報D11をRAM23に記憶する。そして、CPU17Aは、受信部26で受信されてRAM23に記憶されたアドレスIDに関する識別情報D11と、電子札6自身のアドレスIDであって、予めROM24に記憶されたアドレスIDに関する情報D14とが一致するか否かを判断する。
【0105】
CPU17Aにはブザー14及びLED15が接続される。CPU17Aは、受信部26で受信されてRAM23に記憶されたアドレスIDに関する識別情報D11と、電子札6自身のアドレスIDに関する情報D14とが一致すると判断した場合に、ブザー14を放音させるための、及び、LED15を発光させるための警告信号D15を生成する。CPU17Aは、生成した警告信号D15をブザー14及びLED15に出力する。すると、ブザー14は放音し、LED15は発光する。
【0106】
また、CPU17Aは、オフ信号生成部27から出力されたオフ信号D13を取得する。CPU17Aは、オフ信号D13を取得すると、上述の警告信号D15を生成しない。そのため、オフ信号D13が生成されると、ブザー14が放音せず、LED15が発光しない。
【0107】
[電子札システム100Aの動作例]
次に、電子札システム100Aの動作例についてフローチャートを用いて説明する。図8で示した電子札6a〜6gではアドレスIDが予め記憶されていることを前提とする。
【0108】
図11に示すように、ステップST11では、電子札制御装置2が備える識別情報生成部201は、電子札6a〜6gに記憶されているアドレスIDを含む識別情報をそれぞれ生成する。
【0109】
識別情報生成部201は、生成した識別情報を電子札制御装置2が備える基地局211,212,・・・,Nにそれぞれ出力する。例えば、識別情報生成部201は、電子札6a,6b,6cに対応するアドレスIDを含む識別情報を基地局211にそれぞれ出力し、電子札6d,6eに対応するアドレスIDを含む識別情報を基地局212にそれぞれ出力し、電子札6f,6gに対応するアドレスIDを含む識別情報を基地局Nにそれぞれ出力する。
【0110】
ステップST12に移行して、基地局211,212,・・・,Nは、識別情報生成部201から出力された識別情報を取得し、該取得した識別情報を変調して電波として所定の伝播領域内に送信する。例えば、基地局211は、電子札6a,6b,6cに対応するアドレスIDを含む識別情報をグループAの伝播領域内に送信する。基地局212は、電子札6d,6eに対応するアドレスIDを含む識別情報をグループBの伝播領域内に送信する。基地局Nは、電子札6f,6gに対応するグループIDを含む識別情報をグループNの伝播領域内に送信する。
【0111】
ステップST13に移行して、電子札6は、基地局211,212,・・・,Nから電波として送信された識別情報を受信できた場合にはステップST14に移行し、受信できない場合にはその動作を終了する。
【0112】
ステップST14では、電子札6のCPU17Aは、基地局211,212,・・・,Nから受信した識別情報に含まれるアドレスIDとROM24に記憶されているアドレスIDとが一致するか否かを判断する。基地局211,212,・・・,Nから受信したアドレスIDとROM24に記憶されているアドレスIDとが一致した場合にはステップST15に移行し、一致しない場合にはその動作を終了する。
【0113】
ステップST15では、CPU17Aは、オフ信号生成部27からオフ信号が出力されて、該出力されたオフ信号を取得した場合にはステップST16に移行し、オフ信号を取得していない場合にはその動作を終了する。
【0114】
ステップST16では、電子札6は、基地局211,212,・・・,Nから受信したアドレスIDとROM24に記憶されているアドレスIDとが一致し、かつ、オフ信号を取得しない場合に、警告信号を生成して、該生成した警告信号をブザー14及び/又はLED15に出力する。すると、ブザー14が放音して、LED15が発光する。これにより、ユーザに商品8の位置を報知できる。この結果、商品8の所在がわからなくなっても、商品8を容易に見つけることができる。
【0115】
例えば、図12に示すように、倉庫内等の商品棚30に載置された複数の商品の中から所望の商品8を探し出す場合を想定する。ハンディターミナル40を携帯するユーザが、当該ハンディターミナル40から所望の商品8に貼着した電子札6が有するアドレスIDを含んだ識別情報を伝播領域内に送信する。すると、所望の商品8が伝播領域内に存在する場合、当該商品8に貼着した電子札6が識別情報を受信する。そして、電子札6は、受信した識別情報に含まれるアドレスIDが自身のアドレスIDと一致し、かつ、オフ信号が生成されていない場合に、ブザー14を放音させ、LED15を発光させる。これにより、所望の商品8を容易に探し出すことができる。
【0116】
また、例えば、図13に示すように、会社内等のファイル棚31に収容された複数のファイルの中から所望のファイル9を探し出す場合を想定する。この場合も、上述の図12で説明した場合と同様に、ハンディターミナル40からアドレスIDを含む識別情報を伝播領域内に送信することで、所望のファイル9が伝播領域内に存在する場合、当該ファイル9に貼着した電子札6が識別情報を受信する。そして、電子札6は、受信した識別情報に含まれるアドレスIDが自身のアドレスIDと一致し、かつ、オフ信号が生成されていない場合に、ブザー14を放音させ、LED15を発光させる。これにより、所望のファイル9を容易に探し出すことができる。
【0117】
このように、本実施の形態に係る電子札システム100Aによれば、複数の電子札6がアドレスIDを有する。電子札制御装置2が電子札6のアドレスIDを含む識別情報を生成し、該生成した識別情報を所定の伝播領域内(例えば、図8で示したグループA,B,・・・,N)に送信する。これを前提として、電子札6の各々は、電子札制御装置2で送信された識別情報を受信し、該受信した識別情報に含まれるアドレスIDと自身のアドレスIDとが一致するか否かを判断し、該判断結果が一致する場合には、当該電子札6の位置を、ブザー14による放音やLED15による発光によって報知する。
【0118】
これにより、例えば、当該電子札6を商品8やファイル9に取り付けたときに、当該商品8やファイル9の所在がわからなくなっても、電子札制御装置2からの識別情報により電子札6のブザー14が放音し、LED15が発光するので、当該商品8やファイル9を容易に見つけることができる。
【0119】
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、スイッチ28及びボタン29を有する電子札7で構成された電子札システム100Bについて説明する。前述の第1及び第2の実施の形態と同じ名称及び符号のものは同じ機能を有するので、その説明を省略する。
【0120】
[電子札システム100Bの構成例]
最初に、第3の実施の形態に係る電子札システム100Bの構成例について説明する。図14に示すように、電子札システム100Bは、電子札7及び電子札制御装置2で構成される。更に、電子札システム100Bは、ハンディターミナル40を備える。
【0121】
電子札7の裏面には、電子札1,6と同様に、強力な接着剤が塗布されており、電子札7は、図17で後述する商品8に直接貼着して使用される。図14では、商品8a,8b,8c,8d,8e,8f,8gに電子札7a,7b,7c,7d,7e,7f,7gがそれぞれ貼着されている。
【0122】
電子札システム100Bは、PC5又はハンディターミナル40からの情報を電子札7が受信することで、電子札7が有するLCD13の表示画面を書き換えて、ユーザに商品8に関する情報等を提供する。
【0123】
また、電子札システム100Bは、電子札7が有するスイッチ28及びボタン29の操作によって生成される情報がPC5又はハンディターミナル40に出力される。これにより、PC5又はハンディターミナル40で電子札7の状態を管理することができる。
【0124】
PCコントローラ4、PC5、ハンディターミナル40、識別情報生成部201及び基地局211,212,・・・,Nに関しての詳細な説明は、前述の図1で説明したものと同じであるので、省略する。
【0125】
[電子札7の構成例]
次に、電子札7の構成例について説明する。図15に示すように、電子札7は、本体部11B、内蔵アンテナ12、LCD13、スイッチ28及びボタン29で構成される。また、電子札7は、図示しない電池等で構成される電源部を備え、当該電源部から上述の各部に電力が供給されて各部が動作する。
【0126】
電子札7は、第1及び第2の実施の形態で説明したバーコード16を本体部11Bに印字せずに、LCD13に表示する。このため、本体部11に比べてバーコード16を削除した分だけ本体部11Bをコンパクト化でき、製造コストを低減できる。
【0127】
本体部11Bは、前述の第2の実施の形態で説明した本体部11Aと同様に、縦が約1cm、横が約10cm、厚みが0.5cmの、本体部11と比べて更に小さな筐体となる。本体部11Bは、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリ塩化ビニル等の合成樹脂で構成され、ブロー成形や射出成形等で形成される。
【0128】
本体部11Bには内蔵アンテナ12、LCD13、スイッチ28及びボタン29が設けられる。スイッチ28は、ツマミ28aを操作して電子札7のON/OFFを切り換えるものである。例えば、ユーザがツマミ28aをON側からOFF側に移動させると、電子札7がON状態からOFF状態に切り替わり、ツマミ28aをOFF側からON側に移動させると、電子札7がOFF状態からON状態に切り替わる。スイッチ28がON/OFF操作されると共に、電子札7がON又はOFFになったことを知らせる情報が内蔵アンテナ12を介してPC5やハンディターミナル40に送信される。
【0129】
ボタン29は、当該ボタン29がユーザによって押下されることで、所定の情報を内蔵アンテナ12を介してPC5やハンディターミナル40に送信するトリガーとなるものである。この動作と共に、LCD13の表示が切り替わるようにしても良い。
【0130】
[電子札7の制御系の構成例]
次に、電子札7の制御系の構成例について説明する。図16に示すように、電子札7は、内蔵アンテナ12、LCD13、CPU17B、送受信部18、データ取得部19、画像生成部20、画像記憶部21、LCDドライバ22、RAM23、ROM24、スイッチ28及びボタン29で構成される。
【0131】
内蔵アンテナ12、LCD13、CPU17B、送受信部18、データ取得部19、画像生成部20、画像記憶部21、LCDドライバ22、RAM23、ROM24、スイッチ28及びボタン29は、それぞれ図示しない電子回路基板に実装される。
【0132】
内蔵アンテナ12、LCD13、CPU17B、送受信部18、データ取得部19、画像生成部20、画像記憶部21、LCDドライバ22、RAM23及びROM24の機能や構成は、前述の第1の実施の形態で説明したものと同じであるので、その説明を省略し、スイッチ28及びボタン29について説明する。
【0133】
スイッチ28のツマミ28aをON側からOFF側に移動させると、電子札7がON状態からOFF状態に切り替わる。電子札7がOFF状態になると、電源部からの電力供給が断たれるが、その前に、スイッチ28が、当該電子札7がOFFになったことを知らせるためのOFF信号D21をCPU17Bに出力する。すると、CPU17Bは、スイッチ28から出力されたOFF信号D21を受信して、送受信部18及び内蔵アンテナ12を介して基地局211,212,・・・,Nやハンディターミナル40に送信する。
【0134】
基地局211,212,・・・,Nは、CPU17BからのOFF信号D21をPC5に出力して、PC5の表示装置5aに電子札7がOFF状態になったことを表示させる。また、ハンディターミナル40は、CPU17BからのOFF信号D21に基づいて当該ハンディターミナル40が有する表示部に電子札7がOFF状態になったことを表示させる。これにより、電子札7のON/OFF状態をPC5及びハンディターミナル40で管理できる。
【0135】
ボタン29は、当該ボタン29が押下されると、例えば、電子札7が貼着された商品8の異常を知らせる商品異常情報D22をCPU17Bに出力する。すると、CPU17Bは、ボタン29から出力された商品異常情報D22を受信して、送受信部18及び内蔵アンテナ12を介して基地局211,212,・・・,Nやハンディターミナル40に送信すると共に、商品の異常を知らせるための画面を電子札7のLCD13に表示する。
【0136】
基地局211,212,・・・,Nは、CPU17Bからの商品異常情報D22をPC5に出力して、商品8の異常を知らせるための画面をPC5の表示装置5aに表示する。また、ハンディターミナル40は、CPU17Bからの商品異常情報D22に基づいて、商品8の異常を知らせるための画面を当該ハンディターミナル40が有する表示部に表示する。これにより、商品8の正常/異常等の状態をPC5及びハンディターミナル40で管理できる。
【0137】
[電子札システム100Bの使用例]
次に、電子札システム100Bの使用例について説明する。図17に示すように、店舗内に陳列されたジャケット等の商品8に電子札7が貼着され、電子札7と基地局211及びハンディターミナル40とが互いに通信可能であることを前提とする。
【0138】
図18に示すように、通常、電子札7のLCD13には「¥32,500」という商品8の価格を示す画面が表示されている。
【0139】
例えば、商品8に傷や汚れ等の異常があり、この異常に販売員が気付いたときには、ストックルーム等に商品8を片付けて、商品8に異常があって販売できないことを伝票ファイルに書き込むという煩雑な作業を行う必要がある。しかしながら、電子札システム100Bでは、商品8の異常を販売員が気付いたときに、電子札7のボタン29を押せば、上述の煩雑な作業を行う必要がなくなる。
【0140】
つまり、ボタン29が販売員によって押下されると、商品異常情報D22がCPU17Bに出力され、CPU17Bは、PC5やハンディターミナル40に商品異常情報D22を送信すると共に、図19に示すように、LCD13に「販売中止」という画面を表示する。商品異常情報D22をPC5やハンディターミナル40が受信することで、商品異常情報D22に基づく商品異常画面が表示装置5aに表示され、また、PC5が有する記憶部に商品異常情報D22が随時記憶されることにより、商品8を容易に管理できる。
【0141】
なお、ボタン29を押す代わりに、ハンディターミナル40を操作して、LCD13に「販売中止」の画面を表示させると共に、電子札7からPC5に商品異常情報D22を送信させるようにしても構わない。
【0142】
また、例えば、販売員が顧客と価格交渉をするような場合においても、電子札システム100Bが活用できる。つまり、顧客との価格交渉の結果、ある商品8のみを値下げするときに、販売員がハンディターミナル40を操作して、図20に示すように、値下げした商品8に貼着されている電子札7のLCD13に「¥27,500」という値下げした価格を表示すると共に、電子札7からPC5に値下げした価格を示す情報が送信されるようにする。因みに、電子札7には自身の識別子であるアドレスIDが記憶されているので、当該電子札7のLCD13のみに上述の表示をさせることができる。これにより、顧客との価格交渉によって商品8を値下げしたことをPC5で管理できる。
【0143】
また、所定の時刻になると商品の価格を下げる、所謂、タイムサービスをするような場面においても、電子札システム100Bが活用できる。つまり、販売員がPC5やハンディターミナル40を操作して、図21に示すように、LCD13に「只今から閉店時間までに限り30%OFF」というタイムサービスの表示をすると共に、電子札7からPC5にタイムサービスにより値下げしたことを示す情報が送信される。これにより、タイムサービスによって商品8を値下げしたことをPC5で管理できる。
【0144】
なお、所定の商品だけ、例えば、図14に示したグループAにある商品だけを値下げたいときには、グループAのグループIDを有する電子札7のみに対して、PC5やハンディターミナル40から情報を送信すれば良い。
【0145】
更に、PC5やハンディターミナル40で商品8の在庫数を管理することにより、LCD13に当該在庫数を表示させることもできる。例えば、PC5やハンディターミナル40で管理された当該商品の在庫数が2着であった場合に、図22に示すように、LCD13に「残り2着限りです」という画面をリアルタイムに表示させることができる。これにより、店舗内でリアルタイムに商品8の在庫数を把握することができる。
【0146】
また、LCD13に上述の情報を表示させる他に、店舗情報を表示させることも可能である。例えば、図23に示すように、PC5やハンディターミナル40を操作して、LCD13に「4/1〜4/7全品半額セール実施します」という店舗に関する情報を表示させることができる。店舗内の商品8に貼着されている電子札7全てに店舗情報をPC5やハンディターミナル40から送信しても良いし、電子札7にアドレスID及びグループIDが記憶されているので、所定のグループや所定の商品だけに店舗情報を送信することも可能である。因みに、店舗情報は、PC5やハンディターミナル40の記憶部に記憶されている。これにより、最新の店舗情報をLCD13に表示させることができる。
【0147】
また、電子札システム100Bは、スーパーマーケットの食品売り場等でも使用可能である。そのような電子札システム100Bは、図24に示すように、例えば、店舗内の食品ケース50に、電子札7が貼着された食品51が陳列されていて、電子札7と基地局211及びハンディターミナル40とが互いに通信可能なものである。
【0148】
このように、本実施の形態に係る電子札システム100Bによれば、電子札7にスイッチ28及びボタン29が設けられるので、電子札7のON/OFF状態及び正常/異常状態をPC5及びハンディターミナル40で管理できる。
【0149】
なお、本実施の形態では、スイッチ28及びボタン29を本体部11Bの前面側に設けたものを説明したが、これは理解しやすくするためであって、これに限定されるものではない。スイッチ28及びボタン29は、顧客が触れない本体部11Bの側面等に設けることが好ましい。
【符号の説明】
【0150】
1,1a〜1g、6,6a〜6g、7,7a〜7g・・・電子札、2・・・電子札制御装置、3,3a〜3g・・・備品、4・・・PCコントローラ、5・・・パーソナルコンピュータ、8,8a〜8g・・・商品、9・・・ファイル、11,11A・・・本体部、12・・・内蔵アンテナ、13・・・液晶ディスプレイ、14・・・ブザー、15・・・発光ダイオード、16・・・バーコード、17,17A,17B・・・CPU、18・・・送受信部、19・・・データ取得部、20・・・画像生成部、21・・・画像記憶部、22・・・LCDドライバ、23・・・RAM、24・・・ROM、25・・・確認信号生成部、26・・・受信部、27・・・オフ信号生成部、28・・・スイッチ、29・・・ボタン、30・・・商品棚、31・・・ファイル棚、40・・・ハンディターミナル、100,100A,100B・・・電子札システム、201・・・識別情報生成部、211,212,N・・・基地局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別子を有する複数の電子札と、
前記電子札の識別子を含む識別情報を生成し、該生成した前記識別情報を所定の伝播領域内に送信する電子札制御装置とで構成され、
前記電子札の各々は、
前記電子札制御装置で送信された前記識別情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信された前記識別情報に含まれる識別子と自身の識別子とが一致するか否かを判断する判断部と、
前記判断部による判断結果に基づいて、当該電子札が前記伝播領域内から伝播領域外に移動したことを報知する報知部とを備えることを特徴とする電子札システム。
【請求項2】
前記報知部は放音部を有し、
前記放音部は、
前記受信部で前記識別情報が受信できない場合に放音することを特徴とする請求項1に記載の電子札システム。
【請求項3】
前記報知部は発光部を有し、
前記発光部は、
前記受信部で前記識別情報が受信できない場合に発光することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子札システム。
【請求項4】
前記放音部は、
前記判断部で前記識別情報に含まれる識別子と前記電子札の識別子とが一致しないと判断された場合に放音することを特徴とする請求項1又は2に記載の電子札システム。
【請求項5】
前記発光部は、
前記判断部で前記識別情報に含まれる識別子と前記電子札の識別子とが一致しないと判断された場合に発光することを特徴とする1又は3に記載の電子札システム。
【請求項6】
前記電子札は、
前記判断部で前記識別情報に含まれる識別子と当該電子札の識別子とが一致すると判断された場合に、該判断結果を示す確認信号を生成する確認信号生成部と、
前記確認信号生成部で生成された前記確認信号を前記電子札制御装置に送信する送信部とを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の電子札システム。
【請求項7】
前記電子札制御装置には表示装置が接続され、
前記電子札制御装置は、
前記電子札に前記識別情報を送信後、前記電子札から送信される前記確認信号を受信しない場合に、前記表示装置に警告画面を表示させることを特徴とする請求項6に記載の電子札システム。
【請求項8】
識別子を有する複数の電子札と、
前記電子札の識別子を含む識別情報を生成し、該生成した前記識別情報を所定の伝播領域内に送信する電子札制御装置とで構成され、
前記電子札の各々は、
前記電子札制御装置で送信された前記識別情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信された前記識別情報に含まれる識別子と自身の識別子とが一致するか否かを判断する判断部と、
前記判断部による判断結果に基づいて、当該電子札の位置を報知する報知部とを備えることを特徴とする電子札システム。
【請求項9】
前記報知部は放音部を有し、
前記放音部は、
前記判断部で前記識別情報に含まれる識別子と前記電子札の識別子とが一致すると判断された場合に放音することを特徴とする請求項8に記載の電子札システム。
【請求項10】
前記報知部は発光部を有し、
前記発光部は、
前記判断部で前記識別情報に含まれる識別子と前記電子札の識別子とが一致すると判断された場合に発光することを特徴とする請求項8又は9に記載の電子札システム。
【請求項11】
前記識別情報は、
複数の前記電子札がグループ化されたときの該グループの識別子であるグループIDを含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の電子札システム。
【請求項12】
前記識別情報は、
個々の前記電子札の識別子であるアドレスIDを含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の電子札システム。
【請求項13】
前記電子札には表示部が設けられ、
前記表示部は、前記電子札制御装置から送信される情報を表示することを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の電子札システム。
【請求項14】
識別子を記憶する記憶部と、
前記識別子を含む識別情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信された前記識別情報に含まれる識別子と前記記憶部に記憶された識別子とが一致するか否かを判断する判断部と、
前記判断部による判断結果に基づいて、当該電子札が所定の範囲内から範囲外に移動したことを報知する報知部とを備えることを特徴とする電子札。
【請求項15】
識別子を記憶する記憶部と、
前記識別子を含む識別情報を受信する受信部と、
前記受信部で受信された前記識別情報に含まれる識別子と前記記憶部に記憶された識別子とが一致するか否かを判断する判断部と、
前記判断部による判断結果に基づいて、当該電子札の位置を報知する報知部とを備えることを特徴とする電子札。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate


【公開番号】特開2011−230878(P2011−230878A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−101325(P2010−101325)
【出願日】平成22年4月26日(2010.4.26)
【出願人】(391062872)株式会社オプトエレクトロニクス (70)
【Fターム(参考)】