説明

電子機器および治具システム

【課題】外ケースと内ケースとが確実に嵌合できると共に、交換がし易く、また、嵌合部の耐久性がよい電子機器を提供する。
【解決手段】折り畳み式の携帯端末300(不図示)は、第1筐体100と第2筐体200(不図示)とがヒンジ150により開閉自在に連結されている。第1筐体100は、外ケース10、着せ替えパネル11、内ケース20を有する。外ケース10は、着せ替えパネル11を内包して、内ケース20に嵌合着脱される。この嵌合部50として、外ケース10には、嵌合用のワイヤ用爪13がある。内ケース20には、前記ワイヤ用爪13と対峙する位置に嵌合用のワイヤ23が側面に沿って配置される。外ケース10を内ケース20側に押し込むと、ワイヤ23が側面から他の側面側への方向にずれながら、ワイヤ23がワイヤ用爪13に乗り上げた状態で嵌合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等の電子機器および治具システムに関し、特に、電子機器の外ケースと内ケースの嵌合部の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機の着せ替えパネルは、携帯電話機の筐体本体との間で、凸部と凹部とで嵌合するものが多い。このような携帯電話機がある(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1の図1および図5に示されるように、着脱自在な化粧パネル14には、第1の嵌合凸部26a、26bと、第2の嵌合凸部27a、27bと、圧入ボス28a、28bが形成されている。また、表示部本体3には、第1の嵌合孔19a、19bと、第2の嵌合孔20a、20bと、取付孔21a、21b、圧入ブッシュ22a、22bが形成されている。
【0003】
そして、取付け時は、使用者は、まず、第1の嵌合凸部26a、26bを第1の嵌合孔19a、19bに垂直な状態で差し込み、次に、この第1の嵌合部を支点にして化粧パネル14を回動しながら、化粧パネル14の中央部をたわませるようにして、爪状の第2の嵌合凸部27a、27bを第2の嵌合孔20a、20bに嵌合させ、最後に、圧入ボス28a、28bを圧入ブッシュ22a、22bに圧入している。取り外し時は、前記と逆の順序で行う。
【特許文献1】特開2002−125022号公報(段落[0014〜0037]、図1、図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の携帯電話機では、第2の嵌合凸部27a、27bと第2の嵌合孔20a、20bとの嵌合は、化粧パネル14の中央部をたわませるようにして行うが、使用者のたわませ具合によっては、第2の嵌合凸部27a、27bと第2の嵌合孔20a、20bとがこすれてしまう状況が発生する。この第2の嵌合凸部27a、27bおよび、第2の嵌合孔20a、20b周辺は、樹脂製であり、化粧パネル14の脱着を繰り返すと、この部分が削れてしまい、確実な嵌合が保証できなくなるおそれがある。
【0005】
本発明は、外ケースと内ケースとが確実に嵌合できると共に、交換がし易く、また、嵌合部の耐久性がよい電子機器および治具システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の電子機器は、内ケースと外ケースとが嵌合して、外ケース側に主面、内ケース側に背面、および両側面を構成する電子機器であって、前記外ケースは、嵌合爪を有し、前記内ケースは、前記主面から背面への第1の方向で前記嵌合爪と対峙して前記側面の長手方向に沿って設けられたバネ製のワイヤを有し、前記外ケースを前記第1の方向に向けて内ケースに嵌合させる途中段階では、前記ワイヤは、前記嵌合爪の前記背面側の面に押されて前記一側面から他の側面への第2の方向へと逃げ、嵌合の最終段階では、前記ワイヤは、前記第2の方向の逆の方向へ戻って前記嵌合爪の前記主面側の面に乗り上げ、その状態で外ケースと内ケースとが嵌合状態となることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、外ケースと内ケースとが確実に嵌合できると共に、交換がし易く、また、嵌合部の耐久性がよい構造の電子機器および治具システムとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の各実施例について説明する。
【実施例1】
【0009】
図1は、本発明の実施例1に係る携帯端末300(電子機器)の外観斜視図である。携帯端末300は、第1筐体100と第2筐体200がヒンジ150で開閉自在に連結された構造である。第1筐体100は、閉じられた状態で第2筐体200と対面する面に、図示しない受話器や主表示部が設けられる筐体である。第2筐体200は、対面する面に、送話器71、テンキー72などが設けられる筐体である。
【0010】
第1筐体100は、さらに、外ケース10、着せ替えパネル11(図1のハッチング部分)、内ケース20を有する。内ケース20は、第1筐体100のベースとなるケースであり、ヒンジ150に固着され、各種部品が搭載される。
【0011】
外ケース10は、着せ替えパネル11を内包した状態で、内ケース20に嵌合される。ユーザは、外ケース10と内ケース20との嵌合を行ない、また嵌合を外すことにより、着せ替えパネル11を自在に交換することができる。嵌合の詳細については、図2以降で述べる。
【0012】
着せ替えパネル11には、副表示部用窓12があり、そこから、内ケース20に取り付けられた副表示部21が見える。
【0013】
着せ替えパネル11側の面、すなわち外ケース10側を主面、内ケース20側を背面、サイド二面を側面と称し、以降、同様に称する。また、以降、外ケース10に設けられる部材の符号は10番台で表し、内ケース20に設けられる部材の符号は20番台で表す。
【0014】
図2は、本発明の実施例1に係る第1筐体100の分解斜視図である。第1筐体100は、外ケース10、着せ替えパネル11、内ケース20、目隠しパネル22などから構成される。
【0015】
外ケース10と内ケース20との嵌合を外した時に、内ケース20上の各種部品などが見えないようにするために、目隠しパネル22は、内ケース20に取り付けられるものである。
【0016】
次に、外ケース10と内ケース20との嵌合を行なう嵌合部50(点線○印部分)について説明する。外ケース10には、ワイヤ用爪13(嵌合爪)と凸部14が設けられる。この点線○印部分が、側面側近辺に計4箇所設けられる。
【0017】
内ケース20には、主面から背面へ向かう方向で前記ワイヤ用爪13と凸部14に対峙する位置に、バネ性のワイヤ23と凹部24が設けられる。ワイヤ23は、側面の長手方向に延伸している。この点線○印部分が、側面側近辺に計4箇所設けられる。
【0018】
そして、外ケース10を内ケース20の方向へと押し込むと、ワイヤ用爪13とワイヤ23とが嵌合する。また、凸部14と凹部24とが嵌合する。本発明の特徴は、このワイヤ用爪13とワイヤ23との嵌合部分であり、この部分について、以下さらに詳しく説明する。
【0019】
図3は、本発明の実施例1に係る第1筐体100の構造図である。(A)は主面図、(B)は側面図である。(C)(D)(E)は、(A)の嵌合部50の部分に図示したX1−X1断面、X2−X2断面、X3−X3断面の各断面図である。外ケース10は、内ケース20を外側から覆うように被せられて嵌合する。
【0020】
(C)X1−X1断面部分では、凸部14と凹部24とが嵌合している。
(D)X2−X2断面部分では、ワイヤ用爪13の主面側がワイヤ23により背面側に向かって押し付けられる状態で嵌合している。また、外ケース10の側面側とワイヤ用爪13との間には、ガイド凹部15が設けられており、内ケース20には、前記ガイド凹部15に対峙する位置にガイド凸部25が設けられ、ガイド凹部15にガイド凸部25が嵌まる構造である。
【0021】
(E)X3−X3断面部分では、内ケース20には、ストッパ26が設けられ、ワイヤ23の端部がワイヤ23の付勢力で主面側および側面側へは動かないように係止されている。ワイヤ23の端部は、他の側面側へは移動可能である。
【0022】
なお、外ケース10は、内ケース20を外側から覆うように被せる構造なので、内ケース20の内ケース側面端部20aより外側に、外ケース10の外ケース側面端部10aが配置されている。嵌合を取り外す場合には、この外ケース側面端部10aを治具により、主面側に持ち上げるようにして取り外すが、その詳細は、図5で説明する。
【0023】
次に、嵌合部50の内、ワイヤ用爪13とワイヤ23との嵌合部分の動きについて詳しく説明する。
図4は、本発明の実施例1に係る嵌合部50の構造斜視図である。ワイヤ用爪13とワイヤ23に関連したものを主に示す。(A)は斜視図である。(B)は、(A)のX−X方向から見た図であり、図3(D)X2−X2相当である。(C)は、(A)のY−Y方向から見た図である。
【0024】
外ケース10には、ワイヤ用爪13とガイド凹部15が設けられる。内ケース20には、前記ワイヤ用爪13とガイド凹部15に対峙する位置に、ワイヤ23とガイド凸部25が設けられる。内ケース20には、さらに、ワイヤ23を係止するためのストッパ26、27、28が設けられる。ストッパ27は、円柱状である。ストッパ26、28は、側面側と主面側が壁になっている。
【0025】
ワイヤ23は、例えば、ピアノ線やSUS製の弾力を有するワイヤであり、(C)の単品状態に示すように、途中がループ部23bのようにループしており、ワイヤ単品状態では、端部23a、23cが開いた形状である。このループ部23bを円柱状のストッパ27に差し込み、端部23a、23cをストッパ26、28に突き当てた状態で係止させる。
【0026】
したがって、ワイヤ23の端部23aには、(C)に示す右方向矢印の付勢力(側面側への方向の付勢力)が常時働いている。また、端部23aは、(B)(C)の図の左方向(他の側面側への方向)に対してはストッパの壁がないので、付勢力には逆らうがフリーである。
【0027】
ワイヤ用爪13は、ワイヤ23に突き当たる背面側の斜め形状の突き当て部13aと、主面側の係止部13bを有する。
【0028】
次に、外ケース10を内ケース20に装着する順序について説明する。順序は、(B)(C)の「当初位置P1」から「途中位置P2」を経て、「嵌合位置P3」となる順序である。
【0029】
まず、「当初位置P1」は、ユーザが、外ケース10を内ケース20の上に置いた状態である。この状態では、突き当て部13aとワイヤ23とが上下方向で対峙している。また、ガイド凹部15とガイド凸部25とが上下方向で対峙している。ワイヤ23の端部23a、23cは、ストッパ26と28で係止しており、嵌合前の初期状態にある。
【0030】
次に、ユーザは、外ケース10を内ケース20の方向に向けて押し込むと、突き当て部13aがワイヤ23に突き当り、ワイヤ23は、突き当て部13aに沿って、付勢力に逆らうが、当初位置P1から途中位置P2へと左方向(側面側から他の側面側への方向)へ押し出されて、(B)(C)の「途中位置P2」に示す状態となる。
【0031】
ユーザは、さらに、外ケース10を内ケース20の方向に向けて押し込むと、(B)の「嵌合位置P3」に示した外ケース10の状態より更に若干背面側の位置まで外ケース10が若干たわんで押し込まれ、ワイヤ23は、元来持っている右方向(側面側への方向)の付勢力により、係止部13bに乗り上げた状態となる。この状態で、使用者が外ケース10を離すと、若干下方向にたわんだ外ケース10が上方向に戻り、ワイヤ23のワイヤ用爪13に接する部分も、当初位置P1に対して最終位置P3に持ち上げられて、(B)(C)の「嵌合位置P3」に示す状態となり、装着が完了する。
【0032】
この「嵌合位置P3」の状態では、ワイヤ23は、当初位置P1に対して最終位置P3への上方向(主面側への方向)に持ち上がっているので、その分の下方向(背面側への方向)の付勢力により、外ケース10は下方向に押し付けられて、ガタが生じない。また、ワイヤ23は、常時、右方向(側面側への方向)の付勢力を有しているので、ワイヤ用爪13と外ケース10を右方向(側面側への方向)へと押し出す力が作用するが、ガイド凸部25がガイド凹部15に係合しているので、ワイヤ用爪13と外ケース10が右方向へ飛び出すことを防止している。
【0033】
このように、ワイヤ23は、ストッパ27部分を支点にして、端部23aは自在に動くことが可能であり、また、ワイヤ23は、断面が円形であるので、ワイヤ用爪13がワイヤ23に突き当たった場合に、ワイヤ23は割合フリーに動き、従って、ワイヤ用爪13にダメージを与えることなく嵌合を行なうことができる。
【0034】
次に、嵌合を取り外す方法について説明する。
図5は、本発明の実施例1に係る嵌合を取り外すシステムを説明する図である。(A)は携帯端末300の外観図、(B)はパネル取替え治具400の外観図、(C)は携帯端末300にパネル取替え治具400を装着したX−X図である。
【0035】
(A)携帯端末300は、図1と同じであり、説明を省略する。
(B)パネル取替え治具400は、携帯端末300の添付品として備えられるものである。パネル取替え治具400は、X−X方向から見て、略H型の形状であり、中央部に第1段差部81がある。両端部の第2段差部82は、第1段差部81に対して主面側方向に盛り上がった段差である。
【0036】
(C)の装着状態に示すように、第1段差部81は、携帯端末300の内ケース20の両側面間の幅部分が入る寸法である。第2段差部82は、携帯端末300の外ケース10の外ケース側面端部10aが乗り上げる配置である。
【0037】
次に、携帯端末300の外ケース10と内ケース20の嵌合を取り外す手順について説明する。ユーザは、パネル取替え治具400の第1段差部81を、携帯端末300の第1筐体100と第2筐体200の間でヒンジ150の近傍に挟んで配置し、(C)のような状態にする。
【0038】
そして、ユーザは、ヒンジ150と反対側の第1筐体100と第2筐体200の端部を押さえて、折り畳む方向の力を加える。そうすると、内ケース20はヒンジ150に固定されており、下方向の力が働くが、外ケース10の外ケース側面端部10aは、第2段差部82に乗り上げて上方向の力を受けて、外ケース10と内ケース20が離れる方向の力が働く。そして、ワイヤ23が横方向にずれて、ワイヤ用爪13から外れて、外ケース10と内ケース20との嵌合が外れる。
【0039】
そして、ユーザは、外ケース10に内包された着せ替えパネル11を取り外して、新しい、着せ替えパネル11に交換し、再び、ケース10と内ケース20とを嵌合させる。
【0040】
本発明の実施例1によれば、嵌合部の一方にバネ性のワイヤを使用し、ワイヤの付勢力と移動の自由さ及びワイヤの円柱構造により、このワイヤに嵌合する樹脂性のワイヤ用爪(嵌合爪)との嵌合を滑らかに行なうことができ、嵌合の着脱に伴う嵌合部分、特に、樹脂性の爪の劣化を抑制することができる。
【実施例2】
【0041】
図6は、本発明の実施例2に係る嵌合部50およびヒンジ150の構造斜視図である。実施例1との違いは、嵌合の取り外しを、治具を用いずに、携帯端末300のヒンジ150の部分に、取り外し構造を設けた点である。
【0042】
嵌合部50の外ケース10側の部分は、実施例1と同じであり、図示および説明を省略する。嵌合部50の内ケース20側は、ワイヤ23の端部23aが、ヒンジ150の中まで延伸している。
【0043】
ヒンジ150は、その軸の内部に実装されるヒンジキャップ151と折り畳み用バネ152とヒンジスリブ153を、軸の両端部に有する。図6は、一方の端部のみを示す。ヒンジキャップ151には、ワイヤ23の端部23aを収納係止する溝154が穿設されている。
【0044】
ヒンジキャップ151は、本来は、折り畳み式携帯端末の折り畳みを開放するためのものであり、ユーザが、ヒンジ150の両端のヒンジキャップ151を軸の中央部に向かって押し込むことにより、折り畳みが開放されるものである。
【0045】
次に、嵌合の取り外しについて説明する。
図7は、本発明の実施例2に係る嵌合の取り外しを説明する図である。(A)は、図6のX−X方向から見た図、(B)は、図6のY−Y方向から見た図である。
【0046】
(A)X−Xにおいて、新たに、板バネ30は、外ケース10と内ケース20との間に挟まれた状態で固定してあり、外ケース10と内ケース20とを離す方向の付勢力を有する。
【0047】
(A)(B)の「嵌合位置P3」の状態は、外ケース10と内ケース20が嵌合した状態である。この状態から、ユーザは、ヒンジキャップ151をヒンジ150の軸の内部に押し込むと、ワイヤ23の端部23aは、側面から他の側面方向に向けて押し込まれて、(A)(B)の「途中位置P2」の状態となる。この状態では、ワイヤ23が左方向へ押されて、ワイヤ用爪13との嵌合が外れた状態となる。そうなると、板バネ30の付勢力により、外ケース10が内ケース20から離れて浮き上がる。
【0048】
そして、ユーザは、外ケース10に内包された着せ替えパネル11を取り外して、新しい、着せ替えパネル11に交換し、再び、ケース10と内ケース20とを嵌合させる。
【0049】
本発明の実施例2によれば、実施例1の効果に加え、嵌合取り外し用の治具を設ける必要がない。
なお、本発明の筐体は、携帯電話機、PHS、データ端末などに応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施例1に係る携帯端末300の外観斜視図。
【図2】本発明の実施例1に係る第1筐体100の分解斜視図。
【図3】本発明の実施例1に係る第1筐体100の構造図。
【図4】本発明の実施例1に係る嵌合部50の構造斜視図。
【図5】本発明の実施例1に係る嵌合を取り外すシステムを説明する図。
【図6】本発明の実施例2に係る嵌合部50およびヒンジ150の構造斜視図。
【図7】本発明の実施例2に係る嵌合の取り外しを説明する図。
【符号の説明】
【0051】
10 外ケース
10a 外ケース側面端部
11 着せ替えパネル
12 副表示部用窓
13 ワイヤ用爪
13a 突き当て部
13b 係止部
14 凸部14
15 ガイド凹部
20 内ケース20
20a 内ケース側面端部
21 副表示部
22 目隠しパネル
23 ワイヤ
23a、23c 端部
23b ループ部
24 凹部24
25 ガイド凸部
26、27、28 ストッパ
30 板バネ
50 嵌合部
71 送話器
72 テンキー
81 第1段差部
82 第2段差部
100 第1筐体
150 ヒンジ
151 ヒンジキャップ
152 折り畳み用バネ
153 ヒンジスリブ
154 溝
200 第2筐体
300 携帯端末
400 パネル取替え治具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内ケースと外ケースとが嵌合して、外ケース側に主面、内ケース側に背面、および両側面を構成する電子機器であって、
前記外ケースは、嵌合爪を有し、
前記内ケースは、前記主面から背面への第1の方向で前記嵌合爪と対峙して前記側面の長手方向に沿って設けられたバネ製のワイヤを有し、
前記外ケースを前記第1の方向に向けて内ケースに嵌合させる途中段階では、前記ワイヤは、前記嵌合爪の前記背面側の面に押されて前記一側面から他の側面への第2の方向へと逃げ、嵌合の最終段階では、前記ワイヤは、前記第2の方向の逆の方向へ戻って前記嵌合爪の前記主面側の面に乗り上げ、その状態で外ケースと内ケースとが嵌合状態となることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記嵌合の最終段階で、前記ワイヤが前記嵌合爪の前記主面側の面に乗り上げた状態では、前記ワイヤは、前記ワイヤの初期位置よりも前記主面側に持ち上がって、ワイヤの前記第1の方向への付勢力が発生していることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
前記外ケースは、さらに、前記嵌合爪と前記一側面との間に凹部を有し、
前記内ケースは、さらに、前記下方向で前記凹部と対峙する位置に配置された凸部を有し、
前記嵌合の最終段階では、さらに、前記凹部に凸部が係合した状態となることを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項4】
前記ワイヤは、略中央部がループ形状を成し、
前記内ケースは、さらに、前記ループ部分を係止する係止部を設けて、前記ワイヤのループ部分を係止し、前記ワイヤの端部は移動自由とし、
前記ワイヤの移動自由な部分と前記嵌合爪とが嵌合することを特徴とする請求項1記載の電子機器。
【請求項5】
前記ワイヤの移動自由な部分は、常に、前記嵌合爪を前記第2の方向の逆の方向へと押し出す付勢力を有することを特徴とする請求項4記載の電子機器。
【請求項6】
着せ替えパネルを有する電子機器と、この電子機器に装着して前記着せ替えパネルの交換を行なうパネル取替え治具とを有するシステムであって、
前記電子機器は、
第1の筐体と第2の筐体とがヒンジで連結された折り畳み形状であり、
前記第1の筐体は、
前記第2の筐体に対面する内ケースと、
この内ケースを覆うように嵌合して、内ケースの両側面より外側に飛び出た両側面端部を有する外ケースと、
内ケースと外ケースとの間に内包する着せ替えパネルを有し、
前記パネル取替え治具は、
略H型の形状であり、中央部に前記内ケースの両側面間の幅が入る第1の段差部と、
この第1の段差部の両端部に設けられた第2の段差部とを備え、
前記パネル取替え治具の第1の段差部を、前記電子機器のヒンジの近傍で第1の筐体と第2の筐体との間に挟んで、第1の筐体と第2の筐体を折り畳むことにより、前記外ケースの両側面端部が前記第2の段差部に乗り上げて、前記内ケースと外ケースとの嵌合が外れることを特徴とするシステム。
【請求項7】
内ケースと外ケースとが嵌合して、外ケース側に主面、内ケース側に背面、および両側面を構成し、この内ケースに折り畳み式ヒンジの一方が固着された電子機器であって、
前記外ケースは、嵌合爪を有し、
前記内ケースは、前記主面から背面への第1の方向で前記嵌合爪に対峙して前記側面の長手方向に沿って設けられて端部が前記ヒンジまで延伸したバネ製のワイヤを有し、
前記ワイヤが前記嵌合爪の前記主面側の面に乗り上げた状態で外ケースと内ケースとが嵌合状態となり、
前記ヒンジは、
このヒンジの軸方向に押し込んで前記折り畳みの開放を行うと共に、前記ワイヤの端部を収納係止する溝部が穿設されたヒンジキャップを有し、
前記ヒンジキャップをヒンジの軸方向に押し込むことで、前記嵌合爪に嵌合した前記ワイヤを前記一側面から他の側面への第2の方向へと逃がして前記嵌合状態を解除することを特徴とする電子機器。
【請求項8】
さらに、前記内ケースと外ケースの間に、この内ケースと外ケースが離れる方向の付勢力を有する解除バネを設け、
前記嵌合状態を解除したときに、前記解除バネの付勢力により前記内ケースと外ケースが離れることを特徴とする請求項7記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−45635(P2010−45635A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−208603(P2008−208603)
【出願日】平成20年8月13日(2008.8.13)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】