電子機器の消音機構及び消音器
【課題】電子機器から発生する騒音のピーク周波数に応じて、消音可能な周波数に設定できる消音器を有することにより、騒音のピーク周波数の音を消音する電子機器の消音機構及び消音器を提供する。
【解決手段】電子機器30が発する音を消音する電子機器の消音機構であって、対向する第1及び第2の部材によって挟持して部屋を形成し、かつ、第1及び第2の部材をその対向方向に移動可能にすることによって部屋の容積を可変とし、部屋によって電子機器30が発するある周波数の音を消音する消音器を、電子機器30の側面に配置する。
【解決手段】電子機器30が発する音を消音する電子機器の消音機構であって、対向する第1及び第2の部材によって挟持して部屋を形成し、かつ、第1及び第2の部材をその対向方向に移動可能にすることによって部屋の容積を可変とし、部屋によって電子機器30が発するある周波数の音を消音する消音器を、電子機器30の側面に配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の消音機構及び消音器に係り、特に、発熱体を冷却する送風機を備えた電子機器の騒音を消音する電子機器の消音機構及び消音器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器に搭載されるCPU等の半導体部品は、素子の微細加工の進歩により高密度化しており、これに伴い半導体部品からの発熱量は増加している。このため、半導体部品を冷却するために電子機器に搭載される送風機の実装数及び回転数は増加し、その結果、電子機器の騒音値は上昇している。
【0003】
一方で、電子機器は事務室に設置される頻度が高くなり、電子機器の低騒音化の要望が強い。この問題を解決するため、電子機器の筐体内部の送風機の近傍、あるいは電子機器を搭載しているラックキャビネット等に、吸音材等を用いた静音化構造を施す対策を行っている。特許文献1には、筐体内部に設けたダクトの内面に吸音材を貼り付けて、排気騒音を減衰させる電子機器の低騒音化構造に関する技術が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開平5−226864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、吸音材の材料特性に応じた比較的広範囲の周波数帯では減音効果を得ることは可能であるが、ある特定のピーク周波数をターゲットにする場合、大きな減音効果を得ることは難しい。騒音に対する不快感を緩和する際は、騒音全体の音圧を低下させるだけでなく、ピーク周波数での音をいかに低減するかがポイントとなる。
【0006】
電子機器に搭載される送風機の実装数や回転数は、電子機器の種類によって異なり、各電子機器が発生する騒音のピーク周波数も様々である。そのため、例えば、ラックキャビネット等に搭載された電子機器の騒音を、消音器を構成する消音構造を用いて低減させる場合は、各周波数帯での騒音解析を行った上でピーク周波数の騒音を低減させなければならない。さらに、ラックキャビネット内に新たに電子機器が増設された場合、複数のピーク周波数の騒音を低減させる必要がある。
【0007】
本発明の目的は、電子機器から発生する騒音のピーク周波数に応じて、消音可能な周波数に設定できる消音器を有することにより、騒音のピーク周波数の音を消音する電子機器の消音機構及び消音器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の電子機器の消音機構は、好ましい例では、電子機器が発する音を消音する電子機器の消音機構であって、対向する第1及び第2の部材によって挟持して部屋を形成し、かつ、該第1及び第2の部材をその対向方向に移動可能にすることによって該部屋の容積を可変とし、該部屋によって電子機器が発するある周波数の音を消音する消音器を、該電子機器の側面に配置するように構成することができる。
【0009】
また、好ましい例では、該電子機器は、発熱体を冷却する送風機を有し、該消音器は、該送風機の排気側の該電子機器の側面に配置されて、膨張型消音器の空洞部を形成し、該空洞部の容積を可変とすることによって、該電子機器が発するある周波数の音を消音するように構成することができる。
【0010】
また、好ましい例では、該電子機器は、発熱体を冷却する送風機を有し、該消音器は、該送風機の排気側に対して垂直の該電子機器の側面に配置されて、共鳴型消音器の空洞部又は頚部を形成し、該空洞部又は該頚部の容積を可変とすることによって、該電子機器が発するある周波数の音を消音するように構成することができる。
【0011】
また、好ましい例では、電子機器が発する音を消音する電子機器の消音機構であって、該電子機器を収納するラックと、対向する第1及び第2の部材によって挟持して部屋を形成し、かつ、該第1及び第2の部材をその対向方向に移動可能にすることによって該部屋の容積を可変とし、該部屋によって該ラックに収納された該電子機器が発するある周波数の音を消音する消音器を、該ラックの側面に配置するように構成することができる。
【0012】
また、好ましい例では、該電子機器は、発熱体を冷却する送風機を有し、該消音器は、該送風機の排気側の該ラックの側面に配置されて、膨張型消音器の空洞部を形成し、該空洞部の容積を可変とすることによって、該ラックに収納された該電子機器が発するある周波数の音を消音するように構成することができる。
【0013】
また、好ましい例では、該電子機器は、発熱体を冷却する送風機を有し、該消音器は、該送風機の排気側に対して垂直の該ラックの側面に配置されて、共鳴型消音器の空洞部又は頚部を形成し、該空洞部又は該頚部の容積を可変とすることによって、該ラックに収納された該電子機器が発するある周波数の音を消音するように構成することができる。
【0014】
また、本発明の消音機は、好ましい例では、対向する第1及び第2の部材によって挟持して部屋を形成し、かつ、該第1及び第2の部材をその対向方向に移動可能にすることによって該部屋の容積を可変とし、該部屋によってある周波数の音を消音するように構成することができる。
【0015】
また、本発明の電子機器の消音機構又は消音器は、好ましい例では、該第1及び第2の部材の材質は、ウレタンであるように構成することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、電子機器から発生する騒音のピーク周波数に応じて、消音可能な周波数に設定できる消音器を有することにより、騒音のピーク周波数の音を消音する電子機器の消音機構及び消音器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
【0018】
図1及び図2を参照して、膨張型消音器を有する消音機構について説明する。
【0019】
図1に、膨張型消音器を有する消音機構の全体図を、図2に、正面図(a)及び正面図(a)のA−A断面図(b)を示す。
【0020】
消音機構は、対向する消音構造体1及び消音構造体2の2つの部材(材質は、例えばウレタン)からなり、消音構造体1及び消音構造体2によって挟持して空間を形成することによって膨張型消音器を構成している。消音機構は、流体の流路となる管部5、6の途中に断面積の大きい空洞部7を設け、この空洞部7で音波反射することで特定の周波数の音波を打ち消し合うことにより、特定の周波数の音を消音する。
【0021】
また、消音機構は、消音構造体1及び消音構造体2により、空洞部7がスライド自在となるスライド機構3を有している。消音構造体1又は消音構造体2をスライドさせ、空洞部寸法8を所定の寸法に変えることによって、空洞部7の容積を可変とすることができる。
【0022】
消音機構を正面から見た場合、膨張型消音器の開口部4が多数設けられている。膨張型消音器は、入口側及び出口側に設けられた管部5、6と空洞部7から構成されている。気体は膨張型消音器の開口部4から入り、管部5、空洞部7、管部6を通過する。スライド機構3で空洞部寸法8を変えることにより、外側から入り込んだ音の大きさと、材料を通って内側に入った音の大きさとの差(透過損失)が最大となる周波数も変化する。従って、対象となる騒音のピ−ク周波数さえわかれば、そのピーク周波数での透過損失を最大にする空洞部寸法をスライド機構3により設定することで、騒音を低減することが可能となる。
【0023】
図3は、複数のピーク周波数の消音について説明するための図であり、消音機構の正面図(a)及び正面図(a)のA−A断面図(b)を示す。
【0024】
図3の消音機構は、複数の膨張型消音器を、仕切り9を設けることによって分割できる構成である。この構成により、膨張型消音器の空洞部寸法を同時に複数設定することができるので、複数のピーク周波数をもつ騒音を低減することが可能となる。
【0025】
尚、騒音のピーク周波数の検知及び膨張型消音器の空洞部寸法の設定については、手動、自動どちらも含める。また、本実施例では、膨張型消音器の管部5、6及び空洞部7の断面形状は円形であるが、長方形やその他の多角形としてもよい。また、管部の一部が空洞部に挿入されたもの(短管挿入膨張型消音器)や、消音器(空洞部等)に吸音材等を内張りした構成としてもよい。
【0026】
次に、共鳴型消音器を有する消音機構について説明する。
【0027】
図4に、共鳴型消音器を有する消音機構の正面図(a)及び正面図(a)のA−A断面図(b)を示す。
【0028】
消音機構は、図1乃至3で示した複数の膨張型消音器を、共鳴を利用して消音する複数の共鳴型消音器に置換した構成である。
【0029】
消音機構は、対向する消音構造体13及び消音構造体14の2つの部材(材質は、例えばウレタン)からなり、消音構造体13及び消音構造体14によって挟持して空間を形成することによって共鳴型消音器を構成している。また、消音機構は、消音構造体13及び消音構造体14により、空洞部18がスライド自在となるスライド機構15を有している。消音構造体13又は消音構造体14をスライドさせ、空洞部寸法19を所定の寸法に変えることによって、空洞部18の容積を可変とすることができる。消音構造体13又は消音構造体14をスライドすることによって、空洞部寸法19を所定の寸法に変えることができる。スライド機構15で空洞部寸法19を変えることにより、外側から入り込んだ音の大きさと、材料を通って内側に入った音の大きさとの差(透過損失)が最大となる周波数も変化する。従って、対象となる騒音のピ−ク周波数さえわかれば、そのピーク周波数での透過損失を最大にする空洞部寸法をスライド機構15により設定することで、騒音を低減することが可能となる。
【0030】
図5は、複数のピーク周波数の消音について説明するための図であり、消音機構の正面図(a)及び正面図(a)のA−A断面図(b)を示す。
【0031】
図5の消音機構は、複数の共鳴型消音器を、仕切り20を設けることによって分割できる構成である。この構成により、共鳴型消音器の空洞部寸法を同時に複数設定することができるので、複数のピーク周波数をもつ騒音を低減することが可能となる。
【0032】
次に、頚部にスライド機構を有する消音機構について説明する。
【0033】
図6に、頚部にスライド機構を有する消音機構の正面図(a)及び正面図(a)のA−A断面図(b)を示す。
【0034】
図4及び5の消音機構は、スライド機構を空洞部に有する構成を示したが、図6の消音機構は、頚部に有する構成である。
【0035】
消音機構は、消音構造体24及び消音構造体25により、共鳴型消音器の頚部50がスライド自在となるスライド機構26を有している。消音構造体24又は消音構造体25をスライドさせ、頚部寸法27を所定の寸法に変えることによって、頚部50の容積を可変とすることができる。騒音のピーク周波数での減音効果が最大となる頚部寸法をスライド機構26によって設定することにより、騒音を低減することが可能となる。
【0036】
尚、共鳴型消音器は、膨張型消音器とは異なり構造上、通気性がない。従って、発熱体を冷却する送風機を備えた電子機器に対しては、電子機器内外の側面側に(入排気面でない面)に、消音機構を設置することが好ましい。
【0037】
また、騒音のピーク周波数の検知及び共鳴型消音器の空洞部又は頚部寸法の設定については、手動、自動どちらも含める。また、本実施例では、共鳴型消音器の頚部17及び空洞部18の断面形状は円形であるが、長方形やその他の多角形としてもよい。また、頚部の一部が空洞部に挿入されたものや、共鳴型消音器の内部に吸音材等を内張りした構成としてもよい。
【0038】
図7及び図8を参照して、膨張型消音器を有する消音機構を設置したラックの構成例について説明する。
【0039】
図7に、膨張型消音器を有する消音機構を設置したラックの構成例の全体図を、図8に、側面図を示す。
【0040】
電子機器収納用のラック28には、発熱体を冷却するための送風機31を備えた電子機器30が収納されている。ラック28の扉部分には、図1乃至3で示した膨張型消音器を有する消音機構が設置されている。この消音機構は、膨張型消音器の通気性の観点から、電子機器に備えられた送風機の送風方向となる排気側に設置されている。
【0041】
消音機構のスライド機構により、膨張型消音器の空洞部寸法を調節することで、
ラック28に収納された電子機器の冷却性を保持しつつ、電子機器が発する騒音のピーク周波数に応じた減音が実現される。
【0042】
図9は、複数(本実施例では2つ)の電子機器を収納したラックにおいて、複数の電子機器から発生する騒音の異なる複数のピーク周波数の音の消音について説明するための図であり、膨張型消音器を有する消音機構が設置されたラックの構成例を示す側面の断面図である。
【0043】
ラック29には、送風機31を備えた電子機器30、及び送風機33を備えた電子機器32の2つの電子機器が収納されている。ラック29の扉部分には、膨張型消音器を分割可能な構成である膨張型消音器を有する消音機構(図3)が設置されている。本構成により、2つの電子機器から発生する騒音のそれぞれの異なるピーク周波数に応じて、膨張型消音器の空洞部寸法がそれぞれ個別に設定できるので、電子機器30及び32から発生する騒音の異なる2つのピーク周波数の音の減音が実現できる。
【0044】
図10は、膨張型消音器を有する消音機構及び共鳴型消音器を有する消音機構が設置されたラックの構成例を示す上面の断面図である。
【0045】
電子機器収納用のラック60には、発熱体を冷却するための送風機35を備えた電子機器70が収納されている。電子機器70の入気側及び排気側のラック60の扉部分には、図1乃至3で示した膨張型消音器を有する消音機構が設置されている。この膨張型消音器を有する消音機構を設置することで、ラック60に収納された電子機器70の冷却性を保持しつつ、電子機器70が発する騒音のピーク周波数に応じた減音が実現される。
【0046】
さらに、電子機器70の入気側及び排気側とは垂直方向のラック60の側面部分には、図4乃至6で示した共鳴型消音器を有する消音機構が設置されている。この共鳴型消音器を有する消音機構を設置することで、ラック60に収納された電子機器70が発する騒音のピーク周波数に応じた減音が実現される。
【0047】
図11及び図12を参照して、膨張型消音器を有する消音機構が設置された電子機器の構成例について説明する。
【0048】
図11に、膨張型消音器を有する消音機構が設置された電子機器の構成例の全体図を、図12に、側面図を示す。
【0049】
発熱体を冷却するための送風機31を備えた電子機器30には、図1乃至3で示した膨張型消音器を有する消音機構が設置されている。この膨張型消音器を有する消音機構は、膨張型消音器の通気性の観点から、送風機の送風方向となる排気側に設置されている。消音機構のスライド機構により、膨張型消音器の空洞部寸法を調節することで、電子機器の冷却性を保持しつつ、電子機器が発する騒音のピーク周波数に応じた減音が実現される。
【0050】
また、図10のように、さらに、電子機器30の排気側に対して垂直方向となる電子機器30の側面に、図4乃至6で示した共鳴型消音器を有する消音機構を設置する構成としてもよい。
【0051】
以上、本実施例によれば、膨張型消音器及び共鳴型消音器を有する消音機構を、送風機を搭載した電子機器の筐体に設置することにより、電子機器が発生する騒音のピーク周波数に合わせて消音器のターゲット周波数を設定し、装置の騒音を低減することができる。また、消音器のターゲット周波数を決定する部位の寸法を変更させることにより、消音したい周波数をフレキシブルに設定できる機構なので、例えばラックキャビネットに適用された場合等、新たな部材の取付けを行う必要は無く、搭載する電子装置の台数・種類により変化する騒音に対し、最大限の騒音低減を図ることが可能となる。さらに、冷却流体を通過させる膨張型消音器から構成される膨張型消音器を有する消音機構は、消音器の数や大きさを最適化し、消音器の開口をバランスよく配置することで、消音機構を冷却流体が通過する際の圧力損失の低減及び冷却流体の分布ばらつきの抑制が可能であり、消音機構が適用される電子機器ならびに電子機器が搭載されるラックにおける冷却性能の低下を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本実施例による膨張型消音器を有する消音機構を説明するための図(その1)。
【図2】本実施例による膨張型消音器を有する消音機構を説明するための図(その2)。
【図3】本実施例による膨張型消音器を有する消音機構を説明するための図(その3)。
【図4】本実施例による共鳴型消音器を有する消音機構を説明するための図(その1)。
【図5】本実施例による共鳴型消音器を有する消音機構を説明するための図(その2)。
【図6】本実施例による共鳴型消音器を有する消音機構を説明するための図(その3)。
【図7】本実施例による膨張型消音器を有する消音機構が設置されたラックの構成例を示す図(その1)。
【図8】本実施例による膨張型消音器を有する消音機構が設置されたラックの構成例を示す図(その2)。
【図9】本実施例による膨張型消音器を有する消音機構が設置されたラックの構成例を示す図(その3)。
【図10】本実施例による膨張型消音器及び共鳴型消音器を有する消音機構が設置されたラックの構成例を示す図。
【図11】本実施例による膨張型消音器を有する消音機構が設置された電子機器の構成例を示す図(その1)。
【図12】本実施例による膨張型消音器を有する消音機構が設置された電子機器の構成例を示す図(その1)。
【符号の説明】
【0053】
1、2、13、14:消音構造体、 3、15、26:スライド機構、 4、16:開口部、 5、6:管部、 7、18:空洞部、 8、19:空洞部寸法、 9、20:仕切り、 10、11、12、21、22、23、24、25:消音構造体、 17、50:頚部、 27:頚部寸法、 28、29:ラック、 30、32、34:電子機器、 31、33、35:送風機。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器の消音機構及び消音器に係り、特に、発熱体を冷却する送風機を備えた電子機器の騒音を消音する電子機器の消音機構及び消音器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器に搭載されるCPU等の半導体部品は、素子の微細加工の進歩により高密度化しており、これに伴い半導体部品からの発熱量は増加している。このため、半導体部品を冷却するために電子機器に搭載される送風機の実装数及び回転数は増加し、その結果、電子機器の騒音値は上昇している。
【0003】
一方で、電子機器は事務室に設置される頻度が高くなり、電子機器の低騒音化の要望が強い。この問題を解決するため、電子機器の筐体内部の送風機の近傍、あるいは電子機器を搭載しているラックキャビネット等に、吸音材等を用いた静音化構造を施す対策を行っている。特許文献1には、筐体内部に設けたダクトの内面に吸音材を貼り付けて、排気騒音を減衰させる電子機器の低騒音化構造に関する技術が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開平5−226864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、吸音材の材料特性に応じた比較的広範囲の周波数帯では減音効果を得ることは可能であるが、ある特定のピーク周波数をターゲットにする場合、大きな減音効果を得ることは難しい。騒音に対する不快感を緩和する際は、騒音全体の音圧を低下させるだけでなく、ピーク周波数での音をいかに低減するかがポイントとなる。
【0006】
電子機器に搭載される送風機の実装数や回転数は、電子機器の種類によって異なり、各電子機器が発生する騒音のピーク周波数も様々である。そのため、例えば、ラックキャビネット等に搭載された電子機器の騒音を、消音器を構成する消音構造を用いて低減させる場合は、各周波数帯での騒音解析を行った上でピーク周波数の騒音を低減させなければならない。さらに、ラックキャビネット内に新たに電子機器が増設された場合、複数のピーク周波数の騒音を低減させる必要がある。
【0007】
本発明の目的は、電子機器から発生する騒音のピーク周波数に応じて、消音可能な周波数に設定できる消音器を有することにより、騒音のピーク周波数の音を消音する電子機器の消音機構及び消音器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の電子機器の消音機構は、好ましい例では、電子機器が発する音を消音する電子機器の消音機構であって、対向する第1及び第2の部材によって挟持して部屋を形成し、かつ、該第1及び第2の部材をその対向方向に移動可能にすることによって該部屋の容積を可変とし、該部屋によって電子機器が発するある周波数の音を消音する消音器を、該電子機器の側面に配置するように構成することができる。
【0009】
また、好ましい例では、該電子機器は、発熱体を冷却する送風機を有し、該消音器は、該送風機の排気側の該電子機器の側面に配置されて、膨張型消音器の空洞部を形成し、該空洞部の容積を可変とすることによって、該電子機器が発するある周波数の音を消音するように構成することができる。
【0010】
また、好ましい例では、該電子機器は、発熱体を冷却する送風機を有し、該消音器は、該送風機の排気側に対して垂直の該電子機器の側面に配置されて、共鳴型消音器の空洞部又は頚部を形成し、該空洞部又は該頚部の容積を可変とすることによって、該電子機器が発するある周波数の音を消音するように構成することができる。
【0011】
また、好ましい例では、電子機器が発する音を消音する電子機器の消音機構であって、該電子機器を収納するラックと、対向する第1及び第2の部材によって挟持して部屋を形成し、かつ、該第1及び第2の部材をその対向方向に移動可能にすることによって該部屋の容積を可変とし、該部屋によって該ラックに収納された該電子機器が発するある周波数の音を消音する消音器を、該ラックの側面に配置するように構成することができる。
【0012】
また、好ましい例では、該電子機器は、発熱体を冷却する送風機を有し、該消音器は、該送風機の排気側の該ラックの側面に配置されて、膨張型消音器の空洞部を形成し、該空洞部の容積を可変とすることによって、該ラックに収納された該電子機器が発するある周波数の音を消音するように構成することができる。
【0013】
また、好ましい例では、該電子機器は、発熱体を冷却する送風機を有し、該消音器は、該送風機の排気側に対して垂直の該ラックの側面に配置されて、共鳴型消音器の空洞部又は頚部を形成し、該空洞部又は該頚部の容積を可変とすることによって、該ラックに収納された該電子機器が発するある周波数の音を消音するように構成することができる。
【0014】
また、本発明の消音機は、好ましい例では、対向する第1及び第2の部材によって挟持して部屋を形成し、かつ、該第1及び第2の部材をその対向方向に移動可能にすることによって該部屋の容積を可変とし、該部屋によってある周波数の音を消音するように構成することができる。
【0015】
また、本発明の電子機器の消音機構又は消音器は、好ましい例では、該第1及び第2の部材の材質は、ウレタンであるように構成することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、電子機器から発生する騒音のピーク周波数に応じて、消音可能な周波数に設定できる消音器を有することにより、騒音のピーク周波数の音を消音する電子機器の消音機構及び消音器を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明を実施するための最良の形態を、以下の実施例に基づき図面を参照しつつ説明する。
【0018】
図1及び図2を参照して、膨張型消音器を有する消音機構について説明する。
【0019】
図1に、膨張型消音器を有する消音機構の全体図を、図2に、正面図(a)及び正面図(a)のA−A断面図(b)を示す。
【0020】
消音機構は、対向する消音構造体1及び消音構造体2の2つの部材(材質は、例えばウレタン)からなり、消音構造体1及び消音構造体2によって挟持して空間を形成することによって膨張型消音器を構成している。消音機構は、流体の流路となる管部5、6の途中に断面積の大きい空洞部7を設け、この空洞部7で音波反射することで特定の周波数の音波を打ち消し合うことにより、特定の周波数の音を消音する。
【0021】
また、消音機構は、消音構造体1及び消音構造体2により、空洞部7がスライド自在となるスライド機構3を有している。消音構造体1又は消音構造体2をスライドさせ、空洞部寸法8を所定の寸法に変えることによって、空洞部7の容積を可変とすることができる。
【0022】
消音機構を正面から見た場合、膨張型消音器の開口部4が多数設けられている。膨張型消音器は、入口側及び出口側に設けられた管部5、6と空洞部7から構成されている。気体は膨張型消音器の開口部4から入り、管部5、空洞部7、管部6を通過する。スライド機構3で空洞部寸法8を変えることにより、外側から入り込んだ音の大きさと、材料を通って内側に入った音の大きさとの差(透過損失)が最大となる周波数も変化する。従って、対象となる騒音のピ−ク周波数さえわかれば、そのピーク周波数での透過損失を最大にする空洞部寸法をスライド機構3により設定することで、騒音を低減することが可能となる。
【0023】
図3は、複数のピーク周波数の消音について説明するための図であり、消音機構の正面図(a)及び正面図(a)のA−A断面図(b)を示す。
【0024】
図3の消音機構は、複数の膨張型消音器を、仕切り9を設けることによって分割できる構成である。この構成により、膨張型消音器の空洞部寸法を同時に複数設定することができるので、複数のピーク周波数をもつ騒音を低減することが可能となる。
【0025】
尚、騒音のピーク周波数の検知及び膨張型消音器の空洞部寸法の設定については、手動、自動どちらも含める。また、本実施例では、膨張型消音器の管部5、6及び空洞部7の断面形状は円形であるが、長方形やその他の多角形としてもよい。また、管部の一部が空洞部に挿入されたもの(短管挿入膨張型消音器)や、消音器(空洞部等)に吸音材等を内張りした構成としてもよい。
【0026】
次に、共鳴型消音器を有する消音機構について説明する。
【0027】
図4に、共鳴型消音器を有する消音機構の正面図(a)及び正面図(a)のA−A断面図(b)を示す。
【0028】
消音機構は、図1乃至3で示した複数の膨張型消音器を、共鳴を利用して消音する複数の共鳴型消音器に置換した構成である。
【0029】
消音機構は、対向する消音構造体13及び消音構造体14の2つの部材(材質は、例えばウレタン)からなり、消音構造体13及び消音構造体14によって挟持して空間を形成することによって共鳴型消音器を構成している。また、消音機構は、消音構造体13及び消音構造体14により、空洞部18がスライド自在となるスライド機構15を有している。消音構造体13又は消音構造体14をスライドさせ、空洞部寸法19を所定の寸法に変えることによって、空洞部18の容積を可変とすることができる。消音構造体13又は消音構造体14をスライドすることによって、空洞部寸法19を所定の寸法に変えることができる。スライド機構15で空洞部寸法19を変えることにより、外側から入り込んだ音の大きさと、材料を通って内側に入った音の大きさとの差(透過損失)が最大となる周波数も変化する。従って、対象となる騒音のピ−ク周波数さえわかれば、そのピーク周波数での透過損失を最大にする空洞部寸法をスライド機構15により設定することで、騒音を低減することが可能となる。
【0030】
図5は、複数のピーク周波数の消音について説明するための図であり、消音機構の正面図(a)及び正面図(a)のA−A断面図(b)を示す。
【0031】
図5の消音機構は、複数の共鳴型消音器を、仕切り20を設けることによって分割できる構成である。この構成により、共鳴型消音器の空洞部寸法を同時に複数設定することができるので、複数のピーク周波数をもつ騒音を低減することが可能となる。
【0032】
次に、頚部にスライド機構を有する消音機構について説明する。
【0033】
図6に、頚部にスライド機構を有する消音機構の正面図(a)及び正面図(a)のA−A断面図(b)を示す。
【0034】
図4及び5の消音機構は、スライド機構を空洞部に有する構成を示したが、図6の消音機構は、頚部に有する構成である。
【0035】
消音機構は、消音構造体24及び消音構造体25により、共鳴型消音器の頚部50がスライド自在となるスライド機構26を有している。消音構造体24又は消音構造体25をスライドさせ、頚部寸法27を所定の寸法に変えることによって、頚部50の容積を可変とすることができる。騒音のピーク周波数での減音効果が最大となる頚部寸法をスライド機構26によって設定することにより、騒音を低減することが可能となる。
【0036】
尚、共鳴型消音器は、膨張型消音器とは異なり構造上、通気性がない。従って、発熱体を冷却する送風機を備えた電子機器に対しては、電子機器内外の側面側に(入排気面でない面)に、消音機構を設置することが好ましい。
【0037】
また、騒音のピーク周波数の検知及び共鳴型消音器の空洞部又は頚部寸法の設定については、手動、自動どちらも含める。また、本実施例では、共鳴型消音器の頚部17及び空洞部18の断面形状は円形であるが、長方形やその他の多角形としてもよい。また、頚部の一部が空洞部に挿入されたものや、共鳴型消音器の内部に吸音材等を内張りした構成としてもよい。
【0038】
図7及び図8を参照して、膨張型消音器を有する消音機構を設置したラックの構成例について説明する。
【0039】
図7に、膨張型消音器を有する消音機構を設置したラックの構成例の全体図を、図8に、側面図を示す。
【0040】
電子機器収納用のラック28には、発熱体を冷却するための送風機31を備えた電子機器30が収納されている。ラック28の扉部分には、図1乃至3で示した膨張型消音器を有する消音機構が設置されている。この消音機構は、膨張型消音器の通気性の観点から、電子機器に備えられた送風機の送風方向となる排気側に設置されている。
【0041】
消音機構のスライド機構により、膨張型消音器の空洞部寸法を調節することで、
ラック28に収納された電子機器の冷却性を保持しつつ、電子機器が発する騒音のピーク周波数に応じた減音が実現される。
【0042】
図9は、複数(本実施例では2つ)の電子機器を収納したラックにおいて、複数の電子機器から発生する騒音の異なる複数のピーク周波数の音の消音について説明するための図であり、膨張型消音器を有する消音機構が設置されたラックの構成例を示す側面の断面図である。
【0043】
ラック29には、送風機31を備えた電子機器30、及び送風機33を備えた電子機器32の2つの電子機器が収納されている。ラック29の扉部分には、膨張型消音器を分割可能な構成である膨張型消音器を有する消音機構(図3)が設置されている。本構成により、2つの電子機器から発生する騒音のそれぞれの異なるピーク周波数に応じて、膨張型消音器の空洞部寸法がそれぞれ個別に設定できるので、電子機器30及び32から発生する騒音の異なる2つのピーク周波数の音の減音が実現できる。
【0044】
図10は、膨張型消音器を有する消音機構及び共鳴型消音器を有する消音機構が設置されたラックの構成例を示す上面の断面図である。
【0045】
電子機器収納用のラック60には、発熱体を冷却するための送風機35を備えた電子機器70が収納されている。電子機器70の入気側及び排気側のラック60の扉部分には、図1乃至3で示した膨張型消音器を有する消音機構が設置されている。この膨張型消音器を有する消音機構を設置することで、ラック60に収納された電子機器70の冷却性を保持しつつ、電子機器70が発する騒音のピーク周波数に応じた減音が実現される。
【0046】
さらに、電子機器70の入気側及び排気側とは垂直方向のラック60の側面部分には、図4乃至6で示した共鳴型消音器を有する消音機構が設置されている。この共鳴型消音器を有する消音機構を設置することで、ラック60に収納された電子機器70が発する騒音のピーク周波数に応じた減音が実現される。
【0047】
図11及び図12を参照して、膨張型消音器を有する消音機構が設置された電子機器の構成例について説明する。
【0048】
図11に、膨張型消音器を有する消音機構が設置された電子機器の構成例の全体図を、図12に、側面図を示す。
【0049】
発熱体を冷却するための送風機31を備えた電子機器30には、図1乃至3で示した膨張型消音器を有する消音機構が設置されている。この膨張型消音器を有する消音機構は、膨張型消音器の通気性の観点から、送風機の送風方向となる排気側に設置されている。消音機構のスライド機構により、膨張型消音器の空洞部寸法を調節することで、電子機器の冷却性を保持しつつ、電子機器が発する騒音のピーク周波数に応じた減音が実現される。
【0050】
また、図10のように、さらに、電子機器30の排気側に対して垂直方向となる電子機器30の側面に、図4乃至6で示した共鳴型消音器を有する消音機構を設置する構成としてもよい。
【0051】
以上、本実施例によれば、膨張型消音器及び共鳴型消音器を有する消音機構を、送風機を搭載した電子機器の筐体に設置することにより、電子機器が発生する騒音のピーク周波数に合わせて消音器のターゲット周波数を設定し、装置の騒音を低減することができる。また、消音器のターゲット周波数を決定する部位の寸法を変更させることにより、消音したい周波数をフレキシブルに設定できる機構なので、例えばラックキャビネットに適用された場合等、新たな部材の取付けを行う必要は無く、搭載する電子装置の台数・種類により変化する騒音に対し、最大限の騒音低減を図ることが可能となる。さらに、冷却流体を通過させる膨張型消音器から構成される膨張型消音器を有する消音機構は、消音器の数や大きさを最適化し、消音器の開口をバランスよく配置することで、消音機構を冷却流体が通過する際の圧力損失の低減及び冷却流体の分布ばらつきの抑制が可能であり、消音機構が適用される電子機器ならびに電子機器が搭載されるラックにおける冷却性能の低下を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本実施例による膨張型消音器を有する消音機構を説明するための図(その1)。
【図2】本実施例による膨張型消音器を有する消音機構を説明するための図(その2)。
【図3】本実施例による膨張型消音器を有する消音機構を説明するための図(その3)。
【図4】本実施例による共鳴型消音器を有する消音機構を説明するための図(その1)。
【図5】本実施例による共鳴型消音器を有する消音機構を説明するための図(その2)。
【図6】本実施例による共鳴型消音器を有する消音機構を説明するための図(その3)。
【図7】本実施例による膨張型消音器を有する消音機構が設置されたラックの構成例を示す図(その1)。
【図8】本実施例による膨張型消音器を有する消音機構が設置されたラックの構成例を示す図(その2)。
【図9】本実施例による膨張型消音器を有する消音機構が設置されたラックの構成例を示す図(その3)。
【図10】本実施例による膨張型消音器及び共鳴型消音器を有する消音機構が設置されたラックの構成例を示す図。
【図11】本実施例による膨張型消音器を有する消音機構が設置された電子機器の構成例を示す図(その1)。
【図12】本実施例による膨張型消音器を有する消音機構が設置された電子機器の構成例を示す図(その1)。
【符号の説明】
【0053】
1、2、13、14:消音構造体、 3、15、26:スライド機構、 4、16:開口部、 5、6:管部、 7、18:空洞部、 8、19:空洞部寸法、 9、20:仕切り、 10、11、12、21、22、23、24、25:消音構造体、 17、50:頚部、 27:頚部寸法、 28、29:ラック、 30、32、34:電子機器、 31、33、35:送風機。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器が発する音を消音する電子機器の消音機構であって、
対向する第1及び第2の部材によって挟持して部屋を形成し、かつ、該第1及び第2の部材をその対向方向に移動可能にすることによって該部屋の容積を可変とし、該部屋によって電子機器が発するある周波数の音を消音する消音器を、該電子機器の側面に配置することを特徴とする電子機器の消音機構。
【請求項2】
該電子機器は、発熱体を冷却する送風機を有し、
該消音器は、該送風機の排気側の該電子機器の側面に配置されて、膨張型消音器の空洞部を形成し、該空洞部の容積を可変とすることによって、該電子機器が発するある周波数の音を消音することを特徴とする請求項1の電子機器の消音機構。
【請求項3】
該電子機器は、発熱体を冷却する送風機を有し、
該消音器は、該送風機の排気側に対して垂直の該電子機器の側面に配置されて、共鳴型消音器の空洞部又は頚部を形成し、該空洞部又は該頚部の容積を可変とすることによって、該電子機器が発するある周波数の音を消音することを特徴とする請求項1の電子機器の消音機構。
【請求項4】
電子機器が発する音を消音する電子機器の消音機構であって、
該電子機器を収納するラックと、
対向する第1及び第2の部材によって挟持して部屋を形成し、かつ、該第1及び第2の部材をその対向方向に移動可能にすることによって該部屋の容積を可変とし、該部屋によって該ラックに収納された該電子機器が発するある周波数の音を消音する消音器を、該ラックの側面に配置することを特徴とする電子機器の消音機構。
【請求項5】
該電子機器は、発熱体を冷却する送風機を有し、
該消音器は、該送風機の排気側の該ラックの側面に配置されて、膨張型消音器の空洞部を形成し、該空洞部の容積を可変とすることによって、該ラックに収納された該電子機器が発するある周波数の音を消音することを特徴とする請求項4の電子機器の消音機構。
【請求項6】
該電子機器は、発熱体を冷却する送風機を有し、
該消音器は、該送風機の排気側に対して垂直の該ラックの側面に配置されて、共鳴型消音器の空洞部又は頚部を形成し、該空洞部又は該頚部の容積を可変とすることによって、該ラックに収納された該電子機器が発するある周波数の音を消音することを特徴とする請求項4の電子機器の消音機構。
【請求項7】
対向する第1及び第2の部材によって挟持して部屋を形成し、かつ、該第1及び第2の部材をその対向方向に移動可能にすることによって該部屋の容積を可変とし、該部屋によってある周波数の音を消音することを特徴とする消音器。
【請求項8】
該第1及び第2の部材の材質は、ウレタンであることを特徴とする請求項1乃至7の何れかの1項の電子機器の消音機構又は消音器。
【請求項1】
電子機器が発する音を消音する電子機器の消音機構であって、
対向する第1及び第2の部材によって挟持して部屋を形成し、かつ、該第1及び第2の部材をその対向方向に移動可能にすることによって該部屋の容積を可変とし、該部屋によって電子機器が発するある周波数の音を消音する消音器を、該電子機器の側面に配置することを特徴とする電子機器の消音機構。
【請求項2】
該電子機器は、発熱体を冷却する送風機を有し、
該消音器は、該送風機の排気側の該電子機器の側面に配置されて、膨張型消音器の空洞部を形成し、該空洞部の容積を可変とすることによって、該電子機器が発するある周波数の音を消音することを特徴とする請求項1の電子機器の消音機構。
【請求項3】
該電子機器は、発熱体を冷却する送風機を有し、
該消音器は、該送風機の排気側に対して垂直の該電子機器の側面に配置されて、共鳴型消音器の空洞部又は頚部を形成し、該空洞部又は該頚部の容積を可変とすることによって、該電子機器が発するある周波数の音を消音することを特徴とする請求項1の電子機器の消音機構。
【請求項4】
電子機器が発する音を消音する電子機器の消音機構であって、
該電子機器を収納するラックと、
対向する第1及び第2の部材によって挟持して部屋を形成し、かつ、該第1及び第2の部材をその対向方向に移動可能にすることによって該部屋の容積を可変とし、該部屋によって該ラックに収納された該電子機器が発するある周波数の音を消音する消音器を、該ラックの側面に配置することを特徴とする電子機器の消音機構。
【請求項5】
該電子機器は、発熱体を冷却する送風機を有し、
該消音器は、該送風機の排気側の該ラックの側面に配置されて、膨張型消音器の空洞部を形成し、該空洞部の容積を可変とすることによって、該ラックに収納された該電子機器が発するある周波数の音を消音することを特徴とする請求項4の電子機器の消音機構。
【請求項6】
該電子機器は、発熱体を冷却する送風機を有し、
該消音器は、該送風機の排気側に対して垂直の該ラックの側面に配置されて、共鳴型消音器の空洞部又は頚部を形成し、該空洞部又は該頚部の容積を可変とすることによって、該ラックに収納された該電子機器が発するある周波数の音を消音することを特徴とする請求項4の電子機器の消音機構。
【請求項7】
対向する第1及び第2の部材によって挟持して部屋を形成し、かつ、該第1及び第2の部材をその対向方向に移動可能にすることによって該部屋の容積を可変とし、該部屋によってある周波数の音を消音することを特徴とする消音器。
【請求項8】
該第1及び第2の部材の材質は、ウレタンであることを特徴とする請求項1乃至7の何れかの1項の電子機器の消音機構又は消音器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−231463(P2009−231463A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−73809(P2008−73809)
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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