説明

電子機器

【課題】供給電力の異なる複数の電源回路が直列接続された電源装置を備えた電子機器であっても、異常発生時に動力系への電力供給を停止しつつ電源装置からの表示系又はロジック系への電力供給は維持することができる電子機器を提供する。
【解決手段】カウンタ45は時間を計時し、その計時時間がレジスタ46のWDT設定値以下のうちはコンパレータ47の出力値が正常「0」となり、計時時間がWDT設定値を超えると、コンパレータ47の出力値が異常「1」となる。Bレジスタ42にデータを書き込むRW信号が入力される度にレジスタ44はカウンタ45をリセットする。コンパレータ47の出力が正常「1」のうちはOR回路48からイネーブル信号が出力され、その出力が異常「0」になると、イネーブル信号が遮断される。イネーブル信号が遮断されることにより、電動モータへの電力供給は停止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタ等の電子機器に係り、詳しくは例えば電動モータなどの動力系の異常が検出された場合に動力系への電力供給を遮断する機能を備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電子機器の一つであるインクジェット式プリンタにおいては、モータ及び記録ヘッド等の動力系、表示部を有する操作パネル系、CPU等の制御系が設けられており、これら各系に異なる電圧を供給する電源装置が備えられている。例えば例えばプリンタの場合、動力系電圧42V、操作パネル系電圧5V、制御系電圧3.3Vとなっており、3種類の電圧を、商用交流電源100Vから生成している。
【0003】
従来、電源装置には、異なる電圧を生成する方式として2種類あった。1つの方式は、複数の電源回路を直列に接続した方式で、商用交流電源100Vから動力系に供給する電圧を生成する一次電源回路と、一次電源回路の出力電圧を降圧させて制御系に供給する電圧を生成する二次電源回路とを備えていた(例えば、特許文献1)。また、他の方式は、複数の電源回路を並列に接続した方式で、電圧毎に用意された電源回路を用いて、商用交流電源100Vから動力系電圧と制御系電圧をそれぞれ個々に生成する方式である。前者の方式は一次電源回路を遮断すると電子機器の全系の電圧供給が遮断されてしまう一方、後者の方式は、電圧毎に電源回路を個別に遮断できるので、各系の供給電圧を個別に遮断させることができる。近年、電子機器の待機時電力を削減する目的で、一定の待機時間が経過すると、動力系の電圧供給を遮断して、CPU等の制御系を含む一部にだけ電力供給する節電モードを採用した電子機器が増えてきており、この種の電子機器においては、各系への電圧供給を個別に遮断できる後者の方式が特に採用されている。
【0004】
ところで、この種の電子機器には、異常を検出すると電源を遮断する機能が備えられている。例えば特許文献2には、プリンタにおいて、定着ヒータ異常等の重大異常が検出されたときに、電圧供給を遮断する画像形成装置が開示されている。また、この画像形成装置では、プリンタコントローラとエンジンコントローラとの通信異常も監視しており、通信異常が所定時間継続すれば、プリンタコントローラが操作パネルに表示を行うとともに、エンジンコントローラとその制御対象物に対する電力供給が遮断されるようになっていた。これは、プリンタコントローラとエンジンコントローラ間の通信が断たれると、エンジンコントローラが折角異常を検出しても、プリンタコントローラは異常を通信によって知ることができないからである。また、このとき、エンジンコントローラ及びその制御対象物と、操作パネルとは電源系が並列に接続されていたので、エンジンコントローラ等の電力供給を遮断しても、操作パネルの表示が消えることはなかった。
【特許文献1】特開2000−245153号公報
【特許文献2】特開2004−252192号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、電源回路が直列に配列された前者の電源装置を採用する電子機器の場合、動力系に電力供給する一次電源回路が遮断されてしまうと、二次電源回路も遮断されてしまうため、操作パネルの表示ができなくなり、異常の発生をユーザに知らせることができなくなるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、供給電力の異なる複数の電源回路が直列接続された電源装置を備えた電子機器であっても、異常発生時に動力系への電力供給を停止しつつ電源装置からの表示系又はロジック系への電力供給は維持することができる電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、一次電源回路で生成された動力系電力を入力して、二次電源回路が制御系電力を生成する電子機器であって、前記動力系電力により駆動される駆動手段と、
ソフトウェアで動作される制御部と、前記制御部に制御されてイネーブル信号を出力する出力回路と、前記出力回路から出力されたイネーブル信号に基づき前記駆動手段への供給電力を制御する駆動回路と、前記制御部の動作を監視してエラーがあると前記イネーブル信号を遮断する監視回路とを備えたことを要旨とする。
【0008】
これによれば、監視回路は、制御部の動作を監視してエラーがあるとイネーブル信号を遮断する。これにより駆動手段への電力供給が停止される。例えば、エラーが発生した場合に、一次電源回路を遮断して駆動手段への電力供給を遮断すると、二次電源回路も遮断されてしまい、制御系も遮断されてしまうので、エラーを表示等で通知したりエラーの履歴を残したりすることができなくなる。これに対し、本発明の電子機器によれば、一次電源回路は遮断させずに駆動手段への電力供給を遮断するので、エラーの表示や履歴を残すことが可能となる。
【0009】
本発明の電子機器では、前記出力回路は、前記制御部から書き込まれたデータ値に応じたイネーブル信号を出力するものであって、前記監視回路は、前記制御部から出力されたデータ値の駆動回路への書き込みを監視してエラーがあるとイネーブル信号を遮断することが好ましい。
【0010】
これによれば、監視回路は、制御部から出力されたデータ値の駆動回路への書き込みを監視してエラーがあるとイネーブル信号を遮断する。これにより駆動手段への電力供給が停止される。例えば、エラーが発生した場合に、一次電源回路を遮断して駆動手段への電力供給を遮断すると、二次電源回路の電力生成も遮断されてしまい、制御系も遮断されてしまうので、エラーを表示等で通知したりエラーの履歴を残したりすることができなくなる。これに対し、本発明の電子機器によれば、一次電源回路は遮断させずに駆動手段への電力供給を遮断するので、エラーの表示や履歴を残すことが可能となる。
【0011】
本発明の電子機器では、不揮発性の記憶部をさらに備え、前記監視回路でエラーが検出された場合、前記制御部は、前記一次電源回路が遮断される前に前記記憶部にエラー情報を記憶することが好ましい。
【0012】
これによれば、監視回路でエラーが検出された場合は、一次電源回路が遮断される前に記憶部にエラー情報が記憶される。よって、エラー情報を記憶部に残すことができる。なお、一次電源回路の遮断は、制御部が行う構成も含めば、人が電源スイッチを操作して行うものも含む。電源スイッチが操作されて遮断される場合は、エラー検出後直ちにエラーを記憶部に記憶させてもよいし、電源スイッチが操作された段階で、一次電源回路を遮断させる遮断処理が終わるまでの僅かの時間を利用してエラー情報を記憶させるものでもよい。さらに、電源スイッチが操作されてから、エラー情報の記憶処理時間を確保するために電源遮断時期を遅延させる構成をとることもできる。
【0013】
本発明の電子機器では、前記監視回路でエラーが検出された場合は、前記制御部は、前記記憶部にエラー情報を記憶した後に前記制御部は一次電源回路を遮断することが好ましい。
【0014】
これによれば、監視回路でエラーが検出された場合は、記憶部にエラー情報を記憶した後に、制御部により一次電源回路が遮断される。このため、人が電源スイッチを操作しなくても、一次電源回路は自動で遮断され、しかもエラー情報を記憶部に記憶させることができる。
【0015】
本発明の電子機器では、エラーを報知するための報知部をさらに備え、前記制御部が、前記監視回路でエラーが検出されたことに基づいて前記一次電源回路を遮断した後、次に電子機器が立ち上げられた時に前記記憶部におけるエラー情報の記憶の有無を確認し、エラー情報が記憶されていれば、当該エラー情報を前記報知部により報知することが好ましい。ここで、報知部とは、文字情報表示部や画像表示部などの表示部、音声通知部、ブザー、サイレン等の音報知部、LED等の点灯表示部を含むが、このうち文字情報や画像情報で通知できる表示部が特に好ましい。
【0016】
これによれば、制御部が、監視回路でエラーが検出されたことに基づいて一次電源回路は遮断される。次に電子機器が立ち上げられた時に、制御部は記憶部におけるエラー情報の記憶の有無を確認し、エラー情報が記憶されていれば、このエラー情報が報知部により報知される。よって、次回電源投入されて電子機器が立ち上がったときに、前回電源が遮断された原因となったエラー情報を知ることができる。
【0017】
本発明の電子機器では、前記制御部は、前記監視回路が検出したエラー回数を管理しており、エラーが検出されたときは、エラー回数に応じたエラーレベルを報知することが好ましい。
【0018】
これによれば、制御部は、監視回路が検出したエラー回数を管理し、エラーが検出されたときは、エラー回数に応じたエラーレベルが報知される。このため、エラーが軽度又は重度であるかなどを知ることができる。もちろん、エラーレベルの段階は適宜設定できる。
【0019】
本発明の電子機器では、動力系電力と制御系電力を生成する電源装置を備えた電子機器であって、ロックスイッチからなる電源スイッチと、前記動力系電力により駆動される駆動手段と、ソフトウェアで動作される制御部と、前記制御部に制御されてイネーブル信号を出力する出力回路と、前記出力回路から出力されたイネーブル信号に基づき前記駆動手段への供給電力を制御する駆動回路と、前記制御部の動作を監視してエラーがあると前記イネーブル信号を遮断する監視回路とを備えたことを要旨とする。ここで、電源装置は、一次電源回路と二次電源回路が直列接続された電源装置に限定されることなく、異なる電圧毎の電源回路が並列接続されて個々に電源を遮断できる電源装置であってもよい。
【0020】
これによれば、電源スイッチがロックスイッチであると、電源装置が遮断されてもロックスイッチがオンになったままなので、一旦遮断されてもリセット状態になり再び電子機器が立ち上がってしまうが、エラー発生時には監視回路がイネーブル信号を遮断することで、電源装置は遮断させずに駆動手段への電力供給を停止させることができる。よって、ロックスイッチがオンになったままで電源装置が遮断できなくても、エラー発生時には駆動手段への電力供給を停止できる。
【0021】
本発明の電子機器では、前記出力回路は、前記制御部から書き込まれたデータ値に応じたイネーブル信号を出力するものであって、前記監視回路は、前記制御部から出力されたデータ値の駆動回路への書き込みを監視してエラーがあるとイネーブル信号を遮断することが好ましい。
【0022】
これによれば、監視回路は、制御部から出力されたデータ値の駆動回路への書き込みを監視してエラーがあるとイネーブル信号を遮断する。これにより駆動手段への電力供給が停止される。例えば、エラーが発生した場合に、一次電源回路を遮断して駆動手段への電力供給を遮断する構成であると、二次電源回路の電力生成も遮断されてしまい、制御系も遮断されてしまうので、エラーを表示等で通知したりエラーの履歴を残したりすることができなくなる。これに対し、本発明の電子機器によれば、一次電源回路は遮断させずに駆動手段への電力供給を遮断するので、エラーの表示や履歴を残すことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図4に従って説明する。
図1は、プリンタの構成を示す。同図に示すように、電子機器としてのプリンタ10(インクジェット式プリンタ)は、電源装置として一次電源回路11及び二次電源回路12を備える。また、プリンタ10は、コントローラ13と、該コントローラ13に接続されたモータドライバ14、15、ヘッドドライバ16及び表示駆動回路17と、さらにこれらのドライバ(駆動回路)に駆動制御されるキャリッジモータ21、紙送りモータ22、記録ヘッド23及び操作パネル24を備えている。操作パネル24は、表示装置25と電源スイッチ26と操作スイッチ27を有している。表示装置25は、各種印刷メニューや印刷条件情報(用紙サイズ、印刷モード等)、エラー表示などを表示させるためのものである。電源スイッチ26はプリンタ10の電源を投入するとき、及び電源を遮断させるときに操作されるスイッチである。操作スイッチ27は、プリンタ10に対して所定の指令や設定情報等を入力するための操作に用いられ、例えば印刷実行スイッチ、メンテナンススイッチ、表示装置25に表示された各種メニューや設定情報等を選択する選択スイッチ、その選択した内容を決定する決定スイッチなどからなる。
【0024】
一次電源回路11は商用交流電源100Vから動力系の電圧42Vを生成し、二次電源回路12は、一次電源回路11の出力電圧を降圧させて、電圧5Vと電圧3.3Vを生成する。一次電源回路11の出力電圧である動力系の電圧42Vは、モータドライバ14、モータドライバ15及びヘッドドライバ16に供給される。また、二次電源回路12の出力電圧のうち、電圧5Vは表示駆動回路17に供給され、電圧3.3Vはコントローラ13に供給されるようになっている。
【0025】
コントローラ13は、モータドライバ14に制御信号を出力することによりキャリッジモータ21を駆動制御し、記録ヘッド23を有する図示しないキャリッジを主走査方向に往復移動させる。また、モータドライバ15に制御信号を出力することにより紙送りモータ22を駆動させ、図示しない給紙装置、紙送り装置、排紙装置の各ローラ等を駆動させることにより、記録媒体としての記録用紙を副走査方向に搬送するようになっている。さらにヘッドドライバ16に制御信号を出力することにより記録ヘッド23にインクの液滴を噴射させる。また、コントローラ13は表示駆動回路17に表示データを出力することにより操作パネル24の表示装置25に表示データに応じた内容を表示させる。
【0026】
図2は、モータドライバを制御するコントローラの構成を示す。なお、図2においては、キャリッジモータ21と紙送りモータ22をそれぞれ駆動制御する各モータドライバ14,15の構成は基本的に同じなので、説明の便宜上、キャリッジモータ21と紙送りモータ22を指して電動モータ28と表記し、モータドライバ14,15を指してモータドライバ18と表記して説明する。
【0027】
コントローラ13は、例えばシステムオンチップ(SOC)により1チップで構成され、その内部に、CPU30、カスタムLSIとしてのASIC31(Application Specific Integrated Circuit)(特定用途向け集積回路)、不揮発性メモリ32、ROM33、RAM34、モータドライバインターフェイス(以下、「モータドライバI/F35」と称す)を備える。
【0028】
CPU30は、ROM33に記憶されたプログラム(起動プログラム等を含む)及び、不揮発性メモリ32に記憶された制御プログラムとしての印刷制御プログラム(ファームウェアプログラム)等を実行することによりプリンタ10を統括制御する。RAM34には、CPU30が各種プログラムを実行して得られた各種データ等が一時記憶される。
【0029】
CPU30は印刷制御プログラムを実行することにより、モータドライバI/F35に電動モータ28を駆動制御するためのデータを送信し、該データに基づくイネーブル信号をモータドライバI/F35に出力させることにより、モータドライバ18を介して電動モータ28を駆動制御する。このモータドライバI/F35については後で詳述する。
【0030】
また、CPU30は、一次電源回路11及び二次電源回路12を制御する信号を出力するように構成され、一次電源回路11及び二次電源回路12をそれぞれ個別に制御できる。プリンタ10に電源スイッチ26が入れられると、一次電源回路11及び二次電源回路12に商用交流電源からの交流電圧に基づく電力が印加される。CPU30は、一次電源回路11及び二次電源回路12の内部に動力系、操作パネル系、制御系(ロジック系)別に個々に設けられた各スイッチの中から選択した少なくとも1つのスイッチをオンさせることにより、動力系、操作パネル系、制御系(ロジック系)毎に対応する電圧を対応する部分に印加させることができる。また、CPU30は一次電源回路11及び二次電源回路12の各スイッチに遮断信号を出力することにより、一次電源回路11及び二次電源回路12を系毎に遮断することができる。
【0031】
CPU30は、表示駆動回路17に接続されており、表示駆動回路17に表示データを送信することにより表示装置25に表示データに応じた内容を表示させる。また、ASIC31は、印刷処理をするための各種回路を内蔵しており、CPU30と共にプリンタ10の制御等を司る。
【0032】
モータドライバI/F35は、電動モータ28を駆動制御するための制御信号をモータドライバ18に送信するためのインターフェイスである。モータドライバI/F35からモータドライバ18へはイネーブル信号及び他の制御信号(クロック、データ、ストローブ、リセット信号等)が出力される。イネーブル信号は、電動モータ28に通電される電流値を制御するための信号であり、所定サイクル時間(例えば数10msec.)毎に逐次更新され、電動モータ28のトルク制御に用いられる。モータドライバ18には、一次電源回路11からの動力系の電圧42Vが印加されており、入力するイネーブル信号がHレベルとなる時間の間だけ内蔵するスイッチング回路(図示せず)がオンすることにより、その通電時間に応じた値の電流を電動モータ28に供給する。
【0033】
次に、モータドライバI/F35の構成を、図3に従って説明する。図3に示すように、モータドライバI/F35は、Aレジスタ41、Bレジスタ42、タイマ43、レジスタ44、カウンタ45、レジスタ46、コンパレータ47及びOR回路(論理和回路)48などを内蔵している。
【0034】
同図における右下に描かれているパルス波形は、モータドライバ18から電動モータ28に供給される1制御サイクルの電流値(デューティ値)を示しており、制御サイクル1周期に当たるベース周期「a(msec.)」当たりの通電時間「b(msec.)」を決めることで電流値制御を行っている。Aレジスタ41には、このベース周期「a」が16ビット値で格納される。また、Bレジスタ42には、通電時間「b」がイネーブル値として16ビット値で格納される(ライトされる)。CPU30は印刷制御プログラムを実行することにより、予め不揮発性メモリ32に記憶されているモータ制御用設定データに基づいて、Aレジスタ41及びBレジスタ42にそれぞれの値「a」「b」を書き込む。但し、ベース周期「a」は基本的に変更されないので、通常は、イネーブル値「b」のみが書替えられ、その書替えが制御サイクルタイム(ベース周期「a」)毎に行われる。
【0035】
このイネーブル値「b」の書替えは、CPU30とモータドライバI/F35との間で行われるデータ転送により行われる。CPU30とモータドライバI/F35は、WR線、ADD線、DATA(W)線、DATA(R)線及びRD線で接続され、CPU30からBレジスタ42へのデータの書込み及びBレジスタ42からCPU30へのデータの読出しが可能となっている。CPU30は前記モータ制御用設定データを参照して制御サイクルタイム(ベース周期a)毎にイネーブル値bをBレジスタ42に書き込む。なお、同図ではその他のバスについては図示を省略している。
【0036】
タイマ43は、図示しないクロック回路からの所定周期(本例では48MHz)のクロック信号に基づきベース周期a毎に「1」を計数するカウンタであって、ベース周期aのサイクル数をカウントするタイマとして機能する。
【0037】
カウンタ45は、タイマ43から入力されるカウント信号を計数するカウンタであり、ウォッチドックタイマ(WDT)として機能する。レジスタ44は、Bレジスタ42用のWR線と接続されており、ライト信号(Hレベル)が入力されるとオンするフラグ機能を有する1ビットのレジスタであり、オンしたときにカウンタ45にリセット信号を出力すると共に、リセット信号出力後にはオフするようになっている。カウンタ45は、レジスタ44からリセット信号を入力するとリセットされる。よって、カウンタ45は、Bレジスタ42のイネーブル値bが書替えられる(更新される)度にリセットされる。
【0038】
レジスタ46は、WDT設定値を格納している。WDT設定値は、イネーブル値bの書替えが設定時間行われないときは印刷制御プログラム(ファームウェア)を実行するCPU30に何らかの異常(印刷制御プログラムの異常を含む)が発生したと判断するその判断基準となる設定時間である。WDT設定値には、例えば2〜20秒の範囲内の値が設定されている。
【0039】
コンパレータ47は、カウンタ45の計数値とレジスタ46に設定されたWDT設定値とを比較し、計数値がWDT設定値以下であるときにHレベル信号を出力し、計数値がWDT設定値を超えるとLレベル信号を出力する。従って、Bレジスタ42の書替え(更新)がWDT設定値に相当する時間を経過しても行われないときは、コンパレータ47からL信号が出力される。
【0040】
OR回路48は、コンパレータ47の出力値(1ビット)と、Bレジスタ42の値(16ビットシリアル)とを入力し、論理和値を出力する。従って、OR回路48は、コンパレータ47の出力値が「1」となる正常時には、Bレジスタ42のイネーブル値bを出力する。すなわち、Bレジスタ42の値は16ビットシリアルで入力されるため、OR回路48はイネーブル値bに相当する長さ(時間)だけHレベルとなるイネーブル信号を出力する。また、コンパレータ47の出力値が「0」となる異常時には、OR回路48の出力がLレベルとなって、イネーブル信号が遮断される。
【0041】
よって、ファームウェアの異常などが原因で、Bレジスタ42の書替え(更新)が設定時間(WDT設定値)行われなくなると、OR回路48の出力がLレベルとなって、ドライバI/F35から電動モータ28へのイネーブル信号が強制的に遮断される。イネーブル信号が遮断、すなわちイネーブル値bが「0」になることで、電動モータ28への電流供給が停止される。
【0042】
レジスタ49は、コンパレータ47の出力を入力し、その入力が異常時の「0」になると、CPU30に割込信号を出力する。モータドライバI/F35からこの割込信号を入力したCPU30は、モータ制御系に異常が発生したことを認知する。ファームウェアプログラムの中には、印刷制御プログラムの他に、図4にフローチャートで示す異常監視ルーチンのプログラムが含まれている。CPU30は所定サイクルタイム毎にこのプログラムを実行することにより、プリンタ10に発生する異常を監視している。但し、図4のフローチャートは、異常監視プログラムのうちモータ制御系に関連する部分のみを示している。
【0043】
以下、この異常監視ルーチンについて図4に従って説明する。
まずステップS10では、割込信号の入力があったか否かを判断する。割込信号の入力があればステップS20に進み、割込信号の入力がなければ当該ルーチンを終了する。但し、実際には、割込信号が入力されたときに、ステップS20以降の処理にジャンプすることになる。
【0044】
ステップS20では、エラー回数を確認する。不揮発性メモリ32には、上記割込信号のような異常監視用入力信号の種別毎にそのエラー内容が、その入力回数別に分けて示された異常監視用テーブルデータが記憶されている。また、異常監視用入力信号別に入力回数データ(エラー回数データ)を保存する所定記憶領域が用意されている。この入力回数(エラー回数)は、設定期間(例えば10日〜1年)の間は保存され、その設定期間が満了したとき、あるいはファームウェアプログラムが更新されたときにリセットされるようになっている。例えば異常監視用テーブルデータのうちモータ制御系異常に関する項目ついては、割込信号1回の場合は「軽度エラー」、割込信号2回以上の場合は「重度エラー」と設定されている。このステップS20では、CPU30は、不揮発性メモリ32の前記所定記憶領域から過去の割込信号の入力回数を読み取って、それに今回分の「1」を加えてこれまでの合計の入力回数(エラー回数)を求めることで、エラー回数を確認している。
【0045】
ステップS30では、エラー回数が2回以上であるか否かを判断する。2回以上でない場合、すなわち今回が初めてで1回の場合はステップS40に進み、2回以上である場合はステップS50に進む。
【0046】
ステップS40では、「軽度エラー」の旨を表示装置25に表示する。すなわち、CPU30は、異常監視用テーブルデータを参照して、エラー回数「2回未満」のときのエラー内容(この場合「軽度エラー」)を取得し、その取得したエラー内容を表示装置25に表示させる。ここで、軽度エラーとは、電源を再投入すれば正常に復帰できる可能性の高いエラーを指し、例えばエラーが初めて(1回目)であれば正常に復帰できる可能性が高い。このような場合、例えば「電源を再投入してみてください。」という文字情報を表示させる。
【0047】
また、ステップS50では、「重度エラー」の旨を表示装置25に表示する。すなわち、CPU30は、異常監視用テーブルデータを参照して、エラー回数「2回以上」のときのエラー内容(この場合「重度エラー」)を取得し、その取得したエラー内容を表示装置25に表示させる。ここで、重度エラーとは、電源を再投入しても正常に復帰できる可能性の低いエラーを指し、例えばエラーが繰り返し(2回以上)あった場合は、正常に復帰できる可能性が低い。このような場合、例えば「サービスマンを呼んでください。」という文字情報を表示させる。
【0048】
次のステップS60では、エラー内容を記憶する。すなわち、CPU30は、先に取得したエラー内容を不揮発性メモリ32の所定記憶領域に記憶する。ここで、記憶するエラー内容は、「軽度エラー」「重度エラー」などのエラー内容そのものでもよいし、そのエラー内容を引き当てることができるデータ、例えばエラー回数でもよい。エラー内容そのものを記憶する場合は、別途、エラー回数(入力回数)も更新のため書替えることになる。
【0049】
次のステップS70では、電源を遮断する。すなわち、CPU30は、一次電源回路11及び二次電源回路12に遮断信号を送信して、動力系、操作パネル系及び制御系(ロジック系)への電力供給を停止させる。もちろん、一次電源回路11を遮断すれば二次電源回路12も遮断されるので、遮断信号の送信は一次電源回路11だけとしてもよい。
【0050】
以上、詳述したように本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)イネーブル値bの書替えが行われなくなった異常発生時にイネーブル信号を遮断するようにしたので、電動モータ28への電力供給を停止させることができ、しかも二次電源回路12が遮断されないので、操作パネル24の表示装置35にエラーを表示させることができる。
【0051】
(2)ファームウェアプログラムを実行するCPU30のエラーを、データ書込みのWR信号が入力される度にレジスタ44をオンにしてカウンタ45をリセットすることにより、WDT設定値を超える時間が経過してもライトされないことをもってソフトウェア動作の異常と判断するようにした。このようにソフトウェア動作の異常をハードウェア回路で検出する構成なので、ソフトウェア動作の異常をほぼ確実に検出することができる。
【0052】
(3)割込信号を入力したエラー発生時に、エラー表示処理を行った後、速やかにそのエラー内容を不揮発性メモリ32に保存するようにした。このため、その後、ユーザが電源を遮断させても不揮発性メモリ32にエラー情報は残るので、次回電源投入時などにそのエラー内容を再び確認することができる。
【0053】
(4)エラー回数を管理してエラー回数に応じて1回目のときは軽度エラーとし、2回目のときは重度エラーとして、エラーレベルをエラー回数に応じて段階的に分けて管理した。このため、例えば1回目のときは電源再投入を指示し、2回目以上のときはサービスマンを呼ぶように指示することができる。
【0054】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、エラー表示後にエラー情報を不揮発性メモリ32に記憶させるまでで、電源を遮断させなかったが、本実施形態では、エラー発生時に速やかに電源を遮断させるようにしている。以下、図5に示すフローチャートに従って説明する。
【0055】
まずステップS110では、電源遮断時にエラーがあるか否かを判断する。前回の電源遮断がエラーによる遮断である場合は、ステップS120に進むが、大抵の場合は、電源スイッチ26を切って遮断しているので、S130に進む。そして割込信号が入力されるか否かを判断し(ステップS130)、次のステップS140でエラー回数を確認して、今回で2回以上であるか否かを判断する(ステップS150)。そして、2回以上ではなく1回である場合は、エラー情報として「軽度エラー」の旨を不揮発性メモリ32に記憶する(ステップS160)。また、エラー回数が2回以上である場合は、「重度エラー」の旨を不揮発性メモリ32に記憶する(ステップS170)。その後、電源を遮断させる。つまり、CPU30が一次電源回路11及び二次電源回路12を遮断する(ステップS180)。この場合、エラーが発生して割込信号を入力すると、エラー回数に応じたエラー情報を記憶した後は、電源が遮断されてエラー表示させても直ぐ消えることになるので、この電源遮断時にエラー表示は特にしない。そして、このエラー起因の電源遮断の後に電源が再投入されてプリンタ10が立ち上がると、最初のステップS110において、前回の電源遮断時にエラーがあったと判断される。これは例えば前回電源遮断時にフラグを立てておき、次回電源投入後の立ち上がり時にフラグを見て「1」が立っていれば前回の電源遮断がエラー起因であったと認識できるので、フラグに「1」が立っていればステップS120でエラー内容を表示する。例えば前回電源を遮断するに当たって、「軽度エラー」を書き込んだ場合は、例えば「電源を再投入してください。」、「重度エラー」を書き込んだ場合は、例えば「サービスマンを呼んでください。」とそれぞれ表示される。よって、エラー発生後速やかに電源遮断されてエラー表示できない場合でも、次回電源投入時に表示されることによりエラー内容を知ることができる。
【0056】
尚、発明の実施の形態は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下のように変更してもよい。
(変形例1)上記実施形態では、電源を遮断させたが、電源は必ずしも遮断させる必要はない。電源を遮断させなくても、イネーブル信号が遮断されているので、電動モータ28への電力供給は停止されるので問題はない。この構成によっても、動力系の電力供給を停止させた状態でエラー表示を行うことができる。また、商業用途で用いられる機種では、電源スイッチ26としてロックスイッチが用いられ、ロックスイッチをオンにしておくことで多数台のプリンタの電源投入をブレーカ操作一つで行えるようにしているが、この種のロックスイッチを電源スイッチ26として備えた機種のプリンタにおいて、当該構成を採用すると特に有効である。すなわち、ロックスイッチが押されてオンになっていると、一次電源回路を遮断しても、一旦リセット状態になってから、再び電源が立ち上がってしまうが、イネーブル信号が遮断される本構成では、電源が遮断できない状況下にあっても動力系への電力供給を、操作パネル系への電力供給は活かしたまま、遮断することができる。また、このように電源装置を遮断させる必要がないことから、この例では電源装置は、一次電源回路と二次電源回路が直列接続された電源装置に限定されることなく、異なる電圧毎の電源回路が並列接続されて個々に電源を遮断できる電源装置を備えた電子機器においても適用可能である。そして、電源スイッチ26としてロックスイッチが採用された機種においては、電源装置を遮断できないが電動モータ等の駆動手段への電力供給は停止できるので有効である。
【0057】
(変形例2)前記実施形態では、CPU30が電源を遮断させる構成としたが、エラー表示を確認したユーザが電源スイッチ26を操作して電源を遮断させる構成でも構わない。この場合、エラー表示は割込信号入力後速やかに行うが、エラー内容の不揮発性メモリ32への保存は、必ずしもエラー表示と同時期でなくてもよい。例えばエラー表示を確認したユーザが、電源スイッチ26を切ったときにCPU30が行う一次電源回路11の遮断処理が終了するまでの僅かな時間を利用して、エラー内容を不揮発性メモリ32に書き込む構成とすることもできる。もちろん、このとき、遮断処理終了時期を故意に例えば0.5〜数秒遅らせてエラー内容の書込み時間を確保してもよい。
【0058】
(変形例3)前記実施形態では、CPU30によるソフトウェア処理で電源を遮断させたが、ハードウェアにより電源を遮断させる構成も採用できる。例えばモータドライバI/F35におけるレジスタ49の信号(割込信号)を一次電源回路11に遮断信号として出力させる構成とする。この場合、不揮発性メモリ32にエラー内容を書き込む時間を確保するために、遅延回路を設けることが望ましい。遅延回路としては、遅延時間を計数するカウンタを設け、割込信号が該カウンタに入力されると、当該カウンタが計数を開始し、その計数時間が遅延時間に達したら該カウンタから出力される信号を一次電源回路11に出力する構成とする。こうすることにより、電源遮断までのエラー内容の書き込み時間を確保することができる。
【0059】
(変形例4)前記実施形態では、エラー発生後速やかにエラー情報を不揮発性メモリ32に書き込むようにしたが、エラー情報の書き込みタイミングは電源遮断前であれば適宜設定できる。例えばユーザが電源スイッチ26を操作したタイミングでエラー情報をRAM34から不揮発性メモリ32に書き替える構成とすることもできる。この場合、一次電源回路11を遮断させる遮断処理が終わるまでの僅かの時間を利用してエラー情報を記憶させるものでもよい。さらに、電源スイッチ26が操作されてから、エラー情報の書込み処理時間を確保するために、遅延回路やタイマ回路などを設けて電源遮断時期を遅延させる構成をとることもできる。
【0060】
(変形例5)前記実施形態では、報知部として、表示装置25の画面に文字情報を表示させる構成としたが、他の報知部を採用することができる。例えば表示装置に画像表示でエラー情報を表示させてもよい。また、音声や音によりエラー内容を報知することもでき、例えば音声通知部、ブザー、サイレン等の音報知部、LED等の点灯表示部を採用することもできる。
【0061】
(変形例6)前記実施形態では、駆動手段を電動モータ28としたが、これに限定されない。例えば記録ヘッドを駆動手段とすることもできる。またその他のリニアモータ、電動シリンダ、圧電アクチュエータ、ソレノイドなどの種々のアクチュエータを駆動手段とすることができる。
【0062】
(変形例7)前記実施形態では、電子機器を液体噴射装置としてのインクジェット式のプリンタ10に具体化したが、この限りではなく、インク以外の他の液体(機能材料の粒子が分散されている液状体を含む)を噴射する液体噴射装置に具体化することもできる。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に、本発明を適用してもよい。さらに、液体噴射装置に限らず、スキャナー、プロジェクタ、デジタルカメラなど、広く他の電子機器に本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】第1実施形態におけるプリンタの電気的構成を示すブロック図。
【図2】モータドライバを制御するコントローラの構成を示すブロック図。
【図3】モータドライバI/Fの構成を示すブロック図。
【図4】異常監視ルーチンを示すフローチャート。
【図5】第2実施形態における異常監視ルーチンを示すフローチャート。
【符号の説明】
【0064】
10…電子機器としてのプリンタ、11…一次電源回路、12…二次電源回路、13…コントローラ、14,15…駆動回路としてのモータドライバ、16…ヘッドドライバ、17…表示駆動回路、18…駆動回路としてのモータドライバ、21…駆動手段としてのキャリッジモータ、22…駆動手段としての紙送りモータ、23…記録ヘッド、24…操作パネル、25…報知部としての表示装置、26…電源スイッチ、27…操作スイッチ、28…駆動手段としての電動モータ、30…制御部としてのCPU30…ASIC、32…不揮発性の記憶部としての不揮発性メモリ、33…ROM、34…RAM、35…モータドライバI/F、41…Aレジスタ、42…出力回路を構成するBレジスタ、43…監視回路を構成するタイマ、44…監視回路を構成するレジスタ、45…監視回路を構成するカウンタ、46…監視回路を構成するレジスタ、47…監視回路を構成するコンパレータ、48…監視回路及び出力回路を構成するOR回路、49…監視回路を構成するレジスタ、b…データ値としてのイネーブル値。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次電源回路で生成された動力系電力を入力して、二次電源回路が制御系電力を生成する電子機器であって、
前記動力系電力により駆動される駆動手段と、
ソフトウェアで動作される制御部と、
前記制御部に制御されてイネーブル信号を出力する出力回路と、
前記出力回路から出力されたイネーブル信号に基づき前記駆動手段への供給電力を制御する駆動回路と、
前記制御部の動作を監視してエラーがあると前記イネーブル信号を遮断する監視回路と
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記出力回路は、前記制御部から書き込まれたデータ値に応じたイネーブル信号を出力するものであって、
前記監視回路は、前記制御部から出力されたデータ値の駆動回路への書き込みを監視してエラーがあるとイネーブル信号を遮断することを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電子機器において、
不揮発性の記憶部をさらに備え、
前記監視回路でエラーが検出された場合、前記制御部は、前記一次電源回路が遮断される前に前記記憶部にエラー情報を記憶することを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項3に記載の電子機器において、
前記監視回路でエラーが検出された場合は、前記制御部は、前記記憶部にエラー情報を記憶した後に前記制御部は一次電源回路を遮断することを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項4に記載の電子機器において、
エラーを報知するための報知部をさらに備え、
前記制御部が、前記監視回路でエラーが検出されたことに基づいて前記一次電源回路を遮断した後、次に電子機器が立ち上げられた時に前記記憶部におけるエラー情報の記憶の有無を確認し、エラー情報が記憶されていれば、当該エラー情報を前記報知部により報知することを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電子機器において、
前記制御部は、前記監視回路が検出したエラー回数を管理しており、エラーが検出されたときは、エラー回数に応じたエラーレベルを報知することを特徴とする電子機器。
【請求項7】
動力系電力と制御系電力を生成する電源装置を備えた電子機器であって、
ロックスイッチからなる電源スイッチと、
前記動力系電力により駆動される駆動手段と、
ソフトウェアで動作される制御部と、
前記制御部に制御されてイネーブル信号を出力する出力回路と、
前記出力回路から出力されたイネーブル信号に基づき前記駆動手段への供給電力を制御する駆動回路と、
前記制御部の動作を監視してエラーがあると前記イネーブル信号を遮断する監視回路と
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項7に記載の電子機器において、
前記出力回路は、前記制御部から書き込まれたデータ値に応じたイネーブル信号を出力するものであって、
前記監視回路は、前記制御部から出力されたデータ値の駆動回路への書き込みを監視してエラーがあるとイネーブル信号を遮断することを特徴とする電子機器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−111915(P2007−111915A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−303414(P2005−303414)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】