電子機器
【課題】二つの筐体の動かしやすさを異ならせた電子機器を得る。
【解決手段】実施形態にかかる電子機器は、第一筐体と、第二筐体と、接続部分と、抵抗機構と、を備える。第一筐体は、第一端部と、第一表示画面と、を有する。第二筐体は、第一端部に沿った第二端部と、第一表示画面と対向可能な第二表示画面と、を有する。接続部分は、第一筐体および第二筐体のうち一方が平面上に載置され他方が起立された状態で当該平面と接触する接触部を有し、第一端部に第一回動軸回りに回動可能に接続されるとともに、第二端部に第一回動軸と並行した第二回動軸回りに回動可能に接続される。抵抗機構は、第一筐体および第二筐体のうち一方と接続部分とが回動される際の抵抗力の大きさと、他方と接続部分とが回動される際の抵抗力の大きさとが相異なる。
【解決手段】実施形態にかかる電子機器は、第一筐体と、第二筐体と、接続部分と、抵抗機構と、を備える。第一筐体は、第一端部と、第一表示画面と、を有する。第二筐体は、第一端部に沿った第二端部と、第一表示画面と対向可能な第二表示画面と、を有する。接続部分は、第一筐体および第二筐体のうち一方が平面上に載置され他方が起立された状態で当該平面と接触する接触部を有し、第一端部に第一回動軸回りに回動可能に接続されるとともに、第二端部に第一回動軸と並行した第二回動軸回りに回動可能に接続される。抵抗機構は、第一筐体および第二筐体のうち一方と接続部分とが回動される際の抵抗力の大きさと、他方と接続部分とが回動される際の抵抗力の大きさとが相異なる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二つの筐体が二つの並行した回動軸を介して回動可能に連結され、二つの筐体が閉じられた折り畳み状態と二つの筐体が開かれた展開状態とを切り替え可能な電子機器が、知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−222079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の電子機器では、二つの筐体が折り畳み状態から開かれる際に、二つの筐体の姿勢(角度、開き方)によっては使いにくくなる場合がある。
【0005】
本発明の実施形態は、二つの筐体の動かしやすさを異ならせた電子機器を得ることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態にかかる電子機器は、第一筐体と、第二筐体と、接続部分と、抵抗機構と、を備える。第一筐体は、第一端部と、第一表示画面と、を有する。第二筐体は、第一端部に沿った第二端部と、第一表示画面と対向可能な第二表示画面と、を有する。接続部分は、第一筐体および第二筐体のうち一方が平面上に載置され他方が起立された状態で当該平面と接触する接触部を有し、第一端部に第一回動軸回りに回動可能に接続されるとともに、第二端部に第一回動軸と並行した第二回動軸回りに回動可能に接続される。抵抗機構は、第一筐体および第二筐体のうち一方と接続部分とが回動される際の抵抗力の大きさと、他方と接続部分とが回動される際の抵抗力の大きさとが相異なる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、一実施形態にかかる電子機器の展開状態の一例を示す斜視図である。
【図2】図2は、一実施形態にかかる電子機器の展開状態の一例を示す側面図である。
【図3】図3は、一実施形態にかかる電子機器の展開状態の一例を示す平面図である。
【図4】図4は、一実施形態にかかる電子機器の展開状態の一例を示す側面図である。
【図5】図5は、一実施形態にかかる電子機器の折り畳み状態の一例を示す側面図である。
【図6】図6は、一実施形態にかかる電子機器の折り畳み状態の一例を示す平面図である。
【図7】図7は、一実施形態にかかる電子機器の展開状態の一例を示すさらに別の視線での斜視図である。
【図8】図8は、一実施形態にかかる電子機器の展開状態の一例を示すさらに別の視線での斜視図である。
【図9】図9は、一実施形態にかかる電子機器の制御回路の一例を示す概略図である。
【図10】図10は、一実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す展開状態での正面図である。
【図11】図11は、一実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す展開状態での側面図である。
【図12】図12は、一実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す置きモードでの側面図である。
【図13】図13は、図12に対応した電子機器の一例を示す置きモードでの側面図である。
【図14】図14は、図6のXIV−XIV断面図である。
【図15】図15は、一実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す折り畳み状態での側面図である。
【図16】図16は、一実施形態にかかる電子機器の変形例を示す斜視図である。
【図17】図17は、一実施形態にかかる電子機器の別の変形例を示す斜視図である。
【図18】図18は、一実施形態にかかる電子機器のさらに別の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に示される複数の実施形態あるいは実施例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、これら同様の構成要素には共通の符号が付与され、重複する説明が省略される。
【0009】
図1等に示されるように、本実施形態にかかる電子機器1は、所謂ノート型のパーソナルコンピュータとして構成されている。電子機器1は、矩形状の扁平な第一筐体2と、矩形状の扁平な第二筐体3と、を備えている。これら第一筐体2および第二筐体3は、接続部分4を介して、図1〜4等に示される展開状態と図5,6等に示される折り畳み状態との間で相対回動可能(相対移動可能)に接続されている。図3,4等に示されるように、第一筐体2と第二筐体3とが最大角度(180°)に展開された展開状態では、第一筐体2の面2aと第二筐体3の面3aとがほぼ平面状に連なる。一方、図5に示されるように、折り畳み状態では、第一筐体2の面2aと第二筐体3の面3aとが対向し、近接する。
【0010】
本実施形態では、第一筐体2および第二筐体3の折り畳みの角度によらず、すなわち、図1〜6等に示されるような展開状態や折り畳み状態の種々の角度で、第一筐体2の周縁部の一部としての端部(辺部)2bと、第二筐体3の周縁部の一部としての端部(辺部)3bとが、相互に近接してほぼ並行して(平行に)沿っている。すなわち、本実施形態では、端部2b,3bが基端部となり、それらの反対側の端部2c,3cが先端部となる姿勢で、第一筐体2と第二筐体3とが、相対回動可能に接続されている。本実施形態では、端部2bが第一端部の一例であり、端部3bが第二端部の一例である。
【0011】
接続部分4は、第一筐体2および第二筐体3の基端部、すなわち、端部2bおよび端部3bの双方に、回動可能に接続されている。具体的には、図1,5等に示されるように、接続部分4の端部4aと第一筐体2の端部2bとが、第一回動軸Ax1を介して相対回動可能に接続されている。また、接続部分4の端部4aの反対側の端部4bと第二筐体3の端部3bとが、第二回動軸Ax2を介して相対回動可能に接続されている。第一回動軸Ax1と第二回動軸Ax2は、相互に沿っており、並行している(平行である)。接続部分4の筐体4e内には、ヒンジ機構5が収容されている。すなわち、筐体4eは、ヒンジ機構5のカバーの一例である。
【0012】
また、本実施形態では、接続部分4は、図6に示されるように、ベース部4cと、突出部4dとを有する。ベース部4cは、第一筐体2の端部2bおよび第二筐体3の端部3bに隙間をあけて対向し、端部2b,3bに沿って延びている。また、ベース部4cは、図2等に示されるように、端部2b,3bから離れる方向に延びている。そして、図6に示されるように、突出部4dは、ベース部4cの長手方向両端部から、第一筐体2の端部(辺部)2d,2eおよび第二筐体3の端部(辺部)3d,3eに沿って、第一筐体2の端部2cおよび第二筐体3の端部3c側に延びている。そして、第一筐体2の端部2d,2eおよび第二筐体3の端部3d,3eには、二つの突出部4dに対応して、切欠状の凹部(切欠部)2f,3fが設けられている。突出部4dは、凹部2f,3f内に収容されている。そして、本実施形態では、二つの突出部4dのそれぞれに、独立したヒンジ機構5が収容されている。本実施形態では、接続部分4や端部2b,3bの所要の剛性が確保され、二つのヒンジ機構5(図5参照)で、第一回動軸Ax1および第二回動軸Ax2のそれぞれが略一致するように構成されている。
【0013】
図1,3等に示されるように、第一筐体2は、壁部として、前面としての面2aを形成する前壁2g、後面としての面2hを形成する後壁2i(図5参照)、および側面としての面2jを形成する周壁(側壁)2kを有している。前壁2gには、矩形状の開口部2nが設けられている。第一筐体2内には、表示モジュール(表示装置)としてのディスプレイパネル6が収容されている。ディスプレイパネル6は、一例としては、液晶ディスプレイ(LCD,liquid crystal display)や、有機ELディスプレイ(OELD,organic electroluminescent display)等として構成されうる。そして、ディスプレイパネル6の前面の一部である表示画面6aが、開口部2nから露出している。なお、第一筐体2は、四つの角部2mを有している。これら四つの角部2mのうち、基端部としての端部2b側の二つの角部2mには、上述したように、接続部分4の突出部4dが収容される凹部2fが、設けられている。
【0014】
また、図1,3等に示されるように、第二筐体3は、壁部として、前面としての面3aを形成する前壁3g、後面としての面3hを形成する後壁3i(図5参照)、および側面としての面3jを形成する周壁(側壁)3kを有している。前壁3gには、矩形状の開口部3nが設けられている。第二筐体3内には、表示モジュール(表示装置)としてのディスプレイパネル6が収容されている。ディスプレイパネル6は、一例としては、液晶ディスプレイ(LCD,liquid crystal display)や、有機ELディスプレイ(OELD,organic electroluminescent display)等として構成されうる。そして、ディスプレイパネル6の前面の一部である表示画面6aが、開口部3nから露出している。なお、第二筐体3は、四つの角部3mを有している。これら四つの角部3mのうち、基端部としての端部3b側の二つの角部3mには、上述したように、接続部分4の突出部4dが収容される凹部3fが、設けられている。
【0015】
ここで、図1,3等に示されるように、本実施形態では、第一筐体2の開口部2nは、端部2bの凹部2f,2f間の領域(突出部)に進出し、開口部2nの端部2b側の縁2pは、端部2b(面2aの周縁部の一部としてのエッジ部2q側)の近傍に位置されている。また、第二筐体3の開口部3nは、端部3bの凹部3f,3f間の領域(突出部)に進出し、開口部3nの端部3b側の縁3pは、端部3b(面3aの周縁部の一部としてのエッジ部3q側)の近傍に位置されている。すなわち、本実施形態では、開口部2n,3n同士が、相互に近接して配置されている。また、第一筐体2と第二筐体3を複数の回動軸(本実施形態では第一回動軸Ax1および第二回動軸Ax2)を介して回動させている。したがって、図1,3等に示されるように、展開状態において、第一筐体2の表示画面6aと第二筐体3の表示画面6aとの間の隙間(表示不能区間、非表示区間、非表示部分、非表示幅)をより狭くする(小さくする)ことができる。これにより、二つの表示画面6aに連続した映像(静止画、動画等)が表示される場合に、二つの表示画面6aで映像のずれを減らしやすい。
【0016】
また、各ディスプレイパネル6の前面(上面)側には、入力操作部として、薄型のタッチパネルユニット7が設けられている。タッチパネルユニット7は、その前面側での手指やスタイラス等による接触状態や近接状態(あるいはその変化)を検知する。また、タッチパネルユニット7は透明に(透光性を有して)構成されている。よって、表示画面6aに映し出された映像の光は、タッチパネルユニット7を介して前面側に出射される。この光を使用者(操作者)が映像として視認する。本実施形態では、タッチパネルユニット7は、第一パネルまたは第二パネルの一例である。
【0017】
また、展開状態で開口部2n,3nの周囲に露出する面2a,3aには、操作部(入力部)8として、例えば、ボタン(電源ボタン、クリックボタン等)や、カーソル等の表示画面6a内での選択領域を移動させるポインティングデバイス等が設けられうる。また、この面2a,3aには、例えば、撮像部としてのカメラや音声入力部としてのマイクロフォン等の入力部9、あるいは、音声出力部としてのスピーカや表示出力部としてのランプやLED(light emitting diode)等の出力部10等が設けられうる。
【0018】
上述したように、本実施形態では、各ディスプレイパネル6の前面側にはタッチパネルユニット7が位置されているため、開口部2n,3n内の表示画面6aの領域がほぼ全体的に入力操作部となりうる。ここで、本実施形態にかかる電子機器1は、図1,2等に示されるように、第一筐体2および第二筐体3のうち一方(例えば第一筐体2)が平面P(載置面、図2参照)上に載置され、かつ他方(例えば第二筐体3)が第一筐体2から起立された使用形態(第一の置きモードのうちの一つ)で使用することができる。この場合には、自動的にあるいは手動操作により、当該一方(載置部分、第一筐体2)の表示画面6aに文字の入力部分(例えば、キーボードの画像や、文字を囲う枠の画像、文字に対応した要素の画像等)を表す画像(図示せず)が表示される。また、第一筐体2が接続部分4に対して回動される際の抵抗力が、第二筐体3が接続部分4に対して回動される際の抵抗力よりも大きい場合、表示画面6aの当該第一筐体2側に、優先的にキーボード画像等の文字入力用画像(操作用画像)を表示してもよい。そして、タッチパネルユニット7は、当該文字入力用画像(操作用画像)に対する外部からの操作入力を受け付ける。
【0019】
このような、第一筐体2および第二筐体3のうちいずれか一方が平面P(載置面)上に載置される置きモードとしては、(1)第一筐体2が載置部分となって第二筐体3が起立部分となる形態(第一の置きモードのうちの一つ、図1,2等参照)と、(2)第二筐体3が載置部分となって第一筐体2が起立部分となる形態との二つの形態(第一の置きモードのうちのもう一つ、図示せず)がある。電子機器1は、どちらの形態(姿勢)でも使用できるように構成することができる。ただし、例えば、何らかの理由で、置きモードとしては、いずれか一方の形態(例えば上記(1))にしたいような場合、面2a,3aに、電子機器1の使用形態を示唆する、すなわち方向を意識させ得る表示要素(例えば、図柄、絵、記号、文字等)11を、付与することができる。なお、表示要素11は、ロゴマークや、商品名、メーカ名等であってもよい。また、図4のように、(3)第一筐体2および第二筐体3のうち載置部分ではない方を起立させずに平面P(載置面)上に置いて使用することも可能である(第二の置きモード)。
【0020】
また、本実施形態にかかる電子機器1は、(4)第一筐体2の端部2dと第二筐体3の端部3dとが平面P(載置面)上に載置される形態(第三の置きモードのうちの一つ、図7参照)でも使用することができ、さらに、(5)第一筐体2の端部2eと第二筐体3の端部3eとが平面P(載置面)上に載置される形態(第三の置きモードのうちのもう一つ、図示せず)でも使用することができる。
【0021】
ここで、本実施形態では、接続部分4は、端部2d,3dに沿って端部2b,3bから離間する方向に延びており、上記(4)の形態で使用される際に、第一筐体2の端部2dおよび第二筐体3の端部3dとともに、平面P(載置面)に接触する接触部4f(図1,2等参照)を有している。つまり、接触部4fは、端部2dおよび端部3dと同一平面に位置するよう設けられている。また、接続部分4は、接触部4fの反対側に、端部2e,3eに沿って端部2b,3bから離間する方向に延びて、上記(5)の形態で使用される際に平面P(載置面)に接触する接触部4g(図7参照)を有している。つまり、接触部4gは、接触部4fと同様に、端部2eおよび端部3eと同一平面に位置するよう設けられている。このように、本実施形態では、接続部分4が表示画面6aの後面側に延びたことで、端部2b,3bから、平面P(載置面)に沿って、三方向に、支持部が延びている。よって、上記(4),(5)の第三の置きモードでも、接続部分4が無い場合に比べて、より安定的に電子機器1を載置することができる。この接続部分4により、第三の置きモードで使用される場合に、電子機器1が後面側に倒れにくくなる。
【0022】
また、本実施形態では、図5等に示されるように、第一筐体2の幅方向両側の端部2d,2eおよび第二筐体3の幅方向両側の端部3d,3eには、表示画面6aの反対側に位置した壁部としての後壁2i,3iの周縁部から外側に張り出す突出部2r,3rが設けられている。そして、上記(4),(5)の第三の置きモード(図7参照)では、平面P(載置面)上には、接触部4f,4gとともに、これら突出部2r,3rが当接する。したがって、突出部2r,3rが設けられていない場合に比べて、電子機器1が机上等に載置される際などに、ディスプレイパネル6に衝撃が入力されにくくなり、ディスプレイパネル6の保護性を高めることができる。また、突出部2r,3rが突出した分、ディスプレイパネル6を机上等の載置面から離間した状態に位置させることができるため、机上等の載置面等の平面P上に水等の液体がこぼれていたような状況にあっても、その液体がディスプレイパネル6に触れにくくなる。さらに、突出部2r,3rは、先端側の端部2c,3cにも設けられている。よって、突出部2r,3rに手指等を掛けることで、折り畳み状態(閉じた状態)から第一筐体2および第二筐体3を開きやすくなるという利点もある。本実施形態では、突出部2r,3rは、第一筐体2の端部2b以外の三つの端部2c,2d,2eと第二筐体3の端部3b以外の三つの端部3c,3d,3eに設けられている。
【0023】
また、本実施形態では、使用者は、(6)第一筐体2および第二筐体3を横(左右)に並べた図7に示される姿勢で電子機器1を持つ形態(第一の持ちモード)では、端部2b,3bから後面側に延びた(突出した)接続部分4を、持ち部(把持部、保持部)として用いることができる。したがって、使用者は、表示画面6aに接触することなく、手指等で電子機器1を持つことができる。また、使用者は、電子機器1を手で持ちやすくなる。
【0024】
一方、本実施形態では、使用者は、(7)第一筐体2および第二筐体3を縦(上下)に並べた図3に示される姿勢で把持する形態(第二の持ちモード)では、第一筐体2または第二筐体3の端部2c,2d,2e,3c,3d,3eを、持ち部(把持部、保持部)として用いることができる。本実施形態では、端部2c,2d,2e,3c,3d,3eでは、ディスプレイパネル6(開口部2n,3n)の縁は、対応する面2a,3aの外縁から離間しているため、使用者が手指等で電子機器1の端部2c,2d,2e,3c,3d,3eを持つ際に、手指等が表示画面6aに接触しにくい。
【0025】
また、本実施形態では、図8に示されるように、接続部分4の外面4hには、外部コネクタを差し込むコネクタ(例えば、AC(alternating current)アダプタ用のコネクタや、USB(universal serial bus)コネクタ、カードコネクタ等)等のデジタルインタフェースの接続コネクタ等の部品を接続するための結合部14や、操作ボタン(押しボタン)、スイッチ等の操作部(入力操作部)15を、設けることができる。結合部14や操作部15は、外面4hのうち、各形態(特に置きモードの(1)や(2)等)で露出している部分や露出しやすい部分に設けるのが、好適である。結合部14は、接続コネクタ部の一例である。
【0026】
さらに、接続部分4は、電子機器1を動作させる電源となるバッテリ13を装着(保持、収容、取付)することができる。このバッテリ13は、接続部分4に着脱可能に構成することができる。本実施形態では、接続部分4は、端部2b,3bに沿って延びているため、比較的長くより容量の大きいバッテリ13を装備しやすい。
【0027】
また、第一筐体2および第二筐体3のうち少なくとも一方には、図示しない回路基板や電子部品等が収容され、図9に示されるような、制御回路12が構成されている。本実施形態では、制御回路12は、制御部12a、記憶部12b、姿勢センサ12c、開閉センサ12d、入力部12e、出力部12f等を有する。制御部12aは、例えばCPU(Central Processing Unit)として構成され、姿勢センサ12cによる姿勢検知結果や、入力部12eによる入力結果に基づいて、出力部12fを制御する。姿勢センサ12cは、例えば加速度センサや、ジャイロなどの重力方向を検知するセンサ等として構成され、電子機器1の姿勢を検知する。開閉センサ12dは、例えば接触センサや、圧力センサ、非接触センサ(磁気センサ)等として構成され、第一筐体2と第二筐体3との開閉位置や、開閉状態、相対位置、角度等を検知する。入力部12eは、例えば、タッチパネルユニット7や、上述した入力部8,9等として構成される。出力部12fは、例えば、ディスプレイパネル6や、上述した出力部10等として構成される。制御部12aは、表示制御部の一例であり、入力部12e(入力部8)は、入力操作部の一例である。なお、制御回路12には、コントローラ(図示せず)等も設けられる。
【0028】
ヒンジ機構5は、図10,11に示されるように、第一筐体2に接続された第一部分17と、第二筐体3に接続された第二部分18と、第一部分17および第二部分18の双方に回動可能に接続され接続部分4に支持された第三部分19と、を有している。第一部分17と第三部分19とは第一回動軸Ax1回りに回動可能に接続され、第二部分18と第三部分19とは第二回動軸Ax2回りに回動可能に接続されている。第一回動軸Ax1と第二回動軸Ax2とは並行している(平行である)。なお、第三部分19は、接続部分の一例である。
【0029】
また、一例としてのヒンジ機構5では、第三部分19は、プレート状の壁部としてのベース部19aと、ベース部19aの端部から起立した壁部としての片部19bと、を有している。また、第一部分17は、ベース部19aから起立したシャフト部17aと、シャフト部17aに取り付けられたアーム状の片部17bと、を有している。また、第二部分18は、ベース部19aから起立したシャフト部18aと、シャフト部18aに取り付けられたアーム状の片部18bと、を有している。そして、シャフト部17a,18aが、ベース部19aに回動可能に支持されている。本実施形態では、シャフト部17aの中心軸が第一回動軸Ax1であり、シャフト18aの中心軸が第二回動軸Ax2である。
【0030】
また、本実施形態では、ヒンジ機構5の近傍に、第一筐体2と接続部分4とが回動される際に抵抗力(抵抗トルク)を与える抵抗機構16Aと、第二筐体3と接続部分4とが回動される際に抵抗力(抵抗トルク)を与える抵抗機構16Bと、が設けられている。これら抵抗機構16Aと抵抗機構16Bとによって、第一筐体2と第二筐体3とが移動(相対移動)される際に抵抗力を与える抵抗機構16が構成されている。抵抗機構16A,16Bは、相対的に回動する二つの部材(例えば、第一部分17および第三部分19や、第一部分17および接続部分4の筐体4e、第二部分18および第三部分19、第二部分18および接続部分4の筐体4e等)に、抵抗要素(例えば皿ばね、コイルばね等)16cによって摩擦抵抗(摺動抵抗)を作用させる。第一筐体2と第二筐体3との種々の(任意の)角度において(所定の角度範囲において)、重力等の作用によっては姿勢(角度)が変化せず(維持され)、かつ手指等による適宜な大きさの外力によって姿勢(角度)を可変設定できるよう、抵抗機構16の抵抗力が適宜に設定される。
【0031】
一例として、本実施形態では、抵抗機構16Aは、第一部分17と第三部分19とが移動(相対移動)される際にこれらに抵抗力を与え、抵抗機構16Bは、第二部分18と第三部分19とが移動(相対移動)される際にこれらに抵抗力を与える。抵抗機構16A,16Bは、それぞれ、ベース部19aから起立したシャフト部16aと、ベース部19aから離れた位置でシャフト部16aに固定されたディスク状のキャップ部16bと、キャップ部16bとベース部19aとの間に弾性的に圧縮された状態で挟まれた抵抗要素(弾性体)としての複数の皿ばね16cと、を有する。シャフト部16aは、ベース部19aに回動可能に支持されている。シャフト部16aの中心軸は、第一回動軸Ax1および第二回動軸Ax2と並行して(平行に)設定されている。皿ばね16cは環状に形成されており、シャフト部16aは、この皿ばね16cの中央に設けられた開口部(例えば孔や切欠等、図示せず)を貫通している。第一部分17の片部17bおよびシャフト部17aの回動は、ギヤ20a,20bを含む伝達機構20Aを介して、抵抗機構16Aのシャフト部16aおよびキャップ部16bに伝達される。また、第二部分18の片部18bおよびシャフト部18aの回動は、ギヤ20a,20bを含む伝達機構20Bを介して、抵抗機構16Bのシャフト部16aおよびキャップ部16bに伝達される。なお、ギヤ20aは、シャフト部17a,18aまたは片部17b,18bに固定され、ギヤ20bは、シャフト部16aまたはキャップ部16bに固定される。
【0032】
このような構成では、第三部分19に対する第一部分17の回動(相対回動)は、伝達機構20Aによって抵抗機構16Aのキャップ部16bに伝達され、キャップ部16bが回動する。このとき、皿ばね16cのシャフト部16aの軸方向に沿った弾性反発力により、第三部分19とキャップ部16bとの間に回動抵抗(摺動抵抗、摩擦抵抗)が生じ、ひいては、第三部分19と第一部分17との間に回動抵抗(摺動抵抗、摩擦抵抗)が生じる。同様に、第三部分19に対する第二部分18の回動(相対回動)は、伝達機構20Bによって抵抗機構16Aのキャップ部16bに伝達され、キャップ部16bが回動する。このとき、皿ばね16cのシャフト部16aの軸方向に沿った弾性反発力により、第三部分19とキャップ部16bとの間に回動抵抗(摺動抵抗、摩擦抵抗)が生じ、ひいては、第三部分19と第二部分18との間に回動抵抗(摺動抵抗、摩擦抵抗)が生じる。すなわち、本実施形態では、第三部分19に対する第一部分17の抵抗力を抵抗機構16Aで設定し、第三部分19に対する第二部分18の抵抗力を抵抗機構16Aとは別の抵抗機構16Bで設定することができる。
【0033】
よって、本実施形態では、抵抗機構16Aと抵抗機構16Bとで抵抗要素のスペック(皿ばね16cの数、弾性力等)を相異ならせるなどにより、第一筐体2と接続部分4とが回動される際の抵抗力と、第二筐体3と接続部分とが回動される際の抵抗力とを、比較的容易に相異ならせることができる。ひいては、本実施形態によれば、接続部分4に対する第一筐体2の回動角度と接続部分4に対する第二筐体3の回動角度とが相異なる形態(姿勢)を、比較的容易に得ることができる。その一例として、例えば、抵抗機構16Aの抵抗力、すなわち第一筐体2に接続された第一部分17が第三部分19に対して回動する際の抵抗力を、抵抗機構16Bの抵抗力、すなわち第二筐体3に接続された第二部分18が第三部分19に対して回動する際の抵抗力より大きく設定することで、第三部分19に対して第一部分17が動きにくくなり、第二部分18が動きやすくなる。よって、電子機器1が図5の折り畳み状態から第一筐体2と第二筐体3とが開かれて展開状態に移行する際に、ヒンジ機構5が図12に示される状態になり、電子機器1が図13に示される状態、すなわち、第二筐体3がより大きく開いた状態にすることができる。図13に示されるように、この例では、電子機器1が、第一筐体2の面2hと接続部分4の外面4hの平面状部分とが連なった状態で平面P(載置面)上に置かれるため、電子機器1をより安定した状態で平面P上に置くことができる。外面4hは、接触面(接触部)の一例である。なお、抵抗機構16(16A,16B)は、二つのヒンジ機構5の双方に対応して設けられる必要はなく、いずれか一方のヒンジ機構5に対応して設けられてもよい。
【0034】
本実施形態のように、接続部分4およびヒンジ機構5を介して第一筐体2と第二筐体3とが回動可能に接続された構成では、第一回動軸Ax1および第二回動軸Ax2の二つの回動軸があるため、図5に示される折り畳み状態で、対向した第一筐体2の面2aと第二筐体3の面3aとが、第一回動軸Ax1および第二回動軸Ax2と交叉する方向(端部(辺部)2b,3bの延びる方向と交叉する方向、本実施形態では、一例として、第一回動軸Ax1および第二回動軸Ax2と直交する方向、図5の左右方向)に沿ってずれる可能性がある。このようなずれが生じると、折り畳み状態で電子機器1が屈曲した姿勢になる場合がある。また、仮に、面2a,3aが接触したままでずれると、面2a,3aの表面に傷等が生じる虞がある。そこで、本実施形態では、第一筐体2および第二筐体3が、第一回動軸Ax1および第二回動軸Ax2と交叉する方向にずれるのを抑制する係合機構(係り機構)21が設けられている。
【0035】
係合機構21は、図1等に示すように、第二筐体3に設けられた突起21aと、第一筐体2に設けられて突起21aを受け容れる凹部21cを有した受容部21bとを有する。突起21aは第二係合部の一例であり、受容部21bは第一係合部の一例である。本実施形態では、第一筐体2および第二筐体3の先端側の端部2c,3cの端部(両端部)に、係合機構21を構成する突起21aおよび受容部21bが設けられている。突起21aおよび受容部21bが、第一回動軸Ax1および第二回動軸Ax2と交叉する方向に係合する(係る)。なお、本実施形態では、突起21aと受容部21bとの係合によって、第一筐体2の面2aと第二筐体3の面3aとが隙間をあけて対向することができる。つまり、例えば突起21aの先端から面3aまでの高さ(距離)を、面2aから受容部21bの底部までの深さ(距離)よりも大きくすること等により、第一筐体2と第二筐体3とが互いに近接した状態における面2aと面3aとの当接を抑制することができる。しかし、他の部位の凹凸構造等で、第一筐体2の面2aと第二筐体3の面3aとの間に隙間が設けられてもよい。
【0036】
また、本実施形態では、突起21aと受容部21bとが係合する前に、突起21aおよび受容部21bのうち少なくとも一方をそれらの係合位置に向けて案内する案内機構22が設けられている。本実施形態では、一例として、案内機構22は、第一筐体2の面2aに、第一回動軸Ax1および第二回動軸Ax2と交叉する方向(本実施形態では直交する方向、図14の左右方向)に沿った溝22aとして設けられている。この溝22aは、凹部21cに向けて深くなっている。したがって、第一筐体2と第二筐体3とを近接させた際に、溝22aに挿入された突起21aは、この溝22aに沿って、係合位置としての凹部21c(受容部21b)の設けられた位置へ案内される。なお、案内機構22は、この例には限定されず、他の例としては、突起21aの先端に設けた傾斜面(図示せず)等として構成することも可能である。この例では、傾斜面が受容部21bの縁に当接することで、突起21aが凹部21c(受容部21b)との係合位置に案内される。
【0037】
また、本実施形態では、図14に示されるように、突起21aは、第二筐体3の後壁3iに設けられ、前壁3g側に突出し、前壁3gに設けられた貫通孔や切欠等としての開口部3uを貫通して、面3a上に突出している。一方、受容部21bは、第一筐体2の後壁2iに設けられ、前壁2g側に突出し、前壁2gに設けられた貫通孔や切欠等としての開口部2uから面2aの上方へ露出している。すなわち、突起21aおよび受容部21bともに、筐体内に臨む部材としての後壁3i,2iに設けられるとともに、開口部3u,2uを介して突出あるいは露出しているため、第一筐体2または第二筐体3の厚さ方向(図14の上下方向)の少なくとも二箇所で支持されている。よって、一箇所で支持する場合に比べて突起21aおよび受容部21bに生じる応力を緩和しやすくなる。なお、後壁2i,3iは、筐体内側に臨む部材の一例であり、前壁2g,3gは、開口部2u,3uを有した壁部の一例である。また、突起21aおよび受容部21bは、後壁2i,3iに設けられることは必須ではなく、他の例としては、第一筐体2あるいは第二筐体3内に収容された回路基板にねじ留め等することで設けることも可能である。また、開口部2u,3uに、ゴムや、スポンジ、樹脂材料等で構成された弾性部材としてのリング状のキャップ(介在物)を嵌め、突起21aや受容部21bと開口部2u,3uの縁との間に介在させることができる。
【0038】
また、突起21aを、開閉センサ12dによる開閉検知を行う対象として用いることができる。一例としては、開閉センサ12dが、接触センサ(例えば圧力センサ等)として構成され、突起21aの開閉センサ12dとの接触(押圧)の有無により、第一筐体2および第二筐体3の開閉を検出することができる。
【0039】
また、本実施形態では、抵抗機構16による抵抗力が大きく、第一筐体2と第二筐体3とが相対移動しにくい状態であると、案内機構22が作用しにくい虞がある。すなわち、案内機構22は、突起21aおよび受容部21bのうち少なくとも一方を、第一回動軸Ax1および第二回動軸Ax2と交叉する方向に沿って案内するので、第一筐体2と第二筐体3とが第一回動軸Ax1および第二回動軸Ax2と交叉する方向に沿って相対移動しやすい状態であることが望ましい。この点、本実施形態の抵抗機構16は、第一筐体2と第二筐体3との角度が小さい状態、すなわち、第一筐体2および第二筐体3の面2a,3a同士(表示画面6a同士)が近接した状態(所定の角度範囲)での抵抗力が、第一筐体2と第二筐体3との角度が大きい状態、すなわち、第一筐体2および第二筐体3の表示画面6a同士が離間した状態での抵抗力より小さくなるように、設定されている。具体的には、図15に示されるように、第一筐体2と第二筐体3との角度が小さい状態(折り畳み状態での角度を0°として、0°〜α°までの範囲)では、ギヤ20aのギヤ20bと対向する歯が無いため、ギヤ20a,20bが噛み合わず、第一筐体2と接続部分4との間、ならびに第二筐体3と接続部分4との間に、抵抗機構16A,16B(16)による抵抗力が作用しないように構成されている。伝達機構20A,20Bは、回動角度に応じて伝達機構20A,20Bの噛み合い状態と非噛み合い状態とを切り替える、抵抗機構16による抵抗力が作用する状態と作用しない状態とを切り替える、あるいは抵抗機構16による抵抗力の大きさを切り替える(可変する)切替機構(可変機構)の一例である。なお、ギヤ20bは、全周に亘って歯を有してもよい。
【0040】
また、何らかの理由で、置きモードとしては、いずれか一方の形態(例えば上記(1))にしたいような場合、第一筐体2および第二筐体3のうち、平面P(載置面)上に載置される載置部分である方(例えば、第一筐体2)に、突起21aがあると、使用者の手指等と突起21aとが干渉しやすくなる。そこで、突起21aは、載置部分(例えば、第一筐体2)に設けられ、受容部21bは、起立部分(例えば、第二筐体3)に設けられるのが好適である。この場合、表示制御部としての制御部12aは、載置部分である方(例えば、第一筐体2)の表示画面6aに、文字の入力部分(例えば、キーボードの画像や、文字を囲う枠の画像、文字に対応した要素の画像等)を表す画像(図示せず)を表示させる。その場合、さらに、抵抗機構16A,16Bの抵抗力の大きさを相異ならせることで、載置部分と起立部分とを規定しやすくなる。すなわち、上述したように、例えば、抵抗機構16Aの抵抗力を抵抗機構16Bの抵抗力より大きく設定することで、図12のヒンジ機構5の状態、および図13の電子機器1の状態、すなわち、第一筐体2が載置部分となって第二筐体3が起立部分となる状態を、得やすくなり、ひいては、使用者の手指と突起21aとがより干渉しにくくなる。
【0041】
また、図14に示されるように、本実施形態では、端部2c,3c側の側壁(周壁)2k,3kは、第一筐体2および第二筐体3の内部側に凹む状態に曲がった部分(凹部)2v,3vを有している。これらの部分2v,3vは連なって、対向する面2a,3aの部分が底部である一連の曲面(側面)を形成している。これにより、使用者が第一筐体2と第二筐体3とを開く際に、先端側の端部2c,3c側の側壁(周壁)2k,3kに手指を掛けやすくなる。
【0042】
以上、説明したように、本実施形態にかかる電子機器1は、第一筐体2および第二筐体3のうち一方(例えば、第一筐体2)と接続部分4とが回動される際の抵抗力の大きさと、他方(例えば、第二筐体3)と接続部分4とが回動される際の抵抗力の大きさとが相異なる抵抗機構16(16A,16B)と、を備えた。よって、第一筐体2および第二筐体3のうち抵抗力が小さい抵抗機構16(例えば、抵抗機構16B)によって抵抗力が与えられる方(例えば、第二筐体3)が動かしやすくなり、抵抗力が大きい抵抗機構(例えば抵抗機構16A)によって抵抗力が与えられる方(例えば、第一筐体2)が動かしにくくなる。よって、その場合は、折り畳み状態から、動かしやすい方がより先により大きく動きやすいので、起立部分として使いやすく、動かしにくい方が載置部分として使いやすくなる。ただし、これはあくまで一例であって、種々の使用形態に合わせて、抵抗機構16の抵抗力(抵抗トルク)を種々に設定することができ、これにより、一例としては、第一筐体2および第二筐体3の所期の姿勢を得やすくなる等の、効果が得られる。
【0043】
また、本実施形態では、接続部分4が、第一筐体2の端部2bおよび第二筐体3の端部3bから離れる方向に延びているため、接続部分4を、電子機器1の支持に利用することができる。
【0044】
また、本実施形態では、接続部分4が、第一筐体2の端部2bおよび第二筐体3の端部3bに沿って延びているため、接続部分4を、持ち部として利用したり、バッテリ13等の部品の収容部(装備部)や、結合部14や操作部15を設ける部分として利用したりすることができる。
【0045】
また、本実施形態では、接続部分4は、第一筐体2の端部2bおよび第二筐体3の端部3bに接続されているため、ディスプレイパネル6の薄型化に伴って第一筐体2および第二筐体3がより薄くなった場合にあっても、その外面4には、第一筐体2および第二筐体3の厚さの合計値分に近い長さの部分を確保しやすくなる。よって、接続部分4には、部品の収容部(装備部)や、結合部14や操作部15を設けやすい。また、本実施形態のように、接続部分4が、第一筐体2の端部2bおよび第二筐体3の端部3bから離れる方向に延びている場合や、第一筐体2の端部2bおよび第二筐体3の端部3bに沿って延びている場合も、部品の収容部(装備部)や、結合部14や操作部15を設けやすい。
【0046】
また、本実施形態では、接続部分4が、第一の置きモードで平面P(載置面)に接触する接触部としての外面4h、ならびに、第三の置きモードで平面P(載置面)に接触する接触部4f,4gを有している。よって、これらの置きモードで、接続部分4が無い場合に比べて、電子機器1をより安定的に置くことができる。また、図13に示されるように、外面4hのうち接触部となる部分が平面状であるため、電子機器1をより一層安定的に置くことができる。
【0047】
なお、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、係合機構21は、端部2c,3cの両端部に設けられたが、図16に示される変形例のように、端部2c,3cの中央部(中間部)に設けられてもよい。また、図示しないが、係合機構21は、面2a,3aの他の部位に設けられてもよい。
【0048】
また、図17に示される変形例のように、端部2b(または端部3b)と接続部分4とが対向する部分に、これらの相互の干渉量を減らして第二筐体3が第一筐体2から離間する方向により大きく倒れるのを許容する逃げ部23を設けることで、置きモードでの起立部分(例えば第二筐体3)の傾倒角度(第一筐体2と第二筐体3との開き角度、表示画面6a同士のなす角度)をより大きく(具体的には例えば90°を超えた角度に)することができる。また、平面状の複数の外面4hに、結合部14や操作部15(図8参照)を設けることができる。なお、結合部14や操作部15は、曲面状の外面4hに設けることも可能である。
【0049】
また、図18に示される変形例のように、電子機器1の接続部分4Aは、両端部に配置された別個の(二つの)構成要素とすることが可能である。この場合、各接続部分4Aにヒンジ機構5が収容される。
【0050】
また、本発明は、三つ以上の並行した回動軸で二つの筐体が回動可能に連結された電子機器として実施することも可能である。
【0051】
また、本発明は、例えば、携帯電話機や、スマートフォン、スマートブック、電子書籍端末、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機等の他の電子機器としても実施することができる。また、第一筐体および第二筐体の一方のみが表示画面を有した電子機器としても実施することができる。また、本発明は、電子機器や、第一筐体、第二筐体、接続部分、第一端部、第二端部、表示画面、面、接触部、抵抗機構、逃げ部、結合部、操作部等のスペック(数、形式、構成、位置、配置、形状、大きさ、厚さ、動作範囲、材質、結合対象等)を適宜に変更した形態として実施することができる。また、上記実施形態や上記変形例は、適宜に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0052】
1…電子機器、2…第一筐体(載置部分)、2a…面(第一面)、2b…端部(第一端部、第一辺部)、3…第二筐体(起立部分)、3a…面(第二面)、3b…端部(第二端部、第二辺部)、4…接続部分、4f,4g…接触部、4h…外面、6a…表示画面、13…バッテリ、14…結合部(接続コネクタ部)、15…操作部、16,16A,16B…抵抗機構、19…第三部分(接続部分)、23…逃げ部、Ax1…第一回動軸、Ax2…第二回動軸、P…平面(載置面)。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、二つの筐体が二つの並行した回動軸を介して回動可能に連結され、二つの筐体が閉じられた折り畳み状態と二つの筐体が開かれた展開状態とを切り替え可能な電子機器が、知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−222079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の電子機器では、二つの筐体が折り畳み状態から開かれる際に、二つの筐体の姿勢(角度、開き方)によっては使いにくくなる場合がある。
【0005】
本発明の実施形態は、二つの筐体の動かしやすさを異ならせた電子機器を得ることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態にかかる電子機器は、第一筐体と、第二筐体と、接続部分と、抵抗機構と、を備える。第一筐体は、第一端部と、第一表示画面と、を有する。第二筐体は、第一端部に沿った第二端部と、第一表示画面と対向可能な第二表示画面と、を有する。接続部分は、第一筐体および第二筐体のうち一方が平面上に載置され他方が起立された状態で当該平面と接触する接触部を有し、第一端部に第一回動軸回りに回動可能に接続されるとともに、第二端部に第一回動軸と並行した第二回動軸回りに回動可能に接続される。抵抗機構は、第一筐体および第二筐体のうち一方と接続部分とが回動される際の抵抗力の大きさと、他方と接続部分とが回動される際の抵抗力の大きさとが相異なる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、一実施形態にかかる電子機器の展開状態の一例を示す斜視図である。
【図2】図2は、一実施形態にかかる電子機器の展開状態の一例を示す側面図である。
【図3】図3は、一実施形態にかかる電子機器の展開状態の一例を示す平面図である。
【図4】図4は、一実施形態にかかる電子機器の展開状態の一例を示す側面図である。
【図5】図5は、一実施形態にかかる電子機器の折り畳み状態の一例を示す側面図である。
【図6】図6は、一実施形態にかかる電子機器の折り畳み状態の一例を示す平面図である。
【図7】図7は、一実施形態にかかる電子機器の展開状態の一例を示すさらに別の視線での斜視図である。
【図8】図8は、一実施形態にかかる電子機器の展開状態の一例を示すさらに別の視線での斜視図である。
【図9】図9は、一実施形態にかかる電子機器の制御回路の一例を示す概略図である。
【図10】図10は、一実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す展開状態での正面図である。
【図11】図11は、一実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す展開状態での側面図である。
【図12】図12は、一実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す置きモードでの側面図である。
【図13】図13は、図12に対応した電子機器の一例を示す置きモードでの側面図である。
【図14】図14は、図6のXIV−XIV断面図である。
【図15】図15は、一実施形態にかかる電子機器に含まれるヒンジ機構の一例を示す折り畳み状態での側面図である。
【図16】図16は、一実施形態にかかる電子機器の変形例を示す斜視図である。
【図17】図17は、一実施形態にかかる電子機器の別の変形例を示す斜視図である。
【図18】図18は、一実施形態にかかる電子機器のさらに別の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に示される複数の実施形態あるいは実施例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、これら同様の構成要素には共通の符号が付与され、重複する説明が省略される。
【0009】
図1等に示されるように、本実施形態にかかる電子機器1は、所謂ノート型のパーソナルコンピュータとして構成されている。電子機器1は、矩形状の扁平な第一筐体2と、矩形状の扁平な第二筐体3と、を備えている。これら第一筐体2および第二筐体3は、接続部分4を介して、図1〜4等に示される展開状態と図5,6等に示される折り畳み状態との間で相対回動可能(相対移動可能)に接続されている。図3,4等に示されるように、第一筐体2と第二筐体3とが最大角度(180°)に展開された展開状態では、第一筐体2の面2aと第二筐体3の面3aとがほぼ平面状に連なる。一方、図5に示されるように、折り畳み状態では、第一筐体2の面2aと第二筐体3の面3aとが対向し、近接する。
【0010】
本実施形態では、第一筐体2および第二筐体3の折り畳みの角度によらず、すなわち、図1〜6等に示されるような展開状態や折り畳み状態の種々の角度で、第一筐体2の周縁部の一部としての端部(辺部)2bと、第二筐体3の周縁部の一部としての端部(辺部)3bとが、相互に近接してほぼ並行して(平行に)沿っている。すなわち、本実施形態では、端部2b,3bが基端部となり、それらの反対側の端部2c,3cが先端部となる姿勢で、第一筐体2と第二筐体3とが、相対回動可能に接続されている。本実施形態では、端部2bが第一端部の一例であり、端部3bが第二端部の一例である。
【0011】
接続部分4は、第一筐体2および第二筐体3の基端部、すなわち、端部2bおよび端部3bの双方に、回動可能に接続されている。具体的には、図1,5等に示されるように、接続部分4の端部4aと第一筐体2の端部2bとが、第一回動軸Ax1を介して相対回動可能に接続されている。また、接続部分4の端部4aの反対側の端部4bと第二筐体3の端部3bとが、第二回動軸Ax2を介して相対回動可能に接続されている。第一回動軸Ax1と第二回動軸Ax2は、相互に沿っており、並行している(平行である)。接続部分4の筐体4e内には、ヒンジ機構5が収容されている。すなわち、筐体4eは、ヒンジ機構5のカバーの一例である。
【0012】
また、本実施形態では、接続部分4は、図6に示されるように、ベース部4cと、突出部4dとを有する。ベース部4cは、第一筐体2の端部2bおよび第二筐体3の端部3bに隙間をあけて対向し、端部2b,3bに沿って延びている。また、ベース部4cは、図2等に示されるように、端部2b,3bから離れる方向に延びている。そして、図6に示されるように、突出部4dは、ベース部4cの長手方向両端部から、第一筐体2の端部(辺部)2d,2eおよび第二筐体3の端部(辺部)3d,3eに沿って、第一筐体2の端部2cおよび第二筐体3の端部3c側に延びている。そして、第一筐体2の端部2d,2eおよび第二筐体3の端部3d,3eには、二つの突出部4dに対応して、切欠状の凹部(切欠部)2f,3fが設けられている。突出部4dは、凹部2f,3f内に収容されている。そして、本実施形態では、二つの突出部4dのそれぞれに、独立したヒンジ機構5が収容されている。本実施形態では、接続部分4や端部2b,3bの所要の剛性が確保され、二つのヒンジ機構5(図5参照)で、第一回動軸Ax1および第二回動軸Ax2のそれぞれが略一致するように構成されている。
【0013】
図1,3等に示されるように、第一筐体2は、壁部として、前面としての面2aを形成する前壁2g、後面としての面2hを形成する後壁2i(図5参照)、および側面としての面2jを形成する周壁(側壁)2kを有している。前壁2gには、矩形状の開口部2nが設けられている。第一筐体2内には、表示モジュール(表示装置)としてのディスプレイパネル6が収容されている。ディスプレイパネル6は、一例としては、液晶ディスプレイ(LCD,liquid crystal display)や、有機ELディスプレイ(OELD,organic electroluminescent display)等として構成されうる。そして、ディスプレイパネル6の前面の一部である表示画面6aが、開口部2nから露出している。なお、第一筐体2は、四つの角部2mを有している。これら四つの角部2mのうち、基端部としての端部2b側の二つの角部2mには、上述したように、接続部分4の突出部4dが収容される凹部2fが、設けられている。
【0014】
また、図1,3等に示されるように、第二筐体3は、壁部として、前面としての面3aを形成する前壁3g、後面としての面3hを形成する後壁3i(図5参照)、および側面としての面3jを形成する周壁(側壁)3kを有している。前壁3gには、矩形状の開口部3nが設けられている。第二筐体3内には、表示モジュール(表示装置)としてのディスプレイパネル6が収容されている。ディスプレイパネル6は、一例としては、液晶ディスプレイ(LCD,liquid crystal display)や、有機ELディスプレイ(OELD,organic electroluminescent display)等として構成されうる。そして、ディスプレイパネル6の前面の一部である表示画面6aが、開口部3nから露出している。なお、第二筐体3は、四つの角部3mを有している。これら四つの角部3mのうち、基端部としての端部3b側の二つの角部3mには、上述したように、接続部分4の突出部4dが収容される凹部3fが、設けられている。
【0015】
ここで、図1,3等に示されるように、本実施形態では、第一筐体2の開口部2nは、端部2bの凹部2f,2f間の領域(突出部)に進出し、開口部2nの端部2b側の縁2pは、端部2b(面2aの周縁部の一部としてのエッジ部2q側)の近傍に位置されている。また、第二筐体3の開口部3nは、端部3bの凹部3f,3f間の領域(突出部)に進出し、開口部3nの端部3b側の縁3pは、端部3b(面3aの周縁部の一部としてのエッジ部3q側)の近傍に位置されている。すなわち、本実施形態では、開口部2n,3n同士が、相互に近接して配置されている。また、第一筐体2と第二筐体3を複数の回動軸(本実施形態では第一回動軸Ax1および第二回動軸Ax2)を介して回動させている。したがって、図1,3等に示されるように、展開状態において、第一筐体2の表示画面6aと第二筐体3の表示画面6aとの間の隙間(表示不能区間、非表示区間、非表示部分、非表示幅)をより狭くする(小さくする)ことができる。これにより、二つの表示画面6aに連続した映像(静止画、動画等)が表示される場合に、二つの表示画面6aで映像のずれを減らしやすい。
【0016】
また、各ディスプレイパネル6の前面(上面)側には、入力操作部として、薄型のタッチパネルユニット7が設けられている。タッチパネルユニット7は、その前面側での手指やスタイラス等による接触状態や近接状態(あるいはその変化)を検知する。また、タッチパネルユニット7は透明に(透光性を有して)構成されている。よって、表示画面6aに映し出された映像の光は、タッチパネルユニット7を介して前面側に出射される。この光を使用者(操作者)が映像として視認する。本実施形態では、タッチパネルユニット7は、第一パネルまたは第二パネルの一例である。
【0017】
また、展開状態で開口部2n,3nの周囲に露出する面2a,3aには、操作部(入力部)8として、例えば、ボタン(電源ボタン、クリックボタン等)や、カーソル等の表示画面6a内での選択領域を移動させるポインティングデバイス等が設けられうる。また、この面2a,3aには、例えば、撮像部としてのカメラや音声入力部としてのマイクロフォン等の入力部9、あるいは、音声出力部としてのスピーカや表示出力部としてのランプやLED(light emitting diode)等の出力部10等が設けられうる。
【0018】
上述したように、本実施形態では、各ディスプレイパネル6の前面側にはタッチパネルユニット7が位置されているため、開口部2n,3n内の表示画面6aの領域がほぼ全体的に入力操作部となりうる。ここで、本実施形態にかかる電子機器1は、図1,2等に示されるように、第一筐体2および第二筐体3のうち一方(例えば第一筐体2)が平面P(載置面、図2参照)上に載置され、かつ他方(例えば第二筐体3)が第一筐体2から起立された使用形態(第一の置きモードのうちの一つ)で使用することができる。この場合には、自動的にあるいは手動操作により、当該一方(載置部分、第一筐体2)の表示画面6aに文字の入力部分(例えば、キーボードの画像や、文字を囲う枠の画像、文字に対応した要素の画像等)を表す画像(図示せず)が表示される。また、第一筐体2が接続部分4に対して回動される際の抵抗力が、第二筐体3が接続部分4に対して回動される際の抵抗力よりも大きい場合、表示画面6aの当該第一筐体2側に、優先的にキーボード画像等の文字入力用画像(操作用画像)を表示してもよい。そして、タッチパネルユニット7は、当該文字入力用画像(操作用画像)に対する外部からの操作入力を受け付ける。
【0019】
このような、第一筐体2および第二筐体3のうちいずれか一方が平面P(載置面)上に載置される置きモードとしては、(1)第一筐体2が載置部分となって第二筐体3が起立部分となる形態(第一の置きモードのうちの一つ、図1,2等参照)と、(2)第二筐体3が載置部分となって第一筐体2が起立部分となる形態との二つの形態(第一の置きモードのうちのもう一つ、図示せず)がある。電子機器1は、どちらの形態(姿勢)でも使用できるように構成することができる。ただし、例えば、何らかの理由で、置きモードとしては、いずれか一方の形態(例えば上記(1))にしたいような場合、面2a,3aに、電子機器1の使用形態を示唆する、すなわち方向を意識させ得る表示要素(例えば、図柄、絵、記号、文字等)11を、付与することができる。なお、表示要素11は、ロゴマークや、商品名、メーカ名等であってもよい。また、図4のように、(3)第一筐体2および第二筐体3のうち載置部分ではない方を起立させずに平面P(載置面)上に置いて使用することも可能である(第二の置きモード)。
【0020】
また、本実施形態にかかる電子機器1は、(4)第一筐体2の端部2dと第二筐体3の端部3dとが平面P(載置面)上に載置される形態(第三の置きモードのうちの一つ、図7参照)でも使用することができ、さらに、(5)第一筐体2の端部2eと第二筐体3の端部3eとが平面P(載置面)上に載置される形態(第三の置きモードのうちのもう一つ、図示せず)でも使用することができる。
【0021】
ここで、本実施形態では、接続部分4は、端部2d,3dに沿って端部2b,3bから離間する方向に延びており、上記(4)の形態で使用される際に、第一筐体2の端部2dおよび第二筐体3の端部3dとともに、平面P(載置面)に接触する接触部4f(図1,2等参照)を有している。つまり、接触部4fは、端部2dおよび端部3dと同一平面に位置するよう設けられている。また、接続部分4は、接触部4fの反対側に、端部2e,3eに沿って端部2b,3bから離間する方向に延びて、上記(5)の形態で使用される際に平面P(載置面)に接触する接触部4g(図7参照)を有している。つまり、接触部4gは、接触部4fと同様に、端部2eおよび端部3eと同一平面に位置するよう設けられている。このように、本実施形態では、接続部分4が表示画面6aの後面側に延びたことで、端部2b,3bから、平面P(載置面)に沿って、三方向に、支持部が延びている。よって、上記(4),(5)の第三の置きモードでも、接続部分4が無い場合に比べて、より安定的に電子機器1を載置することができる。この接続部分4により、第三の置きモードで使用される場合に、電子機器1が後面側に倒れにくくなる。
【0022】
また、本実施形態では、図5等に示されるように、第一筐体2の幅方向両側の端部2d,2eおよび第二筐体3の幅方向両側の端部3d,3eには、表示画面6aの反対側に位置した壁部としての後壁2i,3iの周縁部から外側に張り出す突出部2r,3rが設けられている。そして、上記(4),(5)の第三の置きモード(図7参照)では、平面P(載置面)上には、接触部4f,4gとともに、これら突出部2r,3rが当接する。したがって、突出部2r,3rが設けられていない場合に比べて、電子機器1が机上等に載置される際などに、ディスプレイパネル6に衝撃が入力されにくくなり、ディスプレイパネル6の保護性を高めることができる。また、突出部2r,3rが突出した分、ディスプレイパネル6を机上等の載置面から離間した状態に位置させることができるため、机上等の載置面等の平面P上に水等の液体がこぼれていたような状況にあっても、その液体がディスプレイパネル6に触れにくくなる。さらに、突出部2r,3rは、先端側の端部2c,3cにも設けられている。よって、突出部2r,3rに手指等を掛けることで、折り畳み状態(閉じた状態)から第一筐体2および第二筐体3を開きやすくなるという利点もある。本実施形態では、突出部2r,3rは、第一筐体2の端部2b以外の三つの端部2c,2d,2eと第二筐体3の端部3b以外の三つの端部3c,3d,3eに設けられている。
【0023】
また、本実施形態では、使用者は、(6)第一筐体2および第二筐体3を横(左右)に並べた図7に示される姿勢で電子機器1を持つ形態(第一の持ちモード)では、端部2b,3bから後面側に延びた(突出した)接続部分4を、持ち部(把持部、保持部)として用いることができる。したがって、使用者は、表示画面6aに接触することなく、手指等で電子機器1を持つことができる。また、使用者は、電子機器1を手で持ちやすくなる。
【0024】
一方、本実施形態では、使用者は、(7)第一筐体2および第二筐体3を縦(上下)に並べた図3に示される姿勢で把持する形態(第二の持ちモード)では、第一筐体2または第二筐体3の端部2c,2d,2e,3c,3d,3eを、持ち部(把持部、保持部)として用いることができる。本実施形態では、端部2c,2d,2e,3c,3d,3eでは、ディスプレイパネル6(開口部2n,3n)の縁は、対応する面2a,3aの外縁から離間しているため、使用者が手指等で電子機器1の端部2c,2d,2e,3c,3d,3eを持つ際に、手指等が表示画面6aに接触しにくい。
【0025】
また、本実施形態では、図8に示されるように、接続部分4の外面4hには、外部コネクタを差し込むコネクタ(例えば、AC(alternating current)アダプタ用のコネクタや、USB(universal serial bus)コネクタ、カードコネクタ等)等のデジタルインタフェースの接続コネクタ等の部品を接続するための結合部14や、操作ボタン(押しボタン)、スイッチ等の操作部(入力操作部)15を、設けることができる。結合部14や操作部15は、外面4hのうち、各形態(特に置きモードの(1)や(2)等)で露出している部分や露出しやすい部分に設けるのが、好適である。結合部14は、接続コネクタ部の一例である。
【0026】
さらに、接続部分4は、電子機器1を動作させる電源となるバッテリ13を装着(保持、収容、取付)することができる。このバッテリ13は、接続部分4に着脱可能に構成することができる。本実施形態では、接続部分4は、端部2b,3bに沿って延びているため、比較的長くより容量の大きいバッテリ13を装備しやすい。
【0027】
また、第一筐体2および第二筐体3のうち少なくとも一方には、図示しない回路基板や電子部品等が収容され、図9に示されるような、制御回路12が構成されている。本実施形態では、制御回路12は、制御部12a、記憶部12b、姿勢センサ12c、開閉センサ12d、入力部12e、出力部12f等を有する。制御部12aは、例えばCPU(Central Processing Unit)として構成され、姿勢センサ12cによる姿勢検知結果や、入力部12eによる入力結果に基づいて、出力部12fを制御する。姿勢センサ12cは、例えば加速度センサや、ジャイロなどの重力方向を検知するセンサ等として構成され、電子機器1の姿勢を検知する。開閉センサ12dは、例えば接触センサや、圧力センサ、非接触センサ(磁気センサ)等として構成され、第一筐体2と第二筐体3との開閉位置や、開閉状態、相対位置、角度等を検知する。入力部12eは、例えば、タッチパネルユニット7や、上述した入力部8,9等として構成される。出力部12fは、例えば、ディスプレイパネル6や、上述した出力部10等として構成される。制御部12aは、表示制御部の一例であり、入力部12e(入力部8)は、入力操作部の一例である。なお、制御回路12には、コントローラ(図示せず)等も設けられる。
【0028】
ヒンジ機構5は、図10,11に示されるように、第一筐体2に接続された第一部分17と、第二筐体3に接続された第二部分18と、第一部分17および第二部分18の双方に回動可能に接続され接続部分4に支持された第三部分19と、を有している。第一部分17と第三部分19とは第一回動軸Ax1回りに回動可能に接続され、第二部分18と第三部分19とは第二回動軸Ax2回りに回動可能に接続されている。第一回動軸Ax1と第二回動軸Ax2とは並行している(平行である)。なお、第三部分19は、接続部分の一例である。
【0029】
また、一例としてのヒンジ機構5では、第三部分19は、プレート状の壁部としてのベース部19aと、ベース部19aの端部から起立した壁部としての片部19bと、を有している。また、第一部分17は、ベース部19aから起立したシャフト部17aと、シャフト部17aに取り付けられたアーム状の片部17bと、を有している。また、第二部分18は、ベース部19aから起立したシャフト部18aと、シャフト部18aに取り付けられたアーム状の片部18bと、を有している。そして、シャフト部17a,18aが、ベース部19aに回動可能に支持されている。本実施形態では、シャフト部17aの中心軸が第一回動軸Ax1であり、シャフト18aの中心軸が第二回動軸Ax2である。
【0030】
また、本実施形態では、ヒンジ機構5の近傍に、第一筐体2と接続部分4とが回動される際に抵抗力(抵抗トルク)を与える抵抗機構16Aと、第二筐体3と接続部分4とが回動される際に抵抗力(抵抗トルク)を与える抵抗機構16Bと、が設けられている。これら抵抗機構16Aと抵抗機構16Bとによって、第一筐体2と第二筐体3とが移動(相対移動)される際に抵抗力を与える抵抗機構16が構成されている。抵抗機構16A,16Bは、相対的に回動する二つの部材(例えば、第一部分17および第三部分19や、第一部分17および接続部分4の筐体4e、第二部分18および第三部分19、第二部分18および接続部分4の筐体4e等)に、抵抗要素(例えば皿ばね、コイルばね等)16cによって摩擦抵抗(摺動抵抗)を作用させる。第一筐体2と第二筐体3との種々の(任意の)角度において(所定の角度範囲において)、重力等の作用によっては姿勢(角度)が変化せず(維持され)、かつ手指等による適宜な大きさの外力によって姿勢(角度)を可変設定できるよう、抵抗機構16の抵抗力が適宜に設定される。
【0031】
一例として、本実施形態では、抵抗機構16Aは、第一部分17と第三部分19とが移動(相対移動)される際にこれらに抵抗力を与え、抵抗機構16Bは、第二部分18と第三部分19とが移動(相対移動)される際にこれらに抵抗力を与える。抵抗機構16A,16Bは、それぞれ、ベース部19aから起立したシャフト部16aと、ベース部19aから離れた位置でシャフト部16aに固定されたディスク状のキャップ部16bと、キャップ部16bとベース部19aとの間に弾性的に圧縮された状態で挟まれた抵抗要素(弾性体)としての複数の皿ばね16cと、を有する。シャフト部16aは、ベース部19aに回動可能に支持されている。シャフト部16aの中心軸は、第一回動軸Ax1および第二回動軸Ax2と並行して(平行に)設定されている。皿ばね16cは環状に形成されており、シャフト部16aは、この皿ばね16cの中央に設けられた開口部(例えば孔や切欠等、図示せず)を貫通している。第一部分17の片部17bおよびシャフト部17aの回動は、ギヤ20a,20bを含む伝達機構20Aを介して、抵抗機構16Aのシャフト部16aおよびキャップ部16bに伝達される。また、第二部分18の片部18bおよびシャフト部18aの回動は、ギヤ20a,20bを含む伝達機構20Bを介して、抵抗機構16Bのシャフト部16aおよびキャップ部16bに伝達される。なお、ギヤ20aは、シャフト部17a,18aまたは片部17b,18bに固定され、ギヤ20bは、シャフト部16aまたはキャップ部16bに固定される。
【0032】
このような構成では、第三部分19に対する第一部分17の回動(相対回動)は、伝達機構20Aによって抵抗機構16Aのキャップ部16bに伝達され、キャップ部16bが回動する。このとき、皿ばね16cのシャフト部16aの軸方向に沿った弾性反発力により、第三部分19とキャップ部16bとの間に回動抵抗(摺動抵抗、摩擦抵抗)が生じ、ひいては、第三部分19と第一部分17との間に回動抵抗(摺動抵抗、摩擦抵抗)が生じる。同様に、第三部分19に対する第二部分18の回動(相対回動)は、伝達機構20Bによって抵抗機構16Aのキャップ部16bに伝達され、キャップ部16bが回動する。このとき、皿ばね16cのシャフト部16aの軸方向に沿った弾性反発力により、第三部分19とキャップ部16bとの間に回動抵抗(摺動抵抗、摩擦抵抗)が生じ、ひいては、第三部分19と第二部分18との間に回動抵抗(摺動抵抗、摩擦抵抗)が生じる。すなわち、本実施形態では、第三部分19に対する第一部分17の抵抗力を抵抗機構16Aで設定し、第三部分19に対する第二部分18の抵抗力を抵抗機構16Aとは別の抵抗機構16Bで設定することができる。
【0033】
よって、本実施形態では、抵抗機構16Aと抵抗機構16Bとで抵抗要素のスペック(皿ばね16cの数、弾性力等)を相異ならせるなどにより、第一筐体2と接続部分4とが回動される際の抵抗力と、第二筐体3と接続部分とが回動される際の抵抗力とを、比較的容易に相異ならせることができる。ひいては、本実施形態によれば、接続部分4に対する第一筐体2の回動角度と接続部分4に対する第二筐体3の回動角度とが相異なる形態(姿勢)を、比較的容易に得ることができる。その一例として、例えば、抵抗機構16Aの抵抗力、すなわち第一筐体2に接続された第一部分17が第三部分19に対して回動する際の抵抗力を、抵抗機構16Bの抵抗力、すなわち第二筐体3に接続された第二部分18が第三部分19に対して回動する際の抵抗力より大きく設定することで、第三部分19に対して第一部分17が動きにくくなり、第二部分18が動きやすくなる。よって、電子機器1が図5の折り畳み状態から第一筐体2と第二筐体3とが開かれて展開状態に移行する際に、ヒンジ機構5が図12に示される状態になり、電子機器1が図13に示される状態、すなわち、第二筐体3がより大きく開いた状態にすることができる。図13に示されるように、この例では、電子機器1が、第一筐体2の面2hと接続部分4の外面4hの平面状部分とが連なった状態で平面P(載置面)上に置かれるため、電子機器1をより安定した状態で平面P上に置くことができる。外面4hは、接触面(接触部)の一例である。なお、抵抗機構16(16A,16B)は、二つのヒンジ機構5の双方に対応して設けられる必要はなく、いずれか一方のヒンジ機構5に対応して設けられてもよい。
【0034】
本実施形態のように、接続部分4およびヒンジ機構5を介して第一筐体2と第二筐体3とが回動可能に接続された構成では、第一回動軸Ax1および第二回動軸Ax2の二つの回動軸があるため、図5に示される折り畳み状態で、対向した第一筐体2の面2aと第二筐体3の面3aとが、第一回動軸Ax1および第二回動軸Ax2と交叉する方向(端部(辺部)2b,3bの延びる方向と交叉する方向、本実施形態では、一例として、第一回動軸Ax1および第二回動軸Ax2と直交する方向、図5の左右方向)に沿ってずれる可能性がある。このようなずれが生じると、折り畳み状態で電子機器1が屈曲した姿勢になる場合がある。また、仮に、面2a,3aが接触したままでずれると、面2a,3aの表面に傷等が生じる虞がある。そこで、本実施形態では、第一筐体2および第二筐体3が、第一回動軸Ax1および第二回動軸Ax2と交叉する方向にずれるのを抑制する係合機構(係り機構)21が設けられている。
【0035】
係合機構21は、図1等に示すように、第二筐体3に設けられた突起21aと、第一筐体2に設けられて突起21aを受け容れる凹部21cを有した受容部21bとを有する。突起21aは第二係合部の一例であり、受容部21bは第一係合部の一例である。本実施形態では、第一筐体2および第二筐体3の先端側の端部2c,3cの端部(両端部)に、係合機構21を構成する突起21aおよび受容部21bが設けられている。突起21aおよび受容部21bが、第一回動軸Ax1および第二回動軸Ax2と交叉する方向に係合する(係る)。なお、本実施形態では、突起21aと受容部21bとの係合によって、第一筐体2の面2aと第二筐体3の面3aとが隙間をあけて対向することができる。つまり、例えば突起21aの先端から面3aまでの高さ(距離)を、面2aから受容部21bの底部までの深さ(距離)よりも大きくすること等により、第一筐体2と第二筐体3とが互いに近接した状態における面2aと面3aとの当接を抑制することができる。しかし、他の部位の凹凸構造等で、第一筐体2の面2aと第二筐体3の面3aとの間に隙間が設けられてもよい。
【0036】
また、本実施形態では、突起21aと受容部21bとが係合する前に、突起21aおよび受容部21bのうち少なくとも一方をそれらの係合位置に向けて案内する案内機構22が設けられている。本実施形態では、一例として、案内機構22は、第一筐体2の面2aに、第一回動軸Ax1および第二回動軸Ax2と交叉する方向(本実施形態では直交する方向、図14の左右方向)に沿った溝22aとして設けられている。この溝22aは、凹部21cに向けて深くなっている。したがって、第一筐体2と第二筐体3とを近接させた際に、溝22aに挿入された突起21aは、この溝22aに沿って、係合位置としての凹部21c(受容部21b)の設けられた位置へ案内される。なお、案内機構22は、この例には限定されず、他の例としては、突起21aの先端に設けた傾斜面(図示せず)等として構成することも可能である。この例では、傾斜面が受容部21bの縁に当接することで、突起21aが凹部21c(受容部21b)との係合位置に案内される。
【0037】
また、本実施形態では、図14に示されるように、突起21aは、第二筐体3の後壁3iに設けられ、前壁3g側に突出し、前壁3gに設けられた貫通孔や切欠等としての開口部3uを貫通して、面3a上に突出している。一方、受容部21bは、第一筐体2の後壁2iに設けられ、前壁2g側に突出し、前壁2gに設けられた貫通孔や切欠等としての開口部2uから面2aの上方へ露出している。すなわち、突起21aおよび受容部21bともに、筐体内に臨む部材としての後壁3i,2iに設けられるとともに、開口部3u,2uを介して突出あるいは露出しているため、第一筐体2または第二筐体3の厚さ方向(図14の上下方向)の少なくとも二箇所で支持されている。よって、一箇所で支持する場合に比べて突起21aおよび受容部21bに生じる応力を緩和しやすくなる。なお、後壁2i,3iは、筐体内側に臨む部材の一例であり、前壁2g,3gは、開口部2u,3uを有した壁部の一例である。また、突起21aおよび受容部21bは、後壁2i,3iに設けられることは必須ではなく、他の例としては、第一筐体2あるいは第二筐体3内に収容された回路基板にねじ留め等することで設けることも可能である。また、開口部2u,3uに、ゴムや、スポンジ、樹脂材料等で構成された弾性部材としてのリング状のキャップ(介在物)を嵌め、突起21aや受容部21bと開口部2u,3uの縁との間に介在させることができる。
【0038】
また、突起21aを、開閉センサ12dによる開閉検知を行う対象として用いることができる。一例としては、開閉センサ12dが、接触センサ(例えば圧力センサ等)として構成され、突起21aの開閉センサ12dとの接触(押圧)の有無により、第一筐体2および第二筐体3の開閉を検出することができる。
【0039】
また、本実施形態では、抵抗機構16による抵抗力が大きく、第一筐体2と第二筐体3とが相対移動しにくい状態であると、案内機構22が作用しにくい虞がある。すなわち、案内機構22は、突起21aおよび受容部21bのうち少なくとも一方を、第一回動軸Ax1および第二回動軸Ax2と交叉する方向に沿って案内するので、第一筐体2と第二筐体3とが第一回動軸Ax1および第二回動軸Ax2と交叉する方向に沿って相対移動しやすい状態であることが望ましい。この点、本実施形態の抵抗機構16は、第一筐体2と第二筐体3との角度が小さい状態、すなわち、第一筐体2および第二筐体3の面2a,3a同士(表示画面6a同士)が近接した状態(所定の角度範囲)での抵抗力が、第一筐体2と第二筐体3との角度が大きい状態、すなわち、第一筐体2および第二筐体3の表示画面6a同士が離間した状態での抵抗力より小さくなるように、設定されている。具体的には、図15に示されるように、第一筐体2と第二筐体3との角度が小さい状態(折り畳み状態での角度を0°として、0°〜α°までの範囲)では、ギヤ20aのギヤ20bと対向する歯が無いため、ギヤ20a,20bが噛み合わず、第一筐体2と接続部分4との間、ならびに第二筐体3と接続部分4との間に、抵抗機構16A,16B(16)による抵抗力が作用しないように構成されている。伝達機構20A,20Bは、回動角度に応じて伝達機構20A,20Bの噛み合い状態と非噛み合い状態とを切り替える、抵抗機構16による抵抗力が作用する状態と作用しない状態とを切り替える、あるいは抵抗機構16による抵抗力の大きさを切り替える(可変する)切替機構(可変機構)の一例である。なお、ギヤ20bは、全周に亘って歯を有してもよい。
【0040】
また、何らかの理由で、置きモードとしては、いずれか一方の形態(例えば上記(1))にしたいような場合、第一筐体2および第二筐体3のうち、平面P(載置面)上に載置される載置部分である方(例えば、第一筐体2)に、突起21aがあると、使用者の手指等と突起21aとが干渉しやすくなる。そこで、突起21aは、載置部分(例えば、第一筐体2)に設けられ、受容部21bは、起立部分(例えば、第二筐体3)に設けられるのが好適である。この場合、表示制御部としての制御部12aは、載置部分である方(例えば、第一筐体2)の表示画面6aに、文字の入力部分(例えば、キーボードの画像や、文字を囲う枠の画像、文字に対応した要素の画像等)を表す画像(図示せず)を表示させる。その場合、さらに、抵抗機構16A,16Bの抵抗力の大きさを相異ならせることで、載置部分と起立部分とを規定しやすくなる。すなわち、上述したように、例えば、抵抗機構16Aの抵抗力を抵抗機構16Bの抵抗力より大きく設定することで、図12のヒンジ機構5の状態、および図13の電子機器1の状態、すなわち、第一筐体2が載置部分となって第二筐体3が起立部分となる状態を、得やすくなり、ひいては、使用者の手指と突起21aとがより干渉しにくくなる。
【0041】
また、図14に示されるように、本実施形態では、端部2c,3c側の側壁(周壁)2k,3kは、第一筐体2および第二筐体3の内部側に凹む状態に曲がった部分(凹部)2v,3vを有している。これらの部分2v,3vは連なって、対向する面2a,3aの部分が底部である一連の曲面(側面)を形成している。これにより、使用者が第一筐体2と第二筐体3とを開く際に、先端側の端部2c,3c側の側壁(周壁)2k,3kに手指を掛けやすくなる。
【0042】
以上、説明したように、本実施形態にかかる電子機器1は、第一筐体2および第二筐体3のうち一方(例えば、第一筐体2)と接続部分4とが回動される際の抵抗力の大きさと、他方(例えば、第二筐体3)と接続部分4とが回動される際の抵抗力の大きさとが相異なる抵抗機構16(16A,16B)と、を備えた。よって、第一筐体2および第二筐体3のうち抵抗力が小さい抵抗機構16(例えば、抵抗機構16B)によって抵抗力が与えられる方(例えば、第二筐体3)が動かしやすくなり、抵抗力が大きい抵抗機構(例えば抵抗機構16A)によって抵抗力が与えられる方(例えば、第一筐体2)が動かしにくくなる。よって、その場合は、折り畳み状態から、動かしやすい方がより先により大きく動きやすいので、起立部分として使いやすく、動かしにくい方が載置部分として使いやすくなる。ただし、これはあくまで一例であって、種々の使用形態に合わせて、抵抗機構16の抵抗力(抵抗トルク)を種々に設定することができ、これにより、一例としては、第一筐体2および第二筐体3の所期の姿勢を得やすくなる等の、効果が得られる。
【0043】
また、本実施形態では、接続部分4が、第一筐体2の端部2bおよび第二筐体3の端部3bから離れる方向に延びているため、接続部分4を、電子機器1の支持に利用することができる。
【0044】
また、本実施形態では、接続部分4が、第一筐体2の端部2bおよび第二筐体3の端部3bに沿って延びているため、接続部分4を、持ち部として利用したり、バッテリ13等の部品の収容部(装備部)や、結合部14や操作部15を設ける部分として利用したりすることができる。
【0045】
また、本実施形態では、接続部分4は、第一筐体2の端部2bおよび第二筐体3の端部3bに接続されているため、ディスプレイパネル6の薄型化に伴って第一筐体2および第二筐体3がより薄くなった場合にあっても、その外面4には、第一筐体2および第二筐体3の厚さの合計値分に近い長さの部分を確保しやすくなる。よって、接続部分4には、部品の収容部(装備部)や、結合部14や操作部15を設けやすい。また、本実施形態のように、接続部分4が、第一筐体2の端部2bおよび第二筐体3の端部3bから離れる方向に延びている場合や、第一筐体2の端部2bおよび第二筐体3の端部3bに沿って延びている場合も、部品の収容部(装備部)や、結合部14や操作部15を設けやすい。
【0046】
また、本実施形態では、接続部分4が、第一の置きモードで平面P(載置面)に接触する接触部としての外面4h、ならびに、第三の置きモードで平面P(載置面)に接触する接触部4f,4gを有している。よって、これらの置きモードで、接続部分4が無い場合に比べて、電子機器1をより安定的に置くことができる。また、図13に示されるように、外面4hのうち接触部となる部分が平面状であるため、電子機器1をより一層安定的に置くことができる。
【0047】
なお、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、係合機構21は、端部2c,3cの両端部に設けられたが、図16に示される変形例のように、端部2c,3cの中央部(中間部)に設けられてもよい。また、図示しないが、係合機構21は、面2a,3aの他の部位に設けられてもよい。
【0048】
また、図17に示される変形例のように、端部2b(または端部3b)と接続部分4とが対向する部分に、これらの相互の干渉量を減らして第二筐体3が第一筐体2から離間する方向により大きく倒れるのを許容する逃げ部23を設けることで、置きモードでの起立部分(例えば第二筐体3)の傾倒角度(第一筐体2と第二筐体3との開き角度、表示画面6a同士のなす角度)をより大きく(具体的には例えば90°を超えた角度に)することができる。また、平面状の複数の外面4hに、結合部14や操作部15(図8参照)を設けることができる。なお、結合部14や操作部15は、曲面状の外面4hに設けることも可能である。
【0049】
また、図18に示される変形例のように、電子機器1の接続部分4Aは、両端部に配置された別個の(二つの)構成要素とすることが可能である。この場合、各接続部分4Aにヒンジ機構5が収容される。
【0050】
また、本発明は、三つ以上の並行した回動軸で二つの筐体が回動可能に連結された電子機器として実施することも可能である。
【0051】
また、本発明は、例えば、携帯電話機や、スマートフォン、スマートブック、電子書籍端末、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機等の他の電子機器としても実施することができる。また、第一筐体および第二筐体の一方のみが表示画面を有した電子機器としても実施することができる。また、本発明は、電子機器や、第一筐体、第二筐体、接続部分、第一端部、第二端部、表示画面、面、接触部、抵抗機構、逃げ部、結合部、操作部等のスペック(数、形式、構成、位置、配置、形状、大きさ、厚さ、動作範囲、材質、結合対象等)を適宜に変更した形態として実施することができる。また、上記実施形態や上記変形例は、適宜に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0052】
1…電子機器、2…第一筐体(載置部分)、2a…面(第一面)、2b…端部(第一端部、第一辺部)、3…第二筐体(起立部分)、3a…面(第二面)、3b…端部(第二端部、第二辺部)、4…接続部分、4f,4g…接触部、4h…外面、6a…表示画面、13…バッテリ、14…結合部(接続コネクタ部)、15…操作部、16,16A,16B…抵抗機構、19…第三部分(接続部分)、23…逃げ部、Ax1…第一回動軸、Ax2…第二回動軸、P…平面(載置面)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一端部と、第一表示画面と、を有した第一筐体と、
前記第一端部に沿った第二端部と、前記第一表示画面と対向可能な第二表示画面と、を有した第二筐体と、
前記第一筐体および前記第二筐体のうち一方が平面上に載置され他方が起立された状態で当該平面と接触する接触部を有し、前記第一端部に第一回動軸回りに回動可能に接続されるとともに、前記第二端部に前記第一回動軸と並行した第二回動軸回りに回動可能に接続された接続部分と、
前記第一筐体および前記第二筐体のうち一方と前記接続部分とが回動される際の抵抗力の大きさと、他方と前記接続部分とが回動される際の抵抗力の大きさとが相異なる抵抗機構と、
を備えた電子機器。
【請求項2】
前記第一筐体が前記平面上に載置され前記第二筐体が起立された状態で、前記第一筐体が前記接続部分に対して回動される際の抵抗力の大きさが、前記第二筐体が前記接続部分に対して回動される際の抵抗力の大きさより大きい、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記接続部分は、前記第一端部および前記第二端部から離れる方向に延びた、請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第一表示画面は、文字入力用画像を表示し、
前記第一表示画面には、前記文字入力用画像に対する外部入力を受けるタッチパネルが設けられた、請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
前記接続部分は、前記第一端部および前記第二端部に沿って延びた、請求項1〜4のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項6】
前記接続部分は、バッテリを保持した、請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記接触部は、前記接続部分の平面状の外面の一部である、請求項1〜6のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項8】
前記接触部は、前記第一筐体が前記平面上に載置された状態で前記平面と対向する当該第一筐体の面と、連なっている、請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記接続部分に、前記第一筐体が平面上に載置され前記第二筐体が起立された状態で前記第二筐体が前記第一筐体から離間する方向に倒れるのを許容する逃げ部が設けられた、請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記接続部分には、前記平面に前記接触部が接触した状態で露出した操作部または接続コネクタ部が設けられた、請求項1〜9のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項1】
第一端部と、第一表示画面と、を有した第一筐体と、
前記第一端部に沿った第二端部と、前記第一表示画面と対向可能な第二表示画面と、を有した第二筐体と、
前記第一筐体および前記第二筐体のうち一方が平面上に載置され他方が起立された状態で当該平面と接触する接触部を有し、前記第一端部に第一回動軸回りに回動可能に接続されるとともに、前記第二端部に前記第一回動軸と並行した第二回動軸回りに回動可能に接続された接続部分と、
前記第一筐体および前記第二筐体のうち一方と前記接続部分とが回動される際の抵抗力の大きさと、他方と前記接続部分とが回動される際の抵抗力の大きさとが相異なる抵抗機構と、
を備えた電子機器。
【請求項2】
前記第一筐体が前記平面上に載置され前記第二筐体が起立された状態で、前記第一筐体が前記接続部分に対して回動される際の抵抗力の大きさが、前記第二筐体が前記接続部分に対して回動される際の抵抗力の大きさより大きい、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記接続部分は、前記第一端部および前記第二端部から離れる方向に延びた、請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記第一表示画面は、文字入力用画像を表示し、
前記第一表示画面には、前記文字入力用画像に対する外部入力を受けるタッチパネルが設けられた、請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
前記接続部分は、前記第一端部および前記第二端部に沿って延びた、請求項1〜4のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項6】
前記接続部分は、バッテリを保持した、請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記接触部は、前記接続部分の平面状の外面の一部である、請求項1〜6のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【請求項8】
前記接触部は、前記第一筐体が前記平面上に載置された状態で前記平面と対向する当該第一筐体の面と、連なっている、請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記接続部分に、前記第一筐体が平面上に載置され前記第二筐体が起立された状態で前記第二筐体が前記第一筐体から離間する方向に倒れるのを許容する逃げ部が設けられた、請求項8に記載の電子機器。
【請求項10】
前記接続部分には、前記平面に前記接触部が接触した状態で露出した操作部または接続コネクタ部が設けられた、請求項1〜9のうちいずれか一つに記載の電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−181624(P2012−181624A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−43136(P2011−43136)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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