説明

電子機器

【課題】回路基板を装着する前の状態で、搬送や保管を容易にできる電子機器を提供する。
【解決手段】シャーシ30の第2シャーシ側面32には、互いに対向する一対の第1係合面321,321が設けられており、ホルダ40における回路基板側の第1ホルダ側面41には、一対の第2係合面411,411が設けられている。一対の第2係合面411は、第1係合面321にそれぞれ摺接可能であり、一対の第1係合面321間の第3寸法H1が一対の第2係合面411間の第4寸法H2以下となっている。これにより、回路基板34を装着する前に、第1係合面321と第2係合面411を係合させることにより、シャーシ30にホルダ40を取り付けた状態(第1状態)が得られるので、この状態で他部品の組立作業や、搬送、保管を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部に回路基板を収容する筐体を組み付ける際に、二つの組み付け状態を有する電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、回路基板を収容する筐体を組み付ける際に、一旦仮止めする電子機器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図7に示すように、特許文献1に記載の電子機器であるカメラ100では、オートストロボ基板101をストロボ基板102に取り付けるときには、先ず、ストロボ基板102とオートストロボ基板101との間に弾性体105を挟み込みこむ。そして、ストロボ基板102の係止孔に係止爪101Aを係止させ、オートストロボ基板101の仮止めを行う。これにより、オートストロボ基板101は、大まかに位置決めされる。
【0003】
次に、オートストロボ基板101を仮止めした状態で、前カバー103を組み付ける。このとき、位置決めピン103Aが位置決め孔101Bに嵌め込まれ、受光素子104の受光面104Aが受光窓106に対面するように位置決めされる。同時に、オートストロボ基板101が、前カバー103とストロボ基板102との間に弾性体105を介して狭持される。これにより、受光素子104は受光窓106からの被写体光の測光が可能になる。
【0004】
従って、前カバー103の内壁にストロボ基板102に向かって突出する位置決めピン103Aを設けるとともに、オートストロボ基板101に位置決め孔101Bを形成する。そして、前カバー103を組み付けることにより位置決めピン103Aをオートストロボ基板101の位置決め孔101Bに嵌め込み、オートストロボ基板101の位置決めをする。同時に、受光窓106に対する受光素子104の位置決めを行う。
これにより、治具や工具などを用いることなく、簡単に受光素子104の位置決めを行うことが可能になり、これにより、作業工程を少なくして製造効率を良くすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−333662号公報(第3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、回路基板と電子部品とをフレキシブル基板で接続する電子機器において、組立の途中において、他部品の組立作業が行われる場合や、搬入、保管が行われる場合がある。このような場合において、電子部品が筐体に組み付けられ、かつ、回路基板を装着する前の状態では、フレキシブル基板に外力が作用するため、他部品の組立作業や、搬送、保管が困難であったという問題があった。
【0007】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、回路基板を装着する前の状態で、他部品の組立作業や、搬送、保管を容易にできる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電子機器は、筐体と、前記筐体における一方の開口に設けられる透明パネルと、前記筐体に収容されるシャーシと、前記シャーシにおける前記透明パネル側の第1シャーシ側面に支持される液晶モジュール(表示装置)と、前記シャーシにおける前記第1シャーシ側面とは反対側の第2シャーシ側面から突出する回路基板保持面に支持される回路基板と、前記回路基板に積層されるホルダと、前記ホルダに連結され、前記シャーシの前記第1シャーシ側面に引き回されるフレキシブル基板と、前記シャーシにおける前記第2シャーシ側面に設けられ、前記ホルダが積層される方向に沿うとともに互いに対向する一対の第1係合面と、前記ホルダにおける前記回路基板側の第1ホルダ側面に設けられ、前記各第1係合面にそれぞれ摺接可能な一対の第2係合面と、を備え、前記各第1係合面間の第1寸法が前記各第2係合面間の第2寸法以下であるものである。
なお、透明パネルは、具体的には、センサーガラスと一体になったタッチパネルでもよい。更に、透明パネルと液晶モジュール(表示装置)を一体にしてもよい。
【0009】
また、本発明の電子機器では、前記第1ホルダ側面から前記第2係合面の先端までの第3寸法が、前記第2シャーシ側面から前記回路基板保持面までの第4寸法以上であり、かつ、前記第4寸法と前記回路基板の厚み寸法とを合算した第5寸法以下であるものである。
【0010】
また、本発明の電子機器では、前記各第1係合面および前記各第2係合面が、ぞれぞれ前記筐体の厚み方向に沿った対応する位置に設けられているものである。
【0011】
また、本発明の電子機器では、前記回路基板が、前記筐体における前記透明パネルとは反対側に向けて実装されたカメラユニットを有するとともに、前記ホルダが、前記第1ホルダ側面と反対側の第2ホルダ側面に実装されたフォトライトと、前記カメラユニットを囲むとともに少なくとも一部が前記回路基板を貫通する壁部とを有し、前記第2係合面が前記壁部の外側面であるものである。
【0012】
さらに、本発明の電子機器は、前記ホルダが、前記第1ホルダ側面に突設されて、前記回路基板の貫通孔に圧入される係合ピンを有し、前記シャーシにおける前記第2シャーシ側面に前記係合ピンが接触不可能な凹部が設けられているものである。
【0013】
さらに、本発明の電子機器では、ホルダにフレキシブル基板を連結し、表示装置を支持するシャーシの第1シャーシ側面とは反対側の第2シャーシ側面に前記ホルダを積層するとともに前記フレキシブル基板を前記第1シャーシ側面に引き回すとともに、前記第2シャーシ側面に設けられ、前記ホルダが積層される方向に沿うとともに互いに対向する一対の第1係合面と、前記ホルダにおける前記第2シャーシ側面に対面する第1ホルダ側面に設けられ、前記各第1係合面にそれぞれ摺接可能な一対の第2係合面とを係合させてから、前記ホルダが取り付けられた前記シャーシを筐体における一方の開口に収納し、前記筐体における開口に透明パネルを取り付けて、第1状態とし、前記各第1係合面および前記各第2係合面の係合を解除させて前記シャーシから前記ホルダを離反させ、前記第2シャーシ側面から突出する回路基板保持面に回路基板を支持させてから、前記回路基板に前記ホルダを積層させて第2状態とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、シャーシの第2シャーシ側面には、互いに対向する一対の第1係合面が設けられており、ホルダにおける回路基板側の第1ホルダ側面には、第1係合面にそれぞれ摺接可能な一対の第2係合面が設けられている。そして、一対の第1係合面間の第1寸法が一対の第2係合面間の第2寸法以下となっているので、回路基板を装着する前に、第1係合面と第2係合面を係合させることにより、シャーシにホルダを取り付けた状態(第1状態)が得られ、この状態で他部品の組立作業や、搬送、保管を行うことができるという効果を有する電子機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】(A)は本発明に係る実施形態の携帯端末を表側から見た斜視図であり、(B)は携帯端末を裏側から見た斜視図であり、(C)は(B)中C−C位置の断面図
【図2】(A)は図1(C)中II方向から見た携帯端末の断面図であり、(B)は(A)中B部分の拡大断面図
【図3】第1係合面および第2係合面等の寸法の説明図
【図4】(A)ないし(D)は携帯端末の第1状態までの組み立て手順を示す斜視図および断面図
【図5】(A)ないし(D)は携帯端末の第1状態以降の組み立て手順を示す斜視図および断面図
【図6】(A)は第1状態におけるシャーシと位置決めとを示す断面図であり、(B)は(A)中B部分の拡大断面図
【図7】従来の電子機器であるカメラの断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施形態の電子機器について、図面を用いて説明する。
図1に示すように、本発明に係る実施形態の電子機器としての携帯端末10は、例えば一体型のものであり、表側が開口(開口部201)した矩形箱状の筐体20を有する。
筐体20は、開口部201を有する表側のカバー筐体(筐体)20Aと、裏側のケース筐体20Bを有する。
【0017】
図1および図2に示すように、開口部201の内側のカバー筐体20Aの内部には表示装置である液晶モジュール22が収容されている。また、開口部201の近傍には、近接センサ27を収容する近接センサ用窓26が設けられている。液晶モジュール22の表示面および近接センサ27を覆う透明パネル21が、カバー筐体20Aの表側面202の略全面にわたって設けられており、防護および防塵を図っている。
また、ケース筐体20Bの裏側面203には、裏側開口部204が設けられており、カメラパネル23が嵌められている。裏側開口部204には、フォトライト用窓24およびカメラ用窓25が収容されている。
【0018】
図2に示すように、カバー筐体20Aの内部には、シャーシ30が収容されている。シャーシ30は、透明パネル21側すなわち表側の第1シャーシ側面31と、第1シャーシ側面31とは反対側の第2シャーシ側面32を有する。
第1シャーシ側面31には、液晶モジュール22が取り付けられる。
第2シャーシ側面32には、回路基板保持面33が突設されており、回路基板34が取り付けられる。また、第2シャーシ側面32には、対向する一対の第1係合面321、321および凹部322が凹設されている。ここで、一対の第1係合面321、321の間隔は第1寸法W1(図3参照)である。
【0019】
回路基板34には、カメラ用開口部37(図5(B)参照)が設けられており、このカメラ用開口部37には透明パネル21とは反対側(すなわち、裏側)に向けてカメラユニット35が実装されている。カメラユニット35は、回路基板34の表裏両面から突出している。また、回路基板34には、カメラユニット35の近傍に、一対の位置決め用の貫通孔36(図5(B)参照)が設けられている。
【0020】
回路基板34の裏側(図2において上側)には、ホルダ40が積層される。ホルダ40は、回路基板34に面する側である第1ホルダ側面41および第1ホルダ側面41と反対側の第2ホルダ側面42を有する。
ホルダ40には、回路基板34に実装されたカメラユニット35用の矩形の開口部43が設けられている。この開口部43の周囲において、第1ホルダ側面41には矩形枠状の壁部としての第1の縦壁431が突設され、第2ホルダ側面42には第1の縦壁431の外側に対応する壁部としての第2の縦壁432が突設されている。第1の縦壁431は、回路基板34に設けられているカメラ用開口部37を貫通する。
【0021】
第1の縦壁431は、シャーシ30の第2シャーシ側面32に設けられている第1係合面321に対して、筐体20の厚み方向に沿って対応する位置に配設されている。従って、第1の縦壁431の外側面は、第1係合面321に摺接可能な一対の第2係合面411、411となる。
ここで、図3に示すように、一対の第2係合面411、411の間隔は第2寸法W2であり、第1係合面321、321間の第1寸法W1が、第2寸法W2以下(すなわち、W1<W2)となるように設定されている。
また、第1ホルダ側面41から第2係合面411の先端までの第3寸法H1は、第2シャーシ側面32から回路基板保持面33までの第4寸法H2以上である。かつ、第3寸法H1は、第4寸法H2と回路基板34の厚み寸法Tとを合算した第5寸法H3以下となっている。すなわち、H1<H3である。
【0022】
また、図2および図3に示すように、第1ホルダ側面41には、回路基板34側に突出して、位置決め用の係合ピン44が設けられている。この係合ピン44は、回路基板34の貫通孔36に挿入されて、回路基板34とホルダ40との相対的位置関係を規制する。係合ピン44は、回路基板34の貫通孔36を貫通してシャーシ30側に突出するが、シャーシ30の第2シャーシ側面32に設けられている凹部322に先端が挿入されるので、係合ピン44はシャーシ30に当接しない。
【0023】
図2および図4に示すように、ホルダ40の第2ホルダ側面42には、フレキシブル基板50の一端501が取り付けられており、他端503はシャーシ30の第1シャーシ側面31に引き回されている。フレキシブル基板50の裏面502の一端501にはフォトライト51が取り付けられており、裏面502の他端503には近接センサ27が取り付けられている。
従って、フォトライト51は裏側に配置されて、フォトライト用窓24の内側に位置する。また、近接センサ27は表側に配置されて、近接センサ用窓26の内側に位置する。
【0024】
次に、図4および図5に基づいて、携帯端末10の組み立て手順について説明する。なお、図4および図5においては、説明の都合上、表側を下側とし、裏側を上側として説明する。
図4(A)に示すように、予め、フレキシブル基板50の裏面502の一端501にフォトライト51を実装し、他端503には近接センサ27を実装しておく。
次いで、図4(B)に示すように、フレキシブル基板50の一端501を、ピン53によりホルダ40に連結する。
【0025】
次いで、図4(C)および図6に示すように、ホルダ40の第2係合面411の先端部を、シャーシ30の第2シャーシ側面32に設けられている第1係合面321に挿嵌して、ホルダ40をシャーシ30に積層して取り付ける。この状態では、係合ピン44はシャーシ30の凹部322に収容されて、シャーシ30に当接していないので、ホルダ40の位置決めはされていない。
そして、フレキシブル基板50を第1シャーシ側面31に引き回す。なお、シャーシ30の第1シャーシ側面31には、液晶モジュール22が取り付けられている。
【0026】
次に、図4(D)に示すように、カバー筐体20Aの開口部201と液晶モジュール22が対面するように、ホルダ40が取り付けられたシャーシ30を、カバー筐体20Aに収納し、カバー筐体20Aの開口部201に透明パネル21を取り付ける。この状態を第1状態という。透明パネル21を後で取り付ける理由は、液晶モジュール22と透明パネル21の間の空間へのゴミや埃の侵入を防ぐためであり、クリーンルーム等の別作業場で行うためである。
【0027】
次いで、図5(A)に示すように、第1係合面321および第2係合面411の係合を解除して、シャーシ30からホルダ40を離反させ(図5(A)中矢印A)、シャーシ30の上方(裏側)を開放する。このとき、ホルダ40は、フレキシブル基板50を介してシャーシ30に連結している。
そして、図5(B)に示すように、第2シャーシ側面32から、カメラユニット35を実装した回路基板34を挿入して、シャーシ30の回路基板保持面33に回路基板34を取り付ける。
【0028】
その後、図5(C)に示すように、ホルダ40の係合ピン44を回路基板34の貫通孔36に挿入して、回路基板34にホルダ40を積層させる。この状態を、第2状態という。
最後に、図5(D)に示すように、カバー筐体20Aにケース筐体20Bを接合して、携帯端末10を組み立てる。
【0029】
以上、説明した本発明に係る実施形態の携帯端末10によれば、カバー筐体20Aに収容されるシャーシ30の、透明パネル21側の第1シャーシ側面31には液晶モジュール22が支持される。シャーシ30における第1シャーシ側面31とは反対側の第2シャーシ側面32には、回路基板34を支持するための回路基板保持面33が突出して設けられている。
回路基板34にはホルダ40が積層され、シャーシ30の第1シャーシ側面31に引き回されるフレキシブル基板50が連結される。
【0030】
シャーシ30の第2シャーシ側面32には、互いに対向する一対の第1係合面321が設けられており、ホルダ40における回路基板34側の第1ホルダ側面41には、一対の第2係合面411が設けられている。一対の第2係合面411は、第1係合面321にそれぞれ摺接可能であり、一対の第1係合面321間の第1寸法W1が一対の第2係合面411間の第2寸法W2以下となっている。
これにより、回路基板34を装着する前に、第1係合面321と第2係合面411を係合させることにより、シャーシ30にホルダ40を取り付けた状態(第1状態)が得られるので、この状態で他部品の組立作業や、搬送、保管を行うことができる。
【0031】
第1ホルダ側面41から第2係合面411の先端までの第3寸法H1は、第2シャーシ側面32から回路基板保持面33までの第4寸法H2以上であり、かつ、第4寸法H2と回路基板34の厚み寸法Tとを合算した第5寸法H3以下である。
このため、回路基板34を装着する前の状態(第1状態)では、第1係合面321と第2係合面411とは係合するが、回路基板34を装着した後の状態(第2状態)では、第1係合面321と第2係合面411とは係合しない。
【0032】
第1係合面321および第2係合面411が、ぞれぞれカバー筐体20Aの厚み方向に沿った対応する位置に設けられているので、第1状態において、第1係合面321と第2係合面411とは、係合可能である。
【0033】
カメラユニット35を囲む第1の縦壁431および第2の縦壁432が、回路基板34を貫通して設けられているので、これら第1の縦壁431および第2の縦壁432のうち第1の縦壁431の外面を第2係合面411として用い、シャーシ30の第1係合面321に係合させることにより、回路基板34を装着する前の状態(第1状態)とすることができる。
【0034】
ホルダ40の第1ホルダ側面41に、回路基板34の貫通孔36に圧入して取り付けるための係合ピン44が設けられているが、この係合ピン44は、第2シャーシ側面32に設けられている凹部322に進入するため、シャーシ30の第2シャーシ側面32に接触しない。
このため、第1係合面321と第2係合面411とを係合させることができ、回路基板34を装着する前の状態(第1状態)を形成できる。
【0035】
ホルダ40にフレキシブル基板50を連結し、液晶モジュール22を支持するシャーシ30の第1シャーシ側面31とは反対側の第2シャーシ側面32にホルダ40を積層して、フレキシブル基板50を第1シャーシ側面31に引き回す。この状態で、第2シャーシ側面32に設けられて互いに対向する一対の第1係合面321と、ホルダ40の第1ホルダ側面41に設けられている一対の第2係合面411とを係合させる。その後、カバー筐体20Aの開口部201と液晶モジュール22が対面するように、ホルダ40が取り付けられたシャーシ30を、カバー筐体20Aに収納し、カバー筐体20Aの開口部201に透明パネル21を取り付けて、第1状態とする。
【0036】
従って、回路基板34を装着する前に、第1係合面321と第2係合面411を係合させることにより、シャーシ30にホルダ40を取り付けた状態(第1状態)が得られるので、この状態で他部品の組立作業や、搬送、保管を行うことができる。
そして、第1係合面321および第2係合面411の係合を解除させて、シャーシ30からホルダ40を離反させ、回路基板34を第2シャーシ側面32から突出する回路基板保持面33に取付ける。その後、回路基板34にホルダ40を積層させて第2状態とする。
【0037】
なお、本発明の電子機器は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
例えば、前述した実施形態において、透明パネルは、具体的には、センサーガラスと一体になったタッチパネルでもよい。更に、透明パネルと液晶モジュール(表示装置)とを一体にしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上のように、本発明にかかる電子機器は、シャーシの第2シャーシ側面には、互いに対向する一対の第1係合面が設けられており、ホルダにおける回路基板側の第1ホルダ側面には、第1係合面にそれぞれ摺接可能な一対の第2係合面が設けられている。そして、一対の第1係合面間の第1寸法が一対の第2係合面間の第2寸法以下となっているので、回路基板を装着する前に、第1係合面と第2係合面を係合させることにより、シャーシにホルダを取り付けた状態(第1状態)が得られ、この状態で他部品の組立作業や、搬送、保管を行うことができるという効果を有する電子機器を提供できるという効果を有し、内部に回路基板を収容する筐体を組み付ける際に、二つの組み付け状態を有する電子機器等として有用である。
【符号の説明】
【0039】
10 携帯端末(電子機器)
20 筐体
20A カバー筐体(筐体)
20B ケース筐体(筐体)
201 開口部(開口)
21 透明パネル
22 液晶モジュール(表示装置)
23 カメラパネル
24 フォトライト用窓
25 カメラ用窓
26 近接センサ用窓
27 近接センサ
30 シャーシ
31 第1シャーシ側面
32 第2シャーシ側面
321 第1係合面
322 凹部
33 回路基板保持面
34 回路基板
35 カメラユニット
36 貫通孔
37 カメラ用開口部
40 ホルダ
41 第1ホルダ側面
411 第2係合面
42 第2ホルダ側面
431 第1の縦壁(壁部)
432 第2の縦壁(壁部)
44 係合ピン
50 フレキシブル基板
51 フォトライト
53 ピン
W1 第1寸法
W2 第2寸法
H1 第3寸法
H2 第4寸法
H3 第5寸法
T 厚み寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体における一方の開口に設けられる透明パネルと、
前記筐体に収容されるシャーシと、
前記シャーシにおける前記透明パネル側の第1シャーシ側面に支持される表示装置と、
前記シャーシにおける前記第1シャーシ側面とは反対側の第2シャーシ側面から突出する回路基板保持面に支持される回路基板と、
前記回路基板に積層されるホルダと、
前記ホルダに連結され、前記シャーシの前記第1シャーシ側面に引き回されるフレキシブル基板と、
前記シャーシにおける前記第2シャーシ側面に設けられ、前記ホルダが積層される方向に沿うとともに互いに対向する一対の第1係合面と、
前記ホルダにおける前記回路基板側の第1ホルダ側面に設けられ、前記各第1係合面にそれぞれ摺接可能な一対の第2係合面と、を備え、
前記各第1係合面間の第1寸法が前記各第2係合面間の第2寸法以下である電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記第1ホルダ側面から前記第2係合面の先端までの第3寸法が、
前記第2シャーシ側面から前記回路基板保持面までの第4寸法以上であり、かつ、前記第4寸法と前記回路基板の厚み寸法とを合算した第5寸法以下である電子機器。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電子機器において、
前記各第1係合面および前記各第2係合面が、ぞれぞれ前記筐体の厚み方向に沿った対応する位置に設けられている電子機器。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1項に記載の電子機器において、
前記回路基板が、前記筐体における前記透明パネルとは反対側に向けて実装されたカメラユニットを有するとともに、
前記ホルダが、前記第1ホルダ側面と反対側の第2ホルダ側面に実装されたフォトライトと、前記カメラユニットを囲むとともに少なくとも一部が前記回路基板を貫通する壁部とを有し、
前記第2係合面が前記壁部の外側面である電子機器。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1項に記載の電子機器において、
前記ホルダが、前記第1ホルダ側面に突設されて、前記回路基板の貫通孔に圧入される係合ピンを有し、
前記シャーシにおける前記第2シャーシ側面に前記係合ピンが接触不可能な凹部が設けられている電子機器。
【請求項6】
ホルダにフレキシブル基板を連結し、
表示装置を支持するシャーシの第1シャーシ側面とは反対側の第2シャーシ側面に前記ホルダを積層するとともに前記フレキシブル基板を前記第1シャーシ側面に引き回すとともに、前記第2シャーシ側面に設けられ、前記ホルダが積層される方向に沿うとともに互いに対向する一対の第1係合面と、前記ホルダにおける前記第2シャーシ側面に対面する第1ホルダ側面に設けられ、前記各第1係合面にそれぞれ摺接可能な一対の第2係合面とを係合させてから、前記ホルダが取り付けられた前記シャーシを筐体における一方の開口に収納し、前記筐体における開口に透明パネルを取り付けて、第1状態とし、
前記各第1係合面および前記各第2係合面の係合を解除させて前記シャーシから前記ホルダを離反させ、
前記第2シャーシ側面から突出する回路基板保持面に回路基板を支持させてから、
前記回路基板に前記ホルダを積層させて第2状態とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−220784(P2012−220784A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87605(P2011−87605)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】