説明

電子物品監視/無線周波数識別の組合せアンテナ

EAS/RFID監視システムに用いられるEAS/RFID組合せアンテナである。このアンテナは、EASアンテナ要素とRFIDアンテナ要素とを含む。EASアンテナ要素は、内側部分を画定するEASループ・アンテナを含む。RFIDアンテナ要素は、ハッチングされた導体パターンを有するRFIDパッチ・アンテナを含む。RFIDアンテナ要素は、アンテナの全体サイズが減少されるような方法でEASループ・アンテナの近傍に設置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、電子セキュリティ・システムに関し、特に、電子物品監視(「EAS」)と無線周波数識別(「RFID」)機能とをアンテナの全体サイズが減少されるような方法で組み合わせるアンテナ設計に関する。
【背景技術】
【0002】
電子物品監視(「EAS」)システムは、所与の検出区域内のマーカ又はタグの識別を可能にする検出システムである。EASシステムは多くの用途を有するが、ほとんどの場合、それらは店での万引き又はオフィス・ビルでの所有物の持ち出しを防止するためのセキュリティ・システムとして用いられる。EASシステムは、多くの異なる形態で提供されており、多数の異なる技術を利用している。
【0003】
典型的なEASシステムは、電子検出ユニット、タグ及び/又はマーカ、並びに、取り外し器又は無効化器を含む。検出ユニットは、例えば、床下に埋設された、壁に取り付けられた、又は天井から吊るされた架台ユニットとして形成することができる。検出ユニットは、通常は、店又はオフィス・ビルの入口及び出口のような往来の多い領域に配置される。タグ及び/又はマーカは、特別な特徴を有し、保護が求められる商品又は他の物体に貼り付けられ又は埋め込まれるように特別に設計される。有効タグがタグ検出区域を通過するときに、EASシステムが警報を鳴らし、ライトが点灯し、かつ/又は任意の他の適切な警告デバイスが起動して、規定された領域からのタグの持ち出しを示す。
【0004】
一般的なEASシステムは、各々が送信及び受信するトランシーバ、又は分離された送信器及び受信器のいずれかを用いて、これらの同じ一般原理で動作する。典型的には、送信器が検出区域の一方の側に配置され、受信器が検出区域の反対の側に配置される。送信器はタグ検出区域において所定の励磁信号を生成する。小売店の場合には、この検出区域は通常は出口に形成される。EASタグが検出区域に入るときに、タグは、検出可能な、励磁信号への特徴的応答を有する。例えば、タグは、単純な半導体接合部、インダクタとコンデンサからなる同調回路、軟質磁気ストリップ又はワイヤ、又は磁気音響共振器の振動により、送信器によって送られた信号に応答してもよい。その後、受信器が、この特徴的応答を検出する。設計により、タグの特徴的応答は、独特のものであり、自然環境によって生じるようなものではない。
【0005】
無線周波数識別(「RFID」)システムはまた、当該技術分野では一般に知られており、在庫管理、電子アクセス制御、セキュリティ・システム、及び有料道路での車両の自動識別のような多数の用途のために用いることができる。RFIDシステムは典型的にRFIDリーダとRFIDデバイスとを含む。RFIDリーダは無線周波数(「RF」)搬送信号をRFIDデバイスに送信してもよい。RFIDデバイスは、RFIDデバイスによって格納された情報でエンコードされたデータ信号で、搬送信号に応答してもよい。
【0006】
小売環境におけるEAS機能とRFID機能との組み合わせに対する市場の要求が、急増している。万引き保護のために現在EASを有する多くの小売店は、在庫管理のためにはバーコード情報を頼りにしている。RFIDは、バーコーディングよりも速くかつより詳細な在庫管理を提供する。小売店は再使用可能なハード・タグに既にかなりの額を支払っている。RFID技術をEASシステムに付加することは、損失防止のみならず在庫管理の生産性の改善により、容易に付加費用の採算をとることができる。
【0007】
さらに、EAS要素とRFID要素との間の相互作用を最小にするために、先行技術の組み合わせ手法は、2つの異なる要素、すなわちEAS要素とRFID要素を、端と端に、横に並べて、又は積み重ねる方法で、各要素の相互作用が最小になるように十分に引き離して配置する。しかしながら、これは全体サイズと組合せアンテナの設置面積の著しい増加を要求する。
【0008】
EAS要素とRFID要素との組み合わせの全体サイズと設置面積を減少させ、EAS能力とRFID能力との両方を有するアンテナを作成する最近の試みは、さらなる困難に直面している。例えば、RFIDアンテナは広いグラウンド・プレーンを要求するパッチ・アンテナとして設計されることが多いので、EAS及びUHF RFIDアンテナを同一空間内で一緒に働くように作ることを試みるのは難しい。
【0009】
EASアンテナはループ・アンテナとして設計される場合が多い。RFIDパッチ・アンテナをEASループ・アンテナの内部に配置することには利点がある。しかしながら、EAS送信場は、EAS送信場とは反対のRFIDグラウンド・プレーンにおける渦電流の発生のために著しく減衰されるので、これがなされたときには問題が生じる。RFIDアンテナがダイポール又はヘリックス・コイル型アンテナである場合、代替的なアンテナ設計は前述の問題を被らないが、この代替的な設計はパッチ・アンテナを許容しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
必要とされるのは、アンテナの全体サイズを減少させためにEAS要素とRFID要素を互いに近接して配置すると同時に、渦電流の減衰効果を最小にすることを可能にするEAS・RFID組合せアンテナ設計である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、アンテナの全体サイズが減少されるような方法でEAS要素とRFID要素との両方を含むEAS/RFID組合せアンテナ設計を有利に提供する。EAS/RFIDシステムにおいてEASループ・アンテナがRFIDパッチ・アンテナと組み合わされる。RFIDグラウンド・プレーン及び/又はパッチ・アンテナにハッチング・パターンが適用される。ハッチングされたRFIDアンテナは、EASループ・アンテナの近傍に設置される。RFIDグラウンド・プレーンは、組合せアンテナによってとられる設置面積をさらに減少させるために、EASループ・アンテナの内部領域内に設置することができる。
【0012】
本発明の1つの態様において、電子物品監視/無線周波数識別・組合せアンテナが提供され、このアンテナは、内側部分を画定するEASループ・アンテナと、RFIDパッチ・アンテナを有するRFIDアンテナ要素とを含み、RFIDパッチ・アンテナはハッチングされた導体パターンを有する。RFIDアンテナ要素は、EASアンテナ要素の近傍に配置されている。
【0013】
別の態様において、本発明は、EASループ・アンテナが内側部分を有する、電子物品監視/無線周波数識別・組合せアンテナを提供する。RFIDアンテナ要素は、RFIDパッチ・アンテナ、グラウンド・プレーン、及びRFIDパッチ・アンテナとグラウンド・プレーンとの間に配置された誘電体要素を有する。RFIDパッチ・アンテナはハッチングされた導体パターンを有する。RFIDアンテナ要素は、実質的にEASループ・アンテナと同一平面内であり、かつその内側の部分に設置される。
【0014】
さらに別の実施形態において、本発明は、送信回路が問い合わせ信号を出力するように構成された、電子物品監視/無線周波数識別・組合せリーダを提供する。問い合わせ信号は、EAS信号とRFID信号との少なくとも1つを含む。受信回路は、問い合わせ信号に応答して応答信号を受信するように構成される。EASループ・アンテナはEAS信号を送信し、EASループ・アンテナは内側部分を有する。RFIDアンテナ要素は、RFID信号を送信するためにRFIDパッチ・アンテナを含む。RFIDパッチ・アンテナはハッチングされた導体パターンを有する。RFIDアンテナ要素は、EASループ・アンテナの近傍に配置される。
【0015】
本発明のより完全な理解とそれに付随する利点及び特徴は、添付の図面と組み合わせて考察されたときに、以下の詳細な説明を参照することによって、より容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の原理に従って構築された電子物品監視/無線周波数識別の組合せ型検出システムのブロック図である。
【図2】図1の電子物品監視/無線周波数識別の組合せ型検出システムに用いられるEASループ・アンテナの正面図である。
【図3】図1の電子物品監視/無線周波数識別の組合せ型検出システムに用いられるRFIDパッチ・アンテナの正面図である。
【図4】図3のRFIDパッチ・アンテナの側面図である。
【図5】図1の電子物品監視/無線周波数識別の組合せ型検出システムに用いられる、ハッチングされたパターンを有するRFIDパッチ・アンテナの正面図である。
【図6】図1の電子物品監視/無線周波数識別の組合せ型検出システムに用いられるEAS/RFID組合せアンテナの正面図である。
【図7】図6のEAS/RFID組合せアンテナを有するハンドヘルド・リーダの正面図である。
【図8】図6のEAS/RFID組合せアンテナを有するハンドヘルド・リーダの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、EAS要素とRFID要素との両方を有するアンテナ設計に向けられている。このアンテナは、EASループ・アンテナをRFIDパッチ・アンテナと組み合わせたものであり、組み合わせハンドヘルド・リーダ、卓上型無効化器及び架台のようなEAS/RFIDシステムに用いることができる。RFIDグラウンド・プレーン及びパッチ・アンテナにハッチング・パターンが適用される。RFIDアンテナは、グラウンド・プレーン、誘電体要素、及びパッチを含む。ハッチングされたRFIDアンテナはEASループ・アンテナの近傍に設置される。1つの実施形態において、RFIDパッチ・アンテナEASループ・アンテナ内に設置される。この実施形態において、RFIDグラウンド・プレーンは、実質的にEASループ・アンテナと同一平面内にあり、その内部領域内に設置される。別の実施形態において、RFIDアンテナは実質的にEASループ・アンテナに対して同一平面内にはなく、EASループ・アンテナの前方又は後方に設置される。別の実施形態において、RFIDパッチとグラウンド・プレーンの一方又は両方が、種々のハッチングされた導体パターンの1つにエッチングされる。
【0018】
別の実施形態において、RFIDパッチとグラウンド・プレーンとの両方が、種々のハッチング・パターンの1つでハッチングされる。ここで同様の参照符号が同様の要素を指す図面を参照すると、本発明の原理に従って構築された、全体を「100」として指定される例示的なシステムの図が、図1に示されている。図1は、EAS/RFID組み合わせリーダ102と、1つ又はそれ以上のアイテムに貼り付けられた1つ又はそれ以上の遠隔通信デバイス(タグ)104を含むシステムを示す。1つのみのリーダ102と1つのみのタグ104が図1に示されているが、本発明はそれに限定されず、任意の数のこれらのデバイスを含むことができる。
【0019】
システム100は、EASセキュリティ・システムの窃盗防止機能をRFID識別システムのアイテム識別機能と組み合わせた監視システムを表す。システム100は、顧客がまだ店内にいる間に潜在的な窃盗をスタッフ従業員に警告する能力を有する。EAS技術をRFID技術と組み合わせることにより、製造業者がRFIDを用いてサプライ・チェーンを通して在庫を追跡し、EASを用いて小売店の店内のアイテムを保護することができるので、潜在的に製造業者に大きな利益を与えることができる。
【0020】
再び図1を参照すると、EAS/RFID組み合わせリーダ102は、例えば、問い合わせ信号106をタグ104に送信するのに用いられるリーダ・ユニットの形態とすることができる。リーダ102は、無線周波数モジュール(送信器及び受信器)、制御ユニット、タグへの結合要素、及び電力供給を含むことができる。さらに、多くのリーダには、それらがタグから受信したデータを別のシステム、例えばPC、自動制御システム等に送ることを可能にする、インターフェース・ハードウェアが搭載されている。
【0021】
リーダ102は、EAS要素とRFID要素との両方を有するEAS/RFID組合せアンテナ108を含む。アンテナ108は、タグ104を有効化し、タグからデータを読み取り、且つ/又は、タグに書き出すために、無線信号を発する。アンテナ108は、システムのデータ収集及び通信を制御する、タグ104とリーダ102との間のパイプを提供する。アンテナ108により生じた電磁界は、多数のタグが絶え間なく問い合わせ区域を通過しているなら、一貫して存在する。一貫した問い合わせがアプリケーション要件ではない場合、感知デバイスが電磁界を有効化することによって電力を節約することができる。
【0022】
タグ104は、典型的に物体の上に配置され又は物体内に埋め込まれた電子送信器/応答器であり、EAS/RFID問い合わせシステムの実際のデータ搬送デバイスを表す。タグ104は、問い合わせ器、すなわちリーダ102からのそのエンコードされたデータについての、送信又は通信されたリクエスト信号106に応答する。タグ104は、互いに通信するために無線周波数波を用いてオープン・エア・インターフェース上で無線信号を発する。タグは、音響磁気(「AM」)コンポーネント、及び/又は、能動又は受動RFIDコンポーネントのようなEAS要素を含む。
【0023】
リーダ102は問い合わせ範囲内で電波を発し、その範囲は電力出力と用いられる周波数に応じて変化する。タグ104が電磁気区域に入って通過する際に、タグはリーダの有効化信号を感知する。リーダ102は次いで、タグの集積回路(IC)内のエンコードされたデータをデコードして、処理のためにデータをホスト・コンピュータに渡す。典型的に、アンテナ108は、リーダ102内のトランシーバ及びデコーダにパッケージングされる。EAS/RFIDリーダ102は、所望の用途に応じてハンドヘルド・デバイス又は固定位置/固定取付け構成とすることができる。アンテナ108は、EASループ・アンテナとRFIDパッチ・アンテナとを含み、その各々を以下により詳しく説明する。アンテナ108は、EAS及び/又はRFID問い合わせ信号106をタグ104に送信することができ、そしてまたタグ104から応答通信信号110を受信することができる。
【0024】
図2にはEASループ・アンテナ112が示される。前述のように、EAS/RFID組合せアンテナ108はEAS要素とRFID要素との両方を有する。EASループ・アンテナ112はアンテナ108のEAS要素を表す。EASループ・アンテナ112は典型的にほぼ円形又は矩形の形状であり、EASループ・アンテナ112が送信アンテナとして用いられるときに送信器回路によって駆動される。EASループ・アンテナ112はまた、アンテナが受信器アンテナとして用いられるときに、受信器回路に電気的に結合され、且つ受信器回路を駆動させる。図2に描かれたアンテナ構成に加えて、他のループ・サイズ、形状又は構成を採用し、本発明と共に用いることができる。電流は、EASループ・アンテナ112の中を時計回り又は反時計回りの方向のいずれかに流れることができる。
【0025】
EASアンテナ112のループを通って流れる電流は、当該技術分野では周知のように、アンテナの少なくとも一部から同心円状、且つ電流の流れの方向にほぼ垂直に延びる磁束を有する磁界を確立する。EASループ・アンテナ112に電気的に結合された電流源は、電流をアンテナ112に供給し、電磁エネルギー場を発現させるのに十分な電流をアンテナ112に供給することができる。電流源は、EASループ・アンテナ112によってかけられる負荷インピーダンスを駆動することができるタイプの、信号発振器と適切な増幅器/フィルタ・ネットワークとを有する、従来の送信器とすることができる。明らかなように、アンテナ112が電磁界を放射する周波数は、実質的に送信器の振動率に依存する。したがって、周波数は、送信器を周知の方法で適切に調節することによって設定及び調節することができる。
【0026】
加えて、受信器回路を、送信アンテナから電磁エネルギーを受け取るため、及び/又は、EASループ・アンテナ112の近くにタグが存在するかどうかを示す信号をタグの共振回路に生成するために、EASループ・アンテナ112に電気的に結合することができる。
【0027】
図3及び図4には、本発明に従って用いられるRFIDパッチ・アンテナ114の実施形態が示される。1つの実施形態において、RFIDパッチ・アンテナ114はグラウンド・プレーン116を含み、その上に誘電体要素118が設置される。パッチ・アンテナ120は、誘電体要素118上に設置される。図3及び図4に描かれた実施形態は単なる例示であり、他の構成のRFIDパッチ・アンテナを用いることができる。
【0028】
図5は、RFIDパッチ・アンテナ114がグラウンド・プレーン116に、そしてまたパッチ120にハッチ・パターンを有する、本発明の実施形態を示す。別の実施形態において、ハッチ・パターンはパッチ120にのみ存在する。さらに別の実施形態において、グラウンド・プレーン116のみがハッチ・パターンを含む。図5に描かれたハッチ・パターンは、製造プロセスの間のエッチングなどによる、パッチ・アンテナ120及び/又はグラウンド・プレーン116の全体にわたる導体のセグメント化を表す。導体の不連続性は、面をEASループ・アンテナ信号の送信によって生じるEAS周波数に分割することにより、EASループ・アンテナ112によって生じる渦電流を最小にする。
【0029】
図6は、EASループ・アンテナ112に対して実質的に同一平面内にある、ハッチングされたグラウンド・プレーン116とハッチングされたパッチ120との両方を含む、ハッチングされたRFIDアンテナ114を示す。この実施形態において、RFIDアンテナ114は、EASループ・アンテナ112の内側に配置される。結果として得られるのが、RFIDとEASとの両方の送信能力を備え、減少された全体的設置面積を有する組合せアンテナ108である。組合せアンテナ108は、他の組合せアンテナよりも小さいスペースを有利に取り、したがってアンテナ108がリーダ、架台、卓上及び他の組合せアンテナが適合しない他の位置内に組み入れられることを可能にする。他の実施形態において、RFIDパッチ・アンテナ114は、EASループ・アンテナ112内にではなくその近傍に設置される。例えば、RFIDパッチ・アンテナ114は、EASループ・アンテナ112の後方又は前方の位置のように、EASループ・アンテナ112に対して同一平面内になくてもよい。これらの構成の結果として得られるのが、他の組合せアンテナと比較したときに減少された設置面積を備える組合せアンテナ108である。ハッチング設計のセグメント化、又は不連続パターン若しくは不連続スクリーンは、RFIDアンテナの送信周波数が影響されないようにしながら、EAS周波数を分割するように働く。
【0030】
図5及び図6に示されたハッチ設計は単なる例示であり、本発明は特定のハッチ設計に限定されない。1つの実施形態において、RFIDアンテナ114は、EASループ・アンテナ112の内側に設置され、これにより組合せアンテナの全体サイズを最小に保ち、組合わせアンテナが小さいリーダ、架台などに埋め込まれることを可能にする。さらに、RFIDアンテナ114及びEASループ・アンテナ112の近接にもかかわらず、RFIDハッチ・パターンのセグメント化により、渦電流に起因したEAS送信場の減衰が減少される。
【0031】
図7及び図8は、ハンドヘルド・リーダ102が問い合わせ信号を出力するように構成された送信回路を含む本発明の実施形態を示す。問い合わせ信号はEAS信号及びRFID信号のうちの少なくとも1つを含む。リーダ102はまた、問い合わせ信号に応答して応答信号を受信するように構成された受信回路を含む。リーダ102はさらに、EAS信号を送信するための、内側部分を画定するEASループ・アンテナ112と、RFID信号を送信するための、開ループEASアンテナ112の内側に配置される、RFIDパッチ・アンテナ114を有するRFIDアンテナ要素とを含む。ハッチングされたグラウンド・プレーン116、誘電体118、及びパッチ120は、EASループ・アンテナ112の内側に明らかに見ることができる。この実施形態は、ハッチングされていないパッチ120を備えたハンドヘルド・リーダ102を示す。しかしながら、ハンドヘルド・リーダ102は、グラウンド・プレーン116のパターンに良く似たハッチングされたパターンを有するパッチ120を含むことができる。代替的な方法として、グラウンド・プレーン116は、パッチ120のハッチ・パターンとは異なるハッチ・パターンを有することができる。
【0032】
本発明は上記に具体的に示され説明されたものに限定されないことが、当業者には分かるであろう。加えて、上記に特にそうでないとの記載がない限り、すべての添付の図面は原寸に比例していないことに注意されたい。上記の教示に照らせば、以下の特許請求の範囲の請求項によってのみ制限される本発明の範囲及び思想から逸脱することなく、様々な修正及び変形が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子物品監視/無線周波数識別の組合せアンテナであって、
内側部分を画定するEASループ・アンテナと、
RFIDアンテナ要素と、
を備え、前記RFIDアンテナ要素がRFIDパッチ・アンテナを含み、前記RFIDパッチ・アンテナがハッチングされた導体パターンを有し、前記RFIDアンテナ要素が前記EASループ・アンテナの近傍に配置されている、
電子物品監視/無線周波数識別の組合せアンテナ。
【請求項2】
前記RFIDアンテナ要素が前記EASループ・アンテナに対して実質的に同一平面内にないことを特徴とする請求項1に記載のEAS/RFID組合せアンテナ。
【請求項3】
前記RFIDアンテナ要素が前記EASループ・アンテナに対して実質的に同一平面内にあることを特徴とする請求項1に記載のEAS/RFID組合せアンテナ。
【請求項4】
前記RFIDアンテナ要素が前記EASループ・アンテナの実質的に内側部分に設置されることを特徴とする請求項1に記載のEAS/RFID組合せアンテナ。
【請求項5】
前記RFIDアンテナ要素がさらにグラウンド・プレーンと誘電体要素とを含み、前記誘電体要素が前記グラウンド・プレーンと前記RFIDパッチ・アンテナとの間に配置されることを特徴とする請求項1に記載のEAS/RFID組合せアンテナ。
【請求項6】
前記グラウンド・プレーンがハッチングされた導体パターンを有することを特徴とする請求項5に記載のEAS/RFID組合せアンテナ。
【請求項7】
前記グラウンド要素の前記ハッチングされた導体パターンが前記RFIDパッチ・アンテナの前記ハッチングされた導体パターンとは異なることを特徴とする請求項6に記載のEAS/RFID組合せアンテナ。
【請求項8】
前記グラウンド要素の前記ハッチングされた導体パターンが前記RFIDパッチ・アンテナの前記ハッチングされた導体パターンと同じであることを特徴とする請求項6に記載のEAS/RFID組合せアンテナ。
【請求項9】
電子物品監視/無線周波数識別の組合せアンテナであって、
内側部分を画定するEASループ・アンテナと、
RFIDアンテナ要素と、
を含み、前記RFIDアンテナ要素が、
ハッチングされた導体パターンを有するRFIDパッチ・アンテナと、
グラウンド・プレーンと、
前記RFIDパッチ・アンテナと前記グラウンド・プレーンとの間に配置された誘電体要素と、
を含み、前記RFIDアンテナ要素が前記EASループ・アンテナの実質的に同一平面内に、且つ、前記EASループ・アンテナの前記内側部分に設置されている、
電子物品監視/無線周波数識別の組合せアンテナ。
【請求項10】
前記グラウンド・プレーンがハッチングされた導体パターンを含むことを特徴とする請求項9に記載の電子物品監視/無線周波数識別組合せアンテナ。
【請求項11】
前記グラウンド・プレーンの前記ハッチングされた導体パターンが前記RFIDパッチ・アンテナの前記ハッチングされた導体パターンとは異なることを特徴とする請求項10に記載の電子物品監視/無線周波数識別組合せアンテナ。
【請求項12】
前記グラウンド・プレーンの前記ハッチングされた導体パターンが前記RFIDパッチ・アンテナの前記ハッチングされた導体パターンと同じであることを特徴とする請求項10に記載の電子物品監視/無線周波数識別組合せアンテナ。
【請求項13】
電子物品監視/無線周波数識別の組合せリーダであって、
EAS信号及びRFID信号のうちの少なくとも1つを含む問い合わせ信号を出力するように構成された送信回路と、
前記問い合わせ信号に応答した応答信号を受信するように構成された受信回路と、
前記EAS信号を送信するための、内側部分を画定するEASループ・アンテナと、
前記RFID信号を送信するためのRFIDパッチ・アンテナを含むRFIDアンテナ要素と、
を備え、前記RFIDパッチ・アンテナがハッチングされた導体パターンを有し、前記RFIDアンテナ要素が前記EASループ・アンテナの近傍に配置されている、
電子物品監視/無線周波数識別の組合せリーダ。
【請求項14】
前記RFIDアンテナ要素が前記EASループ・アンテナに対して実質的に同一平面内にないことを特徴とする請求項13に記載の電子物品監視/無線周波数識別組合せリーダ。
【請求項15】
前記RFIDアンテナ要素が前記EASループ・アンテナに対して実質的に同一平面内にあることを特徴とする請求項13に記載の電子物品監視/無線周波数識別組合せリーダ。
【請求項16】
前記RFIDアンテナ要素が前記EASループ・アンテナの実質的に内側部分に設置されることを特徴とする請求項13に記載の電子物品監視/無線周波数識別組合せリーダ。
【請求項17】
前記RFIDアンテナ要素がグラウンド・プレーンと誘電体要素とをさらに含み、前記誘電体要素が前記グラウンド・プレーンと前記RFIDパッチ・アンテナとの間に配置されることを特徴とする請求項13に記載の電子物品監視/無線周波数識別組合せリーダ。
【請求項18】
前記グラウンド・プレーンがハッチングされた導体パターンを有することを特徴とする請求項17に記載の電子物品監視/無線周波数識別組合せリーダ。
【請求項19】
前記グラウンド要素の前記ハッチングされた導体パターンが前記RFIDパッチ・アンテナの前記ハッチングされた導体パターンとは異なることを特徴とする請求項18に記載の電子物品監視/無線周波数識別組合せリーダ。
【請求項20】
前記グラウンド要素の前記ハッチングされた導体パターンが前記RFIDパッチ・アンテナの前記ハッチングされた導体パターンと同じであることを特徴とする請求項18に記載の電子物品監視/無線周波数識別組合せリーダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−528192(P2011−528192A)
【公表日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−549677(P2010−549677)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際出願番号】PCT/US2009/001463
【国際公開番号】WO2009/111071
【国際公開日】平成21年9月11日(2009.9.11)
【出願人】(510024514)センサーマティック・エレクトロニクス・エルエルシー (21)
【Fターム(参考)】