説明

電子装置に供給される電流を制御する方法、および電源

【課題】コンピュータ・システムなどの電子装置に供給される電流を制御する方法および装置を提供する。
【解決手段】この方法は、所定量までの入力電流を第1電流源から受け取るステップと、受け取った入力電流の第1部分を電子装置に供給するステップとを含み、その第1部分の量は、該所定量を超えること無く電子装置により要求された電流量を供給するために経時変化し得る。第1部分が該所定量より少ない期間の間、エネルギー蓄積装置を充電するために第2部分が供給される。蓄積エネルギー装置は、電子装置に補足電流を供給するために、必要に応じて、放電させられる。この方法を実行するために、再充電可能なバッテリなどのエネルギー蓄積装置を含む電源が使用され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置が受け取る電力の量を管理することに関し、特に電子装置が受けるピーク電流を低減することに関する。
【背景技術】
【0002】
電力管理は、例えば1台以上のコンピュータを動作させるためのコストを最小にし、コンピュータにより生成される熱を制御し、システムの性能及び効率を最適化するなど、コンピュータ・システムの運用の多くの側面にとって重要である。フィードバック・ベースの電力管理システムは、例えば、内蔵電力計回路、ACPI、他のハードウェアおよびソフトウェア要素あるいはその両方のうちの少なくとも1つを有するマザーボードを含み得る。システムは、共通の電源または電力配分装置(PDU)により給電され得る。或るシステムは、例えばラック・システム内のサーバなどのコンピュータによるリアル・タイム電力消費を監視するためにサービス・プロセッサが使用する、例えばベースボード・マネージメント・コントローラ(BMC)などの回路を含む。このフィードバックを用いて、サービス・プロセッサは、電力消費を、管理者によってセットされ、シャーシ管理モジュールにより監視されるセット・ポイントあるいは“パワー・シーリング”より低く保つために、サーバ上のプロセッサまたはメモリあるいはその両方を“スロットリングする(減速させる)”ことができる。
【0003】
サーバの電力消費を個別に制御するための幾つかの方法が知られている。それらの方法は、“パワー・キャッピング”の種々の方法を含む。パワー・キャッピングは、プロセッサの処理能力を選択的に低下させることによって電力制限をサーバに課すことを含む。サーバは、例えば、受け入れる電力の量を測定するために電力計を用い、電力閾値に達した時にプロセッサまたはメモリあるいはその両方をスロットリングすることによって電力消費の増大に即座に応答して、電力制限を課すことができる。パワー・キャッピング技術はサーバの電力消費を個別に管理するために有益であるけれども、他のシステム全体のパラメータも考慮される必要がある。例えば、サーバに対して電力消費を個別に管理することに加えて、システム全体に関しての電力制約条件が考慮されなければならない。さらに、各サーバのパワー・キャップとその実際の電力消費との間の総計のマージンは、使用されていないパワー・アベイラビリティ(電力可用性)を表す。例えばADVANCED ENERGY MANAGER(ニューヨーク、アーモンクのIBM社の商標)などのソフトウェア・パワー・キャッピング・ツールが、コンピュータ・システムの電力消費を制限するために使用され得る。しかし、ソフトウェアは改変されあるいはフェイルすることがあるので、規則は一般に、システムへの総電力を制御するためのソフトウェアへの信頼を妨げる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
最新のデータ・センターは、動作するために電力を必要とする多数の電子コンポーネントを含む。実際、コンポーネントが受け取り得る可能な最大電力までの動作範囲にわたってそれぞれの電子コンポーネントをサポートするために充分な電力容量が提供されなければならない。1つの電子コンポーネントあるいはコンポーネントのグループにより受け取り可能な最大電力は、時には最大ラベル電力(maximum label power)と称される。サーバ及び支援ハードウェアのグループなどのコンピュータ・システムを支持し運転するためのラックでは、電力回路はコンポーネントの最も極端なコンフィギュレーション及び最大作業負荷シナリオでラックを運用するために充分な電力を供給できなければならない。実際の運転電力が最大ラベル電力の約30%ないし70%であっても、そうである。さらに、規則は、一般に、ラック電力回路が各電子コンポーネントについての最大ラベル電力の合計より20%多い電力を提供する容量を持つことを要求する。遺憾なことに、余分の使用されない電力容量を提供すればインフラストラクチャ及び運転コストを増大させる。さらに、データ・センターが限られた総電力をサポートできるに過ぎない場合には、超過電力は、データ・センターに設置され得る電子コンポーネントがほとんどないことを意味する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施態様は、電子装置に供給される電流を制御する方法を提供する。この方法は、所定量までの入力電流を第1電流源から受け取るステップと、受け取った入力電流の第1部分を電子装置に供給するステップとを含み、その第1部分の量は、該所定量を超えること無く電子装置により要求された電流量を供給するために経時変化し得る。第1部分が該所定量より少ない期間の間、受け取った入力電流の第2部分がバッテリなどのエネルギー蓄積装置を充電するために供給され、この第2部分は該所定量と第1部分との差より大きくない。エネルギー蓄積装置は、電子装置により要求された電流の量が該所定量より多い期間の間、入力電流の第1部分に加えて補足電流を電子装置に供給するために必要に応じて放電させられる。さらに、電子装置の動作は、電流要求が入力電流及びエネルギー蓄積装置の組み合わせから供給され得る電流の量を超えることを阻止するように、制御される。
【0006】
本発明の他の1つの実施態様は電源を提供する。該電源は、電子装置の電流要求に応じるためにDC電流出力を提供するAC−DCコンバータ(交直変換器)と、該DC電流出力と電子通信する再充電可能なバッテリと、コントローラとを含む。コントローラは、DC電流出力と動作可能に通信すると共に、DC電流出力が電子装置の電流要求を超える期間の間は再充電可能なバッテリをDC電流出力の一部分で自動的に充電し、電子装置の電流要求がDC電流出力を超える期間の間は補足電流を電子装置に供給するために再充電可能なバッテリを自動的に放電させるように設計あるいはプログラムされる。コントローラは、また、電流要求が入力電流および再充電可能なバッテリの組み合わせから供給され得る電流の量を超えることを阻止するために、電子装置の動作を制御する。例えば、電子装置はプロセッサ・チップを含むことができ、コントローラは該プロセッサの動作をスロットリングによって制御する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】電源のブロック図である。
【図2】電源への入力電流の動的変化を示す概略グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施態様は、電子装置に供給される電流を制御する方法を提供する。この方法は、所定量までの入力電流を第1電流源から受け取るステップと、受け取った入力電流の第1部分を電子装置に供給するステップとを含み、その第1部分の量は、該所定量を超えること無く電子装置により要求(デマンド)された電流量を供給するために経時変化し得る。第1部分が該所定量より少ない期間の間、受け取った入力電流の第2部分がバッテリなどのエネルギー蓄積装置を充電するために供給され、この第2部分は該所定量と第1部分との差より大きくない。エネルギー蓄積装置は、電子装置により要求された電流の量が該所定量より大きい期間の間、入力電流の第1部分に加えて補足電流を電子装置に供給するために必要に応じて放電させられる。
【0009】
他の1つの実施態様においては、該方法は、さらに、入力電流を交流電流(AC)として受け取るステップと、その交流電流を直流電流(DC)に変換するステップと、受け取った入力電流の第1部分及び第2部分を直流電流として供給するステップとを含むことができる。電子装置に供給される直流電流は、好ましくは、電子装置に提供される前に調整される。さらに、該方法は、該直流電流を第1電圧でバッテリに提供し、電流を電子装置に供給する前に該直流の電圧を該第1電圧から下方の第2電圧へ調整することができる。任意選択により、該方法は、入力電流が該所定量に達したことに応答してエネルギー蓄積装置が自動的に電子装置に補足電流を供給し始めるように第1電圧を下げるステップを含むことができる。従って、エネルギー蓄積装置の充電および放電を制御するためにダイオードが使用され得る。
【0010】
さらに別の1つの実施態様においては、電流要求が入力電流及びエネルギー蓄積装置の組み合わせから供給され得る電流の量を超えることを阻止するために電子装置の動作が制御される。例えば、電子装置がコンピュータ・システムであるならば、そのコンピュータ・システムの動作は1つまたは複数のプロセッサをスロットリングすることによって制御され得る。
【0011】
さらに別の実施態様では、エネルギー蓄積装置は、限定されることなく、バッテリ、キャパシタ、燃料電池、あるいはそれらの組み合わせを含むことができる。バッテリは大抵のコンピュータ・システムに用いるのに好ましいエネルギー蓄積装置ではあるが、所与のシステムの特定のダイナミクスは他のタイプの装置によってより良くサービスされ得る。例えば、電流要求が所定限界値より大きい非常に長い期間が後に続く、電流要求が所定限界値より小さい非常に長い期間は、燃料電池によってより良くサービスされ得る。しかし、任意の所与のエネルギー蓄積装置について、第2部分の量は、エネルギー蓄積装置を効率良く充電するために制御され得る。
【0012】
本発明の他の1つの実施態様は電源を提供する。該電源は、電子装置の電流要求に応じるためにDC電流出力を提供するAC−DCコンバータと、該DC電流出力と電子通信する再充電可能なバッテリと、コントローラとを含む。コントローラは、DC電流出力が電子装置の電流要求を超える期間の間は再充電可能なバッテリをDC電流出力の一部分で自動的に充電し、電子装置の電流要求がDC電流出力を超える期間の間は補足電流を電子装置に供給するために再充電可能なバッテリを自動的に放電させるように設計あるいはプログラムされる。
【0013】
さらなる実施態様においては、電源は、DC電流出力と電子装置との間で電子通信する電圧レギュレータをさらに含むことができる。該電圧レギュレータは、DC電流出力の品質及び整合性を改良することができる。任意選択により、電源は、DC電流出力と再充電可能なバッテリとの間に、該バッテリが充電されるか放電されるかを自動的に制御するために結合されたダイオードを含むことができる。
【0014】
図1は、電源10のブロック図である。入力12は、電源10に交流電流(AC)を提供する。該AC電流はまず電流計14によって測定され、その後にAC−DCコンバータ16によって調整、整流、フィルタリングなどされる。AC−DCコンバータ16から出力されたバルクDC電圧18は、充電制御回路20に入力される。電流計14からの電流測定信号15も充電制御回路20に渡される。
【0015】
充電制御回路20が、入力12が所定レベルより下であると判定した時、バルクDC電圧18の一部分は接続22を通してエネルギー蓄積装置24(例えばバッテリ)に向けられる。充電制御回路20からの出力26は、電子装置(負荷)に出力30を提供する前にDC調整分配回路28に入る。該出力は、単一のDC電圧または複数の特定の調整済みDC電圧を提供することができる。
【0016】
充電制御回路20が、電流測定信号15を介して、入力12が所定限界値のレベルに達したと判定した時、充電制御回路20は、例えば接続22を通してエネルギー蓄積装置24から電流を受け取る始める。エネルギー蓄積装置24から電流を受け取ることは、AC電流の入力12のさらなる増大無しで電源のDC出力26によってより多くの電力を提供することを可能にする。上限が定められたAC入力12とエネルギー蓄積装置24からの電流とから入手できる組み合わせ電流が要求(デマンド)を満たすことができないポイントまで電子装置(負荷)の電力要求が増大し続けるならば、充電制御回路20は、要求を下げさせるために他の1つの制御信号32を電子装置あるいは負荷に送ることができる。例えば、該電子装置がコンピュータである場合、制御信号32はコンピュータのプロセッサをスロットリングさせることができる。
【0017】
一実施態様では、AC−DCコンバータ16からのバルクDC電圧18は、バッテリ (エネルギー蓄積装置)が僅かにより高い電圧から充電されることを可能にするためにバルクDC電圧18とエネルギー蓄積装置24とが実際上ダイオードOR(論理和)され得るように、充分に高い電圧で提供される。このより高い電圧は、その後、例えばDC調整分配回路28によって、使用に適した電圧まで下方に調整される。入力12が所定限界値に達した時、充電制御回路20内の電流制限制御回路はAC回路からのバルクDC電圧18の電圧を低下させ、従ってより多くの電流がエネルギー蓄積装置24から受け取られることを可能にする。あるいは、電圧レギュレータ(DC調整分配回路)28はエネルギー蓄積装置24と共に用いられるべく複製(レプリケート)されることができ、その回路(図示されていない)の出力とバルクDC電圧18とがダイオードORされることができる。電流共有を強制するために上記のものと同様の電流制限調整が実施され得る。
【0018】
図2は、電源への入力電流の動的変化を示す概略グラフである。該グラフは、電子装置により受け取られる電流の総量の仮想の変化を示す(破線40)。電子装置により受け取られる総電流(破線)40が所定限界値(水平線42)より少ない場合には、受け取る総電流はAC入力電流によって完全に満たされる。しかし、電子装置により受け取る電流(破線40)と所定限界値(水平線42)との差は、所与の任意の時点において、バッテリを充電するために“利用できる”電流を表す。従って、この利用できる電流容量(差)44の或る部分は、バッテリを充電するために電流としてバッテリに向けられる(実線46)。
【0019】
電子装置により受け取る電流(破線40)が所与の任意の時点で(例えば、ポイント48を参照)所定限界値(水平線42)に達した時、バッテリへの電流は逆転し(ポイント50を参照。ここで実線46はバッテリへの電流が負になることを示す)、電流がバッテリから受け取られる。バッテリを利用することにより、制御回路は限界値 (水平線)42を入力AC電流の上限として定めるが、電子装置のピーク電流要求を満たすために入力AC電流をバッテリからのDC出力電流で補う。大雑把には、所定の限界値(水平線)42を超える電流に対する要求(ハッシュ領域52により表されている)は、バッテリを放電させることにより満たされる(ハッシュ領域54により表される)。これらのピークの要求がバッテリを使い尽くさない限り、受け取るAC電流の量を制限しながらピーク電流要求が満たされるように、このプロセスは無限に続くことができる。もしバッテリが使い尽くされたならば、あるいは要求が高くなりすぎてバッテリ及び入力AC電流が全体として要求を満たせなければ、制御回路は要求を減少させるために他の手段をとらなければならない。コンピュータ・システムとの関連で、要求を減少させることは、プロセッサをスロットリングすることを含むことができる。
【0020】
上記の方法及び装置は、例えば、最大ラベル電力(ネームプレート定格)を引き下げると共に或る一時的な動作暴走(operating excursions)を考慮に入れるために実施され得る。従って、データ・センターが利用できる電力の総量をより効果的に割り当てることができる。
【0021】
当業者には理解されるように、本発明はシステム、方法またはコンピュータ・プログラムとして具体化され得る。従って、本発明は、完全にハードウェアの実施態様、あるいはソフトウェア(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロ・コード、などを含む)と、全て一般的に本書で“回路”、“モジュール”または“システム”と称され得るハードウェア側面とを組み合わせた実施態様の形を取ることができる。さらに、本発明は、その媒体で具体化されたコンピュータ使用可能なプログラム・コードを有する媒体で具体化されるコンピュータ・プログラムの形をとることができる。
【0022】
1つまたはそれ以上の、コンピュータ使用可能なあるいはコンピュータ可読の媒体の任意の組み合わせが利用され得る。そのコンピュータ使用可能なあるいはコンピュータ可読の媒体は、例えば、それに限定されるのではないけれども、電子、磁気、光、電磁、赤外線、または半導体のシステム、装置、デバイス、または伝播媒体であり得る。コンピュータ可読の媒体のより具体的な例(網羅的ではないリスト)は、1つまたはそれ以上のワイヤを有する電気結線、携帯可能なコンピュータ・フレキシブル・ディスク、ハード・ディスク、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能でプログラマブルな読み出し専用メモリ(EPROMまたはフラッシュ・メモリ)、光ファイバ、携帯可能なコンパクト・ディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、光記憶装置、インターネットまたはイントラネットをサポートする伝送媒体などの伝送媒体、または磁気記憶装置を含むであろう。コンピュータ使用可能なあるいはコンピュータ可読の媒体は、その上にプログラムが印刷された紙または他の適切な媒体でもあり得る。それは、そのプログラムが、例えばその紙または他の媒体の光学式走査を介して電子的にキャプチャーされ、その後に、必要ならば、コンパイルされ、翻訳され、あるいは他の適切な仕方で処理され、その後にコンピュータ・メモリに格納されることができるからである。本書の文脈においては、コンピュータ使用可能なあるいはコンピュータ可読の媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスにより、あるいはそれらと関連して、使用されるように該プログラムを包含し、記憶し、伝達し、伝播し、あるいは運ぶことのできる任意の媒体であり得る。コンピュータ使用可能な媒体は、ベースバンドのまたは搬送波の一部としての、それで具体化されるコンピュータ使用可能なプログラム・コードを伴う、伝播されるデータ信号を含むことができる。コンピュータ使用可能なプログラム・コードは、無線、ワイヤライン、光ファイバ・ケーブル、RFなどを含むがこれらに限定はされない任意の適切な媒体を用いて伝送されることができる。
【0023】
本発明の操作を実行するためのコンピュータ・プログラム・コードは、Java(商標)、Smalltalk、C++等のオブジェクト指向プログラミング言語と、“C”プログラミング言語または類似のプログラミング言語などの在来の手続き型プログラミング言語とを含む1つまたはそれ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書かれることができる。プログラム・コードは、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロン・ソフトウェア・パッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上でかつ部分的にリモート・コンピュータ上で、あるいは完全にリモート・コンピュータまたはサーバ上で、実行することができる。後者のシナリオでは、リモート・コンピュータは、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)またはワイド・エリア・ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを通してユーザのコンピュータに接続されることができ、あるいは(例えばインターネット・サービス・プロバイダを用いてインターネットを通して)外部コンピュータとの接続がなされることができる。
【0024】
本発明は、以下で、フローチャート図解または本発明の実施態様に従う方法、装置(システム)及びコンピュータ・プログラムのブロック図あるいはその両方と関連して記述される。該フローチャート図解またはブロック図あるいはその両方の各ブロックと、該フローチャート図解またはブロック図あるいはその両方のブロックの組み合わせがコンピュータ・プログラム命令により実行され得ることが理解されるであろう。これらのコンピュータ・プログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラマブルなデータ処理装置のプロセッサを介して実行する命令が該フローチャートまたはブロック図の1つまたは複数のブロックで明示される機能/行為を実行するための手段を作り出すように、マシンを生じさせるために汎用コンピュータ、専用コンピュータ、あるいは他のプログラマブルなデータ処理装置のプロセッサに提供され得る。
【0025】
これらのコンピュータ・プログラム命令は、コンピュータ可読媒体に格納された命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックにおいて明示された機能/行為を実行する命令手段を含む製造物品を生じさせるように、特定の仕方で機能するようにコンピュータまたは他のプログラマブルなデータ処理装置に命令することのできるコンピュータ可読媒体に格納されることもできる。
【0026】
コンピュータまたは他のプログラマブルな装置で実行する命令が、フローチャートまたはブロック図あるいはその両方の1つまたは複数のブロックにおいて明示された機能/行為を実行するためのプロセスを提供するように、コンピュータ・プログラム命令は、コンピュータ実行されるプロセスを生じさせるためにコンピュータまたは他のプログラマブルな装置において一連の操作ステップを実行させるためにコンピュータまたは他のプログラマブルなデータ処理装置にロードされることもできる。
【0027】
本書で使用されている用語は、特定の実施態様のみを記述することを目的としており、本発明を限定するように意図されてはいない。“含む”という用語が、この明細書で使用されるときには、述べられた特徴、完全体(インテジャー:integers)、ステップ、操作、エレメント、コンポーネント、グループのうちの少なくとも1つの存在を明示するけれども、1つまたはそれ以上の他の特徴、完全体、ステップ、操作、エレメント、コンポーネント、そのグループ、のうちの少なくとも1つの存在または付加を排除しないということがさらに理解されるであろう。“好ましくは”、“好ましい”、“任意選択で”、“できる”という用語及び類似の用語は、言及されたアイテム、状態またはステップが発明の任意的(必要ではない)特徴であることを示すために使用されている。
【0028】
以下の請求項の全ての手段またはステップ、プラス機能エレメントの対応する構造、材料、行為、及び同等物は、明示的に記載された他のエレメントと結合して機能を実行するための任意の構造、材料、または行為を含むように意図されている。本発明の記述は例証及び記述を目的として示されたが、網羅的であるように、あるいは開示された形の発明に限定されるように意図されてはいない。発明の範囲及び精神から逸脱せずに多くの改変及び変化形が当業者にとっては明らかであろう。実施態様は、発明の原理と実際的適用とを最善に説明し、意図されている特定の用途に適するような種々の改変を伴う種々の実施態様を目的として当業者が発明を理解できるようにするために、選ばれて記述された。
【符号の説明】
【0029】
40 破線
42 所定限界値
44 差
46 実線
48 ポイント
50 ポイント
52 ハッシュ領域
54 ハッシュ領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置に供給される電流を制御する方法であって、
所定量までの入力電流を第1電流源から受け取るステップと、
前記受け取られた入力電流の第1部分を前記電子装置に供給するステップであって、前記第1部分の量は前記所定量を超えること無く前記電子装置により要求された電流量を供給するために経時変化し得る、ステップと、
前記第1部分が前記所定量より少ない期間の間、前記受け取られた入力電流の、前記所定量と前記第1部分との差より大きくない第2部分を、エネルギー蓄積装置を充電するために供給するステップと、
前記電子装置により要求された電流の量が前記所定量より多い期間の間、入力電流の前記第1部分に加えて補足電流を前記電子装置に供給するために前記エネルギー蓄積装置を放電させるステップと、
前記要求された電流量が、前記入力電流と前記エネルギー蓄積装置との組み合わせから供給され得る電流の量を超えることを阻止するために前記電子装置の動作を制御するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記エネルギー蓄積装置を効率的に充電するために前記第2部分の量を制御するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記入力電流を交流電流として受け取るステップと、
前記交流電流を直流電流に変換するステップと、
前記受け取られた入力電流の前記第1部分および前記第2部分を直流電流として供給するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記電子装置に供給される前記直流電流を調整するステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記エネルギー蓄積装置はバッテリ、キャパシタ、および燃料電池からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記直流電流を第1電圧でバッテリに供給するステップと、
電流を前記電子装置に供給する前に前記直流電流の電圧を前記第1電圧から下方の第2電圧に調整するステップと、
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記エネルギー蓄積装置が前記電子装置に補足電流を自動的に供給し始めるように、前記入力電流が前記所定量に達したことに応答して前記第1電圧を下げるステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記エネルギー蓄積装置の充電および放電はダイオードにより制御される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記電子装置はプロセッサ・チップを含み、コントローラは前記プロセッサの動作をスロットリングにより制御する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
電子装置の電流要求に応じるためにDC電流出力を提供するAC−DCコンバータと、
前記DC電流出力と電子通信する再充電可能なバッテリと、
前記DC電流出力と動作可能に通信するコントローラとを含む電源であって、前記コントローラは、前記DC電流出力が前記電子装置の前記電流要求を超える期間の間は前記再充電可能なバッテリを前記DC電流出力の一部分で自動的に充電し、前記電子装置の前記電流要求が前記DC電流出力を超える期間の間は補足電流を前記電子装置に供給するために前記再充電可能なバッテリを自動的に放電させ、前記電流要求が入力電流および前記再充電可能なバッテリの組み合わせから供給され得る電流の量を超えることを阻止するために前記電子装置の動作を制御する、電源。
【請求項11】
前記DC電流出力と前記電子装置との間で電子通信する電圧レギュレータをさらに含む、請求項10に記載の電源。
【請求項12】
前記DC電流出力と前記再充電可能なバッテリとの間に結合されたダイオードをさらに含む、請求項11に記載の電源。
【請求項13】
前記電子装置はプロセッサ・チップを含み、前記コントローラは前記プロセッサの動作をスロットリングにより制御する、請求項10に記載の電源。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−124680(P2010−124680A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−197578(P2009−197578)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】