説明

電子装置及び電子装置の製造方法

【課題】フラックスを使用しない半田接合構造について、外観検査性と接合強度が改善して製造歩留りを向上させる。
【解決手段】 半田バンプ54をプリコートしたFPC端子導体46に対しAu鍍金層を備えたサスペンション端子導体60を向かい合わせた状態で、半田バンプ54にサスペンション端子導体60をヒータチップ72で押圧しながら過熱溶融し、FPC端子導体46とサスペンション端子導体60をフラックスを使用せずに半田55で接合する。サスペンション端子導体60には、半田バンプ54による半田接合状態を絶縁層70を介して外部より視認可能な半田接合観察窓として切欠やスリット等を形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁層上に複数の端子導体を配列した端子同士を半田接合した構造をもつ電子装置及び電子装置の製造方法に関し、特に、フラックスを使用することなく端子同士を半田接合する電子装置及び電子装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハードディスクドライブの構成部品であるヘッドジンバルアセンブリィのサスペンション端子と、ヘッドICを搭載したフレキシブルプリント基板の基盤端子の電気接続として、Au端子同士を超音波接合する方法が知られているが、近年にあっては、片方のAu端子に半田バンプをプリコートしてフラックスを使用することなく熱圧着で半田接合する方法が用いられている。
【0003】
このように磁気ディスクの読み書き用のスライダ(ヘッド)を搭載したサスペンションのテール部の接続端子と、プリアンプ機能のあるヘッドICを搭載したフレキシブルプリント基板(FPC)の基盤端子との電気接続技術は、その構造を含めてハードディスクドライブの組立におけるコア技術となっている。
【0004】
ここで、従来のAu端子同士の超音波接合から半田接合へ移行するメリットとしては次の点が挙げられる。
【0005】
第1に、Au端子同士の接合に必要な超音波印加装置が不要となり、設備が安価になる。
【0006】
第2に、同じヘッドジンバルアセンブリィの端子及び隣接するヘッドジンバルアセンブリィの端子を一括して接合可能であり、タクトタイム(工程作業時間)の抑制が可能となる。
【0007】
第3に、半田の再溶融により同一箇所での再取付け等の修理が可能となる。
【0008】
第4に、半田接合の方が接合強度は高く安定しており、応力及び衝撃ストレスへの耐久性が向上し、信頼性が向上する。
【0009】
第5に、外観観察による接合良否判定が可能であり、品質保証が簡易で不良品の流出を低減防止できる。
【0010】
また、ハードディスクドライブの組立製造ではヘッドクラッシュを防止するために、媒体及びヘッド付近の塵埃等は除去しなくてはならない。一般的に半田付け接続は、半田濡れ性を確保するためにフラックスを使用するが、サスペンションテール端子とフレキシブルプリント基板端子との接合にフラックスを使用して半田接合すると、残留するフラックス残渣を除去する洗浄プロセスを追加しなくてはならない。洗浄が完全でないと、フラックス残渣が原因の障害に至る可能性があり、フラックスを使用する場合は十分なマージンのある洗浄プロセスの構築が必要となる。
【0011】
この問題を解消するため、フラックスを使用しない半田接合方法が行われている。フラックスレスの半田接合方法は、フレキシブルプリント基板端子に半田バンプをプリコートし、サスペンションテール端子をAu鍍金端子とし、フレキシブルプリント基板端子の半田バンプにサスペンション端子をヒータチップなどにより押圧した状態で加熱溶融して半田接合している。
【特許文献1】特開平11−191210号公報
【特許文献2】特開2006−049751号公報
【特許文献3】特開2005−011503号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、このような従来のフラックスを使用しない半田接合にあっては、半田接合時にサスペンション端子へ濡れ広がる十分なはんだ量が必要であり、同時に、加圧により半田が潰れて横にはみ出しても隣接端子とショートしないように半田バンプとしてプリコートする半田量を制御することが必要となる。
【0013】
このように適切な半田量による半田接合であるかどうかを判断するためには、半田接合後の目視検査により、例えば図27(A)に示すように、サスペンション端子110を見て外側に半田のはみ出し部分118を観察できれば、外観良品とすることができる。
【0014】
図27(B)は半田接合の断面であり、フレキシブル基板端子100は絶縁層となる可撓性フィルム102上に端子導体104を配置し、その上には半田バンプがプリコートされている。フレキシブル基板端子100に対してはサスペンション端子110が半田接合される。サスペンション端子110は絶縁層112の下側にAu鍍金層を備えた電極導体114を配置している。
【0015】
フレキシブル基板端子100にサスペンション端子110を位置合せし、電極導体114を端子導体104側にプリコートされた半田バンプに押圧加熱して溶融することで、図示の半田116による接合が得られる。この場合には、フレキシブル基板端子100とサスペンション端子110との間に十分な量の半田116が介在し、はみ出し部分118をもつ半田接合としている。
【0016】
しかし、図28(A)のように、サスペンション端子110を見ても半田のはみ出し部分が観測されない場合、実際には図28(B)の断面に示すように、フレキシブル基板端子100とサスペンション端子110との間に適切な量の半田116が介在して接合している状態であっても、これを確認できないために外観不良品と判断せざるを得ないという問題がある。
【0017】
また従来のフラックスを使用しない半田接合にあっては、端子面に半田を二次元的(平面的)に接合する構造であり、接合面方向の接合強度は高いが、これに比べ接合面に直交する剥離方向の接合強度が低めとなり、特にヘッドを磁気ディスクに対し位置決め移動するために駆動されるロータリアクチュエータで使用されて振動等を受けるサスペンション端子としては、更なる接合強度の向上が望まれる。
【0018】
本発明は、フラックスを使用しない半田接合構造について、外観検査性と接合強度を改善して製造歩留りを向上させる電子装置及び電子装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
(電子装置)
本発明はフラックスを使用しない半田接合構造を備えた電子装置を提供する。
【0020】
本発明の電子装置は、
第1絶縁層上に配列された複数の第1端子導体、第1端子導体の表面両端を被覆するカバー層、及び第1端子導体の露出表面にプリコートされた半田バンプを備えた第1端子部と、
第2絶縁層上に第1端子導体に相対して配列された複数の第2端子導体、及び第2端子導体の表面に鍍金されたAu鍍金層を備えた第2端子部と、
第1端子部の第1端子導体に対し第2端子部の第2端子導体を向かい合わせた状態で半田バンプに第1端子導体を押圧しながら過熱溶融して第1端子導体と第2端子導体をフラックスを使用せずに半田接合する半田接合構造と、
を備える。
【0021】
このような電子装置に於いて、本発明は、第2端子導体に、半田バンプによる半田接合状態を第2絶縁層を介して外部より視認可能な半田接合観察窓を設けたことを特徴とする。
【0022】
第2端子導体の半田接合観察窓は、第1端子導体の輪郭形状に相対する範囲内で、半田バンプによる半田接合状態を第2絶縁層を介して外部より視認可能な切欠又はスリットを形成する。
【0023】
第2端子導体の半田接合観察窓として、長方形端子導体の長辺中央に切欠を形成し、切欠に入り込んだ半田フィレットを第2絶縁層を介して外部から視認可能とする。切欠は、矩形、三角形又は半円形である。
【0024】
第2端子導体の半田接合観察窓として、長方形端子導体の中央にスリットを開口し、スリットに入り込んだ半田フィレットを第2絶縁層を介して外部から視認可能とする。スリットは、矩形、楕円形、円形、又は複数の円形配列である。
【0025】
第2端子導体の半田接合観察窓として、長方形端子導体の長辺を波形に形成し、波形の谷部に入り込んだ半田フィレットを第2絶縁層を介して外部から視認可能とする。
【0026】
第2端子導体の半田接合観察窓は、長方形端子導体の長辺を波形に形成すると共に中央にスリットを開口し、波形の谷部及びスリットに入り込んだ半田フィレットを第2絶縁層を介して外部から視認可能とする。
【0027】
第2端子導体の半田接合観察窓として、長方形端子導体の長辺を櫛歯形状に形成し、櫛歯形状に入り込んだ半田フィレットを第2絶縁層を介して外部から視認可能とする。
【0028】
第2端子導体の半田接合観察窓は、長方形端子導体の長辺を櫛歯形状に形成すると共に中央にスリットを開口し、櫛歯形状及びスリットに入り込んだ半田フィレットを第2絶縁層を介して外部から視認可能とする。
【0029】
第1端子導体と前記第2端子導体は円形の平面形状であり、第2端子導体の半田接合観察窓として、円形端子導体の外周に1又は複数の切欠を形成し、切欠に入り込んだ半田フィレットを第2絶縁層を介して外部から視認可能とする。
【0030】
電子装置は、ロータリアクチュエータによりヘッドをディスク媒体の任意の位置に移動してデータを記録又は再生する磁気ディスク装置であり、
第1端子部は、ロータリアクチュエータに一端を固定し他端を筐体固定側の回路部に接続したフレキシブルプリント基板に設けられ、
第2端子部は、ロータリアクチュエータにヘッドを支持するサスペンションのテール部に設けられ、
フレキシブルプリント基板の第1端子部にサスペンョンテール部の第2端子を半田接合する。
【0031】
(製造方法)
本発明はフラックスを使用しない半田接合構造を備えた電子装置の製造方法を提供する。本発明による電子装置の製造方法は、
第1絶縁層上に配列された複数の第1端子導体、第1端子導体の表面両端を被覆するカバー層、及び第1端子導体の露出表面にプリコートされた半田バンプを備えた第1端子部を有し、第1端子部を作業位置に固定配置する第1工程と、
第2絶縁層上に第1端子導体に相対して配列され、半田接合状態を第2絶縁層を介して外部より視認可能な半田接合観察窓を設けた複数の第2端子導体、及び第2端子導体の表面に鍍金されたAu鍍金層を備えた第2端子部を有し、第2端子部の第2端子導体を第1端子部の第1端子導体に対し向かい合わせた作業位置に位置合わせする第2工程と、
第1端子部の半田バンプに第2端子部の第2端子導体を押圧しながら過熱溶融して第1端子導体と第2端子導体をフラックスを使用せずに半田接合する第3工程と、
半田バンプによる半田接合状態を、第2絶縁層を介して第2端子導体の半田接合観察窓により外部から観察して検査する第4工程と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、第1端子の第1端子導体にプリコードした半田バンプに第2端子のAu鍍金層を形成した第2端子導体を押圧加熱して溶融接合した際に、第2端子導体に切欠又はスリットとして形成した半田接合観察窓に半田が入り込んでフィレットを形成し、半田接合後の検査工程で外側の第2絶縁層を介して外部から第2端子導体の半田接合観察窓に対する半田フィレットの形成状態を確認することができ、第2端子導体から外側にはみ出さない適切な半田量による接合について、はみ出し部分が確認できずに従来外観不良品としていたものが外観良品と正しく判断でき、外観検査性の向上により製造歩留りを向上することができる。
【0033】
また、第2端子導体に半田接合観察窓として形成した切欠又はスリットに半田が入り込んで半田フィレットを形成するため、従来、端子面に対する半田の二次元的な接合であったものが、切欠やスリットに対する半田フィレットの形成による接合で3次元的な接合が加わり、接合面方向の接合強度に加え、接合面に直交する剥離方向の接合強度が向上し、磁気ディスクのロータリアクチュエータのような振動等を受ける場所での接合品質と耐久性を更に向上することができる。
【0034】
更に、第2端子導体に半田接合観察窓として切欠やスリット等を形成することにより、従来の端子導体から半田がはみ出すように半田バンプの半田量を多めにする制御が不要となり、隣接端子とのショートを確実に防止でき、また端子位置決めのアライメントの許容量を増加させることができ、その結果、端子構成部材や製造設備の大幅なコストダウンも期待することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1は本発明の電子装置として、磁気ディスク装置を例にとって、筐体カバーを取り外して筐体ベース側の内部構造を示した説明図である。
【0036】
図1において、磁気ディスク装置10は筐体ベース12内に、スピンドルモータにより一定速度で回転される磁気ディスク14を設けている。磁気ディスク14に対しては、ロータリアクチュエータ16が設けられる。
【0037】
ロータリアクチュエータ16は軸部20により筐体ベース12に回転自在に支持され、アーム22を介して先端側にヘッドジンバルアセンブリィ18を装着してヘッド26を支持し、後端側にはコイル30を装着している。
【0038】
ロータリアクチュエータ16のコイル30側には、筐体ベース12に固定されて磁気回路部が設けられており、コイル30と磁気回路部によりロータリアクチュエータ16を駆動するボイスコイルモータを構成している。
【0039】
筐体ベース12側の磁気回路部は、筐体ベース12に固定した下ヨーク32の上部に磁石34を配置し、磁石34はロータリアクチュエータ16によるコイル30の回動範囲をカバーする形状を有する。
【0040】
磁石34の上にはロータリアクチュエータ16の後部のコイル30が軸部20を中心に回動自在に位置し、コイル30の上部には下ヨーク32に対向して同一形状を持つ上ヨークが配置されているが、図1にあっては上ヨークは取り外して省略した状態で示している。
【0041】
ロータリアクチュエータ16の側面から固定側の回路実装部に対し、フレキシブルプリント基板(以下「FPC」という)36が引き出されている。FPC36には、ヘッド26に対する信号線及びコイル30に対する信号線がフレキシブルプリントパターンとして形成されると共に、ヘッド26の記録素子と読取素子に対する信号処理を行うライトドライバやプリアンプを備えたヘッドICが実装されており、筐体ベース12側に配置している図示しないコントロールボードとの間で、制御信号、ライト信号、リード信号などのやり取りを行う。
【0042】
図2は図1のロータリアクチュエータを取り出して一部省略した状態で示した説明図である。図2において、ロータリアクチュエータ16は軸部20より延在したアーム22にヘッドジンバルアセンブリィ18をカシメ加工で固定しており、ヘッドジンバルアセンブリィ18はサスペンション取付アーム24とロングテールサスペンション42で構成されている。
【0043】
ロングテールサスペンション42は、先端側をサスペンション取付アーム24の下側に配置し、先端に記録素子、読取素子及びスライダを備えたヘッド26を支持し、後端をアーム22の側面に装着し、ロータリアクチュエータ16の軸部20の側面に支持固定しているFPC36に電気的に接続するためのサスペンション端子部44を設けている。
【0044】
ロータリアクチュエータ16の軸部20の側面にはFPC36の一端が固定され、ここにヘッドIC38を実装すると共に、ヘッドジンバルアセンブリィ18に設けたロングテールサスペンション42のサスペンション端子部44を電気的に接続するためのFPC端子部40−1〜40−4を形成している。
【0045】
ここでFPC36に設けたFPC端子部40−1~40−4が本発明の第1端子部を構成し、一方、ロングテールサスペンション42に設けたサスペンション端子部44が本発明の第2端子部を構成している。
【0046】
図3は図2のFPC36を取り出してFPC端子部の拡大部と共に示した説明図である。図3(A)はFPC36のロータリアクチュエータ側を示しており、FPC36の先端に第1端子部を構成するFPC端子部40−1〜40−4を形成し、その背後にヘッドIC38を実装している。FPC36は、可撓性のベースフィルム上に回路及び線路を構成するCuパターンを形成し、更にCuパターンの非接続部分にはカバーフィルムをコートしている。
【0047】
図3(B)は図3(A)のFPC端子部40−1を拡大して示している。FPC端子部40−1には、本実施形態にあっては2つのFPC端子部40−11,40−12が設けられている。このうちFPC端子部40−11について示すように、本実施形態にあっては、一定間隔で矩形状の6つのFPC端子導体46−1〜46−6を一定間隔で配列している。
【0048】
FPC端子導体46−1〜46−6に対しては、破線で示すカバーフィルム開口48が位置し、カバーフィルム開口48の部分でFPC端子導体46−1〜46−6が導体面を外部に露出している。またFPC端子導体46−1〜46−6のそれぞれからは配線パターンが引き出され、配線パターン群45として筐体ベース側に引き出されている。
【0049】
図4は図3(B)のX−X断面を示した断面図である。FPC端子部は、その断面構造に示すように、可撓性フィルム層50の上にCu鍍金などによりFPC端子導体46−1及び、図示しないこれに続く配線パターンを形成し、FPC端子導体46−1における接続部を除いてカバーフィルム層52を形成している。
【0050】
FPC端子導体46−1の露出部分には半田バンプ54がプリコートされている。FPC端子導体46−1にプリコートする半田バンプ54としては、図2に示したロングテールサスペンション42側のサスペンション端子部44とのフラックスを使用しない半田接続に必要十分な半田量となるように制御している。
【0051】
図5は図2のヘッドジンバルアセンブリィを取り出して示した説明図である。図5(A)はヘッドジンバルアセンブリィ18の平面図であり、図5(B)に裏側を示した背面図を示している。
【0052】
ヘッドジンバルアセンブリィ18は、サスペンション取付アーム24の裏面側にロングテールサスペンション42を接着などにより固定している。ロングテールサスペンション42は先端にヘッド26を装着し、テール側にサスペンション端子部44を形成しており、その間を回路パターンで接続している。即ちロングテールサスペンション42は、ヘッド26と図2に示したFPC36のヘッドIC38を電気的に接続する機能を果たしている。
【0053】
ロングテールサスペンション42上の伝送路は、金属箔として例えばステンレス箔の上に絶縁層をコートした後にCu鍍金などにより回路層を形成し、更に回路層に保護層を形成した後に、ステンレス層のエッジングを行って製造されており、半導体製造プロセスによる薄膜回路として形成されている。
【0054】
図6は図5のロングテールサスペンションのサスペンション端子部を拡大して示した説明図である。図6において、ロングテールサスペンション42のテール側の端部には本発明の第2端子部を構成するサスペンション端子部44が設けられている。
【0055】
サスペンション端子部44にはサスペンション端子導体60−1〜60−6が一定間隔で配列されており、サスペンション端子導体60−1〜60−6からは配線パターン65が引き出され、図5に示すヘッド26に接続している。また配線パターン65については、サスペンション端子導体60−1~60−6の露出部分を除いて保護層が設けられている。
【0056】
本実施形態のロングテールサスペンション42にあっては、図5に示したヘッド26に、記録素子、読取素子に加え、更に、ヘッド浮上量を熱膨張を利用して制御するためのヒータ素子が設けられていることから、記録素子、読取素子、ヒータ素子のそれぞれにつき2本ずつの配線パターンを必要とすることから、サスペンション端子部44には6つのサスペンション端子導体60−1〜60−6が設けられている。
【0057】
なお、ヘッド26としてヒータ素子を持たない記録素子と読取素子だけを設けた場合には、サスペンション端子部44のサスペンション端子導体は4つ配列すればよい。
【0058】
図7は図6のサスペンション端子導体を拡大して示した説明図である。図7において、サスペンション端子導体60は幅D2、高さL2の長方形の導体であり、長手方向の辺のほぼ中央の2箇所に、半田接合観察窓として機能する矩形切欠62−1,62−2を形成している。
【0059】
図8は図7のサスペンション端子導体60と図3に示したFPC端子導体46を半田接合のために重ね合わせた場合の位置アライメントを示した説明図である。図8において、本実施形態によるフラックスを使用しない半田接合は、FPC端子導体46を固定配置した状態でサスペンション端子導体60を図示のように位置決めして半田接合を行う。
【0060】
ここで、FPC端子導体46側は、両側にカバーフィルムが位置するカバー部位64−1,64−2を形成している。FPC端子導体46は高さがL1、幅がD1であり、高さL1はサスペンション端子導体60の高さL2より小さく、幅D1はサスペンション端子導体60の幅D2より大きめとなっている。
【0061】
例えばFPC端子導体46の幅D1はD1=0.26mmであり、一方、サスペンション端子導体60の幅D2は例えばD2=0.24mmであり、このため横方向の位置決めマージンΔDはΔD=D1−D2=0.26−0.24=0.02mmとなっている。
【0062】
このような幅及び高さの寸法を持つFPC端子導体46とサスペンション端子導体60の位置アライメントについては、固定配置したFPC端子導体46の露出部位66に対し、サスペンション端子導体60が横方向及び高さ方向につきセンタリングするように位置決めし、これによってサスペンション端子導体60につき斜線で示すオーバーラップ部分65を確保した状態で半田接合を行う。
【0063】
図9は図6のサスペンション端子部のY−Y断面を示した断面図である。図9において、サスペンション端子部44は、ステンレス箔68で支持したポリイミドを使用した絶縁層70を有し、絶縁層70上にCu鍍金によりサスペンション端子導体60を形成しており、更に、サスペンション端子導体60にはAu鍍金処理によるAu鍍金層が形成されている。
【0064】
図10は本実施形態のFPC端子にサスペンション端子部を位置合せして重ね合わせた説明図である。図10において、FPC36は、図2に示したようにロータリアクチュエータ16の軸部20の側面に固定されており、そのFPC端子部40に対し、ヘッドジンバルアセンブリィ18に設けているロングテールサスペンション42のサスペンション端子部44を上から重ね合わせて、サスペンション端子導体60−1〜60−6がFPC端子導体46−1〜46−6に重ね合わせるように配置され、このとき両者は図8に示したように位置アライメントを持つように位置決めされている。
【0065】
なお、実際の半田接合の際には、ロングテールサスペンション42のサスペンション端子部44については、その連結部における折曲げ線67により直角にサスペンション端子部44を折り曲げた状態で、図2に示すようにFPC36の端子部に位置決めしている。
【0066】
図11は本実施形態によるFPC端子部にサスペンション端子部をフラックスを使用せずに半田接合する作業工程を示した説明図である。
【0067】
図11(A)は半田接合前の位置合せ状態であり、まずFPC端子部40側を半田接合設備における固定側に位置決め配置し、この状態でサスペンション端子部44側を固定配置したFPC端子部40のFPC端子導体46に相対するようにサスペンション端子導体60を位置決めする。続いてサスペンション端子部44に対し外側からヒータチップ72を押し当て、加圧力74を加えてFPC端子部40側に移動する。
【0068】
図11(B)はヒータチップ72の加圧移動でサスペンション端子部44のサスペンション端子導体60の導体面がFPC端子部40のFPC端子導体46にプリコートしている半田バンプ54に接触した状態である。この状態でヒータチップ72による熱がサスペンション端子部44を介して半田バンプ54に加えられる。
【0069】
ヒータチップ72による過熱で半田バンプ54が溶融すると、加圧力74により図11(C)に示すようにサスペンション端子部44が沈み込み、同時にサスペンション端子導体60に鍍金しているAuが半田55に拡散し、半田55の内部の金属であるCuやNiなどと半田接合する。
【0070】
また半田溶融時に加圧力74に押されて沈み込んだサスペンション端子導体60は、FPC端子部40側に設けているカバーフィルム層52に突き当たり、それ以上、押し込まれないため、半田55は過度に潰されることがなく、半田55が横方向に漏れ出して、隣接する端子導体との間でショートを起こすことはない。
【0071】
このような図11のフラックスを使用しない半田接合作業において重要となるのは、半田バンプ54の半田量の制御である。半田バンプ54の半田量としては、半田接合時にサスペンション端子導体60に半田が濡れ広がるに十分な半田量が必要であり、且つ半田を押し潰した際に横方向に漏れ出して隣接する端子導体とショートしない半田量とするように、半田バンプ54の半田量を制御する必要がある。
【0072】
図12は図11の作業工程により半田接合した端子部を外観検査する検査工程を示した説明図である。図12において、半田接合が済んだ端子部につき、外観検査方向76で示す方向、即ちサスペンション端子部44の外側から、サスペンション端子部44とFPC端子部40の半田接合状態を観察して検査する。
【0073】
このとき本実施形態にあっては、図7に取り出して示したように、サスペンション端子導体60の矩形長辺のほぼ中央に、半田接合観察窓として機能する矩形切欠62−1,62−2を形成しているため、図12で側面を表したサスペンション端子導体60について示すように、半田55がサスペンション端子導体60の側面に形成した矩形切欠に入り込んで半田フィレット78を形成している。
【0074】
このため検査工程にあっては、外観検査方向76よりサスペンション端子部44の絶縁層70を介して、サスペンション端子導体60の矩形切欠の部分に半田フィレット78がどのように表れているかを見ることで、外観良品か外観不良品かを適切に判断することができる。
【0075】
図13は図12の外観検査で観察するサスペンション端子導体に形成した切欠における半田フィレットの形成状態を示した説明図である。図13において、ロングテールサスペンション42側のサスペンション端子部44に設けているサスペンション端子導体60−1〜60−6は、その上部の絶縁層70を介して透視的にサスペンション端子導体60−1〜60−6に形成した切欠に対する半田の入り込みによる半田フィレット78−11,78−12〜78−61,78−62の状態を、目視により観察することができる。
【0076】
このとき半田フィレット78−11〜78−62が矩形切欠に対し図示のように十分に見えていれば、サスペンション端子導体60−1〜60−6とFPC端子導体46−1〜46−6の半田接合は半田潰れ状態が適切で良好に行われていることが確認できる。
【0077】
これに対し半田フィレット78−11〜78−62の状態が矩形切欠に表れずに確認できない場合には、半田量が不足しているか、あるいは半田接合の際の加圧不足により半田が十分に潰されていないことから、外観不良品と判断することができる。
【0078】
また半田フィレット78−11〜78−62が矩形切欠の内側にごく一部しか現れていないような場合には、同様に半田量が不足しているか半田を潰すための押込みが不足していることから、この場合にも外観不良品と判断する。
【0079】
外観不良品については、図11(B)(C)のように、再度ヒータチップ72による加圧加熱を行い、再度検査して半田フィレットが十分に確認できるか否かで外観良品か外観不良品かを判断することができる。
【0080】
更に、図13の外観検査で半田フィレット78−11〜78−62が矩形切欠から外側に張り出しているような場合には、半田フィレットの半田量が多すぎることから、半田量を適正な量に減らすように制御する対応を取ることになる。
【0081】
更に図12の端子部の半田接合から明らかなように、本実施形態にあっては、半田接合による半田55がサスペンション端子導体60に形成した矩形切欠の部分に入り込んで半田フィレット78を形成しており、この半田フィレット78を形成する半田の入り込みにより、サスペンション端子導体60を導体面に直交する厚さ方向で接合することができる。
【0082】
このため、半田フィレット78の形成による接合が加わることで3次元的な半田接合を実現し、半田フィレット78による半田接合が加わった分、半田接合の強度を高め、ロータリアクチュエータなどの振動の加わる場所に使用した場合の長期信頼性と耐久性を向上することができる。
【0083】
図14は本発明におけるサスペンション端子導体の他の実施形態を示した説明図であり、サスペンション端子導体60として幅D2及び高さL2の矩形形状を持つ点は図7の実施形態と同じであるが、この実施形態にあっては長手方向の両側に半田接合観察窓として機能する三角切欠80−1,80−2を設けたことを特徴とする。
【0084】
この図14の実施形態にあっても、端子幅D2を変えることなく三角切欠80−1,80−2を設けているため、FPC端子に対し重ね合わせた際のオーバーラップ量を適切に確保でき、また半田接合後の外観検査の際に三角切欠80−1,80−2に対する半田フィレットの状態から外観良品か外観不良品かを適切に判断でき、更に三角切欠80−1,80−2に対する半田フィレットの接合で接合強度を高めることもできる。
【0085】
図15は本発明によるサスペンション端子導体の他の実施形態を示した説明図であり、この実施形態にあっては、幅D2、高さL2を持つ矩形のサスペンション端子導体60の長手方向の両側に半田接合観察窓として機能する半円切欠82−1,82−2を設けたことを特徴とする。
【0086】
この図15の実施形態にあっても、端子幅D2を変えることなく半円切欠82−1,82−2を形成することで、FPC端子との重なり合うオーバーラップ量を確保でき、半田接合後の外観検査の際には、半円切欠82−1,82−2に対する半田フィレットの状態から外観良品と外観不良品を適切に判断でき、更に半円切欠82−1,82−2に対する半田フィレットの形成で接合強度を高めることもできる。
【0087】
図16は本発明によるサスペンション端子導体の他の実施形態を示した説明図であり、この実施形態にあっては、端子幅D2、高さL2を持つ矩形のサスペンション端子導体60の中央に、半田接合観察窓として機能する楕円スリット84を開口したことを特徴とする。
【0088】
この実施形態にあっても、サスペンション端子導体60の幅及び高さを変更せずに楕円スリット84を形成することで、FPC端子と重なり合うオーバーラップ量を確保でき、また半田接合後の外観検査にあっては、楕円スリット84に対する半田フィレットを見ることで外観良品か外観不良品かが判断でき、更に楕円スリット84に対する半田フィレットの形成で接合強度を高めることもできる。
【0089】
図17は本発明によるサスペンション端子導体の他の実施形態を示した説明図であり、この実施形態にあっては、幅D2、高さL2を持つサスペンション端子導体60の中央に矩形スリット86を設けたことを特徴とする。
【0090】
このようにサスペンション端子導体60に矩形スリット86を設けることで半田接合による半田フィレットが矩形スリット86の中に形成され、半田フィレットを外観検査で確認することで外観良品か外観不良品かを適切に判断でき、また半田フィレットの形成で接合強度を向上することもできる。
【0091】
図18は本発明によるサスペンション端子導体の他の実施形態を示した説明図であり、この実施形態にあっては、幅D2で高さL2を持つサスペンション端子導体60の長手方向の両側に矩形切欠62−1,62−2を設けると共に、中央に楕円スリット84を設けるようにしたことを特徴とする。即ち、この実施形態は図7の実施形態と図16の実施形態を組み合わせた実施形態ということができる。
【0092】
このようにサスペンション端子導体60に矩形切欠62−1,62−2及び楕円スリット84を設けたことで、半田接合を行った後の外観検査にあっては、楕円スリット84及び矩形切欠62−1,62−2のそれぞれに対し半田フィレットの形成状態を観察することで、外観良品か外観不良品かを適切に判断できる。
【0093】
即ち外観良品については、楕円スリット84に半田フィレットが表れ、且つ矩形切欠62−1,62−2に対しても内側から外側にかけて十分に半田フィレットが表れていれば外観良品と判断できる。
【0094】
また楕円スリット84に半田フィレットが形成されているが、矩形切欠62−1,62−2に半田フィレットがないような場合には、これは図16の楕円スリット84のみの場合の外観検査で良品と判断されることから、この場合には外観良品と判断すればよい。
【0095】
これに対し、矩形切欠62−1,62−2に半田フィレットが見えず、また楕円スリット84にも半田フィレットが見えないか、その一部にしか半田フィレットが見えないような場合には、外観不良品と判断できる。
【0096】
図19は本発明によるサスペンション端子導体の他の実施形態を示した説明図であり、この実施形態にあっては、サスペンション端子導体60の長手方向の両側を波形エッジ88−1,88−2に形成して半田観察窓を形成するようにしたことを特徴とする。
【0097】
この波形エッジ88−1,88−2を形成したサスペンション端子導体60にあっては、その4箇所のコーナー部を結ぶ破線で示す基本輪郭形状90については、幅がD2で高さがL2と本来の導体形状に合致しており、この基本輪郭形状90の範囲内で長手方向に波形エッジ88−1,88−2を形成している。
【0098】
このため、FPC端子導体にサスペンション端子導体60を位置決めする際の位置アライメント及び位置決めした状態でのオーバーラップ量についても、適切に確保することができる。
【0099】
またサスペンション端子導体60をFPC端子導体に半田接合した後の外観検査にあっては、波形エッジ88−1,88−2の谷部に形成される半田フィレットを見ることで外観良品か外観不良品かを判断できる。即ち、波形エッジ88−1,88−2の谷部全体に半田フィレットが形成されていれば外観良品と判断でき、谷部に半田フィレットが形成されていないような場合には外観不良品と判断できる。
【0100】
図20は本発明によるサスペンション端子導体の他の実施形態を示した説明図であり、この実施形態のサスペンション端子導体60にあっては、矩形形状を持つ端子導体の長手方向の両側に波型エッジ88−1,88−2を形成すると同時に、中央に楕円スリット84を開口するようにしたことを特徴とする。即ち図20の実施形態は、図16の実施形態と図19の実施形態を組み合わせた実施形態と言うことができる。
【0101】
この図20の実施形態のサスペンション端子導体60にあっても、FPC端子との半田接合後の外観検査にあっては、波形エッジ88−1,88−2の谷部に加え楕円スリット84に表れる半田フィレットを見ることで外観良品か外観不良品かを判断できる。また波形エッジ88−1,88−2及び楕円スリット84に対する半田フィレットの形成で接合強度を向上することもできる。
【0102】
図21は本発明によるサスペンション端子導体の他の実施形態を示した説明図であり、この実施形態のサスペンション端子導体60にあっては、幅D2、高さL2を持つ矩形のサスペンション端子導体60の長手方向の両側に櫛歯エッジ92−1,92−2を形成するようにしたことを特徴とする。
【0103】
このような櫛歯エッジ92−1,92−2を形成したサスペンション端子導体60について、FPC端子導体に半田接合した後の外観検査にあっては、櫛歯エッジ92の切込み部分に対する半田フィレットの状態を観察することで外観良品か外観不良品かを適切に判断できる。
【0104】
また櫛歯エッジ92−1,92−2に半田フィレットが形成されることで接合強度を向上することができる。特に、櫛歯エッジ92−1,92−2の形成により厚さ方向に半田が入り込む半田フィレットの形成部分が増加することで、厚さ方向の接合強度をかなり高めることができる。
【0105】
図22は本発明によるサスペンション端子導体の他の実施形態であり、横幅D2、高さL2を持つ矩形のサスペンション端子導体60の長手方向の両側に櫛歯エッジ92−1,92−2を形成すると共に、その中央に矩形スリット86を開口したことを特徴とする。即ち、この実施形態は図21の実施形態と図17の実施形態を組み合わせた実施形態と言うことができる。
【0106】
このように櫛歯エッジ92−1,92−2及び矩形スリット86を形成したサスペンション端子導体60にあっては、FPC端子導体との半田接合後の外観検査の際に櫛歯エッジ92−1,92−2及び矩形スリット86のそれぞれの半田フィレットの状態を見ることで外観良品または外観不良品を適切に判断できる。また櫛歯エッジ92−1,92−2及び矩形スリット86に半田が入り込んで半田フィレットを形成することで接合強度をかなり向上することができる。
【0107】
図23は本発明によるサスペンション端子導体の他の実施形態を示した説明図であり、この実施形態にあっては、幅D2、高さL2を持つ矩形のサスペンション端子導体60の中央の長手方向に4つの円形スリット94−1〜94−4を設けたことを特徴とする。
【0108】
このような円形スリット94−1〜94−4を設けたサスペンション端子導体60にあっては、半田接合後の外観検査の際に、円形スリット94−1〜94−4に対する半田フィレットの形成状態で外観良品か外観不良品かを判断できる。
【0109】
例えば円形スリット94−1〜94−4のすべてに半田フィレットが形成されているか、あるいは中央の2つの円形スリット94−2,94−3に半田フィレットが形成されていれば、外観良品と判断できる。
【0110】
一方、円形スリット94−1〜94−4のいずれにも半田フィレットが形成されておらず、あるいはいずれか1つにしか半田フィレットが形成されていないような場合には、外観不良品と判断できる。また円形スリット94−1〜94−4に半田フィレットが形成されることで接合強度を向上することもできる。
【0111】
図24は本発明によるサスペンション端子導体の他の実施形態を示した説明図であり、この実施形態のサスペンション端子導体60にあっては、矩形の長手方向両側に波形エッジ88−1,88−2を形成すると共に、その中央長手方向に4つの円形スリット94−1〜94−4を開口するようにしたことを特徴とする。この実施形態のサスペンション端子導体60は、図19の実施形態と図23の実施形態を組み合わせた実施形態と言うことができる。
【0112】
この実施形態にあっても、半田接合後の外観検査において、波形エッジ88−1,88−2の谷部及び中央に配列した円形スリット94−1〜94−4に対する半田フィレットの形成状態を見ることで外観良品か外観不良品かを判断でき、更に半田フィレットの形成により接合強度を向上することができる。
【0113】
図25は本発明によるサスペンション端子導体の他の実施形態を示した説明図であり、この実施形態にあっては、幅D2、高さL2を持つサスペンション端子導体60の長手方向両側に櫛歯エッジ92−1,92−2を形成すると同時に、中央長手方向に円形スリット94−1〜94−4を設けるようにしたことを特徴とする。即ち、この実施形態は図21の実施形態と図23の実施形態を組み合わせた実施形態ということができる。
【0114】
この図25の実施形態のサスペンション端子導体60にあっても、半田接合後の検査工程において、櫛歯エッジ92−1,92−2及び円形スリット94−1〜94−4における半田フィレットを観察することで外観良品か外観不良品かを判断でき、更に半田フィレットの形成により接合強度を大幅に向上することができる。
【0115】
本実施形態のサスペンション端子導体としては、図7及び図14〜図25に示した矩形形状を持つ端子導体以外に、図26のように円形形状を持つ端子導体を使用する場合がある。
【0116】
図26(A)は本発明におけるサスペンション端子導体の他の実施形態を示した説明図であり、この実施形態にあっては、円形のサスペンション端子導体95について、外周の4箇所に半田観察窓として切欠98−1〜98−4を形成するようにしたことを特徴とする。またサスペンション端子導体95からは、ヘッド側に配線パターン96が引き出されている。
【0117】
図26(B)はサスペンション端子導体95を半田接合するFPC端子導体に位置合わせした状態を示す。サスペンション端子導体95を半田接合するFPC端子97は、サスペンション端子導体95の径D2に対し、それより大きな径D1を持っている。
【0118】
この図26の実施形態にあっても、FPC端子導体97にサスペンション端子導体95を重ね合わせて半田接合した後の外観検査において、切欠98−1〜98−4のそれぞれにおける半田フィレットの形成状態から外観良品か外観不良品かを適切に判断できる。
【0119】
また切欠98−1〜98−4に対する半田フィレットの形成で接合強度を向上することができる。更にまた、サスペンション端子導体95に切欠98−1〜98−4を設けていても、その直径D2は基本的に変わらないことから、図26(B)のようなFPC端子導体97との位置合せの際の位置アライメント及びオーバーラップ量も適切に確保できる。
【0120】
なお、本実施形態で使用するサスペンション端子導体60に形成する半田接合観察窓の形状としては、上記の実施形態に示した切欠、スリット、波形エッジ、櫛歯エッジに限定されず、サスペンション端子導体の幅D2と高さL2を損なうことのない図19に示した基本輪郭形状の90の範囲内で、端子導体の適宜の部分を切り欠き、変形、あるいは除去するなど、適宜の形状及びその組合せを含むものである。
【0121】
また上記の実施形態は本発明によるフラックスを使用しない半田接合による接合構造が適用される電子装置として磁気ディスク装置を例に取るものであったが、本発明はこれに限定されず、端子導体を複数備えた第1端子部と第2端子部をフラックスを使用せずに半田接合する適宜の電子装置につき、そのまま適用することができる。
【0122】
また上記の実施形態にあっては、FPC端子に対しサスペンション端子をフラックスを使用せずに半田接合する際にヒータチップを押圧して加熱しているが、ガラス板などの透光部材でサスペンション端子部を加圧し、レーザ照射により加熱する接合構造としてもよい。
【0123】
また本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【0124】
ここで本発明の特徴をまとめて列挙すると次の付記のようになる。
(付記)

(付記1)(電子装置)
第1絶縁層上に配列された複数の第1端子導体、前記第1端子導体の表面両端を被覆するカバー層、及び前記第1端子導体の露出表面にプリコートされた半田バンプを備えた第1端子部と、
第2絶縁層上に前記第1端子導体に相対して配列された複数の第2端子導体、及び前記第2端子導体の表面に鍍金されたAu鍍金層を備えた第2端子部と、
前記第1端子部の第1端子導体に対し前記第2端子部の第2端子導体を向かい合わせた状態で、前記半田バンプに前記第1端子導体を押圧しながら過熱溶融して前記第1端子導体と前記第2端子導体をフラックスを使用せずに半田接合する半田接合構造と、
を備えた電子装置に於いて、
前記第2端子導体に、前記半田バンプによる半田接合状態を前記第2絶縁層を介して外部より視認可能な半田接合観察窓を設けたことを特徴とする電子装置。(1)
【0125】
(付記2)(半田接合観察窓の条件)
付記1記載の電子装置に於いて、前記第2端子導体の半田接合観察窓は、前記第1端子導体の輪郭形状に相対する範囲内で、前記半田バンプによる半田接合状態を前記第2絶縁層を介して外部より視認可能な切欠又はスリットを形成したことを特徴とする電子装置。(2)
【0126】
(付記3)(側辺の切欠)
付記1記載の電子装置に於いて、前記第2端子導体の半田接合観察窓として、長方形端子導体の長辺中央に切欠を形成し、前記切欠に入り込んだ半田フィレットを前記第2絶縁層を介して外部から視認可能としたことを特徴とする電子装置。(3)
【0127】
(付記4)(切欠の形状)
付記3記載の電子装置に於いて、前記切欠は、矩形、三角形又は半円形であることを特徴とする電子装置。
【0128】
(付記5)(スリット開口)
付記1記載の電子装置に於いて、前記第2端子導体の半田接合観察窓として、長方形端子導体の中央にスリットを開口し、前記スリットに入り込んだ半田フィレットを前記第2絶縁層を介して外部から視認可能としたことを特徴とする電子装置。(4)
【0129】
(付記6)(スリットの形状)
付記5記載の電子装置に於いて、前記スリットは、矩形、楕円形、円形、又は複数の円形配列であることを特徴とする電子装置。
【0130】
(付記7)(側辺を波形)
付記1記載の電子装置に於いて、前記第2端子導体の半田接合観察窓として、長方形端子導体の長辺を波形に形成し、前記波形の谷部に入り込んだ半田フィレットを前記第2絶縁層を介して外部から視認可能としたことを特徴とする電子装置。(5)
【0131】
(付記8)(波形+スリット)
付記1記載の電子装置に於いて、前記第2端子導体の半田接合観察窓として、長方形端子導体の長辺を波形に形成すると共に中央にスリットを開口し、前記波形の谷部及び前記スリットに入り込んだ半田フィレットを前記第2絶縁層を介して外部から視認可能としたことを特徴とする電子装置。
【0132】
(付記9)(櫛歯形状)
付記1記載の電子装置に於いて、前記第2端子導体の半田接合観察窓として、長方形端子導体の長辺を櫛歯形状に形成し、前記櫛歯形状に入り込んだ半田フィレットを前記第2絶縁層を介して外部から視認可能としたことを特徴とする電子装置。(6)
【0133】
(付記10)(波形+スリット)
付記1記載の電子装置に於いて、前記第2端子導体の半田接合観察窓として、長方形端子導体の長辺を櫛歯形状に形成すると共に中央にスリットを開口し、前記櫛歯形状及び前記スリットに入り込んだ半田フィレットを前記前記絶縁層を介して外部から視認可能としたことを特徴とするたことを特徴とする電子装置。
【0134】
(付記11)(円形の端子導体)
付記1記載の電子装置に於いて、前記第1端子導体と前記第2端子導体は円形の平面形状であり、前記第2端子導体の半田接合観察形状として、円形端子導体の外周に1又は複数の切欠を形成し、前記切欠に入り込んだ半田フィレットを前記第2絶縁層を介して外部から視認可能としたことを特徴とする電子装置。(7)
(付記12)(FPC端子とサスペンション端子の半田接合)
付記1記載の電子装置に於いて、
前記電子装置は、ロータリアクチュエータによりヘッドをディスク媒体の任意の位置に移動してデータを記録又は再生する磁気ディスク装置であり、
前記第1端子部は、前記ロータリアクチュエータに一端を固定し他端を筐体固定側の回路部に接続したフレキシブルプリント基板に設けられ、
前記第2端子部は、前記ロータリアクチュエータにヘッドを支持するサスペンションのテール部に設けられ、
前記フレキシブルプリント基板の第1端子部に前記サスペンョンテール部の第2端子を半田接合することを特徴とする電子装置。(8)
【0135】
(付記13)(製造方法)
第1絶縁層上に配列された複数の第1端子導体、前記第1端子導体の表面両端を被覆するカバー層、及び前記第1端子導体の露出表面にプリコートされた半田バンプを備えた第1端子部を有し、前記第1端子部を作業位置に固定配置する第1工程と、
第2絶縁層上に前記第1端子導体に相対して配列され、半田接合状態を前記第2絶縁層を介して外部より視認可能な半田接合観察窓を設けた複数の第2端子導体、及び前記第2端子導体の表面に鍍金されたAu鍍金層を備えた第2端子部を有し、前記第2端子部の第2端子導体を前記第1端子部の第1端子導体に対し向かい合わせた作業位置に位置合わせする第2工程と、
前記第1端子部の半田バンプに前記第2端子部の第2端子導体を押圧しながら過熱溶融して前記第1端子導体と前記第2端子導体をフラックスを使用せずに半田接合する第3工程と、
前記半田バンプによる半田接合状態を、前記第2絶縁層を介して前記第2端子導体の半田接合視認形状により外部から観察して検査する第4工程と、
を備えたことを特徴とする電子装置の製造方法。(9)
【0136】
(付記14)(半田接合観察窓の条件)
付記13記載の電子装置の製造方法に於いて、前記第2端子導体の半田接合観察窓は、前記第1端子導体の輪郭形状に相対する範囲内で、前記半田バンプによる半田接合状態を前記第2絶縁層を介して外部より視認可能な切欠又はスリットを形成したことを特徴とする電子装置の製造方法。(10)
【0137】
(付記15)(側辺の切欠)
付記13記載の電子装置の製造方法に於いて、前記第2端子導体の半田接合観察窓として、長方形端子導体の長辺中央に切欠を形成し、前記切欠に入り込んだ半田フィレットを前記第2絶縁層を介して外部から視認可能としたことを特徴とする電子装置の製造方法。
【0138】
(付記16)(スリット開口)
付記13記載の電子装置に於いて、前記第2端子導体の半田接合観察窓として、長方形端子導体の中央にスリットを開口し、前記スリットに入り込んだ半田フィレットを前記第2絶縁層を介して外部から視認可能としたことを特徴とする電子装置。
【0139】
(付記17)(側辺を波形)
付記13記載の電子装置に於いて、前記第2端子導体の半田接合観察窓として、長方形端子導体の長辺を波形に形成し、前記波形の谷部に入り込んだ半田フィレットを前記第2絶縁層を介して外部から視認可能としたことを特徴とする電子装置。
【0140】
(付記18)(櫛歯形状)
付記13記載の電子装置に於いて、前記第2端子導体の半田接合観察窓として、長方形の長辺を櫛歯形状に形成し、前記櫛歯形状に入り込んだ半田フィレットを前記第2絶縁層を介して外部から視認可能としたことを特徴とする電子装置。
【0141】
(付記19)(円形の端子導体)
付記13記載の電子装置に於いて、前記第1端子導体と前記第2端子導体は円形の平面形状であり、前記第2端子導体の半田接合観察窓として、円形端子導体の外周に1又は複数の切欠を形成し、前記切欠に入り込んだ半田フィレットを前記第2絶縁層を介して外部から視認可能としたことを特徴とする電子装置。
【0142】
(付記20)(FPC端子とサスペンション端子の半田接合)
付記13記載の電子装置の製造方法に於いて、
前記電子装置は、ロータリアクチュエータによりヘッドをディスク媒体の任意の位置に移動してデータを記録又は再生する磁気ディスク装置であり、
前記第1端子部は、前記ロータリアクチュエータに一端を固定し他端を筐体固定側の回路部に接続したフレキシブルプリント基板に設けられ、
前記第2端子部は、前記ロータリアクチュエータにヘッドを支持するサスペンションのテール部に設けられ、
前記フレキシブルプリント基板の第1端子部に前記サスペンョンテール部の第2端子を半田接合することを特徴とする電子装置の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】本発明が適用される磁気ディスク装置の内部構造を示した説明図
【図2】図1のロータリアクチュエータを取り出し一部省略した状態で示した説明図
【図3】図2のFPCを取り出してFPC端子部の拡大部と共に示した説明図
【図4】図2のFPC端子部のX−X断面を示した断面図
【図5】図2のヘッドジンバルアセンブリィを取り出して示した説明図
【図6】図5のサスペンション端子導体を拡大して示した説明図
【図7】図5のサスペンション端子部を拡大して示した説明図
【図8】図7のサスペンション端子導体と図3のFPC端子導体の位置アライメントを示した説明図
【図9】図6のサスペンション端子部のY−Y断面を示した断面図図
【図10】FPC端子部にサスペンション端子部を位置合わせして重ね合わせた説明図
【図11】FPC端子部にサスペンション端子部をフラックスを使用せずに半田接合する作業工程を示した説明図
【図12】図11の作業工程により半田接合した端子部を外観検査する検査工程を示した説明図
【図13】図12の外観検査で観察するサスペンション端子導体に形成した切欠における半田フィレットの形成状態を示した説明図
【図14】半田接合観察窓として三角切欠を形成したサスペンション端子導体の他の実施形態を示した説明図
【図15】半田接合観察窓として半円切欠を形成したサスペンション端子導体の他の実施形態を示した説明図
【図16】半田接合観察窓として楕円スリットを形成したサスペンション端子導体の他の実施形態を示した説明図
【図17】半田接合観察窓として矩形スリットを形成したサスペンション端子導体の他の実施形態を示した説明図
【図18】半田接合観察窓として矩形切欠と楕円スリットを形成したサスペンション端子導体の他の実施形態を示した説明図
【図19】半田接合観察窓として波形エッジを形成したサスペンション端子導体の他の実施形態を示した説明図
【図20】半田接合観察窓として波形エッジと楕円スリットを形成したサスペンション端子導体の他の実施形態を示した説明図
【図21】半田接合観察窓として櫛歯エッジを形成したサスペンション端子導体の他の実施形態を示した説明図
【図22】半田接合観察窓として櫛歯エッジと矩形スリットを形成したサスペンション端子導体の他の実施形態を示した説明図
【図23】半田接合観察窓として複数の円形スリットを形成したサスペンション端子導体の他の実施形態を示した説明図
【図24】半田接合観察窓として波形エッジと複数の円形スリットを形成したサスペンション端子導体の他の実施形態を示した説明図
【図25】半田接合観察窓として櫛歯エッジと複数の円形スリットを形成したサスペンション端子導体の他の実施形態を示した説明図
【図26】円形のサスペンション端子導体について外周の4箇所に半田観察窓としての切欠を形成した他の実施形態を示した説明図
【図27】従来のフラックスレスの半田接合で外観良品と判定される半田はみ出し状態を示した説明図
【図28】従来のフラックスレスの半田接合で外観不良品と判定される半田はみ出しのない状態を示した説明図
【符号の説明】
【0144】
10:磁気ディスク装置
12:筐体ベース
14:磁気ディスク
16:ロータリアクチュエータ
18:ヘッドジンバルアセンブリィ
20:軸部
22:アーム
24:サスペンション取付アーム
26:ヘッド
28:ランプロード機構
30:コイル
32:下ヨーク
34:磁石
36:フレキシブルプリント基板(FPC)
38:ヘッドIC
40,40−1〜40−4,40−11,40−12,97:FPC端子部
42:ロングテールサスペンション
44:サスペンション端子部
46,46−1〜46−6:FPC端子導体
48:カバーフィルム開口
50:可撓性フィルム層
52:カバーフィルム層
54:半田バンプ
60,60−1〜60−6,90:サスペンション端子導体
62−1,62−2:矩形切欠
64−1,64−2:カバー部位
66:露出部位
68:ステンレス層
70:絶縁層
72:ヒータチップ
74:加圧力
76:外観検査方向
78,78−11〜78−62:半田フィレット
80−1,80−2:三角切欠
82−1,82−2:半円切欠
84:楕円スリット
86:矩形スリット
88−1,88−2:波形エッジ
90:基本輪郭形状
92−1,92−2:櫛歯エッジ
94−1〜94−4:円形スリット
96−1,96−2:配線パターン
98−1〜98−4:切欠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1絶縁層上に配列された複数の第1端子導体、前記第1端子導体の表面両端を被覆するカバー層、及び前記第1端子導体の露出表面にプリコートされた半田バンプを備えた第1端子部と、
第2絶縁層上に前記第1端子導体に相対して配列された複数の第2端子導体、及び前記第2端子導体の表面に鍍金されたAu鍍金層を備えた第2端子部と、
前記第1端子部の第1端子導体に対し前記第2端子部の第2端子導体を向かい合わせた状態で、前記半田バンプに前記第1端子導体を押圧しながら過熱溶融して前記第1端子導体と前記第2端子導体をフラックスを使用せずに半田接合する半田接合構造と、
を備えた電子装置に於いて、
前記第2端子導体に、前記半田バンプによる半田接合状態を前記第2絶縁層を介して外部より視認可能な半田接合観察窓を設けたことを特徴とする電子装置。
【請求項2】
請求項1記載の電子装置に於いて、前記第2端子導体の半田接合観察窓は、前記第1端子導体の輪郭形状に相対する範囲内で、前記半田バンプによる半田接合状態を前記第2絶縁層を介して外部より視認可能な切欠又はスリットを形成したことを特徴とする電子装置。
【請求項3】
請求項1記載の電子装置に於いて、前記第2端子導体の半田接合観察窓として、長方形端子導体の長辺中央に切欠を形成し、前記切欠に入り込んだ半田フィレットを前記第2絶縁層を介して外部から視認可能としたことを特徴とする電子装置。
【請求項4】
請求項1記載の電子装置に於いて、前記第2端子導体の半田接合観察窓として、長方形端子導体の中央にスリットを開口し、前記スリットに入り込んだ半田フィレットを前記第2絶縁層を介して外部から視認可能としたことを特徴とする電子装置。
【請求項5】
請求項1記載の電子装置に於いて、前記第2端子導体の半田接合観察窓として、長方形端子導体の長辺を波形に形成し、前記波形の谷部に入り込んだ半田フィレットを前記第2絶縁層を介して外部から視認可能としたことを特徴とするたことを特徴とする電子装置。
【請求項6】
請求項1記載の電子装置に於いて、前記第2端子導体の半田接合観察窓として、長方形端子導体の長辺を櫛歯形状に形成し、前記櫛歯形状に入り込んだ半田フィレットを前記第2絶縁層を介して外部から視認可能としたことを特徴とする電子装置。
【請求項7】
請求項1記載の電子装置に於いて、前記第1端子導体と前記第2端子導体は円形の平面形状であり、前記第2端子導体の半田接合観察形状として、円形端子導体の外周に1又は複数の切欠を形成し、前記切欠に入り込んだ半田フィレットを前記第2絶縁層を介して外部から視認可能としたことを特徴とする電子装置。
【請求項8】
請求項1記載の電子装置に於いて、
前記電子装置は、ロータリアクチュエータによりヘッドをディスク媒体の任意の位置に移動してデータを記録又は再生する磁気ディスク装置であり、
前記第1端子部は、前記ロータリアクチュエータに一端を固定し他端を筐体固定側の回路部に接続したフレキシブルプリント基板に設けられ、
前記第2端子部は、前記ロータリアクチュエータにヘッドを支持するサスペンションのテール部に設けられ、
前記フレキシブルプリント基板の第1端子部に前記サスペンョンテール部の第2端子を半田接合することを特徴とする電子装置。
【請求項9】
第1絶縁層上に配列された複数の第1端子導体、前記第1端子導体の表面両端を被覆するカバー層、及び前記第1端子導体の露出表面にプリコートされた半田バンプを備えた第1端子部を有し、前記第1端子部を作業位置に固定配置する第1工程と、
第2絶縁層上に前記第1端子導体に相対して配列され、半田接合状態を前記第2絶縁層を介して外部より視認可能な半田接合観察窓を設けた複数の第2端子導体、及び前記第2端子導体の表面に鍍金されたAu鍍金層を備えた第2端子部を有し、前記第2端子部の第2端子導体を前記第1端子部の第1端子導体に対し向かい合わせた作業位置に位置合わせする第2工程と、
前記第1端子部の半田バンプに前記第2端子部の第2端子導体を押圧しながら過熱溶融して前記第1端子導体と前記第2端子導体をフラックスを使用せずに半田接合する第3工程と、
前記半田バンプによる半田接合状態を、前記第2絶縁層を介して前記第2端子導体の半田接合視認形状により外部から観察して検査する第4工程と、
を備えたことを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項10】
請求項9記載の電子装置の製造方法に於いて、前記第2端子導体の半田接合観察窓は、前記第1端子導体の輪郭形状に相対する範囲内で、前記半田バンプによる半田接合状態を前記第2絶縁層を介して外部より視認可能な切欠又はスリットを形成したことを特徴とする電子装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2008−300594(P2008−300594A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−144562(P2007−144562)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】