説明

電子装置給電システムおよび給電方法

【課題】接続される複数の電子装置間での電源供給が相互に融通し合えて、それぞれの電源が長持ちできる電子装置および電子装置システムを提供する。
【解決手段】本発明は、装置駆動用の電源を備える電子装置であって、他装置を接続する接続手段と、自己装置の電源の容量に関する情報を検出する検出手段と、接続手段から他装置の電源の容量に関する情報を取得する取得手段と、検出手段および取得手段から得た情報を比較した結果に基づき、接続手段を介し、自己装置から他装置、他装置から自己装置の少なくともいずれかの向きに電源供給を行うよう制御すると共に、当該制御に関する制御情報を接続手段に送出するよう制御する制御手段と、を備えて構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パソコンや携帯端末などの電源を搭載する電子装置にかかり、より詳細には、他の電子装置と接続させて電源(バッテリー)の供給を行うことができる電子装置給電システムおよび給電方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電源(電池)を内蔵する電子装置(自己装置)があって、同じく電池を内蔵する外部機器(他装置)をこの自己装置に接続し、互いの電池をそれぞれの装置で用いる例としては、特開平10−13894号公報がある。ここでは、外部電源を内蔵した複数種の外部ユニットを用意し、使用目的や使用環境に応じ、ユーザが任意に選択して、無線呼出受信機へこの外部ユニットを実装することができる発明について記載されている。
【特許文献1】特開平10−13894号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この特許文献1の発明では、無線呼出受信機(自己装置)が備える電池と、実装置される外部ユニット(他装置)が備える電池とのふたつの電池があって、電池の消費が多い振動報知を自己装置が行う場合には、外部ユニット(他装置)の電池によって自己装置に電源供給してそれを行うので、自己装置の電池は消費電力が軽減されて、その使用時間を延長させることができる。
【0004】
しかしながら、この発明では、他装置の電池が消費されて自己装置の電池が単に長持ちするだけであって、自己装置および他装置の両方それぞれが持つ電池を、互いに長持ちさせるということはできない、という問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、電源を搭載した複数の装置を接続して、それら装置間で電源供給が相互に融通し合えて、それぞれの電源を長持ちさせることができる電子装置システムおよび給電方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による電子装置給電システムおよび給電方法は、上記目的を達成するために、次のような手段を有する。
【0007】
本発明は、それぞれが独立した電源を備える複数の電子装置を電気的に接続して構成される電子装置給電システムにおいて、第1装置および第2装置は、それぞれの電源の残量を検出する検出手段と、前記第1装置は、前記検出手段の結果を前記第1装置が取得する手段と、前記第1装置から前記第2装置へ充電を行う手段と、使用中のアプリケーションを検出する手段と、前記電源の残量の割合を算出する手段と、該算出した残量の割合が所定の値よりも小さい場合には、前記検出したアプリケーションに応じて前記第2装置に対する充電を行わないよう制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
そして、前記制御手段は、前記前記検出したアプリケーションに応じて前記所定の値を変更することとしてもよい。
【0009】
さらに、前記検出したアプリケーションの消費電力がより大きい場合には、前記所定の値をより小さくすることとしてもよい。
【0010】
また、本発明の別の形態は、それぞれが独立した電源を備える複数の電子装置を電気的に接続して構成される電子装置給電システムにおける給電方法において、第1装置および第2装置がそれぞれの電源の残量を検出する検出ステップと、前記検出手段の結果を前記第1装置が取得するステップと、前記第1装置から前記第2装置へ充電を行うステップと、使用中のアプリケーションを検出するステップと、前記電源の残量の割合を算出するステップと、該算出した残量の割合が所定の値よりも小さい場合には、前記検出したアプリケーションに応じて前記第2装置に対する充電を行わないよう制御するステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の電子装置および電子装置システムによれば、電源を搭載した複数の電子装置を接続して、それら装置間で電源供給を相互に融通し合うことができ、それぞれの装置の電源を長持ちさせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を、実施例1〜3に基づき、図面1〜4を参照して説明する。
【0013】
図1は本発明の第1の実施例である。図1(1)は本発明の電子装置およびシステムの構成を示すブロック図であって、電子装置としての携帯電話機100と携帯端末200とを含み、図1(2)は携帯電話機が相手からの給電に切り替えた際の情報表示の一例を示す図である。また、図2は、図1に示した電子装置とその給電システムの制御動作にかかわるフローチャートである。そして、図3は本発明の第2の実施例であって、(1)は装置A−装置Bの構成を示し、(2)は装置Aと装置Bとの給電の様子の一例を示す。さらに、図4は本発明の第3の実施例であって、(1)はノート型のパソコン(装置A)−外部無線端末(装置B)の構成を示し、(2)は給電(充電)方法の一例を、(3)は給電(充電)方法の別の例を、それぞれ示す。
【0014】
図1において、電子装置としては、携帯電話機100(装置A)と携帯端末200(装置B)との2装置(装置A−装置B)が示されており、これらの携帯電話機100と携帯端末200とは接続手段を介して接続連携がなされている。
【0015】
ここでの携帯電話機100は、自己装置100に電力を供給する電池11と、この電池11の出力電圧をアナログからデジタルにA/D変換するためのA/D変換部12と、このA/D変換部12から出力される電圧値を監視する主制御部13と、を備える。また、携帯電話機100は、主制御部13によって制御がなされる電源制御部14を備え、携帯端末200に電力を供給するために搭載している電池21の給電を切り替えることにより、電池21から携帯電話機100に電源を供給できる。
【0016】
そして、携帯電話機100は、主制御部13により制御がなされる表示部15を備え、ここに給電状態および給電中の電池の残量を表示することができる。図1(2)はその表示の一例を示す図であり、表示41は電池マークであって給電中の電池の残量を示し、表示42は「接続中の携帯端末200から給電中」であることを示す。
【0017】
ここでの情報表示にあたっては、携帯電話機100の電池11からの給電の場合では表示しないように設定することもできる。また、給電中の電池の低電圧表示を行ってもよい。
【0018】
携帯電話機100(装置A)に接続される携帯端末200(装置B)においても、装置Aと同様の構成をなしており、電力を供給するための電池21、A/D変換部22、主制御部23、電源制御部24、表示部25を備える。
【0019】
接続される二つの装置である携帯電話機100(装置A)と携帯端末200(装置B)とは、例えば、着脱可能な12芯ケーブルなどによるインタフェースによる接続手段30を介することで両装置の接続連携がなされ、それぞれの装置において、インタフェースを制御するための接続制御部16(装置A)と26(装置B)とを備える。また、接続手段30では、携帯電話機100(装置A)から携帯端末200(装置B)へと電源を供給するための信号線31(PS V+)と、携帯端末200(装置B)から携帯電話機100(装置A)へと電源を供給するための信号線32(TE V+)と、を備える。
【0020】
次に、図2のフローチャートによって、本発明の第1の実施例による電子装置および給電システムについて、その電源制御処理の動作について説明する。
【0021】
ステップS1では電池電圧監視処理を行い、携帯電話機100(装置A)のA/D変換部12から出力される電圧値を、主制御部13において監視して、電池の容量を検出する。
【0022】
次のステップS2では電池残量表示処理を行い、携帯電話機100(装置A)の主制御部13は、表示部15を用いて電池残量表示および給電状態の表示処理を行う。
【0023】
ステップS3では、携帯電話機100(装置A)と携帯端末200(装置B)との接続が確立されているかどうかが判断される。ここで、携帯電話機100(装置A)の主制御部13は、インタフェースを制御する接続制御部16によって、携帯端末200(装置B)の接続を判断する。そして、携帯端末200(装置B)が接続されていると判断されたら、ステップS4へと進む。
【0024】
ステップS4では、電池残量データ通知処理を行う。携帯電話機100(装置A)のA/D変換部12から出力される電圧値を主制御部13において換算して電池残量データを取得して、そのデータを接続制御部16とインタフェース30によって、携帯端末200(装置B)に通知する。すなわち、電池容量を検出して、接続手段を通して、この検出結果を送出する。
【0025】
また、ステップS3において携帯端末200(装置B)との接続がなされてないと判断されたときは、なにもしないでステップS5へと進む。
【0026】
ステップS5では、携帯電話機100(装置A)の電池残量を判定する。携帯電話機100(装置A)の主制御部13は、A/D変換部12から出力される電圧値を、主制御部13において電池残量に換算した電池残量データが、携帯電話機100(装置A)内に設定された動作閾値電圧の低電圧値を判断し、低電圧値以下であれば、ステップS6に進む。
【0027】
続くステップS6では、電池残量低下表示処理を行い、主制御部13は表示部15によって電池残量の低下を表示する。
【0028】
ステップS7では、携帯端末200(装置B)の電池残量を判定する。ここでは、インタフェース30により携帯電話機100(装置A)と接続されている携帯端末200(装置B)から、電源ONの後、図2のフローチャートに従うステップS4までの処理と同様に、一定時間毎に携帯端末200(装置B)の電池残量データが携帯電話機100(装置A)に通知(送出)されてくる。この携帯端末200(装置B)の電池残量データに基づき、ステップS5と同様にして、携帯端末200(装置B)の動作閾値電圧の低電圧値を判断し、
低電圧値(最小値)以下であるなら、次のステップS8へと進む。
【0029】
ステップS8では、給電切り替えに関する処理を行う。電源制御部14は、主制御部13からの給電切り換え指示を受けることにより、携帯電話機100(装置A)の電池11からインタフェース30の信号線であるTE V+(31)からの給電経路に切り替える。
【0030】
ステップS9では、携帯端末200(装置B)の電池残量の表示と、給電切り替え表示処理を行う。接続されている携帯端末200(装置B)から携帯電話機100(装置A)に通知された電池残量データに得ることによって、主制御部13は、表示部15の画面上で情報の通知を行い、少なくとも、携帯端末200(装置B)の電池残量表示および携帯電話機100(装置A)から給電を開始したことについての給電状態表示を行う。
【0031】
ここで前のステップS5に戻るとして、このステップS5において、携帯電話機100(装置A)の電池残量データが、予め携帯電話機100(装置A)の動作閾値電圧の低電圧値を判断して、それが低電圧(最小値以上)であった場合には、その後の電源制御に関する処理は行われず、そのまま終了となる。
【0032】
また、前のステップS7において、携帯電話機100(装置A)に接続されている携帯端末200(装置B)から通知された電源残量データを判断して、それが携帯電話機100(装置A)の動作閾値電圧が低電圧値(最小値)以下であった場合にも、その後の給電経路切り替え処理などは行われず、そのまま終了となる。
【0033】
以上のように、携帯電話機100(装置A)の側の電池残量が低電圧以下になった場合は、この携帯電話機100(装置A)にインタフェースなどにより接続されている携帯端末200(装置B)からの給電に切り替えることができる。よって、携帯電話機100(装置A)自体が電池切れで使用不可能となったり、使用機能が制限されたりすることがないし、使い勝手が大変良く、それらの給電は極めて効率的でスムーズに実行される電子装置が得られる。
【0034】
また、携帯電話機100(装置A)が、携帯端末200(装置B)からの給電に切り替えた場合、携帯電話機100(装置A)の主制御部13の指示により、表示部15において携帯端末(B)からの給電であることを表示し(表示例42)、携帯端末200(装置B)の電池残量表示(表示例41)を行うことにより、ユーザらは電源(バッテリー)に関しての現在の状態を明確に把握することができる。
【0035】
このように、図1と図2に示した第1の実施例によれば、各々が独立した電源(電池)を持った独立した電子装置を2つ以上接続して連携させることによって、極めて容易に効率的な相互給電システムを形成することができる。このシステムによれば、互いの装置は電池情報を交換しあって、残りの電流を均衡させながら電池を消費させることができ、結果的に長時間に渡って使用できる電子装置給電システムを提供することがてきる。
【0036】
さてここからは、図3を参照して、本発明の第2の実施例について説明する。図3(1)では、電子装置給電システムS1は、装置Aと装置Bとを含み、装置Aと装置Bとは接続手段によって接続連携がなされる。
【0037】
ここでの装置Aは、自らの持つ電源(電池)の残り容量(残量)を検出する手段と、装置Bと通信接続を行う通信接続手段と、接続された装置Bに対して給電を行う給電手段と、装置Bに対して給電を行うか行わないかを選択する制御手段と、を有する。
【0038】
装置Aと接続する装置Bは、自らの電源(電池)の残り容量(残量)を検出する手段と、他の装置Aと通信接続を行う通信接続手段と、接続された装置Aから給電を受ける手段とを備え、また、装置Aから給電を受けている場合は装置Aの電池を外部電源として使用し、装置Aからの給電を受けていない場合は、装置Bがもつ電池を電源とする、という電源選択手段を持つ。
【0039】
そして、装置Bと装置Aとは通信接続手段を用いて通信を行い、装置Aは、装置Bから得た装置Bの電池の残り容量と、装置Aが持つ電池電源の残り容量とを比較する。例えば、各装置の残り容量についての情報として、各装置が自装置内の電池によって、あとどれだけ稼動できるかの概算を行い、この稼動可能時間を用いる。
【0040】
つまり、装置Aの電池による装置Aの稼動可能時間の方が、装置Bの電池による装置Bの稼動可能時間より長いと判断した場合には、装置A(自己装置)の装置B(他装置)に対して行う給電手段を有効にすることにより、装置B(他装置)に対して給電を行い、逆に、装置Aの電池による装置Aの稼動可能時間の方が、装置Bの電池による装置Bの稼動可能時間より短いと判断した場合には、装置A(自己装置)の装置B(他装置)に対して行う給電手段を無効にする制御を行う。
【0041】
図3(2)は、本発明の第2の実施例に基づき、装置Aから装置Bへの給電の様子を段階別(I〜VI)に示す図であり、横軸を時間軸(時点)として、装置(AとB)の電池容量は変化グラフにより示される。この図における機器使用時間比較手段とは、装置Aの電池による装置Aの稼動可能時間と、装置Bの電池による装置Bの稼動可能時間と、を比較する手段であって、装置Aの稼動可能時間が装置Bより長い時には「A」、装置Bの稼動可能時間が装置Aより長い時には「B」として示している。
【0042】
図3(2)の最も左側に位置する段階Iにおいては、機器使用時間比較手段「A」、AからBへの給電状態「あり」、Bの外部/内部電源状態「外部」、Aの電池容量(グラフ図)、Bの電池容量(グラフ図)、と示されており、つづいて時間が経過した段階IIにおいては、機器使用時間比較手段「B」、AからBへの給電状態「なし」、Bの外部/内部電源状態「内部」、Aの電池容量(グラフ図)、Bの電池容量(グラフ図)、のように示されている。
【0043】
この図3(2)でも明らかなように、装置Bの電池の残り容量が、装置Aの電池の残り容量よりも多い場合には、装置Bは装置Bの持つ電池を電源として用いることができる。
【0044】
逆に、装置Bの電池の残り容量が、装置Aの電池の残り容量よりも少ない場合には、装置Bは装置Aの持つ電池を電源として用いることとなる。
【0045】
このような給電システムを構築することにより、少なくとも装置Bは装置Aよりも装置の動作時間を長くするよう制御することができるし、装置Bと装置Aとの動作残り時間を均衡させるように給電を制御することもできる。また、装置Aと装置Bの電池を均等に消費させることが可能となるので、システム全体の使用時間を延ばすことができる。
【0046】
さらにまた、本発明によって、2つの電子装置からなる接続システムを構成するとき、装置Aの構成と装置Bの構成を併せ持つ二つの装置、装置Cと装置Dとでシステムを構成するなら、使用時間または残り時間を均衡させるように制御することにより、二つのシステムの時間を均衡させることができ、結果的には、効率的で長時間動作が可能な電子装置給電システムを提供することができる。
【0047】
さてここからは、図4を参照して、本発明の第3の実施例について説明する。図4(1)は、ノート型のパソコン(ノートパソコン)300(装置A)と外部無線端末400(装置B)とをUSB(Universal Serial Bus)接続してシステム構成した例を示す。また、図4(2)は、横軸を時間軸として、装置A−装置B間での給電(充電)に伴ない、装置Aと装置Bそれぞれの電池残量の変化(%)を示す図であり、図4(3)は同じくその別の例を示す図である。
【0048】
ノートタイプあるいはポータブルタイプのパソコン300(装置A)があって、このパソコン300(装置A)に、外付け用の外部機器としての外部無線端末400(装置B)を、USB接続を用いて相互に接続したシステムを形成する。このシステムでは、外部無線端末400(装置B)は、USBを経由してパソコン300(装置A)の電池の充電状況(電池残量とACアダプター接続)、使用アプリケーションの情報を、メッセージとして受け取ることができる。この場合のメッセージのやり取りは、パソコン300(装置A)、外部無線端末400(装置B)それぞれのデバイスドライバーが行い、アプリケーションなどに影響を及ぼすことはない。
【0049】
この本発明の第3の実施例において、以下のような電池充電に関する制御を行うことができる。
I)パソコン300(装置A)がACアダプターと接続されている場合
無条件に外部無線端末400(装置B)に充電を行う。外部無線端末400(装置B)もAC接続されている場合もあるが、通常の充電では、通信に必要な電力をまかなえない場合もあるため、パソコン300(装置A)がACアダプターと接続されている場合は無条件に行う。また、外部無線端末400(装置B)がAC接続されていない場合にも、パソコン300(装置A)は充電が空にならないので、外部無線端末400(装置B)が条件の悪い場所で通信を続け、パソコン(装置A)から充電が追いつかない場合においても、外部無線端末の充電を行う。
II)パソコン300(装置A)がACアダプターと接続されてない場合
現在あるノート型のパソコン(装置A)の通常のモデルであれば、約3時間位は内蔵バッテリーで駆動することができる。外部無線端末(装置B)の方は、約1〜3時間程は内蔵バッテリーで駆動することができる。最終的には、バッテリーがパソコン300(装置A)のみに、数分の残量が残ることが望ましい。これは、パソコン(装置A)に最終的に電池残量があれば、ユーザに外部無線端末(装置B)の電池が空になったことを報知できるためである。これとともに、無制限に外部無線端末(装置B)に充電を行った場合、パソコン(装置A)の電池がなくなり、外部無線端末(装置B)が十分に充電されていることが想定される。
【0050】
このために、パソコン(装置A)は1分に1回程度、電池残量を外部無線端末(装置B)に報知することとする。パソコン(装置A)の電池残量の半分程度が外部無線装置(装置B)の電池残量になるように制御を行う。この制御はパソコン(装置A)の電池残量が30%程までとなるように、制御を行う。パソコン(装置A)の電池残量が30%を切った後は、使用アプリケーションにより充電を行うか否かを決定する。
【0051】
WEB閲覧ソフトを使用している場合は、瞬間的には広帯域を必要とするが、平均すると帯域はそれほど大きくなくて、外部無線端末(装置B)の消費電流も多く使用されるというわけではない。したがって、この場合には、外部無線端末(装置B)は、ある程度の時間の通信はできると予想されるので、パソコン(装置A)から外部無線端末(装置B)には充電を行わない。
【0052】
使用しているアプリケーションがダウンロード(FTPやHTMLダウンロード)やストリーミングを行う場合には(図4(2)を参照)、連続的に広帯域を使用し、それが一定時間続くことになる。したがって、この場合には、外部無線端末(装置B)の消費電力が大きいので、引き続き、パソコン(装置A)の電池残量10%になるまで、パソコン(装置A)の電池残量の比率の、その半分の比率の電池残量になるように、パソコン(装置A)から外部無線端末(装置B)に充電を行う。
【0053】
その後、パソコン(装置A)の電池残量が10%を切ったら(外部無線端末(装置B)の充電量は5%)、充電はそれ以上行わない。このようにして、パソコン(装置A)よりも外部無線装置(装置B)の方が先に電池切れすることとなる。
【0054】
なお、ブラウジングまたはインターネット接続していない場合は、充電を行わないようにするとよい(図4(3)を参照)。
【0055】
このように、パソコンよりも外部無線端末が先に電池残量がなくなるよう制御できるので、パソコンからユーザに外部無線端末の電池残量が無いことを知らせることができる。
【0056】
また、制御のためのデータやり取りも頻繁に行う必要がなく、1分に1回程度で済むために、実際の転送レートを落とすことがない。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の第1の実施例を示す図であり、(1)は携帯電話機(A1)−携帯端末(B1)の構成を示し、(2)は表示部における情報表示の一例を示す。
【図2】本発明の第1の実施例を説明するための動作フローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施例を示す図であり、(1)は装置A−装置Bの構成を示し、(2)は装置Aから装置Bへの給電の様子の一例を示す。
【図4】本発明の第3の実施例を示す図であり、(1)はノート型のパソコン(装置A)−外部無線端末(装置B)の構成を示し、(2)は給電(充電)方法の一例を、(3)は給電(充電)方法の別の例を、それぞれ示す。
【符号の説明】
【0058】
100 携帯電話機(装置A)
200 携帯端末(装置B)
11 電池(装置A)
12 A/D変換部(装置A)
13 主制御部(装置A)
14 電源制御部(装置A)
15 表示部(装置A)
16 接続制御部(装置A)
21 電池(装置B)
22 A/D変換部(装置B)
23 主制御部(装置B)
24 電源制御部(装置B)
25 表示部(装置B)
26 接続制御部(装置B)
30 接続手段(インタフェース手段)
31、32 信号
41、42 表示部における表示例
S1 装置Aと装置Bを含む電子装置給電システム
I、II、III、IV、V、VI 給電の段階
300 パソコン(装置A)
400 外部携帯端末(装置B)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが独立した電源を備える複数の電子装置を電気的に接続して構成される電子装置給電システムにおいて、
第1装置および第2装置は、それぞれの電源の残量を検出する検出手段と、
前記第1装置は、
前記検出手段の結果を前記第1装置が取得する手段と、
前記第1装置から前記第2装置へ充電を行う手段と、
使用中のアプリケーションを検出する手段と、
前記電源の残量の割合を算出する手段と、
該算出した残量の割合が所定の値よりも小さい場合には、前記検出したアプリケーションに応じて前記第2装置に対する充電を行わないよう制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする電子装置給電システム。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記前記検出したアプリケーションに応じて前記所定の値を変更すること
を特徴とする請求項1に記載の電子装置給電システム。
【請求項3】
前記検出したアプリケーションの消費電力がより大きい場合には、
前記所定の値をより小さくすることを特徴とする請求項2に記載の電子装置給電システム。
【請求項4】
それぞれが独立した電源を備える複数の電子装置を電気的に接続して構成される電子装置給電システムにおける給電方法において、
第1装置および第2装置がそれぞれの電源の残量を検出する検出ステップと、
前記検出手段の結果を前記第1装置が取得するステップと、
前記第1装置から前記第2装置へ充電を行うステップと、
使用中のアプリケーションを検出するステップと、
前記電源の残量の割合を算出するステップと、
該算出した残量の割合が所定の値よりも小さい場合には、前記検出したアプリケーションに応じて前記第2装置に対する充電を行わないよう制御するステップと、
を含むことを特徴とする給電方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−165818(P2008−165818A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−17437(P2008−17437)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【分割の表示】特願2003−100804(P2003−100804)の分割
【原出願日】平成15年4月3日(2003.4.3)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】