説明

電子装置

【課題】 複数のデバイスのそれぞれを駆動する駆動電流値を個々に設定し、且つ、単位時間当たりの駆動電流の変化量を抑えることによって、電磁ノイズの発生を抑制する。
【解決手段】 メモリ20、インタフェース制御デバイス21、及び、印刷プロセス制御デバイス22は、外部バス19に接続され、ROM12は、上記各デバイスそれぞれの駆動特性情報を予め格納し、伝搬遅延量選択部15は、上記駆動特性情報に基づいて伝搬遅延量を選択し、デバイス駆動部1(0〜15)は、駆動能力選択部14による駆動能力の選択結果と、伝搬遅延量選択部15による伝搬遅延量の選択結果とに基づいて外部バス19を介して上記複数のデバイスの中の何れかのデバイスを駆動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バスに複数のデバイスが接続可能な電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子装置が有する伝送バスには、該電子装置の機能に応じて、アクセス速度の速いデバイス、アクセス速度の遅いデバイス、信号入力端子の負荷が重いデバイス、信号入力端子の負荷が軽いデバイス等、種々のデバイスが接続される。又、オプションとして接続されたり、されなかったりするデバイスもある。かかる状況に基づいて、アクセス速度の遅いデバイス(データ書込みが遅いフラッシュメモリ)に対処するための技術も開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
アクセス速度の速いデバイスが伝送バスに接続されている場合には、信号の遷移時間を短くするために、信号の駆動電流を大きくする必要がある。また、伝送バスに接続されているデバイスの信号入力端子の総負荷が大きい場合には、必要な信号の遷移時間を得るために信号の駆動電流を大きめに設定する必要がある。
【特許文献1】特開平06−4399号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、伝送バスに接続されているデバイスの信号入力端子の総負荷が大きい場合には、必要な信号の遷移時間を得るために駆動電流を大きくする必要がある。かかる場合に、最もアクセス速度の速いデバイスに合わせて信号の駆動電流を大きくすると、アクセス速度の遅いデバイスにアクセスするときにも駆動電流が大きいままなので、単位時間当たりの駆動電流の変化量が大きくなる。その結果、ノイズレベルの大きい電磁ノイズが発生し、周辺回路や周辺機器の誤動作を誘発する、という解決すべき課題が残されていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明による電子装置は、伝送バスに接続された複数のデバイスと、上記複数のデバイスそれぞれの駆動特性情報を予め格納する駆動特性情報格納部と、上記駆動特性情報に基づいて上記伝送バスの駆動能力を選択する駆動能力選択部と、上記駆動特性情報に基づいて伝搬遅延量を選択する伝搬遅延量選択部と、上記駆動能力選択部による駆動能力の選択結果と、上記伝搬遅延量選択部による伝搬遅延量の選択結果とに基づいて上記伝送バスを介して上記複数のデバイスの中の何れかのデバイスを駆動するデバイス駆動部とを備えることを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明による電子装置によれば、駆動特性情報格納部が格納する駆動特性情報に基づいて複数のデバイスのそれぞれを駆動する毎に駆動電流値を個々に設定することが可能になるので、駆動電流値が必要以上に設定されることが排除されるという効果を得る。また、駆動特性情報格納部が格納する伝搬遅延量に基づいて、複数のデバイスのそれぞれを駆動する信号の伝搬遅延量を設定することによって、電磁ノイズの発生タイミングをずらすことが可能になり、電磁ノイズが分散されそのレベルが抑制されるという効果を得る。
【実施例1】
【0007】
図1は、実施例1の電子装置の構成のブロック図である。
図に示すように実施例1の電子装置10は、16個(一例)のデバイス駆動部1(0〜15)(ここで0〜15は各ビット番号を表している)と、主制御部11と、ROM12と、RAM13と、駆動能力選択部14と、伝搬遅延量選択部15と、出力信号制御部16と、内部バス17と、パッド18とを備える。
【0008】
デバイス駆動部1は、主制御部11の制御に基づいて駆動能力選択部14による駆動能力の選択結果と、伝搬遅延量選択部15による伝搬遅延量の選択結果とに基づいて、外部バス19を介し、該当するデバイス、即ち、一例として、メモリ(高速)20、インタフェース制御デバイス(中速)21、及び、印刷プロセス制御デバイス(低速)22を駆動する部分である。その詳細について図を用いて以下に説明する。
【0009】
図2は、実施例1のデバイス駆動部1(0)のブロック図である。(1)〜(15)も同様な構成を持つ。
図に示すように、デバイス駆動部1(0〜15)は、出力バッフア(2、4、6)と、遅延挿入部8とを備える。出力バッファ(2、4、6)は、遅延挿入部8から受入れた信号を増幅し、所定の出力抵抗を介して、駆動信号S3をパッド18へ出力する増幅回路である。その出力抵抗としては、それぞれ抵抗値が異なる抵抗(3、5、7)(抵抗値は、抵抗3<抵抗5<抵抗7の順)が接続され、異なる駆動能力(駆動電流値)を有するように構成されている。従って、各出力バッフアの駆動能力の大きさは、出力バッファ2>出力バッファ4>出力バッファ6の順になる。ここで、起動する出力バッファ(2、4、6)の選択は、駆動能力選択部14から受入れるイネーブル信号(S4、S5、S6)に基づいて実行される。
【0010】
遅延挿入部8は、出力信号制御部16から受入れた駆動信号S1に、伝搬遅延量選択部15から受入れる遅延量選択信号S7に基づいて所定の伝搬遅延量を挿入し、出力バッファ(2、4、6)へ送出する部分である。遅延量選択信号S7は、伝搬遅延量選択部15から受入れる信号である。ここでは、遅延量選択信号S7によって選択される伝搬遅延量は、伝搬遅延なし、伝搬遅延ありの2種類である。以上説明したデバイス駆動部1(0〜15)は、図に示すように、出力信号制御部16が出力する16ビットの駆動信号S1(0〜15)(ここで0〜15は各ビット番号を表している)に接続して16個配置されている。
【0011】
図1に戻って、主制御部11は、装置全体の制御を行うCPUである。ROM12は、主制御部11が実行することによって装置全体、及び、各構成部分を制御するための制御プログラムと、制御データとを予め格納するリードオンリメモリである。この制御データには、一例として周辺デバイスのメモリ(高速)20、インタフェース制御デバイス(中速)21、印刷プロセス制御デバイス(低速)22の駆動特性情報が含まれる。RAM13は、主制御部11が演算処理の中で使用する演算領域を提供するランダムアクセスメモリである。
【0012】
駆動能力選択部14は、デバイス駆動部1の出力バッファ(2、4、6)(図2)の何れかを選択して起動させるイネーブル信号(S4、S5、S6)を生成して出力する部分である。その詳細について図を用いて以下に説明する。
図3は、実施例1の駆動能力選択部のブロック図である。
図に示すように、駆動能力選択部14は、駆動能力設定レジスタ30と、デバイス選択信号検知部31と、セレクタ32とを備える。駆動能力設定レジスタ30は、図1に示す外部バス19に接続される周辺デバイスとなる、メモリ(高速)20、インタフェース制御デバイス(中速)21、印刷プロセス制御デバイス(低速)22、毎に、どの駆動能力を使用するか、即ち、イネーブル信号(S4、S5、S6)の内、どれを有効とするかを保持するレジスタである。
【0013】
デバイス選択信号(S30、S31、S32)は、それぞれ各周辺デバイスに対応して入力される。即ち、デバイス選択信号S30は、メモリ(高速)20(図1)に、デバイス選択信号S31は、インタフェース制御デバイス(中速)21(図1)に、デバイス選択信号S32は、印刷プロセス制御デバイス(低速)22に、それぞれ対応している。デバイス選択信号検知部31は、受入れた信号がデバイス選択信号(S30、S31、S32)の何れであるかを検知し、セレクタ32にデバイス決定信号S33として送出する部分である。セレクタ32は、デバイス決定信号S33と、駆動能力設定レジスタ30から受入れた駆動能力設定信号S34に基づいてイネーブル信号(S4、S5、S6)の内、何れかを有効にする部分である。
【0014】
図1に戻って、伝播遅延量選択部15は、デバイス選択信号(S30、S31、S32)(図3)を受入れて、伝搬遅延量を選択し、遅延量選択信号(S7(L)、S7(H))を遅延挿入部8(図2)へ送出する部分である。その詳細について図を用いて以下に説明する。
【0015】
図4は、実施例1の伝搬遅延量選択部のブロック図である。
図に示すように、伝播遅延量選択部15は、伝搬遅延量設定レジスタ40と、デバイス選択信号検知部41と、セレクタ42とを備える。伝搬遅延量設定レジスタ40は、図1に示す外部バス19(図1)に接続される周辺デバイス、メモリ(高速)20、インタフェース制御デバイス(中速)21、印刷プロセス制御デバイス(低速)22、毎に、どのように信号に伝搬遅延量を挿入するか、即ち、遅延量選択信号S7(H)、及び遅延量選択信号S7(L)をどのように制御するかを保持するレジスタである。
【0016】
デバイス選択信号(S30、S31、S32)は、それぞれ各周辺デバイスに対応して入力される。即ち、デバイス選択信号S30は、メモリ(高速)20(図1)に、デバイス選択信号S31は、インタフェース制御デバイス(中速)21(図1)に、デバイス選択信号S32は、印刷プロセス制御デバイス(低速)22に、それぞれ対応している。デバイス選択信号検知部41は、入力された信号が、デバイス選択信号(S30、S31、S32)の何れであるかを検知し、セレクタ42にデバイス決定信号S40として送出する部分である。セレクタ42は、デバイス決定信号S40と、伝搬遅延量設定レジスタ40から受入れた遅延量設定信号S41に基づいて、遅延量選択信号S7(H)、及び遅延量選択信号S7(L)の内、何れかを有効にする部分である。
【0017】
図1に戻って、内部バス17は、電子装置10内部の各構成部分を通信接続する伝送路である。パッド18は、電子装置10の駆動信号S3(0〜15)(ここで0〜15は各ビット番号を表している)を外部バス19へ接続するの外部端子である。
【0018】
以上説明した、本実施例による電子装置10(図1)の動作について以下に説明する。
外部バス19(図1)に接続される周辺デバイス毎の駆動能力情報と、伝搬遅延量情報は、予めROM12(図1)に格納されているものとする。その格納状態について説明する。
【0019】
図5は、実施例1のROM内のテーブルの内容説明図である。
図に示すように、各周辺デバイス毎に、駆動能力情報(強、中、弱)と伝搬遅延情報(無し、有り、有り)が設定されている。ここで、メモリ20(図1)は、アクセス速度が高速であるため、信号の遷移時間を短くする必要があるので駆動能力は強に設定される。又、伝搬遅延は、タイミングマージン確保のために挿入されない。インタフェース制御デバイス21(図1)は、アクセス速度が中速であり、信号の遷移時間はそれ程短くする必要はないが、あまり長くするとタイミングスペックを満たせなくなるために駆動能力は中に設定される。又、伝搬遅延を挿入してもタイミングスペックを満たせるので16ビットバスの下位8ビットに伝搬遅延が挿入される。印刷プロセス制御デバイス22(図1)は、アクセス速度が低速であり信号の遷移時間が長くても問題無いので駆動能力は、弱に設定される。又、伝搬遅延を挿入してもタイミングスペックを満たせるので16ビットバスの下位8ビットに伝搬遅延が挿入される。
【0020】
次に主制御部11(図1)は、電源オン後の初期設定の後、ROM12(図1)から周辺デバイス毎の駆動能力情報を読み出して、駆動能力設定レジスタ30(図3)に設定する。その一例について説明する。
図6は、実施例1の駆動能力設定レジスタの説明図である。
図に示すように、各周辺デバイス毎に、駆動能力情報(強、中、弱)とイネーブル信号(S4、S5、S6)との関連が設定されている。ここでROM12(図1)から読み出された各デバイスの駆動能力情報により、メモリ20(図1)の駆動能力情報は強になっているので、イネーブル信号S4がON、イネーブル信号S5がOFF、イネーブル信号S6がOFFになるように駆動能力設定レジスタ30(図3)に設定される。このように設定することで、メモリ20(図1)がアクセスされるとメモリ20(図1)のデバイス選択信号S30(図3)がONになり、それをデバイス選択信号検知部31(図3)が検知し、メモリ20(図1)が選択されたことをセレクタ32(図3)へ通知する。
【0021】
セレクタ32(図3)は、メモリ20(図1)に対応するレジスタ設定値をイネーブル信号(S4、S5、S6)に出力する。すると、外部バス19(図1)の各ビット毎に設けられたデバイス駆動部1(0〜15)(図1)内の出力バッファ(図2)の内から駆動能力が強の出力バッフア2(図2)が選択される。以下、同じようにインタフェース制御デバイス21(図1)の駆動能力は中になっているので、イネーブル信号S4がOFF、イネーブル信号S5がON、イネーブル信号S6がOFFになるように駆動能力設定レジスタ30(図3)に設定される。印刷プロセス制御デバイス22(図1)の駆動能力情報は弱なので、イネーブル信号S4がOFF、イネーブル信号S5がOFF、イネーブル信号S6がONになるように駆動能力設定レジスタ30(図3)に設定される。
【0022】
次に主制御部11(図1)は、電源オン後の初期設定の後、ROM12(図1)から周辺デバイス毎の伝搬遅延量情報を読み出して、伝搬遅延量設定レジスタ40(図4)に設定する。その一例について説明する。
図7は、実施例1の伝搬遅延量設定レジスタの説明図である。
図に示すように、各周辺デバイス毎に、伝搬遅延量情報(有り、無し)と遅延量選択信号S7(H)、及び遅延量選択信号S7(L)との関連が設定されている。
【0023】
ここでROM12(図1)から読み出された各デバイスの伝搬遅延量情報により、メモリ20(図1)の伝搬遅延量情報は無しになっているので、遅延量選択信号S7(H)がOFF、遅延量選択信号S7(L)もOFFになるように伝搬遅延量設定レジスタ40(図4)に設定される。このように設定することで、メモリ20(図1)がアクセスされるとメモリ20(図1)のデバイス選択信号S30(図4)がONになり、それをデバイス選択信号検知部41(図4)が検知し、メモリ20(図1)が選択されたことをセレクタ42(図4)へ通知する。
【0024】
セレクタ42(図4)は、メモリ20(図1)に対応する遅延量選択信号S7(H)、及び、遅延量選択信号S7(L)をOFFにする。すると、外部バス19(図1)の各ビット毎に設けられたデバイス駆動部1(0〜15)(図1)内の遅延挿入部5(図2)に対して伝搬遅延を挿入するか、しないかを通知する。メモリ20(図1)が選択された場合には、遅延量選択信号S7(H)、遅延量選択信号S7(L)ともOFFなので外部バス19(図1)の上位側8ビット、下位側8ビットともに伝搬遅延は挿入されない。
【0025】
以下、同じようにインタフェース制御デバイス21(図1)の伝搬遅延量情報は、有りとなっているので、遅延量選択信号S7(H)はON、遅延量選択信号S7(L)はOFFになるように伝播遅延量設定レジスタ40(図4)に設定される。インタフェース制御デバイス21(図1)が選択された場合には遅延量選択信号S7(H)がONになるので、外部バス19(図1)の下位側8ビットには伝搬遅延が挿入される。印刷プロセス制御デバイス22(図1)が選択された場合には遅延量選択信号S7(H)がONになるので、外部バス19(図1)の下位側8ビットには伝搬遅延が挿入される。
【0026】
次にメモリ20(図1)が選択された場合におけるアクセス動作について説明する。
図8は、実施例1の動作説明図(メモリ20へのアクセス時)である。
図の上から順に(1)メモリ20のデバイス選択信号、(2)駆動能力選択部の出力、(3)デバイス駆動部の駆動能力、(4)伝搬遅延量選択部の出力、(5)バスの上位8ビットの伝搬遅延、(6)バスの下位8ビットの伝搬遅延、(7)バスの上位側8ビットの信号波形、(8)バスの下位側8ビットの信号波形、(9)デバイス駆動部を流れる単位時間当たりの電流変化量(di/dt)、(10)本発明を実施しない場合のバスの信号波形、(11)本発明を実施しない場合のデバイス駆動部を流れる単位時間当たりの電流変化量(di/dt)、(12)各項目に共通の時刻を、それぞれ表している。
【0027】
時刻T1でメモリ20が選択されると、メモリ20のデバイス選択信号S30がONになる。図に於いて、“L”がONを意味する。メモリ20のデバイス選択信号が出力されると駆動能力選択部14により、メモリ20の駆動能力のレジスタ設定が出力され、イネーブル信号S4はON、イネーブル信号S5はOFF、イネーブル信号S6はONになる。これらの信号は、“H”がONを意味する。尚、これらの信号は、デバイスの選択信号が出力されない場合(時刻T0)には、イネーブル信号S4はOFF、イネーブル信号S5はOFF、イネーブル信号S6はONになっている。その結果、メモリ20のデバイス選択信号がONの期間(時刻T1〜時刻T3)は、デバイス駆動部1の駆動能力は強となる。
【0028】
一方、メモリ20のデバイス選択信号がONの期間(時刻T1〜時刻T3)は、伝搬遅延量選択部15によりメモリ20の伝搬遅延量のレジスタ設定が出力され、遅延量選択信号S7(H)はOFF、遅延量選択信号S7(L)は、OFFになる。これらの信号も“H”がONを意味する。尚、これらの信号は、デバイスの選択信号が出力されない場合(時刻T0)には、遅延量選択信号S7(H)はON、遅延量選択信号S7(L)OFFになるように設定されている。その結果、メモリ20のデバイス選択信号がONの期間(時刻T1〜時刻T3)は、外部バス19の上位側8ビット、下位側8ビットは共に伝搬遅延が挿入されない。
【0029】
以上のように制御されることで外部バス19の上位側8ビットの波形は(7)のようになり、メモリ20の信号サンプルポイントに対して信号の遷移時間が十分に短く、また伝搬遅延も挿入されないために、十分なタイミングマージンが確保される。また、このような波形を出力する際に,16ビット全てのデバイス駆動部1(0〜15)に流れる単位時間当たりの電流変化量(di/dt)を模擬的に示したものをその下に示す。波形信号の立ち上がり時点(時刻T1〜時刻T2)は、16ビット全てのデバイス駆動部1(0〜15)が、同時に駆動能力を強として動作するために、電流変化量(di/dt)の値は大きなものになるが、メモリ20へのアクセス終了後(時刻T3以降)は、駆動能力を弱とし、外部バス19の下位8ビットへの伝播遅延も挿入されるので電流変化量(di/dt)はかなり抑えられる。
【0030】
電磁ノイズは、電流変化量(di/dt)が大きい程大きくなり、電流変化量(di/dt)が小さい程、抑えられることが知られているので、メモリ20へのアクセス時には、電流変化量(di/dt)が大きくなっているものの,アクセス終了後は、電流変化量(di/dt)を抑えることが出来るので、電磁ノイズの発生をも抑えることが出来る。一方、その下に本発明を実施しない場合のバスの信号波形と、そのときのデバイス駆動部1に流れる電流変化量(di/dt)を示している。本発明を実施しない場合には、常にメモリ20のアクセス速度を満たすに足る駆動能力でデバイスを駆動し、またバスに対して伝搬遅延も一切挿入しないので、常に、信号の変化点では、電流変化量(di/dt)が大きいままとなる。従って電磁ノイズも大きいままである。
【0031】
次にインタフェース制御デバイス21(図1)が選択された場合におけるアクセス動作について説明する。
図9は、実施例1の動作説明図(インタフェース制御デバイス21へのアクセス時)である。
図の上から順に(1)インタフェース制御デバイス21のデバイス選択信号、(2)駆動能力選択部の出力、(3)デバイス駆動部の駆動能力、(4)伝搬遅延量選択部の出力、(5)バスの上位8ビットの伝搬遅延、(6)バスの下位8ビットの伝搬遅延、(7)バスの上位側8ビットの信号波形、(8)バスの下位側8ビットの信号波形、(9)デバイス駆動部を流れる単位時間当たりの電流変化量(di/dt)、(10)本発明を実施しない場合のバスの信号波形、(11)本発明を実施しない場合のデバイス駆動部を流れる単位時間当たりの電流変化量(di/dt)、(12)各項目に共通の時刻を、それぞれ表している。
【0032】
時刻T1でインタフェース制御デバイス21が選択されると、インタフェース制御デバイス21のデバイス選択信号S31がONになる。図に於いて、“L”がONを意味する。インタフェース制御デバイス21のデバイス選択信号が出力されると駆動能力選択部14により、インタフェース制御デバイス21の駆動能力のレジスタ設定が出力され、イネーブル信号S4はOFF、イネーブル信号S5はON、イネーブル信号S6はOFFになる。これらの信号は、“H”がONを意味する。尚、これらの信号は、デバイスの選択信号が出力されない場合(時刻T0)には、イネーブル信号S4はOFF、イネーブル信号S5はOFF、イネーブル信号S6はONになっている。その結果、インタフェース制御デバイス21のデバイス選択信号がONの期間(時刻T1〜時刻T3)は、デバイス駆動部1の駆動能力は中となる。
【0033】
一方、インタフェース制御デバイス21のデバイス選択信号がONの期間(時刻T1〜時刻T3)は、伝搬遅延量選択部15によりインタフェース制御デバイス21の伝搬遅延量のレジスタ設定が出力され、遅延量選択信号S7(H)はON、遅延量選択信号S7(L)は、OFFになる。これらの信号も“H”がONを意味する。尚、これらの信号は、デバイスの選択信号が出力されない場合(時刻T0)には、遅延量選択信号S7(H)はON、遅延量選択信号S7(L)OFFになるように設定されている。その結果、インタフェース制御デバイス21のデバイス選択信号がONの期間(時刻T1〜時刻T3)は、外部バス19の上位側8ビットには伝搬遅延は挿入されないが、下位側8ビットには伝搬遅延が挿入される。
【0034】
以上のように制御されることで外部バス19の上位側8ビットの波形は(7)のようになり、インタフェース制御デバイス21の信号サンプルポイントに対して信号の遷移時間はメモリ20のときよりは長くなり、又、外部バス19の下位側8ビットには、伝搬遅延が挿入されるが、そのようにしても十分なタイミングマージンが確保される。また、このような波形を出力する際のデバイス駆動部1(0〜15)に流れる単位時間当たりの電流変化量(di/dt)を模擬的に示したものをその下に示す。波形信号の立ち上がり時点(時刻T1〜時刻T2)は、デバイス駆動部1(0〜15)の駆動能力は中であり、また、外部バス19の下位側8ビットには伝送遅延も挿入されるので、電流変化量(di/dt)は抑えられる。又、インタフェース制御デバイス21へのアクセス終了後(時刻T3以降)は、駆動能力を弱とし、外部バス19の下位8ビットへの伝播遅延も挿入されるので更に電流変化量(di/dt)は抑えられる。従って電磁ノイズも更に抑えることが出来る。
【0035】
一方、その下に本発明を実施しない場合のバスの信号波形と、そのときのデバイス駆動部1に流れる電流変化量(di/dt)を示している。本発明を実施しない場合には、常にインタフェース制御デバイス21のアクセス速度を満たすに足る駆動能力でデバイスを駆動し、またバスに対して伝搬遅延も一切挿入しないので、常に、信号の変化点では、電流変化量(di/dt)が大きいままとなる。従って電磁ノイズも大きいままである。
【0036】
次に印刷プロセス制御デバイス22(図1)が選択された場合におけるアクセス動作について説明する。
図10は、実施例1の動作説明図(印刷プロセス制御デバイス22へのアクセス時)である。
図の上から順に(1)印刷プロセス制御デバイス22のデバイス選択信号、(2)駆動能力選択部の出力、(3)デバイス駆動部の駆動能力、(4)伝搬遅延量選択部の出力、(5)バスの上位8ビットの伝搬遅延、(6)バスの下位8ビットの伝搬遅延、(7)バスの上位側8ビットの信号波形、(8)バスの下位側8ビットの信号波形、(9)デバイス駆動部を流れる単位時間当たりの電流変化量(di/dt)、(10)本発明を実施しない場合のバスの信号波形、(11)本発明を実施しない場合のデバイス駆動部を流れる単位時間当たりの電流変化量(di/dt)、(12)各項目に共通の時刻を、それぞれ表している。
【0037】
時刻T1で印刷プロセス制御デバイス22が選択されると、印刷プロセス制御デバイス22のデバイス選択信号S32がONになる。図に於いて、“L”がONを意味する。印刷プロセス制御デバイス22のデバイス選択信号が出力されると駆動能力選択部14により、印刷プロセス制御デバイス22の駆動能力のレジスタ設定が出力され、イネーブル信号S4はOFF、イネーブル信号S5はOFF、イネーブル信号S6はONになる。これらの信号は、“H”がONを意味する。尚、これらの信号は、デバイスの選択信号が出力されない場合(時刻T0)には、イネーブル信号S4はOFF、イネーブル信号S5はOFF、イネーブル信号S6はONになっている。その結果、インタフェース制御デバイス21のデバイス選択信号がONの期間(時刻T1〜時刻T3)は、デバイス駆動部1の駆動能力は弱となる。
【0038】
一方、印刷プロセス制御デバイス22のデバイス選択信号がONの期間(時刻T1〜時刻T3)は、伝搬遅延量選択部15により印刷プロセス制御デバイス22の伝搬遅延量のレジスタ設定が出力され、遅延量選択信号S7(H)はON、遅延量選択信号S7(L)は、OFFになる。これらの信号も“H”がONを意味する。尚、これらの信号は、デバイスの選択信号が出力されない場合(時刻T0)には、遅延量選択信号S7(H)はON、遅延量選択信号S7(L)OFFになるように設定されている。その結果、印刷プロセス制御デバイス22のデバイス選択信号がONの期間(時刻T1〜時刻T3)は、外部バス19の上位側8ビットには伝搬遅延は挿入されないが、下位側8ビットには伝搬遅延が挿入される。
【0039】
以上のように制御されることで外部バス19の上位側8ビットの波形は(7)のようになり、印刷プロセス制御デバイス22の信号サンプルポイントに対して信号の遷移時間はインタフェース制御デバイス21のときよりも更に長くなり、又、外部バス19の下位側8ビットには、伝搬遅延が挿入されるが、そのようにしても十分なタイミングマージンが確保される。また、このような波形を出力する際のデバイス駆動部1(0〜15)に流れる単位時間当たりの電流変化量(di/dt)を模擬的に示したものをその下に示す。波形信号の立ち上がり時点(時刻T1〜時刻T2)は、デバイス駆動部1(0〜15)の駆動能力は弱であり、また、外部バス19の下位側8ビットには伝送遅延も挿入されるので、電流変化量(di/dt)は、更に、抑えられる。又、印刷プロセス制御デバイス22へのアクセス終了後(時刻T3以降)は、駆動能力を弱とし、外部バス19の下位8ビットへの伝播遅延も挿入されるので更に電流変化量(di/dt)は抑えられる。従って電磁ノイズを更に抑えることが出来る。
【0040】
一方、その下に本発明を実施しない場合のバスの信号波形と、そのときのデバイス駆動部1に流れる電流変化量(di/dt)を示している。本発明を実施しない場合には、常に印刷プロセス制御デバイス22のアクセス速度を満たすに足る駆動能力でデバイスを駆動し、またバスに対して伝搬遅延も一切挿入しないので、常に、信号の変化点では、電流変化量(di/dt)が大きいままとなる。従って電磁ノイズも大きいままである。
【0041】
以上説明したように、本発明によれば、伝送バスに接続されるデバイスのアクセス速度等の特性に応じて信号の駆動能力を変更し、更に、信号に挿入する伝搬遅延量を制御することによって、単位時間当りの電流変化量を抑えることが出来るので、より一層電磁ノイズを低減することが可能になるという効果を得る。尚、本実施例では、伝送バスに挿入する伝搬遅延を2つのグループに分けている例について説明したが、より細かくグループ分けすることによって、より一層大きな効果が得られる。即ち、信号線一本毎に伝搬遅延量を変更することによって最大のノイズ低減効果が得られる。
【実施例2】
【0042】
本実施例では、伝送バスに新たにデバイスが追加された場合、又は、削除された場合であって、伝送バスに接続される全負荷容量が変わってしまう場合であっても、新たに追加されたデバイスの駆動能力情報を自動的に取得し、更に、既に接続されている周辺デバイスの駆動能力情報を自動的に修正することを目的とする。
図11は、実施例2の電子装置の構成のブロック図である。
図に示すように実施例1の電子装置10は、16個(一例)のデバイス駆動部50(0〜15)(ここで0〜15は各ビット番号を表している)と、主制御部11と、EEPROM63と、RAM13と、駆動能力選択部14と、伝搬遅延量選択部15と、出力信号制御部16と、内部バス17と、パッド18とを備える。以下に実施例1と相違する部分のみについて詳細に説明する。実施例1と同様の部分については、実施例1と同一の符号を付して説明を省略する。
【0043】
デバイス駆動部50は、主制御部11の制御に基づいて駆動能力選択部14による駆動能力の選択結果と、伝搬遅延量選択部15による伝搬遅延量の選択結果とに基づいて、外部バス19を介して該当するデバイス、即ち、一例として、メモリ(高速)20、インタフェース制御デバイス(中速)21、オプションインタフェース制御デバイス(低速)65、及び、印刷プロセス制御デバイス(低速)22を駆動する部分である。更に、本実施例では、周辺デバイスの駆動特性を検知する部分である。その詳細について図を用いて以下に説明する。
【0044】
図12は、実施例2のデバイス駆動部のブロック図である。
図に示すように、デバイス駆動部50(0〜15)は、出力バッフア(2、4、6)と、遅延挿入部8とを備える。出力バッファ(2、4、6)は、遅延挿入部8から受入れた信号を増幅し、所定の出力抵抗を介して、駆動信号S3をパッド18へ出力する増幅回路である。その出力抵抗としては、それぞれ抵抗値が異なる抵抗(3、5、7)(抵抗値は、抵抗3<抵抗5<抵抗7の順)が接続され、異なる駆動能力(駆動電流値)を有するように構成されている。従って、各出力バッフアの駆動能力の大きさは、出力バッファ2>出力バッファ3>出力バッファ4の順になる。ここで、起動する出力バッファ(2、4、6)の選択は、駆動能力選択部14から受入れるイネーブル信号(S4、S5、S6)に基づいて実行される。駆動特性検知部51は、内部バス17(図11)を介して主制御部11(図11)から遅延量設定信号(S50、S51)を受入れて周辺デバイスの駆動特性を検知する部分である。以下に駆動特性検知部51のみについて詳細に説明する。その他の部分は実施例1と同様なので説明を省略する。
【0045】
図13は、駆動特性検知部のブロック図である。
図に示すように駆動特性検知部51は、信号レベル比較部A52と、信号レベル比較部B53と、信号レベル比較部C54と、一定電圧出力バッファ(55、56、57)と、遅延信号出力部A58と、遅延信号出力部B59と、信号順序比較部A60と、信号順序比較部B61とを有する。
【0046】
信号レベル比較部A52は、一定電圧出力バッファ55から出力される一定電圧出力信号S63と、デバイス駆動部50(図12)から受入れる駆動信号S3とを比較し、その結果をレベル比較結果信号S60として遅延信号出力部A58へ送出する部分である。ここで、駆動信号S3の電圧レベルが一定電圧出力信号S63よりも高いときはレベル比較結果信号S60はONになり、駆動信号S3の電圧レベルが一定電圧出力信号S63よりも低いときはレベル比較結果信号S60はOFFになるものとする。
【0047】
信号レベル比較部B53は、一定電圧出力バッファ56から出力される一定電圧出力信号S64と、デバイス駆動部50(図12)から受入れる駆動信号S3とを比較し、その結果をレベル比較結果信号S61として遅延信号出力部B59と信号順序比較部A60へ送出する部分である。ここで、駆動信号S3の電圧レベルが一定電圧出力信号S64よりも高いときはレベル比較結果信号S61はONになり、駆動信号S3の電圧レベルが一定電圧出力信号S64よりも低いときはレベル比較結果信号S61はOFFになるものとする。
【0048】
信号レベル比較部C54は、一定電圧出力バッファ57から出力される一定電圧出力信号S65と、デバイス駆動部50(図12)から受入れる駆動信号S3とを比較し、その結果をレベル比較結果信号S62として信号順序比較部B61へ送出する部分である。ここで、駆動信号S3の電圧レベルが一定電圧出力信号S64よりも高いときはレベル比較結果信号S62はONになり、駆動信号S3の電圧レベルが一定電圧出力信号S65よりも低いときはレベル比較結果信号S62はOFFになるものとする。
【0049】
一定電圧出力バッファ55は、駆動信号S3の電圧レベルの10%のレベルに設定された一定電圧出力信号S63を出力するバッファである。一例として駆動信号S3が3Vのときには、一定電圧出力信号S63は、0.3Vになる。一定電圧出力バッファ56は、駆動信号S3の電圧レベルの50%のレベルに設定された一定電圧出力信号S64を出力するバッファである。一例として駆動信号S3が3Vのときには、一定電圧出力信号S64は、1.5Vになる。一定電圧出力バッファ57は、駆動信号S3の電圧レベルの90%のレベルに設定された一定電圧出力信号S65を出力するバッファである。一例として駆動信号S3が3Vのときには、一定電圧出力信号S65は、2.7Vになる。
【0050】
遅延信号出力部A58は、内部バス17(図11)を介して主制御部11(図11)から遅延量設定信号S50を受入れて、レベル比較結果信号S60に伝搬遅延を挿入し、遅延信号S66、及び遅延信号S67として信号順序比較部A60へ送出する部分である。ここで遅延信号出力部A58は、遅延量設定信号S50に対応してレベル比較結果信号S60にナノ秒単位で0ナノ秒からDanナノ秒までの何れかの伝搬遅延を挿入した信号を遅延信号S66、及び遅延信号S67として出力するものとする(一例)。但し、遅延信号S67の伝搬遅延量は、常に、遅延信号S66の伝搬遅延量よりも1ナノ秒大きいものとする。
【0051】
遅延信号出力部B59は、内部バス17(図11)を介して主制御部11(図11)から遅延量設定信号S51を受入れて、レベル比較結果信号S61に伝搬遅延を挿入し、遅延信号S68、及び遅延信号S69として信号順序比較部B61へ送出する部分である。ここで遅延信号出力部B59は、遅延量設定信号S51に対応してレベル比較結果信号S60にナノ秒単位で0ナノ秒からDbmナノ秒までの何れかの伝搬遅延を挿入した信号を遅延信号S68、及び遅延信号S69として出力するものとする(一例)。但し、遅延信号S69の伝搬遅延量は、常に、遅延信号S68の伝搬遅延量よりも1ナノ秒大きいものとする。
【0052】
信号順序比較部A60は、遅延信号S66、遅延信号S67、及びレベル比較結果信号S61の立ち上がり時間の順序関係を比較し、遅延信号S66、レベル比較結果信号S61、遅延信号S67の順序で立ち上がったときに順序比較結果信号S52をONにする部分である。尚、この順序比較結果信号S52は、主制御部11(図11)から図示しない、クリア信号を受入れてOFFされる。
【0053】
信号順序比較部B61は、遅延信号S68、遅延信号S69、及びレベル比較結果信号S62の立ち上がり時間の順序関係を比較し、遅延信号S68、レベル比較結果信号S62、遅延信号S69の順序で立ち上がったときに順序比較結果信号S53をONにする部分である。尚、この順序比較結果信号S53は、主制御部11(図11)から図示しない、クリア信号を受入れてOFFされる。
【0054】
以上説明したデバイス駆動部50(0〜15)は、図に示すように、出力信号制御部16が出力する16ビットの駆動信号S1(0〜15)に接続して16個配置されている。尚、駆動信号S1(0)に対応するデバイス駆動部50(0)以外のデバイス駆動部50(1〜15)は、上記遅延量設定信号(S50、S51)の入力、及び上記順序比較結果信号(S52、S53)の出力はオープンされている。即ち、ビット0の駆動信号S1(0)のみが駆動特性を検知することとする。
【0055】
図11に戻って、EEPROM63は、消去・書込み可能な不揮発性メモリであり、主制御部11が実行する制御プログラム、及び制御データが格納されると共に、外部バス64に接続されているメモリ20、インタフェース制御デバイス21、オプションインタフェース制御デバイス65、及び印刷プロセス制御デバイス22(以上、一例)の駆動特性が格納され、編集される。ここで、オプションインタフェース制御デバイス65は、着脱可能な構成を有する周辺デバイスである。
【0056】
本実施例による電子装置62(図11)の動作について以下に説明する。
本実施例では、伝送バスに接続される周辺デバイス毎の駆動能力情報を予めEEPROM63に書き込んでおく。しかし、伝送バスに新たにデバイスが追加された場合、又は、削除された場合には、伝送バスに接続される全負荷容量が変わってくる。従って、新たにデバイスの追加、又は、削除前にEEPROM63に書き込まれている遷移時間を変更する必要性が生じる場合も想定される。
【0057】
そこで、周辺デバイスへのアクセス開始前の電源投入時等に、伝送バスに新たに接続される周辺デバイスについて、駆動信号S1が、強の場合、中の場合、及び弱の場合について個々に信号電圧の立ち上がり遷移時間を検知する。更に、その検知した遷移時間情報に基づいて、EEPROM63に書き込まれている駆動能力を修正/追加する。その修正/追加された駆動能力情報に基づいて該当するレジスタを設定する。この設定に従い、各周辺デバイスへのアクセス時にデバイス駆動部の駆動能力を制御することになる。但し、周辺デバイスが削除された場合には、既に接続されている周辺デバイスの何れかについて、上記伝送バスに新たに接続される周辺デバイスについて行った処理と同様の処理を行うことになる。
【0058】
最初に駆動特性検知部51(図12)の動作について説明する。
図14は、駆動特性検知部の動作説明図である。
図の上から順に(1)駆動信号S3の波形、(2)信号レベル比較部Aの出力、(3)信号レベル比較部Bの出力、(4)信号レベル比較部Cの出力、(5)遅延量設定信号S50が、設定値=2の場合、(6)遅延量設定信号S50が、設定値=7の場合、(7)遅延量設定信号S51が、設定値=2の場合、(6)遅延量設定信号S51が、設定値=18の場合、(7)各項目に共通の時刻を、それぞれ表している。
【0059】
時刻T1で信号レベル比較部A52(図13)、信号レベル比較部B53(図13)、及び信号レベル比較部C54(図13)に駆動信号S3が入力される。駆動信号S3の過渡応答電圧レベルが一定電圧出力バッファ(55、56、57)(図13)の一定電圧出力信号(S63、S64、S65)と比較される。先ず、一定電圧出力信号S63が駆動信号S3の電圧レベルの10%に設定されている、信号レベル比較部A52(図13)で比較される。駆動信号S3の過渡応答電圧レベルが立ち上がっていってa点になると駆動信号S3の過渡応答電圧レベルが一定電圧出力信号S63の電圧レベルを超えるのでレベル比較結果信号S60がONになる(時刻T2)。
【0060】
次に、一定電圧出力信号S64が駆動信号S3の電圧レベルの50%に設定されている、信号レベル比較部B53(図13)で比較される。駆動信号S3の過渡応答電圧レベルが立ち上がっていってb点になると駆動信号S3の過渡応答電圧レベルが一定電圧出力信号S64の電圧レベルを超えるのでレベル比較結果信号S61がONになる(時刻T6)。
【0061】
次に、一定電圧出力信号S65が駆動信号S3の電圧レベルの90%に設定されている、信号レベル比較部C54(図13)で比較される。駆動信号S3の過渡応答電圧レベルが立ち上がっていってc点になると駆動信号S3の過渡応答電圧レベルが一定電圧出力信号S65の電圧レベルを超えるのでレベル比較結果信号S62がONになる(時刻T11)。
【0062】
次に、信号レベル比較部A52(図13)のレベル比較結果信号60は、遅延信号出力部A58(図13)によって伝搬遅延が挿入される。遅延量設定信号S50が、設定値=2に設定されている場合には、遅延信号S66には、単位時間つまり1ナノ秒の2倍、即ち2ナノ秒伝搬遅延が挿入され(5)のdのようになる(時刻T3でON)。
【0063】
又、遅延信号S67には、更に、単位時間つまり1加算され(2+1)倍の3ナノ秒が伝搬遅延が挿入され、(5)のeのようになる(時刻T4でON)。信号順序比較部A60(図13)は、入力される、遅延信号S66、遅延信号S67、レベル比較結果信号S61の立ち上がり時間の順序を比較し、遅延信号S66、レベル比較結果信号S61、遅延信号S67の順序で信号が立ち上がったときは順序比較結果信号S52をONにするが、ここでは、(5)のfのようにOFFのままになる。
【0064】
遅延量設定信号S50が、設定値=7であった場合には、遅延信号S66には、7ナノ秒伝搬遅延が挿入され(6)のgのようになる(時刻T5でON)。このとき遅延信号S67には、8ナノ秒伝搬遅延が挿入され(6)のhのようになる(時刻T7でON)。信号順序比較部A60(図13)は、入力される、遅延信号S66、遅延信号S67、レベル比較結果信号S61の立ち上がり時間の順序を比較し、遅延信号S66、レベル比較結果信号S61、遅延信号S67の順序で信号が立ち上がっているので順序比較結果信号S52を(6)のiのようにONにする(時刻T7)。
【0065】
続いて、信号レベル比較部B53(図13)が、設定値=2に設定されている場合には、遅延信号S68には、単位時間つまり1ナノ秒の2倍、即ち2ナノ秒伝搬遅延が挿入され(7)のjのようになる(時刻T8でON)。又、遅延信号S69には、更に、単位時間つまり1加算され(2+1)倍の3ナノ秒伝播遅延が挿入され、(7)のkのようになる(時刻T9でON)。信号順序比較部B61(図13)は、入力される、遅延信号S68、遅延信号S69、レベル比較結果信号S62の立ち上がり時間の順序を比較し、遅延信号S68、レベル比較結果信号S62、遅延信号S69の順序で信号が立ち上がったときは順序比較結果信号S53をONにするが、ここでは、(7)のmのようにOFFのままになる。
【0066】
遅延量設定信号S51が、設定値=18であった場合には、遅延信号S68には、18ナノ秒伝搬遅延が挿入され(8)のnのようになる(時刻T10でON)。このとき遅延信号S69には、19ナノ秒伝搬遅延が挿入され(8)のpのようになる(時刻T12でON)。信号順序比較部B61(図13)は、入力される遅延信号S68、遅延信号S69、レベル比較結果信号S62の立ち上がり時間の順序を比較し、遅延信号S68、レベル比較結果信号S62、遅延信号S69の順序で信号が立ち上がっているので順序比較結果信号S53を(8)のqのようにONにする(時刻T12)。
【0067】
駆動特性検知部51(図12)は、以上説明した方法によって、新たに追加されたデバイス、又は、周辺デバイスが削除された場合には、既に接続されている周辺デバイスの何れかについて、駆動信号S1が、強の場合、中の場合、及び弱の場合について個々に信号電圧の立ち上がり遷移時間を検知する。次に、この測定結果に基づいて駆動能力を求める。最初に遷移時間を求める動作を説明し、続いて、この遷移時間に基づいて駆動能力を求める動作について説明する。
【0068】
図15は、遷移時間を求める動作のフローチャートである。
以下に、ステップS2−1〜ステップS2−12までステップ順に説明する。
ステップS2−1
主制御部11(図11)は、遅延量設定信号(S50、S51)(図11、13)の値(設定値)を0に設定する。
【0069】
ステップS2−2
主制御部11(図11)は、出力信号制御部16(図11)を制御して、ビット0の駆動信号S1(0)が、遷移時間よりも十分広い間隔でOFF、ON、OFFする出力周期で出力を開始する。
【0070】
ステップS2−3
主制御部11(図11)は、順序比較結果信号S52(図11、13)がONになっているかどうかを検索し、ONになっている場合にはステップS2−4へ進み、OFFの場合にはステップS2−6へ進む。
【0071】
ステップS2−4
主制御部11(図11)は、遅延量設定信号S50(図11、13)の値をRAM13(図11)へ保持してステップS2−5へ進む。
【0072】
ステップS2−5
主制御部11(図11)は、順序比較結果信号S52(図11、13)の値をOFFにしてステップS2−6へ進む。
【0073】
ステップS2−6
主制御部11(図11)は、順序比較結果信号S53(図11、13)がONになっているかどうかを検索し、ONになっている場合にはステップS2−7へ進み、OFFの場合にはステップS2−9へ進む。
【0074】
ステップS2−7
主制御部11(図11)は、遅延量設定信号S51(図11、13)の値をRAM13(図11)へ保持してステップS2−8へ進む。
【0075】
ステップS2−8
主制御部11(図11)は、順序比較結果信号S53(図11、13)の値をOFFにしてステップS2−9へ進む。
【0076】
ステップS2−9
主制御部11(図11)は、遅延量設定信号S50(図11、13)、及び遅延量設定信号S51(図11、13)の値(設定値)が両方とも保持されたかどうかを判定し、両方とも保持された場合には、フローを終了し、保持されていない場合には、ステップS2−10へ進む。
【0077】
ステップS2−10
主制御部11(図11)は、遅延量設定信号S50(図11、13)、及び遅延量設定信号S51(図11、13)の値(設定値)にそれぞれ1加算する。
【0078】
ステップS2−11
主制御部11(図11)は、遅延量設定信号S50(図11、13)、及び遅延量設定信号S51(図11、13)の値(設定値)が、限度内であるかどうか判断し、限度以内であればステップS2−2へ戻り、限度を外れる場合にはステップS2−12へ進む。
【0079】
ステップS2−12
主制御部11(図11)は、限度を外れるので駆動特性を正常な状態で検出出来なかったので異常発生として装置表示部等にその旨表示(通知)する。
【0080】
続いて、駆動能力の修正の動作について説明する。
図16は、実施例2の駆動能力修正のフローチャートである。
ステップS1−1〜ステップS1−8まで、ステップ順に駆動能力修正の動作について説明する。尚、以下のフローには、駆動信号S1が、強の場合、中の場合、及び弱の場合について、それぞれの遷移時間を求めるフローが含まれるので、図15に示す遷移時間を求めるフロー全体をまとめて、P1;「遷移時間を求めるフロー」と記す。
【0081】
ステップS1−1
装置に電源が投入されると主制御部11(図11)は、RAM13(図11)を含む各構成部分の初期化を行う。
【0082】
ステップS1−2
主制御部11(図11)は、全てのアクセスで駆動能力が強になるように駆動能力選択部14の駆動能力設定レジスタ30(図3)を設定する。
【0083】
ステップS1−3
主制御部11(図11)は、P1;「遷移時間を求めるフロー」を実行する。この処理によって、駆動信号S1が、強の場合における、遅延量設定信号S50、及び、遅延量設定信号S51の設定値がRAM13(図11)に保持される。
【0084】
ステップS1−4
主制御部11(図11)は、全てのアクセスで駆動能力が中になるように駆動能力選択部14の駆動能力設定レジスタ30(図3)を設定する。
【0085】
ステップS1−5
主制御部11(図11)は、P1;「遷移時間を求めるフロー」を実行する。この処理によって、駆動信号S1が、中の場合における、遅延量設定信号S50、及び、遅延量設定信号S51の設定値がRAM13(図11)に保持される。
【0086】
ステップS1−6
主制御部11(図11)は、全てのアクセスで駆動能力が弱になるように駆動能力選択部14の駆動能力設定レジスタ30(図3)を設定する。
【0087】
ステップS1−7
主制御部11(図11)は、P1;「遷移時間を求めるフロー」を実行する。この処理によって、駆動信号S1が、弱の場合における、遅延量設定信号S50、及び、遅延量設定信号S51の設定値がRAM13(図11)に保持される。
【0088】
ステップS1−8
主制御部11(図11)は、RAM13(図11)に保持されている遅延量設定信号S50、及び、遅延量設定信号S51の設定値に基づいて遷移時間を算出し、その算出結果に基づいてEEPROM63(図11)内の駆動特性情報を修正してフローを終了する。
【0089】
次に、EEPROM63(図11)の修正方法について説明する。
図17は、実施例2の実施前のEEPROM内のテーブルの説明図である。
図に示すように、各周辺デバイス毎に、アクセス時間と、駆動能力情報(強、中、弱)が設定されている。周辺デバイスのアクセス速度は、製品カタログなどによって予め分かっているので、例えばメモリ20、インタフェース制御デバイス21、オプションインタフェース制御デバイス65、印刷プロセス制御デバイス22は、それぞれ、20ナノ秒、80ナノ秒、70ナノ秒、200ナノ秒と記載されている。外部バス64に既に接続されているメモリ20、インタフェース制御デバイス21、印刷プロセス制御デバイス22の駆動能力情報は事前評価によって強、中、弱と記載されている。又、新たに追加されたオプションインタフェース制御デバイス65は、未だ外部バス64に接続されていないので空欄になっている。
【0090】
図18は、遷移時間を求めるフローにより得られた駆動特性情報の説明図である。
この図は、遷移時間を求めるフローにより得られた、駆動能力選択部の設定(強、中、弱)に対応する遅延量設定信号S50、及び、遅延量設定信号S51の設定値が保持されている。この設定値から遷移時間を求める一例について説明する。図の最上行に示すように、駆動能力選択部の設定を強にしたときに、遅延量設定信号S50、及び、遅延量設定信号S51の設定値が、それぞれ2、及び9であったとする。このとき、遷移時間は、{(2+1)+(9+1)}×1(単位時間)=13(ナノ秒)として求められる。このようにして、駆動能力選択部の設定を中にしたときの遷移時間は47ナノ秒、駆動能力選択部の設定を弱にしたときの遷移時間は212ナノ秒と求まる。このようにして、新たに追加されたデバイス、又は、周辺デバイスが削除された場合には、既に接続されている周辺デバイスの何れかについて駆動特性情報が得られる。
【0091】
図19は、実施例2実施後のEEPROM内のテーブルの説明図である。
図に示すように、各周辺デバイス毎に、修正後のアクセス時間と、駆動能力情報(強、中、弱)が設定されている。主制御部11(図11)は、外部バス64(図11)に接続される周辺デバイス毎に、図17に記載のアクセス時間と、図18に記載の遷移時間とを比較し、駆動能力情報を決定する。遷移時間をアクセス時間と比較する場合、駆動能力設定部14(図11)の設定が弱の方から比較していく。
【0092】
例えば、メモリの場合には、アクセス速度が20ナノ秒に対して、駆動能力設定部14(図11)の設定が弱の場合には212ナノ秒なのでアクセス速度を満たせないために不適となる。設定が中の場合には47ナノ秒なのでアクセス速度を満たせないために不適となる。設定が強の場合には13ナノ秒となり初めてアクセス速度を満たせるようになるので、メモリに対しては、駆動能力情報は、強となる。以下、同様に各周辺デバイスのアクセス速度と遷移速度とを比較し、結果として図19の設定になる。このようにして駆動能力情報の設定及び修正が行われた後実施例1の動作が開始されることになる。
【0093】
以上説明したように、本実施例によれば、伝送バスに新たにデバイスが追加された場合、又は、削除された場合であって、伝送バスに接続される全負荷容量が変わってしまう場合であっても、新たに追加されたデバイスの駆動能力情報が自動的に取得され、更に、既に接続されている周辺デバイスの駆動能力情報が自動的に修正されるので、実施例1の効果に加えて、安定した動作が可能になるという効果を得る。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、駆動能力を変更可能なデバイス駆動部を有する電子装置の電磁ノイズの低減に適しており、プリンタ、スキャナ、FAX、MFP(Multi−Function Peripheral)などに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】実施例1の電子装置の構成のブロック図である。
【図2】実施例1のデバイス駆動部のブロック図である。
【図3】実施例1の駆動能力選択部のブロック図である。
【図4】実施例1の伝搬遅延量選択部のブロック図である。
【図5】実施例1のROM内のテーブルの内容説明図である。
【図6】実施例1の駆動能力設定レジスタの説明図である。
【図7】実施例1の伝搬遅延量設定レジスタの説明図である。
【図8】実施例1の動作説明図(メモリ20へのアクセス時)である。
【図9】実施例1の動作説明図(インタフェース制御デバイス21へのアクセス時)である。
【図10】実施例1の動作説明図(印刷プロセス制御デバイス22へのアクセス時)である。
【図11】実施例2の電子装置の構成のブロック図である。
【図12】実施例2のデバイス駆動部のブロック図である。
【図13】駆動特性検知部のブロック図である。
【図14】駆動特性検知部の動作説明図である。
【図15】遷移時間を求める動作のフローチャートである。
【図16】実施例2の駆動能力修正のフローチャートである。
【図17】実施例2の実施前のEEPROM内のテーブルの説明図である。
【図18】遷移時間を求めるフローにより得られた駆動特性情報の説明図である。
【図19】実施例2の実施後のEEPROM内のテーブルの説明図である。
【符号の説明】
【0096】
10 電子装置
11 主制御部
12 ROM
13 RAM
14 駆動能力選択部
15 伝搬遅延量選択部
16 出力信号制御部
17 内部バス
18 パッド
19 外部バス
20 メモリ(高速)
21 インタフェース制御デバイス(中速)
22 印刷プロセス制御デバイス(低速)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝送バスに接続された複数のデバイスと、
前記複数のデバイスそれぞれの駆動特性情報を予め格納する駆動特性情報格納部と、
前記駆動特性情報に基づいて前記伝送バスの駆動能力を選択する駆動能力選択部と、
前記駆動特性情報に基づいて伝搬遅延量を選択する伝搬遅延量選択部と、
前記駆動能力選択部による駆動能力の選択結果と、前記伝搬遅延量選択部による伝搬遅延量の選択結果とに基づいて前記伝送バスを介して前記複数のデバイスの中の何れかのデバイスを駆動するデバイス駆動部とを備えることを特徴とする電子装置。
【請求項2】
伝送バスに接続された複数のデバイスと、
前記複数のデバイスそれぞれの駆動特性情報を検知する駆動特性検知部と、
前記駆動特性検知部により検知された駆動特性情報に基づいて前記複数のデバイスの中の何れかのデバイスを駆動するデバイス駆動部とを備えることを特徴とする電子装置。
【請求項3】
前記駆動特性検知部は、
前記複数のデバイスの内何れかのデバイスに供給する電圧の立ち上がり遷移時間を検知し、該検知結果に基づいて前記複数のデバイスそれぞれの駆動特性情報を検知することを特徴とする請求項2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記複数のデバイスの内何れかのデバイスに供給する電圧の立ち上がり遷移時間を検知し、該検知結果に基づいて前記駆動特性情報格納部が予め格納する駆動特性情報を修正する駆動特性検知部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の電子装置。
【請求項5】
前記複数のデバイスの内何れかのデバイスは、新たに追加されたデバイス、又は、所定のデバイスが削除された後の残余のデバイスであることを特徴とする請求項4に記載の電子装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−324908(P2007−324908A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−152565(P2006−152565)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】