説明

電子部品実装装置

【課題】電子部品の検査にかかるサイクルタイムを短縮し、検査の精度を高めること。
【解決手段】電子部品実装装置100の制御部14により、基板Bに電子部品Pを実装する前に、電子部品実装前の基板の画像を取得し、基板保持部3の基準位置に対する各電子部品の基準実装位置を算出する。そして、制御部14は、算出された基板保持部3の基準位置に対する各電子部品Pの基準実装位置を記憶部14dに記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品を基板に実装する電子部品実装装置が知られている。
電子部品実装装置は、電子部品を吸着ノズルで吸着し、吸着ノズルを所定の実装位置まで移動させて電子部品を基板に取り付ける。電子部品実装装置の前後には、部品供給装置が設けられ、電子部品実装装置の左右には、基板を搬出入する基板搬送装置が設けられている。基板の搬送位置上方には、部品供給装置から吸着した電子部品の認識装置や基板へ移動可能なヘッドユニットがXY軸上に設けられている。
近年、電子部品の極小化、接合端子の狭ピッチ化、実装基板の高密度化が進み、電子部品の基板への実装精度の向上が求められている。それと同時に、基板生産枚数の向上が求められており、それに伴い実装タクト向上が求められている。その一方、実装タクト向上のため駆動モータの発熱量が増加して使用中と待機中の温度変化が増加する。温度変化に伴う熱変形による実装誤差や長時間使用して駆動部が経時変化することによる実装誤差への影響を低減させた実装精度の安定性も求められている。
【0003】
電子部品の実装精度向上のため、実装位置を補正するために基板を検査する方法の一例として、基板への電子部品の実装後に実装位置に移動したカメラで電子部品を撮影し、電子部品の種別、位置、姿勢を検査する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
他の例として、基板の搬出入部の上方にラインセンサを取付け、基板搬出入時に基板面を撮影して予め記憶されている状態データと比較して検査する方法が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
他の例として、装着ヘッドのスライド部材の下に一次元イメージセンサを取り付け、スライド部材のスライド動作時に基板表面の電子部品を実装した状態の画像を取り込み、電子部品の実装状態を検査する方法が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63−106502号公報
【特許文献2】特開2007−035659号公報
【特許文献3】特開2008−147336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の方法においては、電子部品の種別、位置、姿勢を検査するために電子部品を撮影するカメラは、電子部品の実装後にそれぞれの電子部品の実装位置へ移動して撮影する。そのため、狭視野カメラでは撮影枚数が多く検査に長時間要してしまう。また、撮影枚数を減らすために広視野カメラを使用すると、ヘッド部の重量が増加してサイクルタイムが長くなり、コストも高騰する。
また、特許文献2に記載の方法においては、基板搬出入時に基板面を撮影する際、基板がベルト上をすべることによりラインセンサの下を通過する速度がばらつく。また、搬送の幅方向の余裕による基板の幅方向の位置ずれ、基板の反りによるゆがみや焦点ずれの影響により、撮影画像で電子部品の実装位置を検査するのに必要な精度を確保できない。また、基板が保持されていないので、ラインセンサでは基板の反りを検出することができず、基板のゆがみを考慮した補正が困難である。
また、特許文献3に記載の方法においては、装着ヘッドのスライド部材の下に一次元イメージセンサが取り付けられているため、スライド部材のスライド動作時に基板表面の電子部品の実装状態の画像を取り込んでいる間は、ヘッド部は何もすることができない。また、搬送方向に長い基板対応として用いられる方法である、2つのマシンにまたがって配置された基板における中間部分は、一次元イメージセンサによって基板表面全体の画像の取り込みができない。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、電子部品の検査にかかるサイクルタイムを短縮し、検査の精度を高めることができる電子部品実装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
電子部品が実装される基板を保持する基板保持部と、
前記基板を前記基板保持部による保持可能な位置まで搬送する基板搬送機構と、
前記基板保持部を前記基板搬送機構による基板の搬送方向に沿って移動させる保持部移動機構と、
電子部品を供給する部品供給部と、
電子部品を吸着する吸着ノズルを有し、前記基板搬送機構による基板の搬送方向及び当該搬送方向に直交し基板の面方向に沿った方向に移動するヘッド部と、
電子部品の実装位置を記憶する記憶部と、を備える電子部品実装装置において、
前記ヘッド部から独立して設けられ、前記基板保持部の移動方向に沿って移動し、前記基板保持部及び前記基板の画像を取得するイメージセンサと、
前記イメージセンサを前記基板保持部の移動方向に沿ってスキャン位置と退避位置とに往復移動させるセンサ移動機構と、
前記基板に電子部品を実装する前に、前記基板保持部を前記イメージセンサよりも基板の搬送方向上流側に移動させるように前記保持部移動機構の駆動を制御する保持部制御手段と、
前記イメージセンサと前記基板保持部を相対移動させて、前記基板保持部及び前記基板保持部に保持された基板の画像を取得するように前記イメージセンサを制御する画像取得制御手段と、
前記イメージセンサにより取得した電子部品実装前の基板及び基板保持部の画像から前記基板保持部の基準位置に対する各電子部品の基準実装位置を算出する基準位置算出手段と、
前記基準位置算出手段により算出された前記基板保持部の基準位置に対する各電子部品の基準実装位置を前記記憶部に記憶する実装位置記憶制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子部品実装装置において、
前記ヘッド部に設けられ、前記基板保持部及び基板を撮像する撮像部と、
前記イメージセンサより取得した電子部品実装前の基板保持部の基準位置に対する各電子部品の基準実装位置を算出する第2の基準位置算出手段と、
前記ヘッド部の移動範囲よりも基板の搬送方向の長さが長い基板に電子部品を実装する場合に、前記基板保持部を複数回、基板の搬送方向に移動して複数回に分けて実装する実装手段と、
前記基板保持部を移動する度に、複数個の基板保持部の基準位置を前記ヘッド部に設けられた前記撮像部で認識し、前記基板保持部の基準位置に対する基板の基準位置及び各電子部品の基準実装位置を算出し直す再算出手段と、
を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の電子部品実装装置において、
前記イメージセンサにより取得した電子部品実装前の基板及び基板保持部の画像から前記基板保持部の基準位置に対する電子部品実装用の接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量を算出する塗布位置ズレ量算出手段と、
前記塗布位置ズレ量算出手段により算出された接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量が許容値の範囲内であるか否かを判定する判定手段と、
前記塗布位置ズレ量算出手段により算出された接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量が前記判定手段により許容値の範囲外であると判定された場合に、電子部品実装装置の操作パネルにエラーを表示して電子部品実装装置を一時停止する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、
電子部品が実装される基板を保持する基板保持部と、
前記基板を前記基板保持部による保持可能な位置まで搬送する基板搬送機構と、
前記基板保持部を前記基板搬送機構による基板の搬送方向に沿って移動させる保持部移動機構と、
電子部品を供給する部品供給部と、
電子部品を吸着する吸着ノズルを有し、前記基板搬送機構による基板の搬送方向及び当該搬送方向に直交し基板の面方向に沿った方向に移動するヘッド部と、
電子部品の実装位置を記憶する記憶部と、を備える電子部品実装装置において、
前記ヘッド部から独立して設けられ、前記基板保持部の移動方向に沿って移動し、前記基板保持部及び前記基板の画像を取得するイメージセンサと、
前記イメージセンサを前記基板保持部の移動方向に沿ってスキャン位置と退避位置とに往復移動させるセンサ移動機構と、
前記基板に電子部品を実装した後、前記基板保持部を前記イメージセンサよりも基板の搬送方向上流側に移動させるように前記保持部移動機構の駆動を制御する保持部制御手段と、
前記イメージセンサと前記基板保持部を相対移動させて、前記基板保持部及び前記基板保持部に保持された基板の画像を取得するように前記イメージセンサを制御する画像取得制御手段と、
前記イメージセンサにより取得した電子部品実装後の基板及び基板保持部の画像から前記記憶部に記憶された基準実装位置に対する電子部品の実装位置のズレ量を算出する実装位置ズレ量算出手段と、
前記実装位置ズレ量算出手段により算出された各電子部品の実装位置のズレ量が許容値の範囲内であるか否かを判定する判定手段と、
電子部品の実装領域毎又は前記吸着ノズル毎の実装位置のズレ量を算出する第2の実装位置ズレ量算出手段と、
前記第2の実装位置ズレ量算出手段により算出された電子部品の実装領域毎又は前記吸着ノズル毎の実装位置のズレ量が許容値の範囲内であるか否かを判定する第2の判定手段と、
前記第2の実装位置ズレ量算出手段により算出された電子部品の搭載領域毎又は前記吸着ノズル毎の実装位置のズレ量が前記第2の判定手段により許容値の範囲内でないと判定された場合に、電子部品の実装領域毎又は前記吸着ノズル毎の実装位置のズレ量を差し引いて前記記憶部に記憶されている基準実装位置を更新する実装位置更新手段と、
を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の電子部品実装装置において、
前記実装位置ズレ量算出手段により算出された電子部品の実装位置のズレ量が前記判定手段により許容値の範囲外であると判定された場合に、電子部品実装装置の操作パネルにエラーを表示して電子部品実装装置を一時停止する制御手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の発明によれば、基板に電子部品を実装する前に検査を行う場合には、最初に、保持部制御手段は、基板保持部をイメージセンサよりも基板の搬送方向上流側に移動させるように保持部移動機構の駆動を制御する。
次いで、画像取得制御手段は、イメージセンサを制御して、イメージセンサと基板保持部を相対移動させて、基板保持部及び基板保持部に保持された基板の画像を取得させる。
次いで、基準位置算出手段は、イメージセンサにより取得した電子部品実装前の基板及び基板保持部の画像から基板保持部の基準位置に対する各電子部品の基準実装位置を算出する。
次いで、実装位置記憶制御手段は、基準位置算出手段により算出された基板保持部の基準位置に対する各電子部品の基準実装位置を記憶部に記憶する。
このように、電子部品を基板に実装する前に検査する場合、イメージセンサで基板の一方向を同時に認識することができるので、従来のようにヘッド部のカメラで撮像する場合に比べて検査のサイクルタイムを短縮することができる。また、イメージセンサは、ヘッド部から独立して設けられているので、ヘッド部の重量が増加することもなく、検査のサイクルタイムを短縮することができる。また、イメージセンサは、ヘッド部から独立して設けられているので、イメージセンサの移動範囲がヘッド部の移動範囲の制約を受けることもない。また、基板は基板保持部で保持した状態で検査されるので、基板の反りや基板の位置ずれを防止し、基板の搬送が安定するので、検査の精度を向上することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、ヘッド部の移動範囲よりも基板の搬送方向の長さが長い基板に電子部品を実装する場合には、実装手段は、基板保持部を複数回、基板の搬送方向に移動して複数回に分けて電子部品を基板に実装する。
このとき、第2の基準位置算出手段は、イメージセンサより取得した電子部品実装前の基板保持部の基準位置に対する各電子部品の基準実装位置を算出する。
次いで、再算出手段は、基板保持部を移動する度に、複数個の基板保持部の基準位置をヘッド部に設けられた撮像部で認識し、基板保持部の基準位置に対する基板の基準位置及び各電子部品の基準実装位置を算出し直す。
これにより、基板が搬送方向に長く、隣接する電子部品実装装置に跨る場合であっても、基板を撮像する領域を分割して各画像毎に基準位置から電子部品の実装位置を更新することができる。また、ヘッド部に設けられた撮像部を併用することにより、基板の画像の取得を補助することができ、検査の効率を向上することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、塗布位置ズレ量算出手段は、イメージセンサにより取得した電子部品実装前の基板及び基板保持部の画像から基板保持部の基準位置に対する電子部品実装用の接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量を算出する。
次いで、判定手段は、塗布位置ズレ量算出手段により算出された接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量が許容値の範囲内であるか否かを判定する。
次いで、制御手段は、塗布位置ズレ量算出手段により算出された接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量が判定手段により許容値の範囲外であると判定された場合に、電子部品実装装置の操作パネルにエラーを表示して電子部品実装装置を一時停止する。
これにより、接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量が許容できない場合には、電子部品実装装置を一時停止するので、不良基板の発生を未然に防止することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、基板に電子部品を実装した後に検査を行う場合には、最初に、保持部制御手段は、基板保持部をイメージセンサよりも基板の搬送方向上流側に移動させるように保持部移動機構の駆動を制御する。
次いで、画像取得制御手段は、イメージセンサを制御して、イメージセンサと基板保持部を相対移動させて、基板保持部及び基板保持部に保持された基板の画像を取得させる。
次いで、実装位置ズレ量算出手段は、イメージセンサにより取得した電子部品実装後の基板及び基板保持部の画像から記憶部に記憶された基準実装位置に対する電子部品の実装位置のズレ量を算出する。
次いで、判定手段は、実装位置ズレ量算出手段により算出された各電子部品の実装位置のズレ量が許容値の範囲内であるか否かを判定する。
次いで、第2の実装位置ズレ量算出手段は、電子部品の実装領域毎又は吸着ノズル毎の実装位置のズレ量を算出する。
次いで、第2の判定手段は、第2の実装位置ズレ量算出手段により算出された電子部品の実装領域毎又は吸着ノズル毎の実装位置のズレ量が許容値の範囲内であるか否かを判定する。
次いで、実装位置更新手段は、第2の実装位置ズレ量算出手段により算出された電子部品の搭載領域毎又は吸着ノズル毎の実装位置のズレ量が第2の判定手段により許容値の範囲内でないと判定された場合に、電子部品の実装領域毎又は吸着ノズル毎の実装位置のズレ量を差し引いて記憶部に記憶されている基準実装位置を更新する。
このように、電子部品を基板に実装した後に検査する場合、イメージセンサで基板の一方向を同時に認識することができるので、従来のようにヘッド部のカメラで撮像する場合に比べて検査のサイクルタイムを短縮することができる。また、イメージセンサは、ヘッド部から独立して設けられているので、ヘッド部の重量が増加することもなく、検査のサイクルタイムを短縮することができる。また、イメージセンサは、ヘッド部から独立して設けられているので、イメージセンサの移動範囲がヘッド部の移動範囲の制約を受けることもない。また、基板は基板保持部で保持した状態で検査されるので、基板の反りや基板の位置ずれを防止し、基板の搬送が安定するので、検査の精度を向上することができる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、制御手段は、電子部品の実装位置のズレ量算出手段により算出された電子部品の実装位置のズレ量が判定手段により許容値の範囲外であると判定された場合に、電子部品実装装置の操作パネルにエラーを表示して電子部品実装装置を一時停止する。
これにより、接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量が許容できない場合には、電子部品実装装置を一時停止するので、不良基板の発生を未然に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】電子部品実装装置の斜視図。
【図2】基板の検査の流れを説明する図。
【図3】制御部に関連する構成を示すブロック図。
【図4】図3において、基板上の各基準位置を示すマークを示した図。
【図5】基板に電子部品を実装する前の処理の流れを示すフローチャート。
【図6】基板に電子部品を実装した後の処理の流れを示すフローチャート。
【図7】基板が搬送方向に長い場合の検査の流れを説明する図。
【図8】図7から続き、基板が搬送方向に長い場合の検査の流れを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る電子部品実装装置の実施形態について説明する。
<電子部品実装装置の構成>
図1に示すように、電子部品実装装置100は、部品供給装置から供給される電子部品を基板に実装する装置である。
電子部品実装装置100は、土台となる台部1を備えている。台部1の上面には、上面中央部から少し後方でX方向に延在し、基板Bを搬送する基板搬送機構2が設けられている。
【0019】
(基板搬送機構)
図1、図2に示すように、基板搬送機構2は、前工程からヘッド部7で電子部品を実装可能な位置まで基板Bを搬送する。そして、電子部品の基板Bへの装着が終了すると、装着終了を示す制御部からの信号を受けて基板Bを次工程へ搬出する。なお、図2において、基板搬送機構2の搬送方向は、矢印Aに示される方向である。
基板搬送機構2は、ベルト部材21とベルト部材21を駆動させる駆動源(図示略)とを備えて構成され、ベルト部材21は、基板Bの搬送方向に沿って配置されている。
ベルト部材21は、基板保持部3に設けられている。
【0020】
(基板保持部)
基板保持部(クランプユニット)3は、ベルト部材21により搬送されてきた基板Bをベルト部材21ごと保持することができるように構成されている。すなわち、基板搬送機構2は、基板Bを基板保持部3による保持可能な位置まで搬送するものである。
基板保持部3は、搬送されてくる基板Bの両側部に、基板Bを搬送方向に沿って案内するガイド部材31、31を備えている。ガイド部材31、31は、バックアップピン(図示略)により上昇させられる基板Bを上側及び側方から押えることにより、基板Bを保持する。
台部1の上面には、基板保持部3のX軸方向の移動を案内するガイドレール32が設けられている。ガイドレール32は、一定の間隔をあけて二本設けられ、それぞれがX軸方向に沿って配置されている。基板保持部3の下面には、ガイドレール32に嵌め込まれる嵌合部33が設けられている。
台部1の上面には、基板保持部3を基板搬送機構2による基板Bの搬送方向(X軸方向)に沿って移動させる駆動源となる保持部移動機構4が設けられている。
【0021】
(保持部移動機構)
保持部移動機構4は、台部1の上面に固定されたモータ41と、モータ41の出力軸に設けられたボールねじ42と、基板保持部3の下面に設けられ、ボールねじ42が回転自在に挿入された挿通部43とを備えている。ボールねじ42は、その軸線が基板Bの搬送方向(X軸方向)に沿うように配置されている。従って、モータ41の駆動によりボールねじ42を軸回りに回転させると、挿通部43は、基板保持部3に固定されているので、回転することができず、ボールねじ42の軸線方向に沿って移動することとなる。
【0022】
(ヘッド部のXY搬送機構)
台部1の上面には、X方向に延在し、ヘッド部7をX方向に往復移動自在に案内するX搬送部5と、Y方向に延在し、ヘッド部7をY方向に往復移動自在に案内するY搬送部6とが設けられている。
X搬送部5は、Y搬送部6上をY方向に沿って移動自在となるようにY搬送部6に設けられている。X搬送部5には、X方向に沿って移動自在となるようにヘッド部7が設けられている。すなわち、X搬送部5とY搬送部6により、ヘッド部7をXY方向に移動させて電子部品Pを基板Bの実装位置まで移動させることができる。
【0023】
(ヘッド部)
ヘッド部7には、電子部品Pを吸着により保持して基板Bの実装位置まで搬送する吸着ノズル7aと、基板B及び基板保持部3の上方から基板B及び基板保持部3を撮像する撮像部としての基板認識カメラ8とが設けられている。ここで、吸着ノズル7aは、ヘッド部7に設けられているので、各搬送部5,6の駆動により、電子部品Pは、基板Bの実装位置まで移動可能となっている。すなわち、ヘッド部7は、基板搬送機構2による基板Bの搬送方向(X軸方向)及びこの搬送方向(X軸方向)に直交し、基板Bの面方向に沿った方向(Y軸方向)に移動することができる。
吸着ノズル7aは、当該吸着ノズル7aを図1のZ方向に沿って移動させる移動部(図示略)に連結されている。移動部は、エアシリンダ、ボールねじ等を用いた機構である。
台部1の上面には、部品供給部13に隣接する部品認識カメラ9が設けられている。
部品認識カメラ9は、吸着ノズル7aに吸着保持された電子部品Pを下方から吸着ノズル7aと共に撮像するカメラである。部品認識カメラ9は、台部1の上面に直上を撮像できるような姿勢で固定されている。すなわち、部品認識カメラ9の光学系の光軸がZ軸に一致している。
【0024】
(一次元イメージセンサ)
台部1の上面には、ヘッド部7から独立し、基板保持部3及び基板Bの画像をスキャンにより取得するイメージセンサとしての一次元イメージセンサ10が基板保持部3の移動方向(X軸方向)に沿って移動自在に設けられている。一次元イメージセンサ10は、X軸方向に沿って延在する二本のガイドレール51、51にX軸方向の移動が案内される。ガイドレール51、51には支持部52が移動自在に嵌め込まれ、この支持部52に一次元イメージセンサ10が設けられている。支持部52には、エアシリンダ53のロッド54が取り付けられており、エアシリンダ53の駆動によりロッド54が進退することで、支持部52に支持された一次元イメージセンサ10を基板保持部3の移動方向(X軸方向)に移動させることができる。エアシリンダ53のロッド54は、X軸方向に沿って進退可能に配置されている。従って、エアシリンダ53は、センサ移動機構として機能する。
一次元イメージセンサ10は、基板B及び基板保持部3をスキャンするスキャン位置と、基板Bに電子部品Pを実装する際に基板Bの上方から退避する退避位置とに移動可能となっている。ガイドレール51、エアシリンダ53は、少なくともこの二つの位置の間で一次元イメージセンサ10が移動自在となるように構成されている。
【0025】
(カバー、操作パネル)
台部1には、台部1上に設けられた各部を覆うカバー11が設けられており、このカバー11の一部には、電子部品実装装置100の操作を行うための操作パネル12が設けられている。操作パネル12は、ユーザからの指示を入力することができると共に、ユーザに報知する情報を表示することができる。
台部1の前方には、電子部品Pを基板Bに実装するための部品供給部13が設けられている。部品供給部13には、基板Bに実装される電子部品Pが格納されている。
【0026】
(制御部)
台部1内には、電子部品実装装置100の各駆動部の駆動を制御する制御部14が設けられている。
図3に示すように、制御部14は、各演算処理を行うCPU14aと、CPU14aの作業スペースとなるRAM14bと、CPU14aによる演算プログラム等が記憶されたROM14cと、書き換え可能なデータ等を記憶するEEPROM14dとを備えている。
EEPROM14dには、電子部品Pの目標とする実装位置(具体的には座標位置)が記憶されている。従って、EEPROM14dは、記憶部として機能する。
制御部14には、基板搬送機構2のベルト部材21を駆動させるモータ23、基板保持部3を移動させるモータ41、X搬送部5、Y搬送部6、基板認識カメラ8、部品認識カメラ9、一次元イメージセンサ10、一次元イメージセンサ10を移動させるエアシリンダ53、操作パネル12が電気的に接続されており、制御部14は、主に各部の駆動に関する制御を行う。
制御部14は、基板Bへの電子部品Pの実装前、電子部品Pの実装後、基板Bが長い場合において、それぞれ基板の検査、電子部品Pの実装検査を行うことができる。以下、各場合において用いられるプログラムを分けて説明する。
【0027】
1.電子部品の実装前の検査
ROM14cには、CPU14aに実行されることで、基板Bに電子部品Pを実装する前に、基板保持部3を一次元イメージセンサ10よりも基板Bの搬送方向上流側に移動させるようにモータ41の駆動を制御する機能を実現するプログラムが記憶されている。すなわち、CPU14aがこのプログラムを実行することにより、制御部14は、保持部制御手段として機能する。
ROM14cには、CPU14aに実行されることで、基板保持部3と一次元イメージセンサ10を相対移動させて、基板保持部3及び基板保持部3に保持された基板Bの画像を取得するように一次元イメージセンサ10を制御する機能を実現するプログラムが記憶されている。すなわち、CPU14aがこのプログラムを実行することにより、制御部14は、画像取得制御手段として機能する。
ROM14cには、CPU14aに実行されることで、一次元イメージセンサ10により取得した電子部品実装前の基板B及び基板保持部3の画像から基板保持部3の基準位置に対する各電子部品の基準実装位置を算出する機能を実現するプログラムが記憶されている。すなわち、CPU14aがこのプログラムを実行することにより、制御部14は、基準位置算出手段として機能する。
【0028】
ここで、基板保持部3の基準位置とは、各電子部品Pの目標となる基準実装位置を算出するために、基板保持部3に付された基準となるマークの位置をいう。具体的には、一般的な四角形の基板保持部3の場合には、その四隅に付される。
また、基板にはバーコードがあることがあり、バーコードを一次元イメージセンサ10により取得した場合、そのバーコードに合致する生産プログラムを選択し、基板Bの基準位置に対する各電子部品の基準実装位置やバットマークの配置位置を読み出す。
また、基板Bの基準位置とは、基板保持部3を基準としたときに基板Bがあるべき位置の基準となるマークの位置をいう。具体的には、一般的な四角形の基板Bの場合には、その四隅に複数箇所付される。
また、各電子部品の基準実装位置とは、基板保持部3を基準としたときに各電子部品Pが搭載されるべき目標位置をいう。
【0029】
ROM14cには、CPU14aに実行されることで、一次元イメージセンサ10により取得した電子部品実装前の基板B及び基板保持部3の画像から基板保持部3の基準位置に対する電子部品実装用の接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量を算出する機能を実現するプログラムが記憶されている。すなわち、CPU14aがこのプログラムを実行することにより、制御部14は、塗布位置ズレ量算出手段として機能する。
ここで、電子部品実装用の接着剤又はハンダの塗布位置とは、基板保持部3を基準としたときに各電子部品Pを取り付けるための接着剤やハンダの塗布位置をいう。
ROM14cには、CPU14aに実行されることで、一次元イメージセンサ10により取得した電子部品実装前の基板B及び基板保持部3の画像から、基板Bの上にゴミや異物がないかどうかを判定する機能を実現するプログラムが記憶されている。すなわち、CPU14aがこのプログラムを実行することにより、制御部14は、電子部品実装可否判定手段として機能する。
【0030】
ROM14cには、CPU14aに実行されることで、算出された接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量が許容値の範囲内であるか否かを判定する機能を実現するプログラムが記憶されている。すなわち、CPU14aがこのプログラムを実行することにより、制御部14は、判定手段として機能する。
ROM14cには、CPU14aに実行されることで、算出された接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量が許容値の範囲外であると判定された場合に、電子部品実装装置100の操作パネル12にエラーを表示して電子部品実装装置100を一時停止する機能を実現するプログラムが記憶されている。すなわち、CPU14aがこのプログラムを実行することにより、制御部14は、制御手段として機能する。
【0031】
ROM14cには、CPU14aに実行されることで、接着剤又はハンダの塗布位置に合わせて実装位置を変更する電子部品かどうかを判定し、接着剤又はハンダの塗布位置に合わせて実装位置を変更する電子部品は上記電子部品の実装位置を接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量に合わせて実装位置を変更し基準実装位置をEEPROM14dに記憶する機能を実現するプログラムが記憶されている。
ROM14cには、CPU14aに実行されることで、算出された接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量が許容値の範囲内であると判定された場合に、算出された基板保持部3の基準位置に対する各電子部品の基準実装位置をEEPROM14dに記憶する機能を実現するプログラムが記憶されている。すなわち、CPU14aがこのプログラムを実行することにより、制御部14は、実装位置記憶制御手段として機能する。
【0032】
2.電子部品実装後の検査
ROM14cには、CPU14aに実行されることで、基板Bに電子部品Pを実装した後に、基板保持部3を一次元イメージセンサ10よりも基板Bの搬送方向上流側に移動させるようにモータ41の駆動を制御する機能を実現するプログラムが記憶されている。すなわち、CPU14aがこのプログラムを実行することにより、制御部14は、保持部制御手段として機能する。
ROM14cには、CPU14aに実行されることで、基板保持部3と一次元イメージセンサ10を相対移動させて、基板保持部3及び基板保持部3に保持された基板Bの画像を取得するように一次元イメージセンサ10を制御する機能を実現するプログラムが記憶されている。すなわち、CPU14aがこのプログラムを実行することにより、制御部14は、画像取得制御手段として機能する。
【0033】
ROM14cには、CPU14aに実行されることで、一次元イメージセンサ10により取得した電子部品実装後の基板B及び基板保持部3の画像からEEPROM14dに記憶された目標とする基準実装位置に対する電子部品Pの実装位置のズレ量を算出する機能を実現するプログラムが記憶されている。すなわち、CPU14aがこのプログラムを実行することにより、制御部14は、実装位置ズレ量算出手段として機能する。
ここで、実装位置のズレ量とは、EEPROM14dに記憶された目標となる実装位置と角度に対してどれだけずれた状態で電子部品が実装されているかの量をいう。具体的には、座標のズレ、又は距離や角度で表される。
ROM14cには、CPU14aに実行されることで、算出された各電子部品の実装位置のズレ量が許容値の範囲内であるか否かを判定する機能を実現するプログラムが記憶されている。すなわち、CPU14aがこのプログラムを実行することにより、制御部14は、判定手段として機能する。
【0034】
ROM14cには、CPU14aに実行されることで、電子部品Pの実装領域毎又は吸着ノズル7毎の実装位置のズレ量を算出する機能を実現するプログラムが記憶されている。すなわち、CPU14aがこのプログラムを実行することにより、制御部14は、第2の実装位置ズレ量算出手段として機能する。
ROM14cには、CPU14aに実行されることで、算出された電子部品Pの実装領域毎又は吸着ノズル7毎の実装位置のズレ量が許容値の範囲内であるか否かを判定する機能を実現するプログラムが記憶されている。すなわち、CPU14aがこのプログラムを実行することにより、制御部14は、第2の判定手段として機能する。
【0035】
ROM14cには、CPU14aに実行されることで、算出された電子部品Pの搭載領域毎又は吸着ノズル7毎の実装位置のズレ量が許容値の範囲内でないと判定された場合に、電子部品Pの実装領域毎又は吸着ノズル7毎の実装位置のズレ量を差し引いてEEPROM14dに記憶されている基準実装位置を更新する機能を実現するプログラムが記憶されている。すなわち、CPU14aがこのプログラムを実行することにより、制御部14は、実装位置更新手段として機能する。
ROM14cには、CPU14aに実行されることで、算出された電子部品Pの実装位置のズレ量が許容値の範囲外であると判定された場合に、電子部品実装装置100の操作パネル12にエラーを表示して電子部品実装装置100を一時停止する機能を実現するプログラムが記憶されている。すなわち、CPU14aがこのプログラムを実行することにより、制御部14は、制御手段として機能する。
【0036】
3.基板が長い場合の検査
ヘッド部7の移動範囲よりも基板Bの搬送方向の長さが長い基板Bに電子部品Pを実装する場合には、実装に必要な各構成要素(各モータ、センサ、制御部14等)により、基板保持部3を複数回、基板の搬送方向に移動して複数回に分けて実装する。すなわち、実装に必要な各構成要素(各モータ、センサ、制御部14等)が実装手段として機能する。
ROM14cには、CPU14aに実行されることで、一次元イメージセンサ10より取得した電子部品実装前の基板Bの画像から基板保持部3の基準位置に対する基板の基準位置及び各電子部品Pの基準実装位置を算出する機能を実現するプログラムが記憶されている。すなわち、CPU14aがこのプログラムを実行することにより、制御部14は、第2の基準位置算出手段として機能する。
ROM14cには、CPU14aに実行されることで、取得した基板Bの画像から基板保持部3の基準位置に対する電子部品実装用の接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量を算出する機能を実現するプログラムが記憶されている。すなわち、CPU14aがこのプログラムを実行することにより、制御部14は、第2の塗布位置ズレ量算出手段として機能する。
【0037】
ROM14cには、CPU14aに実行されることで、算出された接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量が許容値の範囲内であるか否かを判定する機能を実現するプログラムが記憶されている。すなわち、CPU14aがこのプログラムを実行することにより、制御部14は、第3の判定手段として機能する。
ROM14cには、CPU14aに実行されることで、第2の塗布位置ズレ量算出手段により算出された接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量が第3の判定手段により許容値の範囲内であると判定された場合に、第2の基準位置算出手段により算出された基板保持部3の基準位置に対する各電子部品Pの基準実装位置をEEPROM14dに記憶する機能を実現するプログラムが記憶されている。すなわち、CPU14aがこのプログラムを実行することにより、制御部14は、第2の実装位置記憶制御手段として機能する。
【0038】
ROM14cには、CPU14aに実行されることで、基板Bの第1の領域に電子部品Pを実装する前に基板認識カメラ8により撮像した基板Bの基板保持部3の基準位置に対する基板Bの基準位置及び各電子部品の基準実装位置を算出する機能を実現するプログラムが記憶されている。すなわち、CPU14aがこのプログラムを実行することにより、制御部14は、第3の基準位置算出手段として機能する。
ROM14cには、CPU14aに実行されることで、基板Bの第1の領域に電子部品Pを実装後、基板Bの第二の領域に電子部品を実装する前に基板認識カメラ8により撮像した基板Bの基板保持部3の基準位置に対する基板Bの基準位置及び各電子部品の基準実装位置を算出する機能を実現するプログラムが記憶されている。すなわち、CPU14aがこのプログラムを実行することにより、制御部14は、第4の基準位置算出手段として機能する。
このように、基板保持部3を移動する度に、複数個の基板保持部3の基準位置をヘッド部7に設けられた基板認識カメラ8で認識し、基板保持部3の基準位置に対する基板Bの基準位置及び各電子部品の基準実装位置を算出し直している。すなわち、第3の基準位置算出手段や第4の基準位置算出手段は、再算出手段である。
【0039】
ROM14cには、CPU14aに実行されることで、取得した基板Bの基板保持部3の基準位置に対する電子部品実装用の接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量を算出する機能を実現するプログラムが記憶されている。すなわち、CPU14aがこのプログラムを実行することにより、制御部14は、第3の塗布位置ズレ量算出手段として機能する。
ROM14cには、CPU14aに実行されることで、第3の塗布位置ズレ量算出手段により算出された接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量が許容値の範囲内であるか否かを判定する機能を実現するプログラムが記憶されている。すなわち、CPU14aがこのプログラムを実行することにより、制御部14は、第4の判定手段として機能する。
ROM14cには、CPU14aに実行されることで、第3の塗布位置ズレ量算出手段により算出された接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量が第4の判定手段により許容値の範囲内であると判定された場合に、第3の基準位置算出手段により算出された基板保持部3の基準位置に対する各電子部品Pの基準実装位置をEEPROM14dに記憶する機能を実現するプログラムが記憶されている。すなわち、CPU14aがこのプログラムを実行することにより、制御部14は、第3の実装位置記憶制御手段として機能する。
【0040】
<電子部品の実装位置決定方法>
次に、電子部品の実装位置決定方法について説明する。
1.電子部品実装前の検査
図2、図4、図5に示すように、電子部品Pを基板に実装する前に検査を行う場合には、制御部14は、モータ41を駆動させて、基板保持部3(クランプユニット)を一次元イメージセンサ10よりも基板Bの搬送方向上流側(搬入口側)に移動させる(ステップS1、S2)。具体的には、制御部14は、モータ41を駆動させて、基板保持部3を電子部品実装装置100の搬入口側に移動させる(ステップS1)。さらに、制御部14は、エアシリンダ53を駆動させて、一次元イメージセンサ10をスキャン位置(図2(a)、図4(a)の位置)に移動させる(ステップS2)。
次いで、制御部14は、モータ41を駆動させて、基板Bを保持した基板保持部3を移動させ、一次元イメージセンサ10の下方を通過させる。このとき、一次元イメージセンサ10により、基板保持部3の四隅の基準位置となるマークM1と基板全域を読み取らせる(ステップS3、(図2(b)、図4(b)の状態))。
次いで、制御部14は、一次元イメージセンサ10で読み取った基板全域から基板にあるバーコードを認識し、認識されたバーコードからその基板に合った基板データ、搭載データ、部品データ、吸着データ、画像データ等の生産プログラムをEEPROM14dに記憶されたデータから読み出す(ステップS4)。
【0041】
次いで、制御部14は、一次元イメージセンサ10で読み取った基板保持部3の基準位置となるマークM1のうち、一方の二つのマークM1(左側又は右側)に対する基板Bの基準位置マークM2、各電子部品の基準実装位置のマークM3の位置を算出する(ステップS5)。
次いで、制御部14は、一次元イメージセンサ10により取得した電子部品実装前の基板B及び基板保持部3の画像から、基板保持部3の基準位置となるマークM1のうち、一方の二つのマークM1(左側又は右側)に対する電子部品実装用の接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量を算出する(ステップS6)。
次いで、制御部14は、ステップS6において算出された基板保持部3の基準位置となるマークM1のうち、一方の二つのマークM1(左側又は右側)に対する電子部品実装用の接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量が、EEPROM14dに予め記憶されている許容値の範囲内であるか否かと欠陥がないかどうかを判断する(ステップS7)。
【0042】
ステップS7において、制御部14は、許容値以上の位置ズレや欠陥があると判断した場合(ステップS7:NO)、制御部14は、操作パネル12にエラー表示をし、検査処理を一時的に停止させる(ステップS8)。この場合は、ユーザにより手作業で修正される。終了後、検査を再開させると、制御部14は、ステップS9の処理に移る。
ステップS7において、制御部14は、許容値以上の位置ズレや欠陥がないと判断した場合(ステップS7:YES)、制御部14は、取得した画像から、異物が基板B上にあるか否かを判断する(ステップS9)。
【0043】
ステップS9において、制御部14は、基板B上に異物があると判断した場合(ステップS9:NO)、制御部14は、操作パネル12にエラー表示をし、検査処理を一時的に停止させる(ステップS10)。この場合は、ユーザにより手作業で修正される。終了後、検査を再開させると、制御部14は、ステップS11の処理に移る。
ステップS9において、制御部14は、基板B上に異物がないと判断した場合(ステップS9:YES)、制御部14は、取得した画像から、各電子部品の実装位置にバットマークM4があるか否かを判断する(ステップS11)。ここで、バットマークM4は、電子部品Pをその領域に実装しないことを示すマークである。
【0044】
ステップS11において、制御部14は、バットマークM4があると判断した場合(ステップS11:NO)、制御部14は、バットマークM4のある回路における電子部品の実装位置の算出をスキップする(ステップS12)。
ステップS12の後、又はステップS11において、制御部14は、バットマークM4がないと判断した場合(ステップS11:YES)、制御部14は、はんだの塗布位置に合わせて搭載する部品はないか否かを判断する(ステップS13)。
ステップS13において、制御部14は、はんだの塗布位置に合わせて搭載する部品があると判断した場合(ステップS13:NO)、制御部14は、部品の搭載位置をはんだの塗布位置ズレ量に合わせて補正する(ステップS14)。
ステップS14の後、又はステップS13において、制御部14は、はんだの塗布位置に合わせて搭載する部品がないと判断した場合、(ステップS13:YES)、制御部14は、ステップS5において算出した一方の二つのマークM1(左側又は右側)に対する各電子部品Pの基準実装位置をEEPROM14dに記憶する(ステップS15)。
以上をもって、本処理を終了する。
その後、制御部14は、エアシリンダ53を駆動させて、一次元イメージセンサ10を退避位置に移動させ、一次元イメージセンサ10の移動と共に制御部14は、モータ41を駆動させて、基板Bに電子部品を実装できる位置まで基板保持部3を移動させる(図2(c)、図4(c)の状態)。
その後、ヘッド部7の基板認識カメラ8でステップS5において算出した一方の二つのマークM1(左側又は右側)を認識し、部品の全搭載位置をヘッド部7の移動座標に変換する(ステップ16)。
基板Bに電子部品Pを実装した後は、上記の検査開始前と同様に、一次元イメージセンサ10をスキャン位置に移動させ、基板保持部3を電子部品実装装置100の搬入口側に移動させる。
【0045】
2.電子部品実装後の検査
図2、図4、図6に示すように、電子部品Pを基板に実装した後に検査を行う場合には、制御部14は、モータ41を駆動させて、基板保持部3(クランプユニット)を一次元イメージセンサ10よりも基板Bの搬送方向上流側に移動させる(ステップS21、S22)。具体的には、制御部14は、モータ41を駆動させて、基板保持部3を電子部品実装装置100の搬入口側に移動させる(ステップS21)。さらに、制御部14は、エアシリンダ53を駆動させて、一次元イメージセンサ10をスキャン位置(図2(a)の位置)に移動させる(ステップS22)。
次いで、制御部14は、モータ41を駆動させて、基板Bを保持した基板保持部3を移動させ、一次元イメージセンサ10の下方を通過させる。このとき、一次元イメージセンサ10により、電子部品Pが実装された基板Bの全域を読み取らせ、画像を取得する(ステップS23、(図2(b)の状態))。
【0046】
次いで、制御部14は、電子部品実装後の基板Bの画像から基板Bの基準位置となるマークM2や各電子部品の基準位置となるマークM3に対する各電子部品の位置ズレ量や角度ズレ量を算出する(ステップS24)。
また、制御部14は、画像から電子部品の実装不良(電子部品の極性反転、電子部品の立ち、電子部品の裏返り等)を検出する(ステップS25)。
次いで、制御部14は、ステップS24,S25の処理結果から、許容値以上の電子部品の実装位置のズレや実装不良があったかどうかを判断する(ステップS26)。
【0047】
ステップS26において、制御部14は、許容値以上の電子部品の実装位置のズレや実装不良があったと判断した場合(ステップS26:YES)、制御部14は、操作パネル12にエラー表示をし、検査処理を一時的に停止させる(ステップS27)。この場合は、ユーザにより手作業で修正される。終了後、検査を再開させると、制御部14は、ステップS28の処理に移る。
ステップS26において、制御部14は、許容値以上の電子部品の実装位置のズレや実装不良がなかったと判断した場合(ステップS26:NO)、制御部14は、電子部品の実装領域毎又は吸着ノズル毎の実装位置のズレ量を算出する(ステップS28)。
ここで、電子部品の実装領域毎又は吸着ノズル毎の実装位置のズレとは、ヘッド部7の取り付け誤差や熱影響によりヘッド部7全体が何れかの方向にずれてしまう場合があり、このような全体的なズレを意味する。
次いで、制御部14は、算出された電子部品の実装領域毎又は吸着ノズル毎の実装位置のズレ量が許容値以上であるか否かを判断する(ステップS29)。
【0048】
ステップS29において、制御部14は、算出された電子部品の実装領域毎又は吸着ノズル毎の実装位置のズレ量が許容値以上であると判断した場合(ステップS29:YES)、制御部14は、電子部品Pの実装領域毎又は吸着ノズル毎の実装位置のズレ量を差し引いてEEPROM14dに記憶されている基準実装位置を更新する(ステップS30)。
ステップS30の処理の終了後、又は、ステップS29において、制御部14が、算出された電子部品の実装領域毎又は吸着ノズル毎の実装位置のズレ量が許容値を超えていないと判断した場合(ステップS29:NO)には、本処理を終了させる。
【0049】
3.基板が長い場合の検査
図7、図8に示すように、長い基板Bの検査を行う場合には、順次搬送される前後の基板Bと同じ搬送制御を行う必要がある。
図7に示すように、制御部14は、モータ49を駆動させて、基板保持部3(クランプユニット)を一次元イメージセンサ10よりも基板Bの搬送方向上流側に移動させる。具体的には、制御部14は、モータ49を駆動させて、基板保持部3を電子部品実装装置100の搬入口側に移動させる。さらに、制御部14は、エアシリンダ53を駆動させて、一次元イメージセンサ10をスキャン位置に移動させる。
次いで、制御部14は、モータ49を駆動させて、基板Bを保持した基板保持部3を移動させ、一次元イメージセンサ10の下方を通過させる。このとき、一次元イメージセンサ10により、電子部品Pが実装された基板Bの全域を読み取らせ、画像を取得する。
【0050】
次いで、図8に示すように、制御部14は、一次元イメージセンサ10を退避位置に移動させ、その後、基板Bの左半分が電子部品の実装位置にくるように基板保持部3を移動させる。
次いで、制御部14は、基板Bの左半分を撮像した第1の領域画像から基板保持部3の左側の基準位置を示すマークに対する基板Bの基準位置及び各電子部品Pの基準実装位置を算出する。
次いで、制御部14は、取得した基板Bの第1の領域画像から基板保持部3の基準位置に対する電子部品実装用の接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量を算出する。
次いで、制御部14は、第1の領域画像において算出された接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量が許容値の範囲内であるか否かを判定する。
次いで、制御部14は、算出された接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量が許容値の範囲内であると判定された場合に、算出された基板保持部3の基準位置に対する基板Bの基準位置、各電子部品の基準位置を算出し、EEPROM14dに記憶する。
基板認識カメラ8で基板保持部3の左側の基準位置を示すマークを撮像し、撮像したマークの座標から実装位置に対するヘッド部7の移動データを計算する。
次いで、制御部14は、EEPROM14dに記憶された各電子部品の位置データに基づき、ヘッド部7を駆動させて、第1の領域画像に対応する基板Bの左半分に電子部品を実装する。
【0051】
次いで、制御部14は、基板Bの右半分が電子部品の実装位置にくるように基板保持部3を移動させる。
次いで、制御部14は、基板Bの右半分を撮像した第2の領域画像から基板保持部3の右側の基準位置を示すマークに対する基板Bの基準位置及び各電子部品Pの基準実装位置を算出する。
次いで、制御部14は、取得した基板Bの第2の領域画像から基板保持部3の基準位置に対する電子部品実装用の接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量を算出する。
次いで、制御部14は、第2の領域画像において算出された接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量が許容値の範囲内であるか否かを判定する。
次いで、制御部14は、算出された接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量が許容値の範囲内であると判定された場合に、算出された基板保持部3の基準位置に対する基板Bの基準位置、各電子部品の基準位置を算出し、EEPROM14dに記憶する。
基板認識カメラ8で基板保持部3の右側の基準位置を示すマークを撮像し、撮像したマークの座標から実装位置に対するヘッド部7の移動データを計算する。
次いで、制御部14は、EEPROM14dに記憶された各電子部品の位置データに基づき、ヘッド部7を駆動させて、第2の領域画像に対応する基板Bの右半分に電子部品を実装する。
【0052】
<作用効果>
以上のように、電子部品実装装置100によれば、一次元イメージセンサ10で基板Bの一方向を同時に認識することができるので、従来のようにヘッド部7の基板認識カメラ8で撮像する場合に比べて検査のサイクルタイムを短縮することができる。また、一次元イメージセンサ10は、ヘッド部7から独立して設けられているので、ヘッド部7の重量が増加することもなく、検査のサイクルタイムを短縮することができる。また、一次元イメージセンサ10は、ヘッド部7から独立して設けられているので、一次元イメージセンサ10の移動範囲がヘッド部7の移動範囲の制約を受けることもない。また、基板Bは基板保持部3で保持した状態で検査されるので、基板Bの反りや基板Bの位置ずれを防止し、基板Bの搬送が安定するので、検査の精度を向上することができる。
ここで、電子部品の実装前においては、基板上に異物が載っていないかどうかを確認することにより不良基板が低減され、接着剤とハンダの塗布位置が大きくずれている場合に実装前に修正することにより不良基板が低減される。また、基板内の回路が多く、バットマークを確認する必要がある場合に、全てのバットマークを基板認識カメラ8で認識するよりも時間短縮が図れる。
また、電子部品の実装後においては、以降の基板の生産からは、実装位置のズレが補正された状態で電子部品を実装することにより、温度変化に伴う熱変形による実装誤差や長時間使用して駆動部が経時変化することによる実装誤差への影響を低減させ、安定した実装精度が得られる。
また、基板Bが搬送方向に長く、隣接する電子部品実装装置100に跨るような場合であっても、基板保持部3を搬送方向に複数回移動して、移動するたびにヘッド部7の基板認識カメラ8で基板保持部3のマークM1を認識し、計算して求められているマークに対する電子部品の実装座標を展開することにより、部品の実装位置を算出できる。また、このような方法を用いることで、ヘッド部7の移動範囲よりも搬送方向に長い基板に対しても実装基板の生産が可能となる。
【0053】
<その他>
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態においては、基板保持部を移動させて一次元イメージセンサの下方を通過させていたが、基板保持部を同じ位置で維持したまま、一次元イメージセンサで基板保持部全域をスキャンできるように移動させても良い。
また、基板の認識に一次元イメージセンサ以外に二次元イメージセンサを使用しても良い。
また、基板が長い場合において、上記実施形態では基板Bの撮像領域を二つに分けて電子部品を実装したが、二つ以上に撮像領域を分けても良い。
【符号の説明】
【0054】
2 基板搬送機構
3 基板保持部
4 保持部移動機構
7 ヘッド部
7a 吸着ノズル
8 基板認識カメラ(撮像部)
10 一次元イメージセンサ(イメージセンサ)
13 部品供給部
14 制御部(保持部制御手段、画像取得制御手段、基準位置算出手段、実装位置記憶制御手段、第2の基準位置算出手段、実装手段、再算出手段、塗布位置ズレ量算出手段、判定手段、制御手段、実装位置ズレ量算出手段、第2の実装位置ズレ量算出手段、第2の判定手段、実装位置更新手段)
14d EEPROM(記憶部)
53 エアシリンダ(センサ移動機構)
100 電子部品実装装置
B 基板
P 電子部品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が実装される基板を保持する基板保持部と、
前記基板を前記基板保持部による保持可能な位置まで搬送する基板搬送機構と、
前記基板保持部を前記基板搬送機構による基板の搬送方向に沿って移動させる保持部移動機構と、
電子部品を供給する部品供給部と、
電子部品を吸着する吸着ノズルを有し、前記基板搬送機構による基板の搬送方向及び当該搬送方向に直交し基板の面方向に沿った方向に移動するヘッド部と、
電子部品の実装位置を記憶する記憶部と、を備える電子部品実装装置において、
前記ヘッド部から独立して設けられ、前記基板保持部の移動方向に沿って移動し、前記基板保持部及び前記基板の画像を取得するイメージセンサと、
前記イメージセンサを前記基板保持部の移動方向に沿ってスキャン位置と退避位置とに往復移動させるセンサ移動機構と、
前記基板に電子部品を実装する前に、前記基板保持部を前記イメージセンサよりも基板の搬送方向上流側に移動させるように前記保持部移動機構の駆動を制御する保持部制御手段と、
前記イメージセンサと前記基板保持部を相対移動させて、前記基板保持部及び前記基板保持部に保持された基板の画像を取得するように前記イメージセンサを制御する画像取得制御手段と、
前記イメージセンサにより取得した電子部品実装前の基板及び基板保持部の画像から前記基板保持部の基準位置に対する各電子部品の基準実装位置を算出する基準位置算出手段と、
前記基準位置算出手段により算出された前記基板保持部の基準位置に対する各電子部品の基準実装位置を前記記憶部に記憶する実装位置記憶制御手段と、
を備えることを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項2】
前記ヘッド部に設けられ、前記基板保持部及び基板を撮像する撮像部と、
前記イメージセンサより取得した電子部品実装前の基板保持部の基準位置に対する各電子部品の基準実装位置を算出する第2の基準位置算出手段と、
前記ヘッド部の移動範囲よりも基板の搬送方向の長さが長い基板に電子部品を実装する場合に、前記基板保持部を複数回、基板の搬送方向に移動して複数回に分けて実装する実装手段と、
前記基板保持部を移動する度に、複数個の基板保持部の基準位置を前記ヘッド部に設けられた前記撮像部で認識し、前記基板保持部の基準位置に対する基板の基準位置及び各電子部品の基準実装位置を算出し直す再算出手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の電子部品実装装置。
【請求項3】
前記イメージセンサにより取得した電子部品実装前の基板及び基板保持部の画像から前記基板保持部の基準位置に対する電子部品実装用の接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量を算出する塗布位置ズレ量算出手段と、
前記塗布位置ズレ量算出手段により算出された接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量が許容値の範囲内であるか否かを判定する判定手段と、
前記塗布位置ズレ量算出手段により算出された接着剤又はハンダの塗布位置のズレ量が前記判定手段により許容値の範囲外であると判定された場合に、電子部品実装装置の操作パネルにエラーを表示して電子部品実装装置を一時停止する制御手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の電子部品実装装置。
【請求項4】
電子部品が実装される基板を保持する基板保持部と、
前記基板を前記基板保持部による保持可能な位置まで搬送する基板搬送機構と、
前記基板保持部を前記基板搬送機構による基板の搬送方向に沿って移動させる保持部移動機構と、
電子部品を供給する部品供給部と、
電子部品を吸着する吸着ノズルを有し、前記基板搬送機構による基板の搬送方向及び当該搬送方向に直交し基板の面方向に沿った方向に移動するヘッド部と、
電子部品の実装位置を記憶する記憶部と、を備える電子部品実装装置において、
前記ヘッド部から独立して設けられ、前記基板保持部の移動方向に沿って移動し、前記基板保持部及び前記基板の画像を取得するイメージセンサと、
前記イメージセンサを前記基板保持部の移動方向に沿ってスキャン位置と退避位置とに往復移動させるセンサ移動機構と、
前記基板に電子部品を実装した後、前記基板保持部を前記イメージセンサよりも基板の搬送方向上流側に移動させるように前記保持部移動機構の駆動を制御する保持部制御手段と、
前記イメージセンサと前記基板保持部を相対移動させて、前記基板保持部及び前記基板保持部に保持された基板の画像を取得するように前記イメージセンサを制御する画像取得制御手段と、
前記イメージセンサにより取得した電子部品実装後の基板及び基板保持部の画像から前記記憶部に記憶された基準実装位置に対する電子部品の実装位置のズレ量を算出する実装位置ズレ量算出手段と、
前記実装位置ズレ量算出手段により算出された各電子部品の実装位置のズレ量が許容値の範囲内であるか否かを判定する判定手段と、
電子部品の実装領域毎又は前記吸着ノズル毎の実装位置のズレ量を算出する第2の実装位置ズレ量算出手段と、
前記第2の実装位置ズレ量算出手段により算出された電子部品の実装領域毎又は前記吸着ノズル毎の実装位置のズレ量が許容値の範囲内であるか否かを判定する第2の判定手段と、
前記第2の実装位置ズレ量算出手段により算出された電子部品の搭載領域毎又は前記吸着ノズル毎の実装位置のズレ量が前記第2の判定手段により許容値の範囲内でないと判定された場合に、電子部品の実装領域毎又は前記吸着ノズル毎の実装位置のズレ量を差し引いて前記記憶部に記憶されている基準実装位置を更新する実装位置更新手段と、
を備えることを特徴とする電子部品実装装置。
【請求項5】
前記実装位置ズレ量算出手段により算出された電子部品の実装位置のズレ量が前記判定手段により許容値の範囲外であると判定された場合に、電子部品実装装置の操作パネルにエラーを表示して電子部品実装装置を一時停止する制御手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の電子部品実装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−124461(P2011−124461A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282408(P2009−282408)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【出願人】(000003399)JUKI株式会社 (1,557)
【Fターム(参考)】