説明

電子部品搭載用基材の製造方法及び電子部品搭載用基材

【課題】金属箔からなる配線パターン上に形成しためっき層のウイスカ発生を防止する電子部品搭載用基材の製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂フィルム1上に並設された配線パターン芯体2aの各表面にめっき層22aを形成する被膜形成ステップと、めっき層22aを形成直後から常温で保持した場合と比べて、めっき層22aにおける内部応力の増加が少なくなる温度域でめっき層22aを保持し、めっき層22aを改質する改質ステップと、改質が行われためっき層22aの一部を覆うようにソルダーレジスト3を形成するソルダーレジスト形成ステップとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リードが並設された電子部品搭載用基材の製造方法及び電子部品搭載用基材に関し、特に、リード表面に形成されためっき被膜からのウイスカの発生を防止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電子チップ等の電子部品が搭載されてなるテープキャリアパッケージ(Tape Carrier Package)には、フレキシブルな薄膜状のテープキャリア等が利用されている。
このテープキャリアには、例えば、帯状の樹脂フィルム上にその長手方向に沿って矩形の透孔が樹脂フィルムの短手方向中央に連続的に配され、これら各透孔の4辺それぞれに、当該辺に直交してその両端の一方が上記透孔から突出する状態で並設されてなる複数の銅製のリード、即ち、配線パターンが形成されており、当該配線パターン上には、めっきが施され、さらに、上記透孔を囲繞するように配線パターンの一部領域を絶縁被覆する環状のソルダーレジストが形成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記配線パターンに施されるめっきとしては、通常、錫、はんだ、金が用いられており、その中でも、半導体素子や外部回路との接続や製造コストなどを考慮し、無電解めっき法による錫めっきが主流となっている。
(従来の電子部品搭載用基材の製造方法)
図4は、従来の電子部品搭載用基材の製造方法を示した図である。
【0004】
フレキシブルなテープ状の樹脂フィルム101上に接着剤(不図示)を介して平板上の銅箔(不図示)を貼着し、この銅箔を公知のフォトリソグラフィ技術を用いて半導体素子が搭載される領域や外部回路と接続される領域を有した配線パターン102aを形成する(図4(a))。
アルカリ溶液で脱脂、酸処理を行い、めっきする配線パターン102aの表面を洗浄した後、無電解錫めっき液中に浸漬して、配線パターン102aの表面全体に錫めっき層102bを形成する(図4(c))。
【0005】
錫めっき層102b表面の領域であって、半導体素子や外部回路との接続される領域を除く領域に、回路保護を目的とした絶縁層として、公知のスクリーン印刷技術を用い、熱硬化型ソルダーレジスト前駆体103を塗布した後、加熱処理を行い、ソルダーレジスト前駆体103を硬化させて、ソルダーレジスト104を形成する(図4(d))。
錫めっき層が形成されると、下地の銅が拡散により錫めっき層内に進入し、錫めっき層内において、銅と錫の合金を形成、つまり、改質するが、合金形成時の温度雰囲気により、形成される合金の結晶構造が異なり、上記温度雰囲気が、常温に近いほど体積変動が著しい。
【0006】
この体積変動は、錫めっき層内の内部応力の増加を生み、リード間短絡の問題を引き起こすウイスカ生成の原動力となっているため、錫めっき層形成後に常温に維持される時間が長いほど内部応力が増加し、ウイスカが生じ易い。
従来の電子部品搭載用基材の製造方法では、熱硬化型のソルダーレジスト前駆体103を加熱硬化させる際、錫めっき層102bも加熱され、錫めっき層102bの内部応力が増加し難い温度雰囲気で錫めっき層102bの改質が進み、また、この状態で改質が完了すると、組織が安定化して内部応力が増加し難いため、錫めっき層102bからのウイスカ発生も抑制される。
【0007】
例えば、エポキシ系のソルダーレジストの場合、130℃で30分〜60分の加熱処理を行うことで、ソルダーレジスト前駆体103が硬化し、さらに、錫めっき層102bのウイスカ発生が抑制される。
【特許文献1】特開平06-342969号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来の電子部品搭載用基材の製造方法では、以下のような問題が生じる。
即ち、配線パターン104の全面に錫めっき層102bを形成した後、ソルダーレジスト前駆体103を加熱硬化させるまでの間に、現実には、錫めっき層102bを洗浄乾燥する工程が存在し、さらに、ソルダーレジスト104をスクリーン印刷法で塗布する工程などが存在するため、錫めっき層102bを形成して、ソルダーレジスト前駆体103を加熱硬化させるまでには、一定時間が経過することとなる。
【0009】
さらに、近年、配線パンターン104の微細化(ファインピッチ化)が進み、ソルダーレジスト前駆体103を塗布するスクリーン印刷の位置精度を高める必要が生じ、印刷位置の調整に要する時間が長くなる傾向にある。
このように、錫めっき層102b形成後に常温のまま維持される時間が長くなると、電子部品搭載用基材110の作製工程が完了するまでに、ウイスカが発生してしまうという問題がある。
【0010】
また、錫めっき層102bの形成以降の工程は、連続的に処理する必要があるため、錫めっき層102bの形成工程よりも後の工程で問題が発生しても、錫めっき層102bの形成工程に含まれる部品までを不良品として扱わなければならず、歩留まりを悪化させている要因となっていた。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、配線パターン上に形成しためっき層におけるウイスカ発生を抑制可能な電子部品搭載用基材及び上記ウイスカの発生を抑制する電子部品搭載用基材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の電子部品搭載用基材の製造方法は、樹脂フィルム上に並設されたリードの各表面に金属被膜を形成する被膜形成ステップと、前記金属被膜を形成直後から常温で保持した場合と比べて、前記金属被膜における内部応力の増加が少なくなる温度域で前記金属被膜を保持し、前記金属被膜を改質する改質ステップと、前記改質が行われた前記金属被膜の一部を覆うようにソルダーレジストを形成するソルダーレジスト形成ステップとを有することを特徴とする。
【0012】
また、上記従来の課題を解決するために、本発明の電子部品搭載用基材は、樹脂製のフィルム上に複数のリードが並設され、前記各リードの表面に金属被膜が形成され、前記フィルム上の前記金属被膜の一部を覆う位置に熱硬化性の絶縁部材が形成されており、前記金属被膜は、少なくとも2度の加熱により母材組織が体積変動の少ない組織へと改質された痕跡を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
リードとその表面に形成される金属被膜は、互いの構成要素たる金属原子同士が熱拡散により結びつき、新たな組織を形成、即ち、改質がおこり、この改質が進行することにより組織が安定化する。
この改質時の温度雰囲気によって、新たに生成される組織の組成が異なり、常温で改質されたものは、結晶サイズの大きな変化を伴い、内部応力が増大する。一方、常温よりも高温の温度域で改質された場合、結晶サイズの大きな変化を伴わないため、内部応力の増大は小さくなる。
【0014】
リード間短絡の原因となるウイスカは、金属被膜から成長する針状の錫単結晶であり、金属被膜の内部応力を原動力として成長する。
上記電子部品搭載用基材の製造方法により、ソルダーレジスト形成ステップの実施以前に、改質ステップがあり、その改質ステップでは、前記金属被膜を形成直後から常温で保持した場合と比べて、前記金属被膜における内部応力の増加が少なくなる温度域に保持し、前記金属被膜が改質されるので、内部応力の増加が小さいまま組織が安定化する。
【0015】
このため、ソルダーレジスト形成ステップを開始するまでに、時間がかかっても、内部応力の増加が少ない状態で組織が安定化するためウイスカ発生が抑制される。
また、前記改質ステップは、前記被膜形成ステップの終了後3時間以内に実施されることが望ましい。
これにより、ウイスカ発生開始時間以内に金属被膜の改質を図ることができるため、ウイスカの発生がより生じにくく、例えば、配線ピッチが30μm以下の配線パターンを有した電子部品搭載用基材であっても、ウイスカに起因する短絡の問題が生じ難い。
【0016】
また、前記被膜形成ステップでは、錫を主たる成分として前記金属被膜を形成することが、半導体素子や外部岐路との接続を良好にする上で望ましい。
このように、はんだ性能が良好な錫を主成分とする被膜を形成すると、ウイスカが生じ易いが、上記発明によれば、ウイスカの発生を抑制することができる。
また、前記リードは、銅を主成分とする材料からなり、前記温度域は、100℃以上、130℃以下の範囲であることが望ましい。
【0017】
これにより、改質の温度域が100℃以上、130℃以下となり、この条件下では金属被膜がCuSnプア、CuSnリッチとなるため、内部応力の増加が少ないまま組織が安定化し、ウイスカの発生を抑制することができる。
また、上記電子部品搭載用基材において、絶縁部材の熱硬化以外の加熱においても母材組織が体積変動の少ない組織へと改質されているので、より金属被膜が内部応力の増加を伴わずに改質され易く、ウイスカ発生が抑制され易い。
【0018】
また、前記フィルムはポリイミド系樹脂からなり、前記リードは銅材料からなり、前記金属性被膜は錫からなることが、半導体素子や外部岐路との接続を良好にする上で望ましい。
このように、はんだ性能が良好な錫を主成分とする被膜を形成すると、ウイスカが生じ易いが、上記発明によれば、ウイスカの発生を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明に係る電子部品搭載用基材の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態)
(構成)
図1(a)は、本発明に係る電子部品搭載用基材の一例としてのテープキャリア100の平面図であり、また、図1(b)は、このテープキャリア100の断面図である。
【0020】
テープキャリア100は、帯状の樹脂フィルム1上にその長手方向に沿って、矩形のデバイスホール1aが短手方向中央に連続的に配され、これら各デバイスホール1aの各4辺の近傍に、当該辺に直交してその両端の一方が、デバイスホール1aから突出する状態で、接着層(不図示)を介して複数のリード部21が並設されており、各リード部21上には改質めっき層22が形成され、さらに、デバイスホール1aを囲繞するように、改質めっき層22が形成されたリード部21(以下、「配線パターン2」という。)の一部領域を絶縁被覆する環状のソルダーレジスト3が形成されている。
【0021】
なお、図1(b)には、参考までに、テープキャリア100に接合されるICチップやチップ抵抗などの電子部品5も示されている。
樹脂フィルム1は、耐熱性を有するポリイミド樹脂からなり、上述したデバイスホール1a以外に、短手方向両縁部において、テープキャリア100を長手方向に送出する際に、ギヤを噛み合せるためのスプロケットホール1bが複数配されている。
【0022】
リード部21は、銅を主成分とする幅が50μm、厚みが25μmの帯状の箔体であり、ピッチ80μmで規則正しく樹脂フィルム1上に接着層を介して配設されており、このとき、隣接し合うリード部21の隙間は、30μmとなっている。
上記接着層としては、エポキシ系、アクリル系またはフェノール・ブチラール系のものが用いられる。
【0023】
改質めっき層22は、CuSnの合金層である。
より具体的には、リード部21を錫めっきしたものを加熱して組成をCuSn合金に改質させたものであり、後述するように、この加熱は2度行われている。
上述の2度にわたる熱履歴は、改質めっき層22の構成要素として含まれているSn、CuSn及び常温において生成される後述のCuSnの結晶成長状況を確認することにより把握することが可能である。
【0024】
ソルダーレジスト3は、エポキシ樹脂などの熱硬化型の樹脂からなり、デバイスホール1aを取り囲む四角枠形状に配され、配線パターン2の各両端部を除く中央部分を被覆している。
配線パターン2において、ソルダーレジスト3で被覆されていない露出部では、電子部品5を実装する際、金バンプ等のボンディングを行うことで金錫共晶合金が形成されて良好なボンディングを実施される。
【0025】
なお、図1(b)に示すように、電子部品5をテープキャリア100に接合した後、デバイスホール1a及びその近傍を一体的にエポキシ系樹脂などで封止して、テープキャリアパッケージを形成することもできる。
(製造方法)
図2(a)〜図2(e)及び図3(a)〜図3(d)は、テープキャリア100の製造工程を示す図である。
1)金属箔被着工程
先ず、図2(a)に示すように、デバイスホール1a及びスプロケットホール1bがパンチング加工によって形成されたポリイミド樹脂からなる樹脂フィルム1に、例えば、エポキシ系やアクリル系、フェノール・ブチラール系からなる接着剤層11を介し、厚みが25μm程度の銅からなる金属箔21aを被着する。
【0026】
なお、樹脂フィルム1は、ポリイミド樹脂の代わりに、ポリエチレンテレフタレートなどのフレキシブルなテープ材料を用いても構わない。
図2(b)は、樹脂フィルム1に金属箔21aを被着したものの平面図であり、この平面図におけるB−B’断面を図2(c)に示す。
2)配線パターン形成工程
次に、図2(d)に示すように、金属箔21aの上面にフォトレジスト前駆体40aを塗布し、乾燥させ、その後、フォトレジスト前駆体40aに所定パターンのマスキングを行い、露光および現像を実施して、図2(e)に示すような所定パターン形状のフォトレジスト40とした後、金属箔21aの裏面に裏止め樹脂41を塗布する。
【0027】
このとき、フォトレジスト40から金属箔21aが、ストライプ状で、かつ、矩形のデバイスホール1aの各辺とそれぞれ直交するように露出しており、この状態で金属箔21aの露出部をエッチングした後、フォトレジスト40を除去することにより、図3(a)に示すような配線パターン芯体2aを得る。
3)めっき層・洗浄・乾燥工程
つぎに、図3(b)に示すように、配線パターン芯体2aの表面に無電解めっき法などにより、錫のめっき層22aを形成し、その後速やかに洗浄及び乾燥を行い、配線パターン2を形成する。
【0028】
より具体的には、めっき層22aは、純粋な錫めっき層であって、その膜厚が0.15μm以上、0.80μm以下となっている。
このような膜厚に調整する理由は、配線パターン芯体2aに施されるめっきが純粋な錫めっき層であるとした場合、0.15μm以下の膜厚では、後の電子部品実装工程におけるインナーリードのボンディングが困難となることが確認されており、また、0.8μm以上の膜厚では、上記ボンディング時にめっきダレを生じ、ファインピッチ化が進むインナーリード間の短絡の原因となるからである。
4)めっき層改質工程
次に、図3(c)に示すように、めっき層22aの形成完了後3時間以内に、100℃以上、130℃以下の温度雰囲気で、30分〜90分の加熱処理を行い、金属箔21aに含まれるSn原子及びめっき層22に含まれるCu原子の拡散作用により、純粋な錫のめっき層22aを、CuSnリッチの合金層へと改質させる。
【0029】
なお、上記拡散に伴い、配線パターン芯体2aにおけるめっき層22aとの境界部も改質される。
(100℃以上、130℃以下の温度雰囲気で改質する理由)
改質時の温度雰囲気によって、新たに生成される組織の組成が異なり、常温で改質されたものは、主にCuSnが生成され、結晶サイズの大きな変化を伴い、内部応力の増加が大きく、また、100℃以上、130℃以下の温度雰囲気で改質されたものは、生成時に結晶サイズの大きな変化を伴わないCuSnが主に生成され、内部応力の増加が小さい。
【0030】
インナーリード間の短絡の原因となる針状の錫単結晶、即ち、ウイスカは、内部応力を成長の原動力としており、改質めっき層22に生じる内部応力が高いほど生じ易くなるため、上述のように、純粋な錫のめっき層22aを内部応力の増加が少ないCuSn組成がリッチとなる温度雰囲気でめっき層22aを改質することで、ウイスカの発生を抑制することができる。
(めっき層22aの形成完了後3時間以内改質を行う理由)
発明者は、鋭意検討の末、銅製の金属箔21a上に無電解めっき法により錫のめっき層22aを形成した場合、これ以降の洗浄乾燥工程を経た後の経過時間が、90分程度の短時間であれば問題にはならないが、3時間程度経過した時点でウイスカの発生が始まり、配線ピッチ間が30μmであれば72時間で短絡に至ることを確認した。
【0031】
この結果にもとづき、めっき層22aの形成完了後3時間以内改質を行えるように、位置決め調整を必要とするソルダーレジスト形成工程以前に、加熱工程を設け、上記改質を実施することとした。
5)ソルダーレジスト形成工程
次に、改質めっき層22が表面に形成された配線パターン2において、半導体素子または外部回路と接続される領域を除く領域に、図3(d)に示すように、回路保護を目的とした絶縁層として、公知のスクリーン印刷技術を用い、熱硬化型のソルダーレジスト前駆体3aを塗布し、100℃以上、150℃以下で30分〜90分の加熱処理を行い、ソルダーレジスト前駆体3aを硬化させて、ソルダーレジスト3を形成する。
【0032】
ソルダーレジスト形成工程において加熱される熱によっても、金属箔21aとめっき層22aとの拡散が促進され、めっき層22aに残存しているSn原子とCu原子が反応して合金が形成されるが、既にCuSnが形成されているため、残存する錫原子のみがこの工程でCuSnの合金となる。
なお、金属箔21aをベースとして配線パターンを作る製法については、エッチング法だけでなくスクリーン印刷法などの他の方法を用いても構わない。
【0033】
また、めっき層22aの形成方法に関しても、無電解めっき法を用いる代わりに、耐食性の向上に有利な溶融めっき法、または、薄膜化に有利な蒸着めっき法等の他の方法を用いても構わない。
また、本実施形態では、樹脂フィルム1材料と金属箔21aとの間に接着剤層を介して接合する方法を用いているが、熱溶着などの接着剤層を介さない構成としても構わない。
【0034】
また、本実施の形態では、樹脂フィルム1は、テープキャリア用のフィルムとしたが、このようなフィルム材に代えて、プリント基板等、もしくは更に厚みを有する部材等を用いても構わない。
また、本実施の形態では、金属箔21aは銅からなるとしたが、これに限らず、銅系の素材(Cu−Fe−Pなど)、Fe系素材(Fe−Niなど)やその他の機械的強度、電気伝導度、熱伝導度等の優れた素材であっても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明に係る電子部品搭載用基材は、テープキャリア、テープキャリアパッケージ、プリント基板およびこれらの製造方法に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る本発明の電子部品搭載用基材の図である。
【図2】本発明に係る電子部品搭載用基材の製造方法を説明する図である。
【図3】本発明に係る電子部品搭載用基材の製造方法を説明する図である。
【図4】従来技術に係る電子部品搭載用基材の製造方法を説明する図である。
【符号の説明】
【0037】
1 樹脂フィルム
1a デバイスホール
1b スプロケットホール
2 配線パターン
2a 配線パターン芯体
3 ソルダーレジスト
3a ソルダーレジスト前駆体
5 電子部品
11 接着剤層
21 リード部
21a 金属箔
22 改質めっき層
22a めっき層
40 フォトレジスト
40a フォトレジスト前駆体
100 テープキャリア
101 樹脂フィルム
102a 配線パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂フィルム上に並設されたリードの各表面に金属被膜を形成する被膜形成ステップと、
前記金属被膜を形成直後から常温で保持した場合と比べて、前記金属被膜における内部応力の増加が少なくなる温度域で前記金属被膜を保持し、前記金属被膜を改質する改質ステップと、
前記改質が行われた前記金属被膜の一部を覆うようにソルダーレジストを形成するソルダーレジスト形成ステップと
を有することを特徴とする電子部品搭載用基材の製造方法。
【請求項2】
前記改質ステップは、前記被膜形成ステップの終了後3時間以内に実施されることを特徴とする請求項1に記載の電子部品搭載用基材の製造方法。
【請求項3】
前記被膜形成ステップでは、錫を主たる成分として前記金属被膜を形成することを特徴とする請求項2に記載の電子部品搭載用基材の製造方法。
【請求項4】
前記リードは、銅を主成分とする材料からなり、
前記温度域は、100℃以上、130℃以下の範囲であることを特徴とする請求項3に記載の電子部品搭載用基材の製造方法。
【請求項5】
前記被膜形成ステップでは、無電解めっき法により前記金属被膜を形成することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電子部品搭載用基材の製造方法。
【請求項6】
樹脂製のフィルム上に複数のリードが並設され、前記各リードの表面に金属被膜が形成され、前記フィルム上の前記金属被膜の一部を覆う位置に熱硬化性の絶縁部材が形成されており、
前記金属被膜は、少なくとも2度の加熱により母材組織が体積変動の少ない組織へと改質された痕跡を有することを特徴とする電子部品搭載用基材。
【請求項7】
前記フィルムはポリイミド系樹脂からなり、
前記リードは銅材料からなり、
前記金属性被膜は錫からなることを特徴とする請求項6に記載の電子部品搭載用基材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−218912(P2008−218912A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−57602(P2007−57602)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】