電子部品装着装置及び部品供給装置
【課題】供給テープを自動装着後、電子部品を吸着位置に送るスプロケットに、確実に供給テープを送り込むことができ、また小型あるいは稼働率を向上できる電子部品供給装置、またはそれを具備し稼働率を向上させる電子部品装着装置を提供する。
【解決手段】電子部品を収納し、テープシュート2s上を移動する供給テープの有するスプロケット孔と契合して回転し、供給テープを電子部品が外部から吸着される吸着位置まで移動させるスプロケット31と、供給テープをテープシュート2sに押える押付け手段40とを具備するスプロケット駆動部30を有し、スプロケット駆動部30の手前に設けられ、スプロケット孔と契合する挿入契合部を外周に複数有するローラを具備する挿入ローラ71及び挿入ローラ71を回転させる回転駆動手段を具備する挿入手段と、スプロケット駆動部の負荷を低減する負荷低減手段を具備する供給テープ挿入部70とを有する。
【解決手段】電子部品を収納し、テープシュート2s上を移動する供給テープの有するスプロケット孔と契合して回転し、供給テープを電子部品が外部から吸着される吸着位置まで移動させるスプロケット31と、供給テープをテープシュート2sに押える押付け手段40とを具備するスプロケット駆動部30を有し、スプロケット駆動部30の手前に設けられ、スプロケット孔と契合する挿入契合部を外周に複数有するローラを具備する挿入ローラ71及び挿入ローラ71を回転させる回転駆動手段を具備する挿入手段と、スプロケット駆動部の負荷を低減する負荷低減手段を具備する供給テープ挿入部70とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品供給装置及び部品装着装置に係わり、特に電子部品を確実に供給できる、あるいは稼働率の高い電子部品装着装置を実現できる部品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリント基板に電子部品を装着し回路基板を生産することにおいては、電子部品装着装置の稼働率向上が望まれている。そのためには、電子部品を確実に供給するとともに、電子部品の補充時間または段取り替えを短時間で完了させることが重要である。
従来技術としては、電子部品を収納する供給テープの一端を部品供給装置の挿入することによって供給テープを自動装着する方法が下記の特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2005−539370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術は、供給すべき電子部品が終了すると、新たに供給テープを装着する時間は、当該電子部品の装着を行なうことができず電子部品装着装置の稼動率が低下するという課題が生じる。前記課題を解決するために自動装着をするには、電子部品を吸着位置に送るスプロケットに、座屈せず確実に供給テープを送り込む必要がある。
【0005】
上記従来技術は、供給テープの駆動を相対する位置に配置された一対のローラ、あるいは片側に設けたスプロケットで行っており、滑り、遊び等により電子部品の供給が不安定であった。また、前者の一対のローラ方式は、2つのローラのスペースが必要であり、部品供給装置が大きくなるという課題がある。さらに、供給すべき電子部品が終了すると、新たに供給テープを自動装着する時間は、当該電子部品の装着を行なうことができず電子部品装着装置の稼動率が低下するという課題が生じる。
【0006】
従って、本発明の第1の目的は、供給テープを自動装着後、電子部品を吸着位置に送るスプロケットに、確実に供給テープを送り込むことができる部品供給装置を提供することである。
また、本発明の第2の目的は、小型な部品供給装置を提供することである。
さらに、本発明の第3の目的は、電子部品装着装置の稼働率を向上できる電子部品供給装置を提供し、それを用いることによって電子部品装着装置の稼働率を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1または第2の目的を達成するために、電子部品を収納し、テープシュート上を移動する供給テープの有するスプロケット孔と契合して回転し、前記供給テープを前記電子部品が外部から吸着される吸着位置まで移動させるスプロケットと、前記供給テープをテープシュートに押える押付け手段とを具備するスプロケット駆動部を有する部品供給装置において、前記スプロケット駆動部の手前に設けられ、前記スプロケット孔と契合する挿入契合部を外周に複数有するローラを具備する挿入ローラ及び前記挿入ローラを回転させる回転駆動手段を具備する挿入手段と、前記スプロケット駆動部の負荷を低減する負荷低減手段を具備する供給テープ挿入部とを有することを第1の特徴とする。
【0008】
また、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第1の特徴に加え、前記供給テープは前記電子部品を収納するキャリアテープと前記キャリアテープを覆うカバーテープとを具備し、前記押え手段は前記カバーテープを切断する切断手段と、前記切断されたカバーテープが前記吸着位置を回避する手段とを具備することを第2の特徴とする。
【0009】
さらに、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第1または2の特徴に加え、記供給テープ挿入部の手前に設けられ、前記供給テープを挿入する挿入口と、前記挿入口から前記供給テープを挿入されたことを検出する供給テープ挿入検出手段と、前記挿入口の近くに設けられ、前記供給テープ挿入検出手段の結果に基づき前記供給テープを所定の位置まで移動させる装着部駆動手段とを具備する供給テープ自動装着部を有することを第3の特徴とする。
【0010】
また、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第1乃至第3のいずれかの特徴に加え、前記挿入契合部は、スプロケット孔と契合する契合体、前記契合体が移動する移動空間を形成し、前記ローラに固定または前記ローラと一体成形された移動空間形成体、前記契合体を前記回転の外側径方向に押出すバネ、前記契合体の前記移動空間から飛出しを防ぐ飛出防止手段を有することを第4の特徴とする。
【0011】
さらに、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第4の特徴に加え、前記移動空間は円筒状であり、前記契合体は球体であることを第5の特徴とする。
また、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第4の特徴に加え、前記移動空間は円筒状であり、前記契合体は一端側の前記スプロケット孔と契合する契合部は半球状を有し他端側は円形板に固定された形状を有することを第6の特徴とする。
【0012】
さらに、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第5または第6の特徴に加え、前記円筒状の前記移動空間を円筒体で形成し、前記飛出防止手段は前記円筒体の外側先端部の直径が前記契合体の最大直径より小さいことで構成としたことを第7の特徴とする。
また、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第5または第6の特徴に加え、前記移動空間形成体は複数の前記円筒状の移動空間を有し、前記飛出防止手段は前記移動空間形成体の外側において前記移動空間に突出ており、突出た部分の前記移動空間の直径は、前記契合体の最大直径より小さいことで構成としたことを第8の特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第5または第6の特徴に加え、前記移動間の直径は、前記契合体最大直径とほぼ同じである、または前記契合体最大直径より大きいことを第9の特徴とする。
また、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第5の特徴に加え、前記負荷低減手段は、前記球体を回転可能にしたことであることを第10の特徴とする。
【0014】
さらに、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第4の特徴に加え、前記負荷低減手段は、前記契合体を前記供給テープの移動方向に移動可能とした、または前記バネを強制的に縮ませる手段であること、あるいは前記負荷低減手段は、前記挿入ローラを回転させる回転手段の駆動力を低減する駆動力低減手段であることを第11の特徴とする。
また、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第11の特徴に加え、前記駆動力低減手段は、前記回転手段にクラッチまたはトルクリミッタを設けたことを第12の特徴とする。
【0015】
さらに、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第4の特徴に加え、前記契合体を前記供給テープに押付ける押付力が可変の押付可変手段を前記挿入契合部に設け、前記スプロケット駆動部による電子部品吸着運転時の供給テープ送り時には、前記負荷低減手段は前記押付力を低減する手段を有することを第13の特徴とする。
また、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第13の特徴に加え、前記押付可変手段は形状記憶合金で形成されたバネであることを第14の特徴とする。
【0016】
さらに、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第1乃至第14のいずれかの特徴に加え、前記供給テープを前記スプロケット駆動部に挿入を完了し、前記完了した情報を電子部品装着装置に送信し、あるいは、前記電子部品装着装置から指令信号を受信するインターフェイスを有することを第15の特徴とする。
最後に、本発明の第3の目的を達成するために、第15の特徴を有する部品供給装置を具備する電子部品装着装置において、前記完了した情報に基づいて前記部品供給装置を、あるいは電子部品の装着を制御すること第16の特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、供給テープを自動装着後、電子部品を吸着位置に送るスプロケットに、確実に供給テープを送り込むことができる電子部品供給装置を提供することができる。
また、本発明によれば、小型な電子部品供給装置を提供することができる。
さらに、電子部品装着装置の稼働率を向上できる電子部品供給装置を提供し、それを用いることによって電子部品装着装置の稼働率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】電子部品装着装置の平面図である。
【図2】本実施形態における部品供給カートの斜視図である。
【図3】本実施形態における電子部品供給装置の構成を示す図である。
【図4】図3における供給テープ自動装着部20を示した図である。
【図5】図4における装着押付手段のA−A´断面図を示した図である。(a)は比較的サイズの大きな部品の供給テープ60に対する模式図を、(b)は小さい部品のうち縦横のサイズが06mm×03mmより大きい部品の供給テープ60に対する模式図である。
【図6】図3におけるスプロケット駆動部のカッター付押付手段40を示した図である。(a)図が斜視図、(b)図が断面図である。
【図7】本実施形態の供給テープ挿入部70を示した図である。図(a)は前記挿入ローラの71の第1の実施例71Aを示す拡大図であり、図(b)は挿入契合部74Aを示す図であり、さらに、図7(c)は、挿入ローラが供給テープ60と契合したときに発生する押出力を示した図である。
【図8】供給テープ60が挿入ローラ61にきたときの状態を示した図である。
【図9】挿入ローラ71の第2の実施例71Bを示した図である。
【図10】挿入ローラ71の第3の実施例71Cを示した図である
【図11】本発明の実施形態における動作フローを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づき、電子部品装着装置と部品供給カート50の実施形態を説明する。本発明では電子部品装着装置1とは、部品供給カート50を含まないものをいい、以下の説明では、電子部品装着装置1を単に本体1と表す。図1は、本体1の平面図である。本体1は、左側の上下に2ブロックLU,LD、右側の上下2ブロックRU,RDの計4ブロック(符号は基本的にLUブロックのみ記す。)に分かれている。それぞれのブロックには部品供給装置が多数設けられている部品供給エリア3、装着ヘッド16、装着ヘッドが固定され、リニアモータで構成する左右移動用レール8上を移動する装着ヘッド体11、及び基板への装着時に前記各装着ヘッド16の吸着ノズルの位置補正をするために、前記吸着ノズルの部品の吸着保持状態を撮像する部品認識カメラ19が設けられている。左右ブロックには、それぞれ上下ブロックに共通の装着ヘッド体11が上下に移動するリニアモータで構成する上下移動用レール9が設けられている。また中央には、基板Pを搬送する4つの基板シュート5があり、上側2本の基板シュート5c,5dが上側ブロック用の基板搬送ラインUを、下側2本の基板シュート5a,5bが下側ブロック用の基板搬送ラインDを構成する。
【0020】
このような装置構成において、基板Pは、受渡部7により振分けられ基板搬送ラインU又はDに搬入される。装着ヘッド16は装着ヘッド体11によって移動し、部品供給エリア3から所定の電子部品を吸着し、基板Pの所定の位置に装着する。なお、本発明の一方主体であり後述する部品供給カート50は、部品供給エリア3に装着される。また、以下の図面において、基板Pの搬送をX方向、Xに垂直な方向をY方向、XとYに垂直な方向をZ方向とする。そして、下ブロックにて部品供給カート50が本体1に装着される方向をY+方向とする。
【0021】
まず、図2の本実施形態における部品供給カート50の斜視図を用いて部品供給カート50の構成を、図3を用いて本実施形態における部品供給装置2の構成を説明する。その後、部品供給装置2の動作を説明する。
【0022】
図2に示す部品供給カート50は、大別してベース部51、図3に示す部品供給装置を固定する部品供給装置固定部52、ハンドル部53、部品供給リールを格納している部品供給リール格納部54から構成されている。ベース部51には、移動用車輪(図示せず)を固定する車輪固定部51aが四隅に4箇所あり、また、部品供給カート50が電子部品装着装置1の本体に固定された時に部品供給カート50を床面に固定するロックピン51bを有する。部品供給装置固定部52は、部品供給カート50の上部にあり、図3に示すように部品供給装置固定部ガイド52cに部品供給装置2の部品供給装置固定部2kを案内させて部品供給装置2をベース52aに載置し、部品供給装置信号コネクタ52dに部品供給装置2の部品供給装置コネクタ2dを接続する。前記部品供給装置固定部コネクタ52cは部品供給装置ベース52aに規則正しく配列され、多数の部品供給装置が搭載できるようになっている。各部品供給装置には供給リール格納部54から電子部品が搭載した供給テープ60が各部品供給装置2に供給される。
【0023】
供給テープ60は、図5(a)に示すように、基本的には、電子部品4を凹部63に収納するキャリアテープ61と前記キャリアテープを覆うカバーテープ62とからなる。また、部品供給装置ベース52aの両端は、本体1に部品供給カートを挿入する際に、本体1に設けられたカートガイド板(図示せず)を摺動する役目を果す部品供給装置ガイド52eがある。また、部品供給装置ガイド52eには、部品供給カート50を本体1に固定する位置決め孔52bがある。最後に、部品供給カート50を移動操作できるようにハンドル部53があり、取手53aにより本体1の方向であるY方向に移動させて部品供給カート50を本体に挿入する。この時、ハンドル部53の側板53bの先端53cは部品供給カート50をこれ以上挿入できないようにするストッパの役目を果す。
【0024】
次に図3を用いて、本実施形態における部品供給装置2の構成を説明する。本部品供給装置2は、大別して、供給テープ60を部品供給装置2に自動装着する供給テープ自動装着部20、電子部品4を装着位置に移動させるスプロケット駆動部30、前記スプロケット駆動部30に確実に供給テープ60を挿入するための供給テープ挿入部70、部品供給カート50に部品供給装置2を載置する部品供給装置固定部2kと、部品供給カート50及び部品供給カート50を介して本体1との信号の授受をする部品供給装置コネクタ2dからなるインターフェイス81、及びインターフェイス81や後述する内部に存在するセンサからの信号を受けこれ等を制御し、本体1との信号授受を行なう供給装置制御部80からなる。
【0025】
次に、供給テープ自動装着部20、スプロケット駆動部30及び供給テープ挿入部70の構成と動作、そして最後に全体の動作を順に説明する。
まず、第1の供給テープ自動装着部20を図3及び図4を用いて説明する。供給テープ自動装着部20は、A、Bの2系統を有し、配置は異なるが同じ構成を有しており、同じ構成のものは同一番号で示し、添え字A、Bで区別している。図4は、図3における供給テープ自動装着部20のA,Bの系統のうちA系統を示したもので、添え字Aは省略している。
【0026】
図4に示すように、供給テープ自動装着部20は、供給テープ60に接する回転部である装着ローラ21と装着ローラ21をタイミングベルト22を介して駆動する回転駆動手段である装着ローラ駆動モータ23とを具備する装着部駆動手段28、装着ローラ21に供給テープ60を押付け板(非回転押付部材)25aの両端に設けたバネ25bによって押し付け、供給テープ60を装着側、即ちスプロケット駆動部30側に確実に送出する装着押付手段(押え手段)25、前記装着押付手段25側に供給テープ60が挿入されたことを検出する挿入検出センサ26及び供給テープ60がA,B系統の合流位置Mの手前まで挿入されたことを確認する挿入確認センサ27からなる。
【0027】
なお、押付け板25aは、供給テープ60が挿入され易いように挿入側端部に開口が広がった開口部25cを有している。また、挿入検出センサ26及び挿入確認センサ27はそれぞれ発光素子26h,27hと受光素子26j、27jで構成され、それぞれを供給テープ60の挿入路あるいは走行路に設けられた孔に対して相対した位置に配置された構造となっている。
【0028】
図5は、図4における装着押付手段25のA−A´断面図を示したもので、(a)は比較的サイズの大きな部品の供給テープ60に対する模式図を、(b)は小さい部品のうち縦横のサイズが0.6mm×0.3mmより大きい部品の供給テープ60に対する模式図を示したものである。小さな部品の供給テープ60には、下側にもカバーテープ65が設けられている。なお、64は後述ようにスプロケットによって供給テープ60を駆動するためのスプロケット孔である。また、図(a)は押付け板25aが押付け板25aに未接触の状態を示したものであり、バネ25bにより当然接触状態になる。
【0029】
装着ローラ21は、部品供給装置のケース2kに挟まれ、その外周部に前記両タイプ供給テープに対応できるようにローラ凹部21aを設け、ローラ凹部21aを設け、ローラの外周部分のうちローラ凹部21a以外の部分でキャリアテープ61に接している構造としている。押付け板25aは、その下側には安定した押付力で供給テープ60を押付け、通常の電子部品吸着運転時の供給テープ送り時において後述するスプロケットの負荷を極力小さくするように凹凸部25dを設けている。
【0030】
このような供給テープ自動装着部20を、その供給リール(図示せず)を部品供給装置カート50の供給リール格納部54に設置し、供給テープ60の一端を開口部25cから挿入すると、挿入検出センサ26は供給テープ60を検出し、供給装置制御部80は装着ローラ駆動モータ23を駆動する。そして、供給テープ60を装着ローラ21までさらに挿入すると、供給テープ60は、装着ローラ21と装着押付手段25によって確実に装着側に送出される。そして、供給テープ60の先端が挿入確認センサ27の位置に来るとその確認結果により装着ローラ駆動モータ23を停止する。
【0031】
上記実施形態では、押付け板25aの両端に設けたバネ25bを用いて供給テープ60を装着ローラ21押付けたが、例えば装着する供給テープ60のうち装着ローラ21と押付け板25aとに挟まれ、両者に接触する部分の厚みがある程度一定であり、それだけで安定した押付け力を得ることができれば、必ずしもバネ25bは必要ない。
【0032】
また、上記実施形態においては、供給テープ自動装着部20の回転部として装着ローラを用いたがスプロケットを用いてもよい。
以上説明した本実施形態によれば、確実に供給テープを自動的に部品供給装置に装着することができるので電子部品装着装置の稼働率を向上することができる。
また、本実施形態によれば、確実に供給テープを自動的に部品供給装置に装着することができ、小型な部品供給装置を提供することができる。
【0033】
第二に、図3及び図6を用いて本実施形態におけるスプロケット駆動部30の構成及び動作について説明する。スプロケット駆動部30は、供給テープ60に設けられたスプロケット孔64を駆動する急峻な形状の歯車を持つスプロケット31、その同心円状に設けたウオームホイール32とウオームギヤ33を介してスプロケット31を駆動するスプロケット駆動モータ34、スプロケットが確実に供給テープ60を送出できるように供給テープ60をバネ35によってテープシュート(供給テープ60が摺動しながら移動する移動路)2sに押付けるカッター付押付手段40、及び吸着位置の位置決め等を行なう位置決め補正センサ36から構成される。カッター付押付手段40の手前に設けられた位置決め補正センサ36は、供給テープ60のサイドに設けられたスプロケット孔64の位置を検出のために上部から照明するLED37とスプロケット孔64を撮像するための撮像カメラからなる。
【0034】
図6はカッター付押付手段40を示した図で、(a)図が斜視図、(b)図が断面図である。カッター付押付手段40は、供給テープ60をテープシュート2s(図3等参照)に押付けるカッター付き押付け板46、カバーテープ62をキャリアテープ61から離脱し、カット時の台となるカバーテープガイド42、離脱後のカバーテープ62を案内するカバーテープ押え部材43、カバーテープ62をカットするカッター41、左右に切り裂かれたカバーテープ62を電子部品吸着孔45での吸着に妨げにならないようにするカバーテープを左右にガイドするカバー開口ガイド44からなる。なお、供給テープ60とスプロケット31の契合部とが契合できるように、押付け板46は細長い孔を有している。また、電子部部品吸着孔45は、図3に示す吸着ノズル17の直下位置Sに配置される。
【0035】
供給テープ60がカッター付押付手段40に来ると、供給テープ60の上面のカバーテープ61は、カバーテープカッター41によりその中心から左右にカットされる。カットされたカバーテープ61は、カバーテープ開口ガイド44により左右に分かれて電子部品吸着孔45を通過する。通過したカバーテープ61は、カッター付押付手段40の端部で電子部品を吸着されたキャリアテープ62と再度一体となって接合し、その接合したテープは供給済みテープ60Uとなる。
【0036】
スプロケット駆動部30における本実施形態によれば、前記押付け板46をカッター付きとすることで、押付け板46から供給テープのカバーテープとキャリアテープとが一体となって送出され、夫々を一緒に回収でき、廃棄が簡単にできる。
【0037】
第三に、図7から図10を用いて供給テープ挿入部70の構成と動作を説明する。本実施形態では、供給テープ挿入部70は次の2つの機能を備えることが必要である。第1に、供給テープ挿入部70は、供給テープ自動装着部20Aまたは20Bから送出される供給テープ60の先端を、前述したカッター付押付手段40下に安定してあるいは確実に挿入し、スプロケット駆動部30まで移動させる、挿入機能である。第2に、供給テープ挿入部70は、供給テープ挿入時のみ必要なものであり、電子部品吸着時は前記スプロケット駆動部30の負荷となることを低減する負荷低減機能である。
【0038】
図3に示すように、本実施形態の供給テープ挿入部70は、挿入ローラ71、挿入ローラ71をタイミングベルト72等を介して駆動する回転駆動手段である挿入ローラ駆動モータ73及び図8で後述する挿入部テープ案内押付手段75からなる。図7(a)は前記挿入ローラ71の第1の実施例を示した挿入ローラ71Aを示す拡大図であり、同図(b)は挿入ローラの外周に設けられ、供給テープ60のスプロケット孔64と契合する挿入契合部74Aを示す図であり、さらに、図7(c)は、挿入ローラが供給テープ60と契合したときに発生する押出力を示した図である。
【0039】
挿入ローラ71Aは、スプロケット孔64のピッチに対応して等間隔に設けられた複数の挿入契合部74Aを外周に設けたローラ71a、ローラ71aと同心円状に設けたプーリ71b及び旋回軸71cを有する。挿入契合部74Aは、スプロケット孔64と契合する契合体74Mである球体のボール74b、前記ボール74bが移動する円筒状の移動空間74Nを形成し、ローラ71に固定される移動空間形成体74fである円筒体74a、ボール74bを外側径方向に押出すバネ74cからなる。なお、図7(a)には、3箇所の挿入契合部を示しており、その他のものは省略している。後述する図8、図9(a)、図10(a)についても同様である。
【0040】
また、円筒体74aの外側先端部74asは、前記ボール74bの直径より径が小さくなっている。この径が小さいことにより、スプロケット孔64との契合時、ボール74bはバネ74cによって円筒体74aに確りと固定され、供給テープ60へ確実に押出力Foを与えることができる。また、径が小さいことはボール74bが外側に飛出ないようにする飛出防止手段としての役目も果たしている。バネの強さは、予めローラによってスプロケット31に供給テープ60が送り込まれるときにはボールが外側先端部74asに当り確りと支持され、また、スプロケット31に供給テープ60が送り込まれてからはスプロケット31による供給テープ送りの妨げに極力ならないように圧縮されてボールが下がるように設定されている。
【0041】
供給テープ自動装着部20Aまたは20Bから送出される供給テープ60の先端は、図5に示すキャリアテープ61の両側がテープシュート2sを摺動しながら、装着ローラ駆動モータ23等によって挿入ローラ71Aまで移動してくる。そこで、制御装置80は、挿入ローラ駆動モータ73を始動する。その駆動タイミングは、装着ローラ駆動モータ23と同時期でもよいし、装着ローラ駆動モータ23の駆動後あるいは、挿入確認センサ27が供給テープ60を検出したときから一定時間後としてもよい。
【0042】
図8は、供給テープ60が挿入ローラ71にきたときの状態を示した図であり、75は挿入部テープ案内押付手段であり、本実施例では板バネで構成している。板バネは、テープシュータ2sに徐々に近づき、挿入契合部74で接触し、その後離反する形状を有する。従って、供給テープ60は、最初、板バネ75に沿って移動し、その後、供給テープ60は、ボール74b上を滑りながらあるいはボール74bを回転させながらボール74b上を通過する。そのうち、ボール74bは、バネ74cによってスプロケット孔64に挿入され、契合する。挿入契合部74をスプロケット孔64と同じピッチで設けているので、ボール74bは、一旦スプロケット孔64に契合すると、その後は、次々とスプロケット孔64と契合していく。図7(c)は、前述の契合したときのボール74bからの作用力Fsと供給テープ60の走行方向の押出力Foと関係を示したもの、この押出力Foにより、供給テープ60はスピロケット31の方向へと移動していく。
【0043】
以上の結果、供給テープ挿入部70は、供給テープ60の上下動を抑えて安定して供給テープ60をスプロケット駆動部30へ送ることができる。
そして、供給テープ挿入部70は、前記押付力Foによって、供給テープ60を図6に示すカッター付押付手段40のカバーテープガイド42の下にキャリアテープ61を確実に挿入する。さらに、供給テープ挿入部70は、前記押付力がカッター41の負荷に打ち勝って、供給テープ60をスプロケット31と供給テープ60の契合部まで移動させることができる。このときの、本実施例における必要な前記押出力は約200gであった。
【0044】
この結果、スプロケット31の歯に供給テープ60のスプロケット孔64が確実に勘合し、スプロケット31の回転により供給テープ60を送れるようになる。従って、その後の供給テープ60の送りはスプロケット31によって行ない、部品供給装置2は電子部品の吸着を行なう。
【0045】
前述した電子部品吸着運転時の供給テープ送り時のスプロケット31の駆動時において、挿入契合部74は、次のようなスプロケット31の負荷低減機能を有する。第1に、スプロケット孔64との契合時には、ボール74bが回転することによって、スプロケット31の負荷は軽減する。第2に、スプロケット孔64との非契合時には、ボール74bの供給テープ60とのすべり又は回転によって、また、径方向の供給テープ60の押付力によってバネ74cの縮み、ボール74bの低下すことによって、スプロケット31の負荷は軽減する。即ち、挿入契合部74は、両状態時において、供給テープ60の走行方向の負荷を低減することでスプロケット31の負荷を軽減している。
【0046】
前記スプロケット31の駆動する場合のタイミングについては、位置決め補正センサ36が供給テープを認識した時からでもよいし、挿入ローラ71Aが駆動してから一定時間後でもよい。
供給テープのスプロケット孔64がスプロケット31と契合したかどうかは、撮像カメラ84よってスプロケット孔64の動きを監視する、スプロケット駆動モータモータ34の負荷電流を監視する、あるいは、簡単に一定時間後契合した判断する、などの方法を用いる。例えば、撮像カメラ84による監視では、うまく契合してないことを、円形のスプロケット孔64が楕円状になっている、あるいは、スプロケット孔64の動きが遅いなどで判断する。そして、うまく契合してないときは、挿入ローラ71あるいはスプロケット31を前後に移動させて契合させる。
【0047】
以上説明したように、本実施例よれば、スプロケット孔と契合する挿入契合部74Aを旋回させることで挿入機能を果たす挿入手段を実現し、前記挿入契合部74Aは、供給テープ60の移動方向のスプロケット31の負荷を低減する回転可能なボール74bと縮むバネ74cよって負荷低減機能を果たす負荷低減手段を実現できる。
従って、本実施例によれば、スプロケット駆動部に、特にカッターを有するスプロケット駆動部30に供給テープを確実に挿入できる部品供給装置を提供できる。
また、本実施例によれば、電子部品を吸着時において、スプロケット駆動部にとって負荷の低減した供給テープ挿入部70を有する部品供給装置を提供できる。
【0048】
図9は、挿入ローラ71の第2の実施例71Bを示した図である。第1の実施例と同一機能、同一構造を有するものは同一番号を付している。第9(a)図は、図3における前記挿入ローラ71Bの拡大図であり、同図(b)は挿入ローラの外周に設けられ、供給テープ60のスプロケット孔64と契合する挿入契合部74Bを示す図であり。同図(c)は各部の寸法関係を示した図である。
【0049】
挿入ローラ71Bは、第1の実施例と同様に、挿入契合部74Bを外周に設けたローラ71a、ローラ71aと同心円状に設けたプーリ71b及び旋回軸71cを有する。挿入契合部74Bは、第9図(b)に示すように、ローラ71aの外周部に一体あるいは固定され、契合体74が移動する円筒状の移動空間74Nを形成し、前記移動空間74Nをスプロケット孔64のピッチ間隔で設けられた移動空間形成体74f、一端をローラ71aに他端を円板74eに固定されたバネ74c、前記円板に固定され、スプロケット孔64と契合する契合体74Mである先端部が半球状の半ボール74dからなる。
【0050】
また、移動空間形成体74fの外側74fsは移動空間74Nの内側に突き出ており、その直径Dfsは、前記半ボール74dの直径Ddより大きく、円板74eの直径Deより小さくなっている。さらに、移動空間形成体74fの空間直径Dfは円板74eの直径Deより大きくなっている。即ち、これら4直径の関係は式(1)になっている。
【0051】
Df>De>Dfs>Dd (1)
式(1)の関係より次のように機能を果たすことができる。第1に、スプロケット孔64との契合時、円板74eは移動空間形成体74fの外側先端部74fsで確りと固定され、円板に固定された半ボール74dは供給テープ60へ確実に押出力を与えることができる。
第2に、移動空間形成体の外側先端部74fsは、円板が74e、即ち半ボール74dが外側に飛出ないようにする飛出防止手段としての役目も果たしている。
【0052】
第3に、半ボール74dや円板74eは、供給テープの移動方向にずれることができるので、その動きがバッファとなり、負荷低減機能の役目を果たしている。即ち、スプロケット31の駆動時において、挿入契合部74Bは、スプロケット孔64との契合時には、半ボール74dが移動方向に逃げることによって、スプロケット孔64との非契合時には、半ボール74dの前記逃げと回転とバネ74cの縮みよる半ボール74dの低下によって、スプロケット31の負荷を軽減することができる。
さらに、第4として、供給テープ60の挿入時に、半ボール74dは供給テープ60の移動方向の前後にズレる自由度を持っているので、スプロケット孔64と契合しやすい利点がある。
図10は、挿入ローラ71の第3の実施例71Cの挿入契合部74Cを示した図である。第1または第2の実施例と同一機能を同一構造を有するものは同一番号を付している。また、挿入契合部74C以外は、基本的に第1及び第2の実施例と同じである。
【0053】
挿入契合部74Cは、基本的には第2の実施例と同じである。異なる点は次の2点である。第1に、円筒体74fの空間直径Dfは円板74eの直径Deとほぼ同じであり、円筒体74fの外側先端部74fsの直径Dfsは、前記半ボール74dの直径Ddとほぼ同じである点である。即ち、式(2)の関係になっている。
【0054】
Df≒De>Dfs≒Dd (2)
第2に、押付可変手段は一端をローラ71に他端を円板74eに固定されたバネが形状記憶合金で製作された形状記憶バネ74gである点である。その記憶の仕方は、挿入時は電流をONにし、円板74eが外側先端部74fsに接触している状態(図10(a))、電子部品吸着時は電流をOFFにし、前記半ボール74dの先端がテープシュートより下になるような状態である。ON、OFFの選択は供給テープの挿入時しか使わないときをONとし、節電する。
【0055】
式(2)の関係と形状記憶バネより次のように機能を果たすことができる。実施例2の第1から第3に示した3つの機能のうち第1、第2は、本実施例でも同じある。第3の負荷低減機能の役目が異なる。電子部品吸着時、即ちスプロケット31の駆動時において、半ボール74dが前記テープシュートよりさがるので、スプロケット31の負荷を全くなくすことができる。
【0056】
形状記憶バネは74gは第1の実施例にも適用できる。また、本実施例の移動空間74Nを第2の実施例と同じよう移動空間形成体74fで形成したが、第1の実施例と同じように円筒体74aで形成してもよい。
以上説明した第2、第3の実施例おいても、第1の実施例と同様な効果を得ることができる。
【0057】
上記に説明した実施例の他、電子部品吸着時にスプロケット31の負荷を低減する方法がある。例えば、前記挿入ローラを回転させる回転手段の駆動力を低減する方法である。より具体的には、挿入ローラ駆動モータ73からの駆動力を挿入ローラから切り離す電磁クラッチあるいはトルクリミッタをモータ側あるいは挿入ローラ側に設ける。最大の負荷は、前者の場合、挿入ローラを回転させる負荷であり、後者の場合はリミッタの設定値となる。このような場合、挿入契合部74の設ける位置を挿入契合部74とスプロケット31の契合位置間の距離がスプロケット孔64のピッチの整数倍とすることで、挿入契合部74をスプロケット64孔と常に契合させ、安定した負荷とすることも可能である。
【0058】
また、さらに確実に供給テープ60の先端を挿入するために、供給テープ自動装着部20に用いた押付け手段25を設け、挿入ローラを積極的に押付けてもよい。しかし、電子部品吸着時には、その押付け力解除することが必要である。そのために、例えば、バネ25bを形状記憶合金で構成し、バネ25bに電流を流すことによって押付け力をON/OFFする。
また、上記実施形態においては、挿入契合部74の契合部の形状として球または半球としたが、径の外側に行くほど径が小さくなる形状であればよい。
【0059】
上述した供給テープ挿入部70の実施形態によれば、供給テープを自動装着後、電子部品を吸着位置に送るスプロケットに、確実に供給テープを送り込むことができる部品供給装置を提供することができる。
【0060】
最後に、全体の動きの一実施形態を図11を用いて説明する。図11においてオペレータよる操作以外の動きは、基本的には供給装置制御部80が行なう。
まず、供給テープ60が挿入されていない部品供給装置2を部品供給カート50にセッする(Step1)。第2に、部品供給装置2に既に供給テープ60が供給テープ自動装着部20にセット済みか、また、供給テープ60が吸着可能状態かを判断し、その結果をメモリ記憶する。例えばその判断は、前者は挿入確認センサ27により、後者は撮像カメラで行なう。吸着可能状態であればStep6に、二つの系統のうち両方に供給テープ60が装着されていればStep4に、片方のみであればStep3に行く(Step2)。そこで、片方のみの場合は、装着されていない供給テープ自動装着部20の系統に供給テープ60を自動装着し、その結果をメモリに記憶する(Step3)。
【0061】
第3に、供給テープ挿入部70を起動し、当該系統の供給テープ60の先端をカッターを有するスプロケット駆動部に挿入する (Step4)。
第4に、通常の電子部品の基板への吸着動作が可能か確かめる。例えば、供給テープ挿入部70の第1の実施例で説明したように、供給テープのスプロケット孔64がスプロケット31と契合したかどうかを撮像カメラ84よるスプロケット孔64の動きを監視し、うまく契合してないことを、円形のスプロケット孔64が楕円状になっている、あるいは、スプロケット孔64の動きが遅いなどで判断する(Step5)。吸着動作が可能ならば、本体1の制御部(図示せず)に挿入完了信号を送信し(Step6)、その後、本体1の指示の下、電子部品の吸着動作を実施する(Step7)。吸着動作吸着動作が不可能ならば、スプロケット31に等より契合動作を行なう(Step8)。
【0062】
第5に、Step7の吸着動作中に、挿入確認センサ27により供給テープ60の有無により終端を検出する(Step9)。
第6に、終端を検出したら、吸着位置Sと終端間に存在するA系統の残個数の吸着作業を行なう。勿論、吸着位置Sと終端間に電子部品を収納しなけばこのステップは不要である(Step10)。
【0063】
第7に、Step2で記憶したメモリの内容により、他系統の供給テープ60の存在有無と、今までの吸着個数及び現在のワークでの必要な吸着個数等により当該系統に供給テープ60をさらに自動装着する必要の要否とに基づいて次の処理を決定する(Step11)。供給テープ60が存在し、さらに自動装着が必要ならばStep3に、供給テープ60が存在し、さらに自動装着が必要なしならばStep4に、供給テープ60が存在しなく、さらに自動装着が必要ないならば、当該部品供給装置の吸着作業を終了する。
【0064】
上記動作フロー方法は一実施形態であり、例えば、(1)必ず、部品供給カート50にセットする前に専用の自動装着機あるいは人的に供給テープ60を装着するのであれば、Step1は不要であり、(2)スプロケット31にきた時は供給テープ60のスプロケット孔64と旨く契合するのであればStep5及びStep8は不要である。
【0065】
上記の動作フローの実施形態によれば、確実に供給テープを自動的に電子部品供給装置に装着でき、しかも、電子部品を確実に吸着ノズル17に吸着でき、電子部品供給装置の稼働率を向上できる方法を提供できる。
【0066】
以上のように本発明の実施形態について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0067】
1:電子部品装着装置 2:部品供給装置
2s:テープシュート 3:部品供給エリア
4:電子部品 5:基板シュート
11:装着ヘッド体 16:装着ヘッド
17:吸着ノズル 20:供給テープ自動装着部
25:装着押付手段 25a:押付け板
26:挿入検出センサ 27:挿入確認センサ
28:装着部駆動手段 30:スプロケット駆動部
31:スプロケット 34:スプロケット駆動モータ
40:カッター付押付手段 41:カッター
42:カバーテープガイド 45:電子部部品吸着孔
46:カッター付き押付け板 50:部品供給カート
60:供給テープ 64:スプロケット孔
70:供給テープ挿入部 71:挿入ローラ
73:挿入ローラ駆動モータ 74:挿入契合部
75:挿入部テープ押付手段 80:供給装置制御部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品供給装置及び部品装着装置に係わり、特に電子部品を確実に供給できる、あるいは稼働率の高い電子部品装着装置を実現できる部品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリント基板に電子部品を装着し回路基板を生産することにおいては、電子部品装着装置の稼働率向上が望まれている。そのためには、電子部品を確実に供給するとともに、電子部品の補充時間または段取り替えを短時間で完了させることが重要である。
従来技術としては、電子部品を収納する供給テープの一端を部品供給装置の挿入することによって供給テープを自動装着する方法が下記の特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2005−539370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術は、供給すべき電子部品が終了すると、新たに供給テープを装着する時間は、当該電子部品の装着を行なうことができず電子部品装着装置の稼動率が低下するという課題が生じる。前記課題を解決するために自動装着をするには、電子部品を吸着位置に送るスプロケットに、座屈せず確実に供給テープを送り込む必要がある。
【0005】
上記従来技術は、供給テープの駆動を相対する位置に配置された一対のローラ、あるいは片側に設けたスプロケットで行っており、滑り、遊び等により電子部品の供給が不安定であった。また、前者の一対のローラ方式は、2つのローラのスペースが必要であり、部品供給装置が大きくなるという課題がある。さらに、供給すべき電子部品が終了すると、新たに供給テープを自動装着する時間は、当該電子部品の装着を行なうことができず電子部品装着装置の稼動率が低下するという課題が生じる。
【0006】
従って、本発明の第1の目的は、供給テープを自動装着後、電子部品を吸着位置に送るスプロケットに、確実に供給テープを送り込むことができる部品供給装置を提供することである。
また、本発明の第2の目的は、小型な部品供給装置を提供することである。
さらに、本発明の第3の目的は、電子部品装着装置の稼働率を向上できる電子部品供給装置を提供し、それを用いることによって電子部品装着装置の稼働率を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1または第2の目的を達成するために、電子部品を収納し、テープシュート上を移動する供給テープの有するスプロケット孔と契合して回転し、前記供給テープを前記電子部品が外部から吸着される吸着位置まで移動させるスプロケットと、前記供給テープをテープシュートに押える押付け手段とを具備するスプロケット駆動部を有する部品供給装置において、前記スプロケット駆動部の手前に設けられ、前記スプロケット孔と契合する挿入契合部を外周に複数有するローラを具備する挿入ローラ及び前記挿入ローラを回転させる回転駆動手段を具備する挿入手段と、前記スプロケット駆動部の負荷を低減する負荷低減手段を具備する供給テープ挿入部とを有することを第1の特徴とする。
【0008】
また、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第1の特徴に加え、前記供給テープは前記電子部品を収納するキャリアテープと前記キャリアテープを覆うカバーテープとを具備し、前記押え手段は前記カバーテープを切断する切断手段と、前記切断されたカバーテープが前記吸着位置を回避する手段とを具備することを第2の特徴とする。
【0009】
さらに、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第1または2の特徴に加え、記供給テープ挿入部の手前に設けられ、前記供給テープを挿入する挿入口と、前記挿入口から前記供給テープを挿入されたことを検出する供給テープ挿入検出手段と、前記挿入口の近くに設けられ、前記供給テープ挿入検出手段の結果に基づき前記供給テープを所定の位置まで移動させる装着部駆動手段とを具備する供給テープ自動装着部を有することを第3の特徴とする。
【0010】
また、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第1乃至第3のいずれかの特徴に加え、前記挿入契合部は、スプロケット孔と契合する契合体、前記契合体が移動する移動空間を形成し、前記ローラに固定または前記ローラと一体成形された移動空間形成体、前記契合体を前記回転の外側径方向に押出すバネ、前記契合体の前記移動空間から飛出しを防ぐ飛出防止手段を有することを第4の特徴とする。
【0011】
さらに、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第4の特徴に加え、前記移動空間は円筒状であり、前記契合体は球体であることを第5の特徴とする。
また、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第4の特徴に加え、前記移動空間は円筒状であり、前記契合体は一端側の前記スプロケット孔と契合する契合部は半球状を有し他端側は円形板に固定された形状を有することを第6の特徴とする。
【0012】
さらに、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第5または第6の特徴に加え、前記円筒状の前記移動空間を円筒体で形成し、前記飛出防止手段は前記円筒体の外側先端部の直径が前記契合体の最大直径より小さいことで構成としたことを第7の特徴とする。
また、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第5または第6の特徴に加え、前記移動空間形成体は複数の前記円筒状の移動空間を有し、前記飛出防止手段は前記移動空間形成体の外側において前記移動空間に突出ており、突出た部分の前記移動空間の直径は、前記契合体の最大直径より小さいことで構成としたことを第8の特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第5または第6の特徴に加え、前記移動間の直径は、前記契合体最大直径とほぼ同じである、または前記契合体最大直径より大きいことを第9の特徴とする。
また、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第5の特徴に加え、前記負荷低減手段は、前記球体を回転可能にしたことであることを第10の特徴とする。
【0014】
さらに、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第4の特徴に加え、前記負荷低減手段は、前記契合体を前記供給テープの移動方向に移動可能とした、または前記バネを強制的に縮ませる手段であること、あるいは前記負荷低減手段は、前記挿入ローラを回転させる回転手段の駆動力を低減する駆動力低減手段であることを第11の特徴とする。
また、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第11の特徴に加え、前記駆動力低減手段は、前記回転手段にクラッチまたはトルクリミッタを設けたことを第12の特徴とする。
【0015】
さらに、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第4の特徴に加え、前記契合体を前記供給テープに押付ける押付力が可変の押付可変手段を前記挿入契合部に設け、前記スプロケット駆動部による電子部品吸着運転時の供給テープ送り時には、前記負荷低減手段は前記押付力を低減する手段を有することを第13の特徴とする。
また、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第13の特徴に加え、前記押付可変手段は形状記憶合金で形成されたバネであることを第14の特徴とする。
【0016】
さらに、本発明の第1または第2の目的を達成するために、第1乃至第14のいずれかの特徴に加え、前記供給テープを前記スプロケット駆動部に挿入を完了し、前記完了した情報を電子部品装着装置に送信し、あるいは、前記電子部品装着装置から指令信号を受信するインターフェイスを有することを第15の特徴とする。
最後に、本発明の第3の目的を達成するために、第15の特徴を有する部品供給装置を具備する電子部品装着装置において、前記完了した情報に基づいて前記部品供給装置を、あるいは電子部品の装着を制御すること第16の特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、供給テープを自動装着後、電子部品を吸着位置に送るスプロケットに、確実に供給テープを送り込むことができる電子部品供給装置を提供することができる。
また、本発明によれば、小型な電子部品供給装置を提供することができる。
さらに、電子部品装着装置の稼働率を向上できる電子部品供給装置を提供し、それを用いることによって電子部品装着装置の稼働率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】電子部品装着装置の平面図である。
【図2】本実施形態における部品供給カートの斜視図である。
【図3】本実施形態における電子部品供給装置の構成を示す図である。
【図4】図3における供給テープ自動装着部20を示した図である。
【図5】図4における装着押付手段のA−A´断面図を示した図である。(a)は比較的サイズの大きな部品の供給テープ60に対する模式図を、(b)は小さい部品のうち縦横のサイズが06mm×03mmより大きい部品の供給テープ60に対する模式図である。
【図6】図3におけるスプロケット駆動部のカッター付押付手段40を示した図である。(a)図が斜視図、(b)図が断面図である。
【図7】本実施形態の供給テープ挿入部70を示した図である。図(a)は前記挿入ローラの71の第1の実施例71Aを示す拡大図であり、図(b)は挿入契合部74Aを示す図であり、さらに、図7(c)は、挿入ローラが供給テープ60と契合したときに発生する押出力を示した図である。
【図8】供給テープ60が挿入ローラ61にきたときの状態を示した図である。
【図9】挿入ローラ71の第2の実施例71Bを示した図である。
【図10】挿入ローラ71の第3の実施例71Cを示した図である
【図11】本発明の実施形態における動作フローを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面に基づき、電子部品装着装置と部品供給カート50の実施形態を説明する。本発明では電子部品装着装置1とは、部品供給カート50を含まないものをいい、以下の説明では、電子部品装着装置1を単に本体1と表す。図1は、本体1の平面図である。本体1は、左側の上下に2ブロックLU,LD、右側の上下2ブロックRU,RDの計4ブロック(符号は基本的にLUブロックのみ記す。)に分かれている。それぞれのブロックには部品供給装置が多数設けられている部品供給エリア3、装着ヘッド16、装着ヘッドが固定され、リニアモータで構成する左右移動用レール8上を移動する装着ヘッド体11、及び基板への装着時に前記各装着ヘッド16の吸着ノズルの位置補正をするために、前記吸着ノズルの部品の吸着保持状態を撮像する部品認識カメラ19が設けられている。左右ブロックには、それぞれ上下ブロックに共通の装着ヘッド体11が上下に移動するリニアモータで構成する上下移動用レール9が設けられている。また中央には、基板Pを搬送する4つの基板シュート5があり、上側2本の基板シュート5c,5dが上側ブロック用の基板搬送ラインUを、下側2本の基板シュート5a,5bが下側ブロック用の基板搬送ラインDを構成する。
【0020】
このような装置構成において、基板Pは、受渡部7により振分けられ基板搬送ラインU又はDに搬入される。装着ヘッド16は装着ヘッド体11によって移動し、部品供給エリア3から所定の電子部品を吸着し、基板Pの所定の位置に装着する。なお、本発明の一方主体であり後述する部品供給カート50は、部品供給エリア3に装着される。また、以下の図面において、基板Pの搬送をX方向、Xに垂直な方向をY方向、XとYに垂直な方向をZ方向とする。そして、下ブロックにて部品供給カート50が本体1に装着される方向をY+方向とする。
【0021】
まず、図2の本実施形態における部品供給カート50の斜視図を用いて部品供給カート50の構成を、図3を用いて本実施形態における部品供給装置2の構成を説明する。その後、部品供給装置2の動作を説明する。
【0022】
図2に示す部品供給カート50は、大別してベース部51、図3に示す部品供給装置を固定する部品供給装置固定部52、ハンドル部53、部品供給リールを格納している部品供給リール格納部54から構成されている。ベース部51には、移動用車輪(図示せず)を固定する車輪固定部51aが四隅に4箇所あり、また、部品供給カート50が電子部品装着装置1の本体に固定された時に部品供給カート50を床面に固定するロックピン51bを有する。部品供給装置固定部52は、部品供給カート50の上部にあり、図3に示すように部品供給装置固定部ガイド52cに部品供給装置2の部品供給装置固定部2kを案内させて部品供給装置2をベース52aに載置し、部品供給装置信号コネクタ52dに部品供給装置2の部品供給装置コネクタ2dを接続する。前記部品供給装置固定部コネクタ52cは部品供給装置ベース52aに規則正しく配列され、多数の部品供給装置が搭載できるようになっている。各部品供給装置には供給リール格納部54から電子部品が搭載した供給テープ60が各部品供給装置2に供給される。
【0023】
供給テープ60は、図5(a)に示すように、基本的には、電子部品4を凹部63に収納するキャリアテープ61と前記キャリアテープを覆うカバーテープ62とからなる。また、部品供給装置ベース52aの両端は、本体1に部品供給カートを挿入する際に、本体1に設けられたカートガイド板(図示せず)を摺動する役目を果す部品供給装置ガイド52eがある。また、部品供給装置ガイド52eには、部品供給カート50を本体1に固定する位置決め孔52bがある。最後に、部品供給カート50を移動操作できるようにハンドル部53があり、取手53aにより本体1の方向であるY方向に移動させて部品供給カート50を本体に挿入する。この時、ハンドル部53の側板53bの先端53cは部品供給カート50をこれ以上挿入できないようにするストッパの役目を果す。
【0024】
次に図3を用いて、本実施形態における部品供給装置2の構成を説明する。本部品供給装置2は、大別して、供給テープ60を部品供給装置2に自動装着する供給テープ自動装着部20、電子部品4を装着位置に移動させるスプロケット駆動部30、前記スプロケット駆動部30に確実に供給テープ60を挿入するための供給テープ挿入部70、部品供給カート50に部品供給装置2を載置する部品供給装置固定部2kと、部品供給カート50及び部品供給カート50を介して本体1との信号の授受をする部品供給装置コネクタ2dからなるインターフェイス81、及びインターフェイス81や後述する内部に存在するセンサからの信号を受けこれ等を制御し、本体1との信号授受を行なう供給装置制御部80からなる。
【0025】
次に、供給テープ自動装着部20、スプロケット駆動部30及び供給テープ挿入部70の構成と動作、そして最後に全体の動作を順に説明する。
まず、第1の供給テープ自動装着部20を図3及び図4を用いて説明する。供給テープ自動装着部20は、A、Bの2系統を有し、配置は異なるが同じ構成を有しており、同じ構成のものは同一番号で示し、添え字A、Bで区別している。図4は、図3における供給テープ自動装着部20のA,Bの系統のうちA系統を示したもので、添え字Aは省略している。
【0026】
図4に示すように、供給テープ自動装着部20は、供給テープ60に接する回転部である装着ローラ21と装着ローラ21をタイミングベルト22を介して駆動する回転駆動手段である装着ローラ駆動モータ23とを具備する装着部駆動手段28、装着ローラ21に供給テープ60を押付け板(非回転押付部材)25aの両端に設けたバネ25bによって押し付け、供給テープ60を装着側、即ちスプロケット駆動部30側に確実に送出する装着押付手段(押え手段)25、前記装着押付手段25側に供給テープ60が挿入されたことを検出する挿入検出センサ26及び供給テープ60がA,B系統の合流位置Mの手前まで挿入されたことを確認する挿入確認センサ27からなる。
【0027】
なお、押付け板25aは、供給テープ60が挿入され易いように挿入側端部に開口が広がった開口部25cを有している。また、挿入検出センサ26及び挿入確認センサ27はそれぞれ発光素子26h,27hと受光素子26j、27jで構成され、それぞれを供給テープ60の挿入路あるいは走行路に設けられた孔に対して相対した位置に配置された構造となっている。
【0028】
図5は、図4における装着押付手段25のA−A´断面図を示したもので、(a)は比較的サイズの大きな部品の供給テープ60に対する模式図を、(b)は小さい部品のうち縦横のサイズが0.6mm×0.3mmより大きい部品の供給テープ60に対する模式図を示したものである。小さな部品の供給テープ60には、下側にもカバーテープ65が設けられている。なお、64は後述ようにスプロケットによって供給テープ60を駆動するためのスプロケット孔である。また、図(a)は押付け板25aが押付け板25aに未接触の状態を示したものであり、バネ25bにより当然接触状態になる。
【0029】
装着ローラ21は、部品供給装置のケース2kに挟まれ、その外周部に前記両タイプ供給テープに対応できるようにローラ凹部21aを設け、ローラ凹部21aを設け、ローラの外周部分のうちローラ凹部21a以外の部分でキャリアテープ61に接している構造としている。押付け板25aは、その下側には安定した押付力で供給テープ60を押付け、通常の電子部品吸着運転時の供給テープ送り時において後述するスプロケットの負荷を極力小さくするように凹凸部25dを設けている。
【0030】
このような供給テープ自動装着部20を、その供給リール(図示せず)を部品供給装置カート50の供給リール格納部54に設置し、供給テープ60の一端を開口部25cから挿入すると、挿入検出センサ26は供給テープ60を検出し、供給装置制御部80は装着ローラ駆動モータ23を駆動する。そして、供給テープ60を装着ローラ21までさらに挿入すると、供給テープ60は、装着ローラ21と装着押付手段25によって確実に装着側に送出される。そして、供給テープ60の先端が挿入確認センサ27の位置に来るとその確認結果により装着ローラ駆動モータ23を停止する。
【0031】
上記実施形態では、押付け板25aの両端に設けたバネ25bを用いて供給テープ60を装着ローラ21押付けたが、例えば装着する供給テープ60のうち装着ローラ21と押付け板25aとに挟まれ、両者に接触する部分の厚みがある程度一定であり、それだけで安定した押付け力を得ることができれば、必ずしもバネ25bは必要ない。
【0032】
また、上記実施形態においては、供給テープ自動装着部20の回転部として装着ローラを用いたがスプロケットを用いてもよい。
以上説明した本実施形態によれば、確実に供給テープを自動的に部品供給装置に装着することができるので電子部品装着装置の稼働率を向上することができる。
また、本実施形態によれば、確実に供給テープを自動的に部品供給装置に装着することができ、小型な部品供給装置を提供することができる。
【0033】
第二に、図3及び図6を用いて本実施形態におけるスプロケット駆動部30の構成及び動作について説明する。スプロケット駆動部30は、供給テープ60に設けられたスプロケット孔64を駆動する急峻な形状の歯車を持つスプロケット31、その同心円状に設けたウオームホイール32とウオームギヤ33を介してスプロケット31を駆動するスプロケット駆動モータ34、スプロケットが確実に供給テープ60を送出できるように供給テープ60をバネ35によってテープシュート(供給テープ60が摺動しながら移動する移動路)2sに押付けるカッター付押付手段40、及び吸着位置の位置決め等を行なう位置決め補正センサ36から構成される。カッター付押付手段40の手前に設けられた位置決め補正センサ36は、供給テープ60のサイドに設けられたスプロケット孔64の位置を検出のために上部から照明するLED37とスプロケット孔64を撮像するための撮像カメラからなる。
【0034】
図6はカッター付押付手段40を示した図で、(a)図が斜視図、(b)図が断面図である。カッター付押付手段40は、供給テープ60をテープシュート2s(図3等参照)に押付けるカッター付き押付け板46、カバーテープ62をキャリアテープ61から離脱し、カット時の台となるカバーテープガイド42、離脱後のカバーテープ62を案内するカバーテープ押え部材43、カバーテープ62をカットするカッター41、左右に切り裂かれたカバーテープ62を電子部品吸着孔45での吸着に妨げにならないようにするカバーテープを左右にガイドするカバー開口ガイド44からなる。なお、供給テープ60とスプロケット31の契合部とが契合できるように、押付け板46は細長い孔を有している。また、電子部部品吸着孔45は、図3に示す吸着ノズル17の直下位置Sに配置される。
【0035】
供給テープ60がカッター付押付手段40に来ると、供給テープ60の上面のカバーテープ61は、カバーテープカッター41によりその中心から左右にカットされる。カットされたカバーテープ61は、カバーテープ開口ガイド44により左右に分かれて電子部品吸着孔45を通過する。通過したカバーテープ61は、カッター付押付手段40の端部で電子部品を吸着されたキャリアテープ62と再度一体となって接合し、その接合したテープは供給済みテープ60Uとなる。
【0036】
スプロケット駆動部30における本実施形態によれば、前記押付け板46をカッター付きとすることで、押付け板46から供給テープのカバーテープとキャリアテープとが一体となって送出され、夫々を一緒に回収でき、廃棄が簡単にできる。
【0037】
第三に、図7から図10を用いて供給テープ挿入部70の構成と動作を説明する。本実施形態では、供給テープ挿入部70は次の2つの機能を備えることが必要である。第1に、供給テープ挿入部70は、供給テープ自動装着部20Aまたは20Bから送出される供給テープ60の先端を、前述したカッター付押付手段40下に安定してあるいは確実に挿入し、スプロケット駆動部30まで移動させる、挿入機能である。第2に、供給テープ挿入部70は、供給テープ挿入時のみ必要なものであり、電子部品吸着時は前記スプロケット駆動部30の負荷となることを低減する負荷低減機能である。
【0038】
図3に示すように、本実施形態の供給テープ挿入部70は、挿入ローラ71、挿入ローラ71をタイミングベルト72等を介して駆動する回転駆動手段である挿入ローラ駆動モータ73及び図8で後述する挿入部テープ案内押付手段75からなる。図7(a)は前記挿入ローラ71の第1の実施例を示した挿入ローラ71Aを示す拡大図であり、同図(b)は挿入ローラの外周に設けられ、供給テープ60のスプロケット孔64と契合する挿入契合部74Aを示す図であり、さらに、図7(c)は、挿入ローラが供給テープ60と契合したときに発生する押出力を示した図である。
【0039】
挿入ローラ71Aは、スプロケット孔64のピッチに対応して等間隔に設けられた複数の挿入契合部74Aを外周に設けたローラ71a、ローラ71aと同心円状に設けたプーリ71b及び旋回軸71cを有する。挿入契合部74Aは、スプロケット孔64と契合する契合体74Mである球体のボール74b、前記ボール74bが移動する円筒状の移動空間74Nを形成し、ローラ71に固定される移動空間形成体74fである円筒体74a、ボール74bを外側径方向に押出すバネ74cからなる。なお、図7(a)には、3箇所の挿入契合部を示しており、その他のものは省略している。後述する図8、図9(a)、図10(a)についても同様である。
【0040】
また、円筒体74aの外側先端部74asは、前記ボール74bの直径より径が小さくなっている。この径が小さいことにより、スプロケット孔64との契合時、ボール74bはバネ74cによって円筒体74aに確りと固定され、供給テープ60へ確実に押出力Foを与えることができる。また、径が小さいことはボール74bが外側に飛出ないようにする飛出防止手段としての役目も果たしている。バネの強さは、予めローラによってスプロケット31に供給テープ60が送り込まれるときにはボールが外側先端部74asに当り確りと支持され、また、スプロケット31に供給テープ60が送り込まれてからはスプロケット31による供給テープ送りの妨げに極力ならないように圧縮されてボールが下がるように設定されている。
【0041】
供給テープ自動装着部20Aまたは20Bから送出される供給テープ60の先端は、図5に示すキャリアテープ61の両側がテープシュート2sを摺動しながら、装着ローラ駆動モータ23等によって挿入ローラ71Aまで移動してくる。そこで、制御装置80は、挿入ローラ駆動モータ73を始動する。その駆動タイミングは、装着ローラ駆動モータ23と同時期でもよいし、装着ローラ駆動モータ23の駆動後あるいは、挿入確認センサ27が供給テープ60を検出したときから一定時間後としてもよい。
【0042】
図8は、供給テープ60が挿入ローラ71にきたときの状態を示した図であり、75は挿入部テープ案内押付手段であり、本実施例では板バネで構成している。板バネは、テープシュータ2sに徐々に近づき、挿入契合部74で接触し、その後離反する形状を有する。従って、供給テープ60は、最初、板バネ75に沿って移動し、その後、供給テープ60は、ボール74b上を滑りながらあるいはボール74bを回転させながらボール74b上を通過する。そのうち、ボール74bは、バネ74cによってスプロケット孔64に挿入され、契合する。挿入契合部74をスプロケット孔64と同じピッチで設けているので、ボール74bは、一旦スプロケット孔64に契合すると、その後は、次々とスプロケット孔64と契合していく。図7(c)は、前述の契合したときのボール74bからの作用力Fsと供給テープ60の走行方向の押出力Foと関係を示したもの、この押出力Foにより、供給テープ60はスピロケット31の方向へと移動していく。
【0043】
以上の結果、供給テープ挿入部70は、供給テープ60の上下動を抑えて安定して供給テープ60をスプロケット駆動部30へ送ることができる。
そして、供給テープ挿入部70は、前記押付力Foによって、供給テープ60を図6に示すカッター付押付手段40のカバーテープガイド42の下にキャリアテープ61を確実に挿入する。さらに、供給テープ挿入部70は、前記押付力がカッター41の負荷に打ち勝って、供給テープ60をスプロケット31と供給テープ60の契合部まで移動させることができる。このときの、本実施例における必要な前記押出力は約200gであった。
【0044】
この結果、スプロケット31の歯に供給テープ60のスプロケット孔64が確実に勘合し、スプロケット31の回転により供給テープ60を送れるようになる。従って、その後の供給テープ60の送りはスプロケット31によって行ない、部品供給装置2は電子部品の吸着を行なう。
【0045】
前述した電子部品吸着運転時の供給テープ送り時のスプロケット31の駆動時において、挿入契合部74は、次のようなスプロケット31の負荷低減機能を有する。第1に、スプロケット孔64との契合時には、ボール74bが回転することによって、スプロケット31の負荷は軽減する。第2に、スプロケット孔64との非契合時には、ボール74bの供給テープ60とのすべり又は回転によって、また、径方向の供給テープ60の押付力によってバネ74cの縮み、ボール74bの低下すことによって、スプロケット31の負荷は軽減する。即ち、挿入契合部74は、両状態時において、供給テープ60の走行方向の負荷を低減することでスプロケット31の負荷を軽減している。
【0046】
前記スプロケット31の駆動する場合のタイミングについては、位置決め補正センサ36が供給テープを認識した時からでもよいし、挿入ローラ71Aが駆動してから一定時間後でもよい。
供給テープのスプロケット孔64がスプロケット31と契合したかどうかは、撮像カメラ84よってスプロケット孔64の動きを監視する、スプロケット駆動モータモータ34の負荷電流を監視する、あるいは、簡単に一定時間後契合した判断する、などの方法を用いる。例えば、撮像カメラ84による監視では、うまく契合してないことを、円形のスプロケット孔64が楕円状になっている、あるいは、スプロケット孔64の動きが遅いなどで判断する。そして、うまく契合してないときは、挿入ローラ71あるいはスプロケット31を前後に移動させて契合させる。
【0047】
以上説明したように、本実施例よれば、スプロケット孔と契合する挿入契合部74Aを旋回させることで挿入機能を果たす挿入手段を実現し、前記挿入契合部74Aは、供給テープ60の移動方向のスプロケット31の負荷を低減する回転可能なボール74bと縮むバネ74cよって負荷低減機能を果たす負荷低減手段を実現できる。
従って、本実施例によれば、スプロケット駆動部に、特にカッターを有するスプロケット駆動部30に供給テープを確実に挿入できる部品供給装置を提供できる。
また、本実施例によれば、電子部品を吸着時において、スプロケット駆動部にとって負荷の低減した供給テープ挿入部70を有する部品供給装置を提供できる。
【0048】
図9は、挿入ローラ71の第2の実施例71Bを示した図である。第1の実施例と同一機能、同一構造を有するものは同一番号を付している。第9(a)図は、図3における前記挿入ローラ71Bの拡大図であり、同図(b)は挿入ローラの外周に設けられ、供給テープ60のスプロケット孔64と契合する挿入契合部74Bを示す図であり。同図(c)は各部の寸法関係を示した図である。
【0049】
挿入ローラ71Bは、第1の実施例と同様に、挿入契合部74Bを外周に設けたローラ71a、ローラ71aと同心円状に設けたプーリ71b及び旋回軸71cを有する。挿入契合部74Bは、第9図(b)に示すように、ローラ71aの外周部に一体あるいは固定され、契合体74が移動する円筒状の移動空間74Nを形成し、前記移動空間74Nをスプロケット孔64のピッチ間隔で設けられた移動空間形成体74f、一端をローラ71aに他端を円板74eに固定されたバネ74c、前記円板に固定され、スプロケット孔64と契合する契合体74Mである先端部が半球状の半ボール74dからなる。
【0050】
また、移動空間形成体74fの外側74fsは移動空間74Nの内側に突き出ており、その直径Dfsは、前記半ボール74dの直径Ddより大きく、円板74eの直径Deより小さくなっている。さらに、移動空間形成体74fの空間直径Dfは円板74eの直径Deより大きくなっている。即ち、これら4直径の関係は式(1)になっている。
【0051】
Df>De>Dfs>Dd (1)
式(1)の関係より次のように機能を果たすことができる。第1に、スプロケット孔64との契合時、円板74eは移動空間形成体74fの外側先端部74fsで確りと固定され、円板に固定された半ボール74dは供給テープ60へ確実に押出力を与えることができる。
第2に、移動空間形成体の外側先端部74fsは、円板が74e、即ち半ボール74dが外側に飛出ないようにする飛出防止手段としての役目も果たしている。
【0052】
第3に、半ボール74dや円板74eは、供給テープの移動方向にずれることができるので、その動きがバッファとなり、負荷低減機能の役目を果たしている。即ち、スプロケット31の駆動時において、挿入契合部74Bは、スプロケット孔64との契合時には、半ボール74dが移動方向に逃げることによって、スプロケット孔64との非契合時には、半ボール74dの前記逃げと回転とバネ74cの縮みよる半ボール74dの低下によって、スプロケット31の負荷を軽減することができる。
さらに、第4として、供給テープ60の挿入時に、半ボール74dは供給テープ60の移動方向の前後にズレる自由度を持っているので、スプロケット孔64と契合しやすい利点がある。
図10は、挿入ローラ71の第3の実施例71Cの挿入契合部74Cを示した図である。第1または第2の実施例と同一機能を同一構造を有するものは同一番号を付している。また、挿入契合部74C以外は、基本的に第1及び第2の実施例と同じである。
【0053】
挿入契合部74Cは、基本的には第2の実施例と同じである。異なる点は次の2点である。第1に、円筒体74fの空間直径Dfは円板74eの直径Deとほぼ同じであり、円筒体74fの外側先端部74fsの直径Dfsは、前記半ボール74dの直径Ddとほぼ同じである点である。即ち、式(2)の関係になっている。
【0054】
Df≒De>Dfs≒Dd (2)
第2に、押付可変手段は一端をローラ71に他端を円板74eに固定されたバネが形状記憶合金で製作された形状記憶バネ74gである点である。その記憶の仕方は、挿入時は電流をONにし、円板74eが外側先端部74fsに接触している状態(図10(a))、電子部品吸着時は電流をOFFにし、前記半ボール74dの先端がテープシュートより下になるような状態である。ON、OFFの選択は供給テープの挿入時しか使わないときをONとし、節電する。
【0055】
式(2)の関係と形状記憶バネより次のように機能を果たすことができる。実施例2の第1から第3に示した3つの機能のうち第1、第2は、本実施例でも同じある。第3の負荷低減機能の役目が異なる。電子部品吸着時、即ちスプロケット31の駆動時において、半ボール74dが前記テープシュートよりさがるので、スプロケット31の負荷を全くなくすことができる。
【0056】
形状記憶バネは74gは第1の実施例にも適用できる。また、本実施例の移動空間74Nを第2の実施例と同じよう移動空間形成体74fで形成したが、第1の実施例と同じように円筒体74aで形成してもよい。
以上説明した第2、第3の実施例おいても、第1の実施例と同様な効果を得ることができる。
【0057】
上記に説明した実施例の他、電子部品吸着時にスプロケット31の負荷を低減する方法がある。例えば、前記挿入ローラを回転させる回転手段の駆動力を低減する方法である。より具体的には、挿入ローラ駆動モータ73からの駆動力を挿入ローラから切り離す電磁クラッチあるいはトルクリミッタをモータ側あるいは挿入ローラ側に設ける。最大の負荷は、前者の場合、挿入ローラを回転させる負荷であり、後者の場合はリミッタの設定値となる。このような場合、挿入契合部74の設ける位置を挿入契合部74とスプロケット31の契合位置間の距離がスプロケット孔64のピッチの整数倍とすることで、挿入契合部74をスプロケット64孔と常に契合させ、安定した負荷とすることも可能である。
【0058】
また、さらに確実に供給テープ60の先端を挿入するために、供給テープ自動装着部20に用いた押付け手段25を設け、挿入ローラを積極的に押付けてもよい。しかし、電子部品吸着時には、その押付け力解除することが必要である。そのために、例えば、バネ25bを形状記憶合金で構成し、バネ25bに電流を流すことによって押付け力をON/OFFする。
また、上記実施形態においては、挿入契合部74の契合部の形状として球または半球としたが、径の外側に行くほど径が小さくなる形状であればよい。
【0059】
上述した供給テープ挿入部70の実施形態によれば、供給テープを自動装着後、電子部品を吸着位置に送るスプロケットに、確実に供給テープを送り込むことができる部品供給装置を提供することができる。
【0060】
最後に、全体の動きの一実施形態を図11を用いて説明する。図11においてオペレータよる操作以外の動きは、基本的には供給装置制御部80が行なう。
まず、供給テープ60が挿入されていない部品供給装置2を部品供給カート50にセッする(Step1)。第2に、部品供給装置2に既に供給テープ60が供給テープ自動装着部20にセット済みか、また、供給テープ60が吸着可能状態かを判断し、その結果をメモリ記憶する。例えばその判断は、前者は挿入確認センサ27により、後者は撮像カメラで行なう。吸着可能状態であればStep6に、二つの系統のうち両方に供給テープ60が装着されていればStep4に、片方のみであればStep3に行く(Step2)。そこで、片方のみの場合は、装着されていない供給テープ自動装着部20の系統に供給テープ60を自動装着し、その結果をメモリに記憶する(Step3)。
【0061】
第3に、供給テープ挿入部70を起動し、当該系統の供給テープ60の先端をカッターを有するスプロケット駆動部に挿入する (Step4)。
第4に、通常の電子部品の基板への吸着動作が可能か確かめる。例えば、供給テープ挿入部70の第1の実施例で説明したように、供給テープのスプロケット孔64がスプロケット31と契合したかどうかを撮像カメラ84よるスプロケット孔64の動きを監視し、うまく契合してないことを、円形のスプロケット孔64が楕円状になっている、あるいは、スプロケット孔64の動きが遅いなどで判断する(Step5)。吸着動作が可能ならば、本体1の制御部(図示せず)に挿入完了信号を送信し(Step6)、その後、本体1の指示の下、電子部品の吸着動作を実施する(Step7)。吸着動作吸着動作が不可能ならば、スプロケット31に等より契合動作を行なう(Step8)。
【0062】
第5に、Step7の吸着動作中に、挿入確認センサ27により供給テープ60の有無により終端を検出する(Step9)。
第6に、終端を検出したら、吸着位置Sと終端間に存在するA系統の残個数の吸着作業を行なう。勿論、吸着位置Sと終端間に電子部品を収納しなけばこのステップは不要である(Step10)。
【0063】
第7に、Step2で記憶したメモリの内容により、他系統の供給テープ60の存在有無と、今までの吸着個数及び現在のワークでの必要な吸着個数等により当該系統に供給テープ60をさらに自動装着する必要の要否とに基づいて次の処理を決定する(Step11)。供給テープ60が存在し、さらに自動装着が必要ならばStep3に、供給テープ60が存在し、さらに自動装着が必要なしならばStep4に、供給テープ60が存在しなく、さらに自動装着が必要ないならば、当該部品供給装置の吸着作業を終了する。
【0064】
上記動作フロー方法は一実施形態であり、例えば、(1)必ず、部品供給カート50にセットする前に専用の自動装着機あるいは人的に供給テープ60を装着するのであれば、Step1は不要であり、(2)スプロケット31にきた時は供給テープ60のスプロケット孔64と旨く契合するのであればStep5及びStep8は不要である。
【0065】
上記の動作フローの実施形態によれば、確実に供給テープを自動的に電子部品供給装置に装着でき、しかも、電子部品を確実に吸着ノズル17に吸着でき、電子部品供給装置の稼働率を向上できる方法を提供できる。
【0066】
以上のように本発明の実施形態について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0067】
1:電子部品装着装置 2:部品供給装置
2s:テープシュート 3:部品供給エリア
4:電子部品 5:基板シュート
11:装着ヘッド体 16:装着ヘッド
17:吸着ノズル 20:供給テープ自動装着部
25:装着押付手段 25a:押付け板
26:挿入検出センサ 27:挿入確認センサ
28:装着部駆動手段 30:スプロケット駆動部
31:スプロケット 34:スプロケット駆動モータ
40:カッター付押付手段 41:カッター
42:カバーテープガイド 45:電子部部品吸着孔
46:カッター付き押付け板 50:部品供給カート
60:供給テープ 64:スプロケット孔
70:供給テープ挿入部 71:挿入ローラ
73:挿入ローラ駆動モータ 74:挿入契合部
75:挿入部テープ押付手段 80:供給装置制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を収納し、テープシュート上を移動する供給テープの有するスプロケット孔と契合して回転し、前記供給テープを前記電子部品が外部から吸着される吸着位置まで移動させるスプロケットと、前記供給テープをテープシュートに押える押付け手段とを具備するスプロケット駆動部を有する部品供給装置において、
前記スプロケット駆動部の手前に設けられ、前記スプロケット孔と契合する挿入契合部を外周に複数有するローラを具備する挿入ローラ及び前記挿入ローラを回転させる回転駆動手段を具備する挿入手段と、前記スプロケット駆動部の負荷を低減する負荷低減手段を具備する供給テープ挿入部とを有することを特徴とする部品供給装置。
【請求項2】
前記供給テープは前記電子部品を収納するキャリアテープと前記キャリアテープを覆うカバーテープとを具備し、前記押え手段は前記カバーテープを切断する切断手段と、前記切断されたカバーテープが前記吸着位置を回避する手段とを具備すること特徴とする請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項3】
前記供給テープ挿入部の手前に設けられ、前記供給テープを挿入する挿入口と、前記挿入口から前記供給テープを挿入されたことを検出する供給テープ挿入検出手段と、前記挿入口の近くに設けられ、前記供給テープ挿入検出手段の結果に基づき前記供給テープを所定の位置まで移動させる装着部駆動手段とを具備する供給テープ自動装着部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の部品供給装置。
【請求項4】
前記挿入契合部は、スプロケット孔と契合する契合体と、前記契合体が移動する移動空間を形成し、前記ローラに固定または前記ローラと一体成形された移動空間形成体と、前記契合体を前記回転の外側径方向に押出すバネと、前記契合体の前記移動空間から飛出しを防ぐ飛出防止手段とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の部品供給装置。
【請求項5】
前記移動空間は円筒状であり、前記契合体は球体であることを特徴とする請求項4に記載の部品供給装置。
【請求項6】
前記移動空間は円筒状であり、前記契合体は一端側の前記スプロケット孔と契合する契合部は半球状を有し他端側は円形板に固定された形状を有することを特徴とする請求項4に記載の部品供給装置。
【請求項7】
前記円筒状の前記移動空間を円筒体で形成し、前記飛出防止手段は前記円筒体の外側先端部の直径が前記契合体の最大直径より小さいことで構成としたことを特徴とする請求項5または6に記載の部品供給装置。
【請求項8】
前記移動空間形成体は複数の前記円筒状の移動空間を有し、前記飛出防止手段は前記移動空間形成体の外側において前記移動空間に突出ており、突出た部分の前記移動空間の直径は、前記契合体の最大直径より小さいことで構成としたことを特徴とする請求項5または6に記載の部品供給装置。
【請求項9】
前記移動間の直径は前記契合体最大直径とほぼ同じであることを特徴とする請求項5または6に記載の部品供給装置。
【請求項10】
前記移動間の直径は前記契合体最大直径より大きいことを特徴とする請求項5または6に記載の部品供給装置。
【請求項11】
前記負荷低減手段は、前記球体を回転可能にしたことであることを特徴とする請求項5に記載の部品供給装置。
【請求項12】
前記負荷低減手段は、前記契合体を前記供給テープの移動方向に移動可能としたことを特徴とする請求項4に記載の部品供給装置。
【請求項13】
前記負荷低減手段は、前記バネを強制的に縮ませる手段であることを特徴とする請求項4に記載の部品供給装置。
【請求項14】
前記負荷低減手段は、前記挿入ローラを回転させる回転手段の駆動力を低減する駆動力低減手段であることを特徴とする請求項4に記載の部品供給装置。
【請求項15】
前記駆動力低減手段は、前記回転手段にクラッチまたはトルクリミッタを設けたことを特徴とする請求項14に記載の部品供給装置。
【請求項16】
前記契合体を前記供給テープに押付ける押付力が可変の押付可変手段を前記挿入契合部に設け、前記スプロケット駆動部による電子部品吸着運転時の供給テープ送り時には、前記負荷低減手段は前記押付力を低減する手段を有することを特徴とする請求項4に記載の部品供給装置。
【請求項17】
前記押付可変手段は形状記憶合金で形成されたバネであることを特徴とする請求項16に記載の部品供給装置。
【請求項18】
前記供給テープを前記スプロケット駆動部に挿入を完了し、前記完了した情報を電子部品装着装置に送信し、あるいは、前記電子部品装着装置から指令信号を受信するインターフェイスを有することを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の部品供給装置。
【請求項19】
請求項18に記載の部品供給装置を具備し、前記完了した情報に基づいて前記部品供給装置を、あるいは電子部品の装着を制御することを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項1】
電子部品を収納し、テープシュート上を移動する供給テープの有するスプロケット孔と契合して回転し、前記供給テープを前記電子部品が外部から吸着される吸着位置まで移動させるスプロケットと、前記供給テープをテープシュートに押える押付け手段とを具備するスプロケット駆動部を有する部品供給装置において、
前記スプロケット駆動部の手前に設けられ、前記スプロケット孔と契合する挿入契合部を外周に複数有するローラを具備する挿入ローラ及び前記挿入ローラを回転させる回転駆動手段を具備する挿入手段と、前記スプロケット駆動部の負荷を低減する負荷低減手段を具備する供給テープ挿入部とを有することを特徴とする部品供給装置。
【請求項2】
前記供給テープは前記電子部品を収納するキャリアテープと前記キャリアテープを覆うカバーテープとを具備し、前記押え手段は前記カバーテープを切断する切断手段と、前記切断されたカバーテープが前記吸着位置を回避する手段とを具備すること特徴とする請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項3】
前記供給テープ挿入部の手前に設けられ、前記供給テープを挿入する挿入口と、前記挿入口から前記供給テープを挿入されたことを検出する供給テープ挿入検出手段と、前記挿入口の近くに設けられ、前記供給テープ挿入検出手段の結果に基づき前記供給テープを所定の位置まで移動させる装着部駆動手段とを具備する供給テープ自動装着部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の部品供給装置。
【請求項4】
前記挿入契合部は、スプロケット孔と契合する契合体と、前記契合体が移動する移動空間を形成し、前記ローラに固定または前記ローラと一体成形された移動空間形成体と、前記契合体を前記回転の外側径方向に押出すバネと、前記契合体の前記移動空間から飛出しを防ぐ飛出防止手段とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の部品供給装置。
【請求項5】
前記移動空間は円筒状であり、前記契合体は球体であることを特徴とする請求項4に記載の部品供給装置。
【請求項6】
前記移動空間は円筒状であり、前記契合体は一端側の前記スプロケット孔と契合する契合部は半球状を有し他端側は円形板に固定された形状を有することを特徴とする請求項4に記載の部品供給装置。
【請求項7】
前記円筒状の前記移動空間を円筒体で形成し、前記飛出防止手段は前記円筒体の外側先端部の直径が前記契合体の最大直径より小さいことで構成としたことを特徴とする請求項5または6に記載の部品供給装置。
【請求項8】
前記移動空間形成体は複数の前記円筒状の移動空間を有し、前記飛出防止手段は前記移動空間形成体の外側において前記移動空間に突出ており、突出た部分の前記移動空間の直径は、前記契合体の最大直径より小さいことで構成としたことを特徴とする請求項5または6に記載の部品供給装置。
【請求項9】
前記移動間の直径は前記契合体最大直径とほぼ同じであることを特徴とする請求項5または6に記載の部品供給装置。
【請求項10】
前記移動間の直径は前記契合体最大直径より大きいことを特徴とする請求項5または6に記載の部品供給装置。
【請求項11】
前記負荷低減手段は、前記球体を回転可能にしたことであることを特徴とする請求項5に記載の部品供給装置。
【請求項12】
前記負荷低減手段は、前記契合体を前記供給テープの移動方向に移動可能としたことを特徴とする請求項4に記載の部品供給装置。
【請求項13】
前記負荷低減手段は、前記バネを強制的に縮ませる手段であることを特徴とする請求項4に記載の部品供給装置。
【請求項14】
前記負荷低減手段は、前記挿入ローラを回転させる回転手段の駆動力を低減する駆動力低減手段であることを特徴とする請求項4に記載の部品供給装置。
【請求項15】
前記駆動力低減手段は、前記回転手段にクラッチまたはトルクリミッタを設けたことを特徴とする請求項14に記載の部品供給装置。
【請求項16】
前記契合体を前記供給テープに押付ける押付力が可変の押付可変手段を前記挿入契合部に設け、前記スプロケット駆動部による電子部品吸着運転時の供給テープ送り時には、前記負荷低減手段は前記押付力を低減する手段を有することを特徴とする請求項4に記載の部品供給装置。
【請求項17】
前記押付可変手段は形状記憶合金で形成されたバネであることを特徴とする請求項16に記載の部品供給装置。
【請求項18】
前記供給テープを前記スプロケット駆動部に挿入を完了し、前記完了した情報を電子部品装着装置に送信し、あるいは、前記電子部品装着装置から指令信号を受信するインターフェイスを有することを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の部品供給装置。
【請求項19】
請求項18に記載の部品供給装置を具備し、前記完了した情報に基づいて前記部品供給装置を、あるいは電子部品の装着を制御することを特徴とする電子部品装着装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−245385(P2010−245385A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−93970(P2009−93970)
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【出願人】(300022504)株式会社日立ハイテクインスツルメンツ (607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【出願人】(300022504)株式会社日立ハイテクインスツルメンツ (607)
【Fターム(参考)】
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