説明

電極端子付き電池蓋、電極端子付き電池蓋の製造方法および密閉型電池

【課題】電池蓋の開口と配線との間に、電池の密封性を高くすることができるパッキンを備えた電極端子付き電池蓋を提供する。
【解決手段】本発明の電極端子付き電池蓋は、外面と内面を有し、かつ、開口を有する蓋部材と、前記蓋部材の開口を貫通した円筒部と内部フランジ部と外部フランジ部とを有するパッキンと、前記蓋部材の内面側に配置された基部と正極シートまたは負極シートに接続するための接続部と前記基部から突出し前記円筒部の内側の開口を貫通したリベット部とを有する電極接続端子と、前記蓋部材の外面側において前記リベット部と接合する外部接続端子とを備え、前記円筒部は、外側において前記蓋部材の開口の側壁に密着し、内側において前記リベット部に密着し、前記内部フランジ部は、前記基部と前記蓋部材の内面とに直接挟持され、前記外部フランジ部は、前記外部接続端子と前記蓋部材の外面とに直接挟持されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電極端子付き電池蓋、電極端子付き電池蓋の製造方法および密閉型電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、内部に電解液を有する密閉型電池、例えば、リチウム二次電池、ニッケル・水素電池などは、様々な用途に用いられている。
このような密閉型電池は、一般的にセパレータを介して配置された正極シートと負極シートと、電解液とを内部に収容した電池ケースに電池蓋を接合した構造を有している。この正極シートおよび負極シートは、それぞれ異なる外部接続端子に電気的に接続され、外部接続端子を介して充電または放電を行う。正極シートおよび負極シート(これらのシートを電極シートという)と、外部接続端子を電気的に接続する方法は、電池により様々であるが、電池蓋の開口を貫通した配線を介して電気的に接続する方法が一般的に知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−277604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、電極シートと外部接続端子とを電池蓋の開口を貫通した配線を介して電気的に接続させた場合、電池蓋の開口と前記配線との間にパッキンなどを設け電池の密封性を高くし、電解液の漏れの防止や外部からの密閉型電池内部への水分の侵入の防止を図る必要がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、電池蓋の開口と配線との間に、電池の密封性を高くすることができるパッキンを備えた電極端子付き電池蓋を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、セパレータを介して配置された正極シートおよび負極シートと、電解液とを収容する電池ケースを密閉するための電極端子付き電池蓋であって、外面と内面を有し、かつ、開口を有する蓋部材と、前記蓋部材の開口を貫通した円筒部と内部フランジ部と外部フランジ部とを有するパッキンと、前記蓋部材の内面側に配置された基部と正極シートまたは負極シートに接続するための接続部と前記基部から突出し前記円筒部の内側の開口を貫通したリベット部とを有する電極接続端子と、前記蓋部材の外面側において前記リベット部と接合する外部接続端子とを備え、前記円筒部は、外側において前記蓋部材の開口の側壁に密着し、内側において前記リベット部に密着し、前記内部フランジ部は、前記基部と前記蓋部材の内面とに直接挟持され、前記外部フランジ部は、前記外部接続端子と前記蓋部材の外面とに直接挟持されることを特徴とする電極端子付き電池蓋を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、蓋部材の開口を貫通した電極接続端子のリベット部が外部接続端子と接合しているため、電極接続端子を介して電極シートと外部接続端子を電気的に接続することができる。この外部接続端子に外部配線を接続させることより、密閉型電池の充電または放電を行うことができる。また、電極接続端子の一部であるリベット部が蓋部材の開口を貫通し、外部接続端子と接合するため、電極シートと外部接続端子との間の配線部品の接合面をより少なくすることができ、この接合面による電気抵抗の増加を抑制することができる。
本発明によれば、蓋部材の開口を貫通したパッキンの円筒部は、外側において蓋部材の開口の側壁に密着し、内側において電極接続端子のリベット部に密着しているため、電池内部の電解液の漏れや外部からの電池内部への水分の侵入を防止することができ、電池の密封性を高くすることができる。
【0007】
本発明によれば、電極接続端子と蓋部材との間に配置されたパッキンは、電極接続端子の基部と蓋部材の内面とに直接挟持された内部フランジ部と、外部接続端子と蓋部材の外面とに直接挟持された外部フランジ部を有するため、パッキンと電極接続端子との接触面積およびパッキンと蓋部材との接触面積を広くすることができ、電池の密封性を高くすることができる。
本発明によれば、パッキンの内部フランジ部と蓋部材の内面とが接触する面と、パッキンの円筒部と蓋部材の開口の側壁が接触する曲面との間の角部において、パッキンと蓋部材をより強く密着させることができ、パッキンの外部フランジ部と蓋部材の外面とが接触する面と、パッキンの円筒部と蓋部材の開口の側壁が接触する曲面との間の角部において、パッキンと蓋部材をより強く密着させることができる。この2つの角部において、パッキンと蓋部材とをより強く密着させることができるため、電池の密封性をより高くすることができる。
本発明によれば、円筒部と内部フランジ部と外部フランジ部とを有する形状のパッキンを蓋部材に取り付ける際に、電極接続端子、外部接続端子および蓋部材を一体化すると同時にパッキンを装着することができるため、より製造工程を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態の電極端子付き電池蓋の概略上面図である。
【図2】図1の点線A−Aにおける電極端子付き電池蓋の概略断面図である。
【図3】図2の点線で囲んだ範囲Bの拡大図である。
【図4】図3の点線で囲んだ範囲Cの拡大図である。
【図5】従来の電極端子付き電池蓋の一部の概略断面図である。
【図6】(a)は本発明の一実施形態の電極端子付き電池蓋の部品である電極接続端子の概略上面図であり、(b)は、本発明の一実施形態の電極端子付き電池蓋の部品である電極接続端子の概略側面図である。
【図7】(a)は本発明の一実施形態の電極端子付き電池蓋の部品であるパッキンの概略上面図であり、(b)は、(a)の点線G−Gの概略断面図である。
【図8】(a)は本発明の一実施形態の電極端子付き電池蓋の部品である内部絶縁部材の概略平面図であり、(b)は、(a)の点線H−Hの概略断面図である。
【図9】(a)は本発明の一実施形態の電極端子付き電池蓋の部品である蓋部材の概略平面図であり、(b)は、(a)の点線I−Iの概略断面図である。
【図10】(a)は本発明の一実施形態の電極端子付き電池蓋の部品である外部絶縁部材の概略平面図であり、(b)は、(a)の点線J−Jの概略断面図である。
【図11】(a)は本発明の一実施形態の電極端子付き電池蓋の部品である外部接続端子の概略平面図であり、(b)は、(a)の点線K−Kの概略断面図である。
【図12】本発明の一実施形態の電極端子付き電池蓋の製造方法を説明する説明図である。
【図13】本発明の一実施形態の密閉型電池の概略上面図である。
【図14】本発明の一実施形態の密閉型電池の概略側面図である。
【図15】図13の点線L−Lにおける密閉型電池の概略断面図である。
【図16】図14の点線M−Mにおける密閉型電池の概略断面図である。
【図17】(a)は本発明の一実施形態の密閉型電池に含まれる正極シートの概略平面図であり、(b)は(a)の点線N−Nの概略断面図である。
【図18】(a)は本発明の一実施形態の密閉型電池に含まれる負極シートの概略平面図であり、(b)は(a)の点線O−Oの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の電極端子付き電池蓋は、セパレータを介して配置された正極シートおよび負極シートと、電解液とを収容する電池ケースを密閉するための電極端子付き電池蓋であって、外面と内面を有し、かつ、開口を有する蓋部材と、前記蓋部材の開口を貫通した円筒部と内部フランジ部と外部フランジ部とを有するパッキンと、前記蓋部材の内面側に配置された基部と正極シートまたは負極シートに接続するための接続部と前記基部から突出し前記円筒部の内側の開口を貫通したリベット部とを有する電極接続端子と、前記蓋部材の外面側において前記リベット部と接合する外部接続端子とを備え、前記円筒部は、外側において前記蓋部材の開口の側壁に密着し、内側において前記リベット部に密着し、前記内部フランジ部は、前記基部と前記蓋部材の内面とに直接挟持され、前記外部フランジ部は、前記外部接続端子と前記蓋部材の外面とに直接挟持されることを特徴とする。
【0010】
電極端子付き電池蓋とは、電池反応を行う電極シートおよび電解質を収容する容器の蓋であり、電極シートと接続するための電極接続端子と、電池が放電または充電するために外部配線と接続するための外接続端子とを備えた電池蓋である。
密閉型電池とは、密閉された構造を有する電池であり、例えば、リチウムイオン二次電池、ニッケル・水素二次電池、ニッケル・カドミウム二次電池等である。
【0011】
本発明の電極端子付き電池蓋において、前記外部接続端子は、前記リベット部が貫通した開口を有し、かつ、前記リベット部の端をかしめることにより前記リベット部と接合したことが好ましい。
このような構成によれば、電極接続端子と外部接続端子とを容易に接合することができ、電極シートと外部接続端子との間の配線部品の接合面をより少なくすることができる。
本発明の電極端子付き電池蓋において、前記パッキンは、フッ素樹脂からなることが好ましい。
このような構成によれば、パッキンと電極接続端子との密着性、およびパッキンと蓋部材との密着性をより高くすることができ、電池の密封性をより高くすることができる。
【0012】
本発明の電極端子付き電池蓋において、前記電極接続端子の基部と前記蓋部材の内面とに挟持され、かつ、開口を有する内部絶縁部材と、前記外部接続端子と前記蓋部材の外面とに挟持され、かつ、開口を有する外部絶縁部材とをさらに備え、前記リベット部は、前記内部絶縁部材の開口と前記外部絶縁部材の開口とを貫通し、前記内部フランジ部は、前記内部絶縁部材の開口中に設けられ、前記外部フランジ部は、前記外部絶縁部材の開口中に設けられたことが好ましい。
このような構成によれば、電極接続端子と蓋部材との間でリーク電流が流れることを防止することができ、外部接続端子と蓋部材との間でリーク電流が流れることを防止することができる。
本発明の電極端子付き電池蓋において、前記内部フランジ部は、前記内部絶縁部材の開口の側壁に密着し、前記外部フランジ部は、前記外部絶縁部材の開口の側壁に密着することが好ましい。
このような構成によれば、内部絶縁部材および外部絶縁部材を固定することができる。
【0013】
本発明の電極端子付き電池蓋において、前記外部絶縁部材の開口は、前記パッキンの円筒部の外径より大きい直径を有することが好ましい。
このような構成によれば、パッキンの一部を変形させ外部絶縁部材の開口中に外部フランジ部を形成することができる。
また、本発明は、本発明の電極端子付き電池蓋と接合した電池ケースの内部に、セパレータと、前記セパレータを介して配置された正極シートおよび負極シートと、電解液とを備え、前記電極接続端子、前記パッキン、前記内部絶縁部材、前記外部絶縁部材および前記外部接続端子は、それぞれ複数であり、前記正極シートおよび前記負極シートは、それぞれ異なる前記電極接続端子に接合した密閉型電池も提供する。
本発明の密閉型電池によれば、より密封性の高い密閉型電池を提供することができる。
【0014】
また、本発明は、本発明の電極端子付き電池蓋の製造方法であって、内部フランジ部と円筒部を有するパッキンの前記円筒部の内側の開口と、内部絶縁部材の開口と、蓋部材の開口と、外部絶縁部材の開口と、外部接続端子の開口とを、基部および前記基部から突出したリベット部を有する電極接続端子の前記リベット部が貫通した状態で前記リベット部の端をかしめる工程を備え、前記リベット部の端をかしめる工程において、前記リベット部は前記外部接続端子と接合し、かつ、前記外部接続端子が前記円筒部の端に圧接することにより前記円筒部の端部が変形し前記外部フランジ部が形成される電極端子付き電池蓋の製造方法も提供する。
本発明の電極端子付き電池蓋の製造方法によれば、円筒部の端部を変形させ外部フランジ部を形成でき、電池内部の電解液の漏れや外部からの電池内部への水分の侵入を防止することができる電極端子付き電池蓋を製造することができる。
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
【0016】
電極端子付き電池蓋
図1は、本発明の一実施形態の電極端子付き電池蓋の概略上面図であり、図2は、図1の点線A−Aにおける電極端子付き電池蓋の概略断面図であり、図3は、図2の点線で囲んだ範囲Bの拡大図であり、図4は、図3の点線で囲んだ範囲Cの拡大図である。
【0017】
本実施形態の電極端子付き電池蓋17は、セパレータ24を介して配置された正極シート21および負極シート22と、電解液とを収容する電池ケース1を密閉するための電極端子付き電池蓋17であって、外面と内面を有し、かつ、開口を有する蓋部材2と、蓋部材2の開口を貫通した円筒部30と内部フランジ部31と外部フランジ部43とを有するパッキン13と、蓋部材2の内面側に配置された基部15と正極シート21または負極シート22に接続するための接続部16と基部15から突出し円筒部30の内側の開口を貫通したリベット部14とを有する電極接続端子5と、蓋部材2の外面側においてリベット部14と接合する外部接続端子8とを備え、円筒部30は、外側において蓋部材2の開口の側壁に密着し、内側においてリベット部14に密着し、内部フランジ部31は、基部15と蓋部材2の内面とに直接挟持され、外部フランジ部43は、外部接続端子8と蓋部材2の外面とに直接挟持されることを特徴とする。
また、本実施形態の電極端子付き電池蓋17は、パッキン13、電極接続端子5、外部接続端子8をそれぞれ複数備えてもよく、複数のパッキン13には、正極用パッキン13aおよび負極用パッキン13bが含まれ、複数の電極接続端子5には、正極接続端子3および負極接続端子4が含まれ、複数の外部接続端子8には、正極用外部接続端子8aおよび負極用外部接続端子8bが含まれる。
【0018】
また、本実施形態の電極端子付き電池蓋17は、内部絶縁部材11、外部絶縁部材10およびねじ部材6をそれぞれ複数備えてもよく、複数の内部絶縁部材11には、正極用内部絶縁部材11aおよび負極用内部絶縁部材11bが含まれ、複数の外部絶縁部材10には、正極用外部絶縁部材10aおよび負極用外部絶縁部材10bが含まれ、複数のねじ部材6には、正極用ねじ部材6aおよび負極用ねじ部材6bが含まれる。
また、正極接続端子3、正極用内部絶縁部材11a、正極用パッキン13a、正極用絶縁部材10a、正極用外部絶縁部材10aおよび正極用ねじ部材6aが一組となり蓋部材2と一体化されてもよく、負極接続端子3、負極用内部絶縁部材11b、負極用パッキン13b、負極用絶縁部材10b、負極用外部絶縁部材10bおよび負極用ねじ部材6bが一組となり蓋部材2と一体化されてもよい。
以下に電極端子付き電池蓋17の各構成要素および製造方法について説明する。
【0019】
1.電極接続端子
電極接続端子5は、蓋部材2の内面側に配置される基部15と、正極シート21または負極シート22に接続するための接続部16と、基部15から突出し、かつ、円筒部30の内側の開口29を貫通し、かつ、円筒部30の内面に密着したリベット部14とを有する。また、電極接続端子5は、複数であってもよく、複数の電極接続端子5には、正極接続端子3と負極接続端子4とが含まれる。
正極接続端子3は、接続部16において正極シート21と接続可能であり、リベット部14が正極用外部接続端子8aと接合する。
負極接続端子4は、接続部16において負極シート22と接続可能であり、リベット部14が負極用外部接続端子8bと接合する。
【0020】
正極接続端子3、負極接続端子4の材料は特に限定されないが、例えば、正極接続端子3は、例えばアルミニウムとすることができ、負極接続端子4は、例えば銅とすることができる。
電極接続端子5の製造方法は、特に限定されないが、例えば、金属板をプレス加工することにより製造することができる。また、リベット部14は絞り加工により形成することができる。
【0021】
電極接続端子5は、例えば、図2、図3のような構造を有しており、平板状の基部15の一方の面が内部絶縁部材11およびパッキン13の内部フランジ部31と面接触しており、基部15から突出したリベット部14が、パッキン13の開口29、内部絶縁部材11の開口33、蓋部材2の開口34、外部絶縁部材10の開口35および外部接続端子8の開口36を貫通し、外部接続端子8と接合する。
電極接続端子5は、外部接続端子8と接合する前において、図6(a)(b)のような構造を有することができる。また、電極接続端子5の接続部16は、図6のようにコの字型の構造を有することができ、対向する金属板の外側の2つの面にそれぞれ電極シート18を接合することができる。
【0022】
2.パッキン
パッキン13は、蓋部材2の開口34を貫通し、かつ、蓋部材2の開口34の側壁に密着した円筒部30と、電極接続端子5の基部15と蓋部材2の内面とに直接挟持された内部フランジ部31と、外部接続端子8と蓋部材2の外面とに直接挟持された外部フランジ部43とを有する。このことにより、電極接続端子5と蓋部材2との間にパッキンを挟むことができ、電極接続端子5と蓋部材2との間の隙間に電解液などの液体が流通することを防止することができる。
また、パッキン13は複数であってもよく、複数のパッキン13は、正極用パッキン13aと負極用パッキン13bを含む。正極用パッキン13aの円筒部30の内側の開口には、正極接続端子3のリベット部14が貫通しており、負極用パッキン13の円筒部30の内側の開口には、負極接続端子4のリベット部が貫通している。
正極用パッキン13aおよび負極用パッキン13bは、蓋部材2のそれぞれ異なる開口34を貫通する。
【0023】
また、正極用パッキン13aの内部フランジ部31は、正極接続端子3の基部15と蓋部材2の内面とに直接挟持され、正極接続端子3の基部15と蓋部材2の内面とにそれぞれ密着する。正極用パッキン13aの外部フランジ部43は、正極用外部接続端子8aと蓋部材2の外面とに直接挟持され、正極用外部接続端子8aと蓋部材2の外面とにそれぞれ密着する。
また、負極用パッキン13bの内部フランジ部31は、負極接続端子4の基部15と蓋部材2の内面とに直接挟持され、負極接続端子4の基部15と蓋部材2の内面とにそれぞれ密着する。負極用パッキン13bの外部フランジ部43は、負極用外部接続端子8bと蓋部材2の外面とに直接挟持され、負極用外部接続端子8bと蓋部材2の外面とにそれぞれ密着する。
【0024】
また、内部フランジ部31および外部フランジ部43は、円筒部30の外側の方向の突縁を形成することができ、外部フランジ部43の突端は内部フランジ部31の突端に比べ円筒部13の外周に近いように設けることができる。このことにより、パッキンの一部を変形させることにより外部フランジ部43を容易に形成することができる。例えば、図4のように、外部フランジ部43の突端と円筒部13の外周との距離aは、内部フランジ部31の突端と円筒部13の外周との距離bより短くすることができる。
【0025】
内部フランジ部31は、内部絶縁部材11の開口33中に設けることができ、外部フランジ部43は、外部絶縁部材10の開口35中に設けることができる。また、内部フランジ部31は、内部絶縁部材11の開口33の側壁と密着するように設けることができ、外部フランジ部43は、外部絶縁部材10の開口35の側壁と密着するように設けることができる。このことにより、内部絶縁部材11および外部絶縁部材10を固定することができる。
【0026】
パッキン13の材料は、電極接続端子5と蓋部材2との間に配置することができ、電解液などの液体の流通を防止することができるものであって、リベット部14の端をかしめた際に変形することができる程度に軟らかい材質であれば特に限定されない。好ましくは、耐有機溶剤性を有している方がよい。例として挙げるならば、フッ素樹脂であり、好ましくは、PFAまたはFEPである。
【0027】
パッキン13は、例えば、図3、図4のような構造を有することができる。円筒部30を挟むように内部フランジ部31と外部フランジ部43が形成され、内部フランジ部31、円筒部30および外部フランジ部43は、コの字型となり、この内側で蓋部材2の開口34を形成する端部に密着している。電極接続端子5と外部接続端子8を一体化することにより電極接続端子5の基部15と外部接続端子8により挟まれ圧迫されるため、このコの字型の角部、つまり図4の点線で囲んだ角部D、Eの両方において、蓋部材2とパッキン13はより強く密着することができる。このため、蓋部材2とパッキン13との間の隙間を電解液などの液体が流通することを防止することができ、電池の密封性をより高くすることができる。
【0028】
図5は、従来の電極端子付き蓋部材の一部の概略断面図であり、図4に対応する断面図である。従来の電極端子付き蓋部材のパッキン13は外部フランジ部43を有しておらず、蓋部材2とパッキン13が強く密着する角部は、図5の点線で囲んだ角部Fの一箇所となる。従って、従来の電極端子付き蓋部材を用いた密閉性電池に比べて、本実施形態の電極端子付き電池蓋17を用いた密閉性電池は、密封性がより高くなる。
【0029】
図7(a)は、電極接続端子5のリベット部14が外部接続端子8に接合する前の段階で、パッキン13が変形する前のパッキン13の概略上面図であり、図7(b)は、図7(a)の点線G−Gにおけるパッキン13の概略断面図である。この変形前のパッキン13は、開口29の周りに円筒部30および内部フランジ部31を有する。
【0030】
3.内部絶縁部材
図8(a)は、内部絶縁部材11の概略平面図であり、図8(b)は図8(a)の点線H−Hにおける内部絶縁部材11の概略断面図である。
内部絶縁部材11は、電極接続端子5の基部15と蓋部材2の内面とに挟持され、かつ、開口33を有する。開口33には、電極接続端子5のリベット部14が貫通する。また、開口33中には、パッキン13の内部フランジ部31が形成されてもよい。内部絶縁部材11を設けることにより、電極接続端子5と蓋部材2とを非接触で設けることができ、リーク電流が流れることを防止することができる。
内部絶縁部材11は、複数であってもよく、複数の内部絶縁部材11には、正極用内部絶縁部材11aおよび負極用内部絶縁部材11bが含まれる。正極用内部絶縁部材11aは、正極接続端子3の基部15と蓋部材2の内面とに挟持され、負極用内部絶縁部材11bは、負極接続端子4の基部15と蓋部材2の内面とに挟持される。
内部絶縁部材11の材料は、電極接続端子5と蓋部材2とを電気的に絶縁することができれば特に限定されないが、例えば、ポリフェニレンサルフィド樹脂(PPS)または硬質ポリプロピレン(硬質PP)である。
【0031】
4.蓋部材
図9(a)は、蓋部材2の概略平面図であり、図9(b)は、図9(a)の点線I−Iにおける蓋部材2の概略断面図である。
蓋部材2は電極接続端子5のリベット部14およびパッキン13の円筒部30が貫通する開口34を有する。また、蓋部材2は端部において電池ケース1と接合することができる。
蓋部材2の開口34は、複数であってもよい。また、2つの開口34には、それぞれ正極接続端子3のリベット部14および負極接続端子4のリベット部14が貫通していてもよい。
蓋部材2の材料は、蓋部材2と電池ケース1とを接合しても大きく変形しない材料であれば特に限定されないが、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、ステンレス等の金属材料、該金属材料にニッケル、スズ、クロム、亜鉛等をメッキしたものや、硬質プラスチックなどの材料が挙げられる。
【0032】
5.外部絶縁部材
図10(a)は、外部絶縁部材10の概略平面図であり、図10(b)は、図10(a)の点線J−Jにおける外部絶縁部材10の概略断面図である。
外部絶縁部材10は、外部接続端子8と蓋部材2の外面とに挟持され、かつ、開口35を有する。開口35には、電極接続端子5のリベット部14が貫通する。また、開口35中には、パッキン13の外部フランジ部43が形成されてもよい。外部絶縁部材10を設けることにより、外部接続端子8と蓋部材2とを非接触で設けることができ、リーク電流が流れることを防止することができる。
外部絶縁部材10は、複数であってもよく、複数の外部絶縁部材10には、正極用外部絶縁部材10aおよび負極用外部絶縁部材10bが含まれる。正極用外部絶縁部材10aは、正極用外部接続端子8aと蓋部材2の外面とに挟持され、負極用外部絶縁部材10bは、負極用外部接続端子8bと蓋部材2の外面とに挟持される。
外部絶縁部材10の材料は、外部接続端子8と蓋部材2とを電気的に絶縁することができれば特に限定されないが、例えば、ポリフェニレンサルフィド樹脂(PPS)または硬質ポリプロピレン(硬質PP)である。
【0033】
6.外部接続端子
外部接続端子8は、蓋部材2の外面側に配置され、電極接続端子5のリベット部14と接合する。また、外部接続端子8は、電極接続端子5のリベット部14が貫通した開口36を有してもよく、リベット部14の端をかしめることによりリベット部14と接合してもよい。また、外部接続端子8は、ねじ部材6が貫通する開口37を有してもよく、ねじ部材6と接合することができる。さらに外部接続端子8は、開口37の周りに外部接続部38を有してもよい。外部接続部38を有することにより、外部接続端子8と外部配線を接続することができる。
外部接続端子8は、複数であってもよく、複数の外部接続端子8には正極用外部接続端子8aおよび負極用外部接続端子8bが含まれる。正極用外部接続端子8aは、正極接続端子3のリベット部14と接合し、負極用外部接続端子8bは、負極接続端子4と接合する。また、正極用外部接続端子8aは、正極用ねじ部材6aと接合することができ、負極用外部接続端子8bは、負極用ねじ部材6bと接合することができる。
外部接続端子8の材料は、外部配線と接続する端子となる金属板であれば特に限定されないが、例えば、アルミニウム板である。
【0034】
図11(a)は、電極接続端子5のリベット部14およびねじ部材6が接合する前の外部接続端子8の概略平面図であり、図11(b)は図11(a)の点線K−Kにおける外部接続端子8の概略断面図である。外部接続端子8は、図11のように、電極接続端子5のリベット部14が貫通する開口36の周りの平板部と、外部接続部38でありねじ部材6が貫通する開口37の周りの平板部とを高さが異なるように有してもよい。このとき、開口36の周りの平板部と蓋部材2の外面との間に外部フランジ部43が直接挟持される。
【0035】
7.ねじ部材
ねじ部材6は、外部接続端子8の開口37を貫通し、外部接続端子8と接合する。ねじ部材6は雄ねじ構造を有してもよい。ねじ部材6が雄ねじ構造を有する場合、雄ねじ構造に外部配線となる金属板の開口を貫通させ、雄ねじをナットなどと締め合わせることにより、外部接続端子8と外部配線とを接続することができる。
ねじ部材6を外部接続端子8に接合させる方法は特に限定されないが、例えば、ねじ部材6を外部接続端子8の開口37を貫通させ、ねじ部材の端をかしめることにより、接合することができる。
【0036】
8.電極端子付き電池蓋の製造方法
本実施形態の電極端子付き電池蓋17は、内部フランジ部31と円筒部30を有するパッキン13の円筒部30の内側の開口29と、内部絶縁部材11の開口33と、蓋部材2の開口34と、外部絶縁部材10の開口35と、外部接続端子8の開口36とを、基部15および基部15から突出したリベット部14を有する電極接続端子5のリベット部14が貫通した状態でリベット部14の端をかしめる工程を備え、リベット部14の端をかしめる工程において、リベット部14は外部接続端子8と接合し、かつ、外部接続端子8が円筒部30の端に圧接することにより円筒部30の端部が変形し外部フランジ部43が形成される電極端子付き電池蓋17の製造方法により製造することができる。
【0037】
図12は、本実施形態の電極端子付き電池蓋14の製造方法を説明するための説明図である。また、図12は、電極接続端子5のリベット部14が外部接続端子8と接合する前の段階であって、リベット部14が、パッキン13の開口29、内部絶縁部材5の開口33、蓋部材2の開口34、外部絶縁部材10の開口35および外部接続端子8の開口36を貫通した状態の概略断面図であり、図3に対応する。また、図12には、リベット部14の端をかしめるために用いる金型40と押圧用部材41も図示している。図12のような状態で、金型40と押圧用部材41を用いて電極接続端子5のリベット部14の端をかしめる工程を行うことにより、リベット部14が変形し、リベット部14と外部接続端子8とを接合することができる。また、リベット部14の端をかしめることにより、電極接続端子5と外部接続端子8とで、パッキン13、内部絶縁部材11、蓋部材2および外部絶縁部材10を挟持することができ、固定することができる。
【0038】
また、図6(a)に示したリベット部14の外径c(図12に示した距離r)、図7(a)に示したパッキン13の開口29の直径d(図12に示した距離r)および図11に示した外部接続端子8の開口36の直径q(図12に示した距離r)は、実質的に同じであってもよい。この場合、リベット部14の端をかしめる工程を行うことにより、リベット部14の外周とパッキン13の内側の開口29の側壁とを密着させることができる。また、電極接続端子5と外部接続端子8との接合面積を広くすることができる。また、リベット部14の端をかしめる際、外部接続端子8をパッキン13の円筒部30の端に圧接させることができ、円筒部30を変形させることができる。
【0039】
図7(a)に示した円筒部30の外径f(図12に示した距離s)は、図9に示した蓋部材2の開口34の直径k(図12に示した距離s)と実質的に同じであってもよい。この場合、リベット部14の端をかしめる工程を行うことによりパッキン13の外周面と蓋部材2の開口34の側面とを密着させることができる。
【0040】
図7(b)に示したパッキン13の内部フランジ部31の厚さg(図12に示した距離x)は、図8(b)に示した内部絶縁部材11の厚さj(図12に示した距離z)よりも厚く、図7(a)に示したパッキン13の内部フランジ部31の外径e(図12に示した距離u)は、図8(a)に示した内部絶縁部材11の開口33の直径i(図12に示した距離v)より小さくてもよい。この場合、リベット部14の端をかしめる工程を行うことにより、電極接続端子5の基部15と蓋部材2の裏面とで内部フランジ部31を圧縮変形させることができ、内部フランジ部31を電極接続端子5および蓋部材2の裏面に密着させることができる。また、内部フランジ部31は、側壁が内部絶縁部材11の開口33の側壁に密着するように圧縮変形することができ、内部絶縁部材11を固定することができる。
【0041】
図7(b)に示したパッキン13の円筒部30の長さh(図12に示した距離w)は、図9(b)に示した蓋部材2の厚さmと図10に示した外部絶縁部材10の厚さpとの和(図12に示した距離y)よりも長く、図7(a)に示したパッキン13の円筒部30の外径f(図12に示した距離s)は、図10(a)に示した外部絶縁部材10の開口35の直径n(図12に示した距離t)よりも小さくてもよい。この場合、リベット部14の端をかしめる工程を行うことにより、外部接続端子8がパッキン13の円筒部30の端に圧接し、円筒部30の端部を圧縮変形させ、外部フランジ部43を形成することができる。また、外部フランジ部43を蓋部材2の外面および外部接続端子8に密着させることができる。外部フランジ部43は、側壁が外部絶縁部材10の開口35の側壁に密着するように形成することができ、外部絶縁部材10を固定することができる。
【0042】
上記したような電極端子付き電池蓋17の製造方法を採用することにより、円筒部30と内部フランジ部31と外部フランジ部43とを有する形状のパッキン13を蓋部材2に取り付ける際に、射出成型などにより予め蓋部材にパッキンを形成しておく必要がなく、端子と蓋部材2を一体化すると同時に蓋部材2にパッキン13を装着することができ、製造工程における組み立て性の向上を図ることが可能となる。
【0043】
密閉型電池
図13は、本発明の一実施形態の密閉型電池の概略上面図であり、図14は、本発明の一実施形態の密閉型電池の概略側面図である。また、図15は図13の点線L−Lにおける密閉型電池の概略断面図であり、図16は図14の点線M−Mにおける密閉型電池の概略断面図である。
本実施形態の密閉型電池20は、電極端子付き電池蓋17と接合した電池ケース1の内部に、セパレータ24と、セパレータ24を介して配置された正極シート21および負極シート22と、電解液とを備え、電極接続端子5、パッキン13、内部絶縁部材11、外部絶縁部材10および外部接続端子8は、それぞれ複数であり、正極シート21および負極シート22は、それぞれ異なる電極接続端子5に接合する。
【0044】
本実施形態の密閉型電池20は、電極端子付き電池蓋17に含まれる電極接続端子5に発電要素12を接合し、この発電要素12を電池ケース1の内部に収容すると共に電池ケース1の開口に蓋部材2を嵌合させ、電池ケース1と蓋部材2とを接合し、電池ケース1の内部に電解液を注入することにより製造することができる。
以下、本実施形態の密閉型電池の電極端子付き電池蓋17以外の構成要素について説明する。
【0045】
1.発電要素
発電要素12は、電池ケース1内部に充填された電解液と共に電池反応をする。この電池反応により密閉型電池20は、放電、充電をすることができる。発電要素12は、セパレータ24と、セパレータ24を介して配置された正極シート21および負極シート22を備える。発電要素12は、例えば、図16のように、蛇腹折りされたセパレータ24と、セパレータ24の各谷溝に配置され、かつ、セパレータ24を介して交互に配置された正極シート21および負極シート22とを備える。
【0046】
セパレータ24は、シート状であり、正極シート21と負極シート22との間に配置される。セパレータ24は、正極シート21と負極シート22との間に短絡電流が流れることを防止することができ、電解質が透過可能なものであれば特に限定されないが、例えばポリオレフィンの微多孔性フィルムとすることができる。
【0047】
正極シート21は、正極集電体27と正極集電体27の両面上にそれぞれ設けられた正極活物質層25と備える。正極シート21は、例えば、図17(a)(b)のように形成することができ、方形の正極集電体27の両面に正極活物質層25を形成することにより形成することができる。そして、正極シート21は、正極接続端子3の接続部16に接続するための接続部23を有することができ、図17(a)の接続部23は、正極シート21の端部の正極集電体27の両面上に正極活物質層25を形成しないことで設けることができる。また、正極集電体27の1つの端部に耳部を形成し、該耳部に正極活物質層25を形成しないことで接続部を設けることもできる。
【0048】
正極集電体27は、電気伝導性を有し、表面上に正極活物質層25を備えることができれば、特に限定されないが、例えば、金属箔である。好ましくはアルミニウム箔である。
正極活物質層25は、正極活物質に導電剤、結着剤などを添加し、塗布法などにより正極集電体27の上に形成することができる。正極活物質は、例えば、リチウム二次電池の場合、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24またはLiFePO4である。
【0049】
負極シート22は、負極集電体28と負極集電体28の両面上にそれぞれ設けられた負極活物質層26と備える。負極シート22は、例えば、図18(a)(b)のように形成することができ、方形の負極集電体28の両面に負極活物質層26を形成することにより形成することができる。そして、負極シート22は、負極接続端子4に接続するための接続部23を有することができ、図18(a)の接続部23は、負極シート22の端部の負極集電体27の両面上に負極活物質層26を形成しないことで設けることができる。また、負極集電体の1つの端部に耳部を形成し、該耳部に負極活物質層26を形成しないことで接続部を設けることもできる。
【0050】
負極集電体28は、電気伝導性を有し、表面上に負極活物質層26を備えることができれば、特に限定されないが、例えば、金属箔である。好ましくは銅箔である。
負極活物質層26は、負極活物質に導電剤、結着剤などを添加し、塗布法などにより負極集電体28の上に形成することができる。負極活物質は、例えば、リチウム二次電池の場合、グラファイト、部分黒鉛化した炭素、LiTiO4、Sn合金等である。
【0051】
2.電池ケース
電池ケース1は、内部に発電要素12、正極接続端子3、負極接続端子4および電解液を収容する電池ケースであり、蓋部材2と接合すれば特に限定されない。
電池ケース1の材料は、内部に発電要素12、正極接続端子3、負極接続端子4および電解液を収容しても大きく変形しない材料であれば特に限定されないが、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、ステンレス等の金属材料、該金属材料にニッケル、スズ、クロム、亜鉛等をメッキしたものや、硬質プラスチックなどである。
蓋部材2と電池ケース1とを接合する方法は、特に限定されないが、例えばレーザ溶接、抵抗溶接、超音波溶接、接着剤などによる接合である。
【0052】
3.電解液
電解液は、発電要素12を浸漬させ、電解質が溶媒に溶解したものであれば特に限定されないが、例えば、有機電解液であり、電解質としてのLiCF3SO3、LiAsF6、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiBOB等のリチウム塩溶質を有機溶媒に溶解した溶液である。また、必要に応じてVC(ビニレンカーボネート)等の添加剤を配合してもよい。
【符号の説明】
【0053】
1:電池ケース 2:蓋部材 3:正極接続端子 4:負極接続端子 5:電極接続端子 6、6a、6b:ねじ部材 8、8a、8b:外部接続端子 10、10a、10b:外部絶縁部材 11、11a、11b:内部絶縁部材 12:発電要素 13、13a、13b:パッキン 14:リベット部 15:基部 16:接続部 17:電極端子付き電池蓋 18:電極シート 20:密閉型電池 21:正極シート 22:負極シート 23:接続部 24:セパレータ 25:正極活物質層 26:負極活物質層 27:正極集電体 28:負極集電体 29、33、34、35、36、37:開口 30:円筒部 31:内部フランジ部 38:外部接続部 40:金型 41:押圧用部材 43:外部フランジ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セパレータを介して配置された正極シートおよび負極シートと、電解液とを収容する電池ケースを密閉するための電極端子付き電池蓋であって、
外面と内面を有し、かつ、開口を有する蓋部材と、前記蓋部材の開口を貫通した円筒部と内部フランジ部と外部フランジ部とを有するパッキンと、前記蓋部材の内面側に配置された基部と前記正極シートまたは前記負極シートに接続するための接続部と前記基部から突出し前記円筒部の内側の開口を貫通したリベット部とを有する電極接続端子と、前記蓋部材の外面側において前記リベット部と接合する外部接続端子とを備え、
前記円筒部は、外側において前記蓋部材の開口の側壁に密着し、内側において前記リベット部に密着し、
前記内部フランジ部は、前記基部と前記蓋部材の内面とに直接挟持され、
前記外部フランジ部は、前記外部接続端子と前記蓋部材の外面とに直接挟持されることを特徴とする電極端子付き電池蓋。
【請求項2】
前記外部接続端子は、前記リベット部が貫通した開口を有し、かつ、前記リベット部の端をかしめることにより前記リベット部と接合した請求項1に記載の電池蓋。
【請求項3】
前記パッキンは、フッ素樹脂からなる請求項1または2に記載の電池蓋。
【請求項4】
前記電極接続端子の基部と前記蓋部材の内面とに挟持され、かつ、開口を有する内部絶縁部材と、前記外部接続端子と前記蓋部材の外面とに挟持され、かつ、開口を有する外部絶縁部材とをさらに備え、
前記リベット部は、前記内部絶縁部材の開口と前記外部絶縁部材の開口とを貫通し、
前記内部フランジ部は、前記内部絶縁部材の開口中に設けられ、
前記外部フランジ部は、前記外部絶縁部材の開口中に設けられた請求項1〜3のいずれか1つに記載の電池蓋。
【請求項5】
前記内部フランジ部は、前記内部絶縁部材の開口の側壁に密着し、
前記外部フランジ部は、前記外部絶縁部材の開口の側壁に密着する請求項1〜4のいずれか1つに記載の電池蓋。
【請求項6】
前記外部絶縁部材の開口は、前記パッキンの円筒部の外径より大きい直径を有する請求項5に記載の電池蓋。
【請求項7】
請求項4〜6のいずれか1つに記載の電池蓋と接合した電池ケースの内部に、セパレータと、前記セパレータを介して配置された正極シートおよび負極シートと、電解液とを備え、
前記電極接続端子、前記パッキン、前記内部絶縁部材、前記外部絶縁部材および前記外部接続端子は、それぞれ複数であり、
前記正極シートおよび前記負極シートは、それぞれ異なる前記電極接続端子に接合した密閉型電池。
【請求項8】
請求項4〜6のいずれか1つに記載の電池蓋の製造方法であって、
内部フランジ部と円筒部を有するパッキンの前記円筒部の内側の開口と、内部絶縁部材の開口と、蓋部材の開口と、外部絶縁部材の開口と、外部接続端子の開口とを、基部および前記基部から突出したリベット部を有する電極接続端子の前記リベット部が貫通した状態で前記リベット部の端をかしめる工程を備え、
前記リベット部の端をかしめる工程において、前記リベット部は前記外部接続端子と接合し、かつ、前記外部接続端子が前記円筒部の端に圧接することにより前記円筒部の端部が変形し前記外部フランジ部が形成される電極端子付き電池蓋の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−49076(P2012−49076A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−192290(P2010−192290)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(507317502)エリーパワー株式会社 (34)
【出願人】(593160459)株式会社岩崎精機 (6)
【Fターム(参考)】