説明

電気光学装置、駆動回路および電子機器

【課題】コモン電極108の電圧を変化させる構成において横方向に発生する表示むらを抑える。
【解決手段】画素110は、一端が画素電極に接続され他端がコモン電極108に接続された画素容量とを含み、コモン電極108は、1〜320行のそれぞれに対応して設けられる。ある行に対する走査線112の選択期間において当該行に対応するコモン電極108の電圧を表示領域100の他端側で検出する。当該行の画素に対して正極性書込(または負極性)が指定されるのであれば、表示領域100の一端側のTFT171(または172)をオンさせて、検出した電圧がVsl(またはVsh)となるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶などの電気光学装置においてコモン電極の電圧を変化させる場合に、横方向に発生する表示むらを抑える技術に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶などの電気光学装置では、走査線とデータ線との交差に対応して画素容量(液晶容量)が設けられる。この画素容量を交流駆動するときに、データ線の電圧振幅を抑えるためにコモン電極を走査線毎に個別化するとともに、走査線を選択するときに当該選択走査線に対応するコモン電極を書込極性に応じた2値電圧のいずれかとする技術が知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−300948号公報参照
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この技術では、コモン電極を走査線毎に個別化したことに伴って、横方向の表示むらが発生しやすい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的の1つは、コモン電極を個別に駆動する構成において、表示むらの発生を抑制する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明に係る電気光学装置の駆動回路は、複数の走査線と、複数のデータ線と、前記複数の走査線に対応して設けられた複数のコモン電極と、前記複数の走査線と前記複数のデータ線との交差に対応して設けられ、各々は、一端が前記データ線に接続されるとともに、前記走査線が選択されたときに前記一端と他端との間でオン状態となる画素スイッチング素子と、一端が前記画素スイッチング素子の他端に接続され、他端が前記コモン電極に接続された画素容量と、を含む画素と、を有する電気光学装置の駆動回路であって、前記複数の走査線を所定の順番で選択する走査線駆動回路と、一の走査線が選択される期間において当該一の走査線に対応するコモン電極の電圧を、前記複数の画素の配列領域に対する一端側および他端側のうち、前記他端側で検出するとともに、当該一の走査線に対応する画素に対して前記画素電極が前記コモン電極の電位よりも高位側とさせる正極性が指定されたときに、当該検出した電圧が第1電圧となるように制御された電圧を前記一端側から印加し、当該一の走査線に対応する画素に対して前記画素電極が前記コモン電極の電位よりも低位側とさせる負極性が指定されたときに、当該検出した電圧が前記第1電圧よりも高位の第2電圧となるように制御された電圧を前記一端側から印加するコモン電極駆動回路と、当該一の走査線に対応する画素に対し、当該画素の階調および極性に応じた電圧のデータ信号を、前記データ線を介して供給するデータ線駆動回路と、を具備することを特徴とする。本発明によれば、画素容量に電圧を書き込むために走査線が選択される期間において、当該走査線に対応するコモン電極における他端側で電圧を検出する一方、一端側から目標となる第1または第2電圧となるように制御するので、コモン電極の配線抵抗成分も考慮して、コモン電極の電圧を制御することができる。
【0005】
本発明において、前記コモン電極駆動回路は、コモン信号供給回路を有し、前記コモン電極駆動回路は、前記複数のコモン電極の各々に対応して、第1トランジスタ、第2トランジスタおよび他端側検出トランジスタの組とを有し、一のコモン電極に対応する前記第1トランジスタ、第2トランジスタおよび他端側検出トランジスタのうち、前記第1トランジスタは、そのソース電極が第1給電線に接続され、前記第2トランジスタは、そのソース電極が第2給電線に接続され、前記第1トランジスタのドレイン電極および前記第2トランジスタのドレイン電極が前記複配列領域に対して当該一のコモン電極の一端側に接続され、前記他端側検出トランジスタは、そのゲート電極が当該一のコモン電極に対応する走査線に接続され、そのソース電極が前記配列領域に対して当該一のコモン電極の他端側に接続され、そのドレイン電極が検出線に接続され、当該一の走査線が選択される期間において当該一の走査線に対応する画素に対し、前記正極性が指定されたときに前記第1トランジスタがオンし、前記負極性が指定されたときに前記第2トランジスタがオンし、前記コモン信号供給回路は、前記一の走査線に対応する画素に対して前記正極性が指定されるとき、前記検出線を介して検出された前記コモン電極の電圧が前記第1電圧をなるように制御した電圧を前記第1給電線に給電し、前記一の走査線に対応する画素に対して前記負極性が指定されるとき、前記検出線を介して検出された前記コモン電極の電圧が前記第2電圧をなるように制御した電圧を前記第2給電線に給電する構成としても良い。この構成によれば、第1および第2トランジスタのサイズを小さく済ませることができる。
さらに、この構成において、前記コモン電極駆動回路は、前記複数のコモン電極の各々に対応して、それぞれ一端側検出トランジスタを有し、一のコモン電極に対応する前記他端側検出トランジスタは、そのゲート電極が当該一のコモン電極に対応する走査線に接続され、そのソース電極が前記配列領域に対して当該一のコモン電極の一端側に接続され、そのドレイン電極が前記検出線に接続される構成とすれば、一端側および他端側の両側からコモン電極の電圧を検出するので、ノイズ等の電圧変化を左右の平均値で補償することができる。
【0006】
また、本発明において、前記コモン電極駆動回路は、前記一の走査線に対応する画素に対して前記正極性が指定されたとき、当該一の走査線に対応するコモン電極を、当該一の走査線の選択終了後においても前記第1給電線に接続し、前記一の走査線に対応する画素に対して前記負極性が指定されたとき、当該一の走査線に対応するコモン電極を、当該一の走査線の選択終了後においても前記第2給電線に接続する構成としても良い。この構成では、非選択期間におけるコモン電極がハイ・インピーダンス状態となることによる表示むらを抑えることができる。
なお、本発明は、電気光学装置の駆動回路のみならず、電気光学装置としても、さらには、当該電気光学装置を有する電子機器としても概念することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0008】
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る電気光学装置の構成を示すブロック図である。
この図に示されるように、電気光学装置10は、表示領域100の周辺に、走査線駆動回路140、コモン電極駆動回路170a、170b、データ線駆動回路190が配置するとともに、制御回路20が、これらの各部をそれぞれ制御する構成となっている。
【0009】
表示領域100は、画素110が配列する領域であり、本実施形態では、1行目から320行目までの走査線112が行(X)方向に延在するように設けられ、また、1列目から240列目までのデータ線114が列(Y)方向に延在するように設けられている。そして、1〜320行目の走査線112と1〜240列目のデータ線114との交差に対応して、画素110がそれぞれ配列している。したがって、本実施形態では、画素110が表示領域100において縦320行×横240列でマトリクス状に配列することになる。ただし、本発明をこの配列に限定する趣旨ではない。
また、1〜320行目の走査線112に対応して、それぞれコモン電極108がX方向に延在して設けられている。このため、本実施形態においては、1〜320行目のコモン電極108が1〜320行目の走査線112に対応してそれぞれ設けられることになる。
【0010】
画素110の詳細な構成について説明する。図2は、画素110の構成を示す図であり、i行及びこれに下方向で隣接する(i+1)行と、j列及びこれに右方向で隣接する(j+1)列との交差に対応する2×2の計4画素分の構成が示されている。
なお、i、(i+1)は、画素110が配列する行を一般的に示す場合の記号であって、1以上320以下の整数であり、j、(j+1)は、画素110が配列する列を一般的に示す場合の記号であって、1以上240以下の整数である。
【0011】
図2に示されるように、各画素110は、画素スイッチング素子として機能するnチャネル型の薄膜トランジスタ(thin film transistor:以下単に「TFT」と略称する)116と、画素容量(液晶容量)120と、蓄積容量130とを有する。各画素110については互いに同一構成なので、i行j列に位置するもので代表して説明すると、当該i行j列の画素110において、TFT116は、そのゲート電極がi行目の走査線112に接続され、そのソース電極がj列目のデータ線114に接続され、そのドレイン電極が画素容量120の一端である画素電極118と蓄積容量130の一端とにそれぞれ接続されている。また、画素容量120の他端および蓄積容量130の他端は、それぞれi行目のコモン電極108に接続されている。
なお、図2において、Yi、Y(i+1)は、それぞれi、(i+1)行目の走査線112に供給される走査信号を示し、また、Ci、C(i+1)は、それぞれi、(i+1)行目のコモン電極108の電圧を示している。
【0012】
特に図示しないが、本実施形態は、素子基板と対向基板との間に液晶を封入した構成であって、液晶にかかる電界方向を基板面方向としたIPSモードの変形であるFFS(fringe field switching)モードとしたものである。詳細に言えば、素子基板には、コモン電極が帯状に形成されるとともに、絶縁層を介して櫛歯状の画素電極が形成され、これにより、画素電極118とコモン電極108との間には、誘電体たる液晶を介した構造によって一種の容量となり、この容量成分によって保持される電圧の実効値に応じて、液晶にかかる電界の大きさが基板面に沿った方向で変化する構成となっている。
本実施形態では説明の便宜上、画素容量120において保持される電圧実効値がゼロに近い値となるときに、光の透過率が最大の白色表示になる一方、電圧実効値が大きくなるにつれて透過率が徐々に減少して、ついには透過率が最小の黒色表示になるノーマリーホワイトモードであるとする。
また、蓄積容量130は、画素電極118とコモン電極108とが絶縁層を介した積層構造によって生じる容量成分である。
なお、画素110については、その電気的な等価回路が図2で示されるような回路であれば、FFSモード以外の他のモードであっても良い。
【0013】
説明を再び図1に戻すと、制御回路20は、各種制御信号を出力して電気光学装置10における各部の制御等をするものである。
例えば、制御回路20は、図3に示されるように、デューティ比50%のクロック信号Clyや、当該クロック信号Clyの半周期に相当するパルスを1フレームの期間に最初にスタートパルスDyとして出力する。
【0014】
表示領域100の周辺には、上述したように、走査線駆動回路140や、コモン電極駆動回路170a、170b、データ線駆動回路190などの周辺回路が設けられている。このうち、走査線駆動回路140は、制御回路20による制御にしたがって、1フレームの期間において走査信号Y1、Y2、Y3、…、Y320を、それぞれ1、2、3、…、320行目の走査線112に供給するものである。詳細には、走査線駆動回路140は、スタートパルスDyを、図3に示されるようにクロック信号Clyの論理レベルが変化する毎に順次シフトして、走査信号Y1、Y2、Y3、…、Y320として出力する。
【0015】
なお、ある行の走査線にとってみれば、その走査線に供給される走査信号がHレベルとなるときが選択期間であり、これが当該行に対する水平走査期間(H)に相当し、また、走査信号がLレベルとなる期間が非選択期間である。本実施形態において1フレームの期間には、走査信号Y1〜Y320が順番にHレベルとなる有効走査期間Faのほか、それ以外の垂直帰線期間が含まれる。なお、走査信号においてHレベルは選択電圧Vddに相当し、Lレベルは非選択電圧Vssに相当する。
【0016】
制御回路20が出力する制御信号等のうち、スタートパルスDy、クロック信号Cly以外の信号について説明する。
まず、ラッチパルスLpは、図3に示されるように、クロック信号Clyの論理レベルが変化するタイミングで出力される。上述したように、走査線駆動回路140は、スタートパルスDyをクロック信号Clyにしたがって順次シフトすることによって走査信号Y1〜Y320を出力するので、ラッチパルスLpの出力タイミングは、いずれかの走査信号がHレベルとなるタイミング、すなわち水平走査期間の開始タイミングである、と考えて良い。
【0017】
次に、極性指定信号Polは、本実施形態では、Hレベルであれば正極性書込を指定し、Lレベルであれば負極性書込を指定する信号である。極性指定信号Polは、図3に示されるように、nフレームにおいて奇数行目の走査線が選択される(すなわち、その走査信号がHレベルとなる)水平走査期間においてHレベルとなり、偶数行目の走査線が選択される水平走査期間においてLレベルとなるので、画素への書込極性が走査線毎に反転する走査線反転(ライン反転)方式となる。
なお、極性指示信号Polは、次の(n+1)フレームでは、各行の水平走査期間に着目していみると、nフレームと比較して論理レベルが逆転し、書込極性が反転する。このように書込極性を反転する理由は、直流成分の印加による液晶の劣化を防止するためである。
また、本実施形態において、極性とは、画素容量120に階調に応じた電圧を保持させる際に、画素電極118の電位をコモン電極108の電位よりも高位側とする場合を正極性とし、低位側とする場合を負極性という。また、電圧については、特に説明のない限り、図示しない電源の接地電位を電圧ゼロの基準としている。
【0018】
なお、制御回路20は、極性指定信号Polを、信号線164を介してコモン電極駆動回路170aに供給する。また、極性指定信号Polは、NOT回路50によって論理レベルが反転されて信号/Polとなり、信号線165を介してコモン電極駆動回路170aに供給される。
ここで、極性指定信号Pol(信号/Pol)のH、Lレベルは、後述するTFT171、172のゲート電極にTFT173、174を介して印加されたとき、それぞれTFT171、172をオン、オフさせる電圧である。このため、極性指定信号Polは、書込極性を指定する信号であるとともに、その論理レベルのうち、Hレベルがオン電圧として、Lレベルがオフ電圧として機能することになる。
【0019】
続いて、信号Vc1refは、図3に示されるように電圧Vslで一定であり、信号Vc2refは電圧Vshで一定である。ここで、電圧Vsl、Vshは、(Vss≦)Vsl<Vsh(≦Vdd)という関係にあり、電圧Vsl(第1電圧)よりも電圧Vsh(第2電圧)が相対的に高い電圧となっている。
【0020】
コモン電極駆動回路170aは、表示領域100に対して一端側に設けられ、1〜320行目のコモン電極108の各々に対応したnチャネル型のTFT171〜174の組から構成される。
ここで、i行目のコモン電極108に対応するTFT171〜174について説明すると、当該i行目のTFT171(第1トランジスタ)については、そのゲート電極がi行目のTFT173のドレイン電極に接続され、そのソース電極が給電線161に接続されている。また、当該i行目のTFT172(第2トランジスタ)については、そのゲート電極がi行目のTFT174のドレイン電極に接続され、そのソース電極が給電線162に接続されている。
次に、i行目のTFT173については、そのゲート電極がi行目の走査線112に接続され、そのソース電極が信号線164に接続され、また、i行目のTFT174については、そのゲート電極がi行目の走査線112に接続され、そのソース電極が信号線165に接続されている。
【0021】
一方、コモン電極駆動回路170bは、表示領域100に対してコモン電極駆動回路170aとは反対の他端側に設けられ、各行のコモン電極108に対応したTFT179(他端側検出トランジスタ)から構成される。
i行目のコモン電極108に対応するTFT179について説明すると、当該i行目のTFT179については、そのゲート電極がi行目の走査線112に接続され、そのソース電極がi行目のコモン電極108に接続され、そのドレイン電極が検出線167に接続されている。なお、検出線167は、各行のTFT177のドレイン電極に対して共通接続されている。
【0022】
オペアンプ31は、その反転入力端(−)が検出線167に接続され、その非反転入力端(+)には制御回路20による信号Vc1refが目標信号として供給され、その出力端が給電線161に接続されている。なお、オペアンプ31によって給電線161に供給される信号をVc1としている。また、抵抗素子が、給電線161と検出線167との間に介挿されて、オペアンプ31の出力の一部が反転入力端(−)に負帰還する構成となっている。
同様にオペアンプ32については、その反転入力端(−)が検出線167に接続され、その非反転入力端(+)には制御回路20による信号Vc2refが目標信号として供給され、その出力端が給電線162に接続されている。なお、オペアンプ32によって給電線162に供給される信号をVc2としている。また、抵抗素子が、給電線162と検出線167との間に介挿されて、オペアンプ32の出力の一部が反転入力端(−)に負帰還する構成となっている。
【0023】
データ線駆動回路190は、走査線駆動回路140によって選択される走査線に位置する画素110に対し、階調に応じた電圧であって、かつ、極性指示信号Polで指定された極性に応じた電圧のデータ信号をデータ線114介して供給するものである。詳細には、本実施形態はノーマリーホワイトモードとしているから、データ線駆動回路190は、データ信号を、正極性書込が指定されていれば、指定される階調が暗くなるにつれて電圧Vslを基準として徐々に高くなる電圧とし、負極性書込が指定されていれば、指定される階調が暗くなるにつれて電圧Vshを基準として徐々に低くなる電圧とする。
【0024】
データ線駆動回路190は、縦320行×横240列のマトリクス配列に対応した記憶領域(図示省略)を有し、各記憶領域には、それぞれ対応する画素110の階調(明るさ)を指定する表示データDaが記憶される。
ここで、データ線駆動回路190は、選択走査線に位置する画素110の表示データDaを記憶領域から1行分読み出すとともに、当該読み出した表示データDaで指定された階調および指定された極性に応じた電圧のデータ信号に変換し、データ線114に供給する
動作を、選択走査線に位置する1〜240列のそれぞれについて実行する。
なお、表示内容に変更が生じると、制御回路20が変更後の表示データDaを供給して、記憶領域の内容を書き換える。また、データ線駆動回路190は、ラッチパルスLpを1フレームの期間の最初からカウントすることによって何行目の走査信号がHレベルとなるのか、および、ラッチパルスLpの供給タイミングによって走査線の選択開始のタイミングを知る。
【0025】
次に、本実施形態に係る電気光学装置10の動作について説明する。
nフレームにおいて、走査線駆動回路140は、走査信号Y1、Y2、Y3、…、Y320を順番に選択して、選択した走査線への走査信号をHレベルとする。そこでまず、これらの各行のうち、代表してi行目および(i+1)行目の動作について図4乃至図6を参照して説明する。
ここでは、iを奇数とし、(i+1)を偶数とする。したがって、nフレームにおいては、奇数i行目の画素に対して正極性書込が指定され、偶数(i+1)行目の画素に対して負極性書込が指定されることになる。
【0026】
まず、i行目が選択されて、走査信号YiがHレベルとなる。
コモン電極駆動回路170aにおいて走査信号YiがHレベルになると、図4に示されるように、i行目に対応するTFT173、174がそれぞれオンする。奇数行目が選択されるとき、極性指定信号PolはHレベルであり、信号/PolはLレベルであるので、i行目のTFT171、172のゲート電極にそれぞれオン電圧、オフ電圧が印加される。このため、i行目のTFT171、172がそれぞれオン、オフする。
また、コモン電極駆動回路170bでは、走査信号YiがHレベルになると、同図に示されるように、i行目に対応するTFT179がオンする。このため、i行目のコモン電極108は、TFT179のオン抵抗および検出線167を介して、オペアンプ31の反転入力端(−)に負帰還される。
このため、走査信号YiがHレベルであるときに、i行目のコモン電極108が信号Vc1refの電圧Vslとなるように負帰還制御される。
【0027】
一方、走査信号YiがHレベルになるタイミングにおいてラッチパルスLpが出力されると、データ線駆動回路190は、i行目であって1〜240列目の画素の表示データDaを読み出すとともに、当該表示データDaで指定される階調が暗くなるにつれて、電圧Vslを基準に高位側とした正極性電圧のデータ信号X1〜X240に変換し、それぞれ1〜240列のデータ線114に供給する。走査信号YiがHレベルになると、i行1列〜i行240列の画素におけるTFT116がオンするので、これらの画素電極118には、データ信号X1〜X240が印加される。
【0028】
したがって、走査信号YiがHレベルとなる水平走査期間において、i行1列〜i行240列の画素容量120および蓄積容量130の並列容量には、それぞれ階調に応じた正極性の電圧が書き込まれることになる。
【0029】
次に、i行目の選択終了によって走査信号YiがLレベルになるとともに、(i+1)行目の選択開始によって走査信号Y(i+1)がHレベルになる。
走査信号YiがLレベルになると、コモン電極駆動回路170a、170bにあっては、図5に示されるように、i行目のTFT173、174、179がオフする。
i行目のTFT173、174のオフにより、i行目のTFT171、172のゲート電極は電気的にどの部分にも接続されない状態(ハイ・インピーダンス状態)になるものの、寄生容量によって直前に印加されたオン電圧、オフ電圧をそれぞれ保持しているので、当該i行目のTFT171、172は、それぞれオン状態、オフ状態を維持する。このため、i行目のコモン電極108は、走査信号YiがLレベルとなっても、給電線161への接続が維持されるので、ハイ・インピーダンス状態とならず、電圧が確定した状態となる。
なお、給電線161に供給される信号Vc1の電圧は、負帰還制御によって電圧Vslから変動する可能性があるが、走査信号YiがLレベルになると、i行1列〜i行240列の画素におけるTFT116がオフするので、走査信号YiがHレベルのときにi行1列〜i行240列の画素容量120および蓄積容量130の並列容量に対して書き込まれた電圧が変動することはない。
【0030】
また、走査信号Y(i+1)がHレベルになると、コモン電極駆動回路170aでは、図5に示されるように、(i+1)行目のTFT173、174がそれぞれオンする。
ただし、nフレームにおいて偶数行目が選択されるとき、極性指定信号PolはLレベルであり、信号/PolはHレベルであるので、(i+1)行目のTFT171、172のゲート電極には、i行目とは逆にそれぞれオフ電圧、オン電圧が印加される。このため、(i+1)行目のTFT171、172がそれぞれオフ、オンする。
さらに、コモン電極駆動回路170bでは、走査信号Y(i+1)がHレベルになると、同図に示されるように、(i+1)行目に対応するTFT179がオンする。このため、i行目のコモン電極108は、TFT179のオン抵抗および検出線167を介して、オペアンプ32の反転入力端(−)に負帰還される。
このため、走査信号Y(i+1)がHレベルであるときに、(i+1)行目のコモン電極108は、信号Vc2refの電圧Vshとなるように負帰還制御される。
【0031】
一方、走査信号Y(i+1)がHレベルになるタイミングにおいてラッチパルスLpが出力されると、データ線駆動回路190は、(i+1)行目であって1〜240列目の画素の表示データDaを読み出すとともに、当該表示データDaで指定される階調が暗くなるにつれて、電圧Vshを基準に低位側とした負極性電圧のデータ信号X1〜X240に変換し、それぞれ1〜240列のデータ線114に供給する。走査信号Y(i+1)がHレベルになると、(i+1)行1列〜(i+1)行240列の画素におけるTFT116がオンするので、これらの画素電極118には、データ信号X1〜X240が印加される。
【0032】
したがって、走査信号Y(i+1)がHレベルとなる水平走査期間において、(i+1)行1列〜(i+1)行240列の画素容量120および蓄積容量130の並列容量には、それぞれ階調に応じた負極性の電圧が書き込まれることになる。
【0033】
そして、(i+1)行目の選択終了によって走査信号Yi、Y(i+1)がともにLレベルになる。
走査信号Y(i+1)がLレベルになると、(i+1)行1列〜(i+1)行240列の画素におけるTFT116がオフする。また、コモン電極駆動回路170a、170bにあっては、図6に示されるように、(i+1)行目のTFT173、174、179もオフする。(i+1)行目のTFT173、174のオフにより、(i+1)行目のTFT171、172のゲート電極はハイ・インピーダンス状態になるものの、寄生容量によって直前に印加されたオフ電圧、オン電圧を保持しているので、当該(i+1)行目のTFT171、172は、それぞれオフ、オン状態を維持する。このため、(i+1)行目のコモン電極108は、走査信号Y(i+1)がLレベルとなっても、給電線162への接続が維持されるので、ハイ・インピーダンス状態とならず、電圧が確定した状態となる。
なお、給電線162に供給される信号Vc2の電圧は、負帰還制御によって電圧Vshから変動する可能性があるが、走査信号Y(i+1)がLレベルになると、(i+1)行1列〜(i+1)行240列の画素におけるTFT116がオフするので、走査信号Y(i+1)がHレベルのときに(i+1)行1列〜(i+1)行240列の画素容量120および蓄積容量130の並列容量に対して書き込まれた電圧が変動することはない。
なお、i行目のコモン電極108については、同図に示されるように、引き続きi行目のTFT171のオン状態が継続して、給電線161への接続が維持される。
【0034】
このようにnフレームにおいて奇数i行目が選択されたときに、i行目のコモン電極108は、他端側で電圧が検出される一方、一端側で電圧Vslとなるように制御される。そして、当該i行目の画素容量120および蓄積容量130の並列容量には、それぞれ階調に応じた正極性の電圧が書き込まれ、その後の非選択期間においても当該i行目のコモン電極108の給電線161に対する接続が維持されて、上記並列容量に書き込まれた電圧が保持される。
一方、nフレームにおいて偶数(i+1)行目が選択されたときに、(i+1)行目のコモン電極108は、他端側で電圧が検出される一方、一端側で電圧Vshとなるように制御される。そして、当該(i+1)行目の画素容量120および蓄積容量130の並列容量には、それぞれ階調に応じた負極性の電圧が書き込まれ、その後の非選択期間においても当該(i+1)行目のコモン電極108の給電線162に対する接続が維持されて、上記並列容量に書き込まれた電圧が保持される。
なお、実際には、このような動作が1、2、3、4、…、319、320行目という順番で実行される。
【0035】
次の(n+1)フレームでは、各走査線が選択される期間において極性指定信号Pol(信号/Pol)が論理反転した書き込み動作が実行される。
このため、(n+1)フレームにおいて奇数i行目が選択されたときに、i行目のコモン電極108は、他端側で電圧が検出される一方、一端側で電圧Vshとなるように制御された上で、当該i行目の画素容量120および蓄積容量130の並列容量には、それぞれ階調に応じた負極性の電圧が書き込まれ、その後の非選択期間においても当該i行目のコモン電極108の給電線162に対する接続が維持されて、上記並列容量に書き込まれた電圧が保持される。
一方、nフレームにおいて偶数(i+1)行目が選択されたときに、(i+1)行目のコモン電極108は、他端側で電圧が検出される一方、一端側で電圧Vslとなるように制御された上で、当該(i+1)行目の画素容量120および蓄積容量130の並列容量には、それぞれ階調に応じた正極性の電圧が書き込まれ、その後の非選択期間においても当該(i+1)行目のコモン電極108の給電線161に対する接続が維持されて、上記並列容量に書き込まれた電圧が保持される。
【0036】
次に、このような電圧の書き込みについて図7を参照して説明する。図7は、i行j列の画素電極118における電圧Pix(i,j)と、(i+1)行j列の画素電極118における電圧Pix(i+1,j)とを、それぞれ走査信号Yi、Y(i+1)との関係において示す図である。
【0037】
i行目のコモン電極108の電圧Ciは、走査信号YiがHレベルとなったときに正極性書込が指定されていれば電圧Vslとなるように制御されて維持される。
一方、j列目のデータ線114に供給されるデータ信号Xjは、正極性書込が指定されていれば、走査信号YiがHレベルとなったときに、電圧Vslよりもi行j列の画素の階調に応じた電圧だけ高位側の電圧(図において↑で示される)となる。これにより、i行j列の画素容量120および蓄積容量130の並列容量には、走査信号YiがHレベルとなったときに、画素電極118の電圧Pix(i,j)とコモン電極108の電圧Vslとの差電圧、すなわち、階調に応じた正極性電圧が書き込まれ、走査信号YiがLレベルとなって非択となっても、当該差電圧が保持されることになる。
【0038】
次に、i行目のコモン電極108は、次のフレームにおいて走査信号YiがHレベルとなったときに負極性書込が指定されるので電圧Vshとなるように制御され、その後の非選択期間においても電圧Vshに維持される。
また、データ信号Xjは、負極性書込が指定されていれば、走査信号YiがHレベルとなったときに、電圧Vshよりもi行j列の画素の階調に応じた電圧だけ低位側の電圧(図において↓で示される)となる。これにより、走査信号YiがHレベルとなったときに、i行j列の画素容量120および蓄積容量130の並列容量には、電圧Pix(i,j)とコモン電極108の電圧Vshとの差電圧、すなわち、階調に応じた負極性電圧が書き込まれ、走査信号YiがLレベルとなって非選択となっても、当該差電圧が保持されることになる。
なお、図において、この差電圧の分がハッチングで示されている。
【0039】
また、i行目に対して正極性書込が指定されたとき、(i+1)行目に対し負極性書込が指定され、i行目に対して負極性書込が指定されるとき、(i+1)行目に対し正極性書込が指定されるので、書込極性は走査線毎に反転することになる。
【0040】
本実施形態によれば、正極性書込が指定された行の画素に対しては、電圧Vslよりも階調に応じた電圧だけ高位側の電圧のデータ信号が供給される一方、負極性書込が指定された行の画素に対しては、電圧Vshよりも階調に応じた電圧だけ低位側の電圧のデータ信号が供給されるので、データ信号の電圧振幅は、コモン電極108の電圧を一定とした場合と比較して狭くなる。このため、データ線駆動回路190の構成素子に要求される耐圧性が低く抑えられて、その分構成の簡易化を図ることができるとともに、電圧変化によって無駄に消費される電力を抑えることも可能となる。
【0041】
また、1〜320行目のコモン電極108の各々は、1〜240列のデータ線114とそれぞれ交差しているので、図2において破線で示されるような寄生容量を介して結合する。このため、データ線等が電圧変化すると、その変化に伴うノイズがコモン電極108に重畳される。
ノイズが重畳されたとき、選択された行のコモン電極が、各水平走査期間の終了時までに電圧Vsl、Vshに収束していないと、当該選択された行の画素容量に対して階調に応じた電圧を書き込むことができなくなるので、表示むらの原因となる。なお、この表示むらは、コモン電極を単位として発生するので、横方向に沿って現れる。
これに対して、本実施形態では、選択された行のコモン電極の電圧を検出して、電圧Vsl、Vshとなるように制御するので、ノイズ等が伝搬しても、その影響を少なく抑えることが可能となる。
【0042】
一方、コモン電極108の各々は、少なからず配線抵抗を有するが、一端側から他端側までの全域にわたって1〜240列のデータ線114と交差しているために、信号Vc1、Vc2が供給される一端側と同じ側で電圧を検出しても、ノイズ等の影響を適切に反映した電圧を適切に検出することができない。
本実施形態では、当該コモン電極108の電圧検出ポイントを、信号Vc1、Vc2が供給される一端側とは表示領域100に対して反対側である他端側とし、これにより、ノイズ等の影響を適切に反映した電圧を検出するとともに、検出した電圧が、信号Vc1refの電圧Vslまたは信号Vc2refの電圧Vshとなるように制御しているので、上述した横方向の表示むらの発生を抑えることができるのである。
なお、ノイズ等の影響を小さくするには、TFT171、172のオン抵抗を小さくすれば良いが、大きなトランジスタサイズが要求されるので、周辺回路内蔵型では、表示領域100の外側の、いわゆる額縁のスペースが広くなってしまうが、本実施形態では、ノイズ等の影響を小さくするために、TFT171、172のオン抵抗を小さくしなくても良いので、額縁を狭くすることも可能である。
【0043】
なお、本実施形態では、説明を簡略化しているが、選択行に対して正極性書込が指定されるとき、オペアンプ32の非反転入力端(−)から検出線167を切り離すとともに、当該オペアンプ32を、目標信号たる電圧Vshをバッファリングさせるボルテージフォロア回路として機能させる一方、選択行に対して負極性書込が指定されるとき、オペアンプ31の非反転入力端(−)から検出線167を切り離すとともに、当該オペアンプ31を、目標信号たる電圧Vslをバッファリングさせるボルテージフォロア回路として機能させて、非選択行に対するコモン電極108の電圧が負帰還制御によって変化しない構成としても良い。
【0044】
<第1実施形態の応用・変形>
上述した第1実施形態では、次のような応用・変形が可能である。
第1実施形態では、走査線毎の極性反転とするために、極性指定信号Polの論理レベルを水平走査期間毎に反転させたが、図8に示されるように、論理レベルを1フレームの期間にわたって保ち、フレーム毎に反転させて各画素の書込極性を揃えた面(フレーム)反転方式としても良い。
【0045】
ここで、極性指定信号Polの論理レベルを1フレームの期間にわたって保つとともに、フレーム毎に反転させる場合に、図9に示されるように、偶数行目におけるTFT171、172のソース電極の接続先を、奇数行目におけるTFT171、172のソース電極の接続先と入れ替えることによって、第1実施形態と同様な走査線反転方式とすることもできる。
また、特に図示はしないが、TFT171、172のソース電極の接続先ではなく、偶数行目におけるTFT173、174のソース電極の接続先を、奇数行目におけるTFT173、174のソース電極の接続先と入れ替えることによっても、第1実施形態と同様な走査線反転方式とすることもできる。
【0046】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図10は、第2実施形態に係る電気光学装置の構成を示すブロック図である。
図10に示す構成が図1に示した第1実施形態と相違する部分は、コモン電極駆動回路170aにおいて主に各行に対応してTFT177が設けられている点である。そこで、以下については、この相違点を中心に説明することにする。
【0047】
各行のTFT177について、i行目で代表して説明すると、i行目のTFT177については、そのゲート電極がi行目の走査線に112に接続され、そのソース電極がi行目のコモン電極108に接続され、そのドレイン電極が検出線167に接続されている。
したがって、第2実施形態において、検出線167は、他端側のTFT179のドレイン電極にくわえて、一端側のTFT177のドレイン電極に対しても共通接続されることになる。
【0048】
第2実施形態において、例えばi行目が選択されたときに、当該i行目のコモン電極108は、一端側および他端側の両側で検出されるので、一端側で検出された電圧と他端側で検出された電圧との平均値がオペアンプ31、32の反転入力端(−)に供給される。このため、第2実施形態によれば、ノイズ等の影響が一端側と他端側とで平均化されて、その平均値が電圧Vslまたは電圧Vshとなるように制御するので、表示むらの発生をより抑えることが可能となる。
なお、第2実施形態においても、第1実施形態の応用・変形で述べたように、極性指定信号Polの論理レベルを1フレームの期間にわたって保つとともに、フレーム毎に反転させて、面反転方式としても良いし、偶数行目におけるTFT171、172のソース電極の接続先を、奇数行目におけるTFT171、172のソース電極の接続先と入れ替えて、走査線反転方式としても良い。
【0049】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る電気光学装置について説明する。図11は、第3実施形態に係る電気光学装置の構成を示すブロック図である。
第2実施形態では、各行のコモン電極108の電圧を、一端側および他端側で検出して、信号Vc1、Vc2を一端側から供給する構成としたが、この図に示される第3実施形態では、各行のコモン電極108における電圧検出・電圧給電を、一端側と他端側とでそれぞれ独立して行う構成としたものである。
【0050】
詳細には、コモン電極駆動回路170bにあっては各行に対応して、さらにTFT179に加えて、さらにTFT178が設けられている。また、他端側におけるTFT179のドレイン電極に供給された検出線169は、一端側におけるTFT177のドレイン電極に共通接続された検出線167とは独立している。
当該検出線169は、オペアンプ33の反転入力端(−)に接続される一方、オペアンプ33の出力端が他端側の給電線168に接続されるとともに、抵抗素子を介して反転入力端(−)に帰還されている。
なお、スイッチ64は、選択行に対して正極性書込が指定されていれば電圧Vslの信号Vc1refをセレクトし、選択行に対して負極性書込が指定されていれば電圧Vshの信号Vc2refをセレクトして、オペアンプ33の非反転入力端(+)に供給する。
また、コモン電極駆動回路170bにおけるTFT178についてi行目で説明すると、i行目のTFT178は、そのゲート電極がi行目の走査線112に接続され、そのソース電極が給電線168に接続され、そのドレイン電極がi行目のコモン電極108に接続されている。
【0051】
第3実施形態によれば、選択行に対応するコモン電極108の電圧を一端側および他端側でそれぞれ検出し、一端側で検出した電圧が目標信号となるように制御した電圧を当該コモン電極の一端側から給電する一方、他端側で検出した電圧が目標信号となるように制御した電圧を当該コモン電極の他端側から給電する。このため、第3実施形態では、第1および第2実施形態と比較して、横方向に発生する表示むらの発生や、特に当該表示むら程度が左右で異なる現象を、さらに確実に抑えることが可能となる。
【0052】
<第1乃至第3実施形態の関連事項>
なお、上述した実施形態では、画素容量120をノーマリーホワイトモードとしたが、電圧無印加状態において暗い状態となるノーマリーブラックモードとしても良い。また、画素容量120は透過型に限られず、反射型であっても良いし、透過型および反射型の両者を組み合わせた、いわゆる半透過半反射型としても良い。
くわえて、R(赤)、G(緑)、B(青)の3画素で1ドットを構成して、カラー表示を行うとしても良いし、さらに、例えばGを、YG(黄緑)およびEG(エメラルドグリーン)に分けて、これらの4色の画素で1ドットを構成して、広色帯化を図った構成としても良い。
【0053】
<電子機器>
次に、上述した実施形態に係る電気光学装置10を表示装置として有する電子機器について説明する。図12は、いずれかの実施形態に係る電気光学装置10を用いた携帯電話1200の構成を示す図である。
この図に示されるように、携帯電話1200は、複数の操作ボタン1202のほか、受話口1204、送話口1206とともに、上述した電気光学装置10を備えるものである。なお、電気光学装置10のうち、表示領域100に相当する部分の構成要素については外観としては現れない。
【0054】
なお、電気光学装置10が適用される電子機器としては、図12に示される携帯電話の他にも、デジタルスチルカメラや、ノートパソコン、液晶テレビ、ビューファインダ型(またはモニタ直視型)のビデオレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、フォトストレージビューワ、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そして、これらの各種電子機器の表示装置として、上述した電気光学装置10が適用可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電気光学装置の構成を示す図である。
【図2】同電気光学装置における画素の構成を示す図である。
【図3】同電気光学装置の動作を説明するための図である。
【図4】同電気光学装置においてコモン電極への検出・給電経路を示す図である。
【図5】同電気光学装置においてコモン電極への検出・給電経路を示す図である。
【図6】同電気光学装置においてコモン電極への検出・給電経路を示す図である。
【図7】同電気光学装置における電圧波形を示す図である。
【図8】第1実施形態の応用・変形例に係る動作を示す図である。
【図9】第1実施形態の応用・変形例に係る構成を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る電気光学装置の構成を示す図である。
【図11】本発明の第3実施形態に係る電気光学装置の構成を示す図である。
【図12】実施形態に係る電気光学装置を用いた携帯電話を示す図である。
【符号の説明】
【0056】
10…電気光学装置、20…制御回路、31〜33…オペアンプ、100…表示領域、105…液晶、108…コモン電極、110…画素、112…走査線、114…データ線、116…TFT、120…画素容量、130…蓄積容量、140…走査線駆動回路、170a、170b…コモン電極駆動回路、161、162…給電線、167、169…給電線、171〜174、177〜179…TFT、1200…携帯電話

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の走査線と、
複数のデータ線と、
前記複数の走査線に対応して設けられた複数のコモン電極と、
前記複数の走査線と前記複数のデータ線との交差に対応して設けられ、
各々は、
一端が前記データ線に接続されるとともに、前記走査線が選択されたときに前記一端と他端との間でオン状態となる画素スイッチング素子と、
一端が前記画素スイッチング素子の他端に接続され、他端が前記コモン電極に接続された画素容量と、
を含む画素と、
を有する電気光学装置の駆動回路であって、
前記複数の走査線を所定の順番で選択する走査線駆動回路と、
一の走査線が選択される期間において当該一の走査線に対応するコモン電極の電圧を、前記複数の画素の配列領域に対する一端側および他端側のうち、前記他端側で検出するとともに、
当該一の走査線に対応する画素に対して前記画素電極が前記コモン電極の電位よりも高位側とさせる正極性が指定されたときに、当該検出した電圧が第1電圧となるように制御された電圧を前記一端側から印加し、
当該一の走査線に対応する画素に対して前記画素電極が前記コモン電極の電位よりも低位側とさせる負極性が指定されたときに、当該検出した電圧が前記第1電圧よりも高位の第2電圧となるように制御された電圧を前記一端側から印加する
コモン電極駆動回路と、
当該一の走査線に対応する画素に対し、当該画素の階調および極性に応じた電圧のデータ信号を、前記データ線を介して供給するデータ線駆動回路と、
を具備することを特徴とする電気光学装置の駆動回路。
【請求項2】
コモン信号供給回路を有し、
前記コモン電極駆動回路は、
前記複数のコモン電極の各々に対応して、第1トランジスタ、第2トランジスタおよび他端側検出トランジスタの組とを有し、
一のコモン電極に対応する前記第1トランジスタ、第2トランジスタおよび他端側検出トランジスタのうち、
前記第1トランジスタは、そのソース電極が第1給電線に接続され、前記第2トランジスタは、そのソース電極が第2給電線に接続され、
前記第1トランジスタのドレイン電極および前記第2トランジスタのドレイン電極が前記複配列領域に対して当該一のコモン電極の一端側に接続され、
前記他端側検出トランジスタは、そのゲート電極が当該一のコモン電極に対応する走査線に接続され、そのソース電極が前記配列領域に対して当該一のコモン電極の他端側に接続され、そのドレイン電極が検出線に接続され、
当該一の走査線が選択される期間において当該一の走査線に対応する画素に対し、
前記正極性が指定されたときに前記第1トランジスタがオンし、
前記負極性が指定されたときに前記第2トランジスタがオンし、
前記コモン信号供給回路は、
前記一の走査線に対応する画素に対して前記正極性が指定されるとき、前記検出線を介して検出された前記コモン電極の電圧が前記第1電圧をなるように制御した電圧を前記第1給電線に給電し、
前記一の走査線に対応する画素に対して前記負極性が指定されるとき、前記検出線を介して検出された前記コモン電極の電圧が前記第2電圧をなるように制御した電圧を前記第2給電線に給電する
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動回路。
【請求項3】
前記コモン電極駆動回路は、
前記複数のコモン電極の各々に対応して、それぞれ一端側検出トランジスタを有し、
一のコモン電極に対応する前記他端側検出トランジスタは、そのゲート電極が当該一のコモン電極に対応する走査線に接続され、そのソース電極が前記配列領域に対して当該一のコモン電極の一端側に接続され、そのドレイン電極が前記検出線に接続される
ことを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置の駆動回路。
【請求項4】
前記コモン電極駆動回路は、
前記一の走査線に対応する画素に対して前記正極性が指定されたとき、当該一の走査線に対応するコモン電極を、当該一の走査線の選択終了後においても前記第1給電線に接続し、
前記一の走査線に対応する画素に対して前記負極性が指定されたとき、当該一の走査線に対応するコモン電極を、当該一の走査線の選択終了後においても前記第2給電線に接続する
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動回路。
【請求項5】
複数の走査線と、
複数のデータ線と、
前記複数の走査線に対応して設けられた複数のコモン電極と、
前記複数の走査線と前記複数のデータ線との交差に対応して設けられ、
各々は、
一端が前記データ線に接続されるとともに、前記走査線が選択されたときに前記一端と他端との間でオン状態となる画素スイッチング素子と、
一端が前記画素スイッチング素子の他端に接続され、他端が前記コモン電極に接続された画素容量と、
を含む画素と、
前記複数の走査線を所定の順番で選択する走査線駆動回路と、
一の走査線が選択される期間において当該一の走査線に対応するコモン電極の電圧を、前記複数の画素の配列領域に対する一端側および他端側のうち、前記他端側で検出するとともに、
当該一の走査線に対応する画素に対して前記画素電極が前記コモン電極の電位よりも高位側とさせる正極性が指定されたときに、当該検出した電圧が第1電圧となるように制御された電圧を前記一端側から印加し、
当該一の走査線に対応する画素に対して前記画素電極が前記コモン電極の電位よりも低位側とさせる負極性が指定されたときに、当該検出した電圧が前記第1電圧よりも高位の第2電圧となるように制御された電圧を前記一端側から印加する
コモン電極駆動回路と、
当該一の走査線に対応する画素に対し、当該画素の階調および極性に応じた電圧のデータ信号を、前記データ線を介して供給するデータ線駆動回路と、
を具備することを特徴とする電気光学装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電気光学装置を有することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−223174(P2009−223174A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−69617(P2008−69617)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(304053854)エプソンイメージングデバイス株式会社 (2,386)
【Fターム(参考)】