説明

電気光学装置、駆動方法および電子機器

【課題】横電界の影響による表示品位の低下を抑える。
【解決手段】映像処理回路30は、画素に指定される階調値に応じた電圧実効値を液晶素
子に対してフレーム期間にわたって印加するとした場合に、Yドライバ130によって選
択される走査線に対応する画素に、電圧実効値が予め定められたしきい値を下回るような
階調値が指定されるとき、当該画素に対して、しきい値電圧以上にさせる電圧のデータ信
号と、しきい値よりも下回らせる電圧であって当該階調値に対して予め定められた電圧の
データ信号とを1フレーム期間毎に切り替えて供給し、Xドライバ140は、このデータ
信号をデータ線114に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆる横電界に起因した表示上の不具合を低減する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電気光学装置の一例である液晶表示装置では、一定の間隙を保った一対の基板によって
液晶を挟持した構成となっている。詳細には、一方の基板において画素電極が画素毎にマ
トリクス状に配列し、他方の基板に対向電極が各画素にわたって共通となるように設けら
れて、画素毎に画素電極と対向電極とで液晶を挟持した構成となっている。そして、画素
電極と対向電極との間で階調値に応じた電圧を保持させることによって、両電極の液晶分
子の配向状態を画素毎に規定し、これにより、透過率または反射率を制御する構成となっ
ている。このため、液晶分子に作用する電界のうち、画素電極から対向電極に向かう方向
、すなわち、基板面に対して垂直方向(縦方向)の成分だけが、表示制御に寄与する方向
である、ということができる。
【0003】
ここで、画素ピッチが狭くなると、互いに隣接する画素電極同士で生じる電界、すなわ
ち、基板面に対して平行方向(横方向)の電界が生じて、その影響が無視できなくなった
。詳細には、TN方式やVA方式などのように縦方向の電界を想定している液晶に対して
、横電界が加わると、液晶の配向不良や発生して、当該配向不良部分にて光抜け等の表示
上の不具合が発生してしまう、という問題が生じた。
このような横電界の影響を低減するために、画素電極に切り欠け部を設けた技術が提案
されている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2007−199451号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この技術では、画素電極の切り欠け部を設けることとの関係上、開口率
が低下する、という問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、開口率を低下さ
せることなく、横電界に起因した表示上の不具合を低減した電気光学装置等を提供するこ
とにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る電気光学装置の駆動方法にあっては、走査線
と、データ線と、前記走査線と前記データ線との交差に対応して設けられ、一端が前記デ
ータ線に接続され、他端が画素電極に接続されて、前記走査線が選択されたときに、前記
一端および前記他端の間で導通状態となるスイッチング素子と、前記画素電極に印加され
た電圧と対向電極に印加された電圧と基づいた光学状態となる電気光学素子とを含む画素
と、を具備する電気光学装置の駆動方法であって、前記画素に指定される階調値が予め定
められた値よりも大きい又は小さい場合であって、前記画素電極および前記対向電極の間
で前記階調値に応じて印加すべき電圧が予め定められたしきい値電圧よりも小さい場合に
、当該画素に対して、前記画素電極および前記対向電極の間を前記しきい値電圧以上にさ
せるデータ信号と、前記しきい値電圧よりも下回る電圧であって当該階調値に対して予め
定められた電圧のデータ信号と、をフレーム期間の整数倍の周期毎に切り替えて前記デー
タ線を介して供給することを特徴とする。本発明によれば、電気光学素子における画素電
極と対向電極との電圧が予め定められたしきい値電圧を下回るような階調値が指定されて
いる場合に、しきい値電圧以上の電圧の印加によって、横電界の影響が小さくなるので、
残存する配向不良の程度を小さく抑えることができる。
【0006】
本発明において、同一フレーム期間において、奇数行奇数列および偶数行偶数列の画素
に対しては、前記画素電極および前記対向電極の間を前記しきい値電圧以上にさせるデー
タ信号を供給し、偶数行奇数列および奇数行偶数列の画素に対しては、前記階調値に対し
て予め定められた電圧のデータ信号を供給しても良い。これにより、フリッカー等が視認
されにくくすることが可能となる。
また、本発明において、前記データ信号には、所定の基準電圧に対して高位となる正極
性と低位となる負極性との2種類がある場合、前記画素電極および前記対向電極の間を前
記しきい値電圧以上にさせる電圧を、前記正極性または負極性のいずれか一方で供給した
後、前記正極性または負極性のいずれか他方で供給し、続いて、前記階調値に対して予め
定められた電圧を、前記正極性または負極性のいずれか一方で供給した後、前記正極性ま
たは負極性のいずれか他方で供給しても良いし、前記画素電極および前記対向電極の間を
前記しきい値電圧以上にさせる電圧を、前記正極性または負極性のいずれか一方で供給し
た後、前記正極性または負極性のいずれか他方で供給し、続いて、前記階調値に対して予
め定められた電圧を、前記正極性または負極性のいずれか一方で供給した後、前記正極性
または負極性のいずれか他方で供給しても良い。
なお、本発明は、電気光学装置の駆動方法に限られず、電気光学装置それ自体としても
、また、当該電気光学装置を有する電子機器としても概念することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る電気光学装置の全体構成を示すブロック図である。
この図に示されるように、電気光学装置1は、制御回路10と、液晶表示パネル100
とから構成される。このうち、制御回路10には、図示しない上位装置から、画素の階調
値(輝度)を規定する映像データVdが同期信号Syncに同期して供給される。制御回路1
0は、タイミング制御回路20と映像処理回路30とにより構成され、このうち、タイミ
ング制御回路20は、各部を制御するためのタイミング信号やクロック信号などを同期信
号Syncに基づいて生成し、また、映像処理回路30は、映像データVdを処理してデータ
信号Vidとして液晶表示パネル10に供給する。
ここで、説明の便宜上、映像データVdは、画素の階調値を、最も暗い黒色の「0」か
ら最も明るい白色の「7」までの8段階で指定するデジタルデータであるとする。
なお、映像処理回路30における映像処理の内容の詳細にはついては後述する。
【0008】
液晶表示パネル100では、1〜m行の走査線112が図において横方向に延接される
一方、1〜n列のデータ線114が縦方向に延設されている。そして、これらの走査線1
12とデータ線114との交差の各々に対応するように画素110がそれぞれ配設されて
いる。このため、本実施形態では、画素110が縦m行×横n列でマトリクス状に配列す
ることになる。また、マトリクス状の配列する画素110のうち、ある1つの特定の画素
については、走査線112の行数とデータ線114の列数とで特定することができる。例
えば、2行4列の画素110は、2行目の走査線112と4列目のデータ線114との交
差に対応するものである、ということができる。
【0009】
説明の便宜上、画素110について説明する。図2は、画素110の電気的な構成を示
す図である。
図2に示されるように、画素110においては、nチャネル型のTFT116のソース
電極がデータ線114に接続されるとともに、ドレイン電極が画素電極118に接続され
る一方、ゲート電極が走査線112に接続されている。
画素電極118は、画素毎に設けられ、それぞれ矩形形状である。これに対して、対向
電極108は、画素電極118のすべてに対向するように全画素に対して共通に設けられ
るとともに、一定の電圧LCcomが印加されている。そして、対向電極108と画素電極
118との間に液晶105が挟持され、これにより液晶素子120が構成されている。こ
のため、画素毎に、画素電極118、対向電極108および液晶105からなる液晶素子
120が設けられることになる。
【0010】
このような構成の液晶素子120は、画素電極118および対向電極108の間で電圧
を保持するとともに、透過型であれば、その電圧の実効値に応じた透過率となる。このた
め、走査線112に選択電圧を印加させるとともに、選択した走査線112に対応する画
素に対して、指定された階調値に応じた電圧のデータ信号をデータ線114に供給すると
、選択走査線における画素110のTFT116はオン状態となり、当該データ信号が、
オン状態のTFT116を介して画素電極118に印加されるので、液晶素子120に対
し、階調値に応じた電圧を印加・保持させて、目的とする階調に応じた透過率とさせるこ
とができるはずである。
なお、走査線に非選択電圧を印加して、TFT116をオフ状態とさせても、TFT1
16がオン状態のときに液晶素子120に書き込まれた電圧は、その容量性によりに保持
される。
【0011】
本実施形態では、便宜的に液晶素子120に保持される電圧実効値がゼロに近ければ、
光の透過率が最大となって白色表示になる一方、電圧実効値が大きくなるにつれて透過す
る光量が減少するノーマリーホワイトモードであるとする。
また、液晶105に直流成分が印加するのを防止するため、液晶素子120については
対向電極108の電圧LCcomと同じ基準電圧Vcに対して高位側の正極性電圧と低位側の
負極性電圧とが交互に印加される(交流駆動)。
【0012】
説明を図1に戻すと、Yドライバ130は、1、2、3、…、m行目の走査線112に
対して走査信号Y1、Y2、Y3、…、Ymをそれぞれ供給する走査線駆動回路として機
能するものである。詳細には、Yドライバ130は、図3に示されるように、1フレーム
期間のうち、垂直走査期間Faにおいて、走査線112を1、2、3、…、m行目という
順番で、かつ、排他的に選択するとともに、選択した走査線への走査信号を選択電圧Vdd
に、それ以外の非選択の走査線への走査信号を非選択電圧Vssとする。
Xドライバ140は、映像処理回路30から供給され、選択走査線に対応する1〜n列
の画素に対応するデータ信号Vidを、当該選択走査線への走査信号が選択電圧Vddとなる
のに合わせて、1〜n列目のデータ線114にサンプリングなどして、データ信号X1〜
Xnとして供給するものである。
したがって、画素に指定された階調値に応じた電圧のデータ信号を供給するデータ信号
供給回路は、映像処理回路30とXドライバ140とによって構成されることになる。
【0013】
なお、本実施形態においては、液晶素子120により保持される電圧を除き、非選択電
圧Vssを電圧ゼロの基準として説明する。液晶素子120では、対向電極108の電圧L
Ccomと画素電極118との電圧との差が保持されるので、他の信号とは基準を別にする
必要があるからである。
【0014】
ところで、ノーマリーホワイトモードにおいて液晶素子に保持される電圧実効値と透過
率との関係は、図4に示されるようなV−T特性で表される。このため、映像データVd
で指定される画素の階調値が「0」〜「7」の8段階で指定されるのであれば、液晶素子
に保持される電圧の実効値が階調値に応じてV0〜V7となるように制御すれば、画素に指
定される階調値に対して液晶素子の実際の透過率(光学状態)を、図8においてCで示さ
れるような特性とすることができる。
【0015】
液晶素子に保持される電圧の実効値とは、対向電極の電圧LCcomと画素電極に印加さ
れるデータ信号との電圧に基づく値であって、1フレーム期間を基準単位とした値である
。このため、電圧振幅方式とする場合のデータ信号については、階調値が「0」〜「7」
であるときに液晶素子に実効値V0〜V7が印加されるように、正極性であれば電圧V0(+)
〜V7(+)に、負極性であれば電圧V0(-)〜V7(-)に、それぞれ規定すれば良いはずである
(図6参照)。
ただし、このようにデータ信号を、映像データVdで指定される階調や極性に応じて規
定するだけでは、横電界に起因する表示上の不具合が発生してしまう。
【0016】
そこで次に、この横電界による表示上の不具合について考察する。図11は、本発明に
おいて問題とする表示上の不具合の例を示す図である。
まず、このような表示品位の低下とは、例えば図11に示されるように、やや暗い灰色
のウィンドウ領域Aを、白色領域を背景として右方向にゆっくりと移動するような動画を
画面表示させた場合に、灰色の領域Aが移動した後に白色となるべき領域Bが、当該灰色
と白色との中間階調(やや暗い白色)となってしまう現象である。この現象は、灰色の領
域Aの移動後に、やや暗い白色の領域Bが尾を引くように視覚されることから、尾引き現
象とも言われ、時間経過とともに解消する傾向がある。
なお、図11では、明暗を斜線の密度で表現している。次の図12および図13につい
ても同様である。
【0017】
ここで、表示品位の低下の原因について図12および図13を参照して説明する。
例えば面反転方式において、同一フレームであれば、白色領域の画素電極118同士は
互いに同一電位であり、灰色領域の画素電極118同士も互いに同一電位である。ただし
、正極性であれば、灰色領域の画素電極118は、白色領域の画素電極118よりも高位
となる。
このため、あるフレーム期間において白色領域と灰色領域との境界に位置する画素に着
目すると、正極性であれば図12に示される矢印のように、灰色領域の画素電極から白色
領域の画素電極に向かう方向に横電界が発生する。なお、負極性であれば、矢印の方向が
逆転するのみであり、同様に横電界が発生する。
【0018】
一方、液晶素子に保持される電圧は、ノーマリーホワイトモードであれば、白色領域よ
りも灰色領域の方が高いので、白色領域と灰色領域との画素同士で比較したとき、縦電界
については、白色領域よりも灰色領域の方が強い。
白色領域と灰色領域との境界に位置する画素同士で比較したときに、横電界が同じよう
に発生するものの、灰色領域の画素では、比較的強い縦電界が支配的となるので、横電界
の影響が無視できる程度となって、ほぼ正しく灰色となる。これに対し、白色領域の画素
では、縦電界が弱いので、横電界の影響が無視できなくなる。この影響は、灰色画素に近
いほど、大きくなる。配向不良は、ノーマリーホワイトモードでは、画素を暗くする方向
に作用するので、図12に示されるように、灰色領域との境界に位置する白色画素では、
灰色画素に近いほど、その一部が暗くなる。
【0019】
なお、画素同士の間隙についてはブラックマトリクス(図示省略)で遮光されるので、
該間隙で生じる配向不良については、ここでは問題としていない。
また、図12において、白色と灰色との境界のうち、白色画素で発生する配向不良は、
当該境界をぼやかす程度にとどまるため、表示上の不具合としては視覚されにくい。
【0020】
ただし、次のフレーム期間において灰色領域が移動したとき、配向不良による表示上の
品位低下が顕在化する。
この点について説明すると、まず、灰色領域の移動によって、図12において白色領域
と灰色領域と境界に位置していた灰色画素は、図13に示されるように白色に変化するの
に対し、白色の画素はその白色を維持する。なお、隣接フレーム同士で同一階調を維持す
る場合であっても、液晶素子における画素電極の電位は、交流駆動に伴う極性反転のため
に変化するが、液晶素子で保持される電圧実効値でみたときには変化がない。
【0021】
液晶の電圧応答性については、液晶素子に保持される電圧を小さくさせる方向であって
、変化後の実効値が小さくなるにつれて低下することが知られている。前フレームにおい
て灰色であった画素が次フレームにおいても白色に変化したとき、液晶の応答性が低下し
ているため、横電界による配向不良が残存してしまうが、灰色であったときの横電界の影
響が元々無視できる程度に小さかったために、白色に変化したときに配向不良が残存して
も、その程度は問題にならない位に小さい。
一方、前フレームにおいて白色であった画素においては、横電界の影響が大きかった上
に、次フレームにおいて白色のままであり、液晶素子の電圧も変化がないので、横電界に
よる配向不良がほぼ同じ程度で残存する。次の次のフレーム以降でも白色であることには
変わりはないので、横電界による配向不良が残存する。
このため、図13に示されるように、かつて灰色領域との境界に位置したために横電界
の影響を受けた白色画素は、灰色領域の移動後においても画素全域が白色とならないで、
その一部が暗くなった状態が継続する。したがって、灰色領域の移動した後に白色になる
べき画素のなかには、その一部が暗くなった画素が灰色の領域Aの移動間隔に応じて残存
するものがあるので、平均的にみて暗くなったように視認されてしまうことになる。
【0022】
横電界による配向不良は、時間経過とともに解消する方向に向かうが、白色領域、厳密
にいえば、液晶素子で保持される電圧の実効値が小さい領域で一旦発生した配向不良は、
比較的長期にわたって残存する傾向が強い、ということができる。
このような配向不良は、ノーマリーホワイトモードの白色画素のように縦電界が弱い画
素で発生する。ただし、上記境界において灰色から白色に変化する画素のように、変化直
前に縦電界が強くて横電界の影響が小さかった画素については、縦電界が弱くなる状態に
変化しても配向不良の影響が小さい。
【0023】
そこで本実施形態では、第1に、横電界の影響を受けそうな階調値、すなわち予め定め
た値よりも明るい階調値が指定された画素については、縦電界を強くするための電圧を強
制的に印加するフレーム期間と、当該階調値に応じて予め定められた電圧を印加するフレ
ーム期間との平均的な透過率で表現する。これにより、縦電界を強くするための電圧が印
加されると、横電界が無視できる程度に小さくなり、以降、当該横電界の影響が残らなく
することができる。
なお、横電界の影響を無視できそうな階調値が指定された画素については、通常通り、
階調値に相当する電圧を液晶素子に印加・保持させる構成とする。
また、液晶素子における縦電界は、その液晶素子における画素電極と対向電極との電圧
の実効値に比例する。このため、縦電界については、1フレーム期間において液晶素子に
保持される電圧実効値で論じれば良いことになる。
【0024】
次に、横電界の影響を受けそうな明るい階調値が指定された画素に対し、同一フレーム
期間において縦電界を強くするための電圧を一斉に印加してしまうと、ノーマリーホワイ
トモードでは当該フレーム期間において暗くなってしまい、フリッカーの原因となる。
そこで、本実施形態では、第2に、あるフレーム期間において、そのような明るい階調
値が指定された画素のうち、奇数行奇数列および偶数行偶数列の画素に対しては縦電界を
強くするための電圧を印加し、偶数行奇数行および奇数行偶数列に対しては当該階調に応
じて予め定められた電圧を印加する一方、次のフレーム期間において、画素への印加電圧
を切り替える構成とする。
【0025】
続いて、液晶素子を交流駆動しなければならないが、極性反転の周期を従来のように1
フレーム期間に設定しまうと、本実施形態では、横電界の影響を受けそうな明るい階調値
が指定された画素に対し、2種類の電圧を印加することとの関係上、直流成分が印加され
てしまう可能性がある。そこで、これを避けるために、本実施形態では、第3に、極性反
転周期を例えば2フレーム期間としている。
なお、極性反転の周期を2フレーム期間に設定したときに、各フレームを区別するため
に、便宜的に正極性とする2フレームの期間を順番に第1および第2フレームとし、負極
性とする2フレームの期間を順番に第3および第4フレームとする。
【0026】
本実施形態では、上記第1〜第3処理を映像処理回路30が実行する。図5は、映像処
理回路30が映像データVdで指定される階調値をデータ信号Vidに変換する際し、いか
なる電圧に変換するかを第1〜第4フレーム毎に、画素の位置別に示すテーブルである。
詳細には、映像処理回路30は、映像データVdで指定される階調値の画素が、奇数行奇
数列および偶数行偶数列であるならば、図5の上方のテーブルにしたがって映像データV
dをデータ信号Vidに変換し、偶数行奇数列および奇数行偶数列であるならば、図5の下
方のテーブルにしたがって映像データVdをデータ信号Vidに変換する。
【0027】
ここで、図5において、正極性の電圧Vth(+)とは、データ信号として供給して画素電
極118に印加したときに、その液晶素子において横電界による影響が無視できる程度の
縦電界を生じさせる電圧範囲の下限値である。また、負極性の電圧Vth(-)とは、データ
信号として供給したときに、液晶素子において横電界による影響が無視できる程度の縦電
界を生じさせる電圧範囲の上限値である。
なお、実際には、この電圧Vth(+)、Vth(-)は、実際に実験や表示評価などにより実験
的に求められる。また、電圧Vth(+)、Vth(-)を画素電極118に印加した場合に液晶素
子に印加される電圧実効値をVthとしたとき、例えば図4に示されるように、当該液晶素
子の透過率が階調値「4」および「5」に相当する、と想定している。換言すれば、本実
施形態では、横電界による影響が出始める液晶素子のしきい値電圧をVthとし、階調値が
「5」以上であれば、通常の電圧振幅方式において横電界による影響が発生すると想定し
ている。
【0028】
この想定において、本実施形態に係る映像処理回路30は、映像データVdに対応する
画素が奇数行奇数列および偶数行偶数列である場合に、当該画素に指定される階調値が「
5」以上の「5」、「6」および「7」であるとき、第1フレームであれば、これらの階
調値に関係なく電圧Vth(+)のデータ信号Vidに変換する。また、このとき、映像処理回
路30は、第2フレームであれば、これらの階調値に応じて予め定められた電圧Vb(+)、
Va(+)、V7(+)に、第3フレームではこれらの階調値に関係なく電圧Vth(-)に、第4フ
レームでは、これらの階調値に応じて予め定められた電圧Vb(-)、Va(-)、V7(-)に、そ
れぞれ変換する。
一方、映像データVdに対応する画素が偶数行奇数列および奇数行偶数列である場合に
、当該画素に指定される階調値が「5」以上の「5」、「6」および「7」であるとき、
奇数行奇数列および偶数行偶数列における第1および第2フレームの電圧同士を入れ替え
るとともに、奇数行奇数列および偶数行偶数列における第3および第4フレームの電圧同
士を入れ替えた関係とする。
ここで、電圧Va(+)、Va(-)を画素電極118に印加したときの液晶素子の電圧実効値
をVaとし、同様に、電圧Vb(+)、Vb(-)を画素電極118に印加したときの液晶素子の
電圧実効値をVbとする。ここで、液晶素子の電圧実効値Va、Vbは、図4に示されるよ
うに、V7<Va<Vb<Vthという関係にある。
なお、映像処理回路30は、階調値「0」から「4」までについては、データ信号Vid
として階調値に応じて、第1および第2フレームであれば電圧V0(+)〜V4(+)に、第3お
よび第4フレームであれば電圧V0(-)〜V4(-)に、それぞれ変換する。
【0029】
映像処理回路30によって映像データVdがデータ信号Vidに変換される構成において
、例えば階調値「7」が指定される画素が縦および横方向に複数互いに隣接するとき、図
7に示されるように、第1フレームでは、当該隣接領域のうち奇数行奇数列および偶数行
偶数列の画素110に対して電圧Vth(+)のデータ信号が供給されるので、階調値「7」
に相当する透過率よりも小さくなるのに対し、偶数行奇数列および奇数行偶数列の画素1
10に対して電圧V7(+)のデータ信号が供給されるので、階調値「7」に相当する透過率
となる。
一方、当該隣接領域において階調値「7」が維持される場合、第2フレームでは、当該
隣接領域のうち奇数行奇数列および偶数行偶数列の画素110に対して電圧V7(+)のデー
タ信号が供給されるので、階調値「7」に相当する透過率となるのに対し、偶数行奇数列
および奇数行偶数列の画素110に対して電圧Vth(+)のデータ信号が供給されるので、
階調値「7」に相当する透過率よりも小さくなる。
そして、引き続き当該隣接領域において階調値「7」が維持される場合、第3フレーム
では、当該隣接領域のうち奇数行奇数列および偶数行偶数列の画素110が、階調値「7
」に相当する透過率よりも小さくなるのに対し、偶数行奇数列および奇数行偶数列の画素
110が階調値「7」に相当する透過率となり、第4フレームでは、当該隣接領域のうち
奇数行奇数列および偶数行偶数列の画素110が、階調値「7」に相当する透過率となる
のに対し、偶数行奇数列および奇数行偶数列の画素110が階調値「7」に相当する透過
率よりも小さくなる。
【0030】
このように、階調値「7」が指定された画素は、連続する2フレーム期間でみたとき、
いずれか一方の1フレーム期間で階調値「7」に相当する透過率となり、他方の1フレー
ム期間で階調値「4」および「5」の間に相当する透過率となる。したがって、階調値「
7」が指定された画素は、当該2フレーム期間を基準としてみた場合に、この2つの透過
率の平均値となり、階調値「7」に相当する透過率よりも小さくなるので、若干暗く表現
されることにはなる。
しかしながら、本実施形態では、画素電極118に対して電圧Vth(+)、Vth(-)のデー
タ信号Vidを印加することによって液晶素子の横電界による影響、すなわち、配向不良の
残留が防止されるので、表示品位の低下が抑えることが可能となる上に、画素電極に切り
欠け部等を特に設ける必要がなく、形状を変更しないで済むので、開口率の低下について
も防ぐことができる。
また、同じ階調値「7」が指定される画素であっても、電圧Vth(+)またはVth(-)のデ
ータ信号が供給される画素と、電圧V7(+)またはV7(-)のデータ信号が供給される画素と
を、同一フレーム期間において縦および横方向に1画素毎に交互に配列させているので、
フリッカーが目立たない。
さらに、液晶素子の電圧実効値を1フレーム期間毎に交互にVth、V7とさせる場合に
、極性反転周期を1フレーム期間に設定しまうと、液晶に直流成分が印加されてしまうが
、本実施形態では2フレーム期間に設定しているので、4フレーム期間を単位としてみた
ときに、液晶に直流成分が印加されることはない。
なお、ここでは極性反転周期を2フレーム期間としているが、4以上の偶数に相当する
フレーム期間としても良い。
【0031】
階調値「6」が指定された画素は、連続する2フレーム期間でみたとき、いずれか一方
の1フレーム期間で電圧実効値Vaに相当する透過率となり、他方の1フレーム期間で電
圧実効値Vthに相当する透過率となるので、当該2フレーム期間を基準としてみた場合に
、この2つの透過率の平均値となる。
階調値「5」が指定された画素は、連続する2フレーム期間でみたとき、いずれか一方
の1フレーム期間で電圧時刻値Vbに相当する透過率となり、他方の1フレーム期間で電
圧実効値Vthに相当する透過率となるので、当該2フレーム期間を基準としてみた場合に
、この2つの透過率の平均値となる。
なお、階調値「4」〜「0」が指定された画素は、連続する2フレーム期間でみても、
いずれか一のフレーム期間でみても、電圧実効値V4〜V0に相当する透過率となる。
【0032】
ここで、電圧実効値V7、Va、Vb、Vth、V4に対する透過率は、図4に示したように
、この順番で小さくなる。このため、階調値「7」が指定されたときの電圧実効値V7お
よびVthによる透過率の平均値と、階調値「6」が指定されたときの電圧実効値Vaおよ
びVthによる透過率の平均値と、階調値「5」が指定されたときの電圧実効値Vbおよび
Vthによる透過率の平均値と、階調値「4」が指定されたときの電圧実効値V4による透
過率とについても、この順番で小さくなる。
したがって、本実施形態では、図8において実線の太線Dに示されるように、階調値「
5」、「6」、「7」に相当する実際の(平均的な)透過率は、当初の透過率よりも若干
低くなるものの、階調の連続性が確保されることになる。
【0033】
もっとも、図8において実線の細線Eで示されるように、最高階調値「7」に相当する
実際の透過率を最高値として想定し、各階調値に対する透過率を規定し直すことによって
、階調値「5」〜「7」における透過率特性を階調値「0」〜「4」からスムーズに繋げ
ることもできる。この際、人の被視感度にあわせて、いわゆるガンマ特性を持つように、
各階調値に対する液晶素子の透過率を規定し直しても良い。
【0034】
上述した実施形態では、交流駆動における極性反転の周期を2フレーム期間としたが、
図9に示されるように、液晶素子の電圧実効値を同じとするデータ信号を、正極性および
負極性にわたって供給することによりに、1フレーム期間とすることも可能である。なお
、図9における第1、第2、第3、第4フレームは、図5において、それぞれ第1、第3
、第2、第4フレームに相当している。このように、データ信号を供給することによって
も、液晶に直流成分が印加されるのを回避しつつ、横電界の残留による表示品位の低下を
抑えることが可能となる。
【0035】
また、本実施形態においてフレーム期間とは、走査線を1〜m行目という順番で選択す
る期間周期で考えており、映像データの1コマ分が供給される期間(通常、60Hzの1
周期分)とは同一であっても良いし、異なっても良い。映像データの1コマ分が供給され
る期間よりもフレーム期間が短い場合、例えば半分(2倍速)である場合、ある画素につ
いて着目してみると、2フレーム期間にわたって同じ階調値が指定されることになるが、
当該階調値が「5」、「6」、「7」であるとき、図5に示す変換内容であれば、液晶素
子の電圧実効値が異なることになる。
2倍速のみならず、3倍速、4倍速、…、で駆動しても良い。
【0036】
上述した例において、例えば階調値「5」については、液晶素子の電圧実効値をVthと
する1フレーム期間のほかに、電圧実効値Vbとする期間を1フレーム期間だけとして、
これらの平均的な透過率で表現したが、電圧実効値Vth以外の電圧を、さらに2フレーム
期間以上の期間にわたって同一または異ならせて、これらの平均的な透過率で表現しても
良い。
さらに、上述した実施形態では、液晶素子において横電界による配向不良が残留しない
程度の縦電界を生じさせる電圧として、正極性ではVth(+)を、負極性ではVth(-)を、そ
れぞれ供給したが、正極性ではVth(+)以上の電圧を用いても良いし、負極性では、Vth(
-)以下の電圧を用いても良い。
【0037】
なお、上述した例では、1フレームの期間にわたって書き込まれる画素の極性をすべて
同一とする面反転を例にとって説明したが、走査線毎に極性を入れ替える走査線反転では
、縦方向で隣接する画素同士で極性が互いに異なるので、同一階調であっても横電界の影
響を受けやすい。また、データ線毎に極性を入れ替える列反転では、横方向で隣接する画
素同士で極性が互いに異なるので、同様に横電界の影響を受けやすい。画素の極性を縦お
よび横方向に隣接する1画素毎に入れ替えるドット反転では、縦および横方向の双方で隣
接する画素同士で極性が互いに異なるので、横電界の影響を最も受けやすい。したがって
、これらの方式のいずれにおいても、本発明を適用することが可能である。
【0038】
さらに、液晶素子120はノーマリーホワイトモードとしたが、電圧無印加状態におい
て暗い状態となるノーマリーブラックモードとしても良い。液晶素子120をノーマリー
ブラックモードとする場合には、暗い階調を表現するときに横電界の影響を受けるので、
予め定めた値以下の階調値が指定されるときに、液晶素子をしきい値電圧以上とさせるデ
ータ信号と、階調値に対して予め定められた電圧のデータ信号とを切り替えて供給すれば
良い。また、液晶素子120は透過型に限られず、反射型であっても良い。
上述した説明では、書込極性の基準電圧Vcを、画素容量の他端である対向電極108
の電圧LCcomに一致させているが、これは、画素110におけるTFT116が理想的
なスイッチとして機能する場合であり、実際には、TFT116のゲート・ドレイン間の
寄生容量に起因して、オンからオフ状態が変化するときにドレイン電極(画素電極118
)の電位が低下する現象(プッシュダウン、突き抜け、フィールドスルーなどと呼ばれる
)が発生する。このため、書込極性の基準電圧Vcを電圧LCcomに一致させると、1フレ
ーム期間でみたときに負極性書込による液晶素子120の電圧実効値は、正極性書込によ
る実効値よりも若干大きくなってしまう(TFT116がnチャネルの場合)。そこで、
プッシュダウンの影響が相殺されるように、書込極性の基準電圧Vcを、電圧LCcomより
も高位側にオフセットして設定しても良い。
【0039】
<電子機器>
次に、上述した実施形態に係る電気光学装置を用いた電子機器の一例として、電気光学
装置をライトバルブとして用いたプロジェクタについて説明する。図10は、このプロジ
ェクタの構成を示す平面図である。
この図に示されるように、プロジェクタ2100の内部には、ハロゲンランプ等の白色
光源からなるランプユニット2102が設けられている。このランプユニット2102か
ら射出された投射光は、内部に配置された3枚のミラー2106および2枚のダイクロイ
ックミラー2108によってR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色に分離されて、各原
色に対応するライトバルブ100R、100Gおよび100Bにそれぞれ導かれる。なお
、B色の光は、他のR色やG色と比較すると、光路が長いので、その損失を防ぐために、
入射レンズ2122、リレーレンズ2123および出射レンズ2124からなるリレーレ
ンズ系2121を介して導かれる。
【0040】
このプロジェクタ2100では、液晶表示パネル100を含む電気光学装置1が、R、
G、Bの各色に対応して3組設けられる。そして、R、G、Bの各色に対応する映像デー
タがそれぞれ外部の上位装置から供給される構成となっている。ライトバルブ100R、
100Gおよび100Bの構成は、上述した実施形態における液晶表示パネル100と同
様であり、R、G、Bのそれぞれに対応するデータ信号によりそれぞれ駆動される。
ライトバルブ100R、100G、100Bによってそれぞれ変調された光は、ダイク
ロイックプリズム2112に3方向から入射する。そして、このダイクロイックプリズム
2112において、R色およびB色の光は90度に屈折する一方、G色の光は直進する。
したがって、各色の画像が合成された後、スクリーン2120には、投射レンズ2114
によってカラー画像が投射されることとなる。
【0041】
なお、ライトバルブ100R、100Gおよび100Bには、ダイクロイックミラー2
108によって、R、G、Bの各原色に対応する光が入射するので、カラーフィルタを設
ける必要はない。また、ライトバルブ100R、100Bの透過像は、ダイクロイックプ
リズム2112により反射した後に投射されるのに対し、ライトバルブ100Gの透過像
はそのまま投射されるので、ライトバルブ100R、100Bによる水平走査方向は、ラ
イトバルブ100Gによる水平走査方向と逆向きにして、左右を反転させた像を表示する
構成となっている。
【0042】
電子機器としては、図10を参照して説明した他にも、テレビジョンや、ビューファイ
ンダ型・モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電
子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、ディ
ジタルスチルカメラ、携帯電話機、タッチパネルを備えた機器等などが挙げられる。そし
て、これらの各種の電子機器に対して、本発明に係る電気光学装置が適用可能なのは言う
までもない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態に係る電気光学装置の構成を示すブロック図である。
【図2】同電気光学装置における画素の一例を示す図である。
【図3】同電気光学装置におけるYドライバの動作を示す図である。
【図4】同電気光学装置における電圧−透過特性を示す図である。
【図5】同電気光学装置における映像処理回路の動作を示す図である。
【図6】同電気光学装置における電圧の関係を示す図である。
【図7】同電気光学装置における書き込みの状態を示す図である。
【図8】同電気光学装置における階調値と実際の透過率との関係を示す図である。
【図9】同映像処理回路の別動作を示す図である。
【図10】実施形態に係る電気光学装置を用いたプロジェクタの構成を示す図である。
【図11】横電界に起因した表示上の不具合を示す図である。
【図12】表示上の不具合の原因を説明するための図である。
【図13】表示上の不具合の原因を説明するための図である。
【符号の説明】
【0044】
10…制御回路、20…タイミング制御回路、30…映像処理回路、100…液晶表示
パネル、108…対向電極、110…画素、112…走査線、114…データ線、116
…TFT、118…画素電極、120…液晶素子、130…Yドライバ、140…Xドラ
イバ、2100…プロジェクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査線と、
データ線と、
前記走査線と前記データ線との交差に対応して設けられ、一端が前記データ線に接続さ
れ、他端が画素電極に接続されて、前記走査線が選択されたときに、前記一端および前記
他端の間で導通状態となるスイッチング素子と、前記画素電極に印加された電圧と対向電
極に印加された電圧と基づいた光学状態となる電気光学素子とを含む画素と、
を具備する電気光学装置の駆動方法であって、
前記画素に指定される階調値が予め定められた値よりも大きい又は小さい場合であって
、前記画素電極および前記対向電極の間で前記階調値に応じて印加すべき電圧が予め定め
られたしきい値電圧よりも小さい場合に、当該画素に対して、
前記画素電極および前記対向電極の間を前記しきい値電圧以上にさせるデータ信号と、
前記しきい値電圧よりも下回る電圧であって当該階調値に対して予め定められた電圧のデ
ータ信号と、をフレーム期間の整数倍の周期毎に切り替えて前記データ線を介して供給す

ことを特徴とする電気光学装置の駆動方法。
【請求項2】
同一フレーム期間において、
奇数行奇数列および偶数行偶数列の画素に対しては、前記画素電極および前記対向電極
の間を前記しきい値電圧以上にさせるデータ信号を供給し、
偶数行奇数列および奇数行偶数列の画素に対しては、前記階調値に対して予め定められ
た電圧のデータ信号を供給する
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の駆動方法。
【請求項3】
前記データ信号には、所定の基準電圧に対して高位となる正極性と低位となる負極性と
の2種類があり、
前記画素電極および前記対向電極の間を前記しきい値電圧以上にさせる電圧および前記
階調値に対して予め定められた電圧を、この順番でまたは逆の順番で、正極性または負極
性のいずれか一方で供給した後、
前記画素電極および前記対向電極の間を前記しきい値電圧以上にさせる電圧および前記
階調値に対して予め定められた電圧を、この順番でまたは逆の順番で、正極性または負極
性のいずれか他方で供給する
ことを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置の駆動方法。
【請求項4】
前記データ信号には、所定の基準電圧に対して高位となる正極性と低位となる負極性と
の2種類があり、
前記画素電極および前記対向電極の間を前記しきい値電圧以上にさせる電圧を、前記正
極性または負極性のいずれか一方で供給した後、前記正極性または負極性のいずれか他方
で供給し、
続いて、前記階調値に対して予め定められた電圧を、前記正極性または負極性のいずれ
か一方で供給した後、前記正極性または負極性のいずれか他方で供給する
ことを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置の駆動方法。
【請求項5】
走査線と、
データ線と、
前記走査線と前記データ線との交差に対応して設けられ、一端が前記データ線に接続さ
れ、他端が画素電極に接続されて、前記走査線が選択されたときに、前記一端および前記
他端の間で導通状態となるスイッチング素子と、前記画素電極に印加された電圧と対向電
極に印加された電圧と基づいた光学状態となる電気光学素子とを含む画素と、
前記走査線を選択する走査信号を供給する走査線駆動回路と、
前記画素に指定される階調値が予め定められた値よりも大きい又は小さい場合であって
、前記画素電極および前記対向電極の間で前記階調値に応じて印加すべき電圧がしきい値
電圧よりも小さい場合に、当該画素に対して、
前記画素電極および前記対向電極の間を前記しきい値電圧以上にさせるデータ信号と、
前記しきい値電圧よりも下回る電圧であって当該階調値に対して予め定められた電圧のデ
ータ信号と、をフレーム期間の整数倍の周期毎に切り替えて前記データ線を介して供給す
るデータ信号供給回路と
を具備することを特徴とする電気光学装置。
【請求項6】
請求項5に記載の電気光学装置を有することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−26281(P2010−26281A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−188177(P2008−188177)
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】