説明

電気光学装置の製造方法、電気光学装置及び電子機器

【課題】液晶装置等の電気光学装置を、高品位なカラー表示が可能な電気光学装置をより容易な手法で精度よく製造する。
【解決手段】電気光学装置の製造方法は、一対の基板(10、20)と、一対の基板間に挟持された電気光学物質(50)と、額縁遮光領域に配置された額縁遮光膜(53)と、シール領域(52a)に配置されており、一対の基板を互いに貼り合わせるシール材(52)とを備えた電気光学装置を製造できる。本製造方法は、一方の基板(20)上の画素領域に凹部(25)を形成する工程と、遮光膜(23´)をベタ状に形成する工程と、シール領域において遮光膜を除去する工程と、画素領域において遮光膜をパターニングすることにより、ブラックマトリクス(23)を形成する工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶装置等の電気光学装置を製造する方法、電気光学装置、及びこのような電気光学装置を備える電子機器の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気光学装置は、複数の画素部が形成された画素領域の周辺におけるシール領域においてシール材により一対の基板が貼り合わされ、一対の基板間には電気光学物質として例えば液晶が挟持される。この一対の基板間における液晶の厚み(即ち、セルギャップ)を制御するために、少なくともシール材内にギャップ材が散布され一対の基板間の間隔(即ち、基板間ギャップ)が制御される。
【0003】
単板式でカラー表示を行うべく、画素領域に配置された複数の画素部の各々でカラー表示を行うために、一対の基板のうち少なくとも一方の基板上の画素領域に着色層(即ち、カラーフィルタ)が設けられる。この場合、着色層が設けられる画素領域と着色層が設けられないシール領域との間に段差が生じ、基板間ギャップが異なる。このような事態を回避するため、例えば特許文献1では、一方の基板の画素領域に凹部を形成し、この凹部内に着色層を設けることで、一方の基板における液晶に面する側の上面の段差を軽減する技術が提案されている。また、特許文献2及び3では、隣り合う着色層間にブラックマトリクスを設けることにより、画素間に混色が発生することを防ぐ技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−099614号公報
【特許文献2】特開2007−279101号公報
【特許文献3】特開2002−250811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1のように、一方の基板上の凹部内に着色層を形成する場合においても、特許文献2及び3に示されているブラックマトリクスを画素間に設けることが好ましい。しかしながら、凹部内にブラックマトリクスを高精度に製造することが困難であるという技術的な問題点がある。例えば、ブラックマトリクスを、基板上に形成した遮光膜をパターニングすることによって形成しようとする場合、凹部の段差によって、パターニングの際に遮光膜上に塗布されるレジスト膜に塗布ムラが生じてしまう。すると、レジスト膜の露光過程において使用される光線が、塗布ムラによって屈折等されてしまい、パターニングによって形成されるブラックマトリクスの寸法にズレを生じさせてしまう。ブラックマトリクスは少なくとも開口領域(即ち、画像表示領域のうち表示光が透過する領域)を部分的に規定するため、このようにブラックマトリクスの寸法にズレが生じてしまうと、表示光が透過する領域が、本来意図する領域からズレてしまい、表示画像に光学的なムラを生じさせてしまう。また、ブラックマトリクスの寸法は、液晶装置の応答速度に影響を与える基板間のセルギャップの大きさを決定する要素ともなる。従って、この問題点は液晶装置の画質を左右する深刻な問題点となる。
【0006】
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、高品位なカラー表示が可能な電気光学装置をより容易な手法で精度よく製造することができる電気光学装置の製造方法、電気光学装置及びそのような電気光学装置を具備してなる電子機器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電気光学装置の製造方法は上記課題を解決するために、一対の基板と、該一対の基板間に挟持された電気光学物質と、前記一対の基板間において、前記一対の基板上で前記電気光学物質が配置された画素領域の周囲に位置する額縁遮光領域に配置された額縁遮光膜と、前記額縁領域の更に周囲に位置するシール領域に配置されており、前記一対の基板を互いに貼り合わせるシール材とを備えた電気光学装置を製造する電気光学装置の製造方法であって、前記一対の基板のうち一方の基板上の前記画素領域に凹部を形成する凹部形成工程と、前記一方の基板上に、遮光膜をベタ状に形成する遮光膜形成工程と、前記一方の基板上における前記シール領域において、前記遮光膜を除去する遮光膜除去工程と、前記遮光膜除去工程の後に、前記一方の基板上における前記画素領域において、前記遮光膜をパターニングすることにより、ブラックマトリクスを形成するブラックマトリクス形成工程とを備える。
【0008】
本発明に係る電気光学装置の製造方法によって製造される電気光学装置は、一対の基板がシール領域においてシール材によって互いに貼り合わされ、これらの基板間に電気光学物質として例えば液晶が封入される。即ち、一対の基板とシール材とに囲まれた内部空間に電気光学物質が封入された構造を採る。
【0009】
基板上で平面的に見て電気光学物質が占める平面領域が、画素領域(又は「画像表示領域」や「画素アレイ領域」とも呼ぶ)とされ、この領域において、一対の基板の相互に対面する表面に、表示用の電極や配向膜が形成される。尚、画素領域の周囲には額縁遮光領域が配置されており、額縁遮光膜が設けられることによって画素領域の範囲を規定すると共に、光抜けによって画質が低下することを防止している。額縁遮光領域の更に周囲にはシール材が配置されるシール領域が設けられている。シール材は、典型的には、ギャップ材或いはスペーサ材が散布或いは混入されており、このギャップ材によって一対の基板間のギャップが制御されることにより、セルギャップ(液晶の厚み)が調整される。一対の基板のうち一方の基板上の画素領域には、例えば1画素内において、例えばR(赤色)用、G(緑色)用、B(青色)用のサブ画素が設けられており、夫々のサブ画素は、サブ画素間の混色を防止すべくブラックマトリクスによって区画されている。そして、R(赤色)用、G(緑色)用、B(青色)用のサブ画素の各々には、例えばカラーフィルタを構成する着色層が設けられ、着色層を介して例えば透過光が出射されることで、画素単位でカラー表示を行うことが可能となる。
【0010】
本発明に係る電気光学装置の製造方法は、凹部形成工程、遮光膜形成工程、遮光膜除去工程及びブラックマトリクス形成工程を含む。
【0011】
凹部形成工程では、一方の基板上の画像領域において凹部を形成する。ブラックマトリクスや着色層が配置されることによって画素が形成される画素領域が凹むように形成することで、画素形成後の画素領域の周囲に位置する額縁領域と、その周囲に位置する領域(例えば、シール領域)との間に生ずる段差を低減することができる。例えば、一方の基板における他方の基板に対向する側の表面に配向膜を塗布法によって形成する際、一方の基板上における画素領域とその他の領域との間における段差に起因して生じる塗布ムラを低減することができる。これにより、一方の基板上における配向膜の塗布ムラに起因して生じる表示不良を低減できる。
【0012】
遮光膜形成工程では、一方の基板上に、遮光膜をベタ状に形成する。ここで、「ベタ状に形成」とは、一方の基板上に形成された凹部を少なくとも含む所定の領域に渡って、広く形成されていることを意味し、必ずしも一方の基板上の全体に渡って遮光膜が形成されていなくとも足りる。また、遮光膜は凹部上に形成されるので、遮光膜の表面には凹部に対応する段差が生ずることとなる。要するに、シール領域上に形成された遮光膜の表面は、画素領域上に形成された遮光膜の表面に比べて凸状に盛り上がるように形成される。
【0013】
遮光膜除去工程では、シール領域において、遮光膜形成工程において形成した遮光膜を除去する。つまり、遮光膜の表面のうち凸状に突き出た領域であるシール領域上に形成された遮光膜を除去することによって、画素領域及び額縁領域における遮光膜(即ち額縁遮光膜を含むブラックマトリクスとなる遮光膜)の表面と、シール領域における基板の表面との間の段差を軽減することができる。
【0014】
ブラックマトリクス形成工程では、画像領域及び額縁領域において前記遮光膜をパターニングすることにより、額縁遮光膜を含むブラックマトリクスを形成する。遮光膜のパターニングは、例えば遮光膜上にレジスト膜を塗布し、露光、現像、エッチング及び洗浄工程を実行することによって行われる。ここで、上述の遮光膜除去工程において、画素領域及び額縁領域における遮光膜(即ち額縁遮光膜を含むブラックマトリクス)の表面と、シール領域における基板の表面との間の段差が軽減されるように、予めシール領域における遮光膜が除去されているため、遮光膜上にパターニングのために塗布されるレジスト膜には塗布ムラが生じにくい。仮に、塗布ムラが生じてしまうと、レジスト膜を露光する際に使用する光線が、塗布ムラの存在によって屈折等してしまい、レジスト膜に転写されるパターニング形状の寸法がずれてしまう。その結果、上述したように、表示光が透過する開口領域のズレや、表示画像への光学的なムラの発生を引き起こす原因となってしまう。その点、本発明に係る製造方法を用いれば、遮光膜上にパターニングのために塗布されるレジスト膜に塗布ムラが生じにくくすることができるため、ブラックマトリクスを高精度に形成することで、開口領域及びセルギャップを精度よく形成することが可能となる。その結果、表示画像に光学的なムラが生じにくく、優れた応答速度を有する、高品位な画像表示が可能な電気光学装置を製造することができる。
【0015】
以上説明したように、本発明の電気光学装置の製造方法によれば、高品位なカラー表示が可能な電気光学装置を製造することができる。
【0016】
本発明の電気光学装置の製造方法の一態様では、前記遮光膜除去工程は、前記基板上で平面的に見て、前記額縁領域と前記シール領域との間隙に位置する間隙領域に形成された前記遮光膜を併せて除去する。
【0017】
この態様によれば、シール領域に形成された遮光膜だけでなく、額縁領域とシール領域との間隙に位置する間隙領域に形成された遮光膜も併せて除去する。すると、画素領域及び額縁領域における遮光膜(即ち額縁遮光膜を含むブラックマトリクスとなる遮光膜)の表面と、シール領域における基板の表面との間の段差を軽減することができる。遮光膜除去工程においては、理想的にはシール領域においてのみ遮光膜を除去することが最も望ましいが、遮光膜を除去する際のパターニングの精度との兼ね合いから、現実的には、シール領域に遮光膜が幾分残存してしまうおそれがある。すると、レジスト膜を塗布する際に塗布ムラが生じる原因となる、遮光膜の表面とシール領域において露出している基板の表面との間の段差を、逆に増長してしまうおそれがある。そこで、本態様では、敢えて額縁領域とシール領域との間隙に位置する間隙領域に形成された遮光膜まで、併せて除去することによって、シール領域に遮光膜が残存することを防ぎ、画素領域及び額縁領域における遮光膜(即ち額縁遮光膜を含むブラックマトリクスとなる遮光膜)の表面と、シール領域における基板の表面との間の段差をより確実に軽減することができる。
【0018】
尚、額縁領域とシール領域との間隙に位置する間隙領域は、小さく留めることが好ましい。つまり、本態様では間隙領域においても一方の基板の表面が露出することになるため、当該間隙領域において露出した基板の表面と遮光膜(即ち、額縁遮光膜を含むブラックマトリクスとなる遮光膜)の表面との間にも段差が生ずることとなる。従って、仮に間隙領域を大きく形成すると、当該段差もまた、額縁遮光膜を含むブラックマトリクスを形成する際に遮光膜上に塗布するレジスト膜に塗布ムラを引き起こす原因となってしまう。しかし、基板の面積に比べて間隙領域が占める面積が小さければ、当該段差が、レジスト膜の塗布ムラの原因となるリスクを少なく留めることができるため、現実的に問題となることはない。つまり、間隙領域における表面と、遮光膜(即ち、額縁遮光膜を含むブラックマトリクスとなる遮光膜)の表面との間に段差が少々生じたとしても、シール領域に遮光膜が残存することによってレジスト膜等の塗布ムラが促進されてしまう場合に比べて、レジスト膜に生じる塗布ムラは格段に少なく留めることができる。
【0019】
本発明の電気光学装置は、一対の基板と、該一対の基板間に挟持された電気光学物質と、前記一対の基板間において、前記一対の基板上で前記電気光学物質が配置された画素領域及び該画素領域の周囲に位置する額縁領域の更に周囲に位置するシール領域に配置されており、前記一対の基板を互いに貼り合わせるシール材と、前記基板上で平面的に見て、前記額縁領域と前記シール領域との間隙に位置する間隙領域を除く、前記シール領域によって囲まれた領域に形成された、額縁遮光膜を含むブラックマトリクスとを備える。
【0020】
上述の電気光学装置の製造方法によれば、本態様に係る電気光学装置を好適に製造することが可能となる。この電気光学装置によれば、高品位なブラックマトリクスを備えることにより、表示画像に光学的なムラが生じにくく、優れた応答速度を有する、高品位な画像表示が可能な電気光学装置を実現することができる。
【0021】
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気光学装置(但し、その各種態様も含む)を具備する。
【0022】
本発明の電子機器によれば、上述した本発明の電気光学装置を具備してなるので、高品質な画像表示を行うことが可能な、投射型表示装置、テレビ、携帯電話、電子手帳、ワードプロセッサ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルなどの各種電子機器を実現できる。
【0023】
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本実施形態に係る液晶装置の全体構成を示す平面図である。
【図2】図1のA−A´線断面図である。
【図3】図2に示す断面図の一部を拡大して示す部分拡大図である。
【図4】本実施形態に係る液晶装置の製造方法の一例を、順を追って示す工程断面図である。
【図5】本実施形態に係る液晶装置の製造方法の一例を、図4に続いて順を追って示す工程断面図である。
【図6】電気光学装置を適用した電子機器の一例たるパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。
【図7】電気光学装置を適用した電子機器の一例たる携帯電話の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<電気光学装置>
以下の実施形態では、本発明の電気光学装置の一例である駆動回路内蔵型のTFTアクティブマトリクス駆動方式の液晶装置を例にとる。
【0026】
先ず、本実施形態に係る液晶装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。ここに図1は、本実施形態に係る液晶装置の全体構成を示す平面図であり、図2は、図1のA−A´線断面図である。尚、図2においては、各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、該各部材ごとに縮尺を異ならしめてある。
【0027】
図1及び図2において、本実施形態に係る液晶装置100では、TFTアレイ基板10と対向基板20とが対向配置されている。TFTアレイ基板10は例えば石英基板、ガラス基板等の透明基板又は、シリコン基板である。対向基板20は例えばTFTアレイ基板10と同様の材料からなる透明基板である。TFTアレイ基板10と対向基板20との間に液晶層50が封入されており、TFTアレイ基板10と対向基板20とは、画像表示領域10aの周囲に位置するシール領域52aに設けられたシール材52により相互に接着されている。尚、画像表示領域10aは、表示に寄与する光が出射され、画像表示を行うことが可能な領域である。
【0028】
尚、TFTアレイ基板10及び対向基板20は、本発明に係る「一対の基板」の一例であり、対向基板20が本発明に係る「一方の基板」の一例であり、TFTアレイ基板10が本発明に係る「他方の基板」の一例である。
【0029】
シール材52は、両基板を貼り合わせるための、例えば紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂等からなり、製造プロセスにおいてTFTアレイ基板10上に塗布された後、紫外線照射、加熱等により硬化させられたものである。また、例えばシール材52中には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間隔(即ち、基板間ギャップ)を所定値とするためのグラスファイバ或いはガラスビーズ等のビーズ状のギャップ材56が散布されている。
【0030】
図1において、シール材52が配置されたシール領域52aの内側に並行して、画像表示領域10aの額縁遮光膜53が、対向基板20側に設けられている。額縁遮光膜53は、例えば遮光性金属膜等の遮光性材料から形成されている。尚、図2を参照して後述するように、対向基板20におけるTFTアレイ基板10に対向する側(即ち、図2中で上側)には、凹部25が形成されており、額縁遮光膜53は、凹部25内に形成されている。
【0031】
TFTアレイ基板10上における、シール材52が配置されたシール領域52aの外側に位置する領域には、データ線駆動回路101及び外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられている。この一辺に沿ったシール領域52aよりも内側に、サンプリング回路7がTFTアレイ基板10の法線方向から見て額縁遮光膜53に重なるようにして設けられている。また、走査線駆動回路104は、この一辺に隣接する2辺に沿ったシール領域52aの内側に、TFTアレイ基板10の法線方向から見て額縁遮光膜53に重なるようにして設けられている。また、TFTアレイ基板10上には、対向基板20の4つのコーナー部に対向する領域に、両基板間を上下導通材107で電気的に接続するための上下導通端子106が配置されている。これらにより、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的な導通をとることができる。
【0032】
TFTアレイ基板10上には、外部回路接続端子102と、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104、上下導通端子106等とを電気的に接続するための引回配線90が形成されている。
【0033】
次に図2を参照して、本実施形態にかかる液晶装置の断面構造について説明する。TFTアレイ基板10上には、画素スイッチング用のTFT(Thin Film Transistor)や例えば走査線、データ線等の配線、例えば走査線駆動回路104、データ線駆動回路101等の回路を構成する各種電子素子が作り込まれた積層構造が形成されている。画像表示領域10aには、画素スイッチング用のTFTや走査線、データ線等の配線の上層に、絶縁膜14を介して、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明材料からなる画素電極9がマトリクス状に設けられている。画素電極9上には、ラビング処理等の配向処理が施された配向膜(図示省略)が形成されている。
【0034】
他方、対向基板20におけるTFTアレイ基板10に対向する側(即ち、液晶層50に面する側)には、凹部25が形成されており、この凹部25内にRGB(即ち、赤色、緑色、青色)に対応するカラーフィルタ層4(即ち、カラーフィルタ層4R、4G、4B)がサブ画素毎に形成されている。
【0035】
凹部25は、対向基板20におけるシール領域52aよりも内側の領域が、凹むように形成されている。凹部25は、例えば、対向基板20に対してエッチング処理が施されることにより形成される。尚、凹部25は、対向基板20に代えて或いは加えて、対向基板20上に形成された絶縁膜に対してエッチング処理が施されることにより形成されてもよい。
【0036】
赤色のカラーフィルタ層4Rは、赤色の光(即ち、例えば625〜740nmの波長を有する光)のみを通過させるカラーフィルタ層であり、緑色のカラーフィルタ層4Gは、緑色の光(即ち、例えば500〜565nmの波長を有する光)のみを通過させるカラーフィルタ層であり、青色のカラーフィルタ層は、青色の光(即ち、例えば450〜485nmの波長を有する光)のみを通過させるカラーフィルタ層である。例えば赤色のカラーフィルタ層に対応するサブ画素、緑色のカラーフィルタ層に対応するサブ画素、及び青色のカラーフィルタ層に対応するサブ画素という、三つのサブ画素の集合から、一つの画素(即ち、一つのカラー画素或いはフルカラー画素)が構築されている。
【0037】
対向基板20に形成された凹部25内には、隣り合うカラーフィルタ層4の境界を規定するように、ブラックマトリクス23が例えば遮光性金属(例えばアルミニウム)等の遮光性材料から形成されている。ブラックマトリクス23は、対向基板20上で平面的に見て格子状にパターニングされている。このように、ブラックマトリクス23が画像表示領域10aにおいて隣り合うサブ画素間に沿って形成されることによって、サブ画素間の混色や表示画像のコントラスト比の向上に貢献している。
【0038】
本実施形態では特に、ブラックマトリクス23は、後述する製造方法を採用することにより、高精度な寸法を有している。仮にブラックマトリクス23の寸法精度が悪いと、ブラックマトリクス23は、画像表示領域10aにおいて、開口領域を少なくとも部分的に規定しているため、表示光が透過する開口領域が、本来意図する範囲からズレてしまい、表示画像に光学的なムラを生じさせてしまう。従って、本実施形態に係る液晶装置は、高精度な寸法を有するブラックマトリクス23を備えることによって、高品位な画像表示を実現することができる。また、ブラックマトリクスの寸法は、液晶装置の応答速度に影響を与える基板間のセルギャップの大きさを決定する要素ともなるため、この観点からも、高精度な寸法を有するブラックマトリクスを備える本実施形態に係る液晶装置は、高品位な画像表示を実現することができる。
【0039】
尚、図2では図示を省略するが、対向基板20上の積層構造におけるブラックマトリクス23とカラーフィルタ層4との層間には、絶縁膜27(図3参照)が例えばBSG(Boron Silicate Glass:ボロンシリケートガラス)等の絶縁材料から形成されている。絶縁膜27は、ブラックマトリクス23を保護する保護膜としての機能を有している。具体的には、製造プロセスにおいて、ブラックマトリクス23が形成された後に行われるフォトエッチング処理に用いられるアルカリ性の現像液によって例えばアルミニウムから形成されたブラックマトリクス23が腐食してしまうことを、絶縁膜27によって防ぐことができる。
【0040】
対向基板20上におけるカラーフィルタ層4の上層側には、オーバーコート膜24が、対向基板20のほぼ全面を覆うように、例えば、アクリル樹脂、酸化シリコン(SiO2)等の絶縁材料から形成されている。オーバーコート膜24は、カラーフィルタ層4を保護する保護膜としての機能を有している。
【0041】
オーバーコート膜24上には、ITO等の透明材料からなる対向電極21が複数の画素電極9と対向して、対向基板20のほぼ全面に亘って(例えばベタ状に)形成されている。対向電極21上にはラビング処理等の配向処理が施された配向膜(図示省略)が形成されている。
【0042】
液晶層50は、本発明に係る「電気光学物質」の一例としての例えば一種又は数種類のネマティック液晶を混合した液晶からなり、これら一対の配向膜(即ち、画素電極9上に形成された配向膜、及び対向電極21上に形成された配向膜)間で、所定の配向状態をとる。
【0043】
尚、ここでは図示しないが、TFTアレイ基板10上には、データ線駆動回路101、走査線駆動回路104の他に、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路、検査用パターン等が形成されていてもよい。
【0044】
次に、本実施形態に係る液晶装置の対向基板側の構成について、図1及び図2に加えて図3を参照して詳細に説明する。ここに図3は、図2に示す断面図の一部を拡大して示す部分拡大図である。
【0045】
カラーフィルタ層4、ブラックマトリクス23及び額縁遮光膜53は、対向基板20に形成された凹部25内に設けられている。このように凹部内に設けることによって、カラーフィルタ層4、ブラックマトリクス23及び額縁遮光膜53の厚みに起因して生ずる、対向基板20上におけるカラーフィルタ層4が形成された領域(即ち、画素領域)と、カラーフィルタ層4及び額縁遮光膜53のいずれもが形成されていない領域であるシール領域との間における段差を低減できる。そのため、例えば、対向基板20の最上層側に形成された対向電極21上に配向膜を塗布法によって形成する際、画素領域とカラーフィルタ層4及び額縁遮光膜53のいずれもが形成されていない領域であるシール領域52aとの間における段差に起因して生じる塗布ムラを低減できる。これにより、対向基板20上における塗布ムラに起因して生じる表示不良を低減できる。
【0046】
本実施形態では特に、カラーフィルタ層4の液晶層50に面するカラーフィルタ層上面4tは、対向基板20における液晶層50に面する側の表面のうちシール領域52aにおける表面であるシール領域面52tよりも、TFTアレイ基板10側に形成されている。即ち、本実施形態では特に、カラーフィルタ層4は、対向基板20上に形成された凹部25内に、カラーフィルタ層上面4tが、対向基板20におけるシール材52と重なるシール領域面52tよりもTFTアレイ基板10に近くなるように形成されている。
【0047】
より具体的には、対向基板20上におけるカラーフィルタ層4が形成された領域とカラーフィルタ層4が形成されていないシール領域52aとの間における段差d1と、液晶層50の厚み(即ち、セルギャップ)Gとの間に、(セルギャップGの大きさ)+(段差d1の大きさ)≧2.0umの関係式が成立するように、カラーフィルタ層4の厚み及び凹部25の深さが調整されている。つまり、本実施形態に係る液晶装置100では、シール材に散布或いは混入されるギャップ材として、比較的安価である例えば直径が約2.0umであるビーズ状のガラス、グラスファイバ等のギャップ材を用いて、セルギャップを例えば2.0umよりも狭くすることが可能である。例えば、ギャップ材56として直径が約2.0umのビーズ状のギャップ材が用いられる場合でも、段差d1(或いは段差d2)の大きさが例えば約1.2umとなるように、カラーフィルタ層4の厚みを調整することで、セルギャップGの大きさを約0.8umとすることができる。従って、本実施形態に係る液晶装置100は、比較的低い製造コストで狭セルギャップを実現可能である。
【0048】
以上説明した液晶装置100は、次に説明する製造方法によって製造可能である。
<製造方法>
上述した実施形態に係る液晶装置の製造方法について、図4及び図5を参照して説明する。図4及び図5は、本実施形態に係る液晶装置の製造方法の一例を、図2に示した断面図に対応して、順を追って示す工程断面図である。尚、ここでは、本実施形態に特徴的な対向基板20側の製造方法について主に説明することとし、その他の部分の製造方法については説明を適宜省略する。
【0049】
先ず、図4(a)を参照して、本発明に係る凹部形成工程の一例について説明する。ここでは、透明基板からなる対向基板20上におけるシール領域52aよりも内側の領域に凹部25を形成する。具体的には、透明基板からなる対向基板20上におけるシール領域52aを覆うようにレジスト膜510を形成し、このレジスト膜510をマスクとして対向基板20に対してエッチング処理を施す。これにより、シール領域52aよりも内側の領域が窪むように、対向基板20に凹部25が形成される。その後、レジスト膜510を除去する。尚、本実施形態では、凹部25は、その深さが約1.0umとなるように形成される。このように凹部25を形成することにより、画素領域と、その他の領域(例えば、シール領域52a)との間に生ずる段差を低減することができる。
【0050】
次に、図4(b)を参照して、本発明に係る遮光膜形成工程の一例について説明する。ここでは、スパッタリング法により対向基板20上の全面に、例えばアルミニウム等の遮光性金属膜23´をベタ状に形成する。遮光性金属膜23´は、凹部25上を含め、対向基板20上に広く形成されるため、その表面には凹部25に対応する段差部27が形成されることとなる。
【0051】
尚、本実施形態では、遮光性金属膜23´は対向基板20上の全面に形成されているが、対向基板20上の凹部25を少なくとも含む所定の領域に渡って広く形成されていればよい。
【0052】
続いて、図4(c)を参照して、本発明に係る遮光膜除去工程について説明する。ここでは、遮光性金属膜23´のうち窪んでいる領域上にレジスト膜520を形成し、当該レジスト膜520をマスクとして金属遮光膜23´に対してエッチング処理を施すことにより、シール領域52aにおいて遮光性金属膜23´を除去し、対向基板20の表面を露出させる。これにより、シール領域52aにおいて露出した対向基板20の表面と、画素領域に残された遮光性金属膜23´の表面との段差を軽減することができる。
【0053】
尚、本実施形態では、遮光性金属膜23´のうちシール領域52aに近接する一の領域29(図4(d)において点線で囲んだ領域)に形成された遮光性金属膜23´も併せて除去される。すると、画素領域における遮光性金属膜23´の表面と、シール領域52aにおいて露出している対向基板20の表面との間の段差をより確実に軽減することができるようになる。理想的にはシール領域52aにおいてのみ遮光性金属膜23´を除去することが最も望ましいが、遮光性金属膜23´を除去する際のパターニングの精度との兼ね合いから、現実的には、シール領域52aに遮光性金属23膜´が幾分残存してしまうおそれがある。本実施形態では、敢えてシール領域52aに形成された遮光性金属膜23´だけでなく、画素領域のうちシール領域52aとの境界付近の一領域29に形成された遮光性金属膜23´も併せて一部除去することによって、画素領域における遮光性金属膜23´の表面と、シール領域52aにおける対向基板20の表面との間の段差をより確実に軽減させている。
【0054】
尚、画素領域において遮光性金属膜23´を除去する一の領域29は、小さく留めることが好ましい。つまり、本態様では一の領域29においても対向基板20の表面が露出することになるため、当該露出した対向基板20の表面とその他の画素領域における遮光性金属膜23´の表面との間にも段差が生じてしまう。仮に一の領域29が大きければ、当該段差もまた、ブラックマトリクス23を形成する際に遮光性金属膜23´上に塗布するレジスト膜530(図5(e)参照)に塗布ムラを引き起こす原因となってしまう。しかし、画素領域全体に比べて一の領域29が占める面積が小さければ、当該段差が、レジスト膜530の塗布ムラの原因となるリスクを少なく留めることができるため、現実的に問題となることはない。即ち、一の領域29における表面と、遮光性金属膜23´が形成されているその他の画素領域における表面との間に段差が少々生じたとしても、シール領域52aに遮光性金属膜23´が幾分残存してレジスト膜530の塗布ムラが促進されてしまう場合に比べて、レジスト膜530に生じる塗布ムラは格段に少なく留めることができる。
【0055】
続いて、図5(e)から(h)を参照して、本発明に係るブラックマトリクス形成工程について説明する。
【0056】
まず、図5(e)に示すように、遮光性金属膜23´をパターニングすることによりブラックマトリクス23を形成する。ここでは、遮光性金属膜23´をエッチングによりパターニングするために、遮光性金属膜23´上にレジスト膜530を形成する。上述のように、シール領域52aにおいて露出した対向基板20の表面と、遮光性金属膜23´の表面との段差は軽減されているので、遮光性金属膜23´上に塗布されるレジスト膜530に塗布ムラは殆ど生じない。
【0057】
遮光性金属膜23´のパターニングは、例えば遮光膜上に塗布したレジスト膜530を露光及び現像することによってマスクを形成し、当該マスクを介して遮光性金属膜23´に対してエッチング処理を施すことによって行われる(図5(f)参照)。このとき、レジスト膜に塗布ムラが殆ど生じないため、レジスト膜に転写されるパターニング形状の寸法の精度を高くすることができる。その結果、画像表示領域10aにおける開口領域を少なくとも部分的に規定するブラックマトリクス23の寸法、及び基板間のセルギャップを精度よく形成することが可能となる。
【0058】
このように、ブラックマトリクス23の寸法を精度よく形成することによって、高品位な画像表示が可能な液晶装置を製造することが可能となる。上述したように、仮にブラックマトリクス23の寸法精度が悪いと、表示光が透過する開口領域の寸法も少なからずズレてしまうため、表示画像に光学的なムラを生じさせてしまう。本実施形態では、レジスト膜の塗布ムラが生じにくいように、シール領域52aにおいて露出した対向基板20の表面と、遮光性金属膜23´の表面との段差を軽減することにより、ブラックマトリクス23を高精度な寸法で形成することによって、高品位な画像表示を実現可能な液晶装置を製造することができる。
【0059】
尚、本実施形態では、遮光性金属膜23´をパターニングすることにより、ブラックマトリクス23を形成すると同時に、額縁遮光膜53も形成している。
【0060】
以上の工程によってブラックマトリクス23を形成したのち、図5(g)に示すように、対向基板20における画像表示領域10aに、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)夫々に対応したカラーフィルタ層4を形成する。例えば、初めに、Rに対応するフォトレジストを含んだカラーレジストを対向基板20上に均一に塗布する。その後、露光及びパターニングを行い、不要なカラーレジストを除去し、カラーフィルタ層4Rを完成させる。次に、Gに対応するフォトレジストを含んだカラーレジストを、先に形成したカラーフィルタ層4R及び対向基板20上に塗布し、不要なカラーレジストを除去してカラーフィルタ層4Gを完成させる。同様に、Bに対応するフォトレジストを含んだカラーレジストを先に形成したカラーフィルタ層4R及び4G並びに対向基板20上に塗布し、不要なカラーレジストを除去してカラーフィルタ層4Bを完成させる。このようにして、対向基板20における画像表示領域10aにRGB夫々に対応したカラーフィルタ層4が完成する。
【0061】
尚、本実施形態では、カラーフィルタ層4は、カラーフィルタとしての機能を発揮するために、その厚さが約1.8umとなるように形成される。
【0062】
次に、図5(h)に示すように、対向基板20上のほぼ全面を覆うようにオーバーコート膜24を形成する。オーバーコート膜24は、例えば、アクリル樹脂、酸化シリコン等の透明な絶縁材料が所定の膜厚で一様に塗布されることにより形成される。
【0063】
続いて、オーバーコート膜24上に対向電極21を形成する。対向電極21は、ITO等の透明材料から形成される。
【0064】
続いて、対向電極21上にラビング処理等の配向処理が施された配向膜(図示省略)等が形成されることによって、対向基板が完成する。
【0065】
このようにして完成させられた対向基板20は、別途、素子や配線等が形成されたTFTアレイ基板10(図2参照)と、シール領域52aに配置されたシール材52(図2参照)によって貼り合わされ、液晶層50が両基板間に挟持されること等によって、上述の実施形態に係る液晶装置100が完成する。
【0066】
以上説明した製造方法によれば、高精度な寸法を有するブラックマトリクス23を有する液晶装置を製造することが可能となる。このようにして製造された液晶装置は、表示光が透過する開口領域が精度よく形成されていることから、光学的なムラの少ない高品位な画像表示が可能である。
<電子機器>
次に、上述した電気光学装置である液晶装置を各種の電子機器に適用する場合について説明する。
【0067】
先ず、上述した液晶装置を、可搬型のパーソナルコンピュータ(いわゆるノート型パソコン)の表示部に適用した例について、図6を参照して説明する。図6は、このパーソナルコンピュータの構成を示す斜視図である。同図に示すように、パーソナルコンピュータ1200は、キーボード1202を備えた本体部1204と、上述した液晶装置を適用した表示部1205とを備えている。
【0068】
次に、上述した液晶装置を、携帯電話機の表示部に適用した例について、図7を参照して説明する。図7は、この携帯電話機の構成を示す斜視図である。同図に示すように、携帯電話機1300は、複数の操作ボタン1302とともに、上述した液晶装置を適用した表示部1305を備える。
【0069】
尚、本発明の電気光学装置を適用可能な電子機器としては、図6及び図7を参照して説明した電子機器の他にも、プロジェクタ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等が挙げられる。
【0070】
また本発明は、上述の実施形態で説明した液晶装置以外にも、シリコン基板上に素子を形成する反射型液晶装置(LCOS)、プラズマディスプレイ(PDP)、電界放出型ディスプレイ(FED、SED)、有機ELディスプレイ、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、電気泳動装置等にも適用可能である。
【0071】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気光学装置、電気光学装置の製造方法及び該電気光学装置を備えてなる電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0072】
4 カラーフィルタ層、 4t カラーフィルタ層上面、 9…画素電極、 10 TFTアレイ基板、 10a 画像表示領域、 20 対向基板、 21 対向電極、 23 ブラックマトリクス、 23´ 遮光性金属膜、 24 オーバーコート膜、 25 凹部、 50 液晶層、 52 シール材、 52a シール領域、 53 額縁遮光膜、 56 ギャップ材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の基板と、該一対の基板間に挟持された電気光学物質と、前記一対の基板間において、前記一対の基板上で前記電気光学物質が配置された画素領域の周囲に位置する額縁遮光領域に配置された額縁遮光膜と、前記額縁領域の更に周囲に位置するシール領域に配置されており、前記一対の基板を互いに貼り合わせるシール材とを備えた電気光学装置を製造する電気光学装置の製造方法であって、
前記一対の基板のうち一方の基板上の前記画素領域に凹部を形成する凹部形成工程と、
前記一方の基板上に、遮光膜をベタ状に形成する遮光膜形成工程と、
前記一方の基板上における前記シール領域において、前記遮光膜を除去する遮光膜除去工程と、
前記遮光膜除去工程の後に、前記一方の基板上における前記画素領域において、前記遮光膜をパターニングすることにより、ブラックマトリクスを形成するブラックマトリクス形成工程と
を備えることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
【請求項2】
前記遮光膜除去工程は、前記基板上で平面的に見て、前記額縁領域と前記シール領域との間隙に位置する間隙領域に形成された前記遮光膜を併せて除去することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置の製造方法。
【請求項3】
一対の基板と、
該一対の基板間に挟持された電気光学物質と、
前記一対の基板間において、前記一対の基板上で前記電気光学物質が配置された画素領域及び該画素領域の周囲に位置する額縁領域の更に周囲に位置するシール領域に配置されており、前記一対の基板を互いに貼り合わせるシール材と、
前記基板上で平面的に見て、前記額縁領域と前記シール領域との間隙に位置する間隙領域を除く、前記シール領域によって囲まれた領域に形成された、額縁遮光膜を含むブラックマトリクスと
を備えることを特徴とする電気光学装置。
【請求項4】
請求項3に記載の電気光学装置を具備してなることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−191313(P2010−191313A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−37396(P2009−37396)
【出願日】平成21年2月20日(2009.2.20)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】