説明

電気機器の電源回路

【課題】電気機器において、2次側の電源を遮断することで機器の消費電力を削減した電気機器を提供することを目的としている。
【解決手段】機器を運転、停止するためにマイコン1とマイコン1に電源供給するためのスイッチング電源2と、マイコン1とスイッチング電源2を電気的に接続、遮断するためのトランジスタ3を備え、トランジスタ3でマイコン1の電源を遮断して、機器の消費電力を下げることができ、マイコン1の電源を遮断した状態から通常の操作で運転動作が可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器の電源回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電気機器では、待機時のマイコンの消費電力を削減するために、マイコンの機能であるスリープモード状態にするか、マイコンを2個使用し、片方の電源を遮断する方法が知られていた。しかしながら、スリープモードではリモコンの信号入力をマイコンが認識することができず、また、マイコンを2個使用した場合においては、電源を遮断していないマイコンは電力を消費していた(例えば特許文献1参照)。
【0003】
以下、その電気機器について図10を参照にしながら説明する。
【0004】
図10において、太線は電源供給ラインを示し、細線は信号ラインを示す。交流入力電源100はメインスイッチ101を介してパワートランス102から電気機器のメイン回路に電源を供給する。待機状態においては、メインスイッチ101はオフとなっており、メインスイッチ101がオンされてメイン回路に電源が供給されると、メインマイコン103にも電源が供給される。図9からわかるように、電源回路はパワートランス102により1次側と2次側に分離され、サブマイコン104とメインマイコン103との間の信号の伝達はフォトカプラ105を介して行われる、なお、パワートランス102の代わりにスイッチング電源を用いてもよい。
【0005】
次に、点線で囲まれた待機電源回路106の構成について説明する。交流入力電源100の出力は直流電源107によって直流に変換され、直流電源が間欠電源108を介してリモコン受光部109とフィルター110に供給される。また直流電源は間欠コントローラー111、リアルタイマクロックであるRTC112、サブマイコン104、およびスイッチ駆動部113に供給される。図10で示した電源回路は点線yに示す部分でパワートランス102により交流1次側と2次側に分離され、サブマイコン104とメインマイコン103間の信号のやり取りはフォトカプラ105を介して行われる。
【0006】
次に、待機状態における動作について説明する。待機状態において、メイン回路にはメイン電源は供給されず、また、メインマイコン103にも電源供給されないため、電気機器のメイン回路その他パワートランス102から電源を供給される回路にける消費電力はゼロである。一方、待機状態において、リモコン受光部109には以下のように間欠電源が供給される。まず、交流電源100が供給されると、図9の電源回路は待機状態に入る。直流電源107から電源を供給されたRTC112はサブマイコン104に時刻データaを供給すると共に、間欠コントローラー111にトリガーbを出力する。すると、間欠コントローラー111は間欠電源のデューティ比を所定のデューティ比、例えば50%のデューティ比とする信号dを出力して間欠電源を駆動し、リモコン受光部109とフィルター110に間欠電源を供給する。
【特許文献1】特開2001−265449号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような従来の電気機器では、マイコンへの常時電源を遮断するために待機電力を必要とする別のマイコンが必要になるために、待機電力が削減できず、消費電力を減少できないという課題があった。
【0008】
また、待機電力の通電が遮断されて制御手段が駆動していない間、制御手段に信号を入力しても、制御手段が信号を受け付けることができないという課題があった。
【0009】
また、制御手段が駆動していない間、タイマー機能が使えないという課題があった。
【0010】
また、運転操作手段が機器内に組み込まれている場合、運転信号がHiもしくはLoの単発信号であるため、この単発信号で制御手段が復帰した後に信号の種類を認識できないという課題があった。
【0011】
また、制御手段が待機状態に制御手段への電源を遮断するたびに、制御手段が記憶していた設定状態がリセットしてしまうという課題があった。
【0012】
制御手段が待機状態となり、電源を遮断して省エネ状態となることを、ユーザーがわかりにくいという課題があった。
【0013】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、待機電力を削減し省エネであり、待機電力の通電が遮断されて制御手段が駆動していない状態においても、通常の操作で機器が動作することができ、かつ電源を遮断する前の設定状態を記憶することができる電気機器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
電気機器内に、前記電気機器の運転、停止を制御するための制御手段と、制御手段に供給する電源を作る電源回路と、制御手段と電源回路を電気的に接続、遮断するための電源開閉手段とを備え、停止時に制御手段が待機状態となった時に、電源開閉手段で制御手段への電源を遮断する構成としたものである。
【0015】
この手段により、制御手段が待機状態のときに、制御手段にかかる電力をゼロにすることができる電気機器の電源回路を得ることができる。
【0016】
また、他の手段は、制御手段へ無線で信号を送る信号送信手段と、機器内に信号送信手段からの信号を受信する受信手段と、受信手段から受信した信号を維持する維持回路を備え、信号送信手段からの信号を維持回路で維持する構成としたものである。
【0017】
この手段により、受信手段から受信した信号のレベルを維持し続けることによって、受信した信号をトリガーにして制御手段が復帰し、かつ、復帰後に、維持し続けている受信手段から受信した信号を認識することができる。
【0018】
また、他の手段は、信号送信手段からの信号の始めに、電源開閉手段を開状態とするための信号を含んで発信する構成としたものである。
【0019】
この手段により、受信手段から受信した信号の始めに発信する信号をトリガーにして、制御手段が復帰し、その後に受信した信号を制御手段が認識して動作することができる。
【0020】
また、他の手段は、信号送信手段から信号を2回以上発信する構成としたものである。
【0021】
この手段により、受信手段から受信した1回目の信号をトリガーにして復帰した制御手段が、その後に受信した信号を制御手段が認識して動作することができる。
【0022】
また、他の手段は、信号送信手段にタイマーを備え、タイマーが起動すると、信号送信手段から信号が発信する構成としたものである。
【0023】
この手段により、制御手段が駆動していない状態でも、信号送信手段のタイマーが起動し、信号送信手段からの信号により制御手段が復帰して、機器が動作することができる。
【0024】
また、他の手段は、運転操作手段を操作した状態に維持する構成としたものである。
【0025】
この手段により、運転操作手段を入力した信号をトリガーにして復帰した制御手段が、復帰後に、運転操作手段が操作状態を維持していることで、運転操作手段からの信号を出力し続けており、制御手段が信号を認識することができる。
【0026】
また、他の手段は、有線で制御手段に信号を送信する運転操作手段を備え、運転操作手段からの信号を維持回路で維持する構成としたものである。
【0027】
この手段により、運転操作手段を入力した信号をトリガーにして復帰した制御手段が、復帰後に、維持し続けている運転操作手段からの信号を認識することができる。
【0028】
また、他の手段は、制御手段からの信号を記憶することが可能な記憶手段を備える構成としたものである。
【0029】
この手段により、制御手段の電源が遮断している状態から復帰した後にも、電源遮断前の機器の状態を記憶することができる。
【0030】
また、他の手段は、制御手段への電源を供給しているときに表示する表示手段を備え、制御手段への電源を遮断しているときに表示手段を表示しない構成としたものである。
【0031】
この手段により、制御手段への電源が遮断された省エネ状態となっていることをユーザーが把握できる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、機器停止時の待機状態の消費電力を下げて省エネ状態となることができる電気機器の電源回路が得られる。
【0033】
また、機器停止時の待機状態に制御手段の電源を遮断した状態、すなわち、待機電力の通電が遮断されて制御手段が駆動していない状態においても、通常の操作で動作することができる電気機器の電源回路が得られる。
【0034】
また、制御手段の電源を遮断した状態である機器停止時の待機時においても、電源遮断前の機器の状態を記憶できる電気機器が得られる。
【0035】
また、ユーザーが機器が省エネ状態であることを実感できる電気機器が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明の請求項1の発明は、電気機器内に、前記電気機器の運転、停止を制御するための制御手段と、制御手段に供給する電源を作る電源回路と、制御手段と電源回路を電気的に接続、遮断するための電源開閉手段とを備え、停止時に制御手段が待機状態となった時に、電源開閉手段で制御手段への電源を遮断する構成としたものであり、制御手段が待機状態のときに、制御手段にかかる電力をゼロにすることにより、機器停止時の待機状態の消費電力を下げて省エネとすることができるという作用を有する。
【0037】
本発明の請求項2の発明は、制御手段へ無線で信号を送る信号送信手段と、電気機器内に信号送信手段からの信号を受信する受信手段と、受信手段から受信した信号を維持する維持回路を備え、信号送信手段からの信号を維持回路で維持することで、受信手段から受信した信号をトリガーにして復帰した制御手段が、復帰後に、維持し続けている受信手段から受信した信号を認識することができ、制御手段の電源を遮断した状態である機器停止時の待機時においても、通常の操作で動作することができるという作用を有する。
【0038】
本発明の請求項3の発明は、信号送信手段からの信号の始めに、制御手段への電源を供給する信号を含んで発信することにより、受信手段から受信した信号の始めの信号をトリガーにして復帰した制御手段が、その後に受信した信号を制御手段が認識して動作することができ、機器停止時の待機状態に制御手段の電源を遮断した状態でも、通常の操作で動作することができるという作用を有する。
【0039】
本発明の請求項4の発明は、信号送信手段から信号が2回以上発信する構成としたものであり、受信手段から受信した1回目の信号をトリガーにして復帰した制御手段が、その後に受信した信号を制御手段が認識して動作することができ、制御手段の電源を遮断した状態である機器停止時の待機時においても、通常の操作で動作することができるという作用を有する。
【0040】
本発明の請求項5の発明は、信号送信手段にタイマーを備え、タイマーが起動すると、信号送信手段から信号が発信する構成としたものであり、制御手段が駆動していない状態でも、信号送信手段のタイマーが起動し、信号送信手段からの信号により制御手段が復帰して、機器が動作することができ、制御手段の電源を遮断した状態である機器停止時の待機時においても、通常の操作で動作することができるという作用を有する。
【0041】
本発明の請求項6の発明は、運転操作手段を操作した状態に維持する構成としたものであり、運転操作手段から入力した信号をトリガーにして復帰した制御手段が、復帰後に、運転操作手段が操作状態を維持し続けて信号を出力しており、制御手段が信号を認識することができ、機器停止時の待機状態に制御手段の電源を遮断した状態でも、通常の操作で動作することができるという作用を有する。
【0042】
本発明の請求項7の発明は、有線で制御手段に信号を送信する運転操作手段を備え、運転操作手段からの信号を維持回路で維持する構成としたものであり、運転操作手段を入力した信号をトリガーにして復帰した制御手段が、復帰後に、維持し続けている運転操作手段からの信号を認識することができ、制御手段の電源を遮断した状態である機器停止時の待機時においても、通常の操作で動作することができるという作用を有する。
【0043】
本発明の請求項8の発明は、制御手段からの信号を記憶することが可能な記憶手段を備える構成としたものであり、制御手段の電源を遮断した状態である機器停止時の待機時においても、電源遮断前の機器の状態を記憶できるという作用を有する。
【0044】
本発明の請求項9の発明は、制御手段への電源が供給しているときに表示する表示手段を備え、制御手段への電源を遮断しているときに表示手段を表示しない構成としたものであり、制御手段への電源が遮断された省エネ状態となっていることをユーザーが把握でき、ユーザーが省エネであることを実感できるという作用を有する。
【0045】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0046】
(実施の形態1)
図1に示すように、電気機器内に、機器の運転、停止を制御するための制御手段としてのマイコン1と、マイコン1に供給する電源を作る電源回路としてのスイッチング電源2と、マイコン1とスイッチング電源2を電気的に接続、遮断するための電源開閉手段としてのトランジスタ3と、トランジスタ3のベースに接続して、トランジスタ3が接続状態を維持するためのラッチ回路A4と、マイコン1へ無線で信号を送る信号送信手段としてのリモコン5と、機器内にリモコン5からの信号を受信する受信手段としての受信部6と、受信部6からの信号を維持する維持回路としてのラッチ回路B7を構成する。
【0047】
上記構成において、機器の運転、停止などの動作の制御をマイコン1によっておこなっている。通常、停止状態においては、機器の全てのアクチュエーターを停止し、タイマーなどのマイコン1の内部処理をしていない状態であれば、マイコン1は運転信号の入力を待ち受ける以外の動作はしていない。この状態の時、マイコン1は電源を供給しているスイッチング電源2との電気的な接続を遮断するために、トランジスタ3へ信号を送り、マイコン1への電源を遮断する。
【0048】
待機状態は上記のようにマイコン1の電源が遮断した状態である。ユーザーが待機状態から運転をするために、リモコン5から運転信号を送信する。送信した運転信号は受信部6で受信してラッチ回路B7によって信号出力は維持される。
【0049】
具体的に言うと、図2に示すように、通常、マイコン1の信号ポートがLoレベルであるとすると、リモコン5は運転信号としてHiレベルの信号を受信部6へ送信する。受信したHiレベルの信号によって、トランジスタ3は接続状態となり、マイコン1へ電源が供給される。トランジスタ3は、ラッチ回路A4によっラッチ回路B7て接続状態を維持される。また、受信したHiレベルの信号はラッチ回路B7に送られ、によってHiレベルに維持される。マイコン1は電源供給されることで通常状態に復帰し、ラッチ回路B7からHiレベルの信号を入力して、マイコン1は運転を認識する。マイコン1は運転を認識後、ラッチ回路B7へラッチ解除の信号を送信し、運転状態において信号待ち受け状態となる。
【0050】
ここで、マイコン1の電源供給、すなわち、通電を遮断している際、ラッチ回路A4およびラッチ回路B7には電源供給し続けているが、マイコン1の消費電流と比べて充分に小さく、数μA程度である。
【0051】
このようにして、待機時に、マイコン1の電源、通電を遮断することで待機電力を削減し、通常の運転操作で、マイコン1の通電を遮断した待機状態から電源供給、すなわち、通電された運転状態へ切り替えることができることとなる。
【0052】
なお、本実施の形態では、電源回路としてスイッチング電源2、電源開閉手段としてトランジスタ3、信号送信手段としてリモコン5、維持回路としてラッチ回路B7を用いたが、同様の作用効果をもたらすものであればこれに限るものではない。
【0053】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態1と同一のものは同一番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0054】
図3に示すように、機器内に、機器の運転、停止を制御するための制御手段としてのマイコン1と、マイコン1に供給する電源を作る電源回路としてのスイッチング電源2と、マイコン1とスイッチング電源2を電気的に接続、遮断するための電源開閉手段としてのトランジスタ3と、トランジスタ3のベースに接続して、トランジスタ3が接続状態を維持するためのラッチ回路A4と、マイコン1へ無線で信号を送る信号送信手段としてのリモコン5と、機器内にリモコン5からの信号を受信する受信手段としての受信部6を構成する。
【0055】
上記構成において、図4に示すように、リモコン5から送信した信号の始めに、トランジスタ3をONする為の信号8を発信し、1秒後にリモコン5より運転信号A9を受信部6に向けて発信する。始めに送信した信号8が受信部6で受信し、トランジスタ3をONする。トランジスタ3がONすることでマイコン1へ電源が供給されて、1秒以内にマイコン1は通常状態に復帰する。マイコン1が復帰した後、マイコン1からトランジスタ3を常時ONとするように電源を供給する。その後、信号8の1秒後に発信した運転信号A9を受信部6で受信し、マイコン1へ入力されて、運転信号A9に従った運転を行う。
【0056】
また、トランジスタ3をONするために、リモコン5から送信した信号の始めに信号8を入れたが、信号8の代わりに運転信号を入れても同様の効果が得られる。
【0057】
図5に示すように、リモコン5から運転信号B10を発信し、1秒後に再度運転信号B10と同じ信号である運転信号C11を発信する。始めに送信した運転信号B10が受信部6で受信し、トランジスタ3をONする。トランジスタ3がONすることでマイコン1へ電源が供給されて、1秒以内にマイコンは通常状態に復帰する。マイコン1が復帰した後、マイコン1からトランジスタ3を常時ONとするように電源を供給する。その後、運転信号B10の1秒後に発信した運転信号C11を受信部6で受信し、マイコン1へ入力されて、運転信号C11に従った運転を行う。
【0058】
このようにして、マイコン1の電源を遮断することで待機電力を削減し、通常の運転操作で待機状態から運転状態へ切り替えることができる。
【0059】
また、リモコン5にタイマー機能を有すことで、マイコン1が駆動していない状態においてもタイマーによる動作をすることができる。
【0060】
具体的に言うと、リモコン5のタイマー設定を『1時間後に運転』としたとき、タイマーの待機状態ではマイコン1も待機状態となり、電源はトランジスタ3によって遮断している。1時間経過後、リモコン5のタイマーが起動し、リモコン5からトランジスタ3をONする信号と、運転信号を発信する。
【0061】
このようにして、機器のマイコン1が駆動していない状態でも、タイマー機能を使用して運転をすることができる。
【0062】
なお、本実施の形態では、1つめの信号と2つめの信号の間隔を1秒としたが、同様の作用効果をもたらすものであればこれに限るものではない。
【0063】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態1と同一のものは同一番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0064】
図6に示すように、機器内に、機器の運転、停止を制御するための制御手段としてのマイコン1と、マイコン1に供給する電源を作る電源回路としてのスイッチング電源2と、マイコン1とスイッチング電源2を電気的に接続、遮断するための電源開閉手段としてのトランジスタ3と、マイコンへ有線で信号を送る運転操作手段としてのロック型のキースイッチ12を構成する。
【0065】
上記構成において、機器の運転、停止などの動作の制御をマイコン1によっておこなっている。通常、停止状態においては、機器の全てのアクチュエーターを停止し、タイマーなどのマイコン1の内部処理をしていない状態であれば、マイコン1は運転信号の入力を待ち受ける状態のみとなっている。この状態の時、マイコン1は電源を供給しているスイッチング電源2との電気的な接続を遮断するために、トランジスタ3へ信号を送り、マイコン1への電源を遮断する。
【0066】
待機状態は上記のようにマイコン1の電源が遮断した状態である。ユーザーが待機状態から運転をするために、目的の運転のキースイッチ12を押す。キースイッチ12がロック型であるため、一度キースイッチ12が押されると、押された状態を維持するため、キー入力が常にされている状態となる。そのため、キースイッチ12から常にHiの信号が出力され、信号はトランジスタ3およびマイコン1へ入力されて、トランジスタ3がONしてマイコン1へ電源供給されて、マイコン1復帰後、キースイッチ12の入力を認識する。
【0067】
また、キースイッチ12がロック型でなくても同様の効果を得ることができる。
【0068】
図7に示すように、機器内に、機器の運転、停止を制御するための制御手段としてのマイコン1と、マイコン1に供給する電源を作る電源回路としてのスイッチング電源2と、マイコン1とスイッチング電源2を電気的に接続、遮断するための電源開閉手段としてのトランジスタ3と、マイコンへ有線で信号を送る運転操作手段としてのプッシュスイッチ13と、プッシュスイッチ13からの信号を維持するための、維持回路としてのラッチ回路B7を構成する。
【0069】
待機状態から運転をするためにプッシュスイッチ13を押すと、プッシュスイッチ13がロック型で無い場合は、押してから指を離すまでの間しかプッシュスイッチ13からの信号は得ることはできない。そのため、プッシュスイッチ13が押されることで出力される信号を、トランジスタ3およびラッチ回路B7へ送信し、トランジスタ3をONしてマイコン1への電源供給を行い、マイコン1は通常状態復帰すると同時に、ラッチ回路B7にてマイコン1へプッシュスイッチ13の信号が維持されて入力される。
【0070】
具体的に言うと、プッシュスイッチ13に『強運転』『弱運転』『微運転』とあったとする。ユーザーは、待機状態に『強運転』押したとき、強運転のHiレベルの信号がトランジスタ3およびラッチ回路B7へと送信される。トランジスタ3は強運転のHiレベルの信号によってONし、マイコン1へ電源供給されて通常状態に復帰する。トランジスタ3は、ラッチ回路A4によって接続状態を維持される。またマイコン1が復帰後、ラッチ回路B7からマイコン1の強運転のマイコンポートへHiレベルの信号が維持されて出力しているため、マイコン1は強運転を認識し、機器は強運転で動き出す。マイコン1が強運転を認識後、ラッチ回路B7のラッチを解除する信号をマイコン1から送信する。
【0071】
このようにして、マイコン1の電源を遮断することで待機電力を削減し、通常の運転操作で待機状態から運転状態へ切り替えることができる。
【0072】
なお、本実施の形態では、運転操作手段としてキースイッチ12、プッシュスイッチ13、維持回路としてラッチ回路B7を用いたが、同様の作用効果をもたらすものであればこれに限るものではない。
【0073】
なお、本実施の形態では、キースイッチの種類として『強運転』『弱運転』『微運転』としたが、同様の作用効果をもたらすものであればこれに限るものではない。
【0074】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態1と同一のものは同一番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0075】
図8に示すように、マイコン1と通信して記憶することができる記憶手段としてのEEPROM14を構成する。
【0076】
上記構成において、マイコン1からEEPROM14へ待機時の前の状態等を記憶する。トランジスタ3によってマイコン1の電源を遮断することでリセットされる内容を、マイコン1復帰後にEEPROM14から読み取って、マイコン1の電源遮断前と同じ状態に戻すことができる。
【0077】
具体的に言うと、強運転の運転時間がデフォルトでは『4時間』であるが、ユーザーはしばしば2時間で使用しているために、『2時間』で設定しているとする。マイコン1が駆動している間は、マイコン1の揮発性メモリーに記憶されるために、設定した運転時間は記憶されている。しかし、マイコン1の電源をトランジスタ3で遮断することで、マイコン内部の揮発性メモリーはリセットされてしまうために、待機状態になるたびに設定をし直さなくてはならない。
【0078】
マイコン1と通信して記憶することができるEEPROM14を有することで、マイコン1の電源をトランジスタ3で遮断する直前に、ユーザーにより設定『2時間』という内容をEEPROM14に記憶し、マイコン1が復帰直後にEEPROM14から『2時間』という設定状態を読みこんで、マイコン1の電源遮断前と同じ状態に戻すことができる。
【0079】
なお、本実施の形態では、記憶手段としてEEPROM14を用いたが、同様の作用効果をもたらすものであればこれに限るものではない。
【0080】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5について図面を参照しながら説明する。なお、実施の形態1と同一のものは同一番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0081】
図9に示すように、マイコン1からの信号で表示を行う表示手段としてのLED15を構成する。
【0082】
上記構成において、マイコン1へトランジスタ3から電源を供給している際は、マイコン1からの信号でLED15を点灯するようにし、マイコン1への電源をトランジスタ3によって遮断されているときはLED15は消灯となる。
【0083】
このようにして、マイコン1の電源を遮断することで待機電力を削減し、ユーザーは待機電力を抑えて省エネ状態であることを実感することができる。
【0084】
なお、本実施の形態では、表示手段としてLED15を用いたが、同様の作用効果をもたらすものであればこれに限るものではない。
【産業上の利用可能性】
【0085】
ICが駆動していないときの消費電力の削減を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の実施の形態1の電気機器の構成を示す概略図
【図2】本発明の実施の形態1の電気機器のの信号の内容を示す概略図
【図3】本発明の実施の形態2の電気機器の構成を示す概略図
【図4】本発明の実施の形態2の電気機器のの信号の内容を示す概略図
【図5】本発明の実施の形態2の電気機器のの信号の内容を示す概略図
【図6】本発明の実施の形態3の電気機器の構成を示す概略図
【図7】本発明の実施の形態3の電気機器の構成を示す概略図
【図8】本発明の実施の形態4の電気機器の構成を示す概略図
【図9】本発明の実施の形態5の電気機器の構成を示す概略図
【図10】従来の空気調和機の構成を示す概略図
【符号の説明】
【0087】
1 マイコン
2 スイッチング電源
3 トランジスタ
4 ラッチ回路A
5 リモコン
6 受信部
7 ラッチ回路B
8 信号
9 運転信号A
10 運転信号B
11 運転信号C
12 キースイッチ
13 プッシュスイッチ
14 EEPROM
15 LED
100 交流入力電源
101 メインスイッチ
102 パワートランス
103 メインマイコン
104 サブマイコン
105 フォトカプラ
106 待機電源回路
107 直流電源
108 間欠電源
109 リモコン受光部
110 フィルター
111 間欠コントローラー
112 RTC
113 スイッチ駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器内に、前記電気機器の運転、停止を制御するための制御手段と、前記制御手段に供給する電源を作る電源回路と、前記制御手段と前記電源回路を電気的に接続、遮断するための電源開閉手段とを備え、停止時に前記制御手段が待機状態となった時に、前記電源開閉手段で前記制御手段への電源を遮断することを特徴とする電気機器の電源回路。
【請求項2】
前記制御手段へ無線で信号を送る信号送信手段と、電気機器内に前記信号送信手段からの信号を受信する受信手段と、前記受信手段から受信した信号を維持する維持回路を備え、前記信号送信手段からの信号を前記維持回路で維持することを特徴とする請求項1記載の電気機器の電源回路。
【請求項3】
前記信号送信手段からの信号の始めに、前記制御手段への電源を供給する信号を含んで発信することを特徴とする請求項1記載の電気機器の電源回路。
【請求項4】
前記信号送信手段から信号が2回以上発信することを特徴とする請求項1記載の電気機器の電源回路。
【請求項5】
前記信号送信手段にタイマーを備え、タイマーが起動すると、前記信号送信手段から信号が発信することを特徴とする請求項2または、請求項3または、請求項4記載の電気機器の電源回路。
【請求項6】
前記運転操作手段を操作された状態に維持することを特徴とした請求項1記載の電気機器の電源回路。
【請求項7】
電気機器内に、有線で前記制御手段に信号を送信する運転操作手段を備え、前記運転操作手段からの信号を前記維持回路で維持することを特徴とする請求項1記載の電気機器の電源回路。
【請求項8】
電気機器内に、前記制御手段からの信号を記憶することが可能な記憶手段を備えることを特徴とした請求項1記載の電気機器の電源回路。
【請求項9】
電気機器内に、前記制御手段への電源が供給しているときに表示する表示手段を備え、前記制御手段への電源を遮断しているときに前記表示手段を表示しないことを特徴とした請求項1記載の電気機器の電源回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−44841(P2009−44841A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−206572(P2007−206572)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】