電気機械用ロータ
【解決手段】軸方向磁束電気機械用のロータ(300)が開示される。ロータは、ロータに固定された複数の永久磁石(350)を有し、複数の磁石のそれぞれはロータ内の開口部を少なくとも部分的に通って延びる。ロータの回転軸に対して実質的に円周方向に、かつ少なくとも一つの軸方向において実質的に軸方向に磁石を位置決めするように、ロータの材料(200)が各磁石(350)と接触するように構成される。半径方向に拘束するためにロータの半径方向外側エッジの周りに強化テープ(340)を巻き付けた状態で、磁石(350)がロータ(300)上で半径方向に滑動してもよく、またさね継ぎ構成(325、355)によって軸方向および円周方向に拘束されてもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は軸方向磁束電気機械用のロータに関する。より詳細には、排他的でなしに、本発明はハイブリッド車または純粋電気自動車で使用される軸方向磁束電気機械用のロータに関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車は、二つの動力源、例えば内燃機関と電気モータが自力推進に使用される動力供給の役割を果たす車両である。一部のハイブリッド車では、エンジンとモータの両方を、車両を駆動する車輪に回転動力を供給するための動力伝達部品に接続可能である。他のハイブリッド車では、回転動力を供給するための動力伝達部品にモータのみが接続可能であり、エンジンは、モータを作動させるのに必要な電力を発生する発電機を駆動するための原動機としてのみ使用される。既存のハイブリッド車の例は、乗用車(「自動車」と呼ばれることもある)、バン、バスおよび軽トラックを含む。ハイブリッド車技術を路面電車などの軽量軌道車両に組み込むことに対する関心も増加している。
【0003】
ほとんど全てのハイブリッド車において、自動車構成部品のサイズと重量を最小化することが望ましい。乗用車では、これらの構成部品のサイズと重量の最小化に成功すると、居室を広くでき、したがって乗員の快適性が高まり、また車両の作動効率も改善することができる。他のハイブリッド車においても同じことが言える。
【0004】
同時に、ハイブリッド車で使用される電気機械の出力を最大化することが望ましい。顧客は内燃機関の高出力になれており、そのためハイブリッド車の性能が劣っていれば失望するだろう。これは、ハイブリッド車で使用されるモータと発電機の両方に当てはまる。モータについては、適切な自力推進を与えるために高い機械的出力が必要になる。したがって、発電機については、モータを高出力で作動させるために高い電気的出力が必要になる。
【0005】
それゆえ、ハイブリッド車にとって、単位質量当たりの出力(「出力密度」と呼ばれることが多く、kW/kgで測定される)の高い電気機械を用いることが望ましい。しかしながら、残念なことに、既存の電気機械はこれらの要件を満足せず、ハイブリッド車での使用に役立つとは言えない。
【0006】
純粋電気自動車に使用される電気機械にも同様の考察が当てはまる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
軸方向磁束タイプの電気機械は、いくつかの点でハイブリッド車および純粋電気自動車での使用に適している。この理由の一つは、それらが高い出力密度を有するように設計可能であるからである。しかしながら、その組み立てと作動に関する限りでは、軸方向磁束の機械の設計は最適化されない。組み立てが困難で動作の信頼性が低いことがあるためである。これは、この種の機械のロータに関して特に言えることである。本発明の目的は、この問題に対処することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によると、軸方向磁束電気機械用のロータが提供される。ロータはロータに固定された複数の永久磁石を有する。複数の磁石のそれぞれは、ロータ内の開口部を少なくとも部分的に通って延びる。ロータの回転軸に対して実質的に円周方向に磁石を位置決めするために、ロータの材料が磁石と接触するように構成される。
【0009】
このように磁石を受け入れるように構成された開口部をロータ内に設けることによって、ロータの周囲材料を磁石と接触させて磁石を適切な位置に保持することで、少なくとも円周方向で磁石が位置決めされる。したがって、少なくとも円周方向に磁石を位置づけ保持するための追加で別個の構造を設ける必要がない。その結果、組み立てが簡素化され、より高い信頼性で磁石が適切な位置に保持される。
【0010】
開口部は、一端から他端までロータを完全に貫通する開口であってもよい。開口部は凹みのように出口のない開口であってもよい。
【0011】
少なくとも一つの軸方向で実質的に軸方向に磁石を位置決めするために、ロータの材料を各磁石と接触させてもよい。両方の軸方向で実質的に軸方向に磁石を位置決めするために、ロータの材料を各磁石と接触させてもよい。一つの半径方向、少なくとも一つの半径方向、または両方の半径方向で実質的に半径方向に磁石を位置決めするために、ロータの材料を各磁石と接触させてもよい。
【0012】
ロータは複数の部品で形成されてもよい。ロータは、第1ロータ部分と第2ロータ部分を備えていてもよい。二つのロータ部分の間に磁石を置いた状態で第2ロータ部分を第1ロータ部分にはめ合わせて、二つのロータ部分の間で実質的に接線方向に、実質的に半径方向に、および少なくも一つの軸方向で実質的に軸方向に磁石を位置決めするような構成であってもよい。
【0013】
第1ロータ部分と第2ロータ部分が、両者の間で軸方向に磁石を包み込むように構成されてもよい。各ロータ部分は貫通する開口部を備えていてもよく、各開口部はそれぞれの磁石を受け入れるような大きさにされる。各ロータ部分は、磁石が開口部を通り抜けることを防止するために受け入れた磁石と接触する接触手段を各開口部に隣接して備えていてもよい。接触手段は、それぞれのロータ部分の一面と隣接していてもよい。接触手段は開口部を狭める働きをしてもよい。接触手段は少なくとも一つのリップを備えてもよい。
【0014】
第1ロータ部分と第2ロータ部分が、両者の間に半径方向に磁石を包み込むように構成されてもよい。第1ロータ部分は、実質的に両方の円周方向と一つの半径方向で磁石と接触するように構成されてもよい。第2ロータ部分は、実質的にもう一方の半径方向で磁石の少なくとも一部と接触するように構成されてもよい。第1ロータ部分は、その中に形成された開口部を有していてもよい。第2ロータ部分は、実質的に環状の部分であるか、あるいは実質的に環状の部分の一部であってもよく、環状の部分は、磁石をその中に受け入れた状態で第1部分の全てまたはその一部を取り囲むように配置される。第2ロータ部分は、第1ロータ部分の周りに巻き付けられたテープのかたちであってもよい。第2ロータ部分は保持リングによって提供されてもよい。保持リングは第1ロータ部分と同じ材料であってもよい。磁石および/または第1部分に、軸方向に磁石を位置決めする構造が設けられていてもよい。磁石と第1部分に、半径方向に磁石を位置決めするように協調する協調構造が設けられていてもよい。第1部分では、開口部の一つ以上の側壁に上記構造が設けられていてもよい。磁石では、磁石の一つ以上の側壁に上記構造が設けられていてもよい。協調構造はさね継ぎ構成を含んでもよい。
【0015】
二つの磁石がそれぞれの開口部に受け入れられてもよい。二つの磁石は軸方向に並置されてもよい。ロータは、第1軸方向において二つの磁石のうち第1の磁石を受け入れ、第2軸方向において二つの磁石のうち第2の磁石を受け入れるように構成されてもよい。各開口部の一つ以上の側壁は、開口部内に受け入れられたときにそれぞれの磁石の一方または両方と接触する接触部材を備えていてもよい。接触部材はリップであってもよい。各開口部における二つの磁石は互いに引き付け合うように磁化されており、これによって軸方向に位置決めされる。磁石は、各開口部内の磁石の一方が、軸方向内側を向く北極を有し、他方の磁石が軸方向内側を向く南極を有している。
【0016】
各磁石とロータ材料との間に与えられる接着材料によって、各磁石がロータに固定されてもよい。接着材料は接着剤であってもよい。各磁石は、ロータの一端または両端でロータの周囲材料と同一平面にあってもよい。
【0017】
ロータは、磁気絶縁材料および/または電気絶縁材料で作られてもよい。これは、渦電流による損失などのロータ内の損失を避けるのに役立ち、また磁束経路内での磁気短絡を避けるのに役立つ。ロータは熱絶縁材料から作られていてもよく、また高温耐久性があってもよい。ロータは複合材料で作られていてもよい。
【0018】
ロータは、その中に開口部が形成された実質的に平坦な円盤状であってもよく、各開口部はそれぞれ磁石を受け入れる大きさとなっている。好適には、一方または両方の半径方向で半径方向と円周方向とに磁石を位置決めする役割をロータの周囲材料が果たすように、各磁石がそれぞれの開口部内にはめ合わされる。
【0019】
ロータ内の開口部と、各開口部を実質的に通って延びる磁石とを設けることによって、所与のロータ厚みに対して、ロータの角度位置における磁化材料の量が最大化される。よって、永久磁石によって生じる励起場の強度が所与のロータ厚に対して最大化され、これにより出力密度が増加する。
【0020】
本発明の第2の態様によると、第1の態様にしたがった少なくとも一つのロータを有する軸方向磁束電気機械が提供される。
【0021】
本発明の第3の態様によると、車両用の車輪と本発明の任意の上述の態様または実施形態にしたがった電気機械とが提供される。ロータとステータのうち一方が車輪と結合され、ロータとステータのうち他方が車両の構造に固定されるように構成される。この結果、車輪を回転するときの直接駆動モータとして電気機械を使用し、車両を駆動することができる。
【0022】
電気機械は、回生制動によって車両を減速するための発電機として作動するように構成されていてもよい。
【0023】
本発明の第4の態様によると、車輪と第4の態様の電気機械とを備える車両が提供される。
【0024】
車両は、このようにして各車輪にそれぞれ結合された電気機械を備えていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の特定の実施形態を、添付の図面を参照して例として以下で説明する。
【0026】
【図1】電気機械用のロータ構成の第1実施形態の斜視図である。
【図2】図1の構成の部分詳細図である。
【図3】電気機械で使用されるロータ構成の第2実施形態の斜視図である。
【図4】第2実施形態のロータの第1部分の斜視図である。
【図5】第2実施形態のロータの第2部分の斜視図である。
【図6】図3のロータ構成の分解斜視図である。
【図7】電気機械で使用されるロータ構成の第3実施形態の斜視図である。
【図8】第3実施形態のロータの斜視図である。
【図9】第3実施形態の磁石の斜視図である。
【図10】第4実施形態のロータ構成の斜視図である。
【図11】図10のロータ構成の部分分解斜視図である。
【図12】第4実施形態のロータの斜視図である。
【図13】第4実施形態の磁石の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、軸方向磁束電気機械で使用されるロータ200を示す。ロータ200は全体的に平坦で薄い円盤状である。本実施形態では、ロータは、グラスファイバーと樹脂ベースのクロス積層材料である複合材料で形成される。複合材料は良好な電気絶縁体であり、良好な熱絶縁体である。ロータ200は、ロータを貫通する中央の丸い開口部210を有する。一連のより小さな開口部215が、中央開口部210と隣接する位置にロータ200を貫通して形成されており、ロータ200の回転軸の周りに中央開口部210と同軸であるリングを中央開口部210の周りに集合的に形成している。
【0028】
図1のロータ200は、ロータを貫通する12個の開口部220を含み、各開口部は、扁平で平面的なリングの一部であるような形状をしている。これらの開口部220のそれぞれは、ロータ200の半径方向外側の縁に隣接して配置されており、ロータと同軸である。12個の開口部220は、一定の角度ピッチでロータ200の周囲に分配されている。図2に示すように、12個の開口部220のそれぞれが、ロータ200と同軸の二つの同軸のアーチ形側壁222と、アーチ形側壁の間にあり半径方向に延びる二つの直線側壁224とを有している。図2を続けて参照すると、開口部220の側壁は、側壁の両端に対して、その全長の大半に沿ってわずかに凹んでいる。これは、アーチ形側壁222のうち半径方向の最も内側と、二つの半径方向側壁224とについて当てはまる。したがって、わずかに凹んでいる側壁222、224のそれぞれの両端に向けて突出した面226が存在する。12個の開口部220は、フライス加工(milling)によってロータ200に形成されると想定される。
【0029】
図1から分かるように、12個の開口部220のそれぞれに永久磁石230が接地される。磁石230は、二つのアーチ形かつ同軸の側面と、その間の二つの直線かつ半径方向に延びる側面とを有する、扁平で平面状のリングの一部として形成される。しかしながら、図2を参照して、この実施形態では、磁石230のいずれの側面も凹んでいないことに注目すべきである。磁石230は、それぞれがリングの一部をなす開口部220の一つに適合するような大きさおよび形状とされている。その結果、磁石230の側面が突出面226に接触し、各磁石230の半径方向最外部のアーチ形側面が、それぞれの開口部220の半径方向最外部のアーチ形側壁を画成するロータ200の構造と接触する。こうして、各磁石230は、ロータ200に対して半径方向および円周方向に位置づけされる。この構成により、磁石230の側面と開口部220の側面の凹んだ部分との間にギャップが生じることを理解されよう。本実施形態では接着剤である接着材料(図示せず)をこれらのギャップに与え、磁石とロータ200の周囲構造との間が接着される。これにより、ロータ200に対して軸方向に磁石230が保持される。磁石の厚さは、磁石がロータを貫通する開口部220の中に配置されたときに、磁石の表面がロータ200の各側面と同一平面になるように設定される。
【0030】
磁石230は、それぞれ二つの直接隣接する磁石と極性が反対になるようにロータ内に取り付けられる。各磁石は二つの主要極性面を有しており、これらはロータ200の表面と同一平面上にある。
【0031】
図3は、ロータディスク110と一連の磁石120とで構成される第2実施形態のロータ構成100を示す。組み立てられた構成100は、図1および図2を参照して述べた第1実施形態のものと同様の大きさおよび形状である。実際、第2実施形態の構成は第1実施形態の構成の代替物であり、電気機械において置き換え可能であると想定される。
【0032】
第2実施形態のロータディスク110は、同一の複合材料で形成され、中央開口部112とその周囲の一連の穴115とを有するという点において、第1実施形態のロータディスクと類似している。ロータディスク110は、ロータ110の半径方向外側の縁に隣接して配置されロータを貫通する12個の開口部120を有するという点においても類似している。この実施形態のロータ110における12個の開口部120は、第1実施形態のものと同様の形状をしているが、特定の重要な点において相違する。
【0033】
しかしながら、本実施形態のロータディスク110は、二つのロータ部分130、140で形成されている点で相違する。二つの部分130、140はそれぞれ、軸方向で互いにフィットする平坦な円盤状であり、あたかも一枚のディスクを二つに薄切りにして二枚の類似するがより薄いディスクとしたようなものである。
【0034】
図4は、第1のロータ部分130をより詳細に示す。見て分かるように、ロータ部分130の半径方向外側の縁に隣接する12個の開口部120のそれぞれが、扁平で平面上のリングの一部であるような形状をしている。すなわち、各部分が、アーチ形で同軸である半径方向外側の側壁121と内側の側壁122とを有しており、両者の間に半径方向の側壁123が延びる。半径方向の側壁123の各端部にアーチ形の凹み124が設けられる。開口部はフライス加工により形成されると考えられるので、これらの凹みは磁石(図4に示さず)の直角の縁を収容するようになっている。側壁121、122、123のそれぞれの一部は、開口部120の中へとわずかに突出し、そこで側壁121、122、123がロータ部分130の軸方向外側の面(二つのロータ部分がともに配置されるときに、第2ロータ部分140に対する面とは反対側)と出会う。側壁121、122、123は、リップ125を形成するように突出する。リップ125は、ロータ部分120の外側面と同一平面にあり、開口部120を狭めるように開口部120の穴の周りに延び出している。
【0035】
図5は、第2ロータ部分140をより詳細に示す。第2ロータ部分140は第1ロータ部分130と同様であるが、軸方向の厚さが薄い。したがって、第2ロータ部分が、各開口部120の穴の周りに延び出し第2ロータ部分140の軸方向外側の面と同一平面にあるリップ145を有することが理解されよう。
【0036】
図6は、軸方向に離して配置した二つのロータ部分130、140を示す。図6から分かるように、ロータ構成100は、第1実施形態の磁石と同じ形状の12個の磁石150を備える。本実施形態の磁石150は、第1ロータ部分130と第2ロータ部分140に形成された開口部120の中に収まるような大きさおよび形状をしている。二つのロータ部分130、140の側壁121、122、123が磁石150と(ロータの回転軸に対して)円周方向および半径方向に接触して、磁石150を円周方向および半径方向に位置決めし、かつ、二つのロータ部分130、140を組み合わせたときにロータ部分130、140のリップ135、145が磁石150と軸方向に接触して磁石150を軸方向に位置決めするように、磁石150がロータ部分の中にはめ合わされる。第2ロータ部分140は、第2ロータ部分の半径方向外側の縁に隣接する複数のボルト穴147を備える。第1ロータ部分130は、それぞれのボルト160を受け入れるようにねじが切られた複数の対応する穴137を備える。各ボルト160を各ボルト穴147を通してねじ切り穴137の一つにはめ合わせることによって、二つのロータ部分130、140が互いに固定される。本実施形態において第1ロータ130を第2ロータ部分140よりも厚くする理由は、ねじ切り穴137をボルト160を保持するだけの十分な長さにするためである。別の実施形態では、第1ロータ部分130と第2ロータ部分140の相対的な厚さが異なっていてもよい。
【0037】
図7は、第3実施形態のロータ構成300を示す。第2実施形態と同様に、この実施形態のロータ310は第1ロータ部分330と第2ロータ部分340とで形成される。しかしながら、この実施形態では、二つのロータ部分330、340は軸方向ではなく半径方向に互いにはめ合わされている。
【0038】
図8は、第1ロータ部分330をより詳細に示す。第1ロータ部分は第1実施形態のものと同様であるが、二つの点で異なる。第1に、第1ロータ部分330では、第1実施形態のロータを貫通する磁石受け入れ開口部のそれぞれに半径方向外側のアーチ形側壁を与えていた半径方向外側の部分が欠けている。したがって、本実施形態の第1ロータ部分30には、半径方向内側のアーチ形側壁322と、そこから半径方向外側に延びる二つの半径方向の側壁323(それぞれ、半径方向内側端部にのみアーチ形の凹み324を有する)しか設けられていない。したがって、第1ロータ部分330は、その言葉の工学的意味において「クモ(spider)」に似ている。半径方向に延びる側壁323のそれぞれの中央部から突出リッジ325が突出し、側壁の全長に沿って延びている。
【0039】
図9は、第3実施形態のロータ組み立て300の12個の磁石350のうち代表的な一つを示す。磁石350は第1および第2実施形態のものと同様であるが、半径方向に延びる側壁352のそれぞれに溝355が形成されている点が異なる。各溝355は、半径方向に延びる側壁352のそれぞれの中央部に形成され、その全長に延びる。
【0040】
図7を再び参照して、磁石350は、第1ロータ部分330の各突出リッジ325がそれぞれの溝の中にはめ合う状態で、第1ロータ部分330を貫通する開口部の中に挿入される。続いて、ワイヤで強化された接着テープが第1ロータ部分330の半径方向外側の縁の周りに繰り返し巻き付けられ、第2ロータ部分340を形成する。こうして、第1ロータ部分330と第2ロータ部分とが協調して磁石350を半径方向に位置決めする。円周方向および軸方向の位置決めは第1ロータ部分330によって行われ、第1ロータ部分330の突出リッジ325と磁石内の協調溝355とが、さね継ぎ(tongue-and-groove)構成によって軸方向に位置決めする。本実施形態では接着テープを使用して第2ロータ部分340を形成するが、この部分340を他の方法で形成してもよいことが想定される。例えば、第2ロータ部分340は、適切な材料を形成マンドレル上に重ねることによって形成された複合材料のリングであってもよい。続いて、リングが第1ロータ部分330の外側にはめられ、適切な場所に接着される。はめ合わせができるようにリングを加熱し、その後リングを冷却して第1ロータ部分330の周りにタイトフィットさせることで、第1ロータ部分330の外側にリングを収縮ばめしてもよいことが想定される。加熱時に、リングは締まりばめ(interference fit)であっても締まりばめでなくてもよい。代替的に、最初にリングを加熱することなく、第1ロータ部分330の外側にリングを圧入してもよい。
【0041】
図10は、第4実施形態のロータ構成400を示す。この実施形態では、ロータ410は単一部分として形成されるが、ロータを貫通する各磁石受け入れ開口部420に二つの磁石450が存在する。全体的な構成を図11に示し、より詳細な構成を図12および図13に示す。
【0042】
図12を参照すると、本実施形態のロータ410は、第2実施形態の第1ロータ部分130とほぼ同一であるが、第1ロータ部分130のリップ150がなく、代わりにロータ410を貫通する開口部420の半径方向に延びる側壁423に沿って突出リッジ425を備える点で相違する。リッジ425は半径方向に延びる側壁423の中央部に沿って、その両端の間に延びており、第3実施形態のリッジ325と同様である。
【0043】
図13を参照して、本実施形態のロータ構成400の各磁石450は、幾何学的に他のものと同様である。したがって、簡単のために、代表的な単一の磁石450についてのみ説明する。各磁石450は、第1および第2実施形態の磁石とほぼ同じ形状であるが、(軸方向の)厚さの半分よりもわずかに小さく、半径方向に延びる縁に沿って形成された凹み455を一面のみに有している点で相違する。上述したように、磁石450は幾何学的に同一であるが、同一の開口部420に受け入れられる二つの磁石450のそれぞれは異なる態様で磁化されている。磁石450の一方は、凹み455の延びる面が北極であるように磁化される。磁石450の他方は、凹み455の延びる面が南極であるように磁化される。
【0044】
図11を参照して、二つの異なって磁化された磁石450が、ロータ410内の各開口部420内にはめ合わされる。二つの磁石450のうち第1の磁石は、突出リッジ425が凹みにはまり部分450を位置決めするように、ロータ410の一端から開口部420の中に導入される。他方の磁石450は、ロータ410の他方の側から同様にはめ合わされる。二つの磁石450は異なって磁化されているので、磁石450の間の磁力が両磁石を適切な場所に保持する。各開口部内の二つの磁石450の間には、わずかな軸方向の隙間が存在するように構成される。こうして、磁力によって、二つの磁石450のそれぞれが突出リッジ425と接触する。わずかな軸方向の隙間は10ミクロンのオーダーであることが想定される。二つの磁石450の間で磁束の経路を促進するために、二つの磁石450の間のあらゆる隙間が最小化されることが一般的に好ましい。
【0045】
このように、本実施形態では、ロータ410が磁石450を半径方向および円周方向に位置決めし、また二つの可能性のある軸方向のうちの一方で磁石450のそれぞれを位置決めする。
【0046】
他の実施形態では、同一開口部420内の二つの磁石450の間に隙間がなくてもよいことが想定される。理想的には、磁石450が突出リッジ425と接触するように磁石450とロータ410の寸法が決められるが、これは関連する製造公差によって決まる。
【0047】
さらなる実施形態では、同一開口部420内の二つの磁石450の間に接着剤などの接着物を施し、接着物が少なくとも部分的に二つの磁石450を保持する働きをすることが想定される。硬化して弾性変形可能になる接着剤などの振動吸収特性を有する接着物を、振動を吸収するために使用してもよい。
【0048】
高出力のアプリケーションに適した電気機械で上述のロータ構成を使用されることが想定される。例えば、電気機械は、路面電車やバスなどの大型のハイブリッド車にセットされたディーゼル発電機における発電機としての使用に適していてもよい。回転電気は、自力推進機械力を提供する車両などにおけるモータとしての使用に適していてもよい。
【0049】
さらなる実施形態では、渦電流モータとして作動可能な電気機械において使用可能となるように、上述のロータディスク構成が修正される。このような実施形態では、上述のロータディスクは、少なくとも一部が導電性材料で形成されたディスクによって置き換えられる。ステータ巻線に変動電流を与えると、電気機械が渦電流モータとして作動する。定電流を与えると機械を制動する働きをする。内部に誘導される電流を導くように導電性材料を構成してもよい。これは、置換ロータの導電性材料にスロットを設けることで達成される。スロットは放射状であってもよい。言い換えると、ロータが、放射状電気機械で使用されることのあるかご形の等価物を形成することができる。
【0050】
さらに別の実施形態では、内部に誘導される渦電流を低下させるために、ロータの平面内以外で磁石450が「分割」されてもよい(すなわち、互いに結合する複数の磁石部分で構成されてもよい)。例えば、実質的に軸−放射平面内で磁石を分割してもよいし、実質的に軸−接平面内で磁石を分割してもよい。二つ、三つまたはそれ以上の磁石部分で構成されるような方法で各磁石を分割してもよい。好ましくは電気絶縁性のある、接着剤などの接着物で磁石部分を互いに接合してもよい。代わりに、磁石部分の間隔を空けるように機能する、ロータの材料内に形成された台によって、ロータ内で磁石部分を互いに対して位置決めしてもよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は軸方向磁束電気機械用のロータに関する。より詳細には、排他的でなしに、本発明はハイブリッド車または純粋電気自動車で使用される軸方向磁束電気機械用のロータに関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車は、二つの動力源、例えば内燃機関と電気モータが自力推進に使用される動力供給の役割を果たす車両である。一部のハイブリッド車では、エンジンとモータの両方を、車両を駆動する車輪に回転動力を供給するための動力伝達部品に接続可能である。他のハイブリッド車では、回転動力を供給するための動力伝達部品にモータのみが接続可能であり、エンジンは、モータを作動させるのに必要な電力を発生する発電機を駆動するための原動機としてのみ使用される。既存のハイブリッド車の例は、乗用車(「自動車」と呼ばれることもある)、バン、バスおよび軽トラックを含む。ハイブリッド車技術を路面電車などの軽量軌道車両に組み込むことに対する関心も増加している。
【0003】
ほとんど全てのハイブリッド車において、自動車構成部品のサイズと重量を最小化することが望ましい。乗用車では、これらの構成部品のサイズと重量の最小化に成功すると、居室を広くでき、したがって乗員の快適性が高まり、また車両の作動効率も改善することができる。他のハイブリッド車においても同じことが言える。
【0004】
同時に、ハイブリッド車で使用される電気機械の出力を最大化することが望ましい。顧客は内燃機関の高出力になれており、そのためハイブリッド車の性能が劣っていれば失望するだろう。これは、ハイブリッド車で使用されるモータと発電機の両方に当てはまる。モータについては、適切な自力推進を与えるために高い機械的出力が必要になる。したがって、発電機については、モータを高出力で作動させるために高い電気的出力が必要になる。
【0005】
それゆえ、ハイブリッド車にとって、単位質量当たりの出力(「出力密度」と呼ばれることが多く、kW/kgで測定される)の高い電気機械を用いることが望ましい。しかしながら、残念なことに、既存の電気機械はこれらの要件を満足せず、ハイブリッド車での使用に役立つとは言えない。
【0006】
純粋電気自動車に使用される電気機械にも同様の考察が当てはまる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
軸方向磁束タイプの電気機械は、いくつかの点でハイブリッド車および純粋電気自動車での使用に適している。この理由の一つは、それらが高い出力密度を有するように設計可能であるからである。しかしながら、その組み立てと作動に関する限りでは、軸方向磁束の機械の設計は最適化されない。組み立てが困難で動作の信頼性が低いことがあるためである。これは、この種の機械のロータに関して特に言えることである。本発明の目的は、この問題に対処することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によると、軸方向磁束電気機械用のロータが提供される。ロータはロータに固定された複数の永久磁石を有する。複数の磁石のそれぞれは、ロータ内の開口部を少なくとも部分的に通って延びる。ロータの回転軸に対して実質的に円周方向に磁石を位置決めするために、ロータの材料が磁石と接触するように構成される。
【0009】
このように磁石を受け入れるように構成された開口部をロータ内に設けることによって、ロータの周囲材料を磁石と接触させて磁石を適切な位置に保持することで、少なくとも円周方向で磁石が位置決めされる。したがって、少なくとも円周方向に磁石を位置づけ保持するための追加で別個の構造を設ける必要がない。その結果、組み立てが簡素化され、より高い信頼性で磁石が適切な位置に保持される。
【0010】
開口部は、一端から他端までロータを完全に貫通する開口であってもよい。開口部は凹みのように出口のない開口であってもよい。
【0011】
少なくとも一つの軸方向で実質的に軸方向に磁石を位置決めするために、ロータの材料を各磁石と接触させてもよい。両方の軸方向で実質的に軸方向に磁石を位置決めするために、ロータの材料を各磁石と接触させてもよい。一つの半径方向、少なくとも一つの半径方向、または両方の半径方向で実質的に半径方向に磁石を位置決めするために、ロータの材料を各磁石と接触させてもよい。
【0012】
ロータは複数の部品で形成されてもよい。ロータは、第1ロータ部分と第2ロータ部分を備えていてもよい。二つのロータ部分の間に磁石を置いた状態で第2ロータ部分を第1ロータ部分にはめ合わせて、二つのロータ部分の間で実質的に接線方向に、実質的に半径方向に、および少なくも一つの軸方向で実質的に軸方向に磁石を位置決めするような構成であってもよい。
【0013】
第1ロータ部分と第2ロータ部分が、両者の間で軸方向に磁石を包み込むように構成されてもよい。各ロータ部分は貫通する開口部を備えていてもよく、各開口部はそれぞれの磁石を受け入れるような大きさにされる。各ロータ部分は、磁石が開口部を通り抜けることを防止するために受け入れた磁石と接触する接触手段を各開口部に隣接して備えていてもよい。接触手段は、それぞれのロータ部分の一面と隣接していてもよい。接触手段は開口部を狭める働きをしてもよい。接触手段は少なくとも一つのリップを備えてもよい。
【0014】
第1ロータ部分と第2ロータ部分が、両者の間に半径方向に磁石を包み込むように構成されてもよい。第1ロータ部分は、実質的に両方の円周方向と一つの半径方向で磁石と接触するように構成されてもよい。第2ロータ部分は、実質的にもう一方の半径方向で磁石の少なくとも一部と接触するように構成されてもよい。第1ロータ部分は、その中に形成された開口部を有していてもよい。第2ロータ部分は、実質的に環状の部分であるか、あるいは実質的に環状の部分の一部であってもよく、環状の部分は、磁石をその中に受け入れた状態で第1部分の全てまたはその一部を取り囲むように配置される。第2ロータ部分は、第1ロータ部分の周りに巻き付けられたテープのかたちであってもよい。第2ロータ部分は保持リングによって提供されてもよい。保持リングは第1ロータ部分と同じ材料であってもよい。磁石および/または第1部分に、軸方向に磁石を位置決めする構造が設けられていてもよい。磁石と第1部分に、半径方向に磁石を位置決めするように協調する協調構造が設けられていてもよい。第1部分では、開口部の一つ以上の側壁に上記構造が設けられていてもよい。磁石では、磁石の一つ以上の側壁に上記構造が設けられていてもよい。協調構造はさね継ぎ構成を含んでもよい。
【0015】
二つの磁石がそれぞれの開口部に受け入れられてもよい。二つの磁石は軸方向に並置されてもよい。ロータは、第1軸方向において二つの磁石のうち第1の磁石を受け入れ、第2軸方向において二つの磁石のうち第2の磁石を受け入れるように構成されてもよい。各開口部の一つ以上の側壁は、開口部内に受け入れられたときにそれぞれの磁石の一方または両方と接触する接触部材を備えていてもよい。接触部材はリップであってもよい。各開口部における二つの磁石は互いに引き付け合うように磁化されており、これによって軸方向に位置決めされる。磁石は、各開口部内の磁石の一方が、軸方向内側を向く北極を有し、他方の磁石が軸方向内側を向く南極を有している。
【0016】
各磁石とロータ材料との間に与えられる接着材料によって、各磁石がロータに固定されてもよい。接着材料は接着剤であってもよい。各磁石は、ロータの一端または両端でロータの周囲材料と同一平面にあってもよい。
【0017】
ロータは、磁気絶縁材料および/または電気絶縁材料で作られてもよい。これは、渦電流による損失などのロータ内の損失を避けるのに役立ち、また磁束経路内での磁気短絡を避けるのに役立つ。ロータは熱絶縁材料から作られていてもよく、また高温耐久性があってもよい。ロータは複合材料で作られていてもよい。
【0018】
ロータは、その中に開口部が形成された実質的に平坦な円盤状であってもよく、各開口部はそれぞれ磁石を受け入れる大きさとなっている。好適には、一方または両方の半径方向で半径方向と円周方向とに磁石を位置決めする役割をロータの周囲材料が果たすように、各磁石がそれぞれの開口部内にはめ合わされる。
【0019】
ロータ内の開口部と、各開口部を実質的に通って延びる磁石とを設けることによって、所与のロータ厚みに対して、ロータの角度位置における磁化材料の量が最大化される。よって、永久磁石によって生じる励起場の強度が所与のロータ厚に対して最大化され、これにより出力密度が増加する。
【0020】
本発明の第2の態様によると、第1の態様にしたがった少なくとも一つのロータを有する軸方向磁束電気機械が提供される。
【0021】
本発明の第3の態様によると、車両用の車輪と本発明の任意の上述の態様または実施形態にしたがった電気機械とが提供される。ロータとステータのうち一方が車輪と結合され、ロータとステータのうち他方が車両の構造に固定されるように構成される。この結果、車輪を回転するときの直接駆動モータとして電気機械を使用し、車両を駆動することができる。
【0022】
電気機械は、回生制動によって車両を減速するための発電機として作動するように構成されていてもよい。
【0023】
本発明の第4の態様によると、車輪と第4の態様の電気機械とを備える車両が提供される。
【0024】
車両は、このようにして各車輪にそれぞれ結合された電気機械を備えていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の特定の実施形態を、添付の図面を参照して例として以下で説明する。
【0026】
【図1】電気機械用のロータ構成の第1実施形態の斜視図である。
【図2】図1の構成の部分詳細図である。
【図3】電気機械で使用されるロータ構成の第2実施形態の斜視図である。
【図4】第2実施形態のロータの第1部分の斜視図である。
【図5】第2実施形態のロータの第2部分の斜視図である。
【図6】図3のロータ構成の分解斜視図である。
【図7】電気機械で使用されるロータ構成の第3実施形態の斜視図である。
【図8】第3実施形態のロータの斜視図である。
【図9】第3実施形態の磁石の斜視図である。
【図10】第4実施形態のロータ構成の斜視図である。
【図11】図10のロータ構成の部分分解斜視図である。
【図12】第4実施形態のロータの斜視図である。
【図13】第4実施形態の磁石の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、軸方向磁束電気機械で使用されるロータ200を示す。ロータ200は全体的に平坦で薄い円盤状である。本実施形態では、ロータは、グラスファイバーと樹脂ベースのクロス積層材料である複合材料で形成される。複合材料は良好な電気絶縁体であり、良好な熱絶縁体である。ロータ200は、ロータを貫通する中央の丸い開口部210を有する。一連のより小さな開口部215が、中央開口部210と隣接する位置にロータ200を貫通して形成されており、ロータ200の回転軸の周りに中央開口部210と同軸であるリングを中央開口部210の周りに集合的に形成している。
【0028】
図1のロータ200は、ロータを貫通する12個の開口部220を含み、各開口部は、扁平で平面的なリングの一部であるような形状をしている。これらの開口部220のそれぞれは、ロータ200の半径方向外側の縁に隣接して配置されており、ロータと同軸である。12個の開口部220は、一定の角度ピッチでロータ200の周囲に分配されている。図2に示すように、12個の開口部220のそれぞれが、ロータ200と同軸の二つの同軸のアーチ形側壁222と、アーチ形側壁の間にあり半径方向に延びる二つの直線側壁224とを有している。図2を続けて参照すると、開口部220の側壁は、側壁の両端に対して、その全長の大半に沿ってわずかに凹んでいる。これは、アーチ形側壁222のうち半径方向の最も内側と、二つの半径方向側壁224とについて当てはまる。したがって、わずかに凹んでいる側壁222、224のそれぞれの両端に向けて突出した面226が存在する。12個の開口部220は、フライス加工(milling)によってロータ200に形成されると想定される。
【0029】
図1から分かるように、12個の開口部220のそれぞれに永久磁石230が接地される。磁石230は、二つのアーチ形かつ同軸の側面と、その間の二つの直線かつ半径方向に延びる側面とを有する、扁平で平面状のリングの一部として形成される。しかしながら、図2を参照して、この実施形態では、磁石230のいずれの側面も凹んでいないことに注目すべきである。磁石230は、それぞれがリングの一部をなす開口部220の一つに適合するような大きさおよび形状とされている。その結果、磁石230の側面が突出面226に接触し、各磁石230の半径方向最外部のアーチ形側面が、それぞれの開口部220の半径方向最外部のアーチ形側壁を画成するロータ200の構造と接触する。こうして、各磁石230は、ロータ200に対して半径方向および円周方向に位置づけされる。この構成により、磁石230の側面と開口部220の側面の凹んだ部分との間にギャップが生じることを理解されよう。本実施形態では接着剤である接着材料(図示せず)をこれらのギャップに与え、磁石とロータ200の周囲構造との間が接着される。これにより、ロータ200に対して軸方向に磁石230が保持される。磁石の厚さは、磁石がロータを貫通する開口部220の中に配置されたときに、磁石の表面がロータ200の各側面と同一平面になるように設定される。
【0030】
磁石230は、それぞれ二つの直接隣接する磁石と極性が反対になるようにロータ内に取り付けられる。各磁石は二つの主要極性面を有しており、これらはロータ200の表面と同一平面上にある。
【0031】
図3は、ロータディスク110と一連の磁石120とで構成される第2実施形態のロータ構成100を示す。組み立てられた構成100は、図1および図2を参照して述べた第1実施形態のものと同様の大きさおよび形状である。実際、第2実施形態の構成は第1実施形態の構成の代替物であり、電気機械において置き換え可能であると想定される。
【0032】
第2実施形態のロータディスク110は、同一の複合材料で形成され、中央開口部112とその周囲の一連の穴115とを有するという点において、第1実施形態のロータディスクと類似している。ロータディスク110は、ロータ110の半径方向外側の縁に隣接して配置されロータを貫通する12個の開口部120を有するという点においても類似している。この実施形態のロータ110における12個の開口部120は、第1実施形態のものと同様の形状をしているが、特定の重要な点において相違する。
【0033】
しかしながら、本実施形態のロータディスク110は、二つのロータ部分130、140で形成されている点で相違する。二つの部分130、140はそれぞれ、軸方向で互いにフィットする平坦な円盤状であり、あたかも一枚のディスクを二つに薄切りにして二枚の類似するがより薄いディスクとしたようなものである。
【0034】
図4は、第1のロータ部分130をより詳細に示す。見て分かるように、ロータ部分130の半径方向外側の縁に隣接する12個の開口部120のそれぞれが、扁平で平面上のリングの一部であるような形状をしている。すなわち、各部分が、アーチ形で同軸である半径方向外側の側壁121と内側の側壁122とを有しており、両者の間に半径方向の側壁123が延びる。半径方向の側壁123の各端部にアーチ形の凹み124が設けられる。開口部はフライス加工により形成されると考えられるので、これらの凹みは磁石(図4に示さず)の直角の縁を収容するようになっている。側壁121、122、123のそれぞれの一部は、開口部120の中へとわずかに突出し、そこで側壁121、122、123がロータ部分130の軸方向外側の面(二つのロータ部分がともに配置されるときに、第2ロータ部分140に対する面とは反対側)と出会う。側壁121、122、123は、リップ125を形成するように突出する。リップ125は、ロータ部分120の外側面と同一平面にあり、開口部120を狭めるように開口部120の穴の周りに延び出している。
【0035】
図5は、第2ロータ部分140をより詳細に示す。第2ロータ部分140は第1ロータ部分130と同様であるが、軸方向の厚さが薄い。したがって、第2ロータ部分が、各開口部120の穴の周りに延び出し第2ロータ部分140の軸方向外側の面と同一平面にあるリップ145を有することが理解されよう。
【0036】
図6は、軸方向に離して配置した二つのロータ部分130、140を示す。図6から分かるように、ロータ構成100は、第1実施形態の磁石と同じ形状の12個の磁石150を備える。本実施形態の磁石150は、第1ロータ部分130と第2ロータ部分140に形成された開口部120の中に収まるような大きさおよび形状をしている。二つのロータ部分130、140の側壁121、122、123が磁石150と(ロータの回転軸に対して)円周方向および半径方向に接触して、磁石150を円周方向および半径方向に位置決めし、かつ、二つのロータ部分130、140を組み合わせたときにロータ部分130、140のリップ135、145が磁石150と軸方向に接触して磁石150を軸方向に位置決めするように、磁石150がロータ部分の中にはめ合わされる。第2ロータ部分140は、第2ロータ部分の半径方向外側の縁に隣接する複数のボルト穴147を備える。第1ロータ部分130は、それぞれのボルト160を受け入れるようにねじが切られた複数の対応する穴137を備える。各ボルト160を各ボルト穴147を通してねじ切り穴137の一つにはめ合わせることによって、二つのロータ部分130、140が互いに固定される。本実施形態において第1ロータ130を第2ロータ部分140よりも厚くする理由は、ねじ切り穴137をボルト160を保持するだけの十分な長さにするためである。別の実施形態では、第1ロータ部分130と第2ロータ部分140の相対的な厚さが異なっていてもよい。
【0037】
図7は、第3実施形態のロータ構成300を示す。第2実施形態と同様に、この実施形態のロータ310は第1ロータ部分330と第2ロータ部分340とで形成される。しかしながら、この実施形態では、二つのロータ部分330、340は軸方向ではなく半径方向に互いにはめ合わされている。
【0038】
図8は、第1ロータ部分330をより詳細に示す。第1ロータ部分は第1実施形態のものと同様であるが、二つの点で異なる。第1に、第1ロータ部分330では、第1実施形態のロータを貫通する磁石受け入れ開口部のそれぞれに半径方向外側のアーチ形側壁を与えていた半径方向外側の部分が欠けている。したがって、本実施形態の第1ロータ部分30には、半径方向内側のアーチ形側壁322と、そこから半径方向外側に延びる二つの半径方向の側壁323(それぞれ、半径方向内側端部にのみアーチ形の凹み324を有する)しか設けられていない。したがって、第1ロータ部分330は、その言葉の工学的意味において「クモ(spider)」に似ている。半径方向に延びる側壁323のそれぞれの中央部から突出リッジ325が突出し、側壁の全長に沿って延びている。
【0039】
図9は、第3実施形態のロータ組み立て300の12個の磁石350のうち代表的な一つを示す。磁石350は第1および第2実施形態のものと同様であるが、半径方向に延びる側壁352のそれぞれに溝355が形成されている点が異なる。各溝355は、半径方向に延びる側壁352のそれぞれの中央部に形成され、その全長に延びる。
【0040】
図7を再び参照して、磁石350は、第1ロータ部分330の各突出リッジ325がそれぞれの溝の中にはめ合う状態で、第1ロータ部分330を貫通する開口部の中に挿入される。続いて、ワイヤで強化された接着テープが第1ロータ部分330の半径方向外側の縁の周りに繰り返し巻き付けられ、第2ロータ部分340を形成する。こうして、第1ロータ部分330と第2ロータ部分とが協調して磁石350を半径方向に位置決めする。円周方向および軸方向の位置決めは第1ロータ部分330によって行われ、第1ロータ部分330の突出リッジ325と磁石内の協調溝355とが、さね継ぎ(tongue-and-groove)構成によって軸方向に位置決めする。本実施形態では接着テープを使用して第2ロータ部分340を形成するが、この部分340を他の方法で形成してもよいことが想定される。例えば、第2ロータ部分340は、適切な材料を形成マンドレル上に重ねることによって形成された複合材料のリングであってもよい。続いて、リングが第1ロータ部分330の外側にはめられ、適切な場所に接着される。はめ合わせができるようにリングを加熱し、その後リングを冷却して第1ロータ部分330の周りにタイトフィットさせることで、第1ロータ部分330の外側にリングを収縮ばめしてもよいことが想定される。加熱時に、リングは締まりばめ(interference fit)であっても締まりばめでなくてもよい。代替的に、最初にリングを加熱することなく、第1ロータ部分330の外側にリングを圧入してもよい。
【0041】
図10は、第4実施形態のロータ構成400を示す。この実施形態では、ロータ410は単一部分として形成されるが、ロータを貫通する各磁石受け入れ開口部420に二つの磁石450が存在する。全体的な構成を図11に示し、より詳細な構成を図12および図13に示す。
【0042】
図12を参照すると、本実施形態のロータ410は、第2実施形態の第1ロータ部分130とほぼ同一であるが、第1ロータ部分130のリップ150がなく、代わりにロータ410を貫通する開口部420の半径方向に延びる側壁423に沿って突出リッジ425を備える点で相違する。リッジ425は半径方向に延びる側壁423の中央部に沿って、その両端の間に延びており、第3実施形態のリッジ325と同様である。
【0043】
図13を参照して、本実施形態のロータ構成400の各磁石450は、幾何学的に他のものと同様である。したがって、簡単のために、代表的な単一の磁石450についてのみ説明する。各磁石450は、第1および第2実施形態の磁石とほぼ同じ形状であるが、(軸方向の)厚さの半分よりもわずかに小さく、半径方向に延びる縁に沿って形成された凹み455を一面のみに有している点で相違する。上述したように、磁石450は幾何学的に同一であるが、同一の開口部420に受け入れられる二つの磁石450のそれぞれは異なる態様で磁化されている。磁石450の一方は、凹み455の延びる面が北極であるように磁化される。磁石450の他方は、凹み455の延びる面が南極であるように磁化される。
【0044】
図11を参照して、二つの異なって磁化された磁石450が、ロータ410内の各開口部420内にはめ合わされる。二つの磁石450のうち第1の磁石は、突出リッジ425が凹みにはまり部分450を位置決めするように、ロータ410の一端から開口部420の中に導入される。他方の磁石450は、ロータ410の他方の側から同様にはめ合わされる。二つの磁石450は異なって磁化されているので、磁石450の間の磁力が両磁石を適切な場所に保持する。各開口部内の二つの磁石450の間には、わずかな軸方向の隙間が存在するように構成される。こうして、磁力によって、二つの磁石450のそれぞれが突出リッジ425と接触する。わずかな軸方向の隙間は10ミクロンのオーダーであることが想定される。二つの磁石450の間で磁束の経路を促進するために、二つの磁石450の間のあらゆる隙間が最小化されることが一般的に好ましい。
【0045】
このように、本実施形態では、ロータ410が磁石450を半径方向および円周方向に位置決めし、また二つの可能性のある軸方向のうちの一方で磁石450のそれぞれを位置決めする。
【0046】
他の実施形態では、同一開口部420内の二つの磁石450の間に隙間がなくてもよいことが想定される。理想的には、磁石450が突出リッジ425と接触するように磁石450とロータ410の寸法が決められるが、これは関連する製造公差によって決まる。
【0047】
さらなる実施形態では、同一開口部420内の二つの磁石450の間に接着剤などの接着物を施し、接着物が少なくとも部分的に二つの磁石450を保持する働きをすることが想定される。硬化して弾性変形可能になる接着剤などの振動吸収特性を有する接着物を、振動を吸収するために使用してもよい。
【0048】
高出力のアプリケーションに適した電気機械で上述のロータ構成を使用されることが想定される。例えば、電気機械は、路面電車やバスなどの大型のハイブリッド車にセットされたディーゼル発電機における発電機としての使用に適していてもよい。回転電気は、自力推進機械力を提供する車両などにおけるモータとしての使用に適していてもよい。
【0049】
さらなる実施形態では、渦電流モータとして作動可能な電気機械において使用可能となるように、上述のロータディスク構成が修正される。このような実施形態では、上述のロータディスクは、少なくとも一部が導電性材料で形成されたディスクによって置き換えられる。ステータ巻線に変動電流を与えると、電気機械が渦電流モータとして作動する。定電流を与えると機械を制動する働きをする。内部に誘導される電流を導くように導電性材料を構成してもよい。これは、置換ロータの導電性材料にスロットを設けることで達成される。スロットは放射状であってもよい。言い換えると、ロータが、放射状電気機械で使用されることのあるかご形の等価物を形成することができる。
【0050】
さらに別の実施形態では、内部に誘導される渦電流を低下させるために、ロータの平面内以外で磁石450が「分割」されてもよい(すなわち、互いに結合する複数の磁石部分で構成されてもよい)。例えば、実質的に軸−放射平面内で磁石を分割してもよいし、実質的に軸−接平面内で磁石を分割してもよい。二つ、三つまたはそれ以上の磁石部分で構成されるような方法で各磁石を分割してもよい。好ましくは電気絶縁性のある、接着剤などの接着物で磁石部分を互いに接合してもよい。代わりに、磁石部分の間隔を空けるように機能する、ロータの材料内に形成された台によって、ロータ内で磁石部分を互いに対して位置決めしてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向磁束電気機械用のロータであって、
前記ロータはロータに固定された複数の永久磁石を有し、
前記複数の磁石のそれぞれは前記ロータ内の開口部を少なくとも部分的に通って延び、
前記ロータの回転軸に対して実質的に円周方向に、かつ少なくとも一つの軸方向において実質的に軸方向に前記磁石を位置決めするために、前記ロータの材料が前記磁石と接触するように構成されることを特徴とするロータ。
【請求項2】
両方の軸方向において実質的に軸方向に前記磁石を位置決めするように前記ロータの材料が各磁石と接触することを特徴とする請求項1に記載のロータ。
【請求項3】
前記ロータが第1ロータ部分と第2ロータ部分を備え、二つのロータ部分の間に磁石を置いた状態で前記第2ロータ部分を前記第1ロータ部分にはめ合わせて、二つのロータ部分の間で実質的に接線方向に、実質的に半径方向に、および実質的に軸方向に前記磁石を位置決めするように構成される構成されることを特徴とする請求項1または2に記載のロータ。
【請求項4】
前記第1ロータ部分と前記第2ロータ部分が、両者の間で半径方向に前記磁石を包み込むように構成されることを特徴とする請求項3に記載のロータ。
【請求項5】
前記第1ロータ部分が、円周方向と一つの半径方向の実質的に両方で前記磁石と接触するように構成されることを特徴とする請求項4に記載のロータ。
【請求項6】
前記第2ロータ部分が、他方の半径方向で実質的に前記磁石のうちの少なくとも一部と接触するよう構成されることを特徴とする請求項5に記載のロータ。
【請求項7】
前記第1ロータ部分がその内部に形成された開口部を有し、各開口部がそれぞれ磁石を受け入れる大きさにされることを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載のロータ。
【請求項8】
前記磁石および/または前記第1ロータ部分に前記磁石を軸方向に位置決めする構造が設けられていることを特徴とする請求項4ないし7のいずれかに記載のロータ。
【請求項9】
前記磁石および前記第1ロータ部分に、前記磁石を半径方向に位置決めするように協調する協調構造が設けられていることを特徴とする請求項8に記載のロータ。
【請求項10】
前記協調構造がさね継ぎ構成を備えることを特徴とする請求項9に記載のロータ。
【請求項11】
前記第2ロータ部分が、中に磁石を受け入れた前記第1ロータ部分の全体またはその一部を包囲するように構成された実質的に環状の部分または実質的に環状の部分の一部であることを特徴とする請求項4ないし10のいずれかに記載のロータ。
【請求項12】
前記第2ロータ部分が前記第1ロータ部分の周りに巻き付けられたテープの形状であることを特徴とする請求項4ないし11のいずれかに記載のロータ。
【請求項13】
前記第2ロータ部分に保持リングが設けられることを特徴とする請求項4ないし11のいずれかに記載のロータ。
【請求項14】
前記第1ロータ部分および第2ロータ部分が、両者の間で軸方向に前記磁石を包み込むように構成されることを特徴とする請求項3に記載のロータ。
【請求項15】
各ロータ部分がロータディスクのそれぞれの面を含むことを特徴とする請求項3ないし14のいずれかに記載のロータ。
【請求項16】
各ロータ部分が貫通する開口部を備え、各開口部がそれぞれ磁石を受け入れる大きさにされることを特徴とする請求項3、14または15に記載のロータ。
【請求項17】
前記磁石が開口部を通り抜けることを防止するために開口部内に受け入れた磁石と接触する接触手段が各開口部に隣接して各ロータ部分に設けられていることを特徴とする請求項16に記載のロータ。
【請求項18】
前記接触手段が各ロータ部分の一面と接触することを特徴とする請求項17に記載のロータ。
【請求項19】
二つの磁石が各開口部に受け入れられ、前記二つの磁石が軸方向に並置され、前記ロータは、第1軸方向で前記二つの磁石のうち第1の磁石を、第2軸方向で前記二つの磁石のうち第2の磁石を受け入れるように構成され、各開口部の一つ以上の側壁が、それぞれの磁石の一方または両方が開口部内に受け入れられたときに磁石と接触する接触部材を備えることを特徴とする請求項1ないし18のいずれかに記載のロータ。
【請求項20】
各開口部内の前記二つの磁石が引き付け合うように磁化されており、これによって軸方向に位置決めされることを特徴とする請求項19に記載のロータ。
【請求項21】
前記磁石の軸方向の分離に少なくとも部分的に抵抗するために前記二つの磁石の間に接着剤が付加されることを特徴とする請求項20に記載のロータ。
【請求項22】
前記ロータが、複合材料などの磁気絶縁材料および/または電気絶縁材料で構成されることを特徴とする請求項1ないし20のいずれかに記載のロータ。
【請求項23】
請求項1ないし22に記載の少なくとも一つのロータを備える軸方向磁束電気機械。
【請求項1】
軸方向磁束電気機械用のロータであって、
前記ロータはロータに固定された複数の永久磁石を有し、
前記複数の磁石のそれぞれは前記ロータ内の開口部を少なくとも部分的に通って延び、
前記ロータの回転軸に対して実質的に円周方向に、かつ少なくとも一つの軸方向において実質的に軸方向に前記磁石を位置決めするために、前記ロータの材料が前記磁石と接触するように構成されることを特徴とするロータ。
【請求項2】
両方の軸方向において実質的に軸方向に前記磁石を位置決めするように前記ロータの材料が各磁石と接触することを特徴とする請求項1に記載のロータ。
【請求項3】
前記ロータが第1ロータ部分と第2ロータ部分を備え、二つのロータ部分の間に磁石を置いた状態で前記第2ロータ部分を前記第1ロータ部分にはめ合わせて、二つのロータ部分の間で実質的に接線方向に、実質的に半径方向に、および実質的に軸方向に前記磁石を位置決めするように構成される構成されることを特徴とする請求項1または2に記載のロータ。
【請求項4】
前記第1ロータ部分と前記第2ロータ部分が、両者の間で半径方向に前記磁石を包み込むように構成されることを特徴とする請求項3に記載のロータ。
【請求項5】
前記第1ロータ部分が、円周方向と一つの半径方向の実質的に両方で前記磁石と接触するように構成されることを特徴とする請求項4に記載のロータ。
【請求項6】
前記第2ロータ部分が、他方の半径方向で実質的に前記磁石のうちの少なくとも一部と接触するよう構成されることを特徴とする請求項5に記載のロータ。
【請求項7】
前記第1ロータ部分がその内部に形成された開口部を有し、各開口部がそれぞれ磁石を受け入れる大きさにされることを特徴とする請求項4ないし6のいずれかに記載のロータ。
【請求項8】
前記磁石および/または前記第1ロータ部分に前記磁石を軸方向に位置決めする構造が設けられていることを特徴とする請求項4ないし7のいずれかに記載のロータ。
【請求項9】
前記磁石および前記第1ロータ部分に、前記磁石を半径方向に位置決めするように協調する協調構造が設けられていることを特徴とする請求項8に記載のロータ。
【請求項10】
前記協調構造がさね継ぎ構成を備えることを特徴とする請求項9に記載のロータ。
【請求項11】
前記第2ロータ部分が、中に磁石を受け入れた前記第1ロータ部分の全体またはその一部を包囲するように構成された実質的に環状の部分または実質的に環状の部分の一部であることを特徴とする請求項4ないし10のいずれかに記載のロータ。
【請求項12】
前記第2ロータ部分が前記第1ロータ部分の周りに巻き付けられたテープの形状であることを特徴とする請求項4ないし11のいずれかに記載のロータ。
【請求項13】
前記第2ロータ部分に保持リングが設けられることを特徴とする請求項4ないし11のいずれかに記載のロータ。
【請求項14】
前記第1ロータ部分および第2ロータ部分が、両者の間で軸方向に前記磁石を包み込むように構成されることを特徴とする請求項3に記載のロータ。
【請求項15】
各ロータ部分がロータディスクのそれぞれの面を含むことを特徴とする請求項3ないし14のいずれかに記載のロータ。
【請求項16】
各ロータ部分が貫通する開口部を備え、各開口部がそれぞれ磁石を受け入れる大きさにされることを特徴とする請求項3、14または15に記載のロータ。
【請求項17】
前記磁石が開口部を通り抜けることを防止するために開口部内に受け入れた磁石と接触する接触手段が各開口部に隣接して各ロータ部分に設けられていることを特徴とする請求項16に記載のロータ。
【請求項18】
前記接触手段が各ロータ部分の一面と接触することを特徴とする請求項17に記載のロータ。
【請求項19】
二つの磁石が各開口部に受け入れられ、前記二つの磁石が軸方向に並置され、前記ロータは、第1軸方向で前記二つの磁石のうち第1の磁石を、第2軸方向で前記二つの磁石のうち第2の磁石を受け入れるように構成され、各開口部の一つ以上の側壁が、それぞれの磁石の一方または両方が開口部内に受け入れられたときに磁石と接触する接触部材を備えることを特徴とする請求項1ないし18のいずれかに記載のロータ。
【請求項20】
各開口部内の前記二つの磁石が引き付け合うように磁化されており、これによって軸方向に位置決めされることを特徴とする請求項19に記載のロータ。
【請求項21】
前記磁石の軸方向の分離に少なくとも部分的に抵抗するために前記二つの磁石の間に接着剤が付加されることを特徴とする請求項20に記載のロータ。
【請求項22】
前記ロータが、複合材料などの磁気絶縁材料および/または電気絶縁材料で構成されることを特徴とする請求項1ないし20のいずれかに記載のロータ。
【請求項23】
請求項1ないし22に記載の少なくとも一つのロータを備える軸方向磁束電気機械。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2011−509064(P2011−509064A)
【公表日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541100(P2010−541100)
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【国際出願番号】PCT/GB2009/000032
【国際公開番号】WO2009/087376
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(510184542)エヴォ エレクトリック リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【国際出願番号】PCT/GB2009/000032
【国際公開番号】WO2009/087376
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(510184542)エヴォ エレクトリック リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
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