説明

電気的不均衡を定量化するための装置及びそれを組み込む接触検出システム

特に接触検出システムのための第1及び第2の電気経路(R、S;S、VPS)の間の不均衡を検出して定量化するための装置は、それぞれの入力で第1及び第2の経路を受信する比較手段(CC;CD)と、経路の少なくとも一方に接続した可変移送キャパシタンス手段(CPB;CPC)と、比較手段と可変移送キャパシタンス手段の間に接続され、かつ不均衡の補償まで比較手段によって生成される結果(Q)に応じて可変移送キャパシタンス手段の可変移送キャパシタンスを変えるようになった制御ユニット(UC)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に接触検出システムのための電気経路間の不均衡を検出して定量化するための装置に関する。
本発明は、従って、特に、タッチパッドという一般的な用語で公知の装置、すなわち、接触又は物体の存在、特に、パッド、すなわち、表面の下に様々な規則的なパターン(線、アレイ、ダイヤモンド形の模様、蜂の巣、螺旋回転、迷路など)に配置された一連の導電接触部分を有する触知性インプリントのためのタブレット又は支持体から成る場合があり、又はタッチスクリーン、すなわち、指の又はペン又はより一般的に凝縮体のような物体の接近に感応する装置を含むスクリーンの関連フィールドに属するスクリーンから成る場合がある表面への触知性接近の検出のための装置の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
電気的及び特に容量性測定原理に基づく触知性インプリントの取得又は認識のための公知の装置、並びに容量検出により機能する検出器、又は同じく容量検出を用い、従って、静電気の原理に基づくと考えられる近接度検出により機能するスイッチが存在する。
一般的に、このような装置の検出原理は、プリント回路の両側への大きな接触部分又はトラックの移植に基づくものであり、この両側は、向かい合せの導電面、及び従って静電気の観点からは、プリント回路の支持体を構成する誘電体によって分離された平板コンデンサの2つの隣接平板を形成する。指がこの表面に接近した時に、それは、電界を摂動させ、この理由から多くの形態及び変形で存在する適切な電子回路によって検出することができる。
【0003】
この種の装置の重要な問題の1つは、電磁摂動に対するそれらの感度であり、なおさら、これらのコンデンサのキャパシタンスの絶対値は、通常非常に小さく(一般的に1pFのようなピコファラドの桁)、従って、それらは、測定回路の一部である寄生キャパシタンスにより及び電磁摂動により容易に摂動されるので電子的に測定するには非常に細心の注意を要するものである。これは、タッチパッドのコンデンサ接触部分への指の近接性は、そのキャパシタンス値を実質的に修正することにならないのでなおさら当て嵌まる。数値による例示として、1ピコファラド程度のキャパシタンスを有する平板コンデンサのコンデンサ極板の背後の指又は物体の存在による接触は、その値を僅か10%だけ修正することになり、それによってキャパシタンスは、0.9pf又は1.1pfになる。電子的に0.1pF(つまり100fF)のキャパシタンス変動を測定することは、特に細心の注意を要し、触知検出装置は、接触又は触知性接触の検出に関して特にむらがありかつ不確定であることが公知である。
【0004】
これらの装置は、支持体の2つの面上の2つの導電接触部分によって構成される平板コンデンサのコンデンサ極板の背後の触知性接近は、実際に、非常に僅かなキャパシタンスの値の変動、すなわち、キャパシタンスが2つのコンデンサ極板を分離する間隔の外側にある媒体の修正による影響を殆ど受けないためにキャパシタンスの合計値に対して僅かである変動、及び指と明確に劣る寸法を有する2つの薄い導電トラック間のキャパシタンスの値はそれら自体小さい絶対値になることになるので絶対値において僅かである変動を誘発することになるという短所を有する。
【0005】
接触検出装置を電磁環境に対して感受性を低下させるのに利用可能な解決法は、接触面の導体つまり電極と結合された第1及び第2の電気経路間の均衡を別々に検出することにある。このような分別検出を行うことができる回路は、文書WO96/18179及びUS2002/0039092に説明されている。それらは、入力で電気経路を受け取り、かつこれらの電気経路間の電位差に比例した信号を出力する増幅器を含む。出力信号は、電気的不均衡を定量化することを可能にするためにアナログ的に処理し、次に、デジタル化すべきである。これらの回路は、比較的達成し難く、環境(供給電圧の安定性、温度など)に敏感であり、かつノイズを発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO96/18179
【特許文献2】US2002/0039092
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Stephan A.Maas著「非線形マイクロ波及びRF回路」、「Artech House」発行、20003年、§2.2.7.2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、これらの短所を補正する電気経路間の不均衡を検出して定量化するための装置を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のために、添付の請求項1に記載の装置、すなわち、それぞれの入力部で第1及び第2の経路を受け取る比較手段と、経路の少なくとも1つに接続した可変移送キャパシタンス手段と、比較手段と可変移送キャパシタンス手段の間に接続され、かつ不均衡が補償されるまで比較手段によって生成された結果に応じて可変移送キャパシタンス手段の可変移送キャパシタンスを変えるようになった制御ユニットとを含む第1及び第2の電気経路の間の不均衡を検出して定量化するための装置を提供する。
【0010】
このような装置は、達成しやすい。比較手段は、出力部で状態ビットを生成する簡単な比較器とすることができる。可変移送キャパシタンス手段は、スイッチに付随する簡単なコンデンサで構成することができる。これらの構成要素は、殆どノイズを発生せず、環境に殆ど感受性がなく、かつ殆どエネルギを消費しない。
この装置の特定的な実施形態を添付の請求項2から請求項7に定めている。
本発明はまた、上述のように定めた検出及び定量化装置を含む表面の近くの触知性接近又は物体の存在を検出して位置を特定するためのシステムの様々な実施形態を提案する。これらの異なる実施形態は、請求項8から請求項24に定めている。
本発明の他の特性、目的、及び利点は、本明細書で以下に詳細に示す実施形態の説明において及び非限定的な例として示す添付図面を考慮すると明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】平行な線形導電トラックの規則的なパターンを含む接触面に関連の本発明の具現化の第1の代替による接触検出装置によって形成される電子回路の機能原理の図である。
【図2A】本発明の具現化の第1の代替による分極P、基準R、及び検出Sの機能を有するトラックを示し、かつ隣接トラック間の静電結合効果の発現を概略的に示す、図1のパターンのような支持体上に移植された一連の規則的な平行なトラックの横断面図である。
【図2B】分極トラックPと検出トラックSの間に静電均衡を摂動させ、不均衡を本発明による装置により検出して定量化することができる接触を概略的に示す図2Aに類似した図である。
【図3】本発明の具現化の第1の代替による接触検出装置によって実施された分極及び検出の段階及びレベルのタイムチャートである。
【図4】本発明による検出の第1の方法による分別検出CMP及び容量不均衡の中性化までのデジタルコードBLCによる連続的定量化作業の経路R/Sの均衡の試験の分極PDW及びPUPの一連の段階及びサイクルを示す一連のタイムチャート4A〜4Gである。
【図5】2つの方向に移植された導電トラックを含む表面に関連の本発明の第1の代替による接触検出装置の変形の電子回路の機能原理の図である。
【図6A】本発明による可変キャパシタンスを有し、かつ切換可能なコンデンサの列を含む可変移送キャパシタンス回路の図である。
【図6B】本発明による接触検出装置内で実施することができる電子可変移送キャパシタンス回路の他の機能図である。
【図6C】本発明による接触検出装置内で実施することができる電子可変移送キャパシタンス回路の他の機能図である。
【図6D】本発明による接触検出装置内で実施することができる電子可変移送キャパシタンス回路の他の機能図である。
【図7A】本発明による接触検出装置に関連付けることができる支持体又は接触面(タッチパッド)上に移植された平行な線形導電トラックの規則的なパターンの上面図である。
【図7B】本発明による接触検出装置に関連付けることができる支持体又は表面上で移植される放射形導体トラックを規則的なパターンの別の例の上面図である。
【図8A】本発明による基準トラックR及び検出トラックS及びその組合せの異なる特定の構成のための中心軸に対する接触位置の関数として感度の図である。
【図8B】本発明による基準トラックR及び検出トラックS及びその組合せの異なる特定の構成のための中心軸に対する接触位置の関数として感度の図である。
【図8C】本発明による基準トラックR及び検出トラックS及びその組合せの異なる特定の構成のための中心軸に対する接触位置の関数として感度の図である。
【図9】本発明による基準トラックR及び検出トラックS及びその組合せの異なる特定の構成のための中心軸に対する接触位置の関数として感度の図である。
【図10A】正の分極P+及び負の分極P−が2つの導電トラックに適用され、静電効果が較正(α)及び試験(β)の段階中に検出トラックS上で回収される本発明による検出装置の具現化の別の代替による実施される接触検出原理の図である。
【図10B】正の分極P+及び負の分極P−が2つの導電トラックに適用され、静電効果が較正(α)及び試験(β)の段階中に検出トラックS上で回収され、トラックSの左右に触知性接触の影響を示す本発明による検出装置の具現化の別の代替による実施される接触検出原理の図である。
【図10C】正の分極P+及び負の分極P−が2つの導電トラックに適用され、静電効果が較正(α)及び試験(β)の段階中に検出トラックS上で回収され、トラックSの左右に触知性接触の影響を示す本発明による検出装置の具現化の別の代替による実施される接触検出原理の図である。
【図11】本発明による2つの方向に移植された導体のパターンに関連し、かつ別の検出モードを実行する接触検出装置の別の具現化による電子回路の機能原理の図である。
【図12A】図11の代替によって具現化された検出装置の3つの経路P+、P−、及びSの均衡を取る可変移送キャパシタンス回路の具現化の代替の図である。
【図12B】図11の代替によって具現化された検出装置の3つの経路P+、P−、及びSの均衡を取る可変移送キャパシタンス回路の具現化の代替の図である。
【図12C】図11の代替によって具現化された検出装置の3つの経路P+、P−、及びSの均衡を取る可変移送キャパシタンス回路の具現化の代替の図である。
【図13】図1〜図9の検出及び図10、図11、図12A〜図12Cの代替検出モードを組み合わせる改良型検出原理を実施するために正の分極P+、負の分極P−、基準R、及び検出Sの4つの経路の組合せに対応する一連の導電トラックを含む支持体の断面図である。
【図14】公知の形式の平坦TFTスクリーンの表面下にある導電横列及び縦列の構造の上面図である。
【図15】本発明による1次元(IDタッチスクリーン)内の接触検出機能を有するスクリーンにTFT表示スクリーンを変形するためのこのスクリーンの導電横列上での本発明による接触検出装置の接続、(移植)及び結合の図である。
【図16】本発明によってTFTスクリーンを2Dタッチスクリーンに変形するためのこのスクリーンの導電横列及び縦列上での接触検出装置の接続及び接合の図である。
【図17】導体パターンに関連の本発明による接触検出装置の別の具現化の電子回路の原理の機能図である。
【図18】導体パターンに関連の本発明による接触検出装置の更に別の具現化の電子回路の原理の機能図である。
【図19】本発明によるいくつかの検出モードを実施することができる本発明による接触検出装置の更に別の具現化の電子回路の原理の機能図である。
【図20A】単なるキャパシタンス特性を有する要素の電荷及びリード(平板)電位を表す図である。
【図20B】移送キャパシタンス特性を有する回路の電荷及び電位を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の目的は、静電気の原理を基本とし、かつ擬検出及び摂動の感受性を回避しながら、確実に接触面の近くの接触又はより一般的には凝縮物体(ペンなど)の存在を正しく検出することを可能にする接触検出装置を提供することである。より正確には、この目的は、平面の各軸に従った基準面に対するあらゆる接触(指の接近又は物体の存在)の正確な位置特定であるが、可能な場合には、この目的は、次に、非常に細密で電磁摂動のない容量測定を行うことを意味するこの基準面に直交方向にこの存在の位置を特定することも含む。
【0013】
更に、数年にわたってディスプレイ又は平坦スクリーンテレビシステムには、大幅な開発があり、従来の陰極線スクリーンに取って代わりながら広範囲にわたる普及をもたらしている。特に、画像とユーザの指で与える指令との間の対話型機能を設けたタッチスクリーン装置を形成する透明膜に基いて陰極線スクリーンを接触検出システムに関連付けようとする試みが行われている。しかし、この種のタッチスクリーンでは、通常、相対的精度不足及びユーザの接触に対する感度のむらが発生する。
【0014】
それ自体新しくかつ興味深い目的に従って、本発明者は、ここで、驚くことに接触検出機能が与えられた平坦な表示スクリーンを構成するために、接触検出機能を追加するために平坦な広く普及しているスクリーンを変形することが興味深いことになり得ることを提案した。その時点で、本発明者は、最も広く普及している平坦なスクリーンの間では、TFT形式(薄膜トランジスタの技術による)のスクリーンは、着色光点(ピクセル)を伝達するトランジスタセルのアレイを基本とし、一方、トランジスタは、接続されかつ透明ワイヤ又は導体材料で具現化された導電横列及び縦列のマトリックスアレイにより電力が供給されることを示した。1つの目的は、平坦なタッチスクリーンになるように接触検出機能が設けられた表示スクリーンシステムを取得するために独創的にこのようなスクリーンの導電トラックを再利用して本発明による接触検出装置と結合することを提案する。第1に、その仕事は、修正することなく又はできるだけ最少の修正をもたらしながら意外なほどに既存の平坦なTFTスクリーンの構造に適合かつ結合することができる装置を有するということである。第2に、その仕事は、できるだけ最少の工業製造工程の修正をもたらしながら、接触検出装置のこれらの新しい機能を一体化する平坦なTFTスクリーンをもたらすということである。
【0015】
遭遇する問題は、TFT形式のスクリーンが、周期的パターンで、ただし、この平坦なスクリーンの内側に位置する平面においてのみ配置された平行な導電線のアレイを有するという点である。この問題は、摂動させることなくTFTスクリーンの既存の構造を再利用すること、かつ導電線が平坦なTFTスクリーンの内側の単一の平面内に移植されるがタッチスクリーンになるために接触検出機能をTFTスクリーンに追加することにある。
この問題は、上述のように、電磁摂動の感受性を回避することにより、かつスクリーンの近くの指又はあらゆる感応物体の存在及び正確な位置を正しく及び確かに検出することにより、かつ可能であれば3次元で、すなわち、スクリーンの2次元により、かつ可能な場合には、3次元、すなわち、TFTスクリーン表面に垂直な方向の物体の距離によって解決すべきである。
【0016】
簡潔には、これらの目的は、導体又は導電トラックの規則的なパターンを含む導電面を配置して(好ましくは1次元又は2次元で、かつ移植面の1つ又はいくつかのレベルに従って周期的に)、かついくつかの段階で導体の対間の容量均衡の分別検出を進めることによって本発明の1つの原理による具現化される。2つの隣接導電トラック間の結合の存在を測定し、より正確には、隣接トラックの1つの対の間の静電結合を隣接トラックの別の対の間の静電結合と対比又は比較することによって(隣接トラック間のあらゆる接触なしに及び必然的に互いに追従することなく)示差測定法の原理を実行することによって検出してその後定量化することを計画している。更に正確には、本発明により、導体のこれらの2対間に確立されるこれらの2つの結合値間の容量均衡を試験する。これらの結合は、静電結合、すなわち、容量結合である。これらの2つの結合の各々は、1つの導電トラックと隣接トラックの間に形成され、これらのトラックは、隣接している場合もあれば、そうでない場合もあり、近い場合もあれば遠い場合もあり、直接互いに追従している場合もあれば、接触面の導体の規則的なパターンで追従していない場合もある。本発明により、2つの結合のこれらの2対のトラックは、共通の1つのトラックを有することができ、かつ有することが好ましいという特殊性のために、対の隣接トラック間の第1の結合及び別の対の隣接トラックの間の第2の結合を有利に比較することを計画している。更に正確には、いくつかの代替検出方法を実施することができる。第1の代替により、共通のトラックは、容量均衡を試験し、かつ容量不均衡の可能性を測定し、より正確に言えば定量化し、一方は基準トラックRとして機能し、他方は検出トラックSとして機能する2つの横トラックに共通の分極トラックPである。別の検出方法は、共通のトラックが、検出トラックSとして機能し、かつ横トラックの1つの上に正の電位ジャンプ(「正の分極」P+という)を印加し、一方、反対の横トラック(反対側と対称形)上に負の電位ジャンプ(「負の分極」P)を印加することによって2つの横トラック上に2つの分極P+及びP−をもたらす。
【0017】
本発明の実施形態により、通常は、従って以下の少なくとも3つの経路を選択する:分極Pの1つの経路及び基準R及び検出Sの2つの経路、又は分極、正P+、及び負P−の2つの経路及び検出Sの1つの経路、更に、常に、導体に割り当てられた別種の機能の対称又は逆対称パターン(例えば、6つの経路P+/S/P−、及びP+/R/P−、又は5つの経路P+/S/P−/R/P+、又は4つの経路のサイクル.../P+/S/P−/R/...)を保存する2つの前出代替の組合せによる4つの経路、すなわち、分極「正の」P+、「負の」P−の2つの経路、並びにそれぞれ4つ、5つ、6つ、又はそれよりも多くの導体に適用する基準R及び検出Sの2つの経路。
【0018】
分極、基準、及び検出の機能の各々は、一度にいくつかの導電トラックの群に適用することができることに注意すべきである。全般的には、分極P又はP+又はP−、基準R、又は検出Sの各経路は、少なくとも1つの導体に又はいくつかの導体の群に結合される。異なる構成は、本明細書で以下に行う説明で示す。更に、接触面全体の近くのあらゆる蝕知可能な接近又は物体の存在を正しくマップする(検出し、位置を特定して記録する)ために、各連続的精査作業で異なる導体の3つ組を選択することによって感応面全体を精査することを計画している。検出のいくつかの構成は、更に、有利に組み合わせて、特に一層より正確な(狭い)解像度が得られるか、又は表面を二分法による作業によりマップし、すなわち、表面において、次に、表面の各半分において、次に、各1/4等々において、接触の可能性を連続的に検出することを可能にする特定の解像度プロフィールを取得することができる。
【0019】
通常の容量的対策は、2つのコンデンサ極板の間に、すなわち、2つの端子又は2つの経路間にのみ講じられるが、表面上の少なくとも3つの導体に対処することによって選択的に接続することができる少なくとも3つの経路を有するビームを有することを本発明の実施形態では独創的に計画していており、ビームは、有利な態様では、導体の群のこの3つ組を一方では分極の回路に、他方では経路間の容量不均衡の試験、検出、補償、及び定量化の回路に結びつける。
【0020】
本発明の利点は、その原理により、検出対策が本質的に異なるものであり、経路の1つの対と経路の別の対の間にそれぞれ形成される2つの静電又は容量結合を比較して補償することによって得られることである。従って、たとえ1つのトラックと横隣接トラックの間の各結合が一般的に開放的に発生し、それによって全ての外部摂動に露出される(測定が示差分測定であることからコンデンサの2つの極板間の結合と反して)としても、結合に及ぼす電磁摂動への感受性は、隣接結合にも発生し、かつ差分減算又は比較により中性化される。このような示差測定法の結果は、従って、推測的に接触により摂動しない2つの他のトラックの間の結合を基準することによって追求される現象、すなわち、2つのトラックの間の近い触知性接近又は物体の存在を示すだけにある。
【0021】
分極及び検出、及び従って2つの横結合の効果は、本来は、表面の関連する導電トラックの領域内に接触がない場合は対称的であり、かつ均衡状態であることが好ましい。それに反して、1対の2つのトラックの近くの触知性接近又は物体の存在の場合、これらの2つのトラックの間の対応する結合は、摂動され、他の2対状態のトラック間の第2の結合に対してもはや均衡状態ではない。本発明は、正確には、これらの2つの異なる結合間の容量均衡を試験して比較することを提案するものである。3つの経路間に容量不均衡を検出又は測定することは、細心の注意を要する。驚くべきかつ改善した方法で、本発明は、経路の1つの上へ又は2つの経路の間の、更には2つの横経路の各々の上へ又は2つの経路と第3の経路との間の可変移送キャパシタンス、例えば、単なる可変キャパシタンスの並列の導入によりそれを補償することによってこの容量不均衡をデジタル的に測定することを提案する。一層驚くべきことに、本発明は、デジタル的に個別の値で別の経路に対する1つの経路の容量不均衡の値を定量化する又は推定することを提案する。この趣旨で、本発明は、可変容量性インピーダンスが容量不均衡を補償すべき経路に平行に接続した切換可能なコンデンサの列によって形成される回路を提供する。回路は、平行に接続される切換可能なコンデンサの少なくとも1つの列を含み、列の各分岐部は、デジタル制御ビット及びコンデンサにより制御されることが好ましいスイッチを含み、コンデンサは、2つずつ千鳥形配置であることが好ましいキャパシタンスを有する。デジタルスイッチ指令により回路に入れられるコンデンサのキャパシタンスは、従って、バイナリデジタル指令の重み付けに対応する累積容量性インピーダンス値が全体的にもたらされるように追加される。本発明によると、このような回路は、デジタル/容量変換回路と考えられる。
【0022】
逆に容量/デジタル変換回路をもたらすことが、第1の代替に対して計画されている。このような回路は、2つの経路及び少なくとも1つの経路と平行して接続される切換可能なコンデンサの列を含み、一方、2つの経路は、一方の経路のキャパシタンスが他方より優れているか又は劣っているかを示す状態ビットを出力する比較器又は増幅回路の差動入力に適用される。出力状態は、特にコンデンサの切換を制御するバイナリデジタル指令を増加又は低減することができるフィードバック制御回路により用いられ、そのキャパシタンスの合計は、2つの経路により遭遇される全体的なキャパシタンスが等しいか又は均衡に近い点までデジタル指令に合わせた(好ましくは比例した)関数として変動する。
【0023】
有利な態様では、本発明の実施形態の異なる代替による提供される接触検出装置は、表面上に移植される導電接触部分、トラック、又は線によって形成される導体の規則的なパターンを有する全ての種類の支持体に関連付けられ、かつ組み合わせることができる。特に有利な態様では、トラックを2つの異なる平面内に移植することは、不要である。特定の用途においては、いくつかの一連の垂直なトラック又はあらゆる種類のパターン(平行、同心、放射状、迷路、重り合い、ダイヤモンド形、蜂の巣など)に配置されたトラックを2つの別々の平面内に移植する。しかし、基本的に、本発明の検出の原理及び異なる有利な方法に従って導電トラックは、単一の平面(又は少なくとも同じ平坦な又は湾曲した表面、すなわち、単一のレベル))内に移植又は刻印することができる。このようにして、有利な態様では、タッチパッド形式の接触検出システムを取得する。
【0024】
驚くべきことにかつ特に有利な態様では、接触検出装置は、TFT平坦スクリーンの形式のマトリックスアドレス式スクリーン、すなわち、半透明の薄膜トランジスタが平坦スクリーン表面の背後の内部平面に移植されたスクリーン内のピクセルの表示に向けてトランジスタアレイの導電アドレス指定及び制御縦列及び/又は横列のフレームに関連付けられ及び結合される。このようにして、有利な態様では、表示スクリーンを接触検出機能が設けられたスクリーン、すなわち、タッチスクリーンに変形する。
【0025】
従って、本発明による特定的な実施形態は、少なくとも1つの平面内に規則的なパターンで分散した少なくとも一連の導体を含む表面の近くの触知性接近又は物体の存在を検出及び位置を特定する方法を実行し、本方法は、以下の接触検出段階、すなわち、このような複数の導体の中で3つの経路(ビームとして)を形成するか又は3つの経路(ビームとして)と接続した少なくとも3つの導体のビームを選択する段階と、上記ビームの導体の少なくとも1つの対の間に少なくとも第1の(静電又は容量)結合及びビームの少なくとも別の対の間に第2の(静電又は容量)結合を確立するためにビームの分極経路の導体又は導体類上で少なくとも1つの分極を適用する段階と、上述の導体に対する触知性接近又は物体の存在を検出して位置を特定するように容量不均衡の可能性を検出するために、少なくとも検出経路から第2の結合に対する第1の結合の容量均衡を示差的に試験する段階とを実行する。
【0026】
また、これらの本発明の実施形態は、少なくとも1つの平面(そして、少なくとも1つの次元で)内で規則的なパターンに従って分散された少なくとも一連の導体を含む表面の近くの触知性接近及び物体の存在の検出及び位置特定のシステムで具現化することができ、このような複数の導体を含む表面は、それぞれ、複数の導体の間に3つの経路に接続した少なくとも3つの導体のビームを選択するアドレス指定回路と、ビームの少なくとも第1の1対の導体間の少なくとも第1の(静電、又は容量)結合、及びビームの少なくとも別の対の導体間の第2の(静電又は容量)結合を確立するために、ビームの少なくとも1つの導体を分極するための手段と、表面の導体に対する触知性接近又は物体の存在を検出して位置を特定するために、第2の結合に対する第1の結合の均衡を試験する示差的な手段とを含む接触検出装置に関連付けられる。
【0027】
より正確には、検出モードの少なくとも2つの代替は、明らかであり、これより以降でより詳細に示す。
第1の代替により、接触面上に移植された複数の導体から3つの導体を選択した後に、第1の導体に分極(刺激P)の役割、第2の導体に基準(R)の役割、及び第3の導体に検出(S)の役割を割り当てる。電気分極(すなわち、電位のジャンプ)を電位のレベル、より具体的には、供給電位(GND又はVDD)までの低インピーダンス接続により第1の分極導体Pに適用する。他の2つの導体R及びSは、ハイインピーダンスの状態になる。しかし、他の2つの経路(R及びS)は、静電又は容量不均衡を検出するために差動回路(比較器又は増幅器)の2つの入力部に接続される。更に、2つの経路R及びSは、これらの2つの経路RとSの間に容量不均衡を補償及び定量化するために、これらの経路RとSの各々と接地の間に並列に接続した切換可能なコンデンサの列に、又は可変キャパシタンスを有する別の回路に、より一般的には、可変移送キャパシタンスを有する別の回路に接続される。そうするために、分極P、基準R、及び検出Sの3つの経路によりこのようにして形成された3つの導電線のビームを形成すると、これらの3つの経路P、R、及びSは、スイッチ(すなわち、トランジスタ配線電子スイッチ)又はマルチプレクサの列によって形成されるアドレス指定及び選択手段をすることによって選択される3つの導体に結びつけられる。測定作業(すなわち、容量均衡又は不均衡の試験、検出又は定量化)は、較正及び検出又は定量化のいくつかの段階において行われる。各作業の後、アドレス指定手段は、上述の表面の全ての導体を精査し、かつ物体又は触知性接近の存在の位置を特定してその正確な位置を見つけるためにビームの3つの経路P、R、S(又は、恐らく3つの経路P、R、Sに接続したいくつかの導体の3つの群)に接続した接触支持体の3つの導体の選択を修正する。
【0028】
別の検出モードに従って接触面上に移植された複数の導体から3つの導体又は導体の3つの群を選択した後に、中央又は軸線方向(対称面)である第1の導体Xに検出Sの役割を割り当てる。次に、横導線XIに正の電位ジャンプ(「正」分極P+という経路上の刺激ΔVP)を、反対側で対称形である別の横導線IXに反対の負の電位ジャンプ(負分極P−という刺激ΔVN)を印加する。2つの横導線IX及びXIは、供給電位P−及びP+に接続されており、従って、低インピーダンスであり、一方、検出Sの第1の導体Xは、検出経路S上の電位ジャンプの発現を検出するために、検出回路CD(比較器又は増幅器)の差動入力部(−)に接続されているが高インピーダンス状態のままである。最初に、電位ジャンプの検出というこの段階の前に、その後の検出という第2の段階中に電位ジャンプの可能性を検出するために基準電位が確立される較正又は基準の段階がある。
【0029】
第1のつまり基準段階α中に、検出経路Sの導体Xは、検出回路CD(低インピーダンスのS)の、入力部−に印加された基準電位(電圧源)で短絡状態であり、2つの横導線IX及びXIは、確立された電位又は電位(中性化、接地GND)に設定されている。電位同士は、逆であるであることが好ましく、すなわち、分極P+及びP−は、交換され、高い方の電位(VDD)は導体IXに、低い方の電位(GND又は−VCC)は他方の導体XIに印加される。第2つまり検出段階β中に、比較器回路CDの他方の差動入力部+に印加された検出経路Sは、基準電位(高インピーダンスの状態)から切り離される。切り離された検出経路Sの導体Xは、容量電荷を保存する。正の電位ジャンプΔVPは、導体XIに接続した分極経路P+に印加され、負の電位ジャンプΔVNは、導体IXに接続した他方の分極トラックP−に印加される。次に、検出経路S上で、指、物体又は物がトラックIX、X、又はXIのうちの1つに接近した場合、電位ジャンプが相転移α/β中に生成されることが見出されている。第1の段階α中に(電位ジャンプ前に)軸線方向導体Xに接続した検出経路S上で得られた電位のレベルは、従って、検出というこの代替モードにおいて基準として機能する。検出経路S上で見られる電位ジャンプの方向は、トラックXのいずれかの側で、すなわち、IX又はXIで接触の位置が特定されているかを示している。
【0030】
このような電位ジャンプは、従って、物体の存在又は触知性接近が一方では導体IX及びX、他方では導体XとXI間の2つの静電又は容量結合の一方を摂動させることを示すことができる。有利な態様では、2つの段階αとβの間で、2対の導体IX〜X及びX〜XI間の結合の不均衡を定量化するために、適用可能である場合に切換可能なコンデンサの列を並列に接続することによって入力側で不均衡を補償することにより、及び/又は検出経路Sに接続した変動点と分極経路P+P−の間に可変キャパシタンス回路の、より一般的には、可変移送キャパシタンス回路の同等のキャパシタンスを変えることにより、電位ジャンプSの可能性を検出することを発明により提案する。可変移送キャパシタンス回路又は切換可能なコンデンサ列は、2つの経路P+とSの間、及び2つの経路SとP−の間で並列であり、従って、「入力」経路と平行に接続したキャパシタンスを含む。「出力部」では、検出経路Sは、2つの静電又は容量結合間の均衡が再確立された時を検出する分別検出回路(比較器又は増幅器)に適用される。このような再均衡化は、最初に発現した不均衡を中性化するために追加しなければならなかった可変移送キャパシタンス回路又はコンデンサの列のキャパシタンスのデジタル値に基づいて3つのビーム経路を形成している導体の2対の間の2つの結合の不均衡を定量化することを可能にするものである。
【0031】
有利な態様では、異なる経路の間の静電又は容量不均衡の補償の手段は、1つのそれぞれの経路と、接地又は供給電位のような安定した基準電位に接続することができ、又は検出経路Sのような別の経路に接続した変動点を形成することができる1つの中性化点との間に並列に接続した少なくとも1組のコンデンサを含む切換可能なコンデンサバンクとして具現化される。切換可能なコンデンサの列においては、並列である各分岐部は、キャパシタンスの判断値を有するコンデンサと直列であるスイッチ(好ましくは電子スイッチ、トランジスタ型式の)を含む。キャパシタンスの値は、分岐部間に2つずつ(2又は1/2の比率)千鳥に配置され、この1組のスイッチは、デジタル指令の状態ビットにより制御されることが好ましい。従って、驚くべきことに、デジタル/容量変換回路、すなわち、入力部で2進デジタル制御値を有し、容量変換を実行し、すなわち、この2進デジタル値をこの可変キャパシタンス回路の出力部の2つの経路又は切換可能なコンデンサの列間に存在する容量値に変換する回路を取得する。更に、変形においては、このような回路は、第1の経路(P)又は第2の経路(P+)と第3の経路(S)の変動点との間にそれぞれ並列に接続した2つの切換可能なコンデンサの組を含むことができる。このような可変コンデンサ回路は、符号付き2進デジタル指令を受信することができ、2進符号に基づいて、第1の経路と中性化点又は変動点との間に追加された容量性インピーダンスを変えるたびに第1の組のコンデンサを切り換えるか、又は対称的に第2の経路と変動点(第3の経路S)の間に追加された他の容量性インピーダンスを変えるために第2の組のコンデンサを切り換えることができる。
【0032】
デジタル/アナログ変換器の方法においては、デジタル指令による切換可能であるコンデンサの列によって形成されるこのような可変キャパシタンス回路は、デジタル/容量変換器と考えることができ、かつそれ自体、本発明を形成することができる。
更に、検出の第1のモードにおいては、入力経路R及びSの一方と又は入力経路R及びSの両方と平行である1組又は2組の切換可能なコンデンサを含む二重回路が稼動されるように見える。しかし、これらの2つの経路R及びSは、2つの入力経路間の静電均衡又は不均衡に応じて、コンデンサが対応する経路上に有する累積キャパシタンスを変えるために切換可能なコンデンサの列の入力部に新しいデジタル指令が印加されるかを指標Qの状態に従って判断される制御及び指令ユニットにループにより伝達される状態指標(ビットQ)を出力部で供給する比較器又は増幅器の2つの差動入力部(+及び−)上に印加される。このフィードバックループは、2つの経路間の静電均衡がもたらされるか又は静電均衡がほぼ具現化される点まで(定量化閾値まで)2進デジタル指令を増加又は低減することによって入力経路R又はSに印加されたキャパシタンスを修正するように作用する。この回路は、従って、一方又は2つの経路上に並列に取り付けられた切換可能なコンデンサの列と、差動比較回路と、他方の経路上のキャパシタンス値と比較した時に一方の経路のキャパシタンスの値を実質的に均等化(再均衡化)するために2つの経路間の回路の比較結果に応じて列コンデンサの切り換えに向けてデジタル指令を印加する制御ユニットとを含む。このような回路は、従って、入力経路により見られた上述のキャパシタンス値に対応するデジタル値の表示(二進法であることが好ましい)への一方の経路上に存在するキャパシタンス値の変換(一方の経路と安定した基準電位間)を提供する。このような回路は、アナログ/デジタル変換回路との類似を拡張する容量/デジタル変換器として先に見たデジタル/容量回路に対して二重的に考えることができる。
【0033】
慣例により、本発明においては、電圧及び電位の基準は、接地と呼ぶこともある接地GNDに対して取ることとし、従って、接地の電位は、ゼロであることになる。
更に、スイッチとして図面に概略的に示すスイッチによる接続は、一般的に、あらゆる形式の技術のもの、すなわち、バイポーラ、電界効果(FET)、トンネル効果、絶縁酸化物(MOSFET)の金属ゲート、TFTなどとすることができるトランジスタのような電子スイッチによって具現化される。
【0034】
図1の全体図は、本発明により検出の原理を実行する電子回路の第1の機能図を示している。
本発明により、規則的なパターンに従って配置された一連の導体を含む表面は、導体への接触(そこからの近接性)を検出するための装置又は回路に関連付けられる。図1の略示する例においては、導体移植がある表面は、互いに等しく離間及び隔離された一連の平行な線形導電トラックから成る。導電トラックを含むこのような表面は、平面上に、すなわち、単一のレベルに移植された規則的なパターンであり、トラックは、並行式である。併進(スライダ)により保存されるこのような導電トラックパターンは、1次元と考えることができるが、2次元で固有の平面を占有する。
【0035】
本発明による接触検出装置の具現化のこの第1の形においては、導電トラックのこの表面に関連の回路又は装置は、以下を含む。
−3つの経路を形成する少なくとも3つの導電線P、R、Sのビーム:
・分極、励起、又は刺激の第1の経路P、
・基準の第2の経路R、及び
・検出の第3の経路S、
−以下の経路のいずれかに各導電トラック...、III、IV、V、VI、VII、...を個々にかつそれぞれ接続することを可能にする複数のスイッチング手段により又は複数のマルチプレクサ回路によって形成されたアドレス指定回路ICX:
・分極(刺激)の経路P、
・基準の経路R、
・検出の経路S、
・又は、恐らく、確立された電位、例えば、供給電位(VDD)、又は導体II、III、...、VII、...がアドレス指定SLCにより選択されなかった時には接地電位(GND)、
・又は、非切換状態においては、これらのスイッチングは、(高インピーダンス状態HI)と考えられるトラック...、III、...、VII、...を接続することができない、
・トラックは、あらゆる形式の技術、すなわち、バイポーラ、電界効果などとすることができる直接的な非抵抗接続により、特に、トランジスタのような抵抗が僅かな電子スイッチにより対応する経路と接続されることが好ましい。
−経路Pの分極(刺激)の第1の回路PUS、PDS、
−基準及び検出の2つの経路R及びSの放電の機能に役立つ別の分極回路RGS/SGS/EQS、
−重み付きキャパシタンスを追加して両方の経路R及びSの一方を均衡を取る(再均衡化する)ことを可能にする切換可能なコンデンサの列CPB又は可変移送キャパシタンスの回路、
−例えば、経路R及びSが印加され、かつ試験すべき基準及び検出のこれらの経路R、S間の容量又は静電均衡を可能にする増幅器又は比較器CMPを含む経路R及びSの均衡の比較の差動回路CC、及び
−例えば、マイクロプロセッサ回路、又は図1の例により、アドレス指定回路ICX分極回路PUS/PDS及びSGS/EQS/RGS、経路S及びR上に1つ又はいくつかの可変キャパシタンスを有する切換可能なコンデンサCPBの列、及び比較回路CCを制御するマイクロコントローラにより、構成された中央ユニットUC。
【0036】
比較回路CCの出力Q、すなわち、比較又は均衡試験の結果を示す状態ビットを受信する中央ユニットつまり制御ユニットUCは、以下の適切な指令を通じて、装置の異なる回路(すなわち、アドレス指定回路及び分極回路、可変キャパシタンスCPBを有する切換可能なコンデンサの列、及び容量及び均衡試験を行う差動回路CC)を制御する:
−スイッチのアドレス指定及び選択のコードSLC、
−分極スイッチ段階指令(表さず)、
−再均衡化するか又は経路R及びS間の不均衡を補償するように意図したデジタル2進コードBLC、
−比較回路CCの較正及びサンプリングのための指令(AZ:ゼロリセット、SPL:サンプリング)。
【0037】
この第1の代替においては、導電線P又は分極経路は、接触(すなわち、指又は物又凝縮物体の存在)に感応する表面PADの導電トラック又はいくつかの導電トラックの群の1つを分極するという中心的な役割を有する。
ビームの他の2つの導電線R及びSは、それぞれ、基準経路R及び検出経路Sを形成する。
本発明の第1の代替に沿って、この導電線の3つ組を形成する経路P、R、及びSの各々は、それぞれ、タブレットの対応する導電トラック...、V、VI、VII、...と接続することを計画している。
【0038】
簡素かつ有利であり、かつ図1における例として示す第1の構成においては、ビームの第1の導電線P、すなわち、分極経路Pは、支持部PADの選択トラック、ここでは、中央の導電トラックVに接続されている。このトラックVは、次に、対称軸に関する基準として機能する。ビームの第2の導電線すら基準経路Rは、隣接する横トラックIVと接続されている。これは、図1で見られる簡単な構成などにおいて隣接トラックIV(接してはおらず、かつ必ずしも直近というわけではない)、又はIII又はIIのような更に離れているその後のトラックとすることができる。検出ビームの第3の導電線Sつまり経路Sは、軸線方向トラックVの他方の隣接トラック又はその後のトラックVII、...とすることができる第3のトラックと接続されている。
【0039】
機能において、マイクロコントローラは、アドレス指定バスで適切な選択のアドレス指定指令SLCをアドレス指定及び制御回路の1組のスイッチに送り、アドレス指定及び制御回路は、接続され、すなわち、以下のような接続を引き起こす(図1の構成例に従って):
−ビームの分極経路Pは、導電トラックVに接続される。
−第2の導電トラックIVは、基準経路Rに接続される。
−第3の導電トラックVIは、検出経路Sに接続される。
最後の2つ、すなわち、検出経路S及び基準経路Rは、比較回路CMPの2つの差動入力部+及び−に接続され、各々の線S又はRと接地GND(固定基準の又はあらゆる他の確立された電位)との間に並列に接続した2組のコンデンサCS0、CS1、CS2、...及びCR0、CR1、CR2、...に接続される。
【0040】
分極経路Pは、電位を優位な値にする例えば正の供給電位VDDまで上げるプルアップスイッチPUSと、電位を電源の接地GNDのような低い値(負又はゼロ)にするプルダウンスイッチPDSとを含む第1の分極回路に接続されている。
基準R及び検出Sの他の2つの経路は、例えば、図1の例における具現化に従ってSGS、EQS、RGSのような2つ又は3つのスイッチを含む分極又は脱分極(放電)の別の回路に接続されている。接地電位に設定する第1のスイッチRGSは、基準経路Rを接地のような安定した電位のレベルに接続される。接地電位に設定する別のスイッチSGSは、検出経路Sを安定した電位のレベル、ここでは、同じ接地電位に接続される。更に、基準R及び検出Sの2つの経路は、代替的に又は累積的に電位水平調節又は短絡のスイッチEQSにより直接的に相互接続することができ、従って、短絡により、浮動電位とし、かつ接地又はスイッチSGS及び/又はRGSの閉成により課さされると思われる他の安定した電位と異なるとすることができる同じ電位にすることができる。
【0041】
機能において、本発明は、トラックを精査することにより、すなわち、タッチパッド又はタッチスクリーンのような支持タッチ面の導電トラックの異なる3つ組を各対処時に選択することにより、一連の読取作動(試験又は厳密な調査)全体を実行する。
各読取作動においては、少なくとも3つの導電トラック、すなわち、分極Pに1つ、基準Rにもう1つ、検出Sに更にもう1つが選択される。
各読取作動中に、図4に示すように、段階1、段階2、及び/又は段階3といういくつかの(2つ又は3つの)段階が区別される。
【0042】
最初に及び全体的な読取(試験又は精査)作動中に、マイクロコントローラのアドレス指定バスSLCは、図1における構成に従って分極経路Pが導電トラックVと接続され、隣接トラックIVが基準経路Rと接続され、残りの隣接トラックVIが検出経路Sと接続されるように電子スイッチを位置決めする選択指令SLCを送る。
第1の段階(φ1)では、第1の経路Pは、第1の分極回路PUS−PDSにより、安定した基準電位VP1、好ましくは接地電位GNDになる。プルダウン電子スイッチPDSは、例えば、線Pの電位Uを接地GNDの電位0にするために閉成される。
同じ段階φ1中に、電位ΔVSRの既知の差が、第2の経路Rと第3の経路Sの間に、従って、ここでは導電トラックIVとVI(図1の例)の間に印加される(課せられる)。この電位又は電圧の差でΔVSR=Us−URはゼロであり、すなわち、2つの基準及び検出の経路R及びSの導電線は同じ電位になることが好ましい。図1の具現化の例に従って、以下によりこのような課せられた分極を取得することができる:
−ビームの導電線R及びSを短絡させ、従って、それぞれの電位が均等化されるように電子スイッチEQSを閉成することにより、又は
−これらの2つの基準及び検出R及びSの経路が同じ絶対電位0であるように、各制御線S又はRの電位を接地GNDの電位0にするために2つのプルダウンスイッチSGS及びRGSを閉成することにより、
−代替的に、プルダウン又はプルアップスイッチは、簡単な方法で非ゼロ電位差Δ=VS1−VS1≠0を確立するために1つの又は各々のS又はRを個々に非ゼロ電位VS1又はVS2に接続することができ、
−又は、これらの3つのスイッチSGS、EQS、RGSを閉成することによる。それによって明らかに2つの検出及び基準の経路S及びRの電位は、接地GNDの同じヌル電位0になる。
【0043】
この第1の段階φ1中に、分極経路P及び従って導電トラックVは、例えば、0のような基準電位になり、基準経路及び検出経路R及びS及び従って導電トラックIV及びVIは、既知の電位(又は電圧=電位差)、好ましくはヌル0になることになる。
この段階中に、既知の電位又は電圧、好ましくはゼロ(0)は、比較器CMPの入力部±で課せられることになる。マイクロコントローラUCは、出力がゼロであるように均衡又は更に正確に言えば較正を強制するために、ゼロリセット指令AZを比較器CMPに印加することが計画されている(これは、特に、非ゼロ電位差ΔVSR≠0が比較器CMPの入力部+及び−で経路S及びR間に印加される代替において必要である)。任意的に、比較回路の測定又は定量化誤差は、この場合に測定又は確立することができる。任意的に、導電トラックII、III、及びVII、並びにトラックV及び分極経路Pなど非アクティブ導体は、接地に接続するか又は浮動のままにし、すなわち、非接続状態、すなわち、「高インピーダンス」のレベルのままにすることができる。
作動のこの第1の段階(φ1)の終わりに、電位R、S、及び/又はPを引き下げ、つまり無効にしたプルダウンスイッチPDS、SGS、RGS、及び/又はEQSは、電位R及びSが浮動か又は「高インピーダンス」状態であるように弛緩状態(開成のスイッチ)である。
【0044】
次に、第2の段階(φ2)中に、電位ΔVPの変形が、刺激経路とも呼ばれる分極経路P上に課せられる。これは、ビームの分極経路P上のあらゆる電位UPを印加することにより、特に、供給VDDのような非ゼロの確立された基準電位のレベルで分極Pの線を短絡させることによって取得することができる。このようにして、図1の具現化の例に従って分極線Pを正の供給線VDDと接続するプルアップ又は電位増大スイッチPUSを閉成することによって分極経路Pの電源の電位、及び従って図1の例におけるトラックVの電位を上げることができる。
【0045】
この結果、この第2の段階φ2中に、経路P及び軸線方向トラックVは、段階1の残留電位VP1と異なる新しい電位VP2になる。同等方式で、第1の分極回路は、基準φ1(較正)及び試験φ2(検出)の段階、及び一部の場合には、本発明の第1の代替に従って実施される基準経路と基準経路R及びS(比較及び/又は定量化)間の容量不均衡の定量化段階φ3の連続を示す図4における段階φ1、φ2、...、φ1、φ2のタイムチャートによって示唆されているように、分極Pの線上で第1の分極回路は電圧ジャンプ(遷移前線により分離された2つの電位レベルの電圧ジャンプ又は矩形信号(?)又は連続)を印加すると規定することができる。
【0046】
この第2の段階(φ2)中に、より正確には、サンプリング段階(φ3)中に、入力部+及び−が基準経路R及び検出経路Sを受け取る比較回路CMPの助けを借りて検出経路Sと基準経路Rの間の電位差を通じて容量不均衡、すなわち、静電荷の不均衡を検出する。
より正確には、本発明の具現化の代替中に、基準経路Rと検出経路Sの間の静電不均衡を定量化することが計画されている。
より正確には、このような検出又は物理的測定段階は、2つの経路S及びR間の、すなわち、基準IV及び検出VIの導電トラック間の容量不均衡の可能性を定量化すること(図1の指示的例に従って)、又は他の場合には基準経路R及び検出経路Sが均衡状態(平衡状態)であること、すなわち、トラックIV及びVIが静電平衡状態にあることを確認することにある。
【0047】
物理的な説明の始めとして、電気的結合は、電位Pになった軸線方向トラックVと隣接トラック...、III、IV、及びVI、VII、...、特に、直近の横トラックIV及びVIとの間に確立されるように思われる。この段階φ2では、経路R及びSに接続されているトラックIV及びVIは、浮動又は「高インピーダンス」状態である。静電的性質、より正確には、推測的な容量的性質である2つの横結合は、基準軸線方向トラックV上の分極電圧ジャンプΔVPの影響を受けて隣接導電トラックIV、VI、及び従って経路R及びSの各々の電位の変換を誘発する。
【0048】
特定のトラック、例えば、図2Bに示すようなV−VIの環境が、指DGの接近のような空気又は真空以外の物体DGの存在、又は空気又は真空ε0又はμ0のものと明らかに異なるペン、定規又は探り針により、金属性か否かに関わらず、導電性か否かに関わらず、すなわち、誘電率ε1又は透磁率μ1の凝縮物体のような物の存在により摂動された場合、軸線方向トラックVと隣接トラックVIの間の電気的結合又は静電結合は、この存在により摂動及び修正される。
より正確には、触知性接触DGは、2つの隣接トラックV及びVIの間に存在する静電結合又は容量結合の値を修正すると考えられ、その値は、通常、これらの2つのトラック間の寄生容量又は漏れコンダクタンス(インピーダンスの逆)と考えられている。この現象は、些細なものである。
【0049】
それを検出するために、本発明は、独創的かつ有利な態様では、再均衡化すべきである経路S又はRと接地GND又はVDDのようなあらゆる他の安定した電位との間に並列に接続した均衡錘キャパシタンスの追加で中性化することによって静電結合のこのような変形を補償することを提案する。これは、検出S及び基準Rの各々の経路上に、対応する経路S又はRと接地GNDのような確立された電位の間に並列に取り付けられた切換可能なコンデンサCS0、CS1、CS2、...又はCR0、CR1、CR2、...の列CPBを導入することによって本発明により通常とは異なって許容される。
【0050】
切換可能なコンデンサの各々は、ビームの検出S又は基準Rの経路に対応する導電線と、上述の経路S又はRと安定した電位、すなわち、接地GNDとの間に並列に取り付けられた1組のいくつかのコンデンサCS0、CS1、CS2などとで構成される。各分流器は、導電線Sと接地基準電位GNDの間の電子スイッチKS0と直列であるコンデンサCS0を含む。スイッチKS0がマイクロコントローラUCの適切な制御コードBLCにより開成された時、コンデンサCS0は、回路外にあり、そのキャパシタンスは、接地GNDに対する線Sの全体的キャパシタンスには含まれない。全てのスイッチKS0、KS1、KS2などがマイクロコントローラUCの均衡制御コードBLCにより開成された時、接地GNDに対する線Sの自己キャパシタンスCSiにはキャパシタンスは追加されない。スイッチKS0が粗制御ユニットUCからの適切な再均衡化制御コードBLCにより閉成された時、コンデンサCS0のキャパシタンスの値は、線Sと、経路Sが接続されている導電トラックとの自己キャパシタンスに追加される。スイッチKS0及びKS1が適切な再均衡化コードBLCにより閉成された時、2つのコンデンサCS0及びCS1は、線Sと接地電位GNDの間の回路に入れられ、これらのコンデンサCS0+CS1のキャパシタンスの値の累積は、経路Sの自己キャパシタンスCSiに追加される。3つのスイッチKS0、KS1、及びKS2が適切な再均衡化コードBLCにより閉成された時、3つのCS0、CS1、CS2は、線Sと接地GNDの間の回路に入れられ、キャパシタンスCS0+CS1+CS2の値の累積は、トラックSの自己キャパシタンスCSiに追加される。
【0051】
その結果として、接触面の導電トラックVI(経路S)の近くの物体の存在及び特に指の接近が容量性電荷を高めた時、マイクロコントローラUCは、コンデンサCS0、CS1、CS2、...の選択の切り換えを制御された方式で制御することができ、キャパシタンス累積値CS0又はCS0+CS1、又はCS0+CS1+CS2は、変動を補償して、調節された方式で均衡を再確立するために線Sの固有キャパシタンスCSiに追加される。
【0052】
この趣旨で、この種の容量性均衡錘を静電結合の変動に蓄積することができるように、基準に対する比較を行うことが必要である。これは、接触支持体(タッチパッド又はタッチスクリーン)の表面の別の導電トラックIVに接続されている基準経路Rの役割である。基準経路Rが接続されている導電トラックIVは、分極Pの導電トラックVとの静電又は容量結合のそれぞれの値が実質的に同じであるように、検出Sの導電トラックVIと対称形になるように選択される。接触面上に又は接触面の下方に移植された規則的なパターンの導電トラックII、III、IV、V、VI、VII、又はVIII、IX、X、XI、XIIが選択されることになる。更に、第1の段階φ1中に、比較回路CMPは、この差動回路CCを較正することを可能にするゼロリセット指令AZを受信する。
【0053】
この処理は、重み付けブリッジで二重の重み付けする原理と多少似たものであり、重み付けの較正の第1の段階中に、分量が秤上に置かれ、揺動点の位置を正確に特定するために小さな較正済み錘の連続を追加することによって均衡錘で均衡が取られ、次に、重み付けの第2の段階中に、分量が抜かれると、揺動点の平衡に戻るように小さな較正済み錘の合計での置換によりその不在分を補償する。追加した小さな較正済み錘の合計は、秤が正確であるか否か(均衡状態又は欠陥状態)ということとは独立して分量の正確な重量に対応する。
【0054】
本発明により、マイクロコントローラUCは、多少似通った処理を実行することが予想される。まず第1の段階φ1中に比較回路を較正することにより、最初に、導電トラックIV、V、VIの近くの物体の存在の影響を相殺するために、基準及び検出の経路R、Sに同じ電位ΔVSR=0を課することになる。次に、第2の段階φ2中に、静電不均衡又は容量不均衡の可能性が、分極Pの影響を受けて検出及び基準の2つの経路S、R間に検出される。この場合、この不均衡は、摂動中の物体の存在を示すものであり、マイクロコントローラUCは、比較器CMPの出力Qの状態及び特にその符号の関数として、秤又は重み付けブリッジのプレートの重み付け又は再均衡化の方法で、均衡が再確立されるまで1組のコンデンサCS0、CS1、CS2、...又はそのうちの特定のコンデンサ、又は他方の1組のコンデンサCR0、CR1、CR2、...CRnのうちの特定のコンデンサを回路に入れるように(再均衡化)均衡コードBLCを増加又は低減するという処理をトリガする。
【0055】
連続的な近似により、すなわち、図3に示すように1つ及び同じ分極シーケンス中に、脱分極φ1及び再分極φ2の新しいシーケンスに進むことなく(放電ΔVSR=0でもなく新しい刺激Up=VP2でもなく、試験段階φ2中の比較器のいくつかの連続的サンプリングφ3、φ3’、φ3’’など)、回路に連続的にコンデンサCS0、次に、CS0+CS1のキャパシタンスを有する2つのコンデンサCS0及びCS1、次に、CS0+CS1+CS2のキャパシタンスを有する3つのコンデンサを入れることによって均衡を再確立することができる。
【0056】
しかし、好ましくは、各々のサイクルで導電トラックの分極を再初期化することによっていくつかのサイクルでコンデンサCPBの列の制御のデジタルコードBLCを調節することが予想される。図4A〜図4Gは、回路に入れられるコンデンサのキャパシタンス値の調節のデジタル指令BLCの連続の関数としての切換可能なコンデンサの列の可変キャパシタンスの値の調節のサイクルA、B、C、Dの連続を概略的に示している。各サイクルA−B−C−D...の初期の段階φ1中に、ビームの3つの経路P、R、S及び対応するトラックIV、V、VIが放電される。再初期化パルスPDWは、導電トラックP、R、Sの放電及び分極の初期値への戻りを指令する。これは、3つの経路P、R、Sを接地GNDのゼロ電位のようなより低い基準電位に設定するためにスイッチPDS(プルダウンスイッチ)SGS、RGS、及び/又はEQSを閉成することによって為される。次に、各サイクルA−B−C−D...の第2の段階φ2中に、分極又は刺激のパルスPUPが印加されると、分極経路Pの電位Upを上部供給電位VDDのような確立された基準電位VP2まで引き上げるようにもう一度スイッチPUSの閉成を指令する。切換可能なコンデンサな列のキャパシタンス値を調節するための放電φ1及び再分極φ2のサイクルA−B−C−Dの連続は好ましいものであり、その理由は、有利な態様では、電荷注入現象を回避することを可能にするからであり、その理由は、切換可能なコンデンサの列のスイッチの開成及び閉成は、特に、中性化の電荷均衡がない電荷移動を誘発し、急速に平衡及び容量/デジタル変換への戻りを摂動するからである。放電のそれぞれの段階φ1(脱分極PDWの段階φ1のシーケンス)の最初に切換可能なコンデンサCPBの列の切り換えの指令BLCのあらゆる修正をもたらした後に、検出の段階φ2を行って分極UP(刺激P)の電位ジャンプΔVPに進み、次に、電位UR及びUSの比較CMPに進むことが一般的に好ましい。
【0057】
特に有利な態様では、2つのコンデンサの組CS0、CS1、CS2、...、CSn及びCR0、CR1、CR2、...、CRnを有する切換可能なコンデンサの列は、増加中又は減少中の値において、好ましくは、比率qの幾何学的連続:CS0=q・CSl=q・q・CS2で、好ましくは、CS0=2xCSl=2x2xCS2のような2の比率の連続で増加(減少)する際に千鳥配置であるキャパシタンス値を有することが本発明により計画されている。従って、1kg、500g、250gのような重量のサンプルのように、選択及び基準の2つの経路間の静電不均衡を補償してこの容量性列の回路によって実施される容量性再均衡化を調節するのに適切な(最小のキャパシタンスCS0又はCSnの誤差内で)キャパシタンスCS0、CS1、CS2、...、CSnの組合せを見つけることができる。
【0058】
従って、図1の具現化の別の例に従って、入力線Sに平行に接続され、かつ別の入力線Rに平行に接続した切換可能なコンデンサの第2の組CRBを追加することができるコンデンサの第1の組CSBで構成された切換可能なコンデンサの列CPBを考え、かつ符号A±(例えば、8ビット、すなわち、1バイトを形成するために)A0、A1、A2、A3、...、A6、...、An及びA±のビットを追加することができる2、3、4、...、7、...、又はn+1ビットで符号化されたデジタル再均衡化コンデンサBLCを供給することができる。
【0059】
第1のビットA0、A1、A2、...は、対応するコンデンサCS0、CS1、CS2、...、CSnの選択的切り換え及び回路挿入をトリガする。有利な態様では、コンデンサCS0、CS1、CS2、...、CSnのキャパシタンスは、容量性重み付けが対応するビットの重み付けつまり2進法の重量に対応するように2で千鳥配置されている。
従って、例えば、指令BLC=Aがゼロの値を有する時、2進符号A1−A2−A3−A4−...−An=00000000は、全てのスイッチの開成をトリガすると共に、線上に存在する全体的なキャパシタンスが値CSb=0を取るように全てのコンデンサを回路から離す。
【0060】
1の値又は2進符号A1−A2−A3−...−An=10000000に対して、コンデンサの列への指令BLC=Aは、1つのみのスイッチKS0を閉成し、回路は、線S上にキャパシタンスCSb=CS0を有する。
A0−A1−A2−A3−...−An…=01000000の2進符号に対応する2の値Aに対して、コンデンサの列への指令BLC=Aは、単一のスイッチKSlを閉成し、回路は、CS0の2倍(又は半分)であるキャパシタンスCSb=CS1を線S上に有する。
【0061】
A0−A1−A2−A3−...−An=11000000の2進符号に対応する3の値Aに対して、コンデンサの列への指令BLC=Aは、スイッチKS0及びKS1を閉成し、回路は、前出値の合計、すなわち、CS0(又はCS1)の3倍であるキャパシタンスCSb=CS0+CS1を線S上に有する。
以下同様である。
Nの2進分解に対応するNの値A又は2進符号A0−A1−A2−A3−...−Anに対して、コンデンサの列への指令BLC=Aは、回路が事実上回路に入れられたコンデンサのキャパシタンスの累積に対応するキャパシタンスCs=CS0±CSl±CS2±CS3±...±CSnを線S上に有するように、対応するビットA0−A1−A2−A3−...−Anの状態0又は1によってスイッチKS0、KS1、KS2、...、KSnを閉成するか又は閉成せず、上述の累積は、実際には、NxCS0(又はNxCSn)の値CSbを有する。
【0062】
符号ビットA±が1の状態に対して状態を変えた時、例えば、事前の再発の関係に従ってそれぞれのキャパシタンスがA0−A1−A2−A3−...−Anの状態の関数として他の線R上で追加されるように、使用されるのは、他の組の切換可能なコンデンサCR0、CR1、CR2、CR3、...、CRnであることを選択肢として予想することができる。
驚くべきことに、スイッチがデジタル均衡コードBLCにより指令される切換可能なコンデンサの1つ又は2つの列CSB及びCRBから成る可変キャパシタンスの列CPBを含むこのような回路は、自動的かつ独創的なデジタル/アナログ変換器との類似により、デジタル/容量変換回路(CNC)を形成する。
【0063】
本質的に補完的かつ独創的に、逆に、回路CPB、CMP、UCは、容量/デジタル変換(CCN)の回路を具現化する。
キャパシタンスCの値をキャパシタンスCの値を示すデジタル定量化Aに変換しがちであるこのような回路は、1つ又は2つの入力経路S/Rと、スイッチがデジタルコードBLC(指令、制御、選択、又は均衡)により指令される切換可能なコンデンサCSB/CRBの1組又は2組で構成された可変キャパシタンスCPBの列と、比較回路CCと、回路に入れられるコンデンサCS0、CS1、CS2、...、CSn又はCR0、CR1、CR2、...、CRnの数及びランクを指令する指令BLCに印加されたデジタルコードを増加又は低減することができるフィードバックをもたらす判断回路UCとを含む。
【0064】
他の可変キャパシタンス手段も、検出及び基準S及びRの2つの経路を再均衡化して2つの静電結合間の不均衡の可能性の発現を補償するために本発明によって実施することができる。より一般的には、経路S及びRを再均衡化するために単なる可変キャパシタンスと同等の効果を有するための手段を含む他の可変移送キャパシタンス手段を実施することができる。後ほど注釈する図6A、図6B、図6C、及び図6Dは、接地GNDに対して基準経路R上で可変移送キャパシタンスが得られる回路の他の具現化を概略的に示している。
【0065】
キャパシタンスの受け入れられている定義は、2つの電位変動ΔV1及びΔV2を電荷の変動ΔQと結び付ける比例定数である。
ΔQ=ΔV1*C−ΔV2*
可変キャパシタンスは、電荷と電位間の可変比例定数を意味する。この定数を修正する1つの方法は、コンデンサの相互接続配置を変えること、又はバリキャップとして使用されるダイオードのバイアス電位を変えることである。しかし、上述の公式が示すように、電位変動、例えば、ΔV1と電荷ΔQの変動間の比例を変える別の方法を図20B(単なるキャパシタンスを示す図20Aと比較されたい)に示している。可変利得(増幅又は減衰)係数kを有する増幅装置を加えると、電位変動ΔV1、及び従ってコンデンサの第1のリードで見られる実際の電位変動がkΔV1に修正される。利得係数kを変えると、電位変動ΔV1と電荷変動ΔQ間の比例定数を修正することができる。形式的には、コンデンサ要素のキャパシタンスは、利得kの修正により修正されるものではない。更に、図20Bに示す装置は、利得係数kを定めることができるように基準電位が必要であるために少なくとも3極装置である。しかし、電位の変動ΔV1を電荷の変動ΔQと結び付ける比例定数は、まだ存在しており、明らかに、利得係数kを有するための手段により修正及び制御することができる。このような比例定数は、一般的に「移送キャパシタンス」と呼び、又は一部の文献では「トランスキャパシタンス」と呼んでいる(例えば、Stephan A.Maas著「非線形マイクロ波及びRF回路」、「Artech House」発行、20003年、§2.2.7.2を参照されたい)。移送キャパシタンスは、キャパシタンスと同様に、Faradという単位で測定される。移送キャパシタンスの概念には、簡単な2極コンデンサにより具現化されたキャパシタンスの概念(図20Aに示す)が含まれる。しかし、単なるキャパシタンスと異なり、単なるキャパシタンス以外の移送キャパシタンスは、移送キャパシタンス回路のノードでの電位変動を上述の回路の別のノードでの電荷変動に変換することができる。
【0066】
図6Aの回路図は、図1の切換可能なコンデンサCPBの列の組の1つと同様に機能する単一の組のコンデンサCR0、CR1、CR2、...を含む切換可能なコンデンサの列である。検出経路Sは、単に、経路Sと接地GNDとの間に結合された一定のキャパシタンス値を有するコンデンサCSを含む。基準経路Rの各々は、経路Rと接地GNDとの間にそれぞれのスイッチKR0、KR1、KR2、...、又はKRnと直列に接続したコンデンサCR0、CR1、CR2、CR3、...、又はCRnを含む経路Rと接地GNDとの間に並列にいくつかの分岐部KRと結合されている。機能する際には、いくつかのビットA0、A1、A2、A3、...、又はAnの均衡コード(表さず)は、それぞれのスイッチKR0、KR1、KR2、...、KRnの閉成又は開成を指令する。従って、接地GNDに対して経路Rによって示される全体的なキャパシタンスCRbは、回路に入れられたCR0、CR1、CR2、CR2、...、及び/又はCRnのキャパシタンスの累積の関数として変わる。
【0067】
図6Bは、フォロア(反転入力端−にわたる出力ループ)として取り付けられた増幅器AMPを含む可変移送キャパシタンスを有する回路を示している。検出経路Sによって形成された第1の経路は、一定のキャパシタンスを有する基準コンデンサを通じて接地GNDに接続されている他の入力端(+、非反転式)に適用される。増幅器AMPの出力は、他端子が接地に接続されている可変抵抗器又は電位差計Z1+Z2の1つの端子に印加される。電位差計の調節点を形成するZ1とZ2の間の中間端子は、結合コンデンサCrを通じて基準経路Rによって形成された別の経路に接続されている。機能する際には、このような増幅器フォロア回路は、電位差計Z1/(Z1+Z2)の調節比、基準キャパシタンスCS、及び結合キャパシタンスCrの関数として基準経路に並列に可変移送キャパシタンスを生成する。
【0068】
図6Cは、経路R上に可変移送キャパシタンスを有する別の電気回路を示している。可変静電結合を備えたこの回路は、電位差計Z1−Z2により調節される可変利得(Z2+Z1)/Z1で取り付けられた増幅器AMPを有する。第1の経路Sは、一定のキャパシタンスを有するコンデンサCSにより接地に接続されている増幅器AMPの非反転入力端に適用される。他方の差動入力部(−、反転式)は、2つの端部端子が増幅器出力部と接地GNDの間に接続されている3点電位差計Z1+Z2の中間端子に適用される。増幅器AMPの出力は、基準経路Rによって形成された第2の経路に結合コンデンサCrを通じて伝達される。機能する際には、可変利得増幅器として取り付けられたこのような回路は、電位差計Z1/Z2の調節比の関数として可変である静電結合を基準経路Rの出力部と接地GNDの間に並列に有する。
【0069】
図6Dは、経路Rと接地GNDの間に可変移送キャパシタンスを有する更に別の回路を概略的に示している。この増幅回路は、ソースとドレーンのチャンネルS1−D1が電流源IIと接地GNDの間に直列である電界効果T1構成を含む第1のフォロア段階を有する。この検出経路Sは、トランジスタT1のゲートウェイG1に適用され、一方、一定のキャパシタンスCSを有するコンデンサは、この入力経路S/G1を接地GNDに接続される。フォロアとして取り付けられたこのような段階T1は、S1と接地GNDとの間に直列である可変コンデンサC1+C2を含む分岐部上で入力経路Sのレベルを再生する。基準経路によって形成された第2の経路は、結合コンデンサCrを通じて可変コンデンサC1−C2の2つのコンデンサの間の調節端子に適用される。このような回路は、入力経路S上に一定のキャパシタンスCs有して、基準経路Rと接地GNDとの間に可変移送キャパシタンスを生成する。
【0070】
図1及び図6Aに示す回路CPBに対して、図6B、図6C、及び図6Dの回路は、単に並列コンデンサを接続又は分離することによって可能であるものよりも小さい増分又は減分で可変移送キャパシタンスを変えることを可能にするという利点を有する。明らかに、コンデンサは、製造工程により許容される何らかの物理的な限界値よりも小さい物理的なサイズで製造することができず、かつ最小量の寄生容量を招くことなく接続したり又は切り換えたりすることはできない。それに反して、例えば、利得(増幅又は減衰)増幅器により移送キャパシタンスを変えると、この限界値を克服することができる。
【0071】
機能する際には、出力部で経路R上に並列に可変容量インピーダンスCRb又は可変移送キャパシタンスを有するこのような回路の導入により、この経路Rの固有キャパシタンスCRiの値が増大すると共に、全体的なキャパシタンスCR=CRi+CRbが得られるように修正される。可変キャパシタンスCRbの値を制御又は調節することにより、感応面の一連の導電トラックと関連する本発明による接触検出装置の検出S及び基準Rの経路の間の容量不均衡CS/CRを補償することに到達することができる。従って、可変キャパシタンス又は1組の切換可能なコンデンサデジタル指令の値の調節の関数として、経路P及びR(基準)と接続したトラック(IV−V)の結合に対して経路P及びS(検出)と接続したトラック(V−VI)の結合の容量不均衡(静電荷不均衡)の値を定量化することに到達する。
【0072】
このようなアナログ測定又はデジタル定量化(個別の値、特に2進値による推定)は、第1に、摂動が発生する位置を見つけ、かつ実際に指か物か、又は寄生摂動でないかに関わらず、測定又は定量化した値の関数として区別することを可能にする。
特に、それは、更に、表面に接近する物体の位置がどこであるか又は正確な輪郭がどのようであるかを正確に定め、かつ一部の場合には、スクリーン表面に対する距離を推定することを可能にすることができ、その理由は、物が遠く離れているほど、感応面の導体間の静電界線を摂動する量が小さいからである。
規則的なパターンに従って分散された複数の導体を含む表面に適用される本発明による接触検出の原理では、特定の感度プロフィールを示し、このプロフィールは、更に、有利な態様では、表面導体に割り当てられた経路R、P及びSの構成の関数として変化する。
【0073】
図8Aは、例えば、図面の右側に合わせて想起される図1の簡単な構成の第1の例で得られた感度プロフィールを示している。簡単かつ長細く、対称形又はむしろ逆対称であるこの構成においては、中央トラックVは、分極経路に接続されており、一方、左右に直近である2つのトラックIV及びVIは、それぞれ、基準R及び検出Sの経路に接続されていることを想起されたい。
図8Aの図は、次に、中央トラックVの中央軸に対する軸線方向の距離Xxの関数として得られた感度Ssの図を示している。感度プロフィールは、感度の最大値が周期的パターンのピッチに対応する約Xx=1の距離で、従って、トラックVIの上部に向う正弦サイクル(図面の残りは平坦)という面を有することが見出されている。プロフィールピークSsは、約1〜2つのピッチ、一般的にρ≒1.5ピッチという幅に対応する解像度(従来はmax/√2で測定され、かつ導体の周期的パターンの周期性ピッチの単位で表されるピーク幅)を有する。図8AのプロフィールSsは、基準経路Rと接続した導電トラックIVの上部に向けて約Xx=−1の距離で反対の感度最大値を示している。絶対値においては、この感度プロフィールSsでは、トラックIV、並びにトラックVIより上方の存在を検出する。
【0074】
図8Bは、いくつかの導電トラックII−IV−VI−VIIによって形成された群が基準及び検出R及びSの2つの経路に接続されている、図面の右寄りに示されている別の逆対称の構成で得られた感度プロフィールの別の例を示している。図示の順番では、位置II及びIVの2つのトラックは、分極経路に接続したトラック(I、III、V)と交互に基準経路Rに接続されている。位置VI及びVIIIの2つの他のトラックは、分極経路に接続したトラック(V、VII、IX)と交互に検出経路Sに接続されている。図8Bの左側の図は、基準R、分極、及び検出Sのトラックのこのような構成で得られた感度プロフィールを示している。図8Bの感度プロフィールは、1〜3、従って、位置VI及びVIIIの検出トラックSより上方での距離Xx(約Xx=1及びXx=3の距離)の範囲で感度の平坦域状の最大値で切り欠き状態である。このプロフィールはまた、逆対称でXx=−1〜Xx=−3の距離範囲において反対の感度平坦域を有する。このような感度プロフィールを有するこのような構成では、トラックVI−VII−VIII−(IX)の間隔を超える指又は物の存在を検出するが、また、同じく反対側の上方のトラック(I)−II−III−IV上では大きな解像度は得られないが、大きな物体又は物を検出することができる。
【0075】
図8Cは、一方が基準経路Rに接続した位置II及びVIIIにあり、他方が検出経路Sに接続した位置IV及びVIにある導電トラックの2つの群を有する更に別の対称形の構成で得られた別の感度プロフィールSsを示している。得られたこの感度プロフィールは、重要性が劣る負の感度跳ね返り(最大値6と比較すると−4の値)で2と3の間のρ、一般的に、ρ≒2.8の解像度幅でドアの形状を有する。
この時点で、有利な態様では、好ましくはマイクロコントローラ又はマイクロプロセッサである制御ユニットは、特に興味深くかつ予想外である新しい検出プロフィールを取得するためにこのような構成及び感度プロフィールを組み合わせることができることが見出される。
【0076】
単に例示的な例として、図9は、図8A、図8B、及び図8Cの感度プロフィールの線形組合せによって得られた感度プロフィールを示している。図8Aの感度プロフィールはSA、図8BはSB、図8CはSCであり、一方、図9の感度プロフィールはSDと見なす。この例における重み付け線形組合せの公式は、例示的に以下である。
SD=SC−1.5xSA.
図9の感度プロフィールSDは、従って、図8Cの構成の感度プロフィールSCを結合してそこから1.5x図8Aの構成の感度プロフィールSAを差し引くことによってこの例示的な例に従って得られる。
【0077】
有利な態様では、図9の感度プロフィールは、同じ絶対値の負の絶対値がない狭い感度ピークを有する。驚くことに、解像度は、周期的パターンの1つのピッチと1.5のピッチ、一般的に、ρ≒1.3ピッチの間に含まれる幅を示している。有利な態様では、線形組合せによって得られたこのような解像度は、ρ≒1.5ピッチより劣り、従って、導出元である図8A及び図8Cの2つの感度プロフィールよりも狭い感度ピークを有することに注意することができる。更に、このような感度プロフィールは、同じ振幅(絶対値)をもたらす反対のピークがないことを示しており、従って、絶対最大値の感度という単一のピークを示している。
【0078】
それ自体有利であり、かつ各々の形状、寸法、嵩張り、及び形状輪郭の検出に適合されている多くの更に無限の異なる感度プロフィールは、加算、減算、乗算、重み付け、又は他の初等算数による演算をもたらすことにより、構成及び感度プロフィールのこのような線形組合せで取得することができることが理解される。
本発明の教示内容、特に、動的な構成及びプロフィールに従って異なる有利な構成及び感度プロフィールを取得することができることに注意されたい。すなわち、時間的に互いに連続し、かつ1つ又はいくつかの移動点に中心がある異なる構成の連続は、1つ又はいくつかの物体の動き、特に、いくつかの指の移動、又は互いに対する動きを検出及び区別することを可能にする。例示的な例として、離れていく2つの指の動き又は回転運動を検出することができる。
【0079】
1つ又は2つの経路に並列に、かつ特にデジタル及び好ましくは2進法で定量化された容量性均衡指令の関数として適用された容量性インピーダンス又は2つの容量性インピーダンスを変えることを可能にする切換可能なコンデンサの列の回路に戻って、ここで、代替な有利な態様では、先に明らかにした原理に従って少なくとも3つのコンデンサ又はコンデンサの3つの群に接続することができる。少なくとも3つの経路を有するビームの間に定められた1つ又は2つの分極経路の入力部にこのような可変キャパシタンス回路を適用することができるように見える。
【0080】
本発明のこの代替具現化に従って、検出装置は、ここで少なくとも3つの経路、特に、分極の第1の経路、分極の第2の経路、及び検出の第3の経路を含むビームを有する。
第1の分極経路は、正の分極経路P+であり、第2の分極経路は、負の分極経路P−であり、これらの2つの分極経路は、好ましくは切換可能又は互換的である、正の電圧源PSB及び負の電圧源NSB(図11を参照されたい)に接続されていることが好ましい。分極P+及びP−の電圧は、反対の値、又は異なる絶対値、同じ符号の偶数の値を有することができるが、ただし、値が異なることを条件とする。
【0081】
図10Aは、検出経路Sに割り当てられかつ接続した中央トラックX(対称軸を形成する)の両側での2つの横トラックIX及びXIへのこのような正(P+)及び負(P−)の分極の適用を概略的に示している。
検出の作動は、前と同様に、選択されたトラックIX、X、及びXIの精査、アドレス指定、多重化、切換、及びビームの3つのそれぞれの経路、すなわち、検出S、正のP+、及び負のP−の分極の経路との接続により行われる。
各々の接触検出作動時に、2つの段階、すなわち、第1の段階α及び第2の段階βを区別する。
【0082】
第1の段階α中に、検出経路Sは、スイッチCCS(図11を参照されたい)による接続先である確立された基準電位、例えば、接地GND、電圧源VPS(例えば、電圧P+とP−間の中間の電圧VPS、電圧VPSは理想的にはゼロ)に設定される。検出経路のコンデンサX及び導電線Sは、従って、低インピーダンスL1(比較的確立された電位に対して僅かな抵抗)であると考えられる状態にある。正P+及び負P−の分極の線は、例えば、接地GNDに接続した確立された電位に設定し、かつゼロの電位に設定するか、又は図10Aのクロノグラフによる記録によって示唆されるように、インバータにより置換することができ、経路P−に接続した導体IXは、低い電位に設定されている経路P+の導体よりも高い電位に選択される。
【0083】
この第1の段階αでは、検出経路Sの導体Xの電位は、例えば、比較又は増幅回路CC(図11を参照されたい)でサンプリング及び測定され、基準電位レベルとして後に使用される。
第2の段階βでは、正の電位ジャンプΔVPは、分極経路P+の導体XIに印加され、負の電位ジャンプΔVNは、他方の分極経路P−の伝達IXに印加される。
検出経路Sは、次に、高インピーダンスHIであると考えられる状態になり、スイッチCCSは、この第2の段階α中は開成である。
【0084】
図10Aは、摂動がない場合に(表面より上方に存在する指及び物なし)、検出経路Sに接続した軸線方向の導電トラックX上で回収される電位のレベルは、安定、かつ第1の段階α中に先に確立された電位レベルに実質的に等しいままであることを示している。負の電位P−の導体IXと検出Sの導体Xの間に確立された第1の静電結合は、従って、正の電位P+の導体XIと検出Sの導体Xとの間に確立された第2の静電結合に対して均衡状態である。
【0085】
図10Bは、負の電位P−のトラックIX及び経路P−及びSに接続した導電トラックIX−Xの間の静電結合の近くの触知性接近の場合を示している。検出Sの軸線方向トラックX上で観測された電位により、段階α及びβの間に電位ジャンプができる。このような遷移中に、検出経路Sは、確立された電位VPSから分離されると、比較的低いインピーダンスの状態から高インピーダンスHIの状態に移る。検出線S上に発現した電位ジャンプは、関連の分極経路P−の電位ΔVNの負の変動の方向に向かう。より正確には、検出経路S上の電位ジャンプの振幅は、第1の結合P−/Sと第2の結合P+Sの間の容量不均衡又は静電不均衡の振幅に対応するように見える。
【0086】
図10Cは、正の電位P+の別のトラックXI及び経路S及びP+に接続した導電トラックX及びXIの間の静電結合の近くの触知性接近の別の場合を示している。検出Sの軸線方向トラックX上で観測された電位は、図10と反対の方向、及び関連の分極経路P+の正の電位変動ΔVPの方向に電位ジャンプをもたらす。経路Sのこの電位ジャンプの振幅は、第2の結合P+Sと第1の結合P−/Sの間の容量不均衡又は静電不均衡の振幅に対応する。
【0087】
図11は、この第1の代替に対応する接触検出装置の電気回路の機能図を示している。
検出装置の回路は、表面が、各々が平面における2つの垂直方向に沿った基準経路Rに従って配置された2つの一連の導体...、V、VI、...及び...、X、XI...をここでは有する支持体MATに関連するものである。導電線...、V、VI、...及び...、X、XI...は、図1を参照して先に明らかにした原理に従ってビーム又は恐らく横列及び縦列の別々のアドレス指定のための2つの独立した垂直ビーム及び水平ビーム)の3つの経路P+、P−、及びSに各々の導体...、V、VI、...X、XI...を個別に接続することを可能にするアドレス指定SLC及び選択LCXの2つのシステムに接続されている。
【0088】
2つの分極経路P+及びP−は、それぞれ、2つの電圧源PSB及びNSBに接続されており、それによってそれぞれ、POS分極P+及び負の分極P−の方形電圧信号が得られる。電位レベルP+及びP−は、特に、論理ゲートを有するフォロア構成又はインバータ構成によって供給することができ、かつ切換又は交換することができる。
ビームの検出経路Sは、他方の差動入力部(ここでは反転入力端)が電圧源に接続されている比較回路又は増幅回路CDの差動入力部(ここでは+)に適用される。2つの差動入力部+及び−は、スイッチCCS(電子抵抗器形式のスイッチ)により相互接続されている。
確立された基準電圧VPSに対する検出経路Sの比較の差動回路CDの出力Qは、制御回路、マイクロプロセッサ又は好ましくはマイクロコントローラUCによって形成することができる制御ユニットUCの入力部INに印加される。制御ユニットUCは、較正AZ(ゼロ設定)及びサンプリングSPLの指令を差動比較回路CDに印加する。
【0089】
図1〜図5の第1の検出及び具現化モードと異なり、有利な態様では、制御ユニットUCにより制御された切換可能なコンデンサCPCの列によって形成された可変キャパシタンスを有する回路CPCは、2つの分極経路P+及びP−及び第3の検出経路Sの1つ又は各々の間に適用される。
より正確には、図1、図5、及び図6Aの切換可能なコンデンサCPBの列と異なり、可変キャパシタンス及び/又は切換可能なコンデンサの組を有する回路CPCは、分極P+又はP−の経路と基準経路Sとの間に並列に接続されていることが図11に示され、かつ図12Aで詳細に示されている。可変静電インピーダンス(好ましくは、デジタルスイッチングにより定量化されたキャパシタンス)を有するこの回路は、従って、負の電位P−と検出経路Sの間の第2の結合に対する正の電位P+と検出経路Sの間の第1の結合の容量性(再)均衡を確立する。
【0090】
より正確には、回路CPCは、有利な態様では、分極P+及びP−の2つの経路の1つ又は各々と検出Sの経路の間にそれぞれ並列に接続した切換可能なコンデンサの少なくとも1つの、好ましくは2つのバッテリを含む切換可能なコンデンサの列によって形成することができる。図1、図5、及び図6Aの切換可能なコンデンサの列CPBと異なり、図12Aに示すように、各々の分岐部がスイッチKP1、KP2、KP3、...及びコンデンサCP1、CP2、CP3、...を含む1組の切換可能なコンデンサによって形成された可変静電のこの新しい回路CPCは、分極経路Pの1つを検出経路Sと接続される。デジタル(再)均衡指令BCCは、従って、分極経路P+と検出経路Sとの間に並列に追加された容量性インピーダンスを修正する。
【0091】
第1の段階αから第2の段階βへの通過中に、差動検出回路CDが基準電位VPSに対して、かつ電位ジャンプの方向及び振幅によって検出経路S上の電位ジャンプを検出した場合、制御ユニットUCは、経路P−及びSの間の第2の結合に対して経路P+及びSの間の容量均衡又は静電均衡を再確立するために、切換可能なコンデンサの組CP1、CP2、CP3のような切り換えのデジタル指令BCCを修正することができることになる。
【0092】
差動検出回路CDによる較正及び試験の2つの段階α、βにおける検出サイクルは、経路P+/S及びP−/Sの対の間の容量不均衡又は静電不均衡の中性化まで及び2つの段階α及びβ間の電位ジャンプの消滅まで繰り返される。
制御ユニットは、有利な態様では、検出経路Sと経路P+(及び/又は恐らくP−)の間に追加された容量性インピーダンスの変動を制御することができる。この趣旨で、上述のように、制御ユニットUCは、差動検出回路CDによる検出及び増幅される電位ジャンプの関数として切換可能なコンデンサの組の切り換えを制御する2進デジタル(再)均衡指令BCCを増加又は低減する。この趣旨で、回路CDの出力Qは、制御ユニットUCの入力INに印加される。
【0093】
図12Bは、経路P+及びS間の可変移送キャパシタンスCvの値及び経路P−及びS間の一定のキャパシタンスCnの値を供給する回路の別の機能図を示している。経路P+及びS間の並列の分岐部は、端部端子が接地と経路P+の間に接続されており、中間端子が結合コンデンサCpを通じて検出経路Sに接続されている電位差計によって形成される。
図12Cは、経路P+及びS間の可変キャパシタンス及び経路P−及びSの間の一定のキャパシタンスを有する回路の更に別の図を示している。経路P+及びS間の分岐部は、経路Sと、端板がそれぞれ接地GND及び経路P+と接続されている可変コンデンサC1+C2の中間端子の間に接続したコンデンサCpを含む。
【0094】
従って、差動検出回路及び制御ユニットが段階α及びβ間の電位の発現を検出した時、制御ユニットは、中性化されるまで対の経路P+及びS及びP−及びS間の静電不均衡を補償するために可変キャパシタンス回路又は移送キャパシタンス回路を調節することができる。可変キャパシタンス又は移送キャパシタンス、又は経路P+及び/又はP−上に制御ユニットにより導入された定量化可能な容量性インピーダンスを有する切換可能なコンデンサの組の2進指令のデジタル値を調節する指令接触面の導体間の間隔を上回って発現した静電摂動の位置を特定して定量化することを可能にする。このようにして、有利な態様では、触知性接近又は物体の存在の影響に対する寄生現象を区別することができる。従って、定量化により、存在する物体の位置を特定して認識することができる。任意的に、容量不均衡の定量的対策は、接触支持体の表面に垂直な方向で物体、指、又は物の距離の位置を特定することを可能にすることができる。
【0095】
検出モードの別の代替を図13の図によって示している。図13の具現化の代替では、第1及び第2の代替の2つの検出モードを組み合わせる。正の電位P+及び負の電位P−の機能、並びに検出S及び基準Rの機能を検出面の少なくとも4つ、5つ、又は6つの導体に割り当てることがこの検出モードにおいて予想される。
図13に示す構成の例に従って、最初の3つの導体は、それぞれ、正の電位P+の経路、検出Sの経路、及び負の電位P−の経路に接続されている。他の3つの導体は、それぞれ、正の電位P+、基準Rの経路、及び負の電位P−の経路に接続されている。正及び負の分極P+及びP−の経路は、以前の代替と同様に、それぞれ、2つの電圧源PSB及びNSBにより分極化される。検出S及び基準Rの2つの経路は、検出経路S及びR間の静電均衡を試験して経路R/P+及びP−の結合に対する経路S/P+及びP−の結合の容量不均衡を検出するために、差動比較又は増幅回路に適用される。
【0096】
分極P+及びP−の経路は、一定のキャパシタンスの2つのコンデンサCP及びCNにより検出の経路に結合されている。正の分極P+の経路及び基準Rの経路は、一定のキャパシタンスのコンデンサCRにより結合されている。負の分極P−の経路及び基準Rの経路は、制御ユニット(図示せず)により制御された可変キャパシタンスのコンデンサCVにより結合されている。機能において、すなわち、経路S及びRを比較する差動回路CCが容量不均衡を検出した時、制御ユニットは、このような容量不均衡を補償し、かつ不均衡が中性化された時に定量化するために可変キャパシタンスCVで作用する。
【0097】
有利な態様では、このような4つの経路に関するこのような改良型検出モードを用いて、3つの経路P+、S、P−の組に対する完全な対称性を確立又は保存することができる。このような対称性により、S及びRのような比較的近いトラックに本質的に同じ影響を与える検出及び基準S及びRの経路に共通する摂動、例えば、周波数50又は60での電気供給回路の放射のより良好な排除(トラック間にの共通のノイズの除去)が保証される。
【0098】
ここで、本発明では、有利な態様において、マトリックス表示スクリーン、特に、薄膜トランジスタTFTを有する表示スクリーンのマトリックスアドレス指定回路と接触検出装置を結合することを想定して可能にする。
図14は、このようなマトリックススクリーンのTFTアドレス指定回路のマトリックス構造を概略的に示している。
回路は、タイムコントローラTCと、接触なく2つのレベルで垂直方向及び水平方向に組み合わされた導電縦列...、IX、X、XI、XII、...及び横列...、IV、V、VI、...のアレイとを有する。これらの線の間には、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)が相互接続されている。より正確には、縦列は、ソースのアドレス指定の導電横列を形成し、すなわち、トランジスタソースの選択を制御する透明導体材料から成る。水平導電横列は、ゲートアドレス指定線に細分化され、すなわち、それらは、通過中でレーン線に入るように、横列のトランジスタゲートの選択及び起動を制御する。トランジスタのドレーンは、電荷蓄積キャパシタンス(メモリポイント)を通じて対応する共通のドレーン線と個別に接続されている。
【0099】
TFTスクリーンの底板も、縦列...、IX、X、XI、XII、...の垂直導電線の組を制御するソースアドレス指定ドライバSDRを含む。このソースドライバSDRは、表示すべきデータDATを連続して受信して、パラレルポートを通じて増幅回路...、FLIX、FLX、FLXIなどを含むフォロア段階FLWを通じて縦列...、IX、X、XI、XII、...の導電線に各クロックストロークDCKで回復するパラレルデータバッファDAMに送信するシフトレジスタから成る。
一連の導電線...、IV、V、VI、...も、ゲートドライバ(アドレス指定、選択、及び起動)を有する。
【0100】
機能においては、レジスタDRSにより連続的に蓄積されたデータは、移動され、かつ各クロックストロークDCKで回路DRS、DAM、DAC、及びFLWによりそれぞれの縦列に再送信される。ゲートアドレス指定ドライバによるゲート...、IV、V、又はVI...の線の起動は、トランジスタが通過中になることを可能にし、かつ対応するキャパシタンスの極板にデータビット、すなわち、表示すべきピクセルの状態を格納することを可能にする。全てのドレーン線に共通である供給線VCOMは、他の極板の電位を高い電位にする。各コンデンサの極板の電位の差は、液晶ディスプレイセルに印加される。液晶に印加された電位は、これらの液晶を横断する光の分極に影響を与える。並列極板内に位置する1つ又はいくつかの分極フィルタを横断することにより、各セルにより伝達された光ビームは、強度が変調され、分極の関数として消灯又は点灯することができる。トランジスタ及び各セルのコンデンサに印加される電位により、このセルは、ある程度半透明又は不透明になり、かつ有色光のピクセルを伝達することができ、又は伝達することができない。
【0101】
ここで、本発明により、驚くことに、触知性接近又はTV表示スクリーンの外面の隣にある物体を検出することを可能にする接触検出の機能を備えている新しい表示スクリーンシステムを形成するためにこのようなTFTスクリーンのマトリックスアドレス指定装置と接触検出装置を結合することが予想される。
図15は、線に対して横であるその位置を示すことによって指、物体、又は物の接近を検出する(たとえ表示スクリーンの2D表面絶対にわたって起こったとしても1次元IDとして考慮される垂直座標の検出)触感表面システムを形成するために、このようなTFTスクリーンのゲート線GDRのアドレス指定のマトリックス回路との本発明による接触検出装置TDSの結合を示している。本発明による接触検出装置の経路は、スクリーンマトリックスグリッドのゲート線に適用される本発明の検出モードに従って予想される分極、基準及び検出P、R、S及び/又はP+、S、P−の機能を適用するために、トランジスタT39、T40、T41、...、T62のようなゲートの制御の線...、IV、V、VI、...と接続されている。図15の例においては、ビームFSCは、単に、比較回路CCの差動入力部+及び−と接続した基準及び検出R及びSの2つの経路を有することができ、一方、2つの電位レベルVP1及びVP2の間の分極の経路の切り換えでは、有利な態様では、(クロノグラフによる記録4B及び4Cにおける逆段階φ1及びφ2を参照されたい)、ゲートドライバGDR内に本来存在するインバータ回路...、INIV、INV、INVI、...を使用する。いくつかの経路S及び/又はR及び/又はP又はP+及びP−を有する他の構成(2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの経路を有するビーム)を想定することができる。本発明による装置TDSの3つの経路のためのアドレス指定回路又は多重化回路ICXの端子(感知PIN)...、SP4、SP5、SP6、...(図1、図5及び図11を参照されたい)は、ゲートドライバGDRの下流側で、ゲート線...、IV、V、VI、...を制御するインバータ及びフォロア構成...、INIV、INV、INVI、...と接続されている。ビームFSCの経路R及びSは、可変キャパシタンスCVの1つ又は2つの回路及び経路間の結合の容量不均衡の検出の差動回路CCの差動入力部+及び−と接続されている。制御ユニットUCLは、差動回路CCの出力Qを受信して、多重化回路LSXのアドレス指定SCL及びビームFSCの経路に接続した導電線...、IV、V、VI、...の選択を制御する。
【0102】
接触検出装置の適用及び結合のこの例においては、接触検出機能を装備して驚くべきことにタッチスクリーンに変形されたTFT形式のマトリックス表示スクリーンを取得する。このようなスクリーンシステムは、触知性接近又は特に物、一般的には、凝縮物体の存在を検出し、かつゲート線に対して横であるその方向に感度を有する。このようにして、図15の垂直方向に沿って又は読取器の方向に向けられたシートに垂直の方向で指、物、又は凝縮物体を見つけて正確に位置を特定することができる。
【0103】
図16のマトリックス表示スクリーンの実施の第2の例においては、有利な態様では、更に驚くべきことに、触知性接近の位置又はスクリーンの表面/平面の2次元に対する又は物体の存在及び恐らくは図16の平面に垂直な第3の方向の距離を検出してかつ見つけることができる触感表面を取得する。
この目的のために、マトリックススクリーンの一連のゲート線...、IV、V、VI、...は、線IV、V、VI(図16及び通常はスクリーンの垂線)に対して横であるその方向に少なくとも1つの次元、1D又は2Dで位置の検出及び発見をもたらすために、図15に関して本明細書で先に明らかにしたように、本発明による第1の検出装置TDSのアドレス指定/多重化回路のそれぞれの端子...、SP4、SP5、SP6、...と結合及び接続されている。第2の接触検出装置TDSは、TFTマトリックススクリーンのトランジスタのトランジスタソースの制御の縦列...、IX、X、XI、XII、...の線に結合及び接続されている。この第2の接触検出装置TDS2の機能は、トランジスタ...、T39、...、T40、T50、T60、...のソースの制御の縦列...、IX、X、XI、XII、...の線に対して横である1つ又は2つの方向(図16の平面、通常はスクリーンに対して従来の水平方向及び垂直方向)で、1つ又は2つの次元1D又は2Dでの指、物、より一般的にはあらゆる凝縮物体の検出及び位置発見をもたらすことにある。この第2の検出装置TDS2は、第1の検出装置TDSと分離されたか又は共通の制御ユニットUCCを有する。TFTトランジスタソースの制御の縦列の導電線...、IX、X、XI、XII、...は、本発明による接触検出装置のアドレス指定及び多重化回路CSXのそれぞれの端子...、SP9、SP10、SP11、SP12、....と接続されている。
【0104】
図17は、本発明の別の実施形態による接触検出装置TDSを示している。この装置は、接触面PADの導体又は電極...II...VII...と分極Pのこの経路を接続することを可能にする分極経路P及びアドレス指定回路ICXの対応するスイッチが省略されたという点で図1に示すものと異なっている。従って、図17の実施形態では、分極Pの経路は、分極Pのノード又は点になっており、その電位は、一定の電位(例えば、ゼロ、GND)から別の一定の電位VDD及びその逆に変えることができ、かつ導体...II...VII...には直接的に接続されないがコンデンサCA1を通じて基準Rの経路に、及び別のコンデンサCA2を通じて検出Sの経路に接続されている。図17の装置TDSは、各々の検出作動時(接触面PADの精査中)には、アドレス指定回路(ICRにより設計)は、それぞれ、経路R及びSに接続することにより、2つの導体(示す構成ではIV及びIV)又はコンデンサの2つの群のみを選択することを除き、図1に示すものと同様に機能する。特に、分極ノードPは、図1に示す装置の分極経路Pと同様に分極され、制御ユニットUCを有する比較回路CMP及び可変キャパシタンス回路CPB又は別の可変移送キャパシタンス回路は、分極ノードP及び接触面PADの導体の近くの指又は物の存在により引き起こされる経路R及びS間の不均衡を検出して定量化する。
【0105】
図18は、本発明の更に別の実施形態による接触検出装置TDSを示している。この装置は、基準Rの経路を導体...II...VII...に接続することを可能にするアドレス指定回路ICRのスイッチが抑圧されているという点で図17のものと異なっている。換言すると、ICSにより設計されたアドレス指定回路は、検出経路Sに接続することによって1つの導体(示す構成では導体VI)又は導体の1つの群を選択するだけである。差異は別として、図18に示す装置TDSは、図1及び図17に示すものと同様に機能する。特に、コンデンサCA1を通じて経路Rに及びコンデンサCA2を通じて経路Sに接続した分極Pのノードは、図1に示す装置の分極Pの経路と同様に分極され、制御ユニットUCを有する比較回路CMP及び可変キャパシタンス回路CPB又は別の可変移送キャパシタンス回路は、ノードPの分極により及び接触面PADのコンデンサの近くの指又は物の存在により引き起こされる経路R及びS間の不均衡を検出して定量化する。
【0106】
図9は、本発明の更に別の実施形態による接触検出装置TDSを示している。この装置においては、4つの経路、すなわち、分極P+及びP−の2つの経路、基準Rの1つの経路、及び選択Sの1つの経路が供給される。アドレス指定回路ISXは、これらの経路P+及びP−及びR及びSを以前の図で表された形式の表面の接触面PADの導体と接続することができる。経路P+及びP−、R、及びSは、可変キャパシタンス回路CPDと接続されている。可変キャパシタンス回路CPDは、例えば、いくつかのコンデンサCT1、CT2、CT3、...を含み、各コンデンサCTiは、スイッチIRiを通じて経路Rと、及びスイッチISiを通じて経路Sと接続した第1の端子、並びにスイッチIPi+を通じて経路P+と、及びスイッチIPi−を通じて経路P−と接続した第2の端子を有する。経路P+は、スイッチPUS1を通じて正の電位PVDDと、及びスイッチPDS1を通じて接地GNDと接続されている。経路P−は、スイッチPUS2を通じて分極電位VDDと、及びスイッチPDS2を通じて接地GNDと接続されている。経路Rは、比較器CMPの第1の入力部(ここでは入力部−)に、及びスイッチITRを通じて接地GNDに接続されている。経路Sは、比較器CMPの第2の入力部(ここでは入力部+)に、及びスイッチITSを通じて接地GNDに接続されている。経路Rは、例えば、スイッチと直列であるコンデンサにより又はスイッチと直列であるいくつかの並列の組のコンデンサにより構成された第1の切換可能な容量性手段CC01を通じて経路P+にも接続されている。経路Sは、スイッチと直列であるコンデンサにより又はスイッチと直列であるいくつかの並列の組のコンデンサにより構成された第2の切換可能な容量性手段CC01を通じて経路P+にも接続されている。最後に、上述の実施形態と同様に、比較器CMPの出力Qは、制御ユニットUCと接続されている。制御ユニットUCは、可変キャパシタンス回路CPD、アドレス指定回路ISX、分極手段PUS1及びPDS1、分極手段PUS2及びPDS2、容量手段CCOl及びCCO2のスイッチ)及びスイッチITR及びITSを制御する。
【0107】
図19に示す装置は、制御ユニットUCにより選択することができる以下のような異なるモードに従って作動させることができる。
−経路P−が永久的に接地と接続されており(スイッチPDS閉成、スイッチPUS2開成)、経路P+は、分極の固有の経路であり、容量性手段CC01及びCC02のスイッチが開成である第1のモード。この第1のモードでは、装置TDSは、図1に示す装置と同じ接触検出原理を用いる。各検出作動時に、接触面PADの3つの導体又は導体群は、それぞれ、経路P+、R、及びSに接続するアドレス指定回路ISXにより選択される。ここでは、分極手段PUS1、PDS1は、経路P+及び従って接続先である導体を第1の段階φ1中にゼロの電位に、及び第2の段階φ2中に分極VDDの電位に設定する役目をする。スイッチITR及びITSは、ここでは、経路R及びS及び従って接続先である導体を段階φ1中にゼロの電位、及び従って導体間のゼロ電位差に設定し、かつ第2の段階φ2(図3及び図4を参照されたい)中に経路R及びS及び従って対応する導体の電位を浮動のままにする役目をする。制御ユニットUCを有する比較回路CMP及び可変キャパシタンス回路CPDは、経路P+(段階φ2)の分極により、かつ接触面の導体の近くの指又は物の存在により引き起こされる経路R及びSの電位の間の不均衡を検出して定量化する。
−経路Rが永久的に接地と接続されており(スイッチITR閉成)、容量性手段CC01及びCC02のスイッチは開成である第2のモード。この第2のモードでは、装置TDSは、図11に示す装置と同じ接触検出原理を用いる。各検出作動時に、アドレス指定回路ISXは、それぞれ、経路P+、P−、及びSに接続することによって3つの導体又は導体群を選択する。分極手段PUS1、PDS1は、ここでは、第1の段階α中に経路P+及び従って接続先である導体をゼロの電位に、及び第2の段階β中に分極VDDの電位に設定する役目をする。分極の手段PUS2、PDS2は、ここでは、第1の段階α中に経路P−及び従って対応する導体を分極VDDの電位に、かつ第2の段階β中にゼロ電位にする役目をする。スイッチITSは、ここでは、第1の段階α中に経路S及び従って対応する導体をゼロの電位に、及び第2の段階β中に経路S及び対応する導体の電位を浮動のままにする役目をする。制御ユニットUCを有する比較回路CMP及び可変キャパシタンス回路CPDは、経路P+及びP−(段階β)の分極により、かつ接触面の導体の近くの指又は物の存在により引き起こされる経路Sの電位と経路Rのゼロ電位の間の不均衡を検出して定量化する。
−経路P−が永久的に接地と接続されており(スイッチPDS閉成、スイッチPUS2開成)、経路P+は、分極の固有の経路であり、容量性手段CC01及びCC02のスイッチが閉成である第3のモード。この第1のモードでは、装置TDSは、図17に示す装置と同じ接触検出原理を用いる。従って、接触面の2つの導体又は導体群のみが、それぞれ、経路R及びSに接続することによって各検出作動時に選択される。装置TDSの作動は、接触面の2つの導体又は導体群のみが選択され、かつ容量性手段CC01及びCC02のスイッチが閉成であることを除き、第1のモードと同じである。この第3のモードの変形においては、装置TDSは、図18に使用される装置と同じ接触検出原理を使用する。この場合、接触面の1つの導体又は導体群のみが、経路Sに接続することによって各検出作動時に選択される。接触面の1つの導体又は導体群のみが選択され、かつ容量性手段CC01及びCC02のスイッチが閉成であることは別として、第3のモードのこの変形における装置TDSの作動は、第1のモードと同じである。
【0108】
可変キャパシタンス回路CPDのスイッチIRi、ISi、IPi+、及びIPI−は、可変キャパシタンス回路CPDが、上述の装置TDSの3つの作動モードに適応した異なる構成を取り、かつ回路CPDのキャパシタンスを変えることを可能にする。
装置TDSの第1及び第3の作動モードでは、スイッチIPi−は、コンデンサCTiの対応する端子が常に接地に接続されているように常に閉成であり、スイッチIPI+は常に開成である。スイッチISiを開成、及び1つ又はいくつかのスイッチIRiを閉成中のままにすることにより、スイッチIRiが閉成であるコンデンサCTiのそれぞれのキャパシタンスの合計に等しいキャパシタンスが経路Rと接地の間に追加される。スイッチIRiを開成のままにすることにより、かつ1つ又はいくつかのスイッチISiを閉成することにより、スイッチISiが閉成であるコンデンサCTiのそれぞれのキャパシタンスの合計に等しいキャパシタンスが経路Sと接地の間に追加される。従って、不均衡が経路R及びSの間に発現した時、経路Rと接地の間、又は経路Sと接地の間のキャパシタンスは、不均衡の補償まで比較器CMPによって生成された結果に応じて修正することができる。
【0109】
装置TDSの第2の作動モードでは、スイッチIRiは常に開成であり、スイッチISiは常に閉成である。スイッチIPi+の1つ又はいくつか及び/又はスイッチIPi−の1つ又はいくつかを閉成することにより、キャパシタンスが閉成であるスイッチIPi+及び/又はIPi−の数に依存する経路Sと少なくとも経路SP+及びP−のうちの少なくとも一方との間にキャパシタンスを追加することができる。従って、不均衡が接地に接続した経路Rと経路Sの間に発現した時、経路Sと経路SP+及びP−のうちの少なくとも一方との間のキャパシタンスは、不均衡の補償まで比較器CMPによって生成された結果に応じて修正することができる。
【0110】
図19に示す装置は、従って、接触検出を実行すべきである条件又は必要とされる検出精度により、最も適切な検出モードを選択することを可能にする。
本明細書で上述の全ての実施形態では、導体は、規則的なパターンに従って接触面上に配置されることが好ましい。しかし、これは、不可欠なものではない。
他の用途、利用、組合せ、変形、具現化モード、及び改良は、本発明のフレームを出ることなく当業者には明らかであることになり、その保護の範囲は、以下の特許請求の範囲に定められている。
【符号の説明】
【0111】
CC 比較手段
CPB 可変移送キャパシタンス手段
R 第1の電気経路
S 第2の電気経路
UC 制御ユニット
Q 比較手段によって生成される結果

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の電気経路(R、S;S、VPS)の間の不均衡を検出して定量化するための装置であって、
それぞれの入力で第1及び第2の電気経路を受信する比較手段(CC;CD)と、
前記経路の少なくとも一方に接続した可変移送キャパシタンス手段(CPB;CPC)と、
−前記比較手段と前記可変移送キャパシタンス手段の間に接続され、かつ前記不均衡の補償まで該比較手段によって生成された結果(Q)に応じて該可変移送キャパシタンス手段の前記可変移送キャパシタンスを変えるようになった制御ユニット(UC)と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記比較手段によって生成された前記結果(Q)は、ビットの形態であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記制御ユニットは、前記不均衡の中性化の点の境界までの連続的近似により前記可変移送キャパシタンスを変えるようになっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記可変移送キャパシタンス手段(CPB;CPC)は、前記制御ユニット(UC)によって生成されたデジタル指令(BLC;BCC)によって制御され、このデジタル指令(BLC)は、前記不均衡の補償まで前記比較手段(CMP)によって生成された前記結果に応じて該制御ユニット(UC)によって増加又は低減されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記可変移送キャパシタンス手段は、可変キャパシタンスを有する容量回路(CPB)を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記可変キャパシタンス回路(CPB)は、少なくとも1組(CRB、CSB)の平行な切換可能コンデンサ(CS0、CSl、CS2、CR0、CRl、CR2)を含むことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記可変移送キャパシタンス手段(CPC)は、可変電圧利得回路(AMP、Z1、Z2)及びコンデンサ(Cr)を含むことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
少なくとも1つの平面に配置された少なくとも一連の導体(II、III、IV、V、VI、VII、及びVIII、IX、X、XI、XII)を含む表面(PAD、TCH)の近くの触知性接近又は物体の存在を検出して位置を特定するためのシステムであって、
そのような複数の導体を含む表面が、
分極経路(P)、基準経路(R)、及び検出経路(S)と、
前記複数の導体(...、IV、V、VI、...、IX、X、XI、...)の中から少なくとも1つの第1の導体(V)を前記分極経路(P)にそれを接続することにより、少なくとも1つの第2の導体(IV)を前記基準経路(R)にそれを接続することにより、かつ少なくとも1つの第3の導体(VI)を前記検出経路(S)にそれを接続することにより選択するためのアドレス指定手段(ICX)と、
前記分極経路(P)を分極するための手段(PUS、PDS)と、
前記触知性接近又は前記物体の存在を検出して位置を特定するために前記分極経路(P)の前記分極により、かつ該触知性接近又は該物体の存在により引き起こされる前記基準経路(R)と前記検出経路(S)の間の不均衡を検出して定量化するための請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の装置と、
を含む接触検出装置(TDS)に関連付けられる、
ことを特徴とするシステム。
【請求項9】
前記接触検出装置(TDS)は、
a)前記分極経路(P)を確立された電位(GND)に、かつ前記基準及び検出経路(R、S)をそれらの間の確立された電位差、例えば、ゼロに設定し、
b)前記分極経路(P)に分極(VDD)を適用してその電位を変更し、
c)前記基準及び検出経路(R、S)の前記電位を比較して、該分極経路(P)の前記分極により、かつ前記触知性接近又は前記物体の存在により引き起こされたこれらの電位の前記電位差の変動を検出し、
d)前記比較の結果(Q)に応じて、前記基準及び検出経路(R、S)間の前記電位差の前記変動の補償まで前記可変移送キャパシタンス手段の前記可変移送キャパシタンスを変更する、
段階を実行するようになっている、
ことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
少なくとも1つの平面に配置された少なくとも一連の導体(II、III、IV、V、VI、VII、及びVIII、IX、X、XI、XII)を含む表面(PAD、TCH)の近くの触知性接近又は物体の存在を検出して位置を特定するためのシステムであって、
そのような複数の導体を含む表面が、
第1の分極経路(P+)、第2の分極経路(P−)、及び検出経路(S)と、
前記複数の導体(...、IV、V、VI、...、IX、X、XI、…)の中から少なくとも1つの第1の導体を前記第1の分極経路(P+)にそれを接続することにより、少なくとも1つの第2の導体を前記第2の分極経路(P−)にそれを接続することにより、かつ少なくとも1つの第3の導体を前記検出経路(S)にそれを接続することにより選択するためのアドレス指定手段(LCX)と、
前記分極経路(P+、P−)を分極するための手段(PSB、NSB)と、
前記触知性接近又は前記物体の存在を検出して位置を特定するために前記分極経路(P+、P−)の前記分極により、かつ該触知性接近又は該物体の存在により引き起こされる前記検出経路(S)及び基準電位経路(VPS)間の不均衡を検出して定量化するための請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の装置と、
を含む接触検出装置(TDS)に関連付けられる、
ことを特徴とするシステム。
【請求項11】
前記接触検出装置(TDS)は、
a)前記分極経路(P+、P−)をそれぞれの電位に、かつ前記検出経路(S)を前記基準電位(VPS)に設定し、
b)前記分極経路(P+、P−)をそれらに反対方向の電位変動を印加することによって分極し、
c)前記検出経路(S)の前記電位を前記基準電位(VP)と比較して、前記分極経路(P+、P−)の前記分極により、かつ前記触知性接近又は前記物体の存在により引き起こされる該検出経路(S)上の可能な電位ジャンプを検出し、
d)前記比較結果(Q)に基づいて、前記検出経路(S)上の前記電位ジャンプの補償まで前記可変移送キャパシタンス手段(CPC)の前記可変移送キャパシタンスを変更する、
段階を実行するようになっている、
ことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記接触検出装置(TDS)は、各サイクルが前記段階a)からc)及び前記可変移送キャパシタンスの変動の段階を含むサイクルを実行するようになっており、これらのサイクルは、前記検出経路(S)上の前記電位ジャンプが補償されるまで実行されることを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
少なくとも1つの平面に配置された少なくとも一連の導体(II、III、IV、V、VI、VII、及びVIII、IX、X、XI、XII)を含む表面(PAD、TCH)の近くの触知性接近又は物体の存在を検出して位置を特定するためのシステムであって、
そのような複数の導体を含む表面が、
分極ノード(P)及び基準経路(R)が第1の容量手段(CA1)によって互いに接続され、かつ分極ノード(P)及び検出経路(S)が第2の容量手段(CA2)によって互いに接続された分極ノード(P)、基準経路(R)、及び検出経路(S)と、
−前記複数の導体(...、IV、V、VI、...、IX、X、XI、...)の中から少なくとも1つの第1の導体を前記基準経路(R)にそれを接続することにより、かつ少なくとも1つの第2の導体を前記検出経路(S)にそれを接続することにより選択するためのアドレス指定手段(ICR)と、
前記分極ノード(P)を分極するための手段(PUS、PDS)と、
前記触知性接近又は前記物体の存在を検出して位置を特定するために前記分極ノード(P)の前記分極により、かつ該触知性接近又は該物体の存在により引き起こされる前記基準経路(R)及び前記検出経路(S)間の不均衡を検出して定量化するための請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の装置と、
を含む接触検出装置(TDS)に関連付けられる、
ことを特徴とするシステム。
【請求項14】
少なくとも1つの平面に配置された少なくとも一連の導体(II、III、IV、V、VI、VII、及びVIII、IX、X、XI、XII)を含む表面(PAD、TCH)の近くの触知性接近又は物体の存在を検出して位置を特定するためのシステムであって、
そのような複数の導体を含む表面が、
分極ノード(P)及び基準経路(R)が第1の容量手段(CA1)によって互いに接続され、かつ分極ノード(P)及び検出経路(S)が第2の容量手段(CA2)によって互いに接続された分極ノード(P)、基準経路(R)、及び検出経路(S)と、
前記複数の導体(...、IV、V、VI、...、IX、X、XI、...)の中から少なくとも1つの導体を前記検出経路(S)にそれを接続することによって選択するためのアドレス指定手段(ICX、LCX)と、
前記分極ノード(P)を分極するための手段(PUS、PDS)と、
前記触知性接近又は前記物体の存在を検出して位置を特定するために前記分極ノード(P)の前記分極により、かつ該触知性接近又は該物体の存在により引き起こされる前記基準経路(R)及び前記検出経路(S)間の不均衡を検出して定量化するための請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の装置と、
を含む接触検出装置(TDS)に関連付けられる、
ことを特徴とするシステム。
【請求項15】
前記接触検出装置(TDS)は、
a)前記分極ノード(P)を確立された電位(GND)に、かつ前記基準及び検出経路(R、S)をそれらの間の確立された電位差、例えば、ゼロに設定し、
b)前記分極ノード(P)に分極(VDD)を適用してその電位を変更し、
c)前記基準及び検出経路(R、S)の前記電位を比較して、該分極ノード(P)の前記分極により、かつ前記触知性接近又は前記物体の存在により引き起こされたこれらの電位の前記電位差の変動を検出し、
d)前記比較結果(Q)に基づいて、前記基準及び検出経路(R、S)間の前記電位差の前記変動の補償まで前記可変移送キャパシタンス手段の前記可変移送キャパシタンスを変更する、
段階を実行するようになっている、
ことを特徴とする請求項13又は請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記接触検出装置(TDS)は、各サイクルが前記段階a)からc)及び前記可変移送キャパシタンスの変動の段階を含むサイクル(A、B、C、D、E)を実行するようになっており、これらのサイクルは、前記基準経路及び検出経路(R、S)間の前記電位差の前記変動が補償されるまで実行されることを特徴とする請求項9又は請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記段階b)の前に前記比較手段に対してそれらを較正するためにゼロリセット指令(AZ)を適用するための手段(UC)を含むことを特徴とする請求項9、請求項11、又は請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記段階b)の前に前記比較手段に対して各サイクル中にそれらを較正するためにゼロリセット指令(AZ)を適用するための手段(UC)を含むことを特徴とする請求項12又は請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記制御ユニット(UC)は、前記表面の前記複数の導体の中から選択された導体のいくつかの構成に従っていくつかの接触検出を達成し、かつ合計、減算、重み付け、線形組合せ、又は他の算術演算によってそれらを組み合わせるために前記接触検出装置を制御するようになっていることを特徴とする請求項1から請求項18のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項20】
少なくとも1つの平面に配置された少なくとも一連の導体(II、III、IV、V、VI、VII、及びVIII、IX、X、XI、XII)を含む表面(PAD、TCH)の近くの触知性接近又は物体の存在を検出して位置を特定するためのシステムであって、
そのような複数の導体を含む表面が、
第1の分極経路(P+)、第2の経路(P−)、基準経路(R)、及び検出経路(S)と、
確立された電位(GND)に前記第2の分極経路(P)が接続された第1のモードに従って又は確立された電位(GND)に前記基準経路(R)が接続された第2のモードに従って前記接触検出装置を作動するための選択手段と、
前記複数の導体(...、IV、V、VI、...、IX、X、XI、...)の中から、前記第1のモードにおいては、少なくとも1つの第1の導体(V)を前記第1の分極経路(P+)にそれを接続することにより、少なくとも1つの第2の導体(IV)を前記基準経路(R)にそれを接続することにより、かつ少なくとも1つの第3の導体(VI)を前記検出経路(S)にそれを接続することにより、及び前記第2のモードにおいては、少なくとも1つの第1の導体を該第1の分極経路(P+)にそれを接続することにより、少なくとも1つの第2の導体を前記第2の分極経路(P−)にそれを接続することにより、かつ少なくとも1つの第3の導体を該検出経路(S)にそれを接続することにより選択するためのアドレス指定手段(ISX)と、
前記第1のモードにおいて前記第1の分極経路(P+)、及び前記第2のモードにおいて前記第1及び第2の分極経路(P+、P−)を分極するための手段(PUS1、PDS1、PUS2、PDS2)と、
前記触知性接近又は前記物体の存在を検出して位置を特定するために前記第1の分極経路(P+)の又は前記第1及び第2の分極経路(P+、P−)の前記分極により、かつ該触知性接近又は該物体の存在により引き起こされる前記基準経路(R)及び前記検出経路(S)間の不均衡を検出して定量化するための請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の装置と、
を含む接触検出装置(TDS)に関連付けられる、
ことを特徴とするシステム。
【請求項21】
前記検出及び定量化装置の可変移送キャパシタンス手段が、スイッチ(IR1、IR2、...、IS1、IS2、...、IP1+、IP2+、...、IP1−、IP2−、...)を通じて前記第1及び第2の分極経路(P+、P−)に、前記基準経路(R)に、かつ前記検出経路(S)に接続された少なくとも1組のコンデンサ(CTl、CT2、...)を含むことを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記接触検出装置は、前記第1の分極経路(P+)及び前記基準経路(R)間の第1の切換可能な容量手段(CCOl)と、該第1の分極経路(P+)及び前記検出経路(S)間の第2の切換可能な容量手段(CCO2)とを更に含み、
前記第1及び第2のモードにおいて、前記第1の容量手段(CCO1)は、前記第1の分極経路(P+)を前記基準経路(R)に接続せず、かつ前記第2の切換可能な容量手段(CCO2)は、該第1の分極経路(P+)を前記検出経路(S)に接続せず、
前記接触検出装置は、前記選択手段によって選択することができる第3のモードに従って作動させることができ、かつ
この第3のモードにおいて、前記第1の容量手段(CCO1)は、前記第1の分極経路(P+)を前記基準経路(R)に接続し、前記第2の切換可能な容量手段(CCO2)は、該第1の分極経路(P+)を前記検出経路(S)に接続し、かつ前記アドレス指定手段は、少なくとも1つの第1の導体を該検出経路(S)にそれを接続することによって選択する、
ことを特徴とする請求項20又は請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記第3のモードにおいて、前記アドレス指定手段は、少なくとも1つの第1の導体を前記検出経路(S)にそれを接続することにより、かつ少なくとも1つの第2の導体を前記基準経路(R)にそれを接続することにより選択することを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記導体は、規則的なパターンに従って配置されることを特徴とする請求項8から請求項23のいずれか1項に記載のシステム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【公表番号】特表2011−510375(P2011−510375A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541860(P2010−541860)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【国際出願番号】PCT/IB2009/000046
【国際公開番号】WO2009/090534
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(510190646)ピクサー マイクロエレクトロニクス カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】