説明

電気自動車給電システム

【課題】電気自動車のバッテリを充電する際やバッテリを放電させて宅内に給電する際に電力を効率的に利用できる電気自動車給電システムを提供する。
【解決手段】制御装置3は、直流電源の電力供給量と分岐回路側での使用電力量とに基づいて電気自動車60のバッテリ62を充電するか放電させるかを切り替える切替信号を発生する。双方向給電装置2は、切替信号に基づいて電気自動車60の充放電制御回路65を制御し、充放電回路63の動作を、直流分電盤1から供給される直流電力によりバッテリ62を充電する充電動作、又は、バッテリ62から放電させた直流電力を直流分電盤1に供給する給電動作に切り替えさせる制御部23と、直流分電盤1からの直流電力の電圧値を変換して充放電回路63に供給するDC/DCコンバータ21と、充放電回路63から供給される直流電力の電圧値を変換して直流分電盤1側に供給するDC/DCコンバータ22を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気自動車給電システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、プラグインハイブリッド車(PHV:Plug-in Hybrid Vehicle)や電池自動車(BEV:Barttery Electric Viecle)などの電気自動車の開発が進められており、電気自動車への充電方法として、住戸のコンセントから電気自動車に商用交流電源を給電して、電気自動車を充電することが検討されている。
【0003】
また、電気自動車に商用交流電源を供給してバッテリを充電している状態で停電が発生した場合に、電気自動車のバッテリを放電させて、住宅内にある電気機器に電力供給を行うことが従来検討されていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−158084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1に開示されたシステムでは、電気自動車の充電時には電気自動車に商用交流電源を供給し、電気自動車の内部で交流を直流に変換してバッテリを充電しているため、交流を直流に変換する際に変換ロスが発生するという問題があった。また電気自動車の放電時にも、バッテリに蓄電された直流電力を交流電力に変換して住宅側に供給しているので、直流を交流に変換する際に変換ロスが発生するという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、電気自動車のバッテリを充電する際やバッテリを放電させて宅内に給電する際の交流−直流変換又は直流−交流変換を不要にして、電力の効率的な利用を図った電気自動車給電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、建物内に配置され、直流電源から供給される直流電力を建物内に配設された分岐回路に配電する直流分電盤と、バッテリ、当該バッテリを充放電させる充放電部および充放電部の動作を制御する充放電制御部を具備した電気自動車の充放電部に直流分電盤から供給される直流電力を給電する充電動作又は電気自動車の充放電部から給電された直流電力を直流分電盤に供給する給電動作の何れかの動作を行う双方向給電装置と、直流電源による電力供給量と分岐回路側での使用電力量とに基づいて、双方向給電装置の動作を充電動作又は給電動作の何れかに切り換える切替信号を発生する制御装置とを備え、双方向給電装置は、制御装置の発生する切替信号に基づいて、電気自動車の充放電制御部により、充放電部の動作をバッテリの充電動作又は給電動作の何れかに切り替えさせる制御部と、電気自動車の充電時に直流分電盤から供給される直流電力を電気自動車に供給する自動車側給電部と、電気自動車の放電時に電気自動車から供給される直流電力を直流分電盤に供給する分電盤側給電部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、直流電源として、他の直流電源から供給される直流電力によって充電されるとともに、他の直流電源が給電を停止した際に放電する蓄電池を備え、電気自動車の放電時に分電盤側給電部から供給された直流電力によって蓄電池が充電されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、電気自動車の充放電部に給電してバッテリを充電させる際には、直流分電盤から双方向給電装置を介して電気自動車に直流電力を供給しているので、電気自動車側で交流を直流に変換する必要がなく、交流−直流変換時の変換ロスが発生することはない。しかも、電気自動車の充放電部によりバッテリを放電させて、電気自動車側から給電する際にも、双方向給電装置が、電気自動車のバッテリに蓄電された直流電力を直流分電盤にそのまま供給しているので、電気自動車から供給される直流電力を交流に変換する必要が無く、直流−交流変換時の変換ロスが発生しないから、電力の効率的な利用を図ることができる。
【0010】
請求項2の発明によれば、電気自動車のバッテリから放電された直流電力を蓄電池に充電させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態のシステム構成図である。
【図2】同上の他のシステム構成を示すシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0013】
本実施形態の電気自動車給電システムは、プラグインハイブリッド車(PHV)や電池自動車(BEV)などの電気自動車に直流電力を供給して電気自動車を充電するとともに、住戸側で電力が不足した時には電気自動車のバッテリを放電させ、バッテリに充電された電力を住戸側に供給するものである。尚、本実施形態では戸建ての住戸に電気自動車給電システムを適用した形態について説明するが、集合住宅や事業所などの建物に電気自動車給電システムを適用してもよいことは言うまでもない。
【0014】
図1は電気自動車給電システムの概略的なブロック図であり、住戸Hに配置され、直流電源から供給される直流電力を住戸H内に配設された分岐回路に配電する直流分電盤1と、電気自動車60の充放電回路63に直流分電盤1から供給される直流電力を給電する充電動作又は電気自動車60の充放電回路63から給電された直流電力を直流分電盤1に供給する給電動作の何れかの動作を行う双方向給電装置2と、制御装置3と、設定表示装置4とを備える。
【0015】
ここで、電気自動車60は、双方向給電装置2からの充電ケーブルCAの先端に設けられたコネクタ26に着脱自在に接続されるコネクタ61と、リチウムイオン電池のようなバッテリ62と、バッテリ62を充電又は放電させる充放電回路63と、双方向給電装置2との間で通信を行う通信回路64と、通信回路64が受信した双方向給電装置2からの切替信号に基づいて充放電回路63の動作を充電動作又は給電動作の何れかに切り替える充放電制御回路65とを備えている。
【0016】
一方、直流分電盤1は、300V級の直流電圧に対応しており、複数の直流電源からの直流電力を協調させて負荷回路に供給する協調制御部11と、協調制御部11の出力端と複数系統の分岐回路の間にそれぞれ接続された複数の直流ブレーカ12とを内器として備える。直流分電盤1には、太陽光発電設備50により発電された直流電圧を所定の電圧値の直流電圧に変換するDC/DCコンバータ13と、燃料電池(FC:Fuel Cell)51により発電された直流電圧を所定の電圧値の直流電圧に変換するDC/DCコンバータ14と、他の直流電源によって充電されるとともに他の直流電源が給電を停止した際に放電する蓄電池52から供給される直流電圧を所定の電圧値の直流電圧に変換するDC/DCコンバータ15と、商用交流電源ACから交流電源の供給を受けて直流に変換するAC/DCコンバータ16とが収納されており、DC/DCコンバータ13〜15及びAC/DCコンバータ16の出力は直流電力配線L1を介して協調制御部11に接続されている。ここにおいて、本実施形態では、太陽光発電設備50、燃料電池51、蓄電池52並びにその出力を所定の電圧値に変換するDC/DCコンバータ13〜15や、商用交流電源ACの交流入力を直流に変換するAC/DCコンバータ16を直流電源として備えている。
【0017】
また双方向給電装置2は、直流ブレーカ12から供給される直流電力を電気自動車60に対応した電圧値に変換して電気自動車60側に供給するDC/DCコンバータ21(自動車側給電部)と、電気自動車60から供給された直流電圧の電圧値を変換して直流電力配線L1に出力するDC/DCコンバータ22(分電盤側給電部)と、制御装置3との間で信号の授受を行うインターフェイス部24(I/F)と、電気自動車60の通信回路64との間で通信線L4を介して通信を行う通信部25と、制御装置3又は電気自動車60から受信した信号に基づいてDCコンバータ21,22の動作を制御する制御部23とを備えている。尚、本実施形態では双方向給電装置2の通信部25と電気自動車60の通信回路64との間で、充電ケーブルCAに組み込まれた専用の通信線L4を介して信号の授受を行っているが、電力線L3を介して電力線搬送通信により信号を重畳してもよいし、近距離の無線通信により信号を授受しても良い。
【0018】
制御装置3は、直流分電盤1から供給される直流電力の給電量を制御する機能を有し、DC/DCコンバータ13〜15およびAC/DCコンバータ16の給電量を個別に調整することで、複数の直流電源の給電割合を設定する。また制御装置3は、複数の直流電源による給電能力の情報を双方向給電装置2へ送信する機能も備えており、双方向給電装置2では、制御装置3から送信される給電能力の情報をもとに、直流電源による給電能力を超えないように、DC/DCコンバータ21を制御して電気自動車60側に給電する直流電力を制御する。
【0019】
設定表示装置4は、タッチパネル形の液晶モニタを備え、直流電源の給電状況が画面上に表示されるとともに、画面上に表示される操作釦をタッチ操作することによって、制御装置3に各種の設定データを設定することができる。
【0020】
ここで、本給電システムによる電気自動車60の充放電動作を説明する。
【0021】
制御装置3は、直流電源による電力供給量と分岐回路側での使用電力量との大小を比較し、直流電源の電力供給量が使用電力量を上回っている場合には、双方向給電装置2の動作を充電動作に切り替える切替信号を双方向給電装置2に送信し、双方向給電装置2により電気自動車60側に給電させ、電気自動車60のバッテリ62を優先的に充電させる。そして、バッテリ62の充電が終了すると、制御装置3は、その次に蓄電池52の充電を行わせ、蓄電池52の充電も終了すれば、図示しないDC/ACコンバータにより交流電源に変換して、交流機器に供給しても良い。一方、直流電源の電力供給量が使用電力量を下回っている場合には、先ず蓄電池52を放電させた後、双方向給電装置2の動作を給電動作に切り替える切替信号を双方向給電装置2に送信し、双方向給電装置2によって電気自動車60のバッテリ62から放電させた直流電力を直流分電盤1側へ給電させる。
【0022】
ここで、電気自動車60を充電する際には、双方向給電装置2から導出された充電ケーブルCAの給電コネクタ26を電気自動車60のコネクタ61に接続すると、双方向給電装置2の制御部23が、充電電圧及び充電電流に関わる充電情報の送信を要求する充電情報送信要求を通信部25から電気自動車60側に送信させる。電気自動車60の通信回路64が双方向給電装置2から送信された充電情報送信要求を受信すると、充放電制御回路65は、自機の充電電圧及び充電電流に関わる充電情報を通信回路64から双方向給電装置2へ送信させる。この充電情報が双方向給電装置2の通信部25に受信されると、双方向給電装置2の制御部23は、通信部25が受信した充電情報と、インターフェイス部24を介して制御装置3から取得した直流電源の給電能力とに基づいて、直流分電盤1からの給電が可能か否かを判断し、供給可能な電流値と、電気自動車60側から要求された電圧値とでDC/DCコンバータ21の出力を制御し、電気自動車60側に給電する。
【0023】
また本実施形態では、直流分電盤1に直流電力を供給する直流電源として、太陽光発電設備50と、燃料電池51と、蓄電池52と、商用交流電源ACをAC/DCコンバータ16により直流に変換して得た直流電源とが用いられているが、制御装置3によって、複数の直流電源の中から、電気自動車60に給電させる直流電源を選択する処理が自動的に実行される。
【0024】
例えば電気自動車60側のバッテリ62の充電時において、商用交流電源ACの交流入力を直流に変換するAC/DCコンバータ16からの給電量が設定表示装置4を用いてゼロに設定されている場合で、太陽光が存在し(つまり太陽光発電設備50により発電が行われ)、蓄電池52に充電残量が存在する場合に、電気自動車60が、充電情報送信要求に応えて、充電電圧をDC300V、充電電流を20Aとする充電情報を双方向給電装置2に返送すると、この充電情報は双方向給電装置2から制御装置3にさらに送信される。制御装置3は、各直流電源の給電能力を把握しており、太陽光発電設備50の発電電力が2000VA、燃料電池51の発電電力が0VA、蓄電池52の充電残量が1000VAの場合で、住戸H内の他の電気機器による電力消費がなければ、電気自動車60に給電可能な電力を3000VAとする。そして、制御装置3では、DC/DCコンバータ13,15を制御し、太陽光発電設備50及び蓄電池52を電源として電気自動車60に給電電圧がDC300Vで、給電電流が10Aの給電を行う。また上記の給電状況において太陽光がない場合、制御装置3は、電気自動車60に給電可能な電力を蓄電池52の1000VAと判断し、DC/DCコンバータ15を制御し、蓄電池52を電源として電気自動車60に給電電圧が300Vで、給電電流が3.3Aの給電を行う。また商用交流電源ACの交流入力を直流に変換するAC/DCコンバータ16からの給電量が1000VAと設定された場合で、太陽光がなく、蓄電池52に充電残量が1000VA存在する場合には、制御装置3は、電気自動車60に給電可能な電力を2000VAと判断し、DC/DCコンバータ15及びAC/DCコンバータ16を制御し、商用交流電源ACからの交流入力を直流に変換するAC/DCコンバータ16及び蓄電池52を電源として電気自動車60に給電電圧がDC300Vで、給電電流が6.6Aの給電を行う。尚、制御装置3では、予め設定された選択条件にしたがって最適な直流電源を自動的に選択しているが、設定表示装置4を用いて優先的に給電させる直流電源の種類などを予め登録してくことも可能である。
【0025】
上述のようにして直流分電盤1から電気自動車60側へ直流電力が供給され、電気自動車60の充放電回路63によりバッテリ62の充電が行われるが、直流電源からの給電が停止した場合には、制御装置3から双方向給電装置2を介して電気自動車60に切替信号が送信され、電気自動車60の充放電回路63がバッテリ62を放電させ、バッテリ62から直流分電盤1側に直流電力が供給される。
【0026】
例えば夜間等に電気自動車60が充電されている状態で、設定表示装置4を用いて商用交流電源ACからの電力変換が最低限に設定されるとともに、翌日の走行予定距離が50kmと設定された場合、夜間には太陽光発電設備50の発電電力がなくなるため、燃料電池51及び蓄電池52を電源として電気自動車60を充電するとともに住戸H内の負荷に給電することになる。ここで、燃料電池51及び蓄電池52の給電能力が負荷の使用電力を下回った場合、制御装置3は、電気自動車60のバッテリ62を充電する充電動作からバッテリ62を放電させる放電動作(給電動作)に切り替える切替信号を双方向給電装置2に出力し、この切替信号は双方向給電装置2から電気自動車60へと送信される。この時、電気自動車60の充放電制御回路65では、通信回路64の受信した切替信号に基づいて充放電回路63に放電動作(給電動作)を行わせ、バッテリ62に蓄電された直流電力を電力線L3を介して双方向給電装置2へ放電させる。また双方向給電装置2では、制御部23が、制御装置3から入力された切替信号に応じてDC/DCコンバータ21の動作を停止させるとともに、DC/DCコンバータ22により電気自動車60から供給される直流電圧(例えばDC300V)を住宅内の送電電圧値(例えばDC350V)に変換して、直流電力配線L1に出力させており、電気自動車60のバッテリ62を電源として住戸H内の負荷に直流電力を供給することができる。
【0027】
ところで、設定表示装置4を用いて翌日の走行予定距離が設定されると、走行予定距離の設定情報は制御装置3から双方向給電装置2を介して電気自動車60に送信される。電気自動車60の充放電制御回路65では、双方向給電装置2から受信した設定情報をもとに、走行予定距離を走行するのに必要な必要電池容量を設定する。そして、充放電制御回路65では、双方向給電装置2から入力された切替信号に応じてバッテリ62の放電を開始すると、バッテリ62の残容量と必要電池容量との高低を比較し、残容量が必要電池容量を下回ると、充放電回路63を制御してバッテリ62の放電を自動的に停止するので、次回の走行予定距離を走行するのに必要な電池容量を確保することができる。
【0028】
また充放電制御回路65は、バッテリ62の放電を停止すると、放電の停止を報知する放電停止信号を通信回路64から双方向給電装置2へ送信させており、双方向給電装置2は放電停止信号を受信するとDC/DCコンバータ22の動作を停止させるとともに、インターフェイス部24から制御装置3へ放電停止信号を送信させる。この放電停止信号を制御装置3が受信すると、制御装置3は、電気自動車60からの放電が停止したことによる電力の不足分を補うために、AC/DCコンバータ16を動作させ、AC/DCコンバータ16により商用交流電源ACを直流電力に変換して、蓄電池52と共に負荷に直流電力を供給させる。
【0029】
尚、電気自動車60のバッテリ62を放電させ、その放電電力を住戸H内の直流配電システムに供給する際に、過電流や漏電が発生した場合には直流分電盤1内に設けられた直流ブレーカ12や漏電ブレーカ(図示せず)で保護されるようになっている。
【0030】
以上説明したように、この電気自動車給電システムでは、電気自動車60のバッテリ62を充電する際に、直流分電盤1から双方向給電装置2を介して電気自動車60に直流電力を供給しているので、電気自動車60側で交流を直流に変換する必要がなく、交流−直流変換時の変換ロスが発生することはない。しかも、電気自動車60のバッテリ62を放電させて、電気自動車60側から給電する際にも、双方向給電装置2が、電気自動車60のバッテリ62に蓄電された直流電力を直流分電盤1にそのまま供給しているので、電気自動車60から供給される直流電力を交流に変換する必要が無く、直流−交流変換時の変換ロスが発生することはなく、電力の効率的な利用を図ることができる。
【0031】
また上述の電気自動車給電システムにおいて、電気自動車60のバッテリ62から放電された直流電力を蓄電池52に充電させてもよく、電気自動車60のバッテリ62に蓄電された直流電力を、住戸H内の負荷で有効に利用することができる。
【0032】
また上述の電気自動車給電システムでは、双方向給電装置2が2つのDC/DCコンバータ21,22を備え、充電時には、DC−DCコンバータ21が住宅側から供給される直流電力の電圧変換を行って電気自動車60側に供給し、放電時には、DC/DCコンバータ22が電気自動車60から供給される直流電圧の電圧値を変換して住宅側に供給しているが、図2に示すように住宅側からの充電と自動車側からの放電の両方を1台で行うDC/DCコンバータ27を備えてもよい。DC/DCコンバータ27は制御部23からの制御信号によって動作が制御され、充電時には分岐ブレーカ12を介して供給される直流電力の電圧変換を行って電気自動車60側に供給し、放電時には電気自動車60から供給される直流電圧の電圧値を変換して住宅側(協調制御部11)に供給する。
【符号の説明】
【0033】
1 直流分電盤
2 双方向給電装置
3 制御装置
4 自動車給電部
21 DC/DCコンバータ(自動車側給電部)
22 DC/DCコンバータ(分電盤側給電部)
23 制御部
60 電気自動車
62 バッテリ
63 充放電回路(充放電部)
65 充放電制御回路(充放電制御部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内に配置され、直流電源から供給される直流電力を建物内に配設された分岐回路に配電する直流分電盤と、
バッテリ、当該バッテリを充放電させる充放電部および充放電部の動作を制御する充放電制御部を具備した電気自動車の充放電部に直流分電盤から供給される直流電力を給電する充電動作又は電気自動車の充放電部から給電された直流電力を直流分電盤に供給する給電動作の何れかの動作を行う双方向給電装置と、
直流電源による電力供給量と分岐回路側での使用電力量とに基づいて、双方向給電装置の動作を充電動作又は給電動作の何れかに切り換える切替信号を発生する制御装置とを備え、
双方向給電装置は、制御装置の発生する切替信号に基づいて、電気自動車の充放電制御部により、充放電部の動作をバッテリの充電動作又は給電動作の何れかに切り替えさせる制御部と、電気自動車の充電時に直流分電盤から供給される直流電力を電気自動車に供給する自動車側給電部と、電気自動車の放電時に電気自動車から供給される直流電力を直流分電盤に供給する分電盤側給電部とを備えたことを特徴とする電気自動車給電システム。
【請求項2】
前記直流電源として、他の直流電源から供給される直流電力によって充電されるとともに、他の直流電源が給電を停止した際に放電する蓄電池を備え、前記電気自動車の放電時に前記分電盤側給電部から供給された直流電力によって蓄電池が充電されることを特徴とする請求項1記載の電気自動車給電システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−130647(P2011−130647A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289706(P2009−289706)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】