説明

電池保護装置および電池保護方法

【課題】不要な出力抑制を回避可能とする制御技術を提供する。
【解決手段】電池保護装置1は、バッテリ最終到達温度推定手段10、出力抑制判断手段20、出力制御手段30を備える。バッテリ最終到達温度推定手段10は、電動自動車において想定される最大出力走行時においてバッテリの残容量と内部抵抗値とから推定されるバッテリ推定最終到達温度を算出する。そして、出力抑制判断手段20において、バッテリ推定最終到達温度が、バッテリ上限保護温度に至らないと判断できた場合、出力制御手段30において高温時の出力抑制を行わない。また、出力抑制を行う場合には、出力制御手段30は、バッテリ上限保護温度とバッテリ最大温度との差分に基づいて、出力減衰係数(0〜1)を算出し、その出力減衰係数によって重み付けした出力値(高温時出力抑制値)を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動自動車に搭載されるバッテリが上限保護温度に到達しないように出力制御する電池保護技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電動自動車(EV(Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)等)に搭載されるバッテリ(例えば、二次電池等)は、高温になることによって劣化する。そこで、バッテリの健全性を確保するために、バッテリが高温のときに、そのバッテリの抵抗発熱を抑えることを目的としてバッテリの出力を抑制する出力抑制が行われている。この出力抑制は、一般的に、測定したバッテリの温度に伝熱遅れを見込んで、バッテリの上限保護温度(例えば、50℃)よりも低い温度(例えば、45℃)から実行されている。
【0003】
特許文献1では、バッテリ温度の急激な上昇にともなって、バッテリの残容量があるにもかかわらず出力抑制がかかり、ほとんど走行不能になることが予想される場合に、単位時間当たりの温度上昇率から出力電力および出力抑制が開始されるまでの残存時間を算出する。そして、残りの走行可能距離が運転者の実感と合うように、算出した出力電力および出力抑制が開始されるまでの残存時間に基づいて、バッテリの容量計の表示を、実際よりも少なく補正して表示する技術が開示されている。また、特許文献1では、この容量計の補正表示の効果として、運転者に不満や不快感を与えることがなく、電気自動車の商品性を向上させることが挙げられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3733663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、前記したように、バッテリの残容量のあるうちから出力抑制をかけることを前提としたものである。そのため、バッテリの温度が上限保護温度よりも低い温度から一律に出力抑制が実行されてしまい、走行性能を損なう虞がある。また、実際にはバッテリの残容量があるにもかかわらず容量計の表示値を少なく表示してしまうために、バッテリの放電停止後に時間が経過してバッテリの温度が下がったとき、容量計の表示値が増加していて、ユーザを混乱させる虞がある。
【0006】
すなわち、電動自動車においては、バッテリの出力抑制が走行性能に直接影響を与えるため、バッテリの健全性を損なう事象に陥ることが無い場合には、上限保護温度よりも手前から不必要に出力抑制を行わないことが好ましい。
そこで、本発明では、不要な出力抑制を回避可能とする制御技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は、電池の温度が高い場合に前記電池の出力を抑制する電池保護装置であって、前記電池の現在の残容量を使い切ったときに到達する、前記電池の最終到達温度を推定する最終到達温度推定手段と、前記最終到達温度と温度閾値とを比較し、前記電池の出力を抑制するか否かを判断する出力抑制判断手段と、前記出力抑制判断手段により前記最終到達温度が前記温度閾値より低いと判断された場合、前記電池の出力の抑制を回避し、前記最終到達温度が前記温度閾値以上と判断された場合、前記電池の出力を抑制する出力制御手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば、出力抑制判断手段によって最終到達温度が温度閾値(バッテリ上限保護温度)より低いと判断された場合には、出力制御手段は、電池(バッテリ)の出力の抑制を回避する。したがって、電池保護装置は、不要な出力抑制を回避することができる。また、出力抑制判断手段によって最終到達温度が温度閾値以上になると判断された場合には、出力制御手段が電池の出力を抑制することによって、電池を保護することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、不要な出力抑制を回避可能とする制御技術を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】電池保護装置の構成の一例を示す図である。
【図2】電池保護装置の処理フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、発明を実施するための形態(以降、「実施形態」と称す)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
まず、不要な出力抑制を回避可能とする電池保護装置の構成例について、図1を用いて説明する。
図1に示すように、電池保護装置1は、バッテリ最終到達温度推定手段10、出力抑制判断手段20、出力制御手段30によって構成される。
【0013】
バッテリ最終到達温度推定手段10は、バッテリの現在の状態から、想定される最大出力(例えば、アクセルを最も踏み込んだ状態;以降、想定最大出力とも称す。)でバッテリを使用し、バッテリ残容量が0[Ah]になったときに最終的に到達する温度(バッテリ推定最終到達温度;請求項に記載の最終到達温度)を推定する。
【0014】
出力抑制判断手段20は、バッテリ最終到達温度推定手段10によって算出されたバッテリ推定最終到達温度(後記する式(1)におけるTend)と、図示しない記憶部に記憶されているバッテリを保護するためのバッテリ上限保護温度(請求項に記載の温度閾値)とを比較し、出力抑制を行うか否かについて判断結果を高温時出力抑制不要フラグとして出力制御手段30に送信する。
【0015】
出力制御手段30は、バッテリに対して許される最大出力値を示す最大許可出力値を算出するとともに、バッテリ上限保護温度とバッテリ最大温度との差分に基づいて、最大許可出力値に乗算する重みを示す出力減衰係数を算出する。そして、出力制御手段30は、出力抑制判断手段20から受信した判断結果に基づいて、最大許可出力値および最大許可出力値に出力減衰係数を乗算した値(高温時出力抑制値)のいずれかを出力値(リミット値)として出力する。
【0016】
なお、出力制御手段30から出力される出力値は、出力要求(例えば、アクセルの踏み込み)を満足するように放電しようとするとその出力値を超えてしまうときに、出力制限を掛けるためのリミット値として用いられる。そして、出力要求が出力値を超えないときには、出力制限が掛からず、要求通りに出力されることになる。つまり、出力要求が出力値を超えない場合には、出力抑制判断手段20において出力抑制を行うと判断されていたとしても、出力制限がかからない。
【0017】
ここで、バッテリ最大温度(後記する式(1)におけるTmax)について説明をする。バッテリは、単位電池を複数直列に接続して構成したモジュールを、さらに複数直列に接続して構成されている。そして、バッテリの温度は、一般的に、モジュールごとに測定されている。すなわち、バッテリ最大温度は、複数のモジュールの中で、最大の温度を意味している。なお、測定されたモジュールの温度から、個々の単位電池の温度を推定し、その推定温度の中で最高の温度をバッテリ最大温度として用いても構わない。
【0018】
次に、バッテリ最終到達温度推定手段10における、バッテリ推定最終到達温度の算出方法の一例について説明する(適宜、図1参照)。
バッテリ推定最終到達温度は、次式(1)によって推定することができる。なお、式(1)中の発熱上昇温度[℃]は、式(2)〜(6)を用いて算出可能である。
【0019】
end[℃]=Tmax[℃]+発熱上昇温度[℃] ・・式(1)
発熱上昇温度[℃]=((抵抗発熱量[W]−冷却能力[W])×出力時間[s])
/Mbatt[J/K] ・・式(2)
抵抗発熱量[W]=(Pmax[W]/Vave[V])×Rbatt[Ω] ・・式(3)
冷却能力[W]=Kbox[W/K]×(Tmax[℃]−Tair[℃]) ・・式(4)
出力時間[s]=バッテリ残容量[Wh]/Pmax[W] ・・式(5)
バッテリ残容量[Wh]=Cbatt[Ah]×SOC[%]×Vave[V]・・式(6)
ただし、
end:バッテリ推定最終到達温度[℃]
max:バッテリ最大温度[℃]
batt:バッテリ熱容量[J/K]
max:想定最大出力時の単位電池あたりの負荷[W]
ave:バッテリ平均電圧[V]
batt:バッテリ抵抗値[Ω]
box:バッテリボックス冷却係数[W/K]
air:吸気温度[℃]
batt:バッテリ全容量[Ah]
SOC(State of Charge):バッテリ充電深度[%]
【0020】
上記式(1)は、現在のバッテリ最大温度Tmaxに、想定最大出力でバッテリの残容量を使い果たしたときの発熱上昇温度を加算してバッテリ推定最終到達温度Tendを算出する。
また、式(2)は、式(3)を用いて算出した想定最大出力時の抵抗発熱量(請求項に記載の発熱量)から、式(4)を用いて算出した冷却能力を減算して差分を算出し、その差分に出力時間を乗算して発熱容量を算出し、その発熱容量をバッテリ熱容量Mbatt(請求項に記載の熱容量)で除算して、発熱上昇温度を算出することを表している。つまり、バッテリの残容量を、想定最大出力で(例えば、最速で)使い果たしたときに、バッテリの温度が何度になるかが推定できればよい。
【0021】
なお、式(1)に示すバッテリ推定最終到達温度Tendの算出に用いる変数は、公知のバッテリの抵抗値推定手段、SOC推定手段、全容量推定手段、冷却能力算出手段を用いて算出することができる。
例えば、抵抗値推定手段については、逐次最小二乗法を用いて、電圧と電流の挙動に基づいて推定する手段等がある。
また、SOC推定手段については、電流積算に基づいて推定する手段、または、推定抵抗を用いてバッテリのOCV(Open Circuit Voltage;開回路電圧)を求め、SOC−OCV相関に基づいてSOCを求める手段等がある。
全容量推定手段については、充電前後のOCVに基づいてSOC変化分を算出し、充電に要した電気量を、そのSOC変化分で除算することによって求める手段等がある。
冷却能力算出手段については、ファンの回転数と冷却能力との関係を実測しておき、ファンの回転数から冷却能力を算出する手法等がある。
【0022】
なお、バッテリ最終到達温度推定手段10では、前記式(2)を用いる代わりに、発熱上昇温度を、バッテリの残容量および内部抵抗によって関連付けられた表を検索することによって求めても構わない。
【0023】
次に、出力抑制判断手段20における、出力抑制の判断方法の一例について説明する(適宜、図1参照)。
出力抑制判断手段20は、バッテリ最終到達温度推定手段10から受信したバッテリ推定最終到達温度と、図示しない記憶部に記憶されているバッテリ上限保護温度とを、比較器21によって比較する。出力抑制判断手段20は、判断結果として、バッテリ推定最終到達温度がバッテリ上限保護温度より小さい場合、出力抑制を回避する(実行しない)ことを意味する高温時出力抑制不要フラグを「1」に設定し、出力制御手段30に送信する。また、出力抑制判断手段20は、判断結果として、バッテリ推定最終到達温度がバッテリ上限保護温度以上の場合、出力抑制を実行することを意味する高温時出力抑制不要フラグを「0」に設定し、出力制御手段30に送信する。
【0024】
次に、出力制御手段30における、バッテリの出力値の算出方法の一例について説明する(適宜、図1参照)。
出力制御手段30において、出力抑制を実行する手段(以降、高温時出力抑制と称す。)は、特にその方法を限定するものではないが、バッテリ上限保護温度からバッテリ最大温度を減算する減算器31を介して算出した差分を用いて、その差分に対応する出力減衰係数を求める。出力減衰係数は、図1中に示すようなグラフ(出力減衰係数算出マップ)から求めることができる。なお、図1中に示したグラフは、差分が大きく(小さく)なるに従って、出力減衰係数が大きく(小さく)なる特性を有している。また、出力減衰係数は、グラフから求める代わりに、関数に基づいて算出されても良い。
【0025】
出力制御手段30は、バッテリ最大許可出力算出器34によって算出される出力抑制を実行しないときの最大出力値を示す最大許可出力値と、乗算器32を介して前記最大許可出力値に出力減衰係数を乗算した高温時出力抑制値とを算出する。そして、出力制御手段30は、選択手段33を介して、高温時出力抑制不要フラグが「1」の場合(出力抑制を実行しない場合)には最大許可出力値を出力値として出力する。また、出力制御手段30は、選択手段33を介して、高温時出力抑制不要フラグが「0」の場合(出力抑制を実行する場合)には高温時出力抑制値を出力値として出力する。なお、高温時出力抑制値は高温時出力抑制不要フラグが「0」となった際に、最大許可出力値から毎演算処理ごとに規定出力分を減算して制限をかけてもよい。この際の減算に用いる規定出力はバッテリ上限保護温度からバッテリ最大温度を減算して算出した差分からマップ参照してもよいが、固定値でもよい。すなわち出力制御手段30では高温時出力抑制不要フラグが「0」となり、出力抑制を実行する際に最大許可出力値を減少させてバッテリの発熱を抑制できればよく、その手段を特定するものではない。
【0026】
なお、最大許可出力値は、バッテリ最大許可出力算出器34において、特に算出方法を限定されるものではないが、バッテリの推定内部抵抗値および推定OCVを用いて算出可能である。例えば、最大許可出力値は、式(7)によって算出可能である。
【0027】
最大許可出力値[W]=Vmin[V]×(eOCV[V]−Vmin[V])
/eRbatt[Ω]×n ・・式(7)
ただし、
min:バッテリ下限電圧[V]
eOCV:推定OCV[V]
eRbatt:推定内部抵抗値[Ω]
n:バッテリ本数
【0028】
なお、最大許可出力値は、固定値であっても良い。
【0029】
次に、電池保護装置1における処理フローの一例について、図2を用いて説明する(適宜、図1参照)。
【0030】
ステップS201では、バッテリ最終到達温度推定手段10は、バッテリ推定最終到達温度を算出する。
【0031】
ステップS202では、出力制御手段30のバッテリ最大許可出力算出器34は、バッテリの最大許可出力値を算出する。なお、最大許可出力値は、固定値であっても良い。
【0032】
ステップS203では、出力抑制判断手段20は、バッテリ推定最終到達温度がバッテリ上限保護温度より小さいか否かを判断する。そして、出力抑制判断手段20は、バッテリ推定最終到達温度がバッテリ上限保護温度より小さい場合(ステップS203でYes)、出力抑制が不要であるので、高温時出力抑制不要フラグを「1」に設定し、出力制御手段30へ送信する。また、出力抑制判断手段20は、バッテリ推定最終到達温度がバッテリ上限保護温度以上の場合(ステップS203でNo)、出力抑制が必要であるので、高温時出力抑制不要フラグを「0」に設定し、出力制御手段30へ送信する。なお、高温時出力抑制不要フラグは、出力抑制の要不要を識別できるものであれば、「1」や「0」に限られず、文字や記号であっても構わない。
【0033】
ステップS203で、バッテリ推定最終到達温度がバッテリ上限保護温度より小さい場合(ステップS203でYes)、ステップS204では、出力制御手段30は、最大許可出力値を出力する。そして、処理は、ステップS201へ戻る。
【0034】
ステップS203で、バッテリ推定最終到達温度がバッテリ上限保護温度以上の場合(ステップS203でNo)、ステップS205では、出力制御手段30は、バッテリ上限保護温度からバッテリ最大温度を減算して、差分を算出する。
【0035】
ステップS206では、出力制御手段30は、出力減衰係数算出マップ(図1参照)を参照して、差分に対応する出力減衰係数を取得する。
【0036】
ステップS207では、出力制御手段30は、最大許可出力値に出力減衰係数を乗算した値(高温時出力抑制値)を出力する。そして、処理は、ステップS201へ戻る。
【0037】
以上、本実施形態における電池保護装置1は、図1に示すように、バッテリ最終到達温度推定手段10、出力抑制判断手段20、出力制御手段30を備える。バッテリ最終到達温度推定手段10は、電動自動車において想定される最大出力走行時においてバッテリの残容量と内部抵抗値とから推定されるバッテリ推定最終到達温度を算出する。そして、出力抑制判断手段20において、バッテリ推定最終到達温度が、バッテリ上限保護温度より低いと判断できた場合、出力制御手段30において出力抑制を行わない。これによって、そもそもバッテリの残容量が少なく、想定最大出力でバッテリを使い果たしても、バッテリの温度が、バッテリ上限保護温度を超える可能性がないような場合に、バッテリ上限保護温度よりも手前から不必要に出力制限を行うことを回避することができ、電動自動車の走行商品性を向上させることができる。
【0038】
また、不要な出力抑制を回避することができるので、バッテリを最大限に使いきることができ、走行距離を増加させることができる。さらに、本実施形態においては、残走行距離は、実際のバッテリ残容量そのままの値を表示すれば良いため、従来技術のように、バッテリの残容量を容量計に表示するときに表示値を少なく表示してユーザを混乱させる虞がない。また、本実施形態においては、出力抑制判断手段20の判断結果に基づいて上限保護温度を超えないように制御しているので、電池の保護が可能になっている。
【0039】
また、出力制御手段30は、バッテリ上限保護温度とバッテリ最大温度との差分に基づいて、バッテリの出力を抑制する出力減衰係数を算出する。すなわち、本実施形態における電池保護装置1は、特定の温度に到達すると急激に出力をゼロに抑制してしまうのではなく、電池の温度に依存して、出力減衰係数を変化させる。そのため、出力抑制にともなうユーザの違和感を軽減することができる。
【0040】
また、本実施形態では、出力抑制判断手段20は、出力抑制を実行しないときには高温時出力抑制不要フラグを「1」、出力抑制を実行するときには高温時出力抑制不要フラグを「0」を、出力制御手段30に送信していた。しかし、出力抑制判断手段20は、出力抑制を実行しないときにだけ、高温時出力抑制不要フラグを「1」を出力制御手段30に送信しても良い。この場合には、出力制御手段30の選択手段33は、高温時出力抑制不要フラグを「1」を受け付けたときだけ、最大許可出力値を選択し、それ以外では、高温時出力抑制値を選択するようにすれば良い。
【0041】
また、燃料電池車(FC車)においても、二次電池(バッテリ)によるEV走行がありえるため、燃料電池車にこの技術を適用しても良い。
【符号の説明】
【0042】
10 バッテリ最終到達温度推定手段
20 出力抑制判断手段
30 出力制御手段
33 選択手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の温度が高い場合に前記電池の出力を抑制する電池保護装置であって、
前記電池の現在の残容量を使い切ったときに到達する、前記電池の最終到達温度を推定する最終到達温度推定手段と、
前記最終到達温度と温度閾値とを比較し、前記電池の出力を抑制するか否かを判断する出力抑制判断手段と、
前記出力抑制判断手段により前記最終到達温度が前記温度閾値より低いと判断された場合、前記電池の出力の抑制を回避し、前記最終到達温度が前記温度閾値以上と判断された場合、前記電池の出力を抑制する出力制御手段と
を備えることを特徴とする電池保護装置。
【請求項2】
前記最終到達温度推定手段は、前記最終到達温度を、少なくとも、前記電池の発熱量、冷却能力、および出力時間に基づいて算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の電池保護装置。
【請求項3】
前記最終到達温度推定手段は、前記最終到達温度を、さらに、前記電池の熱容量に基づいて算出する
ことを特徴とする請求項2に記載の電池保護装置。
【請求項4】
前記最終到達温度推定手段は、前記最終到達温度を、複数の前記電池の中で最も高い温度の電池を基に算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の電池保護装置。
【請求項5】
前記出力制御手段は、前記電池の出力を抑制する場合、前記温度閾値から前記電池の温度を減算して差分を算出し、その差分が小さくなるに従って前記電池の出力を小さくする
ことを特徴とする請求項1に記載の電池保護装置。
【請求項6】
電池の温度が高い場合に前記電池の出力を抑制する電池保護装置において用いられる電池保護方法であって、
前記電池保護装置は、
前記電池の現在の残容量を使い切ったときに到達する、前記電池の最終到達温度を推定する最終到達温度推定ステップと、
前記最終到達温度と温度閾値とを比較し、前記電池の出力を抑制するか否かを判断する出力抑制判断ステップと、
前記出力抑制判断ステップにより前記最終到達温度が前記温度閾値より低いと判断された場合、前記電池の出力の抑制を回避し、前記最終到達温度が前記温度閾値以上と判断された場合、前記電池の出力を抑制する出力制御ステップと
を実行することを特徴とする電池保護方法。
【請求項7】
前記最終到達温度推定ステップでは、前記最終到達温度を、少なくとも、前記電池の発熱量、冷却能力、および出力時間に基づいて算出する
ことを特徴とする請求項6に記載の電池保護方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−109069(P2012−109069A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255612(P2010−255612)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】