説明

電池端子機能を有する安全素子、電池及び組電池

【課題】電池内部の温度が過度に上昇した場合に、簡易な構造で電流を遮断することができる電池端子機能を有する安全素子を提供する。
【解決手段】電池10の正極板と電気的に接続される端子202を備える電池端子機能を有する正極安全素子200であって、発電要素120の正極板と端子202との間に配置され、正極安全素子200が電池10の本体部100の近傍に備えられることにより、所定温度以上の温度で融解して当該正極板と端子202とを絶縁させる低融点部材204を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池もしくは組電池に電気的に接続される電池端子機能を有する安全素子、当該安全素子を備える電池または組電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、世界的な環境問題への取り組みとして、自動車の電動化が加速している。このような流れの一環として、従来のガソリン自動車からハイブリッド自動車または電気自動車等の次世代自動車への転換が推進されている。このような次世代自動車用の電池には、高いエネルギー密度を持つとともに、安全性の高い電池が求められている。
【0003】
しかし、このような高いエネルギー密度を持つ電池においては、過充電、異物による内部短絡、外部短絡による過剰な大電流放電などにより、電池が異常な発熱を起こす不具合事象に至る場合もありうる。このような不具合事象による影響を最小限にするためには、異常な状態となった電池及びその近傍の電池への電流を遮断することが必要である。
【0004】
このため、従来、過充電などによる電池内部の過度の温度上昇に対して、当該温度上昇を感知して電流を遮断する電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この電池では、電池内部の異常温度上昇時に、電池内の温度感知部材から溶融部材に熱輸送され、当該溶融部材が溶融することによりバネのタガが外れ、端子と電極との接続部材を移動させることで、給電回路が遮断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−182675号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の電池では、電池内部の温度が過度に上昇した場合において、電流を遮断するための構造が複雑であるという問題がある。
【0007】
つまり、上記従来の電池では、温度感知部材から溶融部材に熱を伝達し、溶融部材が溶融することで、端子と電極との接続部材をバネの付勢力で移動させ、電流を遮断する構成であるため、構造が非常に複雑である。そして、当該電池内の構造が複雑であれば、電池の小型化が困難であり、また、コストが増加したり、電流を遮断した後に再短絡を招いたりするおそれもある。さらに、上記構成では、接続部を低抵抗にすることが困難であるため、高い入出力特性が求められる自動車用の電池には適さないという問題もある。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、電池や組電池の場合には、当該電池が異常に発熱した場合や周囲の電池の温度が過度に上昇した場合に、簡易な構造で当該電池及びその近傍の電池の電流を遮断することができる電池端子機能を有する安全素子、電池及び組電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る電池端子機能を有する安全素子は、電池の正極板または負極板と電気的に接続される端子を備える電池端子機能を有する安全素子であって、前記正極板または負極板と前記端子との間に配置され、前記安全素子が前記電池の本体部の近傍に備えられることにより、所定温度以上の温度で融解して前記正極板または負極板と前記端子とを絶縁させる低融点部材を備える。
【0010】
つまり、当該電池端子機能を有する安全素子は、電池の正極板または負極板と安全素子に備えられた端子とが電気的に接続されるとともに、電池内部の温度の過度な上昇に付随して安全素子の温度が上昇するように、電池本体の近傍、さらに言えば電池電極の近傍に備えられることにより、所定温度以上の温度で融解して正極板または負極板と安全素子の端子とを絶縁させる低融点部材を備える。
【0011】
これによれば、安全素子の温度が所定温度以下では、正極板または負極板と安全素子の端子とは電気的に接続されているが、安全素子が所定温度以上になると、安全素子に備えられた低融点部材が融解することによって、安全素子内の電気的接続が遮断され、正極板または負極板と安全素子の端子とが電気的に遮断され絶縁される。つまり、電池端子機能を有する安全素子は、正極板または負極板と安全素子の端子とを電気的に接続する低融点部材を備えている構成であり、構造が簡易である。また、電池内部の温度が過度に上昇した場合に、低融点部材が所定温度以上の温度になることで融解して、当該正極板または負極板と当該安全素子の端子とを絶縁させる。これにより、当該電池端子機能を有する安全素子は、電池内部の温度が過度に上昇した場合に、簡易な構造で電流を遮断することができる。
【0012】
このように電流を遮断することで、過充電、外部短絡による過剰な大電流放電などの不具合事象にも効果を発揮する。また、異物による内部短絡の場合には本安全素子によって直ちに電池を安全化することは困難ではあるが、本安全素子が作用することによって電池間の接続が遮断されるため、不具合事象のある電池からの異常発熱によって周囲の電池に安全素子を介して伝熱することを防止できる。さらに、組電池の場合には、周囲の電池で当該不具合事象やその他の異変が生じた際にも、それらの事象が周りに連鎖することを抑制し、組電池の安全を確保することができる。例えば、何らかの要因で組電池中の電池が機能しなくなり、その周囲の電池に電流が集中し、電池が過剰に発熱する事態が発生したとしても、その電池の電流を遮断することで、当該組電池の安全を確保することができる。
【0013】
また、好ましくは、さらに、前記低融点部材が融解することにより前記正極板または負極板と前記端子とが絶縁された後に、再度電気的に接続されるのを防止する再短絡防止部を備える。
【0014】
これによれば、電池端子機能を有する安全素子は、低融点部材の融解によって、正極板または負極板と安全素子の端子とが電気的に遮断され絶縁された後に、再度電気的に接続されるのを防止することができる。
【0015】
また、好ましくは、前記再短絡防止部は、前記低融点部材の融解物を吸収する融解物吸収部であり、前記融解物吸収部は、前記低融点部材が融解した際に前記低融点部材の融解物を吸収することにより、前記正極板または負極板と前記端子との絶縁状態を維持し、再度電気的に接続されるのを防止する。
【0016】
これによれば、電池端子機能を有する安全素子は、低融点部材が配置されている位置の近傍に融解物吸収部を配置するという簡易な構造で、正極板または負極板と安全素子の端子とが電気的に遮断され絶縁された状態を維持し、再度電気的に接続されるのを防止することができる。これにより、当該電池端子機能を有する安全素子は、電池内部の温度が過度に上昇した場合に、低融点部材によって電流を遮断した後に、簡易な構造で当該電流を遮断し続けることができる。
【0017】
また、好ましくは、前記再短絡防止部は、前記低融点部材の融解物を溜める空間が形成された溜部であり、前記溜部は、前記低融点部材が融解した際に前記低融点部材の融解物を溜めることにより、前記正極板または負極板と前記端子との絶縁状態を維持し、再度電気的に接続されるのを防止する。
【0018】
これによれば、電池端子機能を有する安全素子は、低融点部材の近傍に溜部を形成するという簡易な構造で、正極板または負極板と安全素子の端子とが電気的に遮断され絶縁された状態を維持し、再度電気的に接続されるのを防止することができる。
【0019】
また、好ましくは、前記再短絡防止部は、前記低融点部材が配置される空間を仕切る仕切部であり、前記仕切部は、前記低融点部材が融解した際に、仕切った空間に前記低融点部材の融解物を保持させることにより、前記正極板または負極板と前記端子との絶縁状態を維持し、再度電気的に接続されるのを防止する。
【0020】
これによれば、電池端子機能を有する安全素子は、低融点部材の周囲に仕切部を配置するという簡易な構造で、正極板または負極板と安全素子の端子との絶縁状態を維持し、再度電気的に接続されるのを防止することができる。
【0021】
また、好ましくは、前記仕切部は、前記低融点部材の断面形状よりも小さい孔が形成された弾性部材であり、前記低融点部材は、前記仕切部の当該孔に挿入されて配置される。
【0022】
これによれば、電池端子機能を有する安全素子は、低融点部材が融解しても、その融解物が仕切部の孔から落下するのを抑制し、当該仕切部で仕切った空間に保持させることができる。これにより、当該電池端子機能を有する安全素子は、低融点部材によって電流を遮断した後に、正極板または負極板と安全素子の端子との絶縁状態を維持し、再度電気的に接続されるのを防止することができる。
【0023】
また、好ましくは、前記再短絡防止部は、前記低融点部材の融解物を前記電池端子機能を有する安全素子の外方へ排出する排出部であり、前記排出部は、前記低融点部材が融解した際に前記低融点部材の融解物を前記電池端子機能を有する安全素子の外方へ排出することにより、前記正極板または負極板と前記端子との絶縁状態を維持し、再度電気的に接続されるのを防止する。
【0024】
これによれば、電池端子機能を有する安全素子は、低融点部材の近傍に当該融解物を排出する孔を形成するという簡易な構造で、正極板または負極板と安全素子の端子との絶縁状態を維持し、再度電気的に接続されるのを防止することができる。
【0025】
また、好ましくは、さらに、前記電池の本体部と機械的に接合される接合部を備える。
【0026】
これによれば、電池端子機能を有する安全素子は、電池の本体部とは別体で構成され、備えられた接合部により当該本体部と機械的に接合される。ここで、電池の本体部と当該安全素子とを一体に形成する場合、当該安全素子を製造した後に、当該安全素子と当該本体部とを溶接するなど当該安全素子に熱がかかるような工程が必要となることから、当該安全素子の低融点部材が融解してしまうおそれがある。このため、当該安全素子と当該本体部とを別体で構成し、当該安全素子と当該本体部とを、かしめ接合など機械的に接合することで、当該安全素子の低融点部材が融解するのを防ぐことができる。
【0027】
また、好ましくは、前記接合部は、前記電池の本体部とネジ締めにより接合される。
【0028】
これによれば、電池端子機能を有する安全素子は、電池の本体部の一部である電池電極(電池電極端子)とネジ締めにより接合される。これにより、当該安全素子と当該本体部とを別体で構成し、当該安全素子と当該本体部とを接合する場合であっても、接合時に熱がかかることがなく、当該安全素子の低融点部材が融解するのを防ぐことができる。
【0029】
また、好ましくは、さらに、前記低融点部材を覆う断熱性の部材を備える。
【0030】
これによれば、電池端子機能を有する安全素子は、断熱材を備えており、当該断熱材は、ハウジングの外壁の周囲に配置される、あるいは、ハウジングの構成部材とすることにより、電池内部から低融点部材へと伝えられた熱がハウジングから外部に放熱されることを防止する。これにより、電池端子機能を有する安全素子は、電池内部から当該安全素子への伝熱により電池温度との差がより少ない状態で低融点部材を加熱する事が可能となるため、電池内部の温度が過度に上昇した場合に、より精度よく低融点部材が融解し、電流を遮断することができる。
【0031】
また、上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る電池は、正極側及び負極側の少なくとも一方に、電池端子機能を有する安全素子を備える。
【0032】
これによれば、電池は、正極側及び負極側の少なくとも一方に、低融点部材を有する電池端子機能を有する安全素子を備えている。これにより、電池内部の温度が過度に上昇した場合に、低融点部材が所定温度以上の温度になることで融解して、正極板または負極板と安全素子の端子とを絶縁させる。これにより、当該電池は、電池内部の温度が過度に上昇した場合に、簡易な構造で電流を遮断することができる。
【0033】
また、上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る電池は、正極側及び負極側の少なくとも一方に配置された電池端子機能を有する安全素子と、前記電池端子機能を有する安全素子から排出される前記低融点部材の融解物を溜めるプールとを備える。
【0034】
これによれば、電池は、電池内部の温度が過度に上昇した場合に、低融点部材が所定温度以上の温度になることで融解して、正極板または負極板と安全素子の端子とを絶縁させる。また、当該電池は、低融点部材の近傍に当該融解物を排出する孔を形成するとともに、排出された当該融解物を溜めるプールを備えるという簡易な構造で、当該電池電極と当該安全素子の端子との絶縁状態を維持し、当該電池電極と当該安全素子の端子とが再度電気的に接続されるのを防止することができる。これにより、当該電池は、電池内部の温度が過度に上昇した場合に、簡易な構造で電流を遮断し、また、簡易な構造で当該電流を遮断し続けることができる。
【0035】
なお、本発明は、このような電池端子機能を有する安全素子または電池として実現することができるだけでなく、当該電池を少なくとも1つ備えた組電池として実現することもできる。
【発明の効果】
【0036】
本発明によると、リチウムイオン電池などの電池の電池端子機能を有する安全素子において、電池内部の温度が過度に上昇した場合に、簡易な構造で電流を遮断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施の形態1に係る電池の外観を模式的に示す斜示図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係る電池の内部の構造を模式的に示す斜示図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る正極安全素子の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る融解物吸収部材の機能を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態2に係る正極安全素子の構成を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態3に係る正極安全素子の構成を示す図である。
【図7A】本発明の実施の形態3の変形例に係る正極安全素子の構成を説明するための図である。
【図7B】本発明の実施の形態3の変形例に係る正極安全素子が備える仕切部材の構成を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態4に係る正極安全素子の構成を示す図である。
【図9A】本発明の実施の形態5に係る正極安全素子の構成を示す図である。
【図9B】本発明の実施の形態5に係る正極安全素子の構成を示す図である。
【図9C】本発明の実施の形態5に係る正極安全素子の構成を示す図である。
【図10A】本発明の実施の形態6に係る正極安全素子の構成を示す図である。
【図10B】本発明の実施の形態6に係る正極安全素子の構成を示す図である。
【図10C】本発明の実施の形態6に係る正極安全素子の構成を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態7に係る正極安全素子及び電池の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲だけによって限定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0039】
(実施の形態1)
まず、電池10の構成について、説明する。
【0040】
図1は、本発明の実施の形態1に係る電池10の外観を模式的に示す斜示図である。
【0041】
図2は、本発明の実施の形態1に係る電池10の内部の構造を模式的に示す斜示図である。
【0042】
電池10は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。つまり、電池10は、例えば、正極がコバルト酸リチウムなどのリチウム遷移金属酸化物、負極が炭素材料の二次電池である。なお、電池10は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池、または乾電池などの一次電池であってもよい。
【0043】
まず、図1に示すように、電池10は、本体部100と、正極安全素子200と、負極安全素子300とを備えている。また、図2に示すように、本体部100の内方には、発電要素120と、正極集電部材130と、負極集電部材140とが配置されている。なお、電池10の本体部100の内部には電解液などの液体が封入されるが、当該液体の図示は省略する。
【0044】
本体部100は、発電要素120、正極集電部材130及び負極集電部材140を内部に備える矩形箱状の部材であり、矩形状のふた板110を備えている。つまり、本体部100は、金属からなる矩形筒状で底を備える筐体本体である電池容器101と、当該筐体本体の開口を閉塞する金属製のふた板110とで構成されている。なお、電池容器101は、発電要素120等を内部に収容後、ふた板110と筐体本体とが溶接等されることにより、内部を密封することができるものとなっている。
【0045】
発電要素120は、詳細な図示は省略するが、正極板と負極板とセパレータとを備え、電気を蓄えることができる部材である。負極板は、銅箔からなる長尺帯状の負極集電体シートの表面に負極活物質層が形成されたものである。正極板は、アルミニウム箔からなる長尺帯状の正極集電体シートの表面に正極活物質層が形成されたものである。セパレータは、樹脂からなる微多孔性のシートである。そして、発電要素120は、負極板と正極板との間にセパレータが挟み込まれるように層状に配置されたものを全体が長円形状となるように巻き回されて形成されている。
【0046】
正極集電部材130は、発電要素120の正極板と電池容器101の側壁との間に配置され、正極(正極端子)と発電要素120の正極板とを電気的に接続する導電性と剛性とを備えた部材である。つまり、正極集電部材130は、正極端子と発電要素120の正極板とを結ぶ部材である。また、負極集電部材140は、発電要素120の負極板と電池容器101の側壁との間に配置され、負極(負極端子)と発電要素120の負極板とを電気的に接続する導電性と剛性とを備えた部材である。つまり、負極集電部材140は、負極(負極端子)と発電要素120の負極板とを結ぶ部材である。
【0047】
正極安全素子200は、正極(正極端子)に電気的に接続された電池端子機能を有する安全素子であり、負極安全素子300は、負極(負極端子)に電気的に接続された負極の電池端子機能を有する安全素子である。つまり、正極安全素子200及び負極安全素子300は、発電要素120に蓄えられている電気を本体部100の外部空間に導出し、また、発電要素120に電気を蓄えるために本体部100の内部空間に電気を導入するための端子部であり、電流を遮断する機能も有する。この正極安全素子200及び負極安全素子300の構成の詳細な説明については、後述する。
【0048】
次に、正極安全素子200の構成について、詳細に説明する。なお、負極安全素子300の構成についても、正極安全素子200の構成と同様であるため、負極安全素子300の構成の詳細な説明は、省略する。
【0049】
図3は、本発明の実施の形態1に係る正極安全素子200の構成を示す図である。具体的には、同図は、図2に示された電池10の正極安全素子200の部分を縦方向に切断した場合の断面図である。
【0050】
同図に示すように、正極安全素子200は、本体部100のふた板110から突出した正極112に着脱可能に接続される構成になっている。具体的には、正極安全素子200は、第一導電性部材201、端子202、第二導電性部材203、低融点部材204、融解物吸収部材205、ハウジング206及び接合部207を備えている。
【0051】
第一導電性部材201は、正極112に当接することで、正極112と電気的に接続される導電性の部材である。つまり、第一導電性部材201は、正極112及び正極集電部材130を介して、発電要素120の正極板に電気的に接続される。なお、第一導電性部材201は、ふた板110とは絶縁されている。
【0052】
端子202は、発電要素120の正極板に、電気的に接続される端子である。具体的には、端子202は、正極集電部材130、正極112、第一導電性部材201、後述の低融点部材204及び後述の第二導電性部材203を介して、発電要素120の正極板に電気的に接続される。
【0053】
第二導電性部材203は、端子202に電気的に接続された導電性の部材である。具体的には、第二導電性部材203は、ネジ孔が形成された金属板であり、第二導電性部材203に端子202がネジ込まれることによって、第二導電性部材203に端子202が接続されている。
【0054】
低融点部材204は、発電要素120の正極板と端子202との間に配置され、正極安全素子200が電池10の本体部100の近傍に備えられることにより、所定温度以上の温度で融解して当該正極板と端子202とを絶縁させる部材である。
【0055】
具体的には、低融点部材204は、発電要素120の正極板または当該正極板に電気的に接続された第一導電性部材201に当接するとともに、端子202または端子202に電気的に接続された第二導電性部材203に当接することで、当該正極板と端子202とを電気的に接続する導電性の部材である。同図では、低融点部材204は、第一導電性部材201に当接するとともに、第二導電性部材203に当接することで、正極安全素子200が本体部100に接続された状態で、発電要素120の正極板と端子202とを電気的に接続する。
【0056】
また、低融点部材204は、所定温度以上の温度で融解して当該正極板と端子202とを絶縁させる機能を有している。つまり、電池10への過充電などの異常時に熱が発生し、当該熱が正極集電部材130及び第一導電性部材201を通じて低融点部材204に伝わることで、低融点部材204が融解し、発電要素120の正極板と端子202との接続が物理的に遮断される。この結果、電池10への外部からのエネルギー供給(充電)を停止させることができる。
【0057】
ここで、上記の所定温度は、電池10の内部で異常温度上昇が生じた場合に発電要素120のセパレータが融解する前に低融点部材204が融解するように設定されるのが好ましい。つまり、当該所定温度は、当該セパレータが融解する温度に、低融点部材204に電流が流れることで発生するジュール熱による温度上昇を加味して設定される。
【0058】
具体的には、低融点部材204は、70〜150度で溶解する合金であるのが好ましく、一例として、はんだ(低温はんだ)が挙げられる。なお、低融点部材204には、塩酸などのフラックス剤が混合または塗布されていてもよい。これにより、低融点部材204が融解した場合に、融解物の表面張力を低下させ、発電要素120の正極板と端子202との接続を容易に遮断させることができる。
【0059】
融解物吸収部材205は、低融点部材204の融解物を吸収する部材であり、第一導電性部材201に接続されている。具体的には、低融点部材204がはんだの場合には、融解物吸収部材205は、はんだの溶融物を吸収するはんだ吸い取り線である。なお、融解物吸収部材205は、はんだ吸い取り線には限定されない。
【0060】
図4は、本発明の実施の形態1に係る融解物吸収部材205の機能を説明するための図である。
【0061】
同図の(a)に示すように、通常状態であれば、低融点部材204は融解されずに、発電要素120の正極板と端子202とが電気的に接続されている。これに対し、電池10の内部で過度の温度上昇が生じた場合には、低融点部材204が所定温度以上になり、融解する。
【0062】
この場合、同図の(b)に示すように、融解物吸収部材205は、低融点部材204が融解した際に低融点部材204の融解物204aを吸収することにより、発電要素120の正極板と端子202との絶縁状態を維持し、当該正極板と端子202とが再度電気的に接続されるのを防止する。
【0063】
つまり、融解物吸収部材205は、低融点部材204が融解することにより正極板と端子202とが絶縁された後に、正極板と端子202とが再度電気的に接続されるのを防止する再短絡防止部としての機能を有する。
【0064】
このように、正極安全素子200は、このような融解物吸収部材205を備えることで、正極板と端子202との再接続を確実に防止し、また、電池10の設置方向に依存せず、電池性能に影響を与えず、温度や振動などのその他の使用環境への耐性を有し、コストの増加を招かない構造を実現することができる。さらに、正極安全素子200は、正極板と端子202とが直列に接続されているため、電池の通常使用時においては抵抗が小さく、大電流通電時にも正極安全素子200の発熱による電流ロスを少なくすることができる。
【0065】
図3に戻り、接合部207は、本体部100と機械的に接合される部位である。つまり、接合部207は、正極安全素子200を本体部100に取り付けるための取付部材として機能する。具体的には、接合部207は、ネジ穴が形成されており、ネジ山が形成された正極112とネジ締めにより接合される。なお、接合部207は、かしめ接合によって本体部100と接合されることにしてもよい。
【0066】
ハウジング206は、正極安全素子200のハウジングである。具体的には、ハウジング206は、第一導電性部材201、第二導電性部材203、低融点部材204及び融解物吸収部材205を覆う絶縁性と断熱性とを備えた囲いである。つまり、ハウジング206を介しては、第一導電性部材201と第二導電性部材203とは電気的に導通されていないため、低融点部材204の融解によって第一導電性部材201と第二導電性部材203とを絶縁することができる。
【0067】
また、ハウジング206は、正極安全素子200を本体部100にネジ締めする際に、当該ネジ締めが容易なように、少なくとも一対の平行な側壁を有している。ここでは、ハウジング206は、図1または図2に示したように、前後には1対の平行な側壁を備え、左右には1対の円弧形状の側壁を有している。
【0068】
なお、ハウジング206には、正極安全素子200を本体部100にネジ締めすることができる程度の強度が必要であるため、低融点部材204の融解によって第一導電性部材201と第二導電性部材203とを絶縁することができるのであれば、ハウジング206の全部が絶縁性の材料で形成されていなくともよく、一部が金属などの導電性部材で構成されていてもよい。
【0069】
また、ハウジング206の材質は特に限定されないが、絶縁性、耐熱性、断熱性、耐久性、加工性等を考慮して選択することが好ましい。
【0070】
具体的には、ハウジング206の材質としては、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PEI(ポリエーテルイミド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)、PC(ポリカーボネート)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレンポリ四フッ化エチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVF(ポリフッ化ビニル)、ナイロン、フェノール樹脂等が挙げられる。
【0071】
また、ハウジング206は周囲が断熱材で覆われており、電池内部から安全素子に伝わった熱が、ハウジング206から外部に放熱されるのを防ぐことで、電池温度との差がより少ない状態で低融点部材を加熱する事が可能となるため、電池内部の温度が過度に上昇した場合に、より精度よく低融点部材が融解し、電流を遮断することができる。
【0072】
なお、ハウジング206自体が断熱材を含有する材質で構成されていてもよい。
【0073】
以上のように、本発明の実施の形態1に係る正極安全素子200によれば、正極板または正極板に電気的に接続された第一導電性部材201に当接するとともに、端子202または端子202に電気的に接続された第二導電性部材203に当接することで、正極板と端子202とを電気的に接続する導電性の部材であって、所定温度以上の温度で融解して正極板と端子202とを絶縁させる低融点部材204を備えている。つまり、正極安全素子200は、正極板と端子202とを電気的に接続する低融点部材204を備えている構成であり、構造が簡易である。また、電池内部の温度が過度に上昇した場合に、低融点部材204が所定温度以上の温度になることで融解して、正極板と端子202とを絶縁させる。これにより、正極安全素子200は、電池内部の温度が過度に上昇した場合に、簡易な構造で電流を遮断することができる。
【0074】
このように、正極安全素子200によって電流を遮断することで、過充電、異物による内部短絡、外部短絡による過剰な大電流放電などの不具合事象にも効果を発揮する。また、組電池の場合には、周囲の電池で当該不具合事象やその他の異変が生じた際にも、それらの事象が周りに連鎖することを抑制し、組電池の安全を確保することができる。例えば、何らかの要因で組電池中の電池が機能しなくなり、その周囲の電池に電流が集中し、電池が過剰に発熱する事態が発生したとしても、正極安全素子200によってその電池の電流を遮断することで、当該組電池の安全を確保することができる。
【0075】
また、正極安全素子200は、低融点部材204の融解によって正極板と端子202とが絶縁された後に、正極板と端子202とが再度電気的に接続されるのを防止する再短絡防止部を備えている。これにより、正極安全素子200は、電流の遮断を維持し、電池内部の温度が再度上昇するのを抑えることができる。
【0076】
また、再短絡防止部は、低融点部材204の融解物を吸収する融解物吸収部材205である。つまり、正極安全素子200は、低融点部材204が配置されている位置に融解物吸収部材205を配置するという簡易な構造で、正極板と端子202との絶縁状態を維持し、正極板と端子202とが再度電気的に接続されるのを防止することができる。これにより、正極安全素子200は、電池内部の温度が過度に上昇した場合に、低融点部材204によって電流を遮断した後に、簡易な構造で当該電流を遮断し続けることができる。
【0077】
また、正極安全素子200は、本体部100とは別体で構成され、本体部100と機械的に接合される。ここで、本体部100と正極安全素子200とを一体に形成する場合、正極安全素子200を製造した後に、正極安全素子200と本体部100とを溶接するなど正極安全素子200に熱がかかるような工程が必要となることから、正極安全素子200の低融点部材204が融解してしまうおそれがある。このため、正極安全素子200と本体部100とを別体で構成し、正極安全素子200と本体部100とをかしめ接合など機械的に接合することで、正極安全素子200の低融点部材204が融解するのを防ぐことができる。
【0078】
また、正極安全素子200を製造し、従来の電池の端子に当該正極安全素子200を取り付けることで、電池10を実現することができるため、製造が容易であり、コストの増加も抑えることができる。
【0079】
また、正極安全素子200は、本体部100とネジ締めにより接合される。これにより、正極安全素子200と本体部100とを別体で構成し、両者を接合する場合であっても、耐振動性及び耐衝撃性に優れた電池10を構成することができる。
【0080】
また、本発明の実施の形態1に係る電池10によれば、正極側及び負極側の少なくとも一方に、低融点部材204を有する安全素子200を備えている。ここで、低融点部材204は、正極板または正極板に電気的に接続された第一導電性部材201に当接するとともに、端子202または端子202に電気的に接続された第二導電性部材203に当接することで、正極板と端子202とを電気的に接続する導電性の部材であって、所定温度以上の温度で融解して正極板と端子202とを絶縁させる部材である。つまり、電池10は、正極板と端子202とを電気的に接続する低融点部材204を備えている構成であり、構造が簡易である。また、電池内部の温度が過度に上昇した場合に、低融点部材204が所定温度以上の温度になることで融解して、正極板と端子202とを絶縁させる。これにより、電池10は、電池内部の温度が過度に上昇した場合に、簡易な構造で電流を遮断することができる。
【0081】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。上記実施の形態1では、正極安全素子200は、再短絡防止部として、低融点部材204の融解物を吸収する融解物吸収部材205を有していることとした。しかし、本実施の形態2では、正極安全素子は、再短絡防止部として、低融点部材204の融解物を溜める空間が形成された溜部を有している。
【0082】
図5は、本発明の実施の形態2に係る正極安全素子210の構成を示す図である。
【0083】
同図の(a)に示すように、正極安全素子210は、図3に示された第一導電性部材201、端子202、第二導電性部材203、低融点部材204及び接合部207と、ハウジング211と、スペーサ212及び213とを備えている。なお、第一導電性部材201、端子202、第二導電性部材203、低融点部材204及び接合部207については、図3で説明した構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0084】
ハウジング211は、第二導電性部材203、低融点部材204及びスペーサ212及び213を覆う絶縁性の囲いであり、二重構造になっている。具体的には、ハウジング211は、低融点部材204の融解物を溜める空間が形成された溜部211a及び211bと、溜部211a及び211bに当該融解物を流し込むための孔部211c及び211dとを有している。
【0085】
スペーサ212及び213は、孔部211c及び211dに当該融解物を案内するための絶縁性の部材である。
【0086】
具体的には、同図の(a)に示すように、通常状態であれば、低融点部材204は融解されずに、発電要素120の正極板と端子202とが電気的に接続されている。これに対し、電池10の内部で異常温度上昇が生じた場合には、低融点部材204が所定温度以上になり、融解する。
【0087】
この場合、同図の(b)に示すように、低融点部材204の融解物204bがスペーサ212に案内されて、孔部211cを通じて溜部211aに流し込まれる。このようにして、溜部211aは、低融点部材204が融解した際に低融点部材204の融解物204bを溜めることにより、正極板と端子202との絶縁状態を維持し、正極板と端子202とが再度電気的に接続されるのを防止する。
【0088】
また、電池10が上下反対に設置されていた場合には、低融点部材204の融解物204bがスペーサ213に案内されて、孔部211dを通じて溜部211bに流し込まれることになる。このようにして、溜部211bは、低融点部材204が融解した際に低融点部材204の融解物204bを溜めることにより、正極板と端子202との絶縁状態を維持し、正極板と端子202とが再度電気的に接続されるのを防止する。
【0089】
つまり、溜部211a及び211bは、低融点部材204が融解することにより正極板と端子202とが絶縁された後に、正極板と端子202とが再度電気的に接続されるのを防止する再短絡防止部としての機能を有する。
【0090】
以上のように、本発明の実施の形態2に係る正極安全素子210によれば、低融点部材204の融解物を溜める空間が形成された溜部211a及び211bが、再短絡防止部として機能する。つまり、正極安全素子210は、低融点部材204の近傍に溜部211a及び211bを形成するという簡易な構造で、正極板と端子202との絶縁状態を維持し、正極板と端子202とが再度電気的に接続されるのを防止することができる。これにより、当該正極安全素子210は、電池内部の温度が過度に上昇した場合に、低融点部材204によって電流を遮断した後に、簡易な構造で当該電流を遮断し続けることができる。
【0091】
また、正極安全素子210は、このような溜部211a及び211bを備えることで、電池10の設置方向に依存せず、電池性能に影響を与えず、温度や振動などのその他の使用環境への耐性を有し、また、コストの増加を招かない構造を実現することができる。
【0092】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。上記実施の形態1では、正極安全素子200は、再短絡防止部として、低融点部材204の融解物を吸収する融解物吸収部材205を有していることとした。しかし、本実施の形態3では、正極安全素子は、再短絡防止部として、低融点部材が配置される空間を仕切る仕切部を有している。
【0093】
図6は、本発明の実施の形態3に係る正極安全素子220の構成を示す図である。
【0094】
同図の(a)に示すように、正極安全素子220は、図3に示された第一導電性部材201、端子202、第二導電性部材203、低融点部材204及び接合部207と、ハウジング221と、仕切部222とを備えている。なお、第一導電性部材201、端子202、第二導電性部材203、低融点部材204及び接合部207については、図3で説明した構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0095】
ハウジング221は、第二導電性部材203、低融点部材204及び仕切部222を覆う絶縁性の囲いである。具体的には、ハウジング221には、仕切部222が落下しないように、内面に仕切部222が固定されている。
【0096】
仕切部222は、低融点部材204が配置される空間を仕切る絶縁性の部材であり、中心に孔が形成された複数の円盤状の部材から構成されている。なお、当該孔の形状及び大きさは、低融点部材204の断面形状に対応した形状及び大きさである。つまり、仕切部222は、それぞれの円盤状の部材の中心に形成された孔に低融点部材204が挿入されて、配置されている。なお、仕切部222は、1枚の円盤状の部材から構成されていてもよい。
【0097】
具体的には、同図の(a)に示すように、通常状態であれば、低融点部材204は融解されずに、発電要素120の正極板と端子202とが電気的に接続されている。これに対し、電池10の内部で異常温度上昇が生じた場合には、低融点部材204が所定温度以上になり、融解する。
【0098】
この場合、同図の(b)に示すように、仕切部222は、低融点部材204が融解した際に、仕切った空間に低融点部材204の融解物204cを分散させることにより、正極板と端子202との絶縁状態を維持し、正極板と端子202とが再度電気的に接続されるのを防止する。
【0099】
つまり、仕切部222は、低融点部材204が融解することにより正極板と端子202とが絶縁された後に、正極板と端子202とが再度電気的に接続されるのを防止する再短絡防止部としての機能を有する。
【0100】
以上のように、本発明の実施の形態3に係る正極安全素子220によれば、低融点部材204が配置される空間を仕切る仕切部222が再短絡防止部として機能する。つまり、正極安全素子220は、低融点部材204の周囲に仕切部222を配置するという簡易な構造で、正極板と端子202との絶縁状態を維持し、正極板と端子202とが再度電気的に接続されるのを防止することができる。これにより、正極安全素子220は、電池内部の温度が過度に上昇した場合に、低融点部材204によって電流を遮断した後に、簡易な構造で当該電流を遮断し続けることができる。
【0101】
(実施の形態3の変形例)
次に、本発明の実施の形態3の変形例について説明する。上記実施の形態3では、正極安全素子220は、低融点部材204の断面形状に対応した形状及び大きさの孔が形成された仕切部222を有していることとした。しかし、本変形例では、正極安全素子は、低融点部材204の断面形状よりも小さい孔が形成された仕切部を有している。
【0102】
図7Aは、本発明の実施の形態3の変形例に係る正極安全素子220aの構成を説明するための図である。
【0103】
また、図7Bは、本発明の実施の形態3の変形例に係る正極安全素子220aが備える仕切部222aの構成を示す図である。
【0104】
まず、図7Aに示すように、正極安全素子220aは、図6に示された実施の形態3における仕切部222に代えて、仕切部222aを備えている。つまり、正極安全素子220aは、仕切部222aが有する複数の円盤状部材それぞれに形成された孔に、低融点部材204が挿入されて配置されることで、構成される。
【0105】
ここで、図7Bに示すように、仕切部222aは、低融点部材204の断面形状よりも小さい孔が形成された弾性部材である。具体的には、仕切部222aは、中心とは異なる位置に低融点部材204の断面形状よりも小さい孔部222bを有し、孔部222bから放射状に切れ込み部222c(同図では4本の切れ込み)が形成されている。
【0106】
そして、図7Aに示すように、仕切部222aは、同図の上方から見た場合に、それぞれの円盤状部材に形成された孔部222bがずれた位置に配置されるように、ハウジング221に固定される。
【0107】
また、図7Bに示すように、仕切部222aは、孔部222bの周りのコーティング領域222dに撥性コーティングが施されており、このコーティング領域222dで低融点部材204の融解物をはじくことができる。
【0108】
以上のように、本発明の実施の形態3の変形例に係る正極安全素子220aによれば、仕切部222aは、低融点部材204の断面形状よりも小さい孔部222bが形成された弾性部材であり、低融点部材204は、仕切部222aの孔部222bに挿入されて配置されている。つまり、低融点部材204が融解しても、その融解物が仕切部222aの孔部222bから落下するのを抑制し、当該融解物を、仕切部222aで仕切った空間に分散させることができる。これにより、正極安全素子220aは、低融点部材204によって電流を遮断した後に、正極板と端子202との絶縁状態を維持し、正極板と端子202とが再短絡されるのを防止することができる。
【0109】
また、仕切部222aは、中心とは異なる位置に孔部222bを有し、それぞれの孔部222bが上面視でずれた位置に配置されているため、低融点部材204の融解物が孔部222bから落下するのをさらに抑制することができる。
【0110】
また、仕切部222aは、撥性コーティングが施されたコーティング領域222dで低融点部材204の融解物をはじくことができるので、当該融解物が孔部222bから落下するのをさらに抑制することができる。
【0111】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について説明する。上記実施の形態1では、正極安全素子200は、再短絡防止部として、低融点部材204の融解物を吸収する融解物吸収部材205を有していることとした。しかし、本実施の形態4では、正極安全素子は、再短絡防止部として、低融点部材204の融解物を外方へ排出する排出部を有している。
【0112】
図8は、本発明の実施の形態4に係る正極安全素子230の構成を示す図である。
【0113】
同図の(a)に示すように、正極安全素子230は、図3に示された端子202、第二導電性部材203、低融点部材204及び接合部207と、第一導電性部材201aと、ハウジング231と、排出管232とを備えている。なお、端子202、第二導電性部材203、低融点部材204及び接合部207については、図3で説明した構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0114】
第一導電性部材201aは、図3で説明した第一導電性部材201と同様に、正極112及び正極集電部材130を介して、発電要素120の正極板に電気的に接続される導電性の部材である。
【0115】
ここで、第一導電性部材201aには、低融点部材204の融解物を排出するための溝部201bが形成されている。
【0116】
ハウジング231は、第一導電性部材201a、第二導電性部材203、低融点部材204及び接合部207を覆う絶縁性の囲いである。そして、ハウジング231には、低融点部材204の融解物を正極安全素子230の外方へ排出するための貫通孔である排出部231aが形成されている。
【0117】
排出管232は、排出部231a内に挿入されて配置されており、溝部201bに流入する低融点部材204の融解物を正極安全素子230の外方に排出する流路を形成する絶縁性のパイプである。
【0118】
具体的には、低融点部材204の融解物は、排出管232を通って、ふた板110に載置されるように形成された矩形形状のプール111に排出される。ここで、プール111は、正極安全素子230から排出される低融点部材204の融解物を溜める絶縁性の容器である。なお、プール111はどのような形状であってもよく、ふた板110の上部を凹形状に加工することで形成された凹部であってもよい。
【0119】
ここで、同図の(a)に示すように、通常状態であれば、低融点部材204は融解されずに、発電要素120の正極板と端子202とが電気的に接続されている。これに対し、電池10の内部で異常温度上昇が生じた場合には、低融点部材204が所定温度以上になり、融解する。
【0120】
この場合、同図の(b)に示すように、低融点部材204の融解物204dが溝部201bに流入し、排出部231aから排出管232を通って排出され、プール111に溜められる。このようにして、排出部231aは、低融点部材204が融解した際に低融点部材204の融解物204dを正極安全素子230の外方へ排出することにより、正極板と端子202との絶縁状態を維持し、正極板と端子202とが再度電気的に接続されるのを防止する。
【0121】
つまり、排出部231aは、低融点部材204が融解することにより正極板と端子202とが絶縁された後に、正極板と端子202とが再度電気的に接続されるのを防止する再短絡防止部としての機能を有する。
【0122】
以上のように、本発明の実施の形態4に係る正極安全素子230によれば、低融点部材204の融解物204dを正極安全素子230の外方へ排出する排出部231aが再短絡防止部として機能する。つまり、正極安全素子230は、低融点部材204の近傍に融解物204dを排出する孔を形成するという簡易な構造で、正極板と端子202との絶縁状態を維持し、正極板と端子202とが再度電気的に接続されるのを防止することができる。これにより、正極安全素子230は、電池内部の温度が過度に上昇した場合に、低融点部材204によって電流を遮断した後に、簡易な構造で当該電流を遮断し続けることができる。
【0123】
また、本発明の実施の形態4に係る電池によれば、正極側及び負極側の少なくとも一方に配置された低融点部材204を有する正極安全素子230と、正極安全素子230から排出される低融点部材204の融解物204dを溜めるプール111とを備えている。ここで、正極安全素子230は、低融点部材204の融解物204dを正極安全素子230の外方へ排出する排出部231aを再短絡防止部として備えている。つまり、当該電池は、電池内部の温度が過度に上昇した場合に、低融点部材204が所定温度以上の温度になることで融解して、正極板と端子202とを絶縁させる。また、当該電池は、低融点部材204の近傍に融解物204dを排出する孔を形成するとともに、排出された融解物204dを溜めるプール111を備えるという簡易な構造で、正極板と端子202との絶縁状態を維持し、正極板と端子202とが再度電気的に接続されるのを防止することができる。これにより、当該電池は、電池内部の温度が過度に上昇した場合に、簡易な構造で電流を遮断し、また、簡易な構造で当該電流を遮断し続けることができる。
【0124】
(実施の形態5)
次に、本発明の実施の形態5について説明する。上記実施の形態1では、正極安全素子200は、図3に示したような端子202及び接合部207を備えた端子部であることとした。しかし、本実施の形態5では、正極安全素子の形状が異なる。
【0125】
図9A〜図9Cは、本発明の実施の形態5に係る正極安全素子240a〜240cの構成を示す図である。
【0126】
まず、図9Aに示すように、正極安全素子240aは、図3に示した正極安全素子200の端子202の代わりに、端子241を備えている。つまり、端子202は、例えばネジ締めによる接合ができるようにネジ山が形成された端子であったが、端子241は、ネジ穴が形成された端子である。
【0127】
また、図9Bに示すように、正極安全素子240bは、図3に示した正極安全素子200の端子202及び接合部207の代わりに、端子241及び接合部242を備えている。
【0128】
つまり、端子241は、正極安全素子240aの端子241と同様に、ネジ穴が形成された端子である。また、接合部207には、ネジ穴が形成されていたが、接合部242には、ネジ山が形成されている。
【0129】
なお、接合部242が接合される電池の本体部には、接合部242のネジ山に対応する形状のネジ穴が形成されている。
【0130】
また、図9Cに示すように、正極安全素子240cは、図3に示した正極安全素子200の接合部207の代わりに、接合部242を備えている。つまり、接合部242には、正極安全素子240bの接合部207と同様に、ネジ山が形成されており、接合部242が接合される電池の本体部には、接合部242のネジ山に対応する形状のネジ穴が形成されている。
【0131】
なお、上記実施の形態1〜5において、第一導電性部材201と接合部207または接合部242とは一体に形成されていてもよく、同様に、第二導電性部材203と端子202または端子241とは一体に形成されていてもよい。
【0132】
(実施の形態6)
次に、本発明の実施の形態6について説明する。上記実施の形態1では、正極安全素子200は、図1または図2に示したような1対の平行な側壁と1対の円弧形状の側壁とを有した端子部であることとした。しかし、本実施の形態6では、正極安全素子の形状が異なる。
【0133】
図10A〜図10Cは、本発明の実施の形態6に係る正極安全素子250a〜250cの構成を示す図である。
【0134】
まず、図10Aに示すように、正極安全素子250aは、上面視で長方形状のハウジング251を備えている。つまり、ハウジング251は、正極安全素子250aを本体部100にネジ締めする際に、当該ネジ締めが容易なように、二対の平行な側壁を有している。
【0135】
また、図10Bに示すように、正極安全素子250bは、上面視で六角形状のハウジング252を備えている。つまり、ハウジング252は、正極安全素子250bを本体部100にネジ締めする際に、当該ネジ締めが容易なように、三対の平行な側壁を有している。
【0136】
なお、正極安全素子が備えるハウジングは、上記形状に限られず、少なくとも一対の平行な側壁を有していればよい。
【0137】
また、図10Cに示すように、正極安全素子250cは、ハウジング206の下方に、例えば上面視で長方形状の接合部253を備えていてもよい。つまり、正極安全素子250cを本体部100にネジ締めする際に、当該ネジ締めが容易なように、接合部253が、少なくとも一対の平行な側壁を有している。この場合、ハウジング206の形状は限定されず、上面視で円形状などであってもよい。
【0138】
なお、この接合部253の形状は、図10A及び図10Bに示したようなハウジング251、252のような形状であってもよい。
【0139】
(実施の形態7)
次に、本発明の実施の形態7について説明する。上記実施の形態1では、正極安全素子200は、電池10の本体部100と別体で構成されていた。しかし、本実施の形態7では、正極安全素子は、電池の本体部100と一体に形成される。
【0140】
図11は、本発明の実施の形態7に係る正極安全素子260及び電池20の構成を示す図である。具体的には、同図は、電池20の正極安全素子260の部分を縦方向に切断した場合の断面図である。
【0141】
同図に示すように、電池20は、本体部100aと一体に形成された正極安全素子260を備えている。
【0142】
具体的には、正極安全素子260は、図3に示された端子202、第二導電性部材203、低融点部材204及び融解物吸収部材205と、第三導電性部材261と、ハウジング262とを備えている。なお、端子202、第二導電性部材203、低融点部材204及び融解物吸収部材205については、図3で説明した構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0143】
第三導電性部材261は、本体部100aが備える絶縁性の第一パッキン150と絶縁性の第二パッキン160とを介して、正極安全素子260をふた板110及び正極集電部材130に固定する導電性の部材である。つまり、第三導電性部材261は、正極集電部材130を介して発電要素120の正極板に電気的に接続されており、第一パッキン150及び第二パッキン160によってふた板110とは絶縁されている。
【0144】
第三導電性部材261は、例えば、正極安全素子260をふた板110及び正極集電部材130に、かしめにより固定する金属製のリベットである。なお、第三導電性部材261はリベットに限定されず、例えばボルトであってもよい。この場合、当該固定のためにかしめる必要はなく、ボルト締めによって当該固定を行うことができる。
【0145】
ハウジング262は、正極安全素子260のハウジングである。具体的には、ハウジング262は、第二導電性部材203、低融点部材204及び融解物吸収部材205を覆う絶縁性と断熱性とを備えた囲いである。なお、ハウジング262は、実施の形態1におけるハウジング206と同様に、全部が絶縁性の材料で形成されていなくともよく、一部が金属などの導電性部材で構成されていてもよい。また、ハウジング262は、周囲が断熱材で覆われていてもよいし、断熱性の材料で形成されていても良い。
【0146】
このように、正極安全素子260と本体部100aとは一体で形成されていることにしてもよい。ただし、正極安全素子260と本体部100aとを一体で形成する際には、正極安全素子260の製造後に正極安全素子260に低融点部材204が融解するような熱がかからないような工程の下で、電池作製を行う必要がある。例えば、正極安全素子260と本体部100aとの接合は、かしめ封口により行うことが好ましい。
【0147】
また、正極安全素子260と本体部100aとが一体で形成される場合には、低融点部材204は、ふた板110の上方(本体部100aの外方)に配置されていなくともよい。つまり、低融点部材204は、発電要素120の正極板と端子202との間に配置されていればよく、本体部100aの内方に配置されていてもよい。
【0148】
なお、上記実施の形態2〜4に係る正極安全素子210〜230の構成を、実施の形態7に係る電池20の正極安全素子260に適用してもよい。
【0149】
以上、本発明の実施の形態及びその変形例に係る正極安全素子及び電池について説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。
【0150】
つまり、今回開示された実施の形態及びその変形例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0151】
例えば、上記実施の形態及びその変形例では、正極安全素子及び負極安全素子の双方ともに低融点部材を備えていることとしたが、正極安全素子及び負極安全素子のうちのいずれか一方のみ低融点部材を備えていることにしてもよい。つまり、例えば、上記実施の形態及びその変形例で示した構成は、正極安全素子には備わっておらず、負極安全素子のみに備わっていることにしてもよい。この場合、低融点部材を備えていない安全素子の端子は、低融点部材を介さずに正極板または負極板と電気的に接続される。
【0152】
また、本発明は、このような電池端子機能を有する安全素子または電池として実現することができるだけでなく、当該電池を少なくとも1つ備えた組電池として実現することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0153】
本発明は、電池内部の温度が過度に上昇した場合に、簡易な構造で電流を遮断することができる非水電解質二次電池等の電池の電池端子機能を有する安全素子等に適用できる。
【符号の説明】
【0154】
10、20 電池
100、100a 本体部
101 電池容器
110 ふた板
111 プール
112 正極
120 発電要素
130 正極集電部材
140 負極集電部材
150 第一パッキン
160 第二パッキン
200、210、220、220a、230、240a〜240c、250a〜250c、260 正極安全素子
201、201a 第一導電性部材
201b 溝部
202、241 端子
203 第二導電性部材
204 低融点部材
204a、204b、204c、204d 融解物
205 融解物吸収部材
206、211、221、231、251、252、262 ハウジング
207、242、253 接合部
211a、211b 溜部
211c、211d 孔部
212、213 スペーサ
222、222a 仕切部
222b 孔部
222c 切れ込み部
222d コーティング領域
231a 排出部
232 排出管
261 第三導電性部材
300 負極安全素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の正極板または負極板と電気的に接続される端子を備える電池端子機能を有する安全素子であって、
前記正極板または負極板と前記端子との間に配置され、前記安全素子が前記電池の本体部の近傍に備えられることにより、所定温度以上の温度で融解して前記正極板または負極板と前記端子とを絶縁させる低融点部材を備える
電池端子機能を有する安全素子。
【請求項2】
さらに、
前記低融点部材が融解することにより前記正極板または負極板と前記端子とが絶縁された後に、再度電気的に接続されるのを防止する再短絡防止部を備える
請求項1に記載の電池端子機能を有する安全素子。
【請求項3】
前記再短絡防止部は、前記低融点部材の融解物を吸収する融解物吸収部であり、
前記融解物吸収部は、前記低融点部材が融解した際に前記低融点部材の融解物を吸収することにより、前記正極板または負極板と前記端子との絶縁状態を維持し、再度電気的に接続されるのを防止する
請求項2に記載の電池端子機能を有する安全素子。
【請求項4】
前記再短絡防止部は、前記低融点部材の融解物を溜める空間が形成された溜部であり、
前記溜部は、前記低融点部材が融解した際に前記低融点部材の融解物を溜めることにより、前記正極板または負極板と前記端子との絶縁状態を維持し、再度電気的に接続されるのを防止する
請求項2に記載の電池端子機能を有する安全素子。
【請求項5】
前記再短絡防止部は、前記低融点部材が配置される空間を仕切る仕切部であり、
前記仕切部は、前記低融点部材が融解した際に、仕切った空間に前記低融点部材の融解物を分散させることにより、前記正極板または負極板と前記端子との絶縁状態を維持し、再度電気的に接続されるのを防止する
請求項2に記載の電池端子機能を有する安全素子。
【請求項6】
前記仕切部は、前記低融点部材の断面形状よりも小さい孔が形成された弾性部材であり、
前記低融点部材は、前記仕切部の当該孔に挿入されて配置される
請求項5に記載の電池端子機能を有する安全素子。
【請求項7】
前記再短絡防止部は、前記低融点部材の融解物を前記電池端子機能を有する安全素子の外方へ排出する排出部であり、
前記排出部は、前記低融点部材が融解した際に前記低融点部材の融解物を前記電池端子機能を有する安全素子の外方へ排出することにより、前記正極板または負極板と前記端子との絶縁状態を維持し、再度電気的に接続されるのを防止する
請求項2に記載の電池端子機能を有する安全素子。
【請求項8】
さらに、
前記電池の本体部と機械的に接合される接合部を備える
請求項1〜7のいずれか1項に記載の電池端子機能を有する安全素子。
【請求項9】
前記接合部は、前記電池の本体部とネジ締めにより接合される
請求項8に記載の電池端子機能を有する安全素子。
【請求項10】
さらに、
前記低融点部材を覆う断熱性の部材を備える
請求項1〜9のいずれか1項に記載の電池端子機能を有する安全素子。
【請求項11】
正極側及び負極側の少なくとも一方に、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電池端子機能を有する安全素子を備える
電池。
【請求項12】
正極側及び負極側の少なくとも一方に配置された請求項7に記載の電池端子機能を有する安全素子と、
前記電池端子機能を有する安全素子から排出される前記低融点部材の融解物を溜めるプールと
を備える電池。
【請求項13】
請求項11または12に記載の電池を少なくとも1つ備える
組電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−98093(P2013−98093A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241555(P2011−241555)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(507151526)株式会社GSユアサ (375)
【Fターム(参考)】