説明

電池配線モジュール

【課題】膨張、収縮による不具合を防止し、かつ、取付けの際における保持部の並び方向の撓みを抑制することが可能な電池配線モジュールを提供する。
【解決手段】電池配線モジュール20の樹脂プロテクタ33には、各接続部材21を保持し、帯状に並んだ複数の保持部35と、複数の保持部35のうち隣り合う保持部35間を連結して補強する連結補強部52とを備え、連結補強部52は、複数の保持部35の帯状に並んだ面に対して直交する方向に厚肉に形成され、かつ、保持部35の並び方向に弾性変形可能に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池配線モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車やハイブリッド車用の電池モジュールは、正極及び負極の電極端子を有する単電池が複数個並んで配列されており、隣り合う単電池の電極端子間が接続部材で接続されることにより複数の単電池が直列に接続されるようになっている。
【0003】
下記特許文献1のバスバモジュールは、合成樹脂製のプレート上に並んで設けられた複数の第1収容部にそれぞれバスバー(接続部材)が収容されており、このバスバモジュール(電池配線モジュール)を電池集合体に装着することにより複数のバスバーが電池集合体に一体的に装着されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−170884号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、バスバーを収容する合成樹脂製のプレートは、周囲の温度に応じて若干膨張したり、収縮したりする。そのため、温度変化による膨張、収縮時の破損等の不具合を防止すべく、膨張、収縮を吸収する構成を備えることが望ましい。
ここで、特許文献1のバスバモジュールは、隣り合う第1収容部間に、バスバーと電極との位置ずれを調整する断面C字状の第1ヒンジが設けられている。この第1ヒンジは、ある程度、温度の変化による膨張、収縮を吸収するとも考えられる。
【0006】
しかしながら、特許文献1の構成では、断面C字状の第1ヒンジがあるために、バスバモジュールを電池集合体に取り付ける際に、各第1ヒンジ部の部分が弾性変形し、プレートがバスバーの接続方向に全体として撓んでしまうという問題がある。このようにプレートが接続方向に撓むと電池集合体への取付け作業に支障が生じることが懸念される。
【0007】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、膨張、収縮による不具合を防止し、かつ、取付けの際における保持部の並び方向の撓みを抑制することが可能な電池配線モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、正極及び負極の電極端子を有する複数の単電池からなる単電池群における隣り合う単電池の電極端子間を接続する複数の接続部材と、前記複数の接続部材を保持する樹脂プロテクタと、を備えた電池配線モジュールであって、前記樹脂プロテクタには、前記各接続部材を保持し、帯状に並んだ複数の保持部と、前記複数の保持部のうち隣り合う保持部間を連結して補強する連結補強部とを備え、前記連結補強部は、前記複数の保持部の帯状に並んだ面に対して直交する方向に厚肉に形成され、かつ、前記複数の保持部の並び方向に弾性変形可能に形成されているところに特徴と有する。
【0009】
本構成によれば、連結補強部は、複数の保持部の並び方向に弾性変形可能に構成されているため、温度の変化に応じて樹脂プロテクタが膨張、収縮した際に、複数の保持部の並び方向の膨張、収縮を連結補強部の弾性変形により吸収することが可能になる。よって、樹脂プロテクタの膨張、収縮による不具合を防止することができる。
また、連結補強部は、複数の保持部の扁平な面に対して直交する方向に厚肉に形成されるため、この厚肉の方向については連結補強部が撓みにくい。したがって、電池配線モジュールの単電池群への取付けの際に、複数の保持部の並び方向について電池配線モジュールが撓んでしまうことを抑制できる。
これにより、電池配線モジュールについて、膨張、収縮による不具合を防止し、かつ、取付けの際における複数の保持部の並び方向の撓みを抑制することが可能となる。
【0010】
本発明の実施態様として以下の構成を加えてもよい。
・前記連結補強部は、前記複数の保持部の並び方向に対して傾斜した方向に延出されている。
このようにすれば、複数の保持部の並び方向について連結補強部を弾性変形させるための構成を簡素化することが可能になる。
【0011】
・前記連結補強部は、山形に屈曲されており、この山形の向きは前記複数の保持部の並び方向に対して直交する方向に凸となる向きである。
このようにすれば、連結補強部が弾性変形しやすくなるため、複数の保持部の並び方向の膨張、収縮をより効果的に吸収することが可能になる。
【0012】
・前記単電池は、前記単電池の状態を検知するための電池側検知端子を備えており、前記電池配線モジュールは、前記電池側検知端子に締結部材により締結されるモジュール側検知端子を備え、前記樹脂プロテクタは、前記電池側検知端子が嵌め込まれる開口部を有するとともに、前記開口部と前記開口部に嵌め込まれた前記電池側検知端子との間にクリアランスが設けられており、このクリアランスの範囲で前記開口部と前記電池側検知端子との間の位置ずれが許容されている。
【0013】
電池配線モジュールにおける接続部材とは異なる位置にモジュール側検知端子が設けられる構成では、モジュール側検知端子を単電池の正極及び負極の電極端子とは別に設けられた電池側検知端子に締結部材を用いて締結する構成とすることができるが、この場合、樹脂プロテクタの開口部とモジュール側検知端子との間の相対的位置が完全に固定されていると、電池側検知端子に締結されたモジュール側検知端子と開口部との間において膨張、収縮を吸収することができない。そのため、連結補強部により隣り合う保持部間に膨張、収縮を吸収したとしても、モジュール側検知端子の周囲における樹脂プロテクタの膨張、収縮により、樹脂プロテクタに不具合が発生することが懸念される。
本構成によれば、開口部と開口部に嵌め込まれたモジュール側検知端子との間にクリアランスが設けられており、このクリアランスの範囲で開口部とモジュール側検知端子との間の位置ずれが許容される。よって、樹脂プロテクタの膨張、収縮による不具合を防止することが可能になる。
【0014】
・前記樹脂プロテクタは、前記複数の保持部を有する第1ユニットと、前記第1ユニットと前記接続部材を介して接続される第2ユニットとを備え、前記第1ユニット及び前記第2ユニットの少なくとも一方と前記接続部材とは前記複数の保持部の並び方向にスライド移動可能に構成されている。
【0015】
樹脂プロテクタの第1ユニットと第2ユニットとが接続部材で接続して構成される場合には、接続部材で接続される両ユニットの境界部分については、両ユニットが分離されているため、連結補強部を設けることで膨張、収縮を吸収することは困難である。
しかしながら、本構成によれば、第1ユニット及び前記第2ユニットの少なくとも一方と接続部材とは複数の保持部の並び方向にスライド移動可能に構成されているため、温度変化により第1ユニット及び第2ユニットの少なくとも一方に膨張、収縮が生じたとしても、膨張、収縮を第1ユニット及び第2ユニットの少なくとも一方と接続部材との間で行われるスライド移動により吸収することが可能になる。よって、樹脂プロテクタの膨張、収縮による不具合を防止することができる。
【0016】
・前記接続部材には、被係合部が設けられるとともに、前記第1ユニット及び前記第2ユニットの少なくとも一方には、前記被係合部に対して前記接続部材の接続方向に所定のクリアランスを有して係合可能な係合部が設けられている。
例えば、接続部材以外の部分により各ユニットを単電池に固定する時に所定のクリアランスの範囲で接続部材のスライド移動が可能となる。したがって、寸法誤差が生じた場合であっても、所定のクリアランスの範囲で接続部材を接続方向に移動できるため、接続部材の組み付け作業を容易にすることができる。
【0017】
・前記第1ユニットと前記第2ユニットは、同一形状である。
このようにすれば、第1ユニットと第2ユニットを共通化できるため、第1ユニットと第2ユニットを形成するための金型を共通化することができる。
【0018】
・前記電池配線モジュールは、前記接続部材の貫通孔に棒状の端子又はボルトの軸部を挿通させて前記単電池に固定されるものであり、前記貫通孔は、前記接続部材の接続方向に長い長円形状をなす。
接続部材の貫通孔は、接続部材の接続方向に長い長円形状をなすため、電極端子間や接続部材の寸法公差による位置ずれを吸収して接続部材の貫通孔に棒状の電極端子又はボルトの軸部を挿通することが可能になる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、電池配線モジュールについて、膨張、収縮による不具合を防止し、かつ、取付けの際における保持部の並び方向の撓みを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施形態1に係る電池配線モジュール20が取り付けられた電池モジュール10について一部を省略して表した平面図
【図2】図1のA−A断面図
【図3】図1のB−B断面図
【図4】複数の単電池を示す平面図
【図5】電池配線モジュールを示す平面図
【図6】切欠部と係合凸部との間のクリアランスを示す図
【図7】電池配線モジュールを拡大して示した背面図
【図8】接続部材を示す平面図
【図9】樹脂プロテクタを示す平面図
【図10】第1ユニット及び第2ユニットを示す平面図
【図11】第1ユニットの連結補強部の周辺を拡大して示した図
【図12】実施形態2に係る第1ユニットの連結補強部の周辺を拡大して示した図
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態1>
以下、本発明の実施形態1を図1〜図11を参照しつつ説明する。
本実施形態の電池配線モジュール20は、図1に示すように、複数の単電池11を並べて構成された単電池群に取付けられて電池モジュール10を構成するものであり、この電池モジュール10は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車等の駆動源として使用される。以下では、上下方向については図2を基準とし、前後方向については図1の下方を前方、上方を後方として説明する。
【0022】
(電池モジュール)
電池モジュール10は、横並びに配列された複数個の単電池11(単電池群)と、複数個の単電池11に一体的に取付けられる電池配線モジュール20とを備えて構成されている。
単電池11は、図4に示すように、内部に図示しない発電要素が収容された直方体状の本体部の端面から端子部12が垂直に突出している。
【0023】
端子部12は、前後に設けられた電極端子12A,12B(正極を12A,負極12Bをとして図示)と電極端子12A,12Bの中間部に配された電池側検知端子12Cとからなる。
電極端子12A,12B及び電池側検知端子12Cは、共に、中心部にネジ孔15を有するナット状であって、金属製の導体部13と、導体部13を周方向に包囲する樹脂部14とから構成されており、その上端部(先端部)は、長方形状の導体部13が樹脂部14から突出している。
【0024】
各単電池11の極性(正負)の向きは、互いに隣り合う単電池11が逆向きになるように配置されており、これにより、互いに異極の電極端子12A,12Bが隣り合うように構成されている。これら複数の単電池11は図示しない保持板によって固定されている。
【0025】
(電池配線モジュール)
電池配線モジュール20は、図5に示すように、左右に隣り合う電極端子12A,12B間を接続する複数の接続部材21と、各接続部材21に重ねられ電線Wの端末部に接続されて単電池11の電圧を検知する複数の電圧検出端子24と、電線Wの端末部に接続されて電極端子12A,12Bの中間の電圧を検知する複数の電圧検知端子28(本発明の構成である「モジュール側検知端子」の一例)と、第1ユニット34と第2ユニット63とを左右に連ねて構成され、接続部材21,電圧検出端子24及び電圧検知端子28を保持する合成樹脂製の樹脂プロテクタ33と、を備えて構成されている。
【0026】
(接続部材)
接続部材21は、銅、銅合金、ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム等の金属からなり、図8に示すように、隣り合う電極端子12A,12B間の寸法に応じた長さの板状をなし、締結部材であるボルト(図示しない)の軸部が挿通される(電極端子12A,12Bのネジ孔15と連通する)通し孔22が一対貫通形成されている。
この通し孔22の形状は、左右方向(電線接続部31材の接続方向)に長い長円形状をなす。
【0027】
接続部材21の接続方向における側縁には、当該側縁を前後方向に長い長方形状に切り欠いて形成された(接続部材21の幅寸法を段差状に狭くして形成された)切欠部23が通し孔22の両側にそれぞれ形成されている。
ここで、図5に示すように、複数の接続部材21のうち、第1ユニット34と第2ユニット63との境界に位置する接続部材21Aは、電極端子12A,12B間の接続だけでなく、第1ユニット34と第2ユニット63とを連結する機能を有しており、接続部材21Aに設けられた切欠部23が本発明の構成である「被係合部」の一例となる。
【0028】
(電圧検出端子)
電圧検出端子24は、単電池11の電極端子12A,12Bの電圧を検出するために設けられており、長方形状の板状部25の後方に電線Wの端末において絶縁被覆を剥ぎ取り露出させた導体が圧着される圧着部26を有している。
板状部25の中心部には、通し孔27が貫通形成されている。
【0029】
(電圧検知端子)
電圧検知端子28は、単電池11の中間部の電圧を検知するためのものであって、図3に示すように、電池側検知端子12Cに載置される平板状の平板部29と、平板部29の右端部に連なり電線Wの端末に接続される電線接続部31と、平板部29の左端に連なる被係止片32とからなる。
【0030】
平板部29は、電池側検知端子12Cの導体部13の上面に載置される部分であり、電圧検出端子24の板状部25よりも小さい面積の長方形状であって、中心部にボルトの軸部を挿通可能な円形状の通し孔30が貫通している。
電線接続部31は、平板部29から段差状に高い位置に形成されており、電線Wの端末の絶縁被覆を剥ぎ取り露出させた導体を圧着するワイヤバレルと電線Wの絶縁被覆の上からかしめるインシュレーションバレルとを有する。
【0031】
被係止片32は、平板部29から電線接続部31と同じ高さに段差状に高く形成されており、鉤状であって、平板部29の延出方向の両側から縮径した幅寸法で形成されている。
【0032】
電圧検知端子28及び電圧検出端子24に連なる電線Wは、共に、後述する樹脂プロテクタ33の電線通し溝部62に集められて右方の図示しない電池ECUに導かれる。この電池ECUは、マイクロコンピュータ、素子等が搭載されたものであって、単電池11の電圧・電流・温度等の検知、各単電池11の充放電コントロール等を行うための機能を備えた周知の構成のものである。
【0033】
(樹脂プロテクタ)
樹脂プロテクタ33は、全体として概ね扁平な形状であって、図10に示すように、第1ユニット34と、第1ユニット34に対して左右方向に連なる位置に配される第2ユニット63とを備え、これら第1ユニット34及び第2ユニット63が接続部材21を介して連結して構成されている。
【0034】
(第1ユニット)
第1ユニット34は、合成樹脂製であって、前端側が後端側よりも右方に段差状に突出し、後端側が前端側よりも左方に段差状に突出するクランク状をなす。
この第1ユニット34は、各接続部材21を保持するとともに左右方向に帯状に2列に並んで設けられた複数の保持部35と、左右に隣り合う保持部35間を連結する連結補強部52と、第1ユニット34の前後方向における中間部に並んで設けられ電圧検知端子28を収容する検知収容部53と、保持部35と検知収容部53との間に設けられ電線Wが通される電線通し溝部62とを備えている。
【0035】
(保持部)
保持部35は、接続部材21を収容する収容保持部36と、収容保持部36の左右に連なる第1ユニット34の端部に設けられ接続部材21Aの接続方向の一方の側を保持する端部保持部46とからなる。
【0036】
収容保持部36は、図2に示すように、接続部材21が載置される底板37と、接続部材21を包囲する角筒状の仕切り壁41とを備えている。
底板37は、幅方向の中間部において前後の仕切り壁41の基端部を連結する中間支持板38と、開口部40を挟んだ左右方向の端部に設けられる縁板39とからなる。
開口部40は、電極端子12A,12Bが進入可能な大きさの矩形状をなす。
【0037】
仕切り壁41は、工具等が電極端子12A,12B及び接続部材21に接触して短絡することを防止するために、工具等の接触が防止される高さで接続部材21の周囲に環状に立設されている。
この環状の仕切り壁41は、前後一対設けられ左右方向に延びる対向壁と、左右一対設けられ前後方向に延びる側壁とが連なって角筒状をなしている。
【0038】
仕切り壁41(の各対向壁)には、前後方向に撓み変形可能な撓み片44が接続部材21の離脱を規制可能に設けられている。この撓み片44の内方側に突出する部分の下側に接続部材21が配されることで接続部材21の離脱が規制される。
また、仕切り壁41には、図11に示すように、電圧検知端子28の平板部29の角部が上方から嵌め込まれる凹部42が設けられている。
【0039】
また、保持部35において仕切り壁41の角の部分を含む位置には、電圧検知端子28の電線接続部31が通される通し溝45が凹設されている。通し溝45には、電圧検知端子28の電線接続部31を両側から挟持する一対の挟持片43が形成されている。この通し溝45は、保持部35における電線通し溝部62の側の角部に、電線通し溝部62に対して斜めの方向から連通(合流)するように設けられており、これにより、通し溝45の溝壁の外面45Aは、左右方向に対して所定の角度で傾斜した形状となっている。
【0040】
端部保持部46は、図10に示すように、第1ユニット34の四隅の位置にそれぞれ設けられており、接続部材21Aの一端側が載置される底板47と、接続部材21Aの一端側を三方から包囲する仕切り壁48とを備えている。
底板47は、第1ユニット34の底板47に対して第2ユニット63の底板47を上側又は下側から嵌め合わせることが可能な形状で形成されている。
【0041】
仕切り壁48は、工具等が接続部材21やボルト等に接触して短絡することを防止できる高さに設定されており、前後に対向する一対の対向壁と、一対の対向壁と連なる側壁とからなりこの側壁に対向する一方は開放されている。
各対向壁には、図6に示すように、接続部材21Aを端部保持部46内(の底板47側)に保持するための保持片49がそれぞれ設けられている。
【0042】
この保持片49は、仕切り壁48にコ字状の切欠きを設けることで、この切欠きの内側に形成されている。この保持片49は、底板47側に向けて傾斜状(爪状)に突出寸法が大きくなる形状をなし、接続部材21Aの縁部の上方に保持片49の爪の先端側が位置することで、接続部材21Aが保持片49の下端と底板47との間に係止される。
【0043】
この保持片49による接続部材21Aの係止力は、接続部材21Aの接続方向へのスライド移動を許容する程度とされており、保持片49が接続部材21Aを押さえ付ける力に抗してスライド移動可能としたり、保持片49と接続部材21Aとの間に若干の隙間が形成されて(押さえ付ける力を生じず)スライド移動可能としてもよい。なお、各保持片49の外側には、切欠き部分を覆う補助壁51が仕切り壁48と一体に形成されている。
【0044】
仕切り壁48(対向壁)の内側には、接続部材21Aの切欠部23に係合することにより接続部材21Aの左右方向の移動を所定範囲内で許容する(所定範囲以上を係止する)係合凸部50(本発明の構成である「係合部」の一例)が設けられている。
【0045】
係合凸部50は、接続部材21Aの切欠部23に対応する位置において各対向壁の基端部から内方側に長方形状に突出している。係合凸部50の上下方向の位置は接続部材21の切欠部23と同じである。
ここで、係合凸部50の左右方向(接続部材21の接続方向)の長さは、切欠部23の左右方向の長さよりも小さい。具体的には、切欠部23の寸法は、係合凸部50の前後に所定のクリアランスCL1,CL2を加えた寸法とされている。
【0046】
このように、切欠部23と係合凸部50とが係合することにより、接続部材21Aは、第1ユニット34や第2ユニット63に対してクリアランスの範囲で左右方向にスライド移動可能となる。このように、第1ユニット34や第2ユニット63の複数の単電池11への取付けの際に生じうる寸法誤差を第1ユニット34や第2ユニット63と接続部材21との間のスライド移動により吸収することが可能となっている。
【0047】
(連結補強部)
連結補強部52は、左右方向に対して所定の角度で傾斜した方向に延出されており、左右に隣り合う保持部35(の仕切り壁41,48)間を連結している。
連結補強部52の上下方向(複数の保持部35の帯状に並んだ面に対して直交する方向)の寸法は、図7に示すように、仕切り壁41,48の高さと等しい厚肉であって、仕切り壁41,48の全体に連なるように形成されている。
【0048】
連結補強部52の前後方向の厚みは、図11に示すように、左右方向への弾性変形を可能とする薄肉の寸法とされている。
連結補強部52の左右方向に対する傾斜角度は、45度よりもやや小さい角度であって、通し溝45の溝壁の外面45Aと平行となる角度とされている。
ここで、接続部材21が電極端子12A,12Bに対してボルト締めされて固定されると、底板37が接続部材21に押しつけられ、底板37と電極端子12A,12Bとの間の相対的位置が固定される(図2参照)。そのため、周囲温度の変化により樹脂プロテクタ33が膨張、収縮すると、膨張、収縮による力が隣り合う保持部35間に及ぶ。しかし、本実施形態によれば、連結補強部52が左右方向について弾性変形可能となっているため、隣り合う保持部35間に及んだ樹脂プロテクタ33の膨張、収縮による力を連結補強部52の弾性変形により吸収することができる。
【0049】
(検知収容部)
複数の検知収容部53は、樹脂プロテクタ33の前後方向における中間部において左右に並んで設けられており、各検知収容部53は、図3に示すように、電圧検知端子28を外部と隔てる隔壁54と、電圧検知端子28の平板部29が嵌まり込む開口部56と、電圧検知端子28の被係止片32が係止される係止部57と、を備える。
【0050】
隔壁54には、左右に並んだ検知収容部53について、この隔壁54を分断して電線Wを前後の電線通し溝部62に交互に導く通し部55が設けられている。
開口部56は、電圧検知端子28の平板部29の形状に応じて長方形状に開口しており、開口部56の大きさは、電池側検知端子12Cの導体部13の上面よりも大きく、電池側検知端子12Cの樹脂部14を含んだ全体の上面よりも小さい。
【0051】
係止部57は、開口部56の左方において開口部56よりも高い位置に設けられており、係止孔58を有し、この係止孔58内に被係止片32を上下方向に所定の範囲で移動可能とされている。
これにより、電池配線モジュール20を単電池11へ取り付け前は、係止孔58の下側に被係止片32が引っ掛かって係止され、電池配線モジュール20を単電池11へ取り付けると、電池側検知端子12Cの導体部13に平板部29が当接して電圧検知端子28が持ち上がられ、係止片が係止孔58の下側から係止孔58の寸法の範囲で浮き上がる(離間する)。
【0052】
そして、平板部29をボルト締めすると、電圧検知端子28は単電池11の電池側検知端子12Cに対して固定される。一方、第1ユニット34側については、電圧検知端子28の平板部29と検知収容部53の開口部56との間にわずかなクリアランスが設けられているため、このクリアランスの範囲で電圧検知端子28と第1ユニット34との間の相対的移動が許容される。即ち、電圧検知端子28は、検知収容部53に対して固定されておらず、開口部56との間のクリアランスに応じて単電池11に対して前後左右方向の位置ずれが許容されている。
【0053】
なお、検知収容部53の裏側には、角形の枠状に突出する位置決め部59が開口部56の周囲に設けられており、この位置決め部59が単電池11の電圧側検知端子12Cの上端部に嵌め込まれることで第1ユニット34が単電池11に対して位置決めされる(第1ユニット34の単電池11に対する基準位置が定められる)ようになっている。
【0054】
また、図10に示すように、ユニット34,63の検知収容部53に連なる左端部には、左方(接続方向)に突出する嵌合凸部60が設けられるとともに、ユニット34,63の検知収容部53に連なる右端部には、隣り合うユニット34,63の嵌合凸部60と嵌合する嵌合凹部61が設けられている。
【0055】
嵌合凸部60は、共に棒状の部材であって、上下方向に厚肉で前後方向に薄肉の扁平な形状をなす。嵌合凹部61は、嵌合凸部60を先端が突き当たるまで挿しこんで嵌合凸部60を嵌合させることができる深さ及び大きさで形成されている。
【0056】
電線通し溝部62は、左右に並んだ検知収容部53に沿うように検知収容部53の前後にそれぞれ設けられており、第1ユニット34と第2ユニット63とが連結されると互いの電線通し溝部62が連なる。この電線通し溝部62には、一対の電線保持爪部が開口端に互いに対向配置されており、この電線保持爪部により電線Wの電線通し溝部62からの離脱を防止する。
第2ユニット63は第1ユニット34と同一形状であるため、第2ユニット63については第1ユニット34と同一の符号を付して説明を省略する。なお、樹脂プロテクタ33を構成する第1ユニット34及び第2ユニット63のうち、連結の端部に配される第1ユニット34及び第2ユニット63は、一端側には他のユニットと連結する構成は不要であるため、端部以外に配される第1ユニット34,63とは形状が異なるものが用いられている。
【0057】
次に、電池配線モジュール20の組み付けについて説明する。
第1ユニット34と第2ユニット63とを交互に連ねて樹脂プロテクタ33を形成する(図9)。
次に、接続部材21を各保持部35に保持させるとともに、電線Wの端末に接続された各電圧検出端子24を各接続部材21に重ねて装着し、各検知収容部53に各電圧検知端子28を収容する。
全ての電圧検知端子28の装着が完了すると、電池配線モジュール20が形成される。
【0058】
次に、複数の単電池11に対して、各ユニット34,63の裏側に設けられた位置決め部59を複数の単電池11の電池側検知端子12Cに位置決めするように電池配線モジュール20を持ち上げる。
このとき、保持部35間に設けられた連結補強部52が上下方向について厚肉に形成されているため、電池配線モジュール20は、複数の保持部35の帯状に並んだ面に対して直交する方向への剛性が保たれ、保持部35の撓みが抑制されている。
そして、電池配線モジュール20が位置決め部59に位置決めされると、単電池11の寸法精度のばらつきによって位置決めの基準となる電圧検知用の端子の間隔に誤差が生じていても、係合凸部50と切欠部23により生じるクリアランスに応じた分だけ第1ユニット34及び第2ユニット63を相対的に左右にスライド移動できる。
【0059】
樹脂プロテクタ33を基準位置で位置決めした後に、各接続部材21の通し孔22にボルトの軸部を通し、接続部材21を電極端子12A,12Bとの間でボルト締めする。このとき、通し孔22が左右方向に長い長円形状であるため、電極端子12A,12B間の寸法精度の誤差については長円形状の通し孔22により寸法の誤差を吸収することができ、ボルト締めを確実に行うことができる。
そして、接続部材21、電圧検出端子24、電圧検知端子28の通し孔22,27,30にボルトの軸部を通して締結することにより、電池モジュール10となる(図1)。
【0060】
上記実施形態の構成によれば、以下の作用・効果を奏する。
(1)正極及び負極の電極端子12A,12Bを有する複数の単電池11からなる単電池群における隣り合う単電池11の電極端子12A,12B間を接続する複数の接続部材21と、複数の接続部材21を保持する樹脂プロテクタ33と、を備えた電池配線モジュール20であって、樹脂プロテクタ33には、各接続部材21を保持し、帯状に並んだ複数の保持部35と、複数の保持部35のうち隣り合う保持部35間を連結して補強する連結補強部52とを備え、連結補強部52は、上下方向(複数の保持部35の帯状に並んだ面に対して直交する方向)に厚肉に形成され、かつ、左右方向(複数の保持部35の並び方向)に弾性変形可能に形成されている。
【0061】
本実施形態によれば、連結補強部52は、複数の保持部35の並び方向に弾性変形可能に構成されているため、温度の変化に応じて樹脂プロテクタ33が膨張、収縮した際に、複数の保持部35の並び方向の膨張、収縮を連結補強部52の弾性変形により吸収することが可能になる。よって、樹脂プロテクタ33の膨張、収縮による不具合を防止することができる。
【0062】
また、連結補強部52は、複数の保持部35の帯状に並んだ面に対して直交する方向に厚肉に形成されるため、この厚肉の方向については連結補強部52が撓みにくい。したがって、電池配線モジュール20の単電池群への取付けの際に、保持部35の並び方向について電池配線モジュール20が撓んでしまうことを抑制できる。
これにより、電池配線モジュール20について、膨張、収縮による不具合を防止し、かつ、取付けの際における保持部35の並び方向の撓みを抑制することが可能となる。
【0063】
(2)連結補強部52は、複数の保持部35の並び方向に対して傾斜した方向に延出されている。
このようにすれば、複数の保持部35の並び方向について連結補強部52を弾性変形させるための構成を簡素化することが可能になる。
【0064】
(3)単電池11は、単電池11の状態を検知するための電池側検知端子12Cを備えており、電池配線モジュール20は、電池側検知端子12Cに対して締結部材により締結される電圧検知端子28(モジュール側検知端子)を備え、樹脂プロテクタ33は、電池側検知端子12Cが嵌め込まれる開口部40を有するとともに、開口部40と開口部40に嵌め込まれた電池側検知端子12Cとの間にクリアランスが設けられており、このクリアランスの範囲で開口部40と電池側検知端子12Cとの間の位置ずれが許容されている。
【0065】
電池配線モジュール20における接続部材21とは異なる位置に電圧検知端子28が設けられる構成では、電圧検知端子28を単電池11の正極及び負極の電極端子12A,12Bとは別に設けられた電池側検知端子12Cに締結部材を用いて締結する構成とすることができるが、この場合、樹脂プロテクタ33の開口部40と電圧検知端子28との間の相対的位置が完全に固定されていると、電池側検知端子12Cに締結された電圧検知端子28と開口部40との間において膨張、収縮を吸収することができない。そのため、連結補強部52により隣り合う保持部35間に膨張、収縮を吸収したとしても、電圧検知端子28の周囲における樹脂プロテクタ33の膨張、収縮により、樹脂プロテクタ33に不具合が発生することが懸念される。
【0066】
本実施形態によれば、開口部40と開口部40に嵌め込まれた電圧検知端子28との間にクリアランスが設けられており、このクリアランスの範囲で開口部40と電圧検知端子28との間の位置ずれが許容される。よって、樹脂プロテクタ33の膨張、収縮による不具合を防止することが可能になる。
【0067】
(4)樹脂プロテクタ33は、複数の保持部35を有する第1ユニット34と、第1ユニット34と接続部材21を介して接続される第2ユニット63とを備え、第1ユニット34及び第2ユニット63の少なくとも一方と接続部材21とは保持部35の並び方向にスライド移動可能に構成されている。
樹脂プロテクタ33の第1ユニット34と第2ユニット63とが接続部材21で接続して構成される場合には、接続部材21で接続される両ユニット34,63の境界部分については、両ユニット34,63が分離されているため、連結補強部52を設けることで膨張、収縮を吸収することは困難である。
【0068】
しかしながら、本実施形態によれば、第1ユニット34及び第2ユニット63の少なくとも一方と接続部材21とは保持部35の並び方向にスライド移動可能に構成されているため、温度変化により第1ユニット34及び第2ユニット63の少なくとも一方に膨張、収縮が生じたとしても、膨張、収縮を第1ユニット34及び第2ユニット63の少なくとも一方と接続部材21との間で行われるスライド移動により吸収することが可能になる。よって、樹脂プロテクタ33の膨張、収縮による不具合を防止することができる。
【0069】
(5)接続部材21には、切欠部23(被係合部)が設けられるとともに、第1ユニット34及び第2ユニット63の少なくとも一方には、切欠部23に対して接続部材21の接続方向に所定のクリアランスを有して係合可能な係合凸部50(係合部)が設けられている。
例えば、接続部材21以外の部分により各ユニット34,63を単電池11に固定する時に所定のクリアランスの範囲で接続部材21のスライド移動が可能となる。したがって、寸法誤差が生じた場合であっても、所定のクリアランスの範囲で接続部材21を接続方向に移動できるため、接続部材21の組み付け作業を容易にすることができる。
【0070】
(6)第1ユニット34と第2ユニット63は、同一形状である。
このようにすれば、第1ユニット34と第2ユニット63を共通化できるため、第1ユニット34と第2ユニット63を形成するための金型を共通化することができる。
【0071】
(7)電池配線モジュール20は、接続部材21の通し孔22(貫通孔)にボルトの軸部を挿通させて単電池11に固定されるものであり、通し孔22は、接続部材21の接続方向に長い長円形状をなす。
接続部材21の通し孔22は、接続部材21の接続方向に長い長円形状をなすため、電極端子12A,12B間や接続部材21の寸法公差による位置ずれを吸収して接続部材21の通し孔22に棒状の電極端子12A,12B又はボルトの軸部を挿通することが可能になる。
【0072】
<実施形態2>
以下、本発明の実施形態2を図12を参照しつつ説明する。実施形態2は、連結補強部70を山形に形成したものである。以下では、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
連結補強部70は、L字形であって、仕切り壁41,48のうち、前後方向について等しい位置を連結している。この連結補強部70は、左右方向に弾性変形可能となっており、上下方向には仕切り壁41,48の下端から上端まで形成されている。
【0073】
連結補強部70の山形の向きは保持部35の並び方向に対して直交する方向に凸となる向きであるため、連結補強部70が弾性変形しやすくなり、保持部35の並び方向の膨張、収縮をより効果的に吸収することが可能になる。
【0074】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、連結補強部52,70の上下方向の寸法は、仕切り壁41,48の上下方向の寸法と同じとしたが、これに限られず、少なくとも上下方向(複数の保持部35の帯状に並んだ面と直交する方向)に撓まない程度の剛性が確保できる程度に連結補強部52が上下方向に厚肉に形成されていればよい。また、連結補強部52,70の前後方向の厚みについても、上記実施形態の厚みに限られず、上下方向に剛性を確保しつつ、左右方向に弾性変形可能な程度の厚みを適宜設定することができる。
【0075】
(2)複数の保持部35の並び方向に対する連結補強部52の傾斜角度は、実施形態1の傾斜角度に限られず、弾性変形させたい度合いに応じて適宜設定することができる。
(3)上記実施形態では、接続部材21は、異極の電極端子12A,12Bを接続(直列接続)するものとしたが、これに限られず、同極の電極端子12A,12Bを接続(並列接続)するものでもよい。例えば、上記実施形態の電池モジュール10に更に別の単電池11を並列接続し、この並列接続における同極の電極端子12A,12Bを複数の接続部材21で接続するようにしたものでもよい。
【0076】
(4)電池モジュール10を構成する単電池11の数については、上記実施形態の個数に限られず、電池配線モジュール20についても単電池11の個数に応じて適宜形状を変更することができる。
(5)上記実施形態では、第1ユニット34及び第2ユニット63を連結することにより電池配線モジュール20を構成したが、これに限られず、例えば、一枚の(一体型の)接続プレートで複数の保持部35を有する電池配線モジュールを構成してもよい。
【0077】
(6)上記実施形態では、電池配線モジュール20に電圧検出端子24とは別に電圧検知端子28を設け、全体として樹脂プロテクタ33を扁平な形状としたが、これに限らず、電圧検知端子28を設けないようにしてもよい。即ち、帯状に並んだ複数の保持部35により(検知収容部53を有さない)樹脂プロテクタを構成するようにしてもよい。
(7)上記実施形態では、ナット形の電極端子12A,12Bにボルト締めして電池モジュール10を形成する構成としたが、これに限らず、棒状の軸部が突出する電極端子に締結部材であるナットを用いて締結することで電池モジュール10を形成する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0078】
10…電池モジュール
11…単電池
12…端子部
12A,12B…電極端子
12C…電池側検知端子
20…電池配線モジュール
21(21A)…接続部材
23…切欠部(被係合部)
24…電圧検出端子
28…電圧検知端子(モジュール側検知端子)
29…平板部
31…電線接続部
32…被係止片
33…樹脂プロテクタ
34…第1ユニット
35…保持部
36…収容保持部
37,47…底板
40,56…開口部
41,48…仕切り壁
45…通し溝
46…端部保持部
49…保持片
50…係合凸部(係合部)
52,70…連結補強部
53…検知収容部
57…係止部
58…係止孔
60…嵌合凸部
61…嵌合凹部
62…電線通し溝部
63…第2ユニット
W…電線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極及び負極の電極端子を有する複数の単電池からなる単電池群における隣り合う単電池の電極端子間を接続する複数の接続部材と、前記複数の接続部材を保持する樹脂プロテクタと、を備えた電池配線モジュールであって、
前記樹脂プロテクタには、
前記各接続部材を保持し、帯状に並んだ複数の保持部と、
前記複数の保持部のうち隣り合う保持部間を連結して補強する連結補強部とを備え、
前記連結補強部は、前記複数の保持部の帯状に並んだ面に対して直交する方向に厚肉に形成され、かつ、前記複数の保持部の並び方向に弾性変形可能に形成されている電池配線モジュール。
【請求項2】
前記連結補強部は、前記複数の保持部の並び方向に対して傾斜した方向に延出されている請求項1記載の電池配線モジュール。
【請求項3】
前記連結補強部は、山形に屈曲されており、この山形の向きは前記複数の保持部の並び方向に対して直交する方向に凸となる向きである請求項1又は請求項2に記載の電池配線モジュール。
【請求項4】
前記単電池は、前記単電池の状態を検知するための電池側検知端子を備えており、
前記電池配線モジュールは、前記電池側検知端子に締結部材により締結されるモジュール側検知端子を備え、
前記樹脂プロテクタは、前記電池側検知端子が嵌め込まれる開口部を有するとともに、前記開口部と前記開口部に嵌め込まれた前記電池側検知端子との間にクリアランスが設けられており、このクリアランスの範囲で前記開口部と前記電池側検知端子との間の位置ずれが許容されている請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の電池配線モジュール。
【請求項5】
前記樹脂プロテクタは、前記複数の保持部を有する第1ユニットと、前記第1ユニットと前記接続部材を介して接続される第2ユニットとを備え、
前記第1ユニット及び前記第2ユニットの少なくとも一方と前記接続部材とは前記複数の保持部の並び方向にスライド移動可能に構成されている請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の電池配線モジュール。
【請求項6】
前記接続部材には、被係合部が設けられるとともに、前記第1ユニット及び前記第2ユニットの少なくとも一方には、前記被係合部に対して前記接続部材の接続方向に所定のクリアランスを有して係合可能な係合部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の電池配線モジュール。
【請求項7】
前記第1ユニットと前記第2ユニットは、同一形状である請求項5又は請求項6に記載の電池配線モジュール。
【請求項8】
前記電池配線モジュールは、前記接続部材の貫通孔に棒状の端子又はボルトの軸部を挿通させて前記単電池に固定されるものであり、前記貫通孔は、前記接続部材の接続方向に長い長円形状をなす請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の電池配線モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−54997(P2013−54997A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193935(P2011−193935)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】