説明

電源装置、及びこれを用いた画像形成装置

【課題】圧電トランスの駆動周波数を可変するのみで、正負何れかの極性を選択して出力する。
【解決手段】駆動周波数に応じて昇圧比が変化し、駆動周波数帯に対する出力特性が異なる2種類の圧電トランス305,308と、一方の圧電トランス305の二次側に接続された正極性の電圧を出力する第1の整流回路306と、他方の圧電トランス308の二次側に接続された負極性の電圧を出力する第2の整流回路309と、2種類の圧電トランスに、同一の駆動周波数に基づく交流電圧を印加する駆動回路304,307とを備え、駆動回路304,307は、出力特性が異なる2つの駆動周波数帯の相互間で変更する。これにより、正負何れかの極性の電圧が出力される。ここで、高圧制御部206からのOUT信号が、2つの駆動回路304,307を制御することにより、2種類の圧電トランスに同一の駆動周波数の交流電圧が印加される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電トランスを用いて昇圧する電源装置、及びこれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置は、高圧電源装置を内蔵しており、この高圧電源装置が、帯電ローラを介して感光体ドラムを帯電し、現像ローラ、供給ローラや転写ローラに所定のバイアス電圧を印加してトナーを感光体ドラムに移動させたり、媒体にトナー画像を転写させたりしている。
また、圧電トランスは、駆動周波数を可変することで容易に出力電圧を可変することができ、巻線トランスに比べ、高圧電源装置を小型軽量にすることができる。
圧電トランスを用いた高圧電源装置は、目標電圧値と出力電圧のフィードバック電圧とを比較し、この比較結果に応じて出力電圧を目標電圧に定電圧制御するように、出力電圧制御手段を制御していた(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−274927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記構成の高圧電源装置では正負両極性の電圧出力を行う場合、正極性の出力に対して1つのフィードバック系を設け、負極性の出力に対して1つのフィードバック系を設ける必要があった。また、このような高圧電源装置を画像形成装置に用いる場合、正負両極性を同時に使用することは少ない。このため、上記構成の高圧電源装置では、正負両極性を同時に使用しない場合であっても、フィードバック系として、駆動周波数を制御する計2つの制御回路を構築する必要があるという問題があった。
したがって、上記構成の高圧電源装置では、部品点数が多くなる、回路基板面積が増大する、等の問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、圧電トランスの駆動周波数を変更するのみで、正負何れかの極性を選択して出力することができる電源装置、及びこれを用いた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明の電源装置は、駆動周波数に応じて昇圧比が変化し、駆動周波数帯に対する出力特性が異なる2種類の圧電トランスと、一方の前記圧電トランスの二次側に接続された正極性の電圧を出力する第1の整流回路と、他方の前記圧電トランスの二次側に接続された負極性の電圧を出力する第2の整流回路と、前記2種類の圧電トランスに、同一の前記駆動周波数に基づく交流電圧を印加する駆動回路とを備え、前記駆動回路は、前記出力特性が異なる2つの駆動周波数帯の相互間で、前記駆動周波数を変更することを特徴とする。なお、前記2種類の圧電トランスの駆動周波数に対する出力特性は、該駆動周波数帯が互いに重複していないことが好ましい。
【0007】
これによれば、一方の圧電トランスは、その駆動周波数帯で駆動することにより、正極性の二次側電圧を出力し、他方の圧電トランスは出力電圧がゼロとなる。また、他方の圧電トランスの駆動周波数帯で駆動することにより、その圧電トランスは負極性の二次側電圧を出力する。このため、駆動回路が、2種類の圧電トランスに同一の駆動周波数を印加しても、駆動周波数を切り換えることにより、正負何れかの極性を選択して出力することができる。したがって、駆動周波数を制御する制御回路を共通化することができる。
【0008】
前記目的を達成するため、第2発明の画像形成装置は、前記電源装置と、露光により静電潜像が形成され、負極に帯電される像担持体(例えば、感光体ドラム)と、前記静電潜像に現像剤(トナー)を付着させることにより現像する現像剤担持体(例えば、現像ローラ)とを備える画像形成装置であって、
前記電源装置は、前記像担持体が前記負極に帯電していない非帯電領域に前記現像剤担持体が接触しているときに、前記現像剤担持体を正極に帯電し、前記像担持体が前記負極に帯電している帯電領域に前記現像剤担持体が接触しているときに、前記現像剤担持体を負極に帯電することを特徴とする。
【0009】
画像形成中は、像担持体が帯電手段(帯電ローラ)により負極に帯電されるが、画像形成開始時は、像担持体が負極に帯電していない非帯電領域が存在する。この非帯電領域に、負極に帯電された現像剤が移動し、ベタ画像が形成されてしまう。画像形成時のベタ画像形成を防止するために、現像剤担持体を正極に帯電する。その後、像担持体が負極に帯電している帯電領域に現像剤担持体が接触したときに、現像剤担持体を負極に切り換えて、画像形成を行う。
【0010】
前記目的を達成するため、第3発明の画像形成装置は、前記電源装置と、媒体を搬送する転写ベルトと、負極に帯電された現像剤像(トナー像)が形成される複数の像担持体(例えば、感光体ドラム)と、前記転写ベルトを狭持するように各々の前記像担持体に対向配置された複数の転写ローラとを備えた画像形成装置であって、
前記電源装置は、前記複数の転写ローラを正極に帯電させて、前記現像剤像を前記媒体に転写させ、その後、前記複数の転写ローラの何れかを正極に帯電させることにより、前記転写ベルトに残存した現像剤を負極に帯電させると共に、この正極に帯電された前記転写ローラに隣接する前記転写ローラを負極に帯電させて、前記負極に帯電された現像剤を隣接する前記像担持体に回収させることを特徴とする。
【0011】
画像形成時は、複数の転写ローラを正極に帯電させて、現像剤像を媒体に転写させる。その後、画像形成完了時に、複数の転写ローラの何れかを、より高電圧の正極に帯電させることにより、転写ベルトに残存した現像剤を負極に帯電させる。さらに、この正極に帯電された転写ローラに隣接する転写ローラを負極に帯電させるようにバイアス電圧を切り換えて、負極に帯電された現像剤を隣接する像担持体に回収させる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、圧電トランスの駆動周波数を変更するのみで、正負何れかの極性を選択して出力することができる。このため、単一の制御信号を用いて、正負何れかの極性を選択して出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態の画像形成装置の全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の画像形成装置を制御する制御回路及びその周辺部品の構成図である。
【図3】本発明の第1の実施形態の高圧電源装置のブロック図である。
【図4】2種類の圧電トランスの出力電圧(昇圧比)の周波数特性を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態の高圧電源装置を中心として詳細に説明する回路図である。
【図6】本発明の第1の実施形態である高圧電源装置の出力負荷の具体的な回路図である。
【図7】本発明の第1の実施形態である高圧電源装置の高圧制御部の構成図である。
【図8】本発明の第1の実施形態である画像形成装置に使用される現像器の概略図である。
【図9】出力電圧とADC入力電圧とADC入力値と比較器入力値と対応目標値との関係を示した表である。
【図10】高圧制御部のOUT信号と2つの圧電トランス駆動回路の出力電圧波形との関係を示した図である。
【図11】誤差保持レジスタ、加算器、及び分周比セレクタの動作を説明するためのフローチャートである。
【図12A】DATA_DB信号、及びDATA_SB信号の値とDB負荷、及びSB負荷に印加されるバイアス電圧の関係を示す表である。
【図12B】DATA_DB信号、及びDATA_SB信号の値とDB負荷、及びSB負荷に印加されるバイアス電圧の関係を示す表である。
【図13】本発明の第2の実施形態である画像形成装置の全体構成図である。
【図14】本発明の第2の実施形態の転写高圧電源装置の構成図である。
【図15】本発明の第2の実施形態の転写高圧電源装置の回路図である。
【図16】本発明の第2の実施形態の転写高圧電源装置の高圧制御部の構成図である。
【図17】2種類の圧電トランスの出力電圧(昇圧比)の周波数特性を示す図である。
【図18】逆転写クリーニングの動作について説明するための図である。
【図19】出力電圧とADC入力電圧とADC入力値と比較器入力値と対応目標値との関係を示した表である。
【図20】高圧制御部のOUT信号と2つの圧電トランス駆動回路の出力波形との関係を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態につき詳細に説明する。なお、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
(第1の実施形態)
(構成の説明)
図1は、本発明の第1の実施形態である画像形成装置の全体構成図である。
画像形成装置101(101A)は、電子写真方式を用いたタンデムカラー印刷装置であり、4色の現像器102(102K、102Y、102M、102C)と、4つの露光手段としてのLEDヘッド103(103K、103Y、103M、103C)と、転写ローラ111(111K、111Y、111M、111C)と,定着器123と、給紙部としての用紙カセット117と、転写ベルト114を含む搬送部と、スタッカ(排紙トレー)129と、転写ベルトクリーニングブレード115と、転写ベルトクリーナ容器116とを備える。
なお、トナーカートリッジ104(104K、104Y、104M、104C)は現像器102(102K、102Y、102M、102C)にそれぞれ着脱可能で、内部のトナーを現像器内部に供給可能な構造となっている。
【0015】
現像器102(102K、102Y、102M、102C)は、内部に、像担持体としての感光体ドラム109(109K、109Y、109M、109C)と、帯電手段としての帯電ローラ105(105K、105Y、105M、105C)と、現像剤担持体としての現像ローラ107(107K、107Y、107M、107C)と、現像剤供給手段としての供給ローラ106(106K、106Y、106M、106C)と、薄層形成手段としての現像ブレード108(108K、108Y、108M、108C)と、クリーニングブレード110(110K、110Y、110M、110C)とを備える。なお、図面上は、感光体ドラム109K、帯電ローラ105K、現像ローラ107K、現像ブレード108K、クリーニングブレード110Kのみ示している。また、各ローラは、軸が用紙の搬送方向に垂直であって、搬送面に平行となる方向に配設されている。
【0016】
感光体ドラム109は、帯電ローラ105によって、一様に負極に帯電される。帯電された感光体ドラム109は、LEDヘッド103の発光・照射によって、照射部が放電され、静電潜像が形成される。例えば、感光体ドラム109は、−600Vの帯電電位から−40Vに放電される。
【0017】
一方、供給ローラ106は、負のバイアス電圧(例えば、−300V)が印加されており、トナーカートリッジ104内部の現像剤としてのトナーを帯電させ、帯電したトナーを現像ローラ107に供給する。現像ブレード108は、現像ローラ107に供給されたトナーを薄層化し、現像ローラ107の表面に一様なトナー層を形成する。現像ローラ107は、負のバイアス電圧(例えば、−200V)が印加されており、電界の作用により、負に帯電されたトナーを静電潜像に移動させる。感光体ドラム109は、現像ローラ107からトナーが移動することにより、静電潜像がトナー像(現像剤像)として現像される。クリーニングブレード110は、転写後の残トナーをクリーニングする機構である。
【0018】
転写ローラ111(111K、111Y、111M、111C)は、転写ベルト114裏面から転写位置にバイアス電圧が印加可能に配置される。転写ベルト駆動ローラ112、転写ベルト従動ローラ113は、転写ベルト114を張架し、ローラの駆動によって用紙を搬送可能となっている。また、転写ローラ111は、正のバイアス電圧(例えば、+2500V)が印加されており、感光体ドラム109の表面に形成され、負に帯電されたトナー画像を媒体に転写する。
【0019】
転写ベルトクリーニングブレード115は、転写ベルト114上のトナーを掻き落とせるようになっていて、転写ベルトクリーナ容器116には、転写ベルトクリーニングブレード115により掻き落とされたトナーが収容される。
【0020】
用紙カセット117は、画像形成装置101に着脱可能に取り付けられ用紙が積載される。給紙ローラ118は、転写媒体である用紙を用紙カセット117から給紙し、用紙ガイド119に沿って搬送する。レジストローラ120、121は、停止状態のところに用紙を突き当て、スキュー補正後に所定タイミングでレジストローラ120、121を駆動、転写ベルト114に用紙を搬送する。用紙検出センサ122は、接触又は非接触で用紙の通過を検知する。
【0021】
定着器123は、加熱部材124、及び圧着部材125を備え、加熱部材124は、サーミスタ216及び定着器ヒータ217(図2)を備え、用紙上に転写されたトナー像を熱と加圧によって用紙に定着する。なお、加熱部材124、及び圧着部材125は、互いに圧接させられ、ニップ部が形成されている。画像形成装置101は、排出ローラ126、127によって用紙ガイド128に沿って用紙を搬送し、排紙トレー129にフェースダウンで排出する。
【0022】
図2は、本発明の第1の実施形態である画像形成装置を制御する制御回路、及びその周辺部品の構成図である。
図2において、画像形成装置101は、前記したLEDヘッド103(103K、103Y、103M、103C)と、現像器102(102K、102Y、102M、102C)と、転写ローラ111(111K、111Y、111M、111C)と、定着器123とを備え、さらにホストインタフェース部201と、給紙モータ210と、搬送モータ211と、転写ベルト駆動モータ212と、定着器駆動モータ213と、感光体ドラム駆動モータ214と、記憶部215と、用紙検出センサ122と、これらを全体制御する制御回路とを備える。
【0023】
制御回路200は、ホストインタフェース部201から入力される印刷データをコマンド/画像データに変換処理するコマンド/画像処理部202と、各モータ210,211,212,213,214を駆動するモータ制御部205と、LEDヘッド103(103K、103Y、103M、103C)を駆動するLEDヘッドインタフェース部203と、帯電ローラ105(105K,105Y,105M,105C)にバイアス電圧を印加する帯電バイアス発生部207と、供給ローラ106(106K,106Y,106M、106C)、及び現像ローラ107(107K,107Y,107M、107C)にバイアス電圧を印加する現像/供給バイアス発生部208と、転写ローラ111(111K、111Y、111M、111C)にバイアス電圧を印加する転写バイアス発生部209と、帯電バイアス発生部207、現像/供給バイアス発生部208、及び転写バイアス発生部209を制御する高圧制御部206と、コマンド/画像処理部202、モータ制御部205、LEDヘッドインタフェース部203、及び高圧制御部206を制御するプリンタエンジン制御部204とを備える。
【0024】
ホストインタフェース部201は、外部機器(ホスト)から送信される印刷データ(例えば、コマンドデータ、文書データ、画像データ)を受信し、印刷データをコマンド/画像処理部202に送信する。コマンド/画像処理部202は、ホストインタフェース部201から印刷データを受信し、ページ記述言語で記述された印刷データを画像データ(ビットマップデータ)に変換し、LEDヘッドインタフェース部203に画像データを送る。
【0025】
LEDヘッドインタフェース部203は、プリンタエンジン制御部204によってヘッド駆動パルス等が同期制御され、コマンド/画像処理部202が出力する画像データを用いてLEDヘッド103K、103Y、103M、103Cを発光させる。
【0026】
プリンタエンジン制御部204は、コマンド/画像処理部202から入力された印刷データや画像データを記憶部215に一時的に格納する。また、プリンタエンジン制御部204は、各モータ210,211,212,213,214を制御するモータ制御値を演算すると共に、帯電ローラ105K、105Y、105M、105C、供給ローラ106K、106Y、106M、106C、現像ローラ107K、107Y、107M、107C、転写ローラ111K、111Y、111M、111Cに印加する、それぞれのバイアス電圧を演算する。
【0027】
プリンタエンジン制御部204は、高圧制御部206に帯電バイアス、現像バイアス、転写バイアス等のバイアス電圧値データを送り、高圧制御部206は帯電バイアス発生部207、現像/供給バイアス発生部208、転写バイアス発生部209に制御信号を送る。
そして、帯電バイアス発生部207、現像/供給バイアス発生部208は、それぞれブラック現像器102K、イエロー現像器102Y、マゼンタ現像器102M、シアン現像器102Cの帯電ローラ105K、105Y、105M、105C、供給ローラ106K、106Y、106M、106C、現像ローラ107K、107Y、107M、107Cにバイアス電圧を印加する。転写バイアス発生部209は、転写ローラ111K、111Y、111M、111Cにバイアス電圧を印加する。
【0028】
用紙検出センサ122は、転写バイアスの発生タイミング、及びLEDヘッド103K、103Y、103M、103Cの点灯タイミングを調整するために用いられる。プリンタエンジン制御部204は、給紙モータ210、搬送モータ211、ベルトモータ212、定着器駆動モータ213、感光体ドラム駆動モータ(K、Y、M、C各1個ずつ配置)214を所定のタイミングで駆動する。定着器123は、プリンタエンジン制御部204によって、定着器ヒータ217の温度制御がサーミスタ216の検出値に応じて行われる。
【0029】
図3は、本実施形態の高圧電源装置のブロック図である。
図3において、高圧電源装置301は、高圧制御部206と現像/供給バイアス発生部208とを有し、プリンタエンジン制御部204、及び出力負荷310が接続されている。
高圧制御部206は、圧電トランス駆動信号を出力するためのASIC(Application Specific Integrated Circuit)として構成されている。なお、高圧制御部206は、高圧電源装置内にあるが、プリンタエンジン制御部204のLSI内にあっても構わない。また、本実施形態においては、ASICという呼称を用いているが、マイクロプロセッサ等のCPUを内蔵したものでも実現可能であるし、FPGA(Field Programmable Gate Array)でも実現可能である。
【0030】
現像/供給バイアス発生部208は、圧電トランス305,308と、整流回路306、309と、圧電トランス駆動回路304,307と、DC電源302,303と、出力電圧変換手段311とを備え、2種類の整流回路306、309の出力側と出力電圧変換手段311の入力側とは互いにC点で接続されている。
【0031】
圧電トランス(PZT(Piezo electronic Transformer))305、308は、セラミック等の圧電振動子の電気−機械変換作用を利用して機械共振させて、さらに機械−電気変換作用により昇圧を行う。
【0032】
圧電トランス駆動回路304、307は、スイッチング素子(NチャネルパワーMOSFET412、424)を用いた駆動回路であり、圧電トランス305、308を駆動する。なお、圧電トランス駆動回路304、307は、高圧制御部206からのOUT信号317を共通に使用し、駆動周波数も共通になっている。
整流回路306は、圧電トランス305の二次側交流電圧を負極性の直流電圧に整流する整流回路であり、整流回路309は、圧電トランス308の二次側交流電圧を正極性の直流電圧に整流する整流回路である。DC電源302、303は各チャネル共通のDC電源である。
【0033】
出力負荷310は、供給ローラ106K,106Y,106M、106C、及び現像ローラ107K,107Y,107M、107C自体を意味し、現像ローラ印加バイアス電圧、及び供給ローラ印加バイアス電圧を生成(調整)する回路(現像バイアス回路447、供給バイアス回路450)を含む。出力負荷310は、これらの調整されたバイアス電圧によって、高圧電源装置301としての負荷の重さが変動する。
【0034】
プリンタエンジン制御部204から高圧制御部206に出力される信号は、DATA信号314、DATA_DB信号315、DATA_SB信号316、ON信号313、及びRESET信号312である。
DATA信号314は、圧電トランス305、308の二次側高電圧に相当する8bitのデータ信号である。DATA_DB信号315は、現像バイアスの電圧値に相当する8bitのデータ信号であり、DATA_SB信号316は供給バイアスの電圧値に相当する8bitのデータ信号である。ON信号313は、バイアス電圧を出力するかしないか示す信号である。
【0035】
高圧制御部206は、圧電トランスの駆動周波数を制御するクロック信号としてのOUT信号317を出力し、出力電圧変換手段311が検出する二次側高電圧をアナログ−デジタル変換するADC318を有する。プリンタエンジン制御部204は、DATA_DB信号315、及びDATA_SB信号316は、高圧制御部206に入力され、PWM_DB信号319、及びPWM_SB信号320として高圧制御部206から出力される。そして、PWM_DB信号319、及びPWM_SB信号320は、出力負荷310に入力される。
【0036】
圧電トランス305、308は、互いに異なる周波数帯で圧電振動、昇圧動作するものを用いるものとし、さらに、一方の圧電トランスの共振周波数に対して、他方の圧電トランスの共振周波数が1.2〜1.8倍の周波数になっていることを特徴とする。本実施形態において、圧電トランス305はタムラ製作所(株)製のAS243T(共振周波数105kHz前後)、圧電トランス308は、同じくタムラ製作所(株)製のAP313T(共振周波数160kHz前後)を用いるものとするが、前記条件を満たすものであれば他の圧電トランスでも実現可能である。
【0037】
図4は、2種類の圧電トランスの出力電圧(昇圧比〉の周波数特性を示す図である。横軸は駆動パルス周波数[kHz]を示し、縦軸は整流回路306,309を介して整流された出力電圧[V](昇圧比)を示す。
図中で、fr1が圧電トランス305の共振周波数を示し、fr2が圧電トランス308の共振周波数を示している。圧電トランス305の周波数帯は、約95kHzから135kHzであり、圧電トランス308の周波数帯は、143kHzから185kHzであり、双方の周波数帯は互いに重複していない。また、一方の圧電トランス308が最大昇圧性能を発揮する駆動周波数fr2は、他方の圧電トランス305が最大昇圧性能を発揮する駆動周波数fr1の約1.5倍(前記した1.2倍〜1.8倍の範囲内である。)となっている。なお、図4での出力電圧値は、一例であり、圧電トランス駆動回路における回路定数の変更によって異なる値が得られ、また、負荷の大小によっても電圧値が変動する。
【0038】
負極性バイアス電圧出力用の圧電トランス305の方が、正極性バイアス電圧出力用の圧電トランス308よりも出力電圧が高くなるようなものを用いている理由は、負極性の方が絶対値として大きなバイアスが必要なためである。高圧制御部206は、DATA信号314が負極性の目標電圧を示すものである場合には圧電トランス305を駆動する周波数帯のパルスをOUT信号317として出力し、逆に、DATA信号314が正極性の目標電圧を示すものである場合には、圧電トランス308を駆動する周波数帯のパルスをOUT信号317として出力する。
【0039】
図5は、図3の構成図について、高圧電源装置301を中心として詳細に説明する回路図である。図中で、図3と同じ構成要素には同じ符号を付している。
高圧電源装置301は、現像/供給高圧回路401と高圧制御部206とを備え、現像/供給高圧回路401は、2組のDC電源302、303と、圧電トランス駆動回路304、307と、圧電トランス305、308と、整流回路306、309と、出力電圧変換手段311とを有している。
【0040】
圧電トランス305、308は、図中Aで示した部分が一次側の入力端子であり、ここに圧電トランス駆動電圧を印加することにより、昇圧された交流電圧が図中Bで示した二次側から出力される。
整流回路306は、圧電トランス305の二次側交流電圧を負極性の直流電圧に整流する。整流回路309は、圧電トランス308の二次側交流電圧を正極性の直流電圧に整流する。DC電源302、303は、それぞれ12V、24Vの電源であり、図示しない低圧電源装置によって商用電源AC100Vから変圧・整流することによって実現される。
圧電トランス駆動回路304、307は、それぞれ、圧電トランス305、308を駆動する。
【0041】
発振器438は、基準クロック50MHzを生成し、このクロック信号を高圧制御部206に出力する。出力電圧変換手段311は、整流回路306、309の正負の2次側電圧を抵抗器430,431で分圧して、オペアンプ435によるバッファを介して、分圧電圧を高圧制御部206のADC端子318に入力する。
【0042】
出力負荷310は、高圧電源装置301の正負の出力電圧から、現像バイアス、及び供給バイアスを生成する生成回路である。
出力負荷310は、抵抗器445と並列接続されたダイオード446を介して現像バイアス回路447に接続されており、また、抵抗器448と直列接続されたダイオード449を介して供給バイアス回路450に接続されている。なお、ダイオード446は、アノード端が高圧電源装置301に接続され、カソード端が現像バイアス回路447に接続されている。ダイオード449は、カソード端が抵抗器448に接続され、アノード端が供給バイアス回路450に接続されている。
【0043】
発振器438は、3.3V直流電源437から電源電力が供給され、電源電圧がVDD439、及び出力イネーブル端子OE440に印加される。
発振器438は、GND端子442が接地され、CLK_OUT441端子が抵抗器443を介して高圧制御部206のCLK_IN端子444に接続される。
【0044】
高圧制御部206は、CLK_IN444から入力される、50MHzのクロック信号に同期して動作する。OUT信号317は、圧電トランス駆動パルスとして、矩形波信号が出力される。プリンタエンジン制御部204と高圧制御部206とは、5種の信号(RESET信号312、ON信号313、DATA信号314、DATA_DB信号315、DATA_SB信号316)を入出力する端子やポートで接続される。
【0045】
圧電トランス駆動回路304は、抵抗器402、403、405、406、409と、NPNトランジスタ404、407、408と、PNPトランジスタ410と、NチャネルパワーMOSFET412と、オートトランス411と、コンデンサ413とによって構成される。
【0046】
高圧制御部206が出力するOUT信号317は、NPNトランジスタ404、407、及びFETゲートドライブ回路を介してNチャネルパワーMOSFET412のゲートに入力される。ここで、FETゲートドライブ回路は、NPNトランジスタ408、抵抗器409、及びPNPトランジスタ410によって構成されている回路である。
オートトランス411とコンデンサ413とはLC共振回路を構成し、オートトランス411は、圧電トランス305の一次側(入力側)Aに240Vpeak程度の正弦半波が印加されるように中点タップの位置が設定される。
【0047】
図4で示したように、圧電トランス305は、昇圧比が周波数特性を有しているので、NチャネルパワーMOSFET412のスイッチング周波数、即ち、OUT信号317のクロック周波数に応じた昇圧比の出力電圧を二次側Bに出力する。
また、圧電トランス駆動回路307は、圧電トランス駆動回路304における1段目のNPNトランジスタ404以降が枝分かれした構成になっている。つまり、圧電トランス駆動回路307は、抵抗器418、421と、NPNトランジスタ419、420と、PNPトランジスタ422と、NチャネルパワーMOSFET424と、インダクタ423と、コンデンサ425とを備えて構成される。
【0048】
圧電トランス駆動パルス信号であるOUT信号317は、NPNトランジスタ404、419、及びFETゲートドライブ回路を介してFET424のゲートに入力される。ここで、FETゲートドライブ回路は、NPNトランジスタ420、抵抗器421、及びPNPトランジスタ422によって構成される回路をいう。
【0049】
インダクタ423とコンデンサ425とは、LC共振回路を構成し、圧電トランス308の一次側(入力側)Aに100Vpeak程度の正弦半波を印加する。これにより、圧電トランス308の二次側BにはNチャネルパワーMOSFET424のスイッチング周波数、即ち、OUT信号317の周波数に応じた昇圧比の出力電圧が得られる。
【0050】
圧電トランス305,308の二次側Bの出力電圧は、図4に示すように駆動周波数によって変動するので、NチャネルパワーMOSFET412,424のスイッチング周波数と負荷の組み合わせにより昇圧比が決定される。圧電トランス305,308の出力制御は、高い周波数で駆動開始し、そこから駆動周波数を下げていくことにより出力電圧を上昇させ、目標の出力電圧を得るように制御を行う。
【0051】
再び、図5に戻って、整流回路306は、ダイオード414、415、及びコンデンサ416により構成され、圧電トランス305の二次側Bから出力される交流高電圧を負極性の直流高電圧に整流する。また、整流回路309は、ダイオード426、427、及びコンデンサ428によって構成され、圧電トランス308の二次側Bから出力される交流高電圧を正極性の直流高電圧に整流する。抵抗器417、429は圧電トランス出力調整用である。
【0052】
出力電圧変換手段311は、抵抗器430と抵抗器431とによって、二次側高電圧と2.5VのDC電源436の電位差を分圧し、分圧された分圧電圧を抵抗器433とコンデンサ434とからなる低域通過フィルタにより平滑し、オペアンプ435(図示しない24VDC電源に接続される)のボルテージフォロアを介して、分圧電圧が高圧制御部206のADC318の入力端子に印加される。ここで、抵抗器430は、100MΩであり、抵抗器431は300kΩである。
【0053】
DC電源436による2.5Vの電位が二次側高電圧の正負における分圧値の閾値となる。これにより、分圧された分圧電圧は、正極性側の最大電圧時に3.3Vとなり、二次側電圧ゼロで2.5Vとなり、負極性側の最大電圧時に0Vとなる。ダイオード432は、出力電圧が−830Vを下回った場合(絶対値が830Vを超えた場合)にオペアンプに負電圧が入力されないようにするためのクランプダイオードである。ADC318は、出力電圧を8bitデジタル値(00h〜FFh)にAD変換する。
【0054】
DATA_DB信号315は、現像電圧値を設定するための8bit信号であり、高圧制御部206は、00h〜FFhの値に応じて出力負荷310に入力するPWM_DB信号319を設定し、出力する。DATA_SB信号316は、供給電圧値を設定するための8bit信号であり、高圧制御部206は、00〜FFhの値に応じて出力負荷310に入力するPWM_SB信号320信号を設定、出力する。
【0055】
図6は、図5の出力負荷310の具体的な回路図である。
出力負荷310は、現像バイアス回路447と、供給バイアス回路450とを備え、高圧制御部206(図5)から出力される現像バイアスPWM設定信号のPWM_DB信号319、及び供給バイアスPWM設定信号のPWM_SB信号320を入力し、高圧電源装置301の正負の二次側高電圧をDB負荷514及びSB負荷528に印加する。この現像バイアス回路447や、供給バイアス回路450により、高圧電源装置301の出力電圧を目標電圧に設定した状態で、DB負荷514や、SB負荷528に印加する電圧を変化させることができる。
【0056】
現像バイアス回路447は、抵抗器501、504、506、507、508、509、510、513、コンデンサ502、503、オペアンプ505(図示しない24VDC電源に接続される)、PNPトランジスタ511、24VDC電源303、3.3V直流電源437、ツェナダイオード512、現像ローラであるDB負荷514を備える。
【0057】
供給バイアス回路450は、抵抗器515、518、520、521、522、523、524、527、コンデンサ516、517、オペアンプ519(図示しない24VDC電源に接続される)、PNPトランジスタ525、24VDC電源303、3.3V直流電源437、ツェナダイオード526、供給ローラであるSB負荷528からなる。
【0058】
ここで、ツェナダイオード512、526は、ツェナ電圧75Vのものを用い、抵抗器507、521は100MΩのものを用い、抵抗器506、520は760kΩのものを用いている。現像バイアス回路447と供給バイアス回路450とは、高圧電源装置301からの共通の高圧出力をそれぞれPWM制御してDB負荷514やSB負荷528に出力するものである。高圧電源装置301から現像バイアス回路447までは、10MΩの抵抗器445、及びダイオード446の並列回路を介して接続され、また高圧電源装置301から供給バイアス回路450までは、10MΩの抵抗器448、及びダイオード449の直列回路を介して接続される。この内、ダイオード446は正極性のDB出力時に抵抗器445での電圧降下を無くすためのものであり、ダイオード449は同じく正極性のDB電圧出力時に、SB負荷528にDB電圧が印加されないようにするためのものである。
【0059】
以上述べたように、現像バイアス回路447と供給バイアス回路450とは同様の回路を並列配置する。本実施形態では1チャネル分の回路を示したが、カラー4色の場合はこれを4つ並置する。もしくは、圧電トランスのドライブ能力を上げて現像バイアス、供給バイアス4色分8チャネルを1つの高圧出力でまかなうことも可能である。
【0060】
図7は、図5における高圧制御部206の構成図である。回路は論理記述言語等により記述され、ASIC化される。
RESET信号312は、プリンタエンジン制御部204からの信号であり、CLK_IN信号444は、発振器438からのクロック信号である。ON信号313は高圧出力するかしないかを制御する信号である。
VFB信号は、出力電圧変換手段311の出力信号であり、圧電トランスの二次側電圧のフィードバック信号である。DATA信号314は、高圧出力の目標電圧値を示す8bit値であり、DATA_DB信号315は、現像バイアス設定値8bitの信号であり、DATA_SB信号316は、供給バイアス設定値8bitの信号である。
OUT信号317は、パルス出力信号であり、圧電トランス駆動回路に出力する圧電トランス制御信号である。DATA_DB信号315、DATA_SB信号316は、それぞれ現像バイアス目標電圧、供給バイアス目標電圧に対応した8bit値の信号であり、高圧制御部206は、これらの値に対応したPWM設定値であるPWM_DB信号319や、PWM_SB信号320を出力する。
【0061】
高圧制御部206は、8bitのADC318と、インバータ601と、比較器602と、出力極性判定部603と、演算器604と、圧電トランス補正値605と、分周比カウンタ上限値606と、分周比カウンタ下限値607と、タイマ608と、制御周期値609と、二値化パルス出力生成部610とを備える。
二値化パルス出力生成部610は、19bitレジスタ611と、誤差保持レジスタ612と、加算器613と、分周比セレクタ614と、分周器615と、出力セレクタ616とを備える。
【0062】
ADC318は、出力電圧変換手段311の出力0〜3.3Vを8bitデジタル値に変換するアナログ−デジタル変換器である。インバータ601は、8bit出力の反転回路であり、ADC318の出力の各ビットデータの1と0とを反転して出力する。
【0063】
タイマ608は、140μs周期のパルスを出力する回路であり、制御周期値609に記憶された値「7000(1B58h)」の値を参照し、内部13bitカウンタを前記参照値から始めて1B58、1B57、1B56、…0003、0002、0001、0000と減算し、値が「0000」となると初期値の1B58hをリロードする。前記カウント値にてCLK_IN444(50MHzであるので20ns周期)をカウントするので、140μs周期の矩形波パルスを出力する。出力された矩形波パルスは演算器604、及び12bitADC318に入力され、演算およびAD変換開始のトリガ信号となる。
【0064】
出力極性判定部603は、8bitの目標電圧DATA信号314が負極性の電圧を示すものであるか、正極性の電圧を示すものであるかを判定する。出力極性判定部603は、判定結果を1bitデジタル値で出力し、負極性の場合にはHighレベル、正極性の場合にはLowレベルを、演算器604、圧電トランス補正値605、分周比カウンタ上限値606、分周比カウンタ下限値607に出力する。
【0065】
圧電トランス補正値605は、圧電トランス個々の特性ばらつきを補正する値であり、画像形成装置101の製造出荷時に書き込み、保存される値である。前記したように、負極性の高圧出力時には圧電トランス305(図5)を駆動し、正極性の高圧出力時には圧電トランス308(図5)を駆動するため、極性反転時にはそれぞれに対応した補正値に切り替える。
【0066】
分周比カウンタ上限値606、及び分周比カウンタ下限値607は、圧電トランスの駆動周波数帯を設定するものであり、前記補正値と同様に、高圧出力の極性反転時には圧電トランス305(図5)に対応したものと、圧電トランス308(図5)に対応したものとを切り替える。
【0067】
比較器602は、8bitの目標電圧値であるDATA信号314の入力値と、ADC318の出力値をインバータ601で反転させた8bit値とを比較して、以下に規定する2bit出力を行う。
目標値8bit>インバータ601出力8bit
の場合に「00b」を出力し、
目標値8bit=インバータ601出力8bit
の場合に「01b」を出力し、
目標値8bit<インバータ601出力8bit
の場合に「10b」を出力する。なお、正極性のバイアス出力時は高圧出力ON信号313がLowの場合に00bを出力し、負極正のバイアス出力時には高圧出力ON信号313がLowの場合に10bを出力する。
【0068】
演算器604は、比較器602からの入力2bit値に応じて演算を行い、二値化パルス出力生成部610の19bitレジスタ611の値を更新する。ここで、演算器604は、高圧出力の極性反転時にはこの演算の極性を反転する。出力極性判定部603での判定結果がHigh(負極性)の場合、
比較器602の出力00b : 1を加算
比較器602の出力01b : 値を更新しない
比較器602の出力10b : 1を減算
一方、判定部603での判定結果がLow(正極性)の場合、
比較器602の出力00b : 1を減算
比較器602の出力01b : 値を更新しない
比較器602の出力10b : 1を加算
また、RESET信号312入力時は19bitレジスタ611の値を、上位9bitを分周比カウンタ下限値607、下位10bitを000hとして初期化する。
さらに前記加減算での19bitレジスタ611更新時には分周比カウンタ上限値606および分周比カウンタ下限値607と比較を行い、
演算結果19bit < {下限値9bit,下位10bit000h}
の場合に19bitレジスタ611更新値を{下限値9bit,下位10bit000h}とし、
演算結果19bit > {上限値9bit,下位10bit000h}
の場合に19bitレジスタ611更新値を{上限値9bit,下位10bit000h}とする。
【0069】
以下、二値化パルス出力生成部610について説明する。
19bitレジスタ611は、演算器604により値が更新され、分周比値を保持する19bitのレジスタである。上位9bit(bit18〜10)が分周比の整数値を示し、下位10bitが「値/1024」に相当する小数値を示す。19bit値は下位10bitを誤差保持レジスタ612に出力し、上位9bit値を加算器613、及び分周比セレクタ614に出力する。
【0070】
誤差保持レジスタ612は、19bitレジスタ611の下位10bitが入力され、分周器615から出力される圧電トランス駆動パルスの立ち上がりエッジ毎に前記10bit値をレジスタ保持値の10bit値に加算し、レジスタ保持値を更新する。前記した加算時にレジスタのオーバフローが発生した場合は分周比セレクタ614にHighレベルのSelect信号を出力し、オーバフローが発生しない場合はLowレベルのSelect信号を出力する。
【0071】
加算器613は、19bitレジスタ611から入力された9bit値に1を加算した9bit値を分周比セレクタ614に出力する。分周比セレクタ614は、19bitレジスタ611の上位9bitと加算器613の9bit値とが入力される。分周比セレクタ614は、誤差保持レジスタから入力されるSelect(オーバフロー)信号がHighの場合には加算器613からの入力を出力し、前記Select信号がLowの場合には19bitレジスタ611から入力された9bit値を分周器615に出力する。
【0072】
分周器615は、分周比セレクタから入力された9bit値をカウントし、9bit×20ns周期(CLK_IN信号444周期)でONデューティ30%のパルスを出力セレクタ616に出力する。なお、30%値は、9bit出力値の1/4値、1/32値、1/64値の和、即ち、分周比セレクタの9bit出力値をそれぞれ2bit右シフト、5bit右シフト、6bit右シフトした値の和による。
【0073】
(動作説明)
まず、本実施形態における画像形成装置全体の概略動作を説明する。
図1の画像形成装置101は、外部機器からホストインタフェース部201(図2)を介してPDL(Page Description Language)等で記述された印刷データを入力する。入力された印刷データは、コマンド/画像処理部202によってビットマップデータに変換される。
【0074】
画像形成装置101は、定着器123の加熱部材124、及び圧着部材125を、サーミスタ216の検出値に応じて定着器ヒータ217を制御することにより所定温度にした後、印字動作を開始する。画像形成装置101は、給紙カセット117にセットされた用紙を給紙モータ210で駆動する給紙ローラ118で給紙する。用紙ガイド119に沿って用紙を搬送し、停止状態のレジストローラ120、121の対に用紙を突き当て、スキューを補正した後、以下で説明する画像形成動作に同期したタイミングで搬送モータ211を駆動開始し、レジストローラ120、121によって用紙は転写ベルト114上に搬送される。
【0075】
このとき、前記ビットマップデータに応じてLEDヘッド103K、103Y、103M、103Cが点灯される。これにより、感光体ドラム109K、109Y、109M、109Cには、静電潜像が形成される。
現像器102K、102Y、102M、102Cは、電子写真プロセスにより現像器内の感光体ドラム109K、109Y、109M、109Cにトナー像を形成する。現像器102K、102Y、102M、102Cによって現像されたトナー像は、転写ベルト114上を搬送される用紙に転写される。このとき、転写ベルト114を狭持して感光体ドラム109K、109Y、109M、109Cに対向して配設されている転写ローラ111K、111Y、111M、111Cは、転写バイアス電圧が印加されている。
用紙上に4色のトナー像を転写した後、定着器123は、加熱・加圧により用紙上のトナー像を定着させ、排出ローラ126、127は、用紙ガイド128に沿って用紙を搬送し、排紙する。
【0076】
本実施形態での主要な制御対象は供給ローラ106K、106Y、106M、106C、及び現像ローラ107K、107Y、107M、107Cに印加するバイアス電圧であるが、これらは同様の構成を4色分並置するものであるので、以下の説明は1色分とする。
【0077】
プリンタエンジン制御部204は、感光体ドラム駆動モータ214により感光体ドラム109を回転駆動させると同時に、現像バイアス電圧の印加を開始する。
図8は、画像形成装置101に使用される現像器102の概略図である。感光体ドラム109、及び帯電ローラ105は、時計方向に回転し、現像ローラ107、及び供給ローラ106は、反時計方向に回転している。ここで、供給ローラ106と現像ローラ107とは、互いに逆方向に回転するようになっており、感光体ドラム109に移動せずに現像ローラ107に残されたトナーが掻き落とされるようになっている。
【0078】
図8において、両側破線矢印で示される距離L[mm]の間、即ち、感光体ドラム109表面上の帯電ローラ105の位置から現像ローラ107の位置までは、起動時は非帯電部となっており、このままではこの部分にトナー801(供給ローラ106によって負に帯電)がベタで付着してしまう。これを防ぐために、この間は現像ローラ107を正帯電させる。感光体ドラム109の帯電部が現像ローラ107位置に差し掛かったところ、即ち、距離L[mm]分だけ感光体ドラムを回転させた時点で、プリンタエンジン制御部204は、現像バイアス電圧を負極性に切り替え、同時に供給バイアス電圧の印加も開始させる。負極性の現像バイアス電圧、及び供給バイアス電圧の印加は、画像形成装置101による印字動作が終了して感光体ドラム109の回転を停止するまで維持する。
【0079】
バイアス電圧の印加に当たっては、高圧制御部206は、LowレベルのRESET信号312を入力し、内部の諸々の設定を初期化する。次に、高圧制御部206は、二次側高電圧の目標値に相当する9bit値をDATA314信号から入力する。この出力電圧とDATA信号314の8bit値との関係は図9に示す「出力電圧」と「対応目標値8bit」で示される値である。具体的に、設定範囲−830〜270Vの出力電圧に対して8bit値00h−FFhとなる。なお、図9の表は、出力電圧とADC入力電圧とADC入力値と比較器入力値と対応目標値との関係を示している。
【0080】
プリンタエンジン制御部204は、目標電圧値としてのDATA信号を出力した後、現像バイアス電圧を印加する所定のタイミングでON信号313をLowレベルからHighレベルに遷移する。高圧制御部206は、ON信号313がHighレベルとなると、直ちに、OUT信号317の出力ポートを介して圧電トランス制御パルスを圧電トランス駆動回路に出力する。圧電トランス駆動回路304は、供給される24VDC電源302をスイッチングして、圧電トランス305の一次側に240Vpeak程度の正弦半波を印加する。また、圧電トランス駆動回路307は、供給される24VDC電源302をスイッチングして、圧電トランス308の一次側に100Vpeak程度の正弦半波を印加する。
【0081】
図10は、高圧制御部206のOUT信号317と2つの圧電トランス駆動回路304、307の出力電圧波形との関係を示している。ここで、高圧制御部206は、負極性のバイアス電圧を出力する場合には圧電トランス305を駆動する周波数のOUT信号317を出力し、正極性のバイアス電圧を出力する場合には圧電トランス308を駆動する周波数のOUT信号317を出力する。なお、何れの場合であっても、圧電トランス駆動回路304、307の出力電圧波形は、高圧制御部206のパルス出力と同期がとれており、振幅のみが異なっている。
【0082】
圧電トランス305、308は、一次側に圧電トランス駆動回路が接続され、二次側に駆動周波数に応じて昇圧された電圧を出力する。整流回路306は、ダイオード414,415とコンデンサ416により構成され、負極性のバイアス電圧を出力する。整流回路309は、整流回路306と逆向きに接続されたダイオード426,427とコンデンサと428により構成され、正極性のバイアス電圧を出力する。
【0083】
出力電圧変換手段311は、整流回路306の二次側高電圧(負極性)又は整流回路309の二次側高電圧(正極性)を、0〜3.3Vの範囲の電圧にレベル変換し、高圧制御部206のADC318に出力する。ここで、電圧変換手段311は、負極性のバイアス電圧の場合には0〜2.5Vを出力し、正極性のバイアス電圧の場合には2.5〜3.3Vの電圧を出力する。
【0084】
出力負荷310は、現像ローラ印加バイアス、及び供給ローラ印加バイアスを生成する回路が含まれ、バイアス電圧によって負荷が変動する。ADC318は出力電圧変換手段311出力である0〜3.3Vの電圧を8bitのデジタル値に変換するアナログ−デジタルコンバータである。変換された検出値は図9に示すようになり、検出値8bitの反転値とDATA信号314の入力8bitの値とが等しくなるように、OUT信号317の出力パルス周波数を高圧制御部206が制御する。出力電圧変換手段311を介した検出値による圧電トランス駆動周波数のフィードバック制御が行われる。
【0085】
続いて図5の回路図を用いて詳細に説明する。OSC438は、高圧制御部206のCLK_IN444に入力する基準クロック発信器である。
高圧制御部206は、50MHzのクロック信号を入力する。プリンタエンジン制御部204から入力されるRESET信号312がLowレベルとなったときに諸々の設定を初期化する。次に、高圧制御部206は、高圧出力ON信号313がLowレベルからHighレベルに遷移するとOUT信号317の出力ポートから初期値の圧電トランス駆動周波数のパルス(ONデューティ30%)を出力する。
【0086】
ここで、画像形成装置101の動作開始直後は、感光体ドラム109の非帯電部へのトナー付着防止のため、現像ローラ107を正極性に帯電させる必要がある。このため、高圧電源装置301は、初め、正極性のバイアス電圧を出力する。このとき駆動する駆動トランスは圧電トランス308であり、圧電トランス308の駆動パルス周波数初期値は、180kHzである。出力パルスは12VDC電源302、抵抗器402、403、405、418、NPNトランジスタ404、419から構成される圧電トランスドライブ能力向上回路、及び抵抗器421、NPNトランジスタ420、PNPトランジスタ422から構成されるFETゲートドライブ回路を介してNチャネルパワーMOSFET424のゲートに印加される。
【0087】
FET424のゲートをON/OFFすることにより24VDC電源303、インダクタ423、コンデンサ425、及び圧電トランス308で構成される共振回路が駆動され、圧電トランス308の一次側の点Aに図10で示すような電圧100Vpeak程度の正弦半波が印加される。圧電トランス308は、その二次側の点B端子でダイオード426、427、コンデンサ428により正極性の直流電圧に整流される。整流された直流電圧は、ダイオード446を介してDB負荷に出力される。なお、正極性電圧は、ダイオード449によってSB負荷には出力されない。
【0088】
次に、負極性のバイアス電圧を出力する場合、このとき駆動トランスは圧電トランス305であり、圧電トランス305の駆動周波数の初期値は130kHzである。出力パルスは12VDC電源302、抵抗器402、403、405、406、NPNトランジスタ404、407から構成される圧電トランスドライブ能力向上回路、及び抵抗器409、NPNトランジスタ408、PNPトランジスタ410から構成されるFETゲートドライブ回路を介してNチャネルパワーMOSFET412のゲートに印加される。
【0089】
NチャネルパワーMOSFET412のゲートをON/OFFすることにより24VDC電源303、オートトランス411、コンデンサ413、及び圧電トランス305で構成される共振回路が駆動され、圧電トランス305の一次側A端子に図10で示すような電圧240Vpeak程度の正弦半波が印加される。圧電トランス305の二次側B端子のAC電圧はダイオード414、415、コンデンサ416により負極性のバイアス電圧に整流される。出力されたバイアスは抵抗器445を介して現像バイアス回路447に出力され、抵抗器448、ダイオード449を介して供給バイアス回路450に出力される。
【0090】
抵抗器417、429は正負極性それぞれのバイアス出力値の調整抵抗である。正極性のバイアス電圧時、抵抗器429には常に電流が流れて負荷に対する出力以外に余計な消費電流が流れる。抵抗器429の抵抗値を大きくし、又は抵抗器417の抵抗値を小さくすれば消費電流が抑えられる。しかしながら、このとき負荷に対する出力とほぼ同じ大きさの電流が抵抗器417にも流れるため、抵抗器417の抵抗値が大きいと必要なトランスの体格が大きくなる。
【0091】
逆に、負極性のバイアス電圧出力時、抵抗器417には常に電流が常に電流が流れて負荷に対する出力以外に余計な消費電流が流れる。抵抗器417の抵抗値を大きくし、又は抵抗器429の抵抗値を小さくすれば消費電流が抑えられる。しかしながら、このとき出力負荷310とほぼ同じ大きさの電流が抵抗器429にも流れるため、抵抗器429の抵抗値が大きいと必要なトランスの昇圧能力が大きくなる。
【0092】
以上のことから、正極性と負極性とのバイアス電圧は、トレードオフの関係にあり、抵抗器417,429の抵抗値は必要に応じて調整する。負荷に対しては金属接点を介して接続され、セットされていない場合には抵抗器445、448、ダイオード446、449の先で負荷開放状態となる。負荷となる現像器102が全くセットされていない状態においては印刷が行えないので画像形成装置101は不図示のオペレーションパネルにエラーを表示する。
【0093】
出力変換手段311は、100MΩの抵抗器430と300kΩの抵抗器431とによって、二次側高電圧(図5のC点の電位)と2.5VDC電源436の電位とを分圧し、抵抗器433とコンデンサ434によるフィルタを介し、さらに、高インピーダンス回路をオペアンプ435のボルテージフォロアにて低インピーダンスに変換して出力する。オペアンプ435は図示しない24VDC電源から電源電力が供給される。前記C点の電圧とオペアンプ435出力の関係は図9で示す「出力電圧」と「ADC入力電圧」との関係となる。ダイオード432は出力電圧を所定値に制限するためのクランプダイオードである。
【0094】
プリンタエンジン制御部204は、DATA314信号8bitを正極性のバイアス出力時、及び負極性のバイアス出力時、それぞれに対応した目標値に設定する。設定値8bitは図9に示したように00〜FFhで、目標電圧の設定範囲は−830V〜+270Vとする。本実施形態においては、正極性の目標値を140V(即ち、8bit値1Fh)とし、負極性の目標値を−640V(即ち、8bit値D3h)とする。
【0095】
高圧制御部206は、OUT信号317の出力ポートから高圧出力ON信号313がHighレベルとなった時点で圧電トランス制御パルスを出力する。高圧制御部206は、正極性のバイアス電圧時には、出力電圧検出手段311により検出された出力電圧が目標電圧より低いときに圧電トランス駆動周波数を下げ、出力電圧が目標電圧より高いときに圧電トランス制御周波数を上げる方向に制御を行う。
【0096】
一方、負極性のバイアス電圧時には、逆に、高圧制御部206は、出力電圧検出手段により検出された出力電圧が目標電圧より低い(絶対値が大きい)ときに圧電トランス駆動周波数を上げ、出力電圧が目標電圧より高いときに圧電トランス駆動周波数を下げる方向に制御を行う。
【0097】
DATA_DB信号315、DATA_SB信号316は、それぞれ現像バイアス目標電圧、供給バイアス目標電圧に対応した8bit値の信号であり、高圧制御部206は、これらの値に対応したPWM設定値であるPWM_DB信号319や、PWM_SB信号320をそれぞれDB負荷である現像バイアス回路や、SB負荷である供給バイアス回路に出力する。
【0098】
次に、図5の回路図を用いて、出力負荷310に含まれる現像バイアス回路447と供給バイアス回路450との動作について説明する。
2つの回路構成は同一であるので、現像バイアス回路447、即ち、図5中の上半分の回路について説明する。PWM_DB信号319は、Highレベル3.3V、Lowレベル0Vのパルス幅変調信号(PWM信号)である。PWM_DB信号319は、抵抗器501、及びコンデンサ502によって平滑化され、オペアンプ505の「−」入力端子に入力される。
【0099】
高圧電源装置301の出力電圧は、3.3Vの直流電源437を基準として、100MΩの抵抗器507と760kΩの抵抗器506とによって分圧され、この分圧電圧がオペアンプ505の「+」入力端子に入力される。負極性(−640V)の高圧出力は、10MΩの抵抗器445に流れる電流によって電圧降下し、抵抗器445に流れる電流はPNPトランジスタ511によって制御される。
【0100】
オペアンプ505は、抵抗器506、507で分圧された電圧とPWM_DB信号319が平滑化されたレベルとが等しくなるように、PNPトランジスタ511のべ一ス電流を制御し、PWM_DB信号319に応じた電圧が抵抗器513を介してDB負荷514に印加される。ツェナダイオード512は、出力電圧値が−75Vでクランプするように制限する。結果として、負極性のバイアス電圧出力時は、PWM_DB信号319のパルス幅によって−75〜−440Vの電圧を得る。抵抗器504、及びコンデンサ503は位相調整用である。
【0101】
また、高圧電源装置301の正極性の出力電圧(140V)は、抵抗器445に並列に接続されたダイオード446を介して現像バイアス回路447に印加される。ダイオードの順方向電圧降下は無視できるくらい小さいので、高圧電源装置301の出力電圧は、そのまま抵抗器513を介してDB負荷514に印加される。つまり正極性のバイアス電圧時、この回路はPWM_DB信号319のパルス幅によらず常に140Vの電圧を得る。なお、図6の回路図の下半分に示した供給バイアス回路にはダイオード449によって正極性の二次側高電圧が印加されないようになっている。
【0102】
次に、図7の構成図を参照して、高圧制御部206の内部回路について説明する。高圧制御部206は、50MHzのCLK_IN信号444(図5)に同期して動作する。プリンタエンジン制御部204によるON信号313がLowレベルからHighレベルに遷移すると、高圧制御部206は、出力セレクタ616からOUT信号317を出力する。OUT信号317のパルス周波数は、初め、正極性のバイアス出力用の圧電トランス308に対応した初期値の駆動周波数180kHzとする。そして、高圧制御部206は、出力電圧変換手段311の出力信号を8bitのADC318でアナログ−デジタル変換し、変換結果8bit値の反転値とプリンタエンジン制御部204による目標電圧であるDATA信号314の値とが等しくなるように、演算器604が19bitレジスタ611の値を増減する。
【0103】
二値化パルス出力生成部610は、19bitレジスタ611で保持されている値の{上位9bit値(下位10bit値/1024)}の平均分周比値となるように分周器615からパルスを出力し、出力は目標電圧に制御される。なお、演算器604で計算される19bitレジスタ611値は、上限値、及び下限値を分周比カウンタ上限値606、及び分周比カウンタ下限値607から読み込まれる値に制限する。さらに、演算器604は、圧電トランスの製造ばらつき等を補正する値としての圧電トランス補正値605を結果に反映させる。なお、説明の簡単化のため、以下では補正値605はゼロとする。
【0104】
正極性のバイアス電圧を所定時間出力した後、プリンタエンジン制御部204は、目標電圧としてのDATA信号314を負極性のバイアス電圧に対応した値に変更する。このとき、出力極性判定部603は、目標電圧としてのDATA信号の値8bitが3Fh(図9に示す正極性と負極性との閾値)よりも大きい値となったことにより、出力をLowレベルからHighレベルに切り替える。これにより、演算器604は、出力値を負極性バイアス出力用の圧電トランス305の駆動周波数初期値130kHzに対応した値に切り替える。演算器604は、さらに、演算の極性を「出カフィードバックが目標値より低かったら駆動周波数を下げる」方向から反転し、「出力フィードバックが目標値より低かったら(絶対値が高かったら)駆動周波数を上げる」方向とする。圧電トランス補正値605、分周比カウンタ上限値606、及び分周比カウンタ下限値607もそれぞれ圧電トランス305に対応した値に切り替えられる。
【0105】
以下、高圧制御部206の動作を詳細に説明する。
プリンタエンジン制御部204は、高圧制御部206にRESET信号312としてLowレベルを入力する。演算器604は、正極性バイアス電圧用の圧電トランス308における分周比カウンタ下限値607に設定された9bit値115hを上位9bit、下位10bitをすべて0とした19bit値45400hを19bitレジスタ611にセットする。誤差保持レジスタ612は、10bitがすべて0にクリアされる。
高圧出力前においては、ON信号313がLowレベルとなっているため、出力セレクタ616は、LowレベルのSelect信号が入力されており、常にLowレベルを出力する。このため、圧電トランス305,308は駆動されない。
【0106】
比較器602は、ON信号313のLowレベルが入力されることによって3bit値00bを出力する。演算器604は、比較器602の出力値が00bであるので減算を行うが、減算結果は初期設定値未満となる。演算器604は、減算結果の上位9bitと分周比カウンタ下限値9bitとを比較し、比較結果が下限値(初期値)未満であれば19bitレジスタ611値を(分周比カウンタ下限値9bit,下位10bit000h)とする。その結果、19bitレジスタ611値は、ON信号313がLowレベルの間は分周比カウンタ下限値のまま保持される。
【0107】
二値化パルス出力生成部610は、19bitレジスタ上位9bit、即ち、分周比値の整数値、及びそれを加算器(+1)613で1加算した値を分周比セレクタ614に入力する。これにより、分周比セレクタ614は、19bitレジスタ611上位9bit値、例えば、これをNとすると、Nの値と(N+1)値とが入力される。
【0108】
分周比セレクタ614は、この2つの値を誤差保持レジスタから出力される信号で選択(Select)し、分周器出力パルス1024パルス周期でN分周をM回、(N+1)分周を(1024−M)回出力することにより、
{N×M+(N+1)×(1024−M)}/1024
=19bitレジスタ上位9bit値+(下位10bit値/1024)
となるように制御する。
【0109】
19bitレジスタ611値が変化しなければ、上記の通りであるが、変化する揚合にはそれに追随して1024パルス周期未満にて値が変化していく。それでも単位時間辺りの上記式の左辺と右辺との平均値はほぼ等しくなる。
【0110】
分周器615は、初期状態では分周比カウンタ下限値607の9bit値が入力され、ONデューティ30%のパルスを出力する。ON信号313がLowレベルなので、分周器615は、誤差保持レジスタ612に出力するのみである。誤差保持レジスタ612は、この場合は10bit値000hを保持する。
【0111】
次に、図11のフローチャートを用いて、19bitレジスタ611の下位10bitが入力される誤差保持レジスタ612、加算器(+1)613、及び分周比セレクタ614の動作を説明する。ここでは説明の簡単化のためフローチャートを用いているが、実際の回路ではハードウェアにて実現される。
19bitレジスタ611が演算器604により書き込まれ、下位10bitが誤差保持レジスタ612に入力されると、図11のルーチンが起動する(S10:開始)。
誤差保持レジスタ612は、分周器615の立ち上がりエッジを検出したか否かを判定する(S12)。立ち上がりエッジを検出した場合はステップS13へ進み、検出しない場合は、ステップS12に戻る。
誤差保持レジスタ612は、19bitレジスタ611の下位10bit値(A00−09)と誤差保持レジスタ10bit値(G00−09)を加算した11bit値{(A00−09)+(G00−09)}は、3FFhより大きいか(オーバフローするか)否かを判定する(S13)。
3FFhより大きければ(S13でYes)、処理はステップS14に進む。
誤差保持レジスタ612は、1加算した値を選択する(S14)。即ち、誤差保持レジスタ612は、HighレベルのSelect信号を出力すると共に、分周比セレクタ614は、加算器(+1)613から入力される9bit値を分周器615に出力する。
一方、S13の判定で大きくないと判定されれば(S13でNo)、処理はステップS15に進む。誤差保持レジスタ612は、1加算しない値を選択する(S15)。即ち、誤差保持レジスタ612は、LowレベルのSelect信号を出力し、分周比セレクタ614は19bitレジスタ611から入力される9bit値を分周器615へ出力する。
【0112】
誤差保持レジスタ612は、19bitレジスタ611の下位10bit値と誤差保持レジスタの10bit値とを加算した10bit値{(A00−09)+(G00−09)}で更新される(S16)。続いて、処理はステップS12に戻る。
【0113】
出力電圧変換手段311は、高圧出力OFF状態では2.5Vを出力し、8bitADC318は8bit値C0hを出力する。インバータ601は前記8bit値を反転し、3Fhを比較器602に出力する。
【0114】
プリンタエンジン制御部204は、DATA信号314として、目標電圧に相当する8bit値を出力する。図9は、目標電圧と8bit値との対応表も示している。
本実施形態における目標電圧、即ち、正極性140Vに対応する8bit値は1Fhとなる。続いて、正極性の現像バイアス電圧を印加するタイミングで、ON信号313がLowレベルからHighレベルに遷移する。出力セレクタ616は、Select信号としてHighレベルが入力され、直ちに、正極性バイアス出力用の圧電トランス308の制御パルスとして周波数初期値180kHzのOUT信号317を出力する。
【0115】
また、ON信号313がLowレベルからHighレベルに遷移することにより、比較器602は、DATA信号314の値1Fh(目標値8bit)と、8bitのADC318の検出値C0hを反転したインバータ601出力の上位10bit値とが入力され、以下の条件
インバータ601の出力8bit>目標値8bit
C0h>1Fh
を満たし、10hの値を演算器604に出力する。これにより演算器604は、19bitレジスタ値45400hに1を加算し、45401hの値に更新する。結果、圧電トランス駆動パルス周波数を下げる方向に制御される。
【0116】
以降、インバータ601の出力値が目標値314に等しくなるまで加算更新する。更新周期はタイマ608出力パルス周期の140μsである。前記したように圧電トランス制御周波数の低下に伴い高圧出力電圧が上昇し、結果、ADC318検出値が減少し、インバータ601の出力値が増加する。19bitレジスタ611の加算更新時、演算器604は加算結果の19bit値の上位9bitを分周比カウンタ上限値9bit値と比較し、その値を超えないように制御する。即ち、比較結果が前記上限値を超えた場合は19bitレジスタ614更新値を分周比カウンタ上限値606に制限する。以上のようにして、圧電トランス305,308の出力電圧を一定に制御する。
【0117】
なお、正極性のバイアス電圧出力時には負極性バイアス電圧用の圧電トランス305は、動作周波数帯の領域外のパルス電圧が印加されるので、出力電圧は無視できるくらい小さくなっている。より具体的には、圧電トランス305の二次側高電圧が整流回路306のダイオード415の順方向電圧よりも低ければ、圧電トランス308の二次側高電圧と干渉することはない。
【0118】
正極性のバイアスを所定時間出力した後、一旦、ON信号313をLowレベルとしてから所定時聞(数ms〜数十ms程度)経過してから負極性のバイアス出力を行う。このとき、演算器604は、負極性バイアス電圧用の圧電トランス305における分周比カウンタ下限値608に設定された9bit値180hを上位9bit、下位10bitをすべて0とした19bit値60000hを19bitレジスタ614にセットする。誤差保持レジスタ615は、10bitすべて0にクリアされる。
【0119】
以下、正極性のバイアス出力時と同様の部分は省略して説明する。
プリンタエンジン制御部204は、DATA信号314に、目標電圧に相当する8bit値を出力する。図9は、目標電圧と8bit値との対応表である。図9より、本実施形態における負極性バイアス電圧時の目標電圧である−640Vに対応する8bitの値はD3hである。
8bit値の出力に続いて、プリンタエンジン制御部204は、負極性の現像バイアス電圧、及び供給バイアス電圧を印加するタイミングでON信号313をLowレベルからHighレベルに遷移する。
【0120】
高圧制御部206は、出力セレクタ616にHighレベルのSelect信号が入力されると、直ちに負極性バイアス電圧用の圧電トランス305の駆動パルス周波数初期値130kHzのOUT信号317を出力する。また、比較器602は、高圧出力ON信号313がLowレベルからHighレベルに遷移することにより、DATA信号314のD3hと、8bitADC318検出値C0hを反転したインバータ601出力の上位10bit値とが入力され、以下の条件
目標値8bit>インバータ601出力8bit
D3h>C0h
を満たし、00hを演算器604に出力する。
【0121】
これにより、演算器604は、19bitレジスタ値60000hに1を加算し.60001hに更新する。結果、圧電トランス駆動パルス周波数を下げる方向に制御される。以降、インバータ601の出力値とDATA信号314の値とが等しくなるまで加算更新する。更新周期はタイマ608の出力パルス周期の140μsである。前記したように圧電トランス駆動周波数の低下に伴い高圧出力電圧が上昇し、結果、ADC318検出値が減少し、インバータ601の出力値が増加する。
【0122】
19bitレジスタ611の加算更新時、演算器604は、加算結果の19bit値の上位9bitを分周比カウンタ上限値9bit値と比較し、その値を超えないように制御する。即ち、比較結果が前記上限値を超えた場合は、19bitレジスタ611更新値を分周比カウンタ上限値606に制限する。以上のようにして、圧電トランス出力を定電圧制御する。なお、負極性のバイアス電圧時には正極性バイアス出力用の圧電トランス308は動作周波数領域外のパルス信号が入力されるので、出力電圧は無視できるくらい低くなっている。
【0123】
次に、現像バイアス電圧、及び供給バイアス電圧のPWM制御について説明するが、PWM制御については公知であるので簡単な説明とする。
図12は、高圧制御部206に入力されるDATA_DB信号315、及びDATA_SB信号316の値とDB負荷514、及びSB負荷528に印加されるバイアス電圧の関係を示す表である。
【0124】
現像バイアス、及び供給バイアスは、出力画像濃度や、環境等の条件に応じてこの電圧値を可変して画像形成を行う。高圧出力電圧は、前記したように正極性バイアス時140V、負極性バイアス時−640Vに定電圧制御され、正極性バイアス出力時は図6、及び図5の回路図に示したダイオード446によってDB出力は140V固定となり、またダイオード449によってSB出力は遮断される。負極性バイアス出力時は、例えば、現像バイアスを−210V、供給バイアスを−270Vとする場合、DATA_DB信号315の8bit値に85hを出力し、DATA_SB信号の8bit値に62hを出力する。
【0125】
高圧制御部206は、1024×20ns、即ち、20.48μs周期でHigh時間が10bitに変換して85×4h、10進に変換して133×4×20ns=10.64μsのPWM信号をPWM_DB信号319から出力し、同様にPWM_SB信号320から同周期でHighレベル期間が7.84μsのPWM信号を出力する。
【0126】
本実施形態では、現像バイアス回路447、及び供給バイアス回路450の各1chに対して圧電トランス、及びその駆動回路を1セット使用して、これを4セット並置する構成のカラー画像形成装置としたが、圧電トランス駆動回路一次側のドライブ能力を大きくして、1つの圧電トランスとその駆動回路によって現像バイアス回路、供給バイアス回路の4色分、8つの回路にバイアス供給する構成とするのは容易である。
【0127】
2つの圧電トランス制御において、駆動パルスの上限値・下限値をそれぞれの圧電トランスに対応して1つずつ備える構成としたが、高い周波数帯で動作する圧電トランスの上限値、低い周波数帯で動作する圧電トランスの下限値のみを用いて、2つの圧電トランス両方が同一の上限値・下限値をもつ構成としてもよい。
【0128】
定電圧制御の出力電圧を正極性バイアス電圧140V、負極性バイアス電圧−640Vとしているが、一例であってこの値に限らない。本実施形態で用いた圧電トランスとは別の圧電トランスを用いて駆動周波数領域が変化したとしても、それに対応して回路定数等を変更することで実現可能である。簡単のため負荷は固定として説明しているが、感光体ドラムの状態による負荷変動、また他の高圧バイアス源に適用した場合の負荷変動にも対応可能である。
【0129】
(効果の説明)
以上説明したように、本実施形態によれば、異なる動作周波数領域を持つ2つの圧電トランスを1つのフィードバック系、1つの駆動パルス出力によって駆動し、正負両極性の現像バイアス出力ができる高圧電源装置、及びこれを用いた画像形成装置を提供できる。
【0130】
(第2の実施形態)
(構成の説明)
以下、本発明の第2の実施形態について、図面を用いて説明する。
図13は第2の実施形態における画像形成装置の全体構成図である。画像形成装置101Bは、図1に示した第1の実施形態の画像形成装置101と比べて、転写ベルトクリーニングブレード115、及び転写ベルトクリーナ容器116を取り除いた点が相違する。なお、制御回路ブロックの図2は第1の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0131】
図14は、本発明の第2の実施形態の転写高圧電源装置1401を説明するための構成図である。転写高圧電源装置1401は、図2の転写バイアス発生部209に相当する。本実施形態においては1チャネルのみの説明としたが、カラー4色の場合にはこれを4チャネル並置する。なお、第1の実施形態の図3と同様な部分については同符号を付し説明を省略する。
【0132】
転写高圧電源装置1401は、圧電トランス1405,1408と、スイッチング素子を用いた圧電トランス駆動回路1404,1407と、整流回路1406,1409と、2組のDMAコントローラ電源302,303とを備える。
整流回路1406は、1406は圧電トランス1405の二次側から出力される高圧の交流出力を負極性の直流出力に変換する。整流回路1409は圧電トランス1408の二次側から出力される高圧の交流出力を正極性の直流出力に変換する。出力負荷1410は、転写ローラであり、ローラ上の記録媒体の有無等によって負荷が変動する。
【0133】
高圧制御部206は、プリンタエンジン制御部204からRESET信号312、ON信号313、DATA信号314、及び出力電圧変換手段1411のアナログ出力信号が入力され、圧電トランス制御信号としてのOUT信号317が出力される。
ここで、DATA信号314は、圧電トランス1405,1408の二次側出力の電圧値に相当する8bitのデータ信号である。
ADC318は、出力電圧検出手段1411出力電圧を入力するアナログ−デジタル変換器であり、出力電圧変換手段1411のアナログ出力信号が入力される。
【0134】
第1の実施形態と同様に、圧電トランス1405,1408は、互いに重複しない周波数帯で圧電振動、昇圧動作することを特徴とし、一方の圧電トランスの共振周波数に対して、他方の圧電トランスの共振周波数が1.2〜1.8倍の周波数になっていることが好ましい。
【0135】
本実施形態においては、第1の実施形態に示したものとは逆に、圧電トランス1405はタムラ製作所(株)製のAP313T(共振周波数160kHz前後)、圧電トランス1408はタムラ製作所(株)製のAS243T(共振周波数105kHz前後)を用いるものとするが、前記条件を満たすものであれば他の圧電トランスでも実現可能である。
【0136】
図17は、2種類の圧電トランス1405,1408の出力電圧(昇圧比)の周波数特性を示す図である。図中において、fr3は圧電トランス1405の共振周波数を示し、fr4は圧電トランス1408の共振周波数を示す。なお、図17での出力電圧値は一例であり、圧電トランス駆動回路における回路定数の変更によって異なる値が得られるものであり、また、負荷の大小によっても変動する。
【0137】
第1の実施形態とは逆に、正極性バイアス電圧用の圧電トランス1408に負極性バイアス電圧用の圧電トランス1405よりも電圧が高い素子を用いているのは、正極性の方が絶対値として大きなバイアス電圧を出力するためである。
【0138】
高圧制御部206は、DATA信号314が負極性の目標電圧を示すものである場合は圧電トランス1405を駆動する周波数帯の圧電トランス制御信号としてOUT信号317を出力し、逆に、DATA信号314が正極性の目標電圧を示すものである場合は圧電トランス1408を駆動する周波数帯の圧電トランス制御信号としてOUT信号317を出力する。
【0139】
図15は、図14の転写高圧電源装置1401を詳細に説明する回路図である。図中で、図14、及び第1の実施形態の図3、4と同じ構成要素には同じ符号を付してある。第1の実施形態と同様の構成については説明を省略する。
圧電トランス駆動回路1404、1407はそれぞれ圧電トランス1405、1408を駆動する駆動回路である。出力電圧変換手段1411は、整流回路1406および1409出力を分圧する出力電圧変換手段であり、302、303、1404、1405、1406、1407、1408、1409、1411を合わせた回路を転写高圧回路1401とする。負荷1410は転写負荷であり、抵抗器1545を介して転写バイアス回路1547に接続される。
【0140】
圧電トランス駆動回路1404は、抵抗器1502、1503、1505、1506、1509、NPNトランジスタ1504、1507、1508、PNPトランジスタ1510、NチャネルパワーMOSFET1512、インダクタ1511、コンデンサ1513によって構成される。圧電トランス制御パルスとしてのOUT信号317は、NPNトランジスタ1504、1507を介してFET1512のゲートに入力される。
【0141】
ここで、NPNトランジスタ1508、抵抗器1509、PNPトランジスタ1510によって構成される回路は、FETゲートドライブ回路という。
インダクタ1511とコンデンサ1513とは、LC共振回路を構成し、これにより圧電トランス1405の一次側(入力側)Aには100Vpeak程度の正弦半波が印加される。これにより、圧電トランス1405の二次側Bは、FET1512のスイッチング周波数、即ち、OUT信号317の周波数に応じた昇圧比の出力電圧を得る。
【0142】
また、圧電トランス駆動回路1407は、圧電トランス駆動回路1404における1段目のNPNトランジスタ1504以降が枝分かれした構成になっており、抵抗器1518、1521、NPNトランジスタ1519、1520、PNPトランジスタ1522、NチャネルパワーMOSFET1524、インダクタ1523、コンデンサ1525によって構成される。圧電トランス駆動パルスとしてのOUT信号317は、NPNトランジスタ1504、1519を介してFET1524のゲートに入力される。ここで、NPNトランジスタ1520、抵抗器1521、PNPトランジスタ1522によって構成される回路は、FETゲートドライブ回路として動作する。
【0143】
インダクタ1523とコンデンサ1525とは、LC共振回路を構成し、これにより圧電トランス1408の一次側(入力側)Aには100Vpeak程度の正弦半波が印加される。圧電トランス1408の二次側BにはFET1524のスイッチング周波数、即ち、OUT信号317の周波数に応じた昇圧比の出力電圧が得られる。圧電トランス1405,1408の二次側の出力電圧特性は、図17に示すように駆動周波数によって変動し、FET1512,1524のスイッチング周波数と出力負荷の組み合わせにより昇圧比が決定される。圧電トランス1405,1408の出力制御は、高い周波数で駆動開始し、そこから駆動周波数を下げていくことにより出力電圧を上昇させ、目標の出力電圧を得るように制御を行う。
【0144】
整流回路1406は、ダイオード1514,1515、及びコンデンサ1516により構成され、圧電トランス1405から出力される交流高電圧を負極性の直流高電圧に整流する。また、整流回路1409は、ダイオード1526,1527、及びコンデンサ1528によって構成され、圧電トランス1408から出力される交流高電圧を正極性の直流高電圧に整流する。
【0145】
抵抗器1517,1529は圧電トランス出力調整用の抵抗器である。出力電圧変換手段1411は、抵抗器1530と抵抗器1531とによって出力高電圧を、1.2VのDC電源1536を基準電位にして分圧し、分圧された分圧電圧を抵抗器1533、及びコンデンサ1534からなる低域通過フィルタにより平滑し、オペアンプ1535(図示しない24VDC電源に接続される)のボルテージフォロアにより高圧制御部206のADC318に入力される。ここで、抵抗器1530の抵抗値は200MΩであり、抵抗器1531の抵抗値は50kΩである。1.2VのDC電源1536は、二次側高電圧の正負における分圧値の閾値となる。これにより、分圧された電圧は正極性側の最大出力時に3.3V、出力ゼロで1.2V、負極性側の最大出力時に0Vとなる。ADC318は、オペアンプ1535のアナログ出力電圧を8bitデジタル値(00h〜FFh)に変換する。
【0146】
図16は、図15の高圧制御部206の構成図である。第1の実施形態の図7と同じ部分には同番号を付してある。図7と異なる番号を付した部分についてのみ説明する。
プリンタエンジン制御部204は、RESET信号312、ON信号313、目標電圧としてのDATA信号314を高圧制御部206に出力する。高圧制御部206は、OUT信号317を出力し、出力電圧変換手段1411のアナログ出力信号を入力する。
【0147】
出力極性判定部1603は、DATA信号314が負極性の目標電圧を示すものであるか、正極性の目標電圧を示すものであるかを判定する。第1の実施形態の図7に示した出力極性判定部603とは、判定の閾値が異なる。判定結果は1bitデジタル値で、負極性の場合にはHighレベルを演算器604、圧電トランス補正値1605、分周比カウンタ上限値606、及び分周比カウンタ下限値607に出力し、正極性の場合にはLowレベルを出力する。
圧電トランス補正値1605は、圧電トランス個々の製造ばらつきを補正する値であり、本実施形態における画像形成装置101B(図13)の製造出荷時に書き込み、保存される値である。前記したように、負極性の高圧出力時には圧電トランス1405を駆動し、正極性の高圧出力時には圧電トランス1408を駆動するため、出力バイアスの極性反転時にはそれぞれに対応した補正値に切り替える。
【0148】
(動作の説明)
第1の実施形態における動作と異なる部分のみ説明する。
バイアス電圧印加にあたっては、高圧制御部206は、LowレベルのRESET信号312が入力され、高圧制御部206内の諸々の設定が初期化される。次に、高圧出力の目標電圧値に相当するDATA信号314の8bit値が入力される。
図19は、本実施形態における出力電圧(図15のC点)と出力電圧変換手段1411出力、ADC318入力値、ADC318出力値、比較器602入力値、及びそれに対応するDATA信号314の8bit値を示した表である。¥
【0149】
目標電圧値のDATA信号314を出力した後、現像バイアスを印加する所定のタイミングでON信号313をLowレベルからHighレベルとする。高圧制御部206は、ON信号313がHighレベルとなると、直ちにOUT信号317を圧電トランス制御回路へ出力する。
圧電トランス駆動回路1404は、供給される24VDC電源303をスイッチングして、圧電トランス1405の一次側に100Vpeak程度の正弦半波を印加する。また、圧電トランス駆動回路1407は、供給される24VDC電源303をスイッチングして、圧電トランス1408の一次側に100Vpeak程度の正弦半波を印加する。
【0150】
図20は、高圧制御部206のOUT信号317の波形と、2つの圧電トランス駆動回路1404,1407の出力電圧波形との関係を示す。ここで、負極性のバイアス電圧を出力をする場合には、圧電トランス1405を駆動する周波数のパルス信号を出力し、正極性のバイアス出力をする場合には圧電トランス1408を駆動する周波数のパルス信号を出力する。
【0151】
次に、本実施形態における逆転写クリーニングの動作について図18を用いて説明する。逆転写クリーニングとは、図1で示した転写ベルトクリーニングブレード115、及び転写ベルトクリーナ容器116の代わりに、感光体ドラム109によってトナーを吸い上げ、クリーニングする機能である。この逆転写クリーニングは、図18に示したように通常の転写バイアス(正極性)とは逆極性のクリーニング用バイアス電圧を転写ローラ111(図18では、111C,111Y)にかけることによって実現される。
【0152】
なお、クリーニングの効率を上げるため、負極性のクリーニング用バイアスをかける前にプレチャージ(放電によるトナーの強制帯電を促す)を行う。本実施形態では、カラー4色で転写ベルト114の進行方向上流からブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの順に転写ローラ111を配置し、このうちブラック、及びマゼンタでプレチャージ(正極性バイアス印加)を行い、イエロー、及びシアンで逆転写クリーニング(負極性バイアス印加)を行う。前記したように転写高圧電源装置1401は前記したようにカラー4色分、4つ並置してもよいが、本実施形態の逆転写クリーニングを行う場合にはイエロー、及びシアンの転写高圧電源回路のみ圧電トランスを2つ用いて正負両極性のバイアス電圧を出力できる構成とし、ブラックとマゼンタについては正極性バイアスのみを出力する構成としてもよい。
【0153】
まず、画像形成装置101Bの印字動作時において記録用紙に転写されなかったトナー1801を+3000Vのプレチャージによって強制的に強くマイナス帯電させる(トナー1802)。次に、トナー1802は負極性のクリーニング用バイアスによって転写ベルト114から離間し、感光体ドラム109に吸い上げられ(トナー1803)、転写ベルト114がクリーニングされる。これを転写ベルト114が1周するにつき、ブラック−イエロー間、マゼンタ−シアン間の2回行うことにより良好なクリーニング効率が得られる。
【0154】
まず、通常動作(正極性出力〉時における本実施形態の転写高圧電源装置1401の動作について説明する。
例えば、4000Vの二次側高電圧を出力する場合、図19の通り、プリンタエンジン制御部204は、8bit値56hのDATA信号314を高圧制御部206に出力する。高圧制御部206は、ON信号313がHighレベルとなった時点で、駆動パルスとしてOUT信号317を出力ポートから出力する。これにより、出力電圧変換手段1411の出力から二次側高電圧がフィードバックされる。駆動パルス周波数の初期値は圧電トランス1408に対応した値130kHz(分周比、即ち、19bitレジスタ整数部9bit値180h)である。以下、第1の実施形態にて説明したことと同様に、圧電トランス1408の二次側高電圧(整流回路1409出力電圧)が4000Vに定電圧制御される。
【0155】
次に、逆転写クリーニングを行うために−2000Vの二次側高電圧を出力する場合、図19の通り、プリンタエンジン制御部204は、目標値8bit値CghのDATA信号314を高圧制御部206に出力する。このとき、出力極性判定部1603は、目標値8bitが負極性を示す値、即ち、A3hの値よりも大きな値になったことから出力をLowレベルからHighレベルに切り替える。
【0156】
出力極性判定部1603の出力値が入力されることにより、演算器604は、演算の極性を反転し、圧電トランス補正値1605は、補正値を圧電トランス1408に対応したものから圧電トランス1405に対応したものに変更され、分周比カウンタ上限値606、及び分周比カウンタ下限値607は、同様に圧電トランス1405に対応したものに変更される。
【0157】
高圧制御部206は、ON信号313がHighレベルとなった時点で、OUT信号317の出力ポートから駆動パルスを出力し、出力電圧変換手段1411からの出力信号をフィードバックする。
OUT信号317のパルス周波数の初期値は、圧電トランス1405に対応した値180kHz(分周比、即ち、19bitレジスタ整数部9bit値115h)に設定されている。以下、第1の実施形態にて説明したのと同様にして圧電トランス1405の出力電圧(整流回路1406の出力電圧)が−2000Vに定電圧制御される。
【0158】
本実施形態の2つの圧電トランス制御において、駆動パルスの上限値・下限値をそれぞれの圧電トランス1405,1408に対応して1つずつ備える構成としたが、高い周波数帯で動作する圧電トランスの上限値、低い周波数帯で動作する圧電トランスの下限値のみを用いて、2つの圧電トランス1405,1408の双方が同一の上限値・下限値をもつ構成としてもよい。
【0159】
(効果の説明)
以上説明したように、本実施形態によれば、異なる動作周波数領域を持つ2つの圧電トランスを1つのフィードバック系、1つの駆動パルス出力によって駆動し、正負両極性の転写バイアス電圧を出力することができる高圧電源装置、及びこれを用いた転写ベルトクリーニング機構を提供することができる。
【0160】
(変形例)
本発明は前記した実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のような種々の変形が可能である。
(1)前記各実施形態は、高圧制御部206において、分周比カウンタ上限値606に圧電トランス305の周波数上限値(高い周波数帯の上限値)を設定し、分周比カウンタ下限値607に圧電トランス308の周波数下限値(低い周波数帯の下限値)を設定することにより、駆動周波数を制限していた。これのみならず、分周比カウンタ上限値606に、圧電トランス305の周波数上限値、及び圧電トランス308の周波数上限値を設定し、分周比カウンタ下限値607に圧電トランス305の周波数下限値、及び圧電トランス308の周波数下限値を設定することによっても、駆動周波数上限値と駆動周波数下限値との間に駆動周波数を制限することができる。
【符号の説明】
【0161】
101,101A,101B 画像形成装置
102,102K,102Y,102M,102C 現像器
103 LEDヘッド(露光手段)
104 トナーカートリッジ
105 帯電ローラ(帯電手段)
106 供給ローラ(現像剤供給手段)
107 現像ローラ(現像剤担持体)
108 現像ブレード(薄層形成手段)
109 感光体ドラム(像担持体)
110 クリーニングブレード
111 転写ローラ
112 転写ベルト駆動ローラ
113 転写ベルト従動ローラ
114 転写ベルト
115 転写ベルトクリーニングブレード
116 転写ベルトクリーナ容器
117 用紙カセット
118 給紙ローラ
119 用紙ガイド
120、121 レジストローラ
122 用紙検出センサ
123 定着器
124 加熱部材
125 圧着部材
126,127 排出ローラ
128 用紙ガイド
129 排紙トレー(スタッカ)
200 制御回路
201 ホストインタフェース部
202 マンド/画像処理部
203 LEDヘッドインタフェース部
204 プリンタエンジン制御部
205 モータ制御部
206 高圧制御部
207 帯電バイアス発生部
208 現像/供給バイアス発生部
209 転写バイアス発生部
210 給紙モータ
211 搬送モータ
212 転写ベルト駆動モータ
213 定着器駆動モータ
214 感光体ドラム駆動モータ
215 記憶部
216 サーミスタ
217 定着器ヒータ
301 高圧電源装置(電源装置)
302,303 DC電源
304、307 圧電トランス駆動回路
305、308 圧電トランス
306 整流回路(負極性)
309 整流回路(正極性)
310 出力負荷
311 出力電圧変換手段
312 RESET信号
313 ON信号
314 DATA信号
315 DATA_DB信号
316 DATA_SB信号
317 OUT信号
318 ADC
319 PWM_DB信号
320 PWM_SB信号
401 現像/供給高圧回路
402,403,405,406,409,417,418,421,423,429、430,431、445,448 抵抗器
404,407、408,419,420 npnトランジスタ
410,422 pnpトランジスタ
411 オートトランス
413,425,416,428、434 コンデンサ
414,415,426,427,432,446,448,449 ダイオード
412、424 NチャネルパワーMOSFET
435,505,519 オペアンプ
437 3.3V直流電源
501、504,506,507,508,509,510,513,515,518,520,521,522,523,524,527 抵抗器
502,503,516,517 コンデンサ
512,526 ツェナダイオード

601 インバータ
602 比較器
603 出力極性判定部
604 演算器
605 圧電トランス補正値
606 分周比カウンタ上限値
607 分周比カウンタ下限値
608 タイマ
609 制御周期値
610 二値化パルス出力生成部
611 19bitレジスタ
612 誤差保持レジスタ
613 加算器
614 分周比セレクタ
615 分周器
616 出力セレクタ
1401 転写高圧電源装置(電源装置)
1404、1407 圧電トランス駆動回路
1405,1408 圧電トランス
1406,1409 整流回路
1411 出力電圧変換手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動周波数に応じて昇圧比が変化し、駆動周波数帯に対する出力特性が異なる2種類の圧電トランスと、
一方の前記圧電トランスの二次側に接続された正極性の電圧を出力する第1の整流回路と、
他方の前記圧電トランスの二次側に接続された負極性の電圧を出力する第2の整流回路と、
前記2種類の圧電トランスに、同一の前記駆動周波数に基づく交流電圧を印加する駆動回路とを備え、
前記駆動回路は、前記出力特性が異なる2つの前記駆動周波数帯の相互間で、前記駆動周波数を変更することを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記圧電トランスの二次側電圧が目標電圧になるように、前記駆動周波数を帰還制御する制御回路を備えることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記駆動周波数帯は、前記圧電トランスが圧電振動、及び昇圧動作を行う帯域であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記2種類の圧電トランスの駆動周波数に対する出力特性は、該駆動周波数帯が互いに重複していないことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の電源装置。
【請求項5】
一方の前記圧電トランスが最大昇圧性能を発揮する前記駆動周波数は、他方の前記圧電トランスが最大昇圧性能を発揮する前記駆動周波数の1.2倍〜1.8倍であることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項6】
前記第1の整流回路、及び前記第2の整流回路の出力電圧の極性が正極性であるか、負極性であるかを判定する出力極性判定部と、
前記圧電トランスの二次側高電圧と所定電位との間のアナログ電圧をデジタル変換するAD変換器とを備え、
前記判定結果は、前記AD変換器の変換値が前記所定電位に対応する閾値より大きいか、閾値未満であるかによって決定されることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の電源装置。
【請求項7】
前記圧電トランスの二次側アナログ電圧をデジタルするAD変換器の変換値と目標電圧に対応するデジタル値とを比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果に応じて、前記駆動周波数を増減させることにより、前記圧電トランスの二次側高電圧を目標電圧に定電圧制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記二次側高電圧の極性が正極性であるか、負極性であるかによって、前記圧電トランスの二次側高電圧の増減方向を反転することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項8】
前記2種類の圧電トランスの個々の周波数特性のばらつきを補正する圧電トランス補正手段を備え、
前記駆動回路が前記極性を切り替えるように前記駆動周波数を変更した場合には、前記圧電トランス補正手段の補正値を駆動する圧電トランスに対応した値に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項9】
前記駆動周波数の周波数上限値を記憶する、周波数上限値記憶手段と、
前記駆動周波数の周波数下限値を記憶する、周波数下限値記憶手段とを備え、
前記周波数上限値と前記周波数下限値との間に前記駆動周波数を制限することを特徴とする、
請求項1に記載の電源装置。
【請求項10】
請求項9に記載の電源装置において、
前記圧電トランス駆動周波数の周波数上限値、及び周波数下限値は、それぞれ、
高い周波数帯で動作する圧電トランスの駆動周波数上限値と、
低い周波数帯で動作する圧電トランスの駆動周波数下限値と、
であることを特徴とする電源装置。
【請求項11】
請求項9に記載の電源装置において、
前記圧電トランス駆動周波数の周波数上限値、及び周波数下限値は、
前記2つの前記駆動周波数帯の相互間で前記駆動周波数を変更するときに、前記変更された駆動周波数帯で駆動する圧電トランスに応じて切り替えられることを特徴とする電源装置。
【請求項12】
請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の電源装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の電源装置と、
露光により静電潜像が形成され、負極に帯電される像担持体と、
前記静電潜像に現像剤を付着させることにより現像する現像剤担持体とを備える画像形成装置であって、
前記電源装置は、前記像担持体が前記負極に帯電していない非帯電領域に前記現像剤担持体が接触しているときに、前記現像剤担持体を正極に帯電し、前記像担持体が前記負極に帯電している帯電領域に前記現像剤担持体が接触しているときに、前記現像剤担持体を負極に帯電することを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項1乃至請求項11の何れか一項に記載の電源装置と、
媒体を搬送する転写ベルトと、
負極に帯電された現像剤像が形成される複数の像担持体と、
前記転写ベルトを狭持するように各々の前記像担持体に対向配置された複数の転写ローラとを備えた画像形成装置であって、
前記電源装置は、
前記複数の転写ローラを正極に帯電させて、前記現像剤像を前記媒体に転写させ、
その後、前記複数の転写ローラの何れかを正極に帯電させることにより、前記転写ベルトに残存した現像剤を負極に帯電させると共に、この正極に帯電された前記転写ローラに隣接する前記転写ローラを負極に帯電させて、前記負極に帯電された現像剤を隣接する前記像担持体に回収させることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−50282(P2012−50282A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191825(P2010−191825)
【出願日】平成22年8月30日(2010.8.30)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】