説明

電源装置及び照明器具

【課題】簡単な回路構成で、ノイズの発生を抑えるとともに、突入電流抑制回路を正しく動作させる。
【解決手段】電源装置100は、入力平滑コンデンサC41、突入電流抑制回路130、トランス160、出力平滑コンデンサC82を有する。トランス160は、一方の端が一次巻線161の一方の端に電気接続したシールド巻線163を有する。突入電流抑制回路130は、シールド巻線163の両端に発生したシールド巻線電圧に基づいて、突入電流の抑制を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トランスとスイッチング素子とを用いた電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンデンサ入力型の回路において、電源投入時の突入電流を抑制するため、入力段のコンデンサと直列に突入電流抑制回路を設けることが知られている。
また、トランスとスイッチング素子とを利用した回路において、トランスにおける寄生容量の影響により発生するノイズを低減するトランスの構成が知られている。
【特許文献1】特昭63−206160号公報
【特許文献2】実開平2−53232号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
突入電流抑制回路は、入力段のコンデンサに充電された電圧に基づいて、正しく動作させる必要がある。このため、突入電流抑制回路を正しく動作させるためのトリガを、回路中のどこから取得するかが課題となる。
また、回路から発生するノイズが他の装置に悪影響を及ぼさないようにするため、ノイズの発生を抑える必要がある。特に、スイッチング電源は、外部に放射するノイズを抑えるという課題が必然的に存在し、できるだけ安価な方式で、効果的にノイズを低減することが望まれる。
この発明は、例えば、上記のような課題を解決するためになされたものであり、簡単な回路構成で、ノイズの発生を抑えるとともに、突入電流抑制回路を正しく動作させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この発明にかかる電源装置は、入力平滑コンデンサと、上記入力平滑コンデンサに流れる突入電流を抑制する突入電流抑制回路と、上記入力平滑コンデンサに充電された入力平滑電圧を一次巻線に印加されるトランスと、上記トランスの二次巻線に発生した二次電圧により充電される出力平滑コンデンサとを有する電源装置において、上記トランスは、一方の端が上記一次巻線の一方の端に電気接続したシールド巻線を有し、上記突入電流抑制回路は、上記シールド巻線の両端に発生したシールド巻線電圧に基づいて、上記突入電流の抑制を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
この実施の形態にかかる電源装置によれば、シールド巻線の効果によりトランスから発生するノイズを抑えることができるとともに、シールド巻線電圧を利用して突入電流抑制回路を動作させることができ、電源装置の回路構成を簡略化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
実施の形態1.
実施の形態1について、図1〜図4を用いて説明する。
【0007】
図1は、この実施の形態における照明器具800の機能ブロックの構成を示すブロック構成図である。
照明器具800は、商用電源などの交流電源ACから電力の供給を受け、光源を点灯する。照明器具800は、電源装置100、LED回路810を有する。
【0008】
LED回路810は、1以上のLEDを光源として有し、電源装置100が生成した直流電流によりLEDを点灯する。LED回路810が、複数のLEDを有する場合、複数のLEDは、互いに直列に電気接続していてもよいし、並列に電気接続していてもよいし、直並列に電気接続していてもよい。また、複数のLEDが並列もしくは直並列に電気接続している場合、複数のLEDに流れる電流が等しくなるようにするため、LED回路810は、カレントミラー回路などを有していてもよい。
【0009】
電源装置100は、直流電流源である。電源装置100は、交流電源ACから電力を入力し、LED回路810に流す直流電流を生成する。電源装置100は、ノイズフィルタ回路110、整流回路120、突入電流抑制回路130、入力平滑コンデンサC41、スイッチング回路150、トランス160、整流素子D81、出力平滑コンデンサC82、出力検出回路190を有する。
【0010】
ノイズフィルタ回路110は、照明器具800の外部で発生したノイズが電源装置100内に侵入するのを防ぐとともに、電源装置100内で発生したノイズが外部に漏れるのを防ぐ。ノイズフィルタ回路110は、例えば、アクロスザラインコンデンサ、コモンモードチョーク、ノーマルモードチョークなどにより構成される。
【0011】
整流回路120は、ノイズフィルタ回路110を介して交流電源ACから低周波交流電圧(例えば100V(実効値)50Hzまたは60Hz)を入力し、入力した低周波交流電圧を整流して、脈流電圧を生成する。整流回路120は、例えばダイオードブリッジなどにより構成される。整流回路120は、生成した脈流電圧を出力するため、二つの端子(以下それぞれ「整流基準端子」「整流出力端子」と呼ぶ。)を有する。整流回路120は、生成した脈流電圧を、整流基準端子に対する整流出力端子の電位差として出力する。整流出力端子の電位は、整流基準端子の電位以上である。整流基準端子は、電源装置100の一次側グランド配線に電気接続している。
【0012】
入力平滑コンデンサC41は、静電容量素子である。入力平滑コンデンサC41は、整流回路120が生成した脈流電圧により充電され、脈流電圧を平滑して、直流電圧を生成する。入力平滑コンデンサC41は、例えば電解コンデンサである。入力平滑コンデンサC41は、二つの端子(以下それぞれ「入力平滑陽極端子」「入力平滑陰極端子」と呼ぶ。)を有する。二つの端子の呼び名を区別するのは、入力平滑コンデンサC41が電解コンデンサなど極性を有するコンデンサである場合を考慮してのことであり、入力平滑コンデンサC41が極性のないコンデンサである場合、いずれの端子が入力平滑陽極端子で、いずれの端子が入力平滑陰極端子であってもよい。入力平滑陰極端子は、電源装置100の一次側グランド配線に電気接続している。
【0013】
突入電流抑制回路130は、照明器具800に交流電源ACから電力が供給され始めたとき、入力平滑コンデンサC41が十分充電されていないことにより流れる突入電流を抑制するための回路である。突入電流抑制回路130は、三つの端子(以下それぞれ「抑制基準端子」「抑制制御端子」「抑制出力端子」と呼ぶ。)を有する。抑制基準端子は、入力平滑コンデンサC41の入力平滑陽極端子に電気接続している。抑制出力端子は、整流回路120の整流出力端子に電気接続している。
突入電流抑制回路130は、抑制基準端子に対する抑制制御端子の電位に基づいて、抑制出力端子と抑制基準端子との間の電気抵抗値が変化する。電源投入直後、突入電流抑制回路130は、抑制出力端子と抑制基準端子との間の電気抵抗値を大きくすることにより、突入電流を抑制する。その後、入力平滑コンデンサC41が十分に充電されたのち、突入電流抑制回路130は、抑制出力端子と抑制基準端子との間の電気抵抗値を小さくすることにより、突入電流抑制回路130における無駄な電力消費を抑える。なお、突入電流抑制回路130の詳細については、後述する。
【0014】
トランス160は、三つの巻線(以下それぞれ「一次巻線161」「二次巻線162」「シールド巻線163」と呼ぶ。)を有する。一次巻線161の一方の端と、シールド巻線163の一方の端とは、互いに電気接続し、入力平滑コンデンサC41の入力平滑陽極端子に電気接続している。また、二次巻線162の一方の端は、電源装置100の二次側グランド配線に電気接続している。なお、トランス160の詳細については、後述する。
【0015】
スイッチング回路150(パワースイッチング回路)は、トランス160の一次巻線161の他方の端と、電源装置100の一次側グランド配線との間を接続するスイッチ(例えばパワーFET)を有する。スイッチング回路150は、高周波(例えば140kHz)でスイッチのオンオフを繰り返すことにより、入力平滑コンデンサC41に貯められたエネルギーをトランス160の二次側に伝達する。すなわち、スイッチがオンの間は、入力平滑コンデンサC41に充電された電圧がトランス160の一次巻線161に印加され、入力平滑コンデンサC41に電荷として貯められたエネルギーを、磁気エネルギーに変換して、トランス160に貯める。スイッチがオフになると、トランス160に貯められた磁気エネルギーが二次側に伝達され、出力平滑コンデンサC82を充電する。
また、スイッチング回路150は、出力検出回路190が検出したLED回路810を流れる負荷電流に基づいて、スイッチをオンオフする周波数やデューティ比を変化させることにより、トランス160の二次側に伝達されるエネルギーを調整し、負荷電流が一定になるよう制御する。
なお、この例では負荷がLED回路810なので、負荷電流を制御しているが、スイッチング回路150は、負荷電圧が一定になるよう制御する構成としてもよい。
【0016】
なお、スイッチング回路150のスイッチングに伴うノイズを低減するため、一次巻線161と並列にスナバ回路を設けてもよい。
【0017】
整流素子D81は、二つの端子(以下それぞれ「整流陽極端子」「整流陰極端子」と呼ぶ。)を有する。整流陽極端子の電位が整流陰極端子の電位より高い場合、整流素子D81は、整流陽極端子と整流陰極端子との間の電気抵抗値が小さくなり、整流陽極端子から整流陰極端子へ向けて電流が流れる。逆に、整流陽極端子の電位が電流陰極端子の電位より低い場合、整流素子D81は、整流陽極端子と整流陰極端子との間の電気抵抗値が大きくなり、電流を遮断する。整流素子D81は、例えば半導体ダイオードである。これにより、整流素子D81は、トランス160の二次巻線162から、出力平滑コンデンサC82を充電する電流を取り出す。整流陽極端子は、トランス160の二次巻線162の一方の端に電気接続している。
【0018】
出力平滑コンデンサC82は、二つの端子(以下それぞれ「出力平滑陽極端子」「入力平滑陰極端子」と呼ぶ。)を有する静電容量素子である。出力平滑コンデンサC82は、トランス160の二次巻線162から整流素子D81が取り出した電流により充電され、出力平滑コンデンサC82に充電された電圧は、電源装置100の出力となり、LED回路810に印加される。出力平滑陽極端子は、整流素子D81の整流陰極端子に電気接続している。出力平滑陰極端子は、電源装置100の二次側グランド配線に電気接続している。
【0019】
出力検出回路190(検出回路)は、電源装置100の負荷であるLED回路810に流れる負荷電流を検出する。出力検出回路190は、検出した負荷電流を表わす信号(例えば、負荷電流の電流値そのものを表わす信号、もしくは、負荷電流の電流値が所定の電流値より大きいか小さいかを表わす信号など)を出力する。出力検出回路190が出力した信号は、スイッチング回路150に入力し、負荷電流が一定になるよう制御する。なお、スイッチング回路150が負荷電流ではなく、負荷電圧が一定になるよう制御する場合、出力検出回路190は、負荷電流ではなく、負荷電圧を検出し、検出した負荷電圧を表わす信号を出力する。
【0020】
なお、電源装置100の一次側と二次側とは、トランス160を挟んで電気的に分離している。スイッチング回路150と出力検出回路190とは、フォトカプラなどの分離回路(フィードバック回路)を介して接続される。分離回路は、出力検出回路190内にあってもよいし、スイッチング回路150内にあってもよいし、スイッチング回路150および出力検出回路190とは別に存在してもよい。
【0021】
また、電位の浮遊によるノイズの発生を抑えるため、一次側の回路と二次側の回路とを、コンデンサなどを介して接続してもよい。その場合、一次側・二次側ともに、電位が比較的安定している場所を選んで、接続点とする。例えば、一次側は、一次側グランド配線や入力平滑コンデンサC41の入力平滑陽極端子を接続点とし、二次側は、二次側グランド配線や出力平滑コンデンサC82の出力平滑陽極端子を接続点とする。
【0022】
図2は、この実施の形態におけるトランス160の構造を示す平面図及びA−A断面図である。
トランス160は、一次巻線161、二次巻線162、シールド巻線163に加えて、鉄芯170、トランス第一端子171、トランス第二端子172、トランス第三端子173、トランス第四端子174、トランス第五端子175を有する。
【0023】
一次巻線161(一次側巻線)は、一方の端がトランス第三端子173に電気接続し、他方の端がトランス第二端子172に電気接続した導線である。一次巻線161は、トランス第三端子173に接続した側を巻き始めとして、鉄芯170に巻付けられている。一次巻線161の巻き数は、例えば、100ターン程度である。
二次巻線162(二次側巻線)は、一方の端がトランス第四端子174に電気接続し、他方の端がトランス第五端子175に電気接続した導線である。二次巻線162は、トランス第四端子174に接続した側を巻き始めとして、鉄芯170に巻付けられている。
シールド巻線163は、一方の端がトランス第二端子172に電気接続し、他方の端がトランス第一端子171に電気接続した導線である。シールド巻線163は、トランス第二端子172に接続した側を巻き始めとして、鉄芯170に巻付けられている。シールド巻線163の巻き数は、例えば、40ターン程度である。
【0024】
図1との関係で言えば、トランス第一端子171には、突入電流抑制回路130の抑制制御端子が電気接続している。トランス第二端子172には、突入電流抑制回路130の抑制基準端子および入力平滑コンデンサC41の入力平滑陽極端子が電気接続している。トランス第三端子173には、スイッチング回路150のスイッチの一端が電気接続している。トランス第四端子174には、整流素子D81の整流陽極端子が電気接続している。トランス第五端子175には、出力平滑コンデンサC82の出力平滑陰極端子が電気接続している。
【0025】
一次巻線161、二次巻線162、シールド巻線163は、結合度を高くするため、鉄芯170(コア)の同じ位置に重ねて巻付けられている。
シールド巻線163は、三つの巻線のうち一番内側に巻付けられている。シールド巻線163は、鉄芯170の巻付け位置いっぱい(ボビンの端から端まで)に、一層をなすように巻付けられている。例えば、鉄芯170がEE19であり、シールド巻線163がφ0.2mmのウレタン線(UEW線)である場合、ほぼ40ターンほどで、巻付け位置いっぱいに巻付けることができる。巻き数をもっと多くしたい場合は、もっと細い線を使用してもよい。逆に、巻き数をもっと少なくしたい場合は、もっと太い線を使用してもよい。
一次巻線161は、鉄芯170にシールド巻線163を巻付けたその上に、巻付けられている。二次巻線162は、鉄芯170に更に一次巻線161を巻付けたその上に、巻付けられている。
【0026】
図3は、この実施の形態における突入電流抑制回路130の回路構成を示す電気回路図である。
突入電流抑制回路130は、限流素子R31、スイッチング素子T32、整流素子D33、分圧回路135を有する。
【0027】
限流素子R31は、二つの端子を有する。限流素子R31は、流れる電流が増加すると、両端子間の電圧が大きくなる性質を持つ。限流素子R31は、例えば抵抗である。限流素子R31は、一方の端子が抑制出力端子に電気接続し、他方の端子が抑制基準端子に電気接続している。これにより、限流素子R31は、電源投入直後の突入電流を抑制する。
スイッチング素子T32は、三つの端子(以下それぞれ「スイッチ陽極端子」「スイッチ陰極端子」「スイッチ制御端子」と呼ぶ。)を有する。スイッチング素子T32は、スイッチ制御端子に対するスイッチ陰極端子の電位(以下「スイッチ制御電圧」と呼ぶ。)が所定の閾値電圧(例えば0.6V)以上になると、スイッチ陽極端子とスイッチ陰極端子との間が導通し、スイッチ陽極端子からスイッチ陰極端子へ向かう電流(以下「スイッチ電流」と呼ぶ。)が流れる。スイッチング素子T32には、保持作用があり、その後、スイッチ制御電圧が所定の閾値電位より低くなっても、何らかのトリガが発生するまで、導通状態を維持する。スイッチング素子T32は、例えば、スイッチ電流が所定の保持電流を下回ったことをトリガとして、スイッチ陽極端子とスイッチ陰極端子との間を絶縁する。スイッチング素子T32は、例えばサイリスタである。スイッチング素子T32は、スイッチ陽極端子が抑制出力端子に電気接続し、スイッチ陰極端子が抑制基準端子に電気接続している。すなわち、スイッチング素子T32をオンにすることにより、限流素子R31を短絡し、整流回路120が生成した脈流電圧を入力平滑コンデンサC41に直接印加することができる。電源投入直後は、スイッチング素子T32をオフにして、限流素子R31の効果により、突入電流を抑制し、その後、スイッチング素子T32をオンにすることにより、限流素子R31を短絡し、無駄な電力消費を抑える。
整流素子D33(逆流防止ダイオード)は、整流陽極端子と整流陰極端子とを有し、整流作用を有する。整流素子D33は、例えば、半導体ダイオードである。整流陽極端子は、抑制制御端子に電気接続している。整流素子D33は、抑制制御端子の電位が抑制基準端子の電位より低くなった場合に、スイッチング素子T32に逆電圧が印加されるのを防ぐ。
分圧回路135は、三つの端子(以下それぞれ「分圧基準端子」「分圧入力端子」「分圧出力端子」と呼ぶ。)を有する。分圧回路135は、分圧基準端子に対する分圧入力端子の電位を入力し、入力した電圧を抵抗分圧して、入力した電圧に比例する電圧を生成し、生成した電圧を分圧基準端子に対する分圧出力端子の電位として出力する。分圧回路135は、例えば直列接続した抵抗R36および抵抗R37である。分圧回路135は、分圧基準端子が抑制基準端子に電気接続し、分圧入力端子が整流素子D33の整流陰極端子に電気接続し、分圧出力端子がスイッチング素子T32のスイッチ制御端子に電気接続している。分圧回路135は、抑制制御端子が入力した電圧(例えば50V)を分圧して電圧レベルを下げ、スイッチング素子T32の抑制制御端子に過電圧が加わるのを防ぐ。
【0028】
図4は、この実施の形態における電源装置100の各部の電圧および電流を示す波形図である。
【0029】
時刻tにおいて、スイッチング回路150は、スイッチをオンにする。これにより、トランス160の一次電圧(一次巻線161の両端電圧をいう。一次電圧の符号は、トランス第二端子172の電位がトランス第三端子173の電位より高い場合を正とする。)は、入力平滑コンデンサC41に充電された電圧vC41とほぼ等しくなる。一次巻線161、二次巻線162、シールド巻線163の結合が密であるとすると、トランス160の二次電圧(二次巻線162の両端電圧をいう。二次電圧の符号は、トランス第四端子174の電位がトランス第五端子175の電位より高い場合を正とする。)およびシールド巻線電圧(シールド巻線163の両端電圧をいう。シールド巻線電圧の符号は、一次巻線161の電位が二次巻線162の電位より高い場合を正とする。)は、巻き数比にしたがって一次電圧に比例した電圧となる。なお、二次電圧は、逆極性なので、負の電圧となる。
二次電圧が負なので、整流素子D81の整流作用により、トランス160の二次電流(二次巻線162に流れる電流をいう。二次電流の符号は、二次電流がトランス第五端子175から二次巻線162に入りトランス第四端子174から出てくる場合を正とする。)は0になる。また、トランス160の一次電流(一次巻線161を流れる電流をいう。一次電流の符号は、一次電流がトランス第二端子172から一次巻線161に入りトランス第三端子173から出てくる場合を正とする。)は、トランス160のリアクタンスによる限流作用により、ほぼ一定の傾きで徐々に増加する。
シールド巻線電圧が正なので、突入電流抑制回路130の整流素子D33はオンになり、突入電流抑制回路130のスイッチ制御電圧は、シールド巻線電圧に比例した電圧となる。すなわち、スイッチ制御電圧は、入力平滑コンデンサC41に充電された電圧vC41に比例する。スイッチ制御電圧が所定の閾値電圧以上であれば、スイッチング素子T32がオンになる。したがって、電源投入直後、入力平滑コンデンサC41がまだ十分に充電されていない場合は、スイッチング素子T32がオフになり、入力平滑コンデンサC41が十分に充電されると、スイッチング素子T32がオンになる。
【0030】
時刻tにおいて、スイッチング回路150は、スイッチをオフにする。スイッチング回路150は、例えば一次電流が所定の値に達したと判定したことにより、スイッチをオフにする。これにより、トランス160のトランス第三端子173が開放状態となるので、一次電流は理論上0になるはずだが、寄生容量の影響により、完全に0にはならない。トランス160のリアクタンスによる限流作用により、トランス160は電流を維持しようとするので、一次電流が急激に下がった代わりに、二次電流が流れる。整流素子D81が半ば強制的にオンになるので、二次電圧は、出力平滑コンデンサC82に充電された電圧vC82とほぼ等しくなる。なお、一次電流が完全に0にならないことの影響により、過渡的なスイッチングノイズが発生する。一次電圧およびシールド電圧は、二次電圧に比例した電圧(ただし符号が逆)になる。
シールド巻線電圧が負なので、突入電流抑制回路130の整流素子D33はオフになり、突入電流抑制回路130のスイッチ制御電圧は、ほぼ0になり、所定の閾値電圧を下回る。しかし、スイッチング素子T32の保持作用により、スイッチング素子T32は、オン状態を維持する。
トランス160のリアクタンスによる限流作用により、二次電流は、ほぼ一定の傾きで徐々に減少する。
【0031】
時刻tにおいて、二次電流が0になり、整流素子D81がオフになる。これにより、トランス160のトランス第四端子174が開放状態となる。トランス160の一次巻線161も二次巻線162も開放状態なので、一次電流も二次電流も理論上0になるはずだが、やはり寄生容量の影響により、完全に0にはならず、過渡的なスイッチングノイズが発生する。このとき発生するスイッチングノイズは、一次巻線161も二次巻線162も開放されていて、トランス160のリアクタンスと寄生容量との共振エネルギーの逃げ場がないので、減衰が小さく、長時間継続する。
【0032】
時刻tにおいて、スイッチング回路150がスイッチをオンにすると、時刻tと同じ状態になる。電源装置100は、これを一周期として、同じ動作を繰り返す。
【0033】
交流電源ACの電圧が100V(実効値)である場合、入力平滑コンデンサC41に充電される電圧vC41は、整流回路120における電圧降下などの影響により、130V程度である。
スイッチング素子T32がオンになる閾値電圧が約0.6Vであり、分圧回路135の分圧比が例えば20:1であるとすると、入力平滑コンデンサC41が十分充電されたとき、シールド巻線電圧が30V以上になる必要がある。例えば、一次巻線161とシールド巻線163との巻き数比が5:2であれば、一次電圧が130Vのとき、シールド巻線電圧は130×2/5=52Vとなり、突入電流抑制回路130が動作する。
【0034】
この例において、電源装置100は、負荷電流を一定にする電流源として動作するので、LED回路810に含まれるLEDの電気的特性により、負荷電圧は変化する。このため、出力平滑コンデンサC82に充電される電圧vC82は一定ではない。フライバック電圧vFB(時刻t〜tの間における一次電圧をいう。)は、出力平滑コンデンサC82に充電された電圧vC82に、一次巻線161と二次巻線162との巻き数比を乗じた電圧であり、例えば一次巻線161と二次巻線162との巻き数比が2:1であれば、vFB=vC82×2となる。出力平滑コンデンサC82に充電される電圧vC82が一定ではないので、フライバック電圧vFBも一定ではない。
シールド巻線電圧が負の場合は、整流素子D33がカットするので、突入電流抑制回路130は、フライバック電圧vFBと無関係に動作する。したがって、設計段階において、フライバック電圧vFBを考慮する必要がなく、突入電流抑制回路130を簡単な構成で実現することができる。
【0035】
上述したように、時刻tや時刻tで発生するスイッチングノイズは、スイッチング回路150のスイッチや整流素子D81がオフになり、トランス第三端子173やトランス第四端子174が開放状態となることに起因する。このうち、時刻tに発生するノイズは、ピークが大きいがすぐに減衰するので外部に対する影響が小さいのに対し、時刻tに発生するノイズは、長く持続するので、外部に対する影響が大きくなる可能性がある。
この実施の形態における電源装置100は、一次巻線161や二次巻線162から寄生容量を介して鉄芯170に流れる電流を打ち消す電流が、シールド巻線163から寄生容量を介して鉄芯170に流れ、鉄芯170にノイズが蓄積しないので、外部に漏れるノイズを抑えることができる。
【0036】
スイッチング素子T32をオンにするために消費される電力は、抑制制御端子が入力する電圧に比例する。シールド巻線163の巻き数が少ないほうがシールド巻線電圧が低くなるので、突入電流抑制回路130における消費電力を抑えることができる。
この実施の形態におけるシールド巻線163は、一番内側に巻付けられているので、一次巻線161や二次巻線162よりも、鉄芯170との距離が近く、シールド巻線163と鉄芯170との間の寄生容量が大きい。このため、一次巻線161や二次巻線162から寄生容量を介して流れる電流を打ち消す電流を発生させるために必要なシールド巻線163の巻き数が少なくてよい。したがって、突入電流抑制回路130における消費電力を抑えることができる。
また、シールド巻線163が一層をなすように巻付けられているので、一次巻線161と鉄芯170との間の距離を確保でき、一次巻線161と鉄芯170との間の寄生容量を小さくすることができる。このため、シールド巻線163の巻き数は、更に少なくてよい。
【0037】
図5は、この実施の形態における電源装置100において、交流電源AC側に漏れ出すノイズの実験結果を示す周波数特性図である。
図6は、参考例として、シールド巻線163を半分までしか巻かなかった場合において、交流電源AC側に漏れ出すノイズの実験結果を示す周波数特性図である。
図5及び図6において、横軸はノイズの周波数(Hz)を示し、縦軸はノイズのレベル(dB)を示す。
このグラフによれば、シールド巻線163を半分までしか巻かなかった場合と比較して、シールド巻線163を一層をなすように巻いた場合のほうが、周波数帯域aにおけるノイズレベルが低減していることがわかる。
【0038】
この実施の形態における電源装置100は、入力平滑コンデンサC41と、上記入力平滑コンデンサC41に流れる突入電流を抑制する突入電流抑制回路130と、上記入力平滑コンデンサC41に充電された入力平滑電圧vC41を一次巻線161に印加されるトランス160と、上記トランス160の二次巻線162に発生した二次電圧により充電される出力平滑コンデンサvC82とを有し、上記トランス160は、一方の端が上記一次巻線161の一方の端に電気接続したシールド巻線163を有し、上記突入電流抑制回路130は、上記シールド巻線163の両端に発生したシールド巻線電圧に基づいて、上記突入電流の抑制を制御するので、シールド巻線163の効果によりトランス160から発生するノイズを抑えることができるとともに、シールド巻線電圧を利用して突入電流抑制回路130を動作させることができ、電源装置100の回路構成を簡略化することができる。
【0039】
この実施の形態における電源装置100において、上記トランス160のシールド巻線163は、上記シールド巻線163と上記一次巻線161と上記二次巻線162とのうちで最も内側に巻かれているので、トランス160から発生するノイズを抑えるために必要なシールド巻線163の巻き数が少なく、シールド巻線電圧を小さくすることができ、突入電流抑制回路130における消費電力を抑えることができる。
【0040】
この実施の形態における電源装置100において、上記トランス160は、鉄芯170を有し、上記トランス160のシールド巻線163は、上記鉄芯170に一層に巻かれているので、トランス160から発生するノイズを抑えるために必要なシールド巻線163の巻き数が更に少なく、シールド巻線電圧を更に小さくすることができ、突入電流抑制回路130における消費電力を更に抑えることができる。
【0041】
この実施の形態における電源装置100において、上記突入電流抑制回路130は、上記入力平滑コンデンサC41と直列に電気接続された限流素子R31と、上記限流素子R31と並列に電気接続され、上記シールド巻線電圧が所定の電圧より高くなった場合に導通するスイッチング素子T32とを有するので、入力平滑コンデンサC41が十分充電されていない場合は、スイッチング素子T32がオフになり、突入電流を抑制し、入力平滑コンデンサC41が十分充電されている場合は、スイッチング素子T32がオンになり、突入電流抑制回路130における消費電力を抑えることができる。
【0042】
この実施の形態における電源装置100において、上記突入電流抑制回路130は、上記シールド巻線電圧を半波整流する整流素子D33と、上記整流素子D33が整流した電圧を抵抗分圧する分圧回路135とを有し、上記スイッチング素子T32は、上記分圧回路135が抵抗分圧した電圧が所定の電圧より高くなった場合に導通するので、シールド巻線電圧が低ければ、分圧回路135の分圧比を小さくすることができ、スイッチング素子T32をオンにするための消費電力を抑えることができる。
【0043】
この実施の形態における照明器具800は、上記電源装置100を有し、上記出力平滑コンデンサC82に充電された電圧により、光源(LED回路810のLED)を点灯するので、外部に放出されるノイズが小さく、かつ、無駄な消費電力を抑えることができる。
【0044】
なお、ノイズを低減するために設けられるシールド巻線163から取り出した電圧信号は、突入電流抑制回路130に限らず、他の回路を構成するサイリスタ等のスイッチング素子を動作させるトリガ用信号として、利用してもよい。
このように、シールド巻線163(共用巻線)が、ノイズを低減する機能と、トリガ信号を取り出す機能との二つの機能を合わせ持つことにより、個別に対策回路を設ける場合と比較して、電源装置100の回路構成を簡略化することができ、電源装置100の部品数を削減し、電源装置100の製造コストを抑えることができる。
これにより、低コストかつ信頼性の高い照明器具800を製造することができる。
【0045】
シールド巻線163は、一層をなすように巻付けられ、巻き数は40ターン以下であることが好ましく、更に言えば、10ターン以上40ターン以下であることが望ましい。また、一次巻線161の巻き数に対して、0.45倍以下であることが望ましい。シールド巻線163の巻き数が少ないほうが、突入電流抑制回路130に印加される電圧が低くなるので、突入電流抑制回路130においてスイッチング素子T32をオンするために消費される電力が少なくて済む。また、フライバック電圧vFBやスイッチングノイズ(リーケージインダクタンスによるノイズ)に起因して整流素子D33に加わる逆電圧が小さくなるので、耐電圧が低いダイオードを整流素子D33として使用することができ、電源装置100の製造コストを抑えることができる。
【0046】
突入電流抑制回路130が入力するトリガ電圧の極性は、トランス160の一次電圧と同じ極性である。したがって、トリガ電圧の最大値は、入力平滑コンデンサC41に充電された電圧vC41にほぼ等しい。したがって、入力平滑コンデンサC41に充電された電圧vC41に基づいて、突入電流抑制回路130の動作を制御する回路構成を、比較的容易に実現することができる。これに対して、トリガ電圧の極性をトランス160の二次電圧と同じ極性(一次電圧と逆極性)とすると、トリガ電圧の瞬間的なピークの最大値は、トランス160の寄生容量により変化し、入力平滑コンデンサC41の充電電圧vC41との関係は、必ずしも明らかでない。分圧回路135において抵抗R37に並列にコンデンサを設けることにより、スイッチングノイズに起因する瞬間的なピークを取り除くことは可能であるが、その場合の最大値は、出力平滑コンデンサC82に充電された電圧vC82により定まる。電源装置100を電流源として動作させる構成とした場合、負荷電圧は一定でないから、電圧vC82により定まるトリガ電圧に基づいて突入電流抑制回路130の動作を制御する回路構成は、この実施の形態で説明した突入電流抑制回路130の構成よりも複雑にならざるを得ない。
【0047】
電源装置100の内部で発生するノイズのレベルが低くなるので、ノイズフィルタ回路110のノイズ除去能力は低くてよい。すなわち、ノイズフィルタ回路110を構成するアクロスザラインコンデンサやコモンモードチョークなどの部品を小さくすることができる。また、電源装置100の容量が10W以下である場合などは、電源装置100の内部で発生するノイズが非常に低いので、ノイズフィルタ回路110がなくてもよい。これにより、電源装置100の製造コストを抑えることができる。
【0048】
実施の形態2.
実施の形態2について、図7〜図8を用いて説明する。
この実施の形態における照明器具800の構成は、実施の形態1で説明したものと同様なので、説明を省略する。
【0049】
図7は、この実施の形態におけるトランス160の構造を示す断面図である。
この例において、トランス160の鉄芯170には、内側から順に、一次巻線161、二次巻線162、シールド巻線163が巻付けられている。
このように、シールド巻線163を、三つの巻線(一次巻線161、二次巻線162、シールド巻線163)のうち一番外側に巻くことにより、鉄芯170から放射される放射ノイズを低減することができる。
【0050】
この実施の形態における電源装置100において、上記トランス160のシールド巻線163は、上記シールド巻線163と上記一次巻線161と上記二次巻線162とのうちで最も外側に巻かれているので、トランス160から電波として放射される放射ノイズを低減することができる。
【0051】
図8は、この実施の形態におけるトランス160の構造の別の例を示す断面図である。
この例において、トランス160の鉄芯170には、内側から順に、一次巻線161、シールド巻線163、二次巻線162が巻付けられている。
このように、シールド巻線163を、一次巻線161と二次巻線162との間に巻くことにより、電源装置100の一次側で発生したノイズと、電源装置100の二次側で発生したノイズとを分離することができる。
【0052】
この実施の形態における電源装置100において、上記トランス160のシールド巻線163は、上記一次巻線161と上記二次巻線162との間に巻かれているので、
一次側ノイズと二次側ノイズとを分離することができ、ノイズの乗畳によるノイズレベルの上昇を抑えることができる。
【0053】
実施の形態3.
実施の形態3について、図9〜図10を用いて説明する。
なお、実施の形態1で説明した照明器具800と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0054】
図9は、この実施の形態における照明器具800の機能ブロックの構成を示すブロック構成図である。
実施の形態1で説明した機能ブロックに加えて、照明器具800は、保護検出回路195を有する。また、トランス160は、更に、バイアス巻線164を有する。
【0055】
保護検出回路195は、バイアス巻線164の両端に発生した電圧(以下「バイアス巻線電圧」と呼ぶ。)を検出し、検出したバイアス巻線電圧に基づいて、保護信号を生成する。保護信号とは、保護検出回路195が異常を検出した場合に、スイッチング回路150の動作を停止させる信号である。例えば、保護検出回路195は、バイアス巻線電圧が異常に高くなった場合に、保護信号を生成する。
【0056】
スイッチング回路150は、保護検出回路195が生成した保護信号を入力し、入力した保護信号に基づいて、スイッチの導通絶縁を制御する。スイッチング回路150は、保護検出回路195が異常を検出したか否かを、入力した保護信号に基づいて判定し、保護検出回路195が異常を検出したと判定した場合に、スイッチを継続してオフ状態とし、動作を停止する。
【0057】
出力平滑コンデンサC82は、出力平滑陽極端子がトランス160のトランス第四端子174(二次巻線162の一方の端)に電気接続し、出力平滑陰極端子が整流素子D81の整流陽極端子に電気接続している。整流素子D81は、整流陰極端子がトランス160のトランス第五端子175(二次巻線162のもう一方の端)に電気接続している。すなわち、実施の形態1と比較して、直列接続した整流素子D81と出力平滑コンデンサC82との接続順序が逆になっている。
これにより、一次巻線161から寄生容量を介して流れる電流と、二次巻線162から寄生容量を介して流れる電流とが逆相となり、互いに打ち消し合うので、シールド巻線163から寄生容量を介して流す電流が小さくてよく、シールド巻線163の巻き数を少なくすることができる。
なお、実施の形態1と同様の順序で、整流素子D81と出力平滑コンデンサC82とを接続してもよい。
【0058】
図10は、この実施の形態におけるトランス160の構造を示す断面図である。
この例において、トランス160の鉄芯170には、内側から順に、シールド巻線163、一次巻線161、バイアス巻線164、二次巻線162が巻付けられている。
このように、鉄芯170に巻付けられている巻線が、一次巻線161、二次巻線162、シールド巻線163以外にある場合において、第四の巻線(バイアス巻線164)を一次巻線161と二次巻線162との間に巻くことにより、実施の形態1で説明したシールド巻線163の効果と、実施の形態2で説明したシールド巻線163の効果を両方を享受することができる。すなわち、電源線から外部に漏れるノイズを低減するとともに、電源装置100の一次側で発生したノイズと、二次側で発生したノイズとを分離することができる。
【0059】
図11は、この実施の形態におけるトランス160の構造の別の例を示す断面図である。
この例において、トランス160の鉄芯170には、内側から順に、バイアス巻線164、一次巻線161、二次巻線162、シールド巻線163が巻付けられている。このように、実施の形態1で説明したシールド巻線163の代わりにバイアス巻線164を一番内側に巻き、実施の形態2で説明したのと同様にシールド巻線163を一番外側に巻くことにより、電源線から外部に漏れるノイズを低減するとともに、外部の回路にカップリングされるノイズを低減することができる。
【0060】
図12は、この実施の形態におけるトランス160の構造の更に他の例を示す断面図である。
この例において、トランス160の鉄芯170には、内側から順に、一次巻線161、バイアス巻線164、二次巻線162、シールド巻線163が巻付けられている。
このように、実施の形態2で説明した2種類のシールド巻線163のうち、一方をバイアス巻線164で代用し、他方をシールド巻線163とすることにより、外部に放射されるノイズを低減するとともに、電源装置100の一次側で発生したノイズと、二次側で発生したノイズとを分離することができる。
【0061】
また、バイアス巻線164に代えて、もしくは更に加えて、スイッチング回路150などを構成するICの電源を得るための電源巻線をトランス160に設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】実施の形態1における照明器具800の機能ブロックの構成を示すブロック構成図。
【図2】実施の形態1におけるトランス160の構造を示す平面図及びA−A断面図。
【図3】実施の形態1における突入電流抑制回路130の回路構成を示す電気回路図。
【図4】実施の形態1における電源装置100の各部の電圧および電流を示す波形図。
【図5】実施の形態1における電源装置100において、交流電源AC側に漏れ出すノイズの実験結果を示す周波数特性図。
【図6】参考例として、シールド巻線163を半分までしか巻かなかった場合において、交流電源AC側に漏れ出すノイズの実験結果を示す周波数特性図。
【図7】実施の形態2におけるトランス160の構造を示す断面図。
【図8】実施の形態2におけるトランス160の構造の別の例を示す断面図。
【図9】実施の形態3における照明器具800の機能ブロックの構成を示すブロック構成図。
【図10】実施の形態3におけるトランス160の構造を示す断面図。
【図11】実施の形態3におけるトランス160の構造の別の例を示す断面図。
【図12】実施の形態3におけるトランス160の構造の更に他の例を示す断面図。
【符号の説明】
【0063】
100 電源装置、110 ノイズフィルタ回路、120 整流回路、130 突入電流抑制回路、135 分圧回路、150 スイッチング回路、160 トランス、161 一次巻線、162 二次巻線、163 シールド巻線、164 バイアス巻線、170 鉄芯、171 トランス第一端子、172 トランス第二端子、173 トランス第三端子、174 トランス第四端子、175 トランス第五端子、190 出力検出回路、195 保護検出回路、800 照明器具、810 LED回路、AC 交流電源、C41 入力平滑コンデンサ、C82 出力平滑コンデンサ、D33,D81 整流素子、R31 限流素子、R36,R37 抵抗、T32 スイッチング素子。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力平滑コンデンサと、上記入力平滑コンデンサに流れる突入電流を抑制する突入電流抑制回路と、上記入力平滑コンデンサに充電された入力平滑電圧を一次巻線に印加されるトランスと、上記トランスの二次巻線に発生した二次電圧により充電される出力平滑コンデンサとを有する電源装置において、
上記トランスは、一方の端が上記一次巻線の一方の端に電気接続したシールド巻線を有し、
上記突入電流抑制回路は、上記シールド巻線の両端に発生したシールド巻線電圧に基づいて、上記突入電流の抑制を制御することを特徴とする電源装置。
【請求項2】
上記トランスのシールド巻線は、上記シールド巻線と上記一次巻線と上記二次巻線とのうちで最も内側に巻かれていることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
上記トランスのシールド巻線は、上記シールド巻線と上記一次巻線と上記二次巻線とのうちで最も外側に巻かれていることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項4】
上記トランスのシールド巻線は、上記一次巻線と上記二次巻線との間に巻かれていることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項5】
上記トランスは、鉄芯を有し、上記トランスのシールド巻線は、上記鉄芯に一層に巻かれていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電源装置。
【請求項6】
上記突入電流抑制回路は、上記入力平滑コンデンサと直列に電気接続された限流素子と、上記限流素子と並列に電気接続され、上記シールド巻線電圧が所定の電圧より高くなった場合に導通するスイッチング素子とを有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の電源装置。
【請求項7】
上記突入電流抑制回路は、上記シールド巻線電圧を半波整流する整流素子と、上記整流素子が整流した電圧を抵抗分圧する分圧回路とを有し、
上記スイッチング素子は、上記分圧回路が抵抗分圧した電圧が所定の電圧より高くなった場合に導通することを特徴とする請求項6に記載の電源装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の電源装置を有し、上記出力平滑コンデンサに充電された電圧により、光源を点灯することを特徴とする照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−303311(P2009−303311A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−152373(P2008−152373)
【出願日】平成20年6月11日(2008.6.11)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】