電界放出に支援されたマイクロ放電装置
【課題】電界放出ナノ構造(18)がマイクロ放電装置の動作を支援するようにしたマイクロ放電装置を提供する。
【解決手段】上記電界放出ナノ構造は、上記マイクロ放電装置の中に組み込まれ、又は上記マイクロ放電装置の電極(14,16,36,38)の近くに配置される。上記電界放出ナノ構造は、上記電界放出ナノ構造を欠く以外は全く同一な装置に比べ、動作電圧及び点火電圧を低減し、同時にまた上記マイクロ放電装置の放射出力を増加させる。
【解決手段】上記電界放出ナノ構造は、上記マイクロ放電装置の中に組み込まれ、又は上記マイクロ放電装置の電極(14,16,36,38)の近くに配置される。上記電界放出ナノ構造は、上記電界放出ナノ構造を欠く以外は全く同一な装置に比べ、動作電圧及び点火電圧を低減し、同時にまた上記マイクロ放電装置の放射出力を増加させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、マイクロ放電装置及びアレイである。本発明の更なる分野には、インコヒーレント光を利用する全ての分野が含まれ、また本発明の特定の実施形態はコヒーレント光を利用する分野にも適用可能である。インコヒーレント発光を起こす本発明の装置についての適用例の中には、ディスプレイ及びより一般的な照明アプリケーションがある。コヒーレント発光を起こす本発明の装置についての適用例の中には、例えば、光ファイバ通信、生物医学診断、及び環境センシングの分野が含まれる。
【背景技術】
【0002】
マイクロプラズマ装置又はマイクロキャビティ放電装置としても公知であるイクロ放電装置は、他の発光装置に対する代替品として開発されてきた。マイクロ放電装置は、次の米国特許の中で開示されている。第6,563,257号「Multilayer Ceramic Microdischarge Device」、第6,541,915号「High Pressure Arc Lamp Assisted Start Up Device and Method」、第6,194,833号「Microdischarge Lamp and Array」、第6,139,384号「Microdischarge Lamp Formation Process」、及び第6,016,027号「Microdischarge Lamp」。
【0003】
最近の出願の中で本発明者らは、AC、RF、又はパルス励起により励起される、位相固定式マイクロ放電装置アレイ及びマイクロ放電装置を開示した。「Phase Locked Microdischarge Array and AC,RF or Pulse Excited Microdischarge」という名称の米国特許出願は、2004年4月22日に提出され、出願番号10/829,666を与えられている。対応するPCT出願は、2005年3月9日に提出され、出願番号PCT/US05/07425を与えられた。
【0004】
カーボンナノチューブは、卓越した物理的且つ電子工学的特性を有する電界放出ナノ構造である。カーボンナノチューブの電界エミッタとしての有用性は、ナノチューブの成長を制御するための新たな方法の開発及びディスプレイやセンサなどを含む真空電子装置の導入を促した。カーボンナノチューブの電子工学的な応用は、一般的には単に電流源としての電界放出に頼っていたが、これは150Vから1kVまでの範囲内の電極電圧を必要とし、アレイ内のカーボンナノチューブの面数密度のみならずカーボンナノチューブの長さ及び径の制限をもたらしている。例えば、Choi,et al.,“Electrophoresis Deposition of Carbon Nanotubes for Triode−Type Field Emission Display,”Appl.Phys.Lett.,78,pp.1547−49(2001);Modi et al.,“Miniaturized Gas Ionization Sensors Using Carbon Nanotubes,”Nature,424,pp.171−74(2003)を参照。
【0005】
また、他のナノ構造が容易に電界放出を作り出すことも判った。例としては、炭化ケイ素ナノワイヤ、酸化亜鉛ナノワイヤ、モリブデン及び酸化モリブデンナノワイヤ、有機半導体ナノワイヤ、並びにタングステンナノワイヤがある。例えば、Tang and Bando,“Effect of BN Coatings on Oxidation Resistance and Field Emisssion of SiC Nanowires”,Appl.Phys.Lett,Vol.83,No.4(28 July 2003);Lee et al.,“Field Emission From Well− Aligned Zinc Oxide Nanowires Grown at Low Temperature”,Appl.Phys.Lett.,Vol.81,No.19(4 November 2002);Zhou et al.,“Large−Area Nanowire Arrays of Molybdenum and Molybdenum Oxides:Synthesis and Field Emission Properties,”Adv.Mater.,Vol.15,No.21(4 November 2003);Chiu et al.,“Organic Semiconductor Nanowires for Field Emission”,Adv.Mater.,Vol.15,No.16,(15 August 2003);Min and Ahn,“Tungsten Nanowires and Their Field Electron Emission Properties,”Appl.Phys.Lett.,Vol.81,No.4(22 July 2002);and Wu et al.,“Needle−Shaped Silicon Carbide Nanowires:Synthesis and Field Electron Emission Properties,”Appl.Phys.Lett.,Vol.80,No.20(20 May 2002)を参照。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明では、電界放出ナノ構造が補助的な電流源を提供することによりマイクロ放電装置の動作を支援する。上記電界放出ナノ構造は、マイクロ放電装置の中に組み込まれるか、又はマイクロ放電装置の電極の近くに位置している。この電界放出ナノ構造は、電界放出ナノ構造を欠くことを除けば全く同じ装置と比べて、マイクロ放電装置の動作電圧及び起動電圧を減少させ、同時にマイクロ放電装置の放射出力も増加させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、電界放出ナノ構造に動作を支援されたマイクロ放電装置に関する。本発明の実施形態の例としては、電界放出ナノ構造をその中に有するマイクロ放電装置、及び電界放出ナノ構造がその陰極の近くに配置されたマイクロ放電装置が含まれる。本発明の例示的な方法には、マイクロ放電装置の動作を支援するために電界放出ナノ構造を用いることが含まれる。本発明の例示的なアレイには、それぞれの装置(ピクセル)がそのアレイの動作を支援する電界放出ナノ構造を有する、複数のマイクロ放電装置が含まれる。
【0008】
本発明は、多くの様々なマイクロ放電装置に適用可能であり、その中には、「背景技術」の項で挙げた米国特許並びに米国及びPCT特許出願の中に記載されたマイクロ放電装置が含まれる。本発明は、好ましい実施形態の装置を論じることにより、これから例示される。当業者は、他のマイクロ放電装置への本発明のより一般的な適用可能性を理解するであろう。本発明を記述する中で、特定の例示的な装置、形成プロセス、及び装置アプリケーションが、説明の目的で用いられる。寸法及び説明された装置は、説明のため及び本発明の理解のために誇張されるかもしれない。図の中の要素は、必ずしも互いに原寸通りとは限らない。概略図は、そのような図が当分野で一般的に用いられているというように、当業者に理解されるであろう。本発明の装置及びアレイは、半導体装置及びMEMの世界で周知のプロセスにより製造することができる。
【0009】
図1に、本発明の装置の例を示す。マイクロ放電キャビティ10が、誘電体12及び導体又は半導体層14の中に形成され、中空陰極を形成している。基板15(例えばシリコン)は装置を支持している。誘電体12は、例えば、単一材料の層により実現することができる。他の実施例では、誘電体12は誘電率に勾配をつけるために複数材料の層で実現することができる。基板15も単層又は多層としてもよい。例えば、本発明のいくつかの実施形態では、基板15は、複数の装置層、相互接続層、及び絶縁層を有する半導体ウエハを含むかもしれない。基板15は、セラミック材料若しくはガラス、又はカプトンのような柔軟性のある材料などの絶縁体であり得る。導体層14は金属、半導体、導電性ポリマ、又は他の導電性材料から作られてもよい。充分な電圧が陽極16と陰極14の間にかけられると、陽極16(例えば、スクリーン、透明電極(インジウムすず酸化物など)、又は環状フイルムでもよい)はマイクロ放電キャビティ10の中に含まれる放電媒体から発出される放電を起こす。電界放出ナノ構造18は、マイクロ放電キャビティ10によって形成された上記中空陰極内にある。図2は、他の実施形態の例を示す。図2では、電界放出ナノ構造18は、中空電極に隣接して第2の陰極20上に配置され、スペーサ層21(誘電体、又は導体若しくは半導体材料であってもよい)がそれに加わっている。図1及び2では、透明層19が放電媒体を閉じ込め、放射光が通過できるようにする窓として動作する。陽極として透明電極が用いられる場合、この透明電極がマイクロ放電キャビティ内の放電媒体を閉じ込めることができるので、透明層19は必要ではない。所望される場合には、陰極14と第2の陰極20との間に電圧をかけ、マイクロ放電キャビティ10への電流の流れを制御することができる。誘電体22は、第2の陰極20と基板15との間の電気的な絶縁を提供し、また層21も陰極14と第2の陰極20との間の電気的絶縁を提供する誘電体である。図1の装置の変形である他の実施形態では、誘電体22は削除され、陰極14は基板15と同じ電位になる。図2の装置の変形では、誘電体22が削除され、第2の陰極20と基板15が同電位になる。更に、スペーサ層21が導電性の場合は、陰極14及び第2の陰極20も同様に同電位になるであろう。
【0010】
実施形態の例の中では、この電界放出ナノ構造はカーボンナノチューブである。他の実施形態の例には、炭化ケイ素ナノワイヤ、酸化亜鉛ナノワイヤ、モリブデン及び酸化モリブデンナノワイヤ、有機半導体ナノワイヤ、並びにタングステンナノワイヤなどの、他のタイプの電界放出ナノ構造が含まれる。本発明を実証するために、実験が行われた。実験用の装置には、電界放出ナノ構造としてカーボンナノチューブが用いられた。当業者は、他の電界放出ナノ構造が利用可能であることを良く理解するであろう。
【0011】
おおよそ図1の構造を有する実験用装置とおおよそ図2の構造を有する実験用装置がテストされ、本発明の電界放出ナノ構造に支援された働きが無いこと意外は全く同一な装置に比べ、改善された結果を示した。例えば、200μm径マイクロキャビティのNiスクリーン/BN誘電体/Ni陰極装置中で成長したカーボンナノチューブは、数百トールのガス圧の真空システムの中で動作したときに、18%から22%も動作電圧を減少させた。これらの実験用装置は真空中で動作させられ、従って、キャビティは図1、図2に示す透明層19に密封されてはいない。また、実験用装置には、図1、図2に示す誘電体層22が無い。加えて、実験用の図2の装置は、統合化された装置ではなかった。この実験用装置の中では、カーボンナノチューブはキャビティから〜25μm離れて保持された分離した電極上にあった。
【0012】
マイクロ放電がその中で生成されるマイクロ放電キャビティ10の径のサイズの下限は、主にそのマイクロ放電キャビティを形成するために用いる微細加工技術によって制限される。マイクロ放電キャビティ(上記のカーボンナノチューブ支援装置の試作品についての)は、円筒状であり標準的な径は200μmであったが、ずっと小さい(<10μm)又はより大きな寸法のマイクロ放電装置を製造するのは、周知の微細加工技術により可能である。加えて、個々のマイクロ放電装置の断面は、図1及び図2の例示的な実施形態でのマイクロ放電キャビティ10の形状が円形ではあるが、必ずしもそうである必要はない。
【0013】
放電媒体は、光の放射を起こす蒸気又はガス(又はガス混合)である。マイクロ放電キャビティ10の中の放電媒体の種類によって、そのマイクロ放電により放射されるスペクトルを変えることができ、従ってディスプレイの性質を変えることができる。例示的な実施形態の放電媒体には、原子希ガス、N2、及び希ガス−ハロゲン化物分子(すなわち、希ガスとハロゲン供与体ガスの混合)などの、多岐にわたる蒸気及びガスが含まれる。上記マイクロ放電はそれぞれ、1気圧以下及び1気圧を超えた圧力で作動する。マイクロ放電の製造及び動作は、「背景技術」の項で挙げた、米国特許、出願、PCT出願の中で論じられている。
【0014】
実験用のマイクロ放電装置は、Ni(50μm厚)/BN(〜70μm)/Niスクリーンの構造で製造された。窒化ホウ素(BN)層は、BN−バインダ・ペーストを印刷することにより堆積され、この有機バインダは100℃でのベーキングで除去された。マイクロ放電キャビティは、マイクロドリリングにより形成され、径は200μmであった。この径は、装置に対し適度な動作圧(一般に、希ガスに対しては100〜300トール)を持つように、選択された。窒化ホウ素は、耐久性があるため、誘電体として好都合である。それはまた耐熱性材料として、カーボンナノチューブが作られる化学気相成長プロセスのために必要な高温に耐えることができる。
【0015】
カーボンナノチューブ(CNT)は、熱フィラメント化学気相成長(HFCVD)法を用いることによって、中空マイクロ放電陰極のキャビティの中へと成長し(図1に従う装置の場合)、あるいは、シリコン基板の上に成長した(図2に従う装置の場合)。例えば、Park et al.,J.Vac.Sci.Tech.B.,19,P.958(2001)を参照。NiFeアロイは、触媒として用いられた。CNT成長に先立ち、CNTの密着性を良くするために100nm厚のチタン層が堆積され、その後で60nm厚のNiFeアロイ触媒層が堆積された。CNT成長は、10%のメタンと90%の水素を混合して源ガス(供給原料)として使い、全体圧力30トール且つ基板温度700℃で行われた。堆積したCNTは、多層構造であり、ナノチューブの径は概して40〜80nmであった。
【0016】
実験用装置は全て、マイクロ放電キャビティ10の中にネオンガスを入れ、外部バラストを380kΩにして動作させた。ネオンは、周知である可視及び紫外発光を理由に選択され、比較を容易にする基準ガスとして役立つ。CNTの無いマイクロ放電装置のV−I特性では、最小動作電圧は、pNe=200〜300トールに対して125〜130Vであることが観測された(図3)。もっと高い圧力(400〜600トール)では、V−I曲線の微分抵抗はおおむね正であるが、動作電圧はより高い。
【0017】
図4は、実験用の図1の装置のV−I曲線である。CNTの無い上記装置(図3)と比べ、動作電圧は10〜30Vだけ下がり、より高い電流が今や利用可能である。マイクロ放電キャビティ10内の電界放出ナノ構造からの電界放出は、その装置の動作電圧の低下に関与しているように見える。図1の実験用装置の動作からの他の興味深い特徴は、V−I特性の圧力依存性が、CNT無しのマイクロ放電装置のそれとは全く異なることである。図4では、最小動作電圧が圧力の増加とともに単調に降下しており、このこともCNTからの電界放出の影響についての証拠を提供している。
【0018】
図2の実験用装置の場合、図3と同様の動作電圧の減少が得られる。300〜600トールのNeガス圧に対し、最小動作電圧108〜112Vが計測された(図5)。しかし、図1の装置構造と対照的に、図2の装置の動作電圧は、300トール超のNeガス圧に対しては下がり続けはしない。この実験から、100から300トールへのpNeの増加は動作電圧の急速な低下をもたらすが、それ以上の圧力増加は実際には動作電圧のわずかな増加をもたらすということは明らかである。これは、これらのデータが、CNTが陰極の開口下〜25μmに配置されたシリコンウエハ上に成長した、図2に従う装置に対して得られたという事実に起因する。従って、CNTにおいて電界放出により生成された電子は、陰極に入る前に短い距離移動しなければならない。300トールの上記装置内ガス圧では、25μmは電子と中性粒子の衝突に対しては数平均自由工程に相当する。
【0019】
装置動作電圧の減少に加え、起動(点火)電圧でもCNTが用いられると顕著な改善が見られる。図6では、CNT付きのマイクロ放電装置は、CNTが無い他は全く同一な装置よりも30〜40V低い点火電圧を示しているということが明らかである。低いNe圧(≦300トール)では、図2の装置(外部CNTアレイ)に対する起動電圧は〜200Vであり、これはCNTの無い他は同様の装置に対して必要な起動電圧よりも〜40V低い。pNe>300トールに対しては、起動電圧に対するCNTアレイの効果は、pNe=700トールで電圧差がたったの〜4%(270Vに対し11V)になるまで徐々に減少していく。点火電圧のより大きな減少は、CNTが図1の装置のようにマイクロ放電キャビティの中に組み込まれる場合に観察される。その上、これらの改善はより高いガス圧で維持される。例えば、700トールでは、上記の陰極の中にCNTを有する装置は、〜200Vの、すなわちCNT無しの装置に必要な起動電圧よりも〜19%少ない起動電圧を有する。図6を要約すると、300〜400トール超では、図2の装置に要求される点火電圧は急速に上昇し、CNT無しの装置に対する値に接近する。これは先と同様に、CNTで生成された電子が陰極に入る前に25μmの間隙を移動する必要があることを反映している。陰極の中でCNTにより電子が生み出される場合にはそのようなことはなく、従って、図1の装置の電圧は、700トールまでのガス圧においてさえも、CNT無しの装置に対する電圧よりも50Vも低いままである。
【0020】
CNTの組み込みによりマイクロ放電装置の動作電圧及び点火電圧が改善されるだけではなく、放射効率も好転する。上記CNT付きのマイクロ放電装置の放射出力の計測(300〜800nmのスペクトル領域内での)も同様に、較正されたフォトダイオードを用いて圧力の関数として行われた。図1の構造(陰極内にCNTがある)に対する結果をCNTの無い装置と比較した図7に示す様に、ナノチューブが存在することにより、相対的放射効率(これは、300〜800nmのスペクトル間隔にわたって合成された)が調査された全ての圧力範囲にわたって好転しており、9%ほどまで増加した。この装置に加えた240Vの定電圧に対し、放射効率は、図1の構造を有するがCNTの無い他の装置に比べ、200〜700トールの全てのNe圧に対し5%以上高い。この改善の理由のひとつは、CNT付きの装置(図1の装置)は、CNT無しの装置に比べ、電流が高く、しかし電圧が低いところで動作することにある。
【0021】
要するに、マイクロプラズマ装置へのCNTアレイの導入の効果は、200〜600トールのNe範囲に対し、その動作電圧が〜22%も減少するということである。最大の効果(特に高いガス圧において)は、CNTが直接、陰極マイクロ放電キャビティの内壁上に成長する場合に見られる。
【0022】
図8は、本発明の他の実施形態を例示しており、マイクロ放電装置内に形成されたマイクロ放電キャビティ30が、1以上の窪み32を有している。このマイクロ放電装置の一部のみが表されているが、これは、例えば図1の装置とそれ以外は同一であるだろうからである。公知の微細加工技術がマイクロ放電キャビティ30の中の窪み32の形成を可能とさせる。加工技術の例としては、反応性イオンエッチング(RIE)がある。窪み32は、例えば円筒及び四角い底の溝などを含む多数の断面形状のいずれで形成してもよい。この窪みは、マイクロ放電キャビティ30の側壁上及び/又は底に形成しても良い。電界放出ナノ構造18は、上記窪みの中に形成されるが、窪みと窪みとの間の面上にも同様に形成して良い。先に論じた触媒(例えば、NiFe)は、成長の位置を制御する。窪み内に在る電界放出ナノ構造は、たとえそうであったとしても、マイクロ放電キャビティという大きな容積の中への伸びはわずかである。このことは、この電界放出ナノ構造を過度の照射及び損耗から保護し、従ってCNTの寿命を延ばすことになる。
【0023】
この考え方は、異なる形状の陰極及び図9、図10の中で例示されたような装置へ拡張することができる。図9は、図2の構造におおむね基づくマイクロ放電装置アレイの部分図である。図9では、複数のマイクロ放電キャビティ10が第2の陰極20を共有しており、図2と比べると上記第2の陰極20は、図8の構造のように電界放出ナノ構造18を有する窪み32を含むように変更されている。代替的な実施形態では、陰極20は、複数のマイクロ放電キャビティに対する単一の陰極を形成しており、すなわち導体層14が削除されている。図10は、その底に向かってより狭くなるテーパ形状を有するマイクロ放電キャビティ34を備えた、マイクロ放電装置の部分を例示している。上記の電界放出ナノ構造に支援されたマイクロ放電の、様々なマイクロ放電キャビティ形状や装置への用途の広さは、当業者には明白であろう。
【0024】
マイクロ放電装置がAC、RF、又はパルス(例えば、双極の)励起により駆動される、本発明の一実施形態が図11に例示されている。そのような励起は、DC励起に加えて、上述の任意の装置で用いられてもよい。図11の装置の場合、AC、RF、又はパルス励起は、励起波形のそれぞれの半サイクルでマイクロ放電キャビティ10内の放電を引き起こす。導電性電極36、38は、1μm以下から数μmまでの厚さの範囲であり得る誘電層40により分離されている。励起の間中、電極36及び38はそれぞれ陰極としての役割と陽極としての役割との間で切り替わる。電界放出ナノ構造は、マイクロ放電キャビティ10の内部表面上に成長するが、導電性電極36、38間の電気的短絡を避けるように配置される。電界放出ナノ構造の成長は、装置が電気的に短絡せず且つ必要な電界強度を提供できるのであれば、マイクロ放電キャビティの誘電体部分内のマイクロ放電キャビティの一部の範囲にわたってもよい。代替的な一実施形態には、マイクロ放電キャビティの内壁上の窪み内に成長する電界放出ナノ構造を備える図8〜10のような窪みを含む。ソース42は、AC、RF、又はパルス励起を提供し、そしてこの装置の中で、光学的放射がマイクロ放電キャビティ10の両端から発せられる。更なる実施形態の中では、反射表面又は反射エレメントをマイクロ放電キャビティの一端に配置し、マイクロ放電キャビティの他端からの光学的パワーの抜き出しを強化しても良い。
【0025】
本発明の特定の実施形態が示され説明されたが、他の変形例、代用物、及び代替物が、当業者には明白であるということを理解すべきである。そのような変形例、代用物、及び代替物は、添付の請求項により定義されるべき本発明の精神及び範囲から離れることなく成すことができる。
本発明の多様な特徴が、添付の請求項の中で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明のマイクロ放電装置の例示的な実施形態の概略的断面図である。
【図2】本発明のマイクロ放電装置の他の例示的な実施形態の概略的断面図である。
【図3】カーボンナノチューブを欠くがそれ以外は図1の装置と一致している装置に対するI−V曲線を示す。
【図4】図1に従った実験的装置のI−V曲線を示す。
【図5】図2に従った実験的装置のI−V曲線を示す。
【図6】カーボンナノチューブを欠く実験的装置と、図1、2に従った実験的装置に対する起動電圧を示している。
【図7】図1に従った実験的装置とカーボンナノチューブを欠く装置の効率を示している。
【図8】本発明のマイクロ放電の他の例示的な実施形態の一部分の概略的断面図である。
【図9】本発明の例示的な実施形態に従ったマイクロ放電アレイの一部分の概略的断面図である。
【図10】本発明のマイクロ放電の他の例示的な実施形態の一部分の概略的断面図である。
【図11】本発明のマイクロ放電の他の例示的な実施形態の一部分の概略的断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、マイクロ放電装置及びアレイである。本発明の更なる分野には、インコヒーレント光を利用する全ての分野が含まれ、また本発明の特定の実施形態はコヒーレント光を利用する分野にも適用可能である。インコヒーレント発光を起こす本発明の装置についての適用例の中には、ディスプレイ及びより一般的な照明アプリケーションがある。コヒーレント発光を起こす本発明の装置についての適用例の中には、例えば、光ファイバ通信、生物医学診断、及び環境センシングの分野が含まれる。
【背景技術】
【0002】
マイクロプラズマ装置又はマイクロキャビティ放電装置としても公知であるイクロ放電装置は、他の発光装置に対する代替品として開発されてきた。マイクロ放電装置は、次の米国特許の中で開示されている。第6,563,257号「Multilayer Ceramic Microdischarge Device」、第6,541,915号「High Pressure Arc Lamp Assisted Start Up Device and Method」、第6,194,833号「Microdischarge Lamp and Array」、第6,139,384号「Microdischarge Lamp Formation Process」、及び第6,016,027号「Microdischarge Lamp」。
【0003】
最近の出願の中で本発明者らは、AC、RF、又はパルス励起により励起される、位相固定式マイクロ放電装置アレイ及びマイクロ放電装置を開示した。「Phase Locked Microdischarge Array and AC,RF or Pulse Excited Microdischarge」という名称の米国特許出願は、2004年4月22日に提出され、出願番号10/829,666を与えられている。対応するPCT出願は、2005年3月9日に提出され、出願番号PCT/US05/07425を与えられた。
【0004】
カーボンナノチューブは、卓越した物理的且つ電子工学的特性を有する電界放出ナノ構造である。カーボンナノチューブの電界エミッタとしての有用性は、ナノチューブの成長を制御するための新たな方法の開発及びディスプレイやセンサなどを含む真空電子装置の導入を促した。カーボンナノチューブの電子工学的な応用は、一般的には単に電流源としての電界放出に頼っていたが、これは150Vから1kVまでの範囲内の電極電圧を必要とし、アレイ内のカーボンナノチューブの面数密度のみならずカーボンナノチューブの長さ及び径の制限をもたらしている。例えば、Choi,et al.,“Electrophoresis Deposition of Carbon Nanotubes for Triode−Type Field Emission Display,”Appl.Phys.Lett.,78,pp.1547−49(2001);Modi et al.,“Miniaturized Gas Ionization Sensors Using Carbon Nanotubes,”Nature,424,pp.171−74(2003)を参照。
【0005】
また、他のナノ構造が容易に電界放出を作り出すことも判った。例としては、炭化ケイ素ナノワイヤ、酸化亜鉛ナノワイヤ、モリブデン及び酸化モリブデンナノワイヤ、有機半導体ナノワイヤ、並びにタングステンナノワイヤがある。例えば、Tang and Bando,“Effect of BN Coatings on Oxidation Resistance and Field Emisssion of SiC Nanowires”,Appl.Phys.Lett,Vol.83,No.4(28 July 2003);Lee et al.,“Field Emission From Well− Aligned Zinc Oxide Nanowires Grown at Low Temperature”,Appl.Phys.Lett.,Vol.81,No.19(4 November 2002);Zhou et al.,“Large−Area Nanowire Arrays of Molybdenum and Molybdenum Oxides:Synthesis and Field Emission Properties,”Adv.Mater.,Vol.15,No.21(4 November 2003);Chiu et al.,“Organic Semiconductor Nanowires for Field Emission”,Adv.Mater.,Vol.15,No.16,(15 August 2003);Min and Ahn,“Tungsten Nanowires and Their Field Electron Emission Properties,”Appl.Phys.Lett.,Vol.81,No.4(22 July 2002);and Wu et al.,“Needle−Shaped Silicon Carbide Nanowires:Synthesis and Field Electron Emission Properties,”Appl.Phys.Lett.,Vol.80,No.20(20 May 2002)を参照。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明では、電界放出ナノ構造が補助的な電流源を提供することによりマイクロ放電装置の動作を支援する。上記電界放出ナノ構造は、マイクロ放電装置の中に組み込まれるか、又はマイクロ放電装置の電極の近くに位置している。この電界放出ナノ構造は、電界放出ナノ構造を欠くことを除けば全く同じ装置と比べて、マイクロ放電装置の動作電圧及び起動電圧を減少させ、同時にマイクロ放電装置の放射出力も増加させる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、電界放出ナノ構造に動作を支援されたマイクロ放電装置に関する。本発明の実施形態の例としては、電界放出ナノ構造をその中に有するマイクロ放電装置、及び電界放出ナノ構造がその陰極の近くに配置されたマイクロ放電装置が含まれる。本発明の例示的な方法には、マイクロ放電装置の動作を支援するために電界放出ナノ構造を用いることが含まれる。本発明の例示的なアレイには、それぞれの装置(ピクセル)がそのアレイの動作を支援する電界放出ナノ構造を有する、複数のマイクロ放電装置が含まれる。
【0008】
本発明は、多くの様々なマイクロ放電装置に適用可能であり、その中には、「背景技術」の項で挙げた米国特許並びに米国及びPCT特許出願の中に記載されたマイクロ放電装置が含まれる。本発明は、好ましい実施形態の装置を論じることにより、これから例示される。当業者は、他のマイクロ放電装置への本発明のより一般的な適用可能性を理解するであろう。本発明を記述する中で、特定の例示的な装置、形成プロセス、及び装置アプリケーションが、説明の目的で用いられる。寸法及び説明された装置は、説明のため及び本発明の理解のために誇張されるかもしれない。図の中の要素は、必ずしも互いに原寸通りとは限らない。概略図は、そのような図が当分野で一般的に用いられているというように、当業者に理解されるであろう。本発明の装置及びアレイは、半導体装置及びMEMの世界で周知のプロセスにより製造することができる。
【0009】
図1に、本発明の装置の例を示す。マイクロ放電キャビティ10が、誘電体12及び導体又は半導体層14の中に形成され、中空陰極を形成している。基板15(例えばシリコン)は装置を支持している。誘電体12は、例えば、単一材料の層により実現することができる。他の実施例では、誘電体12は誘電率に勾配をつけるために複数材料の層で実現することができる。基板15も単層又は多層としてもよい。例えば、本発明のいくつかの実施形態では、基板15は、複数の装置層、相互接続層、及び絶縁層を有する半導体ウエハを含むかもしれない。基板15は、セラミック材料若しくはガラス、又はカプトンのような柔軟性のある材料などの絶縁体であり得る。導体層14は金属、半導体、導電性ポリマ、又は他の導電性材料から作られてもよい。充分な電圧が陽極16と陰極14の間にかけられると、陽極16(例えば、スクリーン、透明電極(インジウムすず酸化物など)、又は環状フイルムでもよい)はマイクロ放電キャビティ10の中に含まれる放電媒体から発出される放電を起こす。電界放出ナノ構造18は、マイクロ放電キャビティ10によって形成された上記中空陰極内にある。図2は、他の実施形態の例を示す。図2では、電界放出ナノ構造18は、中空電極に隣接して第2の陰極20上に配置され、スペーサ層21(誘電体、又は導体若しくは半導体材料であってもよい)がそれに加わっている。図1及び2では、透明層19が放電媒体を閉じ込め、放射光が通過できるようにする窓として動作する。陽極として透明電極が用いられる場合、この透明電極がマイクロ放電キャビティ内の放電媒体を閉じ込めることができるので、透明層19は必要ではない。所望される場合には、陰極14と第2の陰極20との間に電圧をかけ、マイクロ放電キャビティ10への電流の流れを制御することができる。誘電体22は、第2の陰極20と基板15との間の電気的な絶縁を提供し、また層21も陰極14と第2の陰極20との間の電気的絶縁を提供する誘電体である。図1の装置の変形である他の実施形態では、誘電体22は削除され、陰極14は基板15と同じ電位になる。図2の装置の変形では、誘電体22が削除され、第2の陰極20と基板15が同電位になる。更に、スペーサ層21が導電性の場合は、陰極14及び第2の陰極20も同様に同電位になるであろう。
【0010】
実施形態の例の中では、この電界放出ナノ構造はカーボンナノチューブである。他の実施形態の例には、炭化ケイ素ナノワイヤ、酸化亜鉛ナノワイヤ、モリブデン及び酸化モリブデンナノワイヤ、有機半導体ナノワイヤ、並びにタングステンナノワイヤなどの、他のタイプの電界放出ナノ構造が含まれる。本発明を実証するために、実験が行われた。実験用の装置には、電界放出ナノ構造としてカーボンナノチューブが用いられた。当業者は、他の電界放出ナノ構造が利用可能であることを良く理解するであろう。
【0011】
おおよそ図1の構造を有する実験用装置とおおよそ図2の構造を有する実験用装置がテストされ、本発明の電界放出ナノ構造に支援された働きが無いこと意外は全く同一な装置に比べ、改善された結果を示した。例えば、200μm径マイクロキャビティのNiスクリーン/BN誘電体/Ni陰極装置中で成長したカーボンナノチューブは、数百トールのガス圧の真空システムの中で動作したときに、18%から22%も動作電圧を減少させた。これらの実験用装置は真空中で動作させられ、従って、キャビティは図1、図2に示す透明層19に密封されてはいない。また、実験用装置には、図1、図2に示す誘電体層22が無い。加えて、実験用の図2の装置は、統合化された装置ではなかった。この実験用装置の中では、カーボンナノチューブはキャビティから〜25μm離れて保持された分離した電極上にあった。
【0012】
マイクロ放電がその中で生成されるマイクロ放電キャビティ10の径のサイズの下限は、主にそのマイクロ放電キャビティを形成するために用いる微細加工技術によって制限される。マイクロ放電キャビティ(上記のカーボンナノチューブ支援装置の試作品についての)は、円筒状であり標準的な径は200μmであったが、ずっと小さい(<10μm)又はより大きな寸法のマイクロ放電装置を製造するのは、周知の微細加工技術により可能である。加えて、個々のマイクロ放電装置の断面は、図1及び図2の例示的な実施形態でのマイクロ放電キャビティ10の形状が円形ではあるが、必ずしもそうである必要はない。
【0013】
放電媒体は、光の放射を起こす蒸気又はガス(又はガス混合)である。マイクロ放電キャビティ10の中の放電媒体の種類によって、そのマイクロ放電により放射されるスペクトルを変えることができ、従ってディスプレイの性質を変えることができる。例示的な実施形態の放電媒体には、原子希ガス、N2、及び希ガス−ハロゲン化物分子(すなわち、希ガスとハロゲン供与体ガスの混合)などの、多岐にわたる蒸気及びガスが含まれる。上記マイクロ放電はそれぞれ、1気圧以下及び1気圧を超えた圧力で作動する。マイクロ放電の製造及び動作は、「背景技術」の項で挙げた、米国特許、出願、PCT出願の中で論じられている。
【0014】
実験用のマイクロ放電装置は、Ni(50μm厚)/BN(〜70μm)/Niスクリーンの構造で製造された。窒化ホウ素(BN)層は、BN−バインダ・ペーストを印刷することにより堆積され、この有機バインダは100℃でのベーキングで除去された。マイクロ放電キャビティは、マイクロドリリングにより形成され、径は200μmであった。この径は、装置に対し適度な動作圧(一般に、希ガスに対しては100〜300トール)を持つように、選択された。窒化ホウ素は、耐久性があるため、誘電体として好都合である。それはまた耐熱性材料として、カーボンナノチューブが作られる化学気相成長プロセスのために必要な高温に耐えることができる。
【0015】
カーボンナノチューブ(CNT)は、熱フィラメント化学気相成長(HFCVD)法を用いることによって、中空マイクロ放電陰極のキャビティの中へと成長し(図1に従う装置の場合)、あるいは、シリコン基板の上に成長した(図2に従う装置の場合)。例えば、Park et al.,J.Vac.Sci.Tech.B.,19,P.958(2001)を参照。NiFeアロイは、触媒として用いられた。CNT成長に先立ち、CNTの密着性を良くするために100nm厚のチタン層が堆積され、その後で60nm厚のNiFeアロイ触媒層が堆積された。CNT成長は、10%のメタンと90%の水素を混合して源ガス(供給原料)として使い、全体圧力30トール且つ基板温度700℃で行われた。堆積したCNTは、多層構造であり、ナノチューブの径は概して40〜80nmであった。
【0016】
実験用装置は全て、マイクロ放電キャビティ10の中にネオンガスを入れ、外部バラストを380kΩにして動作させた。ネオンは、周知である可視及び紫外発光を理由に選択され、比較を容易にする基準ガスとして役立つ。CNTの無いマイクロ放電装置のV−I特性では、最小動作電圧は、pNe=200〜300トールに対して125〜130Vであることが観測された(図3)。もっと高い圧力(400〜600トール)では、V−I曲線の微分抵抗はおおむね正であるが、動作電圧はより高い。
【0017】
図4は、実験用の図1の装置のV−I曲線である。CNTの無い上記装置(図3)と比べ、動作電圧は10〜30Vだけ下がり、より高い電流が今や利用可能である。マイクロ放電キャビティ10内の電界放出ナノ構造からの電界放出は、その装置の動作電圧の低下に関与しているように見える。図1の実験用装置の動作からの他の興味深い特徴は、V−I特性の圧力依存性が、CNT無しのマイクロ放電装置のそれとは全く異なることである。図4では、最小動作電圧が圧力の増加とともに単調に降下しており、このこともCNTからの電界放出の影響についての証拠を提供している。
【0018】
図2の実験用装置の場合、図3と同様の動作電圧の減少が得られる。300〜600トールのNeガス圧に対し、最小動作電圧108〜112Vが計測された(図5)。しかし、図1の装置構造と対照的に、図2の装置の動作電圧は、300トール超のNeガス圧に対しては下がり続けはしない。この実験から、100から300トールへのpNeの増加は動作電圧の急速な低下をもたらすが、それ以上の圧力増加は実際には動作電圧のわずかな増加をもたらすということは明らかである。これは、これらのデータが、CNTが陰極の開口下〜25μmに配置されたシリコンウエハ上に成長した、図2に従う装置に対して得られたという事実に起因する。従って、CNTにおいて電界放出により生成された電子は、陰極に入る前に短い距離移動しなければならない。300トールの上記装置内ガス圧では、25μmは電子と中性粒子の衝突に対しては数平均自由工程に相当する。
【0019】
装置動作電圧の減少に加え、起動(点火)電圧でもCNTが用いられると顕著な改善が見られる。図6では、CNT付きのマイクロ放電装置は、CNTが無い他は全く同一な装置よりも30〜40V低い点火電圧を示しているということが明らかである。低いNe圧(≦300トール)では、図2の装置(外部CNTアレイ)に対する起動電圧は〜200Vであり、これはCNTの無い他は同様の装置に対して必要な起動電圧よりも〜40V低い。pNe>300トールに対しては、起動電圧に対するCNTアレイの効果は、pNe=700トールで電圧差がたったの〜4%(270Vに対し11V)になるまで徐々に減少していく。点火電圧のより大きな減少は、CNTが図1の装置のようにマイクロ放電キャビティの中に組み込まれる場合に観察される。その上、これらの改善はより高いガス圧で維持される。例えば、700トールでは、上記の陰極の中にCNTを有する装置は、〜200Vの、すなわちCNT無しの装置に必要な起動電圧よりも〜19%少ない起動電圧を有する。図6を要約すると、300〜400トール超では、図2の装置に要求される点火電圧は急速に上昇し、CNT無しの装置に対する値に接近する。これは先と同様に、CNTで生成された電子が陰極に入る前に25μmの間隙を移動する必要があることを反映している。陰極の中でCNTにより電子が生み出される場合にはそのようなことはなく、従って、図1の装置の電圧は、700トールまでのガス圧においてさえも、CNT無しの装置に対する電圧よりも50Vも低いままである。
【0020】
CNTの組み込みによりマイクロ放電装置の動作電圧及び点火電圧が改善されるだけではなく、放射効率も好転する。上記CNT付きのマイクロ放電装置の放射出力の計測(300〜800nmのスペクトル領域内での)も同様に、較正されたフォトダイオードを用いて圧力の関数として行われた。図1の構造(陰極内にCNTがある)に対する結果をCNTの無い装置と比較した図7に示す様に、ナノチューブが存在することにより、相対的放射効率(これは、300〜800nmのスペクトル間隔にわたって合成された)が調査された全ての圧力範囲にわたって好転しており、9%ほどまで増加した。この装置に加えた240Vの定電圧に対し、放射効率は、図1の構造を有するがCNTの無い他の装置に比べ、200〜700トールの全てのNe圧に対し5%以上高い。この改善の理由のひとつは、CNT付きの装置(図1の装置)は、CNT無しの装置に比べ、電流が高く、しかし電圧が低いところで動作することにある。
【0021】
要するに、マイクロプラズマ装置へのCNTアレイの導入の効果は、200〜600トールのNe範囲に対し、その動作電圧が〜22%も減少するということである。最大の効果(特に高いガス圧において)は、CNTが直接、陰極マイクロ放電キャビティの内壁上に成長する場合に見られる。
【0022】
図8は、本発明の他の実施形態を例示しており、マイクロ放電装置内に形成されたマイクロ放電キャビティ30が、1以上の窪み32を有している。このマイクロ放電装置の一部のみが表されているが、これは、例えば図1の装置とそれ以外は同一であるだろうからである。公知の微細加工技術がマイクロ放電キャビティ30の中の窪み32の形成を可能とさせる。加工技術の例としては、反応性イオンエッチング(RIE)がある。窪み32は、例えば円筒及び四角い底の溝などを含む多数の断面形状のいずれで形成してもよい。この窪みは、マイクロ放電キャビティ30の側壁上及び/又は底に形成しても良い。電界放出ナノ構造18は、上記窪みの中に形成されるが、窪みと窪みとの間の面上にも同様に形成して良い。先に論じた触媒(例えば、NiFe)は、成長の位置を制御する。窪み内に在る電界放出ナノ構造は、たとえそうであったとしても、マイクロ放電キャビティという大きな容積の中への伸びはわずかである。このことは、この電界放出ナノ構造を過度の照射及び損耗から保護し、従ってCNTの寿命を延ばすことになる。
【0023】
この考え方は、異なる形状の陰極及び図9、図10の中で例示されたような装置へ拡張することができる。図9は、図2の構造におおむね基づくマイクロ放電装置アレイの部分図である。図9では、複数のマイクロ放電キャビティ10が第2の陰極20を共有しており、図2と比べると上記第2の陰極20は、図8の構造のように電界放出ナノ構造18を有する窪み32を含むように変更されている。代替的な実施形態では、陰極20は、複数のマイクロ放電キャビティに対する単一の陰極を形成しており、すなわち導体層14が削除されている。図10は、その底に向かってより狭くなるテーパ形状を有するマイクロ放電キャビティ34を備えた、マイクロ放電装置の部分を例示している。上記の電界放出ナノ構造に支援されたマイクロ放電の、様々なマイクロ放電キャビティ形状や装置への用途の広さは、当業者には明白であろう。
【0024】
マイクロ放電装置がAC、RF、又はパルス(例えば、双極の)励起により駆動される、本発明の一実施形態が図11に例示されている。そのような励起は、DC励起に加えて、上述の任意の装置で用いられてもよい。図11の装置の場合、AC、RF、又はパルス励起は、励起波形のそれぞれの半サイクルでマイクロ放電キャビティ10内の放電を引き起こす。導電性電極36、38は、1μm以下から数μmまでの厚さの範囲であり得る誘電層40により分離されている。励起の間中、電極36及び38はそれぞれ陰極としての役割と陽極としての役割との間で切り替わる。電界放出ナノ構造は、マイクロ放電キャビティ10の内部表面上に成長するが、導電性電極36、38間の電気的短絡を避けるように配置される。電界放出ナノ構造の成長は、装置が電気的に短絡せず且つ必要な電界強度を提供できるのであれば、マイクロ放電キャビティの誘電体部分内のマイクロ放電キャビティの一部の範囲にわたってもよい。代替的な一実施形態には、マイクロ放電キャビティの内壁上の窪み内に成長する電界放出ナノ構造を備える図8〜10のような窪みを含む。ソース42は、AC、RF、又はパルス励起を提供し、そしてこの装置の中で、光学的放射がマイクロ放電キャビティ10の両端から発せられる。更なる実施形態の中では、反射表面又は反射エレメントをマイクロ放電キャビティの一端に配置し、マイクロ放電キャビティの他端からの光学的パワーの抜き出しを強化しても良い。
【0025】
本発明の特定の実施形態が示され説明されたが、他の変形例、代用物、及び代替物が、当業者には明白であるということを理解すべきである。そのような変形例、代用物、及び代替物は、添付の請求項により定義されるべき本発明の精神及び範囲から離れることなく成すことができる。
本発明の多様な特徴が、添付の請求項の中で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明のマイクロ放電装置の例示的な実施形態の概略的断面図である。
【図2】本発明のマイクロ放電装置の他の例示的な実施形態の概略的断面図である。
【図3】カーボンナノチューブを欠くがそれ以外は図1の装置と一致している装置に対するI−V曲線を示す。
【図4】図1に従った実験的装置のI−V曲線を示す。
【図5】図2に従った実験的装置のI−V曲線を示す。
【図6】カーボンナノチューブを欠く実験的装置と、図1、2に従った実験的装置に対する起動電圧を示している。
【図7】図1に従った実験的装置とカーボンナノチューブを欠く装置の効率を示している。
【図8】本発明のマイクロ放電の他の例示的な実施形態の一部分の概略的断面図である。
【図9】本発明の例示的な実施形態に従ったマイクロ放電アレイの一部分の概略的断面図である。
【図10】本発明のマイクロ放電の他の例示的な実施形態の一部分の概略的断面図である。
【図11】本発明のマイクロ放電の他の例示的な実施形態の一部分の概略的断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電媒体を含むマイクロ放電キャビティ(10,30)と、
前記放電媒体と接する陰極(14,36,38)と、
陽極と前記陰極に励起が適用されたときに前記陽極と前記陰極が前記放電媒体からの放射を促進するように、前記陰極から電気的に絶縁され、前記陰極及び前記放電媒体に関連して配置された前記陽極(16,36,38)と
前記陰極上に又は前記陰極に隣接して配置された電界放出ナノ構造(18)を含む、マイクロ放電装置。
【請求項2】
前記電界放出ナノ構造が前記陰極上に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記電界放出ナノ構造が前記マイクロ放電キャビティ内に配置される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記陰極が、前記マイクロ放電キャビティが貫く中空陰極を含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記中空陰極の表面の中に形成された窪み(32)を更に含み、前記電界放出ナノ構造が前記窪みの中に配置される、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記陰極が、前記マイクロ放電キャビティが貫く中空陰極を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記中空陰極から分離され、且つ前記中空陰極に隣接した第2の陰極(20)を更に含み、前記電界放出ナノ構造が前記第2の陰極上に配置される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記陽極がスクリーン陽極を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記陽極が透明電極を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記透明電極がインジウムすず酸化物を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記陽極が環状電極を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記マイクロ放電キャビティが、前記マイクロ放電キャビティが中空陰極として形成されるように、前記陰極を含む基板の中に形成され、
前記陽極が、前記マイクロ放電キャビティを密封する透明電極として形成され、
前記透明電極を前記基板から電気的に分離する絶縁層を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記中空陰極の表面に形成された窪みを更に含み、前記電界放出ナノ構造が前記窪みの中に配置される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記マイクロ放電キャビティが、前記マイクロ放電キャビティが中空陰極として形成されるように、前記陰極を含む基板の中に形成され、
前記陽極がスクリーン電極として形成され、
前記スクリーン電極を前記基板から電気的に分離する絶縁層(22)と、
前記放電媒体を前記マイクロ放電キャビティの中に密封する透明窓(19)とを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記中空電極の表面の中に形成された窪み(32)を更に含み、前記電界放出ナノ構造が前記窪みの中に配置される、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記放電媒体が、原子希ガス、N2、及び希ガス−ハロゲン化物分子から構成されるグループから選択される、請求項1に記載のマイクロ放電装置。
【請求項17】
前記陰極の中に又は前記陰極に隣接して窪みを更に含み、前記電界放出ナノ構造が前記窪みの中に形成される、請求項1に記載のマイクロ放電装置。
【請求項18】
放電媒体を含む複数のマイクロ放電キャビティを含み、
前記陰極が前記複数のマイクロ放電キャビティにより共有される共通陰極を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記共通陰極の表面の中に形成された窪みを更に含み、前記電界放出ナノ構造が前記窪みの中に配置される、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
基板(15)と、
前記基板の中のマイクロ放電キャビティ(10,30)と、
前記マイクロ放電キャビティの中に含まれた放電媒体と、
前記放電媒体からの放射を促進するための電極(14,16,36,38)と、
前記放電媒体からの放射を支援する電界放出ナノ構造(18)とを含むマイクロ放電装置。
【請求項21】
前記電界放出ナノ構造が、前記マイクロ放電キャビティの中に形成された電界放出ナノ構造を含む、請求項20に記載のマイクロ放電装置。
【請求項22】
前記電界放出ナノ構造が、前記マイクロ放電キャビティと前記電極の一つに隣接して形成された電界放出ナノ構造を含む、請求項20に記載のマイクロ放電装置。
【請求項23】
前記放電媒体が、原子希ガス、N2、及び希ガス−ハロゲン化物分子から構成されるグループから選択される、請求項20に記載のマイクロ放電装置。
【請求項24】
前記電界放出ナノ構造を保護する窪みを更に含む、請求項20に記載のマイクロ放電装置。
【請求項25】
マイクロ放電装置を提供するステップと、
前記マイクロ放電装置の中のマイクロ放電キャビティの中又は前記マイクロ放電キャビティに隣接して、電界放出ナノ構造を提供するステップと、
前記マイクロ放電キャビティの中に圧力をかけられた放電媒体を含むステップと、
前記マイクロ放電装置を動作させるステップとを含むマイクロ放電装置の動作電圧を低減するための方法。
【請求項26】
前記圧力が、おおよそ範囲約100から700トールにある、請求項25に記載の方法。
【請求項1】
放電媒体を含むマイクロ放電キャビティ(10,30)と、
前記放電媒体と接する陰極(14,36,38)と、
陽極と前記陰極に励起が適用されたときに前記陽極と前記陰極が前記放電媒体からの放射を促進するように、前記陰極から電気的に絶縁され、前記陰極及び前記放電媒体に関連して配置された前記陽極(16,36,38)と
前記陰極上に又は前記陰極に隣接して配置された電界放出ナノ構造(18)を含む、マイクロ放電装置。
【請求項2】
前記電界放出ナノ構造が前記陰極上に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記電界放出ナノ構造が前記マイクロ放電キャビティ内に配置される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記陰極が、前記マイクロ放電キャビティが貫く中空陰極を含む、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記中空陰極の表面の中に形成された窪み(32)を更に含み、前記電界放出ナノ構造が前記窪みの中に配置される、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記陰極が、前記マイクロ放電キャビティが貫く中空陰極を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記中空陰極から分離され、且つ前記中空陰極に隣接した第2の陰極(20)を更に含み、前記電界放出ナノ構造が前記第2の陰極上に配置される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記陽極がスクリーン陽極を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記陽極が透明電極を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記透明電極がインジウムすず酸化物を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記陽極が環状電極を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記マイクロ放電キャビティが、前記マイクロ放電キャビティが中空陰極として形成されるように、前記陰極を含む基板の中に形成され、
前記陽極が、前記マイクロ放電キャビティを密封する透明電極として形成され、
前記透明電極を前記基板から電気的に分離する絶縁層を更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記中空陰極の表面に形成された窪みを更に含み、前記電界放出ナノ構造が前記窪みの中に配置される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記マイクロ放電キャビティが、前記マイクロ放電キャビティが中空陰極として形成されるように、前記陰極を含む基板の中に形成され、
前記陽極がスクリーン電極として形成され、
前記スクリーン電極を前記基板から電気的に分離する絶縁層(22)と、
前記放電媒体を前記マイクロ放電キャビティの中に密封する透明窓(19)とを更に含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記中空電極の表面の中に形成された窪み(32)を更に含み、前記電界放出ナノ構造が前記窪みの中に配置される、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記放電媒体が、原子希ガス、N2、及び希ガス−ハロゲン化物分子から構成されるグループから選択される、請求項1に記載のマイクロ放電装置。
【請求項17】
前記陰極の中に又は前記陰極に隣接して窪みを更に含み、前記電界放出ナノ構造が前記窪みの中に形成される、請求項1に記載のマイクロ放電装置。
【請求項18】
放電媒体を含む複数のマイクロ放電キャビティを含み、
前記陰極が前記複数のマイクロ放電キャビティにより共有される共通陰極を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記共通陰極の表面の中に形成された窪みを更に含み、前記電界放出ナノ構造が前記窪みの中に配置される、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
基板(15)と、
前記基板の中のマイクロ放電キャビティ(10,30)と、
前記マイクロ放電キャビティの中に含まれた放電媒体と、
前記放電媒体からの放射を促進するための電極(14,16,36,38)と、
前記放電媒体からの放射を支援する電界放出ナノ構造(18)とを含むマイクロ放電装置。
【請求項21】
前記電界放出ナノ構造が、前記マイクロ放電キャビティの中に形成された電界放出ナノ構造を含む、請求項20に記載のマイクロ放電装置。
【請求項22】
前記電界放出ナノ構造が、前記マイクロ放電キャビティと前記電極の一つに隣接して形成された電界放出ナノ構造を含む、請求項20に記載のマイクロ放電装置。
【請求項23】
前記放電媒体が、原子希ガス、N2、及び希ガス−ハロゲン化物分子から構成されるグループから選択される、請求項20に記載のマイクロ放電装置。
【請求項24】
前記電界放出ナノ構造を保護する窪みを更に含む、請求項20に記載のマイクロ放電装置。
【請求項25】
マイクロ放電装置を提供するステップと、
前記マイクロ放電装置の中のマイクロ放電キャビティの中又は前記マイクロ放電キャビティに隣接して、電界放出ナノ構造を提供するステップと、
前記マイクロ放電キャビティの中に圧力をかけられた放電媒体を含むステップと、
前記マイクロ放電装置を動作させるステップとを含むマイクロ放電装置の動作電圧を低減するための方法。
【請求項26】
前記圧力が、おおよそ範囲約100から700トールにある、請求項25に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図2】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【公表番号】特表2008−507096(P2008−507096A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−521666(P2007−521666)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/025121
【国際公開番号】WO2006/130157
【国際公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(503060525)ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ イリノイ (25)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【国際出願番号】PCT/US2005/025121
【国際公開番号】WO2006/130157
【国際公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【出願人】(503060525)ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ イリノイ (25)
【Fターム(参考)】
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