説明

電界放出ディスプレー用のスペーサー自動実装システム及びスペーサー自動実装方法

【課題】アスペクト比が大きく且つ多数のスペーサーをパネルに実装する電界放出ディスプレー用のスペーサー自動実装システム及びその方法を提供する。
【解決手段】複数個のスペーサーを水平整列パレット21に整列する水平整列機20と、姿勢変換パレットが水平整列パレット21と向かい合った状態で水平整列パレット21を結合し、180度回転する反転機30と、複数個の案内孔51を備えた挿入ガイド50の下側に設けられ、接着剤の塗布されたパネルが置かれる作業台と、反転機30を挿入ガイド50の上側に移動させて前記複数個のスペーサーを複数個の案内孔51に挿入させる第1ローダー60と、案内孔51に挿入された前記スペーサーを前記パネルに加圧する複数個の加圧ピンを備えた加圧チャック80と、前記加圧ピンを案内孔51に挿入させる第2ローダー70と、反転機30、第1ローダー60及び第2ローダー70を制御する制御機90と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電界放出ディスプレーに関し、より詳細には、電界放出ディスプレーのパネルにスペーサーを自動で実装することのできるスペーサー自動実装システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電界放出ディスプレー(FED:Field Emission Display)は上下パネルが離隔されており、その間が真空状態で密封されている。そこで、真空状態で上下パネル間の間隔を一定に維持させるために多数のスペーサーを使っている。
【0003】
40インチ以上の大型の電界放出ディスプレーは、真空状態での構造的な安定性や製品の特性を実現するために、1000個以上のスペーサーが使われる。スペーサーは通常、円柱の形状に形成される。
【0004】
電界放出ディスプレーにスペーサーを装着する方法としては、作業者がピンセットを使ってスペーサーを装着する方法がある。この方法は作業時間が長く、歩留まりも良くないという問題点がある。
【0005】
別の方法としては、チャックを利用して複数のスペーサーをピックアンドプレース(pick and place)する方法を使用することができる。通常この方法は、電界放出ディスプレーのパネルにL×M個のスペーサーを実装する場合に、L個のスペーサーをM番実装する構成である。これのため、ボウルフィーダと直進フィーダを用いてスペーサーを一個ずつ垂直姿勢に整列し、グリッパでスペーサーをピックアンドプレースすることで、電界放出ディスプレーのパネルにスペーサーを実装するように構成されている。しかし、これはグリッパでピックアンドプレースできるスペーサーの個数が少なくて時間が多く所要し、スペーサーのアスペクト比が大きい場合高速化することが難しいという問題点がる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国特開第2001−056988号公報
【特許文献2】韓国特開第2001−039303号公報
【特許文献3】韓国特開第2002−055774号公報
【特許文献4】日本特開第1996−148101号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、アスペクト比が大きく且つ多数のスペーサーを高速でパネルに実装することができる電界放出ディスプレー用のスペーサー自動実装システム及びその方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面によると、スペーサー自動実装システムは、複数個のスペーサーを水平整列パレットに水平方向に整列する水平整列機と、積層設置された姿勢変換パレットと開閉シャッターとを含み、前記姿勢変換パレットが前記水平整列パレットと向かい合った状態で前記水平整列パレットを結合し、前記水平整列パレットが結合された状態で180度回転できるように形成された反転機と、複数個の案内孔を備えた挿入ガイドと、前記挿入ガイドの下側に設けられ、接着剤の塗布されたパネルが置かれる作業台と、前記反転機を前記挿入ガイドの上側に移動させて前記複数個のスペーサーを前記複数個の案内孔に挿入させる第1ローダーと、前記複数個の案内孔に挿入され前記スペーサーを前記パネルに加圧する複数個の加圧ピンを備えた加圧チャックと、前記加圧チャックを前記挿入ガイドの上側に移動させて、前記加圧チャックの複数個の加圧ピンを前記複数個の案内孔に挿入させる第2ローダーと、前記反転機、前記第1ローダー及び前記第2ローダーを制御して前記パネルに複数個のスペーサーを実装する制御機と、を含むことができる。
【0009】
前記水平整列パレットは前記複数個のスペーサーが水平に挿入される複数個の長溝が一定間隔に形成されてもよい。
【0010】
前記水平整列機は前記水平整列パレットをシーソー動作させながら、振動を加えることができるように形成されてもよい。
【0011】
前記反転機は、前記姿勢変換パレットと開閉シャッターが積層設置される反転フレームと、前記反転フレームを回転させる回転ユニットと、を含むことができる。
【0012】
前記反転フレームは、前記姿勢変換パレットに対して前記水平整列パレットを固定するパレット固定部と、前記姿勢変換パレットに対して前記開閉シャッターを移動させるシャッター駆動部と、を含むことができる。
【0013】
前記姿勢変換パレットは複数個の姿勢変換孔を含み、前記姿勢変換孔は水平状態の前記スペーサーに対応する入口部と、垂直状態の前記スペーサーに対応する出口部と、前記入口部と出口部とを連結し、前記スペーサーが水平状態から垂直状態に姿勢変換するように案内する曲線部と、を含むことができる。
【0014】
前記開閉シャッターは、前記姿勢変換パレットの複数個の姿勢変換孔の各々の出口部に対応するように位置する複数個の遮断部と、前記複数個の遮断部の各々の一側に形成され前記出口部から排出されるスペーサーが通過する複数個の貫通孔と、を含み、前記制御機の信号に応じて前記遮断部または貫通孔が前記姿勢変換孔の出口部の下に位置することができる。
【0015】
前記挿入ガイドの複数個の案内孔の入口はそれぞれ漏斗形に形成されることが好ましい。
【0016】
前記加圧チャックの複数個のピンはスプリングピンで形成されてもよい。
【0017】
前記水平整列パレットは前記パネルに設置される全体スペーサーを一回で整列できるように形成され、前記制御機は前記パネルを4等分して各部分に全体スペーサーの1/4ずつを一度に実装するように形成されてもよい。
【0018】
前記作業台に前記パネルを自動でローディング及びアンローディングするパネル移送ユニットが更に設けられてもよい。
【0019】
前記パネル移送ユニットの一側には前記パネルに前記複数個のスペーサーが設置される位置に接着剤を塗布する接着剤塗布装置が設置されてもよい。
【0020】
本発明の別の側面において、スペーサー自動実装方法は、パネルに複数個のスペーサーを設置する位置に接着剤を塗布するステップと、接着剤の塗布されたパネルをスペーサー自動実装装置の挿入ガイドの下側の作業台にローディングするステップと、水平整列機を用いて水平整列パレットに複数個のスペーサーを水平方向に整列するステップと、反転機の姿勢変換パレットに前記水平整列パレットを結合するステップと、反転機で前記水平整列パレットを180度回転させて前記複数個のスペーサーを垂直方向に整列するステップと、前記反転機を前記挿入ガイドの上側に移動させるステップと、前記複数個のスペーサーを前記挿入ガイドの複数個の案内孔に落下させて前記挿入ガイドの複数個の案内孔に落下したスペーサーが前記パネルの接着剤に接触されるようにするステップと、加圧チャックを前記挿入ガイドの上側に移動させて前記複数個の案内孔に挿入されたスペーサーを加圧するステップと、前記加圧チャックを前記挿入ガイドと離隔させた後、前記パネルをアンローディングするステップと、を含むことができる。
【0021】
前記パネルに複数個のスペーサーを設置する位置に接着剤を塗布するステップと前記水平整列機を用いて水平整列パレットに複数個のスペーサーを水平方向に整列するステップは同時に行われてもよい。
【0022】
前記反転機が前記水平整列パレットを180度回転させると、前記スペーサーが前記姿勢変換パレットの姿勢変換孔を通過しながら水平状態から垂直状態に姿勢が変化する。
【0023】
前記反転機を前記挿入ガイドの上側に移動させるステップは、前記反転機を前記挿入ガイドを4等分した第1部分から第4部分に順次位置させた後、各部分に対応する個数をスペーサーを落下させて前記複数工の案内孔に挿入することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明にかかるスペーサーの自動実装システムによると、パネルに接着剤を直接塗布するため、パネルに接着剤を塗布する作業とスペーサーをパネルに実装する作業を同時に行うことができる。
【0025】
なお、本発明にかかるスペーサーの自動実装システムによると、多数のスペーサー、たとえばパネルに必要な全体のスペーサーを一度にパネルに実装したり、少なくとも全スペーサーの個数の1/4を一度にパネルに実装することができるため、従来のスペーサー自動実装システムに比べて作業時間を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態にかかるスペーサー自動実装システムを概略的に示すレイアウトである。
【図2】本発明にかかるスペーサー自動実装システムに使用される接着剤塗布装置の概念図である。
【図3】図2の接着剤塗布装置が接着剤をパネルに塗布する状態を模式的に示す図である。
【図4】図2の接着剤塗布装置によって接着剤が一定間隔に塗布されたパネルを示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかるスペーサー自動実装装置を概略的に示す斜視図である。
【図6】図1のスペーサー自動実装システムの水平整列機を示す斜視図である。
【図7】図6の水平整列機によってスペーサーを整列することを模式的に示す図である。
【図8】図1のスペーサー自動実装システムの反転機を示す斜視図である。
【図9】図8の反転機に水平整列パレットが結合された状態を示す断面図である。
【図10A】図9の水平整列パレットを示す斜視図である。
【図10B】図10AのH1の拡大図である。
【図11A】図9の姿勢変換パレットを示す斜視図である。
【図11B】図11AのH2の拡大図である。
【図12A】図9の開閉シャッターを示す斜視図である。
【図12B】図12AのH3の拡大図である。
【図13】図12Aの開閉シャッターの動作を説明するための部分断面図である。
【図14】図12Aの開閉シャッターの動作を説明するための部分断面図である。
【図15】図1のスペーサー自動実装システムの加圧チャックを示す斜視図である。
【図16】反転機に水平整列パレットが結合された場合に水平整列パレット、姿勢変換パレット、開閉シャッターの関係を概念的に示す断面図である。
【図17】図16の反転機が180度回転した状態を概念的に示す断面図である。
【図18】作業台と挿入ガイドとの間にパネルがローディングされた状態を概念的に示す断面図である。
【図19】図17の反転機が図18の挿入ガイドの上側に位置した場合を概念的に示す断面図である。
【図20】反転機の開閉シャッターが動作してスペーサーが挿入ガイドを通してパネルに接着される場合を概念的に示す断面図である。
【図21】反転機が移動し、加圧チャックが挿入ガイドの上側に位置した状態を概念的に示す断面図である。
【図22】加圧チャックが下降してスペーサーをパネルに対して加圧する状態を概念的に示す断面図である。
【図23】スペーサーの装着が完了したパネルを概念的に示す斜視図である。
【図24】本発明の一実施形態にかかるスペーサー自動実装方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に添付図面を参照しながら、本発明にかかるスペーサー自動実装システム及びスペーサー自動実装方法の実施形態について詳細に説明する。
【0028】
以下において説明される実施形態は発明の理解を促すために例示的に示したものであり、本発明はここで説明される実施形態とは異に多様に変形実施できることは理解されるべきである。但し、以下で本発明を説明することにおいて、関連した公知機能もしくは構成要素に対する具体的に説明が本発明の要旨を不明にすると判断される場合、その詳細な説明及び具体的な図示を省略する。なお、添付した図面は発明の理解を促すために実際の縮尺の通りに示されたものでなく一部の構成要素の寸法が誇張されることもある。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態にかかるスペーサー自動実装システムを概略的に示すレイアウトであり、図2は、本発明の一実施形態にかかるスペーサー自動実装システムに使用される接着剤塗布装置の概念図である。
【0030】
本発明の一実施形態にかかるスペーサー自動実装システム1は電界効果ディスプレー(FED)のパネルに複数個のスペーサーを自動で実装する装置であり、図1に示すように、接着剤塗布装置2とスペーサー自動実装装置3を含む。
【0031】
接着剤塗布装置2は電界効果ディスプレーのパネルにスペーサーが実装される複数個の位置に所定量の接着剤を塗布するためのものである。一般的に、46インチのパネルの場合、1176個のスペーサーをパネルの表面に実装する。接着剤塗布装置2の概念図が図2に示されている。
【0032】
図2を参照すると、接着剤塗布装置2は、ベース11、複数個のグルーガン13が装着されたガンヘッド15、ガンヘッド15をベース11に対して移動させることができるガン移動ユニット17を含む。
【0033】
パネル9は接着剤塗布装置2のベース11の上にローディングされる。図示されていないが、パネル9はパネルローディング装置によって接着剤塗布装置2のベース11に自動でローディング及びアンローディングされるようにできる。ガンヘッド15には複数個のグルーガン13が一定間隔で設置されている。図2には4個のグルーガン13を有する接着剤塗布装置2を示しているが、これは一例に過ぎず、グルーガン13の個数は必要に応じて多様に定めることができる。グルーガン13間の間隔はパネル9に実装する複数個のスペーサー間のピッチD2の倍数に定められる。図3には、グルーガンの間隔Wをスペーサー間のピッチD2の2倍にした場合を示す。ガン移動ユニット17はガンヘッド15をベース11に対して2方向、すなわちX方向とY方向に移動できるように形成される。複数個のグルーガン13はパネル9の上側に一定距離離隔されており、一定量の接着剤Gをパネル9にドット噴射することができる。グルーガン13が噴射する接着剤Gの量はスペーサーをパネル9に固定できるように適切に決められる。
【0034】
接着剤塗布装置2はパネル9を一定領域に分けて、複数個のグルーガン13が設置されたガンヘッド15をX方向及びY方向に移動させながらパネル9の全体にかけてスペーサーが実装される位置に接着剤Gをドット噴射する。噴射された接着剤Gは図4に示されるようにパネル9の上面に複数個の接着剤点Gを形成する。複数個の接着剤点GはX方向及びY方向にスペーサーのピッチと同様の間隔D1、D2で形成される。図4においては図示の便宜のために接着剤点Gを大きくして一部のみ示した。実際の場合、46インチのパネル9には1176個の接着剤点Gを形成する。複数個のグルーガン13はそれぞれトリガー信号で制御されることができる。接着剤塗布装置2によって接着剤Gの塗布が完了されたパネル9は後述するスペーサー自動実装装置3にローディングされる。
【0035】
図5は、本発明の一実施形態にかかるスペーサー自動実装装置を概略的に示す斜視図である。同図を参照すると、本発明の一実施形態にかかるスペーサー自動実装装置3は、水平整列機20、反転機30、挿入ガイド50、作業台55、第1ローダー60、第2ローダー70、加圧チャック80及び制御機90を含む。
【0036】
水平整列機20は複数個のスペーサーSを水平整列パレット21に水平方向に整列する装置であって、図6を参照すると、シーソーテーブル23と作動部24とを含む。シーソーテーブル23には水平整列パレット21が分離可能に装着される。作動部24はシーソーテーブル23が図7に示すようにシーソー運動をするように駆動する。なお、作動部24はシーソーテーブル23に一定の周波数の振動を加えることができる。従って、シーソーテーブル23に装着された水平整列パレット21はシーソー運動しながら同時に一定周波数で振動することができる。
【0037】
水平整列パレット21の一例が図10Aに示されている。水平整列パレット21にはスペーサーSが水平状態に収容される複数個の長溝21−1が形成されている。本実施形態の場合は、水平整列パレット21にはパネル9に必要なスペーサーSの全部を収容することができるように、スペーサーSの個数に対応する長溝21−1が形成される。スペーサーSのが円柱状であるため長溝21−1はスペーサーSの形状に対応する断面を有するように形成される。複数個の長溝21−1は4個の長溝21−1が1組となるように形成され、各組を成す4個の長溝20−1の各々はパネル9に実装される複数個のスペーサーSのピッチと同様の間隔を有するように形成されている。すなわち、図10BのH1部分の拡大図を参照すると、A組の4個の長溝A1−A4のうち第1長溝A1とB組の4個の長溝B1−B4のうち第1長溝B1とは、スペーサーSピッチD2と同様の間隔d2を有するように形成される。同様に、A組の第2、3、4長溝A2、A3、A4とB組の第2、3、4長溝B2、B3、B4とは、スペーサーピッチD2と同様の間隔d2を有するように形成される。なお、B組と垂直した方向にあるC組とA組との間の間隔d1は、対応する方向のスペーサーのピッチD1とそのサイズが同一である。ここで、スペーサーピッチとは、スペーサーSをパネル9に実装した時に互いに直角をなす2つの方向に対するスペーサーS間の間隔(図4のD1、D2)を意味する。なお、水平整列パレット21に形成される長溝組A、B、Cの個数は全体のスペーサーSの個数の1/4である。そして、長溝組A、B、Cが形成される水平整列パレット21の面積はパネル9の面積の1/4に対応するサイズを有する。
【0038】
水平整列機20の一側にはパレット移送ユニット25が設置されてもよい。パレット移送ユニット25はスペーサーSが積載された水平整列パレット21を第1ローダー60の下側に位置しているパレットローディング部26に移送する。パレット移送ユニット25はコンベヤーで形成されてもよい。水平整列機20には水平整列パレット21を自動でパレット移送ユニット25に移送させる手段(図示せず)が設けられてもよい。パレット移送ユニット25は水平整列パレット21をパレットローディング部26に位置させる。
【0039】
図8は、本発明の一実施形態にかかるスペーサー自動実装システム1の反転機30を示す斜視図である。反転機30は水平整列パレット21に水平状態で整列された複数個のスペーサーSを垂直状態に整列する装置である。
【0040】
同図を参照すると、反転機30は反転フレーム31と回転ユニット32とを含む。反転フレーム31は姿勢変換パレット40と開閉シャッター45とを積層状態に維持する。姿勢変換パレット40は水平整列パレット21に対応するサイズを有し、図11A及び図11Bに示されるように、複数個の姿勢変換孔41を有する。水平整列パレット21に形成された長溝21−1の個数と姿勢変換パレット40に形成された姿勢変換孔41の個数とは同一である。すなわち、姿勢変換パレット40には水平整列パレット21の長溝組A、B、Cに対応するように4個の姿勢変換孔A’1−A’4を含む姿勢変換孔の組A’、B’、C’が形成されている。従って、水平整列パレット21の長溝21と姿勢変換パレット40の姿勢変換孔41とは1対1で対応される。
【0041】
姿勢変換孔41は図17に示されるように水平整列パレット21の長溝21−1に水平に整列されたスペーサーSが垂直方向に整列されるようにするものである。姿勢変換孔41は、図11B及び図17に示されるように、水平状態のスペーサーSを収容できるように水平状態のスペーサーSに対応する入口部41aと、垂直状態のスペーサーSに対応するようにスペーサーSが通過可能な直径を有する円形の出口部41b、及び入口部41aと出口部41bを連結してスペーサーSが水平状態から垂直状態に姿勢変換するように案内する曲線部41cで構成される。曲線部41cは水平状態で落下するスペーサーSを垂直状態に立てられるように適切な曲率で形成される。従って、反転機30を180度回転すると、水平整列パレット21の長溝21−1に水平状態で収容されていたスペーサーSは姿勢変換孔41を通過すると垂直状態に立つようになる。
【0042】
姿勢変換パレット40と開閉シャッター45は図9のように積層される。図9は、水平整列パレット21が姿勢変換パレット40に結合された状態で180度回転した場合を示す。姿勢変換パレット40は反転フレーム31に固定され、開閉シャッター45は姿勢変換パレット40の一面と向い合って姿勢変換パレット40に対して少なくとも5ヶ所で位置決めできるように反転フレーム31に設置される。従って、反転フレーム31の両側には開閉シャッター45を移動させて位置決めするシャッター駆動部35が設けられている。シャッター駆動部35は精密な位置決めのためサボモータを使うことができる。開閉シャッター45の移動量は姿勢変換パレット40の姿勢変換孔41を選択的に開閉できるように決められる。開閉シャッター45が設けられた姿勢変換パレット40の面の反対面は露出され水平整列パレット21にが結合される。
【0043】
開閉シャッター45は、図12A及び図12Bに示すように、姿勢変換パレット40の複数個の姿勢変換孔の組A’、B’をなす4個の姿勢変換孔A’1、A’2、A’3、A’4のうち一つの姿勢変換孔の出口部41bに対応する位置に形成される複数個の貫通孔46を含む。従って、図12Bにおいて隣接した2つの貫通孔A”、B”の間の間隔は姿勢変換パレット40の隣接した姿勢変換孔の組A’、B’の対応する姿勢変換孔41の出口部41b間の間隔に対応される。例えば、図12Bの開閉シャッター45の隣接した2つの貫通孔A”、B”の間の間隔d2は図11Bの隣接した2つの姿勢変換孔の組A’、B’のうち同様の順番の姿勢変換孔間の間隔d2と同一である。複数個の貫通孔46のうち隣接した2つの貫通孔A”、B”の間には姿勢変換孔41の出口部41bを遮断する遮断部47が設けられる。従って、開閉シャッター45の貫通孔46が姿勢変換パレット40の出口部41bと一致するとスペーサーSが開閉シャッター45を通過し、遮断部47が出口部41bの前に位置するとスペーサーSが開閉シャッター45を通過することができない。なお、図12Bに示されるように、複数個の貫通孔46と遮断部47は開閉シャッター45のシャッター板45aから突出する部分48に形成することができる。このようにすると、開閉シャッター45と姿勢変換パレット40との摩擦が減少でき、開閉シャッター45が円滑に動作できるようになる。なお、開閉シャッター45は突出する部分48の間には複数個の開口49を形成することができる。このような複数個の開口49は、漏出されたスペーサーSが排出されるようにすることで開閉シャッター45と姿勢変換パレット40との間に挟まることを防止し、開閉シャッター45の重量を減らすことができる。
【0044】
開閉シャッター45は制御機90から開放信号を受信するまでは常に姿勢変換パレット40の姿勢変換孔の組の4個の姿勢変換孔41の出口部41bをすべて遮断している。すなわち、開閉シャッター45は、図13に示すように、遮断部47が姿勢変換パレット40の姿勢変換孔の組A’、B’の下側に位置する第1位置(原位置)にある。この状態において、第1番目の開放信号を受信すると開閉シャッター45が図14のように移動して貫通孔46が姿勢変換孔の組A’の第1姿勢変換孔A’1の下側に位置する第2位置に移動する。すると、第1姿勢変換孔A’1の出口部に垂直に立っていたスペーサーSが垂直状態に落下するようになる。このとき、その他の3つの姿勢変換孔A’2、A’3、A’4は遮断部47によって遮断されているため落下しない。開閉シャッター45が第2番目の開放信号を受信すると、貫通孔46が第2姿勢変換孔A’2の下側に位置する第3位置に移動する。すると、第2姿勢変換孔A’2にあるスペーサーSは落下し、その他の2つの姿勢変換孔A’3、A’4は遮断部47によって遮断されているため落下しない。なお、開閉シャッター45が第3番目、第4番目の開放信号を受信すると、貫通孔46が第3姿勢変換孔A’3、第4姿勢変換孔A’4の下側に位置する第4及び第5位置に移動してスペーサーSが落下するようにする。開閉シャッター45が第5位置まで移動すると、改めて原位置である第1位置に移動する。
【0045】
回転ユニット32は反転フレーム31を180度回転させられるように形成される。図8を参照すると、回転ユニット32は略「コ」の形に形成され、反転フレーム31の回転を支持する支持フレーム32−1と支持フレーム32−1の一側に設けられ反転フレーム31を回転させる回転部32−2とを含む。回転部32−2としては反転フレーム31を180度回転させられる駆動手段であればなんでも使うことができるため詳細な説明は省略する。
【0046】
反転フレーム31の両側には姿勢変換パレット40に対して水平整列パレット21を固定するパレット固定部36が設けられる。図8に示された実施形態の場合には、4個のパレット固定部36が反転フレーム31に設けられている。従って、反転フレーム31が回転及び移動する場合にも水平整列パレット21が姿勢変換パレット40から分離されない。
【0047】
水平整列パレット21と姿勢変換パレット40はそれぞれ同様のサイズで形成され、パネル9に必要なスペーサーSと同様の個数の長溝21−1と姿勢変換孔41を有する。すなわち、水平整列パレット21と姿勢変換パレット40はパネル9を4等分した場合に4等分されたパネル部分(9−1、9−2、9−3、9−4、図4参照)のうち一つのパネル部分、すなわちパネル面積の1/4に対応するサイズで形成される。開閉シャッター45は姿勢変換パレット40と大体同様のサイズを有し、4等分されたパネル部分9−1〜9−4のうち一つのパネル部分に実装されるスペーサーSの個数に対応される貫通孔46が形成される。従って、水平整列パレット21に装着されたパネル9の全体スペーサーSを開閉シャッター45を用いてパネル9の4つの等分された部分9−1〜9−4に順次実装することができる。
【0048】
水平整列パレット21、姿勢変換パレット40、及び開閉シャッター45は、パネルのサイズと所望するスペーサー自動実装システム1のサイズに応じて適切に設定することができる。本明細書においては水平整列パレット21がパネル9の略1/4のサイズを有する場合を例にとって説明する。しかし、これは一例に過ぎず、水平整列パレット21のサイズを限定するものではない。
【0049】
挿入ガイド50は姿勢変換パレット40から落下するスペーサーSが垂直状態を維持しながらパネル9の上に装着されるように案内するもので、メインベース90の略中央に設けられる。挿入ガイド50はパネル9の全体面積に対応するサイズの平板形状に形成され、パネル9に実装されるスペーサーSの個数と同様の個数の案内孔51がスペーサーピッチD1、D2と同様の間隔で形成されている。従って、挿入ガイド50の下にパネル9をローディングすると、図18に示すように、案内孔51の下にはパネル9に塗布された接着剤点Gが位置するようになる。案内孔51の直径はスペーサーSを案内できながら、案内されるスペーサーSがパネル9が要求する直角度と位置程度にパネル9に付着されるように適切な公差範囲を有するように形成される。なお。落下するスペーサーSがかかることを防止するために案内孔51の上段51aは漏斗形に形成することが好ましい。
【0050】
作業台55は挿入ガイド50の下側にパネル9を固定して支持できるようにメインベース91に設けられる。作業台55の一側には接着剤Gの塗布されたパネル9を作業台55に移送してローディングし、スペーサーSの実装が完了したパネル9をスペーサー自動実装装置3の外部にアンローディングするパネル移送ユニット15が設けられてもよい。パネル移送ユニット5としてはコンベヤーなどが使われてもよい。
【0051】
第1ローダー60は挿入ガイド50の上側に設けられ、反転機30をパレットローディング部26から挿入ガイド50の上側に移動させることができるように形成される。従って、第1ローダー60は3軸の直線移動が可能な3軸直交座標のロボット形態に形成される。図1において、第1ローダー60は第1ヘッド64をX方向、Y方向、及びZ方向(図1の紙面に垂直した方向)に移動させることができる。第1ローダー60は第1ヘッド64をX方向に移動させる第1−X軸ユニット61、Y方向に移動させる第1−Y軸ユニット62、及びZ方向に移動させる第1−Z軸ユニット63を含む。第1ヘッド64には反転機30の回転ユニット32が固定される。第1ローダー60はメインベース91から上側に突出延長された4つの柱92によって支持される。従って、第1ローダー60は反転機30をパレットローディング部26から挿入ガイド50の上側に移動させることができ、反転機30を下降させてスペーサーSを挿入ガイド50の案内孔51に挿入することができる。第1ローダー60の構造と動作は一般的な3軸直交座標ロボットと類似しているため詳細な説明は省略する。
第2ローダー70は第1ローダー60の一側に、挿入ガイド50の上側に柱92によって支持されるように設けられ、第1ローダー60の動作に応じて加圧チャック80を挿入ガイド50の上側に位置させることができるように形成される。第2ローダー70は2軸もしくは3軸に形成することができる。加圧チャック80が挿入ガイド50の半分に対応するように形成された場合、すなわち加圧チャック80が挿入ガイド50の複数個の案内孔51のうちの半分を示すスペーサーSを加圧できるように形成された場合には、加圧チャック80をY方向に移動させる必要がないため第2ローダー70は2軸ロボットの形態に形成することができる。本実施形態の場合には加圧チャック80が挿入ガイド50の1/2に対応するサイズに形成されるため第2ローダー70は2軸移動が可能な直交座標ロボットに形成されることができる。すなわち、図1を参照すると、第2ローダー70は第2ヘッド73をX方向に移動させる第2−X軸ユニット71と第2ヘッド73を図1の紙面に対して垂直したZ方向に移動させる第2−Z軸ユニット72とを含む。第2ヘッド73には加圧チャック80が設けられる。
【0052】
加圧チャック80は挿入ガイド50の複数個の案内孔51に挿入されたスペーサーSを加圧するものであって、図15に示すように、加圧板81と加圧板81の下面に設けられた複数の加圧ピン82とを含む。加圧板81は必要に応じて適切なサイズに形成することができる。例えば、パネル9の全体スペーサーSを一度に加圧できるように形成するか、全体スペーサーSの1/2もしくは1/4個のスペーサーSを一度に加圧できるように形成することができる。本実施形態の場合は、パネル9の全体スペーサーSの個数の1/2を一度に加圧できるように形成される。従って、加圧板81はパネル9の略1/2に対応するサイズを有し、加圧板81の下面にはパネル9に使用される全スペーサーSの個数の1/2に対応するスペーサーSを一度に加圧できるように複数個の加圧ピン82が形成される。加圧ピン82は複数個のスペーサーSを均一に加圧できるようにスプリングピンで形成することが好ましい。
【0053】
制御機90は、反転機30、第1ローダー60、第2ローダー70などを制御するように構成される。制御機90は、水平整列機20、パレット移送ユニット25、パネル移送ユニット5を制御するように形成されてもよい。従って、制御機90は水平整列パレット21がパレットローディング部26に位置すると、第1ローダー60を制御して反転機30をパレットローディング部26に移送させ反転機30に水平整列パレット21を結合する。そして、制御機90は反転機30の反転フレーム31を180度反転させた後、反転機30を挿入ガイド50の上側に位置させ開閉シャッター45を作動させて挿入ガイド50の複数個の案内孔51に複数個のスペーサーSを落下させる。なお、制御機90は第2ローダー70を動作させて、加圧チャック80で挿入ガイド50の案内孔51に挿入されたスペーサーSを加圧してパネル9に塗布された接着剤Gに付着する。スペーサーSの実装が完了すると、制御機90はパネル移送ユニット5を動作させてスペーサーSの実装されたパネル9をスペーサー自動実装装置3の外部にアンローディングし、接着剤Gだけ塗布された新しいパネル9を作業台55の上にローディングする。
【0054】
以下、添付された図面を参照して本発明の一実施形態にかかるスペーサー自動実装システム1の作動に対して詳細に説明する。以下の説明において制御機90を特に言及しなくても全ての構成要素の制御は制御機90によって行われる。
【0055】
まず、接着剤塗布装置2を用いてパネル9に接着剤Gを塗布する(S11)。図2に示された接着剤塗布装置2のベース11にパネル9をローディングする。その後、接着剤塗布装置2を動作させると、複数個のグルーガン13の設けられたガンヘッド15がガン移送ユニット17によってX及びY方向に移動しながら、パネル9にスペーサーSが設置される間隔D1、D2で接着剤をドット噴射して複数個の接着剤点Gを形成する。図4に示すように、接着剤Gの塗布が完了すると、パネル9を接着剤塗布装置2のベース11からアンローディングする。このとき、パネルローディング装置(図示せず)が設置された場合にはパネルローディング装置によってパネル9が接着剤塗布装置2のベース11に自動でローディング及びアンローディングされる。その後、接着剤塗布が完了したパネル9をスペーサー自動実装装置3の挿入ガイド50の下の作業台55にローディングする。
【0056】
パネル9に接着剤を塗布する間、図7のように水平整列パレット21に複数個のスペーサーSを水平整列する(S21)。スペーサーSの水平整列はパネル9に接着剤を塗布する工程に使用される塗布装置2とは別の装置を使用して別の工程で実行されるため、パネル9に接着剤塗布を行う間に行うことができる。スペーサーSの水平整列は水平整列機20を使って行われる。すなわち、先に水平整列機20のシーソーテーブル23の上面に水平整列パレット21を装着する。その後、多量のスペーサーSを水平整列パレット21の上に供給しながら、水平整列パレット21を図7のようにシーソー動作をさせて同時に一定周波数で振動を加える。すると、スペーサーSが水平整列パレット21に形成された複数個の長溝21−1に挿入された水平状態に整列される。本実施形態の場合に水平整列パレット21は一つのパネル9に使用される全スペーサーSを一度に整列できるようにそれに対応する個数の長溝21−1を有している。なお、水平整列パレット21はパネル9の1/4に対応するサイズで形成される。しかし、水平整列パレット21がパネル9の1/4のサイズを有するのは一例に過ぎず、水平整列パレット21がパネル9と同様のサイズであったり、パネル9の1/2に該当するサイズを有するように形成することもできる。
【0057】
水平整列されたスペーサーSが収められた水平整列パレット21はパレット移送ユニット25によって第1ローダー60の動作領域内に位置したパレットローディング部26に移送される。
【0058】
水平整列パレット21がパレットローディング部26に位置すると、制御機90は第1ローダー60を制御して第1ローダー60の反転機30に水平整列パレット21を結合する(S23)。すなわち、第1ローダー60が第1−X軸ユニット61及び第1−Y軸ユニット62を用いて反転機30をパレットローディング部26の上側に位置させる。その後、第1−Z軸ユニット63を用いて反転機30を下降させ反転機30の姿勢変換パレット40の露出された一面が水平整列パレット21と接するようにする。すると、パレット固定部36が動作して水平整列パレット21を姿勢変換パレット40に固定させる。水平整列パレット21と姿勢変換パレット40とが結合されたとき、水平整列パレット21の長溝21−1と姿勢変換パレット40の姿勢変換孔41の入口部41aが一致し、開閉シャッター45の遮断部47が姿勢変換孔41の出口部41bを遮断している。このときの水平整列パレット21、姿勢変換パレット40、及び開閉シャッター45のそれぞれの長溝21−1、姿勢変換孔41及び貫通孔46の関係が図16に概念的に示されている。次に、第1ローダー60が反転機30を上昇させ、反転フレーム31を180度回転させる(S25)。反転フレーム31が180度回転すると、図17に示すように、開閉シャッター45が下を向くようになる。このとき、水平整列パレット21の長溝21−1にあったスペーサーSは姿勢変換パレット40の姿勢変換孔41の入口部41aと曲線部41cを通って垂直した状態で開閉シャッター45の遮断部47によって遮断された出口部41bに位置するようになる。
【0059】
この状態で第1ローダー60は反転機30を図18のようにパネル9が下側にローディングされている挿入ガイド50の上側に移動させる(S27)。このとき、姿勢変換パレット40はパネル9の1/4に該当する面積にパネル9に使用される全体スペーサーSを収容しているため、第1ローダー60は反転機30をパネル9を4等分した4つの領域9−1〜9−4のうち一つの領域に対応する挿入ガイド部分(第1部分)(P1)の上側に位置させる。その後、第1ローダー60の第1−Z軸ユニット63を下降させると反転機30が下降して開閉シャッター45が挿入ガイド50の第1部分P1のすぐ上に位置するようになる。このとき、図19に示すように、姿勢変換パレット40の姿勢変換孔41の出口部41bと挿入ガイド50の案内孔51とが一直線上に位置するようになる。すると、制御機90は開閉シャッター45を動作させて、開閉シャッター45の貫通孔46が姿勢変換孔の組A’の第1姿勢変換孔A’1の出口部41bの下に位置するようにする(図14参照)(S29)。すると、出口部41bにあったスペーサーSが重力によって開閉シャッター45の貫通孔46を通過して図20に示すように挿入ガイド50の案内孔51に挿入されパネル9の接着剤点Gに付着されるようになる(S31)。
【0060】
その後、制御機90は第1ローダー60を移動させて反転機30を挿入ガイド50の第2部分P2に移動させる。その後、開閉シャッター45を移動させて貫通孔46が第2姿勢変換孔A’2(図14参照)の出口部41bの下に位置するようにする。すると、姿勢変換パレット40の複数個の第2姿勢変換孔A’2の出口部41bにある複数個のスペーサーSが落下してパネル9に付着される。
【0061】
次に、制御機90は第1ローダー60をまた移動させて反転機30を挿入ガイド50の第3部分P3の上側に移動させる。その後、開閉シャッター45を移動させて貫通孔46が第3姿勢変換孔A’3の出口部41bの下に位置するようにする。すると、姿勢変換パレット40の複数個の第3姿勢変換孔A’3の出口部41bにある複数個のスペーサーSが落下してパネル9に付着される。
【0062】
最後に、制御機90は第1ローダー60をまた移動させて反転機30を挿入ガイド50の第4部分P4の上側に移動させる。その後、開閉シャッター45を移動させて貫通孔46が第4姿勢変換孔A’4の出口部41bの下に位置するようにする。すると、姿勢変換パレット40の複数個の第4姿勢変換孔A’4の出口部41bにある複数個のスペーサーSが落下してパネル9に付着される。
【0063】
一方、第1ローダー60が挿入ガイド50の第3部分P3及び第4部分P4にスペーサーSを挿入する間、制御部90は第2ローダー70を移動させて加圧チャック80が挿入ガイド50の第1部分P1と第2部分P2の上側に位置するようにする。その後、第2ローダー70が加圧チャック80を下降させると、加圧ピン82が挿入ガイド50の第1部分P1と第2部分P2の案内孔51に挿入されその中にあるスペーサーSを加圧するようになる(S33)。すると、加圧ピン82の加圧力によってスペーサーSがパネル9の接着剤Gと完全に結合される。次に、第2ローダー70は加圧チャック80を上昇させ、第1ローダー60によってスペーサーSの挿入が完了した挿入ガイド50の第3及び第4部分P3、P4の上側に移動させる。その後、加圧チャック80を下降させて挿入ガイド50の第3及び第4部分P3、P4の案内孔50に挿入されたスペーサーSを加圧する。次に、第2ローダー70は加圧チャック80を上昇させて元の位置に復帰させる。加圧チャック80が上昇すると、制御機90はパネル移送ユニット5を動作させてスペーサーSの実装が完了したパネル9を作業台55からアンローディングして外部に排出し(S35)、接着剤の塗布された新しいパネル9を作業台55の上にローディングする。もしパネル移送ユニット5がない場合、制御機90は作業完了表示をして作業者がスペーサーの実装されたパネル9を外し、新しいパネルをローディングするようにできる。
【0064】
一方、加圧チャック80で第1及び第2部分P1、P2のスペーサーSを加圧する前と第3及び第4部分P3、P4のスペーサーSを加圧する前にそれぞれビジョンセンサ(Vision Sensor)(図示せず)を使用してスペーサーSが正常に挿入ガイド50の案内孔51に挿入されているかを検査し、未挿入されたスペーサーSは取り出すようにスペーサー自動実装装置3を構成することができる。
【0065】
第1ローダー60は挿入ガイド50の第1部分P1乃至第4部分P4に対するスペーサーSの落下が完了すると、空き水平整列パレット21をパレットアンローディング部27にアンローディングする。その後、第1ローダー60はパレットローディング部26に移動してスペーサーSの積載された新しい水平整列パレット21を反転機30に結合する。その後、上述したような動作を繰り返してパネル9にスペーサーSを実装する。
【0066】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0067】
1 スペーサー自動実装システム
2 接着剤塗布装置
3 スペーサー自動実装装置
5 パネル移送ユニット
11 ベース
13 グルーガン
20 水平整列機
21 水平整列パレット
21−1 長溝
26 パレットローディング部
30 反転機
31 反転フレーム
32 回転ユニット
40 姿勢変換パレット
41 姿勢変換孔
45 開閉シャッター
46 貫通孔
50 挿入ガイド
51 案内孔
55 作業台
60 第1ローダー
70 第2ローダー
80 加圧チャック
82 加圧ピン
90 制御機
91 メインベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のスペーサーを水平整列パレットに水平方向に整列する水平整列機と、
積層設置された姿勢変換パレットと開閉シャッターとを含み、前記姿勢変換パレットが前記水平整列パレットと向かい合った状態で前記水平整列パレットを結合し、前記水平整列パレットが結合された状態で180度回転できるように形成された反転機と、
複数個の案内孔を備えた挿入ガイドと、
前記挿入ガイドの下側に設けられ、接着剤の塗布されたパネルが置かれる作業台と、
前記反転機を前記挿入ガイドの上側に移動させて前記複数個のスペーサーを前記複数個の案内孔に挿入させる第1ローダーと、
前記複数個の案内孔に挿入され前記スペーサーを前記パネルに加圧する複数個の加圧ピンを備えた加圧チャックと、
前記加圧チャックを前記挿入ガイドの上側に移動させて、前記加圧チャックの複数個の加圧ピンを前記複数個の案内孔に挿入させる第2ローダーと、
前記反転機、前記第1ローダー及び前記第2ローダーを制御して前記パネルに複数個のスペーサーを実装する制御機と、
を含むことを特徴とするスペーサー自動実装システム。
【請求項2】
前記水平整列パレットは前記複数個のスペーサーが水平に挿入される複数個の長溝が一定間隔に形成されたことを特徴とする請求項1に記載のスペーサー自動実装システム。
【請求項3】
前記水平整列機は前記水平整列パレットをシーソー動作させながら、振動を加えることができるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載のスペーサー自動実装システム。
【請求項4】
前記反転機は、
前記姿勢変換パレットと開閉シャッターが積層設置される反転フレームと、
前記反転フレームを回転させる回転ユニットと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のスペーサー自動実装システム。
【請求項5】
前記反転フレームは、
前記姿勢変換パレットに対して前記水平整列パレットを固定するパレット固定部と、
前記姿勢変換パレットに対して前記開閉シャッターを移動させるシャッター駆動部と、
を含むことを特徴とする請求項4に記載のスペーサー自動実装システム。
【請求項6】
前記姿勢変換パレットは複数個の姿勢変換孔を含み、
前記姿勢変換孔は水平状態の前記スペーサーに対応する入口部と、
垂直状態の前記スペーサーに対応する出口部と、
前記入口部と出口部とを連結し、前記スペーサーが水平状態から垂直状態に姿勢変換するように案内する曲線部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のスペーサー自動実装システム。
【請求項7】
前記開閉シャッターは、
前記姿勢変換パレットの複数個の姿勢変換孔の各々の出口部に対応するように位置する複数個の遮断部と、
前記複数個の遮断部の各々の一側に形成され前記出口部から排出されるスペーサーが通過する複数個の貫通孔と、を含み、
前記制御機の信号に応じて前記遮断部または貫通孔が前記姿勢変換孔の出口部の下に位置することを特徴とする請求項6に記載のスペーサー自動実装システム。
【請求項8】
前記挿入ガイドの複数個の案内孔の入口はそれぞれ漏斗形に形成されることを特徴とする請求項1に記載のスペーサー自動実装システム。
【請求項9】
前記加圧チャックの複数個のピンはスプリングピンで形成されることを特徴とする請求項1に記載のスペーサー自動実装システム。
【請求項10】
前記水平整列パレットは前記パネルに設置される全体スペーサーを一回で整列できるように形成され、
前記制御機は前記パネルを4等分して各部分に全体スペーサーの1/4ずつを一度に実装するように形成されることを特徴とする請求項1に記載のスペーサー自動実装システム。
【請求項11】
前記作業台に前記パネルを自動でローディング及びアンローディングするパネル移送ユニットが更に設けられることを特徴とする請求項1に記載のスペーサー自動実装システム。
【請求項12】
前記パネル移送ユニットの一側には前記パネルに前記複数個のスペーサーが設置される位置に接着剤を塗布する接着剤塗布装置が設置されることを特徴とする請求項11に記載のスペーサー自動実装システム。
【請求項13】
パネルに複数個のスペーサーを設置する位置に接着剤を塗布するステップと、
接着剤の塗布されたパネルをスペーサー自動実装装置の挿入ガイドの下側の作業台にローディングするステップと、
水平整列機を用いて水平整列パレットに複数個のスペーサーを水平方向に整列するステップと、
反転機の姿勢変換パレットに前記水平整列パレットを結合するステップと、
反転機で前記水平整列パレットを180度回転させて前記複数個のスペーサーを垂直方向に整列するステップと、
前記反転機を前記挿入ガイドの上側に移動させるステップと、
前記複数個のスペーサーを前記挿入ガイドの複数個の案内孔に落下させて前記挿入ガイドの複数個の案内孔に落下したスペーサーが前記パネルの接着剤に接触されるようにするステップと、
加圧チャックを前記挿入ガイドの上側に移動させて前記複数個の案内孔に挿入されたスペーサーを加圧するステップと、
前記加圧チャックを前記挿入ガイドと離隔させた後、前記パネルをアンローディングするステップと、
を含むことを特徴とするスペーサー自動実装方法。
【請求項14】
前記パネルに複数個のスペーサーを設置する位置に接着剤を塗布するステップと前記水平整列機を用いて水平整列パレットに複数個のスペーサーを水平方向に整列するステップは同時に行うことができることを特徴とする請求項13に記載のスペーサー自動実装方法。
【請求項15】
前記反転機が前記水平整列パレットを180度回転させると、前記スペーサーが前記姿勢変換パレットの姿勢変換孔を通過しながら水平状態から垂直状態に姿勢が変化することを特徴とする請求項13に記載のスペーサー自動実装方法。
【請求項16】
前記反転機を前記挿入ガイドの上側に移動させるステップは、
前記反転機を前記挿入ガイドを4等分した第1部分から第4部分に順次位置させることを特徴とする請求項13に記載のスペーサー自動実装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2012−146980(P2012−146980A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−1449(P2012−1449)
【出願日】平成24年1月6日(2012.1.6)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】