説明

電解析出処理装置および方法

【課題】 電解析出による処理液の金属イオン濃度を外部放出が可能なレベルまで低減することができ、且つ半導体製造装置で発生する廃水量が多くても処理可能な電解析出処理装置および方法を提供する。
【解決手段】 被処理水中の金属イオンを金属として析出させる陰極3と、陰極3に対向して配置されたカチオン交換膜4と、カチオン交換膜4に対向するようにカチオン交換体5を介して設置された陽極6とを備え、被処理水を陰極3とカチオン交換膜4との間の空間に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種液体から金属を効率的且つ高度に除去し、粒状または粉末状の固体として連続的に回収する電解析出処理装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
めっき廃水、半導体装置製造工程廃水、プリント基板製造工程廃水、鉱山廃水などのような液体中には、比較的少量であるが、有価物である貴金属イオンや環境上の観点から外部放出が規制される重金属イオンが含有されている。
このような貴金属や重金属を含む廃水の処理にあたっては、廃水中の貴金属を高度に回収すること、または廃水を無害化して外部に放出可能なレベルにまで重金属を高度に除去し、必要に応じてこれを回収することが求められている。
【0003】
例えば、近年、半導体集積回路などの半導体装置の製造において、微細化への要求が一段と厳しくなるのに伴って、配線抵抗による信号遅延が問題になってくる。この問題を解決するために、アルミニウムやタングステンなどに代えて銅配線が用いられるようになってきた。
【0004】
即ち、CPUやDRAMなどの半導体チップの高集積化に伴い、チップ内の配線材料として、従来のアルミニウムから、より電気抵抗の低い銅が採用されつつあり、特に配線の最小線幅が0.13μm以下のチップで採用されつつある。
【0005】
このような銅配線を用いる場合、銅はエッチングによるパターン形成が困難なため、通常、めっきによるダマシンプロセスで成膜し、成膜後に化学機械研磨(CMP)や電解研磨(ECP)などの方法によって膜の表面を研磨して配線を形成する。図6(a)乃至図6(e)にその配線形成方法の一例を示す。
【0006】
まず、図6(a)に示すように、半導体素子を形成した半導体基材201の上に導電層202を形成し、この上に更にSiOからなる絶縁膜203を堆積する。そして、絶縁膜203の層の内部に、例えばリソグラフィ・エッチング技術により、コンタクトホール204と配線用の溝205を形成する。次に、図6(b)に示すようにバリア層206を形成する。バリア層としては、例えば、Ta、TaN、TiN、WN、SiTiN、CoWP、CoWB等の金属若しくは金属化合物材料が用いられる。次に、電解めっき法で銅層を形成する場合には、図6(c)に示すように、バリア層206の上に電解めっきの給電層としての銅シード層207をスパッタリング法などにより形成する。また、銅層を無電解めっき法で形成する場合には、銅シード層に代えて、バリア層206の上に前処理を行って触媒層207を形成する。
【0007】
次に、図6(d)に示すように、銅シード層若しくは触媒層207の表面に電解めっき法若しくは無電解めっき法で銅めっきを施すことにより、コンタクトホール204及び配線用溝205内に銅を充填させると共に、絶縁膜203の上に銅層208を堆積させる。その後、化学機械研磨(CMP)法や電解研磨(ECP)法などによって絶縁膜203上の銅層208を除去して、コンタクトホール204及び配線用溝205に充填した銅層208の表面と絶縁膜203の表面とをほぼ同一平面にする。これにより、図6(e)に示すように、絶縁膜203の内部に銅シード層若しくは触媒層207、銅層208からなる配線を形成する。
【0008】
このような状況下で、半導体装置製造工程における電解若しくは無電解めっき法による銅めっき工程や、集積回路マイクロチップの化学機械研磨(CMP)若しくは電解研磨(ECP)工程においては、銅イオンを大量に含む廃水が生じる。
廃水中の銅イオンに関しては、許容限度として、日本では最大濃度が3.0mg/L以下に規制されており、また米国においては、一例として最大濃度が2.7mg/L以下、1日あたりの平均濃度が1.0mg/L以下、1年あたりの平均濃度が0.4mg/L以下に、より厳しく規制されている。従って、廃水中の銅を効率よく除去する技術を提供することが強く求められている。
【0009】
現在の半導体装置製造工場においては、CMP装置1台あたり最大で0.5m/h程度の廃水が生成され、廃水中の銅濃度は最大で100mg/L程度であり、同様に銅めっき装置1台あたり最大で0.2m/h程度の廃水が生成され、廃水中の銅濃度は最大で100mg/L程度というのが大凡の現状である。銅配線を利用する半導体装置の平均的な半導体装置製造工場では、一つの工場あたり銅配線工程用のCMP装置が10台程度、銅めっき装置が5台程度設置されている場合があり、これら装置から排出される銅含有廃水の総量は最大で220m/日程度になり、廃水中に含まれる銅の総量は最大で約22kg−Cu/日にもなる。従って、この廃水から銅を効率よく回収して再利用することが、環境保護のみならず、省資源の観点からも、強く求められている。
【0010】
また、従来の半導体装置製造を含む設備産業では、工場内における各種工程からの廃水を集めて回収し、これを一括して処理するという総合廃水処理設備の考え方が主流であったが、製造プロセスの技術の進化が早い半導体装置製造においては、それぞれの工程での廃水をその場で処理するという方法、即ちユースポイントで廃水を処理する方法が求められている。これは、従来の少品種・大量生産型から多品種・少量生産型へと生産方式が変わってきているため、製造品種の変更頻度の増加に伴って廃水の性状変動も大きくなり、従来の方法ではこの性状の変動に対応することが難しいことや、各プロセスから発生する個別の廃水に対応して処理を行った方が金属の回収・再利用のプロセスが容易であることなどの理由による。
【0011】
CMPプロセス廃水や銅めっき廃水中の銅濃度は通常100mg/L以下であるので、これまでは、これらの廃水からの銅の回収処理には、運転電圧の上昇と効率の問題から電解析出法は用いられていなかった。イオン交換樹脂法では銅は銅イオンとしてイオン交換樹脂に吸着されて回収され、また凝集沈殿法では銅は水酸化物または酸化物の形態で沈殿・回収されるので、いずれも、回収された銅を再利用する際には、更なる処理が必要である。さらに、イオン交換樹脂法ではイオン交換樹脂の交換頻度が高くなるという煩雑さがあった。
【0012】
被処理水である金属イオン含有溶液の処理手法として、(1)不溶性の水酸化物や硫化物を形成する薬品を添加する沈殿法、(2)イオン交換樹脂に吸着させるイオン交換法、(3)陰極表面における電気化学反応により析出させる電解析出法が主に用いられてきた。
【0013】
沈殿法は、大量の薬品を使用することと金属含有スラッジが副生して二次処理が必要であるという問題がある。特に、銅含有廃液を処理した場合には、沈殿した水酸化銅は含水率が高く、すなわち単位体積あたりの銅含有量が小さいスラッジであり、再利用が困難な金属水酸化物が多量に生産され、しかも後で銅が再溶解して環境を汚染しないような方法で保管しなければならないという問題がある。
【0014】
イオン交換法は、高度に金属イオンの吸着除去ができる方法であるが、吸着飽和したイオン交換樹脂の再生に多量の酸を必要とすることと金属含有濃縮廃水が副生して同様に二次処理が必要であるという問題がある。
【0015】
電解析出法では、一般に200mg/L以上の金属イオン濃度を有する廃液の処理には効率的であり副生成物がなく金属が高純度に回収できるが、100mg/L以下の低い金属イオン濃度を有する廃水の処理に適用しようとすると効率が悪く、しかも安定して極低濃度まで除去することが困難である。特に、銅含有廃液に適用した場合には銅濃度が低くなると析出した銅が再溶解してくるので安定して3mg/L以下、ましてや0.5mg/L以下の濃度にすることは困難であった。
【0016】
また、環境管理に関する認識と対応が急速に普及してきた現在では、法律の強化やISO規格の導入等によって、これまで産業廃棄物処理業者に委託処分されてきたスラッジや濃厚廃水処理も自社内で実施する必要が生じてきている。
【0017】
また、半導体装置製造工程廃水のように工程プロセスの進化で廃水の性状が変化する場合には廃水の処理条件が異なってくるので、各工程からの混合廃水を大規模な総合廃水処理施設で処理する方式では廃水処理条件の設定が困難になる。また混合廃水からは金属を分離して有価物として回収することが一般に困難である。
【0018】
これらの観点から廃液が発生する場所(POU:ポイント・オブ・ユース)で副生物を発生させずに当該廃液から金属を高度に分離回収し、外部放出可能なレベルまで金属イオン濃度を低減する技術が求められている。
【0019】
特に、銅配線工程のCMP廃水やめっき装置などの半導体製造工程廃水を処理する場合には、設置場所は建物建設コストが高いクリーンルームの中あるいは近傍であることから、設置面積が小さい廃水処理施設が望まれる。
【0020】
電解析出法は、廃液中に溶解している金属イオンを陰極上に析出させて金属として回収する方法であり、銅の回収方法としては工業的規模で100年以上も実施されている操作が簡便で安価な方法であるが、CMP廃水やめっき装置などの希薄でしかも性状が一定ではない半導体製造工程廃水の処理に適用する場合にはいくつかの課題がある。
【0021】
第1の課題として、電解析出を工業的に行なうためには電解槽からの金属の排出を安定して望ましくは連続的に行なう必要がある。溶液中の金属イオンが銅の場合には、容易に粉末状または微粒子状に電解析出させることができるので、電解槽から銅粉末状態で排出することが可能である。ただし、粉末状態で安定して排出するためには、銅粉末の析出状態を一定に保つこと及び陰極からの銅粉末の掻き落し及び陰極室からの銅粉末の排出を安定して且つ連続的に行なうことが求められる。
【0022】
第2の課題として、電解析出を廃水処理に適用するには電解槽の出口処理水の金属イオン濃度が所望する許容濃度まで安定して低減できることが必要である。出口処理水の金属イオン濃度を許容濃度まで安定して低減できない場合には、処理水を再度廃水処理装置の入口に戻して許容濃度まで低減することが必要となり、結果として複雑な工程となり、設備は大きくなって処理費用が高くなるという問題が生じてくる。もちろん再度廃水処理装置の入口に戻さずにイオン交換樹脂法などの追加の処理工程を設けても良いが、その場合は、更に装置の機器点数が増加して設備が大きくなる場合がある。
【0023】
電解析出法自体は100年以上の実績がある金属の分離回収方法であり、これまでに提案された電解析出装置には平板電解槽、流動床電解槽、二重円筒型電解槽および回転電解槽などがある。
【0024】
平板電解槽は、角型槽の中に陽極板と陰極板を対向して配置したもので、最も単純な構造の電解析出槽である。
【0025】
流動床電解槽は、対向平板または二重円筒状の電極間に微小な導電性粒子を流動させながら上方から下方に通過させる間にその粒子上に金属を析出させて連続的に取り出す方式であるが、電極間の粒子が相互に固着しないように粒子の分散状態を良好に保つ必要があり、ごく小規模容量の電解槽しか製作できず、半導体製造装置で発生する廃水量を処理できるだけの工業的規模の電解槽を製作できない場合がある。また、電極間で流動する粒子が複極となり粒子表面の電解槽陰極側が陽極となって粒子の表面に析出した金属が再溶解してしまうという現象が起こり、銅は特に陽極で溶解しやすいという特性を持つので銅含有廃液の処理には出口処理水の金属濃度を安定して許容濃度以下に下げることができない場合がある。
【0026】
二重円筒型電解槽は、縦型同心円状の陰極と陽極の狭い間隙に上向流で溶液を流して陰極表面上に粉末状に金属を析出させた後に、必要に応じて振動を加えながら下向流で逆洗水を流すことによって粉末状の金属を陰極面から剥離させて回収する方法であるが、陰極面の状態が時間とともに変化するため剥離しやすい粉末状の析出物を安定して得ることが困難であり、頻繁に行なう必要がある逆洗の直後は処理水の水質が安定しない場合がある。
【0027】
回転電解槽は、釣鐘状の陰極の外部に陽極を配置して陰極を回転させながら陰極表面に金属を析出させる方式で、構造は平板電解槽よりも複雑となるが、陰極を高速回転させることにより陰極表面の境膜の厚さを薄くできるので、処理水中の金属濃度をより低減させることができる。
【0028】
しかし、回転する陰極の表面に近接してスクレイパーを設置して成長した析出金属を回収することにより、陰極を外部に取り出すことなく連続運転が可能になるが、一般に析出金属は通電している陰極上に付着している場合は再溶解しないが、陰極から剥離した状態では一部再溶解してしまうため析出が進み、溶液の濃度が薄くなると析出と溶解が平衡する状態となり、処理水中の金属イオン濃度を十分に低下させることができなくなる場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
本発明は、電解析出による処理液の金属イオン濃度を外部放出が可能なレベルまで低減することができ、且つ半導体製造装置で発生する廃水量が多くても処理可能な電解析出処理装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、回転する陰極の表面に廃水中の金属イオンを金属として析出させ、その周囲に水層を介してカチオン交換膜を設置して、該カチオン交換膜の外周表面にカチオン交換体を介してガス透過性の陽極を設置する構成とすることにより、剥離した金属の再溶解がなくなり上記課題が解決されることを見出した。より具体的には、陰極室と陽極室を区分し、陽極室で発生した酸素ガスが陰極室に流入しないようにした回転電解槽において、陰極表面に析出した金属をスクレイパーで掻き落し、ポンプ流により回転電解槽外に設置したバグフィルタで連続的に捕捉することにより、剥離した金属の再溶解がなくなり上記課題が解決される。
【0031】
上述した目的を達成するため、本発明の電解析出処理装置は、被処理水中の金属イオンを金属として析出させる陰極と、該陰極に対向して配置されたカチオン交換膜と、該カチオン交換膜に対向するようにカチオン交換体を介して設置された陽極とを備え、被処理水を前記陰極と前記カチオン交換膜との間の空間に供給するようにしたことを特徴とするものである。
【0032】
また、前記陽極を収容する陽極室には純水を供給することを特徴とする。
また、前記陽極を収容する陽極室と、前記陰極を収容する陰極室とを区分し、陽極室で発生した酸素ガスが陰極室に流入しないようにしたことを特徴とする。
【0033】
また、前記陽極を収容する陽極室と、前記陰極を収容する陰極室とを区分し、陰極室に不活性ガスを導入して陽圧にし、該不活性ガスを陽極室と陰極室との間に形成されている間隙から陽極室に流入させ、陽極室で発生した酸素ガスは不活性ガスとともに陽極室から排出するようにしたことを特徴とする。
【0034】
また、前記陰極は回転可能であることを特徴とする。
また、前記回転可能な陰極に接触または近接してスクレイパーを配置し、陰極に析出した金属を掻き取るようにしたことを特徴とする。
また、前記スクレイパーで掻き取られて陰極表面から剥離した金属は、陰極室から処理水とともにフィルタに送られ、該フィルタにより濾過捕捉されることを特徴とする。
【0035】
また、前記フィルタを通過した濾過水は、陰極の接線方向に沿って陰極室に導入されることを特徴とする。
また、前記陽極は、ガス透過性の陽極であることを特徴とする。
また、前記カチオン交換体は、イオン交換繊維材料からなることを特徴とする。
また、前記イオン交換繊維材料は、イオン交換基が放射線グラフト重合法によって有機高分子不織布基材に導入されたものであることを特徴とする。
【0036】
本発明の電解析出処理方法は、所定範囲のpHを有した被処理水を陰極とカチオン交換膜との間に供給し、純水が供給されている陽極室に収容された陽極と陰極との間に直流電圧を印加して陰極上に金属を析出させ、前記陰極上に析出した金属を取り除くことを特徴とするものである。
【0037】
また、前記陰極を回転させることを特徴とする。
また、前記陰極上に析出した金属を取り除くには、前記回転する陰極にスクレイパーを接触または近接させ陰極上の金属を掻き取ることを特徴とする。
また、前記掻き取られて陰極表面から剥離した金属をフィルタにより濾過捕捉することを特徴とする。
【0038】
また、前記pHは1〜3であることを特徴とする。
また、前記陽極は、ガス透過性の陽極であることを特徴とする。
また、前記被処理水は、半導体製造装置からの廃水または該廃水を前処理した廃水であることを特徴とする。
また、前記被処理水中の金属イオンは、銅配線形成工程の半導体製造装置から発生する銅イオンであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、電解析出による処理液の金属イオン濃度を外部放出が可能なレベルまで低減することができ、且つ半導体製造装置で発生する廃水量が多くても処理可能である。なお、陰極を回転式とし、且つ連続的に析出物を掻き落とすことができる構成にすることによって、析出金属量が多い場合においても陰極の頻繁な交換を要することはなくなる。この析出物の掻き落としとしては、例えば、陰極に近接して設置されるスクレイパーで行うことができる。
【0040】
また、陽極が設置されている水槽と陰極が設置されている水槽はカチオン交換膜により隔てられているため、陽極で発生する酸素が陰極が設置されている水槽に溶け込むことを防止でき、析出物の酸化による再溶解を抑制し、処理水中の金属イオン濃度をごく微量にまで低下することができる。
【0041】
さらに、陽極が設置されている水槽に供給する極液としては純水を用いることができ、被処理水の酸性度が強いなど被処理水の腐食性が強い場合においても、陽極の劣化促進を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、図面を参照しながら本発明の各種態様を説明する。以下の図面において、同じ参照番号は同じ構成要素を意味する。
図1は、本発明に係る電解析出処理装置の一実施形態を示す概略図である。
図1に示すように、電解析出処理装置1は、電解槽2と、電解槽2内に配置された略円筒状の陰極3と、電解槽2内に配置されるとともに陰極3の外周側に配置されたカチオン交換膜4と、カチオン交換膜4の外周表面にカチオン交換体5を介して設置された陽極6とを備えている。
【0043】
陰極3には回転軸7が設けられており、回転軸7に連結されたモータ(図示せず)により陰極3は回転されるようになっている。陽極6はガス透過性の材料から構成されている。また、陰極3と陽極6との間に直流電流を供給する直流電源(図示せず)が設けられている。陰極3の近傍には、陰極3の表面に析出した金属の一部を剥離させるスクレイパー8が設置されている。電解槽2内は、カチオン交換膜4により、陽極室9と陰極室10とに区分されている。
電解槽2の底部には循環ライン11が配設されており、循環ライン11には循環ポンプ12とバグフィルタ13とが設置されている。
【0044】
図1に示す電解析出処理装置1において、まず、原水(被処理水)は回転する陰極3とカチオン交換膜4との間に設けられた陰極室10に導入される。陰極3と陽極6との間に印加した直流電流により、廃水中の金属イオンは陰極3の表面上に粉末状または針状の金属として析出する。析出した金属の一部は、陰極表面近傍に設けられたスクレイパー8により陰極3より剥離させる。陰極表面から剥離した金属は電解槽2の底部に設けられた循環ライン11に導入され、バグフィルタ13により回収される。このとき、陰極3の表面は常にスクレイパー8により掻き取られているので、陰極3の表面状態が一定となり、析出金属の状態も電解質溶液、電流密度、陰極回転数等を調整することにより容易に制御できる。
【0045】
ガス透過性の陽極6とカチオン交換膜4との間には、カチオン交換体5が設置されており、陽極6が設置されている陽極室9には純水が供給されている。このような構成とすることにより、陽極6のカチオン交換体5との接触表面で純水電解により発生する酸素ガスは、カチオン交換膜4で遮断されて陰極室10に混入しないので、陰極3から剥離した金属が再溶解して金属イオンに戻ってしまうことはない。また廃水が直接に陽極6に接することがないので、廃水の腐食性が高い場合においても陽極6の劣化が起きることはない。金属イオンが金属として回収された後の水は、陰極3とカチオン交換膜4との間の陰極室10から取り出される。
【0046】
図1に示すような陽極室9と陰極室10を隔離した構造ではなく、図5に示すように陽極室9と陰極室10を連通させ、陰極室9に、酸素を含まない不活性なガスを加圧して供給し陰極室から陽極室にガスの流れを作り、陽極室で発生する酸素が陰極室に混入しないようにすることにより剥離した金属の再溶解を防ぐことができる。このとき供給する不活性ガスとしては窒素ガス、アルゴンガスが好適に用いられる。
【0047】
図1に示す電解析出処理装置1においては、陽極室9では純水中で陽極6とカチオン交換体5が接触しているので、電位勾配下でカチオン交換体5と接触している陽極表面で容易に純水の電解が起こり、酸素ガスとHイオンが生成する。酸素ガスは、ガス透過性の電極である陽極6をとおり電極背後の陽極室9に抜けて排出される。Hイオンは電位勾配によりカチオン交換体5を経由してカチオン交換膜4を透過して陰極室10に移動する。純水は電解により消費されるので補給を必要とするが、所定量供給して過剰な純水は陽極室9からオーバーフローさせる方式でも良いし、純水を循環供給させても良い。
【0048】
陰極3の表面では金属が還元されて析出するが、金属イオン濃度が希薄になるとHイオンも還元されて水素ガスが発生するようになる。陰極3の表面で発生する水素ガスは系外に排出する。排出する際は外部より導入された希釈ガスと共に系外に排出しても良いし、陽極室9に導入して陽極6の表面で発生する酸素ガスとともに陽極室9から系外に抜き出しても良い。この希釈ガスは陰極液中に酸素を溶存させないようにするのが好ましく、窒素ガスや不活性なアルゴンガスが好適に用いられる。陰極3の表面は析出金属の剥離性を向上させることを目的として平滑な面としてもよい。また、陰極3の表面積を増して電流密度を低下させて、析出物を針状または粉末状で析出させることを目的として陰極3の表面に凹凸を設けても良く、種々の表面状態が適用可能である。
【0049】
陰極表面に効率的且つ均一に析出物を析出させる点で、電解槽2内の被処理水を十分に撹拌することが好ましい。攪拌方法としては陰極の回転速度を高める方法および廃水(原水)を旋回させるように陰極の接線方向に導入する方法を挙げることができる。
図2は、原水を円筒状の電解槽2および円筒状のカチオン交換膜4の接線方向に導入し、原水を旋回させる例を示す概略図である。
【0050】
カチオン交換膜4としてのイオン交換膜と陽極6の間には、カチオン交換体5としてのイオン交換体が充填される。この場合イオン交換体としては、公知のイオン交換樹脂またはイオン交換樹脂をバインダーで成型したものやイオン交換樹脂をスポンジ等の多孔質基材や布状の基材に接着したものを用いてもよいが、高分子繊維基材にイオン交換基をグラフト重合法によって導入したものが好ましく用いられる。高分子繊維よりなるグラフト化基材は、ポリオレフィン系高分子、例えばポリエチレンやポリプロピレンなどの一種の単繊維であってもよく、また、軸芯と鞘部とが異なる高分子によって構成される複合繊維であってもよい。かかる複合繊維材料に、イオン交換基を、放射線グラフト重合法を利用して導入したものが、イオン交換能力に優れ、且つイオン交換基が連続して分布しているので好ましい。イオン交換繊維材料の形態としては、織布、不織布などを挙げることができる。
【0051】
なお、放射線グラフト重合法とは、高分子基材に放射線を照射してラジカルを形成させ、これにモノマーを反応させることによってモノマーを基材中に導入するという技法である。
放射線グラフト重合法に用いることができる放射線としては、α線、β線、γ線、電子線、紫外線等を挙げることができるが、本発明においてはγ線や電子線を好ましく用いる。放射線グラフト重合法には、グラフト基材に予め放射線を照射した後、グラフトモノマーと接触させて反応させる前照射グラフト重合法と、基材とモノマーの共存下に放射線を照射する同時照射グラフト重合法とがあるが、本発明においては、いずれの方法も用いることができる。また、モノマーと基材との接触方法により、モノマー溶液に基材を浸漬させたまま重合を行う液相グラフト重合法、モノマーの蒸気に基材を接触させて重合を行う気相グラフト重合法、基材をモノマー溶液に浸漬した後モノマー溶液から取り出して気相中で反応を行わせる含浸気相グラフト重合法などを挙げることができるが、いずれの方法も本発明において用いることができる。
【0052】
不織布などの繊維基材に導入するイオン交換基としては、特に限定されることなく種々のカチオン交換基等を用いることができる。例えば、カチオン交換基としては、スルホン基などの強酸性カチオン交換基、リン酸基などの中酸性カチオン交換基、カルボキシル基などの弱酸性カチオン交換基を用いることができる。
【0053】
これらの各種イオン交換基は、これらのイオン交換基を有するモノマーを用いてグラフト重合、好ましくは放射線グラフト重合を行うか、またはこれらのイオン交換基に転換可能な基を有する重合性モノマーを用いてグラフト重合を行った後に当該基をイオン交換基に転換することによって、繊維基材に導入することができる。この目的で用いることのできるイオン交換基を有するモノマーとしては、アクリル酸(AAc)、メタクリル酸、スチレンスルホン酸ナトリウム(SSS)、メタリルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム、ビニルスルホン酸ナトリウム、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド(VBTAC)、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドなどを挙げることができる。例えば、スチレンスルホン酸ナトリウムをモノマーとして用いて放射線グラフト重合を行うことにより、基材に直接、強酸性カチオン交換基であるスルホン基を導入することができる。また、イオン交換基に転換可能な基を有するモノマーとしては、アクリロニトリル、アクロレイン、ビニルピリジン、スチレン、クロロメチルスチレン、メタクリル酸グリシジル(GMA)などが挙げられる。例えば、メタクリル酸グリシジルを放射線グラフト重合によって基材に導入し、次に亜硫酸ナトリウムなどのスルホン化剤を反応させることによって強酸性カチオン交換基であるスルホン基を基材に導入したりすることができる。
【0054】
図3は、本発明に係る電解析出処理装置の他の実施形態を示す概略図である。図1に示す実施形態においては処理水を陰極室10から取り出すようにしたが、図3に示す実施形態においては、バグフィルタ13を通過した後の処理水を取り出すようにしている。図3に示す実施形態のその他の構成は、図1に示す実施形態と同様である。
【0055】
図4は、本発明に係る電解析出処理装置の更に他の実施形態を示す概略図である。図4に示す実施形態においては、処理水を貯留する貯留槽14を設置し、陰極室10から取り出された処理水を貯留槽14に貯留している。そして、貯留槽14に貯留された処理水は、ポンプ15により陰極3とカチオン交換膜4との間に設けられた陰極室10に戻すことができるようになっている。その他の構成は、図1に示す実施形態と同様である。
【0056】
次に、図1に示す電解析出処理装置1の具体例を説明する。
陽極6はラス板状のTi/Ptめっきのものを用いている。陰極3はSUS304製の表面が平滑なものを用いている。陰極3の回転速度は1〜500rpmである。陰極表面での電流密度は1〜10A/dmである。陰極3の内周面及び外周面の水面部分はテフロン(登録商標)樹脂コーティングされていて所定の外周表面部にだけ金属が析出可能となっている。金属イオンを含有する陰極液(原水)はバッチで供給しても良いが、陰極室10に連続して供給、抜き出しをする方式が陰極室10の金属イオン濃度の変動が少なく電解析出条件として好ましい。陰極液を供給する一例としては、図1に示すように、回転陰極の外側に上部から陰極液(原水)を流入させ、回転陰極の内側に設けた堰の上部からオーバーフローして抜き出す方法が、スクレイパー8で掻き取られた金属粉末を陰極室10外に流出させることがないので好ましい。また、陰極液を陰極室10の側面から陰極3の接線方向で且つ回転方向に対向して流入させると、陰極表面の境膜厚さをより低減させることができるのでさらに好ましい。
スクレイパー8で掻き取られた金属粉末は、陰極室10の底部に設けた出口ノズルからポンプ流で循環してバグフィルタ13で濾過する。バグフィルタ13の孔径は1〜10μmである。
【0057】
陽極6の材質としては、Ti/Ptめっきなどの不溶解性電極として用いられるものが好ましい。陽極6の形状は多孔性であることが好ましく、網状またはラス網状(エキスパンデッドメタル)のものが良い。陰極3の材質はステンレスが好ましい。陰極3の回転速度は1〜500rpm、好ましくは50〜200rpmである。陰極3と陽極6の電極間距離は20〜50mmの中から選定することができる。陰極表面での電流密度は2〜3A/dmの範囲であることが好ましい。バグフィルタ13の孔径は1〜10μmの範囲であることが好ましい。処理水の取り出し口は陰極室またはバグフィルタの出口のいずれに設けてもよい。スクレイパー8の材質は、耐薬品性に優れた樹脂またはセラミックであることが好ましい。スクレイパー8と陰極3の距離は0.5〜5mmであることが好ましい。
【0058】
装置に供給する原水(被処理水)は、電解析出に有害な影響を与える物質を除去または分離し、及び必要に応じて効率良く電解析出できるように濃縮する前処理を行うことが好ましい。活性炭とイオン交換樹脂を用いて、廃液中の過酸化水素等の酸化剤を活性炭で分解した後に、金属イオンをイオン交換樹脂に吸着させて廃液から分離して酸で再生すれば、0.5〜5g/L程度の電解析出に適した酸性溶液が得られるので、これを用いるのが望ましい。また、本件出願人の先願である特願2003−125889(未公開)に示されるように白金担持触媒と電気透析の組合せで前処理をすれば、0.5〜1g/L程度の電解析出に適した酸性溶液が連続的に得られるので更に好ましい。廃液の性状によっては前処理を必要とせず、直接電解析出工程に廃液を導入しても良いのは勿論である。
【0059】
以下の実施例により、本発明をより具体的に説明する。以下の実施例の記載は、本発明の一具体例を説明するもので、本発明はこれらの記載によって限定されるものではない。
【実施例1】
【0060】
図1に示す電解析出処理装置を用いてCu濃度500mg/L、pH1の廃水を0.6m/hr(時)の流量で24時間連続的に通水した。運転条件は、陰極面積20dm、極間距離30mm、電解槽容積10L、陰極回転数:100rpm、電流密度3A/dm、バグフィルタへの循環水量1m/hr、バグフィルタ孔径5μmとした。この場合における電圧は10V以下であった。この結果、陰極を交換することなく粉末状の銅金属の固体として1.3kg/day(日)の処理量が得られることを確認した。回収された銅金属の酸化による溶解は認められなかった。また、陽極の劣化もまったく認められなかった。
【実施例2】
【0061】
図3に示す電解析出処理装置を用いて、実施例1と同様の原水及び運転条件で実施した。なお、図3に示すものは処理水の取り出し口がバグフィルタの出口である点で図1と異なる。この結果、図3に示す構成のものにおいても、1.3kg/dayの処理量が安定して得られることを確認した。
【実施例3】
【0062】
図4に示す電解析出処理装置にCu濃度500mg/L、pH1の廃水を100L満たし、0.6m/hrの流量で24時間連続的に通水した。運転条件は、陰極面積20dm、極間距離30mm、陰極室容積10L、陰極回転数:100rpm、電流密度0.5A/dm、バグフィルタへの循環水量1m/hr、バグフィルタ孔径5μmとした。この場合における電圧は10V以下であった。この結果、16時間運転することにより、廃水の銅濃度は0.5mg/L未満にまで低下した。以上より、本装置では、0.5mg/Lの低濃度にまで銅濃度を下げられることが明らかとなった。
【実施例4】
【0063】
図4に示す電解析出処理装置にCu濃度500mg/L、pH1の廃水を100L満たし、0.6m/hrの流量で24時間連続的に通水した。運転条件は、陰極面積20dm、極間距離30mm、陰極室容積10L、陰極回転数:100rpm、バグフィルタへの循環水量1m/hr、バグフィルタ孔径5μmとした。電流密度は運転時間3時間まで4.0A/dm、3時間以降は0.5A/dmとした。この結果、運転時間8時間後で銅濃度0.5mg/L未満が得られた。この場合における電圧は10V以下であった。以上より、本装置では、0.5mg/Lの低濃度にまで銅濃度を下げられることが明らかとなった。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明に係る電解析出処理装置の一実施形態を示す概略図である。
【図2】原水を円筒状の電解槽の接線方向に導入し、原水を旋回させる例を示す概略図である。
【図3】本発明に係る電解析出処理装置の他の実施形態を示す概略図である。
【図4】本発明に係る電解析出処理装置の更に他の実施形態を示す概略図である。
【図5】本発明に係る電解析出処理装置の更に他の実施形態を示す概略図である。
【図6】配線形成方法の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
1 電解析出処理装置
2 電解槽
3 陰極
4 カチオン交換膜
5 カチオン交換体
6 陽極
7 回転軸
8 スクレイパー
9 陽極室
10 陰極室
11 循環ライン
12 循環ポンプ
13 バグフィルタ
14 貯留槽
15 ポンプ
20 銅
201 半導体基材
202 導電層
203 絶縁膜
204 コンタクトホール
205 溝
206 バリア層
207 銅シード層(触媒層)
208 銅層


【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理水中の金属イオンを金属として析出させる陰極と、
該陰極に対向して配置されたカチオン交換膜と、
該カチオン交換膜に対向するようにカチオン交換体を介して設置された陽極とを備え、
被処理水を前記陰極と前記カチオン交換膜との間の空間に供給するようにしたことを特徴とする電解析出処理装置。
【請求項2】
前記陽極を収容する陽極室には純水を供給することを特徴とする請求項1記載の電解析出処理装置。
【請求項3】
前記陽極を収容する陽極室と、前記陰極を収容する陰極室とを区分し、陽極室で発生した酸素ガスが陰極室に流入しないようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の電解析出処理装置。
【請求項4】
前記陽極を収容する陽極室と、前記陰極を収容する陰極室とを区分し、陰極室に不活性ガスを導入して陽圧にし、該不活性ガスを陽極室と陰極室との間に形成されている間隙から陽極室に流入させ、陽極室で発生した酸素ガスは不活性ガスとともに陽極室から排出するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の電解析出処理装置。
【請求項5】
前記陰極は回転可能であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電解析出処理装置。
【請求項6】
前記回転可能な陰極に接触または近接してスクレイパーを配置し、陰極に析出した金属を掻き取るようにしたことを特徴とする請求項5記載の電解析出処理装置。
【請求項7】
前記スクレイパーで掻き取られて陰極表面から剥離した金属は、陰極室から処理水とともにフィルタに送られ、該フィルタにより濾過捕捉されることを特徴とする請求項6記載の電解析出処理装置。
【請求項8】
前記フィルタを通過した濾過水は、陰極の接線方向に沿って陰極室に導入されることを特徴とする請求項7記載の電解析出処理装置。
【請求項9】
前記陽極は、ガス透過性の陽極であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電解析出処理装置。
【請求項10】
前記カチオン交換体は、イオン交換繊維材料からなることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の電解析出処理装置。
【請求項11】
前記イオン交換繊維材料は、イオン交換基が放射線グラフト重合法によって有機高分子不織布基材に導入されたものであることを特徴とする請求項10記載の電解析出処理装置。
【請求項12】
所定範囲のpHを有した被処理水を陰極とカチオン交換膜との間に供給し、
純水が供給されている陽極室に収容された陽極と陰極との間に直流電圧を印加して陰極上に金属を析出させ、
前記陰極上に析出した金属を取り除くことを特徴とする電解析出処理方法。
【請求項13】
前記陰極を回転させることを特徴とする請求項12記載の電解析出処理方法。
【請求項14】
前記陰極上に析出した金属を取り除くには、前記回転する陰極にスクレイパーを接触または近接させ陰極上の金属を掻き取ることを特徴とする請求項13記載の電解析出処理方法。
【請求項15】
前記掻き取られて陰極表面から剥離した金属をフィルタにより濾過捕捉することを特徴とする請求項14記載の電解析出処理方法。
【請求項16】
前記pHは1〜3であることを特徴とする請求項12乃至15のいずれか1項に記載の電解析出処理方法。
【請求項17】
前記陽極は、ガス透過性の陽極であることを特徴とする請求項12乃至16のいずれか1項に記載の電解析出処理方法。
【請求項18】
前記被処理水は、半導体製造装置からの廃水または該廃水を前処理した廃水であることを特徴とする請求項12乃至17のいずれか1項に記載の電解析出処理方法。
【請求項19】
前記被処理水中の金属イオンは、銅配線形成工程の半導体製造装置から発生する銅イオンであることを特徴とする請求項12乃至18のいずれか1項に記載の電解析出処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−792(P2006−792A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−181858(P2004−181858)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】