説明

電解銅箔および配線板

【課題】圧延銅箔と同等またはそれ以上の柔軟性・屈曲性を有する電解銅箔を提供し、該電解銅箔を用いた柔軟性・屈曲性を有する配線板を提供すること。特に、電解銅箔においては、該電解銅箔とポリイミドフィルムとを貼り付ける際にかかる熱履歴において、機械的特性、柔軟性が改良され、電気機器の小型化に対し対応できる配線板用の電解銅箔を提供することにある。
【解決手段】カソード上に電析せしめて製箔した電解銅箔であって、該電解銅箔に式1に示すLMP値が8000以上となる加熱処理を施した後の結晶構造が、結晶粒径4μm以上の結晶粒が80%以上である電解銅箔である。
式1:LMP=(T+273)*(20+Logt)
ここで、Tは温度(℃)、tは時間(Hr)である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、屈曲性及び柔軟性に優れた電解銅箔に関するものである。
また、本発明は前記電解銅箔を使用したプリント配線板、多層プリント配線板、チップオンフィルム用配線基板(以下これらを総称して配線板と称することがある)に関するもので、特に高密度・高機能用途に適した配線板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在電気機器製品の小型化において、携帯電話のヒンジ部の曲げ角度(R)がますます小さくなる傾向にある中で、配線板の屈曲特性に対する要望はますます厳しいものになってきている。
屈曲特性を向上させる上で重要な銅箔の特性としては、厚さ・表面平滑性・結晶粒の大きさ・機械的特性などが上げられる。また、電気製品の小型化に対し、高密度配線化が図られるために、できるだけスペースを有効活用することが重要な課題であり、配線板の変形が容易にできるポリイミドフィルムの採用が不可欠となってきており、ポリイミドフィルムに貼り付ける銅箔の接着強度・柔軟性は必要不可欠な特性になってきている。
この特性を満足する銅箔としては、特別な製造工程で製箔された圧延銅箔が採用されている。
【0003】
しかし、圧延銅箔については、製造工程が長いため加工費が高い・幅広い銅箔が製造できない・薄い箔の製造が困難であることがデメリットで、上記特性を満足する電解銅箔が求められている。
しかしながら、現状の電解銅箔の製造技術では、平滑性を維持しながら前記要求を全て満たす電解銅箔の製造は提案されていず、上記圧延銅箔と同等またはそれ以上の柔軟性・屈曲性を有する電解銅箔の出現が要求されていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明が解決しようとする課題は、圧延銅箔と同等またはそれ以上の柔軟性・屈曲性を有する電解銅箔を提供し、該電解銅箔を用いた柔軟性・屈曲性を有する配線板を提供することにある。
特に、電解銅箔においては、該電解銅箔とポリイミドフィルムとを貼り付ける際にかかる熱履歴において、機械的特性、柔軟性が改良され、電気機器の小型化に対し対応できる配線板用の電解銅箔を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の電解銅箔は、カソード上に電析せしめて製箔した電解銅箔であって、該電解銅箔に式1に示すLMP値が9000以上となる加熱処理を施した後の結晶分布が、結晶の最大長さが4μm以上の結晶粒子が80%以上存在する電解銅箔である。
式1:LMP=(T+273)*(20+Logt)
なお、Tは温度(℃)、tは時間(Hr)
【0006】
好適には、LMP値が9000以上となる加熱処理を施した前記電解銅箔が、引張強さ22KN/cm以下であり、0.2%耐力が15KN/cm以下である電解銅箔である。
【0007】
好適には、LMP値が9000以上となる加熱処理を施した前記電解銅箔の伸び率が10%以下である電解銅箔である。
【0008】
好適には、前記電解銅箔の断面に含まれる不純物の内、銅箔断面における各部分のSIMS分析において、少なくともintensity(counts)が窒素(N);20以下、硫黄(S);50以下、塩素(Cl);500以下、酸素(O);1000以下である電解銅箔である。
【0009】
好適には、前記電解銅箔の少なくとも片方の表面粗さは、Rz=1.5μm以下である電解銅箔である。
【0010】
好適には、上記電解銅箔の少なくともフィルムを貼り付ける面に粗化粒子層を設け、その上に必要により耐熱性・耐薬品性・防錆を目的とした金属表面処理層を設けた電解銅箔である。
【0011】
好適には、前記表面処理は、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、ケイ素(Si)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)又はこれらの合金の内の少なくとも1種類を前記電解銅箔の表面もしくは前記粗化粒子層の上に設けた電解銅箔である。
【0012】
本発明は、前記電解銅箔を用いたプリント配線板、多層プリント配線板又はチップオンフィルム用配線基板である。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、圧延銅箔と同等またはそれ以上の柔軟性・屈曲性を有する電解銅箔を提供することができる。また、本発明は該電解銅箔を用いた柔軟性・屈曲性を有する配線板を提供することができる。
特に、電解銅箔においては、該電解銅箔とポリイミドフィルムとを貼り付ける際にかかる熱履歴において、機械的特性、柔軟性が改良され、電気機器の小型化に対し対応できる配線板用の電解銅箔を、圧延銅箔に比べて安価に提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
通常電解銅箔は、例えば図1に示すような電解製箔装置により製箔される。電解製箔装置は、回転するドラム状のカソード2(表面はSUS又はチタン製)、該カソード2に対して同心円状に配置されたアノード1(鉛又は貴金属酸化物被覆チタン電極)からなり、該製箔装置に、電解液3を供給させつつ両極間に電流を流して、該カソード2表面に所定の厚さに銅を電析させ、その後該カソード2表面から銅を箔状に剥ぎ取る。この段階の銅箔を本明細書では未処理銅箔4という。また該未処理銅箔4の電解液と接していた面をマット面と呼び、回転するドラム状のカソード2と接していた面を光沢面(シャイニー面)と呼ぶ。なお、上記は回転するカソード2を採用した製箔装置につき説明したが、カソードを板状とする製箔装置で銅箔を製造することもある。
【0015】
本発明は、上記ドラム状のカソードまたは板状のカソードに銅を電析させて銅箔を製造する。銅を電析させるカソードの表面粗さは、Rz:0.1〜2.0μmのカソードを使用することにより、本発明電解銅箔のシャイニー面の表面粗さをRz:0.1〜1.5μmとすることができる。
電解銅箔の表面粗さRzを0.1μm以下の粗さとすることは、カソードの研磨技術などを考えると製造が難しく、また量産製造するには不可能であると考えられる。また、Rzを2.0μm以上の表面粗さとすると屈曲特性が非常に悪くなり、本発明が求める特性が得られなくなると同時にシャイニー面の粗さを1.5μm以下にすることが難しくなるためである。
電解銅箔のマット面の粗さは、Rz:0.1〜1.5μmである。0.1μm以下の粗さは光沢めっきを行ったとしても非常に難しく現実的に製造は不可能である。また、上記したように電解銅箔の表面が粗いと屈曲特性が悪くなることから粗さの上限は1.5μmである。
【0016】
シャイニー面及びまたはマット面の粗さが、Rz:1μm以下となることが好適である。更に付け加えるとシャイニー面及びマット面のRa:0.3μm以下であることが好ましく、特にRa:0.2μm以下であると最適である。
また、上記電解銅箔の厚みは、2μm〜210μmであることが望ましい。厚さが2μm以下の銅箔はハンドリング技術などの関係上うまく製造することができず、現実的ではないからである。厚さの上限は現在の回路基板の使用状況からして210μm程度である。厚さが210μm以上の電解銅箔が回路基板用銅箔として使用されることは考え難く、また電解銅箔を使用するコストメリットもなくなるからである。
【0017】
また、上記電解銅箔を析出させる電解めっき液としては、硫酸銅めっき液・ピロリン酸銅めっき液・スルファミン酸銅めっき液などがあるが、コスト面などを考えると硫酸銅めっき液が好適である。
本発明では、硫酸濃度:30〜100g/l、銅濃度:15〜70g/l、電流密度10〜50A/dm、液温:20〜55℃、塩素濃度:0.01〜30ppmが好ましい。
電解銅箔を製造する硫酸銅めっき浴には添加剤としてメルカプト基を持つ化合物並びにそれ以外の少なくとも1種以上の有機化合物が必要である。各添加剤の量は、0.1〜100ppmの範囲内で量、比率を変えて添加する。また、添加剤を入れる場合のTOC(TOC=Total Organic Carbon=全有機炭素。液中に含まれる有機物中の炭素量)の測定結果が400ppm以下であることが好ましい。
【0018】
上記条件にて作成される銅箔において、めっき液及び添加剤成分から銅箔内に取り込まれる元素の内、少なくともN、S、Cl、Oは、銅箔断面における各部分のSIMSの分析において、intensity(counts)がN;20以下、S;50以下、Cl;500以下、O 1000以下であることが好ましい。なお、Nについては10以下であると更によい。(本明細書において、Nと表記しているものの測定数値は63Cu+14Nの強度を測定したものである)。本発明の電解銅箔は全体において不純物が少なく、且つ部分的に多く存在しない(平均的に分布している)銅箔である。
【0019】
上記で作成した銅箔は、式1に示すLMP値が9000以上となる加熱処理を施すことにより、各結晶粒の最大長さが4μm以上である結晶粒が80%以上存在する電解銅箔である。
式1:LMP=(T+273)*(20+Logt)
ここで、Tは温度(℃)、tは時間(Hr)である。
更に本発明の銅箔は、少なくともLMP値が12,500〜13,500の熱履歴を与えた結晶粒の最大長さが4μm以上である結晶粒が80%以上存在する電解銅箔である。図2は銅箔断面の電子顕微鏡写真であり、(イ)は本発明銅箔の断面写真、(ロ)は従前の銅箔の断面写真である。
結晶粒の最大長さの測定方法は銅箔断面の顕微鏡写真を撮影し、50μm×50μmの範囲内もしくはそれ同等の面積において、結晶粒の最大長さを計測し、その長さが4μm以上の結晶粒の占める面積を測定し、測定した面積が、断面全体の面積に対して何%であるかを算出する方法で確認する。
【0020】
上記加熱処理を行った後の銅箔の引張強さは20KN/cm以下であり、0.2%耐力は15KN/cm以下であることが好ましい。なお、0.2%耐力は10KN/cm以下であることが最適である。
この時の銅箔の伸び率は10%以下であると更に最適である。
【0021】
上記未処理電解銅箔の少なくともマット面に、または必要に応じては粗化処理を行った表面上に、少なくとも1種類以上の金属表面処理層を設ける。金属表面処理層を形成する金属としては、Ni、Zn、Cr、Si、Co、Moの単体、またはそれらの合金、または水和物があげられる。金属表面処理層を合金層として付着させる処理の一例としてはNi、Si、Co、Moの少なくとも1種類の金属または1種類の金属を含有する合金を付着させた後、Znを付着させCrを付着させる。金属表面処理層を合金として形成しない場合はNiまたはMo等エッチング性を悪くする金属については厚さを0.8mg/dm以下とすることが好ましい。なお、NiまたMoを合金で析出させる場合でもその厚さは、1.5mg/dm以下であることが好ましい。また、Znについては付着量が多いとエッチング時に溶けピール強度の劣化の原因になることがあるため2mg/dm以下であることが好ましい。
【0022】
上記金属層を設ける(付着させる)めっき液とめっき条件の一例を下記する。
〔Niめっき〕
NiSO・6HO 10〜500g/l
BO 1〜50g/l
電流密度 1〜50A/dm
浴温 10〜70℃
処理時間 1秒〜2分
PH 2.0〜4.0
【0023】
〔Ni−Moめっき〕
NiSO・6HO 10〜500g/l
NaMo0・2HO 1〜50g/l
クエン酸3ナトリム2水和物 30〜200g/l
電流密度 1〜50A/dm
浴温 10〜70℃
処理時間 1秒〜2分
PH 1.0〜4.0
【0024】
〔Mo−Coめっき〕
NaMo0・2HO 1〜 30g/l
CoSO・7HO 1〜 50g/l
クエン酸3ナトリム2水和物 30〜200g/l
電流密度 1〜50A/dm
浴温 10〜70℃
処理時間 1秒〜2分
PH 1.0〜4.0
【0025】
〔Znめっき〕
酸化亜鉛 2〜40g/dm
水酸化ナトリウム 10〜300g/dm
温度 5〜60℃
電流密度 0.1〜10A/dm
処理時間 1秒〜2分
PH 1.0〜4.0
【0026】
〔Crめっき〕
CrO 0.5〜40g/l
PH 3.0以下
液温 20〜70℃
処理時間 1秒〜2分
電流密度 :0.1〜10A/dm
PH 1.0〜4.0
【0027】
これら金属表面処理層上にシランを塗布する。塗布するシランについては一般的に使用されているアミノ系、ビニル系、シアノ基系、エポキシ系が上げられる。特に貼り付けるフィルムがポリイミドの場合はアミノ系、またはシアノ基系シランがピール強度を上げる効果を示す。これらの処理を施した電解銅箔をフィルムに貼り付け配線板とする。
【0028】
以下に本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0029】
(1)製箔
実施例1〜5、比較例1〜3
電解液組成を表1に示す。表1に示す組成の硫酸銅めっき液(以後電解液と略す)を活性炭フィルターに通して清浄処理し、回転ドラム式製箔装置により電解製箔し、厚さ18μmの未処理電解銅箔を製造した。
【0030】
【表1】

【0031】
製箔した未処理銅箔につき、銅箔断面に含まれる不純物の量、表面粗さを測定した。次に、ポリイミドフィルムと熱圧着する条件に合わせた温度設定で熱処理した後の結晶粒(粒径最大長さ4μm以上)の分布(占める割合)を測定した。測定(算出)方法は以下とおりである。
【0032】
〔銅箔断面の不純物〕
SIMS分析において、深さ方向に掘って銅箔断面の各部分における不純物元素を測定した。測定元素はN、S、Cl、Oである。SIMS分析の結果を表2に記載する。
また。不純物量の代替え値として、本特許ではSIMS分析の強度の数値を使用する。
【0033】
〔断面観察用銅箔の加熱条件〕
400℃、1時間、窒素雰囲気中で加熱処理を行った。
加熱処理後の銅箔の断面を電子顕微鏡で撮影し、結晶粒の最大長さが4μm以上の結晶が占める割合を測定・算出した。
【0034】
〔表面粗さの評価〕
各実施例及び各比較例の未処理電解銅箔の表面粗さRz、Raを接触式表面粗さ計を用いて測定した。表面粗さRz、RaとはJIS B 0601-1994「表面粗さの定義と表示」に規定されものでありRzは「十点平均粗さ」、Raは「算術平均粗さ」である。基準長さは0.8mmで行った。
【0035】
〔引張強さ、伸び特性の評価〕
各実施例及び各比較例の未処理電解銅箔を前記加熱条件で加熱処理した銅箔の引張強さ、0.2%耐力、伸び特性は引張試験機を用いて測定した。
0.2%耐力とは、歪と応力の関係曲線において、歪が0%の点において曲線に接線を引き、その接線と平行に歪が0.2%の点に直線を引いたその直線と曲線が交った点の応力を断面積で割ったものである。
【0036】
〔屈曲性試験〕
各実施例及び各比較例の未処理電解銅箔を縦250mm、横250mmに切断したのち、銅箔表面を厚さ50μmのポリイミドフィルム(宇部興産製UPILEX−VT)に接するように置き、全体を2枚の平滑なステンレス鋼板で挟み、20torrの真空プレスにより、温度330℃、圧力2kg/cmで10分間熱圧着し、その後、温度330℃、50kg/cmで5分間熱圧着して、フィルム付き銅箔(配線板)を作成し、MIT試験を行った。この時の曲率(R)は0.8(mm)、荷重を500gかけて測定した。
屈曲性の評価は、最低屈曲回数を示した比較例1の銅箔に屈曲回数を1としたときの倍数にて屈曲性評価とした。
【0037】
各測定結果を表2、表3に示す。
【0038】
【表2】

【0039】
【表3】

【0040】
表2、表3から明らかなように銅箔断面の不純物元素量は実施例ではN:10以下、S:30以下、Cl:200以下、O:400以下と少なく、表面粗さはマット面、シャイニー面共にRz:0.15μm以下であり、加熱処理後の長さ4μm以上の結晶粒存在割合(結晶分布)は80%以上で、何れの実施例も引張り強さ、0.2%耐力、につき満足するものであり、屈曲回数も比較例1に比べて2倍以上と満足する銅箔が得られた。なお、伸び率については、実施例1と5において10%をオーバーしている。このため、屈曲回数が他の実施例2、3、4に比べやや劣るが、従来例のものに比較するとその性能は向上しており、柔軟性・屈曲性を有する配線板用の銅箔として問題なく採用できるものである。
一方、各比較例は加熱後の長さ4μm以上の結晶粒存在割合(結晶分布)は35%以下であり、引張り強さ、0.2%耐力、伸び率の内のいずれかで満足できないものとなり、屈曲回数も満足できないものであった。
【0041】
本発明は上述したように、圧延銅箔と同等またはそれ以上の柔軟性・屈曲性を有し、該電解銅箔を用いた柔軟性・屈曲性を有する配線板を提供することができる優れた効果を有するものである。特に、電解銅箔においては、該電解銅箔とポリイミドフィルムとを貼り付ける際にかかる熱履歴において、機械的特性、柔軟性が改良され、電気機器の小型化に対し対応できる配線板用の電解銅箔を提供できる優れた効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】ドラム式製箔装置を示す説明図である。
【図2】銅箔断面の電子顕微鏡写真であり、(イ)は実施例1の断面であり、(ロ)は比較例1の断面である。
【符号の説明】
【0043】
5:電解銅箔の断面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソード上に電析せしめて製箔した電解銅箔であって、該電解銅箔に式1に示すLMP値が9000以上となる加熱処理を施した後の結晶分布が、結晶粒の最大長さが4μm以上である結晶粒子が80%以上存在する電解銅箔。
式1:LMP=(T+273)*(20+Logt)
ここで、Tは温度(℃)、tは時間(Hr)である。
【請求項2】
LMP値が9000以上となる加熱処理を施した前記電解銅箔が、引張強さ22KN/cm以下であり、0.2%耐力が15KN/cm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電解銅箔。
【請求項3】
LMP値が9000以上となる加熱処理を施した前記電解銅箔の伸び率が10%以下であることを特徴とする請求項1に記載の電解銅箔。
【請求項4】
前記電解銅箔の断面に含まれる不純物の内、少なくとも塩素(Cl)、窒素(N)、硫黄(S)、酸素(O)の銅箔断面における各部分のSIMSの分析において、intensity(counts)がN;20以下、S;50以下、Cl;500以下、O;1000以下であることを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の電解銅箔。
【請求項5】
前記電解銅箔の少なくとも片方の表面粗さは、Rz=1.5μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電解銅箔。
【請求項6】
上記電解銅箔の少なくともフィルムを貼り付ける面に粗化粒子層を設け、その上に必要により耐熱性・耐薬品性・防錆を目的とした金属表面処理層を設けたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電解銅箔。
【請求項7】
前記金属表面処理層は、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、ケイ素(Si)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)又はこれら合金の内の少なくとも1種類を前記電解銅箔の表面もしくは前記粗化粒子層の上に設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の電解銅箔。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の前記電解銅箔を用いた配線板。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−138245(P2009−138245A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−318102(P2007−318102)
【出願日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】