電話システム
【課題】
IP電話システムでは、IP電話端末を任意の場所に設置できるため、電話番号から電話端末の設置場所を特定することができなくなった。また、電話着信時に発信者番号通知を見ても、発信者がどこから電話発信しているかを把握できなくなった。
【解決手段】
本発明では、IP電話システム内に、端末場所特定手段を構成し、電話端末の登録と同時に電話端末の設置場所を特定することを特徴とする。
また、IP電話サーバに、電話端末に相手の場所情報を通知する手段を構成し、電話端末に、受信した場所情報を表示する手段を構成することにより解決できる。
IP電話システムでは、IP電話端末を任意の場所に設置できるため、電話番号から電話端末の設置場所を特定することができなくなった。また、電話着信時に発信者番号通知を見ても、発信者がどこから電話発信しているかを把握できなくなった。
【解決手段】
本発明では、IP電話システム内に、端末場所特定手段を構成し、電話端末の登録と同時に電話端末の設置場所を特定することを特徴とする。
また、IP電話サーバに、電話端末に相手の場所情報を通知する手段を構成し、電話端末に、受信した場所情報を表示する手段を構成することにより解決できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話端末の場所を表示するIP電話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電話システムは、独立した電話線による接続方式であるため、電話端末や電話番号の移動・変更は容易にはできなかった。しかし近年普及が見られるIP電話システムでは、IPネットワークを介した接続方式であるため、IP電話端末をIPネットワークに接続すればどこでも電話として機能するようになる。このようにIP電話システムでは、IP電話端末の接続場所に特に制約は無く、自由にIP電話端末を移動することが可能となった。
【0003】
一般的なIP電話システムは、IP電話サーバと、各IP電話端末と、これらを接続するネットワークとから構成される。IP電話サーバは、制御対象の電話端末のIPアドレスと対応する電話番号と管理する電話端末管理テーブルと、制御対象の電話端末のIPアドレスと対応する電話番号を電話端末管理テーブルに登録する端末登録部と、電話端末からの電話発信要求に対して相手の電話端末と接続する呼接続部から構成される。各IP電話端末も呼接続部を持つ。IP電話システムでは初期設定として、電話端末管理テーブルに各IP電話端末の電話端末情報を登録することにより、各IP電話端末は初めて電話の発着信が行えることになる。
【0004】
IP電話システムで標準的に利用される呼接続規格にSession Initiation Protocol(以下SIPと略す)がある。SIPには、端末登録方法と呼接続方法の基本シーケンスが規定されている。IP電話システムでは、IP電話端末は、ネットワークへの接続時や電源ON時を契機に、IP電話サーバに、IP電話端末の電話番号とIPアドレスを含む端末登録要求コマンドであるREGISTERを送る。これを受けたIP電話サーバは、端末登録部により、IP電話端末の内線番号やIPアドレスなどのIP電話端末の属性情報を電話端末管理テーブルに登録する。IP電話サーバは、処理結果として正常終了であれば200OKを返す。上記一連の処理にて、IP電話端末がIP電話サーバに登録され、電話端末として機能できるようになる。
【0005】
次に、発信側IP電話端末から着信側IP電話端末に電話発信した場合の処理を説明する。この呼接続処理は、発信側IP電話端末および着信側IP電話端末の呼接続部と、IP電話サーバの呼接続部との間で実行されるものである。
【0006】
まず発信側電話端末は、IP電話サーバに、呼接続要求コマンドであるINVITEを送る。これを受信したIP電話サーバは、電話端末管理テーブルから着信側電話端末の内線番号に対するIPアドレスを割出し、そのIPアドレス宛てにINVITEを送る。また、IP電話サーバは、発信側電話端末に処理中コマンドであるTRYINGを送る。着信側電話端末は、IP電話サーバからの接続要求に対しTRYINGコマンドを返す。次に、着信側電話端末は、呼出音を鳴動すると共に、IP電話サーバに呼出し中コマンドであるRINGINGを送る。IP電話サーバは、これを受信すると、発信側電話端末にRINGINGを送る。着信側電話端末で受話器を取るなどして呼出しに応答すると、着信側電話端末はIP電話サーバに接続可能コマンドである200OKを送る。IP電話サーバは、これを受信すると、発信側電話端末に接続可能コマンドである200OKを送る。
【0007】
発信側電話端末は、これを受信すると、IP電話サーバに接続制御完了コマンドであるACKを送り、音声データの入出力を開始する。IP電話サーバは、これを受け取り、着信側電話端末にACKを送る。着信側電話端末は、これを受信し、接続制御を完了し、音声データの入出力を開始する。以上の一連の呼接続処理により発信側電話端末と着信側電話端末との間で通話が開始される。
【0008】
このようにIP電話端末は、IPネットワークに接続してから自分のIPアドレスをIP電話サーバに登録することにより、IPネットワークのどこに接続しても電話端末として機能できる特徴を持つ。また、SIPは標準規格ではあるが、送受信するコマンドには拡張領域があり、この領域を利用することにより、基本的な呼接続シーケンスを変更することなく、電話端末とIP電話サーバ間や、電話端末同士間での個別データの授受を可能としている。
【0009】
近年流行しているフリーアドレス化オフィスでは、社内のどこに座っても自分のパーソナルコンピュータ(以下PCと略す)をIPネットワークに接続することにより、業務ができるオフィス環境である。このようなオフィス環境には、前述のIP電話システムの特徴が活かされ、座った席に自分の内線番号を持つIP電話機をIPネットワークに接続すれば、IP電話機がIP電話サーバに登録処理をおこなうことで、その席にて自分の内線電話機として利用することが可能となる。IPアドレスに関しては、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)を利用することにより、IP電話機はIPネットワークに接続後に自動で取得することが可能である。また、このフリーアドレス化オフィス向けIP電話端末としては、比較的持ち運びが容易なノート型PC上で機能するソフトフォンが適している。社外持ち運び時の情報漏えいを防止するシン・クライアントの利用も広がり、シン・クライアントでも利用できるソフトフォンも開発されている。IP電話システムでは、この自分の内線電話番号を持ち運べる効果は大きく、例えば出張などで別拠点のオフィスに移動して社内IPネットワークに接続する場合など、社内IPネットワークで接続されているどの拠点においても、自分の内線電話番号で電話の発着信が可能となる。
【0010】
一方、このフリーアドレス化オフィスでは、着席位置が自由であるため、在席位置がわからなくなるという課題がある。この課題に対して、電話端末を用いた在席状態を特定する方法が、例えば、特許文献1で提案されている。特許文献1は、電話端末を利用した場所特定手法の一つであるが、電話端末とPCが一対で接続されて使用することを前提としており、PCが、自身に接続された電話端末の存在をサーバに知らせる仕組みとなっている。つまり、位置情報をサーバに伝えるためのPCが必要となり、電話端末単体ではその場所を特定することはできないという問題がある。
【0011】
【特許文献1】特開2005−94127号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前記の通り、IP電話システムでは、IP電話端末の設置場所が自由になるため、従来のように電話番号から電話端末の設置場所を特定することができなくなった。できたとしても、IP電話端末を利用する場所に位置情報をサーバに伝えるPCなど端末側で特殊な処理を行う必要がった。この場合、端末の位置情報を収集するサーバに加えて、位置情報を送信するための特殊な機能を端末側に持たせる必要があった。そのため、金銭的コストの増大や、全ての端末間で同様の機能を持たせる必要が生じ、拡張面で問題があった。
【0013】
また、電話着信時に発信者番号通知を見ても、発信者がどこから電話発信しているかを把握できず不便であった。また、電話発信元のフロアの状況が把握できず、安心した会話ができず不便であった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために、本発明では、IP電話システムのサーバ側に端末の場所を特定する機能を持たせることを特徴とする。これにより、端末側に位置情報をサーバに伝えるための特殊な機能を持たす必要がなくなり、IPネットワークに接続可能なIP電話であれば、メーカや種類に関係なく位置情報の取得が可能となる。また、IP電話サーバに、電話端末に相手の場所情報を通知する手段を構成する。また、電話端末には、受信した場所情報を表示する手段を設けることを特徴とする。また、電話端末が他のプログラムが動作できるPC上のソフトフォンである場合は、ソフトフォンにフロア図表示システムとの連携手段を設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、場所通知用の特別な機器を設置することなく、現在の電話端末の設置場所を正しく把握することができる。特にソフトフォンや携帯端末など移動型の電話端末の場合でも、現在の場所を把握することができる。また、電話発信時に、発信者と着信者の電話端末に、相手の電話端末の設置場所を表示することができる。これにより、相手がどこから電話をかけてきているかがわかり安心して会話することができる。フリーアドレスオフィスにてPCやシン・クライアントからソフトフォンにて電話をした場合も、正しく在席場所が相手に表示されるようになる。さらに、PC上のソフトフォンに着信した場合は、着信と共に発信元電話端末が設置されているフロア図が表示でき、発信元の周囲の環境や周りの在席者の存在を確認して安心して会話することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明のIP電話システムの一実施例を示すシステム構成図である。すなわち、社内電話交換機であるIP電話サーバ100と、オフィスの入る建物などの各拠点のフロアに接続される各IP電話端末121および131と、IP機器の場所を特定する場所特定サーバ200と、これらを接続するIPネットワーク110とから構成されている。各IP電話端末121および131は、スイッチやルータなどの中継装置を介してIP電話サーバ100と接続されているものとする。もちろん、中継装置を介さずに直接接続することも可能である。本実施例では、電話端末121はフロアX120中の机122上のB1に存在している。同様に、電話端末131はフロアY130中の机132上のA2に存在している。
【0018】
IP電話サーバ100および場所特定サーバ200のハードウェアは一般的な情報処理装置で良く、そのブロック構成図の一例を図15に示す。図15において、情報処理装置1701はCPU1702とメモリ1703とハードディスクドライブ1704とI/Oインタフェース1705とネットワークインタフェース1706とが通信バス1707で接続された構成である。
【0019】
各IP電話端末121および131のハードウェアは一般的なIP電話装置で良く、そのブロック構成図の一例を図16に示す。一般にIP電話装置は、本体装置1801とマイクスピーカーからなるハンドセット1808とが接続された構成である。本体装置1801は、CPU1802とメモリ1803とネットワークインタフェース1804とアナログ・デジタル変換部1805が通信バス1807で接続され、さらに、アナログ・デジタル変換部1805につながるアナログインタフェース1806から構成される。図1で示した機能は、例えば、プログラムとして実装され、IP電話サーバ100と場所特定サーバ200においては、各機能のプログラムをメモリ1703に読み出し、CPU1702により実行される。IP電話装置1801では、同様に、各機能を実現するプログラムはメモリ1803に読み出され、CPU1802により実行される。
【0020】
IP電話サーバ100は、IP電話端末121および131のIPアドレス、電話番号、位置情報などを保持する電話端末管理テーブル103と、IP電話端末121および131のIPアドレス、電話番号を電話端末管理テーブル103に登録する端末登録部101と、電話接続を行う呼接続部102と、本実施実施例の特徴であるIP機器の設置場所を特定する端末場所特定部104とを有する。端末場所特定部104は、IP機器のIPアドレスからそのIP機器が設置されている場所を特定するものである。実際には、端末場所特定部104は、場所特定サーバ200を呼び出し、IPアドレスからその機器が設置されている場所の特定を行う。なお、本実施例では、IP機器の設置場所を特定する機能を、場所特定サーバ200に実装した構成としているが、この機能をIP電話サーバ100と同一筐体に実装した構成としても良い。
【0021】
電話端末121および131は、呼接続処理を行うための呼接続部141と、通話相手の電話端末の位置情報を表示する場所表示部142とを有する。
【0022】
まず、本実施例の特徴に関係するIP機器の場所特定方法について詳述する。これは検索したいIP機器のIPアドレスから、そのIP機器の設置場所を特定する方法である。図2は、この方法を説明する構成図であり、場所特定サーバ200と、ネットワークスイッチ221(以下スイッチと略す)と、これらを接続するネットワーク110と、スイッチ221に接続されたIP機器223とから構成される。場所特定サーバ200は、スイッチ一覧202とPort場所マップ203と、これらのデータを利用してIPアドレスからIP機器の場所を特定できる場所特定部201とを有する。
【0023】
スイッチ一覧202は、図6に示すようにスイッチID701とスイッチIPアドレス702を含む。Port場所マップ203は、図7に示すようにスイッチID703とスイッチPort番号704とフロア705と座席No706を含む。スイッチ一覧202とPort場所マップ203の定義情報は、いずれも社内ネットワークの敷設時にデータ登録することが可能な情報である。また本例では2つのデータテーブルに分けているが、一つのデータテーブルで定義されていても良い。
【0024】
スイッチ221は、外部計算機と情報の授受ができる外部インタフェースを備えたインテリジェントタイプである。スイッチ221の外部インタフェースとしては、Simple Network Management Protocol(以下SNMPと略す)が一般的にも広く利用されている。外部計算機は、SNMPを利用して、スイッチ内で制御しているIP機器223のIPアドレスやMACアドレスの情報を取得することができる。IP機器223は、例えばPCやIP電話機のようなIPネットワークに接続して動作する機器である。図2の構成において、IP機器223の設置場所を特定する処理方式を具体的に説明するために、スイッチ221のスイッチIDは「SW1」、スイッチIPアドレスは「10.0.1.200」を割り当て、フロア220は「大阪」とし、フロア220内の机222には座席No「A1」から座席No「A4」を割振り、「A1」から「A4」に出るLANケーブル224が、スイッチ221のスイッチPortの1番から4番に配線されているものとする。これらの設置情報を各スイッチ一覧202とPort場所マップ203に格納すると、図6、図7に示すようになる。
ここで、IPアドレス「10.0.1.1」とMACアドレス「00:00:00:00:00:01」を持つIP機器223を、座席「A2」上に設置してLANケーブル224に接続しているものとする。
【0025】
図3に、場所特定部201の処理フローを示す。まず、場所特定部201は、検索対象のIPアドレスからMACアドレスを特定する(301)。MACアドレス特定には、スイッチ一覧202に登録されている各スイッチに対して、順にMACアドレス検索コマンドを発行することによりその結果を判定する。MACアドレス検索コマンドは、例えばSNMPを使用すると「snmpget (スイッチのIPアドレス) 1.3.6.1.2.1.4.22.1.2.1.(検索対象のIPアドレス) 」となる。snmpgetはSNMP対応機器に対する情報取得コマンドである。一つ目の引数として情報の取得を要求するスイッチのIPアドレスを指定している。二つ目の引数として取得する情報を規定するパラメータを指定している。本実施例において、スイッチ221に情報を要求する場合は、「snmpget 10.0.1.200 1.3.6.1.2.1.4.22.1.2.1.10.0.1.1」のようになる。前記コマンドの第2引数のうち、下4桁の数字“10.0.1.1”は検索対象のIPアドレスである。スイッチ221はこのコマンドに対して、検索対象のIPアドレスに対応するMACアドレスを持つ機器が接続されている場合は、該当するMACアドレスを返す。例えばSNMPの結果は「1.3.6.1.2.1.4.22.1.2.1.(検索対象のIPアドレス)=(MACアドレス)」と返る。本例では、場所特定部201が、スイッチID「SW1」を検索した結果として、SW1から場所特定部201にIPアドレス「10.0.1.1」に対するMACアドレス「00:00:00:00:00:01」が「1.3.6.1.2.1.4.22.1.2.1.10.0.1.1=00:00:00:00:00:01」と返る。
【0026】
次に、場所特定部201は、MACアドレスからスイッチPort番号を特定する(302)。Port番号特定には、スイッチ一覧202に登録されている各スイッチに対して、順にPort検索コマンドを発行することによりその結果を判定する。Port検索コマンドは、例えばSNMPを使用すると「snmpget (スイッチのIPアドレス) 1.3.6.1.2.1.17.4.3.1.2.(検索MACアドレス)」となる。本実施例において、スイッチ221に情報を要求する場合は、「snmpget 10.0.1.200 1.3.6.1.2.1.17.4.3.1.2.00.00.00.00.00.01」のようになる。スイッチ221はこのコマンドに対して、検索対象のMACアドレスが接続されている場合はその端末が接続されているスイッチのPort番号を返す。例えばSNMPの結果は「1.3.6.1.2.1.17.4.3.1.2.(検索MACアドレス)=(Port番号)」と返る。本例では、スイッチID「SW1」でMACアドレス「00:00:00:00:00:01」の機器が接続されているスイッチのPort番号である「2」が「1.3.6.1.2.1.17.4.3.1.2.00.00.00.00.00.01=2」と返る。
【0027】
次に、場所特定部201は、スイッチIDとスイッチPort番号から設置場所を特定する(303)。場所特定部201は、設置場所の特定をするために、Port場所マップ203のデータレコードを順に検索することにより、処理(302)で得たスイッチIDとスイッチPort番号に対するフロアと座席Noとを取り出す。本例では、スイッチ「SW1」、Port番号「2」を元にPort場所マップ203を検索して、フロアが「大阪」、座席Noが「A2」を得る。
【0028】
以上の一連の処理により、場所特定部201では、与えられたIPアドレスからIP機器223の設置場所を特定することができる。また、本一連の処理において、あらかじめMACアドレスが判っている場合には、処理(301)を省略することも可能である。
【0029】
図3に示した処理方式は、IP機器223の接続場所を遂次検出する方式であり、たとえIP機器223の接続場所が変わったとしても、常に正しい設置場所を特定できる特徴を持つ。例えば、図2において、「A2」に設置されているIP機器223を「A4」に移設して接続した場合、図3の処理(302)においてPort番号「4」を検出することにより、続く処理(303)において、フロア「大阪」、座席No「A4」を正しく得ることができる。このように、前記提案方式はIP機器223の接続状態が時々刻々と変わる場合にも、その時の接続場所を正しく取得できる特徴を持つ。
【0030】
図1において、IP電話サーバ100内の電話端末管理テーブル103は、IP電話システムにおける電話交換機能を果たすために、IP電話端末を登録するテーブルである。電話端末管理テーブル103は、図4に示すように、電話端末に割り当てられた内線番号401とIPアドレス402などの情報を含めて管理されている。本実施例では、この電話端末管理テーブル103に、図4の場所ID403に示すように、電話端末の設置場所を格納できるエリアを設けたことが特徴である。
【0031】
次に、電話端末登録と同時に電話端末の場所を特定する処理方式について説明する。
端末場所特定部104は、端末登録部101で登録する電話端末のIPアドレスを元に電話端末の場所を特定し、この場所情報を電話端末管理テーブル103に登録するものである。電話端末の登録から登録した電話端末の場所特定までの一連のシーケンスを図5に示す。IP電話サーバ100は、電話端末131からREGISTERコマンドを受信すると(611)、場所特定サーバ200に電話端末131の場所の問い合わせを行う(612)。場所特定サーバ200は検索した電話端末131の場所IDをIP電話サーバ100に返信する(613)。最後にIP電話サーバ100は電話端末131に対し200 OKを返す(614)。
【0032】
図5のREGISTERコマンドの処理フローを図13に示す。図13に示す処理は、IP電話端末からのREGISTERコマンドを受信するとSTARTする。まず、REGISTERコマンドで送られてきた内線番号とIPアドレスを呼接続部102が受信する。次に、端末登録部101が、内線番号とIPアドレスを呼接続部102から受け取り、電話端末管理テーブル103に登録する(1501)。例えば、内線番号「3001」とIPアドレス「10.0.1.1」とを持つIP電話端末131が、IP電話サーバにREGISTERコマンドを通知した場合、処理1501により図4に示すようにデータが格納される。
【0033】
次に、端末場所特定部104は、呼接続部102からREGISTERコマンドで送られてきたIPアドレスを受け取り、場所特定サーバ200に、受け取ったIP電話端末のIPアドレスを送り、IP電話端末の場所の特定を要求し、要求を受け付けた場所特定サーバ200がフロアと座席Noを返す(1502)。例えば、IP電話端末131が「大阪」フロアの座席「A2」に設置されており、そのIPアドレスが「10.0.1.1」である場合は、前述の図3の処理により、フロアが「大阪」、座席Noが「A2」を得る。
【0034】
次に、処理(1502)で得たフロアと座席Noを、電話端末管理テーブル103に登録する(1503)。例えば、処理(1502)で、フロアが「大阪」、座席Noが「A2」を得た場合は、処理(1503)により図4に示すように場所ID403に「大阪A2」というデータが格納される。最後に、IP電話端末131に200OKを返す(1504)。以上でREGISTER処理が終了し、IP電話サーバ100は次のコマンド待ち状態に戻る。また、フロア2が「東京」フロアであり、フロア2の座席「B1」に、内線番号「4001」IPアドレス「10.0.2.1」のIP電話端末121を接続した場合、前記同様のREGISTER処理を実行することにより、図4に示すように内線番号「4001」の電話端末情報が設定される。
【0035】
以上の一連の処理にて、IP電話サーバ100内にはIP電話端末の登録と同時に、その端末の設置場所も登録されることになる。IP電話端末131をネットワーク110から切断して、別の場所で再びネットワーク110に接続すると、IP電話サーバ100へ端末登録処理要求であるREGISTERコマンドを送るため、図5および図13の処理により、その場所を新たな設置場所として電話端末管理テーブル103の場所ID403を更新することになる。特にソフトフォンや携帯端末でも、新たな設置場所でネットワークに接続し、REGISTERコマンドを送信するタイミング、つまりIP電話サーバ100に登録するタイミングでその設置場所を更新できるため、常に最新の接続場所を保持することが可能になる。
【0036】
また、端末場所特定部104は、本方式以外の場所解決手段でも良く、内線番号またはIPアドレスからその端末の場所が特定できる手段があれば良い。例えば構内PHSが収容されている基地局の設置場所などで、PHS端末の場所を特定する方式もあり、この場合は拠点フロアのどの階にいるかなどの情報になる。
【0037】
さらに、本発明によれば、時々刻々と変わる電話端末の接続状態をも把握しているため、ユーザや管理者は、必要に応じて電話端末管理テーブル103を参照することにより、内線番号をたよりにその電話端末がどこで接続されているかを知ることが可能となる。
【実施例2】
【0038】
次に、第2のIP電話システムの実施例を示す。すなわち、電話発信時に、発信側電話端末には着信側電話端末の場所を表示し、着信側電話端末には着信と共に発信側電話端末の場所を表示することを可能とするものである。
【0039】
本実施例は、図1に示す、IP電話サーバ100の呼接続部102と、IP電話端末121および131の呼接続部141間で場所情報を授受し、最終的にIP電話端末121および131の表示手段142で相手先の場所情報を表示することにより実現できる。
【0040】
本実施例の説明として、例えば、IP電話サーバ100内の電話端末管理テーブル103には、実施例1記載の端末登録処理が完了して、図4に示すような電話端末のデータが格納されているものとする。また、発信側電話端末121の内線番号が「4001」、着信側電話端末131の内線番号が「3001」であり、本例では、「4001」から「3001」に電話発信した場合の本実施例の処理内容を図8および図14を使い詳述する。
【0041】
図8は、発信側電話端末121から着信側電話端末131に電話発信した際の本実施例における呼接続シーケンスである。本実施例ではINVITEメッセージに対するIP電話サーバ100の処理が特徴である。まず、IP電話サーバ100は、発信側電話端末からINVITEコマンドを受信すると(901)、電話端末管理テーブル103を検索し、発信側電話端末131の位置情報を取得し(902)、INVITEコマンドに付加して着信側電話端末131に送信する(903)。着信側電話端末131はINVITEコマンドを受信すると、INVITEコマンドに付加された発信側電話端末121の位置情報を元に発信側電話端末121の場所をディスプレイなどに表示する(904)。また、IP電話サーバ100は、INVITEコマンドを着信側電話端末131に送信後、電話端末管理テーブル103を検索し、着信側電話端末131の位置情報を取得し(905)、TRYINGコマンドに付加して発信側電話端末121に送信する(906)。発信側電話端末121はTRYINGコマンドを受信すると、TRYINGコマンドに付加された着信側電話端末131の位置情報を元に着信側電話端末131の場所をディスプレイなどに表示する(907)。それぞれの端末に相手の場所情報を通知することにより、それぞれの端末にて相手の場所を表示することを可能としている。
【0042】
図14は、発信側電話端末からのINVITEコマンドを受けて実行されるIP電話サーバ100の処理フローである。まず、INVITEコマンド内の発信側内線番号を取得する(1601)。本例では「4001」を取得する。次に、電話端末管理テーブル103から発信側内線番号に該当する発信側場所IDを取得する(1602)。本例では、取得した内線番号「4001」を元に電話端末管理テーブル103を調べ、該当する場所IDとして「東京B1」を取得する。次に、発信側場所IDを、着信側電話端末に送信するINVITEコマンドに入れ、着信側電話端末にINVITEコマンドを送信する(1603)。本例では、INVITEコマンドの拡張領域に、取得した場所ID「東京B1」を入れて、着信側電話端末131に送信する。
【0043】
次に、電話端末管理テーブル103から着信側内線番号に該当する着信側場所IDを取得する(1604)。本例では、INVITEコマンドがダイヤルした内線番号「3001」を元に、電話端末管理テーブル103を調べ、該当する場所IDとして「大阪A2」を取得する。最後に、着信側場所IDを、発信側電話端末に送信するTRYINGコマンドに入れ、発信側電話端末にTRYINGコマンドを送信する(1605)。本例では、TRYINGコマンドの拡張領域に、取得した場所ID「大阪A2」を入れて、発信側電話端末121に送信する。着信側電話端末131および発信側電話端末121の場所表示部142は、それぞれ受信したINVITEコマンドおよびTRYINGコマンドの拡張領域内の場所IDを取得して、例えば「場所:東京B1」や「場所:大阪A2」という画面表示を行う。
【0044】
以上の一連の処理により、図9に示すように、電話発信者には着信側電話端末131の設置場所が、例えば「場所:大阪A2」のように表示され、電話着信者には発信側電話端末121の設置場所が、例えば「場所:東京B1」のように表示されるようになる。本方式は標準的な呼接続シーケンスを変更することなく、電話端末に相手電話端末の場所表示を可能としている。
【実施例3】
【0045】
次に、IP電話システムの第3の実施例を示す。図10は、本発明の一実施例を示す構成図である。図10は、図1の構成にフロア図表示サーバ1010を追加してIPネットワーク110に接続し、着信側電話端末としてPC1021上の呼接続部1204を有するソフトフォン1022を構成しIPネットワーク110に接続した構成である。PC1021は、呼接続部1024の機能を備えたソフトフォン1022と、フロア図表示サーバ1010のクライアントソフトウェアであるフロア図表示部1023を有する。このフロア図表示サーバ1010とフロア図表示部1023とで、フロア図表示システムが構成される。
【0046】
ここで、フロア図とは、電話端末を利用する施設のフロアのレイアウトを表した図であり、抽象化したモデル図などでもよい。また、フロア図は、屋内だけでなく、屋外のある範囲におけるレイアウトを表してもよい。通話相手の電話端末の位置を表示する際に利用する図である。フロア図表示サーバ1010は、フロア図データ部1012とフロア図送信部1011を有する。フロア図データ部1012には、場所IDに対する表示可能なフロア図データがあらかじめ登録されている。フロア図送信部1011は、フロア図表示部1023からの要求に応じて、該当するフロア図をフロア図データ部から捜し出し、そのフロア図データをフロア図表示部1023に送信する。
【0047】
図10において、例えば、フロア2が東京で、フロア2の「B1」席にある4001番の電話端末121から、フロア1の3001番のソフトフォン1022に電話発信した場合の処理を、図11を用いて詳述する。着信側ソフトフォン1022がINVITEコマンドを受信して発信側電話端末121の場所IDを取得し、表示するまでの動作は図8と同様である。
【0048】
図11において、IP電話サーバ100は,発信側電話端末121からINVITEコマンドを受信し(1101)、電話端末管理テーブル103から発信側電話端末121の場所IDを取得し(1102)、取得した場所IDをINVITEコマンドに付加して着信側ソフトフォン1022に送信する(1103)。着信側ソフトフォン1022はINVITEコマンドを受信すると、INVITEコマンドに付加された発信側電話端末121の場所IDを元に発信側電話端末121の場所をディスプレイなどに表示する(1104)。
【0049】
着信側ソフトフォン1022で発信側の場所を表示するまでの処理は図10と同じである。その後の処理ステップを以下に詳述する。着信側ソフトフォン1022は、発信側の場所を表示したのち、フロア図表示部1023に場所IDを通知する(1105)。本例では、場所IDとして「東京B1」が通知される。次に、フロア図表示部1023は、フロア図表示サーバ1010に場所IDを通知する(1106)。本例では、場所IDとして「東京B1」が通知される。
【0050】
次に、フロア図表示サーバ1010は、通知された場所IDを用いて、図17に示すフロア図データ格納テーブル1900から要求されたフロアのフロア図を検索する(1107)。フロア図データ格納テーブルは場所ID1901と、フロア図1902を含む。本例では場所ID「東京B1」に対応するフロア図データ「東京フロア」が検索される。さらに、フロア図表示サーバ1010は、場所IDとフロア図データを用いて、図18に示す場所IDが検索したフロア図データのどの座標上に位置するかを示す情報を格納した座標格納テーブル2000から、場所IDのフロア図データの対応座標データを検索する。座標格納テーブルはフロア図2001と、場所ID2002と座標データ2003を含む。
【0051】
本実施例では、座標データは、X座標、Y座標で表現している。これ以外にも、フロア図データ情報一定の領域を示すために、矩形の四隅のX座標、Y座標をそれぞれ格納してもよい。本例では、フロア図データ「東京フロア」と場所ID「東京B1」に対応する座標データ「(x1,y1)」が検索される。
【0052】
次に、ステップ(1107)で検索されたフロア図データ及び座標データをフロア図表示部1023に送信する(1108)。最後に、フロア図表示部1023がフロア図をPC上に表示する(1109)。
【0053】
以上の一連の処理により、図12に例示すような表示画面1301をPC1021画面上に表示することが可能となる着信側ソフトフォン1022が電話を着信した時、PC1021画面上の通話相手の表示部1302には、発信側電話端末121の場所IDが表示され、かつ、通話相手の位置表示部1303は、発信側電話端末が設置されているフロア図がビジュアルに表示されることになる。
【0054】
図では、場所IDが「東京B1」となっており、位置表示部1303には、「東京フロア」のレイアウトが表示、場所ID「東京B1」に対応する座標「(x1,y1)」の部分の色を変えることにより、ユーザに対し、通話相手の在席場所を視覚的に通知することが可能である。
また、フロア図表示サーバは、そのフロアの在席状態を表示可能なサーバであっても良く、この場合は、電話着信と同時に、発信側電話端末が設置されているフロア図に社員の在席状態も表示されるようになる。以上の実施形態によれば、電話着信と同時に発信元のフロア図が画面表示されるため、通話相手の場所や周囲の在席状況を確認しながら、安心した会話ができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、IP電話システムに利用することができる。特に接続場所が変わる可能性のあるソフトフォンやIP無線携帯などの電話端末を利用し、その在席場所を知る場合に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施例を示すIP電話システムのブロック図の一例
【図2】場所特定方式を説明する構成図の一例
【図3】場所特定方式を説明する処理フローの一例
【図4】電話端末管理テーブルの一例
【図5】本発明の一実施例を示す端末登録処理シーケンスの一例
【図6】スイッチ一覧の一例
【図7】Port場所マップの一例
【図8】本発明の一実施例を示す接続制御シーケンスの一例
【図9】電話端末に場所表示した図の一例
【図10】本発明の一実施例を示すIP電話システムのブロック図の一例
【図11】ソフトフォン着信時の処理シーケンスの一例
【図12】ソフトフォン着信時のPC画面表示例の一例
【図13】IP電話端末からのREGISTERコマンドを受信すると実行されるIP電話サーバの処理フローの一例
【図14】IP電話端末からのINVITEコマンドを受信すると実行されるIP電話サーバの処理フローの一例
【図15】IP電話サーバ及び場所特定サーバのハードウェア構成の一例
【図16】IP電話端末ハードウェア構成の一例
【図17】フロア図データ格納テーブルの一例
【図18】座標格納テーブルの一例
【符号の説明】
【0057】
100 IP電話サーバ
101 端末登録手段
103 電話端末管理テーブル
104 端末場所特定部
110 ネットワーク
121,131 電話端末
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話端末の場所を表示するIP電話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電話システムは、独立した電話線による接続方式であるため、電話端末や電話番号の移動・変更は容易にはできなかった。しかし近年普及が見られるIP電話システムでは、IPネットワークを介した接続方式であるため、IP電話端末をIPネットワークに接続すればどこでも電話として機能するようになる。このようにIP電話システムでは、IP電話端末の接続場所に特に制約は無く、自由にIP電話端末を移動することが可能となった。
【0003】
一般的なIP電話システムは、IP電話サーバと、各IP電話端末と、これらを接続するネットワークとから構成される。IP電話サーバは、制御対象の電話端末のIPアドレスと対応する電話番号と管理する電話端末管理テーブルと、制御対象の電話端末のIPアドレスと対応する電話番号を電話端末管理テーブルに登録する端末登録部と、電話端末からの電話発信要求に対して相手の電話端末と接続する呼接続部から構成される。各IP電話端末も呼接続部を持つ。IP電話システムでは初期設定として、電話端末管理テーブルに各IP電話端末の電話端末情報を登録することにより、各IP電話端末は初めて電話の発着信が行えることになる。
【0004】
IP電話システムで標準的に利用される呼接続規格にSession Initiation Protocol(以下SIPと略す)がある。SIPには、端末登録方法と呼接続方法の基本シーケンスが規定されている。IP電話システムでは、IP電話端末は、ネットワークへの接続時や電源ON時を契機に、IP電話サーバに、IP電話端末の電話番号とIPアドレスを含む端末登録要求コマンドであるREGISTERを送る。これを受けたIP電話サーバは、端末登録部により、IP電話端末の内線番号やIPアドレスなどのIP電話端末の属性情報を電話端末管理テーブルに登録する。IP電話サーバは、処理結果として正常終了であれば200OKを返す。上記一連の処理にて、IP電話端末がIP電話サーバに登録され、電話端末として機能できるようになる。
【0005】
次に、発信側IP電話端末から着信側IP電話端末に電話発信した場合の処理を説明する。この呼接続処理は、発信側IP電話端末および着信側IP電話端末の呼接続部と、IP電話サーバの呼接続部との間で実行されるものである。
【0006】
まず発信側電話端末は、IP電話サーバに、呼接続要求コマンドであるINVITEを送る。これを受信したIP電話サーバは、電話端末管理テーブルから着信側電話端末の内線番号に対するIPアドレスを割出し、そのIPアドレス宛てにINVITEを送る。また、IP電話サーバは、発信側電話端末に処理中コマンドであるTRYINGを送る。着信側電話端末は、IP電話サーバからの接続要求に対しTRYINGコマンドを返す。次に、着信側電話端末は、呼出音を鳴動すると共に、IP電話サーバに呼出し中コマンドであるRINGINGを送る。IP電話サーバは、これを受信すると、発信側電話端末にRINGINGを送る。着信側電話端末で受話器を取るなどして呼出しに応答すると、着信側電話端末はIP電話サーバに接続可能コマンドである200OKを送る。IP電話サーバは、これを受信すると、発信側電話端末に接続可能コマンドである200OKを送る。
【0007】
発信側電話端末は、これを受信すると、IP電話サーバに接続制御完了コマンドであるACKを送り、音声データの入出力を開始する。IP電話サーバは、これを受け取り、着信側電話端末にACKを送る。着信側電話端末は、これを受信し、接続制御を完了し、音声データの入出力を開始する。以上の一連の呼接続処理により発信側電話端末と着信側電話端末との間で通話が開始される。
【0008】
このようにIP電話端末は、IPネットワークに接続してから自分のIPアドレスをIP電話サーバに登録することにより、IPネットワークのどこに接続しても電話端末として機能できる特徴を持つ。また、SIPは標準規格ではあるが、送受信するコマンドには拡張領域があり、この領域を利用することにより、基本的な呼接続シーケンスを変更することなく、電話端末とIP電話サーバ間や、電話端末同士間での個別データの授受を可能としている。
【0009】
近年流行しているフリーアドレス化オフィスでは、社内のどこに座っても自分のパーソナルコンピュータ(以下PCと略す)をIPネットワークに接続することにより、業務ができるオフィス環境である。このようなオフィス環境には、前述のIP電話システムの特徴が活かされ、座った席に自分の内線番号を持つIP電話機をIPネットワークに接続すれば、IP電話機がIP電話サーバに登録処理をおこなうことで、その席にて自分の内線電話機として利用することが可能となる。IPアドレスに関しては、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)を利用することにより、IP電話機はIPネットワークに接続後に自動で取得することが可能である。また、このフリーアドレス化オフィス向けIP電話端末としては、比較的持ち運びが容易なノート型PC上で機能するソフトフォンが適している。社外持ち運び時の情報漏えいを防止するシン・クライアントの利用も広がり、シン・クライアントでも利用できるソフトフォンも開発されている。IP電話システムでは、この自分の内線電話番号を持ち運べる効果は大きく、例えば出張などで別拠点のオフィスに移動して社内IPネットワークに接続する場合など、社内IPネットワークで接続されているどの拠点においても、自分の内線電話番号で電話の発着信が可能となる。
【0010】
一方、このフリーアドレス化オフィスでは、着席位置が自由であるため、在席位置がわからなくなるという課題がある。この課題に対して、電話端末を用いた在席状態を特定する方法が、例えば、特許文献1で提案されている。特許文献1は、電話端末を利用した場所特定手法の一つであるが、電話端末とPCが一対で接続されて使用することを前提としており、PCが、自身に接続された電話端末の存在をサーバに知らせる仕組みとなっている。つまり、位置情報をサーバに伝えるためのPCが必要となり、電話端末単体ではその場所を特定することはできないという問題がある。
【0011】
【特許文献1】特開2005−94127号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前記の通り、IP電話システムでは、IP電話端末の設置場所が自由になるため、従来のように電話番号から電話端末の設置場所を特定することができなくなった。できたとしても、IP電話端末を利用する場所に位置情報をサーバに伝えるPCなど端末側で特殊な処理を行う必要がった。この場合、端末の位置情報を収集するサーバに加えて、位置情報を送信するための特殊な機能を端末側に持たせる必要があった。そのため、金銭的コストの増大や、全ての端末間で同様の機能を持たせる必要が生じ、拡張面で問題があった。
【0013】
また、電話着信時に発信者番号通知を見ても、発信者がどこから電話発信しているかを把握できず不便であった。また、電話発信元のフロアの状況が把握できず、安心した会話ができず不便であった。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記課題を解決するために、本発明では、IP電話システムのサーバ側に端末の場所を特定する機能を持たせることを特徴とする。これにより、端末側に位置情報をサーバに伝えるための特殊な機能を持たす必要がなくなり、IPネットワークに接続可能なIP電話であれば、メーカや種類に関係なく位置情報の取得が可能となる。また、IP電話サーバに、電話端末に相手の場所情報を通知する手段を構成する。また、電話端末には、受信した場所情報を表示する手段を設けることを特徴とする。また、電話端末が他のプログラムが動作できるPC上のソフトフォンである場合は、ソフトフォンにフロア図表示システムとの連携手段を設けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、場所通知用の特別な機器を設置することなく、現在の電話端末の設置場所を正しく把握することができる。特にソフトフォンや携帯端末など移動型の電話端末の場合でも、現在の場所を把握することができる。また、電話発信時に、発信者と着信者の電話端末に、相手の電話端末の設置場所を表示することができる。これにより、相手がどこから電話をかけてきているかがわかり安心して会話することができる。フリーアドレスオフィスにてPCやシン・クライアントからソフトフォンにて電話をした場合も、正しく在席場所が相手に表示されるようになる。さらに、PC上のソフトフォンに着信した場合は、着信と共に発信元電話端末が設置されているフロア図が表示でき、発信元の周囲の環境や周りの在席者の存在を確認して安心して会話することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0017】
図1は、本発明のIP電話システムの一実施例を示すシステム構成図である。すなわち、社内電話交換機であるIP電話サーバ100と、オフィスの入る建物などの各拠点のフロアに接続される各IP電話端末121および131と、IP機器の場所を特定する場所特定サーバ200と、これらを接続するIPネットワーク110とから構成されている。各IP電話端末121および131は、スイッチやルータなどの中継装置を介してIP電話サーバ100と接続されているものとする。もちろん、中継装置を介さずに直接接続することも可能である。本実施例では、電話端末121はフロアX120中の机122上のB1に存在している。同様に、電話端末131はフロアY130中の机132上のA2に存在している。
【0018】
IP電話サーバ100および場所特定サーバ200のハードウェアは一般的な情報処理装置で良く、そのブロック構成図の一例を図15に示す。図15において、情報処理装置1701はCPU1702とメモリ1703とハードディスクドライブ1704とI/Oインタフェース1705とネットワークインタフェース1706とが通信バス1707で接続された構成である。
【0019】
各IP電話端末121および131のハードウェアは一般的なIP電話装置で良く、そのブロック構成図の一例を図16に示す。一般にIP電話装置は、本体装置1801とマイクスピーカーからなるハンドセット1808とが接続された構成である。本体装置1801は、CPU1802とメモリ1803とネットワークインタフェース1804とアナログ・デジタル変換部1805が通信バス1807で接続され、さらに、アナログ・デジタル変換部1805につながるアナログインタフェース1806から構成される。図1で示した機能は、例えば、プログラムとして実装され、IP電話サーバ100と場所特定サーバ200においては、各機能のプログラムをメモリ1703に読み出し、CPU1702により実行される。IP電話装置1801では、同様に、各機能を実現するプログラムはメモリ1803に読み出され、CPU1802により実行される。
【0020】
IP電話サーバ100は、IP電話端末121および131のIPアドレス、電話番号、位置情報などを保持する電話端末管理テーブル103と、IP電話端末121および131のIPアドレス、電話番号を電話端末管理テーブル103に登録する端末登録部101と、電話接続を行う呼接続部102と、本実施実施例の特徴であるIP機器の設置場所を特定する端末場所特定部104とを有する。端末場所特定部104は、IP機器のIPアドレスからそのIP機器が設置されている場所を特定するものである。実際には、端末場所特定部104は、場所特定サーバ200を呼び出し、IPアドレスからその機器が設置されている場所の特定を行う。なお、本実施例では、IP機器の設置場所を特定する機能を、場所特定サーバ200に実装した構成としているが、この機能をIP電話サーバ100と同一筐体に実装した構成としても良い。
【0021】
電話端末121および131は、呼接続処理を行うための呼接続部141と、通話相手の電話端末の位置情報を表示する場所表示部142とを有する。
【0022】
まず、本実施例の特徴に関係するIP機器の場所特定方法について詳述する。これは検索したいIP機器のIPアドレスから、そのIP機器の設置場所を特定する方法である。図2は、この方法を説明する構成図であり、場所特定サーバ200と、ネットワークスイッチ221(以下スイッチと略す)と、これらを接続するネットワーク110と、スイッチ221に接続されたIP機器223とから構成される。場所特定サーバ200は、スイッチ一覧202とPort場所マップ203と、これらのデータを利用してIPアドレスからIP機器の場所を特定できる場所特定部201とを有する。
【0023】
スイッチ一覧202は、図6に示すようにスイッチID701とスイッチIPアドレス702を含む。Port場所マップ203は、図7に示すようにスイッチID703とスイッチPort番号704とフロア705と座席No706を含む。スイッチ一覧202とPort場所マップ203の定義情報は、いずれも社内ネットワークの敷設時にデータ登録することが可能な情報である。また本例では2つのデータテーブルに分けているが、一つのデータテーブルで定義されていても良い。
【0024】
スイッチ221は、外部計算機と情報の授受ができる外部インタフェースを備えたインテリジェントタイプである。スイッチ221の外部インタフェースとしては、Simple Network Management Protocol(以下SNMPと略す)が一般的にも広く利用されている。外部計算機は、SNMPを利用して、スイッチ内で制御しているIP機器223のIPアドレスやMACアドレスの情報を取得することができる。IP機器223は、例えばPCやIP電話機のようなIPネットワークに接続して動作する機器である。図2の構成において、IP機器223の設置場所を特定する処理方式を具体的に説明するために、スイッチ221のスイッチIDは「SW1」、スイッチIPアドレスは「10.0.1.200」を割り当て、フロア220は「大阪」とし、フロア220内の机222には座席No「A1」から座席No「A4」を割振り、「A1」から「A4」に出るLANケーブル224が、スイッチ221のスイッチPortの1番から4番に配線されているものとする。これらの設置情報を各スイッチ一覧202とPort場所マップ203に格納すると、図6、図7に示すようになる。
ここで、IPアドレス「10.0.1.1」とMACアドレス「00:00:00:00:00:01」を持つIP機器223を、座席「A2」上に設置してLANケーブル224に接続しているものとする。
【0025】
図3に、場所特定部201の処理フローを示す。まず、場所特定部201は、検索対象のIPアドレスからMACアドレスを特定する(301)。MACアドレス特定には、スイッチ一覧202に登録されている各スイッチに対して、順にMACアドレス検索コマンドを発行することによりその結果を判定する。MACアドレス検索コマンドは、例えばSNMPを使用すると「snmpget (スイッチのIPアドレス) 1.3.6.1.2.1.4.22.1.2.1.(検索対象のIPアドレス) 」となる。snmpgetはSNMP対応機器に対する情報取得コマンドである。一つ目の引数として情報の取得を要求するスイッチのIPアドレスを指定している。二つ目の引数として取得する情報を規定するパラメータを指定している。本実施例において、スイッチ221に情報を要求する場合は、「snmpget 10.0.1.200 1.3.6.1.2.1.4.22.1.2.1.10.0.1.1」のようになる。前記コマンドの第2引数のうち、下4桁の数字“10.0.1.1”は検索対象のIPアドレスである。スイッチ221はこのコマンドに対して、検索対象のIPアドレスに対応するMACアドレスを持つ機器が接続されている場合は、該当するMACアドレスを返す。例えばSNMPの結果は「1.3.6.1.2.1.4.22.1.2.1.(検索対象のIPアドレス)=(MACアドレス)」と返る。本例では、場所特定部201が、スイッチID「SW1」を検索した結果として、SW1から場所特定部201にIPアドレス「10.0.1.1」に対するMACアドレス「00:00:00:00:00:01」が「1.3.6.1.2.1.4.22.1.2.1.10.0.1.1=00:00:00:00:00:01」と返る。
【0026】
次に、場所特定部201は、MACアドレスからスイッチPort番号を特定する(302)。Port番号特定には、スイッチ一覧202に登録されている各スイッチに対して、順にPort検索コマンドを発行することによりその結果を判定する。Port検索コマンドは、例えばSNMPを使用すると「snmpget (スイッチのIPアドレス) 1.3.6.1.2.1.17.4.3.1.2.(検索MACアドレス)」となる。本実施例において、スイッチ221に情報を要求する場合は、「snmpget 10.0.1.200 1.3.6.1.2.1.17.4.3.1.2.00.00.00.00.00.01」のようになる。スイッチ221はこのコマンドに対して、検索対象のMACアドレスが接続されている場合はその端末が接続されているスイッチのPort番号を返す。例えばSNMPの結果は「1.3.6.1.2.1.17.4.3.1.2.(検索MACアドレス)=(Port番号)」と返る。本例では、スイッチID「SW1」でMACアドレス「00:00:00:00:00:01」の機器が接続されているスイッチのPort番号である「2」が「1.3.6.1.2.1.17.4.3.1.2.00.00.00.00.00.01=2」と返る。
【0027】
次に、場所特定部201は、スイッチIDとスイッチPort番号から設置場所を特定する(303)。場所特定部201は、設置場所の特定をするために、Port場所マップ203のデータレコードを順に検索することにより、処理(302)で得たスイッチIDとスイッチPort番号に対するフロアと座席Noとを取り出す。本例では、スイッチ「SW1」、Port番号「2」を元にPort場所マップ203を検索して、フロアが「大阪」、座席Noが「A2」を得る。
【0028】
以上の一連の処理により、場所特定部201では、与えられたIPアドレスからIP機器223の設置場所を特定することができる。また、本一連の処理において、あらかじめMACアドレスが判っている場合には、処理(301)を省略することも可能である。
【0029】
図3に示した処理方式は、IP機器223の接続場所を遂次検出する方式であり、たとえIP機器223の接続場所が変わったとしても、常に正しい設置場所を特定できる特徴を持つ。例えば、図2において、「A2」に設置されているIP機器223を「A4」に移設して接続した場合、図3の処理(302)においてPort番号「4」を検出することにより、続く処理(303)において、フロア「大阪」、座席No「A4」を正しく得ることができる。このように、前記提案方式はIP機器223の接続状態が時々刻々と変わる場合にも、その時の接続場所を正しく取得できる特徴を持つ。
【0030】
図1において、IP電話サーバ100内の電話端末管理テーブル103は、IP電話システムにおける電話交換機能を果たすために、IP電話端末を登録するテーブルである。電話端末管理テーブル103は、図4に示すように、電話端末に割り当てられた内線番号401とIPアドレス402などの情報を含めて管理されている。本実施例では、この電話端末管理テーブル103に、図4の場所ID403に示すように、電話端末の設置場所を格納できるエリアを設けたことが特徴である。
【0031】
次に、電話端末登録と同時に電話端末の場所を特定する処理方式について説明する。
端末場所特定部104は、端末登録部101で登録する電話端末のIPアドレスを元に電話端末の場所を特定し、この場所情報を電話端末管理テーブル103に登録するものである。電話端末の登録から登録した電話端末の場所特定までの一連のシーケンスを図5に示す。IP電話サーバ100は、電話端末131からREGISTERコマンドを受信すると(611)、場所特定サーバ200に電話端末131の場所の問い合わせを行う(612)。場所特定サーバ200は検索した電話端末131の場所IDをIP電話サーバ100に返信する(613)。最後にIP電話サーバ100は電話端末131に対し200 OKを返す(614)。
【0032】
図5のREGISTERコマンドの処理フローを図13に示す。図13に示す処理は、IP電話端末からのREGISTERコマンドを受信するとSTARTする。まず、REGISTERコマンドで送られてきた内線番号とIPアドレスを呼接続部102が受信する。次に、端末登録部101が、内線番号とIPアドレスを呼接続部102から受け取り、電話端末管理テーブル103に登録する(1501)。例えば、内線番号「3001」とIPアドレス「10.0.1.1」とを持つIP電話端末131が、IP電話サーバにREGISTERコマンドを通知した場合、処理1501により図4に示すようにデータが格納される。
【0033】
次に、端末場所特定部104は、呼接続部102からREGISTERコマンドで送られてきたIPアドレスを受け取り、場所特定サーバ200に、受け取ったIP電話端末のIPアドレスを送り、IP電話端末の場所の特定を要求し、要求を受け付けた場所特定サーバ200がフロアと座席Noを返す(1502)。例えば、IP電話端末131が「大阪」フロアの座席「A2」に設置されており、そのIPアドレスが「10.0.1.1」である場合は、前述の図3の処理により、フロアが「大阪」、座席Noが「A2」を得る。
【0034】
次に、処理(1502)で得たフロアと座席Noを、電話端末管理テーブル103に登録する(1503)。例えば、処理(1502)で、フロアが「大阪」、座席Noが「A2」を得た場合は、処理(1503)により図4に示すように場所ID403に「大阪A2」というデータが格納される。最後に、IP電話端末131に200OKを返す(1504)。以上でREGISTER処理が終了し、IP電話サーバ100は次のコマンド待ち状態に戻る。また、フロア2が「東京」フロアであり、フロア2の座席「B1」に、内線番号「4001」IPアドレス「10.0.2.1」のIP電話端末121を接続した場合、前記同様のREGISTER処理を実行することにより、図4に示すように内線番号「4001」の電話端末情報が設定される。
【0035】
以上の一連の処理にて、IP電話サーバ100内にはIP電話端末の登録と同時に、その端末の設置場所も登録されることになる。IP電話端末131をネットワーク110から切断して、別の場所で再びネットワーク110に接続すると、IP電話サーバ100へ端末登録処理要求であるREGISTERコマンドを送るため、図5および図13の処理により、その場所を新たな設置場所として電話端末管理テーブル103の場所ID403を更新することになる。特にソフトフォンや携帯端末でも、新たな設置場所でネットワークに接続し、REGISTERコマンドを送信するタイミング、つまりIP電話サーバ100に登録するタイミングでその設置場所を更新できるため、常に最新の接続場所を保持することが可能になる。
【0036】
また、端末場所特定部104は、本方式以外の場所解決手段でも良く、内線番号またはIPアドレスからその端末の場所が特定できる手段があれば良い。例えば構内PHSが収容されている基地局の設置場所などで、PHS端末の場所を特定する方式もあり、この場合は拠点フロアのどの階にいるかなどの情報になる。
【0037】
さらに、本発明によれば、時々刻々と変わる電話端末の接続状態をも把握しているため、ユーザや管理者は、必要に応じて電話端末管理テーブル103を参照することにより、内線番号をたよりにその電話端末がどこで接続されているかを知ることが可能となる。
【実施例2】
【0038】
次に、第2のIP電話システムの実施例を示す。すなわち、電話発信時に、発信側電話端末には着信側電話端末の場所を表示し、着信側電話端末には着信と共に発信側電話端末の場所を表示することを可能とするものである。
【0039】
本実施例は、図1に示す、IP電話サーバ100の呼接続部102と、IP電話端末121および131の呼接続部141間で場所情報を授受し、最終的にIP電話端末121および131の表示手段142で相手先の場所情報を表示することにより実現できる。
【0040】
本実施例の説明として、例えば、IP電話サーバ100内の電話端末管理テーブル103には、実施例1記載の端末登録処理が完了して、図4に示すような電話端末のデータが格納されているものとする。また、発信側電話端末121の内線番号が「4001」、着信側電話端末131の内線番号が「3001」であり、本例では、「4001」から「3001」に電話発信した場合の本実施例の処理内容を図8および図14を使い詳述する。
【0041】
図8は、発信側電話端末121から着信側電話端末131に電話発信した際の本実施例における呼接続シーケンスである。本実施例ではINVITEメッセージに対するIP電話サーバ100の処理が特徴である。まず、IP電話サーバ100は、発信側電話端末からINVITEコマンドを受信すると(901)、電話端末管理テーブル103を検索し、発信側電話端末131の位置情報を取得し(902)、INVITEコマンドに付加して着信側電話端末131に送信する(903)。着信側電話端末131はINVITEコマンドを受信すると、INVITEコマンドに付加された発信側電話端末121の位置情報を元に発信側電話端末121の場所をディスプレイなどに表示する(904)。また、IP電話サーバ100は、INVITEコマンドを着信側電話端末131に送信後、電話端末管理テーブル103を検索し、着信側電話端末131の位置情報を取得し(905)、TRYINGコマンドに付加して発信側電話端末121に送信する(906)。発信側電話端末121はTRYINGコマンドを受信すると、TRYINGコマンドに付加された着信側電話端末131の位置情報を元に着信側電話端末131の場所をディスプレイなどに表示する(907)。それぞれの端末に相手の場所情報を通知することにより、それぞれの端末にて相手の場所を表示することを可能としている。
【0042】
図14は、発信側電話端末からのINVITEコマンドを受けて実行されるIP電話サーバ100の処理フローである。まず、INVITEコマンド内の発信側内線番号を取得する(1601)。本例では「4001」を取得する。次に、電話端末管理テーブル103から発信側内線番号に該当する発信側場所IDを取得する(1602)。本例では、取得した内線番号「4001」を元に電話端末管理テーブル103を調べ、該当する場所IDとして「東京B1」を取得する。次に、発信側場所IDを、着信側電話端末に送信するINVITEコマンドに入れ、着信側電話端末にINVITEコマンドを送信する(1603)。本例では、INVITEコマンドの拡張領域に、取得した場所ID「東京B1」を入れて、着信側電話端末131に送信する。
【0043】
次に、電話端末管理テーブル103から着信側内線番号に該当する着信側場所IDを取得する(1604)。本例では、INVITEコマンドがダイヤルした内線番号「3001」を元に、電話端末管理テーブル103を調べ、該当する場所IDとして「大阪A2」を取得する。最後に、着信側場所IDを、発信側電話端末に送信するTRYINGコマンドに入れ、発信側電話端末にTRYINGコマンドを送信する(1605)。本例では、TRYINGコマンドの拡張領域に、取得した場所ID「大阪A2」を入れて、発信側電話端末121に送信する。着信側電話端末131および発信側電話端末121の場所表示部142は、それぞれ受信したINVITEコマンドおよびTRYINGコマンドの拡張領域内の場所IDを取得して、例えば「場所:東京B1」や「場所:大阪A2」という画面表示を行う。
【0044】
以上の一連の処理により、図9に示すように、電話発信者には着信側電話端末131の設置場所が、例えば「場所:大阪A2」のように表示され、電話着信者には発信側電話端末121の設置場所が、例えば「場所:東京B1」のように表示されるようになる。本方式は標準的な呼接続シーケンスを変更することなく、電話端末に相手電話端末の場所表示を可能としている。
【実施例3】
【0045】
次に、IP電話システムの第3の実施例を示す。図10は、本発明の一実施例を示す構成図である。図10は、図1の構成にフロア図表示サーバ1010を追加してIPネットワーク110に接続し、着信側電話端末としてPC1021上の呼接続部1204を有するソフトフォン1022を構成しIPネットワーク110に接続した構成である。PC1021は、呼接続部1024の機能を備えたソフトフォン1022と、フロア図表示サーバ1010のクライアントソフトウェアであるフロア図表示部1023を有する。このフロア図表示サーバ1010とフロア図表示部1023とで、フロア図表示システムが構成される。
【0046】
ここで、フロア図とは、電話端末を利用する施設のフロアのレイアウトを表した図であり、抽象化したモデル図などでもよい。また、フロア図は、屋内だけでなく、屋外のある範囲におけるレイアウトを表してもよい。通話相手の電話端末の位置を表示する際に利用する図である。フロア図表示サーバ1010は、フロア図データ部1012とフロア図送信部1011を有する。フロア図データ部1012には、場所IDに対する表示可能なフロア図データがあらかじめ登録されている。フロア図送信部1011は、フロア図表示部1023からの要求に応じて、該当するフロア図をフロア図データ部から捜し出し、そのフロア図データをフロア図表示部1023に送信する。
【0047】
図10において、例えば、フロア2が東京で、フロア2の「B1」席にある4001番の電話端末121から、フロア1の3001番のソフトフォン1022に電話発信した場合の処理を、図11を用いて詳述する。着信側ソフトフォン1022がINVITEコマンドを受信して発信側電話端末121の場所IDを取得し、表示するまでの動作は図8と同様である。
【0048】
図11において、IP電話サーバ100は,発信側電話端末121からINVITEコマンドを受信し(1101)、電話端末管理テーブル103から発信側電話端末121の場所IDを取得し(1102)、取得した場所IDをINVITEコマンドに付加して着信側ソフトフォン1022に送信する(1103)。着信側ソフトフォン1022はINVITEコマンドを受信すると、INVITEコマンドに付加された発信側電話端末121の場所IDを元に発信側電話端末121の場所をディスプレイなどに表示する(1104)。
【0049】
着信側ソフトフォン1022で発信側の場所を表示するまでの処理は図10と同じである。その後の処理ステップを以下に詳述する。着信側ソフトフォン1022は、発信側の場所を表示したのち、フロア図表示部1023に場所IDを通知する(1105)。本例では、場所IDとして「東京B1」が通知される。次に、フロア図表示部1023は、フロア図表示サーバ1010に場所IDを通知する(1106)。本例では、場所IDとして「東京B1」が通知される。
【0050】
次に、フロア図表示サーバ1010は、通知された場所IDを用いて、図17に示すフロア図データ格納テーブル1900から要求されたフロアのフロア図を検索する(1107)。フロア図データ格納テーブルは場所ID1901と、フロア図1902を含む。本例では場所ID「東京B1」に対応するフロア図データ「東京フロア」が検索される。さらに、フロア図表示サーバ1010は、場所IDとフロア図データを用いて、図18に示す場所IDが検索したフロア図データのどの座標上に位置するかを示す情報を格納した座標格納テーブル2000から、場所IDのフロア図データの対応座標データを検索する。座標格納テーブルはフロア図2001と、場所ID2002と座標データ2003を含む。
【0051】
本実施例では、座標データは、X座標、Y座標で表現している。これ以外にも、フロア図データ情報一定の領域を示すために、矩形の四隅のX座標、Y座標をそれぞれ格納してもよい。本例では、フロア図データ「東京フロア」と場所ID「東京B1」に対応する座標データ「(x1,y1)」が検索される。
【0052】
次に、ステップ(1107)で検索されたフロア図データ及び座標データをフロア図表示部1023に送信する(1108)。最後に、フロア図表示部1023がフロア図をPC上に表示する(1109)。
【0053】
以上の一連の処理により、図12に例示すような表示画面1301をPC1021画面上に表示することが可能となる着信側ソフトフォン1022が電話を着信した時、PC1021画面上の通話相手の表示部1302には、発信側電話端末121の場所IDが表示され、かつ、通話相手の位置表示部1303は、発信側電話端末が設置されているフロア図がビジュアルに表示されることになる。
【0054】
図では、場所IDが「東京B1」となっており、位置表示部1303には、「東京フロア」のレイアウトが表示、場所ID「東京B1」に対応する座標「(x1,y1)」の部分の色を変えることにより、ユーザに対し、通話相手の在席場所を視覚的に通知することが可能である。
また、フロア図表示サーバは、そのフロアの在席状態を表示可能なサーバであっても良く、この場合は、電話着信と同時に、発信側電話端末が設置されているフロア図に社員の在席状態も表示されるようになる。以上の実施形態によれば、電話着信と同時に発信元のフロア図が画面表示されるため、通話相手の場所や周囲の在席状況を確認しながら、安心した会話ができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、IP電話システムに利用することができる。特に接続場所が変わる可能性のあるソフトフォンやIP無線携帯などの電話端末を利用し、その在席場所を知る場合に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施例を示すIP電話システムのブロック図の一例
【図2】場所特定方式を説明する構成図の一例
【図3】場所特定方式を説明する処理フローの一例
【図4】電話端末管理テーブルの一例
【図5】本発明の一実施例を示す端末登録処理シーケンスの一例
【図6】スイッチ一覧の一例
【図7】Port場所マップの一例
【図8】本発明の一実施例を示す接続制御シーケンスの一例
【図9】電話端末に場所表示した図の一例
【図10】本発明の一実施例を示すIP電話システムのブロック図の一例
【図11】ソフトフォン着信時の処理シーケンスの一例
【図12】ソフトフォン着信時のPC画面表示例の一例
【図13】IP電話端末からのREGISTERコマンドを受信すると実行されるIP電話サーバの処理フローの一例
【図14】IP電話端末からのINVITEコマンドを受信すると実行されるIP電話サーバの処理フローの一例
【図15】IP電話サーバ及び場所特定サーバのハードウェア構成の一例
【図16】IP電話端末ハードウェア構成の一例
【図17】フロア図データ格納テーブルの一例
【図18】座標格納テーブルの一例
【符号の説明】
【0057】
100 IP電話サーバ
101 端末登録手段
103 電話端末管理テーブル
104 端末場所特定部
110 ネットワーク
121,131 電話端末
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電話端末とネットワークを介して接続される呼接続装置であって、
前記複数の電話端末同士の呼接続処理を行うための呼接続部と、
前記電話端末のIPアドレスを登録する端末登録部と、
前記電話端末の設置場所を特定する端末場所特定部とを備えることを特徴とする呼接続装置。
【請求項2】
請求項1記載の呼接続装置であって、
前記電話端末と接続される中継装置を管理する中継装置一覧記憶部と、前記電話端末と接続するための前記中継装置が有する複数の通信インタフェースを管理する通信インタフェース一覧記憶部とを備え、
前記端末場所特定部は、前記中継装置一覧記憶部と、前記通信インタフェース一覧記憶部とを参照し、前記電話端末の位置を特定することを特徴とする呼接続装置。
【請求項3】
複数の電話端末とネットワークを介して接続される呼接続装置であって、
前記複数の電話端末同士の呼接続処理を行うための呼接続部と、前記電話端末のIPアドレスを登録する端末登録部と、前記電話端末の設置場所を特定する端末場所特定部とを備え、
前記端末場所特定部は、前記電話端末と接続される中継装置を管理する中継装置一覧記憶部と、前記電話端末と接続するための前記中継装置が有する複数の通信インタフェースを管理する通信インタフェース一覧記憶部とを備え、
前記呼接続部は、前記電話端末が前記通信インタフェースに接続される毎に、前記端末登録部を介して前記電話端末のIPアドレスを取得し、
前記端末場所特定部は、前記中継装置一覧記憶部と前記通信インタフェース一
覧記憶部を参照し、前記電話端末のIPアドレスを利用し、前記接続された電話
端末が、どの中継装置のどの通信インタフェースに接続されているかを調べるこ
とを特徴とする呼接続装置。
【請求項4】
請求項3記載の呼接続装置であって、
前記中継装置一覧記憶部は、前記中継装置を一意に識別可能な識別子と、前記
中継装置のIPアドレスの対応を格納することを特徴とする呼接続装置。
【請求項5】
請求項4記載の呼接続装置であって、
前記通信インタフェース一覧記憶部は、前記中継装置を一意に識別可能な識別
子と、前記通信インタフェースを一意に識別可能な識別子と、前記通信インタフ
ェースと対応する位置情報の対応を格納することを特徴とする呼接続装置。
【請求項6】
請求項5記載の呼接続装置であって、
前記端末場所特定部は、前記中継装置一覧記憶部に記憶されている識別子に対応する中継装置に対し、前記電話端末のIPアドレスを探索キーとして前記電話端末のMACアドレスを要求し、
前記電話端末の接続された前記中継装置から前記電話端末のMACアドレスを受信すると、前記電話端末のMACアドレスを返信してきた前記中継装置に対し、前記電話端末のMACアドレスを探索キーとして前記電話端末が接続されている前記通信インタフェースの識別子を要求し、
前記電話端末が接続されている前記通信インタフェースの識別子を受信すると、前記通信インタフェース一覧記憶部を参照し、受信した前記電話端末が接続されている前記通信インタフェースの識別子に対応する位置情報を取得することを特徴とする呼接続装置。
【請求項7】
複数の電話端末とネットワークを介して接続され、通話相手の電話端末の位置情報を前記電話端末に提供する呼接続装置であって、
前記電話端末の識別情報と位置情報の対応を格納した電話端末管理部と、
発信側電話端末からの呼接続要求を受信すると、前記呼接続要求に含まれる発信側電話端末の識別情報を用いて、前記電話端末管理部から前記発信側電話端末の位置情報を取り出し、前記呼接続要求に付加し、前記呼接続要求を前記受信側端末に転送し、
前記呼接続要求に含まれる着信側電話端末の識別情報から、前記電話端末管理部から前記着信側電話端末の位置情報を取り出し、前記位置情報を付加した前記呼接続要求に対する応答を前記発信側電話端末に送信する呼接続部を備えることを特徴とする呼接続装置。
【請求項8】
請求項7記載の呼接続装置であって、
前記電話端末が使用される建物のフロア図を記憶したフロア図記憶部と、
前記呼接続要求を受信した前記着信側電話端末又は前記応答メッセージを受信した前記発信側電話端末から、それぞれ通話相手の電話端末の位置情報に応じたフロア図の要求を受けると、前記発信側電話端末又は前記着信側電話端末に、それぞれ前記通話する前記電話端末の位置情報に応じたフロア図を返信するフロア図送信部を備えることを特徴とする呼接続装置。
【請求項9】
ネットワークを介して接続される複数の電話端末であって、
前記電話端末の識別子と位置情報の管理を行う呼接続装置と呼接続処理を行い、前記呼接続処理中に、前記呼接続装置から通話相手の電話端末の位置情報を含むメッセージを受信する呼接続部と、
前記受信した通話相手の電話端末の位置情報を表示する場所表示部を備えることを特徴とする電話端末。
【請求項10】
請求項9記載の電話端末であって、
通話相手の電話端末と呼接続する場合、前記呼接続部により、前記呼接続装置に呼接続要求を送信し、
前記呼接続部により、前記呼接続装置から、前記通信相手の電話端末の位置情報を含む前記呼接続要求に対する応答を受信し、
前記場所表示部により、前記受信した通信相手の端末の位置情報を表示することを特徴とする電話端末。
【請求項11】
請求項9記載の電話端末であって、
通話相手の電話端末から呼接続要求を受ける場合、前記呼接続部により、前記呼接続装置から、前記通信相手の電話端末の位置情報を含む呼接続要求の転送を受信し、
前記場所表示部により、前記受信した通信相手の端末の位置情報を表示することを特徴とする電話端末。
【請求項12】
請求項9記載の電話端末であって、
前記場所表示部は、前記呼接続装置に対し、前記受信した通話相手の電話端末の位置情報に対応するフロア図を要求することを特徴とする電話端末。
【請求項13】
請求項11記載の電話端末であって、
前記フロア図には、前記受信した通話相手の電話端末の位置情報に対応する座席が含まれており、
前記場所表示部は、前記受信した通話相手の電話端末の位置情報に対応する座席の色を変えて、前記フロア図を表示することを特徴とする電話端末。
【請求項14】
複数の電話端末と、前記電話端末の呼接続処理を行う呼接続装置がネットワークを介して接続される電話システムであって、
前記電話端末は、前記呼接続装置と呼接続処理を行い、前記呼接続処理中に、前記呼接続装置から通話相手の電話端末の位置情報を含むメッセージを受信する呼接続部と、前記受信した通話相手の電話端末の位置情報を表示する場所表示部を備え、
前記呼接続装置は、前記複数の電話端末同士の呼接続処理を行うための呼接続部と、前記電話端末のIPアドレスを登録する端末登録部と、前記端末登録部により前記電話端末に関する情報を格納する電話端末管理記憶部と、電話端末のIPアドレスが呼接続装置に登録されると、前記電話端末の設置場所を特定する端末場所特定部とを備えることを特徴とする呼接続装置。
【請求項1】
複数の電話端末とネットワークを介して接続される呼接続装置であって、
前記複数の電話端末同士の呼接続処理を行うための呼接続部と、
前記電話端末のIPアドレスを登録する端末登録部と、
前記電話端末の設置場所を特定する端末場所特定部とを備えることを特徴とする呼接続装置。
【請求項2】
請求項1記載の呼接続装置であって、
前記電話端末と接続される中継装置を管理する中継装置一覧記憶部と、前記電話端末と接続するための前記中継装置が有する複数の通信インタフェースを管理する通信インタフェース一覧記憶部とを備え、
前記端末場所特定部は、前記中継装置一覧記憶部と、前記通信インタフェース一覧記憶部とを参照し、前記電話端末の位置を特定することを特徴とする呼接続装置。
【請求項3】
複数の電話端末とネットワークを介して接続される呼接続装置であって、
前記複数の電話端末同士の呼接続処理を行うための呼接続部と、前記電話端末のIPアドレスを登録する端末登録部と、前記電話端末の設置場所を特定する端末場所特定部とを備え、
前記端末場所特定部は、前記電話端末と接続される中継装置を管理する中継装置一覧記憶部と、前記電話端末と接続するための前記中継装置が有する複数の通信インタフェースを管理する通信インタフェース一覧記憶部とを備え、
前記呼接続部は、前記電話端末が前記通信インタフェースに接続される毎に、前記端末登録部を介して前記電話端末のIPアドレスを取得し、
前記端末場所特定部は、前記中継装置一覧記憶部と前記通信インタフェース一
覧記憶部を参照し、前記電話端末のIPアドレスを利用し、前記接続された電話
端末が、どの中継装置のどの通信インタフェースに接続されているかを調べるこ
とを特徴とする呼接続装置。
【請求項4】
請求項3記載の呼接続装置であって、
前記中継装置一覧記憶部は、前記中継装置を一意に識別可能な識別子と、前記
中継装置のIPアドレスの対応を格納することを特徴とする呼接続装置。
【請求項5】
請求項4記載の呼接続装置であって、
前記通信インタフェース一覧記憶部は、前記中継装置を一意に識別可能な識別
子と、前記通信インタフェースを一意に識別可能な識別子と、前記通信インタフ
ェースと対応する位置情報の対応を格納することを特徴とする呼接続装置。
【請求項6】
請求項5記載の呼接続装置であって、
前記端末場所特定部は、前記中継装置一覧記憶部に記憶されている識別子に対応する中継装置に対し、前記電話端末のIPアドレスを探索キーとして前記電話端末のMACアドレスを要求し、
前記電話端末の接続された前記中継装置から前記電話端末のMACアドレスを受信すると、前記電話端末のMACアドレスを返信してきた前記中継装置に対し、前記電話端末のMACアドレスを探索キーとして前記電話端末が接続されている前記通信インタフェースの識別子を要求し、
前記電話端末が接続されている前記通信インタフェースの識別子を受信すると、前記通信インタフェース一覧記憶部を参照し、受信した前記電話端末が接続されている前記通信インタフェースの識別子に対応する位置情報を取得することを特徴とする呼接続装置。
【請求項7】
複数の電話端末とネットワークを介して接続され、通話相手の電話端末の位置情報を前記電話端末に提供する呼接続装置であって、
前記電話端末の識別情報と位置情報の対応を格納した電話端末管理部と、
発信側電話端末からの呼接続要求を受信すると、前記呼接続要求に含まれる発信側電話端末の識別情報を用いて、前記電話端末管理部から前記発信側電話端末の位置情報を取り出し、前記呼接続要求に付加し、前記呼接続要求を前記受信側端末に転送し、
前記呼接続要求に含まれる着信側電話端末の識別情報から、前記電話端末管理部から前記着信側電話端末の位置情報を取り出し、前記位置情報を付加した前記呼接続要求に対する応答を前記発信側電話端末に送信する呼接続部を備えることを特徴とする呼接続装置。
【請求項8】
請求項7記載の呼接続装置であって、
前記電話端末が使用される建物のフロア図を記憶したフロア図記憶部と、
前記呼接続要求を受信した前記着信側電話端末又は前記応答メッセージを受信した前記発信側電話端末から、それぞれ通話相手の電話端末の位置情報に応じたフロア図の要求を受けると、前記発信側電話端末又は前記着信側電話端末に、それぞれ前記通話する前記電話端末の位置情報に応じたフロア図を返信するフロア図送信部を備えることを特徴とする呼接続装置。
【請求項9】
ネットワークを介して接続される複数の電話端末であって、
前記電話端末の識別子と位置情報の管理を行う呼接続装置と呼接続処理を行い、前記呼接続処理中に、前記呼接続装置から通話相手の電話端末の位置情報を含むメッセージを受信する呼接続部と、
前記受信した通話相手の電話端末の位置情報を表示する場所表示部を備えることを特徴とする電話端末。
【請求項10】
請求項9記載の電話端末であって、
通話相手の電話端末と呼接続する場合、前記呼接続部により、前記呼接続装置に呼接続要求を送信し、
前記呼接続部により、前記呼接続装置から、前記通信相手の電話端末の位置情報を含む前記呼接続要求に対する応答を受信し、
前記場所表示部により、前記受信した通信相手の端末の位置情報を表示することを特徴とする電話端末。
【請求項11】
請求項9記載の電話端末であって、
通話相手の電話端末から呼接続要求を受ける場合、前記呼接続部により、前記呼接続装置から、前記通信相手の電話端末の位置情報を含む呼接続要求の転送を受信し、
前記場所表示部により、前記受信した通信相手の端末の位置情報を表示することを特徴とする電話端末。
【請求項12】
請求項9記載の電話端末であって、
前記場所表示部は、前記呼接続装置に対し、前記受信した通話相手の電話端末の位置情報に対応するフロア図を要求することを特徴とする電話端末。
【請求項13】
請求項11記載の電話端末であって、
前記フロア図には、前記受信した通話相手の電話端末の位置情報に対応する座席が含まれており、
前記場所表示部は、前記受信した通話相手の電話端末の位置情報に対応する座席の色を変えて、前記フロア図を表示することを特徴とする電話端末。
【請求項14】
複数の電話端末と、前記電話端末の呼接続処理を行う呼接続装置がネットワークを介して接続される電話システムであって、
前記電話端末は、前記呼接続装置と呼接続処理を行い、前記呼接続処理中に、前記呼接続装置から通話相手の電話端末の位置情報を含むメッセージを受信する呼接続部と、前記受信した通話相手の電話端末の位置情報を表示する場所表示部を備え、
前記呼接続装置は、前記複数の電話端末同士の呼接続処理を行うための呼接続部と、前記電話端末のIPアドレスを登録する端末登録部と、前記端末登録部により前記電話端末に関する情報を格納する電話端末管理記憶部と、電話端末のIPアドレスが呼接続装置に登録されると、前記電話端末の設置場所を特定する端末場所特定部とを備えることを特徴とする呼接続装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2009−171478(P2009−171478A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−9988(P2008−9988)
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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