説明

電話機、通話システム

【課題】電話機であって、着呼時にユーザのおかれている状況に応じて通話時間が制限される場合に、その旨を発呼側に伝達し、制限された時間内での通話を実行する。
【解決手段】 着呼時に、ユーザからの時間情報を受け付けた電話機は、発呼側の電話機に時間情報を送信する。発呼側の電話機の了解を得られた場合に、電話機のユーザは通話を開始する。通話の開始とともに電話機は、受け付けた時間情報で示される時間をカウントダウンする。そして、カウントが「0」になると、電話機は強制的に通話回線を遮断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話機における通話に関し、特に通話の制限に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機におけるマナーが重要視されている。使用上のマナーとしては、例えば、公共の場において着信音を鳴らさないとか、電車に乗っているときの通話の制限などがある。携帯電話機には、ユーザがマナーを守らせるための機能として、例えば、着呼を受けたときに着信音を音声で報知しないマナーモードなどの機能がある。但しマナーモードに設定するか否かは、ユーザの自主性に重きがおかれ、実際に、マナーに従うか否かはユーザの任意による。
【0003】
通話の制限に関する技術としては、例えば、特許文献1に示すものがある。
【特許文献1】特開2003−224881号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通話を開始する前に、予め通話できる時間が制限されていることがある。例えば、駅のホームで電車待ちをしている状況などである。このとき、着呼を受ける前にあまり時間がないのに、電話に出るのはどうかとためらうユーザもいるだろう。マナーとして乗車中は、通話しないようにすることが尊ばれるが、上述したような電車を待っているときに着呼を受けた場合に、より柔軟に対応できるような機能を有する電話機がないのが現状である。
【0005】
また、電話に出て、今から電車に乗るからと断りを入れるだけであれば、ユーザによっては課金のルールによっては発呼側の相手に無駄な電話料金が発生すると懸念する者もいるだろう。
【0006】
そこで、本発明においては、着呼を受けたときに、ユーザがあまり通話できないことを容易に発呼側の電話機に伝達でき、通話を実行した場合には定められた時間内に通話を終了できる電話機を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る電話機は、着呼時にユーザから時間情報の入力を受け付ける受付手段と、受け付けた時間情報を発呼側の電話機に送信する送信手段と、通話の開始とともに、経過時間を計測する計測手段と、前記経過時間と前記時間情報で示される時間とを比較し、比較した結果に応じた所定の制御を実行する制御手段とを備えることを特徴としている。
【0008】
また、本発明に係る通話システムは、着呼時にユーザから時間情報の入力を受け付ける時間情報受付手段と、受け付けた時間情報を発呼側の電話機に送信する送信手段と、前記時間情報の送信に応答して発呼側電話機から返信された通話可否信号に応じてユーザからのオフフック操作を受け付けるオフフック受付手段と、通話の開始とともに、経過時間を計測する計測手段と、前記経過時間と前記時間情報で示される時間とを比較し、比較した結果に応じた所定の制御を実行する制御手段とを備える着呼側電話機と、前記時間情報を受信して、当該時間情報で示される時間を表示する表示手段と、前記時間の表示後にユーザから、通話を実行するか否かを示す入力を受け付ける入力受付手段と、前記入力受付手段で受け付けた内容に従って、通話を実行するか否かの情報を含む通話可否信号を送信する送信手段とを備える発呼側電話機とを含んで構成されることを特徴としている。
【0009】
ここで所定の制御とは、例えば、通話の終了、通話時間の経過の報知などがある。
【発明の効果】
【0010】
上述のような構成によって、電話機は、着呼時にユーザからの入力に基づいて、発呼側の電話機に対して、通話時間が制限されていることを通知できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
<実施の形態>
<概要>
本発明に係る電話機は、着呼時に、発呼側の電話機に対して、通話可能な時間を通話を開始する前に通達する。そして、着呼側電話機は、通話を開始してから、通達した通話可能な時間が経過すると強制的に通話を終了する。
<構成>
以下、本発明の一実施形態である携帯電話機について図面を用いて説明する。
【0012】
図1は、携帯電話機100の外観図であり、図2は、携帯電話機100の機能構成を示した機能ブロック図である。図1に示すように携帯電話機100は、操作部120としてテンキー群や、オフフックキー121、オンフックキー122を含んで構成される。
【0013】
図2に示すように、携帯電話機100は、通信部110と、操作部120と、音声処理部130と、表示部140と、タイマ150、記憶部160と、制御部170とを含んで構成される。
【0014】
通信部110は、アンテナ111から受け取った受信信号を受話音声信号及び受信データ信号に復調し、復調した受話音声信号や、受信データ信号を制御部170に出力する機能を有する。また、通信部110は、音声処理部130でA/D変換された送話音声信号、及び制御部170から与えられる電子メールなどの送信データ信号を変調し、通信用アンテナ111から出力する機能を有する。
【0015】
操作部120は、テンキー群、オンフックキー、オフフックキー、方向キー、決定キー、メールキー、サイドキーなどを含み、ユーザの操作を受け付け、受け付けた操作内容を制御部170に出力する機能を有する。
【0016】
音声処理部130は、通信部110から出力された受話音声信号をD/A変換してスピーカ132に出力する機能と、マイク131から取得した送話音声信号をA/D変換し、変換された信号を制御部170に出力する機能を有する。
【0017】
表示部140は、LCD(Liquid Crystal Display)などによって実現されるディスプレイを含み、制御部170の指示による画像をディスプレイに表示する機能を有する。
【0018】
タイマ150は、制御部170からの指示に従い、経過した通話時間をカウントする機能を有する。具体的には、タイマ150は、制御部170から指定された通話時間をカウントダウンする。また、タイマ150は、時間が残り1分になったタイミングと、0になったタイミングで、その旨を制御部170に通知する機能も有する。
【0019】
記憶部160は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を含んで構成され、小型ハードディスクや不揮発性メモリなどによって実現される。記憶部160は、携帯電話機100の動作上必要な各種データやプログラムの他、音楽データや画像データなどを記憶する機能を有する。音楽データは、例えば、通信部110を介して、ネットからダウンロードされたコンテンツであり、操作部120でユーザからの指示を受け付けて、スピーカ132からその音声が出力される。また、画像データは、例えば、携帯電話機100に備えられたカメラ(図示せず)により撮影された画像であり、画像データの内容が表示部140において表示されたり、画像データがメールに添付されて通信部110を介して通信先に送信されたりする。
【0020】
また、記憶部160は、通話時間が残り1分になったタイミングで報知する音声メッセージを記憶している。
【0021】
制御部170は、CPU(Central Processing Unit)であり、携帯電話機100の各部を制御する機能を有する。
【0022】
また、制御部170は、着呼時にオフフックキーが押下されるまでの間にユーザーからの操作部120への時間情報の入力があるかを検出する。そして、制御部170は、時間情報の入力があった場合に、入力された時間情報を通信部110に発呼先の電話機に出力させる。なお、当該出力を受けて、発呼側の電話機では、受け取った時間情報で示される時間を、予め記憶している文書の指定箇所に当てはめて発呼先の電話との通話の時間が受信した時間情報で示される時間に制限されている旨の文書を表示する。なお、発呼側の電話機は、予め、「申し訳ありませんが、後、X分だけしか通話できませんが、かまいませんか?」という文書データを記憶しており、当該文書の「X」に受け取った時間情報で示される時間が挿入される。
【0023】
そして、制御部170は、操作部120でユーザからの時間情報の入力を受け付けたタイミングから、コマンドに対応する時間をタイマ150にカウントダウンさせる。そして、タイマ150から、カウントが残り1分になった時点で、通話時間が残り1分である旨を示す音声メッセージを音声処理部130に出力させる。タイマ150からカウントが0になった通知を受け付けた場合には、制御部170は、通信部110に通話の回線を強制的に遮断させる。
<動作>
次に、本実施の形態の動作を図4に示すタイミングチャートを用いて説明する。
【0024】
図4は、発呼側携帯電話機200と着呼側携帯電話機100との間の通話に関するやり取りを示したタイミングチャートである。なお、発呼側携帯電話機200と、着呼側携帯電話機100は説明の便宜上区別するための名称でありその構成は上述の携帯電話機100と同様である。
【0025】
まず、ユーザからの入力に基づいて発呼側携帯電話機200から着呼側携帯電話機100に対して発呼が行われる(ステップS401)。
【0026】
発呼側携帯電話機200からの発呼を受けた着呼側携帯電話機100のユーザは、例えば、駅のホームにいたりして通話の残り時間が制限されている状況にあるとする。
【0027】
そこで、ユーザは、着呼側携帯電話機100のオフフックキーを押下せずに、時間情報を入力し、着呼側携帯電話機100は時間情報の入力を検出する(ステップS402)。例えば、数字キーの「4」を押下したとする。この「4」は、「4分」を意味する。
【0028】
すると着呼側携帯電話機100は、発呼を受けている状態で、時間情報を発呼側携帯電話機200に送信する(ステップS403)。
【0029】
時間情報を受信すると発呼側携帯電話機200は、受け付けた時間情報に基づいて着呼側携帯電話機100のユーザが通話可能な時間が制限されていることを報知する。例えば、図3(a)に示すように、「申し訳ありませんが、後、4分だけしか通話できませんが、かまいませんか?」とディスプレイにGUI(Graphical User Interface)を表示したりすることで報知する。
【0030】
表示されたメッセージを確認した発呼側携帯電話機200のユーザは、制限された時間での通話を実行するか否かを入力する(ステップS404)。ここで、ユーザは通話を実行することを選択したとする(図3(a)の「はい」を選択)。
【0031】
発呼側携帯電話機200は、ユーザから受け付けた入力内容に従って制限時間のある通話を実行するのか否かを示す通話可否信号を着呼側携帯電話機100に送信する(ステップS405)。
【0032】
通話可否信号を受け付けた着呼側携帯電話機100は、制限時間のある通話が了承された旨を、図3(b)のように表示する。表示内容を確認したユーザは、オフフックキーを押下する。オフフックキーの押下を受け付けると着呼側携帯電話機100は、通話の経過時間をカウントする(ステップS406)。そして、発呼側携帯電話機200と着呼側携帯電話機100との間で通話が実行される(ステップS407)。発呼側携帯電話機200では、着呼側携帯電話機100におけるユーザからのオフフック操作を受けて、着呼側携帯電話機100から基地局に対して、通話を開始する旨の信号を送出し、基地局が通話回線を開いたときから通話が開始される。
【0033】
着呼側携帯電話機100は、経過時間が入力された時間情報(ここでは4分)の1分前(つまり通話の開始から3分後)に、通話が残り1分で終了することを音声でスピーカから報知する。報知された内容は、着呼側携帯電話機100のマイクを通じて発呼側携帯電話機200にも通達される。なお、この際、一時的にエコーキャンセラー機能は作動しないように制御する。
【0034】
そして、通話開始から入力された時間情報に相当する時間、つまり4分が経過すると、着呼側携帯電話機100は通話を強制的に終了して(ステップS410)、処理を終了する。
【0035】
最後に着呼側の電話機である携帯電話機100の着呼時の動作を図5のフローチャートに基づいて説明する。
【0036】
携帯電話機100の通信部110は、アンテナ111を介して着呼を受け付ける(ステップS501)。
【0037】
制御部170は、操作部120におけるユーザからの時間情報の入力があるか否かを検出する(ステップS502)。制御部170は、着呼中にオフフックキーの押下以外の操作が操作部120に対してなされた場合であって、その操作が数字キーの押下である場合に、押下された数字キーの数字に該当する数字を通話可能な時間とする。なお、1回目の数字キーの押下から所定時間内、例えば2秒以内に次の数字キーの押下があった場合には、1回目と2回目との入力を併せた分の数となる。つまり、制御部170は、例えば、1回目に「1」が押下された後、所定時間以内に「5」が押下された場合には、時間情報は「15分」であると判断する。
【0038】
ユーザからの時間情報の入力を受け付けた場合(ステップS502のYES)には、制御部170は、時間情報を通信部110に発呼している電話機に送信させる(ステップS503)。携帯電話機100は、入力された時間情報のパケットデータを発呼に用いられている回線を通じて発呼側の電話機に送信する。発呼側の電話機では、送信されきたパケットデータの時間情報が解析されて、通話時間が制限された通話時間を実行するか否かを問いかけるGUI301が表示される。
【0039】
通信部110は、発呼側の電話機から送信された通話を実行してもよいか否かを示す通話可否信号を受信する(ステップS504)。
【0040】
制御部170は、受け付けた通話可否信号が通話を実行してもよい旨を示す場合に、表示部140に図3(b)のGUI302に示すような内容を表示させる。なお、制御部170は、通話可否信号が通話できない旨を示す場合に、表示部140に図3(c)のGUI303に示すような内容を表示させ、処理を終了する。携帯電話機100では、通話可否信号を受けることで発呼側のユーザの了解を得て、通話時間が制限された通話を実行することができる。これにより、発呼側の了解を得ていることから、携帯電話機100のユーザは、発呼側のユーザが通話に課金がなされるプランに加入していたとしても発呼側のユーザに対して無駄な電話料金が発生するといったことを懸念する必要がなくなる。
【0041】
ユーザからの操作部120のオフフックキーを介してオフフック操作を受け付けると、制御部170は、タイマ150に入力された時間情報から、時間をカウントダウンさせる(ステップS505)。
【0042】
オフフック操作を受け付けることで、携帯電話機100のユーザは発呼側の電話機のユーザと会話を開始する。
【0043】
タイマ150は、残り時間が1分になると、その旨を制御部170に伝達する。制御部170は、通話の残り時間が1分であることを示す音声メッセージを音声処理部130に報知させる。このとき、一時的に制御部170は、エコーキャンセラ機能をきり、スピーカ132から報知された音声メッセージは、マイク131から回収され、発呼側の電話機にも伝達される(ステップS506)。
【0044】
そして、タイマ150は、時間をカウントダウンし終え、0になると、制御部170にその旨を伝達する。すると、制御部170は、通信部110に通話回線を強制的に遮断させ、通話を終了し(ステップS507)、処理を終了する。
【0045】
ステップS502において、ユーザからの時間情報の入力がない場合(ステップS502のNO)、制御部170は、操作部120を介してオフフックキーの押下があるか否かを検出する(ステップS508)。
【0046】
オフフックキーの押下がない場合には(ステップS508のNO)、制御部170は、ステップS502に戻り、以降の処理を実行する。
【0047】
オフフックキーの押下があった場合には(ステップS508のYES)、制御部170は、通常通りの通話を実行し(ステップS509)、ユーザからのオンフックキーの押下を受け付けて処理を終了する。
【0048】
以上が、本実施の形態に係る携帯電話機100の動作である。
【0049】
以上に説明してきたように、本発明に係る携帯電話機100は、着呼時に発呼側の電話機に対して通話可能な時間を通達できるとともに、通話を実行した場合には、通話可能な時間が経過すると強制的に通話を終了することができる。強制的に通話を終了することで、ユーザが例えば会話が弾んだりして電話を切りにくい状況になったとしても予定通りに通話を終了することができる。
<補足>
上記実施形態において、本発明の実施の手法について説明してきたが、本発明の実施形態がこれに限られないことは勿論である。以下、上記実施形態以外に本発明の思想として含まれる各種の変形例について説明する。
(1)上記実施形態では、本発明に係る電話機として、携帯電話機を例に説明したが、電話機は、通話とメッセージを報知する機能を有する機器であればよく、例えば通話機能を有するPDA(Personal Digital Assistants)や、据え置き型の電話機などであってもよい。
(2)上記実施の形態では、着呼時に通話前に通話する時間を定め、そのまま定められた時間が経過したならば通話を強制終了する構成となっている。しかし、通話を強制終了するための時間情報を入力したものの、ユーザによっては、通話を継続したくなる事態が想定される。
【0050】
そこで、携帯電話機100には更に以下の構成をもたせてもよい。つまり、制御部170は、タイマ150が定められた通話時間の経過をカウントするまで、操作部120からユーザからの所定の入力があるか否かをモニタする。そして、制御部170は、当該所定の入力があった場合には、タイマ150にカウントを終了させ、通話の強制終了のプロセスを停止する。所定の入力としては、例えば、クリアキーの押下などを通話の強制終了のプロセスを終了するためのトリガとして割り当てればよい。携帯電話機の場合、通話の強制終了の解除は、通話している状態を鑑みて、サイドキーに割り当てることが望ましい。
【0051】
これにより、通話の強制終了を実行する入力を行った後でも、当該通話の強制終了のためのプロセスを中止して通話を継続させることができる。
(3)上記実施の形態では、通話の残り時間は、音声によってユーザに通知されたが、ディスプレイにその旨を表示してもよい。この場合、携帯電話機100は、発呼側の携帯電話機に対して、通話中に通話が残り1分だけである旨を示す信号を送信する。そして発呼側の携帯電話機は受信した信号に基づいて、通話が残り1分であることを示す情報を表示してもよいし、受信した信号に基づいて、通話時間が残り1分であることを示す音声メッセージを報知してもよい。
(4)上記実施の形態においては、通話時間が残り1分になったタイミングで、その旨を示す音声メッセージを報知することとした。しかし、この1分は例えば、残り30秒など、別の時間であってもよい。
【0052】
さらには、1回だけでなく、通話時間が残り2分、1分、30秒になったときなど、複数回にわたって通話時間の残り時間を報知してもよい。
(5)上記実施の形態では、通話を強制終了した後のことを特に記述しなかったが、通話の強制終了をした場合に、その旨を示すアイコン等をディスプレイに表示してもよい。
【0053】
これにより、通話を強制終了した場合には、話題が中途のまま終わっていた場合にも、ユーザに後々、通話が途中であったことを認識させることができる。
【0054】
更には、通話を強制終了した後、ユーザは通話できない状態が継続することが考えられる。よって、通話の強制終了を実行した場合には、制御部170が、自機をバイブレータの振動による着信等の報知を行うマナーモードに設定する構成にしてもよいし、電源を落とす構成にしてもよい。
【0055】
通話を強制終了した後は、ユーザは電車への乗車、会議への出席など、通話できない場合が多いことが考えられる。そのような状態においては、音声による報知を行うことは周囲に対して迷惑をかけることになるので、マナーモードに設定することが望ましいが、上記構成を備えることで、電話機は自動的にマナーモードに移行することができる。
(6)上記実施の形態では、着呼側の携帯電話機で発声された通話終了1分前の音声メッセージが、携帯電話機のマイクに拾われることで、発呼側の電話機にも通達することとした。しかし、これは、直接、報知メッセージの音声パケットを送信して発呼側の電話機のスピーカーから報知することとしてよい。
(7)上記実施の形態では、発呼側携帯電話機が、通話可否信号を着呼側電話機に送信し、着呼側携帯電話機のユーザがオフフックキーを押下することで通話を開始することとした。これは、発呼側携帯電話機でユーザが通話時間の制限された通話を実行することを了解する旨の操作を行ったことをトリガに通話を開始することとしてもよい。
(8)上記実施の形態では、発呼側携帯電話機が、時間情報を受信し、受信した時間情報で示される時間を予め記憶している文書の該当箇所に当てはめて、例えば、図3(a)のようなGUIを表示することとした。しかし、これは、発呼側携帯電話機ではなく、着呼側電話機が入力された時間情報で示される時間を、予め記憶している文書の該当箇所に当てはめて、文書データを発呼側電話機に送信してもよい。そして、発呼側電話機は、送信されてきた文書データを表示してもよい。
(9)上記実施の形態では、タイマは時間をカウントダウンすることとしたが、時間を0からカウントアップしていき、制御部170がその時間をモニタして、指定されている時間になっているかで、通話終了1分間の警告や、通話終了の制御を行ってもよい。
(10)上記実施の形態における着呼側の電話機から発呼側電話機への時間情報の送信は、時間情報が伝達されればどのような回線であってもよく、例えば、着呼側電話機から、発呼側電話機に対してアドレス帳の対応などからメールアドレスを検索できるならば、検索されたメールアドレス宛のメールという形式で伝達されてもよい。
(11)上記実施の形態においては発呼中における音声の報知については特に記載しなかったが、音声によって着呼があったことを報知していた場合であって、時間情報が着呼側の電話機に入力されたときには、この報知の音声を消音する、あるいはバイブレータによる振動に切り替えてもよい。
(12)上記実施の形態においては、通話開始後、時間情報で示される時間が経過した場合には、通話を終了することとした。しかし、通話を終了するのではなく、時間情報で示される時間が経過したことを予め記憶してある音声などにより、指定された時間が経過したことを報知するだけに留めてもよい。
(13)上記実施の形態で示した通信に係る動作、着呼前に通話可能な時間を発呼側の電話機に通達し、通達した時間内に通話を終了する処理(図5参照)を携帯電話機等のプロセッサ、及びそのプロセッサに接続された各種回路に実行させるためのプログラムコードからなる制御プログラムを、記録媒体に記録すること、又は各種通信路等を介して流通させ頒布させることもできる。このような記録媒体には、ICカード、ハードディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、ROM等がある。流通、頒布された制御プログラムはプロセッサに読み出され得るメモリ等に格納されることにより利用に供され、そのプロセッサがその制御プログラムを実行することにより、実施形態で示したような各種機能が実現されるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明に係る電話機は、着呼時に通話時間を制限できる電話機として携帯電話機などに活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】携帯電話機100の概観図である。
【図2】携帯電話機100の機能構成を示した機能ブロック図である。
【図3】(a)は発呼中に発呼側の電話機に表示される画面の一例である。(b)は、着呼中に着呼側の電話機に表示される画面の一例である。
【図4】発呼側携帯電話機200と着呼側携帯電話機100のやり取りを示したタイミングチャートである。
【図5】携帯電話機100の着呼から通話終了までの動作を示したフローチャートである。
【符号の説明】
【0058】
100 携帯電話機
110 通信部
111 アンテナ
120 操作部
130 音声処理部
131 マイク
132 スピーカー
140 表示部
150 タイマ
160 記憶部
170 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着呼時にユーザから時間情報の入力を受け付ける受付手段と、
受け付けた時間情報を発呼側の電話機に送信する送信手段と、
通話の開始とともに、経過時間を計測する計測手段と、
前記経過時間と前記時間情報で示される時間とを比較し、比較した結果に応じた所定の制御を実行する制御手段とを備える
ことを特徴とする電話機。
【請求項2】
前記携帯電話機は、更に、
前記送信手段が送信した時間情報に応答して前記発呼側の電話機が返信してきた通話可否信号に応じて、通話を実行するか否かを決定する決定手段を備える
ことを特徴とする請求項1記載の電話機。
【請求項3】
前記制御手段は、前記経過時間が前記時間情報で示される時間を超過すると、前記所定の制御として通話を終了する
ことを特徴とする請求項1記載の電話機。
【請求項4】
前記携帯電話機は、更に、
前記経過時間が計測され始めてから前記時間情報で示される時間を超過するまでの間に、ユーザからの入力を受け付けて前記制御手段による通話の終了に関する制御を抑止する抑止手段を備える
ことを特徴とする請求項3記載の電話機。
【請求項5】
前記電話機は、更に、
前記制御手段が通話を終了させた場合に、自機の設定を、着信があったときに音声で報知しないマナーモードに設定する設定手段を備える
ことを特徴とする請求項3記載の電話機。
【請求項6】
発呼中に、呼び出し先の電話機からの、通話時間に関する時間情報を受信する受信手段と、
前記時間情報で示される時間を表示する表示手段と、
前記時間の表示後にユーザから通話を実行するか否かを示す入力を受け付ける受付手段と、
前記受付手段で受け付けた内容に従って、通話を実行するか否かの情報を含む通話可否信号を発呼先の電話機に送信する送信手段とを備える
ことを特徴とする電話機。
【請求項7】
着呼時にユーザから時間情報の入力を受け付ける時間情報受付手段と、
受け付けた時間情報を発呼側の電話機に送信する送信手段と、
前記時間情報の送信に応答して発呼側電話機から返信された通話可否信号に応じてユーザからのオフフック操作を受け付けるオフフック受付手段と、
通話の開始とともに、経過時間を計測する計測手段と、
前記経過時間と前記時間情報で示される時間とを比較し、比較した結果に応じた所定の制御を実行する制御手段とを備える着呼側電話機と、
前記時間情報を受信して、当該時間情報で示される時間を表示する表示手段と、
前記時間の表示後にユーザから、通話を実行するか否かを示す入力を受け付ける入力受付手段と、
前記入力受付手段で受け付けた内容に従って、通話を実行するか否かの情報を含む通話可否信号を送信する送信手段とを備える発呼側電話機とを含んで構成される通話システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−212600(P2009−212600A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−51100(P2008−51100)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】