説明

電話機

【課題】 利便性を向上することのできる電話機を提供する。
【解決手段】 通話中の相手先に電話番号を通知する番号通知キー49を設け、番号通知キー49を操作した際に電話帳データの一件のデータが選択されているときは該データの電話番号を通知し、発信履歴の一件のデータが選択されているときは該データの電話番号を通知し、着信履歴の一件のデータが選択されているときは該データの電話番号を通知する。また、番号通知キー49を操作する直前に短縮ダイヤルの登録番号を入力する数字キーが操作されているときは該短縮ダイヤルの登録番号に対応する電話番号を通知する。これらの何れも行われていないときは電話機1自身の電話番号を通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話番号通知機能を有する電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電話機は特許文献1に開示されている。この電話機は電話帳データを記憶でき、通話中に電話帳データから選択したデータの電話番号を相手先に送信して通知できるようになっている。これにより、携帯型電話機のように電話帳データの表示部と通話部とが一体の電話機において、表示部に表示された電話番号を使用者が記憶して相手先に伝える必要がない。このため、正確に電話番号を通知することができる。
【特許文献1】特開2004−56518号公報(第4頁−第9頁、第1図)
【特許文献2】特開平11−205852号公報(第2頁−第3頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の電話機によると、電話帳データに所望の電話番号のデータがないと通知できない場合や、電話帳データから所望のデータを見つけられずに手間がかかる場合がある。また、使用者自身の電話機の電話番号を通知することができない。このため、電話機の利便性が悪い問題があった。
【0004】
本発明は、利便性を向上することのできる電話機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明は、 通話中の相手先に電話番号を通知する番号通知指示手段を設け、前記番号通知指示手段を操作した際に、
電話帳データの一件のデータが選択されているときは該データの電話番号を通知し、
発信履歴の一件のデータが選択されているときは該データの電話番号を通知し、
着信履歴の一件のデータが選択されているときは該データの電話番号を通知し、
電話帳データ、発信履歴及び着信履歴のデータが選択されていないときは自装置の電話番号を通知することを特徴としている。
【0006】
この構成によると、通話中に電話帳データ、発信履歴、着信履歴のいずれかの一件のデータを選択して番号通知指示手段を操作すると該データの電話番号が相手先に通知される。また、電話帳データ、発信履歴、着信履歴のいずれかのデータを選択せずに番号通知指示手段を操作すると使用者自身の電話機の電話番号が相手先に通知される。番号通知指示手段はキー、ボタン、タッチパネル等から成る。
【0007】
また本発明は、上記構成の電話機において、前記番号通知指示手段を操作する直前に短縮ダイヤルの登録番号を入力する数字入力手段が操作がされているときは該短縮ダイヤルの登録番号に対応する電話番号を通知することを特徴としている。この構成によると、通話中に短縮ダイヤルの登録番号を入力した後に番号通知指示手段を操作すると短縮ダイヤルに対応する電話番号が相手先に通知される。
【0008】
また本発明は、上記構成の電話機において、通話音声を出力するスピーカを備え、電話番号の音声データを送信して音声により相手先に通知するとともに、該音声データの音声を前記スピーカから出力することを特徴としている。この構成によると、相手先の電話機及び使用者自身の電話機から音声で電話番号が通知される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、電話帳データに登録されたデータだけでなく、発信履歴及び着信履歴に記憶されたデータの電話番号を通知できるので、電話帳データに所望の電話番号が記憶されていない場合でも発信履歴や着信履歴に記憶されていれば相手先に通知できる。また、過去に発信または着信があった場合は電話帳データを探さなくても所望の電話番号を容易に探して相手先に通知できる。加えて、自分の電話番号を簡単に通知することができる。従って、電話機の利便性を向上させることができる。
【0010】
また本発明によると、短縮ダイヤルに登録された電話番号を相手先に通知できるので、電話機の利便性を更に向上させることができる。
【0011】
また本発明によると、相手先の電話機と使用者自身の電話機の両方に電話番号が音声で発せられるので、使用者は相手先に通知されたか否かを容易に判断できる。また、使用者は自分の音声が電話番号通知の音声と重ならないように、電話番号通知の終了を判断して通話を再開することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は一実施形態の電話機の構成を示すブロック図である。電話機1は携帯電話機から成り、詳細を後述するように通話部と表示部とが一体になっている。電話機1は、マイクロプロセッサ(不図示)を有して各部を制御する制御部30を備えている。制御部30にはGPS受信部12、電話通信部10、ベースバンド部14、切替部17、ROM31、RAM32、表示部34、バイブレータ35、入力部40が接続される。
【0013】
GPS受信部12はGPS(Global Positioning System)の通信衛星が発する電波をGPSアンテナ13を介して受信し、電波に含まれる位置情報を電気信号に変換して制御部30に出力する。GPS受信部12から出力された信号は制御部30に設けられたGPS処理部33で処理される。電話通信部10はベースバンド部14からの信号をアンテナ11を介して基地局へ送信するとともに、基地局からの電波をアンテナ11を介して受信する。
【0014】
ベースバンド部14はCDMA処理部15と音声コーデック16とを有している。CDMA処理部15は符号分割多元接続(Code Division Multiple Access)、スクランブル、誤り制御及びタイミング検出を行う。音声コーデック16は音声の圧縮(符号化)、音声の伸長(復号化)、アナログディジタル変換等を行う。
【0015】
ベースバンド部14には切替部17を介して増幅回路21、22、23が接続される。増幅回路21、22、23にはそれぞれスピーカ18、マイクロフォン19及び拡声スピーカ20が接続される。スピーカ18は受話を行い、マイクロフォン19は送話を行う。これにより通話を行う通話部が構成される。拡声スピーカ20は受話音を拡声して周囲に聞かせたり、着信報知の鳴動を行う。
【0016】
増幅回路21、22、23はゲイン固定になっている。このため、制御部30からの指令によって音声コーデック16がスピーカ18及び拡声スピーカ20の音量調整やマイクロフォン19の感度調整を行う。
【0017】
ROM31は制御部30により動作する動作プログラムや設定データを記憶する。RAM32は動作プログラム実行中の演算結果を一時保管する。また、RAM32は不揮発性になっており、使用者による設定データ、電話帳データ、着信履歴及び発信履歴を格納することができる。表示部34は液晶表示パネルから成り、電話番号等の視覚情報を表示する。バイブレータ35はマナーモード時に振動によって着信を報知する。
【0018】
入力部40はテンキー41、通話キー42、終話キー43、カーソルキー44、mailキー45、Webキー46、マナーキー47、登録キー48、番号通知キー49を有し、各種のユーザ操作を行う。
【0019】
テンキー41(数字入力手段)は数字や文字を入力する。通話キー42は通話を開始する。終了キー43は通話を終了する。カーソルキー44は表示部34の画面上のカーソルを上下左右に移動させる。mailキー45はメールモードに切り替える。Webキー46はインターネットモードに切り替える。マナーキー47はマナーモードに切り替える。登録キー48はキー操作を確定して入力データをRAM32に登録する。番号通知キー49(番号通知指示手段)は所定の電話番号を通話の相手先に通知するように指示する。
【0020】
上記構成の電話機1において、着信があると通話キー42を押下して通話が可能になる。テンキー41を押下して電話番号を入力した後に通話キー42を押下すると発信して通話可能になる。また、表示部34に表示されるメニューをカーソルキー44により操作し、電話帳データから所望の1件のデータを選択して表示することができる。このデータの電話番号を表示し、通話キー42を押下して発信することもできる。カーソルキー44の操作により発信履歴や着信履歴から所望の1件のデータを選択し、電話番号を表示して発信してもよい。
【0021】
また、予め所望の電話番号を短縮ダイヤルに登録することができる。テンキー41により所定の文字入力後に登録番号を入力操作すると、該登録番号の短縮ダイヤルに対応する電話番号に発信して通話することもできる。
【0022】
通話中に番号通知キー49を操作すると電話番号を相手先に通知することができる。図2は番号通知の動作を示すフローチャートである。ステップ#11ではキー操作を監視する。キー操作があるとステップ#12に移行し、テンキー41により短縮ダイヤルの登録番号(同図において「短縮番号」と記載する)に該当する数字が入力されたか否かが判断される。
【0023】
短縮ダイヤルの登録番号が入力された場合はステップ#15に移行して入力された短縮ダイヤルの登録番号がRAM32に記憶される。ステップ#16では短縮ダイヤルの登録番号が入力されたことを示すフラグFに1が代入される。そして、ステップ#11に戻り、次のキー操作を待機する。
【0024】
ステップ#12の判断により短縮ダイヤルの登録番号の入力でない場合はステップ#13に移行し、番号通知キー49が操作されたか否かが判断される。番号通知キー49の操作でない場合はステップ#14でフラグFに0が代入される。そして、ステップ#11に戻り、次のキー操作を待機する。この時、カーソルキー44や終話キー43等の操作によって各キー操作に応じた動作が行われる。
【0025】
番号通知キー49が操作されるとステップ#21で電話帳データから1件のデータを選択して表示部34に表示した状態か否かが判断される。電話帳データから1件のデータを選択した状態の場合はステップ#25に移行し、そのデータの電話番号が抽出される。電話帳データから1件のデータを選択した状態でない場合はステップ#22に移行する。
【0026】
ステップ#22では発信履歴から1件のデータを選択して表示部34に表示した状態か否かが判断される。発信履歴から1件のデータを選択した状態の場合はステップ#25に移行し、そのデータの電話番号が抽出される。発信履歴から1件のデータを選択した状態でない場合はステップ#23に移行する。
【0027】
ステップ#23では着信履歴から1件のデータを選択して表示部34に表示した状態か否かが判断される。着信履歴から1件のデータを選択した状態の場合はステップ#25に移行し、そのデータの電話番号が抽出される。着信履歴から1件のデータを選択した状態でない場合はステップ#24に移行する。
【0028】
ステップ#24ではフラグFが1か否かが判断される。フラグFが1の場合は番号通知キー49を操作する直前に短縮ダイヤルの登録番号を入力するテンキー41が操作されている。このため、ステップ#25に移行してRAM32に記憶された短縮ダイヤルの登録番号に対応する電話番号が抽出される。フラグFが0の場合は番号通知キー49の操作直前に短縮ダイヤルの登録番号が入力されていない。このため、ステップ#26に移行し、電話機1自身の電話番号が抽出される。
【0029】
ステップ#27では、ステップ#25、#26で抽出された電話番号が制御部30により音声データに変換される。ステップ#28では通話の相手先に音声データを送信する。これにより、相手先の電話機から音声によって電話番号が通知される。また、同時に電話機1自身のスピーカ18から該音声データの音声が出力される。
【0030】
本実施形態によると、電話帳データに登録されたデータだけでなく、発信履歴及び着信履歴に記憶されたデータの電話番号や短縮ダイヤルに登録された電話番号を通知できるので、電話帳データに所望の電話番号が記憶されていない場合でも相手先に通知できる。また、過去に発信または着信があった場合は電話帳データを探さなくても所望の電話番号を容易に探して相手先に通知できる。加えて、自分の電話番号を簡単に通知することができる。従って、電話機1の利便性を向上させることができる。
【0031】
また、相手先の電話機と使用者自身の電話機1の両方に電話番号が音声で発せられるので、使用者は相手先に通知されたか否かを容易に判断できる。また、使用者は自分の音声が電話番号通知の音声と重ならないように、電話番号通知の終了を判断して通話を再開することができる。
【0032】
本実施形態において携帯電話機について説明しているが、卓上型の電話機であってもよい。また、入力部40は操作キーから成るが、押しボタンやタッチパネルにより構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、電話番号通知機能を有する携帯電話機や卓上型の電話機に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態の電話機の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施形態の電話機の番号通知の処理を示すフローチャート
【符号の説明】
【0035】
1 電話機
10 電話通信部
12 GPS受信部
14 ベースバンド部
17 切替部
18 スピーカ
19 マイクロフォン
20 拡声スピーカ
21、22、23 増幅回路
30 制御部
31 ROM
32 RAM
34 表示部
35 バイブレータ
40 入力部
41 テンキー
49 番号通知キー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通話中の相手先に電話番号を通知する番号通知指示手段を設け、前記番号通知指示手段を操作した際に、
電話帳データの一件のデータが選択されているときは該データの電話番号を通知し、
発信履歴の一件のデータが選択されているときは該データの電話番号を通知し、
着信履歴の一件のデータが選択されているときは該データの電話番号を通知し、
電話帳データ、発信履歴及び着信履歴のデータが選択されていないときは自装置の電話番号を通知することを特徴とする電話機。
【請求項2】
前記番号通知指示手段を操作する直前に短縮ダイヤルの登録番号を入力する数字入力手段が操作がされているときは該短縮ダイヤルの登録番号に対応する電話番号を通知することを特徴とする請求項1に記載の電話機。
【請求項3】
通話音声を出力するスピーカを備え、電話番号の音声データを送信して音声により相手先に通知するとともに、該音声データの音声を前記スピーカから出力することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電話機。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−88867(P2007−88867A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−275776(P2005−275776)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】