説明

電話送受話器、基地、及び送受話器のソフトウェアを更新するための関連する方法

【課題】本発明は、電話送受話器、基地、及び送受話器のソフトウェアを更新するための関連する方法に関する。
【解決手段】通信基地(1.11)は、ソフトウェアアプリケーションにより動作する通信装置(1.1)と通信する無線インターフェース(1.4)と、充電器回路(1.12)と、ソフトウェアの新しいバージョンを検出する手段(1.22)とを有する。通信基地は、前記充電器回路(1.12)が前記通信装置のバッテリー(1.20)充電回路(1.2)へ接続される場合に、新しいソフトウェアバージョンの有効性を無線手段を介して通信装置に通知する手段と、通信装置へ新しいソフトウェアバージョンを送信する手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話送受話器、基地、及び送受話器のソフトウェアを更新するための関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、ソフトウェアアプリケーションにより動作する電話送受話器と、送受話器が基地で充電中である場合にソフトウェアの更新を可能にする基地とに関する。この基地がネットワークへ接続されている場合には、電話送受話器のソフトウェアは、ネットワークを介してソフトウェアの更新を受信する。
【0003】
本発明は、また、基地により送受話器の新しいソフトウェアの読み込みを実行するための方法に関する。
【特許文献1】欧州特許第1536654号
【特許文献2】米国特許第5689825号
【特許文献3】英国特許公開第2310344号
【特許文献4】独国特許出願公開10054943号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上より、本発明は、ソフトウェアアプリケーションにより動作する通信装置と通信する無線インターフェースと、充電器回路と、ソフトウェアの新しいバージョンを検出する手段とを有する通信基地を提供することを目的とする。
【0005】
また、本発明は、基地と通信する無線インターフェースと、充電回路と、ユーザインターフェースとを有し、ソフトウェアにより動作する通信装置を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、基地と通信する無線インターフェースと、充電回路と、ユーザインターフェースとを有し、ソフトウェアアプリケーションにより動作する電話送受話器において前記ソフトウェアの新しいバージョンをダウンロードする方法を提供することを目的とする。当該方法は、前記基地から前記新しいソフトウェアバージョンの有効性に関する情報を受信するステップを有する。
【0007】
また、本発明は、ソフトウェアアプリケーションにより動作する電話送受話器と通信する基地において、前記ソフトウェアの新しいバージョンをダウンロードするための方法を提供することを目的とする。前記基地は、また、前記送受話器と通信するための無線インターフェースと、充電器回路と、前記ソフトウェアの新しいバージョンを検出する手段とを有する。当該方法は、新しいソフトウェアバージョンを検出するステップと、前記新しいソフトウェアバージョンが前記送受話器によってサポートされることを確認するステップと、前記基地により前記新しいソフトウェアバージョンの有効性について前記送受話器に通知するステップとを有する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に従って、当該基地は、前記新しいソフトウェアバージョンの有効性を無線手段を介して前記通信装置に通知する手段と、前記充電器回路が前記通信装置のバッテリー充電回路へ接続される場合に前記通信装置へ前記新しいソフトウェアバージョンを送信する手段とを有する。
【0009】
予期しない方法で、当該基地は、無線リンクによってソフトウェアの新しいバージョンを自動的には送信しない。しかし、当該基地は、新しいソフトウェアバージョンが有効であると送受話器に通知する。前記送受話器は、現在のソフトウェアバージョンにより動作し続け、新しいソフトウェアバージョンは、前記送受話器が前記バッテリー充電回路を介して当該基地へ接続される場合にのみダウンロードされる。
【0010】
一実施形態に従って、前記通信装置へ前記新しいソフトウェアバージョンを送信する手段は、前記充電器回路を使用する。
【0011】
実施されるメカニズムは、当該基地と前記送受話器との間の充電接点を使用しており、従って、更なるコネクタは不要である。如何なる特定の操作も実行するようユーザに要求する必要はない。更新は、ユーザに完全に透過な方法で実現可能である。実施されるメカニズムは、送受話器に加えられるべき如何なる余分のメモリも必要としない。前記充電回路による動作の利点は、一時的に新しいアプリケーションを格納するための余分のメモリを必要としない点である。更に、ダウンロードするプログラムにより占有される空間は、また、著しく低減され、ソフトウェアの新しいバージョンを読み込むために特別に無線プロトコルをサポートする必要はない。
【0012】
一実施形態で、当該通信基地は、前記新しいソフトウェアとの前記通信装置の互換性を確認する手段を有する。
【0013】
実際には、当該基地へ接続された全ての送受話器が、同じソフトウェアバージョンと互換性があるようサポートされているわけではなく、新しいバージョンは、ある送受話器にのみ関連しうる。
【0014】
一実施形態に従って、前記充電回路による通信は、万能非同期送受信機(UART)通信プロトコルにより実行される。
【0015】
一実施形態に従って、当該通信基地は、家庭内無線電話用の基地である。
【0016】
一実施形態に従って、前記無線リンクは、デジタル・エンハンスド・コードレス・コミュニケーション規格に従う。
【0017】
一実施形態に従って、当該通信基地は、前記ソフトウェアの新しいバージョンを検出し、ダウンロードするための通信ネットワークへのインターフェースを有する。
【0018】
本発明に従って、当該通信装置は、基地によって新しいソフトウェアバージョンを通知される場合に、ユーザインターフェースで前記ソフトウェアの新しいバージョンの有効性を示す手段を有する。
【0019】
ソフトウェアは、無線リンクを介して自動的にダウンロードされない。しかし、送受話器は、新しいバージョンの有効性を通知される。ユーザは、また、送受話器のユーザインターフェースを介して、その新しいバージョンが利用可能であるかどうかを知ることができる。ユーザは、その新しいバージョンが利用可能であるかどうかを確認する必要はなく、その確認は基地により自動的に起こる。
【0020】
一実施形態に従って、当該通信装置は、前記充電回路が前記基地の充電器回路へ接続される場合に前記ソフトウェアの新しいバージョンを受信する手段を有する。
【0021】
一実施形態に従って、前記新しいソフトウェアバージョンを受信する前記手段は、前記充電回路を使用する。
【0022】
一実施形態に従って、当該通信装置は、電話送受話器である。
【0023】
本発明に従って、当該方法は、新しいソフトウェアの有効性の、前記送受話器のユーザインターフェースでの表示ステップを有する。
【0024】
一実施形態に従って、当該方法は、前記送受話器の充電回路が前記基地の充電器回路へ接続される場合に前記ソフトウェアの新しいバージョンをダウンロードするステップを有する。
【0025】
本発明に従って、送受話器の充電回路が基地の充電器回路へ接続される場合に、当該方法は、前記送受話器のソフトウェアが更新されるべきことを確認するステップと、前記送受話器に前記基地の新しいバージョンをダウンロードするステップとを有する。
【0026】
一実施形態に従って、当該方法は、前記送受話器の充電回路が前記基地の充電器回路へ接続される場合に前記ソフトウェアの新しいバージョンをダウンロードするステップを有する。
【0027】
一実施形態に従って、前記ダウンロードステップは、ネットワークに置かれたサーバと前記送受話器との間で発生する。
【発明の効果】
【0028】
本発明により、基地と送受話器との間の充電接点を使用することにより、更なるコネクタは不要となる。また、如何なる特定の操作も実行するようユーザに要求する必要はない。更新は、ユーザに完全に透過な方法で実現可能である。更に、本発明は、送受話器に加えられるべき如何なる余分のメモリも必要としない。即ち、充電回路による動作の利点は、一時的に新しいアプリケーションを格納するための余分のメモリを必要としない点である。更に、ダウンロードするプログラムにより占有される空間は、また、著しく低減され、ソフトウェアの新しいバージョンを読み込むために特別に無線プロトコルをサポートする必要はない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明は、別途添付された図面を参照して、限定されずに、以下の実施例を用いて説明される。
【実施例】
【0030】
図1で、示されるモジュールは、物理的に区別できるユニットに対応しうる、又は対応し得ない機能ユニットである。例えば、これらのモジュール又はそれらの幾つかは、単一の構成要素に集められうる、あるいは同じソフトウェアの機能を構成する。逆に、幾つかのモジュールは、場合により、別個の物理的実体から構成されうる。同じ参照符号は、異なる図面において同一又は類似する要素を示す。
【0031】
図1は、本実施例に従う送受話器1.1及び基地1.11を示す。
【0032】
送受話器1.1は、CPUとしても表され、メモリ1.5及びメモリ1.10を制御する処理装置1.3と、無線インターフェース1.4と、充電回路1.2とを有する。これらは、内部通信バス1.8により接続されている。メモリ1.5は、アプリケーションソフトウェア1.6を有する。メモリ1.10は、以後ブートメモリと呼ばれ、例えば、フラッシュメモリであっても良い。ブートメモリ1.10は、スターターソフトウェア1.7を有する。スターターソフトウェア1.7は、送受話器1.1が起動される場合に処理装置1.3で自動的に実行される。送受話器の動作モードでは、スターターソフトウェア1.7は、アプリケーションソフトウェア1.6が不可欠であることを確認する。次に、スターターソフトウェア1.7は、送受話器にその通常モードでその機能の全てを動作させるように、アプリケーションソフトウェア1.6を処理装置1.3上に読み込む。送受話器の機能とは、特に、DECTプロトコル及びアプリケーション、ユーザインターフェース、並びに電話サービスである。
【0033】
送受話器1.1は、また、ユーザインターフェース1.9を有する。本実施例で、ユーザインターフェース1.9は、スクリーン及びキーパッドにある。送受話器1.1は、また、基地1.11から充電回路1.2を介して再充電されるバッテリー1.20を有する。バッテリー1.20は、送受話器1.1の正確な動作のために必要とされるエネルギーを供給する。
【0034】
基地1.11は、内部通信バス1.18によって接続された、CPUとも呼ばれる処理装置1.13と、メモリ1.15と、無線インターフェース1.14と、充電器回路1.12と、モデム1.16と、ネットワークインターフェース1.17とを有する。
【0035】
メモリ1.15は、送受話器、及び送受話器によってサポートされるソフトウェアのバージョンに関する識別モジュール1.21と、新しい利用可能なソフトウェアバージョンに関する検出モジュール1.22と、送受話器のソフトウェアを更新するモジュール1.23とを有する。更新モジュール1.23は、また、ソフトウェアの新しいバージョンの有効性を送受話器に通知するよう設計される。
【0036】
ネットワークインターフェース1.17は、基地1.11がDSL型リンクを介してインターネット形式のネットワーク(TCP/IPプロトコル)へ接続されることを可能にする。ネットワークインターフェース1.17は、また、電話用途が実施されることを可能にするよう電話ネットワークへ基地1.11をリンクすることもできる。
【0037】
本実施例で、無線インターフェースは、DECT規格と互換性を有する。送受話器1.1は、DECT電話である。
【0038】
他の実施例に従って、無線インターフェースは、例えばBluetooth(登録商標)又はWi−Fi規格に準拠する他の形式の無線ローカルネットワークとの互換性を有しても良い。
【0039】
本実施例で、充電回路1.2は、基地1.11と送受話器1.1との間の通信リンクとして、それらが充電回路1.2により接続される場合に使用される。充電回路1.2の物理インターフェースは、一方で基地1.11にあり、他方で送受話器1.1にある、図1では符号‘+’及び‘−’により表される2つの充電接点により構成される。この物理層、即ち、UARTと表記される万能非同期送受信機(Universal Asynchronous Receeiver Transmitter)の上では、ハーフデュプレックスとも呼ばれる双方向交流プロトコルが、また、実施される。このリンク上のフローは、115kbpsに達する、又はそれを超えることがある。主要物理層について、以下で更に説明する。
【0040】
送受話器でソフトウェアの更新を実施するためにUART上で使用されるプロトコルは、操作におけるエラーの場合でさえソフトウェアのインテグリティを確実にし、送受話器に加えられるべき余分のメモリを必要としない。このプロトコル、及び物理インターフェースの制御を実施するソフトウェアは、このブートメモリに物理的に格納される。このブートメモリは、アプリケーションソフトウェアを含むメモリに対して極めて小さい。
【0041】
図2は、基地1.11及び送受話器1.1を示す。基地1.11は、ネットワークインターフェース1.17を介してネットワーク2.1へ接続されている。これは、新しいソフトウェアバージョンを有するサーバ2.2へのアクセスを提供する。本実施例で、基地1.11は、新しい利用可能なソフトウェアバージョンを検出するように、定期的にサーバ2.2を調べる。他の実施例で、サーバ2.2は、新しいソフトウェアバージョンが利用可能である場合に基地1.11に通知する。
【0042】
図3は、基地が送受話器により使用されるソフトウェア又はファームウェアの新しいバージョンの有効性に関する情報を受信する場合の、無線リンクを介する基地と送受話器との間の交換を示す。このような交換において、送受話器は、その通常の動作モードにある。
【0043】
ソフトウェアの新しいバージョンは、基地1.11によって初期設定でダウンロードされない。基地1.11は、新しいソフトウェアバージョンが利用可能であると決定するために、インターネットネットワークに置かれたサーバ2.2を調べる。新しいソフトウェアバージョンが利用可能である(3.1)場合に、基地1.11は、送受話器1.1の幾つかが新しいバージョンにより影響を及ぼされるかどうかを判断するよう送受話器1.1に尋ね(3.2)、これらの送受話器1.1が異なるモデルであって、従って、互いに異なるバージョンをサポートしうることを知る。基地1.11は、関連する送受話器1.1のリストを作成し(3.3)、次に、関連する送受話器1.1に警告する(3.4)。送受話器1.1に対する警告は、待ち受け画面に現れる吹き出しであり、待ち受け画面には「更新可能。今すぐインストールしますか?」というメッセージが表示される。基地1.11は、送受話器1.1による承認を受けて、新しいソフトウェアを読み込む。
【0044】
最後に、基地1.11は、送受話器1.1を更新する決定をする。即ち、更新は、送受話器1.1が基地1.11へ接続されている場合に起こりうる。
【0045】
基地1.11は、ソフトウェアの新しいバージョンが利用可能であることを知る場合に、そのバージョンを自動的にダウンロードしない。基地1.11は、送受話器1.1が新しいバージョンに関係があることを予め確実にする。他の実施例では、基地1.11は、送受話器1.1が影響を及ぼされるかどうかを確認する前にソフトウェアの新しいバージョンをダウンロードする。
【0046】
ソフトウェアの新しいバージョンによって影響を及ぼされる送受話器の確認の間に、基地1.11は、新しいバージョンとの互換性を確立するよう送受話器1.1からの情報を要求する。夫々の送受話器1.1に関して、基地1.11は、送受話器1.1の識別子と、サポートされるソフトウェアのバージョンとを確認する。本実施例で、送受話器1.1の識別子は、DECT規格で定められたものに対応し、それは、IPEIと記されるインターナショナル・パーソナル・イクイップメント・アイデンティティである。
【0047】
図4は、更新を継続するよう基地により決定された場合のソフトウェアの更新ステップを示す。
【0048】
更新のキネマティクスは、以下の通りである:
送受話器1.1は、充電回路1.2により基地1.11へ接続する。送受話器1.1が基地1.11へ接続される(4.1)場合に、基地1.11は、送受話器1.1が、実際に、更新に関連する送受話器のリストの一部であるかどうかを確認する(4.2及び4.3)。この場合に、送受話器1.1は起動する(4.4)。そうでない場合には、送受話器1.1は、更新されずに、使用可能なままである(4.12)。即ち、送受話器1.1は、その動作の通常モードにある。
【0049】
起動後、もはやその通常動作モードにはない送受話器1.1は、例えば100msでありうる期間に、ダウンロード要求メッセージを待つ(4.5)。メッセージがその期間中に受信されない場合には、更新は実行されず、ソフトウェア全体が確認される(4.10)。メッセージが受信される(4.6)場合には、データ転送モードのネゴシエーションが基地1.11と送受話器1.1との間で行われる(4.7)。これは、例えば、送受話器1.1の種類の決定、ダウンロードすべきアプリケーションのサイズの決定、及び送信ブロックのサイズの決定を有する。
【0050】
データが送信される(4.8及び4.9)。データ送信は、連続したブロックで行われる。夫々のブロックの受信は、受信の確認応答によって送受話器1.1により認証される。
【0051】
ブロックが送信された場合に、ソフトウェアのインテグリティが確認される(4.10)。符号定数が負である場合には、送受話器はダウンロードメッセージを待つ状態となる(4.5)。符号定数が正である場合には、ソフトウェアは起動することができる(4.11)。その場合に、送受話器は再び使用可能となる(4.12)。
【0052】
他の実施例で、充電回路1.2が基地1.11と送受話器1.1とを接続する場合に、送受話器1.1と基地1.11との間で使用される通信リンクは、充電回路1.2のリンクとは異なる。通信リンクは、例えば、無線リンクであっても良い。
【0053】
バッテリー充電による基地1.11と送受話器1.1との間の通信インターフェースの動作原理は、以下の通りである:基地1.11の充電電圧は、基地1.11の充電器回路1.12を介して、基地1.11の処理装置1.13により制御される。送受話器1.1によって引き込まれる電流は、送受話器1.1の充電回路1.2を介して、送受話器1.1の処理装置1.3によって制御される。
【0054】
図5及び図6は、トランジスタ及び抵抗を用いた基地及び送受話器の充電器回路を示す。図5で示されるように、基地1.11の充電器回路1.12において、基地1.11の処理装置1.13から入力される信号CHARGER_DIALOG_ENABLEは、通常、低論理レベルにある。故に、トランジスタQ4は飽和する。これは、トランジスタQ1を飽和させる効果を有する。充電電圧(一般的に9V)は、基地1.11の正及び負の接点の間に存在しており、処理装置1.13のUARTは、他の機能のために使用されうる。遮断トランジスタQ3は、送受話器1.1のバッテリー充電電流とは無関係に、UARTの受信信号、即ちCPU_UART_RXDを高いレベルのままとする。
【0055】
データを送受話器1.1へ送るよう、処理装置1.13は、信号CHARGER_DIALOG_ENABLEを高論理レベル(3.3V)へ切り替える。この状況で、処理装置1.13のUARTの出力(非同期シリアルポート)CPU_UART_TXDは、バッテリー充電電圧を制御する。
【0056】
基地1.11での送信に関して、基地1.11のUARTプロトコルが高いレベルを発する場合に、充電電圧は、充電接点に存在する。即ち、CPU_UART_TXDが高論理レベルにある場合には、Q1は飽和し、充電電圧は基地1.11の接点にある。基地1.11のUARTプロトコルが低いレベルを発する場合に、充電電圧は充電接点で零である。即ち、CPU_UART_TXDが低論理レベルにある場合には、Q1は遮断され、これにより充電電圧が切断される。
【0057】
基地1.11がデータを受信するためには、CPU_UART_TXDは高レベルでなければならず、従って、充電電圧が存在すべきである。送受話器1.1が急速充電電流(一般的に150mAよりも多く、通常は例えば200mAである。)を切り替える場合に、抵抗R5の端子での電圧は、Q2を飽和させるのに十分である。これは、処理装置1.13のUARTの入力ポート(CPU_UART_RXD)で低レベルを送る。送受話器が充電電流を少しずつ流す(trickle)(一般的には50mAを下回り、例えば20mAである。)場合に、R5の端子での電圧は低すぎるので、Q2は遮断され、処理装置1.13はCPU_UART_RXDで高レベルを受け取る。
【0058】
送受話器1.1の充電回路1.2に関して、図6に示されるように、充電電圧は基地1.11の接点にあり、送受話器1.1の充電回路1.2は、送受話器1.1のUARTで高レベルを発生させる。充電電圧が基地1.11の接点にない場合には、送受話器1.1の充電回路1.2は、送受話器1.1のUARTで低レベルを発生させる。言い換えると、(6Vよりも大きい)十分な電圧が充電接点にある場合に、送受話器1.1内の処理装置1.3のシリアル受信信号UART_RXDは、高論理レベルを受信する。3VツェナーダイオードCR10は、処理装置1.3のこの入力での電圧が、充電電圧が閾値レベルをまたぐ場合に3Vを超えないことを可能にする。電圧が遮断される場合には、UART_RXDは低レベルにある。
【0059】
送受話器1.1の処理装置1.3から出力されるUARTレベル関して、出力UART_TXDが高レベルである場合にはトランジスタQ11は遮断され、これによりQ12が遮断され、次にQ13が遮断される。その場合にのみ、抵抗R13(120Ωの標準値を有する。)を介してほぼ30mA程度での細流充電でしかバッテリーは充電されない。UART_TXD出力が低レベルである場合には、Q11、Q12及びQ13は飽和し、これにより、バッテリーは(基地1.11において電流制限抵抗R4によって設定された)150mAよりも大きな高電流により再充電されることが可能となる。
【0060】
言い換えると、送受話器1.1のUARTが低レベルを発する場合に、送受話器1.1により引き込まれる充電電流は、急速充電電流に等しい。送受話器1.1のUARTが高レベルを発する場合には、送受話器1.1により引き込まれる充電電流は細流充電電流に等しい。送受話器1.1により引き込まれる電流が閾値(およそ100mA)よりも大きい場合には、基地1.11の充電器回路1.12は、基地1.11のUARTで低レベルを発生させる。送受話器1.1により引き込まれる電流が設定閾値よりも低い場合には、基地1.11の充電器回路1.12は、基地1.11のUARTで高レベルを発生させる。
【0061】
従って、基地と送受話器との間の通信の原理は、以下の通りである:
・基地の送信器が高レベルにある場合に、9V電圧が接点に存在し、これにより送受話器の受信器には高レベルが送られる;
・基地の送信器が低レベルにある場合に、電圧は遮断され、これにより送受話器の受信器には低レベルが印加される;
・送受話器の送信器が高レベルである場合に、バッテリー充電電流は低レベルであり、これにより基地の受信器には高レベルが送信される;
・送受話器の送信器が低レベルである場合に、バッテリーの充電電流は高レベルであり、これにより基地の受信器へ低レベルが送信される。
【0062】
留意すべきは、基地が送信中(高残留レベル、充電電圧存在)でない場合にのみ送受話器が基地へデータを送信することができる点である。通信はハーフデュプレックスである。
【産業上の利用可能性】
【0063】
このメカニズムは、動作中の通信期間を除いて、送受話器の通常の充電動作を提供する。実際には、如何なる送信信号もないことは、標準の充電動作に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】実施例に従う送受話器及び基地のブロック図である。
【図2】送受話器及び基地の機能図である。
【図3】無線リンクを介する基地と送受話器との間の交換を表す図である。
【図4】ソフトウェアの更新ステップを明記する。
【図5】基地の充電器回路を示す。
【図6】送受話器の充電回路を示す。
【符号の説明】
【0065】
1.1 送受話器
1.10,1.15,1.5 メモリ
1.11 基地
1.12 充電器回路
1.13,1.3 処理装置
1.14,1.4 無線インターフェース
1.16 モデム
1.17 ネットワークインターフェース
1.18,1.8 内部通信バス
1.2 充電回路
1.20 バッテリー
1.21 識別モジュール
1.22 検出モジュール
1.23 更新モジュール
1.6 アプリケーションソフトウェア
1.7 スターターソフトウェア
1.9 ユーザインターフェース
2.1 ネットワーク
2.2 サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソフトウェアアプリケーションにより動作する通信装置と通信する無線インターフェースと、充電器回路と、前記ソフトウェアの新しいバージョンを検出する手段とを有する通信基地であって、
前記新しいソフトウェアバージョンの有効性を無線手段によって前記通信装置に通知する手段と、
前記充電器回路が前記通信装置のバッテリーの充電回路へ接続される場合に前記通信装置へ前記新しいソフトウェアバージョンを送信する手段とを有することを特徴とする通信基地。
【請求項2】
前記通信装置へ前記新しいソフトウェアバージョンを送信する手段は、前記充電器回路を使用することを特徴とする請求項1記載の通信基地。
【請求項3】
前記新しいソフトウェアとの前記通信装置の互換性を確認する手段を有することを特徴とする請求項1又は2記載の通信基地。
【請求項4】
前記充電器回路による通信は、万能非同期送受信機(UART)通信プロトコルにより実行される、ことを特徴とする請求項2記載の通信基地。
【請求項5】
家庭内無線電話用の基地であることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項記載の通信基地。
【請求項6】
前記無線インターフェースは、デジタル・エンハンスド・コードレス・コミュニケーション(DECT)規格に従う、ことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の通信基地。
【請求項7】
前記ソフトウェアの新しいバージョンを検出し、ダウンロードするための通信ネットワークへのインターフェースを有することを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の通信基地。
【請求項8】
基地と通信する無線インターフェースと、充電回路と、ユーザインターフェースとを有し、ソフトウェアにより動作する通信装置であって、
前記基地によって新しいソフトウェアバージョンを通知される場合に、前記ユーザインターフェースで前記ソフトウェアの新しいバージョンの有効性を示す手段を有することを特徴とする装置。
【請求項9】
前記充電回路が前記基地の充電器回路へ接続される場合に前記ソフトウェアの新しいバージョンを受信する手段を有する、ことを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項10】
前記新しいソフトウェアバージョンを受信する前記手段は、前記充電回路を使用する、ことを特徴とする請求項9記載の装置。
【請求項11】
電話送受話器である、ことを特徴とする請求項8乃至10のうちいずれか一項記載の装置。
【請求項12】
基地と通信する無線インターフェースと、充電回路と、ユーザインターフェースとを有し、ソフトウェアアプリケーションにより動作する電話送受話器において、前記基地からの前記新しいソフトウェアバージョンの有効性に関する情報の受信段階を有し、前記ソフトウェアの新しいバージョンをダウンロードするための方法であって、
前記新しいソフトウェアの有効性の、前記送受話器のユーザインターフェースでの表示ステップを有することを特徴とする方法。
【請求項13】
前記送受話器の充電回路が前記基地の充電器回路へ接続される場合に前記ソフトウェアの新しいバージョンのダウンロードステップを有する、ことを特徴とする請求項12記載の方法。
【請求項14】
ソフトウェアアプリケーションにより動作する電話送受話器と通信し、前記送受話器と通信するための無線インターフェースと、充電器回路と、前記ソフトウェアの新しいバージョンを検出する手段とを有する基地において、新しいソフトウェアバージョンの検出段階と、前記新しいソフトウェアバージョンが前記送受話器によってサポートされることを確認する段階と、前記基地により前記新しいソフトウェアバージョンの有効性について前記送受話器に通知する段階とを有し、前記ソフトウェアの新しいバージョンをダウンロードするための方法であって、
前記送受話器の充電回路が前記基地の充電器回路へ接続される場合に、
前記送受話器のソフトウェアが更新されるべきことを確認するステップと、
前記送受話器に前記基地の新しいバージョンをダウンロードするステップとを有することを特徴とする方法。
【請求項15】
前記送受話器の充電回路が前記基地の充電器回路へ接続される場合に前記ソフトウェアの新しいバージョンのダウンロードステップを有する、ことを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記ダウンロードステップは、ネットワークに置かれたサーバと前記送受話器との間で発生する、ことを特徴とする請求項14又は15記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−159120(P2007−159120A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−318559(P2006−318559)
【出願日】平成18年11月27日(2006.11.27)
【出願人】(506317277)
【Fターム(参考)】